JP6015404B2 - 放射線検査装置 - Google Patents

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Description

本発明は、BGA(Ball Grid Array)や基板の配線、はんだの接合部、ボイドなどの電子部品の検査、あるいはその他検査物の内部欠陥の検査等に用いられる放射線検査装置に関する。
従来、この種の装置として、X線CT装置がある。X線CT装置は、例えば、水平に対向して配置された放射線源と検出器を備え、放射線源と検出器の間にはステージを有している。このステージに検査物を載置し、回転軸周りにステージを回転させて、様々な角度から投影画像を撮影する。撮影で取得した投影画像を画像再構成することで断層画像などの3次元画像を取得している。
このようなX線CT装置によって、BGAや配線などの非常に微細な構造を有する検査物を断層撮影により検査する際に、拡大率を大きくして撮影したい場合がある。拡大率を大きくするには、放射線源と検査物を近づける必要がある。しかしながら、図13中の二点鎖線で示すように、放射線源103と検出器104が水平に対向して配置する場合であって、検査物Wが平面方向に広い形状のときなどに、次のような問題がある。すなわち、検査物Wに対して放射線源103を近づけると、放射線源103と検査物Wとの間や、放射線源103とステージ102との間で干渉が生じてしまう。そのため、あまり拡大率を大きくすることができない。そこで、図13の実線で示すように、回転軸Rと垂直な平面から少し傾いた位置に放射線源103と検出器104を配置して、検査物W等との干渉を抑制して断層撮影する方法(Planar Computed Tomography :PCT)が知られている。
また、ステージ102を回転させる回転機構を設けない場合には、図14(a)に示すような方法によりPCTを実現させている(例えば、特許文献1〜3参照)。すなわち、放射線源103は、回転軸Rに沿った鉛直上方に向けて広範囲にX線を照射するようになっており、固定して配置されている。撮影は、検査物Wが載置されたステージ102が回転軸R周りの円軌道を描くように平行移動させると共に、ステージ102の動きに同期させて検出器104を回転軸R周りに回転させて行われる。
図14(b)は、ステージ102の構成を示す平面図である。図14(b)に示すステージ102の一端側には、ステージ102を駆動するためのステージ駆動部137,147が設けられ、ステージ102の両端には、ガイドレール等の案内部135,145が設けられている。これらステージ駆動部137,147および案内部135,145に囲まれたステージ102の撮影領域では、一定の空間を有する中抜き構造となっている(例えば、特許文献4,5参照)。これは、放射線透過性の低い物体が撮影領域に入り込まないためであり、また、放射線源103とステージ駆動部137,147等との物理的な干渉を避けるためである。
図14(a)に示す装置は、検出器104とステージ102が独立した駆動系を備えており、理想的な断層撮影の走査軌道を得るためには、高精度の位置決めや、同期するための機構および制御が必要となり装置が高価になってしまう。そこで、実際と理想の走査軌道に位置ずれがある場合でも校正用ファントムを用いて校正(キャリブレーション)することで、理想走査軌道からの幾何学的な位置ずれを算出し、画像再構成用の位置ずれ補正用のパラメータとして保持しておく方法がある(例えば、特許文献6参照)。
一方、従来、一般的なX線透視装置による投影画像での検査も行われており、BGAや配線などの非常に微細な構造を有する検査物を観察する際、X線を傾いた方向から照射したり拡大率を大きくしたりして撮影したい場合がある。このような場合に、X線の傾きや拡大率が変化しても、試料の注目点を透視画像の視野中央に維持したまま追尾するトラッキング機能が提案されている(例えば、特許文献7参照)。
特開2010−002221号公報 特開2006−162335号公報 特許第3694833号公報 特開2008−292383号公報 特開2004−223647号公報 特許第4415762号公報 特開2004−156927号公報
X線CT装置による検査の場合、上述した特許文献6で提案された事前に校正する方法では、ステージ駆動部137,147などの駆動系の位置決め誤差を解決できても、ステージ102の繰り返し位置決め誤差を解決することが難しい。繰り返し位置決め誤差は、例えば、ステージ102を移動可能に支持する案内部135,145の可動部と固定部の遊び(ガタツキ)により微小な位置ずれが生じるものであり、ステージ102の位置決めの再現性が悪く、ばらつきを有するものである。そのため、繰り返し位置決め誤差が上述の位置ずれ補正用パラメータとの誤差として現れるといった問題が生じてしまう。特に、放射線源103とステージ102を近づけて高拡大率で検査物Wを撮影する場合、ステージ102の繰り返し位置決め誤差が断層画像に与える影響が大きくなる。
すなわち、図14(b)に示す放射線検査装置のステージ102は、ステージ102端側に、案内部135,145およびステージ駆動部137,147が設置された上述の中抜き構造のステージ102となっている。そのため、駆動軸側で繰り返し位置決め精度が良好な駆動系を用いたとしても、ステージ102とステージ駆動部137,147との動力伝達部の基点周りでヨーイング方向(図14(b)中の符号B)の変動などの不定な姿勢変化は生じやすい構造となっているという問題を有する。姿勢変化は、ステージ駆動部137,147で生じる回転変動であるので、ステージ駆動部137,147から距離が離れているほど大きくなる。すなわち、図14(b)の撮影位置IP2は、撮影位置IP1よりもステージ駆動部137,147から離れているので、ヨーイング方向Bのステージ102の姿勢変化が大きくなる。これにより、ステージ102は、図15に示すように姿勢変化する。このような姿勢変化は、ステージの駆動ごとに様式が異なるので、断層画像の撮影前に知ることはできない。特許文献6の構成は、ステージの移動における理想からのずれを撮影前に取得しておくというものであるから、上述の姿勢変化に対応できないのである。
この姿勢変化の問題を解決するために、特許文献5には、ヨーイング方向Bの拘束力(ねじれに対する抵抗力)を強化したステージ構造にすることも考えられる。しかしながら、多数の案内部135,145や支持部品が必要で高価になる上、十分な拘束力が得られる保証がないという問題がある。また、別の解決方法として、ステージ102の両端にステージ駆動部を配置する構成も考えられるが、この方法もシステムが複雑になり、装置が高価になってしまうという問題がある。
