JP5019120B2 - 検出センサ - Google Patents

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Description

本発明は、質量を有した物質の有無の検出、物質の質量の検出等を行うために用いるのに適した検出センサ等に関する。
従来より、爆発危険性や有害性のあるガス等の存在、あるいはその定量的な濃度を検出するためのセンサが存在した。このセンサでは、ガスに含まれる特定種の分子を吸着し、その吸着の有無、あるいは吸着量を検出することで、ガス等の存在の有無、あるいはその濃度を検出している。このようなセンサは、ガス等を取り扱う施設、設備、装置等に設置され、ガスの漏れやガス量のコントロールに用いられている。
また近年、燃料電池の開発が盛んに行われている。燃料電池は水素を用いるため、水素ステーションや、燃料電池を使用する車両や装置、機器等において、水素の漏れが無いか監視するのが好ましい。このような用途にも、上記センサは適用できる。
上記用途以外にも、特定種の分子を吸着することで、その吸着の有無あるいは吸着量を検出するセンサは、例えば食物の鮮度や成分分析、快適空間を提供・維持するための環境制御、さらには、人体等、生体の状態検知等に用いることが考えられる。
このようなセンサの方式の一つにカンチレバーを用いるものがある。これは、カンチレバー上に、特定種の分子を吸着する分子吸着膜(感応膜)を設け、分子吸着膜に分子が吸着されたときのカンチレバーの状態変化から、分子の吸着を検出するものである。分子吸着膜に分子が吸着されると、分子吸着膜の応力が変化する。これにより、カンチレバーのたわみ量が変化するので、その変化量から、特定種の分子の吸着を検出できる。また、分子の吸着により分子吸着膜の質量が増加すると、カンチレバーと分子吸着膜とからなる系の共振周波数が変化するので、その変化から特定種の分子の吸着を検出することもできる(例えば、非特許文献1参照。)。
このような方式を採用することで、白金やパラジウムを水素分子の吸着膜として適用した水素ガス検知や、PMMAポリマーを用いたアルコール成分検知、また食物の匂い検知等が実現できることが既に報告されている。カンチレバーの共振周波数変化を検出する方法では、特定分子が吸着膜に吸着して微小な質量変化が生じた際に、高い振動Q値を有するカンチレバーの共振周波数がその質量変化に極めて敏感に反応して変化を生じるため、高感度な検知が可能になっている。
こうした従来のカンチレバーの共振周波数変化を用いてガス検知をする方法においては、センサ自体を、微細加工技術で製作する大きさ数十〜数百μmのカンチレバーで構成することができる。したがって、センサの小型化が可能であり、また前述のように振動Q値も高くできる特徴があるので、小型化、高感度化の面で優れた構成であると言える。
このようなカンチレバーにおいて検知を行うにあたってカンチレバーを振動(駆動)させるには、SiO(二酸化ケイ素)等のシリコン系材料で形成されたカンチレバー本体の表面に、各種圧電材料からなる圧電層と金属からなる電極層とを設けている。そして、電極層から圧電層に電圧を印加することでカンチレバーを振動させ、共振周波数の変化をモニタリングするようになっている。
圧電層を形成する圧電材料としては、Pb(鉛)、Zr(ジルコニウム)、Ti(チタニウム)を含む原料から形成した、いわゆる強誘電体薄膜が注目されている。
Suman Cherian, Thomas Thundat、"Determination of adsorption-induced variation in the spring constant of a microcantilever"、Applied Physics Letter、2002年、Vol.80、No.12、pp.2219-2221
しかしながら、上記したような、微小質量の付着によって振動特性が変化する振動子を用いたセンサにおいては、さらなる高感度化が常に求められている。
ここで、カンチレバー表面には、強誘電体薄膜からなる圧電層や電極層が設けられている。これら圧電層や電極層は、それ自体が減衰を有し、カンチレバーの振動エネルギにロスが生じる。その結果、カンチレバーのQ値の低下を招き、センサとしての感度の低下につながる。この点において、現状の技術には改善の余地がある。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、より高感度化を図ることのできる検出センサを提供することを目的とする。
