JP5347425B2 - 血栓吸引カテーテル組立体 - Google Patents
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このような血栓吸引カテーテル組立体のうち、オーバーザワイヤ型填め込み式カテーテルとして、図6Aに示すカテーテル50が提案されている(例えば、特許文献1)。
このカテーテル50は、先端に吸引孔51及びスリット52を備えた吸引カテーテル53と、回収カテーテル54と、脈管フィルタ55をその先端部に配置したガイドワイヤ56とから構成されている。
また、図6Bに示すように、吸引カテーテル53を脈管フィルタ55内に進め、吸引カテーテル53基端部から吸引することにより、フィルタ55内の塞栓を吸引する。
また、この文献のラピッドエクスチェンジ型のカテーテルでは、ガイドワイヤが、吸引カテーテル外部に取り出すためのガイドワイヤポートの存在により、吸引カテーテル内部の気密性が保持できず、効率的な血栓吸引ができないという課題もある。
該外側シャフトの先端において、軸方向に突出及び退行可能に、前記外側シャフト内に収容される内側シャフトとを備え、
該内側シャフトは、少なくとも先端において血栓吸引ルーメンとガイドワイヤルーメンとを有していることを特徴の一つとする。
内側シャフトは、基端側に、ガイドワイヤポートと、減圧手段接続ポートとを有するオーバーザワイヤ型シャフトであることが好ましい。
また、別の形態として、内側シャフト及び外側シャフトの先端側に、ガイドワイヤポートを有するラピッドエクスチェンジ型であることが好ましい。
さらに、内側シャフトのガイドワイヤルーメンに挿通され、先端部に血栓捕捉部材を有する血栓捕捉ワイヤ及び/又はカテーテルを備え、
前記外側シャフトは、その内部に前記内側シャフトを退行させた際、前記血栓捕捉部材の少なくとも一部が取り込み可能な内径を有することが好ましい。
外側シャフト及び内側シャフトの少なくとも一部に、親水性のコーティングが付与されてなることが好ましい。
外側シャフト及び/又は内側シャフトの少なくとも一部に、X線不透過性材料が付与されてなることが好ましい。
内側シャフトの先端部が、前記外側シャフトの先端部よりもショアD硬度が低い材料で形成されていることが好ましい。
外側シャフト11は、血栓吸引及び内側シャフト12、任意に後述するガイドワイヤ又はカテーテル等を収容するためのものであって、屈曲及び蛇行した血管に良好に追従するような柔軟性及び可撓性を有する管状部材であり、さらに生体適合性を有することが好ましい。この外側シャフト11は、通常、経皮的血管形成術に使用する部材を構成する材料により形成することができる。例えば、ポリウレタン、ポリアミドエラストマー、ポリイミド、ポリエチレン、ポリエステルエラストマー、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフッ化ビニリデン等の合成樹脂、ステンレス鋼、ニッケル−チタン合金等の金属材料及びこれらの組み合わせにより形成することができる。
具体的には、外側シャフト11基端側から先端側にかけて、ARKEMA社のPebax7233(ショアD硬度:72)、Pebax6333(ショアD硬度:63)、Pebax5533(ショアD硬度:55)、Pebax4033(ショアD硬度:40)、Pebax3533(ショアD硬度:35)等を用いて、基端から先端にかけて複数の樹脂にて段階的に硬度傾斜させたものが好適である。
ここで、ショアD硬度とは、ASTM(米国材料試験協会)によるD2240試験方法によって決定される硬質ゴム及びプラスチックの硬度を意味する。
側孔15の数及び大きさは特に限定されず、外側シャフト11の直径等によって適宜調整することができる。
ここで、減圧手段としては、外側シャフト11及び/又は後述する内側シャフト12内を減圧させることにより、外側シャフト11及び/又は内側シャフト12の先端部に、血栓を吸引させるための吸引力を付与し得るデバイスであれば、どのようなものでも用いることができる。例えば、シリンジ、吸引ポンプ等が例示される。
なお、本発明の血栓吸引カテーテル組立体10を用いて血栓捕捉部材17を回収するためには、血栓捕捉部材17は、ガイドワイヤ16に固定されていることが好ましいが、必ずしもガイドワイヤ16に固定されていなくてもよい。例えば、血栓捕捉部材17がシャフト又はガイドワイヤルーメン14の先端に固定され、このシャフト内をカイドワイヤ16が挿通する構成であってもよい。
また、図1Aに示すように、内側シャフト12及び/又は外側シャフト11の基端側にコネクタ21が連結され、このコネクタ21を介して閉塞部材18が設けられていてもよい。
さらに、後述するように、閉塞部材18は、外側シャフト11の基端部のみならず、内側シャフト11の基端部も、ともに閉塞されるように形成されていてもよい。
