JP5630181B2 - ネガ型レジスト組成物、当該レジスト組成物を用いたレリーフパターンの製造方法及びフォトマスクの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、レリーフパターンを形成するためのネガ型レジスト組成物、並びに、当該レジスト組成物を用いたレリーフパターンの製造方法及びフォトマスクの製造方法に関する。
半導体素子や液晶表示素子の製造においては、基板上に微細パターンを転写する方法として、リソグラフィー技術が用いられている。このリソグラフィー技術においては、主に投影露光装置が用いられ、投影露光装置に装着したフォトマスクのパターンを、例えば半導体ウエハ上に転写することによって、デバイスパターンが形成される。
通常、フォトマスクは、透明な石英ガラス基板上に形成されたクロム(Cr)などの遮光材を加工して作製される。すなわち、石英ガラス基板上にクロムなどからなる遮光膜が所望の形状で形成された構成になっている。
フォトマスクの遮光膜は、例えば以下のように加工される。まず、遮光膜上にレジストを塗布した後、そのレジストに電子線描画装置等で所望のパターンを描画する。続いて、現像によって所望の形状のレジストからなるレリーフパターンを形成した後、そのレリーフパターンをマスクとしてドライエッチングやウェットエッチングで遮光膜を加工する。その後、レジストからなるレリーフパターンを除去し、洗浄などを行うことによって、所望の形状の遮光パターンが石英ガラス基板上に形成される。
また、フォトマスクの製造においては、歩留まりや露光時間短縮など生産性向上のため、用いられるレジスト材料としては、高感度が要求される。
フォトマスクの製造におけるレジスト材料としては、例えば、ベース樹脂と、露光により酸を発生する酸発生剤とを含有する化学増幅型のレジスト材料が用いられている(例えば、特許文献1)。しかし、このような化学増幅型のレジスト材料は、パターン形状や、経時安定性が悪いという問題があった。ここで、経時安定性とは、ボトル中での安定性やレジスト組成物を基板上に塗布後、露光前、露光後現像までのレジスト組成物の組成や特性の安定性を言う。たとえば、経時安定性の良好なレジスト組成物は、レジスト膜形成直後に電子線等を照射した時の感度と、保管後のレジスト膜形成基板に電子線等を照射した時の感度の差が小さい。また、経時安定性が悪いとは、レジスト材料を塗布後暫く静置した後に露光現像して形成したパターンの線幅が、レジスト材料を塗布直後に露光現像して形成したパターンの線幅と異なってしまうという問題であり、フォトマスクの性能や歩留まりなどの生産性に与える影響が大きい重要な課題になっている。
一方、化学増幅型のレジスト材料に塩基性化合物が用いられたものとしては、特許文献2に、アルカリ可溶性ノボラック樹脂と、キノンジアジド基含有化合物と、ビニル基、ベンジル基、アルキル基が置換されていても良いイミダゾール化合物とを含むポジ型フォトレジスト組成物が開示されている。特許文献2は、レジストの保存安定性を損なうことなく基板に対しての密着性の優れたレジストパターンを得ることを目的とした技術である。しかし、特許文献2の従来技術には、ベンゾイミダゾール類を配合するとシリコン基板や金属基板に対し密着性を向上するが、レジストの保存安定性が損なわれると記載されている。
また、特許文献3には、193nmのような短い波長の照射光に対して画像形成可能なフォトレジストを提供することを目的として、樹脂バインダー、酸発生剤化合物、及び7個から20個ぐらいの炭素原子を有し、第1級または第二級アミノ基を有さない、非芳香族アミン化合物を含んでなる、ポジ型フォトレジスト組成物が開示されている。
また、特許文献4には、解像度を向上したレリーフ像を得ることを目的として、樹脂結合剤、酸発生剤化合物、及び、錯化する極性化合物からなる放射感受性組成物が開示されており、錯化する極性化合物として、エーテル、エステル、アミド及びアミンが開示されている。しかしながら、特許文献4には、本願で特定された塩基性化合物は記載されていない。特許文献4で具体的に開示されている2−メチルイミダゾールを用いても、後述の比較例で示したように、高感度及び経時安定性の向上を達成することはできない。
特開平4−358155号公報 特開平9−236923号公報 特開2000−298348号公報 特開平5−249662号公報
上記実情に鑑み、本発明の目的は、電子線照射によるパターン形成において、高感度、且つ、優れたパターン形状、及び経時安定性を達成可能なネガ型レジスト組成物、及び当該ネガ型レジスト組成物を用いたレリーフパターンの製造方法、及び当該ネガ型レジスト組成物を用いたフォトマスクの製造方法を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討の結果、ネガ型レジスト組成物中に含まれるアルカリ可溶性樹脂として、特定のアルカリ溶解速度の樹脂と特定の架橋剤を組み合わせ、且つ、酸発生剤と共に特定の塩基性化合物を含有させることにより、上記課題が解決されるという知見を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係るネガ型レジスト組成物は、アルカリ可溶性樹脂、ヘキサアルコキシメチルメラミンモノマーを含むメラミン樹脂、電子線を照射することにより酸を発生する酸発生剤、及び、下記化学式(2)で表される塩基性化合物を含有し、前記アルカリ可溶性樹脂は、濃度2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液(水溶液温度23℃)に対する現像速度が10〜80nm/secであることを特徴とする。
(化学式(2)中、R4’、及びR4”は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、アラルキル基、又はハロゲン原子でありm、m’、及びm”はそれぞれ独立に0〜5の整数であるm、m’、及びm”がそれぞれ2以上の整数の場合、2つ以上の 、R4’、及びR4”は、それぞれ同一であっても異なっていても良い。)
本発明に係るネガ型レジスト組成物においては、前記酸発生剤が、臭化水素を発生する酸発生剤であることが、高感度、且つ、優れたパターン形状、及び経時安定性を達成可能な点から好ましい。
本発明に係るネガ型レジスト組成物においては、前記アルカリ可溶性樹脂が、ノボラック樹脂であることが、高感度、且つ、優れたパターン形状、及び経時安定性を達成可能な点から好ましい。
本発明に係るネガ型レジスト組成物においては、前記酸発生剤が、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートであることが、高感度、且つ、優れたパターン形状、及び経時安定性を達成可能な点から好ましい。
本発明に係るネガ型レジスト組成物においては、前記メラミン樹脂の含有量が、前記アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、3〜40重量部であることが、高感度、且つ、優れたパターン形状、及び経時安定性を達成可能な点から好ましい。
本発明に係るネガ型レジスト組成物においては、前記酸発生剤の含有量が、前記アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、1〜40重量部であることが、高感度、且つ、優れたパターン形状、及び経時安定性を達成可能な点から好ましい。
