JP5111039B2 - 重合性化合物、重合開始剤、および染料を含有する光硬化性組成物 - Google Patents
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Description
<1>
重合性化合物、重合開始剤、および下記一般式(3)に示される染料を含有することを特徴とする光硬化性組成物。
(式中、W、Y 1 、Y 2 、R 1 〜R 8 は一価の基を示す。X 1 、X 2 は各々独立にハメットのσp値0.20以上の一価の電子吸引性基を示す。)
前記重合性化合物がラジカル重合性化合物であり、前記重合開始剤がラジカル重合開始剤であることを特徴とする上記<1>に記載の光硬化性組成物。
<3>
前記一般式(3)中、W、Y 1 、Y 2 、R 1 〜R 8 、X 1 、X 2 は下記置換基を表すことを特徴とする上記<1>または<2>に記載の光硬化性組成物。
W:水素原子、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、置換もしくは無置換の総炭素数4〜12ヘテロ環基、アシル基、カルバモイル基、またはシリル基。
Y 1 、Y 2 :各々独立にヒドロキシル基またはアミノ基。
R 1 、R 2 :各々独立に置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、または置換もしくは無置換の総炭素数4〜12ヘテロ環基。
R 3 、R 4 :各々独立に水素原子、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、または置換もしくは無置換の総炭素数4〜12ヘテロ環基。
R 5 〜R 8 :各々独立にハロゲン原子、カルボキシル基、アシルアミノ基(アミド基)、アミノカルボニルアミノ基(ウレイド基)、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、スルファモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、またはカルバモイル基。
X 1 、X 2 :各々独立に炭素数2〜12のアシル基、炭素数2〜12のアシルオキシ基、炭素数1〜12のカルバモイル基、炭素数2〜12のアルキルオキシカルボニル基、炭素数7〜18のアリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜12のアルキルスルフィニル基、炭素数6〜18のアリールスルフィニル基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基、炭素数6〜18のアリールスルホニル基、炭素数0〜12のスルファモイル基、炭素数1〜12のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜12のハロゲン化アルキルオキシ基、炭素数1〜12のハロゲン化アルキルチオ基、炭素数7〜18のハロゲン化アリールオキシ基、2つ以上のσp0.20以上の他の電子吸引性基で置換された炭素数7〜18のアリール基、または窒素原子、酸素原子、もしくはイオウ原子を有する5〜8員環で炭素数1〜18のヘテロ環基。
<4>
前記一般式(3)中、W、Y 1 、Y 2 、R 1 〜R 8 、X 1 、X 2 は下記置換基を表すことを特徴とする上記<3>に記載の光硬化性組成物。
W:水素原子、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、または置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基。
Y 1 、Y 2 :アミノ基。
R 1 、R 2 :各々独立に総炭素原子数1〜8の直鎖アルキル基または分岐のアルキル基。
R 3 、R 4 :各々独立に水素原子、または総炭素原子数1〜8の直鎖アルキル基もしくは分岐のアルキル基。
R 5 〜R 8 :各々独立にカルボキシル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、またはカルバモイル基。
X 1 、X 2 :各々独立にシアノ基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基、炭素数6〜18のアリールスルホニル基、または炭素数0〜12のスルファモイル基。
本発明の光硬化性組成物は、顔料利用に伴う分散性悪化の懸念を回避し、かつ良好な色調と高い光堅牢性を有する。
以下、本発明の光硬化性組成物を構成する各種成分について説明する。
以下、一般式(1)に示す染料について詳細に説明する。
次に、一価の置換基を更に詳しく説明する。この一価の置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基)、アシルアミノ基(アミド基)、アミノカルボニルアミノ基(ウレイド基)、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、アゾ基、またはイミド基を挙げることができ、各々はさらに置換基を有していてもよい。以下に前記一価の置換基を更に詳しく説明する。
置換基の例としては、前述のアルキル基が更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記ヘテロ環基の例には、置換位置を限定しないで例示すると、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリンなどが挙げられる。
2個のアゾ基を含む一価の置換基および1個のアゾ基を含む一価の置換基としては、ヘテロ環とアゾ基とを含む基が好ましい。ここで、ヘテロ環としては、例えば、5−ピラゾロン環、5−アミノピラゾール環、オキサゾロン環、バルビツール酸環、ピリドン環、ローダニン環、ピラゾリジンジオン環、ピラゾロピリドン環、メルドラム酸環が挙げられ、5−ピラゾロン環および5−アミノピラゾール環が好ましく、5−アミノピラゾールが特に好ましい。
これらA郡に列挙した中でも、ヒドロキシル基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基が好ましく(以下、これら置換基をB群と称す)、特にヒドロキシル基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基が好ましく、アルキルオキシ基が最も好ましい。
これらA群に列挙した中でも、特に好ましい置換基は置換アリール基、または置換基へテロ環基であり(以下、これら置換基をB群と称す)、その中でも特に置換アリール基が好ましい。