かかる目的のもとになされた本発明の検出センサは、一端部が固定された梁状であり、質量を有した物質の付着または吸着により振動特性が変化する振動子と、一端部が固定された梁状であり、固定端と自由端を結ぶ軸線が、振動子の軸線方向とほぼ直交する方向に一致するように振動子の近傍に設けられて、設定された振動特性で振動するアクチュエータと、アクチュエータと振動子を連結し、アクチュエータの振動を振動子に伝達することで振動子を振動させる連結部材と、アクチュエータとは別体で構成され、振動子における振動の変化を検出することで、物質を検出する検出部と、を備えることを特徴とする。
このような検出センサにおいては、アクチュエータを振動させると、アクチュエータの振動が連結部材を介して振動子に伝達され、これによって振動子を駆動することができる。このようにして、振動子とは別体に設けたアクチュエータで振動子を振動させることで、従来のように振動子の表面に圧電材料からなる圧電層や駆動電極等を設ける必要がなくなる。その結果、振動子の振動特性が阻害されることなく、高い振動特性で振動子を駆動することができる。
ここで、アクチュエータは、一端部が固定された梁状であり、振動を生じさせるための圧電材料からなる圧電層と、圧電層に電圧を印加する駆動電極と、を備える。つまりアクチュエータを、振動子と同様のカンチレバー式とするのである。
ところで、アクチュエータ本体の表面に圧電層を設けると、圧電層に内在する残留応力によってアクチュエータ本体に反りが生じる。そこで、アクチュエータ本体を矯正するための矯正部材を設けるのが好ましい。
また、空気等の流体中で振動子が振動するときには、振動子の表面近傍の流体に境界層が形成される。境界層の内側では、流体は概ね振動子に付随して運動している。この境界層内にアクチュエータ等が存在すると、振動子の振動が阻害されるため、アクチュエータと振動子は、この境界層の厚さよりも大きな間隔を隔てて設けるのが好ましい。
検出部は、振動子に対する物質の付着または吸着の有無を検出することもできるが、振動子に付着した物質の量を検出することもできる。ここで、振動子上に、特定の分子、あるいは特定の特性または特徴を有する複数種の分子を吸着または付着させるようにすれば、検出センサにおいては、前記の特定の分子、あるいは特定の特性または特徴を有する複数種の分子の検出が可能となる。
このような検出部は、いかなる方式のものを用いてもよいが、振動子の固定端部近傍に設けられ、振動子の振動によって生じる応力変化を検出するピエゾ抵抗素子からなるものを用いるのが好ましい。
ところで、上記のような振動子の駆動は、アクチュエータによる駆動力を、連結部材を介して振動子に伝達することで行われる。構造的に、連結部材は、振動子の固定端から離れた位置において振動子に連結される。すると、アクチュエータから振動子に伝達される振動エネルギにロスが生じる。これは、振動子の振幅が大きい位置に連結部材を連結すると、振動子の振動が連結部材によって阻害されるからである。また、振動子が振動するときには、振動子表面に形成された圧電層等によるエネルギロスも生じる。これらのエネルギロスは、振動子の振動モードが高次になるほど顕著なものとなる。
さて、振動子を2次以上の高次の振動モードで駆動する場合、振動子の振幅がゼロとなる節が存在する。そこで、連結部材を、この節の位置、またはその近傍にて振動子に連結するのが好ましい。これにより、振動子を前記の特定の振動モードで駆動すること等が可能となり、エネルギのロスも抑えることができる。
本発明によれば、振動子の表面には圧電層や駆動電極等を設けず、振動子とは別に設けたアクチュエータによって振動子を駆動させる方式とすることで、圧電層や駆動電極等によって振動子の振動が阻害されるのを抑えることができる。その結果、振動子およびこれを用いた検出センサを高感度なものとすることができる。また、同等の感度であれば従来よりもはるかに小型な検出センサ、振動子を実現することができる。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
[第一の実施の形態]
図1および図2は、本実施の形態における検出センサ10の構成を説明するための図である。
この図1および図2に示すように、検出センサ10は、検知対象となる特定種の分子(以下、単に分子と称する)を吸着することで、ガスや匂い等の存在(発生)の有無、あるいはその濃度の検出を行うものである。この検出センサ10は、分子を吸着する吸着部20を備えた振動子30、振動子30を駆動するアクチュエータ40、吸着部20への分子の吸着を検出する検出部50とから構成されている。これら振動子30、アクチュエータ40、検出部50は、シリコン系材料からなる基板60に、MEMS技術を用いることによって形成されている。