一方、透視装置による検査の場合でも、上述の繰り返し位置決め誤差の影響を受ける。例えば、あるステージ位置の投影画像を取得して他のステージ位置に移動し、再び元のステージ位置に戻して投影画像を取得する場合にも同様に、位置ずれした投影画像が表示されてしまう問題がある。あるいは、検査物Wの注目点を検査装置に登録しておき、拡大率や投影角度を変えると、その注目点を常に投影画像の中心に捕らえるように動作するトラッキング機能において、ステージ102が位置ずれするので、注目点が投影画像の中心から外れてしまう問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ステージに不定な姿勢変化が生じて、繰り返し位置決め精度が不十分である場合でも、高解像度の断層画像または高精度に位置決めされた投影画像を作成することができる放射線検査装置を提供することを目的とする。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、本発明に係る放射線検査装置は、査物に放射線を照射する放射線源と、検査物を透過した放射線を検出して投影画像を取得する放射線検出器と、前記放射線源と放射線検出器の間に設けられて検査物を載置するステージとを備えた放射線検査装置において、案内部に対して略直線方向に移動可能に保持された前記ステージと、当該ステージに前記移動のための駆動力を伝達するためのステージ駆動部と、前記案内部に対する前記ステージの傾きを表す回転変動量を算出する回転変動量算出部と、前記回転変動量に基づいて、ステージ変動量を算出するステージ変動量算出部と、前記ステージ変動量に基づいて、前記ステージの位置を補正してから再構成を行う画像再構成部と、を備えていることを特徴とするものである。
本発明に係る放射線検査装置によれば、ステージは、案内部に対して略直線方向に移動可能に保持されている。案内部に対するステージの傾きを表す回転変動量を検出し、回転変動量に基づいて、ステージ変動量を算出する。ステージ変動量は、ヨーイング方向のステージの姿勢変化に起因する撮影位置におけるステージの位置ずれであり、繰り返し位置決め誤差である。このステージ変動量に基づきステージの位置を補正してから再構成を行う。そのため、繰り返し位置決め誤差を考慮した高解像度の断層画像を作成することができる。
また、本発明に係る放射線検査装置において、前記ステージの位置を検出する位置検出センサを備え、前記回転変動量算出部は、検査物撮影時の前記位置検出センサにより検出された検出位置情報に基づいて、前記回転変動量を算出し、前記ステージ駆動部は、前記ステージの両端のうちの一端側に設けられ、前記位置検出センサは、前記ステージの両端のうちの他端側に設けられていることが好ましい。すなわち、ステージを挟んでステージ駆動部の反対側に位置検出センサが設けられているので、ステージの姿勢変化を大きく検出することができる。
また、繰り返し位置決め精度の不十分さを改善するために、位置検出センサを採用するという簡易な構成でよいので、例えば従来のステージの両端それぞれで複数の案内部を設けていた構成に比べて装置を安価に構成することができる。
また、本発明に係る放射線検査装置において、前記回転変動量算出部は、校正用ファントムによる校正時に検出した前記位置検出センサの検出位置情報と、検査物撮影時に検出した前記位置検出センサの検出位置情報に基づいて、前記ステージの回転変動量を算出することが好ましい。すなわち、校正用ファントムにより繰り返し再現性がよいステージ駆動部の位置決め精度が校正がされている。この校正時に位置検出センサにより検出位置情報を検出しておき、検出された校正時の検出位置情報と、検査物撮影時の検出位置情報とに基づいて、不定な姿勢変化による回転変動量を算出する。そのため、駆動軸側の位置決め精度が未知である場合に比べて、回転変動量を正確に算出することができる。
また、本発明に係る放射線検査装置において、前記ステージは、少なくともXY軸の2方向に移動するように構成され、前記XY軸それぞれには、前記ステージ駆動部が設けられると共に、移動方向と直交する方向に並んだ前記ステージの両端に前記ステージを移動方向に沿って案内する案内部がそれぞれ設けられ、前記XY軸のうちの一方には、前記移動方向と直交する方向に並んで配置されるように案内部が追加して設けられ、前記XY軸のうちの他方にのみ、前記位置検出センサが設けられていることが好ましい。これにより、XY軸のうちの一方には、案内部が追加して設けられているので、ステージのヨーイング方向の拘束力を強化することができる。また、XY軸の他方には、位置検出センサが設けられているので、位置検出センサによる検出位置情報によりステージ変動量を算出することができる。
また、本発明に係る放射線検査装置において、前記位置検出センサは、X軸に沿う前記ステージの両端にそれぞれ設けられた案内部のうち、X軸のステージ駆動部が設けられた側とは反対側の前記ステージの端にある案内部と、前記X軸のステージ駆動部との間隔と、Y軸に沿う前記ステージの両端にそれぞれ設けられた案内部のうち、Y軸のステージ駆動部が設けられた側とは反対側の前記ステージの端にある案内部と、前記Y軸のステージ駆動部との間隔とを比べて、その間隔が広い方の軸側に設けられていることが好ましい。すなわち、XY軸のうち、案内部とステージ駆動部との間隔が広い方の移動方向では、ステージの姿勢変化が大きくなるので、位置検出センサの配置におけるステージの姿勢変化が大きく検出することができる。よって、高精度にステージ変動量を算出することができる。
また、本発明に係る放射線検査装置において、前記ステージは、少なくともXY軸の2方向に移動するように構成され、各々の移動方向には、前記ステージ駆動部および前記位置検出センサが設けられていることが好ましい。これにより、各々の移動方向に設けられた位置検出センサにより検出された検出位置情報に基づいて、高精度なステージ移動量を算出することができる。
また、本発明に係る放射線検査装置において、前記放射線源および前記放射線検出器の少なくともいずれか一方を駆動させる撮影系駆動部を備えていることが好ましい。すなわち、ステージ2のみ移動する場合は、検査物Wの同一注目点を検出器で捕らえ続けることが難しい場合がある。それは、FPD4の検出領域の大きさに制限などがあり、FPDの検出領域からその注目点が外れてしまうためである。ステージ2だけでなく、X線管3またはFPD4を駆動させることにより、FPD4の検出領域から検査物Wの注目点を外すことなく捕らえ続けることができる。
また、本発明に係る放射線検査装置は、査物に放射線を照射する放射線源と、検査物を透過した放射線を検出して投影画像を取得する放射線検出器と、前記放射線源と放射線検出器の間に設けられて検査物を載置するステージとを備えた放射線検査装置において、案内部に対して略直線方向に移動可能に保持された前記ステージと、当該ステージに前記移動のための駆動力を伝達するためのステージ駆動部と、前記案内部に対する前記ステージの傾きを表す回転変動量を算出する回転変動量算出部と、前記回転変動量に基づいて、ステージ変動量を算出するステージ変動量算出部と、前記ステージ変動量を、前記投影画像上におけるピクセルずれ量に変換するピクセルずれ量変換部と、記ピクセルずれ量に基づいて位置ずれをなくす方向に前記投影画像を移動させる位置ずれ補正部とを備えていることを特徴とするである。
本発明に係る放射線検査装置によれば、ステージは、案内部に対して略直線方向に移動可能に保持されている。案内部に対するステージの傾きを表す回転変動量を検出し、回転変動量に基づいて、ステージ変動量を算出する。ステージ変動量は、ヨーイング方向のステージの姿勢変化に起因する撮影位置におけるステージの位置ずれであり、繰り返し位置決め誤差である。このステージ変動量を、投影画像上におけるピクセルずれ量に変換し、変換したピクセルずれ量に基づいて位置ずれをなくす方向に投影画像を移動させる。これにより、繰り返し位置決め精度が不十分な場合でも、例えば、検査物の注目点を常に中心に捕らえるように動作するトラッキング機能等において、高精度に位置決めされた投影画像を作成することができる。
なお、本明細書は、次のようなX線撮影装置に係る発明も開示している。