ここで言う電子吸引性基は、特にハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基であり、より好ましくは、σp値が0.30以上の電子吸引性基であることが好ましい。上限としては1.0以下の電子吸引性基である。
本発明における染料は、一般式(3)に示される染料である。以下、一般式(3)について詳細に説明する。
これらA群に列挙した中でも、カルボキシル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基がさらに好ましく(以下、これら置換基をB群と称す)、カルボキシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基が特に好ましく、アルコキシカルボニル基が最も好ましい。また、優れた油溶性や光堅牢性が容易に得られる観点からは、エステル構造を有する基であることが好適である。
これらA群に列挙した中でも、水素原子、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基が好ましく(以下、これら置換基をB群と称す)、特に水素原子、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基が最も好ましい。
本発明の光硬化性組成物は、カチオン重合性化合物やラジカル重合性化合物等の、重合性化合物を含有することを必須とする。
本発明に用いうるカチオン重合性化合物としては、後述する、放射線の照射により酸を発生する化合物から発生する酸により重合反応を開始し、硬化する化合物が好ましく、光カチオン重合性化合物として知られる各種公知のカチオン重合性のモノマーを使用することができる。カチオン重合性化合物としては、例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892号、同2001−40068号、同2001−55507号、同2001−310938号、同2001−310937号、同2001−220526号などの各公報に記載されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
芳香族エポキシドとしては、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジまたはポリグリシジルエーテルが挙げられ、例えば、ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、並びにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等が挙げられる。
脂肪族エポキシドとしては、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテルまたは1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテルに代表されるポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等が挙げられる。
単官能エポキシ化合物の例としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−ビニルシクロヘキセンオキサイド等が挙げられる。
単官能ビニルエーテルの例としては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル等が挙げられる。
ビニルエーテル化合物としては、ジまたはトリビニルエーテル化合物が、硬化性、被記録媒体との密着性、形成された画像の表面硬度などの観点から好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、フルオロアルキル基としては、これらアルキル基の水素のいずれかがフッ素原子で置換されたものが好ましく挙げられる。
Ra2は、水素原子、炭素数1〜6個のアルキル基、炭素数2〜6個のアルケニル基、芳香環を有する基、炭素数2〜6個のアルキルカルボニル基、炭素数2〜6個のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜6個のN−アルキルカルバモイル基を表す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、アルケニル基としては、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等が挙げられ、芳香環を有する基としては、フェニル基、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基、フェノキシエチル基等が挙げられる。アルキルカルボニル基としては、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基等が、アルキコキシカルボニル基としては、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等が、N−アルキルカルバモイル基としては、エチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基、ペンチルカルバモイル基等が挙げられる。また、Ra2は置換基を有していてもよく、置換基としては、1〜6のアルキル基、フッ素原子が挙げられる。
Ra5は、酸素原子、硫黄原子、メチレン基、NH、SO、SO2、C(CF3)2、または、C(CH3)2を表す。
Ra6は、炭素数1〜4個のアルキル基、または、アリール基を表し、nは0〜2,000の整数である。Ra7は炭素数1〜4個のアルキル基、アリール基、または、下記構造を有する1価の基を表す。下記式中、Ra8は炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基であり、mは0〜100の整数である。
特開2004−91556号公報に記載されたオキセタン化合物も本発明に併用することができる。当該化合物は、同公報の段落番号[0022]乃至[0058]に詳細に記載されている。
本発明に併用される他のオキセタン化合物のなかでも、組成物の粘度と粘着性の観点から、オキセタン環を1個有する化合物を使用することが好ましい。
また更に、カチオン重合性化合物の中でもカチオン重合性単官能モノマーを50質量%以上含有することが好ましく、60質量%以上含有することがより好ましい。カチオン重合性単官能モノマーを上記範囲含有することにより、硬化膜の柔軟性が向上する効果が得られる。