本発明に係るネガ型レジスト組成物においては、前記塩基性化合物の含有量が、前記アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、0.00004〜1重量部であることが、高感度、且つ、優れたパターン形状、及び経時安定性を達成可能な点から好ましい。
本発明に係るレリーフパターンの製造方法は、
(i)本発明に係るネガ型レジスト組成物を基板上に塗布した後、加熱処理し、レジスト膜を形成する工程、及び
(ii)前記レジスト膜を電子線で露光し、加熱、現像する工程、
を含むことを特徴とする。
本発明によれば、高感度で、且つ、形状及び安定性が良好なパターンを形成することができる。
本発明は、フォトマスク基板上にレジスト組成物からなるレジスト膜を形成する工程、上記レジスト膜を電子線で露光し、現像してレリーフパターンを形成する工程、上記レリーフパターンをもとに上記基板をエッチング加工する工程を有するフォトマスクの製造方法において、前記レジスト組成物が、前記本発明に係るネガ型レジスト組成物である、フォトマスクの製造方法も提供する。
本発明のネガ型レジスト組成物は、電子線等の光照射によるパターン形成において高感度であり、且つ、優れたパターン形状、及び経時安定性を達成可能であり、高い生産性を有する。
また本発明は、本発明のネガ型レジスト組成物を用いた生産性の高いレリーフパターンの製造方法を提供する。
また、本発明のフォトマスクの製造方法は、遮光層に転写するためのレリーフパターンを前記本発明に係るネガ型レジスト組成物を用いて形成することにより、高い生産性で、コーナー・エッジ形状も良好なレリーフパターンを形成することができるため、精緻なフォトマスクを生産性高く製造することができるという効果を奏する。
本発明の実施例1で得られたパターンの断面写真である。 比較例4で得られたパターンの断面写真である。
以下において本発明を詳しく説明する。
I.ネガ型レジスト組成物
本発明のネガ型レジスト組成物は、アルカリ可溶性樹脂、ヘキサアルコキシメチルメラミンモノマーを含むメラミン樹脂、電子線を照射することにより酸を発生する酸発生剤、及び、下記化学式(1)又は下記化学式(2)で表される塩基性化合物を含有し、前記アルカリ可溶性樹脂は、濃度2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液(水溶液温度23℃)に対する現像速度が10〜80nm/secであることを特徴とする。
(化学式(1)及び(2)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はアルキル基であり、R、R、R4’、及びR4”は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、アラルキル基、又はハロゲン原子であり、nは0〜4の整数であり、m、m’、及びm”はそれぞれ独立に0〜5の整数である。n、m、m’、及びm”がそれぞれ2以上の整数の場合、2つ以上のR、R、R4’、及びR4”は、それぞれ同一であっても異なっていても良い。)
本発明によれば、ネガ型レジスト組成物中に含まれるアルカリ可溶性樹脂として、特定のアルカリ溶解速度の樹脂と、特定の架橋剤であるヘキサアルコキシメチルメラミンモノマーを含むメラミン樹脂を組み合わせ、且つ、酸発生剤と共に特定の塩基性化合物を含有させることにより、電子線照射によるパターン形成において高感度で、且つ、優れたパターン形状、及び経時安定性を達成可能なネガ型レジスト組成物を得ることができる。
上記ネガ型レジスト組成物は、レジストパターン形成時に電子線照射(以下、「露光」という場合がある)により酸発生剤から酸が発生すると、当該酸が作用して、上記アルカリ可溶性樹脂と上記架橋剤であるメラミン樹脂との間で架橋結合が形成され、アルカリ不溶性となる。そのため、レジストパターン形成において、当該ネガ型レジスト組成物からなるレジスト膜を選択的に露光すると、或いは露光に加えて露光後加熱すると、露光部はアルカリ不溶性となる一方、未露光部はアルカリ可溶性のまま変化しないので、アルカリ現像することによりネガ型のレジストパターンを形成することができる。
本発明のネガ型レジスト組成物において、上記のような高感度で、且つ、優れたパターン形状、及び経時安定性が達成できるのは、未解明であるが、以下のような作用によると推定される。
ネガ型レジスト組成物中に含まれるアルカリ可溶性樹脂及び架橋剤として、アルカリ水溶液に対する溶解性が高いものを用いると、感度が低下し、パターン形状が悪化する傾向がある。
そこで、本発明者は、レジスト組成物のアルカリ水溶液に対する溶解性を低めにすることに着目した。すなわち、アルカリ可溶性樹脂について、感度が向上し且つパターン形状が良好になり、且つ、未露光部に残渣が残らないように、アルカリ溶解速度が比較的低めの特定の範囲のアルカリ可溶性樹脂を選択し、且つ特定の構造を有するメラミン樹脂からなる架橋剤と、酸発生剤を組み合わせたことにより、組成物全体の疎水性が適切に向上し、アルカリ水溶液に対する溶解性が低下し、パターン形状や感度が向上したと考えられる。
更に、塩基性化合物は、レジスト組成物中に添加しておくことで、露光後、発生する酸の拡散を抑制する働きがある。また、レジスト組成物は膜外部からの塩基性物質により感度が低下するという問題があるが、予め塩基性化合物を添加し、酸発生剤の添加量を多くし、露光部に十分な酸を発生させることで、膜外部の微量な塩基性物質による感度低下の影響を抑制することができる。
本発明においては、塩基性化合物として、特に、ベンゾイミダゾール及びその誘導体、又は、トリベンジルアミン及びその誘導体という特定の塩基性化合物を組み合わせて用いたことにより、上記樹脂同士の架橋反応を阻害することなく、膜外部の微量な塩基性物質による経時的な感度低下を効果的に抑制するクエンチャーとして有効に機能すると考えられる。ここで、後述する比較例で示したように、塩基性化合物ならばどのような化合物でも本発明の効果を奏するわけではない。本願で特定されたベンゾイミダゾール及びその誘導体、又は、トリベンジルアミン及びその誘導体が、本願の効果を奏するのは、融点が高くて芳香環を有し疎水性の強い塩基性化合物であることに起因していると推定される。本願のレジスト組成物においては、マトリックスとして芳香環を有する樹脂成分が選択されているため、上記のような融点が高くて芳香環を有し疎水性の強い塩基性化合物は、塗膜中で時間を経ても、芳香環を有する樹脂成分に均一に分散されたまま安定して存在でき、レジストの経時安定性に機能すると推定される。レジスト中の湿度(水分)の変動も経時安定性に関係すると報告されている(特許第2861911号)が、本発明で用いられる塩基性化合物は疎水性が強いので、水分の影響も受け難いと推定される。
一方、親水性部分を有するなど疎水性が弱い塩基性化合物は、塗膜中で時間を経ると、膜外部からの水分の影響を受けやすく、かつ、樹脂の水酸基や架橋反応にかかわる親水的な部分に集まりやすく、樹脂同士の架橋反応を阻害し、感度低下に起因していると推定される。
以下、このような本発明のネガ型レジスト組成物の各構成について順に詳細に説明する。
<アルカリ可溶性樹脂>
本発明において用いられるアルカリ可溶性樹脂は、濃度2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液に対する現像速度が10〜80nm/secであるものを選択して用いる。当該アルカリ可溶性樹脂のアルカリ現像速度を上記範囲内とすることにより、パターン形状の向上及び高感度化が図れる。
