JP5177418B2 - 反射防止膜形成材料、反射防止膜及びこれを用いたパターン形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体素子などの製造工程における微細加工に用いられるレジスト反射防止膜形成材料に関し、特に、KrFエキシマレーザー光(248nm)、ArFエキシマレーザー光(193nm)での露光に好適な反射防止膜形成材料に関する。更に本発明は、この反射防止膜形成材料を用いて形成された反射防止膜、及びこの反射防止膜を用いたリソグラフィーによって基板にパターンを形成する方法に関する。
従来、半導体デバイスの製造においてはフォトレジスト材料を用いたリソグラフィーによる微細加工が用いられている。半導体デバイスの集積化はデバイスの性能・機能・信頼性の向上とコスト低減に有効であり、IC(integrated circuit)の誕生以来、集積度向上の技術開発が絶えず続けられてきた。
デバイスの集積化に向け、光リソグラフィーにおける露光光の短波長化によってパターンルールを微細化する検討が進んでいる。例えば64MビットDRAM加工方法の量産プロセスには、露光光源としてi線(365nm)に代わって短波長のKrFエキシマレーザー(248nm)が利用され、更に微細な加工技術(例えば、加工寸法が0.13μm以下)を必要とする集積度1G以上のDRAMの製造には、ArFエキシマレーザー(193nm)を用いたリソグラフィーが検討されている。
レンズの大口径化、液浸リソグラフィーの採用によるリソグラフィーの高NA(numerical aperture)化もパターンルールの微細化に有効である。しかし、高NA化が進むに伴い、露光光の基板からの反射の影響が大きな問題となってきている。即ち、反射を制御するためにフォトレジスト膜と基板の間に反射防止膜(BARC)を設けるプロセスが一般に採用されているものの、従来の反射防止膜では基板からの露光光の反射を防ぐことが困難となってきており、その結果として、定在派とよばれるレジスト膜厚方向の露光むらが生じ、解像度が低下するという問題が生じている。
従来の反射防止膜としては、SiやTiNといった無機反射防止膜と、吸光性物質を有する高分子化合物からなる有機反射防止膜とが知られている。無機反射防止膜は膜形成に真空蒸着装置、CVD装置、スパッタリング装置等の設備を必要とするのに対し、有機反射防止膜は特別な設備を必要とせず、比較的簡便に膜形成できる点で有利である。有機反射防止膜に要求される性能としては、露光光の反射を抑える他、レジスト膜に比べて大きなドライエッチング速度を有すること、レジスト膜とのインターミキシングやレジスト膜への低分子成分の拡散がないこと等が挙げられる(例えば、非特許文献1:SPIE Vol.2195、p225−229(1994)参照)。
上記の液浸リソグラフィーとは投影レンズとウエハーの間に水を設けるものであり、波長193nmにおける屈折率が1.44の水を用いることによって屈折率1.0の空気中での露光に比べて開口数(NA)が1.44倍高い投影レンズの設計が可能になる。NA1.3付近の投影レンズと組み合わせれば、ハーフピッチ45nmのパターン形成が可能になる。
NAが大きくなるに伴い、レジスト膜に入射する光の角度が浅くなる。また、コントラストを上げるためのs偏光照明によって斜入射光の割合が更に増加し、基板からの反射が大きくなっていることが指摘されている。これに対して、2層の反射防止膜(非特許文献2:SPIE Vol.6153 p61531J(2006))、反射防止効果を有する珪素含有中間膜と下層膜による3層プロセス(非特許文献3:SPIE Vol.6153 p61530K(2006))はNA1.0以上での反射防止効果が高いことが報告されている。しかしながら、この2層反射防止膜ではNA1.2以上における反射防止効果は不十分で、更なる反射の低減が必要である。これに対し、基板面に近づくにつれて段階的に光吸収が大きくなる膜は2層の反射防止膜よりも反射防止効果が高いことが報告されている(非特許文献2:SPIE Vol.6153 p61531J(2006))。様々な波長の光の反射を防止するために反射防止膜を多層とすることは古くから知られており、光学レンズ等に応用されている。様々な波長に対して優れた反射防止効果を有する基板は様々な入射角度に対応する反射防止基板でもあり、層数を無限大にした反射防止膜、即ち段階的に吸収を変化させた反射防止膜は極めて優れた反射防止効果を発揮する。この原理を応用した反射防止膜が特許第3414107号公報(特許文献1)に提案されている。ここで、段階的な吸収変化を付けるための具体的な材料としては、ニトロン等の光退色性のある材料を用いている。
多層の反射防止膜を形成するために吸収係数の異なる反射防止膜を何度も塗布することは、プロセスが煩雑化しスループットが低下するために現実的ではない。プロセスを簡略にするためには、段階的に吸収が変化する反射防止膜を一度の塗布で形成することが望ましい。特許文献1に提案されている波長193nmにおける光退色性の材料は見つかっておらず、露光によってレジスト膜側の透明性が向上する反射防止膜の設計は難しい。
特開2000−53921号公報(特許文献2)には、フッ素原子を含有する低屈折率硬化皮膜を与え得る化合物と、それよりも表面自由エネルギーが大きい高屈折率硬化皮膜を与え得る化合物とを含有する反射防止皮膜形成組成物を用い、可視光の反射を低減するための2層の反射防止膜を形成する方法が開示されている。これは、膜形成の段階で膜表面の自由エネルギーが最小となるように分子の自己的な配列と集合が進行し、相分離現象により2層構造が形成されたものと考えられる。この方法は一度の塗布で2層構造が形成されるものであり、反射率の低減と生産性とを両立する。しかしながら、ポリマーの自由エネルギーの差が適切ではない場合には相分離により2層構造が形成されるとは限らず、片方の相のマトリックスにもう片方の相のドメインが点在したいわゆる海島構造を生じることも多い。2層構造の反射防止膜を形成するためには、好適な材料の組み合わせを見出す必要がある。
前述の通り、反射防止膜には高いエッチング速度も求められる。パターン寸法の縮小に伴ってフォトレジスト膜が薄膜化しているため、近年その改善が強く望まれている。反射防止膜に用いられるポリマーとして古くはノボラック樹脂やポリイミド樹脂が用いられたが、エッチング速度が小さいために反射防止膜がなくなった段階でフォトレジストパターンが膜減りしてしまう問題があった。エッチング速度を上げるためには炭素原子を減らし酸素原子の割合を増やすことが有効であることから、架橋基と吸収基を有するポリ(メタ)アクリートをベース樹脂として用いる検討がなされている。更にエッチング速度を速くするために、ポリマーの主鎖に酸素原子を有するポリエステル系樹脂がベース樹脂として提案されている。
2リソグラフィー用フォトレジスト材料の開発において、157nmにおける透明性を向上させるためにフッ素を含有する様々なポリマーが検討された。パーフルオロアルキル基を有するポリマーは撥水性が非常に高いために現像不良や基板密着性の低下によるパターンの崩れや剥がれが起こったが、α位が複数のフッ素原子で置換されたアルコールはフッ素の電子吸引性のためにヒドロキシ基が酸性を帯び、適度なアルカリ溶解性、及び密着性が得られる。この知見をもとに、−C(CF32OH構造を有する多くのF2リソグラフィー用ポリマーが開発された。
特許第3414107号公報 特開2000−53921号公報 SPIE Vol.2195、p225−229(1994) SPIE Vol.6153 p61531J(2006) SPIE Vol.6153 p61530K(2006)
本発明は、このような問題点に鑑みなされたもので、半導体素子などの製造工程に用いられるリソグラフィーにおいて効果的に露光光の反射を防止し、且つ高いドライエッチング速度を有することによってエッチングの時間の短縮、及び上層レジスト膜の膜減りや変形の防止を実現する反射防止膜の形成材料及び反射防止膜を提供する。更に、この反射防止膜形成材料を用いて基板にパターンを形成する方法を提供する。
即ち、本発明は下記の反射防止膜形成材料、反射防止膜及びパターン形成方法を提供する。
請求項1:
下記一般式(1)で示される繰り返し単位を1種以上有し、ArFエキシマレーザー光の波長193nmにおける消光係数(k値)が0.01〜0.4、屈折率(n値)が1.4〜2.1の範囲の高分子化合物(A)と、芳香環を有し、前記波長における消光係数(k値)が0.3〜1.2の範囲の高分子化合物(B)とをそれぞれ1種以上含有することを特徴とする反射防止膜形成材料。
Figure 0005177418

(式中、R1は水素原子、メチル基、フッ素原子、又はトリフルオロメチル基であり、R2〜R6はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基、又は1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜5のアルコキシ基を示すが、R2〜R6すべてが同時に水素原子となることはない。)
請求項2:
前記高分子化合物(A)が、上記一般式(1)で示される繰り返し単位を3〜90モル%含有することを特徴とする請求項1に記載の反射防止膜形成材料。
請求項3:
前記高分子化合物(A)が、更に下記一般式(2)〜(4)で示される繰り返し単位から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の反射防止膜形成材料。
Figure 0005177418

(式中、R7、R9、R13はそれぞれ独立に水素原子、メチル基、フッ素原子、又はトリフルオロメチル基を示す。R8は水素原子、又は炭素数1〜30の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を示し、1価炭化水素基の場合、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されていてもよく、また、構成する−CH2−が−O−又は−C(=O)−に置換されていてもよい。nは1又は2を示す。L1は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状の2価又は3価の炭化水素基を示す。R10〜R12はそれぞれ独立に水素原子、水酸基、ハロゲン原子、又は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状の1価有機基を示す。R10〜R12は任意の組み合わせで少なくともそのうちの2つが互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。R14は1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換された炭素数2〜15の炭化水素基を示す。)
請求項4:
前記高分子化合物(A)が、前記一般式(2)、(3)、(4)で示される繰り返し単位を合計で2〜60モル%含有することを特徴とする請求項3に記載の反射防止膜形成材料。
請求項5:
前記高分子化合物(A)が、更に酸で架橋反応を起こす繰り返し単位を1種以上含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の反射防止膜形成材料。
請求項6:
前記高分子化合物(A)が、前記酸で架橋反応を起こす繰り返し単位を合計で5〜90モル%含有することを特徴とする請求項5に記載の反射防止膜形成材料。
請求項7:
前記高分子化合物(B)が、芳香環を有する繰り返し単位を30〜100モル%含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の反射防止膜形成材料。
請求項8:
高分子化合物(B)が、下記式(i)〜(xxvi)で示されるいずれかの繰り返し単位を有するものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の反射防止膜形成材料。
Figure 0005177418

