JP6129014B2 - 蛍光検出装置および蛍光検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、被検出物に励起光を照射して、該被検出物が発生した蛍光を検出する蛍光検出装置および蛍光検出方法に関する。
近年、ライフサイエンスの分野において、蛍光検出装置が多く使われ始めている。蛍光検出装置は簡便でかつ検出感度が高いため、時には増幅工程と併用して、蛍光を発する化学物質により標識されたDNAなどの核酸の定量的な検出をする際に有効である。
例えば特許文献1には、励起光を試料に導光する投光用ファイバと、試料から発生した蛍光を導光する受光用ファイバと、投光用ファイバの出射端と、受光用ファイバの入射端を保持する保持手段とを備える装置が開示されている。
特開2009−14379号公報
しかしながら、特許文献1のように、励起光を導光するファイバと、蛍光を導光するファイバとを別個にした蛍光検出装置は、以下のような問題点を有する。
図1(a)および(b)は、励起光を導光するファイバと、蛍光を導光するファイバとを別個にした蛍光検出装置の問題点を説明するための図である。図1(a)は、励起光用ファイバ101から出射された励起光が対物レンズ103により試料S上に集光される様子を示す。また、図1(b)は、蛍光用ファイバ102から出射された蛍光が対物レンズ103により試料S上に集光される様子を示す。本来であれば、蛍光は試料Sで発生し、対物レンズ103を通って蛍光用ファイバ102に向かって進むが、ここでは説明を分かりやすくするために、蛍光の進行方向を逆向きに考える。
図1(a)および(b)に示すように、励起光用ファイバ101と蛍光用ファイバ102が別個である場合、対物レンズ103によって試料S上に形成される励起光用ファイバ101のコア端面の像(以下、「励起光スポット」と呼ぶ)と、対物レンズ103によって試料S上に形成される蛍光用ファイバ102のコア端面の像(以下、「蛍光スポット」と呼ぶ)は一致せず、互いにずれた位置にある。たとえば図1(a)および(b)の構成において、励起光スポットはA点、蛍光スポットはB点に結像する。励起光スポットA点では励起光の強度が最大となることから、試料Sから発生する蛍光の強度も最大である。しかしながら、励起光スポットA点で発生した蛍光は蛍光用ファイバ102に取り込まれない。また、光線逆進の原理から、蛍光スポットB点で発生した光は最大の立体角で蛍光用ファイバ102に取り込まれるが、蛍光スポットB点には励起光が照射されていないので、蛍光スポットB点から発生する蛍光はそもそも存在しない。この場合、対物レンズ103と試料S間の距離を調整し、励起光や蛍光のスポット以外の領域であって、各光束の重なる部分における蛍光を取り込む必要がある。例えば図1(a)および(b)において、試料Sを図示の状態から対物レンズ103により近づけた状態にする。すなわちデフォーカス状態にする必要がある。しかしながら、デフォーカス状態においては必然的に蛍光を高効率で取り込むことが困難となる。
このように、励起光用ファイバ101と蛍光用ファイバ102が別個である場合、強い蛍光信号を得るための潜在力に富む励起光スポットAと、発生した蛍光を最も効果的に蛍光用ファイバ102に取り込むことのできる蛍光スポットBとが全く重なっておらず、高強度の蛍光を検出するのが難しいという問題がある。なお、上記の特許文献1においては対物レンズについては明示されていないが、励起光の照射領域及び蛍光の取り込める領域の不整合が存在する点は同様である。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、蛍光の検出強度を高めることができる蛍光検出装置および蛍光検出方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の蛍光検出装置は、被検出物に対して励起光を照射し、該照射により被検出物から発生した蛍光を検出する蛍光検出装置であって、励起光を出射する励起光出射端を有する励起光用ファイバと、蛍光を入射する蛍光入射端を有する蛍光用ファイバと、励起光出射端および蛍光入射端と、被検出物との間に配置された対物レンズと、励起光出射端および蛍光入射端と対物レンズとの間に配置された、互いに逆方向を向いた2つの反射面を有する反射部材とを備える。反射部材の2つの反射面は、励起光用ファイバの光軸と蛍光用ファイバの光軸との間に位置している。
反射部材の2つの反射面が、励起光用ファイバの光軸および蛍光用ファイバの光軸と平行であってもよい。
2つの反射面間の中央が、励起光用ファイバの光軸と蛍光用ファイバの光軸間の中央に位置していてもよい。
反射部材は、2つの反射面が励起光出射端および蛍光入射端から対物レンズの入射面の直前まで延在するように配置されてもよい。
反射部材は、励起光出射端および蛍光入射端を超えて、励起光用ファイバと蛍光用ファイバとの間に延在してもよい。
反射部材は、表裏両面に反射面を有する反射板であってもよい。
反射部材は、平坦面同士が所定距離離間して配置された2つの直方体プリズムを備えてもよい。
対物レンズと被検出物との間に配置された、互いに逆方向を向いた2つの反射面を有する対物反射部材をさらに備えてもよい。
対物レンズは、1枚のレンズまたは複数のレンズの組み合わせから構成されてもよい。
対物レンズは、2つのレンズと、当該2つの前記レンズ間に配置された、互いに逆方向を向いた2つの反射面を有するレンズ間反射部材とを備えてもよい。
蛍光入射端の前に蛍光選択フィルタをさらに備えてもよい。また、励起光出射端の前に励起光選択フィルタをさらに備えてもよい。