濃度2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液に対する現像速度は、例えば、アルカリ可溶性樹脂を30重量%の溶液とし、シリコンウエハ上に乾燥後の膜厚が1μmとなるように塗膜を形成後、濃度2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液(水溶液温度23℃)に浸漬し、塗膜が完全に溶解するまでの時間を測定し、算出することができる。
アルカリ可溶性樹脂の、濃度2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液(水溶液温度23℃)に対する現像速度が、10nm/sec未満である場合には、高感度化するが、未露光部に残渣が残る恐れがある。一方、アルカリ可溶性樹脂の、濃度2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液(水溶液温度23℃)に対する現像速度が、80nm/sec超過である場合には、感度が低下し、且つ、パターンのコーナー・エッジが丸みを帯びるように形状が劣化する。
アルカリ可溶性樹脂の、濃度2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液(水溶液温度23℃)に対する現像速度としては、中でも10〜80nm/secであることが好ましく、更に、15〜35nm/secであることが、パターン形状の向上及び高感度化の点から好ましい。
2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液に対する現像速度は、TMAH水溶液の温度に依存する値であり、温度が高くなると現像速度は増加し、低くなると減少する傾向がある。上記、現像速度の範囲はTMAH水溶液の温度が高くなると下限値と上限値が高くなり、TMAH水溶液の温度が低くなると下限値と上限値が低くなる。そのため、一般には23℃のときの溶解速度が基準となるが、パターン形成の際の現像液温度が室温ではない場合は、その現像液の温度で測定した現像速度が5〜100nm/secの範囲にあることが、パターン形状の向上及び高感度化の点からから好ましい。
本発明において用いられるアルカリ可溶性樹脂としては、アルカリ可溶性樹脂として通常使用されているものを用いることができる。具体的には、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレンもしくはその誘導体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、アクリル樹脂等が挙げられ、好ましくはノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレンもしくはその誘導体が用いられる。
ノボラック樹脂としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、3−エチルフェノール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール等のアルキルフェノール類、2−メトキシフェノール、4−メトキシフェノール、4−フェノキシフェノール等のアルコキシ又はアリールオキシフェノール類、α−ナフトール、β−ナフトール、3−メチル−α−ナフトール等のナフトール類、1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシ−2−メチルベンゼン、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、1,2,3−トリヒドロキシ−5−メチルベンゼン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン等のポリヒドロキシベンゼン類等のフェノール性化合物と、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等の脂肪族アルデヒド類、ベンズアルデヒド等の芳香族アルデヒド類、アセトン等のアルキルケトン類等のカルボニル化合物とを、例えば塩酸、硫酸、シュウ酸等を触媒として、混合加熱し重縮合させて製造することができる。
また、ポリヒドロキシスチレンもしくはその誘導体としては、4−ヒドロキシスチレン、3−メチル−4−ヒドロキシスチレン、3−クロロ−4−ヒドロキシスチレン等のヒドロキシスチレン誘導体を公知の方法により重合させて製造することができる。また、必要に応じ、得られた樹脂を更に、水素等により還元して短波長領域の吸光性を低くしたものを用いても良い。これらのアルカリ可溶性樹脂を製造するための芳香族化合物モノマーは、本発明に悪影響を与えない限りハロゲン原子、ニトロ基、エステル基等の置換基を有していても良い。
感度の点から、本発明において用いられるアルカリ可溶性樹脂としては、中でもノボラック樹脂を用いることが好ましい。更に、ノボラック樹脂の中でも、クレゾールノボラック樹脂を用いることが好ましく、より更に、m−/p−クレゾールノボラック樹脂(m−クレゾール:p−クレゾール=4:6〜6:4(モル比))が好ましく、特に、m−/p−クレゾールノボラック樹脂(m−クレゾール:p−クレゾール=1:1(モル比))を用いることが好ましい。
本発明において用いられるアルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量としては、特に限定されないが、2000〜100000が好ましく、更に2000〜15000が好ましく、更に、4000〜10000であることが好ましい。本発明において重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって、標準ポリスチレンの検量線を用いて測定したものである。
本発明に係るネガ型レジスト組成物において、アルカリ可溶性樹脂は、1種単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。
アルカリ可溶性樹脂の含有量は、ネガ型レジスト組成物の全固形分に対して、50〜95重量%であることが好ましく、更に好ましくは70〜95重量%である。
なお、本発明において、固形分とは、ネガ型レジスト組成物中に含まれる成分のうち有機溶剤以外のものを意味する。
<ヘキサアルコキシメチルメラミンモノマーを含むメラミン樹脂>
本発明において、ヘキサアルコキシメチルメラミンモノマーを含むメラミン樹脂は、前記アルカリ可溶性樹脂の架橋剤として用いられる。ヘキサアルコキシメチルメラミンモノマーを含むメラミン樹脂は、高感度を実現できる架橋剤である。
本発明に用いられるメラミン樹脂は、ヘキサアルコキシメチルメラミンモノマーに、他のメラミン樹脂を含んでも良いが、実質的に、ヘキサアルコキシメチルメラミンモノマー及びそれらの多量体からなることが好ましい。
ネガ化によりパターンを形成するため、架橋剤の分子量が大きいと少ない架橋反応で高分子量化しパターンを形成することができる。
ヘキサアルコキシメチルメラミンモノマーとしては、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、ヘキサプロポキシメチルメラミン、ヘキサブトキシメチルメラミン等のモノマーが挙げられる。中でも、高感度の点から、ヘキサメトキシメチルメラミンモノマーを用いることが好ましい。
