JP5630181B2 - ネガ型レジスト組成物、当該レジスト組成物を用いたレリーフパターンの製造方法及びフォトマスクの製造方法 - Google Patents
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Description
通常、フォトマスクは、透明な石英ガラス基板上に形成されたクロム(Cr)などの遮光材を加工して作製される。すなわち、石英ガラス基板上にクロムなどからなる遮光膜が所望の形状で形成された構成になっている。
すなわち、本発明に係るネガ型レジスト組成物は、アルカリ可溶性樹脂、ヘキサアルコキシメチルメラミンモノマーを含むメラミン樹脂、電子線を照射することにより酸を発生する酸発生剤、及び、下記化学式(2)で表される塩基性化合物を含有し、前記アルカリ可溶性樹脂は、濃度2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液(水溶液温度23℃)に対する現像速度が10〜80nm/secであることを特徴とする。
(i)本発明に係るネガ型レジスト組成物を基板上に塗布した後、加熱処理し、レジスト膜を形成する工程、及び
(ii)前記レジスト膜を電子線で露光し、加熱、現像する工程、
を含むことを特徴とする。
本発明によれば、高感度で、且つ、形状及び安定性が良好なパターンを形成することができる。
また本発明は、本発明のネガ型レジスト組成物を用いた生産性の高いレリーフパターンの製造方法を提供する。
また、本発明のフォトマスクの製造方法は、遮光層に転写するためのレリーフパターンを前記本発明に係るネガ型レジスト組成物を用いて形成することにより、高い生産性で、コーナー・エッジ形状も良好なレリーフパターンを形成することができるため、精緻なフォトマスクを生産性高く製造することができるという効果を奏する。
I.ネガ型レジスト組成物
本発明のネガ型レジスト組成物は、アルカリ可溶性樹脂、ヘキサアルコキシメチルメラミンモノマーを含むメラミン樹脂、電子線を照射することにより酸を発生する酸発生剤、及び、下記化学式(1)又は下記化学式(2)で表される塩基性化合物を含有し、前記アルカリ可溶性樹脂は、濃度2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液(水溶液温度23℃)に対する現像速度が10〜80nm/secであることを特徴とする。
ネガ型レジスト組成物中に含まれるアルカリ可溶性樹脂及び架橋剤として、アルカリ水溶液に対する溶解性が高いものを用いると、感度が低下し、パターン形状が悪化する傾向がある。
そこで、本発明者は、レジスト組成物のアルカリ水溶液に対する溶解性を低めにすることに着目した。すなわち、アルカリ可溶性樹脂について、感度が向上し且つパターン形状が良好になり、且つ、未露光部に残渣が残らないように、アルカリ溶解速度が比較的低めの特定の範囲のアルカリ可溶性樹脂を選択し、且つ特定の構造を有するメラミン樹脂からなる架橋剤と、酸発生剤を組み合わせたことにより、組成物全体の疎水性が適切に向上し、アルカリ水溶液に対する溶解性が低下し、パターン形状や感度が向上したと考えられる。
本発明においては、塩基性化合物として、特に、ベンゾイミダゾール及びその誘導体、又は、トリベンジルアミン及びその誘導体という特定の塩基性化合物を組み合わせて用いたことにより、上記樹脂同士の架橋反応を阻害することなく、膜外部の微量な塩基性物質による経時的な感度低下を効果的に抑制するクエンチャーとして有効に機能すると考えられる。ここで、後述する比較例で示したように、塩基性化合物ならばどのような化合物でも本発明の効果を奏するわけではない。本願で特定されたベンゾイミダゾール及びその誘導体、又は、トリベンジルアミン及びその誘導体が、本願の効果を奏するのは、融点が高くて芳香環を有し疎水性の強い塩基性化合物であることに起因していると推定される。本願のレジスト組成物においては、マトリックスとして芳香環を有する樹脂成分が選択されているため、上記のような融点が高くて芳香環を有し疎水性の強い塩基性化合物は、塗膜中で時間を経ても、芳香環を有する樹脂成分に均一に分散されたまま安定して存在でき、レジストの経時安定性に機能すると推定される。レジスト中の湿度(水分)の変動も経時安定性に関係すると報告されている(特許第2861911号)が、本発明で用いられる塩基性化合物は疎水性が強いので、水分の影響も受け難いと推定される。
一方、親水性部分を有するなど疎水性が弱い塩基性化合物は、塗膜中で時間を経ると、膜外部からの水分の影響を受けやすく、かつ、樹脂の水酸基や架橋反応にかかわる親水的な部分に集まりやすく、樹脂同士の架橋反応を阻害し、感度低下に起因していると推定される。
<アルカリ可溶性樹脂>
