JP5504199B2 - 位相シフト干渉計 - Google Patents

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Description

本発明は、光学材料及び光部品の光学測定及び光コヒーレンストモグラフィによる断層画像測定に用いる位相シフト干渉計に関するものである。
工業分野等において物体の形状を計測するための非接触かつ高分解能な計測手段として、従来、光の干渉を利用した計測するスペクトル干渉計が用いられている。このスペクトル干渉計は、光の位相をスペクトル領域で測定する。
すなわち、スペクトル干渉計においては、光源から出射される伝搬光を2つの経路に分岐させ、一方の経路に測定対象とする試料を配置し、この試料を透過する光をプローブ光とし、他方の経路には試料を配置せず、この試料が配置しない経路を伝搬する光を参照光とする。
そして、プローブ光と参照光とを結合させて、プローブ光と参照光との干渉を起こさせ、この干渉結果から試料の特性を検出する。
ここで、スペクトル干渉計に用いる光源は、単一波長で発振する波長可変光源が用いられる。光源が放出する光(伝搬光)の波長(もしくは周波数)を掃引し、その波長(もしくは周波数)をパラメータとして干渉光の強度を測定することにより、波長をパラメータとした関数が求められ、試料の透過あるいは反射にともなう光の位相の変化を得る。この光の位相の変化からスペクトル位相を求めることができる。
上述のように求められたスペクトル位相から波長分散を求めることができ、光学材料や光部品(光学部品)などの特性を評価することができる。
また、スペクトル位相を逆フーリエ変換することにより、光が伝搬する方向に沿って光学媒質の空間分布を得る。この空間分布により、例えば、試料の深さ方向における断層画像を得ることができる。
干渉光からスペクトル位相を検出する際、cos成分またはsin成分のいずれかのみを測定しただけでは、光の位相の符号が判別できない。このため、本来あるべきスペクトル位相を原点として、周波数軸上に反転した鏡像のスペクトル位相が得られることになる。この結果、波長分散が増加しているかあるいは減少しているかの判別、また深さ方向に距離が増加しているかあるいは減少しているかの判別をすることができない。
したがって、上述した周波軸上における鏡像スペクトルを発生させないため、光の位相の符号が判別可能となるように、cos成分及びsin成分の双方を、すなわち直交二成分を測定することが重要である。
上述した直交二成分の測定が可能な干渉計として、位相シフト干渉計がある。一般的な位相シフト干渉計の構成については、非特許文献1に記載されている。この非特許文献1に記載された位相シフト干渉計は、位相シフト干渉計を構成する2つの経路の一方に位相シフタを設け、この位相シフタで発生させる位相シフトを、「0」及び「π/2(ラジアン単位)」で切り替えて、cos成分及びsin成分の直交二成分を測定している。
また、位相シフタとして、ミラーあるいはレンズのマウント部にPZT(チタン酸ジルコニウム酸鉛:圧電体)トランスデューサーを装着して、ミラーあるいはレンズを変位させて、一方の経路を伝搬する光に対する位相シフト量を切り替えることが記載されている。
さらに、測定した干渉波形に背景成分となる非干渉成分が含まれている場合、この非干渉成分を干渉波形から除去し、干渉成分のみを抽出して、直交二成分を求めるための複数のアルゴリズムが記載されている。
また、位相シフト干渉計で示されている位相シフト量を切り替えて直交二成分を測定する方法が、スペクトル干渉計に適用された例がある。例えば、波長走査位相シフト干渉計を構成して、スペクトル位相の直交二成分を測定する構成がある(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載された波長走査位相シフト干渉計は、以下に示す構成をしている。
外部共振器型LD(Laser Diode:半導体レーザ )からなる光源より出射された光ビームを、テレスコープによって平行光とし、この平行光をマイケルソン干渉計に対して出射する。
マイケルソン干渉計は、入射された平行光を照射光と参照光とに分離し、照射光を被測定物に対して照射し、参照光を位相シフタとして機能するPZTミラーに照射する。被測定物に照射した照射光は、被測定物の表面で反射され物体光となる。
そして、PZTミラーで反射された参照光と、被測定物により出射される物体光とがビームスプリッタで反射された後、偏光素子を透過してCCD(Charge Coupled Device)カメラにおけるCCDの光電面上で重ねられる。この重ね合わされることにより、参照光と物体光との干渉信号が光電面において検出される。
任意の位相に対応する位置になるようにPZTミラーを制御し、この任意の位相において干渉スペクトルを測定する。そして、任意の位相における干渉スペクトルの測定が終了した後、任意の位相と異なる位相に対応する位置にPZTミラーを制御し、この位相にて干渉スペクトルの測定を行う。
そして、このPZTミラーの位置を変えて、異なる位相として干渉スペクトルを測定する処理を繰り返して行うことにより、異なる位相成分の干渉スペクトルを、各位相成分毎に測定する。ここで、位相の値の決定は、波長を走査する際の1走査の波長範囲の中心波長でのみ行い、同一波長範囲の他の波長もこの中心波長と等しいとする。
また、位相シフトスペクトル干渉計を用いて、光コヒーレンストモグラフィによる断層画像を得る際、断層画像における鏡像データを解消させることもできる(例えば、非特許文献2参照)。
また、位相シフタを用いずに、3つの出力ポートの各々から、互いに異なる位相成分に対応する干渉成分を並列に出射する光分岐の構成を有したヘテロダイン光スペクトル分析器を用い、直交二成分を求めることもできる(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2においては、3つの出力ポートから並列に出射される干渉成分を用い、ヘテロダイン干渉における直交二成分を、並列処理で同時に求めることが記載されている。
特開2001−059714号公報 国際公開第2004/005974号パンフレット
H.Schreiber,J.H.Bruning and J.E.Greivenkamp,"Phase shifting interferometry" in "Optcal Shop Testing," edited by D.Malacara(3d ed.) chap .14, pp.547-666(J.Wiley & Sons, New Jersey, 2007) W,Wojtkowski,A.Kowalczyk,R.Leitgeb and A.F.Fercher,"Full range complex spectral optical cherence tomography technique in eye imaging,"OPTICS LETTERS vol.27,no.16,pp.1415-1417(2002)
しかしながら、特許文献1に記載された波長走査位相シフト干渉計にあっては、走査波長が中心波長に等しいとする近似を行っている。このため、特許文献1は、中心波長における少なくとも3個の所定の位相値が、その他の走査波長における位相値に相当するとし、中心波長のみ上記所定の位相値を求める方式を開示している。
この特許文献1の方式は、干渉計内における経路の伝搬及び被測定対象物からの反射に伴う波長分散が、測定精度に対して影響を与えない程度に小さいために無視でき、かつ伝搬する光の位相が周波数に対して線形に変化するという近似が成り立つという条件の下では正しく機能する。
一方、波長分散が測定精度に対して無視できない場合、精度の低い測定しか行えず、また、被測定対象物の波長分散が測定対象となっている場合、位相が周波数に線形に変化していないため、波長分散が正確に測定できない。
すなわち、波長分散の測定を目的としたスペクトル干渉計には、特許文献1で開示されている構成の干渉計は、上述したように、その方式の持つ測定条件から、波長分散を測定する目的には適用させることができないという問題がある。
また、特許文献1に開示された干渉計は、特許文献1の図1に示す構成から判るように、光の干渉を起こさせる干渉経路を空気中として用いる空間光学系で構成されており、装置の小型化を行うための阻害要因となっている。
ここで、小型化及び構成する容易さを目的とし、干渉経路を光ファイバで構成しようとすると、光ファイバの有する波長分散のために、位相が周波数に対して線形に変化しなくなり、被測定対象物の波長分散の測定精度が低下することが考えられる。
このため、光ファイバの長さを短くし、光ファイバにおける波長分散を測定精度に対して影響を与えない程度に抑制することが必要となる。
しかしながら、測定精度に影響を与えない程度に光ファイバを短くすると、光コヒーレンストモグラフィにおいて、診断部位に到達させるための光ファイバの長さを確保することができなくなる。
また、走査波長レンジ(波長を走査する波長幅、すなわち測定する波長の波長範囲)を、位相の周波数に対する線形近似が可能となる範囲に狭めることが必要となるため、狭い範囲の干渉信号しか得ることができず、断層画像の解像度を低下させるという問題がある。
さらに、特許文献1に開示された干渉計は、位相シフタを構成するためにPZTミラーを用いており、所定の位相値各々に対応する位置にPZTミラーを固定し、干渉スペクトルを各位装置毎に測定する走査を繰り返して行っている。
そして、この走査を繰り返して行うことにより、複数の位相値での干渉スペクトルを測定して、複数の位相値による干渉の直交二成分を得ている。
この特許文献1の直交二成分を求める方式を光ファイバを用いた干渉計に適用させた場合、温度変化にともなう光ファイバの光路長の変動により、PZTミラーの位置を変化させ、複数の位相値での干渉スペクトルを取得する間に、干渉計中での位相が変動することになる。このため、干渉計に対して設定した位相値と、実際に測定を行っている位相値とがずれてしまうことになる。