また、メラミン樹脂中に含まれるヘキサアルコキシメチルメラミンモノマーは70重量%以上であることが、高感度、経時安定性及びパターン形状を向上させる点から好ましい。
中でも、前記メラミン樹脂中に含まれるヘキサアルコキシメチルメラミンモノマーとしては、80重量%以上であることが好ましく、特に96重量%以上であることが好ましい。
本発明においては特に、ヘキサメトキシメチルメラミンモノマーが上記のような高濃度で含まれるメラミン樹脂を用いることが、成膜前後の経時安定性、現像後の基板上の残渣の回避、高感度及びパターン形状を向上させる点から好ましい。
本発明に用いられるメラミン樹脂においてヘキサアルコキシメチルメラミンモノマーは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、メラミン樹脂の含有量は、前記アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、好ましくは3〜40重量部、更に好ましくは3〜30重量部、より更に好ましくは3〜20重量部である。この範囲よりも少なくなると低感度、かつ、像形成ができず、多くなると、パターン形状においてコーナー・エッジが丸みを帯び、保存安定性が低下したり、経時安定性が低下する恐れがある。
なお、本発明においてアルカリ可溶性樹脂を基準に含有量を規定している場合、アルカリ可溶性樹脂の固形分量を基準に用いる。
<電子線を照射することにより酸を発生する酸発生剤>
本発明において用いられる酸発生剤は、電子線を照射することにより直接又は間接的に酸を発生する酸発生剤であれば、従来の化学増幅型レジスト組成物において使用されている公知の酸発生剤から特に限定せずに用いることができる。
上記酸発生剤としては、たとえば、1,1−ビス[p−クロロフェニル]−2,2,2−トリクロロエタン、1,1−ビス[p−メトキシフェニル]−2,2,2−トリクロロエタン、1,2,5,6,9,10−ヘキサブロモシクロドデカン、1,10−ジブロモデカン、1,1−ビス[p−クロロフェニル]−2,2−ジクロロエタン、4,4’−ジクロロ−2−(トリクロロメチル)ベンズヒドロール、1,1−ビス(クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタノール、ヘキサクロロジメチルスルホン、2−クロロ−6−(トリクロロメチル)ピリジン、0,0−ジエチル−o−(3,5,6−トリクロロ−2−ピリジル)ホスホロチオエート、1,2,3,4,5,6−ヘキサクロロシクロヘキサン、N(1,1−ビス[p−クロロフェニル]−2,2,2−トリクロロエチルアセトアミド、トリス[2,3−ジブロモプロピル]イソシアヌレート、2,2−ビス[p−クロロフェニル]−1,1−ジクロロエチレン、および、これらの異性体、類似体、並びに、これらを部分構造に有する化合物等が挙げられる。
酸発生剤としては、高感度、且つ、優れたパターン形状、及び経時安定性を達成可能な点から、上記の中でも、臭化水素を発生する酸発生剤であることが好ましい。臭化水素を発生する酸発生剤は、前述の特定のアルカリ可溶性樹脂及び特定のメラミン樹脂との組み合わせにおいて、感度を向上させ、且つ、後述する特定の塩基性化合物との相性が良く、これらの組み合わせにより、優れたパターン形状、及び経時安定性を達成しやすくなる。
中でも、トリス[2,3−ジブロモプロピル]イソシアヌレート、トリブロモメチルフェニルスルホン、2-ピリジルトリブロモメチルスルホンが好ましく、特にトリス[2,3−ジブロモプロピル]イソシアヌレートが好適に用いられる。
これらの酸発生剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、酸発生剤の含有量は、前記アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、好ましくは1〜40重量部、更に好ましくは1〜30重量部、より更に好ましくは3〜20重量部である。この範囲よりも少なくなると像形成ができず、多くなると、均一な溶液とならず、経時安定性が低下したり、残渣発生の原因となる。
<塩基性化合物>
本発明のレジスト組成物においては、更に、下記化学式(1)又は下記化学式(2)で表される塩基性化合物が含まれる。当該特定の塩基性化合物は、前記アルカリ可溶性樹脂と前記メラミン樹脂との架橋反応を阻害することなく、露光前後に前記酸発生剤から発生した酸が拡散して組成を変化させることを抑制する機能を果たす。本発明のレジスト組成物において当該特定の塩基性化合物を用いることにより、高感度でありながら、優れたパターン形状、及び経時安定性を達成することが可能になる。
(化学式(1)及び(2)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はアルキル基であり、R、R、R4’、及びR4”は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、アラルキル基、又はハロゲン原子であり、nは0〜4の整数であり、m、m’、及びm”はそれぞれ独立に0〜5の整数である。n、m、m’、及びm”がそれぞれ2以上の整数の場合、2つ以上のR、R、R4’、及びR4”は、それぞれ同一であっても異なっていても良い。)
ベンゾイミダゾール、及び、トリベンジルアミンは、それぞれ、R又はR、或いは、R、R、R4’、又はR4”として、置換基を有していても良い。化学式(1)及び(2)において、n、m、m’、及びm”は、それぞれ置換基の数を表す。このような置換基は、ベンゾイミダゾール、及び、トリベンジルアミンの、組成物中の相溶性の向上と疎水性の向上を目的として、適宜選択されれば良い。
ベンゾイミダゾール、及び、トリベンジルアミンは、R又はR、或いは、R、R、R4’、又はR4”として、置換基を有している場合でも、当該置換基がアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はハロゲン原子である場合には、比較的高い融点と疎水性を有するため、無置換の場合と同様に作用する。
前記化学式(1)及び(2)中、R、R、R、R、R4’、及びR4”において、アルキル基としては、直鎖、分岐状又は環状のいずれでもよい。直鎖アルキル基としては、炭素数が1〜12の直鎖アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等が挙げられる。分岐状アルキル基としては、炭素数が1〜12の分岐状アルキル基が好ましく、例えば、i−プロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、i−ペンチル基、t−ペンチル基等が挙げられる。また、環状アルキル基としては、炭素数が6〜10の環状アルキル基が好ましく、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
アリール基としては、炭素数が6〜12のアリール基が好ましく、フェニル基、トリル基、ナフチル基等が挙げられる。
アラルキル基としては、炭素数が7〜12のアラルキル基が好ましく、ベンジル基等が挙げられる。
また、ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