(1)本発明に係る放射線検査装置の一例は、さらに、移動方向と直交する方向の前記ステージの両端に設けられ、移動方向に沿って前記ステージを案内する案内部を備え、前記ステージ駆動部は、前記ステージの両端のうちの前記ステージ駆動部側で案内部を兼ねていることである。これにより、案内部の数を削減でき、装置をより安価でコンパクトな構成にすることができる。
本発明に係る放射線検査装置によれば、ステージは、案内部に対して略直線方向に移動可能に保持されている。案内部に対するステージの傾きを表す回転変動量を検出し、回転変動量に基づいて、ステージ変動量を算出する。ステージ変動量は、ヨーイング方向のステージの姿勢変化に起因する撮影位置におけるステージの位置ずれであり、繰り返し位置決め誤差である。そのため、ステージに不定な姿勢変化が生じて、繰り返し位置決め精度が不十分である場合でも、高解像度の断層画像または高精度に位置決めされた投影画像を作成することができる。
第1の実施形態に係るX線検査装置の概略構成図である。 (a)は、ステージとその周辺構成を示す平面図であり、(b)は、(a)の側面図である。 ステージの高さ方向の構成とX軸・Y軸位置検出センサの配置を示す図である。 演算部の構成を示す図である。 (a)および(b)は、回転変動量の算出方法の説明に供する図である。 (a)および(b)は、校正時の検出位置情報を用いた回転変動量の算出方法の説明に供する図である。 図7(a)は、回転変動がないときのステージ変動量の算出方法の説明に供する模式図であり、図7(b)は、回転変動量を考慮したステージ変動量の算出方法の説明に供する模式図である。 X線検査装置の動作説明に供するフローチャートである。 第2の実施形態に係る演算部の構成を示す図である。 第2の実施形態に係る位置ずれ補正部の動作説明に供する図である。 第3の実施形態に係るステージとその周辺構成を示す平面図である。 変形例に係るステージとその周辺構成を示す平面図である。 従来の放射線検出装置の構成を示す図である。 (a)は従来の放射線検出装置の構成を示す図であり、(b)は従来の放射線検出装置に設けられたステージとその周辺構成を示す平面図である。 ステージのヨーイング方向の姿勢変化の一例を示す平面図である。
<第1の実施形態>
以下、図面を参照して本発明の第1の実施形態を説明する。放射線検査装置の一例としてX線検査装置について説明する。図1は、第1の実施形態に係るX線検査装置の概略構成図である。
図1を参照する。X線検査装置1は、検査物Wを載置するステージ2と、ステージ2を間に挟んで、鉛直方向(回転軸R)に対して斜めに対向して配置されたX線管3およびフラットパネル型X線検出器(以下、「FPD」と称する)4とを備えている。なお、X線管3は本発明の放射線源に相当し、FPD4は本発明の放射線検出器に相当する。
X線管3は、移動または回転せずに固定して配置され、鉛直上方に向けてX線を照射することで検査物WにX線を照射する。X線管3は、X線管制御部5により制御される。X線管制御部5は、X線管3の管電圧および管電流を発生させる高電圧発生部6を有している。X線管制御部5は、管電圧、管電流および照射時間等のX線照射条件に応じてX線管3からX線を照射させている。
FPD4は、検査物Wの透過X線像が投影されるX線検出面4aにX線を電気信号に変換して検出する多数のX線検出素子が横・縦の2次元マトリックス状に配列されている。X線検出素子の配列マトリックスとしては、例えば横:数千×縦:数千が挙げられる。X線検出素子は、X線が直に電気信号に変換される直接変換タイプ、あるいはX線が一旦光に変換されてから更に電気信号に変換される間接変換タイプで構成される。また、X線検出器4は、FPDに限定されず、イメージインテンシファイアおよびカメラで構成されていてもよい。
FPD4は、検出器傾動駆動部7により移動可能に支持されている。検出器傾動駆動部7は、実線や破線で示すように、曲線7aに沿ってFPD4を移動させることでFPD4の検出面4aの傾きを変更するようになっている。また、FPD4は、検出器傾動駆動部7を介在させて検出器回転機構8により支持されている。検出器回転機構8は、回転軸R周りにFPD4を回転させるようになっている。
ステージ2は、XY軸の2方向に移動するように構成されている。これにより、断層撮影する場合、ステージ2は、回転軸Rに垂直なXY平面で回転軸R周りに円軌道を描くように平行移動される。なお、FPD4は、ステージ2の動きに同期させて、検出器回転機構8により回転軸R周りに回転される。これにより、検査物Wに対して異なる方向から撮影した複数の投影画像Gwが取得される。また、ステージ2の周辺構成については後述する。
FPD4の後段には、A/D変換器9と画像処理部11と主制御部13が順番に設けられている。A/D変換器9は、FPD4から出力された投影画像Gwの一種であるアナログのX線検出信号をディジタルのX線検出信号に変換する。画像処理部11は、ディジタル変換されたX線検出信号に対して対数変換を行うなど必要な処理を行って投影画像Gwとして出力する。主制御部13は、X線検査装置1の各構成を統括的に制御し、中央演算処理装置(CPU)などで構成される。主制御部13は、例えば、検出器傾動駆動部7、検出器回転機構8、後述するX軸・Y軸ステージ駆動部37,47等を制御して断層撮影を行う。
また、X線検査装置1は、表示部15と入力部17と記憶部19とを備えている。表示部15は、モニタ等で構成される。入力部17は、キーボードやマウス等で構成される。記憶部19は、ROM(Read-only Memory)、RAM(Random-Access Memory)またはハードディスク等、取り外し可能なものを含む記憶媒体で構成される。
さらに、X線検査装置1は、撮影位置IPにおけるステージ変動量Δx,Δyを算出し、算出されたステージ変動量Δx,Δyを用いて画像再構成に用いられるパラメータPRcを変更して断層画像Sを作成する演算部21を備えている。なお、ステージ変動量Δx,Δyは、ヨーイング方向Bのステージ2の姿勢変化に起因する撮影位置IPにおけるステージ2の位置ずれをX軸・Y軸方向に分解して示したものである。すなわち、ステージ変動量Δx,Δyは、断層撮影の各撮影方向で変動するものであり、繰り返し位置決め誤差である。
<ステージとその周辺構成>
次に、ステージ2とその周辺構成について説明する。ステージ2は、XY軸の2方向に移動するように構成されている。また、移動方向ごとに位置検出センサが設けられている。位置検出センサは、ステージ2を挟んでステージ2を駆動するステージ駆動部の反対側に設けられている。そのため、ステージ2の姿勢変化を大きく検出することができる。また、XY軸それぞれの位置検出センサで検出した検出位置情報Xsen,Ysen等により、撮影位置IPにおけるステージ2の位置ずれを示すステージ変動量Δx,Δyが算出されるような構成となっている。なお、図2(a)は、ステージとその周辺構成を示す平面図であり、図2(b)は、図2(a)の側面図である。
まず、ステージ2をX軸方向に移動させるX軸ステージ移動機構31と、X軸位置検出センサ33について説明する。X軸ステージ移動機構31は、X軸案内部35とX軸ステージ駆動部37を備えている。