その結果、直交二成分の直交性が損なわれるため、波長分散データあるいは断層画像にリップルが生じてしまい、波長分散の測定精度が大幅に悪化して評価不能となり、あるいは断層画像が乱れてしまい、この断層画像に基づく診断が行えないという問題がある。
同様に、非特許文献2に開示された干渉計も、PZTミラーを移動させて位相シフト量を変化させるため、特許文献1と同様な問題を有している。
一方、特許文献2に記載されている干渉計は、3つの出力ポートから、互いに異なる位相成分に対応する干渉成分を並列して出射する光分岐の構成であるため、位相シフタを用いる必要が無く、異なる位相成分各々の干渉成分が同時に計測できるため、特許文献1のような位相の変動の影響を受けることがない。
しかしながら、3つの出力ポートの各々に対して光検出器を設ける必要があるため、光検出器の数が増加することになり、個数の増加する分、干渉計の構成が複雑になり、また小型化することが困難となり、かつ製造コストが増加することになる。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたもので、波長分散の測定、及び光コヒーレンストモグラフィにおける断層撮影に利用することが可能な、測定精度が従来に比較して高く、簡易な構成であって小型化が容易であり、かつ安価な位相シフト干渉計(位相シフトファイバスペクトル干渉計)を提供する。
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の位相シフト干渉計は、単一縦モード光を伝搬光として第1出射端から出射する、当該単一モード光の波長が可変な光源(光源1)と、前記第1出射端に一端が接続され、前記伝搬光を伝搬する偏波保持特性を有する単一モード光ファイバで構成された入射光経路(入射光ファイバ2)と、前記入射光経路の他端が接続された第1入射端から前記伝搬光を入射し、前記伝搬光を第1伝搬光と第2伝搬光とに分岐させ、前記第1伝搬光を第2出射端から出射し、前記第2伝搬光を第3出射端から出射する光分岐部(光分岐部3)と、一端が前記第2出射端に接続され、偏波保持特性を有する単一モード光ファイバで構成された入射側プローブ光経路(入射側)と、第2入射端が前記入射側プローブ光経路の他端に接続され、当該第2入射端から入射される前記第1伝搬光を内部に配置された測定対象の試料に照射し、前記試料を透過もしくは反射して出射されるプローブ光を第4出射端から出射する試料測定部(試料測定部6)と、前記第4出射端に一端が接続され、前記試料から出射される前記プローブ光を伝搬させる、偏波保持特性を有する単一モード光ファイバで構成された出射側プローブ光経路(出射側プローブ光ファイバ7)と、一端が前記第3出射端に接続され、偏波保持特性を有する単一モード光ファイバで構成された参照光経路(参照光ファイバ5)と、前記出射側プローブ光経路の他端が接続された第3入射端から、前記プローブ光を入射し、前記参照光経路の他端が接続された第4入射端から、前記第2伝搬光を入射し、前記プローブ光及び前記第2伝搬光を光波して合波光とし、当該合波光を第5出射端から出射する光結合部(光結合部10)と、前記第2出射端及び前記第3入射端間の第1経路、及び第3出射端及び前記第4入射端間の第2経路のいずれか一方の経路に設けられ、設けられた経路と他方の経路を伝搬する伝搬光との位相差を周期的に変化させる光位相シフト部(光位相シフト部8)と、前記第5出射端に一端が接続され、前記合波光を伝搬する偏波保持特性を有する光ファイバから構成される出射光経路(出射光ファイバ11)と、前記出射光経路の他端が第5入射端に接続され、当該第5入射端から入射される前記合波光を電気信号に変換し、変換結果を干渉信号として出力する光検出部(光検出部12)と
、前記光源において波長掃引が行われる毎に、当該波長掃引に同期して、前記光位相シフト部における位相シフト量及び位相シフトの周期を制御するとともに、前記位相シフトの一周期内において前記iが増加される順に、第i光成分に対応する前記干渉信号を時系列に取得するためのサンプリングクロック信号を発生する制御部(制御部13)と、前記光源において波長掃引が行われる毎に、当該波長掃引に同期して、前記サンプリングクロック信号により、前記干渉信号を時系列に取得し、前記掃引波長における前記位相差がα (ラジアン単位、α は実数であり、α の取る値の範囲は0≦α ≦3π/2なる範囲を含み、iは整数であり3≦i)となるα 成分の干渉信号を得て、前記α 成分の干渉信号の各測定点ごとの波長変化を前記各測定点のサンプリングタイミングにしたがう線形補間により補正するデータ取得部(データ取得部14)とを有することを特徴とする。
本発明の位相シフト干渉計は、前記位相シフトの一周期内にサンプリングを行う前記測定点の数がmである場合、前記制御部が、前記α 成分の干渉信号に対し、周波数の測定間隔を1/mとする線形補間を行うため、前記α 成分の干渉信号のデータ点数をm倍とすることを特徴とする。
本発明の位相シフト干渉計は、前記データ取得部が、前記α 成分の干渉信号の測定点毎の波長変化を補正する際、前記周期の測定点毎に、複数の前記周期における測定の順番が同一の測定点の前記干渉信号を用いて線形補間して、前記周期のm倍された測定点各々における前記位相差に対応する補間干渉信号を求めることを特徴とする。
本発明の位相シフト干渉計は、前記αiの要素の総数が3以上(i≧3)であり、前記制御部が、当該要素から3つの要素として、位相α1の第1光成分、位相α2の第2光成分及び位相α3の第3光成分を抽出し、当該第1光成分、当該第2光成分及び当該第3光成分の各々から前記干渉信号を取得することを特徴とする。
本発明のスペクトル干渉計は、前記αの要素の総数が30以上(i≧30)であることを特徴とする。
本発明のスペクトル干渉計は、前記第2出射端及び前記第3入射端間の第1経路、及び第3出射端及び前記第4入射端間の第2経路のいずれか一方の経路に設けられ、前記第1経路及び第2経路との光路長差を調節する光遅延部をさらに有することを特徴とする。
本発明の位相シフト干渉計は、前記第1経路及び前記第2経路のいずれか一方に前記光遅延部が設けられ、前記光位相シフト部が前記第1経路及び前記第2経路のいずれか他方に設けられることを特徴とする。
本発明の位相シフト干渉計は、前記第1経路及び前記第2経路のいずれか一方に、前記光遅延部及び前記光位相シフト部が一体化して設けられていることを特徴とする。
本発明の位相シフト干渉計は、前記データ取得部が、前記第1光成分の前記干渉信号を受信する第1受信ポートと、前記第2光成分の前記干渉信号を受信する第2受信ポートと、前記第3光成分の前記干渉信号を受信する第3受信ポートと、を有していることを特徴とする。
本発明のスペクトル干渉計は、前記データ取得部が、波長の掃引毎に、測定単位として前記第1光成分、前記第2光成分及び前記第3光成分をデータ組として時系列に取得することを特徴とする。
本発明のスペクトル干渉計は、前記試料測定部が、一端が前記第2入射端に接続され、他端が前記測定対象の試料の入射端に接続された、偏波保持特性を有する第1光ファイバと、一端が前記第4出射端に接続され、他端が前記測定対象の試料の出射端に接続された、偏波保持特性を有する第2光ファイバと、を有することを特徴とする。
本発明のスペクトル干渉計は、前記試料測定部が、一端が前記第2入射端に接続され、他端から前記第2入射端から入射される第1伝搬光を平行光として出力する、偏波持特性を有する第1光ファイバと、前記第1光ファイバから出射される前記平行光を、前記測定対象の試料の表面に集光し、前記測定対象の試料の表面から出射された前記平行光が反射した反射平行光を出射するレンズと、一端が前記第4出射端に接続され、前記レンズから出射される前記反射平行光を他端から入射し、前記第4出射端に対して前記反射平行光を前記第1伝搬光として出射する、偏波保持特性を有する第2光ファイバとを有することを特徴とする。
本発明のスペクトル干渉計は、前記データ取得部が、波長の関数として取得したスペクトル位相を周波数の関数に変換し、隣接周波数間におけるスペクトル位相差から分散パラメータを求め、この分散パラメータから波長分散を求めることを特徴とする。
本発明のスペクトル干渉計は、前記データ取得部が、波長の関数として取得したスペクトル位相を周波数の関数に変換し、スペクトル位相の逆フーリエ変換を行い、伝搬光の伝搬距離の関数としてスペクトル位相の逆フーリエ変換を表示する光コヒーレンストモグラフィーの機能を有することを特徴とする。
この発明によれば、空間光学系を使用せず、偏波保持特性を有する光ファイバのプローブ光経路及び参照光経路によって、位相シフト干渉計を構成しているため、従来例の構成に比較して、装置の構成が簡易となり、かつ空間光学系用に必要な部品を配置する必要性がなく、装置を小型化することが可能となる
また、この発明によれば、偏波保持特性を有する光ファイバによって、伝搬光の偏波を保持させた状態で干渉計内を伝搬させ、干渉計を構成するプローブ光経路及び参照光経路において、プローブ光経路に伝搬される第1伝搬光に対し、参照光経路に伝搬される第2伝搬光の位相差を時系列に、ラジアン単位で0から3π/2の間で周期的に切り替えることにより、安定した同一の偏波状態の第1伝搬光及び第2伝搬光から、各々異なる位相シフト量の第i光成分から干渉要素を抽出することができ、従来に比較して光パルスの波長分散の測定及び光コヒーレンストモグラフィにおける断層撮影を、高精度かつ高感度に行うことができる。