本発明の別の態様もまた、被検出物に対して励起光を照射し、該照射により被検出物から発生した蛍光を検出する蛍光検出装置である。この装置は、励起光を出射する励起光出射端を有する、一または複数の励起光用ファイバと、蛍光を入射する蛍光入射端を有する、一または複数の蛍光用ファイバと、励起光出射端および蛍光入射端と、被検出物との間に配置された対物レンズと、励起光出射端および蛍光入射端と対物レンズとの間に配置された反射部材であって、励起光用ファイバと蛍光用ファイバを合わせた数をnとしたときに、nの2倍の数の反射面を有する反射部材とを備える。励起光用ファイバと蛍光用ファイバは、互いに光軸が平行になるよう配置されている。励起光用ファイバと蛍光用ファイバは、ファイバ端面をファイバの光軸方向から見たときに、n角形の各頂点に一つずつ配置されている。ファイバ端面をファイバの光軸方向から見たときに、隣接するファイバ間には2つの反射面が配置されている。
本発明のさらに別の態様は、上述の蛍光検出装置を用いて被検出物の蛍光を検出することを特徴とする蛍光検出方法である。
上記蛍光検出方法は、蛍光に基づいて得られる信号が最大になるように、および/または蛍光に基づいて得られる信号のばらつきが最小になるように、対物レンズの作動距離を調整するステップを備えてもよい。
上記蛍光検出方法は、蛍光に基づいて得られる信号が最大になるように、および/または蛍光に基づいて得られる信号のばらつきが最小になるように、励起光用ファイバおよび/または蛍光用ファイバの光軸と被検出物の表面とのなす角度を調整するステップを備えてもよい。
本発明によれば、蛍光の検出強度を高めることのできる蛍光検出装置および蛍光検出方法を提供できる。
図1(a)および(b)は、励起光を導光するファイバと、蛍光を導光するファイバとを別個にした蛍光検出装置の問題点を説明するための図である。 本実施形態に係る蛍光検出装置を説明するための図である。 図3(a)および(b)は、励起光用ファイバの励起光出射端から出射された光線を示す図である。 図4(a)および(b)は、蛍光用ファイバの蛍光入射端から出射された光線を示す図である。 本発明の第1実施例に係る蛍光検出装置を説明するための図である。 図5に示す蛍光検出装置における対物レンズの周辺部分の拡大図である。 本発明の第2実施例に係る蛍光検出装置を説明するための図である。 本発明の別の実施形態に係る蛍光検出装置を説明するための図である。 本発明のさらに別の実施形態に係る蛍光検出装置を説明するための図である。 図10(a)〜(d)は、本発明のさらに別の実施形態に係る蛍光検出装置を説明するための図である。 図11(a)〜(e)は、本発明のさらに別の実施形態に係る蛍光検出装置を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態に係る蛍光検出装置について説明する。
図2は、本実施形態に係る蛍光検出装置10を説明するための図である。蛍光検出装置10は、被検出物としての試料Sに対して励起光を照射し、該照射により試料Sから発生した蛍光を検出するものである。
図2に示すように、蛍光検出装置10は、励起光を出射する励起光出射端11aを有する励起光用ファイバ11と、蛍光を入射する蛍光入射端12aを有する蛍光用ファイバ12と、励起光出射端11aおよび蛍光入射端12aと試料Sとの間に配置された対物レンズ13と、励起光出射端11aおよび蛍光入射端12aと対物レンズ13との間に配置された反射板14とを備える。励起光用ファイバ11および蛍光用ファイバ12は、図2に示すように、励起光出射端11aにおける光軸Ax1と蛍光入射端12aにおける光軸Ax2とが平行となるように配置される。ここでは、対物レンズ13は倒立像を形成する光学系、すなわち像倍率が負の場合の光学系であった場合について記載するが、対物レンズ13が正立像を形成する場合、すなわち像倍率が正の場合の光学系であっても、同様の作用効果が得られる。なお、図1には対物レンズ13として便宜上1枚のレンズしか記載されていないが、対物レンズ13は、収差や作動距離の制約から、複数枚からなるレンズや回折格子などの集束機能を有する光学素子から構成されていてもよい。
反射板14は、表裏両面に反射面(第1反射面14aおよび第2反射面14b)を有する。第1反射面14aおよび第2反射面14bは、平行であり、且つ互いに逆方向を向いている。反射板14の第1反射面14aおよび第2反射面14bは、励起光用ファイバ11の励起光出射端11aにおける光軸Ax1と蛍光用ファイバ12の蛍光入射端12aにおける光軸Ax2との間に位置している。反射板14は、第1反射面14aが励起光用ファイバ11側に位置し、第2反射面14bが蛍光用ファイバ12側に位置するように配置されている。第1反射面14aおよび第2反射面14bは、励起光用ファイバ11の光軸Ax1および蛍光用ファイバ12の光軸Ax2と平行であることが好ましい。さらに、第1反射面14aと第2反射面14b間の中央は、励起光用ファイバ11の光軸Ax1と蛍光用ファイバ12の光軸Ax2間の中央に位置していることが好ましい。
次に図3(a)および(b)並びに図4(a)および(b)を用いて、本実施形態に係る蛍光検出装置10の動作について説明する。図3(a)および(b)は、励起光用ファイバ11の励起光出射端11aから出射された光線を示す。図4(a)および(b)は、蛍光用ファイバ12の蛍光入射端12aから出射された光線を示す。なお、図4(a)および(b)においても、説明を分かりやすくするために、蛍光の進行方向を逆向き、すなわち蛍光用ファイバ12から蛍光が出射され、対物レンズ13により試料S上に蛍光スポットが形成される、と考える。