X軸案内部35は、ステージ2をX軸方向に移動可能に支持するものである。すなわち、X軸案内部35は、ステージ2の載置面2a(図2(b)参照)に沿ってX軸方向にステージ2が移動するときの移動方向と直交するY軸方向の載置面2aの両端に設けられている。また、X軸案内部35は、X軸方向の移動方向に沿ってステージ2を案内する。X軸案内部35は、可動部35aと固定部35b等で構成され、可動部35aはステージ2を支持し、固定部35bに対して相対的に移動するようになっている。
X軸ステージ駆動部37は、ステージ2の両端のうちの一端側に設けられ、ステージ2をX軸方向に移動させるものである。X軸ステージ駆動部37は、例えば、モータ37aとネジ軸37bとナット部37c等で構成される。ネジ軸37bは、ナット部37cと噛み合うように構成されている。モータ37aを回転させると、回転がネジ軸37bに伝達される。そして、ネジ軸37bとナット部37cが噛み合っていることによりネジ軸37bの回転がX軸方向への駆動として伝達される。なお、ナット部37cは、X軸案内部35の可動部35aと一体的に設けられている。
X軸位置検出センサ33は、ステージ2の両端のうちの他端側に設けられ、ステージ2のX軸方向の位置情報を検出するものである。X軸位置検出センサ33は、例えばリニアエンコーダ等で構成され、X軸方向センサヘッド33aとX軸方向スケール33b等により構成される。
次に、ステージ2をY軸方向に移動させるY軸ステージ移動機構41と、Y軸位置検出センサ43について説明する。Y軸ステージ移動機構41は、Y軸案内部45とY軸ステージ駆動部47を備えている。
Y軸案内部45は、X軸案内部35を介在させてステージ2をY軸方向に移動可能に支持するものである。Y軸案内部45は、Y軸方向にステージ2が移動するときの移動方向と直交するX軸方向の載置面2a(図2(b)参照)の両端に設けられている。Y軸案内部45は、可動部45aと固定部45b等で構成され、可動部45aはX軸案内部35の固定部35bを支持し、固定部45bに対して相対的に移動するようになっている。固定部45bは、X線検査装置1の筐体等のベース部46に支持されている。なお、図2(a)の可動部45aは、分離して図示されているが、図示しない枠状の支持部材などにより一体的に構成されている。
Y軸ステージ駆動部47は、ステージ2の両端のうちの一端側に設けられ、ステージ2をY軸方向に移動させるものである。Y軸ステージ駆動部47は、例えば、モータ47aとネジ軸47bとナット部47c等で構成される。ネジ軸47bとナット部47cは、例えばボールネジで構成されている。
Y軸位置検出センサ43は、ステージ2の両端のうちの他端側に設けられ、ステージ2のY軸方向の位置情報を検出するものである。Y軸位置検出センサ43は、例えばリニアエンコーダ等で構成され、Y軸方向センサヘッド43aとY軸方向スケール43b等により構成される。
図2(b)において、ベース部46には、Y軸案内部45の固定部45bを支持する支持部46aが設けられている。また、ベース部46には、Y軸位置検出センサ43のY軸方向スケール43bが設けられている。なお、図示の便宜上、X軸方向スケール33bは、一部のみ示されている。
図3は、ステージ2の高さ方向(Z方向)の構成とX軸・Y軸位置検出センサ33,43の配置を示す模式図である。図3に示すように、ベース部46上には、順番に、Y軸案内部45(Y軸ステージ移動機構41)、X軸案内部35(X軸ステージ移動機構31)、ステージ2が配置されるようになっている。ステージ2を任意の位置に駆動した場合に、例えばX軸位置検出センサ33により、X軸案内部35の可動部35aと固定部35bの相対的な位置関係を計測している。なお、X軸案内部35の固定部35bは、Y軸案内部45の可動部45aと一体的に構成される。一方、Y軸案内部45の固定部45bは、ベース部46と一体的に構成される。そして、例えば、X軸方向センサヘッド33aは、可動部35aに取り付けられ、X軸方向スケール33bは、可動部45aに取り付けられる。一方、Y軸方向センサヘッド43aは、可動部45aに取り付けられ、Y軸方向スケール43bは、ベース部46に取り付けられる。
なお、X軸案内部35およびY軸案内部45は本発明の案内部に相当し、X軸ステージ駆動部37およびY軸ステージ駆動部47は本発明のステージ駆動部に相当する。X軸位置検出センサ33およびY軸位置検出センサ43は、本発明の位置検出センサに相当する。
<演算部>
次に、演算部21の構成について説明する。図4は、演算部21の構成を示す図である。演算部21は、X軸・Y軸位置検出センサ33,43により検出された検出位置情報Xsen,Ysen等に基づき、X軸・Y軸摺動部0x,0y(図2(a)参照)を基点とする回転変動量(姿勢変動量とも言う)θx,θyを算出する回転変動量算出部51と、回転変動量θx,θy等に基づき、ステージ2上の任意の撮影位置(例えば検査物の注目点)IPでのステージ変動量Δx,Δyを算出するステージ変動量算出部53とを備えている。また、演算部21は、算出されたステージ変動量Δx,Δyに基づき、断層画像Sを作成するための画像再構成における2次元画像の3次元空間への逆投影計算時に用いられる幾何学的なパラメータPRcを変更するパラメータ変更部55と、変更されたパラメータPRwに基づき座標変換を行って、断層撮影の各撮影ごとの撮影位置IPにおけるステージ2のステージ変動量Δx,Δyを考慮した断層画像Sを作成する画像再構成部57とを備えている。
なお、図2(a)に示すX軸摺動部0xは、ステージ2とX軸ステージ駆動部37との動力伝達部分であり、具体的には、X軸ステージ駆動部37のネジ軸37bと、ステージ2を支持する可動部35aと一体となったナット部37cとが噛み合う部分である。同様に、Y軸摺動部0yは、ネジ軸47bとナット部47cとが噛み合う部分である。
≪回転変動量算出部≫
まず、回転変動量算出部51について説明する。回転変動量算出部51は、検査物W撮影時のX軸・Y軸位置検出センサ33,43により検出された検出位置情報Xsen,Ysen等に基づいて、ステージ2とX軸・Y軸ステージ駆動部33,43との動力伝達部であるX軸・Y軸摺動部0x,0yを基点とする回転変動量θx,θyを算出する。回転変動量θx,θyは、次に示す(1)式により算出される。なお、図5(a)および図5(b)は、回転変動量θx,θyの算出方法の説明に供する図である。
なお、図5(a)および図5(b)において、符号33d,43dは、X軸・Y軸方向センサヘッド33a,43aの検出部の軌跡を延長した線であり、センサ軸とする。符号33dは、X軸方向センサ軸であり、符号43dは、Y軸方向センサ軸である。また、符号37d,47dは、ネジ軸37b,47b上のX軸・Y軸摺動部0x,0yの軌跡を延長した線であり、駆動軸とする。符号37dは、X軸方向駆動軸であり、符号47dは、Y軸方向駆動軸である。後述する図6も同様である。
Figure 0006015404
但し、Yact:Y軸摺動部0yのY軸方向の位置
Ysen:Y軸位置検出センサ43による検出位置
Xact:X軸摺動部0xのX軸方向の位置
Xsen:X軸位置検出センサ33による検出位置
Ly:Y軸方向センサ軸43dとY軸方向駆動軸47dとの距離
Lx:X軸方向センサ軸33dとX軸方向駆動軸37dとの距離
(1)式は、X軸・Y軸ステージ駆動部33,43によるX軸・Y軸摺動部0x,0yの位置が既知である場合の計算方法である。つまり、X軸・Y軸摺動部0x,0yを予め設定された位置に移動させるときの指令位置と、実際のX軸・Y軸摺動部0x,0yの位置が一致する場合の計算方法である。例えば、X軸・Y軸ステージ駆動部33,43が校正されておらず、X軸・Y軸ステージ駆動部33,43自体の位置決め精度が不十分の場合があるとする。この場合、仮に、繰り返し位置決め精度が十分であっても、校正がされていないことによる誤差が生じ、より正確な回転変動量θx,θyを算出できない。