この発明の第1の実施形態による位相シフト干渉計の構成例を示すブロック図である。 本実施形態における試料測定部6の構成例を示す図である。 第1の実施形態の位相シフト干渉計による、光源1の波長掃引動作と、この波長掃引動作に対応した光位相シフト部8の位相シフトの動作と、制御部13が発生する位相シフト電圧及びサンプリングクロック信号のタイミングを示す波形図である 第2の実施形態の位相シフト干渉計による、光源1の波長掃引動作と、これに対応した光位相シフト部8の位相シフトの動作と、データ取得部14における光検出部12からの干渉信号のサンプリングとにおける動作のタイミングを示す波形図である。 第3の実施形態による位相シフト干渉計の構成例を示すブロック図である。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて説明する。なお、本実施形態は、例えば、被測定対象物を光ファイバや光学部品とした場合の波長分散の測定、あるいは光コヒーレンストモグラフィにおける断層撮影に利用可能な位相シフト干渉計(位相シフトファイバスペクトル干渉計)の実施形態である。
まず、本実施形態における位相シフト干渉計で用いる、干渉スペクトルからの非干渉成分の除去の方法について説明する。
[干渉スペクトルからの干渉成分に重畳した非干渉成分の除去]
入射光を位相シフト干渉計の2つの伝搬経路(後述するプローブ光用と参照光用の経路)に分岐するためには、空間光学系を用いた干渉計の場合、平板ビームスプリッタを用い、一方光ファイバを用いた干渉計の場合、光ファイバあるいは光導波路からなる光スプリッタを用いることになる。
このとき、2つの伝搬路における入射光の分岐比は50:50とするのが理想的であるが、実際には光スプリッタなどの設計及び製作の際に誤差が生じてしまうため、必ずしも50:50とはならない。
また、光通信の用いる波長帯域におけるCバンドまたはLバンドなどの広いスペクトル領域を対象とすると、各波長の光に対応させて分岐比を50:50に維持することが原理的に困難である。したがって、2つの干渉経路への分岐比及び2つの干渉計とからの光波比は50:50からずれてしまう。
上述した要因で分岐比及び合波比が50:50からずれると、測定する干渉スペクトルには、背景成分(バックグラウンド)となる非干渉成分が干渉成分に対して重畳することになる。このため、干渉フリンジの直交二成分を得るためには、干渉スペクトルから非干渉成分を除去することが必要となる。
このため、実際に非干渉成分が存在しない状態とするため、異なる波長に対して、常に分岐比及び合波比を50:50に保持することが要求され、スペクトルシアリング干渉計を構成する全ての要素の波長依存性を考慮し、構成として極めて特殊なスペクトルシアリング干渉計の設計が必要となる。
また、分岐比及び合波比が変動する(揺らぐ)ことの無いように、温度を一定に保つことで、構成する要素の熱膨張によるスペクトルシアリング干渉計の経路長の変動や、熱光学効果による構成する要素の屈折率の変動を抑制するための安定化機構が必要となる。
しかしながら、このような特殊な構成のスペクトルシアリング干渉計は、構成のための要素が複雑となるとともに要素数も増大することなり、実用上において装置が大型化するため、好ましくない。
ここで、3つの位相成分を用いて、波長分散の特性の精度を低下させる背景成分となる非干渉成分を、数値演算により除去することができる。
この互いに異なる3値以上の位相シフトに対し、背景成分となる非干渉成分が重畳した干渉フリンジを測定することで、非干渉成分を数値演算により、除去することが可能となり、直交二成分からスペクトル位相の変化分を求めることが可能となる。この方法を用いることにより、分岐比及び合波比を共に50:50に保持したり、温度による変動を抑制するための安定化機構を導入する必要がなく、スペクトルシアリング干渉計を小型化して簡便に制作することが可能となる。
上述したように、位相シフトの値が互いに異なる3値の位相シフトに対し、非干渉成分が重畳した干渉フリンジを測定し、直交二成分からスペクトル位相の変化分を導出する処理の手順を以下に説明する。また、互いに位相シフトの値が異なる4値以上の位相シフトを使用する場合においても、以下に説明する3値の位相シフトを用いた処理の手順と同様な手順により、背景成分となる非干渉成分を除去して、スペクトル位相の変化分を高い精度で求めることができる。
以下、位相シフトの互いに異なる3つの干渉成分を用い、干渉スペクトルから非干渉成分を除去する手順を数式に基づいて説明する。
以下の説明において、位相シフトの異なる3つの位相成分を、0成分(位相が0のときの成分)、π成分(位相がπのときの成分)及びα成分(位相がαのときの成分)とする。ここでは、αは0より大きくπより小さい(0<α<π)任意の実数値である(本実施形態においては、位相シフトの単位はラジアンとする)。
また、上述した0、π及びαの位相シフトにおける干渉スペクトルは、干渉成分と、この干渉成分に重畳した背景成分である非干渉成分とからなり、行列型式により以下の式(1)により表される。
Figure 0005504199
上記式(1)の左辺において、上部から下部に向かって順に、位相シフトが0、π及びαの各々における非干渉成分が重畳した干渉スペクトルである。また、右辺の行列において、φ(λ)はスペクトル位相である。測定においては、位相シフトを周期的に連続して変化させる際、位相シフトが0、π、及びαの3値で干渉信号の値を順番に繰り返して計測して、各位相成分での干渉スペクトルを得ている。例えば、位相シフトを0、π、αの順番で交互に切り替える。具体的には、0→α→π→0→α→π…と、0→α→πを一周期として繰り返される。
また、上記式(1)の右辺において、第1項(Iback(λ))が各々の背景成分となる非干渉成分を表し、第2項(Iint(λ)cos[…])が干渉成分を表している。この非干渉成分は、位相シフトには依存せずに、光パルスの波長λのみに依存する。各々の干渉成分には、cos関数の変数部に各々の位相シフトの値が含まれる。
また、本実施形態においては、後に詳細に説明するが、伝搬光を第1伝搬光と第2伝搬光とに分離し、2つの伝搬路(干渉経路)それぞれを伝搬させ、試料を透過あるいは試料の表面で反射した第1伝搬光と、第2伝搬光との干渉スペクトルを測定する位相シフト干渉計を対象としている。この位相シフト干渉計においては、伝搬する光は干渉経路を一方向に伝搬するため、位相シフトの量は上記の位相の値となる。
また、式(1)の位相シフトが0とπとにおける非干渉成分が重畳した干渉スペクトルにより、cos干渉成分(位相シフト0)のパワーIint(λ)cos[φ(λ)]と、背景成分となる干渉成分のパワーIback(λ)とが、以下に示す式(2)として与えられる。
Figure 0005504199
直交二成分のもう一方の要素であるsin干渉成分(位相シフトπ/2)を求める処理は、以下の手順にしたがって行う。
まず、三角関数の加法定理を用いて、sin干渉成分を以下の式(3)として表す。
Figure 0005504199
上記式(3)の3行目の式に、式(2)の2行目の式を代入することで、以下に示す式(4)が得られる。
Figure 0005504199
そして、式(3)に対して、式(2)の1行目に示したcos成分と、式(4)とを代入して、sin干渉成分を表す以下に示す式(5)が得られる。
Figure 0005504199
次に、式(2)の1行目の式と、式(5)とにより、スペクトル位相φ(ν)と、パワースペクトルIint(λ)との各々が、以下に示す式(6)、式(7)により得られる。なお、パワースペクトルは干渉スペクトルの電界強度の自乗に等しい。
Figure 0005504199
Figure 0005504199
上述したように、本実施形態においては、互いに異なる値の3値の位相シフトに対し、非干渉成分が重畳した干渉スペクトルを測定することにより、非干渉成分を除去した直交二成分からスペクトル位相の変化分を求めることができる。
[波長分散測定装置の構成及び機能]
<第1の実施形態>
次に、図1を参照して、第1の実施形態による位相シフト干渉計の構成及び機能を説明する。図1は、本実施形態による位相シフト干渉計の構成例を示すブロック図である。
この図1において、位相シフト干渉計は、光源1、入射経路としての入射光ファイバ2、光分岐部3、第1光分岐経路としての入射側プローブ光ファイバ4、第2光分岐経路としての参照光ファイバ5、試料測定部6、出射側プローブ光ファイバ7、光位相シフタとしての光位相シフト部8、光遅延部9、光結合部10、出射光ファイバ11、光検出部12、制御部13、データ取得部14、波長掃引信号線15及び16、位相シフト制御線17、サンプリングクロック信号線18、検出信号線19を備える。ここで、位相シフト干渉計における光の伝搬する経路の距離は、光分岐部3の出射端(第2及び第3出射端)から光結合部10(第3及び第4入射端)までの光路の距離である。
光源1は、単一の縦モードで発振する波長可変レーザ(発振可能な波長範囲において、制御値で与えられる任意の波長で発振する)であり、伝搬光として用いる光を出射端(第1出射端)から出射する。本実施形態において、単一の縦モードで発振するレーザを用いるのは、多モードで発振するレーザを用いた場合、波長精度が低下して、またモード干渉(多モード光干渉)またはモードホップによるノイズが発生するためである。
入射光ファイバ2は、一端が光源1の出射端(第1出射端)に接続され、他端が光分岐部3の入射端(第1入射端)に接続されている。この入射光ファイバ2は、光源1の出射端から出射された伝搬光を一端から入射し、この入射した伝搬光を他端から光分岐部3の入射端に導く入射光経路である。
光分岐部3は、第一入射端(第1入射端)が入射光ファイバ2の他端に接続され、入射光ファイバ2から入射される伝搬光を2つに分岐し、分岐した一方の光束を第1伝搬光とし、分岐した他方の光束を第2伝搬光とする。また、光分岐部3は、第1伝搬光を第一出射端(第2出射端)から入射側プローブ光ファイバ4に対して出射し、一方、第2伝搬光を第二出射端(第3出射端)から参照光ファイバ5に対して出射する。
光分岐部3は、第一の出射端に入射側プローブ光ファイバ7の一端が接続され、第二の出射端に参照光ファイバ5の一端が接続されている。
このため、第1伝搬光が入射側プローブ光ファイバ4を伝搬し、第2伝搬光が参照光ファイバ5を伝搬する。
試料測定部6は、入射端(第2入射端)に対し、入射側プローブ光ファイバ4の他端が接続され、出射端(第4出射端)に対し、出力側プローブ光ファイバ7の一端が接続されている。このため、出射側プローブ光ファイバ7には、試料測定部6内に配置された試料を透過あるいは試料表面で反射した第1伝搬光が伝搬する。