本実施形態に係る蛍光検出装置10においては、図3(a)に示すように、励起光用ファイバ11からの励起光のうち約半分は、反射板14の第1反射面14aで反射した後、対物レンズ13によって集光され、試料S上のB点に励起光スポットを作る。同時に、図3(b)に示すように、反射板14の第1反射面14aに到達しない約半分の励起光は、対物レンズ13によって集光され、試料S上のA点に励起光スポットを作る。その結果、A点とB点に、ほぼ同じ明るさの励起光スポットを作ることができる。
一方、蛍光用ファイバ12からの蛍光のうち約半分は、図4(a)に示すように、反射板14の第2反射面14bで反射した後、対物レンズ13によって集光され、試料S上のA点に蛍光スポットを作る。同時に、図4(b)に示すように、反射板14の第2反射面14bに到達しない約半分の蛍光は、対物レンズ13によって集光され、試料S上のB点に蛍光スポットを作る。その結果、A点とB点に、ほぼ同じ明るさの蛍光スポットを作ることができる。
このように、本実施形態に係る蛍光検出装置10においては、励起光スポットと蛍光スポットがA点とB点の2箇所で一致する。それぞれのスポット近傍では、試料S上に照射される励起光の強度が最大となることから、試料Sから発生する蛍光の強度も最大となる。また、光線逆進の原理から、それぞれのスポット近傍で発生した蛍光は共に、大きな立体角で蛍光用ファイバ12に取り込まれる。
すなわち、図3(a)に示すように、励起光用ファイバ11の励起光出射端11aから出射した後、反射板14の第1反射面14aで反射した励起光は、対物レンズ13を介して試料S上のB点に励起光スポットを作る。この励起光スポットにより試料S上のB点から発生した蛍光は、図4(b)から分かるように、対物レンズ13を介して、第2反射面14bで反射せずに蛍光用ファイバ12の蛍光入射端12aに入射する。
一方、図3(b)に示すように、励起光用ファイバ11の励起光出射端11aから出射した後、反射板14の第1反射面14aに到達しない励起光は、対物レンズ13を介して試料S上のA点に励起光スポットを作る。この励起光スポットにより試料S上のA点から発生した蛍光は、図4(a)から分かるように、対物レンズ13を介して、第2反射面14bで反射して蛍光用ファイバ12の蛍光入射端12aに入射する。
このように、本実施形態に係る蛍光検出装置10によれば、励起光スポットと蛍光スポットとを一致させることができるため、蛍光の検出強度を高めることができる。なお厳密に考えると、図3(b)において励起光が集まるA点と図4(a)において蛍光が集まるA点は完全には一致せず、反射板14の厚さに対物レンズ13の像倍率を乗じた長さだけずれている(B点についても同様)。しかしながら、反射板14の厚さが励起光用ファイバ11および蛍光用ファイバ12のコア直径と比較して充分に小さければ、ずれの影響は無視することができる。
本実施形態については、対物レンズ13が倒立像を形成させる光学系であることを前提に記載した。すなわち図3の記載において、励起光出射端11aから出射した励起光は、(a)励起光出射端11a→第1反射面14a→対物レンズ13→試料S上のB点に到達するパスと、(b)励起光出射端11a→対物レンズ13→試料S上のA点に到達するパスを形成している。また図4の記載においては、試料S上のA点又はB点から出射される蛍光は、(a)試料S上のA点→対物レンズ13→第2反射面14b→蛍光入射端12aに到達するパスと、(b)試料S上のB点→対物レンズ13→蛍光入射端12aに到達するパスを形成している。
一方で、対物レンズ13が正立像を形成させる光学系である場合(図示は省略)、励起光出射端11aから出射した励起光は、(a')励起光出射端11a→第1反射面14a→対物レンズ13→試料S上のA点に到達するパスと、(b')励起光出射端11a→対物レンズ13→試料S上のB点に到達するパスを形成しうる。また試料S上のA点又はB点から出射される蛍光は、(a')試料S上のA点→対物レンズ13→蛍光入射端12aに到達するパスと、(b')試料S上のB点→対物レンズ13→第2反射面14b→蛍光入射端12aに到達するパスを形成しうることが理解できる。正立あるいは倒立の光学系のうちいずれかを使うかは、当業者の設計の範囲で任意に決めることができ、いずれの場合においても光出入射端と対物レンズの間に設置した反射板の効果を受けることが可能である。
さらに、本実施形態に係る蛍光検出装置10は、以下のような利点を有する。図1(a)および(b)に示すように、反射板を有さない蛍光検出装置においては、対物レンズ103のうちほとんどの部分を励起光の光線が通過し、且つ蛍光の光線も通過する。そのため、励起光により対物レンズ103から発生する反射光、散乱光、蛍光が蛍光用ファイバ102に混入してノイズ光となり、蛍光の測定精度を低下させるおそれがある。
一方、本実施形態に係る蛍光検出装置10においては、図2に示すように励起光出射端11aおよび蛍光入射端12aと対物レンズ13との間に反射板14を配置したことにより、励起光の通る領域と蛍光の通る領域がほぼ分離される。すなわち、励起光用ファイバ11からの励起光は、図3(a)および(b)に示すように、主に対物レンズ13の下半分を透過するが、試料S上で発生した蛍光は、図4(a)および(b)に示すように、主に対物レンズ13の上半分を通過した光線のみが蛍光用ファイバ12に入射するため、励起光と蛍光が重なる領域を小さくすることができる。また、光を通さない材料で反射板14を形成することにより、反射板14を通してのクロストークも発生しない。従って、励起光が直接照射された対物レンズ13から微弱な反射光、散乱光、蛍光が発生したとしても、これらは蛍光用ファイバ12にはほとんど取り込まれないため、ノイズ光が少なくなり、蛍光の測定精度が向上する。