Figure 0005177418

Figure 0005177418

Figure 0005177418

Figure 0005177418

請求項9:
高分子化合物(A)と高分子化合物(B)との含有割合が、質量比で30:70〜80:20であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の反射防止膜形成材料。
請求項10:
更に、有機溶剤、酸発生剤、架橋剤から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の反射防止膜形成材料。
請求項11:
請求項1〜10のいずれか1項に記載の反射防止膜形成材料を基板上にスピンコートし、該基板をベークすることによって得られる、高分子化合物(A)が表面側に、高分子化合物(B)が基板側に偏在した反射防止膜。
請求項12:
リソグラフィーにより基板にパターンを形成する方法であって、請求項1〜10のいずれか1項に記載の反射防止膜形成材料を用いて基板上に反射防止膜を形成し、反射防止膜上にフォトレジスト膜を形成して該フォトレジスト膜のパターン回路領域を露光した後、現像液で現像して前記フォトレジスト膜にレジストパターンを形成し、該レジストパターンをマスクにして前記反射防止膜と前記基板をエッチングし、前記基板にパターンを形成することを特徴とするパターン形成方法。
本発明者らは、本発明の反射防止膜形成材料をスピンコートし、次いでベークすることによって基板上に反射防止膜を形成したところ、この反射防止膜の表面側に高分子化合物(A)が偏在し(層1)、基板面側には高分子化合物(B)が偏在する(層2)こと、また、用いる高分子化合物によってはその中間層として高分子化合物(A)と高分子化合物(B)の混合層(層3)が形成されることを知見した。更に、高分子化合物(A)の消光係数(k値)を高分子化合物(B)の消光係数よりも低めに設定し、層1、層2、層3の膜厚を調整することにより、極めて高い反射防止効果を有する膜になることを見出した。加えて、高分子化合物(A)は高いエッチング速度をも有し、結果として、本発明の反射防止膜は高い反射防止効果と高いエッチング速度を兼ね備え、微細パターンの形成に極めて有用な材料であることが分かった。
例えば、パーフルオロアルキル基やシロキサン構造を有する界面活性剤が、スピンコート後のレジスト膜表面に浮いてきて、表面を覆うことはよく知られている。これは、表面エネルギーの低いパーフルオロアルキル基やシロキサンが表面に配向することによって安定化することによる。−C(CF32OH構造を有する高分子化合物をフォトレジスト膜に添加すると膜表面に配向することは、特開2007−297590号公報に記載されている。
本発明は、上記で例示される高分子化合物の偏在を応用したものであり、フッ素原子を効果的に配置した高分子化合物(A)と、芳香環を含有し高い消光係数(k値)を有するよう設計された高分子化合物(B)とをブレンドした溶液を塗布することによって、高分子化合物(A)を表面側(フォトレジスト膜側)、高分子化合物(B)を基板側に偏在させるものである。高分子化合物(A)よりも高分子化合物(B)の方が消光係数(k値)が高いために基板面の方が吸収が高い2層反射防止膜、あるいは基板面に近づくに従って吸収が増加する漸増吸収型反射防止膜を形成することができ、高い反射防止効果を得ることができる。
上述した通り、F2リソグラフィー用フォトレジストの開発においてフッ素原子を含有した材料が多く扱われ、その検討からフッ素原子の導入がエッチング速度の増加をもたらすという知見が得られた。エッチング速度の増加は反射防止膜の特性としては好ましいことであり、密着性にも優れる−C(CF32OH構造を有する(メタ)アクリレート、ポリα−置換アクリレートを有機反射防止膜のベース樹脂に用いることが提案されている(特願2007−60010号、特願2007−63935号参照)。
本発明では、高分子化合物中にフッ素原子を導入することによって反射防止膜の高いエッチング速度を実現しているのみならず、フッ素原子を効果的に配置することによって高分子化合物の消光係数(k値)、屈折率(n値)を調節し、更には多層構造膜の形成を実現し、高い反射防止効果をも実現している。
露光光の反射を防ぐためには、後述の計算で示される通り、上記高分子化合物(A)の消光係数(k値)を0.01〜0.4(図5参照)、屈折率(n値)を1.4〜2.1(図6参照)とする必要がある。本発明者らは、フッ素原子、トリフルオロメチル基といった電子求引性の置換基を有するベンゼン環を用いることによって高分子化合物(A)の光学特性を上記の範囲内に調整できると考え、上記一般式(1)で示される繰り返し単位を有する高分子化合物の評価を行った。
波長によるベンゼンの消光係数(k値)、屈折率(n値)の変化をみると、消光係数(k値)は193nm付近に極大値があり、屈折率(n値)は193nmよりも長波長側に極大値が存在する。一般的に、物質の消光係数(k値)と屈折率(n値)との間には因果律を反映したKramers−Kronigの関係がある。即ち、消光係数(k値)のピークと屈折率(n値)のピークには波長のずれがあり、屈折率(n値)のピークの方が長波長側に存在する。
ベンゼン環の水素原子が電子求引性の置換基で置換された場合、消光係数(k値)、屈折率(n値)のピークが短波長側へシフト(ブルーシフト)する。上述した通りベンゼンの消光係数(k値)は193nm付近に極大値があることから、ブルーシフトが大きいほど193nmにおける消光係数(k値)は低くなる。一方、屈折率(n値)はブルーシフトの程度に依存し、ブルーシフトの程度が小さい範囲ではベンゼンよりも高い屈折率(n値)を示し、極大値を迎えた後、更にブルーシフトの程度が大きくなると値は減少に転じる。
ベンゼン環上にフッ素原子を2つ導入したMonomer2、Monomer3(実施例参照)に由来する繰り返し単位を有する高分子化合物(A)は、屈折率(n値)が極大になる程度までブルーシフトが起こり高い屈折率(n値)を有するが、これらの繰り返し単位を70モル%まで導入すると消光係数(k値)が高すぎて使用できない場合がある(実施例の表2参照)。この場合、これらの繰り返し単位の導入量を減らし、更に上記一般式(2)〜(4)で示されるフッ素原子を含有した繰り返し単位を導入することにより、上記の光学特性が満足され、且つ高分子化合物(A)が膜表面側へ偏在することによる多層構造膜の形成も可能になることを知見した。
また、ベンゼン環上にフッ素原子を5つ導入した場合には顕著なブルーシフトが起こり、消光係数(k値)は低い値となる。例えばMonomer1(実施例参照)に由来する繰り返し単位を70モル%程度まで導入しても上記した高分子化合物(A)の消光係数(k値)の条件を満足し、且つ屈折率(n値)も実用範囲内の値となる(実施例の表2参照)。
なお、フッ素原子で置換されたベンゼン環を用いた例が米国特許出願公開第2008/0008955号明細書で報告されており、この例では膜表面に配向するポリマーとして2,3,4,5,6−ペンタフルオロスチレンとメタクリル酸=グリシジルの共重合体を用いている。上述の通り、高分子化合物の消光係数(k値)、屈折率(n値)といった光学特性を調整するにあたっては芳香環の導入が有効であるが、一方でエッチング速度が低下してしまうという問題がある。本発明者らは、高分子化合物の主鎖を(メタ)アクリル酸エステル構造とすること、また、連結有機基を導入して芳香環を主鎖から離すことによってエッチング速度を向上できると考え、上記一般式(1)で示される繰り返し単位を含む高分子化合物(A)のエッチング速度を評価したところ、期待通り高いエッチング速度が得られることを知見した。なお、(メタ)アクリル酸=フェニルのベンゼン環上の水素原子がフッ素原子に置換された場合、エステル結合が弱くなり保存安定性が低下してしまうが、連結有機基を導入することでこの問題を回避できるという利点もある。
結果として、本発明の反射防止膜全体としても高いエッチング速度を有するものに仕上がり、エッチング時間が短縮されることでレジストパターンの膜減りや変形を防ぐことができ、微細パターンの形成に極めて有効なものとなる。
以下に、高分子化合物の光学特性、及び反射防止膜の膜厚の違いによる反射率の差を計算した結果を記載する。
図1は、NA0.85、σ0.93/0.78、20度ダイポール照明、6%ハーフトーン位相シフトマスクを使って65nmラインアンドスペースパターンにおけるSi基板上に積層した膜厚100nmのSiO2基板上に反射防止膜を敷いた際の反射を計算した例である。反射防止膜のn値を1.6に固定し、横軸を膜厚、縦軸をk値として反射率を表している。k値と膜厚を最適化することによって基板反射を1%以下にすることが可能であることが示されている。図2は、NA1.35、σ0.95/0.78、20度ダイポール照明、100%s偏光、6%ハーフトーン位相シフトマスクを使って38nmラインアンドスペースパターンにおける反射防止膜上反射を反射防止膜のk値と膜厚を変化させて計算した例である。反射率1%以下になる領域がなくなっており、レンズの高NA化によってレジスト膜に入射する光の角度が浅くなることによって基板反射が増大していることが示されている。図3は、図2の条件で反射防止膜のk値を0.3、膜厚を100nmに固定し、n値を変化させて計算した例である。反射防止膜のn値を最適化することによって基板反射を若干低下させることが可能であることが示されている。
NA1.35の条件で2層の反射防止膜を適用した例が図4に示される。ここでは上層の反射防止膜のk値を0.2、n値を1.6、膜厚60nm、下層膜のn値を1.6に固定して、下層膜のk値と膜厚を変化させた。図5では上層のn値を1.6、下層のk値を0.6、n値を1.6、膜厚40nmとし、上層のk値と膜厚を変化させた。図4,5共に反射率が1%以下になるk値、膜厚が存在する。図6では下層のk値を0.6、n値を1.6、膜厚40nmとし、上層のk値を0.2、膜厚60nmとし、上層のn値を変化させた。上層のn値を最適化することによって基板反射を1%以下にすることが可能であることが示されている。
次に上層と下層の間に中間層が存在し、中間層のk値が上層と下層の中間の値であるとし、中間層の膜厚が増加した場合の反射率を計算した結果を図7に示す。中間層の膜厚が増加するに従って反射率が増加し、2層の反射防止膜としての効果が小さくなっている。中間層は、上層と下層のミキシングによって生じると考えられる。ポリマーAとBとが成膜後に膜の深さ方向に分離している場合は理想的な2層の反射防止膜となるが、分離が全く起こらずに完全に混ざってしまった場合は1層の反射防止膜としての効果しか発揮できない。また、ミキシング層の厚みとして膜全体の50%程度までは許容されるが、60%以上となる場合は反射が増加するために2層の反射防止膜としての機能が低下する。
なお、本発明の反射防止膜形成材料が、酸発生剤、あるいは架橋剤を含有する場合、スピンコート後のベークにおいて高分子化合物の架橋反応が速やかに進行し、より緻密な膜を形成することができる。その結果、レジスト膜とのインターミキシングやレジスト膜への低分子成分の拡散が起こりにくくなり、レジストパターンの形状不良を最小限に抑えることができる。
更に、本発明の反射防止膜形成材料は、有機溶剤を含有することによって基板への塗布性を向上させることが可能である。
本発明の反射防止膜形成材料は、従来の有機反射防止膜形成材料と同じプロセスで成膜が可能であり、また、その反射防止膜はリソグラフィーにおいて効果的に露光光の反射を防止するものである。更に、高いドライエッチング速度を兼ね備え、微細パターンの形成に極めて有用である。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の反射防止膜形成材料は、露光波長における消光係数(k値)が0.01〜0.4、屈折率(n値)が1.4〜2.1の範囲の高分子化合物(A)と、芳香環を有し、露光波長における消光係数(k値)が0.3〜1.2の範囲の高分子化合物(B)とをそれぞれ1種以上含有することを特徴とする。
本発明の反射防止膜形成材料に含有される高分子化合物(A)は、下記一般式(1)で示される単位を1種以上有し、露光波長における消光係数(k値)が0.01〜0.4、屈折率(n値)が1.4〜2.1の範囲のものである。
Figure 0005177418

(式中、R1は水素原子、メチル基、フッ素原子、又はトリフルオロメチル基であり、R2〜R6はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基、又は1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜5のアルコキシ基を示すが、R2〜R6すべてが同時に水素原子となることはない。なお、R2〜R6の少なくとも1つがフッ素原子を有するものであることが好ましい。)
上記一般式(1)中のR2〜R6が1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜5のアルコキシ基である場合の具体例として、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、シクロブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基を挙げることができ、これら基の一部あるいは全部の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい。
上記一般式(1)で示される繰り返し単位の具体例としては以下のものが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0005177418

(式中、R1は水素原子、メチル基、フッ素原子、又はトリフルオロメチル基である。)
前記高分子化合物(A)は、高分子化合物(B)と膜厚方向に2層分離するために、また、光学特性を調整するために、更に下記一般式(2)〜(4)で示される繰り返し単位から選ばれる1種以上を含有することが好ましい。
Figure 0005177418

(式中、R7、R9、R13はそれぞれ独立に水素原子、メチル基、フッ素原子、又はトリフルオロメチル基を示す。R8は水素原子、又は炭素数1〜30の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を示し、1価炭化水素基の場合、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されていてもよく、また、構成する−CH2−が−O−又は−C(=O)−に置換されていてもよい。nは1又は2を示す。L1は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状の2価又は3価の炭化水素基を示す。R10〜R12はそれぞれ独立に水素原子、水酸基、ハロゲン原子、又は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状の1価有機基を示す。R10〜R12は任意の組み合わせで少なくともそのうちの2つが互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。R14は1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換された炭素数2〜15の炭化水素基を示す。)
上記一般式(2)中、L1は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状の2価又は3価の炭化水素基を示す。L1としては、例えば、メタン、エタン、プロパン、n−ブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、2−メチルプロパン、2−メチルブタン、2,2−ジメチルプロパン、2−メチルペンタン、2−メチルヘキサン、2−メチルヘプタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロペンタン、メチルシクロヘプタン、エチルシクロヘキサン、1−メチルアダマンタン、2−メチルアダマンタン、1−エチルアダマンタン、2−エチルアダマンタン等の炭化水素から水素原子を2つ又は3つ除いたのものを挙げることができる。
8は水素原子、又は炭素数1〜30、特に1〜20の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を示し、1価炭化水素基の場合、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されていてもよく、また、構成する−CH2−が−O−又は−C(=O)−に置換されていてもよい。
8の1価炭化水素基としては、アルコール性水酸基の保護基を種々用いることができ、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、イコサニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロペンチルブチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、シクロヘキシルブチル基、メチルシクロヘキシルメチル基、エチルシクロヘキシルメチル基、エチルシクロヘキシルエチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基等が挙げられる。
また、下記一般式(R1−1)、(R1−2)で示される基、炭素数4〜20、特に炭素数4〜15の三級アルキル基、各アルキル基がそれぞれ炭素数1〜5のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20、特に炭素数4〜15のオキソアルキル基、炭素数1〜10のアシル基等を挙げることができる。
Figure 0005177418
ここで、破線は結合手を示す(以下、同様)。式中、RL01、RL02は水素原子、又は炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示し、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基等が例示できる。RL03は炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10の酸素原子等のヘテロ原子を有してもよい1価の炭化水素基を示し、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、これらの水素原子の一部が水酸基、アルコキシ基、オキソ基、アミノ基、アルキルアミノ基等に置換されたものを挙げることができ、具体的には下記の置換アルキル基等が例示できる。
Figure 0005177418
L01とRL02、RL01とRL03、RL02とRL03とは互いに結合してこれらが結合する炭素原子や酸素原子と共に環を形成してもよく、環を形成する場合には環の形成に関与するRL01、RL02、RL03はそれぞれ炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。
L04は炭素数4〜20、好ましくは炭素数4〜15の三級アルキル基、各アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基又は上記一般式(R1−1)で示される基を示し、三級アルキル基としては、具体的にはtert−ブチル基、tert−アミル基、1,1−ジエチルプロピル基、2−シクロペンチルプロパン−2−イル基、2−シクロヘキシルプロパン−2−イル基、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)プロパン−2−イル基、2−(アダマンタン−1−イル)プロパン−2−イル基、1−エチルシクロペンチル基、1−ブチルシクロペンチル基、1−エチルシクロヘキシル基、1−ブチルシクロヘキシル基、1−エチル−2−シクロペンテニル基、1−エチル−2−シクロヘキセニル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基等が例示でき、トリアルキルシリル基としては、具体的にはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチル−tert−ブチルシリル基等が例示でき、オキソアルキル基としては、具体的には3−オキソシクロヘキシル基、4−メチル−2−オキソオキサン−4−イル基、5−メチル−2−オキソオキソラン−5−イル基等が例示でき、アシル基としては、具体的にはフォルミル、アセチル、エチルカルボニル、ピバロイル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、トリフルオロアセチル、トリクロロアセチル等を例示できる。yは0〜6の整数である。
上記式(R1−1)で示される保護基のうち直鎖状又は分岐状のものとしては、具体的には下記の基が例示できる。
Figure 0005177418
上記式(R1−1)で示される保護基のうち環状のものとしては、具体的にはテトラヒドロフラン−2−イル基、2−メチルテトラヒドロフラン−2−イル基、テトラヒドロピラン−2−イル基、2−メチルテトラヒドロピラン−2−イル基等が例示できる。
上記式(R1−2)の保護基としては、具体的にはtert−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニルメチル基、tert−アミロキシカルボニル基、tert−アミロキシカルボニルメチル基、1,1−ジエチルプロピルオキシカルボニル基、1,1−ジエチルプロピルオキシカルボニルメチル基、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニル基、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニルメチル基、1−エチル−2−シクロペンテニルオキシカルボニル基、1−エチル−2−シクロペンテニルオキシカルボニルメチル基、1−エトキシエトキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロフラニルオキシカルボニルメチル基等が例示できる。
上記一般式(3)中、R10〜R12はそれぞれ独立に水素原子、水酸基、ハロゲン原子、又は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状の1価有機基を示す。R10〜R12は任意の組み合わせで少なくともそのうちの2つが互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。
炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状の1価有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロペンチルブチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、シクロヘキシルブチル基、メチルシクロヘキシルメチル基、エチルシクロヘキシルメチル基、エチルシクロヘキシルエチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルエチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルブチル基、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基、エチルビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基、エチルビシクロ[2.2.1]ヘプチルエチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチルメチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチルエチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチルブチル基、メチルビシクロ[2.2.2]オクチルメチル基、エチルビシクロ[2.2.2]オクチルメチル基、エチルビシクロ[2.2.2]オクチルエチル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシルメチル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシルエチル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシルブチル基、メチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デシルメチル基、エチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デシルメチル基、エチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デシルエチル基、アダマンチル基、アダマンチルメチル基、アダマンチルエチル基、アダマンチルブチル基、メチルアダマンチルメチル基、エチルアダマンチルメチル基、エチルアダマンチルエチル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルメチル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルエチル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルブチル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルメチル基、エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルメチル基、エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルエチル基等の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、フェニル基、メチルフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基等のアリール基、ベンジル基、ジフェニルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基等の1価の炭化水素基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基、ホルミルオキシ基、アセトキシ基等のアシロキシ基を挙げることができ、これらの基中の水素原子の一部がハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、オキソ基、アルコキシアルキル基、アシロキシ基、アシロキシアルキル基、アルコキシアルコキシ基等に置換されていてもよい。
10〜R12は、任意の組み合せで少なくともそのうち2個が互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。環を形成する組み合わせの典型的な例としては、R10とR11、R10とR12、R11とR12が挙げられる。この場合、形成される環としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、アダマンタン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン等の炭素数3〜12の脂環式炭化水素が例示でき、これらを含む縮合環でもよい。また、これらの脂環式炭化水素の水素原子の一部が水酸基、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、オキソ基、アルコキシアルキル基、アシロキシ基、アシロキシアルキル基、アルコキシアルコキシ基等に置換されていてもよい。
上記一般式(4)中、R14は1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換された炭素数2〜15の炭化水素基を示す。R14としては、例えば、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロペンチルブチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、シクロヘキシルブチル基、メチルシクロヘキシルメチル基、エチルシクロヘキシルメチル基、エチルシクロヘキシルエチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、アダマンチル基中の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基を挙げることができる。
上記一般式(2)〜(4)で示される繰り返し単位の具体例としては以下のものが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0005177418
Figure 0005177418