振動子30は、一端が固定端30aとされ、他端が自由端30bとされた片持ち梁状のカンチレバー式である。この振動子30は、平面視長方形状で、基板60を構成するシリコン系材料、特に好ましくは単結晶シリコンから形成されている。振動子30の寸法の一例を挙げると、厚さは2〜5μm、長さは100〜1000μm、幅は30〜300μmとするのが好ましい。
振動子30の上面には吸着部20が形成されている。ここで、振動子30の表面には、吸着部20を形成する材料の振動子30の表面に対する付着性を高めるために、Au(金)の膜を形成するのが好ましい。
吸着部20は、無機系材料や、有機系材料からなる膜によって形成することができる。吸着部20を構成する無機系材料とすれば、代表的なものに二酸化チタン(TiO)があり、吸着効率を高めるために二酸化チタンを多孔体状とするのが好ましい。そして、この吸着部20を、振動子30の上面を覆うように形成するのが好ましい。吸着部20を構成する有機系材料としては、ポリアクリル酸、ポリスチレン、ポリアクリルアミン、 ポリジメチルシロキサン、 ポリ塩化ビニル、 ポリメタクリル酸メチル等のあらゆる高分子等がある。この吸着部20では、特定種の分子のみを吸着する、分子に対する選択性を有したものとすることができ、その選択性は、高分子を形成する官能基や、架橋の状態等の様々な要素で決まると考えられる。
図2に示すように、振動子30を駆動するアクチュエータ40は、振動子30の固定端30aの近傍に設けられている。アクチュエータ40は、振動子30と同様、一端が固定端40a、他端が自由端40bとされたカンチレバー状をなしている。ここで、アクチュエータ40は、固定端40aと自由端40bを結ぶ軸線が、振動子30の軸線方向にほぼ直交する方向に一致するように設けられている。
図3に示すように、アクチュエータ40は、シリコン系材料、好ましくは単結晶シリコンまたはSiOからなる基材41上に、Tiからなるバインダ層42、Pt(白金)からなる電極層43、圧電材料からなる圧電層44、Tiからなるバインダ層45、Ptからなる電極層46、Tiからなるバインダ層47、SiOからなる表面保護層48が順次積層されて形成されている。なお、基材41を単結晶シリコンで形成する場合は導電性を有するため、基材41の表面にSiO膜を形成して絶縁性を有したものとするのが好ましい。また、バインダ層42、45、47は、基材41と電極層43、圧電層44と電極層46、電極層46と表面保護層48の密着性をそれぞれ高めるためのものである。
圧電層44を形成する圧電材料としては、Pb、Zr、Tiを含む原料から形成した、いわゆる強誘電体薄膜が注目されている。より詳しくは、圧電層44は、Pb、Zr、Tiを含む材料(以下、これをPZT材料と称することがある)から形成され、これが結晶化した状態で、例えば500nm〜2μm程度の厚さに形成されている。この圧電層44は、例えば一層当たり100〜130nmの薄膜を複数層積層することで、上記の厚さを実現することができる。
このような材料としては、例えば、Pbペロブスカイト二成分・三成分系強誘電体セラミックス、非鉛系ペロブスカイト構造強誘電体セラミックス、BaTiO(チタン酸バリウム)セラミックス、KNbO(ニオブ酸カリウム)−NaNbO系強誘電体セラミックス、(Bi1/2Na1/2)TiO系強誘電体セラミックス、タングステン・ブロンズ型強誘電体セラミックス、(Ba1−xSrNaNb15[BSNN]、BaNa1−xBix/3Nb15[BNBN]、ビスマス層状構造強誘電体と粒子配向型強誘電体セラミックス、ビスマス層状構造強誘電体(BLSF)等を用いることができる。
また、PZT材料以外にも、ZnO(酸化亜鉛)や、AlN(窒化アルミニウム)等を圧電層44に用いても良い。
このようなアクチュエータ40は、所定の周波数を有した電気的な信号を電源から電極層43、46に印加すると、圧電層44が変位を生じ、これにより前記の周波数で振動する。
ここで、アクチュエータ40の自由端40bは、振動子30に対し、所定のクリアランスC1を隔てて対向している。アクチュエータ40や振動子30が振動するときには、アクチュエータ40や振動子30の表面近傍には、アクチュエータ40や振動子30に接触する雰囲気(空気)との間で生じる摩擦により境界層が存在する。前記のクリアランスC1を境界層の厚さよりも大きく設定することで、アクチュエータ40と振動子30の挙動が境界層によって互いに影響を受けないようにするのが好ましい。