本実施形態に係る蛍光検出装置10を用いる際には、蛍光に基づいて得られる信号が最大になるように、および/または蛍光に基づいて得られる信号のばらつきが最小になるように、対物レンズ13の作動距離を調整してもよい。さらに、蛍光に基づいて得られる信号が最大になるように、および/または蛍光に基づいて得られる信号のばらつきが最小になるように、励起光用ファイバ11および/または蛍光用ファイバ12の光軸と試料Sの表面とのなす角度を調整してもよい。このように角度を調整した実施例を、下記に第2実施例として示す。
次に、本発明の実施例について説明する。図5は、本発明の第1実施例に係る蛍光検出装置50を説明するための図である。図5に示すように、蛍光検出装置50は、励起光源51と、励起光用ファイバ11と、蛍光用ファイバ12と、集光レンズ52と、励起光フィルタ53と、対物レンズ13と、反射板14と、蛍光検出器としてのPMT(Photomultiplier Tube:光電子増倍管)54と、蛍光フィルタ55と、蛍光フィルタ60とを備える。
励起光源51としては、砲弾型の緑色LED(日亜化学工業(株)製NSPG300D(中心波長(カタログ値)=約525nm))を使用しピーク電流40mA、周波数110Hzでパルス発光させた。集光レンズ52としては、合成石英製の平凸レンズ(直径12mm、焦点距離18mm)を2枚用いた。励起光源51からの光束を一方の平凸レンズで略平行光束とし、該略平行光束を他方の平凸レンズによって集光した。集光点近傍には、励起光用ファイバ11の入射端11bを配置した。励起光用ファイバ11としては、米国CeramOptec Industries,InC.製UV600−660−710P28(コアの直径0.6mm、開口数NA=0.3)を用いた。集光レンズ52と励起光用ファイバ11の入射端11bとの間には、励起光フィルタ53としてエドモンド・オプティクス・ジャパン(株)製蛍光用バンドパスフィルタ(透過帯中心波長534.5nm、半値全幅48nm)を設置し、所定の波長成分以外の励起光の成分をカットした。
励起光用ファイバ11を伝播して励起光出射端11aから放出される励起光は、対物レンズ13によって試料S(蛍光物質を含む水溶液)に集光される。試料Sで発生した蛍光は、同じ対物レンズ13によって蛍光用ファイバ12の蛍光入射端12aに集光される。なお、試料Sは、内径6.5mm、深さ11mmの黒色樹脂製の円筒状のセル56に入っている。
蛍光用ファイバ12は、励起光用ファイバ11と同じものを用いた。蛍光用ファイバ12中を伝播した蛍光のエネルギー量は、PMT54によって測定される。ここでは、PMT54として、浜松ホトニクス社製H9306−04を使用した。蛍光用ファイバ12の出射端12bとPMT54との間には、蛍光フィルタ55として所定のバンドパスフィルタ(透過波長域600〜640nm)及びエドモンド・オプティクス・ジャパン(株)製蛍光用バンドパスフィルタ(透過帯中心波長624nm、半値全幅46nm)を各1枚ずつ挟み込み、試料Sから発生する蛍光成分以外の波長成分をカットした。PMT54が受光した信号のうち、励起光源51の発光パルスと同じ周期(110Hz)成分のみを選択的に検出し、これを出力値とした。
図6は、図5に示す蛍光検出装置50における対物レンズ13の周辺部分の拡大図である。励起光用ファイバ11の励起光出射端11aにおける光軸と、蛍光用ファイバ12の蛍光入射端12aにおける光軸との間隔は0.8mmである。反射板14としては、厚さ0.05mmのステンレス板である(株)ミスミ製 シムテープSFGSM 0.05を使用した。反射板14の幅(図6の紙面に対して垂直な方向の長さ)は、12mmである。
本第1実施例において、反射板14は、2つの反射面が励起光出射端11aおよび蛍光入射端12aから対物レンズ13の入射面の直前まで延在するように配置されている。これにより、蛍光検出強度の増大効果と、蛍光測定精度の向上効果を高めることができる。さらに、本第1実施例においては、反射板14は、励起光出射端11aおよび蛍光入射端12aを超えて、励起光用ファイバ11と蛍光用ファイバ12との間に延在している。これにより、蛍光検出強度の増大効果と、蛍光測定精度の向上効果をさらに高めることができる。
本第1実施例においては、対物レンズ13として、合成石英製の平凸レンズ(直径9mm、焦点距離12mm)2枚(13a,13b)を、凸面が対向するように配置したものを用いた。さらに、2つの平凸レンズ13a,13b間には、互いに逆方向を向いた2つの反射面を有する反射板(「レンズ間反射板」と呼ぶ)61が配置されている。レンズ間反射板61は、反射板14と同様に、蛍光検出強度を増大するとともに、蛍光測定精度を向上させるのに役立つ。
さらに本第1実施例においては、蛍光用ファイバ12の蛍光入射端12aの前に、蛍光を選択的に透過させる蛍光フィルタ60が配置されている。蛍光フィルタ60は、透過波長域が600nm〜640nmのバンドパスフィルタである。さらに、励起光用ファイバ11の励起光出射端11aの前に、励起光を選択的に透過させる励起光選択フィルタ(図示せず)が配置されてもよい。
図5および図6で説明した第1実施例に係る蛍光検出装置50を用いて、以下の4条件でPMT54の出力値を暗室で測定した。具体的には、測定時間30秒の間に約300回の計測を行ない、その数値の平均とばらつき(標準偏差)を算出した。
試料として濃度を10nM(10ナノモル/リットル)のレゾルフィン水溶液300mmをセルに入れ、PMT54の出力が最大となるようにセルの位置を調整したところ、以下の結果が得られた。
(1)レゾルフィン水溶液に関して、PMT54の平均出力676.6mV、標準偏差1.393mVが得られた。