Figure 0005177418

(式中、R7、R9、R13は水素原子、メチル基、フッ素原子、又はトリフルオロメチル基を示す。Meはメチル基、Acはアセチル基を示す。)
前記高分子化合物(A)は、光学特性を調整するために、上記一般式(1)〜(4)で示される繰り返し単位以外の芳香環を有する繰り返し単位を1種以上含有してもよい。芳香環を有する繰り返し単位として、例えば以下のものを挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0005177418

(式中、R15は水素原子、メチル基、フッ素原子、又はトリフルオロメチル基を示す。Meはメチル基、Acはアセチル基を示す。)
また、前記高分子化合物(A)は、光学特性を調整するために、更に硫黄原子を有する繰り返し単位を1種以上含有してもよい。硫黄原子の導入は、屈折率(n値)を上げるのに有効である。これらの芳香環を有する繰り返し単位として、例えば以下のものが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0005177418

(式中、R16は水素原子、メチル基、フッ素原子、又はトリフルオロメチル基を示す。Meはメチル基を示す。)
更に、前記高分子化合物(A)は、より緻密な反射防止膜を形成するために酸存在下で架橋反応を起こす繰り返し単位、例えば水酸基又はエポキシド、オキセタン等の環状エーテルによる架橋基又はカルボキシル基を含有する繰り返し単位を1種以上有することが好ましい。前記高分子化合物(A)が架橋反応を起こす繰り返し単位を含有する場合、反射防止膜の表面がより緻密となってレジスト膜とのインターミキシングやレジスト膜への低分子成分の拡散が起こりにくくなるため、レジストパターンの形状不良を最小限に抑えることができる。
これらの繰り返し単位として以下のものが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0005177418

(式中、R17は水素原子、メチル基、フッ素原子、又はトリフルオロメチル基を示す。Meはメチル基を示す。)
本発明の高分子化合物(A)は、レジスト膜との密着性を向上させるため、またレジスト膜からの酸あるいは塩基性化合物の拡散を防止するため、更に上記以外の繰り返し単位、例えば、レジスト材料のベース樹脂に含有される酸不安定基を有する繰り返し単位、ラクトン構造を有する繰り返し単位等を1種以上含有してもよく、また、その他の置換(メタ)アクリル酸エステル類、置換ノルボルネン類、不飽和酸無水物等の単量体に基づく繰り返し単位を1種以上含有してもよい。これらの繰り返し単位として例えば以下のものが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0005177418

(式中、R18は水素原子、メチル基、フッ素原子、又はトリフルオロメチル基を示す。Meはメチル基を示す。)
本発明の高分子化合物(A)において、各繰り返し単位の好ましい含有割合としては、例えば、下記<1>〜<4>に示すようにそれぞれ含有できるが、この範囲に限定されるものではない。
<1>上記一般式(1)で示される繰り返し単位を3〜90モル%、好ましくは5〜90モル%、より好ましくは8〜80モル%、特に好ましくは10〜70モル%。
<2>上記一般式(2)、(3)、(4)で示される繰り返し単位を合計で0〜60モル%、好ましくは2〜60モル%、より好ましくは3〜60モル%、更に好ましくは4〜50モル%、特に好ましくは5〜40モル%。
<3>上記一般式(1)〜(4)で示される繰り返し単位以外の芳香環を有する繰り返し単位を合計で0〜40モル%、好ましくは3〜40モル%、より好ましくは4〜35モル%、特に好ましくは5〜30モル%。
<4>硫黄原子を含有する繰り返し単位を合計で0〜40モル%、好ましくは3〜40モル%、より好ましくは4〜35モル%、特に好ましくは5〜30モル%。
<5>酸存在下で架橋反応を起こす繰り返し単位を合計で0〜90モル%、好ましくは5〜90モル%、より好ましくは8〜80モル%、特に好ましくは10〜70モル%。
<6>その他の繰り返し単位を合計で0〜60モル%、特に1〜60モル%、好ましくは3〜50モル%、より好ましくは5〜40モル%。
なお、これら<1>〜<6>の合計は100モル%である。
上記一般式(1)〜(4)で示される繰り返し単位のもととなる単量体は、市販のものをそのまま使用できる他、公知の有機化学的手法を用いて種々製造することができる。特に、本発明の高分子化合物(A)に含有される上記一般式(2)で示される繰り返し単位のもととなる単量体は特開2007−204385号公報に記載の方法で、上記一般式(3)で示される繰り返し単位のもととなる単量体は特開2006−152255号公報に記載の方法で製造できる。
上記一般式(1)〜(4)で示される繰り返し単位以外の芳香環を有する繰り返し単位、硫黄原子を含有する繰り返し単位、酸存在下で架橋反応を起こす繰り返し単位、そしてその他の繰り返し単位のもととなる単量体は、市販のものをそのまま使用できる他、公知の有機化学的手法を用いて種々製造することができる。
本発明の高分子化合物(A)を製造する重合反応は種々例示することができるが、好ましくはラジカル重合である。
ラジカル重合反応の反応条件は、(ア)溶剤としてベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコール系溶剤、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、乳酸エチル等のエステル系溶剤、γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶剤、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶剤を1種以上用い、(イ)重合開始剤としては公知のラジカル重合開始剤、具体的には、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等のアゾ化合物、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物を1種以上用い、(ウ)分子量調整の必要に応じてラジカル連鎖移動剤、例えば1−ブタンチオール、2−ブタンチオール、2−メチル−1−プロパンチオール、1−オクタンチオール、1−デカンチオール、1−テトラデカンチオール、シクロヘキサンチオール、2−メルカプトエタノール、1−メルカプト−2−プロパノール、3−メルカプト−1−プロパノール、4−メルカプト−1−ブタノール、6−メルカプト−1−ヘキサノール、1−チオグリセロール、チオグリコール酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオ乳酸等のチオール化合物を1種以上用い、(エ)反応温度を0〜140℃程度に保ち、(オ)反応時間を0.5〜48時間程度とするのが好ましいが、これらの範囲を外れる場合を排除するものではない。
なお、本発明の高分子化合物(A)の重量平均分子量はポリスチレン換算でのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した場合、1,000〜200,000、好ましくは2,000〜180,000である。この範囲を外れると、高分子化合物(A)と高分子化合物(B)との膜厚方向の分離が悪くなってしまったり、ドライエッチング速度が極端に小さくなってしまうことがある。
また、高分子化合物(A)の露光波長における消光係数(k値)は、0.01〜0.4、好ましくは0.02〜0.38、より好ましくは0.03〜0.35である。
k値が0.01より小さい場合、あるいはk値が0.4より大きい場合には、十分な反射防止効果を得ることができない(図5,7参照)。
また、高分子化合物(A)の露光波長における屈折率(n値)は、1.4〜2.1、好ましくは1.42〜2.08、より好ましくは1.45〜2.05である。
n値が1.4より小さい場合、あるいはn値が2.1より大きい場合には、十分な反射防止効果を得ることができない場合がある。
なお、高分子化合物(A)のk値、n値を上記範囲とするためには、上記した繰り返し単位の種類及び含有割合を調整すればよい。
本発明の反射防止膜形成材料に含有される高分子化合物(B)は、芳香環を有し、露光波長における消光係数(k値)が0.3〜1.2の範囲のものである。
高分子化合物(B)として具体的には、スチレン又はその誘導体、インデン、インドール、メチレンインダン、アセナフチレン、芳香環を有する(メタ)アクリル酸誘導体、ビニルナフタレン又はその誘導体、ビニルアントラセン又はその誘導体、ビニルカルバゾール等の重合性不飽和結合を有するモノマーの重合体が挙げられ、例えば[化17]に例示した一般式(1)〜(4)で示される繰り返し単位以外の芳香環を有する繰り返し単位を有する樹脂を挙げることができる。また、芳香環を有するポリエステル樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、ポリエーテル樹脂、ビスフェノールA型樹脂等を用いることができる。
更には、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−ジメチルフェノール、2,5−ジメチルフェノール、3,4−ジメチルフェノール、3,5−ジメチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、2−t−ブチルフェノール、3−t−ブチルフェノール、4−t−ブチルフェノール、レゾルシノール、2−メチルレゾルシノール、4−メチルレゾルシノール、5−メチルレゾルシノール、カテコール、4−t−ブチルカテコール、2−メトキシフェノール、3−メトキシフェノール、2−プロピルフェノール、3−プロピルフェノール、4−プロピルフェノール、2−イソプロピルフェノール、3−イソプロピルフェノール、4−イソプロピルフェノール、2−メトキシ−5−メチルフェノール、2−t−ブチル−5−メチルフェノール、ピロガロール、チモール、グリシジル−2−メチルフェニルエーテル、1−ナフトール、2−ナフトール、2−メチル−1−ナフトール、4−メトキシ−1−ナフトール、7−メトキシ−2−ナフトール及び1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン、3−ヒドロキシ−ナフタレン−2−カルボン酸メチル、インデン、ヒドロキシアントラセン、アセナフチレン、ビフェニル、ビスフェノール、トリスフェノール、イソチモール、ポリインデン、ポリアセナフチレン、ポリスチレン、4,4’−(9H−フルオレン−9−イリデン)ビスフェノール、2,2’ジメチル−4,4’−(9H−フルオレン−9−イリデン)ビスフェノール、2,2’ジアリル−4,4’−(9H−フルオレン−9−イリデン)ビスフェノール、2,2’ジフルオロ−4,4’−(9H−フルオレン−9−イリデン)ビスフェノール、2,2’ジフェニル−4,4’−(9H−フルオレン−9−イリデン)ビスフェノール、2,2’ジメトキシ−4,4’−(9H−フルオレン−9−イリデン)ビスフェノール、2,3,2’,3’−テトラヒドロ−(1,1’)−スピロビインデン−6,6’−ジオール、3,3,3’,3’−テトラメチル−2,3,2’,3’−テトラヒドロ−(1,1’)−スピロビインデン−6,6’−ジオール、3,3,3’,3’,4,4’−ヘキサメチル−2,3,2’,3’−テトラヒドロ−(1,1’)−スピロビインデン−6,6’−ジオール、2,3,2’,3’−テトラヒドロ−(1,1’)−スピロビインデン−5,5’−ジオール、5,5‘−ジメチル−3,3,3’,3’−テトラメチル−2,3,2’,3’−テトラヒドロ−(1,1’)−スピロビインデン−6,6’−ジオール等をアルデヒド類と縮合させたノボラック樹脂が挙げられる。
更に、本発明の高分子化合物(B)は、より緻密な反射防止膜を形成するために酸存在下で架橋反応を起こす繰り返し単位、例えば水酸基又はエポキシド、オキセタン等の環状エーテルによる架橋基又はカルボキシル基を含有する繰り返し単位を1種以上有することが好ましい。前記高分子化合物(B)が架橋反応を起こす繰り返し単位を含有する場合、反射防止膜がより緻密となってレジスト膜とのインターミキシングやレジスト膜への低分子成分の拡散が起こりにくくなるため、レジストパターンの形状不良を最小限に抑えることができる。このような繰り返し単位の例としては、[化19]で示される繰り返し単位や以下の繰り返し単位が例示される。
Figure 0005177418
本発明の高分子化合物(B)において、芳香環を有する繰り返し単位の合計は好ましくは30〜100モル%、より好ましくは40〜100モル%である。芳香環を有する繰り返し単位の割合が30モル%未満の場合には、高分子化合物(B)の消光係数(k値)が0.3に満たないものとなる場合がある。
なお、高分子化合物(B)としては、例えば以下の構造で例示される繰り返し単位を含有する共重合体が好ましい。
Figure 0005177418
クレゾールをナフトール、ヒドロキシピレン、ヒドロキシフルオレン、ヒドロキシインデン、又は4,4’−(9H−フルオレン−9−イリデン)ビスフェノールをアルデヒド類と縮合させた共重合体:
Figure 0005177418
4−ヒドロキシスチレンと(メタ)アクリル酸=1−アントラセンメチルの共重合体:
Figure 0005177418
下記式でそれぞれ示される繰り返し単位からなるポリマー:
Figure 0005177418
Figure 0005177418
それぞれ下記の繰り返し単位を含有する高分子化合物:
Figure 0005177418
例えば以下の繰り返し単位式I、式II、又は式IとIIの組み合わせで例示される、多価アルコールとエピクロロヒドリンとの重縮合体:
Figure 0005177418
例えば以下の繰り返し単位式iとii、式iとiii、又は式i、ii、iiiの組み合わせで例示される、酸無水物と多価アルコールとの重付加、あるいはカルボン酸と多価アルコールとの重縮合で得られる高分子化合物:
Figure 0005177418
上記高分子化合物(B)のGPCによるポリスチレン換算重量平均分子量は、1,000〜100,000、特に1,500〜90,000であることが好ましい。この範囲を外れると、高分子化合物(A)と高分子化合物(B)との膜厚方向の分離が悪くなってしまうことがある。
また、高分子化合物(B)の露光波長における消光係数(k値)は、0.3〜1.2、好ましくは0.32〜1.18、より好ましくは0.35〜1.15である。k値が0.3より小さい場合、あるいはk値が1.2より大きい場合には、十分な反射防止効果を得ることができない。
なお、高い反射防止効果を得るためには、この高分子化合物(B)は、そのk値が上記高分子化合物(A)のk値より大きいことが必要となる。この場合、高分子化合物(B)のk値は、高分子化合物(A)のk値より0.1以上、特に0.2以上大きいことが好ましい。
高分子化合物(B)において、k値を上記値にするには、芳香環を有する繰り返し単位の種類及び含有割合を適宜選択する必要がある。
本発明の反射防止膜形成材料において、上記高分子化合物(A)と高分子化合物(B)との含有割合は、A:Bが質量比で30:70〜80:20、特に40:60〜77:23が好ましい。
本発明の反射防止膜形成材料は、更に、有機溶剤、酸発生剤、架橋剤から選ばれる1種以上を含有することが好ましい。
本発明の反射防止膜形成材料は、基板への塗布性を向上させるために有機溶剤を含有することが好ましい。また、本発明の反射防止膜形成材料は、酸発生剤、あるいは架橋剤を含有する場合、スピンコート後の加熱において高分子化合物の架橋反応がより速やかに進行し、緻密な膜を形成することができる。その結果、レジスト膜とのインターミキシングやレジスト膜への低分子成分の拡散が起こりにくくなり、レジストパターンの形状不良を最小限に抑えることができる。
ここで用いられる有機溶剤、その配合量については、段落[0117]〜[0118]で詳述する。
本発明の反射防止膜形成材料においては、熱などによる架橋反応を促進させるために酸発生剤を添加することができる。酸発生剤は熱分解によって酸を発生するものや、光照射によって酸を発生するものがあるが、いずれのものも添加することができる。
本発明の反射防止膜形成材料で使用される酸発生剤としては、
i.下記一般式(P1a−1)、(P1a−2)、(2)又は(P1b)のオニウム塩、
ii.下記一般式(P2)のジアゾメタン誘導体、
iii.下記一般式(P3)のグリオキシム誘導体、
iv.下記一般式(P4)のビススルホン誘導体、
v.下記一般式(P5)のN−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル、
vi.β−ケトスルホン酸誘導体、
vii.ジスルホン誘導体、
viii.ニトロベンジルスルホネート誘導体、
ix.スルホン酸エステル誘導体
等が挙げられる。
一般式(P1a−1)、(P1a−2)、(2)又は(P1b)のオニウム塩としては、下記に示すものが挙げられる。
Figure 0005177418