また、本発明に用いられる上記特定の塩基性化合物は、固体であることが好ましく、さらに融点が50℃以上であることが好ましい。融点が高いと、塗膜を形成後、露光前までに塩基性化合物が偏析し難く、塗膜中で時間を経ても、芳香環を有する樹脂成分に均一に分散されたまま安定して存在でき、外部からの塩基性物質や水分による感度の低下を抑制できると推定される。一方、融点が例えば50℃未満、または液状の塩基性化合物を用いると、塗膜を形成後、露光前までの間に塩基性化合物が偏析しやすく、外部からの塩基性物質や水分により感度が低下する恐れがある。さらに、塗膜を形成後、露光前、露光中や露光後に塩基性物質の揮発による経時安定性の低下する恐れがある。
本発明に用いられる上記特定の塩基性化合物は、特に、臭化水素を発生する酸発生剤に対し、経時安定性を向上するのに、特に効果的である。
これらの塩基性化合物は、単独であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。上記特定の塩基性化合物の含有量は、前記アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、0.00002〜1重量部であることが好ましく、より好ましくは0.00004〜1重量部であり、更に好ましくは0.0001〜1重量部であり、より更に好ましくは0.005〜1重量部である。0.00002重量部未満では、その添加の効果が得られない。一方、1重量部を超えると、安定性は向上するが、感度の低下や未露光部の現像性が悪化する傾向がある。
また、上記特定の塩基性化合物の含有量は、前記酸発生剤を基準とした場合、前記酸発生剤1モルに対して、0.01〜1.0モル含まれることが好ましく、更に0.02〜0.3モル、より更に0.03〜0.10モル含まれることが、高感度、且つ、優れたパターン形状、及び経時安定性を達成する点から好ましい。
<その他の成分>
本発明のネガ型レジスト組成物には、本発明の効果を損なわない限り、さらに所望により混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤などを適宜、添加含有させることができる。
<ネガ型レジスト組成物の調製>
本発明に係るネガ型レジスト組成物は、通常、有機溶剤に、前記アルカリ可溶性樹脂、前記メラミン樹脂、前記酸発生剤、及び前記特定の塩基性化合物、並びに、必要に応じてその他の添加剤を均一に混合することにより調製される。
有機溶剤としては、化学増幅型レジストの溶剤として一般に用いられているものが使用できる。例えば、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等が好ましく、これらの溶剤を単独あるいは混合して使用することができる。さらにイソプロピルアルコール、エチルアルコール、メチルアルコール、n−ブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノールなどのアルコールや、トルエン、キシレンなどの芳香族溶剤が含有されていても構わない。本発明では、これらの有機溶剤の中でもレジストの成膜性やレジスト成分中の酸発生剤の溶解性が最も優れているジエチレングリコールジメチルエーテルやシクロヘキサノン、シクロペンタノン、1−エトキシ−2−プロパノール、乳酸エチルの他、安全溶剤であるプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びその混合溶剤が好ましく使用される。
レジスト組成物中の溶剤量は特に限定されず、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定される。一般的には、溶剤は、レジスト組成物の固形分濃度が好ましくは0.5〜20重量%、より好ましくは0.5〜15重量%の範囲内となる様に用いられる。
このようにして得られる本発明のネガ型レジスト組成物は、濃度2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液(水溶液温度23℃)に対する現像速度が10〜90nm/secであることが好ましく、更に、11〜50nm/secであることが、高感度、且つ、優れたパターン形状、及び経時安定性を達成する点から好ましい。
2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液に対する現像速度はTMAH水溶液の温度に依存する値であり、温度が高くなると現像速度は増加し、低くなると減少する。上記、現像速度の好適な範囲はTMAH水溶液の温度が高くなると下限値と上限値が高くなり、TMAH水溶液の温度が低くなると下限値と上限値が低くなる。
本発明のネガ型レジスト組成物は、酸化クロム層が積層された基板上においても安定性の高い塗膜を形成することができ、また真空中での安定性も高く、性能の経時変化が小さいので、フォトマスクを製造するのに適している。したがって、本発明のネガ型レジスト組成物を用いることにより、酸化クロム層へのパターンの転写を忠実に行うことができ、精密なフォトマスクが得られる。
また、本発明のネガ型レジスト組成物は、電子線用の高感度ネガ型レジスト組成物として、フォトマスクのマスクパターン加工用の他、Siウェハー上に描画する直接描画用などのレリーフパターンを製造するため好適に使用することができる。
II.レリーフパターンの製造方法
本発明に係るレリーフパターンの製造方法は、
(i)本発明に係るネガ型レジスト組成物を基板上に塗布した後、加熱処理し、レジスト膜を形成する工程、及び
(ii)前記レジスト膜を電子線で露光し、加熱、現像する工程、
を含むことを特徴とする。
本発明に係るレリーフパターンの製造方法によれば、高感度で、且つ、形状が良好なパターンを、安定して形成することができる。
以下、各工程についてそれぞれ説明する。
(i)本発明に係るネガ型レジスト組成物を基板上に塗布した後、加熱処理し、レジスト膜を形成する工程
本工程においては、まず、上記のネガ型レジスト組成物を基板上に塗布する。
塗布方法は、基板表面に当該ネガ型レジスト組成物を均一に塗布することができる方法であれば特に限定されるものではなく、スプレー法、ロールコート法、スリットコート法、回転塗布等の各種方法を用いることができる。
次に、当該基板上に塗布した当該ネガ型レジスト組成物にプリベーク(PAB)を行い、有機溶剤を除去して、レジスト膜を形成する。
プリベークの温度は、当該組成物の成分、使用割合、有機溶剤の種類等により適宜決めればよく、通常、70〜160℃、好ましくは70〜150℃である。また、プリベーク時間は、通常、30秒〜30分程度である。
(ii)前記レジスト膜を電子線で露光し、加熱、現像する工程
本工程においては、まず、前記レジスト膜を、電子線描画装置を用いて、マスクを介さないで電子線の直接照射による描画により、選択的に露光を行う。電子線描画装置は5keV〜100keVの加速電圧のものを用いることが出来る。
次いで露光後に、露光後加熱(Post Exposure Bake、PEB)を行う。PEB処理の条件は、50〜160℃の温度で、0.1〜15分程度の時間であることが、
高感度、かつ、高パターン形状の点から好ましい。
次に、上記でPEB処理された基板を、アルカリ現像液を用いて現像処理し、露光光の未照射部分を除去する。
現像方法としては、スプレー法、スリット法、液盛り法、ディッピング法、揺同浸漬法等が挙げられる。