(2)ブランクテストとして超純水(和光純薬製液体クロマトグラフ/質量分析用)300mmをセル56に入れて測定したところ、PMT54の平均出力33.6mV、標準偏差0.303mVが得られた。
(3)試料Sとセル56を取り除いた場合は、PMT54の平均出力3.9mV、標準偏差0.069mVであった。
(4)PMT54の受光部に全く光を入れない条件では、平均出力2.5mV、標準偏差0.042mVが得られた。これは、PMT54および検出回路における電気的ノイズである。
以上の結果より、レゾルフィン水溶液からの蛍光量の測定値は(1)と(2)の出力差をとって643mVである。(2)と(3)の出力差29.7mVは、溶媒(超純水)およびセル56による散乱、反射、蛍光に由来する光学ノイズである。(3)と(4)の出力差1.4mVは、対物レンズ13における散乱、反射、蛍光に由来する光学ノイズである。さらに検出限界濃度は、レゾルフィン水溶液からの蛍光量は試料中のレゾルフィン濃度に比例し、ブランクテストにおける標準偏差をノイズとして、ノイズの3倍値を検出限界と規定すると次式より14pM(ピコモル/リットル)と求まる。なお検出限界濃度とは、測定対象の化学物質の存在を高い信頼性で検出できる最小値を云う。
10nM×(3×0.303/643)=0.014nM=14pM
次に、本第1実施例の測定結果を検証するために比較例について説明する。図5および図6に示す蛍光検出装置50から反射板14およびレンズ間反射板61を取り除いて、第1実施例と同様の測定を実施した。以下に測定結果を示す。
(1')レゾルフィン水溶液に関して、PMT54の平均出力306.5mV、標準偏差1.029mVが得られた。
(2')ブランクテストでは、PMT54の平均出力24.3mV、標準偏差0.264mVが得られた。
(3')試料Sとセル56を取り除いた場合は、PMT54の平均出力14.4mV、標準偏差0.181mVであった。
(4')PMT54の受光部に全く光を入れない条件では、平均出力2.5mV、標準偏差0.042mVが得られた。
以上の結果より、レゾルフィン水溶液からの蛍光量の測定値は(1')と(2')の出力差をとって282.2mVである。(2')と(3')の出力差9.9mVは、溶媒(超純水)およびセル56による散乱、反射、蛍光に由来する光学ノイズである。(3')と(4')の出力差11.9mVは、対物レンズ13における散乱、反射、蛍光に由来する光学ノイズである。さらに検出限界濃度は、次式より28pMと求まる。
10nM×(3×0.264/282.2)=0.028nM=28pM
第1実施例と比較例の測定結果を以下にまとめた。
(A)レゾルフィン水溶液からの蛍光検出強度について
本第1実施例は、比較例と比べて約2.3倍の蛍光検出強度が得られる(643mV/282.2mV=2.28)。
(B)検出限界濃度について
本第1実施例は、比較例と比べて約1/2の低濃度のレゾルフィン水溶液について検出能力を持ち得る(14pM/28pM=1/2)。
(C)対物レンズに由来する光学ノイズについて
本第1実施例は、比較例と比べて対物レンズ13に由来するノイズを約1/10のレベルに抑制することができる(1.4mV/11.9mV=0.12)。
図7は、本発明の第2実施例に係る蛍光検出装置62を説明するための図である。本実施例では、図7に示すように、対物レンズ13の光軸を試料Sの表面に対して垂直から15°傾け、試料Sの表面に対して励起光が斜めに入射するようにした。これは、試料Sの表面で反射した励起光が蛍光用ファイバ12へ入ることにより発生するノイズ光を低減させるためである。なお図7では、励起光用ファイバ11の励起光出射端11aと蛍光用ファイバ12の蛍光用ファイバ12は、紙面に垂直な方向に並べて配置されている。
本第2実施例では、蛍光用ファイバ12の出射端12bとPMT54の間に、蛍光フィルタ55として所定のバンドパスフィルタ(透過波長域600〜640nm)、エドモンド・オプティクス・ジャパン(株)製蛍光用バンドパスフィルタ(透過帯中心波長624nm、半値全幅46nm)およびエドモンド・オプティクス・ジャパン(株)製ロングパスフィルタOG590の3枚をセットしたものを使用した。その他の構成要素の仕様は、図5および図6に示す第1実施例と同一である。
図7に示す蛍光検出装置62を用いて、以下の4条件によりPMT54の出力値を暗室で測定した。具体的には、測定時間30秒の間に約300回の計測を行ない、その数値の平均とばらつき(標準偏差)を算出した。
試料として濃度を10nM(10ナノモル/リットル)のレゾルフィン水溶液300mmをセルに入れ、PMT54の出力が最大となるようにセルの位置を調整したところ、以下の結果が得られた。
(1)レゾルフィン水溶液に関して、PMT54の平均出力545.9mV、標準偏差1.273mVが得られた。
(2)ブランクテストとして超純水(和光純薬製液体クロマトグラフ/質量分析用)300mmをセルに入れて測定したところ、PMT54の平均出力15.7mV、標準偏差0.196mVが得られた。
(3)試料Sとセル56を取り除いた場合の測定値は、PMT54の平均出力3.9mV、標準偏差0.075mVであった。
(4)PMT54の受光部に全く光を入れない条件では、平均出力2.5mV、標準偏差0.042mVが得られた。これは、PMT54および検出回路における電気的ノイズである。