光結合部10は、第一入射端(第3入射端)に対し、出力側プローブ光ファイバ7の他端が接続され、第二入射端(第4入射端)に対し、参照光ファイバ5の他端が接続され、出射端(第5出射端)に対し、出射光ファイバ11の一端が接続されている。
このため、光結合部10は、第一入射端から試料測定部6から出射される第1伝搬光と、第二入射端から入射される第2伝搬光とを再結合し、再結合により干渉成分を取得するため、第1伝搬光と第2伝搬光との偏光方向を同一として結合した合波光を、出射光ファイバ11の一端に、出射端から出射する。
参照光ファイバ5には、光分岐部3の第二出射端(第3出射端)と光結合部10の第二入射端(第4入射端)との間に、光位相シフト部8、光遅延部9が直列に介挿されている。この光位相シフト部8及び光遅延部9の配列順は逆であっても良い。
この光遅延部9は、入射側プローブ光ファイバ4及び出射側プローブ光ファイバ7の光の伝搬路と、参照光ファイバ5の光の伝搬路との光路長差を同じにする目的で、他方に対して光路長が短い方の伝搬路に設けられ、光路長差を解消する調整のための遅延を、設けた伝搬路を伝搬する伝搬光に与えている。本実施形態においては、一例として参照光ファイバ5に設けられている。
このように、光遅延部9を設けて光路長差を解消することにより、入射側プローブ光ファイバ4及び出射側プローブ光ファイバ7による光の伝搬路と、参照光ファイバ5による光の伝搬路との間において生ずる光路長の揺らぎを低減することができ、干渉スペクトルの測定精度を向上させることができる。
光検出部12は、入射端(第5入射端)に出射光ファイバ11の他端が接続されており、この出射光ファイバ11の他端から入射される合波光を光電変換し、光電変換した結果を電気信号である干渉信号として、検出信号線19に対して出力する。
入射光ファイバ2、入射側プローブ光ファイバ4、出力側プローブ光ファイバ7、参照光ファイバ5、出射光ファイバ11の各々は、入力された光の偏光方向を維持し、かつ多モード干渉による測定障害を避けるため、偏波保持単一モードの伝搬特性を有する偏波保持単一モード光ファイバにより構成されている。本実施形態においては、位相シフト干渉計を構成する光ファイバを伝搬する光の偏光方向は全て同一である。
光位相シフト部8は、上述したように、参照光ファイバ5の経路中に介挿されており、参照光ファイバ5内を伝搬する第2伝搬光の位相を、一定の第1周期において0から3π/2までの間で連続的に位相シフト量を変化させる。したがって、光の伝搬方向(光検出部12方向)において、光位相シフト部8を通過した後、第2伝搬光と第1伝搬光との位相差は、0から3π/2までの間となる。
ここで、第1伝搬光と第2伝搬光との間の位相差が0の場合、0成分検出モードとなり、また、第1伝搬光と第2伝搬光との間の位相差がπの場合、π成分検出モードとなり、さらに第1伝搬光と第2伝搬光との間の位相差がαの場合、α成分検出モードとする。式(1)の行列の行における1行目、2行目及び3行目の各々の表式が、それぞれ0成分検出モード、π成分検出モード、α成分検出モードの干渉成分に対し、非干渉成分が重畳した干渉スペクトルに対応している。
本実施形態においては、第2伝搬光が第1伝搬光に対して0の位相シフト(位相差)を有する場合、第2反射伝搬光と第1反射伝搬光とで0成分の干渉が起こる。また、第2伝搬光が第1伝搬光に対してπの位相シフト(位相差)を有する場合、第2伝搬光と第1伝搬光とでπ成分の干渉がおこる。同様に、第2伝搬光が第1伝搬光に対してαの位相シフト(位相差)を有する場合、第2伝搬光と第1伝搬光とでα成分の干渉がおこる。
この結果、光結合部10は、第2伝搬光が第1伝搬光に対して位相シフトが0の場合、第1伝搬光と第2伝搬光との0成分における干渉成分を合波光として、この合波光を出射端から出射光ファイバ11の一端に出射する。また、第2伝搬光が第1伝搬光に対して位相シフトがπの場合、第1伝搬光と第2伝搬光とのπ成分における干渉成分を合波光として、この合波光を出射端から出射光ファイバ11の一端に出射する。同様に、第2伝搬光が第1伝搬光に対して位相シフトがα場合、第1伝搬光と第2伝搬光とのα成分における干渉成分を合波光として、この合波光を出射端から出射光ファイバ11の一端に出射する。
また、光位相シフト部8には、例えば、電気光学結晶(例えばLiNb0)を用いた位相シフタを用いることができ、印加する位相シフト電圧を、第1周期で連続的に変化させることにより、通過する光の位相を、通過前の位相に対して、0から3π/2の間で連続して変化させることができる。本実施形態においては、位相シフトの量を連続して変化させるとしている。しかし、これに限るものではなく、位相シフト部8は、離散的な値として(例えば、位相を0→α→πの3値で変化させ)て、位相シフトの量を変化させるように構成しても良い。ここで、光位相シフト部8は、第1伝搬光に対して、第2伝搬光の位相をシフトさせる際、偏光方向を同一として行う。
また、光遅延部9は、入射側プローブ光ファイバ4及び出射側プローブ光ファイバ7による光の伝搬路と、参照光ファイバ5による光の伝搬路との光路長差が測定精度に対して影響を与えない程度であれば、特に設ける必要性はない。また、干渉計全体を小型化する上で都合がよい場合、光位相シフト部8及び光遅延部9は、参照光ファイバ5に設けずに、入射側プローブ光ファイバ4及び出射側プローブ光ファイバ7に設けてもよい。
ただし、光遅延部9を介挿する伝搬路は、他方の伝搬路に対し、光の伝搬時間が短いことが必要である。機構的な都合により、入射側プローブ光ファイバ4及び出射側プローブ光ファイバ7による光の伝搬路と、参照光ファイバ5による光の伝搬路とのいずれか一方の伝搬路に光遅延部9を取り付ける必要がある場合、他方の光の光路長を一方の光路長より長く設定し、他方の遅延時間に対応するように、一方の遅延時間を光遅延部9により遅延して調整する。
同様に、光位相シフト部8と光遅延部9とを空間的に離れた位置に配置することにより、干渉計全体を構成するための空間が縮小できるのであれば、光位相シフト部8と光遅延部9とを異なる伝搬路に設けるようにしてもよい。すなわち、入射側プローブ光ファイバ4及び出射側プローブ光ファイバ7による光の伝搬路と、参照光ファイバ5による光の伝搬路とにおけるいずれか光の光路長の短い方に光遅延部9を設け、光の光路長の長い方に光位相シフト部8を設ける。
この場合、光位相シフト部8あるいは光遅延部9を試料測定部6が接続された経路に置くことになるため、光損失の増大や経路内での反射の増大が生じることのないよう、干渉経路の設計と組立に留意する必要がある。
上述したように、光位相シフト部8と光遅延部9との接続順、もしくは設置位置を変更したとしても、第1反射伝搬光及び第2反射伝搬光との位相差の対応には変更はない。
次に、図2は、試料測定部6の構成例を示す図である。測定対象の測定試料は、この試料測定部6の内部に設置される。
図2(a)は、光を透過する性質の測定試料を試料測定部6内部に配置する場合の構成を示している。試料測定部6の入射端(第2入射端)には、入射側プローブ光ファイバ4の他端との接続用のコネクタ21が設けられている。また、このコネクタ21には、測定試料(透過測定用)23と対向する側に、偏波保持単一モード光ファイバにより構成された光ファイバ22の一端が接続されている。測定試料(透過測定用)23の場合、光ファイバ22の他端と、測定試料(透過測定用)23のコネクタ21と対向する側(入射側)とが接続されている。偏波保持単一モード光ファイバにより構成された光ファイバ24の一端が、測定試料(透過測定用)23のコネクタ25と対向する側(出射側)に接続されている。光ファイバ24の他端がコネクタ25に接続されている。第1伝搬光が光ファイバ22を介して、測定試料(透過測定用)23に入射し、この測定試料(透過測定用)23を透過し、光ファイバ24を介してコネクタ25に到達する。そして、コネクタ25は、出射側プローブ光ファイバ7の一端と接続されている。このため、光ファイバ24には、測定試料(透過測定用)23を透過した第1伝搬光が伝搬する。そして、光ファイバ24から出射された第1伝搬光は、コネクタ25を介して、出射側プローブ光ファイバ7の一端に入射し、出射側プローブ光ファイバ7を伝搬し、光結合部10の第一入射端(第3入射端)に入射される。
一方、図2(b)は、光を反射する性質の測定試料を試料測定部6内部に配置する場合の構成を示している。試料測定部6の入射端(第2入射端)には、入射側プローブ光ファイバ4の他端との接続用のコネクタ21が設けられている。また、このコネクタ21には、測定試料(反射測定用)30側に、偏波保持単一モード光ファイバにより構成された光ファイバ22の一端が接続されている。光ファイバ22の他端には、コリメータ26が接続されている。コリメータ26は、光ファイバ22から入射される第1伝搬光を、空間に平行光束の空間ビーム(第1伝搬光)として出射させる。レンズ28は、コリメータ26及び27と測定試料(反射測定用)30との間に配置され、測定試料(反射測定用)30の表面に対して垂直に入射する第1伝搬光を集光して、測定試料(反射測定用)30の表面へ照射する。そして、測定試料(反射測定用)30の表面で反射した第1伝搬光が、反射光としてレンズ28に入射する。レンズ28は、入射される反射光を再び平行光束としてコリメータ27に対して出射する。そして、第1伝搬光の反射光はコリメータ27を通して光ファイバ24に入射することになる。ここで、空間伝搬光29は、コリメータ26から出射し、測定試料(反射測定用)30の表面で反射した後、コリメータ27に戻るまでの伝搬光の経路を模式的に示している。