また、本発明の光硬化性組成物に用いうるラジカル重合性化合物としては、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であればどのようなものでもよく、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態を持つものが含まれる。ラジカル重合性化合物は1種のみ用いてもよく、また目的とする特性を向上するために任意の比率で2種以上を併用してもよい。好ましくは2種以上併用して用いることが、反応性、物性などの性能を制御する上で好ましい。
これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性、密着性、表面硬度の観点から、ジビニルエーテル化合物、トリビニルエーテル化合物が好ましく、特に、ジビニルエーテル化合物が好ましい。ビニルエーテル化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
本発明の光硬化性組成物は重合開始剤を含有することを必須とし、該重合開始剤としては放射線の照射により酸を発生する化合物を含有することが好ましい。本発明においては、放射線の照射により発生した酸により、前記した重合性化合物の重合反応が生起し、硬化する。
本発明の光硬化性組成物に用いることのできる重合開始剤としては、光カチオン重合の光重合開始剤、光ラジカル重合の光重合開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている光(400nm〜200nmの紫外線、遠紫外線、特に好ましくは、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光)、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線またはイオンビームなどの照射により酸を発生する化合物を適宜選択して使用することができる。
X-は、非求核性アニオンを表し、好ましくはスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオ
ン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン、BF4 -、PF6 -、SbF6 -や以下に示す基などが挙げられ、好ましくは炭素原子を有する有機アニオンである。
Rc1における有機基として炭素数1〜30のものが挙げられ、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、またはこれらの複数が、単結合、−O−、−CO2−、−S−、−SO3−、−SO2N(Rd1)−などの連結基で連結された基を挙げることができる。
Rc3、Rc4、Rc5は、各々独立に、有機基を表す。
Rc3、Rc4、Rc5の有機基として、好ましくはRc1における好ましい有機基と同じものを挙げることができ、最も好ましくは炭素数1〜4のパーフロロアルキル基である。
Rc3とRc4が結合して環を形成していてもよい。
Rc3とRc4が結合して形成される基としてはアルキレン基、アリーレン基が挙げられる。好ましくは炭素数2〜4のパーフロロアルキレン基である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているシクロアルキル基としては、炭素数3〜15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
化合物(b1−2)は、式(b1)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を含有しない有機基を表す場合の化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
R201〜R203としての芳香環を含有しない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
R201〜R203は、各々独立に、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリル基、ビニル基であり、より好ましくは直鎖、分岐、環状2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、特に好ましくは直鎖、分岐2−オキソアルキル基である。
R201〜R203としてのアルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基)を挙げることができる。
R201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
R6cおよびR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基を表す。
RxおよびRyは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基、またはビニル基を表す。
R1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、およびRxとRyは、それぞれ結合して環構造を形成してもよい。
Zc-は、非求核性アニオンを表し、式(b1)に於けるX-の非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
RxおよびRyは、2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基であることが好ましい。
2−オキソアルキル基は、R1c〜R5cとしてのアルキル基、シクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基については、R1c〜R5cとしてのアルコキシ基と同様のものを挙げることができる。
R204〜R207としてのアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖または分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)を挙げることができる。R204〜R207としてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
R204〜R207が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
R206、R207およびR208は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表す。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基またはアリーレン基を表す。
本発明に用いることのできる重合開始剤の好ましい化合物例〔(b−1)〜(b−96)〕を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