本発明において用いられるアルカリ可溶性樹脂は、濃度2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液に対する現像速度が10〜80nm/secであるものを選択して用いる。当該アルカリ可溶性樹脂のアルカリ現像速度を上記範囲内とすることにより、パターン形状の向上及び高感度化が図れる。
アルカリ可溶性樹脂の、濃度2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液(水溶液温度23℃)に対する現像速度としては、中でも10〜80nm/secであることが好ましく、更に、15〜35nm/secであることが、パターン形状の向上及び高感度化の点から好ましい。
2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液に対する現像速度は、TMAH水溶液の温度に依存する値であり、温度が高くなると現像速度は増加し、低くなると減少する傾向がある。上記、現像速度の範囲はTMAH水溶液の温度が高くなると下限値と上限値が高くなり、TMAH水溶液の温度が低くなると下限値と上限値が低くなる。そのため、一般には23℃のときの溶解速度が基準となるが、パターン形成の際の現像液温度が室温ではない場合は、その現像液の温度で測定した現像速度が5〜100nm/secの範囲にあることが、パターン形状の向上及び高感度化の点からから好ましい。
アルカリ可溶性樹脂の含有量は、ネガ型レジスト組成物の全固形分に対して、50〜95重量%であることが好ましく、更に好ましくは70〜95重量%である。
なお、本発明において、固形分とは、ネガ型レジスト組成物中に含まれる成分のうち有機溶剤以外のものを意味する。
本発明において、ヘキサアルコキシメチルメラミンモノマーを含むメラミン樹脂は、前記アルカリ可溶性樹脂の架橋剤として用いられる。ヘキサアルコキシメチルメラミンモノマーを含むメラミン樹脂は、高感度を実現できる架橋剤である。
本発明に用いられるメラミン樹脂は、ヘキサアルコキシメチルメラミンモノマーに、他のメラミン樹脂を含んでも良いが、実質的に、ヘキサアルコキシメチルメラミンモノマー及びそれらの多量体からなることが好ましい。
ネガ化によりパターンを形成するため、架橋剤の分子量が大きいと少ない架橋反応で高分子量化しパターンを形成することができる。
中でも、前記メラミン樹脂中に含まれるヘキサアルコキシメチルメラミンモノマーとしては、80重量%以上であることが好ましく、特に96重量%以上であることが好ましい。
本発明においては特に、ヘキサメトキシメチルメラミンモノマーが上記のような高濃度で含まれるメラミン樹脂を用いることが、成膜前後の経時安定性、現像後の基板上の残渣の回避、高感度及びパターン形状を向上させる点から好ましい。
なお、本発明においてアルカリ可溶性樹脂を基準に含有量を規定している場合、アルカリ可溶性樹脂の固形分量を基準に用いる。
本発明において用いられる酸発生剤は、電子線を照射することにより直接又は間接的に酸を発生する酸発生剤であれば、従来の化学増幅型レジスト組成物において使用されている公知の酸発生剤から特に限定せずに用いることができる。
中でも、トリス[2,3−ジブロモプロピル]イソシアヌレート、トリブロモメチルフェニルスルホン、2-ピリジルトリブロモメチルスルホンが好ましく、特にトリス[2,3−ジブロモプロピル]イソシアヌレートが好適に用いられる。
本発明のレジスト組成物においては、更に、下記化学式(1)又は下記化学式(2)で表される塩基性化合物が含まれる。当該特定の塩基性化合物は、前記アルカリ可溶性樹脂と前記メラミン樹脂との架橋反応を阻害することなく、露光前後に前記酸発生剤から発生した酸が拡散して組成を変化させることを抑制する機能を果たす。本発明のレジスト組成物において当該特定の塩基性化合物を用いることにより、高感度でありながら、優れたパターン形状、及び経時安定性を達成することが可能になる。
ベンゾイミダゾール、及び、トリベンジルアミンは、R1又はR2、或いは、R3、R4、R4’、又はR4”として、置換基を有している場合でも、当該置換基がアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はハロゲン原子である場合には、比較的高い融点と疎水性を有するため、無置換の場合と同様に作用する。
アラルキル基としては、炭素数が7〜12のアラルキル基が好ましく、ベンジル基等が挙げられる。
また、ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
また、上記特定の塩基性化合物の含有量は、前記酸発生剤を基準とした場合、前記酸発生剤1モルに対して、0.01〜1.0モル含まれることが好ましく、更に0.02〜0.3モル、より更に0.03〜0.10モル含まれることが、高感度、且つ、優れたパターン形状、及び経時安定性を達成する点から好ましい。