図1に戻り、制御部13は、光源1における波長掃引と同期して位相シフト電圧を発生させて、干渉スペクトルの測定を行う。このため、光源1と制御部13とは波長掃引信号線15で接続されている。これにより、光源1は、同期用の電気信号として、トリガ信号を制御部13に対して送信する。また、同様の目的で、光源1は、データ取得部14と波長掃引信号線16により接続されている。これにより、光源1は、同期用の電気信号として、トリガ信号をデータ取得部14に対して送信する。このトリガ信号は、光源1が波長掃引を行う波長掃引周期の開始点を示す信号である。
制御部13は、光位相シフト部8に位相シフトを行わせるための位相シフト電圧を正弦波的な波形の制御信号として繰り返して、位相シフト制御線17を介して、光位相シフト部8に出力する。このとき、制御部13は、同時に、位相シフト電圧と同期して位相成分の異なる各々の干渉スペクトルを検出するため、サンプリングクロック信号をデータ取得部14に対して、サンプリングクロック信号線18を介して出力する。上述したように、位相シフト電圧は、制御部13と光位相シフト部8とを接続した位相シフト制御線17により、制御部13から光位相シフト部8へ送られる。サンプリングクロック信号は、制御部13とデータ取得部14とを接続したサンプリングロック信号線18により、制御部13からデータ取得部14へ送られる。位相シフト電圧の波形として、繰り返し発生するならば、正弦波的な波形ではなく、他の波形を選択してもよい。
光検出部12は、入射され、受光した合波光を光電変換し、光電変換した結果を干渉信号として、自身とデータ取得部14とを接続する検出信号線19を介して、データ取得部14へ出力する。
この光検出部12からデータ取得部14に出力される電気信号である干渉信号は、出射光ファイバ11から入射される合波光が電気信号に光電変換された、非干渉成分を含む(非干渉成分が重畳された)干渉信号である。
制御部13は、波長掃引制御線15を介して入力される波長掃引周期の開始点を示すトリガ信号に同期し、光位相シフト部8に対して第1周期毎に印加する位相シフト電圧を連続的に順次変化させ、位相シフトを行わせるため、位相シフト制御線17を介して光位相シフト部8へこの位相シフト電圧を供給する。
すなわち、測定波長がn点である場合、0成分、π成分及びα成分を1つの波長に対して一組としているため、測定する組の数nにより波長掃引周期を除算して得た第1周期Δt毎に、この第1周期内において位相シフト電圧を順次変化させて、位相シフトのシフト量を切り換える処理を上記トリガ信号に同期して行う。
また、データ取得部14は、検出信号線19を介して光検出部12から、この第1周期Δtに同期して、0成分、π成分及びα成分の干渉信号を連続的に順次受信する。例えば、本実施形態においては、0成分→α成分→π成分の順番に、それぞれ第1周期Δtに同期して、周期的に受信するものとする。この第1周期Δt内において位相シフト電圧を0成分→α成分→π成分を連続的に順次変化させ、この変化させる処理を光源1の波長掃引周期内において第1周期毎に繰り返すことになる。
そして、データ取得部14は、この時系列に取得した0成分、π成分及びα成分の干渉要素を一組として、各波長における直交二成分を求め、スペクトル位相を得るためのデータとして用いる。
次に、図3は、第1の実施形態による位相シフト干渉計による、光源1の波長掃引動作と、この波長掃引動作に対応した光位相シフト部8の位相シフトの動作と、制御部13が発生する位相シフト電圧及びサンプリングクロック信号のタイミングを示す波形図である。
本実施形態における図1に示す位相シフト干渉計の構成を用い、スペクトル位相を測定する動作を説明する。
図3(a)は、縦軸が電圧であり、横軸が時間であり、光源1の出力するトリガ信号の出力タイミングを示す図である。この図3(a)において、光源1から出力されるトリガ信号のHレベル(V)およびLレベル(V)は、各々TTL制御(TTL(Transistor Transistor Logic)インターフェースを用いた制御)に適合するように設定される。
図3(b)は、縦軸が波長であり、横軸が時間であり、光源1の波長掃引において出力する光(伝搬光)の波長の時間変化を示している。この図3(b)において、λは掃引開始の波長(測定波長の範囲における最低波長)であり、λは掃引停止の波長(測定波長の範囲における最大波長)である。このため、波長λから波長λが測定波長の範囲、すなわち波長を掃引する範囲となる。
図3(c)は、縦軸が電圧であり、横軸が時間であり、光位相シフト部8に印加する位相差を第1周期Δtで変化させる位相シフト電圧の波形を示す図である。位相シフト電圧Vは位相シフトを0(0成分検出モード)とする際の電圧であり、位相シフト電圧V3π/2は位相シフトを3π/2とする際の電圧である。位相シフト電圧は、VからV3π/2までの範囲において、図3(c)に示されるように連続かつ周期的に変化して、制御部13から出力される。
本実施形態においては、位相シフト電圧Vπは位相差をπ(π成分検出モード)とする際の電圧とし、Vαは位相差をα(α成分検出モード)とする際の電圧とする。本実施形態においては、VαはVより大きくVπよりも小さい、すなわちV<Vα<Vπである。制御部13は、第1周期Δtに対して周期的に正弦波的形状に位相シフト電圧を変化させ、光シフト位相部9へ印加する。
図3(d)は、縦軸が電圧であり、横軸が時間であり、制御部13が発生するサンプリングクロック信号を示す図である。このサンプリングクロック信号は、データ取得部14が光検出部12からの非干渉信号が重畳された干渉信号を時系列データとして受信するサンプリング周期のタイミングとなる。
図3(c)及び図3(d)については、第1周期Δtを明確に記載するため、図3(a)及び図3(b)の横幅の時間スケールを拡大し、一部の時間範囲のみを示している。
光源1は、トリガ信号を発生し時間「Tl+1−T」の波長掃引周期において、トリガ信号を制御部13及びデータ取得部14に対して出力するとともに、波長λ1から波長λ2までの波長を線形に増加させる掃引の処理を開始する。ここで、ユーザが実際の測定の前に掃引変化を測定し、時間に対する掃引された波長の線形性が達成されないことを検出した場合、掃引の波長の校正を行い、波長掃引の非線形性を補正する。また、本実施形態において、短波長側から長波長側への波長の掃引を行っているが、長波長側から短波長側に波長の掃引を行うよう構成しても良い。また、タイミング制御は、TTL制御に限るものではなく、例えばCMOS(Metal Oxide Semiconductor )インターフェースを用いても良い。
また、図3(a)に示すように、波長掃引周期の開始時にはトリガ電圧がVからVに、波長掃引周期の終了時にはトリガ電圧がVからVに遷移する設定としているが、この逆となるように設定しても良い。
また、波長掃引周期の開始時と終了時とに同一の遷移をする独立パルスを発生するように、光源1を構成としても良い。
また、本実施形態においては、波長掃引信号線16によりデータ取得部14に対し、また波長掃引信号線15により制御部13に対し、トリガ信号を出力している。しかし、トリガ信号を開始トリガ信号及び終了トリガ信号として、データ取得部14及び制御部13の各々に対して、それぞれ2本の波長掃引信号線を設け、開始トリガ信号及び終了トリガ信号を別系統の配線にて出力する構成としても良い。
上述した構成は、光源1及び制御部13及びデータ取得部14の仕様に応じて最適の形態を選択すれば良い。
制御部13は、光源1からトリガ信号が供給されると、このトリガ信号に同期して、第1周期Δt毎に光位相シフト部8へ電圧Vから電圧V3π/2までの位相シフト電圧を連続的に順次出力する処理を開始する。本実施形態においては、位相シフト電圧VからV3π/2まで供給しているが、逆に、位相シフト電圧V3π/2から電圧Vまで供給するように構成しても良い。
この結果、光位相シフト部8は、供給される位相シフト電圧Vから位相シフト電圧V3π/2までの変化により、参照光ファイバ5を伝搬する第2伝搬信号の位相を0から3π/2までの範囲において連続的に順次変化させる。
光検出部12は、第1周期Δt毎に、すなわち測定波長毎に0から3π/2まで変化する位相シフトに伴い、測定波長毎における位相シフトのシフト量が0、π及びαの各々に対応する干渉要素を有する合波光を光電変換し、連続的に干渉信号として、データ取得部14に対して供給する。
そして、データ取得部14は、制御部13から入力される第1周期Δtに同期して送信される一定のサンプリングのタイミングに従い、上記光電変換された干渉信号をサンプリングすることにより、各波長における0成分の干渉要素を有する干渉信号、α成分の干渉要素を有する干渉信号、及びπ成分の干渉要素を有する干渉信号の各々を、この順序に従って得ることができる。ここで、データ取得部14は、制御部13が位相シフト電圧を順次変化させ、位相シフト電圧V、Vα及びVπの各々を出力したタイミングに同期して、干渉信号をサンプリングし、それぞれを0成分の干渉要素、α成分の干渉要素、π成分の干渉要素として得る。
すなわち、制御部13が第2伝搬光の位相シフトの位相量を第1周期Δtにおいて0→3π/2→0と連続して変化させるに伴い、データ取得部14は、1つの測定周期に対応する1組の0成分、α成分及びπ成分の干渉要素をこの順序によって得ることができる。これにより、測定波長の範囲内にて、nの第1周期Δtから、n組の0成分、α成分及びπ成分の干渉要素の組が得られる。
このように、データ取得部14は、第2伝搬光の位相シフトの位相量が0→3π/2→0と連続して変化することで、1つののサンプリングクロック信号毎に、その時点の位相量に対応した1点の干渉信号を取得する。したがって、データ取得部14は、1組の0、α及びπの位相成分の干渉信号を、3つのサンプリングクロック信号により取得する。
この結果、測定波長の範囲内において、nの第1周期Δtから、n組の0成分、α成分及びπ成分の干渉要素(干渉信号)が得られる。
また、位相シフト量0、α及びπの各々の決定精度を向上させるため、制御部13から供給される位相シフト電圧、が第1周期において0→3π/2→0として変化する間に、データ取得部14は、例えば30点のサンプリングを行う。すなわち、本実施形態において、データ取得部14は、一つの第1周期Δtにおいて、30種の干渉信号に対応する、位相のシフト量が異なる30成分の干渉フリンジデータを取得する。