また、本発明のネガ型レジスト組成物のアルカリ現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n‐プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ‐n‐ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジメチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピペリジン等の環状アミン類等のアルカリ類の水溶液を使用することができる。更に、上記アルカリ類の水溶液にイソプロピルアルコール等のアルコール類、ノニオン系等の界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。これらのアルカリ現像液の中で、好ましくは第四級アンモニウム塩、更に好ましくは、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、コリンの水溶液である。
また、アルカリ現像液としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液を用いる場合、当該テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液の濃度は、0.1%〜5%であることが好ましく、更に好ましくは0.5%〜3%であり、特に好ましくは1.19%〜2.38%である。2.38%濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液は、一般に半導体産業において最も入手しやすい。また、当該テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液の濃度が0.1%より薄い場合、空気中の二酸化炭素により現像液が中和されてしまい、感度が変動して安定的に製品を得る事が困難となる。
現像処理した後、リンス処理を行い、基板上のアルカリ現像液及び当該アルカリ現像液によって溶解したレジスト組成物を洗い流し、乾燥させて、レジストパターンを得る。
III.フォトマスクの製造方法
本発明に係るフォトマスクの製造方法は、フォトマスク基板上にレジスト組成物からなるレジスト膜を形成する工程、上記レジスト膜を電子線で露光し、現像してレリーフパターンを形成する工程、上記レリーフパターンをもとに上記基板をエッチング加工する工程を有するフォトマスクの製造方法において、前記レジスト組成物が、前記本発明に係るネガ型レジスト組成物であることを特徴とする。
本発明のフォトマスクの製造方法においては、前記レリーフパターンを前記本発明に係るネガ型レジスト組成物を用いて形成することにより、酸化クロム層等が積層されたフォトマスク基板上においても安定性が高く、また真空中での安定性も高く、性能の経時変化が小さく、コーナーエッジ形状も良好なレリーフパターンを形成することができる。そのため、高い生産性で、精緻なフォトマスクを製造することができる。
本発明に係るフォトマスクの製造方法において、フォトマスク基板としては、透明な石英ガラス基板上に、酸化クロム、MoSiO、MoSiON、TaSiOなどの遮光層を有する基板が挙げられる。本発明のフォトマスクの製造方法においては、前記レリーフパターンを形成するのに用いられるネガ型レジスト組成物が、酸化クロム層等の遮光層が積層されたフォトマスク基板上においても安定性が高いため、フォトマスク基板としては、透明な石英ガラス基板上に酸化クロムによる遮光層を設けられたものが好適に用いられる。
本発明に係るフォトマスクの製造方法において、レジスト組成物からなるレジスト膜を形成する工程、上記レジスト膜を電子線で露光し、現像してレリーフパターンを形成する工程、及び、レジスト膜を形成するのに用いられる前記本発明に係るレジスト組成物については、上述と同様であるため、ここでの説明を省略する。
本発明に係るフォトマスクの製造方法において、上記レリーフパターンをもとに上記基板をエッチング加工する工程としては、そのレリーフパターンをマスクとして、パターンが形成されていない部分の遮光層をドライエッチングやウェットエッチングを行う方法が挙げられる。ドライエッチングやウェットエッチングを行う方法としては、従来公知の方法から遮光層に合わせて適宜選択される。
その後、レジストからなるレリーフパターンを除去し、洗浄などを行うことによって、所望の形状の遮光パターンが石英ガラス基板上に形成され、石英ガラス基板等の基板と、その上に所定のパターンを有する遮光層とを備えたフォトマスクを製造することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明について実施例を示して具体的に説明する。これらの記載により本発明を制限するものではない。
参考例1>
m−/p−クレゾールノボラック樹脂(m−/p−クレゾールクレゾール・ホルムアルデヒド縮合物;m−クレゾール/p−クレゾール=50/50(モル比))、アルカリ溶解速度=22.5nm/s(23℃)、重量平均分子量=6,579)を100重量部(固形分)に対して、酸発生剤として、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートを6重量部と、架橋剤して、へキサメトキシメチルメラミン(商品名ニカラック(MW-390)、株式会社三和ケミカル製)を10重量部と、特定の塩基性化合物として、ベンゾイミダゾール(塩基性化合物1)を0.05重量部(酸発生剤に対して5mol%分)とを、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)1250重量部に溶解し、固形分濃度が8.4重量%のネガ型レジスト組成物を得た。(ネガ型レジスト組成物のアルカリ溶解速度=26.2nm/s)
なお、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液(水溶液温度23℃)に対する現像速度をアルカリ溶解速度とする。
<実施例2>
前記参考例1において、塩基性化合物1の代わりに、特定の塩基性化合物として、トリベンジルアミン(塩基性化合物2、0.12重量部(酸発生剤に対して5mol%分))を用いた以外は前記参考例1と同様にして、ネガ型レジスト組成物を得た。(ネガ型レジスト組成物のアルカリ溶解速度=25.3nm/s)
参考例3>
前記参考例1において、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)の代わりに、有機溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を用いた以外は前記参考例1と同様にして、ネガ型レジスト組成物を得た。
参考例4>
前記参考例1において、酸発生剤6重量部と、架橋剤10重量部と、塩基性化合物1を0.05重量部の代わりに、酸発生剤7重量部と、架橋剤7重量部と、塩基性化合物1を0.02重量部(酸発生剤に対して2mol%分)を用いた以外は前記参考例1と同様にして、ネガ型レジスト組成物を得た。
参考例5>
前記参考例4において、塩基性化合物1を0.02重量部(酸発生剤に対して2mol%分)の代わりに、塩基性化合物1を0.11重量部(酸発生剤に対して10mol%分)を用いた以外は前記参考例4と同様にして、ネガ型レジスト組成物を得た。
<実施例6>