そこで、次に示す(2)式により回転変動量θx,θyを算出してもよい。すなわち、校正用ファントムを用いてX軸・Y軸ステージ駆動部33,43の位置決め精度の校正を行ったときのX軸・Y軸位置検出センサ35,45による検出位置情報(センサ値)Xclb,Yclbを記憶しておき利用する。
校正は、検査物Wの断層撮影と同じ撮影条件で行われる。すなわち、校正は、検査物Wの断層撮影と同じ軌道でステージ2およびFPD4が駆動され、同じ撮影方向から撮影される。この校正時の各撮影方向における検出位置情報Xclb,Yclbを検出して記憶部19等に記憶しておく。なお、校正により、X軸・Y軸ステージ駆動部33,43の位置決め精度は改善されるが、繰り返し位置決め精度は改善されない。
回転変動量算出部51は、校正時の検出位置情報Xclb,Yclbと、検査物W撮影時のXsen,Ysenと、指令(設定)位置Xipt,Yiptと等に基づいて、回転変動量θx,θyを算出する。なお、図6(a)および図6(b)は、校正時の検出位置情報Xclb,Yclbを用いた回転変動量θx,θyの算出方法の説明に供する図である。
Figure 0006015404
但し、
Yipt:Y軸ステージ駆動部47に与えられた指令位置(値)
Ysen:Y軸ステージ駆動部47に指令位置Yiptが与えられたときの検査物撮影時の検出位置
Yclb:Y軸ステージ駆動部47に指令位置Yiptが与えられたときの校正時の検出位置
Xipt:X軸ステージ駆動部37に与えられた指令位置
Xsen:X軸ステージ駆動部37に指令位置Xiptが与えられたときの検査物W撮影時の検出位置
Xclb:X軸ステージ駆動部37に指令位置Xiptが与えられたときの校正時の検出位置
Ly:Y軸方向センサ軸43dとY軸方向駆動軸47dとの距離
Lx:X軸方向センサ軸33dとX軸方向駆動軸37dとの距離
≪ステージ変動量算出部≫
次に、ステージ変動量算出部53について説明する。ステージ変動量算出部53は、回転変動量θx,θy、およびX軸摺動部(基点)0xと撮影位置IPとの距離L等に基づいて、ステージ2上の予め設定された撮影位置IPにおけるステージ2の変動量を示すステージ変動量Δx,Δyを算出する。ステージ変動量Δx,Δyは、図7(a)の模式図に示すように、「2自由度のリンク機構」と同じ考え方で算出することができる。つまり、Y軸摺動部0yをリンクの原点、X軸摺動部0xをリンクの節、理想の撮影位置IP(Xp,Yp)をリンクの先端とする。これにより、撮影位置IP(Xp,Yp)におけるステージ2のステージ変動量Δx,Δyを次に示す(3)式により算出することができる。なお、図7(a)は、回転変動がないときのステージ変動量Δx,Δyの算出方法の説明に供する模式図であり、図7(b)は、回転変動量θx,θyを考慮したステージ変動量Δx,Δyの算出方法の説明に供する模式図である。ステージ変動量Δx,Δyは、ヨーイング方向Bのステージ2の姿勢変化に起因する撮影位置IPにおけるステージ2のX軸・Y軸方向の位置ずれである。
Figure 0006015404
但し、
φ(Xact):回転変動がないときのY軸摺動部0yとX軸摺動部0xがなす角度
φ(Xp,Xp):回転変動がないときのX軸摺動部0xと撮影位置IPがなす角度
(Xact):Y軸摺動部0yとX軸摺動部0xとの距離
(Xp,Xp):X軸摺動部0xと撮影位置IPとの距離
なお、図4中の符号Eは、撮影条件を示す。ここでの撮影条件は、(1)〜(3)式(後述する(5)式を含む)で用いられるX軸・Y軸位置検出センサ33,43により検出された検出位置情報Xsen,Ysen等以外の例えばXact,Yact,Lx,Ly等が与えられる。
≪パラメータ変換部等≫
次に、パラメータ変更部55について説明する。断層画像Sは、後述するFBP法などの公知の画像再構成の方法により計算される。画像再構成の計算では、投影または逆投影などの処理が行われるが、この際、検査物Wなどの3次元空間の座標とFPD4の投影画像Gwなどの2次元画像の座標等との幾何学的な位置関係(以下適宜、「幾何学的変換条件」)を正確に把握しておく必要がある。幾何学的変換条件は、複数のパラメータ等によって構成される。複数のパラメータを説明の便宜上、パラメータPRcとする。
パラメータPRcは、校正用ファントムによる校正時にパラメータ算出部59によって算出される。変更前のパラメータPRcの算出方法について簡単に説明する。校正用ファントムは、例えば内部に高X線吸収材(例えば金属)の球状のマーカを有して構成されたものが用いられる。この校正用ファントムを各方向から撮影して複数の投影画像Gcを取得する。パラメータ算出部59により、投影画像Gcに写り込んだマーカの座標と校正用ファントムのマーカの座標等とに基づいて各パラメータPRcを算出する。算出された各パラメータPRcは、記憶部61に記憶される。なお、各パラメータPRcは、記憶部61に限らず記憶部19に記憶させてもよい。
しかしながら、パラメータPRcをそのまま用いて画像再構成を行うと、上述のステージ2の繰り返し位置決め誤差、すなわち、ステージ2のガタツキを考慮していないことにより、断層画像Sが不鮮明なものになってしまう。そこで、パラメータ変更部55は、ヨーイング方向Bのステージ2の姿勢変化に起因する撮影位置IPにおけるステージ2のX軸・Y軸方向の位置ずれであるステージ変動量Δx,Δyに基づいて、パラメータPRcを変更してパラメータPRwを取得する。
まず、パラメータPRcを有する幾何学的変換条件の具体例を説明する。幾何学的変換条件は、例えば、3次元空間から2次元画像への透視投影を表す次の(4)式と、(4)式に含まれるパラメータPRcで一般的に表される。
Figure 0006015404
但し、
Pw(Pの上にチルダ):ワールド座標系での3次元斉次座標
Pip(Pの上にチルダ):画像上のピクセル座標系での2次元斉次座標
M:変換行列(Rは回転行列、tは並進ベクトル)
P:変換行列
A:変換行列
なお、変換行列Mは、検査物Wの3次元空間の座標系(ワールド座標系)とX線管3焦点の座標系の位置関係を表す。これは、検査物Wの座標をどれだけ並進して回転したらX線管3の焦点の座標に一致するかを表す。変換行列Pは、X線管3の焦点の座標系をFPD4の座標系に変換するものである。変換行列Pのパラメータfは、X線管3の焦点からFPD4表面までの距離を表す。変換行列Aは、FPD4の座標系を2次元画像の座標系に変換するものである。これら変換行列M,P,Aにより、検査物Wの3次元空間の座標系は、2次元画像の座標系に変換される。
(4)式において、具体的には、変換行列Mのパラメータtにステージ変動量Δx,Δyがパラメータ変更部55によって適切に組み込まれる。これにより、繰り返し位置決め誤差であるステージ変動量Δx,Δyを考慮したパラメータPRwとなる。
すなわち、パラメータ変更部55は、ステージ変動量Δx,Δyに基づいて2次元画像の3次元空間への逆投影計算時の幾何学的な関係を示す幾何学的変換条件におけるパラメータPRcを変更する。これにより、(4)式による3次元空間から2次元画像へ、または(4)式とは別の式による2次元画像から3次元空間へ正確に座標変換することができるようになる。また、断層撮影の各撮影方向やステージ2上の予め設定された撮影位置IPで個別に異なるパラメータPRcのステージ2のガタツキによる影響を改善することができる。