(式中、R101a、R101b、R101cはそれぞれ炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルケニル基、オキソアルキル基又はオキソアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基又はアリールオキソアルキル基を示し、これらの基の水素原子の一部又は全部がアルコキシ基等によって置換されていてもよい。また、R101bとR101cとは互いに結合してこれらが結合する硫黄原子と共に環を形成してもよく、環を形成する場合には、R101b、R101cはそれぞれ炭素数1〜6のアルキレン基を示す。R101d、R101e、R101f、R101gは、水素原子、炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルケニル基、オキソアルキル基又はオキソアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基又はアリールオキソアルキル基を示し、これらの基の水素原子の一部又は全部がアルコキシ基によって置換されていてもよい。R101dとR101e、R101dとR101eとR101fとは互いに結合してこれらが結合する窒素原子と共に環を形成してもよく、環を形成する場合には、R101dとR101e及びR101dとR101eとR101fは炭素数3〜10のアルキレン基、又は式中の窒素原子を環の中に有する複素芳香族環を示す。K-は非求核性対向イオンを表す。)
上記R101a、R101b、R101c、R101d、R101e、R101f、R101gは互いに同一であっても異なっていてもよく、具体的にはアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロプロピルメチル基、4−メチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、プロぺニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。オキソアルキル基としては、2−オキソシクロペンチル基、2−オキソシクロヘキシル基等が挙げられ、2−オキソプロピル基、2−シクロペンチル−2−オキソエチル基、2−シクロヘキシル−2−オキソエチル基、2−(4−メチルシクロヘキシル)−2−オキソエチル基等を挙げることができる。オキソアルケニル基としては、2−オキソ−4−シクロヘキセニル基、2−オキソ−4−プロペニル基等が挙げられる。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等や、p−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、p−tert−ブトキシフェニル基、m−tert−ブトキシフェニル基等のアルコキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基等のアルキルフェニル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基等のアルキルナフチル基、メトキシナフチル基、エトキシナフチル基等のアルコキシナフチル基、ジメチルナフチル基、ジエチルナフチル基等のジアルキルナフチル基、ジメトキシナフチル基、ジエトキシナフチル基等のジアルコキシナフチル基等が挙げられる。アラルキル基としてはベンジル基、フェニルエチル基、フェネチル基等が挙げられる。アリールオキソアルキル基としては、2−フェニル−2−オキソエチル基、2−(1−ナフチル)−2−オキソエチル基、2−(2−ナフチル)−2−オキソエチル基等の2−アリール−2−オキソエチル基等が挙げられる。
-の非求核性対向イオンとしては、塩化物イオン、臭化物イオン等のハライドイオン、トリフレート、1,1,1−トリフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート等のフルオロアルキルスルホネート、トシレート、ベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、1,2,3,4,5−ペンタフルオロベンゼンスルホネート等のアリールスルホネート、メシレート、ブタンスルホネート等のアルキルスルホネート、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、ビス(パーフルオロエチルスルホニル)イミド、ビス(パーフルオロブチルスルホニル)イミド等のイミド酸、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、トリス(パーフルオロエチルスルホニル)メチド等のメチド酸、更には下記一般式(K−1)に示されるα位がフルオロ置換されたスルホネート、下記一般式(K−2)に示される、α、β位がフルオロ置換されたスルホネートが挙げられる。
Figure 0005177418

一般式(K−1)中、R102は水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アシル基、炭素数2〜20のアルケニル基、又は炭素数6〜20のアリール基又はアリーロキシ基である。一般式(K−2)中、R103は水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、又は炭素数6〜20のアリール基である。
-の非求核性対向イオンとしては、α位がフッ素で置換されたスルホネートが酸強度が強く、架橋反応速度が速いために最も好ましく用いることができる。
また、R101d、R101e、R101f、R101gが式中の窒素原子を環の中に有する複素芳香族環は、イミダゾール誘導体(例えばイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール等)、ピラゾール誘導体、フラザン誘導体、ピロリン誘導体(例えばピロリン、2−メチル−1−ピロリン等)、ピロリジン誘導体(例えばピロリジン、N−メチルピロリジン、ピロリジノン、N−メチルピロリドン等)、イミダゾリン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ピリジン誘導体(例えばピリジン、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジン、ブチルピリジン、4−(1−ブチルペンチル)ピリジン、ジメチルピリジン、トリメチルピリジン、トリエチルピリジン、フェニルピリジン、3−メチル−2−フェニルピリジン、4−tert−ブチルピリジン、ジフェニルピリジン、ベンジルピリジン、メトキシピリジン、ブトキシピリジン、ジメトキシピリジン、1−メチル−2−ピリドン、4−ピロリジノピリジン、1−メチル−4−フェニルピリジン、2−(1−エチルプロピル)ピリジン、アミノピリジン、ジメチルアミノピリジン等)、ピリダジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾリジン誘導体、ピペリジン誘導体、ピペラジン誘導体、モルホリン誘導体、インドール誘導体、イソインドール誘導体、1H−インダゾール誘導体、インドリン誘導体、キノリン誘導体(例えばキノリン、3−キノリンカルボニトリル等)、イソキノリン誘導体、シンノリン誘導体、キナゾリン誘導体、キノキサリン誘導体、フタラジン誘導体、プリン誘導体、プテリジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントリジン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、1,10−フェナントロリン誘導体、アデニン誘導体、アデノシン誘導体、グアニン誘導体、グアノシン誘導体、ウラシル誘導体、ウリジン誘導体等が例示される。
一般式(P1a−1)と(P1a−2)は、光酸発生剤、熱酸発生剤の両方の効果があるが、(2)は熱酸発生剤として作用する。
Figure 0005177418

(式中、R102a、R102bはそれぞれ炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。R103は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を示す。R104a、R104bはそれぞれ炭素数3〜7の2−オキソアルキル基を示す。K-は非求核性対向イオンを表す。)
上記R102a、R102bのアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロプロピルメチル基、4−メチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基等が挙げられる。R103のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、1,4−シクロへキシレン基、1,2−シクロへキシレン基、1,3−シクロペンチレン基、1,4−シクロオクチレン基、1,4−シクロヘキサンジメチレン基等が挙げられる。R104a、R104bの2−オキソアルキル基としては、2−オキソプロピル基、2−オキソシクロペンチル基、2−オキソシクロヘキシル基、2−オキソシクロヘプチル基等が挙げられる。K-は式(P1a−1)、(P1a−2)及び(2)で説明したものと同様のものを挙げることができる。
一般式(P1a−1)、(P1a−2)、(2)又は(P1b)のオニウム塩の中で、(P1a−1)、(P1a−2)、(P1b)が光あるいは熱によって酸を発生し、(2)は熱によって酸を発生する。(P1a−1)、(P1a−2)、(2)又は(P1b)のオニウム塩の中では(2)で示されるアンモニウム塩が本発明の反射防止膜形成材料に含まれる酸発生剤として最も好ましく用いることができる。(2)で示されるアンモニウム塩は、熱分解によって生じる物質がアミンと酸であるため、熱によって蒸発し、パーティクルの発生源となるおそれが小さい。従って、パターン形成時に基板を汚染するおそれが小さく、清浄度の高い基板を得ることができる。
Figure 0005177418

(式中、R105、R106は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のアリール基又はハロゲン化アリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基を示す。)
105、R106のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、アミル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。ハロゲン化アルキル基としてはトリフルオロメチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、1,1,1−トリクロロエチル基、ノナフルオロブチル基等が挙げられる。アリール基としてはフェニル基、p−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、p−tert−ブトキシフェニル基、m−tert−ブトキシフェニル基等のアルコキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基等のアルキルフェニル基が挙げられる。ハロゲン化アリール基としてはフルオロフェニル基、クロロフェニル基、1,2,3,4,5−ペンタフルオロフェニル基等が挙げられる。アラルキル基としてはベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
Figure 0005177418

(式中、R107、R108、R109は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のアリール基又はハロゲン化アリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基を示す。R108、R109は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環状構造を形成してもよく、環状構造を形成する場合、R108、R109はそれぞれ炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。R105は式(P2)のものと同様である。)
107、R108、R109のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、アラルキル基としては、R105、R106で説明したものと同様の基が挙げられる。なお、R108、R109のアルキレン基としてはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基等が挙げられる。
Figure 0005177418

