JP5824321B2 - レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は、以下の発明を含む。
〔1〕(X)式(aa)で表される構造単位と式(ab)で表される構造単位とを有する樹脂及び
(B)酸発生剤を含有するレジスト組成物。
[式(aa)中、
Raa1は、水素原子又はメチル基を表す。
Aaa1は、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルカンジイル基又は式(a−1)で表される基を表す。
(式(a−1)中、
sは0又は1の整数を表す。
X10及びX11は、それぞれ独立に、酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す。
A10、A11及びA12は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基を表す。
*は炭素原子との結合手である。)
Raa2は、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。]
[式(ab)中、
Rab1は、水素原子又はメチル基を表す。
Aab1は、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルカンジイル基、式(a−2)で示される基又は単結合を表す。
(式(a−2)中、
tは0または1の整数を表す。
X30及びX31は、それぞれ独立に、酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す。
A30及びA31は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基を表す。
A32は、置換基を有していてもよい炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基又は単結合を表す。
*はW1との結合手である。)
W1は、置換基を有していてもよい炭素数4〜36の脂環式炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
nは1又は2を表す。
Aab2は、炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。nが2の場合、2つのAab2は同一又は相異なる。
Rab2は、炭素数1〜12のフッ化アルキル基を表し、フッ化アルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基又はヒドロキシメチル基に置換されていてもよい。nが2の場合、2つのRab2は同一又は相異なる。]
〔2〕前記式(aa)のAaa1が、炭素数1〜6のアルカンジイル基である〔1〕記載のレジスト組成物。
〔3〕前記式(aa)のAaa1が、メチレン基である〔1〕記載のレジスト組成物。
〔4〕前記式(ab)のnが1であり、W1が、アダマンタンジイル基又はシクロヘキサンジイル基である〔1〕〜〔3〕のいずれか記載のレジスト組成物。
〔5〕前記(B)が、式(B1)で表される酸発生剤である〔1〕〜〔4〕のいずれか記載のレジスト組成物。
[式(B1)中、
Q1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
Lb1は、炭素数1〜17の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
Z+は、有機カチオンを表す。]
〔6〕前記式(B1)のYが、置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基である〔1〕〜〔5〕記載のレジスト組成物。
〔7〕さらに、(A)アルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液に可溶となる樹脂を含有する〔1〕〜〔6〕記載のレジスト組成物。
〔8〕(1)前記〔1〕〜〔7〕のいずれか記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物から溶剤を除去して組成物層を形成する工程、
(3)組成物層を露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程を含むレジストパターンの製造方法。
この鎖式炭化水素基は特に限定しない限り、ここに例示したアルキル基の一部に炭素−炭素二重結合を含んでいてもよいが、このような炭素−炭素二重結合などを有さない、飽和の鎖式炭化水素基、特に飽和のアルキル基が好ましい。2価の鎖式炭化水素基は、ここに示したアルキル基から水素原子を1個取り去ったアルカンジイル基が該当する。
ここでは、水素原子を取り去る前の脂環式炭化水素を例示する。単環式の脂環式炭化水素は典型的にはシクロアルカンであり、以下の式(KA−1)で表されるシクロプロパン(C3)、式(KA−2)で表されるシクロブタン(C4)、式(KA−3)で表されるシクロペンタン(C5)、式(KA−4)で表されるシクロヘキサン(C6)、式(KA−5)で表されるシクロヘプタン(C7)、式(KA−6)で表されるシクロオクタン(C8)及び式(KA−7)で表されるシクロドデカン(C12)などが挙げられる。
多環式の脂環式炭化水素は、例えば、以下の式(KA−8)で示されるビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン(以下「ノルボルナン」ということがある)(C7)、式(KA−9)で示されるアダマンタン(C10)及び式(KA−10)〜式(KA−22)で示される脂環式炭化水素などが挙げられる。
2価の脂環式炭化水素基とは、式(KA−1)〜式(KA−22)の脂環式炭化水素から水素原子を2個取り去った基が該当する。
アルコキシ基としては、メトキシ基(C1)、エトキシ基(C2)、プロポキシ基(C3)、ブトキシ基(C4)、ペンチルオキシ基(C5)、ヘキシルオキシ基(C6)、ヘプチルオキシ基(C7)、オクチルオキシ基(C8)、デシルオキシ基(C10)及びドデシルオキシ基(C12)などであり、これらアルコキシ基は直鎖でも分岐していてもよい。
アシル基としては、アセチル基(C2)、プロピオニル基(C3)、ブチリル基(C4)、バレイル基(C5)、ヘキシルカルボニル基(C6)、ヘプチルカルボニル基(C7)、オクチルカルボニル基(C8)、デシルカルボニル基(C10)及びドデシルカルボニル基(C12)などのアルキル基とカルボニル基とが結合したものに加え、ベンゾイル基(C7)などのようにアリール基とカルボニル基とが結合したものを含む。これらアシル基のうち、アルキル基とカルボニル基とが結合したものの該アルキル基は直鎖でも分岐していてもよい。
アリール基としては、上述の芳香族炭化水素基のアリール基として例示したものと同じであり、アリールオキシ基の具体例は、当該アリール基と酸素原子とが結合したものである。
アラルキル基としては、ベンジル基(C7)、フェネチル基(C8)、フェニルプロピル基(C9)、ナフチルメチル基(C11)及びナフチルエチル基(C12)などである。
本発明のレジスト組成物は、樹脂(以下「樹脂(X)」ということがある)及び酸発生剤を含有する。
本発明のレジスト組成物は、樹脂(X)を含有することにより、優れたCD均一性のレジストパターンを製造できる。
また、本発明のレジスト組成物は、樹脂(X)とは異なり、アルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液に可溶となるという特性を有する樹脂(A)をさらに含有していることが好ましい。樹脂(X)がこのような特性を有していてもよい。これにより、本発明のレジスト組成物は、樹脂(X)と酸発生剤との相乗効果によって、より良好なレジストパターンを形成できる。なお、樹脂(X)が上記特性を有する場合は、本発明のレジスト組成物は、必ずしも樹脂(A)を含有していなくてもよい。
本発明のレジスト組成物は、さらに(D)溶剤及び/又は塩基性化合物を含有していることが好ましい。
樹脂(X)は、式(aa)で表される構造単位(以下「構造単位(aa)」ということがある)と、式(ab)で表される構造単位(以下「構造単位(ab)」ということがある)を有する。
Aaa1は、炭素数1〜6のアルカンジイル基又は式(a−1)で表される基(以下「基(a−1)」ということがある)である。
Aaa1のアルカンジイル基は、直鎖状であっても、分岐していてもよく、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;1−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、1−メチルブタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基が挙げられる。
アルカンジイル基における置換基としては、ヒドロキシ基及び炭素数1〜6のアルコキシ基などが挙げられる。
A10、A11及びA12の脂肪族炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、1−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基等が挙げられる。
A10、A11及びA12における置換基としては、ヒドロキシ基及び炭素数1〜6のアルコキシ基などが挙げられる。
などが挙げられる(*は結合手を表す)。
などが挙げられる(*は結合手を表す)。
などが挙げられる(*は結合手を表す)。
などが挙げられる(*は結合手を表す)。
脂肪族炭化水素基は部分的に、炭素−炭素不飽和結合を有していてもよいが、炭素−炭素不飽和結合を有さない飽和の脂肪族炭化水素基(脂肪族飽和炭化水素基)が好ましい。好ましい脂肪族炭化水素基としては、アルキル基(当該アルキル基は直鎖でも分岐していてもよい。)及び脂環式炭化水素基が挙げられる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基及びオクチル基などが挙げられる。
脂環式炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、シクロヘプチル基及びシクロオクチル基などのシクロアルキル基が挙げられる。
多環式の脂環式炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及びメチルノルボルニル基並びに下記に示す基などが挙げられる。
これらアルキル基及び脂環式炭化水素を任意に組み合わせた基であってもよい。