≪画像再構成部≫
次に、画像再構成部57について説明する。画像再構成部57は、パラメータ変更部55で変更されたパラメータPRwを有する幾何学的変換条件に基づいて、検査物Wに対して異なる方向から取得した複数の投影画像Gwを画像再構成して断層画像Sを作成する。画像再構成のアルゴリズムは、例えば、FBP(Filtered Back Projection)法などの公知の方法が用いられる。なお、その他公知な方法としては、例えば、ML−EM(maximum likelihood - expectation maximization)法が挙げられる。
次に、図8に示すフローチャートを参照してX線検査装置1の動作について説明する。なお、ステップS11,S12は、ステップS04内で説明する。
〔ステップS01〕検査物の断層撮影
図1を参照する。固定して配置されたX線管3から鉛直上方に向けてX線を広範囲に照射することで、検査物WにX線を照射する。FPD4は、検査物Wを透過したX線を検出し、投影画像Gwを取得する。断層撮影は、検査物Wに対して異なる複数の方向から行われ、複数の投影画像Gwを取得する。また、断層撮影において、検査物Wを載置したステージ2は、X軸・Y軸ステージ移動機構31,41によって、回転軸Rに垂直なXY平面で回転軸R周りに円軌道を描くように平行移動される。また、このステージ2の動きに同期して、FPD4は、検出器回転機構8よって回転軸R周りに回転される。
断層撮影の各撮影方向において、投影画像Gwを撮影すると共に、X軸・Y軸位置検出センサ33,43によるステージ2の検出位置情報Xsen,Ysenを検出する。X軸・Y軸位置検出センサ33,43で検出した検出位置情報Xsen,Ysenは、演算部21に送信される。
〔ステップS02〕回転変動量の算出
回転変動量算出部51は、検査物W撮影時のX軸・Y軸位置検出センサ33,43により検出された検出位置情報Xsen,Ysen等に基づいて、ステージ2とX軸・Y軸ステージ駆動部33,43との動力伝達部であるX軸・Y軸摺動部0x,0yを基点とする回転変動量θx,θyを算出する。回転変動量θx,θyは、(1)式、(2)式または後述する式(5)により算出される。なお、(2)式においては、ステップS11の校正時の断層撮影で検出して記憶させている各撮影方向における検出位置情報Xclb,Yclbを用いる。
〔ステップS03〕ステージ変動量の算出
ステージ変動量算出部53は、回転変動量θx,θy、およびX軸摺動部(基点)0xと撮影位置IPとの距離L,L等に基づいて、ステージ2上の予め設定された撮影位置IPにおけるステージ2の変動量を示すステージ変動量Δx,Δyを算出する。
〔ステップS04〕パラメータの変更
パラメータ変更部55は、ステージ変動量Δx,Δyに基づいて3次元空間と2次元画像との間の幾何学的な関係を示す幾何学的変換条件における例えば変換行列Mの並進ベクトルt(パラメータ)を変更する。すなわち、パラメータPRcは、変更後のパラメータPRwに変更される。
なお、変更前の幾何学的変換条件のパラメータPRcは、校正用ファントムによる校正時に算出される。まず、校正用ファントムを各方向から撮影して複数の投影画像Gcを取得する(ステップS11)。そして、パラメータ算出部59は、投影画像Gcに写り込んだマーカの座標や校正用ファントムのマーカの座標等とに基づいて、パラメータPRcを算出する(ステップS12)。算出されたパラメータPRcは、記憶部61に記憶される。
〔ステップS05〕画像再構成
画像再構成部57は、パラメータ変更部55で変更されたパラメータPRwを有する幾何学的変換条件に基づいて、検査物Wに対して異なる方向から取得した複数の投影画像Gwを画像再構成して断層画像Sを作成する。作成された断層画像Sは、表示部15に表示され、記憶部19に記憶される。断層画像Sは、ステージ変動量Δx,Δyを考慮して位置ずれを抑えた正確な位置に逆投影するので、高解像度のものとなっている。
本実施形態によれば、検査物W撮影時のX軸・Y軸位置検出センサ35,45により検出された検出位置情報Xsen,Ysenに基づいて、ステージ2とX軸・Y軸ステージ駆動部37,47との動力伝達部分であるX軸・Y軸摺動部0x,0yを基点とするステージ2の回転変動量θx,θyを算出する。そして、回転変動量θx,θy、および基点(X軸・Y軸摺動部0x,0y)とステージ2上の撮影位置IPとの距離L,Lに基づいて、撮影位置IPにおけるステージ2の変動量を示すステージ変動量Δx,Δyを算出する。すなわち、基点(X軸・Y軸摺動部0x,0y)周りのステージ2の回転変動量θx,θyと、基点(X軸・Y軸摺動部0x,0y)とステージ2上の撮影位置IPとの距離L,Lから、撮影位置IPにおけるステージ変動量Δx,Δyが算出される。ステージ変動量Δx,Δyは、ヨーイング方向Bのステージ2の姿勢変化に起因する撮影位置IPにおけるステージ2のX軸・Y軸方向の位置ずれであり、繰り返し位置決め誤差である。このステージ変動量Δx,Δyに基づきステージ2の位置ずれを補正して、検査物Wに対して異なる方向から取得した複数の投影画像Gwを画像再構成して断層画像Sを作成する。そのため、繰り返し位置決め誤差を考慮した高解像度の断層画像Sを作成することができる。
また、繰り返し位置決め精度の不十分さを改善するために、X軸・Y軸位置検出センサ37,47を採用するという簡易な構成でよいので、例えば従来のステージ2の両端それぞれで複数のX軸・Y軸案内部を設けていた構成に比べて装置を安価に構成することができる。
また、回転変動量算出部51は、校正用ファントムによる校正時に検出したX軸・Y軸位置検出センサ33,43の検出位置情報Xclb,Yclbと、検査物W撮影時に検出したX軸・Y軸位置検出センサ33,43の検出位置情報Xsen,Ysenに基づいて、回転変動量θx,θyを算出する。すなわち、校正用ファントムによるX軸・Y軸ステージ駆動部37,47の校正がされており、X軸・Y軸ステージ駆動部37,47により移動されるステージ2の位置決め精度は良好なものとなっている。この校正時にX軸・Y軸位置検出センサ33,43により検出位置情報Xclb,Yclbを検出しておき、検出された校正時の検出位置情報Xclb,Yclbと、検査物W撮影時の検出位置情報Xsen,Ysenとに基づいて、回転変動量θx,θyを算出する。そのため、ステージ2の位置決め精度を良好なものにしつつ、回転変動量θx,θyを正確に算出することができる。
また、X軸・Y軸ステージ駆動部37,47は、ステージ2の両端のうちの一端側に設けられ、X軸・Y軸位置検出センサ33,43は、ステージ2の両端のうちの他端側に設けられている。すなわち、ステージを挟んでステージ駆動部の反対側に位置検出センサが設けられているので、ステージの姿勢変化を大きく検出することができる。
また、ステージ2は、XY軸の2方向に移動するように構成され、各々の移動方向には、X軸・Y軸ステージ駆動部37,47およびX軸・Y軸位置検出センサ33,43が設けられている。これにより、XY軸の移動方向に設けられたX軸・Y軸位置検出センサ33,43により検出された検出位置情報Xsen,Ysenに基づいて、高精度なステージ移動量Δx,Δyを算出することができる。
<第2の実施形態>