(式中、R101a、R101bは前記と同様である。)
Figure 0005177418

(式中、R110は炭素数6〜10のアリーレン基、又は炭素数1〜6のアルキレン基又は炭素数2〜6のアルケニレン基を示し、これらの基の水素原子の一部又は全部は更に炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルコキシ基、ニトロ基、アセチル基、又はフェニル基で置換されていてもよい。R111は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は置換のアルキル基、アルケニル基又はアルコキシアルキル基、フェニル基、又はナフチル基を示し、これらの基の水素原子の一部又は全部は更に炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基;炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基又はアセチル基で置換されていてもよいフェニル基;炭素数3〜5のヘテロ芳香族基;又は塩素原子、フッ素原子で置換されていてもよい。)
ここで、R110のアリーレン基としては、1,2−フェニレン基、1,8−ナフチレン基等が、アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、フェニルエチレン基、ノルボルナン−2,3−ジイル基等が、アルケニレン基としては、1,2−ビニレン基、1−フェニル−1,2−ビニレン基、5−ノルボルネン−2,3−ジイル基等が挙げられる。R111のアルキル基としては、R101a〜R101cと同様のものが、アルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、1−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプレニル基、1−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、ジメチルアリル基、1−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、3−ヘプテニル基、6−ヘプテニル基、7−オクテニル基等が、アルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基、ペンチロキシメチル基、ヘキシロキシメチル基、ヘプチロキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、プロポキシエチル基、ブトキシエチル基、ペンチロキシエチル基、ヘキシロキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、プロポキシプロピル基、ブトキシプロピル基、メトキシブチル基、エトキシブチル基、プロポキシブチル基、メトキシペンチル基、エトキシペンチル基、メトキシヘキシル基、メトキシヘプチル基等が挙げられる。
なお、更に置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等が、炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基等が、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基又はアセチル基で置換されていてもよいフェニル基としては、フェニル基、トリル基、p−tert−ブトキシフェニル基、p−アセチルフェニル基、p−ニトロフェニル基等が、炭素数3〜5のヘテロ芳香族基としては、ピリジル基、フリル基等が挙げられる。
酸発生剤は、具体的には、オニウム塩としては、例えばトリフルオロメタンスルホン酸テトラメチルアンモニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸テトラメチルアンモニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸トリエチルアンモニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸ピリジニウム、カンファースルホン酸トリエチルアンモニウム、カンファースルホン酸ピリジニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸テトラn−ブチルアンモニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸テトラフェニルアンモニウム、p−トルエンスルホン酸テトラメチルアンモニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−メトキシフェニルメチル)ジメチルフェニルアンモニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジフェニルヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルヨードニウム、p−トルエンスルホン酸ジフェニルヨードニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、ブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリメチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジメチルフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ジメチルフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジシクロヘキシルフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ジシクロヘキシルフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリナフチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(2−ノルボニル)メチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、エチレンビス[メチル(2−オキソシクロペンチル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート]、1,2’−ナフチルカルボニルメチルテトラヒドロチオフェニウムトリフレート、トリエチルアンモニウムノナフレート、トリブチルアンモニウムノナフレート、テトラエチルアンモニウムノナフレート、テトラブチルアンモニウムノナフレート、トリエチルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、トリエチルアンモニウムトリス(パーフルオロエチルスルホニル)メチド等のオニウム塩を挙げることができる。
ジアゾメタン誘導体としては、ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(キシレンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロペンチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−アミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソアミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−アミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−アミルスルホニル)ジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(tert−アミルスルホニル)ジアゾメタン、1−tert−アミルスルホニル−1−(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン等のジアゾメタン誘導体を挙げることができる。
グリオキシム誘導体としては、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−2−メチル−3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−2−メチル−3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(メタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(トリフルオロメタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(1,1,1−トリフルオロエタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(tert−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(パーフルオロオクタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(シクロヘキサンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(ベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−フルオロベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(キシレンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(カンファースルホニル)−α−ジメチルグリオキシム等のグリオキシム誘導体を挙げることができる。
ビススルホン誘導体としては、ビスナフチルスルホニルメタン、ビストリフルオロメチルスルホニルメタン、ビスメチルスルホニルメタン、ビスエチルスルホニルメタン、ビスプロピルスルホニルメタン、ビスイソプロピルスルホニルメタン、ビス−p−トルエンスルホニルメタン、ビスベンゼンスルホニルメタン等のビススルホン誘導体を挙げることができる。
β−ケトスルホン酸誘導体としては、2−シクロヘキシルカルボニル−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン、2−イソプロピルカルボニル−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン等のβ−ケトスルホン酸誘導体を挙げることができる。
ジスルホン誘導体としては、ジフェニルジスルホン、ジシクロヘキシルジスルホン等のジスルホン誘導体を挙げることができる。
ニトロベンジルスルホネート誘導体としては、p−トルエンスルホン酸2,6−ジニトロベンジル、p−トルエンスルホン酸2,4−ジニトロベンジル等のニトロベンジルスルホネート誘導体を挙げることができる。
スルホン酸エステル誘導体としては、1,2,3−トリス(メタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(p−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼン等のスルホン酸エステル誘導体を挙げることができる。
N−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル誘導体としては、N−ヒドロキシスクシンイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドエタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−ペンタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−オクタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドp−トルエンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドp−メトキシベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−クロロエタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド−2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−ナフタレンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−ナフタレンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−2−フェニルスクシンイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシマレイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシマレイミドエタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−2−フェニルマレイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシグルタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシグルタルイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドp−トルエンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドp−トルエンスルホン酸エステル等のN−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル誘導体が挙げられる。
特に、ノナフルオロブタンスルホン酸トリエチルアンモニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−メトキシフェニルメチル)ジメチルフェニルアンモニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリナフチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(2−ノルボニル)メチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、1,2’−ナフチルカルボニルメチルテトラヒドロチオフェニウムトリフレート等のオニウム塩、ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン等のジアゾメタン誘導体、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム等のグリオキシム誘導体、ビスナフチルスルホニルメタン等のビススルホン誘導体、N−ヒドロキシスクシンイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−ペンタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドp−トルエンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドベンゼンスルホン酸エステル等のN−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル誘導体が好ましく用いられる。
なお、上記酸発生剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸発生剤の添加量は、用いる高分子化合物の合計を100質量部として、好ましくは0.1〜50質量部、より好ましくは0.5〜40質量部である。0.1質量部以上であれば酸発生量が十分で、十分な架橋反応が起こり、50質量部以下であれば上層レジストへ酸が移動することによるミキシング現象が起こるおそれが少ない。
本発明で使用可能な添加型の架橋剤の具体例を列挙すると、メチロール基、アルコキシメチル基、アシロキシメチル基から選ばれる少なくとも一つの基で置換されたメラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物又はウレア化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、アジド化合物、アルケニルエーテル基等の2重結合を含む化合物等を挙げることができる。また、酸無水物類も架橋剤として用いることができる。
前記架橋剤の具体例のうち、更にエポキシ化合物を例示すると、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリメチロールメタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリエチロールエタントリグリシジルエーテル等が例示される。メラミン化合物を具体的に例示すると、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンの1〜6個のメチロール基がメトキシメチル化した化合物又はその混合物、ヘキサメトキシエチルメラミン、ヘキサアシロキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜6個がアシロキシメチル化した化合物又はその混合物が挙げられる。グアナミン化合物としては、テトラメチロールグアナミン、テトラメトキシメチルグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜4個のメチロール基がメトキシメチル化した化合物又はその混合物、テトラメトキシエチルグアナミン、テトラアシロキシグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜4個のメチロール基がアシロキシメチル化した化合物又はその混合物が挙げられる。グリコールウリル化合物としては、テトラメチロールグリコールウリル、テトラメトキシグリコールウリル、テトラメトキシメチルグリコールウリル、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1〜4個がメトキシメチル化した化合物又はその混合物、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1〜4個がアシロキシメチル化した化合物又はその混合物が挙げられる。ウレア化合物としてはテトラメチロールウレア、テトラメトキシメチルウレア、テトラメチロールウレアのメチロール基の1〜4個がメトキシメチル化した化合物又はその混合物、テトラメトキシエチルウレア等が挙げられる。
イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート等が挙げられ、アジド化合物としては、1,1’−ビフェニル−4,4’−ビスアジド、4,4’−メチリデンビスアジド、4,4’−オキシビスアジドが挙げられる。
アルケニルエーテル基を含む化合物としては、エチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、1,2−プロパンジオールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、テトラメチレングリコールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ソルビトールテトラビニルエーテル、ソルビトールペンタビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等が挙げられる。
酸無水物としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’−(イソプロピリデン)ジフタル酸無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物等の芳香族酸無水物類、無水テトラヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水ドデセニルコハク酸、無水トリアルキルテトラヒドロフタル酸等の脂環式カルボン酸無水物類等が挙げられる。
本発明の反射防止膜形成材料に含まれる高分子化合物がグリシジル基を有する繰り返し単位を含有する場合は、ヒドロキシ基を含む化合物の添加が有効である。特に分子内に2個以上のヒドロキシ基を含む化合物が好ましい。ヒドロキシ基を含む化合物としては、例えば、ナフトールノボラック、m−及びp−クレゾールノボラック、ナフトール−ジシクロペンタジエンノボラック、m−及びp−クレゾール−ジシクロペンタジエンノボラック、4,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]−デカン、ペンタエリトリトール、1,2,6−ヘキサントリオール、4,4’,4’’−メチリデントリスシクロヘキサノール、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスシクロヘキサノール、[1,1’−ビシクロヘキシル]−4,4’−ジオール、メチレンビスシクロヘキサノール、デカヒドロナフタレン−2,6−ジオール、[1,1’−ビシクロヘキシル]−3,3’,4,4’−テトラヒドロキシ等のアルコール基含有化合物、ビスフェノール、メチレンビスフェノール、2,2’−メチレンビス[4−メチルフェノール]、4,4’−メチリデン−ビス[2,6−ジメチルフェノール]、4,4’−(1−メチル−エチリデン)ビス[2−メチルフェノール]、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール、4,4’−(1,3−ジメチルブチリデン)ビスフェノール、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス[2,6−ジメチルフェノール]、4,4’−オキシビスフェノール、4,4’−メチレンビスフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタノン、4,4’−メチレンビス[2−メチルフェノール]、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール、4,4’−(1,2−エタンジイル)ビスフェノール、4,4’−(ジエチルシリレン)ビスフェノール、4,4’−[2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチリデン]ビスフェノール、4,4’,4’’−メチリデントリスフェノール、4,4’−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、2,6−ビス[(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、4,4’,4’’−エチリジントリス[2−メチルフェノール]、4,4’,4’’−エチリジントリスフェノール、4,6−ビス[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]1,3−ベンゼンジオール、4,4’−[(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2−メチルフェノール]、4,4’,4’’,4’’’−(1,2−エタンジイリデン)テトラキスフェノール、4,4’,4’’,4’’’−エタンジイリデン)テトラキス[2−メチルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−[(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール]、4,4’,4’’,4’’’−(1,4−フェニレンジメチリジン)テトラキスフェノール、2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニルメチル)1,3−ベンゼンジオール、2,4’,4’’−メチリデントリスフェノール、4,4’,4’’’−(3−メチル−1−プロパニル−3−イリデン)トリスフェノール、2,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3−フロロフェニル)メチル]−4−フルオロフェノール、2,6−ビス[4−ヒドロキシ−3−フルオロフェニル]メチル]−4−フルオロフェノール、3,6−ビス[(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]1,2−ベンゼンジオール、4,6−ビス[(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]1,3−ベンゼンジオール、p−メチルカリックス[4]アレン、2,2’−メチレンビス[6−[(2,5/3,6−ジメチル−4/2−ヒドロキシフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス[6−[(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、4,4’,4’’,4’’’−テトラキス[(1−メチルエチリデン)ビス(1,4−シクロヘキシリデン)]フェノール、6,6’−メチレンビス[4−(4−ヒドロキシフェニルメチル)−1,2,3−ベンゼントリオール、3,3’,5,5’−テトラキス[(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)メチル]−[(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジオール]等のフェノール低核体が挙げられる。
本発明の反射防止膜形成材料における架橋剤の配合量は、用いる高分子化合物の合計を100質量部として1〜50質量部が好ましく、特に2〜40質量部が好ましい。1質量部以上であるとレジスト膜とミキシングを起こすおそれが少なく、50質量部以下であれば反射防止効果が低下したり、架橋後の膜にひび割れが入るおそれが少ない。なお、上記架橋剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の反射防止膜形成材料において使用可能な有機溶剤としては、前記のベースポリマー、酸発生剤、架橋剤、その他添加剤等が溶解するものであれば特に制限はない。その具体例を列挙すると、シクロヘキサノン、メチル−2−アミルケトン等のケトン類;3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸tert−ブチル、プロピレングリコールモノtert−ブチルエーテルアセテート等のエステル類が挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合使用できるが、これらに限定されるものではない。
本発明の反射防止膜形成材料においては、これら有機溶剤の中でもジエチレングリコールジメチルエーテルや1−エトキシ−2−プロパノール、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びこれらの混合溶剤が好ましく使用される。
有機溶剤の配合量は、全高分子化合物100質量部に対して200〜10,000質量部が好ましく、特に300〜8,000質量部とすることが好ましい。
更に、本発明の反射防止膜形成材料には、保存安定性を向上させるための塩基性化合物を1種以上配合することができる。
塩基性化合物は、保存中に酸発生剤より微量に発生した酸が架橋反応を進行させるのを防ぐクエンチャーの役割を果たす。
このような塩基性化合物としては、第一級、第二級、第三級の脂肪族アミン類、混成アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、カルボキシ基を有する含窒素化合物、スルホニル基を有する含窒素化合物、水酸基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物、アミド誘導体、イミド誘導体等が挙げられる。
具体的には、第一級の脂肪族アミン類として、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ペンチルアミン、tert−アミルアミン、シクロペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、セチルアミン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン等が例示され、第二級の脂肪族アミン類として、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、ジドデシルアミン、ジセチルアミン、N,N−ジメチルメチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルテトラエチレンペンタミン等が例示され、第三級の脂肪族アミン類として、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、トリペンチルアミン、トリシクロペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、トリドデシルアミン、トリセチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルテトラエチレンペンタミン等が例示される。
また、混成アミン類としては、例えばジメチルエチルアミン、メチルエチルプロピルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ベンジルジメチルアミン等が例示される。
芳香族アミン類及び複素環アミン類の具体例としては、アニリン誘導体(例えばアニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−プロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、エチルアニリン、プロピルアニリン、トリメチルアニリン、2−ニトロアニリン、3−ニトロアニリン、4−ニトロアニリン、2,4−ジニトロアニリン、2,6−ジニトロアニリン、3,5−ジニトロアニリン、N,N−ジメチルトルイジン等)、ジフェニル(p−トリル)アミン、メチルジフェニルアミン、トリフェニルアミン、フェニレンジアミン、ナフチルアミン、ジアミノナフタレン、ピロール誘導体(例えばピロール、2H−ピロール、1−メチルピロール、2,4−ジメチルピロール、2,5−ジメチルピロール、N−メチルピロール等)、オキサゾール誘導体(例えばオキサゾール、イソオキサゾール等)、チアゾール誘導体(例えばチアゾール、イソチアゾール等)、イミダゾール誘導体(例えばイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール等)、ピラゾール誘導体、フラザン誘導体、ピロリン誘導体(例えばピロリン、2−メチル−1−ピロリン等)、ピロリジン誘導体(例えばピロリジン、N−メチルピロリジン、ピロリジノン、N−メチルピロリドン等)、イミダゾリン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ピリジン誘導体(例えばピリジン、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジン、ブチルピリジン、4−(1−ブチルペンチル)ピリジン、ジメチルピリジン、トリメチルピリジン、トリエチルピリジン、フェニルピリジン、3−メチル−2−フェニルピリジン、4−tert−ブチルピリジン、ジフェニルピリジン、ベンジルピリジン、メトキシピリジン、ブトキシピリジン、ジメトキシピリジン、1−メチル−2−ピリドン、4−ピロリジノピリジン、1−メチル−4−フェニルピリジン、2−(1−エチルプロピル)ピリジン、アミノピリジン、ジメチルアミノピリジン等)、ピリダジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾリジン誘導体、ピペリジン誘導体、ピペラジン誘導体、モルホリン誘導体、インドール誘導体、イソインドール誘導体、1H−インダゾール誘導体、インドリン誘導体、キノリン誘導体(例えばキノリン、3−キノリンカルボニトリル等)、イソキノリン誘導体、シンノリン誘導体、キナゾリン誘導体、キノキサリン誘導体、フタラジン誘導体、プリン誘導体、プテリジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントリジン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、1,10−フェナントロリン誘導体、アデニン誘導体、アデノシン誘導体、グアニン誘導体、グアノシン誘導体、ウラシル誘導体、ウリジン誘導体等が例示される。