そして、データ取得部14は、スペクトル位相φ(λ)とパワースペクトルIint(λ)を求める際、30成分の干渉フリンジデータから0成分、π成分及びα成分に対応する3種の干渉信号を、位相シフト電圧V、Vα及びVπの各々を出力したタイミングに基づいて、制御部13から供給されるサンプリングクロック信号によりサンプリングした複数の干渉フリンジデータから抽出し、式(6)及び式(7)に代入する。ここで、測定波長がn点の場合、波長掃引周期において波長を1回掃引することにより、総サンプリング数は30n(光成分)となる。
上述したように、データ取得部14は、一定の時間間隔のサンプリング周期(サンプリングクロック信号の周期)により、0成分、α成分及びπ成分の干渉要素をサンプリングして測定する。このため、データ取得部14には、サンプリングに用いるサンプリングクロック信号(電気信号)及び合波光を受信する受信ポートを一系統設けて構成すれば良く、位相シフト干渉計を簡便に構成することができる。
図3(d)には、n個の測定波長の第1周期Δt毎に20回のサンプリングを行った場合における1番目の測定波長の測定点、すなわちサンプリングタイミングt1,1からt1,20、及びn番目の測定波長の測定点、すなわちサンプリングタイミングtn,1からtn,20が示されている。
ここで、各第1周期Δt内にサンプリング行う測定点が30ある場合、測定の分解能を上げる必要、すなわち隣接する測定点間における測定精度を高くする必要があるため、測定点毎の掃引波長の変化を無視することができなくなる。このため、各第1周期Δt内における測定点毎の掃引波長の変化を補正して、得られる干渉フリンジデータ各々の波長精度を維持する必要がある。本実施形態において、データ取得部14には、波長掃引周期内の30n個の測定値において、各第1周期Δtにおける同一順番の測定波長となるサンプリングタイミングのn個の測定値による線形補間を、同一順番毎に行い、各サンプリングタイミング毎に30成分の干渉フリンジデータを算出する構成が設けられている。したがって、データ取得部14は、上述した線形補間を行うプログラムを記憶するメモリ、あるいは線形補間を実行するための回路を有している。
これにより、各位相成分の各々に対し、波長成分毎の測定間隔を1/30とする補間処理を行うこととなり、各位相成分毎の干渉信号のデータ点数を30倍とし、スペクトル位相の測定精度を向上することができる。波長の掃引が線形的に行われるため、時間経過により測定波長に対応する位相量を線形関係により決定することができる。その結果、各位相成分に対応する干渉フリンジデータを、容易に補間することができる。
また、図1には記載されていないが、本実施形態の位相シフト干渉計は、線形補間を行うために用いる、30×n個の測定された干渉フリンジデータを記憶する記憶部を備えている。データ取得部14は、この記憶部に対して、測定した30×n個の干渉フリンジデータを、識別情報(例えば、上述したi番目の第1波長におけるj番目の測定点かを示すサンプリングタイミングti,j)とともに順次書き込んで記憶させ、波長掃引周期が終了した時点で、各干渉フリンジデータを読み出して線形補間を行う。ここで、iは1以上でありn以下(1≦i≦n)の整数、jは1以上であり30以下(1≦j≦30)の整数である。
図3(d)においては、位相シフトのシフト量が0の場合の0成分、αの場合のα成分及びπの場合のπ成分の各々は、サンプリングタイミングti,1、ti,6、ti,11のそれぞれにおいて測定された干渉フリンジデータが対応している。ここで、データ取得部14は、スペクトル位相φ(λ)の算出に用いるα成分の位相量の位相校正を行う。
例えば、本実施形態においては、サンプリングタイムti,6に対応する位相量の位相校正を行い、サンプリングタイムti,6における位相量をラジアン単位として0.418436πとする。
各測定波長でのα成分に対する位相校正は、例えばカーブフィッティングンにより行う。すなわち、各波長での30個の干渉データに対して三角関数をフィッティング関数として、カーブフィッティングを実行すると、各位相成分の位相量を求めることができる。このとき、発生させる位相シフトの範囲が0から3π/2までを含んでいれば、各測定波長における30個の干渉成分は干渉の最大値から最小値までの全振幅を測定範囲内に含んでいる(カバーしている)。このため、全ての測定波長において、α成分に対する位相校正を可能とすることができる。
位相校正の方法について、非特許文献1にも複数の位相校正のためのアルゴリズムが記載されているが、本実施形態におけるような三角関数をフィッティング関数としたカーブフィティングによる位相校正のアルゴリズムは記載されていない。このため、本実施形態においては、三角関数をフィッティング関数としたカーブフィティングを用いることにより、図3(c)に示すサイン波とした位相シフトを行っているため、高精度かつ短時間で各位相成分に位相校正が可能である。
また、サンプリング点数が少ない場合(本実施形態においては30個より減少させた場合)、上述した干渉フリンジデータの補間の精度が低下することで、位相シフトのシフト量である0、α及びπの決定精度が劣化してしまう。このため、スペクトル位相φ(λ)もしくはパワースペクトルIint(λ)の算定結果(横軸を周波数として、縦軸にスペクトル位相φ(λ)、パワースペクトルIint(λ)の各々をプロットしたグラフ)にリップルが生じることになる。
また、位相校正により求めた位相量がαの数値において、小数点以下の計算桁数が少ない場合(位相校正の精度が低い場合)も、スペクトル位相φ(λ)もしくはパワースペクトルIint(λ)の算定結果にリップルが生じることになる。
本実施形態において、リップルの相対強度は、スペクトル位相φ(λ)およびパワースペクトルIint(λ)の各々の実測値の1ppm未満とするように、サンプリング点数(第1周期Δt内において30点)及び校正したサンプリングタイムti,6の位相量の小数点以下の桁数(6桁)として算出している。
また、本実施形態においては、第1周期Δt内における干渉成分、すなわちサンプリング点数を30、位相量αの計算桁数を小数点以下6桁としているが、このサンプリング点数及び小数点以下の桁数に限定されることなく、必要とするリップルの相対強度をどの程度まで許容できるかにより、リップルの相対強度をどの程度まで低減するかを決定して設定し、サンプリング点数及び小数点以下の桁数を設定すれば良い。なお、位相量πの計算桁数の小数点以下の桁数も位相量αと同様に、リップルの相対強度の低減に応じて決定して設定することが必要なのは言うまでもない。
また、本実施形態においては、上述した位相量αの干渉フリンジデータとして、サンプリングタイムti,6ので測定された干渉信号を用いたが、このサンプリングタイムに限定するものでなく、位相量0及びπ以外の位相シフトであれば、測定された30個の内のいずれを用いても良い。ここで、通常、位相シフトの位相量が接近した値でなければ、位相量の誤差が縮小されるため、リップルの相対強度に与える影響は小さい。
このため、サンプリングタイムti,jの各々において、リップルの相対強度を観察し、リップルの相対強度が必要とする許容範囲にあるサンプリングタイムを、位相量αのサンプリングに用いるかを決定すれば良い。
例えば、第1周期Δtの数nが1000であり、周波数掃引周期Tl+1−Tが1s(秒)とした場合、位相シフト電圧の切替え周期である第1周期Δtは、1秒をn、すなわち1000で除算すると1msとなる。また、サンプリングタイミングの間隔は、第1周期の時間1msを、第1周期Δtにおける測定点(サンプリング点)の数30で除算すると、約33μsとなる。すでに述べたように、線形補間により、位相シフトの各位相量の成分の干渉フリンジデータの総数は、nに30を乗算して30000となる。
上述したように、本実施形態に基づいて、波長分散測定及び光コヒーレンストモグラフィにおける断層画像測定に応用できる高精度のスペクトル位相測定を行うスペクトル干渉計を、小型化が容易であり、かつ構成が簡易で製造コストが従来に比較して安価な構成により実現することができる。
また、本実施形態においては、データ取得部14が、一定の時間間隔のサンプリング周期により、0成分、α成分及びπ成分の干渉要素をサンプリングして測定する。
したがって、本実施形態によれば、データ取得部14には、サンプリングに用いるサンプリングクロック信号(電気信号)及び合波光を受信する受信ポートを一系統設けて構成すれば良く、位相シフト干渉計を簡易に構成することができる。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態による位相シフト干渉計の説明を行う。第2の実施形態は、第1の実施形態と同様の構成であるが、図1の構成において、データ取得部14に並列に設けた3つの受信ポート(後述する受信ポートP1、P2及びP3)により、1組の0成分、α成分及びπ成分を、並列に受信する構成を有している。
図4は、制御部13の波長掃引動作と、これに対応した光位相シフト部8の位相シフトの動作と、データ取得部14における光検出部12からの干渉信号のサンプリングとにおける動作のタイミングを示す波形図である。
図4(a)は、縦軸が電圧であり、横軸が時間であり、光源1の出力するトリガ信号の出力タイミングを示す図である。この図4(a)において、光源1から出力されるトリガ信号のHレベルおよびLレベルは、各々TTL制御に適合するように設定される。
図4(b)は、縦軸が周波数であり、横軸が時間であり、光源1の波長掃引において出力する光の波長の時間変化を示している。この図5(b)において、λは掃引開始の波長(測定波長の範囲における最低波長)であり、λは掃引停止の波長(測定波長の範囲における最大波長)である。