次に、図面を参照して本発明の第2の実施形態を説明する。第2の実施形態は、ステージ変動量Δx,Δyを取得するまでの構成が第1の実施形態と同様である。しかしながら、第2の実施形態では、ステージ変動量Δx,Δyをピクセル表現のピクセルずれ量Δxpx,Δypxに変換し、変換したピクセルずれ量Δxpx,Δypxをなくす方向に投影画像Gwを移動させている。繰り返し位置決め精度が不十分な場合でも、例えば、透視撮影など検査物Wの注目点を常に中心に捕らえるように動作するトラッキング機能等において、高精度に位置決めされた投影画像Gwを作成することができる。なお、図9は、第2の実施形態に係る演算部の構成を示す図であり、図10は、位置ずれ補正部の動作説明に供する図である。また、第1の実施形態と重複する説明は省略する。
図9を参照する。本実施形態において、図4に示すパラメータ変更部55、画像再構成部57、パラメータ算出部59および記憶部61に代えて、演算部21は、ステージ変動量Δx,Δyを、FPD4で取得した投影画像Gw上におけるピクセルずれ量Δxpx,Δypxに変換するピクセルずれ量変換部63と、ピクセルずれ量Δxpx,Δypxに基づいて、位置ずれをなくす方向に投影画像Gwを移動させて補正する位置ずれ補正部65とを備えている。
位置ずれ補正部65は、図10に示すように、ピクセルずれ量Δxpx,Δypxを含んだ撮影位置IP(Xp+Δxpx,Yp+Δypx)から、ピクセルずれ量Δxpx,Δypxを除いた撮影位置IP(Xp,Yp)となるように補正する。なお、符号Gaは補正後の投影画像を示し、符号bkは、例えばデータなしの領域を示す。
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、ステージ変動量Δx,Δyを算出している。ステージ変動量Δx,Δyは、ヨーイング方向Bのステージ2の姿勢変化に起因する撮影位置IPにおけるステージ2のX軸・Y軸方向の位置ずれであり、繰り返し位置決め誤差である。このステージ変動量Δx,Δyを、投影画像Gw上におけるピクセルずれ量Δxpx,Δypxに変換し、変換したピクセルずれ量Δxpx,Δypxに基づいて位置ずれをなくす方向に投影画像Gwを移動させる。これにより、繰り返し位置決め精度が不十分な場合でも、例えば、検査物Wの注目点を常に中心に捕らえるように動作するトラッキング機能等において、高精度に位置決めされた投影画像Gwを作成することができる。
<第3の実施形態>
次に、図面を参照して本発明の第3の実施形態を説明する。第1および第2の実施形態では、XY軸の2方向に移動するように構成され、X・Y軸の移動方向それぞれには、X軸・Y軸案内部35,45、X軸・Y軸ステージ駆動部37,47およびX軸・Y軸位置検出センサ35,45が設けられていた。この点、第3の実施形態では、一方の移動方向のヨーイング方向Bの拘束力を強化し、他方の移動方向に位置検出センサが設けられるようにしている。これにより、ヨーイング方向Bの拘束力を強化してガタツキを抑制しつつ、ステージ変動量Δx,Δyを算出している。なお、図11は、第3の実施形態に係るステージ2とその周辺構成を示す平面図である。また、第1および第2の実施形態と重複する説明は省略する。
図11を参照する。ステージ2は、XY軸の2方向に移動するように構成され、XY軸それぞれには、X軸・Y軸案内部35,45およびX軸・Y軸ステージ駆動部37,47が設けられる。また、XY軸のうちの一方には、例えばX軸の移動方向と直交するY軸方向に並んで配置されるようにX軸案内部75が追加して設けられている。すなわち、Y軸方向におけるステージ2の両側にそれぞれ、2つ(複数)のX軸案内部35,75が設けられている。さらに、XY軸のうちの他方(図11中のY軸方向)には、Y軸位置検出センサ43が設けられている。なお、Y軸案内部45を複数設けて、X軸位置検出センサ33を設けるようにしてもよい。
本実施形態では、上述のようにX軸位置検出センサ33が設けられておらず、Y軸位置検出センサ43のみが設けられている。この場合でも、上述した(1)〜(4)式の変数を定数にするなど適切に式変換することで、第1および第2の実施形態と同様にステージ変動量Δx,Δyを算出することができる。
さらに、図11に示すにX軸・Y軸ステージ移動機構31,41を構成する際に、X軸・Y軸位置検出センサ33,43は、XY軸のうち、ステージ2の一端側に設けられたX軸・Y軸案内部35,45と、ステージ2の他端側に設けられたX軸・Y軸ステージ駆動部37,47との間隔Dx,Dyが広い方の移動方向に設けられていることが好ましい。
すなわち、図2(a)に示すように、X軸・Y軸案内部35,45とX軸・Y軸ステージ駆動部37,47との間隔Dx,Dyがあり、間隔Dy>間隔Dxの関係にあるとする。この場合は、間隔Dxより広い間隔DyのY軸方向、すなわち、Y軸ステージ移動機構41側にY軸位置検出センサ43を設ける。
つまり、XY軸のうち、X軸・Y軸案内部35,45とX軸・Y軸ステージ駆動部37,47との間隔Dx,Dyが広い方の移動方向では、ステージ2の姿勢変化が大きくなるので、X軸・Y軸位置検出センサ33,43の配置におけるステージ2の姿勢変化が大きく検出することができる。よって、高精度なステージ変動量Δx,Δyを算出することができる。
本実施形態によれば、XY軸のうちの一方には、X軸・Y軸案内部35,45が追加して設けられているので、ステージ2のヨーイング方向Bの拘束力を強化することができる。また、XY軸の他方には、X軸・Y軸位置検出センサ33,43が設けられているので、X軸・Y軸位置検出センサ33,43による検出位置情報Xsen,Ysenによりステージ変動量Δx,Δyを算出することができる。
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した各実施形態では、回転変動量θx,θyは、(1)式または(2)式により算出されていた。この点、次に示す(5)式により回転変動量θx,θyを算出してもよい。すなわち、撮影ごとのX軸・Y軸摺動部0x,0yにおいて生じる回転変動量θx,θyは非常に小さい。そのため、ステージ移動前後での回転変動量θx,θyは、(2)式を近似した(5)式により算出する。
Figure 0006015404
但し、
ΔXsen,ΔYsen:ステージ移動前後でのセンサ値差分
ΔXipt,ΔYipt:ステージ移動前後でのX軸・Y軸ステージ駆動部37,47の指令値差分
Ly:Y軸方向センサ軸43dとY軸方向駆動軸47dとの距離
Lx:X軸方向センサ軸33dとX軸方向駆動軸37dとの距離
(2)上述した各実施形態および変形例(1)では、図2および図11に示すように、ステージ2の両端にX軸・Y軸案内部35,45(,75)が設けられていた。この点、X軸・Y軸ステージ駆動部37,47は、ステージ2の両端のうちのX軸・Y軸ステージ駆動部37,47側のX軸・Y軸案内部35,45を兼ねていてもよい。つまり、図12に示すように、X軸・Y軸ステージ駆動部37,47側のX軸・Y軸案内部35,45を取り除いて、ステージ2のX軸・Y軸方向への案内をX軸・Y軸ステージ駆動部37,47で行う。これにより、X軸・Y軸案内部35,45の数を削減でき、装置をより安価でコンパクトな構成にすることができる。