本発明のネガ型レジスト組成物には、本発明の効果を損なわない限り、さらに所望により混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤などを適宜、添加含有させることができる。
本発明に係るネガ型レジスト組成物は、通常、有機溶剤に、前記アルカリ可溶性樹脂、前記メラミン樹脂、前記酸発生剤、及び前記特定の塩基性化合物、並びに、必要に応じてその他の添加剤を均一に混合することにより調製される。
2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液に対する現像速度はTMAH水溶液の温度に依存する値であり、温度が高くなると現像速度は増加し、低くなると減少する。上記、現像速度の好適な範囲はTMAH水溶液の温度が高くなると下限値と上限値が高くなり、TMAH水溶液の温度が低くなると下限値と上限値が低くなる。
本発明に係るレリーフパターンの製造方法は、
(i)本発明に係るネガ型レジスト組成物を基板上に塗布した後、加熱処理し、レジスト膜を形成する工程、及び
(ii)前記レジスト膜を電子線で露光し、加熱、現像する工程、
を含むことを特徴とする。
(i)本発明に係るネガ型レジスト組成物を基板上に塗布した後、加熱処理し、レジスト膜を形成する工程
本工程においては、まず、上記のネガ型レジスト組成物を基板上に塗布する。
塗布方法は、基板表面に当該ネガ型レジスト組成物を均一に塗布することができる方法であれば特に限定されるものではなく、スプレー法、ロールコート法、スリットコート法、回転塗布等の各種方法を用いることができる。
プリベークの温度は、当該組成物の成分、使用割合、有機溶剤の種類等により適宜決めればよく、通常、70〜160℃、好ましくは70〜150℃である。また、プリベーク時間は、通常、30秒〜30分程度である。
本工程においては、まず、前記レジスト膜を、電子線描画装置を用いて、マスクを介さないで電子線の直接照射による描画により、選択的に露光を行う。電子線描画装置は5keV〜100keVの加速電圧のものを用いることが出来る。
高感度、かつ、高パターン形状の点から好ましい。
次に、上記でPEB処理された基板を、アルカリ現像液を用いて現像処理し、露光光の未照射部分を除去する。
現像方法としては、スプレー法、スリット法、液盛り法、ディッピング法、揺同浸漬法等が挙げられる。
また、本発明のネガ型レジスト組成物のアルカリ現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n‐プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ‐n‐ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジメチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピペリジン等の環状アミン類等のアルカリ類の水溶液を使用することができる。更に、上記アルカリ類の水溶液にイソプロピルアルコール等のアルコール類、ノニオン系等の界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。これらのアルカリ現像液の中で、好ましくは第四級アンモニウム塩、更に好ましくは、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、コリンの水溶液である。
本発明に係るフォトマスクの製造方法は、フォトマスク基板上にレジスト組成物からなるレジスト膜を形成する工程、上記レジスト膜を電子線で露光し、現像してレリーフパターンを形成する工程、上記レリーフパターンをもとに上記基板をエッチング加工する工程を有するフォトマスクの製造方法において、前記レジスト組成物が、前記本発明に係るネガ型レジスト組成物であることを特徴とする。
その後、レジストからなるレリーフパターンを除去し、洗浄などを行うことによって、所望の形状の遮光パターンが石英ガラス基板上に形成され、石英ガラス基板等の基板と、その上に所定のパターンを有する遮光層とを備えたフォトマスクを製造することができる。
m−/p−クレゾールノボラック樹脂(m−/p−クレゾールクレゾール・ホルムアルデヒド縮合物;m−クレゾール/p−クレゾール=50/50(モル比))、アルカリ溶解速度=22.5nm/s(23℃)、重量平均分子量=6,579)を100重量部(固形分)に対して、酸発生剤として、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートを6重量部と、架橋剤して、へキサメトキシメチルメラミン(商品名ニカラック(MW-390)、株式会社三和ケミカル製)を10重量部と、特定の塩基性化合物として、ベンゾイミダゾール(塩基性化合物1)を0.05重量部(酸発生剤に対して5mol%分)とを、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)1250重量部に溶解し、固形分濃度が8.4重量%のネガ型レジスト組成物を得た。(ネガ型レジスト組成物のアルカリ溶解速度=26.2nm/s)