以上の結果より、レゾルフィン水溶液からの蛍光量の測定値は(1)と(2)の出力差をとって530.2mVである。(2)と(3)の出力差11.8mVは、溶媒(超純水)およびセルによる散乱、反射、蛍光に由来する光学ノイズである。(3)と(4)の出力差1.4mVは、対物レンズ13における散乱、反射、蛍光に由来する光学ノイズである。さらに検出限界濃度は、レゾルフィン水溶液からの蛍光量は試料中のレゾルフィン濃度に比例し、ブランクテストにおける標準偏差をノイズとして、ノイズの3倍値を検出限界と規定すると次式より11pM(ピコモル/リットル)と求まる。なお検出限界濃度とは、測定対象の化学物質の存在を高い信頼性で検出できる最小値を云う。
10nM×(3×0.196/530.2)=0.011nM=11pM
次に、本第2実施例の測定結果を検証するために比較例について説明する。図7に示す蛍光検出装置62から反射板14およびレンズ間反射板61を取り除いて、第2実施例と同様の測定を実施した。以下に測定結果を示す。
(1')レゾルフィン水溶液に関して、PMT54の平均出力300.8mV、標準偏差0.937mVが得られた。
(2')ブランクテストでは、PMT54の平均出力24.4mV、標準偏差0.274mVが得られた。
(3')試料Sとセル56を取り除いた場合は、PMT54の平均出力14.4mV、標準偏差0.193mVであった。
(4')PMT54の受光部に全く光を入れない条件では、平均出力2.5mV、標準偏差0.042mVが得られた。
以上の結果より、レゾルフィン水溶液からの蛍光量の測定値は(1')と(2')の出力差をとって276.4mVである。(2')と(3')の出力差10mVは、溶媒(超純水)およびセルによる散乱、反射、蛍光に由来する光学ノイズである。(3')と(4')の出力差11.9mVは、対物レンズ13における散乱、反射、蛍光に由来する光学ノイズである。さらに検出限界濃度は、次式より30pMと求まる。
10nM×(3×0.274/276.4)=0.030nM=30pM
第2実施例と比較例の測定結果を以下にまとめた。
(A)レゾルフィン水溶液からの蛍光検出強度について
本第2実施例は、比較例と比べて約2倍の蛍光検出強度が得られる(530.2mV/276.4mV=1.92)。
(B)検出限界濃度について
本第2実施例は、比較例と比べて約1/3の低濃度のレゾルフィン水溶液について検出能力を持ち得る(11pM/30pM=0.37)。
(C)対物レンズに由来する光学ノイズについて
本第2実施例は、比較例と比べて対物レンズ13に由来するノイズが約1/10のレベルに抑制することができる(1.4mV/11.9mV=0.12)。
図8は、本発明の別の実施形態に係る蛍光検出装置70を説明するための図である。本実施形態に係る蛍光検出装置70は、反射板14およびレンズ間反射板61に加えて、対物レンズ13と試料Sとの間に配置された反射板(「対物反射板」と呼ぶ)71をさらに備える。この対物反射板71は、反射板14およびレンズ間反射板61と同様に、互いに逆方向を向いた2つの反射面を有し、対物レンズ13の出射面から試料Sに向けて延在している。本実施形態のように、対物反射板71を設けることにより、励起光の通る領域と蛍光の通る領域との分離をより確実にできるので、ノイズ光をより小さくすることができ、蛍光の測定精度をより向上することができる。
図9は、本発明のさらに別の実施形態に係る蛍光検出装置80を説明するための図である。本実施形態に係る蛍光検出装置80では、励起光出射端11aおよび蛍光入射端12aと対物レンズ13との間に、反射板に代えて、反射部材81が配置されている。この反射部材81は、2つの直方体プリズム82,83を備える。2つの直方体プリズム82,83は、平坦面82a、83a同士がスペーサ84を介して所定距離離間するように配置されている。このように2つの直方体プリズム82,83が間に空気層を挟んで配置されると、平坦面82a、83aは、2つの全反射面として機能する。2つの全反射面は、平行であり、且つ互いに逆方向を向いている。
反射部材81は、2つの全反射面82a、83aが励起光用ファイバ11の光軸Ax1と蛍光用ファイバ12の光軸Ax2との間に位置するように配置される。2つの全反射面82a、83aは、励起光用ファイバ11の光軸Ax1および蛍光用ファイバ12の光軸Ax2と平行であることが好ましい。さらに、2つの全反射面82a、83a間の中央は、励起光用ファイバ11の光軸Ax1と蛍光用ファイバ12の光軸Ax2間の中央に位置していることが好ましい。
本実施形態に係る蛍光検出装置80において、励起光用ファイバ11からの励起光は、直方体プリズム83の励起光用ファイバ11側の端面83bから直方体プリズム83内に入射する。直方体プリズム83内に入射した励起光のうち約半分は、全反射面83aで反射した後、励起光用ファイバ11の側とは逆側の端面83cから出射され、対物レンズ13によって試料上のある点に励起光スポットを作る。同時に、直方体プリズム83内に入射した励起光のうち全反射面83aに到達しない約半分の励起光は、前記端面83cから出射された後、対物レンズ13によって試料上の別の点に励起光スポットを作る。
前記試料上の2つの励起光スポットで発生した蛍光は、対物レンズ13を介して直方体プリズム82の蛍光用ファイバ12側とは逆側の端面82bから直方体プリズム82内に入射する。直方体プリズム82内に入射した蛍光のうち約半分は、全反射面82aで反射した後、蛍光用ファイバ12側の端面82cから出射され、蛍光入射端12aから蛍光用ファイバ12内に取り込まれる。同時に、直方体プリズム82内に入射した蛍光のうち全反射面82aに到達しない約半分の蛍光は、前記端面82cから出射され、蛍光入射端12aから蛍光用ファイバ12内に取り込まれる。
本実施形態に係る蛍光検出装置80もまた、図2〜4で説明した蛍光検出装置10と同様に、蛍光の検出強度を高めることができるとともに、蛍光の測定精度を向上することができる。