特開2002−122994号公報、段落番号〔0037〕乃至〔0063〕に例示されるオニウム塩化合物、スルホネート系化合物も本発明に好適に使用しうる。
光硬化性組成物中の重合開始剤の含有量は、光硬化性組成物の全固形分換算で、0.1質量%〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5質量%〜10質量%、更に好ましくは1質量%〜7質量%である。
以下に、必要に応じて本発明に用いることのできる種々の添加剤について述べる。
本発明においては、得られる硬化物の耐候性向上、退色防止の観点から、紫外線吸収剤を用いることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤、などが挙げられる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、固形分換算で0.5質量%〜15質量%であることが好ましい。
本発明には、重合開始剤の酸発生効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、必要に応じ、増感剤を添加してもよい。増感剤としては、重合開始剤に対し、電子移動機構またはエネルギー移動機構で増感させるものであれば、何れでもよい。好ましくは、アントラセン、9,10−ジアルコキシアントラセン、ピレン、ペリレンなどの芳香族多縮環化合物、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、ミヒラーケトンなどの芳香族ケトン化合物、フェノチアジン、N−アリールオキサゾリジノンなどのヘテロ環化合物が挙げられる。添加量は目的に応じて適宜選択されるが、重合開始剤に対し0.01モル%〜1モル%で用いることが好ましく、0.1モル%〜0.5モル%がより好ましい。
組成物の安定性向上のため、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤としては、ヨーロッパ公開特許、同第223739号公報、同309401号公報、同第309402号公報、同第310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同62−262047号公報、同63−113536号公報、同63−163351号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、米国特許第4814262号明細書、米国特許第4980275号明細書等に記載のものを挙げることができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、固形分換算で0.1質量%〜8質量%であることが好ましい。
本発明には、各種の有機系および金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。前記有機系の褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類、などが挙げられる。前記金属錯体系の褪色防止剤としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体、などが挙げられ、具体的には、リサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのI〜J項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や、特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式および化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、固形分換算で0.1質量%〜8質量%であることが好ましい。
本発明の光硬化性組成物をインクジェット記録用のインク組成物として用いる場合、吐出物性の制御を目的として、チオシアン酸カリウム、硝酸リチウム、チオシアン酸アンモニウム、ジメチルアミン塩酸塩などの導電性塩類を添加することができる。
本発明の光硬化性組成物をインクジェット記録用のインク組成物として用いる場合、被記録媒体との密着性を改良するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。
溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、などが挙げられる。
この場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その量は光硬化性組成物全体に対し0.1質量%〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1質量%〜3質量%の範囲である。
本発明には、膜物性を調整するため、各種高分子化合物を添加することができる。高分子化合物としては、アクリル系重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂等が使用できる。また、これらは2種以上併用してもかまわない。これらのうち、アクリル系のモノマーの共重合によって得られるビニル系共重合が好ましい。更に、高分子結合材の共重合組成として、「カルボキシル基含有モノマー」、「メタクリル酸アルキルエステル」、または「アクリル酸アルキルエステル」を構造単位として含む共重合体も好ましく用いられる。
本発明には、界面活性剤を添加してもよい。
界面活性剤としては、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。なお、前記界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。前記有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。前記有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)および固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭62−135826号の各公報に記載されたものが挙げられる。