鎖式のフッ素原子が置換された脂肪族炭化水素基としては、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1,1−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペルフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロプロピル基、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロピル基、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、ペルフルオロエチルメチル基、1−(トリフルオロメチル)−1,2,2,2−テトラフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、1,1,2,2−テトラフルオロブチル基、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブチル基、ペルフルオロブチル基、1,1−ビス(トリフルオロ)メチル−2,2,2−トリフルオロエチル基、2−(ペルフルオロプロピル)エチル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロペンチル基、1,1,1,2,2,3,3,4,4−ノナフルオロペンチル基、ペルフルオロペンチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロペンチル基、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、ペルフルオロペンチル基、2−(ペルフルオロブチル)エチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロヘキシル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−ドデカフルオロヘキシル基、ペルフルオロペンチルメチル基、ペルフルオロヘキシル基、ペルフルオロヘプチル基、ペルフルオロオクチル基などが挙げられる。
なかでも、好ましくは、トリフルオロメチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、ペルフルオロエチル基、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロピル基、ペルフルオロプロピル基、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロブチル基、ペルフルオロブチル基、1,1,1,2,2,3,3,4,4−ノナフルオロペンチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、ペルフルオロヘプチル基及びペルフルオロオクチル基などであり、より好ましくは、炭素数が1〜6のペルフルオロアルキル基であり、さらに好ましくは、炭素数1〜3のペルフルオロアルキル基である。
(式(aa’)中の符号はいずれも、前記と同義である。)
溶媒としては、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。触媒としては、炭酸カリウム及びヨウ化カリウムなどを用いればよい。
式(aas−1)で表される化合物としては、典型的には、市場から容易に入手できるもの(市販品)が好ましい。かかる市販品は、メタクリル酸などである。
式(aas−2)で表される化合物は例えば、式(aas−3)で表される化合物と式(aas−4)で表される化合物とを反応させることで製造できる。この反応は、溶媒中、塩基触媒の存在下で実施される。この反応で用いる溶媒としては、テトラヒドロフランなどが挙げられる。塩基触媒としては、ピリジンなどが用いられる。
式(aas−3)で表される化合物としては例えば、クロロアセチルクロリドなどが挙げられる。このクロロアセチルクロリドは市場から容易に入手できる。
式(aas−4)で表される化合物としては例えば、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブタノールなどが挙げられる。この2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブタノールは市場から容易に入手できる。
Aab1は、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルカンジイル基、式(a−2)で示される基(以下「基(a−2)」ということがある)又は単結合を表す。
Aab1のアルカンジイル基の具体例は、式(aa)のAaa1と同様のものが挙げられる。また、その置換基は、前記式(aa)のAaa1と同じく、ヒドロキシ基及び炭素数1〜6のアルコキシ基などである。
基(a−2)の具体例のうち、A32が単結合以外のものは、前記基(a−1)の具体例と同じものを含む。ここでは、A32が単結合である基(a−2)について具体例を示すが、この具体例の*は、式(a−2)と同様に、W1との結合手を示す。
酸素原子を有する基(a−2)としては、
などが挙げられる。
などが挙げられる。
などが挙げられる。
などが挙げられる。
酸素原子及びカルボニルオキシ基を含む基(a−2)としては
などが挙げられる。
W1の脂環式炭化水素基としては、上述した式(KA−1)〜式(KA−22)で表される脂環式炭化水素から水素原子を(n+1)個取り去った基が挙げられ、好ましくは炭素数5〜24の脂環式炭化水素基、炭素数が5〜18の脂環式炭化水素基であり、より好ましくは6〜12の脂環式炭化水素基である。なかでも、アダマンタン、シクロヘキサン、ノルボルナン又はノルボルネンから水素原子を(n+1)個取り去った基が好ましく、アダマンタン又はシクロヘキサンから水素原子を(n+1)個取り去った基がより好ましく、アダマンタンから水素原子を(n+1)個取り去った基がさらに好ましい。
ただし、W1では、脂環式炭化水素基及び置換基の合計炭素数は4〜36が好ましい。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基及びオクチルオキシ基などが挙げられ、これらのアルコキシ基は直鎖でも、分岐していてもよい。
脂環式炭化水素基としては、シクロヘキシル基、アダマンチル基及びノルボルニル基などが挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基及びナフチル基などが挙げられる。
式(W1−1)中、
Aab2、Rab2及びnは、前記と同義である。
アダマンタン環に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。アダマンタン環に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基に置換されていてもよい。*はAab1との結合手を表す。
アダマンタン環に含まれるメチレン基が、酸素原子又はカルボニル基に置き換わる場合、置き換えられるメチレン基の個数は最大2個程度であり、置き換えられるメチレン基の個数は0であるとさらに好ましい。
Aab2、Rab2及びnは、前記と同義である。
シクロヘキサン環に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。シクロヘキサン環に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基に置換されていてもよい。*はAab1との結合手を表す。
シクロヘキサン環に含まれるメチレン基が、酸素原子又はカルボニル基に置き換わる場合、置き換えられるメチレン基の個数は最大2個程度であり、置き換えられるメチレン基の個数は0であるとさらに好ましい。
同様に、式(W1−2)のシクロヘキサン環にある水素原子が、アルキル基、アルコキシ基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基からなる群より選ばれる基に置き換えられている場合、その置換数は最大3個程度であり、この置換数が2以上の場合、置き換えられた複数の基はそれぞれ独立である。
脂肪族炭化水素基は部分的に、炭素−炭素不飽和結合を含んでもよいが、このような不飽和結合を有さない、脂肪族飽和炭化水素基が好ましく、典型的にはアルカンジイル基である。アルカンジイル基としては、すでに例示したものを含む。
また、脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよく、このような基としては、例えば、以下の基が挙げられる。なお、*は、W1との結合手を表す。
Rab2における置換基としては、ヒドロキシ基又はヒドロキシメチル基が挙げられる。
(式(ab’)中の符号はいずれも、前記と同義である。)
化合物(ab’)は例えば、国際公開第2008/015876号パンフレットに記載された方法に準じて製造することができる。
樹脂(X)において、構造単位(aa)(又は構造単位(I))と構造単位(ab)との含有量のモル比は、好ましくは1:99〜99:1が挙げられ、3:97〜97:3が好ましく、50:50〜95:5がより好ましく、60:40〜90:10が一層好ましく、70:30〜90:10が特に好ましい。
なお、このような含有割合で構造単位(aa)や構造単位(ab)を有する樹脂(X)は、樹脂(X)製造時に用いる全モノマーの総モル量に対する化合物(aa’)及び化合物(ab’)の使用モル量を調節すればよい。
上述のとおり、樹脂(X)は構造単位(aa)及び構造単位(ab)以外の構造単位を有していてもよく、構造単位(aa)及び構造単位(ab)以外の構造単位としては、後述する樹脂(A)に含まれていてもよい構造単位などが挙げられ、特に、酸安定モノマー(a4)に由来する構造単位などが好ましい。
樹脂(A)は、上述したように、アルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液に可溶となるという特性を有する樹脂である。そのために、樹脂(A)は、分子内に1以上の酸不安定基を有する。以下、酸不安定基を有する構造単位を「構造単位(a1)」といい、このような構造単位(a1)を誘導するモノマーを「酸不安定モノマー」という。
ここで、「酸不安定基」とは、酸との接触により脱離し得る保護基により保護されている親水性基を意味し、このような親水性基としては、ヒドロキシ基又はカルボキシ基が挙げられる。なかでも、カルボキシ基がより好ましい。
樹脂(A)は、構造単位(aa)及び構造単位(ab)のいずれかを有していてもよいが、両者を同時に有さない。
なお、樹脂(X)が、上述した特性を有する場合には、構造単位(aa)(又は構造単位(I))及び構造単位(ab)以外に、酸不安定基を有することが好ましい。
本発明のレジスト組成物は、このような特性を有する樹脂を含むことにより、酸発生剤との相乗効果によって、優れたCD均一性のレジストパターンを製造することができる。
親水性基がカルボキシ基である場合の酸不安定基は、該カルボキシ基の水素原子が、有機残基に置き換わり、カルボキシ基の−O−と結合する該有機残基の原子が第三級炭素原子である基(すなわち第三アルコールのエステル)が挙げられる。このような酸不安定基のうち、好ましい酸不安定基は例えば、以下の式(1)で表されるもの(以下「酸不安定基(1)」ということがある)である。
式(1)中、Ra1、Ra2及びRa3(Ra1〜Ra3)は、それぞれ独立に、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基を表し、Ra1及びRa2は結合して、それらが結合する炭素原子とともに炭素数3〜20の環を形成してもよい。Ra1及びRa2が結合して形成される環、及び該脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。*は結合手を表す。
1,1−ジアルキルアルコキシカルボニル基(式(1)中、Ra1〜Ra3がアルキル基である基、好ましくはtert−ブトキシカルボニル基)、