前記参考例4において、塩基性化合物1の代わりに、特定の塩基性化合物として、トリベンジルアミン(塩基性化合物2、0.14重量部(酸発生剤に対して5mol%分))を用いた以外は前記参考例4と同様にして、ネガ型レジスト組成物を得た。(ネガ型レジスト組成物のアルカリ溶解速度=23.1nm/s)
<実施例7>
前記参考例4において、塩基性化合物1の代わりに、特定の塩基性化合物として、トリベンジルアミン(塩基性化合物2、0.06重量部(酸発生剤に対して2mol%分))を用いた以外は前記参考例4と同様にして、ネガ型レジスト組成物を得た。(ネガ型レジスト組成物のアルカリ溶解速度=25.3nm/s)
<実施例8>
前記実施例7において、塩基性化合物2を0.06重量部(酸発生剤に対して2mol%分)の代わりに、塩基性化合物2を0.41重量部(酸発生剤に対して15mol%分)を用いた以外は前記実施例7と同様にして、ネガ型レジスト組成物を得た。(ネガ型レジスト組成物のアルカリ溶解速度=22.1nm/s)
<実施例9>
前記実施例2において、架橋剤10重量部の代わりに、架橋剤15重量部を用いた以外は前記実施例2と同様にして、ネガ型レジスト組成物を得た。
<実施例10>
前記実施例2において、架橋剤10重量部の代わりに、架橋剤6重量部を用いた以外は前記実施例2と同様にして、ネガ型レジスト組成物を得た。
<実施例11>
前記実施例2において、酸発生剤6重量部と、架橋剤10重量部の代わりに、酸発生剤7重量部と架橋剤6重量部を用いた以外は前記実施例2と同様にして、ネガ型レジスト組成物を得た。
<実施例12>
前記実施例2において、酸発生剤6重量部と、架橋剤10重量部の代わりに、酸発生剤5重量部と架橋剤6重量部を用いた以外は前記実施例2と同様にして、ネガ型レジスト組成物を得た。
参考例13>
前記参考例1において、酸発生剤6重量部と、架橋剤10重量部の代わりに、酸発生剤5重量部と架橋剤10重量部を用いた以外は用いた以外は前記参考例1と同様にして、ネガ型レジスト組成物を得た。
参考例14>
前記参考例1において、酸発生剤6重量部と、架橋剤10重量部と、塩基性化合物1を0.05重量部の代わりに、酸発生剤3重量部と、架橋剤3重量部と、塩基性化合物1を0.0005重量部(酸発生剤に対して0.1mol%分)を用いた以外は前記参考例1と同様にして、ネガ型レジスト組成物を得た。
<実施例15>
前記実施例2において、酸発生剤6重量部と、架橋剤10重量部と、0.12重量部の代わりに、酸発生剤15重量部と、架橋剤20重量部と、塩基性化合物2を0.9重量部(酸発生剤に対して15mol%分)を用いた以外は前記実施例2と同様にして、ネガ型レジスト組成物を得た。
<実施例16>
前記実施例2において、m−/p−クレゾールノボラック樹脂(m−クレゾール/p−クレゾール=50/50(モル比))、アルカリ溶解速度=22.5nm/s(23℃)、重量平均分子量=6,579)と酸発生剤6重量部と、架橋剤10重量部の代わりに、m−/p−クレゾールノボラック樹脂(m−クレゾール/p−クレゾール=60/40(モル比))、アルカリ溶解速度=46.9nm/s(23℃)、重量平均分子量=6,748)を100重量部(固形分)と、酸発生剤10重量部と、架橋剤7重量部を用いた以外は前記実施例2と同様にして、ネガ型レジスト組成物を得た。(ネガ型レジスト組成物のアルカリ溶解速度=32.5nm/s)
<比較例1>
前記参考例1において、塩基性化合物1の代わりに、2−メチルイミダゾール(比較塩基性化合物1)を用いた以外は前記参考例1と同様にしてネガ型レジスト組成物を得た。(ネガ型レジスト組成物のアルカリ溶解速度=29.1nm/s)
<比較例2>
前記参考例1において、塩基性化合物1の代わりに、ベンジルアミン(比較塩基性化合物2)を用いた以外は前記参考例1と同様にしてネガ型レジスト組成物を得た。(ネガ型レジスト組成物のアルカリ溶解速度=29.6nm/s)
<比較例3>
前記参考例1において、塩基性化合物1の代わりに、N−フェニルジエタノールアミン(比較塩基性化合物3)を用いた以外は前記参考例1と同様にしてネガ型レジスト組成物を得た。(ネガ型レジスト組成物のアルカリ溶解速度=29.7nm/s)
<比較例4>
前記参考例1において、塩基性化合物1を添加しなかった以外は前記参考例1と同様にしてネガ型レジスト組成物を得た。(ネガ型レジスト組成物のアルカリ溶解速度=25.7nm/s)
<比較例5>
前記比較例1において、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)の代わりに、有機溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を用いた以外は前記比較例1と同様にして、ネガ型レジスト組成物を得た。
<比較例6>
前記参考例1において、塩基性化合物1の代わりに、トリエチレンテトラミン(比較塩基性化合物4)を用いた以外は前記参考例1と同様にしてネガ型レジスト組成物を得た。
<比較例7>
前記参考例1において、塩基性化合物1の代わりに、ジベンジルアミン(比較塩基性化合物5)を用いた以外は前記参考例1と同様にしてネガ型レジスト組成物を得た。
<比較例8>
前記実施例9において、塩基性化合物2の代わりに、2−メチルイミダゾール(比較塩基性化合物1)を用いた以外は前記実施例9と同様にしてネガ型レジスト組成物を得た。
<比較例9>
前記実施例9において、塩基性化合物2の代わりに、プロピルアミンを用いた以外は前記実施例9と同様にしてネガ型レジスト組成物を得た。
<比較例10>
前記参考例4において、塩基性化合物1の代わりに、2−メチルイミダゾール(比較塩基性化合物1)0.016重量部(酸発生剤に対して2mol%分)を用いた以外は前記参考例4と同様にして、ネガ型レジスト組成物を得た。
<比較例11>
前記参考例14において、塩基性化合物1の代わりに、2−メチルイミダゾール(比較塩基性化合物1)を0.0003重量部(酸発生剤に対して0.1mol%分)を用いた以外は前記参考例14と同様にして、ネガ型レジスト組成物を得た。

[レリーフパターンの製造及び評価]
上記実施例2,6〜12、15、16、参考例1、3、4、5、13、14、及び比較例1から11で得られたネガ型レジスト組成物を用いて、以下に示す方法でレリーフパターンを作成し、評価を行った。なお、結果を表1、表2、及び表3に示す。
(1)レジスト膜の形成
各レジスト組成物を、シリコン基板上にスピンナーを用いて、均一に塗布し、110℃で60秒間プリベーク処理(PAB)を行い、膜厚285〜315nmのレジスト膜を形成した。
(2)レジストパターンの作成
当該レジスト膜に対し、電子線描画装置(加速電圧100kV)を用いて描画を行った。
描画終了後、105℃で60秒間ベーク処理(PEB)を施した後、2.38質量%のTMAH水溶液(23℃)で120秒間現像処理し、純水にて60秒間リンス処理を行い、ラインアンドスペース(L/S)パターンを形成した。
(3)レジスト組成物のアルカリ溶解速度測定法
上記レジスト膜の形成方法により塗膜を形成後、水溶液温度23℃の濃度2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液に浸漬し、塗膜が完全に溶解するまでの時間を測定し、算出した。
(4)評価方法
〔感度評価〕
感度は1000nmのL/Sパターンが1:1に形成される最少照射量を感度としてμC/cm2単位で測定した。