アクチュエータ40の側部には、矯正ビーム49が設けられている。矯正ビーム49は、一端がアクチュエータ40に連結され、他端は基板60等に連結されている。アクチュエータ40は、圧電層44に内在する残留応力等によって製造段階から反りが生じることがある。そこで、矯正ビーム49でアクチュエータ40を基板60等に連結することで、アクチュエータ40の反りを抑える。
なお、この矯正ビーム49は、アクチュエータ40に反りが生じていても問題にならないような反り量である場合や、アクチュエータ40の反りを抑えることができた場合には、これを省略することも可能である。
アクチュエータ40の自由端40bと振動子30との間には、これらを連結する連結ビーム(連結部材)70が設けられている。この連結ビーム70により、アクチュエータ40の振動による自由端40bの変位が振動子30に伝達される。その結果、振動子30がアクチュエータ40と同じ周波数で振動する。
このようにして、振動子30は、振動子30とは別に設けられたアクチュエータ40によって駆動されるのである。このとき、振動子30上の吸着部20に質量を有した物質が付着すると、その質量の影響を受けて振動子30の振動数が変化する。
ここで、振動子30に対する連結ビーム70の連結位置は、いかなるものとしても良いが、連結ビーム70を、振動子30の固定端30aに近い側に設けるのが好ましい。連結ビーム70を固定端30aから離れた位置で振動子30に連結すると、振動子30の大きな振幅が連結ビーム70に伝達されてしまい、振動子30からのエネルギロスが大きくなってしまう。つまり、振動子30のQ値が下がり、検出感度が低下することになる。
検出部50は、吸着部20に質量を有した物質が付着することによる振動子30の振動数の変化を検出する。
検出部50としては、いかなる方式を用いてもよいが、ピエゾ抵抗検出方式を用いるのが好ましい。図2に示したように、振動子30の固定端30aの近傍に、検出用ピエゾ抵抗素子51を配置する。さらに、振動子30の振動による応力が作用しない位置に、基準用ピエゾ抵抗素子52を配置する。そして、図示しない処理回路により、検出用ピエゾ抵抗素子51と基準用ピエゾ抵抗素子52における検出値を比較することで、振動子30の振動周波数の変化を検出する。これによって、吸着部20への分子の吸着の有無またはその量を測定することが可能となっている。
ここで、上記したような構成の方式における振動子30の挙動を、有限要素法解析プログラムANSYS(商品名)を使用して解析した。その結果、図4、図5、図6に示すように、アクチュエータ40により振動子30が1次〜4次の振動モードで駆動可能であることが確認された。
ここで、図7は、アクチュエータ40に静的な駆動力を与えたときの、アクチュエータ40および振動子30の挙動の解析結果である。なお、アクチュエータ40および振動子30の挙動は、S1〜S9の9段階の変位で示した(S1が最小、S9が最大であり、濃色であるほど変位が大きい。)。この図7に示すように、振動子30は、固定端30aから自由端30bに行くにしたがいその変位が大きくなっていることがわかる。一方、アクチュエータ40は、カンチレバー式でありながら、その中央部近傍における変位が大きくなっている。これは、アクチュエータ40が、固定端40aと自由端40b側の矯正ビーム49の3点によって支持されているため、極端に大きな変形を振動子30に与えることなく振動を駆動できることを示している。また、アクチュエータ40の残留応力による変形が振動子30に影響しにくいことも示している。
このようにして、振動子30の表面に圧電層や駆動電極等を設けず、振動子30とは別に設けたアクチュエータ40によって振動子30を駆動させる方式とすることで、圧電層や駆動電極等によって振動子30の振動が阻害されるのを抑え、振動子30のQ値を向上し、検出センサ10をより高感度なものとすることができる。また、同等の感度であれば従来よりもはるかに小型な検出センサ10を実現することができる。
ここで、本発明における駆動方式の振動子30と、従来の駆動方式の振動子において、1次の振動モードにおけるQ値の比較を行った。