(3)上述した各実施形態および各変形例では、ステージ2は、回転軸Rに垂直なXY平面で回転軸R周りに円軌道を描くようにXY軸の2方向に移動されていた。この点、断層撮影時に、ステージ2はX軸またはY軸の1方向に移動されてもよい。この場合、(1)〜(5)式の変数を定数にするなど適切に式変換することで、同様にステージ変動量Δx,Δyを算出することができる。なお、図1に示すステージ2がX軸方向のみに移動する場合、例えばFPD4は、ステージ2の移動に同期して検出器傾動駆動部7によって傾動する。
(4)上述した各実施形態および各変形例では、X線検査装置1であったが、例えば、線源から検査物Wにγ線を照射し、検査物Wを透過したγ線をγ線検出器で検出して投影画像Gw等を取得するγ線検査装置であってもよい。
(5)上述した各実施形態および各変形例では、ステージ2およびFPD4を回転軸R周りに回転させる等により断層撮影やその他検査(透視撮影)等を行っていた。この点、FPD4に代えてX線管3をステージ2の動作に同期してX線管3を回転軸R周りに回転させる等のように構成してもよい。また、ステージ2、X線管3およびFPD4を回転軸R周りに回転させるように構成してもよい。なお、X線管3を駆動させる場合、X線管3は、例えば、図示しないX線管傾動駆動部により傾動され、図示しないX線管回転機構により回転軸R周りに回転される。また、検出器傾動駆動部7、検出器回転機構8、図示しないX線管傾動駆動部およびX線管回転機構は、本発明の撮影系駆動部に相当する。
すなわち、ステージ2のみ移動する場合は、検査物Wの同一注目点を検出器で捕らえ続けることが難しい場合がある。それは、FPD4の検出領域の大きさに制限などがあり、FPDの検出領域からその注目点が外れてしまうためである。ステージ2だけでなく、X線管3またはFPD4を駆動させることにより、FPD4の検出領域から検査物Wの注目点を外すことなく捕らえ続けることができる。これは、断層撮影時やその他検査時に、注目点を異なる方向から観察したいとき有用であり、それによりステージ2が大きく移動した場合でも本発明により、同一の撮影位置、同一の撮影方向で位置ずれの発生を抑えることができる。
(5)上述した各実施形態および各変形例では、ステージ2は、XY軸の2方向に移動するように構成されていたが、3方向以上に移動するように構成されていてもよい。
1 … X線検査装置
2 … ステージ
2a … 載置面
3 … X線管
4 … フラットパネル型X線検出器(FPD)
13 … 主制御部
33 … X軸位置検出センサ
35,75 … X軸案内部
37 … X軸ステージ駆動部
43 … Y軸位置検出センサ
45 … Y軸案内部
47 … Y軸ステージ駆動部
51 … 回転変動量算出部
53 … ステージ変動量算出部
55 … パラメータ変更部
57 … 画像再構成部
0x … X軸摺動部
0y … Y軸摺動部
Xsen,Ysen … 検出位置情報
θx,θy … 回転変動量
Δx,Δy … ステージ変動量
Gw … 投影画像(検査物撮影時)
Gc … 投影画像(校正時)
PRc… パラメータ(変更前)
PRw… パラメータ(変更後)
S … 断層画像
Dx,Dy… 間隔

Claims (8)

  1. 査物に放射線を照射する放射線源と、検査物を透過した放射線を検出して投影画像を取得する放射線検出器と、前記放射線源と放射線検出器の間に設けられて検査物を載置するステージとを備えた放射線検査装置において、
    案内部に対して略直線方向に移動可能に保持された前記ステージと、
    当該ステージに前記移動のための駆動力を伝達するためのステージ駆動部と、
    前記案内部に対する前記ステージの傾きを表す回転変動量を算出する回転変動量算出部と、
    前記回転変動量に基づいて、ステージ変動量を算出するステージ変動量算出部と、
    前記ステージ変動量に基づいて、前記ステージの位置を補正してから再構成を行う画像再構成部と、
    を備えていることを特徴とする放射線検査装置。
  2. 請求項1に記載の放射線検査装置において、
    前記ステージの位置を検出する位置検出センサを備え、
    前記回転変動量算出部は、検査物撮影時の前記位置検出センサにより検出された検出位置情報に基づいて、前記回転変動量を算出し、
    前記ステージ駆動部は、前記ステージの両端のうちの一端側に設けられ、
    前記位置検出センサは、前記ステージの両端のうちの他端側に設けられていることを特徴とする放射線検査装置。
  3. 請求項2に記載の放射線検査装置において、
    前記回転変動量算出部は、校正用ファントムによる前記ステージ駆動部の校正時に検出した前記位置検出センサの検出位置情報と、検査物撮影時に検出した前記位置検出センサの検出位置情報に基づいて、前記ステージの回転変動量を算出することを特徴とする放射線検査装置。
  4. 請求項に記載の放射線検査装置において、
    前記ステージは、少なくともXY軸の2方向に移動するように構成され、
    前記XY軸それぞれには、前記ステージ駆動部が設けられると共に、移動方向と直交する方向に並んだ前記ステージの両端に前記ステージを移動方向に沿って案内する案内部がそれぞれ設けられ、
    前記XY軸のうちの一方には、前記移動方向と直交する方向に並んで配置されるように案内部が追加して設けられ、
    前記XY軸のうちの他方にのみ、前記位置検出センサが設けられていることを特徴とする放射線検査装置。
  5. 請求項4に記載の放射線検査装置において、
    前記位置検出センサは、
    X軸に沿う前記ステージの両端にそれぞれ設けられた案内部のうち、X軸のステージ駆動部が設けられた側とは反対側の前記ステージの端にある案内部と、前記X軸のステージ駆動部との間隔と、
    Y軸に沿う前記ステージの両端にそれぞれ設けられた案内部のうち、Y軸のステージ駆動部が設けられた側とは反対側の前記ステージの端にある案内部と、前記Y軸のステージ駆動部との間隔と
    を比べて、その間隔が広い方の軸側に設けられていることを特徴とする放射線検査装置。
  6. 請求項2または3に記載の放射線検査装置において、
    前記ステージは、少なくともXY軸の2方向に移動するように構成され、
    各々の移動方向には、前記ステージ駆動部および前記位置検出センサが設けられていることを特徴とする放射線検査装置。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の放射線検査装置において、
    前記放射線源および前記放射線検出器の少なくともいずれか一方を駆動させる撮影系駆動部を備えていることを特徴とする放射線検査装置。
  8. 査物に放射線を照射する放射線源と、検査物を透過した放射線を検出して投影画像を取得する放射線検出器と、前記放射線源と放射線検出器の間に設けられて検査物を載置するステージとを備えた放射線検査装置において、
    案内部に対して略直線方向に移動可能に保持された前記ステージと、
    当該ステージに前記移動のための駆動力を伝達するためのステージ駆動部と、
    前記案内部に対する前記ステージの傾きを表す回転変動量を算出する回転変動量算出部と、
    前記回転変動量に基づいて、ステージ変動量を算出するステージ変動量算出部と、
    記ステージ変動量を、前記投影画像上におけるピクセルずれ量に変換するピクセルずれ量変換部と、
    記ピクセルずれ量に基づいて位置ずれをなくす方向に前記投影画像を移動させる位置ずれ補正部とを備えていることを特徴とする放射線検査装置。
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