2−アルキルアダマンタン−2−イルオキシカルボニル基(式(1)中、Ra1、Ra2及び炭素原子がアダマンチル基を形成し、Ra3がアルキル基である基)及び
1−(アダマンタン−1−イル)−1−アルキルアルコキシカルボニル基(式(1)中、Ra1及びRa2がアルキル基であり、Ra3がアダマンチル基である基)などが挙げられる。
式(2)中、Rb1及びRb2(Rb1〜Rb2)は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Rb3は、炭素数1〜20の炭化水素基を表す。或いは、Rb2及びRb3は結合して、それらが各々結合する炭素原子及び酸素原子とともに炭素数3〜20の環を形成してもよい。該炭化水素基がメチレン基を含む場合、そのメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよく、Rb2及びRb3が結合して形成される環に含まれるメチレン基も、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。*は結合手を表す。
当該構造単位(a1)は好ましくは、酸不安定基(1)又は酸不安定基(2)を有するものであり、これらの酸不安定基をともに有していてもよい。より好ましくは酸不安定基(1)を有する構造単位(a1)である。
酸不安定基(1)を有する構造単位(a1)は、式(a1−1)で表される構造単位(以下「構造単位(a1−1)」ということがある)及び式(a1−2)で表される構造単位(以下「構造単位(a1−2)」ということがある)が好ましい。
式(a1−1)中、
La1は、酸素原子又は*−O−(CH2)k1−CO−O−(k1は1〜7の整数を表し、*はカルボニル基との結合手を表す。)で表される基を表す。
Ra4は、水素原子又はメチル基を表す。
Ra6は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を表す。
m1は0〜14の整数を表す。
式(a1−2)中、
La2は、酸素原子又は*−O−(CH2)k1−CO−O−(k1は前記と同義である。)で表される基を表す。
Ra5は、水素原子又はメチル基を表す。
Ra7は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を表す。
n1は0〜10の整数を表す。
n1’は0〜3の整数を表す。
Ra4及びRa5は、好ましくはメチル基である。
Ra6及びRa7の脂肪族炭化水素基のうち、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜10の脂環式炭化水素基であり、この炭素数の上限以下の範囲で、すでに例示したものと同じものを含む。Ra6及びRa7の脂肪族炭化水素基はそれぞれ独立に、好ましくは炭素数8以下のアルキル基又は炭素数8以下の脂環式炭化水素基であり、より好ましくは炭素数6以下のアルキル基又は炭素数6以下の脂環式炭化水素基である。
m1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1’は好ましくは0又は1である。
式(a1−2−1)〜式(a1−2−12)のいずれかで表される構造単位(a1−2)の具体例において、構造単位(aa)の具体例と同様に、部分構造Mを部分構造Aに置き換えたものも構造単位(a1−2)の具体例として挙げることができる。
樹脂(X)が構造単位(a1−1)及び/又は構造単位(a1−2)を有する場合、その合計含有量は、樹脂(X)の全構造単位(100モル%)に対して、5〜50モル%の範囲が好ましく、10〜45モル%の範囲がより好ましく、15〜40モル%の範囲がさらに好ましい。
構造単位(a1−1)及び/又は構造単位(a1−2)の合計含有割合を、このような範囲にするためには、樹脂(A)を製造する際に、全モノマーの使用量に対する、構造単位(a1−1)及び/又は構造単位(a1−2)を誘導するモノマーの使用量を調整すればよい。また、構造単位(a1−1)及び/又は構造単位(a1−2)を有する樹脂(X)を製造する場合には、構造単位(a1−1)及び/又は構造単位(a1−2)を誘導するモノマーの使用量と、化合物(aa’)及び化合物(ab’)の合計使用量との割合を調整すればよい。
酸不安定基(1)を有する構造単位(a1)として、式(a1−3)で表されるノルボルネン環を有するモノマー(以下「モノマー(a1−3)」ということがある)に由来する構造単位を用いることができる。
式(a1−3)中、
Ra9は、水素原子、ヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキル基、カルボキシル基、シアノ基又は−COORa13(Ra13は、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基に置換されていてもよく、該脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。)を表す。
Ra10、Ra11及びRa12(Ra10〜Ra12)は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基を表すか、或いは、Ra10及びRa11が結合して、これらが結合している炭素原子とともに、炭素数3〜20の環を形成する。なお、この脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基などに置換されていてもよく、該脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
Ra10〜Ra12の脂肪族炭化水素基は、鎖式炭化水素基(例えば、アルキル基)及び脂環式炭化水素基のいずれでもよく、その具体例は、炭素数20以下の範囲において、すでに例示したものを含む。
Ra10及びRa11が結合して形成される環は脂肪族環が好ましく、具体的には、シクロへキサン環及びアダマンタン環などが好ましい。
樹脂(X)が、モノマー(a1−3)に由来する構造単位を有する場合、その含有量は、樹脂(X)の全構造単位(100モル%)に対して、5〜50モル%の範囲が好ましく、10〜45モル%の範囲がより好ましく、15〜40モル%の範囲がさらに好ましい。
式(a1−4)中、
Ra32は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基(ハロアルキル基)、水素原子又はハロゲン原子を表す。
Ra33は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイル基又はメタクリロイル基を表す。
laは0〜4の整数を表す。laが2以上である場合、複数のRa33はそれぞれ独立である。
Ra34及びRa35はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表す。
Xa2は、単結合又は炭素数1〜17の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基及び炭素数2〜4のアシルオキシ基からなる群より選ばれる基に置換されていてもよい。ここに示す置換基の具体例は、炭素数が各々の上限である範囲において、すでに例示したものを含む。Xa2の脂肪族炭化水素基は、鎖式炭化水素基であると好ましく、アルカンジイル基であるとさらに好ましい。該脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又は−N(Rc)−で示される基に置き換わっていてもよい。ここで、Rcは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
Ya3は、炭素数1〜18の炭化水素基であり、さらに好ましくは、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基である。これらの炭化水素基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基又は炭素数2〜4のアシルオキシ基を有していてもよい。
Ra32及びRa33のハロゲン原子、アルコキシ基及びアシル基の具体例は、すでに例示したものを含む。
Ra34及びRa35の炭化水素基は、鎖式炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基のいずれであってもよい。その具体例は、各々の炭素数の範囲において、すでに例示したものを含む。これらのうち、該鎖式炭化水素基としては、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及び2−エチルヘキシル基が好ましく、該脂環式炭化水素基としては、シクロヘキシル基、アダマンチル基、2−アルキル−2−アダマンタン−2イル基、1−(1−アダマンタン−1−イル)−1−アルキル基及びイソボルニル基が好ましい。該芳香族炭化水素基は、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基及び2−メチル−6−エチルフェニルが好ましい。
Ra33のアルコキシ基としては、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
ここに示すモノマー(a1−4)において、以下に示す部分構造V’を、以下に示す部分構造P’置き換えたものもモノマー(a1−4)の具体例として挙げることができる。
(部分構造P’)
(部分構造V’)
樹脂(X)が、モノマー(a1−4)に由来する構造単位を有する場合、その含有量は、樹脂(X)の全構造単位(100モル%)に対して、5〜50モル%の範囲が好ましく、10〜45モル%の範囲がより好ましく、15〜40モル%の範囲がさらに好ましい。
式(a1−5)中、
R31は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
L1〜L3は、酸素原子又は硫黄原子又は*−O−(CH2)k1−CO−O−で表される基を表す。ここで、k1は1〜7の整数を表し、*はカルボニル基(−CO−)との結合手である。
Z1は、単結合又は炭素数1〜6のアルカンジイル基であり、該アルカンジイル基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
s1及びs1’は、それぞれ独立して、0〜4の整数を表す。
R31は、水素原子及びメチル基が好ましい。
L1は、酸素原子が好ましい。
L2及びL3は、それぞれ独立に酸素原子又は硫黄原子である。L2及びL3は、一方が酸素原子、他方が硫黄原子であると好ましい。
s1は、1が好ましい。
s1’は、0〜2の整数が好ましい。
Z1は、単結合又は炭素数1〜6のアルカンジイル基であり、該アルカンジイル基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。Z1としては、単結合又は−CH2−CO−O−が好ましい。
樹脂(X)がモノマー(a1−5)に由来する構造単位を有する場合、その含有量は、樹脂(X)の全構造単位(100モル%)に対して、5〜50モル%の範囲が好ましく、10〜45モル%の範囲がより好ましく、15〜40モル%の範囲がさらに好ましい。
本発明のレジスト組成物樹脂(A)は、酸不安定構造単位(a1)に加えて、酸不安定基を有さない構造単位(以下「酸安定構造単位」ということがある)を有していることが好ましい。