なお、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液(水溶液温度23℃)に対する現像速度をアルカリ溶解速度とする。
前記参考例1において、塩基性化合物1の代わりに、特定の塩基性化合物として、トリベンジルアミン(塩基性化合物2、0.12重量部(酸発生剤に対して5mol%分))を用いた以外は前記参考例1と同様にして、ネガ型レジスト組成物を得た。(ネガ型レジスト組成物のアルカリ溶解速度=25.3nm/s)
前記参考例1において、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)の代わりに、有機溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を用いた以外は前記参考例1と同様にして、ネガ型レジスト組成物を得た。
前記参考例1において、酸発生剤6重量部と、架橋剤10重量部と、塩基性化合物1を0.05重量部の代わりに、酸発生剤7重量部と、架橋剤7重量部と、塩基性化合物1を0.02重量部(酸発生剤に対して2mol%分)を用いた以外は前記参考例1と同様にして、ネガ型レジスト組成物を得た。
前記参考例4において、塩基性化合物1を0.02重量部(酸発生剤に対して2mol%分)の代わりに、塩基性化合物1を0.11重量部(酸発生剤に対して10mol%分)を用いた以外は前記参考例4と同様にして、ネガ型レジスト組成物を得た。
前記参考例4において、塩基性化合物1の代わりに、特定の塩基性化合物として、トリベンジルアミン(塩基性化合物2、0.14重量部(酸発生剤に対して5mol%分))を用いた以外は前記参考例4と同様にして、ネガ型レジスト組成物を得た。(ネガ型レジスト組成物のアルカリ溶解速度=23.1nm/s)
前記参考例4において、塩基性化合物1の代わりに、特定の塩基性化合物として、トリベンジルアミン(塩基性化合物2、0.06重量部(酸発生剤に対して2mol%分))を用いた以外は前記参考例4と同様にして、ネガ型レジスト組成物を得た。(ネガ型レジスト組成物のアルカリ溶解速度=25.3nm/s)
前記実施例7において、塩基性化合物2を0.06重量部(酸発生剤に対して2mol%分)の代わりに、塩基性化合物2を0.41重量部(酸発生剤に対して15mol%分)を用いた以外は前記実施例7と同様にして、ネガ型レジスト組成物を得た。(ネガ型レジスト組成物のアルカリ溶解速度=22.1nm/s)
前記実施例2において、架橋剤10重量部の代わりに、架橋剤15重量部を用いた以外は前記実施例2と同様にして、ネガ型レジスト組成物を得た。
前記実施例2において、架橋剤10重量部の代わりに、架橋剤6重量部を用いた以外は前記実施例2と同様にして、ネガ型レジスト組成物を得た。
前記実施例2において、酸発生剤6重量部と、架橋剤10重量部の代わりに、酸発生剤7重量部と架橋剤6重量部を用いた以外は前記実施例2と同様にして、ネガ型レジスト組成物を得た。
前記実施例2において、酸発生剤6重量部と、架橋剤10重量部の代わりに、酸発生剤5重量部と架橋剤6重量部を用いた以外は前記実施例2と同様にして、ネガ型レジスト組成物を得た。
前記参考例1において、酸発生剤6重量部と、架橋剤10重量部の代わりに、酸発生剤5重量部と架橋剤10重量部を用いた以外は用いた以外は前記参考例1と同様にして、ネガ型レジスト組成物を得た。
前記参考例1において、酸発生剤6重量部と、架橋剤10重量部と、塩基性化合物1を0.05重量部の代わりに、酸発生剤3重量部と、架橋剤3重量部と、塩基性化合物1を0.0005重量部(酸発生剤に対して0.1mol%分)を用いた以外は前記参考例1と同様にして、ネガ型レジスト組成物を得た。
前記実施例2において、酸発生剤6重量部と、架橋剤10重量部と、0.12重量部の代わりに、酸発生剤15重量部と、架橋剤20重量部と、塩基性化合物2を0.9重量部(酸発生剤に対して15mol%分)を用いた以外は前記実施例2と同様にして、ネガ型レジスト組成物を得た。