貯蔵安定剤は、光硬化性組成物の保存中の好ましくない重合を抑制するもので、光硬化性組成物に溶解できるものを用いる。例としては、4級アンモニウム塩、ヒドロキシアミン類、環状アミド類、ニトリル類、置換尿素類、複素環化合物、有機酸、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノエーテル類、有機ホスフィン類、銅化合物などが挙げられ、具体的にはベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ジエチルヒドロキシルアミン、ベンゾチアゾール、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、クエン酸、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ハイドロキノンモノブチルエーテル、ナフテン酸銅などが挙げられる。
タッキファイヤーとしては、具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6pに記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環属アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香属アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などである。
本発明の光硬化性組成物をインクジェット記録用インクとして使用する場合には、吐出性を考慮し、吐出時の温度(例えば、40℃〜80℃、好ましくは25℃〜30℃)において、粘度が、好ましくは7mPa・s〜30mPa・sであり、より好ましくは7mPa・s〜20mPa・sである。例えば、本発明の光硬化性組成物の室温(25℃〜30℃)における粘度は、好ましくは35〜500mPa・s、より好ましくは35mPa・s〜200mPa・sである。本発明の光硬化性組成物は、粘度が上記範囲になるように適宜組成比を調整することが好ましい。室温での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体を用いた場合でも、被記録媒体中へのインク浸透を回避し、未硬化モノマーの低減、臭気低減が可能となる。更にインク液滴着弾時のインクの滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善されるので好ましい。
本発明の光硬化性組成物が好適に適用されるインクジェット記録方法(本発明のインクジェット記録方法)について、以下説明する。
本発明のインクジェット記録方法は、上記した本発明の光硬化性組成物を、被記録媒体(支持体、記録材料等)上にインクジェット記録装置により吐出する工程、および、吐出された光硬化性組成物に活性放射線を照射して光硬化性組成物を硬化する工程、を含むことを特徴とする。硬化した光硬化性組成物は、被記録媒体上に画像を形成する。
更に、本発明に適用しうる被記録材料としては、後述する平版印刷版の支持体が挙げられる。
特に、本発明のインクジェット記録方法では、放射線照射が、発光波長ピークが350〜420nmであり、かつ、前記被記録媒体表面での最高照度が10〜2,000mW/cm2となる紫外線を発生する発光ダイオードから照射されることが好ましい。
本発明に用いられるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、市販のインクジェット記録装置が使用できる。即ち、本発明においては、市販のインクジェット記録装置を用いて被記録媒体へ記録することができる。
本発明で用いることのできるインクジェット記録装置としては、例えば、インク供給系、温度センサー、活性放射線源を含むものが挙げられる。
インク供給系は、例えば、本発明の光硬化性組成物を含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなるものが挙げられる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、1pl〜100pl、好ましくは、8pl〜30plのマルチサイズドットを例えば、320dpi×320dpi〜4000dpi×4000dpi、好ましくは、400dpi×400dpi〜1600dpi×1600dpi、より好ましくは、720dpi×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
−インクA01の作製−
以下の成分を高速水冷式攪拌機により撹拌し、イエロー色のUVインクジェット用インクを得た。
(イエロー色インク組成物)
・Actilane 421 55.4部
(前記Akcros社製アクリレートモノマー)
・Photomer 2017(EChem社製UV希釈剤) 20.0部
・Solsperse 32000(Noveon社製分散剤) 0.4部
・染料(DYE−2) 3.6部
・Genorad 16(Rahn社製安定剤) 0.05部
・Rapi−Cure DVE−3 4.0部
(ISP Europe社製ビニルエーテル)
・Lucirin TPO(BASF社製光重合開始剤) 8.5部
・ベンゾフェノン(光重合開始剤) 4.0部
・Irgacure 184 4.0部
(Ciba Specialty Chemicals社製光重合開始剤)
・Byk 307(BYK Chemie社製消泡剤) 0.05部
このとき、以下の評価を行った。
(硬化性)
硬化性は、このインクによる印刷物の硬化後の画像部を触診により評価した。露光した塗布フィルムを、べたつきが無いものをA(良好)、べたつきが少しあるが接触したものを汚すほどではないものをB(許容)、べたつきが著しいものをC(不良)として評価した。
前記画像を形成したPETフィルムを、ウェザーメーター(アトラスC.I65)を用いて、キセノン光(140000lx)を14日間照射し、キセノン照射前後の画像濃度を反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定し、色素残存率を評価した。
A:耐光性 良好(色素残存率 >80%)。
B:耐光性 許容(色素残存率 40〜80%)。
C:耐光性 不良(色素残存率 <40%)。
30分間連続吐出後、印字物上でノズル詰りによる欠陥(未印字部の有無)、印字ドット周辺の設定していない微小なドット(サテライト)の有無を目視により評価した。
A:ノズル欠陥及びサテライトの発生が無い。
B:ノズル欠陥又はサテライトが僅かに発生。
C:ノズル欠陥又はサテライトが顕著に発生。
作製したインクを75%RH、60℃で3日保存した後、射出温度でのインク粘度を測定し、インク粘度の増加分を、粘度比(保存後の粘度/保存前の粘度の比)として評価した。粘度が変化せず1.0に近いほうが保存安定性良好であり、1.5を超えると射出時に目詰まりを起こす場合があり好ましくない。
A:保存安定性良好(粘度比が1以上1.2未満)。
B:保存安定性許容(粘度比が1.2以上1.5未満)。
C:保存安定性不良(粘度比が1.5以上)。