更に、カルボキシ基を有する含窒素化合物としては、例えばアミノ安息香酸、インドールカルボン酸、アミノ酸誘導体(例えばニコチン酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、グリシルロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、リジン、3−アミノピラジン−2−カルボン酸、メトキシアラニン)等が例示され、スルホニル基を有する含窒素化合物として3−ピリジンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム等が例示され、水酸基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物としては、2−ヒドロキシピリジン、アミノクレゾール、2,4−キノリンジオール、3−インドールメタノールヒドレート、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2,2’−イミノジエタノール、2−アミノエタノ−ル、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、1−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]ピペラジン、ピペリジンエタノール、1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリジノン、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、3−ピロリジノ−1,2−プロパンジオール、8−ヒドロキシユロリジン、3−クイヌクリジノール、3−トロパノール、1−メチル−2−ピロリジンエタノール、1−アジリジンエタノール、N−(2−ヒドロキシエチル)フタルイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)イソニコチンアミド等が例示される。
アミド誘導体としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド等が例示される。
イミド誘導体としては、フタルイミド、サクシンイミド、マレイミド等が例示される。
塩基性化合物の配合量は、用いる高分子化合物の合計を100質量部として0.001〜2質量部、特に0.01〜1質量部が好適である。配合量が0.001質量部以上であれば十分な配合効果が得られ、2質量部以下であれば熱で発生した酸を全てトラップして架橋しなくなるおそれが少ない。
更に、本発明は、リソグラフィーにより基板にパターンを形成する方法であって、少なくとも、上記反射防止膜形成材料を用いて基板上に反射防止膜を形成し、該反射防止膜上にフォトレジスト膜を形成して、該フォトレジスト膜のパターン回路領域を露光した後、現像液で現像して前記フォトレジスト膜にレジストパターンを形成し、該レジストパターンをマスクにして前記反射防止膜と前記基板をエッチングし、前記基板にパターンを形成することを特徴とするパターン形成方法を提供する。
本発明の反射防止膜形成材料を用いて、被加工基板上に反射防止膜を形成することが可能である。被加工基板は基板上に形成されるものであり、Si、SiO2、SiON、SiN、p−Si、α−Si、W、W−Si、Al、Cu、Al−Si等種々の低誘電膜及びそのエッチングストッパー膜が用いられ、通常10〜10,000nm、特に20〜5,000nmの厚さに形成し得る。ここで用いられる基板は特に限定されるものではないが、Si、SiO2、SiON、SiN、p−Si、α−Si、W、TiN、Al等で被加工基板と異なる材質のものが用いられる。
また、上記被加工基板上に、被加工基板を加工するためのハードマスクを敷いてもよく、ハードマスクとしては被加工基板がSiO2系の絶縁膜基板の場合はSiN、SiON、p−Si、p−Si、α−Si、W、W−Si等が用いられる。被加工基板がp−Si、W−Si、Al−Si等のゲート電極の場合はSiO2、SiN、SiON等が用いられる。
この場合、ハードマスク上に、本発明の反射防止膜形成材料を用いて反射防止膜を形成することができる。
また、上記被加工基板上に有機膜を形成し、該有機膜の上に珪素含有膜を形成してもよい。この場合、該珪素含有膜上に、本発明の反射防止膜形成材料を用いて反射防止膜を形成することができる。更に、該反射防止膜上にフォトレジスト膜を形成して、該フォトレジスト膜のパターン回路領域を露光した後、現像液で現像して前記フォトレジスト膜にレジストパターンを形成し、該レジストパターンをマスクにして前記反射防止膜と前記珪素含有膜をエッチングし、該パターンが形成された珪素含有膜をマスクにして前記有機膜をエッチングし、更に基板をエッチングして基板にパターンを形成することができる。
表面エネルギーの差によって高分子化合物(A)が上方に偏在し、高分子化合物(B)が下方に偏在する現象をより加速するためには、基板として親水性基板を用いることが好ましい。例えばSiO2基板は親水性基板であるが、HMDS処理を行うと撥水性基板となり高分子化合物(A)と高分子化合物(B)の分離がうまくいかないことがある。また、Si、SiON、SiN基板でも表面は自然酸化膜で覆われている場合は親水性が高いが、フッ酸等で処理した直後は撥水性が高いために高分子化合物(A)と高分子化合物(B)の分離がうまくいかないことがある。
本発明の反射防止膜の形成方法について説明する。
本発明の反射防止膜は、通常のフォトレジスト膜の形成法と同様にスピンコート法等で基板上に形成することが可能である。スピンコート法等で反射防止膜を形成した後、有機溶剤を蒸発させ、更に、レジスト膜とのミキシング防止のためにベークをかけて架橋反応を促進することが望ましい。ベーク温度は80〜300℃の範囲内で、10〜300秒の範囲内が好ましく用いられる。なお、この反射防止膜の厚さは反射防止効果を高めるように適宜選定されるが、10〜200nm、特に20〜150nmとすることが好ましい。このように反射防止膜を形成した後、その上にレジスト膜を形成する。
この場合、このレジスト膜を形成するためのフォトレジスト材料としては、例えば特開平9−73173号公報、特開2000−336121号公報に示される公知の材料を使用することができる。
なお、レジスト膜の厚さは特に制限されないが、30〜500nm、特に50〜400nmが好ましい。
上記フォトレジスト材料によりレジスト膜を形成する場合、前記反射防止膜を形成する場合と同様に、スピンコート法等が好ましく用いられる。レジスト膜をスピンコート法等で形成後、プリベークを行うが、80〜180℃で、10〜300秒の範囲で行うのが好ましい。
その後、常法に従い、レジスト膜のパターン回路領域の露光を行い、ポストエクスポージュアベーク(PEB)、現像を行い、レジストパターンを得る。
レジスト膜の上層にレジスト保護膜を適用することもできる。レジスト保護膜としては、反射防止機能を有することもでき、水溶性と非水溶性の材料がある。非水溶性材料としては、アルカリ現像液に溶解するものとアルカリ現像液に溶解せずフッ素系溶媒で剥離する材料があるが、前者はレジストの現像と同時に剥離可能であるために工程上のメリットがある。液浸露光の場合は、レジスト膜からの酸発生剤等の添加剤の溶出を防ぐ目的と滑水性を向上させる目的で保護膜を設ける場合がある。保護膜としては、水に溶解せず、アルカリに溶解する特性を有するものが好ましく、α位に複数のフッ素原子置換されたアルコール構造を有する高分子化合物を炭素数4以上の高級アルコールや炭素数8〜12のエーテル化合物に溶解したものが用いられる。保護膜の形成方法としては、プリベーク後のレジスト膜上に保護膜用液をスピンコートし、プリベークによって形成する。保護膜の膜厚としては10〜200nmの範囲が好ましく用いられる。
保護膜を用いた場合、ドライ又は液浸露光後、ポストエクスポージュアベーク(PEB)を行い、アルカリ現像液で10〜300秒間現像を行う。アルカリ現像液は2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液が一般的に広く用いられている。現像可溶の保護膜を用いた場合、保護膜の剥離とレジスト膜の現像を同時に行う。
液浸露光を行った場合は、PEB前に保護膜上の水を完全に除去するため、PEB前のスピンドライ、膜表面の乾燥空気や窒素によるパージ、あるいは露光後のステージ上の水回収ノズル形状や水回収プロセスの最適化等によって膜上の水を乾燥あるいは回収することが好ましい。PEB前に保護膜上の水が完全に除去されていない場合、PEB中に水がレジスト中の酸を吸い出すことによってパターン形成ができなくなることがある。
現像は、アルカリ水溶液を用いたパドル法、ディップ法等が用いられ、特には2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いたパドル法が好ましく用いられ、室温で10〜300秒の範囲で行われ、その後純水でリンスし、スピンドライあるいは窒素ブロー等によって乾燥される。
次に、レジストパターンが形成されたレジスト膜をマスクにしてドライエッチング等で反射防止膜のエッチングを行う。このエッチングは常法によって行うことができる。酸素ガスに加えて、He、Ar等の不活性ガスや、CO、CO2、NH3、SO2、N2、NO2ガスを加えることも可能であり、基板がSiO2、SiNであればフロン系ガスを主体としたエッチング、ポリシリコン(p−Si)やAl、Wでは塩素系、臭素系ガスを主体としたエッチングを行う。本発明の反射防止膜は、これら基板のエッチング時のエッチング速度が大きい特徴がある。
このエッチングにより基板にパターンが形成される。
なお、上記説明では上層膜形成材料としてフォトレジスト材料を挙げたが、反射防止膜形成材料は、光リソグラフィー以外の電子線露光を用いる場合等においても、レジスト膜の裾引きやアンダーカットを防止するためのレジスト下層膜を形成する目的で用いることができる。
以下、参考例、実施例、比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの記載によって限定されるものではない。
下記合成例で用いられるモノマー(Monomer1〜12)を以下に示す。
Figure 0005177418
[Polymer(A)1の合成]
窒素雰囲気としたフラスコに7.37gのMonomer1、2.63gのMonomer12、0.076gのAIBN(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル)、0.75gのMEK(メチルエチルケトン)、6.75gのトルエンをとり、モノマー溶液を調製した。窒素雰囲気とした別のフラスコに0.75gのMEK、6.75gのトルエンをとり、撹拌しながら80℃まで加熱した後、上記モノマー溶液を4時間かけて滴下した。滴下終了後、重合液の温度を80℃に保ったまま4時間撹拌を続け、室温まで冷却した。得られた重合液を100gのn−ヘキサンに滴下し、析出した高分子化合物を濾別した。得られた高分子化合物を60.0gのn−ヘキサンで2回洗浄し、50℃で20時間真空乾燥して白色粉末固体状の高分子化合物(Polymer(A)1)を8.47g得た。収率は85%であった。
得られた高分子化合物のGPCによる重量平均分子量(Mw)はポリスチレン換算で31,800、分散度(Mw/Mn)は2.19であった。13C−NMRで分析したところ、共重合組成比はMonomer1/Monomer12=60/40モル%であった。
[Polymer(A)2の合成]
窒素雰囲気としたフラスコに7.71gのMonomer1、2.29gのMonomer13、0.068gのAIBN、0.75gのMEK、6.75gのトルエンをとり、モノマー溶液を調製した。窒素雰囲気とした別のフラスコに0.75gのMEK、6.75gのトルエンをとり、撹拌しながら80℃まで加熱した後、上記モノマー溶液を4時間かけて滴下した。滴下終了後、重合液の温度を80℃に保ったまま4時間撹拌を続け、室温まで冷却した。得られた重合液を100gのn−ヘキサンに滴下し、析出した高分子化合物を濾別した。得られた高分子化合物を60.0gのn−ヘキサンとの混合溶媒で2回洗浄し、50℃で20時間真空乾燥して白色粉末固体状の高分子化合物(Polymer(A)2)を8.45g得た。収率は85%であった。
得られた高分子化合物のGPCによる重量平均分子量(Mw)はポリスチレン換算で37,500、分散度(Mw/Mn)は2.19であった。13C−NMRで分析したところ、共重合組成比はMonomer1/Monomer13=70/30モル%であった。
[Polymer(A)3〜15の合成]
上記と同様にて、又は公知の処方で合成したPolymer(A)3〜15を下記の表1に示す。
Figure 0005177418
[比較Polymer1〜6の合成]
同様のラジカル重合反応により、下記に示す比較Polymer1〜6を準備した。
Figure 0005177418
[Polymer(B)1の合成]
アルドリッチ(株)製のポリ(4−ヒドロキシスチレン)(重量平均分子量8,000)をPolymer(B)1として用いた。
[Polymer(B)2の合成]
200mLのフラスコにインデンを7.0g、6−ヒドロキシ−2−ビニルナフタレン6.9g、溶媒として1,2−ジクロロエタンを20g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、重合開始剤としてトリフルオロホウ素を0.5g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液を1/2まで濃縮し、メタノール2.5L、水0.2Lの混合溶液中に沈澱させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色高分子化合物(Polymer(B)2)を得た。
得られた高分子化合物のGPCによる重量平均分子量(Mw)はポリスチレン換算で15,000、分散度(Mw/Mn)は1.92であった。13C,1H−NMRで分析したところ、共重合組成比は6−ヒドロキシ−2−ビニルナフタレン/インデン=40/60モル%であった
Figure 0005177418
[Polymer(B)3の合成]
300mLのフラスコにm−クレゾールを160g、1−ナフトールを50g、37%ホルマリン水溶液を75g、シュウ酸を5g加え、100℃で24時間撹拌させた。反応後メチルイソブチルケトン500mLに溶解し、十分な水洗により触媒と金属不純物を除去し、溶媒を減圧除去し、150℃,2mmHgまで減圧し、水分、未反応モノマーを除き、188gの高分子化合物(Polymer(B)3)を得た。
得られた高分子化合物のGPCによる重量平均分子量(Mw)はポリスチレン換算で12,000、分散度(Mw/Mn)は4.60であった。1H−NMRで分析したところ、共重合組成比はa1/b1=80/20モル%であった。
Figure 0005177418
[Polymer(B)4の合成]
300mLのフラスコにm−クレゾールを160g、1−ヒドロキシピレンを70g、37%ホルマリン水溶液を75g、シュウ酸を5g加え、100℃で24時間撹拌させた。反応後メチルイソブチルケトン500mLに溶解し、十分な水洗により触媒と金属不純物を除去し、溶媒を減圧除去し、150℃,2mmHgまで減圧し、水分、未反応モノマーを除き、193gの高分子化合物(Polymer(B)4)を得た。
得られた高分子化合物のGPCによる重量平均分子量(Mw)はポリスチレン換算で12,700、分散度(Mw/Mn)は4.80であった。1H−NMRで分析したところ、共重合組成比はa1/b2=83/17モル%であった。
Figure 0005177418
[Polymer(B)5の合成]
300mLのフラスコにm−クレゾールを160g、2−ヒドロキシフルオレンを60g、37%ホルマリン水溶液を75g、シュウ酸を5g加え、100℃で24時間撹拌させた。反応後メチルイソブチルケトン500mLに溶解し、十分な水洗により触媒と金属不純物を除去し、溶媒を減圧除去し、150℃,2mmHgまで減圧し、水分、未反応モノマーを除き、190gの高分子化合物(Polymer(B)5)を得た。
得られた高分子化合物のGPCによる重量平均分子量(Mw)はポリスチレン換算で10,800、分散度(Mw/Mn)は4.30であった。1H−NMRで分析したところ、共重合組成比はa1/b3=75/25モル%であった。
Figure 0005177418
[Polymer(B)6の合成]
300mLのフラスコにm−クレゾールを160g、6−ヒドロキシインデンを50g、37%ホルマリン水溶液を75g、シュウ酸を5g加え、100℃で24時間撹拌させた。反応後メチルイソブチルケトン500mLに溶解し、十分な水洗により触媒と金属不純物を除去し、溶媒を減圧除去し、150℃,2mmHgまで減圧し、水分、未反応モノマーを除き、175gの高分子化合物(Polymer(B)6)を得た。
得られた高分子化合物のGPCによる重量平均分子量(Mw)はポリスチレン換算で9,800、分散度(Mw/Mn)は5.30であった。1H−NMRで分析したところ、共重合組成比はa1/b4=68/32モル%であった。
Figure 0005177418
[Polymer(B)7の合成]
100mLのフラスコに下記化合物1を2g、37%ホルマリン水溶液を0.75g、シュウ酸を0.05g加え、100℃で24時間撹拌させた。反応後メチルイソブチルケトン10mLに溶解し、十分な水洗により触媒と金属不純物を除去し、溶媒を減圧除去し、150℃,2mmHgまで減圧し、水分、未反応モノマーを除き、1.8gの高分子化合物(Polymer(B)7)を得た。
得られた高分子化合物のGPCによる重量平均分子量(Mw)はポリスチレン換算で4,000、分散度(Mw/Mn)は2.60であった。
Figure 0005177418
[Polymer(B)8の合成]
500mLのフラスコに4−ヒドロキシスチレン82g、メタクリル酸=1−アントラセンメチル85g、溶媒としてトルエンを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素フローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を4.1g加え、80℃まで昇温後、24時間反応させた。この反応溶液を1/2まで濃縮し、メタノール300mL、水50mLの混合溶液中に沈澱させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色高分子化合物(Polymer(B)8)を133g得た。
得られた高分子化合物のGPCによる重量平均分子量(Mw)はポリスチレン換算で14,400、分散度(Mw/Mn)は1.77であった。1H−NMRで分析したところ、共重合組成比は4−ヒドロキシスチレン/メタクリル酸=1−アントラセンメチル=56/44モル%であった。
Figure 0005177418
[Polymer(B)9の合成]
300mLのフラスコに下記に示す化合物2を200g、37%ホルマリン水溶液75g、シュウ酸5gを加え、撹拌しながら100℃で24時間反応させた。反応後、メチルイソブチルケトン500mLに溶解し、十分な水洗により触媒と金属不純物を除去し、溶媒を減圧除去し、150℃,2mmHgまで減圧し、水分、未反応モノマーを除き、高分子化合物(Polymer(B)9)を163g得た。
得られた高分子化合物のGPCによる重量平均分子量(Mw)はポリスチレン換算で13,000、分散度(Mw/Mn)は4.60であった。
Figure 0005177418
[Polymer(B)10の合成]
200mLのフラスコにアセナフチレンを15.2g、4−ヒドロキシスチレンを3.3g、溶媒として1,2−ジクロロエタンを60g添加した。重合開始剤としてトリフルオロホウ素を1g加え、60℃まで昇温後、25時間反応させた。この反応溶液に、メタノール1L、水500gを加え重合物を沈澱させ、得られた白色固体を濾過後、乾燥を行い、白色高分子化合物(Polymer(B)10)を12g得た。
得られた高分子化合物のGPCによる重量平均分子量(Mw)はポリスチレン換算で8,800、分散度(Mw/Mn)は1.82であった。13C,1H−NMRで分析したところ、共重合組成比はアセナフチレン/4−ヒドロキシスチレン=75/25モル%であった。
Figure 0005177418
[Polymer(B)11の合成]
2Lのフラスコにグリシジルメタクリレート56.8g、4−ヒドロキシスチレン48.0g、インデン25.5g、溶媒としてテトラヒドロフランを150g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素フローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBNを2.6g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1,500mL溶液中に沈澱させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色高分子化合物(Polymer(B)11)を110.1g得た。
得られた高分子化合物のGPCによる重量平均分子量(Mw)はポリスチレン換算で8,400、分散度(Mw/Mn)は1.83であった。13C,1H−NMRで分析したところ、共重合組成比はグリシジルメタクリレート/4−ヒドロキシスチレン/インデン=42/38/20モル%であった。
Figure 0005177418
[Polymer(B)12の合成]
200mLのフラスコにインデンを11.5g、N−ヒドロキシエチルマレイミドを14.1g、溶媒としてテトラヒドロフランを15g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素フローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を2.5g加え、55℃まで昇温後、25時間反応させた。この反応溶液にアセトン5mLを加えて希釈後、イソプロピルアルコール2L溶液中に沈澱させ、得られた白色固体を濾過後、40℃で減圧乾燥し、白色高分子化合物(Polymer(B)12)を13g得た。
得られた高分子化合物のGPCによる重量平均分子量(Mw)はポリスチレン換算で6,500、分散度(Mw/Mn)は1.66であった。13C,1H−NMRで分析したところ、共重合組成比はインデン/N−ヒドロキシエチルマレイミド=50/50モル%であった。
Figure 0005177418
[Polymer(B)13の合成]
300mLのフラスコにm−クレゾール120g、4,4’−(9H−フルオレン−9−イリデン)ビスフェノール150g、37%ホルマリン水溶液75g、シュウ酸5gを加え、撹拌しながら100℃で24時間撹拌させた。反応後メチルイソブチルケトン500mLに溶解し、十分な水洗により触媒と金属不純物を除去し、溶媒を減圧除去し、150℃,2mmHgまで減圧し、水分、未反応モノマーを除き、高分子化合物(Polymer(B)13)を255g得た。
得られた高分子化合物のGPCによる重量平均分子量(Mw)はポリスチレン換算で6,000、分散度(Mw/Mn)は3.70であった。1H−NMRで分析したところ、共重合組成比はa1/b5=67/33モル%であった。
Figure 0005177418
[Polymer(B)14の合成]
300mLのフラスコにm−クレゾール120g、37%ホルマリン水溶液54g、シュウ酸3gを加え、撹拌しながら100℃で24時間撹拌させた。反応後メチルイソブチルケトン300mLに溶解し、十分な水洗により触媒と金属不純物を除去し、溶媒を減圧除去し150℃,2mmHgまで減圧し水分、未反応モノマーを除いた。
300mLのフラスコに合成したノボラック樹脂120g、9−アントラセンメタノール41gをTHF(テトラヒドロフラン)溶媒に溶解させ、トシル酸0.5gを加え、80℃で24時間撹拌させた。水洗により触媒と金属不純物を除去し、THFを減圧除去することによって、高分子化合物(Polymer(B)14)を155g得た。
得られた高分子化合物のGPCによる重量平均分子量(Mw)はポリスチレン換算で6,000、分散度(Mw/Mn)は2.70であった。1H−NMRで分析したところ、共重合組成比はa1/b6=65/35モル%であった。
Figure 0005177418
[Polymer(B)15の合成]
300mLのフラスコに重量平均分子量(Mw)14,000、重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)1.67のポリ−p−ヒドロキシスチレン120g、9−アントラセンメタノール41gをTHF溶媒に溶解させ、トシル酸0.5gを加え、80℃で24時間撹拌させた。水洗により触媒と金属不純物を除去し、THFを減圧除去することによって、高分子化合物(Polymer(B)15)を155g得た。
得られた高分子化合物のGPCによる重量平均分子量(Mw)はポリスチレン換算で15,000、分散度(Mw/Mn)は1.70であった。1H−NMRで分析したところ、共重合組成比はa2/b7=20/80モル%であった。
Figure 0005177418
[Polymer(B)16の合成]
300mLのフラスコに4,4’−(9H−フルオレン−9−イリデン)ビスフェノール180g、37%ホルマリン水溶液75g、シュウ酸5gを加え、撹拌しながら100℃で24時間撹拌させた。反応後メチルイソブチルケトン500mLに溶解し、十分な水洗により触媒と金属不純物を除去し、溶媒を減圧除去し、150℃,2mmHgまで減圧し、水分、未反応モノマーを除き、高分子化合物(Polymer(B)16)を163g得た。
得られた高分子化合物のGPCによる重量平均分子量(Mw)はポリスチレン換算で11,000、分散度(Mw/Mn)は4.40であった。
Figure 0005177418
[Polymer(B)17]
アルドリッチ(株)製のポリ[(o−クレゾールグリシジルエーテル)−co−ホルムアルデヒド](重量平均分子量2,000)をPolymer(B)17として用いた。
Figure 0005177418
m=重量平均分子量2,000となる値
[Polymer(B)18の合成]
窒素雰囲気としたフラスコに15.05gのビスフェノール−A、22.16gのビスフェノール−AF、46.40gの25%水酸化ナトリウム水溶液、97.02gの水、200mgのベンジルトリエチルアンモニウムクロリドをとり、70℃で加熱して撹拌し、均一溶液とした。そこへ12.81gのエピクロロヒドリンを124.83gのシクロペンチルメチルエーテルに溶かした溶液を加え、フラスコ内温を84℃として5.5時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、26.43gの20%塩酸と108.57gの水を加えた。更に300gの酢酸エチルを加え、分液により水層を除去した。得られた有機層を300gの水で4回洗浄した後、溶媒を減圧留去した。シクロペンチルメチルエーテルを加えて300gとした溶液をヘキサン1,500gに滴下し、析出した高分子化合物を濾別した。得られた高分子化合物を300gのヘキサンで2回洗浄し、50℃で2時間、90℃で22時間真空乾燥して白色固体状の高分子化合物(Polymer(B)18)を41.01g得た。
得られた高分子化合物のGPCによる重量平均分子量(Mw)はポリスチレン換算で6,430、分散度(Mw/Mn)は1.76であった。1H−NMRで分析したところ、共重合体の組成比はa3/b8=51/49モル%であった。
Figure 0005177418
[Polymer(B)19の合成]
窒素雰囲気としたフラスコに12.93gのビスフェノール−AF、13.54gの25%水酸化ナトリウム水溶液、28.27gの水、333mgのベンジルトリエチルアンモニウムクロリドをとり、50℃で加熱して撹拌し、均一溶液とした。そこへ4.45gのエピクロロヒドリンを18.21gのメチルイソブチルケトンに溶かした溶液を加え、フラスコ内温を89℃として9時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、20%塩酸を7.19gを加えた。更に80gの酢酸エチルを加え、分液により水層を除去した。得られた有機層を50gの水で4回洗浄した後、溶媒を減圧留去して28.94gまで濃縮し、1.23gの酢酸エチルと30.17gのトルエンを加えて均一溶液とした。激しく撹拌した300gのn−ヘキサンへこの高分子溶液を滴下し、析出した析出した高分子化合物を濾別した。得られた高分子化合物を90gのn−ヘキサンで2回洗浄し、50℃で1時間、70℃で2.5時間、90℃で11.5時間真空乾燥して白色固体状の高分子化合物(Polymer(B)19)を14.62g得た。
得られた高分子化合物のGPCによる重量平均分子量(Mw)はポリスチレン換算で16,700、分散度(Mw/Mn)は2.76であった。
Figure 0005177418
[Polymer(B)20の合成]
窒素雰囲気としたフラスコに24.25gの2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン二無水物、3.52gのグリセロール、2.75gの2,6−ビスヒドロキシメチル−p−クレゾール、117.90gのアセトニトリルをとり、内温83℃にて48時間撹拌した。得られた反応溶液を3,050gの水に滴下し、析出した高分子化合物を濾別した。得られた高分子化合物を240gの水で3回洗浄し、60℃で27.5時間真空乾燥して固体状の高分子化合物(Polymer(B)20)を28.91g得た。
得られた高分子化合物のGPCによる重量平均分子量(Mw)はポリスチレン換算で15,300、分散度(Mw/Mn)は29.6であった。13C−NMRで分析したところ、共重合体の組成比はa4/b9/c1=52/33/15モル%であった。
Figure 0005177418
[Polymer(B)21の合成]
窒素雰囲気としたフラスコに36.00gの2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン二無水物、5.22gのグリセロール、4.09gの2,6−ビスヒドロキシメチル−p−クレゾール、175.03gのアセトニトリルをとり、内温83℃にて50時間撹拌した。そこへ22.66gの水を加え、内温77℃にて更に4時間撹拌した。得られた反応溶液を4,500gの水に滴下し、析出した高分子化合物を濾別した。得られた高分子化合物を360gの水で3回洗浄し、60℃で26時間真空乾燥して固体状の高分子化合物(Polymer(B)21)を38.92g得た。
得られた高分子化合物のGPCによる重量平均分子量(Mw)はポリスチレン換算で6,800、分散度(Mw/Mn)は47.6であった。13C−NMRで分析したところ、共重合体の組成比はa4/b9/c1=52/33/15モル%であった。
Figure 0005177418
[比較Polymer7の合成]
500mLのフラスコに4−ヒドロキシスチレンを40g、2−メタクリル酸=1−アダマンタンを160g、溶媒としてトルエンを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素フローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBNを4.1g加え、80℃まで昇温後、24時間反応させた。この反応溶液を1/2まで濃縮し、メタノール300mL、水50mLの混合溶液中に沈澱させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色高分子化合物(比較Polymer7)を188g得た。
得られた高分子化合物のGPCによる重量平均分子量(Mw)はポリスチレン換算で10,900、分散度(Mw/Mn)は1.77であった。1H−NMRで分析したところ、共重合組成比は4−ヒドロキシスチレン/2−メタクリル酸=1−アダマンタン=32/68モル%であった。
Figure 0005177418
[各高分子化合物の光学パラメーター測定]
上記Polymer(A)1〜15で示される高分子化合物(A)、比較Polymer1〜7で示される高分子化合物、Polymer(B)1〜21で示される芳香環を有する高分子化合物(B)、及び溶剤を、表2に示す組成で混合した。次に、それらを0.1μmのフッ素樹脂製のフィルターで濾過し、光学パラメーター測定用塗布液を調製した。調製した塗布液(Polymer(A)1〜15、比較Polymer1〜7、Polymer(B)1〜21)をSi基板上に塗布して、200℃で60秒間ベークして光学パラメーター測定用の塗布膜を形成した。塗布膜の形成後、J.A.ウーラム社の入射角度可変の分光エリプソメーター(VASE)で波長193nmにおける屈折率(n)、消光係数(k)を求め、その結果を表2に示した。
Figure 0005177418
表2中の組成は次の通りである。
有機溶剤:PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
表2に示されるように、Polymer(A)14,15は消光係数(k値)が高すぎて十分な反射防止効果が得られない。その他の高分子化合物(A)及び高分子化合物(B)は、表2に示されるように、波長193nmで適切な消光係数(k値)を有し、両者を適切に組み合わせて層1、層2、層3の膜厚を調整することで、十分な反射防止効果を発揮できる。
[耐ドライエッチング性評価]
上記高分子化合物(A),(B)、比較Polymer5で示される高分子化合物、下記AG1,AG2,AG3で示される酸発生剤、CR1で示される架橋剤、界面活性剤FC−4430(住友スリーエム(株)製)及び溶剤を、表3に示す組成で混合した。次に、それらをテフロン(登録商標)製フィルター(孔径0.2μm)で濾過し、ドライエッチング性評価用塗布液を調製した。調製した塗布液をSi基板上に塗布して参考例1〜5、比較例1では220℃で60秒間ベークし、参考例6、実施例1では180℃で60秒間ベークしてそれぞれの塗布膜を形成した。
また、同様にして後述のArF単層レジスト材料をSi基板上に塗布して110℃で60秒間ベークして塗布膜を形成した。
これらの塗布膜を東京エレクトロン(株)製ドライエッチング装置TE−8500Pを用いCHF3/CF4系ガスでエッチングし、エッチング前後の膜厚差を求めた。得られた結果を表3に示した。
エッチング条件は下記に示す通りである。
チャンバー圧力 300mTorr
RFパワー 1,000W
ギャップ 9mm
CHF3ガス流量 50ml/min
CF4ガス流量 50ml/min
Heガス流量 200ml/min
2ガス流量 7ml/min
時間 60sec
Figure 0005177418
表3中の各組成は次の通りである。
酸発生剤:AG1,AG2,AG3(下記構造式参照)
Figure 0005177418