前記実施例2において、m−/p−クレゾールノボラック樹脂(m−クレゾール/p−クレゾール=50/50(モル比))、アルカリ溶解速度=22.5nm/s(23℃)、重量平均分子量=6,579)と酸発生剤6重量部と、架橋剤10重量部の代わりに、m−/p−クレゾールノボラック樹脂(m−クレゾール/p−クレゾール=60/40(モル比))、アルカリ溶解速度=46.9nm/s(23℃)、重量平均分子量=6,748)を100重量部(固形分)と、酸発生剤10重量部と、架橋剤7重量部を用いた以外は前記実施例2と同様にして、ネガ型レジスト組成物を得た。(ネガ型レジスト組成物のアルカリ溶解速度=32.5nm/s)
前記参考例1において、塩基性化合物1の代わりに、2−メチルイミダゾール(比較塩基性化合物1)を用いた以外は前記参考例1と同様にしてネガ型レジスト組成物を得た。(ネガ型レジスト組成物のアルカリ溶解速度=29.1nm/s)
前記参考例1において、塩基性化合物1の代わりに、ベンジルアミン(比較塩基性化合物2)を用いた以外は前記参考例1と同様にしてネガ型レジスト組成物を得た。(ネガ型レジスト組成物のアルカリ溶解速度=29.6nm/s)
前記参考例1において、塩基性化合物1の代わりに、N−フェニルジエタノールアミン(比較塩基性化合物3)を用いた以外は前記参考例1と同様にしてネガ型レジスト組成物を得た。(ネガ型レジスト組成物のアルカリ溶解速度=29.7nm/s)
前記参考例1において、塩基性化合物1を添加しなかった以外は前記参考例1と同様にしてネガ型レジスト組成物を得た。(ネガ型レジスト組成物のアルカリ溶解速度=25.7nm/s)
前記比較例1において、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)の代わりに、有機溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を用いた以外は前記比較例1と同様にして、ネガ型レジスト組成物を得た。
前記参考例1において、塩基性化合物1の代わりに、トリエチレンテトラミン(比較塩基性化合物4)を用いた以外は前記参考例1と同様にしてネガ型レジスト組成物を得た。
前記参考例1において、塩基性化合物1の代わりに、ジベンジルアミン(比較塩基性化合物5)を用いた以外は前記参考例1と同様にしてネガ型レジスト組成物を得た。
前記実施例9において、塩基性化合物2の代わりに、2−メチルイミダゾール(比較塩基性化合物1)を用いた以外は前記実施例9と同様にしてネガ型レジスト組成物を得た。
前記実施例9において、塩基性化合物2の代わりに、プロピルアミンを用いた以外は前記実施例9と同様にしてネガ型レジスト組成物を得た。
前記参考例4において、塩基性化合物1の代わりに、2−メチルイミダゾール(比較塩基性化合物1)0.016重量部(酸発生剤に対して2mol%分)を用いた以外は前記参考例4と同様にして、ネガ型レジスト組成物を得た。
前記参考例14において、塩基性化合物1の代わりに、2−メチルイミダゾール(比較塩基性化合物1)を0.0003重量部(酸発生剤に対して0.1mol%分)を用いた以外は前記参考例14と同様にして、ネガ型レジスト組成物を得た。
上記実施例2,6〜12、15、16、参考例1、3、4、5、13、14、及び比較例1から11で得られたネガ型レジスト組成物を用いて、以下に示す方法でレリーフパターンを作成し、評価を行った。なお、結果を表1、表2、及び表3に示す。
(1)レジスト膜の形成
各レジスト組成物を、シリコン基板上にスピンナーを用いて、均一に塗布し、110℃で60秒間プリベーク処理(PAB)を行い、膜厚285〜315nmのレジスト膜を形成した。
(2)レジストパターンの作成
当該レジスト膜に対し、電子線描画装置(加速電圧100kV)を用いて描画を行った。
描画終了後、105℃で60秒間ベーク処理(PEB)を施した後、2.38質量%のTMAH水溶液(23℃)で120秒間現像処理し、純水にて60秒間リンス処理を行い、ラインアンドスペース(L/S)パターンを形成した。
上記レジスト膜の形成方法により塗膜を形成後、水溶液温度23℃の濃度2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液に浸漬し、塗膜が完全に溶解するまでの時間を測定し、算出した。
〔感度評価〕
感度は1000nmのL/Sパターンが1:1に形成される最少照射量を感度としてμC/cm2単位で測定した。
経時安定性評価は、レジスト膜形成直後に電子線を照射した時の1000nmのL/Sパターンが1:1に形成される最少照射量と同値の照射量を、一定時間内描画装置外で保管したレジスト膜形成基板に照射したときのL/Sパターンのライン線幅(A(nm))の差(1000−A(nm))を評価した。
パターン形状の確認は、測長SEMにより判断した。
(評価基準)
○:20μC/cm2以下であり、エッジ・コーナーに角あり
□:20μC/cm2超過であり、エッジ・コーナーに角あり
△:20μC/cm2以下であり、エッジ・コーナーが丸みを帯びている