図4(c)は、縦軸が電圧であり、横軸が時間であり、光位相シフト部8に印加する位相差を第1周期Δtで変化させる位相シフト電圧の波形を示す図である。位相シフト電圧Vは位相差を0(0成分検出モード)とする際の電圧であり、位相シフト電圧V3π/2は位相差を3π/2とする際の電圧である。また位相シフト電圧Vπは位相差をπ(π成分検出モード)とする際の電圧とし、位相シフト電圧Vαは位相差をα(α成分検出モード)とする際の電圧とする。このため、本実施形態においては、V<Vα<Vπの関係にある。また、0成分、α成分及びπ成分の検出を行う位相シフト電圧は、第1周期Δt内において正弦波的に変化する。本実施形態においては、αは、ラジアン単位で示す位相量であり、0<α<πの間の実数である。αは、この0<α<πの範囲で変化する。したがって、制御部13は、第1周期Δtに対応して、周期的に正弦波的形状により、位相シフト電圧を変化させて、光シフト位相部8へ供給する。
図4(d)は、縦軸が電圧であり、横軸が時間であり、制御部13が光検出部12からの干渉信号を、受信ポートP1、受信ポートP2、受信ポートP3から並列に時系列データとして受信するサンプリング周期のタイミングを示す図である。本実施形態においては、受信ポートP1が0成分の干渉信号を受信し、受信ポートP2がπ成分の干渉信号を受信し、受信ポートP3がα成分の干渉信号を受信する。
図4(c)及び図4(d)については、第1周期Δtを明確に記載するため、図4(a)及び図4(b)の横幅の時間スケールを拡大し、一部の時間範囲のみを示している。
データ取得部14は、制御部13が位相シフト電圧Vを出力しているとき、光電変換された0成分の干渉信号を、光検出部12から受信ポートP1により受信する。また、データ取得部14は、制御部13が位相シフト電圧Vπを出力しているとき、光電変換されたπ成分の干渉信号を、光検出部12から受信ポートP2により受信する。また、データ取得部14は、制御部13が位相シフト電圧Vαを出力しているとき、光電変換されたα成分の干渉信号を、光検出部12から受信ポートP3により受信する。
第2の実施形態も、第1の実施形態と同様に、波長掃引周期における第1周期Δtの数nは1000であり、波長掃引周期は1sとする。受信ポートP1、受信ポートP2及び受信ポートP3の各々のサンプリング周期は1msである。
データ取得部14では、A/D(アナログ/デジタル)変換を行い、光検出部12からの干渉信号の電圧レベルをデジタルデータ(干渉フリンジデータ)として取得する。
したがって、データ取得部14におけるA/D換回路の動作速度が、サンプリング周期を短縮したい場合の制限要因となる可能性がある。
しかし、本実施形態では、受信ポートP1、受信ポートP2及び受信ポートP3の三系統の並列受信を採用することにより、各受信ポートのサンプリング速度が1ポートのみで受信する場合の3分の1となるため、A/D変換回路の動作速度の制限を3倍に上昇させ、測定時間を短縮させることができる。
また、1つの受信ポートにおいて、0成分、α成分及びπ成分の各々の測定タイミングを順番に振り分ける必要が無くなるため、データ処理プログラムが簡単になり、データ処理速度を向上させることができる。
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態による位相シフト干渉計の説明を行う。図5は第3の実施形態による位相シフト干渉計の構成例を示すブロック図である。第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、第1の実施形態と異なる構成について以下に説明する。
第1の実施形態の場合には、図1に示すように、参照光ファイバ5に対して、それぞれ独立に構成された伝搬光の位相をシフトする光位相シフト部8と光路長差を解消する光遅延部9とが設けられている。図1に示す第1の実施形態の構成との対比から判るように、光位相シフト部9及び光遅延部9の各々を独立に設ける必要は無いため、本実施形態においては、第1の実施形態における光位相シフト部8及び光遅延部9とを合体させて一体化している。すなわち、光位相シフト部9の光の位相差をシフトさせる機能と、光遅延部9の光の伝搬を遅延させる機能とを有する光位相シフト遅延部51を、入射側プローブ光ファイバ4、出射側ブローブ光ファイバ7、または参照光ファイバ5のいずれか一方に設ける構成としている。図5においては、例えば、光位相シフト遅延部51が参照光ファイバ5に設けられている。入射側プローブ光ファイバ4及び出射側プローブ光ファイバ7からなる第1分岐経路と、参照光ファイバ5からなる第2分岐経路とのいずれか一方の経路が他方より光路長が短い場合、この一方の経路に光位相シフト遅延部51を設けて、他方に対する光路長差を補正する。これにより、光位相シフト部8及び光遅延部9を一体化した光位相シフト遅延部51を用いて、第1の実施形態に比較して装置をより小型化することができる。
また、光位相シフト部8及び光遅延部9を合体させて一体化することにより、コネクタ結合にともなう光損失を低減することができる。この結果、光源1のパワーを第1の実施形態に比較して低いレベルとすることができ、光源1におけるエネルギーの消費を低下させることができる。
また、光源1のパワーを第1の実施形態と同様とした場合、第1の実施形態に比較してより光損失が大きな測定試料の位相シフトスペクトルの評価が可能となる。
さらに、制御部13から光位相シフト部8に対して印加する位相シフト電圧に直流電圧成分を付加すると、直流位相シフトにより、光ファイバの伝搬光の遅延時間を制御することができる。したがって、入射側プローブ光ファイバ4及び出射側プローブ光ファイバ7からなる第1分岐経路と、参照光ファイバ5からなる第2分岐経路との間の光路差を、電圧による遅延時間の制御によって高精度に解消し、第1の実施形態に比較して、より位相の安定性を精密に制御することができる。
<第4の実施形態>
第1の実施形態から第3の実施形態に示した位相シフト干渉計を光部品(光学部品)の波長分散の評価に用いる手順について説明する。この波長分散の評価において、透過における波長分散の評価を行う場合、試料測定部6の構成として、図2(a)に示す構成を用いる。一方、反射における波長分散の評価を行う場合、試料測定部7の構成として、図2(b)に示す構成を用いる。
波長分散を評価するには、以下のようにして分散パラメータを求めることが必要となる。
分散パラメータを求める際、波長λの関数として求めたスペクトル位相φ(λ)を、周波数νの関数であるスペクトル位相φ(ν)に変換する。
そして、周波数の関数として求めたスペクトル位相φ(ν)から、スペクトル位相の変化分Δφ(ν)を、隣接周波数間のスペクトル位相の差分として算出する。ここで、隣接周波数間の間隔をΔνとすると、以下の(8)式により分散パラメータDが求められる。(8)式において、νは周波数であり、cは光の速度であり、Lは光が伝搬する距離(干渉経路の経路長)である。
Figure 0005504199
図1または図5におけるデータ取得部14は、波長の関数のスペクトル位相φ(λ)を、周波数の関数であるスペクトル位相φ(ν)に変換する変換部と、変換したスペクトル位相φ(ν)を格納するデータ記憶部と、このデータ記憶部から隣接周波数のスペクトル位相を順次読み出し、Δν毎のスペクトル位相の変化分Δφ(ν)を算出する差分算出部と、このスペクトル位相の変化分Δφ(ν)から(8)式を用いて分散パラメータを算出する分散パラメータ算出部を有している。
また、データ取得部14に差分算出部と分散パラメータ算出部とを設けず、データ取得部14にスペクトル位相の変化分Δφ(ν)の算出と、分散パラメータの算出を行わせるためのプログラムをプログラム記憶部に記憶し、このプログラムをMPU(Micro Processing Unit)などからなる演算プロセッサが実行する構成としても良い。この場合、演算プロセッサがプログラム記憶部に記憶されているプログラムに従い、スペクトル位相の変化分Δφ(ν)の算出と、分散パラメータの算出を行う。
<第5の実施形態>
第1の実施形態から第3の実施形態に示した位相シフト干渉計を用いて、光コヒーレンストモグラフィの断層画像を求める手順について説明する。この光コヒーレンストモグラフィの断層画像を求める際には、測定対象の試料の表面(試料表面)からの反射を得るため、試料測定部6の構成として、図2(b)に示す構成を用いる。この構成においては、試料表面のある点での深さ方向の断層画像が得られるのみである。そこで、レンズ28を試料表面に対して平行に2次元的に平行移動させる。すなわち、試料測定部7には試料を置いたステージの面に対して平行な2次元平面における線に沿って、レンズ28を平行移動させる駆動機構を設け、レンズ28を2次元平面における線に沿って平行駆動させて、線における測定点毎、すなわち座標点座標点毎におけるスペクトル位相を検出するように構成する。
また、レンズ28を平行移動させるのではなく、試料を乗せたステージを、平行移動させるように駆動機構を構成しても良い。
そして、スペクトル位相から試料の断層画像を得るため、第4の実施形態の場合と同様に、波長の関数のスペクトル位相φ(λ)を、周波数の関数であるスペクトル位相φ(ν)に変換する。
次に、求めた周波数表記のスペクトル位相φ(ν)に対して、2次元平面上において平行移動させた線の各測定点毎にスペクトル位相φ(ν)の逆フーリエ変換を行い、周波数領域から画像空間領域に変換し、各測定点毎の深さ方向の断層画像である画像データを生成する。ここで、スペクトル位相φ(ν)の逆フーリエ変換の際、スペクトル位相φ(ν)の逆フーリエ変換により得られた逆フーリエ変換データにおいて、横軸が時間となり、縦軸が反射された反射光の強度となる。この時間に対して光の速度を乗算することにより、試料面の反射における光(第1伝搬光)の往復経路での伝搬距離が得られる。
すなわち、この伝搬距離の半分が試料における深さ方向の各位置に対応した検出数値となる。したがって、2次元平面上において平行移動させた線における測定点毎に、各逆フーリエ変換データにおける強度を伝搬距離の半分の位置に対してプロットすることにより、試料の断層画像を得る。