なお、樹脂(X)が、構造単位(aa)及び構造単位(ab)以外に、酸安定構造単位を有していてもよい。
以下においては、構造単位(a1)を有する樹脂(X)に酸安定構造単位を導入する場合は、「樹脂(A)」を「樹脂(X)」に置き換えて読むことができる。
酸安定構造単位(a2)を樹脂(A)に導入する場合、当該樹脂(A)を含有する本発明のレジスト組成物からレジストパターンを製造する際の露光源の種類によって、各々、好適な酸安定構造単位(a2)を選択することができる。すなわち、本発明のレジスト組成物を、KrFエキシマレーザ(波長:248nm)を露光源とする露光、電子線あるいはEUV光などの高エネルギー線を露光源とする露光に用いる場合には、酸安定構造単位(a2)として、フェノール性ヒドロキシ基を有する酸安定構造単位(a2−0)を樹脂(A)に導入することが好ましい。短波長のArFエキシマレーザ(波長:193nm)を露光源とする露光を用いる場合は、酸安定構造単位(a2)として、後述の式(a2−1)で表される酸安定構造単位を樹脂(A)に導入することが好ましい。このように、樹脂(A)が有する酸安定構造単位(a2)は各々、レジストパターンを製造する際の露光源によって好ましいものを選ぶことができるが、樹脂(A)が有する酸安定構造単位(a2)は、露光源の種類に応じて好適な酸安定構造単位(a2)1種のみを有していてもよく、露光源の種類に応じて好適な酸安定構造単位(a2)2種以上を有していてもよく、或いは、露光源の種類に応じて好適な酸安定構造単位(a2)と、それ以外の酸安定構造単位(a2)とを組み合わせて有していてもよい。
酸安定構造単位(a2)は、以下の式(a2−0)で表されるもの(以下「酸安定構造単位(a2−0)」ということがある)も挙げることができる。
式(a2−0)中、
Ra30は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
Ra31は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイル基又はメタクリロイル基を表す。
maは0〜4の整数を表す。maが2以上の整数である場合、複数のRa31はそれぞれ独立である。
Ra31のアルコキシ基の具体例は、すでに例示したものを含む。これらのうち、Ra31は、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
maは0、1又は2が好ましく、0又は1がより好ましく、0が特に好ましい。
ここに例示する具体例において、ベンゼン環に結合しているメチル基やエチル基を、Ra31として例示したその他の置換基に置き換えたものも、酸安定モノマー(a2−0)の具体例である。
樹脂(X)が酸安定構造単位(a2−0)を有する場合、その含有量は、樹脂(X)の全構造単位(100モル%)に対して、通常、0〜90モル%であり、10〜80モル%が好ましく、20〜70モル%がより好ましい。
酸安定構造単位(a2−1)の具体例は、以下の式(a2−1)で示されるものである。
式(a2−1)中、
La3は、酸素原子又は*−O−(CH2)k2−CO−O−(k2は1〜7の整数を表す。)を表し、*はカルボニル基(−CO−)との結合手を表す。
Ra14は、水素原子又はメチル基を表す。
Ra15及びRa16は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。
o1は、0〜10の整数を表す。
Ra14は、好ましくはメチル基である。
Ra15は、好ましくは水素原子である。
Ra16は、好ましくは水素原子又はヒドロキシ基である。
o1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
式(a2−1−1)〜式(a2−1−17)のいずれかで表される酸安定構造単位(a2−1)の具体例において、構造単位(aa)の具体例と同様に、部分構造Mを部分構造Aに置き換えたものも酸安定構造単位(a2−1)の具体例として挙げることができる。
これらの酸安定構造単位(a2−1)を有する樹脂(A)は、3−ヒドロキシアダマンタン−1−イル(メタ)アクリレート、3,5−ジヒドロキシアダマンタン−1−イル(メタ)アクリレート又は(メタ)アクリル酸1−(3,5−ジヒドロキシアダマンタン−1−イルオキシカルボニル)メチルなどを、樹脂(A)製造用のモノマーとして用いればよい。
樹脂(X)が酸安定構造単位(a2−1)を有する場合、その含有量は、樹脂(X)の全構造単位(100モル%)に対して、通常、1〜90モル%であり、10〜80モル%が好ましく、20〜70モル%がより好ましい。
酸安定構造単位(a3)が有するラクトン環は、例えば、β−プロピオラクトン環、γ−ブチロラクトン環及びδ−バレロラクトン環のような単環式でもよく、単環式のラクトン環と他の環との縮合環でもよい。これらラクトン環の中で、γ−ブチロラクトン環及びγ−ブチロラクトン環と他の環との縮合環が好ましい。
[式(a3−1)中、
La4は、酸素原子又は*−O−(CH2)k3−CO−O−(k3は1〜7の整数を表す。)を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
Ra18は、水素原子又はメチル基を表す。
p1は0〜5の整数を表す。
Ra21は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、p1が2以上の場合、複数のRa21はそれぞれ独立である。
式(a3−2)中、
La5は、酸素原子又は*−O−(CH2)k3−CO−O−(k3は1〜7の整数を表す。)を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
q1は、0〜3の整数を表す。
Ra22は、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、q1が2以上の場合、複数のRa22は、それぞれ独立である。
式(a3−3)中、
La6は、酸素原子又は*−O−(CH2)k3−CO−O−(k3は1〜7の整数を表す。)を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
Ra20は、水素原子又はメチル基を表す。
r1は、0〜3の整数を表す。
Ra23は、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、r1が2以上の場合、複数のRa23は、それぞれ独立である。]
Ra18〜Ra21は、好ましくはメチル基である。
Ra22及びRa23は、それぞれ独立に、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基である。
p1、q1及びr1は、好ましくは0〜2の整数であり、より好ましくは0又は1である。
式(a3−1−1)〜式(a3−1−11)のいずれかで表される酸安定構造単位(a3−1)、式(a3−2−1)〜式(a3−2−11)のいずれかで表される酸安定構造単位(a3−2)及び式(a3−3−1)〜式(a3−3−6)のいずれかで表される酸安定構造単位(a3−3)において、構造単位(aa)の例示と同様に、部分構造Mを部分構造Aに置き換えたものも、各々酸安定構造単位(a3−1)、酸安定構造単位(a3−2)及び酸安定構造単位(a3−3)の具体例として挙げることができる。また、この例示において、ラクトン環が有する置換基(Ra21〜Ra23)としてメチル基を有するものも例示したが、このメチル基を上述のような基に置き換えたものも、酸安定構造単位(a3)の具体例として挙げられる。
樹脂(X)が、酸安定構造単位(a3−1)、酸安定構造単位(a3−2)及び酸安定構造単位(a3−3)からなる群より選ばれる酸安定構造単位(a3)を有する場合、その含有量は、樹脂(X)の全構造単位(100モル%)に対して、通常、0〜90モル%であり、好ましくは10〜80モル%であり、より好ましくは20〜70モル%である。
樹脂(A)は、酸安定構造単位(a2)及び酸安定構造単位(a3)以外の酸安定構造単位を含有していてもよい、酸安定構造単位を誘導するモノマー(酸安定モノマー)を「酸安定モノマー(a4)」という。
酸安定モノマー(a4)に由来する構造単位は、樹脂(X)が、構造単位(aa)及び構造単位(ab)以外に有することもある構造単位のうち、好ましいものである。
[式(a4−3)中、
Ra25及びRa26は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキル基、シアノ基、カルボキシ基又は−COORa27〔Ra27は、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。但し−COORa27が酸不安定基となるものは除く(すなわち、Ra27は、3級炭素原子が−O−と結合するものを含まない)〕を表すか、或いはRa25及びRa26が結合して−CO−O−CO−を形成する。]
Ra27の脂肪族炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基及び炭素数4〜18の脂環式炭化水素基であり、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基及び炭素数4〜12の脂環式炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、2−オキソ−オキソラン−3−イル基及び2−オキソ−オキソラン−4−イル基などがさらに好ましい。
樹脂(X)が、式(a4−1)で表される無水マレイン酸に由来する構造単位、式(a4−2)で表される無水イタコン酸に由来する構造単位及びモノマー(a4−3)に由来する構造単位からなる群より選ばれる構造単位を有する場合、その合計含有量は、好ましくは、樹脂(X)の全構造単位に対して、5〜20モル%である。
[式(a4−4)中、
La7は、酸素原子又は*−T−(CH2)k2−CO−O−を(k2は1〜7の整数を表す。Tは酸素原子又はNHである。)表し、*はカルボニル基との結合手を表す。
Ra28は、水素原子又はメチル基を表す。
W10は、置換基を有していてもよいスルトン環基を表す。]
置換基を有するスルトン環基とは、上述の結合手に置き換わった水素原子以外の水素原子がさらに置換基(水素原子以外の1価の基)に置換されたものであり、該置換基は、ヒドロキシ基、シアノ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフッ化アルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜7のアシル基及び炭素数1〜8のアシルオキシ基からなる群より選ばれる。
樹脂(X)がモノマー(a4−4)に由来する構造単位を有する場合、その含有量は、樹脂(X)の全構造単位(100モル%)に対して、通常0〜90モル%であり、好ましくは10〜80モル%であり、より好ましくは20〜70モル%である。
樹脂(X)がモノマー(a4−5)に由来する構造単位を有する場合、その含有量は、樹脂(X)の全構造単位(100モル%)に対して、好ましくは、樹脂(X)の全構造単位に対して、5〜40モル%である。
[式(3)中、R10は、炭素数1〜6のフッ化アルキル基を表す。*は結合手を表す。]