×:20μC/cm2超過であり、エッジ・コーナーが丸みを帯びている
参考例1のパターンは、パターンのエッジ形状に角がある、それに比べ、比較例4のパターンは、パターンのエッジ形状が丸みを帯び、角がない。そのため、測長の正確性が損なわれたり、エッチング後に遮光層へ精緻なパターンを転写できなくなる恐れがある。
実施例2及び9、比較例1及び8から、パターン上の異物発生を抑制することを目的として架橋剤の添加量を増加すると、経時安定性が悪化する傾向がみられた。これは、架橋剤の増量により、膜のガラス転移温度(Tg)が減少し、塩基性化合物が膜中を移動しやすくなったため、塩基性化合物の偏析により、経時安定性が悪化したと予想される。実施例9は、同様の架橋剤量にした比較例8及び9に比べると、経時安定性が良好になったことが明らかにされ、トリベンジルアミン、または、ベンゾイミダゾールを用いた効果が見られた。
また、比較例9は高感度だが、塩基性化合物無添加と同程度に経時安定性が悪化した。これは、プロピルアミンは室温、大気圧下で溶液なため、膜中で偏析が起こったこと、かつ、基板静置中に塩基性化合物が揮発することが原因と予想された。室温、大気圧下で高融点のトリベンジルアミンやベンゾイミダゾールの固体アミンを用いることが有用であると考えられる。
前記参考例1のネガ型レジスト組成物を用いて、基板として、酸化クロムからなる遮光層を有するフォトマスク上に、スピンナーを用いて、均一に塗布し、110℃で600秒間プリベーク処理(PAB)を行い、膜厚285〜315nmのレジスト膜を形成した。
当該レジスト膜に対し、電子線描画装置(加速電圧100kV)を用いて描画を行った。
描画終了後、105℃で600秒間ベーク処理(PEB)を施した後、2.38質量%のTMAH水溶液(23℃)で120秒間現像処理し、純水にて60秒間リンス処理を行い、ラインアンドスペース(L/S)パターンを形成した。
当該レジスト膜を用いて、参考例1と同様に、感度評価、経時安定性評価、パターン形状評価を行った。その結果を表1に合わせて示す。
Claims (9)
- アルカリ可溶性樹脂、ヘキサアルコキシメチルメラミンモノマーを含むメラミン樹脂、電子線を照射することにより酸を発生する酸発生剤、及び、下記化学式(2)で表される塩基性化合物を含有し、前記アルカリ可溶性樹脂は、濃度2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液(水溶液温度23℃)に対する現像速度が10〜80nm/secである、ネガ型レジスト組成物。
- 前記酸発生剤が、臭化水素を発生する酸発生剤である、請求項1に記載のネガ型レジスト組成物。
- 前記アルカリ可溶性樹脂が、ノボラック樹脂である、請求項1又は2に記載のネガ型レジスト組成物。
- 前記酸発生剤が、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートである、請求項1乃至3のいずれかに記載のネガ型レジスト組成物。
- 前記メラミン樹脂の含有量が、前記アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、3〜40重量部である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のネガ型レジスト組成物。
- 前記酸発生剤の含有量が、前記アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、1〜40重量部である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のネガ型レジスト組成物。
- 前記塩基性化合物の含有量が、前記アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、0.00004〜1重量部である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のネガ型レジスト組成物。
- (i)請求項1乃至7のいずれか一項に記載のネガ型レジスト組成物を基板上に塗布した後、加熱処理し、レジスト膜を形成する工程、及び
(ii)前記レジスト膜を電子線で露光し、加熱、現像する工程、を含むレリーフパターンの製造方法。 - フォトマスク基板上にレジスト組成物からなるレジスト膜を形成する工程、上記レジスト膜を電子線で露光し、現像してレリーフパターンを形成する工程、上記レリーフパターンをもとに上記基板をエッチング加工する工程を有するフォトマスクの製造方法において、前記レジスト組成物が、前記請求項1乃至7のいずれか一項に記載のネガ型レジスト組成物である、フォトマスクの製造方法。
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