このようなコネクタ21は、例えば、外側シャフト11の基端側に連結される外側コネクタ21aと、その内側を進退することができる内側コネクタ21bとの二重管構造のものが挙げられる。外側コネクタ21a内を内側コネクタ21bが進退することにより、先端側の内側シャフト12が、外側シャフト11先端より突出/退行させることができる。
つまり、内側シャフト12のガイドワイヤルーメン14の先端側、例えば、先端から5〜300mm、好ましくは200〜250mm程度の位置に、長孔25が形成され(図5Aのa−a’線断面図である図5C参照)、ガイドワイヤ16端がその長孔22から外側に引き出せる構造とする。外側シャフト11には、適当な位置、例えば、外側シャフト11の先端から5〜300mm、好ましくは150〜250mm程度の位置に、円孔26を形成し、内側シャフト12から出したガイドワイヤ16端を、この円孔26から引き出せる構造とする。長孔25の長さは、内側シャフト12の可動長さに対応する長さ、例えば、150〜300mm程度とすることが適している。
また、内側シャフトにおいて長孔の無い部分は、ダブルルーメン構造を形成する(図5Bのb−b’線断面図である図5D参照)。
なお、図5Aから5Dのようなラピッドエクスチェンジ型のカテーテル構造の場合には、外側シャフトと内側シャフトとの回転によって長孔と円孔との位置がずれないよう、コネクタ21aと21bとは回転することなく、軸方向のスライドのみ行われるコネクタ構造を採用することが適している。
まず、血栓捕捉部材17を先端に備えたガイドワイヤ16を、デリバリーカテーテルとともに血管内に導入し、目的とする血管の狭窄部を越えた位置に配置する。
次いで、デリバリーカテーテルを抜去して、血栓捕捉部材17を拡張させる。
その後、内部に血栓捕捉部材17を収容した血栓吸引カテーテル組立体10を、同時に抜去する。
このように、この実施形態の血栓吸引カテーテル組立体を用いることにより、より簡便な操作にて、血栓吸引と血栓捕捉部材との回収を、さらには血栓捕捉部材回収後にも血栓吸引を行うことが可能となる。
11 外側シャフト
11a 先端部
12、12’、22、22’32、32’42 内側シャフト
13、13’、23、23’、33、33’、43 血栓吸引ルーメン
13a 吸引口
14、14’、24、24’、34’ ガイドワイヤルーメン
15 側孔
16 ガイドワイヤ
17 血栓捕捉部材
18 閉塞部材
19 減圧手段接続ポート
20 X線不透過性材料
21 コネクタ
21a 外側コネクタ
21b 内側コネクタ
25 長孔
26 円孔
Claims (9)
- 外側シャフトと、
該外側シャフトの先端において、軸方向に突出及び退行可能に、前記外側シャフト内に収容される内側シャフトとを備え、
該内側シャフトは、少なくとも先端において血栓吸引ルーメンとガイドワイヤルーメンとを有しており、
外側シャフトは、先端近傍に少なくとも一つの側孔が設けられ、内側シャフトの突出及び退行により、前記側孔が閉塞又は開口されることを特徴とする血栓吸引カテーテル組立体。 - 内側シャフトは、基端側に、ガイドワイヤポートと、減圧手段接続ポートとを有するオーバーザワイヤ型である請求項1に記載の血栓吸引カテーテル組立体。
- 内側シャフト及び外側シャフトの先端側に、ガイドワイヤポートを有するラピッドエクスチェンジ型である請求項1又は2に記載の血栓吸引カテーテル組立体。
- さらに、内側シャフトのガイドワイヤルーメンに挿通され、先端部に血栓捕捉部材を有する血栓捕捉ワイヤ及び/又はカテーテルを備え、
前記外側シャフトは、その内部に前記内側シャフトを退行させた際、前記血栓捕捉部材の少なくとも一部が取り込み可能な内径を有する請求項1から3のいずれか1つに記載の血栓吸引カテーテル組立体。 - 血栓捕捉部材は、弾性変形によって、前記内外側シャフトの径方向外方に拡張するとともに、軸方向に縮小し得るワイヤ部材によって形成されてなる請求項4に記載の血栓吸引カテーテル組立体。
- 外側シャフト及び内側シャフトの少なくとも一部に、親水性のコーティングが付与されてなる請求項1から5のいずれか1つに記載の血栓吸引カテーテル組立体。
- 外側シャフト及び/又は内側シャフトの少なくとも一部に、X線不透過性材料が付与されてなる請求項1から6のいずれか1つに記載の血栓吸引カテーテル組立体。
- さらに、内側シャフト及び/又は外側シャフトの基端側に、閉塞部材を備えてなる請求項1から7のいずれか1つに記載の血栓吸引カテーテル組立体。
- 内側シャフトの先端部が、前記外側シャフトの先端部よりもショアD硬度が低い材料で形成されている請求項1から8のいずれか1つに記載の血栓吸引カテーテル組立体。
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