架橋剤:CR1(下記構造式参照)
Figure 0005177418
表3に示されるように、本発明の反射防止膜形成材料に用いる高分子化合物(A)は、ArF単層レジスト材料と比較してエッチング速度が速い特徴を有し、高分子化合物(A)と高分子化合物(B)を含む反射防止膜形成材料についてもArF単層レジスト材料と比較してエッチング速度が速いものを得ることができる。
[反射防止膜の接触角測定]
上記Polymer(A)5で示される高分子化合物(A)、Polymer(B)21で示される芳香環を有する高分子化合物(B)、比較Polymer4,6で示される高分子化合物、AG2で示される酸発生剤、CR1で示される架橋剤及び溶剤を、表4に示す組成で混合した。次に、それらをテフロン(登録商標)製フィルター(孔径0.2μm)で濾過し、膜厚測定用塗布液を調製した。上記で調製した塗布液をSi基板上にスピンコートして180℃で60秒間ベークして塗布膜を形成した。塗布膜の形成後、協和界面科学(株)製DropMaster 500を用いて塗布膜上に5μLの水を滴下し、接触角を測定した。その結果を表4に示した。
Figure 0005177418
表4の実施例2に示されるように、本発明の反射防止膜形成材料を用いて形成される反射防止膜の接触角は高分子化合物(A)を用いて形成した塗布膜の接触角に近い値となり、この反射防止膜の表面側に高分子化合物(A)が偏在していることが期待される。
[反射防止膜の膜厚測定]
上記Polymer(A)1〜5,7,10で示される高分子化合物(A)、比較Polymer1〜4,6,7で示される高分子化合物、Polymer(B)1〜3,10,16〜21で示される芳香環を有する高分子化合物(B)、AG1,AG2,AG3で示される酸発生剤、CR1,CR2で示される架橋剤及び溶剤を、表5に示す組成で混合した。次に、それらをテフロン(登録商標)製フィルター(孔径0.2μm)で濾過し、膜厚測定用塗布液を調製した。調製した塗布液をSi基板上にスピンコートして実施例3,4,7,12,13,15、比較例10では180℃で60秒間ベークし、実施例5,6,8〜11,14、比較例5〜9では220℃で60秒間ベークして膜厚測定用塗布膜を形成した。塗布膜の形成後、J.A.ウーラム社の入射角度可変の分光エリプソメーター(VASE)で膜厚を求め、その結果を表5に示した。
Figure 0005177418
表5中の組成は次の通りである。
架橋剤:CR2(下記構造式参照)
Figure 0005177418
表5に示されるように、本発明の反射防止膜形成材料は、基板上に反射防止膜をスピンコートし、ベークすることによって高分子化合物(A)及び(B)が偏在する結果、消光係数(k値)の低い上層と消光係数(k値)の高い下層が形成され、用いる高分子化合物によっては高分子化合物(A)と高分子化合物(B)の混合層が中間層として形成される。適切な高分子化合物(A)及び(B)の組み合わせと配合比を選択して上層、混合層、下層の膜厚を調整することで、所望の基板に対して効果的に露光光の反射を防止できる反射防止膜の形成が可能となる。
[レジストパターニング評価]
下記に示す重合体(ArF単層レジストポリマー1)、酸発生剤、塩基性化合物をFC−4430(住友スリーエム(株)製)0.1質量%を含む有機溶剤中に表6に示す割合で溶解させ、テフロン(登録商標)製フィルター(孔径0.2μm)で濾過することによって、ArF単層レジスト材料溶液を調製した。
Figure 0005177418
表6中の各組成は次の通りである。
重合体:ArF単層レジストポリマー1(下記構造式参照)
Figure 0005177418