図10(a)〜(d)は、本発明のさらに別の実施形態に係る蛍光検出装置90を説明するための図である。図10(a)は、蛍光検出装置90の全体の概略図を示す。図10(b)〜(d)は、紙面に垂直な面Z1〜Z3(Z3は試料内または試料上の面に相当)における蛍光検出装置90の断面図を示す。これらの断面図は、搭載される複数のファイバと複数の反射板との相対的な位置関係と、それぞれのファイバによる対物レンズ13を通じてのスポットの位置について説明するための図である。ここでは、対物レンズ13は倒立像をなす光学系を想定している。図10(d)は、試料内または試料上の面に形成されるスポット位置を示す概略図である。
本実施形態に係る蛍光検出装置90は、4本のファイバA〜Dと4つの反射板91とを備える。各反射板91は、両面に反射面が形成されている。4本のファイバA〜Dは、互いに光軸が平行になるよう配置されている。また、ファイバA〜Dは、ファイバ端面をファイバの光軸方向から見たときに、四角形状に並べられている。4つの反射板91は、ファイバ端面をファイバの光軸方向から見たときに、それぞれ隣接するファイバ間に位置するように配置されている。隣接する2つの反射板91のなす角は90°である。
本実施形態では、例えばファイバAを励起光用ファイバ、ファイバB,C,Dをそれぞれ、別個の波長の蛍光を集める蛍光用ファイバとすると、ファイバAから出射した励起光は、共通の対物レンズ13によって、いずれの反射板にも1回も反射されないで進む光線は図10(d)に示すスポットaに、いずれかの反射板に1回だけ反射されて進む光線はスポットbまたはcに、いずれの反射板に2回反射して進む光線はスポットdにそれぞれ結像する。ファイバB,C,Dは反射板91の作用により、それぞれスポットa,b,c,dから発生する蛍光を対物レンズ13の作用によって集めることができるので、4つの反射板91を設けない場合よりも強い蛍光検出強度が得られることになる。また本実施形態に係る蛍光検出装置90によれば、3波長の蛍光の同時計測が可能となる。ここでは倒立像をなす光学系からなる対物レンズ13を用いた場合のケースを示しているが、正立像をなす光学系からなる対物レンズ13を用いた場合は、図10(d)におけるスポットの位置を、d→a,c→b,b→c,a→dと読み替えた場合のスポット位置関係となる。
さらに、本実施形態に係る蛍光検出装置90によれば、ファイバA〜Dのうち2本から波長の異なる励起光を出射して任意の2波長の蛍光を測定することや、3本から波長の異なる励起光を出射して任意の1波長の蛍光を測定するといった計測も可能である。
図11(a)〜(e)は、本発明のさらに別の実施形態に係る蛍光検出装置95を説明するための図である。図11(a)は、蛍光検出装置95の全体の概略図を示す。図11(b)〜(e)は、紙面に垂直な面である面Z1〜Z3(Z3は試料内または試料上の面に相当)における蛍光検出装置95の断面図を示す。これらの断面図は、搭載される複数のファイバと複数の反射板との相対的な位置関係と、それぞれのファイバによる対物レンズ13を通じてのスポットの位置について説明するための図である。ここでは、図における対物レンズ13は倒立像をなす光学系を想定している。図11(d)は、試料内または試料上の面に形成されるスポット位置を示す概略図である。
本実施形態に係る蛍光検出装置95は、3本のファイバA〜Cと3つの反射板96とを備える。各反射板96は、両面に反射面が形成されている。3本のファイバA〜Cは、互いに光軸が平行になるよう配置されている。また、ファイバA〜Cは、ファイバ端面をファイバの光軸方向から見たときに、三角形状に並べられている。3つの反射板96は、ファイバ端面をファイバの光軸方向から見たときに、それぞれ隣接するファイバ間に位置するように配置されている。隣接する2つの反射板のなす角は120°である。
本実施形態では、例えばファイバAを励起光用ファイバ、ファイバBおよびCをそれぞれ、別個の波長の蛍光を集める蛍光用ファイバとすると、ファイバAから出射した励起光は、共通の対物レンズ13によって、いずれの反射板にも1回も反射されないで進む光線は図11(d)に示すスポットaに、いずれかの反射板に1回だけ反射されて進む光線はスポットbまたはcにそれぞれ結像する。ファイバB,Cは反射板91の作用により、それぞれスポットa,b,cから発生する蛍光を対物レンズ13の作用によって集めることができるので、3つの反射板96を設けない場合よりも強い蛍光検出強度が得られることになる。また本実施形態に係る蛍光検出装置95によれば、2波長の蛍光の同時計測が可能となる。ここでは倒立像をなす光学系からなる対物レンズ13を用いた場合のケースを示しているが、正立像をなす光学系からなる対物レンズ13を用いた場合は、図11(e)に示したスポットの位置となる。
図10(a)〜(d)に示す実施形態ではファイバ数を4本、図11(a)〜(e)に示す実施形態ではファイバ数を3本としたが、ファイバ数を5,6,7・・・と増やすことも可能である。ファイバ数をn本とするとき、nの2倍の数の反射面が必要となる。反射部材として両面に反射面が形成された反射板を用いる場合には、n個の反射板が必要となる。この場合、n本のファイバは、ファイバ端面をファイバの光軸方向から見たときに、n角形の各頂点に一つずつ配置される。そして、ファイバ端面をファイバの光軸方向から見たときに、隣接するファイバ間に2つの反射面が位置するように反射板が配置される。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