ここに示した酸安定モノマー(a4−6)の具体例において、酸安定モノマー(a4−4)の例示と同様に、部分構造M’を部分構造A’に置き換えたものも、酸安定モノマー(a4−6)の具体例として挙げることができる。
樹脂(X)がモノマー(a4−6)に由来する構造単位を有する場合、その含有量は、樹脂(X)の全構造単位(100モル%)に対して、通常0〜90モル%であり、好ましくは10〜80モル%であり、より好ましくは20〜70モル%である。
[式(4)中、
R11は置換基を有してもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を表す。
R12は、置換基を有してもよい炭素数1〜12の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、ヘテロ原子を含んでいてもよい。
A3は、単結合、−(CH2)m10−SO2−O−*又は−(CH2)m10−CO−O−*を表し、ここに示すアルキレン鎖〔−(CH2)m10−〕に含まれるメチレン基は、酸素原子、カルボニル基又はスルホニル基に置き換わっていてもよく、当該アルキレン鎖に含まれる水素原子は、フッ素原子に置き換わっていてもよい。
m10は、1〜12の整数を表す。]
脂肪族炭化水素基としては、典型的にはアルキル基であり、その具体例は炭素数が1〜12の範囲において、すでに例示したものを含む。脂環式炭化水素基としては、炭素数が12以下の範囲において、すでに例示したものを含む。
なお、R12が脂肪族炭化水素基である場合、該脂肪族炭化水素基はヘテロ原子を含んでいてもよい。ヘテロ原子としては、ハロゲン原子、硫黄原子、酸素原子及び窒素原子などである〔連結基として、スルホニル基、カルボニル基を含む形態でもよい〕。
このようなヘテロ原子を含むR12としては、以下の基が挙げられる。
[式(a4−7)中、
R13は、水素原子又はメチル基を表す。
R11、R12及びA3は、前記と同義である。]
ここに示した酸安定モノマー(a4−7)の具体例において、酸安定モノマー(a4−4)の具体例と同様に、部分構造M’を部分構造A’に置き換えたものも、酸安定モノマー(a4−7)の具体例として挙げることができる。
樹脂(X)がモノマー(a4−7)に由来する構造単位を有する場合、その含有量は、その含有量は、樹脂(X)の全構造単位(100モル%)に対して、通常0〜90モル%であり、好ましくは10〜80モル%、より好ましくは20〜70モル%である。
[式(a4−8)中、
W2は、炭素数3〜36の脂肪族環を表す。
A4は、単結合又は炭素数1〜17の脂肪族炭化水素基を表す。該脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよいが、A4のうち、酸素原子に結合している原子は炭素原子である。
R14は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のハロアルキル基を表す。
R15及びR16は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のハロアルキル基を表す。]
で示される部分構造は、式(KA−1)〜式(KA−22)の脂環式炭化水素に含まれる水素原子の1個がA4との結合手に、脂環式炭化水素環に含まれる炭素原子の1つに結合している2つの水素原子が、−O−CO−R15及び−O−CO−R16との結合手に置き換わったものを挙げることができる。
W2の脂肪族環は、シクロヘキサン環、アダマンタン環、ノルボルナン環及びノルボルネン環が特に好ましい。
ここで、アルカンジイル基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた脂肪族炭化水素基の代表例を示しておく。かかる脂肪族炭化水素基としては、以下の式(Xx−A)、式(Xx−B)及び式(Xx−C)で表される基などが挙げられる。
式中、
XX1及びXX2は、それぞれ独立に、単結合又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキレン基を表し、XX1及びXX2がともに単結合であることはなく、式(Xx−A)、式(Xx−B)及び式(Xx−C)で表される基の総炭素数は17以下である。
R14は、水素原子又はメチル基が好ましい。
これらの中でも、
で示される酸安定モノマー(a4−8)がより好ましい。
ここに示した酸安定モノマー(a4−8)の具体例において、酸安定モノマー(a4−4)の具体例と同様に、部分構造M’を部分構造A’に置き換えたものも、酸安定モノマー(a4−8)の具体例として挙げられる。
式(a4−8−a)で表される化合物は例えば、特開2002−226436号公報に記載されている1−メタクリロイルオキシ−4−オキソアダマンタンなどが挙げられる。 式(a4−8−b)で表される化合物としては例えば、ペンタフルオロプロピオン酸無水物、ヘプタフルオロ酪酸無水物及びトリフルオロ酢酸無水物などが挙げられる。この反応は、用いる式(a4−8−b)で表される化合物の沸点温度付近で加温することにより、実施することが好ましい。
[式(a4−8−a)及び式(a4−8−b)中の符号はいずれも、前記と同義である。]
樹脂(X)がモノマー(a4−8)に由来する構造単位を有する場合、その含有量は、樹脂(X)の全構造単位(100モル%)に対して、通常0〜90モル%であり、好ましくは10〜80モル%であり、より好ましくは20〜70モル%の範囲である。
樹脂(X)は、化合物(aa’)と化合物(ab’)とを重合させることで、あるいは化合物(aa’)と、化合物(ab’)と、他の構造単位を誘導するモノマー(好ましくは、酸安定モノマー(a4))とを重合することで得ることができる。
樹脂(X)に含まれる他の構造単位を誘導するモノマーとしては、好ましくは、酸安定モノマー(a4)、より好ましくは、酸安定モノマー(a4−6)及び/又は酸安定モノマー(a4−7)が挙げられ、さらに好ましくは、酸安定モノマー(a4−6)に由来する構造単位が挙げられる。
樹脂(X)が構造単位(a1)を含有する場合、構造単位(a1)の含有量と酸安定性構造単位の含有量との比は、〔構造単位(a1)〕/〔酸安定構造単位〕で表して、好ましくは10〜80モル%/90〜20モル%であり、より好ましくは20〜60モル%/80〜40モル%である。酸安定構造単位の含有量は、構造単位(aa)及び構造単位(ab)の含有量を含めて算出することが好ましい。
樹脂(A)は、構造単位(a1)として、アダマンチル基を有する構造単位(a1−1)及びシクロへキシル基を有する構造単位(a1−2)のうち、少なくとも1種を有することが好ましく、アダマンチル基を有する構造単位(a1−1)を有することがさらに好ましい。酸安定構造単位(a2)としては、ヒドロキシアダマンチル基を有する構造単位(a2−1)を用いることが好ましい。酸安定構造単位(a3)としては、γ−ブチロラクトン環を有する酸安定構造単位(a3−1)及びγ−ブチロラクトン環とノルボルナン環との縮合環を有する酸安定構造単位(a3−2)の少なくとも1種を有することが好ましい。
また、構造単位(a1)がアダマンタン環を有する構造単位、特に構造単位(a1−1)を含む場合、構造単位(a1)の総量(100モル%)に対して、構造単位(a1−1)の割合を15モル%以上とすることが好ましい。このようにすると、樹脂(A)を含有する本発明のレジスト組成物から得られるレジストパターンのドライエッチング耐性がより良好になる傾向がある。
樹脂(X)と樹脂(A)とを組み合わせて用いる場合、その混合質量比は、樹脂と後述する酸発生剤との相互作用により、本発明のレジスト組成物によってレジストパターンが製造できるように、適宜調整する。例えば、混合質量比は、樹脂(X)が酸不安定基(a1)を有する場合、樹脂(A)10質量部に対して、樹脂(X)は、0.1〜100質量部が好ましく、1〜50質量部がより好ましい。樹脂(X)が酸不安定基(a1)を有さない場合、樹脂(A)10質量部に対して、樹脂(X)は、0.01〜2質量部が好ましく、0.1〜1質量部がより好ましい。
樹脂(X)の重量平均分子量は、8,000以上80,000以下が好ましく、10,000以上60,000以下がさらに好ましい。
樹脂(A)の重量平均分子量は、2,500以上50,000以下であると好ましく、3,000以上30,000以下がさらに好ましい。
ここでいう重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析により、標準ポリスチレン基準の換算値として求められるものである。この分析の詳細な分析条件は、本願の実施例に記載する。
酸発生剤(B)は、非イオン系とイオン系とに分類される。非イオン系酸発生剤には、有機ハロゲン化物、スルホネートエステル類(例えば2−ニトロベンジルエステル、芳香族スルホネート、オキシムスルホネート、N−スルホニルオキシイミド、N−スルホニルオキシイミド、スルホニルオキシケトン、ジアゾナフトキノン 4−スルホネート)、スルホン類(例えばジスルホン、ケトスルホン、スルホニルジアゾメタン)等が含まれる。イオン系酸発生剤は、オニウムカチオンを含むオニウム塩(例えば、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩及びヨードニウム塩など)が代表的である。オニウム塩のアニオンとしては、スルホン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン及びスルホニルメチドアニオンなどがある。
また、酸発生剤(B)は、公知の方法によって製造することができる。
式(B1)中、
Q1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
Lb1は、置換基を有していてもよい炭素数1〜17の2価の脂肪族炭化水素基を表す。該脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子、カルボニル基又はスルホニル基に置き換わっていてもよい。
Z+は、有機カチオンを表す。
式(B1)では、Q1及びQ2は、それぞれ独立に、好ましくはトリフルオロメチル基又はフッ素原子であり、より好ましくはフッ素原子である。
式(B1)では、Q1及びQ2は、それぞれ独立に、好ましくはトリフルオロメチル基又はフッ素原子であり、より好ましくはフッ素原子である。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基、ドデカン−1,12−ジイル基、トリデカン−1,13−ジイル基、テトラデカン−1,14−ジイル基、ペンタデカン−1,15−ジイル基、ヘキサデカン−1,16−ジイル基、ヘプタデカン−1,17−ジイル基、メチリデン基、エチリデン基、プロピリデン基、2−プロピリデン基等の直鎖状アルカンジイル基;
直鎖状アルカンジイルに、アルキル基(特に、炭素数1〜4のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等)の側鎖を有したもの、例えば、ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基;
シクロブタン−1,3−ジイル基、シクロペンタン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロオクタン−1,5−ジイル基等のシクロアルカンジイル基である単環式の脂環式炭化水素基;