酸発生剤:PAG1(下記構造式参照)
Figure 0005177418

塩基性化合物:Quencher1(下記構造式参照)
Figure 0005177418
上記調製した反射防止膜の溶液(実施例3,4,14,15、比較例8,9)をSi基板上に塗布して、実施例3,4,15では180℃で60秒間ベークし、実施例14、比較例8,9では220℃で60秒間ベークして上記表5と同様に反射防止膜を形成した。この反射防止膜上に上記の通り調製したArF単層レジスト材料溶液を塗布し、プリベークを110℃で60秒間行って膜厚160nmのフォトレジスト膜を形成した。次いでArF露光装置((株)ニコン製;S307E、NA0.85、σ0.93、2/3輪体照明、6%ハーフトーン位相シフト)で露光し、110℃で60秒間ベーク(PEB)し、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で60秒間現像し、ポジ型のパターンを得た。得られたパターンの80nmラインアンドスペースのパターンの断面形状を観察した。結果を表7に示した。
Figure 0005177418
表7に示されるように、本発明の反射防止膜形成材料を用いて形成した反射防止膜上のフォトレジスト膜には矩形形状で裾引きのない良好なレジストパターンが形成されることが確認できた。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
NA0.85の条件で反射防止膜の屈折率n値を1.6で固定し、消光係数k値を0〜1.0の範囲で変化させた時の、反射防止膜の膜厚と基板反射率の関係を示すグラフである。 NA1.35の条件で反射防止膜の屈折率n値を1.6で固定し、消光係数k値を0〜1.0の範囲で変化させた時の、反射防止膜の膜厚と基板反射率の関係を示すグラフである。 NA1.35の条件で膜厚100nmの反射防止膜の消光係数k値を0.3で固定し、屈折率n値を1.2〜2.2の範囲で変化させた時の、反射防止膜の基板反射率を示すグラフである。 NA1.35の条件で2層の反射防止膜を適用し、下層膜の消光係数k値を0〜1.0の範囲で変化させた時の、下層膜の膜厚と基板反射率の関係を示すグラフである(上層膜のk値は0.2、n値は1.6、膜厚は60nm、下層膜のn値は1.6としている)。 NA1.35の条件で2層の反射防止膜を適用し、上層膜の消光係数k値を0〜1.0の範囲で変化させた時の、上層膜の膜厚と基板反射率の関係を示すグラフである(上層膜のn値は1.6、下層膜のk値は0.6、n値は1.6、膜厚は40nmとしている)。 NA1.35の条件で2層の反射防止膜を適用し、上層膜の屈折率k値を0.2、膜厚を60nmで固定し消光係数k値を1.2〜2.2の範囲で変化させた時の、基板反射率を示すグラフである(下層膜のk値は0.6、n値は1.6、膜厚は40nmとしている)。 NA1.35の条件で3層の反射防止膜を適用し、上層膜の消光係数k値を0〜1.0の範囲で変化させた時の、中間層の膜厚と基板反射率の関係を示すグラフである(上層膜のn値は1.6、膜厚は45nm、中間層のk値は0.4、n値は1.6、下層膜のk値は0.6、n値は1.6、上層、中間層及び下層の合計膜厚は95nmとしている)。

Claims (12)

  1. 下記一般式(1)で示される繰り返し単位を1種以上有し、ArFエキシマレーザー光の波長193nmにおける消光係数(k値)が0.01〜0.4、屈折率(n値)が1.4〜2.1の範囲の高分子化合物(A)と、芳香環を有し、前記波長における消光係数(k値)が0.3〜1.2の範囲の高分子化合物(B)とをそれぞれ1種以上含有することを特徴とする反射防止膜形成材料。
    Figure 0005177418

    (式中、R1は水素原子、メチル基、フッ素原子、又はトリフルオロメチル基であり、R2〜R6はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基、又は1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜5のアルコキシ基を示すが、R2〜R6すべてが同時に水素原子となることはない。)
  2. 前記高分子化合物(A)が、上記一般式(1)で示される繰り返し単位を3〜90モル%含有することを特徴とする請求項1に記載の反射防止膜形成材料。
  3. 前記高分子化合物(A)が、更に下記一般式(2)〜(4)で示される繰り返し単位から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の反射防止膜形成材料。
    Figure 0005177418

    (式中、R7、R9、R13はそれぞれ独立に水素原子、メチル基、フッ素原子、又はトリフルオロメチル基を示す。R8は水素原子、又は炭素数1〜30の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を示し、1価炭化水素基の場合、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されていてもよく、また、構成する−CH2−が−O−又は−C(=O)−に置換されていてもよい。nは1又は2を示す。L1は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状の2価又は3価の炭化水素基を示す。R10〜R12はそれぞれ独立に水素原子、水酸基、ハロゲン原子、又は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状の1価有機基を示す。R10〜R12は任意の組み合わせで少なくともそのうちの2つが互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。R14は1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換された炭素数2〜15の炭化水素基を示す。)
  4. 前記高分子化合物(A)が、前記一般式(2)、(3)、(4)で示される繰り返し単位を合計で2〜60モル%含有することを特徴とする請求項3に記載の反射防止膜形成材料。
  5. 前記高分子化合物(A)が、更に酸で架橋反応を起こす繰り返し単位を1種以上含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の反射防止膜形成材料。
  6. 前記高分子化合物(A)が、前記酸で架橋反応を起こす繰り返し単位を合計で5〜90モル%含有することを特徴とする請求項5に記載の反射防止膜形成材料。
  7. 前記高分子化合物(B)が、芳香環を有する繰り返し単位を30〜100モル%含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の反射防止膜形成材料。
  8. 高分子化合物(B)が、下記式(i)〜(xxvi)で示されるいずれかの繰り返し単位を有するものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の反射防止膜形成材料。
    Figure 0005177418

    Figure 0005177418

    Figure 0005177418

    Figure 0005177418

    Figure 0005177418
  9. 高分子化合物(A)と高分子化合物(B)との含有割合が、質量比で30:70〜80:20であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の反射防止膜形成材料。
  10. 更に、有機溶剤、酸発生剤、架橋剤から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の反射防止膜形成材料。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の反射防止膜形成材料を基板上にスピンコートし、該基板をベークすることによって得られる、高分子化合物(A)が表面側に、高分子化合物(B)が基板側に偏在した反射防止膜。
  12. リソグラフィーにより基板にパターンを形成する方法であって、請求項1〜10のいずれか1項に記載の反射防止膜形成材料を用いて基板上に反射防止膜を形成し、反射防止膜上にフォトレジスト膜を形成して該フォトレジスト膜のパターン回路領域を露光した後、現像液で現像して前記フォトレジスト膜にレジストパターンを形成し、該レジストパターンをマスクにして前記反射防止膜と前記基板をエッチングし、前記基板にパターンを形成することを特徴とするパターン形成方法。
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