10、50、62、70、80、90、95 蛍光検出装置、 11 励起光用ファイバ、 12 蛍光用ファイバ、 13 対物レンズ、 14、91、96 反射板、 51 励起光源、 52 集光レンズ、 53 励起光フィルタ、 54 PMT、 55 蛍光フィルタ、 56 セル、 60 蛍光フィルタ、 61 レンズ間反射板、71 対物反射板、 81 反射部材、 82、83 直方体プリズム。

Claims (16)

  1. 被検出物に対して励起光を照射し、該照射により前記被検出物から発生した蛍光を検出する蛍光検出装置であって、
    励起光を出射する励起光出射端を有する励起光用ファイバと、
    蛍光を入射する蛍光入射端を有する蛍光用ファイバと、
    前記励起光出射端および前記蛍光入射端と、前記被検出物との間に配置された対物レンズと、
    前記励起光出射端および前記蛍光入射端と前記対物レンズとの間に配置された、互いに逆方向を向いた2つの反射面を有する反射部材と、を備え、
    前記反射部材の2つの反射面が、前記励起光用ファイバの光軸と前記蛍光用ファイバの光軸との間に位置していることを特徴とする蛍光検出装置。
  2. 前記反射部材の2つの反射面が、前記励起光用ファイバの光軸および前記蛍光用ファイバの光軸と平行であることを特徴とする請求項1に記載の蛍光検出装置。
  3. 前記2つの反射面間の中央が、前記励起光用ファイバの光軸と前記蛍光用ファイバの光軸間の中央に位置していることを特徴とする請求項1または2に記載の蛍光検出装置。
  4. 前記反射部材は、前記2つの反射面が前記励起光出射端および前記蛍光入射端から前記対物レンズの入射面の直前まで延在するように配置されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の蛍光検出装置。
  5. 前記反射部材は、前記励起光出射端および前記蛍光入射端を超えて、励起光用ファイバと蛍光用ファイバとの間に延在することを特徴とする請求項4に記載の蛍光検出装置。
  6. 前記反射部材は、表裏両面に反射面を有する反射板であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の蛍光検出装置。
  7. 前記反射部材は、平坦面同士が所定距離離間して配置された2つの直方体プリズムを備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の蛍光検出装置。
  8. 前記対物レンズと前記被検出物との間に配置された、互いに逆方向を向いた2つの反射面を有する対物反射部材をさらに備えることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の蛍光検出装置。
  9. 前記対物レンズは、1枚のレンズまたは複数のレンズの組み合わせから構成されることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の蛍光検出装置。
  10. 前記対物レンズは、2つのレンズと、当該2つの前記レンズ間に配置された、互いに逆方向を向いた2つの反射面を有するレンズ間反射部材とを備えることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の蛍光検出装置。
  11. 前記蛍光入射端の前に蛍光選択フィルタをさらに備えることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の蛍光検出装置。
  12. 前記励起光出射端の前に励起光選択フィルタをさらに備えることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の蛍光検出装置。
  13. 被検出物に対して励起光を照射し、該照射により前記被検出物から発生した蛍光を検出する蛍光検出装置であって、
    励起光を出射する励起光出射端を有する、一または複数の励起光用ファイバと、
    蛍光を入射する蛍光入射端を有する、一または複数の蛍光用ファイバと、
    前記励起光出射端および前記蛍光入射端と、前記被検出物との間に配置された対物レンズと、
    前記励起光出射端および前記蛍光入射端と前記対物レンズとの間に配置された反射部材であって、前記励起光用ファイバと前記蛍光用ファイバを合わせた数をnとしたときに、nの2倍の数の反射面を有する反射部材と、を備え、
    前記励起光用ファイバと前記蛍光用ファイバは、互いに光軸が平行になるよう配置されており、
    前記励起光用ファイバと前記蛍光用ファイバは、ファイバ端面をファイバの光軸方向から見たときに、n角形の各頂点に一つずつ配置されており、
    ファイバ端面をファイバの光軸方向から見たときに、隣接するファイバ間には2つの前記反射面が配置されている、
    ことを特徴とする蛍光検出装置。
  14. 請求項1から13のいずれかに記載の蛍光検出装置を用いて被検出物の蛍光を検出することを特徴とする蛍光検出方法。
  15. 蛍光に基づいて得られる信号が最大になるように、および/または蛍光に基づいて得られる信号のばらつきが最小になるように、前記対物レンズの作動距離を調整するステップを備えることを特徴とする請求項14に記載の蛍光検出方法。
  16. 蛍光に基づいて得られる信号が最大になるように、および/または蛍光に基づいて得られる信号のばらつきが最小になるように、前記励起光用ファイバおよび/または前記蛍光用ファイバの光軸と被検出物の表面とのなす角度を調整するステップを備えることを特徴とする請求項14または15に記載の蛍光検出方法。
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