ノルボルナン−1,4−ジイル基、ノルボルナン−2,5−ジイル基、アダマンタン−1,5−ジイル基、アダマンタン−2,6−ジイル基等の多環式の脂環式炭化水素基等が挙げられる。
式(b1−1)〜式(b1−6)は、その左右を式(B1)に合わせて記載しており、左側の結合手は、C(Q1)(Q2)と結合し、右側の結合手はYと結合している。以下の式(b1−1)〜式(b1−6)の具体例も同様である。
式(b1−1)〜式(b1−6)中、
Lb2は、単結合又は炭素数1〜15の脂肪族炭化水素基を表し、この脂肪族炭化水素基は脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。
Lb3は、単結合又は炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基を表し、この脂肪族炭化水素基は脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。
Lb4は、炭素数1〜13の脂肪族炭化水素基を表し、この脂肪族炭化水素基は脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。但しLb3及びLb4の合計炭素数の上限は13である。
Lb5は、炭素数1〜15の脂肪族炭化水素基を表し、この脂肪族炭化水素基は脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。
Lb6及びLb7は、それぞれ独立に、炭素数1〜15の脂肪族炭化水素基を表し、これらの脂肪族炭化水素基は脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。但しLb6及びLb7の合計炭素数の上限は16である。
Lb8は、炭素数1〜14の脂肪族炭化水素基を表し、この脂肪族炭化水素基は脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。
Lb9及びLb10は、それぞれ独立に、炭素数1〜11の脂肪族炭化水素基を表し、これらの脂肪族炭化水素基は脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。但しLb9及びLb10の合計炭素数の上限は12である。
本発明のレジスト組成物に用いる酸発生剤としては、これらの中でも、式(b1−1)で表される2価の基をLb1として有する酸発生剤(B1)が好ましく、Lb2が単結合又はメチレン基である式(b1−1)で表される2価の基を、Lb1として有する酸発生剤(B1)がより好ましい。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、1−メチルエチル基(イソプロピル基)、1,1−ジメチルエチル基(tert−ブチル基)、2,2−ジメチルエチル基、プロピル基、1−メチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、ブチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−プロピルブチル基、ペンチル基、1−メチルペンチル基、ヘキシル基、1,4−ジメチルヘキシル基、ヘプチル基、1−メチルヘプチル基、オクチル基、メチルオクチル基、メチルノニル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等の直鎖又は分岐のアルキル基等が挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、式(KA−1)〜式(KA−22)で表される基から水素原子を2個取り去った基等が挙げられる。
なかでも、Yは、炭素数1〜6のアルキル基及び炭素数3〜12の脂環式炭化水素基が好ましく、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基がより好ましい。
Yが無置換の脂環式炭化水素基であるスルホン酸アニオンとしては、以下の式(b1−s−0)〜式(b1−s−9)のいずれかで表されるものが挙げられる。
Rb4、Rb5及びRb6は、それぞれ独立に、炭素数1〜30の炭化水素基を表し、この炭化水素基のうちでは、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基及び炭素数6〜18の芳香族炭化水素基が好ましい。前記アルキル基は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を有していてもよく、前記脂環式炭化水素基は、ハロゲン原子、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基を有していてもよく、前記芳香族炭化水素基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の飽和環状炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を有していてもよい。
Rb7及びRb8は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
m2及びn2は、それぞれ独立に0〜5の整数を表す。
Rb9及びRb10は、それぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル基又は炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表す。
Rb11は、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。
Rb9、Rb10及びRb11(Rb9〜Rb11)は、それぞれ独立に、脂肪族炭化水素基であり、この脂肪族炭化水素基がアルキル基である場合、その炭素数は1〜12であると好ましく、この脂肪族炭化水素基が脂環式炭化水素基である場合、その炭素数は3〜18であると好ましく、4〜12であるとさらに好ましい。
Rb12は、炭素数1〜18の炭化水素基を表す。この炭化水素基のうち、芳香族炭化水素基は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜12のアルキルカルボニルオキシ基を有していてもよい。
Rb9とRb10との組み合わせ、及び/又は、Rb11とRb12との組み合わせは、それぞれ独立に、互いに結合して3員環〜12員環(好ましくは3員環〜7員環)を形成していてもよく、これらの3員環〜12員環(好ましくは3員環〜7員環)は脂肪族環又は、該脂肪族環に含まれるメチレン基が、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基に置き換わっている環である。
Lb11は、酸素原子又は硫黄原子を表す。
o2、p2、s2及びt2は、それぞれ独立に、0〜5の整数を表す。
q2及びr2は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
u2は0又は1を表す。
o2が2以上であるとき、複数のRb13は同一又は相異なり、p2が2以上であるとき、複数のRb14は同一又は相異なり、s2が2以上であるとき、複数のRb15は同一又は相異なり、t2が2以上であるとき、複数のRb18は同一又は相異なる。
脂環式炭化水素基としては、単環式又は多環式のいずれでもよく、単環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などのシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、メチルノルボルニル基、下記のような基等が挙げられる。*は、アダマンタン環又はシクロヘキサン環との結合手を表す。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル等のアリール基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基などが挙げられる。
アルキルカルボニルオキシ基としては、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、sec−ブチルカルボニルオキシ基、tert−ブチルカルボニルオキシ基、ペンチルカルボニルオキシ基、ヘキシルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基及び2−エチルヘキシルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
好ましい脂環式炭化水素基は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロデシル基、2−アルキルアダマンタン−2−イル基、1−(アダマンタン−1−イル)−1−アルキル基及びイソボルニル基などである。特に、Rb9〜Rb11の脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数3〜18、より好ましくは炭素数4〜12である。
好ましい芳香族炭化水素基は、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−シクロへキシルフェニル基、4−メトキシフェニル基、ビフェニリル基及びナフチル基などが好ましい。
芳香族炭化水素基にアルキル基が置換したものは、典型的にはアラルキル基であり、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、トリチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。
Rb11とRb12とが結合する−CH−CO−とともに形成する環としては、例えば、オキソシクロヘプタン環、オキソシクロヘキサン環、オキソノルボルナン環及びオキソアダマンタン環などが挙げられる。
式(b2−1−1)中、
Rb19、Rb20及びRb21は、それぞれ独立に、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
v2、w2及びx2は、それぞれ独立に0〜5の整数(好ましくは0又は1)を表す。
v2が2以上のとき、複数のRb19は同一又は相異なり、w2が2以上のとき、複数のRb20は同一又は相異なり、x2が2以上のとき、複数のRb21は同一又は相異なる。
脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数が4〜18である。
なかでも、Rb19、Rb20及びRb21は、それぞれ独立に、好ましくは、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基である。
塩基性化合物(C)は、酸を捕捉するという特性を有する化合物、特に、酸発生剤(B)から発生する酸を捕捉する特性を有する化合物である。
塩基性化合物(C)は、好ましくは塩基性の含窒素有機化合物であり、例えばアミン及びアンモニウム塩が挙げられる。アミンとしては、脂肪族アミン及び芳香族アミンが挙げられる。脂肪族アミンとしては、第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミンが挙げられる。塩基性化合物(C)として、好ましくは、式(C1)で表される化合物〜式(C8)で表される化合物が挙げられ、より好ましくは式(C1−1)で表される化合物が挙げられる。