〔経時安定性評価〕
経時安定性評価は、レジスト膜形成直後に電子線を照射した時の1000nmのL/Sパターンが1:1に形成される最少照射量と同値の照射量を、一定時間内描画装置外で保管したレジスト膜形成基板に照射したときのL/Sパターンのライン線幅(A(nm))の差(1000−A(nm))を評価した。
〔パターン形状評価〕
パターン形状の確認は、測長SEMにより判断した。
(評価基準)
○:20μC/cm2以下であり、エッジ・コーナーに角あり
□:20μC/cm2超過であり、エッジ・コーナーに角あり
△:20μC/cm2以下であり、エッジ・コーナーが丸みを帯びている
×:20μC/cm2超過であり、エッジ・コーナーが丸みを帯びている
参考例1のパターン形状を図1に、比較例4のパターン形状を図2に示す。
参考例1のパターンは、パターンのエッジ形状に角がある、それに比べ、比較例4のパターンは、パターンのエッジ形状が丸みを帯び、角がない。そのため、測長の正確性が損なわれたり、エッチング後に遮光層へ精緻なパターンを転写できなくなる恐れがある。
表2及び表3において、塩基性化合物の値は、酸発生剤に対するmol%で示されている。
実施例より、本発明のレジスト組成物は、高感度及び良好な形状を保ち、かつ、塩基性化合物の添加量が多いほど経時安定性は良好になる傾向が明らかにされた。塩基性化合物の添加量増加により、塩基性化合物がより均一に膜中に存在し、疎水性が上がり、大気中の水分が浸透しにくくなったことが予想される。また、膜中の塩基性化合物濃度が高まることにより、大気中のアミンが付着、浸透し難くなったことも原因と予想される。塩基性化合物の添加量が少ない実施例7、参考例4及び14は、添加量の多い実施例8、及び参考例5に比べて経時安定性が悪化するが、同様の添加量にした比較例10及び11に比べ、良好な結果が得られ、トリベンジルアミン、または、ベンゾイミダゾールを用いた効果が見られた。参考例14では、塩基性化合物を少量添加し、感度を向上しながら、パターン形状を良好にすることができたが、比較例11では、同様に少量添加したところ、塩基性化合物無添加と同様にエッジコーナーが丸みを帯びてしまい、且つ、無添加と同程度に経時安定性が悪化しまった。
実施例2及び9、比較例1及び8から、パターン上の異物発生を抑制することを目的として架橋剤の添加量を増加すると、経時安定性が悪化する傾向がみられた。これは、架橋剤の増量により、膜のガラス転移温度(Tg)が減少し、塩基性化合物が膜中を移動しやすくなったため、塩基性化合物の偏析により、経時安定性が悪化したと予想される。実施例9は、同様の架橋剤量にした比較例8及び9に比べると、経時安定性が良好になったことが明らかにされ、トリベンジルアミン、または、ベンゾイミダゾールを用いた効果が見られた。
また、比較例9は高感度だが、塩基性化合物無添加と同程度に経時安定性が悪化した。これは、プロピルアミンは室温、大気圧下で溶液なため、膜中で偏析が起こったこと、かつ、基板静置中に塩基性化合物が揮発することが原因と予想された。室温、大気圧下で高融点のトリベンジルアミンやベンゾイミダゾールの固体アミンを用いることが有用であると考えられる。
参考例17>
前記参考例1のネガ型レジスト組成物を用いて、基板として、酸化クロムからなる遮光層を有するフォトマスク上に、スピンナーを用いて、均一に塗布し、110℃で600秒間プリベーク処理(PAB)を行い、膜厚285〜315nmのレジスト膜を形成した。
当該レジスト膜に対し、電子線描画装置(加速電圧100kV)を用いて描画を行った。
描画終了後、105℃で600秒間ベーク処理(PEB)を施した後、2.38質量%のTMAH水溶液(23℃)で120秒間現像処理し、純水にて60秒間リンス処理を行い、ラインアンドスペース(L/S)パターンを形成した。
当該レジスト膜を用いて、参考例1と同様に、感度評価、経時安定性評価、パターン形状評価を行った。その結果を表1に合わせて示す。
酸化クロムからなる遮光層を有するフォトマスク上においても、安定性が高く、また真空中での安定性も高く、性能の経時変化が小さく、エッジ・コーナー形状も良好なレリーフパターンを形成することができることが明らかにされた。

Claims (9)

  1. アルカリ可溶性樹脂、ヘキサアルコキシメチルメラミンモノマーを含むメラミン樹脂、電子線を照射することにより酸を発生する酸発生剤、及び、下記化学式(2)で表される塩基性化合物を含有し、前記アルカリ可溶性樹脂は、濃度2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液(水溶液温度23℃)に対する現像速度が10〜80nm/secである、ネガ型レジスト組成物。
    (化学式(2)中、R4’、及びR4”は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、アラルキル基、又はハロゲン原子でありm、m’、及びm”はそれぞれ独立に0〜5の整数であるm、m’、及びm”がそれぞれ2以上の整数の場合、2つ以上の 、R4’、及びR4”は、それぞれ同一であっても異なっていても良い。)
  2. 前記酸発生剤が、臭化水素を発生する酸発生剤である、請求項1に記載のネガ型レジスト組成物。
  3. 前記アルカリ可溶性樹脂が、ノボラック樹脂である、請求項1又は2に記載のネガ型レジスト組成物。
  4. 前記酸発生剤が、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートである、請求項1乃至3のいずれかに記載のネガ型レジスト組成物。
  5. 前記メラミン樹脂の含有量が、前記アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、3〜40重量部である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のネガ型レジスト組成物。
  6. 前記酸発生剤の含有量が、前記アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、1〜40重量部である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のネガ型レジスト組成物。
  7. 前記塩基性化合物の含有量が、前記アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、0.00004〜1重量部である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のネガ型レジスト組成物。
  8. (i)請求項1乃至7のいずれか一項に記載のネガ型レジスト組成物を基板上に塗布した後、加熱処理し、レジスト膜を形成する工程、及び
    (ii)前記レジスト膜を電子線で露光し、加熱、現像する工程、を含むレリーフパターンの製造方法。
  9. フォトマスク基板上にレジスト組成物からなるレジスト膜を形成する工程、上記レジスト膜を電子線で露光し、現像してレリーフパターンを形成する工程、上記レリーフパターンをもとに上記基板をエッチング加工する工程を有するフォトマスクの製造方法において、前記レジスト組成物が、前記請求項1乃至7のいずれか一項に記載のネガ型レジスト組成物である、フォトマスクの製造方法。
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