また、試料を配置したステージの面に対して平行な2次元平面に沿ってレンズ28を平行移動し、各測定点におけるスペクトル位相φ(ν)を検出し、上述した断層画像を求める処理を、この2次元平面における各測定点毎に行うことにより、試料の三次元の断層画像が得られる。
上述した断層画像を得るため、本実施形態において、データ取得部14には、断層画像を取得する試料を配置したステージの面に対して平行な2次元平面に沿ってレンズ28を平行移動させる駆動機構を制御する制御部と、2次元平面における各測定点で得た位相スペクトル位相φ(ν)を算出し、測定点毎に記憶部に記憶させる算出部と、記憶部から測定点毎にスペクトル位相φ(ν)を読み出して逆フーリエ変換を行う変換部と、光の伝搬距離を求め、逆フーリエ変換データにおける強度を、求めた伝搬距離の半分の位置に対してプロットする断層画像生成部とを有している。
また、上述した制御部、算出部、変換部及び断層画像生成部の機能をMPUに実行させるプログラムを記憶したプログラム記憶部を設け、CPUがプログラム記憶部から順次プログラムを読み出して実行することで、制御部、算出部、変換部及び断層画像生成部の処理を行うように構成しても良い。
本実施形態によれば、位相シフト干渉計を容易に光コヒーレンストモグラフィに適用することができ、高精度にスペクトル位相φ(λ)を検出することができるため、高解像度の三次元の断層画像を得ることができる。
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
1…光源、 2…入射光ファイバ、 3…光分岐部、 4…入射側プローブ光ファイバ、 5…参照光ファイバ、 6…試料測定部、 7…出射側プローブ光ファイバ、 8…光位相シフト部、 9…光遅延部、 10…光結合部、 11…出射光ファイバ、 12…光検出部、 13…制御部、 14…データ取得部、 15,16…波長掃引信号線、 17…位相シフト制御線、 18…サンプリングクロック信号線、19…検出信号線、 21,25…コネクタ、 22,24…光ファイバ、 23…測定試料(透過測定用)、 26,27…コリメータ、 28…レンズ、 29…空間伝搬光、 30…測定試料(反射測定用)、 51…光位相シフト遅延部

Claims (14)

  1. 単一縦モード光を伝搬光として第1出射端から出射する、当該単一モード光の波長が可変な光源と、
    前記第1出射端に一端が接続され、前記伝搬光を伝搬する偏波保持特性を有する単一モード光ファイバで構成された入射光経路と、
    前記入射光経路の他端が接続された第1入射端から前記伝搬光を入射し、前記伝搬光を第1伝搬光と第2伝搬光とに分岐させ、前記第1伝搬光を第2出射端から出射し、前記第2伝搬光を第3出射端から出射する光分岐部と、
    一端が前記第2出射端に接続され、偏波保持特性を有する単一モード光ファイバで構成された入射側プローブ光経路と、
    第2入射端が前記入射側プローブ光経路の他端に接続され、当該第2入射端から入射される前記第1伝搬光を内部に配置された測定対象の試料に照射し、前記試料を透過もしくは反射して出射されるプローブ光を第4出射端から出射する試料測定部と、
    前記第4出射端に一端が接続され、前記試料から出射される前記プローブ光を伝搬させる、偏波保持特性を有する単一モード光ファイバで構成された出射側プローブ光経路と、
    一端が前記第3出射端に接続され、偏波保持特性を有する単一モード光ファイバで構成された参照光経路と、
    前記出射側プローブ光経路の他端が接続された第3入射端から、前記プローブ光を入射し、前記参照光経路の他端が接続された第4入射端から、前記第2伝搬光を入射し、前記プローブ光及び前記第2伝搬光を光波して合波光とし、当該合波光を第5出射端から出射する光結合部と、
    前記第2出射端及び前記第3入射端間の第1経路、及び第3出射端及び前記第4入射端間の第2経路のいずれか一方の経路に設けられ、設けられた経路を伝搬する伝搬光と他方の経路を伝搬する伝搬光との位相差を周期的に変化させる光位相シフト部と、
    前記第5出射端に一端が接続され、前記合波光を伝搬する偏波保持特性を有する光ファイバから構成される出射光経路と、
    前記出射光経路の他端が第5入射端に接続され、当該第5入射端から入射される前記合波光を電気信号に変換し、変換結果を干渉信号として出力する光検出部と、
    前記光源において波長掃引が行われる毎に、当該波長掃引に同期して、前記光位相シフト部における位相シフト量及び位相シフトの周期を制御するとともに、前記位相シフトの一周期内において前記干渉信号を時系列に取得するためのサンプリングクロック信号を発生する制御部と、
    前記光源において波長掃引が行われる毎に、当該波長掃引に同期して、前記サンプリングクロック信号により、前記干渉信号を時系列に取得し、前記波長掃引における前記位相差がα (ラジアン単位、α は実数であり、α の取る値の範囲は0≦α ≦3π/2なる範囲を含み、iは整数であり3≦i)となるα 成分の干渉信号を得て、前記α 成分の干渉信号の各測定点ごとの波長変化を前記各測定点のサンプリングタイミングにしたがう線形補間により補正するデータ取得部と
    を有することを特徴とする位相シフト干渉計。
  2. 前記位相シフトの一周期内にサンプリングを行う前記測定点の数がmである場合、
    前記制御部が、
    前記α 成分の干渉信号に対し、周波数の測定間隔を1/mとする線形補間を行うため、前記α 成分の干渉信号のデータ点数をm倍とする
    ことを特徴とする請求項1に記載の位相シフト干渉計。
  3. 前記データ取得部が、
    前記α 成分の干渉信号の測定点毎の波長変化を補正する際、前記周期の測定点毎に、複数の前記周期における測定の順番が同一の測定点の前記干渉信号を用いて線形補間して、前記周期のm倍された測定点各々における前記位相差に対応する補間干渉信号を求める
    ことを特徴とする請求項2に記載の位相シフト干渉計。
  4. 前記αiの要素の総数が3以上(i≧3)であり、
    前記制御部が、当該要素から3つの要素として、位相α1の第1光成分、位相α2の第2光成分及び位相α3の第3光成分を抽出し、当該第1光成分、当該第2光成分及び当該第3光成分の各々から前記干渉信号を取得する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の位相シフト干渉計。
  5. 前記αiの要素の総数が30以上(i≧30)であることを特徴とする請求項に記載の位相シフト干渉計。
  6. 前記第2出射端及び前記第3入射端間の第1経路、及び第3出射端及び前記第4入射端間の第2経路のいずれか一方の経路に設けられ、前記第1経路及び第2経路との光路長差を調節する光遅延部をさらに有することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の位相シフト干渉計。
  7. 前記第1経路及び前記第2経路のいずれか一方に前記光遅延部が設けられ、前記光位相シフト部が前記第1経路及び前記第2経路のいずれか他方に設けられることを特徴とする請求項に記載の位相シフト干渉計。
  8. 前記第1経路及び前記第2経路のいずれか一方に、前記光遅延部及び前記光位相シフト部が一体化して設けられていることを特徴とする請求項に記載の位相シフト干渉計。
  9. 前記データ取得部が、前記第1光成分の前記干渉信号を受信する第1受信ポートと、前記第2光成分の前記干渉信号を受信する第2受信ポートと、前記第3光成分の前記干渉信号を受信する第3受信ポートと、を有していることを特徴とする請求項から請求項のいずれか一項に記載の位相シフト干渉計。
  10. 前記データ取得部が、波長の掃引毎に、測定単位として前記第1光成分、前記第2光成分及び前記第3光成分をデータ組として時系列に取得することを特徴とする請求項から請求項のいずれか一項に記載の位相シフト干渉計。
  11. 前記試料測定部が、
    一端が前記第2入射端に接続され、他端が前記測定対象の試料の入射端に接続された、偏波保持特性を有する第1光ファイバと、
    一端が前記第4出射端に接続され、他端が前記測定対象の試料の出射端に接続された、偏波保持特性を有する第2光ファイバと、
    を有することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の位相シフト干渉計。
  12. 前記試料測定部が、
    一端が前記第2入射端に接続され、他端から前記第2入射端から入射される第1伝搬光を平行光として出力する、偏波持特性を有する第1光ファイバと、
    前記第1光ファイバから出射される前記平行光を、前記測定対象の試料の表面に集光し、 前記測定対象の試料の表面から出射された前記平行光が反射した反射平行光を出射するレンズと、
    一端が前記第4出射端に接続され、前記レンズから出射される前記反射平行光を他端から入射し、前記第4出射端に対して前記反射平行光を前記第1伝搬光として出射する、偏波保持特性を有する第2光ファイバと
    を有することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の位相シフト干渉計。
  13. 前記データ取得部が、波長の関数として取得したスペクトル位相を周波数の関数に変換し、隣接周波数間におけるスペクトル位相差から分散パラメータを求め、この分散パラメータから波長分散を求めることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の位相シフト干渉計。
  14. 前記データ取得部が、波長の関数として取得したスペクトル位相を周波数の関数に変換し、スペクトル位相の逆フーリエ変換を行い、伝搬光の伝搬距離の関数としてスペクトル位相の逆フーリエ変換を表示する光コヒーレンストモグラフィーの機能を有することを特徴とする請求項12に記載の位相シフト干渉計。
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