[式(C1)中、
Rc1、Rc2及びRc3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、該アルキル基及び該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、アミノ基又は炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基で置換されていてもよい。]
Rc2及びRc3は、前記と同義である。
Rc4は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表す。
m3は0〜3の整数を表し、m3が2以上のとき、複数のRc4は、それぞれ独立である。]
Rc5、Rc6、Rc7及びRc8は、それぞれ独立に、Rc1と同じ意味を表す。
Rc9は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基又は炭素数2〜6のアルカノイル基を表す。
n43は0〜8の整数を表し、n43が2以上のとき、複数のRc9は、それぞれ独立である。]
アルカノイル基としては、アセチル基、2−メチルアセチル基、2,2−ジメチルアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ペンタノイル基、2,2−ジメチルプロピオニル基等が挙げられる。
Rc10、Rc11、Rc12、Rc13及びRc16は、それぞれ独立に、Rc1と同じ意味を表す。
Rc14、Rc15及びRc17は、それぞれ独立に、Rc4と同じ意味を表す。
o3及びp3は、それぞれ独立に0〜3の整数を表し、o3が2以上であるとき、複数のRc14は同一又は相異なり、p3が2以上であるとき、複数のRc15は同一又は相異なる。
Lc1は、炭素数1〜6のアルカンジイル基、−CO−、−C(=NH)−、−S−又はこれらを組合せた2価の基を表す。]
Rc18、Rc19及びRc20は、それぞれ独立に、Rc4と同じ意味を表す。
q3、r3及びs3は、それぞれ独立に0〜3の整数を表し、q3が2以上であるとき、複数のRc18は同一又は相異なり、r3が2以上であるとき、複数のRc19は同一又は相異なり、s3が2以上であるとき、複数のRc20は同一又は相異なる。
Lc2は、単結合又は炭素数1〜6のアルカンジイル基、−CO−、−C(=NH)−、−S−又はこれらを組合せた2価の基を表す。]
これらの中でも、ジイソプロピルアニリンが好ましく、2,6−ジイソプロピルアニリン特に好ましい。
式(C3)で表される化合物としては、モルホリンなどが挙げられる。
式(C4)で表される化合物としては、ピペリジン及び特開平11−52575号公報に記載されているピペリジン骨格を有するヒンダードアミン化合物などが挙げられる。
式(C5)で表される化合物としては、2,2’−メチレンビスアニリンなどが挙げられる。
式(C6)で表される化合物としては、イミダゾール、4−メチルイミダゾールなどが挙げられる。
式(C7)で表される化合物としては、ピリジン、4−メチルピリジンなどが挙げられる。
式(C8)で表される化合物としては、1,2−ジ(2−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,2−ジ(2−ピリジル)エテン、1,2−ジ(4−ピリジル)エテン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、1,2−ジ(4−ピリジルオキシ)エタン、ジ(2−ピリジル)ケトン、4,4’−ジピリジルスルフィド、4,4’−ジピリジルジスルフィド、2,2’−ジピリジルアミン、2,2’−ジピコリルアミン及びビピリジンなどが挙げられる。
本発明のレジスト組成物には、溶剤(D)が含むことが好ましい。本発明のレジスト組成物溶剤(D)は、用いる樹脂(X)などの種類及びその量と、酸発生剤(B)の種類及びその量などに応じ、さらに後述するレジストパターンの製造において、基板上に本発明のレジスト組成物を塗布する際の塗布性が良好となるという点から適宜、最適なものを選ぶことができる。
本発明のレジスト組成物は、必要に応じて、樹脂(X)、酸発生剤(B)、樹脂(A),溶剤(D)及び必要に応じて用いられる塩基性化合物(C)以外の構成成分を含有していてもよい。この構成成分を「成分(F)」という。かかる成分(F)としては、本技術分野で広く用いられている添加剤であり、例えば、増感剤、溶解抑止剤、界面活性剤、安定剤及び染料などである。
本発明のレジスト組成物は、樹脂〔特に、樹脂(A)及び樹脂(X)の組み合わせ〕及び酸発生剤(B)、並びに、必要に応じて用いられる溶剤(D)、塩基性化合物(C)及び成分(F)を混合することにより調製することができる。混合順は任意であり、特に限定されるものではない。混合する際の温度は、10〜40℃の範囲から、樹脂(X)などの種類や樹脂(X)などの溶剤(D)に対する溶解度等に応じて適切な温度範囲を選ぶことができる。混合時間は、混合温度に応じて、0.5〜24時間の中から適切な時間を選ぶことができる。なお、混合手段も特に制限はなく、攪拌混合などを用いることができる。
各成分を混合した後は、孔径0.2μm程度のフィルターを用いてろ過することが好ましい。
このような含有割合で溶剤(D)を含有する本発明のレジスト組成物は、例えば後述するレジストパターンの製造方法において、厚み30〜300nm程度の組成物層を形成可能な薄膜レジストとして適している。
本発明のレジストパターンの製造方法は、
(1)本発明のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層を露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、
(5)加熱後の組成物層を現像する工程を含。
上述のとおり、マスクを介して露光することにより、該組成物層には露光された部分(露光部)及び露光されていない部分(未露光部)が生じる。露光部の組成物層では該組成物層に含まれる酸発生剤(B)が露光エネルギーを受けて酸を発生し、さらに発生した酸の作用により、樹脂(A)〔又は樹脂(X)〕にある酸不安定基が脱保護反応を生じ、結果として露光部の組成物層にある樹脂(A)〔又は樹脂(X)〕はアルカリ水溶液に可溶なものとなる。一方、未露光部では露光エネルギーを受けていないため、樹脂(A)〔又は樹脂(X)〕はアルカリ水溶液に対して不溶又は難溶のままとなる。このように、露光部にある組成物層と未露光部にある組成物層とは、アルカリ水溶液に対する溶解性が著しく相違することとなる。
ここで用いられるアルカリ水溶液は、「アルカリ現像液」と称されて、本技術分野で用いられるものを用いることができる。該アルカリ水溶液としては例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液や(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液などが挙げられる。
本発明のレジスト組成物は、KrFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、ArFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、EB用のレジスト組成物又はEUV露光機用のレジスト組成物、さらに液浸露光用のレジスト組成物として好適である。
工に利用できる。
カラム:TSKgel Multipore HXL-M x 3+guardcolumn(東ソー社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μl
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー社製)
樹脂の合成において使用した化合物(モノマー)を下記に示す。
以下、これらのモノマーを式番号に応じて、「モノマー(M−A)」〜「モノマー(M−L)」という。
モノマーとして、モノマー(M−E)及びモノマー(M−G)を用い、そのモル比(モノマー(M−E):モノマー(M−G))が70:30となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。当該溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを72℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のn−ヘプタンに注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過し、重量平均分子量1.4×104の樹脂A1(共重合体)を収率76%で得た。この樹脂A1は、以下の構造単位を有するものである。
モノマーとして、モノマー(M−E)及びモノマー(M−G)を用い、そのモル比(モノマー(M−E):モノマー(M−G))が80:20となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。当該溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを72℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のn−ヘプタンに注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過し、重量平均分子量1.3×104の樹脂A2(共重合体)を収率78%で得た。この樹脂A2は、以下の構造単位を有するものである。
モノマーとして、モノマー(M−E)及びモノマー(M−G)を用い、そのモル比(モノマー(M−E):モノマー(M−G))が90:10となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。当該溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを72℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のn−ヘプタンに注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過し、重量平均分子量1.4×104の樹脂A3(共重合体)を収率75%で得た。この樹脂A3は、以下の構造単位を有するものである。
モノマーとして、モノマー(M−E)、モノマー(M−F)及びモノマー(M−H)を用い、そのモル比(モノマー(M−E):モノマー(M−F):モノマー(M−H))が30:10:60となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。当該溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1.2mol%及び3.6mol%添加し、これらを72℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のn−ヘプタンに注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過し、重量平均分子量1.5×104の樹脂A4(共重合体)を収率93%で得た。この樹脂A4は、以下の構造単位を有するものである。