前記インクA01の作製において、染料(DYE−2)を下記染料または比較化合物に代えた以外は、前記インクA01の作製と同様にしてのインク組成物を調製し、評価した。
<インクA02>
染料としてDYE−2の代わりにDYE−4を用いた。
<インクA03>
染料としてDYE−2の代わりにDYE−8を用いた。
<インクA04>
染料としてDYE−2の代わりにDYE−12を用いた。
<インクA05>
染料としてDYE−2の代わりにDYE−19を用いた。
<インクA06>
染料(DYE−2)の代わりに比較化合物としてCromophtal Yellow LA (Ciba Specialty Chemicals社製顔料)を用いた。
<インクA07>
染料(DYE−2)の代わりに下記構造式で示される比較化合物を用いた。
<インクA08>
染料(DYE−2)の代わりに下記構造式で示される比較化合物を用いた。
<インクA09>
染料(DYE−2)の代わりに下記構造式で示される比較化合物を用いた。
また従来の染料を用いたインク(インクA07〜A09)と比較しても、耐光性、保存安定性が大きく改善している。
−インクの作製−
実施例A1と同様に、以下の成分を高速水冷式攪拌機により撹拌し、イエロー色のUVインクジェット用インク(インクB01〜B09)を得た。なお、インクB01〜B09で各々用いた色材としては、各々インクA01〜A09と同様のものを選択した。
・ライトアクリレートL−A 15.4部
(※:共栄社化学製アクリレートモノマー)
・Actilane 421 36.0部
(前記Akcros社製アクリレートモノマー)
・Photomer 2017(EChem社製UV希釈剤) 20.0部
・Solsperse 32000(Noveon社製分散剤) 0.4部
・色材 3.6部
・Genorad 16(Rahn社製安定剤) 0.05部
・Rapi−Cure DVE−3 8.0部
(ISP Europe社製ビニルエーテル)
・Lucirin TPO(BASF社製光重合開始剤) 8.5部
・ベンゾフェノン(光重合開始剤) 4.0部
・Irgacure 184 4.0部
(Ciba Specialty Chemicals社製光重合開始剤)
・Byk 307(BYK Chemie社製消泡剤) 0.05部
*ライトアクリレートL−Aはアクリル酸ラウリルエステル(単官能アクリレート)である。
また実施例A1同様に従来の染料(インクB07〜B09)と比較しても、耐光性、保存安定性は大きく改善している。
Claims (4)
- 重合性化合物、重合開始剤、および下記一般式(3)に示される染料を含有することを特徴とする光硬化性組成物。
(一般式(3)中、W、Y 1 、Y 2 、R 1 〜R 8 は一価の基を示す。X 1 、X 2 は各々独立にハメットのσp値0.20以上の一価の電子吸引性基を示す。) - 前記重合性化合物がラジカル重合性化合物であり、前記重合開始剤がラジカル重合開始剤であることを特徴とする請求項1に記載の光硬化性組成物。
- 前記一般式(3)中、W、Y 1 、Y 2 、R 1 〜R 8 、X 1 、X 2 は下記置換基を表すことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光硬化性組成物。
W:水素原子、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、置換もしくは無置換の総炭素数4〜12ヘテロ環基、アシル基、カルバモイル基、またはシリル基。
Y 1 、Y 2 :各々独立にヒドロキシル基またはアミノ基。
R 1 、R 2 :各々独立に置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、または置換もしくは無置換の総炭素数4〜12ヘテロ環基。
R 3 、R 4 :各々独立に水素原子、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、または置換もしくは無置換の総炭素数4〜12ヘテロ環基。
R 5 〜R 8 :各々独立にハロゲン原子、カルボキシル基、アシルアミノ基(アミド基)、アミノカルボニルアミノ基(ウレイド基)、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、スルファモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、またはカルバモイル基。
X 1 、X 2 :各々独立に炭素数2〜12のアシル基、炭素数2〜12のアシルオキシ基、炭素数1〜12のカルバモイル基、炭素数2〜12のアルキルオキシカルボニル基、炭素数7〜18のアリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜12のアルキルスルフィニル基、炭素数6〜18のアリールスルフィニル基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基、炭素数6〜18のアリールスルホニル基、炭素数0〜12のスルファモイル基、炭素数1〜12のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜12のハロゲン化アルキルオキシ基、炭素数1〜12のハロゲン化アルキルチオ基、炭素数7〜18のハロゲン化アリールオキシ基、2つ以上のσp0.20以上の他の電子吸引性基で置換された炭素数7〜18のアリール基、または窒素原子、酸素原子、もしくはイオウ原子を有する5〜8員環で炭素数1〜18のヘテロ環基。 - 前記一般式(3)中、W、Y 1 、Y 2 、R 1 〜R 8 、X 1 、X 2 は下記置換基を表すことを特徴とする請求項3に記載の光硬化性組成物。
W:水素原子、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、または置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基。
Y 1 、Y 2 :アミノ基。
R 1 、R 2 :各々独立に総炭素原子数1〜8の直鎖アルキル基または分岐のアルキル基。
R 3 、R 4 :各々独立に水素原子、または総炭素原子数1〜8の直鎖アルキル基もしくは分岐のアルキル基。
R 5 〜R 8 :各々独立にカルボキシル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、またはカルバモイル基。
X 1 、X 2 :各々独立にシアノ基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基、炭素数6〜18のアリールスルホニル基、または炭素数0〜12のスルファモイル基。
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