モノマーとして、モノマー(M−I)、モノマー(M−J)、モノマー(M−D)、モノマー(M−K)及びモノマー(M−C)を用い、そのモル比(モノマー(M−I):モノマー(M−J):モノマー(M−D):モノマー(M−K):モノマー(M−C))が32:7:8:10:43となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。当該溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを73℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。かくして得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.2×103の樹脂A5(共重合体)を収率63%で得た。この樹脂A5は、以下の構造単位を有するものである。
モノマーとして、モノマー(M−B)、モノマー(M−C)及びモノマー(M−D)を用い、そのモル比(モノマー(M−B):モノマー(M−C):モノマー(M−D))が35:45:20となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。当該溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1.0mol%及び3.0mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。かくして得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.0×103の樹脂A6(共重合体)を収率75%で得た。この樹脂A6は、以下の構造単位を有するものである。
モノマーとして、モノマー(M−A)及びモノマー(M−B)を用い、そのモル比(モノマー(M−B):モノマー(M−D))が80:20となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。当該溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.5mol%及び1.5mol%添加し、これらを70℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。かくして得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量2.8×104の樹脂A7(共重合体)を収率70%で得た。この樹脂A7は、以下の構造単位を有するものである。
モノマーとして、モノマー(M−E)及びモノマー(M−G)を用い、そのモル比(モノマー(M−E):モノマー(M−G))が90:10となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。当該溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.9mol%及び2.7mol%添加し、これらを70℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のn−ヘプタンに注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過し、重量平均分子量1.7×104の樹脂A8(共重合体)を収率78%で得た。この樹脂A8は、以下の構造単位を有するものである。
<レジスト組成物の調製>
合成例1〜8で得られた樹脂A1〜A8;
以下に示す酸発生剤B1〜B3;
以下に示す塩基性化合物C1;
の各々を表3に示す質量部で、以下に示す溶剤に溶解させ、さらに孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過して、レジスト組成物を調製した。
A1〜A8:樹脂A1〜樹脂A8
このうち、A1〜A4及びA8が、樹脂(X)に相当する。
<酸発生剤>
B1:特開2010−152341号(住友化学)の実施例に従って合成
B2:WO2008/99869号の実施例に従って合成
B3:特開2007−108581の実施例に従って合成
C1:2,6−ジイソプロピルアニリン(東京化成製)
<溶剤>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 265.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20.0部
2−ヘプタノン 20.0部
γ−ブチロラクトン 3.5部
12インチのシリコン製ウェハ(基板)に、レジスト組成物を、乾燥後の膜厚が0.15μmとなるように塗布(スピンコート)した。塗布後、ダイレクトホットプレート上にて、表3のPB欄に示す温度で60秒間プリベーク(PB)し、ウェハ上に組成物層を形成した。
このようにして組成物層を形成したウェハに、現像機[ACT−12;東京エレクトロン(株)製]を用いて、60秒間、水リンスを行った。
その後、欠陥検査装置[KLA−2360;KLAテンコール製]を用いて、ウェハ上の欠陥数を測定した。この結果を表4に示す。
シリコンウェハに、有機反射防止膜用組成物(ARC−29;日産化学(株)製)を塗布して、205℃、60秒の条件でベークすることによって、ウェハ上に膜厚78nmの有機反射防止膜を形成した。次いで、この有機反射防止膜の上に、上記のレジスト組成物を乾燥(プリベーク)後の膜厚が85nmとなるように塗布(スピンコート)した。塗布後、シリコンウェハをダイレクトホットプレート上にて、表3の「PB」欄に記載された温度で60秒間プリベークし、組成物層を形成した。組成物層が形成されたシリコンウェハに、液浸露光用ArFエキシマステッパー(XT:1900Gi;ASML社製、NA=1.35、3/4Annular X−Y偏光)で、コンタクトホールパターン(ホールピッチ100nm/ホール径70nm)を形成するためのマスクを用いて、露光量を段階的に変化させて露光した。尚、液浸媒体としては超純水を使用した。
露光後、前記シリコンウェハを、ホットプレート上にて、表3の「PEB」欄に記載された温度で60秒間、加熱(ポストエキスポジャーベーク処理)した。
次いでこのシリコンウェハを、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行い、レジストパターンを得た。
実効感度において、ホール径70nmのマスクで形成したパターンのホール径を、一つのホールにつき24回測定し、その平均値を一つのホールの平均ホール径とした。同一ウェハ内の、ホール径70nmのマスクで形成したパターンの平均ホール径を400箇所測定したものを母集団として標準偏差を求めた。
CDU評価は、走査型電子顕微鏡(CD SEM Hitachi:CG−4000)を用いて行った。
この結果を表4に示す。
Claims (9)
- (X)式(aa)で表される構造単位と式(ab)で表される構造単位とを有する樹脂及び
(B)酸発生剤を含有するレジスト組成物。
[式(aa)中、
Raa1は、水素原子又はメチル基を表す。
Aaa1は、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルカンジイル基又は式(a−1)で表される基を表す。
(式(a−1)中、
sは0又は1の整数を表す。
X10及びX11は、それぞれ独立に、酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す。
A10、A11及びA12は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基を表す。
*は炭素原子との結合手である。)
Raa2は、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基は少なくともフッ素原子で置換されている。]
[式(ab)中、
Rab1は、水素原子又はメチル基を表す。
Aab1は、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルカンジイル基、式(a−2)で示される基又は単結合を表す。
(式(a−2)中、
tは0または1の整数を表す。
X30及びX31は、それぞれ独立に、酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す。
A30及びA31は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基を表す。
A32は、置換基を有していてもよい炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基又は単結合を表す。
*はW1との結合手である。)
W1は、置換基を有していてもよい炭素数4〜36の脂環式炭化水素基を表す。
nは1又は2を表す。
Aab2は、炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。nが2の場合、2つのAab2は同一又は相異なる。
Rab2は、炭素数1〜12のフッ化アルキル基を表し、フッ化アルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基又はヒドロキシメチル基に置換されていてもよい。nが2の場合、2つのRab2は同一又は相異なる。] - 前記式(aa)のAaa1が、炭素数1〜6のアルカンジイル基である請求項1記載のレジスト組成物。
- 前記式(aa)のAaa1が、メチレン基である請求項1記載のレジスト組成物。
- 前記式(ab)のnが1であり、W1が、アダマンタンジイル基又はシクロヘキサンジイル基である請求項1〜3のいずれか記載のレジスト組成物。
- 前記(B)が、式(B1)で表される酸発生剤である請求項1〜4のいずれか記載のレジスト組成物。
[式(B1)中、
Q1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
Lb1は、置換基を有していてもよい炭素数1〜17の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
Z+は、有機カチオンを表す。] - 前記式(B1)のYが、置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基である請求項5記載のレジスト組成物。
- さらに、(A)アルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液に可溶となる樹脂を含有する請求項1〜6のいずれか記載のレジスト組成物。
- さらに、(D)溶剤を含有する請求項1〜7のいずれか記載のレジスト組成物。
- (1)請求項1〜8のいずれか記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層を露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程、を含むレジストパターンの製造方法。
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