ここで、従来の駆動方式の振動子は、SiO基材上に、Ti層(バインダ層)、Pt層(電極層)、PZT材料層(圧電層)、Ti相(バインダ層)、Pt層(電極層)、Ti層(バインダ層)、SiO層(表面保護層)を順次積層したものとした。これに対し本発明における駆動方式の振動子30は、単結晶Siにより形成した。これらの振動子について、幅を90μm、厚さを3.4μm、3.7μm、4.1μmの3通り、長さを150μm、200μm、250μmの3通りとした場合について、Q値を算出した。その結果を表1に示す。
Figure 0005019120
表1に示すように、SiO基材上に、PZT材料をはじめとして多層膜が形成されている従来の駆動方式の振動子に比較し、本発明の駆動方式における振動子30は、1次の振動モードにおけるQ値が大幅に向上していることが確認できる。したがって、より高次の振動モードにおいては、一層高いQ値が期待できる。
[第二の実施の形態]
次に、検出センサ10の他の形態について示す。ここでは、振動子30が2次以上の高次の振動モードで挙動する場合についての例を示す。
なお、以下に示す第二の実施の形態における検出センサ10は、上記第一の実施の形態で示した検出センサ10に対し、振動子30とアクチュエータ40とを連結ビーム70で連結する位置が異なるのみであるため、相違点のみを説明し、上記第一の実施の形態と共通する構成についてはその説明を省略する。
図8に示すように、振動子30は、一端が固定端30aとされ、他端が自由端30bとされた片持ち梁状のカンチレバー式である。振動子30を駆動するアクチュエータ40は、振動子30の両側にそれぞれ設けられている。
アクチュエータ40の自由端40bと振動子30との間には、これらを連結する連結ビーム70が設けられている。連結ビーム70は、アクチュエータ40で駆動する振動子30に発生させる振動モードの次数に応じた位置にて、振動子30に連結されている。すなわち、連結ビーム70を、図4に示した、アクチュエータ40によって所定の振動モードで駆動されることで振動子30に生じる振動のノードポイント(振幅がゼロとなる位置)において、振動子30に連結する。
ノードポイントは、以下のようにして決まる。
一端を固定端とし、他端を自由端としたビーム状の振動子の振動モードは、次式U(x)で表わされる。
(x)=B・sin〔{(2i−1)・π/2L}・x〕
ここで、xは振動子の長さ方向における任意の位置における固定端からの距離であり、U(x)はxの位置におけるZ方向の変位量、Lは振動子の全長、iは振動モードの次数、Bは振動モードの次数iにおける定数である。
そして、ノードポイントにおいては、U(x)=0となる。これには、sin〔{(2i−1)・π/2L}・x〕=0である。したがって、{(2i−1)・π/2L}・x=0、π、2π、3π、…となる(ただし、x<L)。
次数iを1、2、3、4とした場合、U(x)=0となるのは、以下の通りとなる。
i=1の場合:x=0、
i=2の場合:x=0、2L/3、
i=3の場合:x=0、2L/5、4L/5
i=4の場合:x=0、2L/7、4L/7、6L/7
ここで、連結ビーム70は、振動子30の固定端30aに連結することはできないため、連結ビーム70を連結するノードポイントは以下の通りとなる。
i=2の場合:x=2L/3、
i=3の場合:x=2L/5、4L/5
i=4の場合:x=2L/7、4L/7、6L/7
ただし、振動子30に対する連結ビーム70を連結するノードポイントは、振動子30の固定端30aに近い側のものを選択するのが好ましい。連結ビーム70を固定端30aから離れた位置で振動子30に連結すると、振動子30の大きな振幅が連結ビーム70に伝達されてしまい、振動子30からのエネルギロスが大きくなってしまうからである。
この連結ビーム70により、アクチュエータ40の振動による自由端40bの変位が振動子30に伝達される。その結果、振動子30がアクチュエータ40と同じ周波数で振動する。
このようにして、振動子30は、振動子30とは別に設けられたアクチュエータ40によって駆動されるのである。このとき、振動子30上の吸着部20に質量を有した物質が付着すると、その質量の影響を受けて振動子30の振動数が変化する。
連結ビーム70を振動子30に生じる振動のノードポイントにおいて振動子30に連結すると、小さな振幅で振動子30を効率良く駆動できる。また、振動子30の振動を連結ビーム70が阻害することも無く、エネルギロスを抑えることができる。これにより、振動子30のQ値が向上し、検出感度が高まる。
ここで、上記したようにノードポイントにおいて振動子30を駆動する場合の振動子30の挙動を、有限要素法解析プログラムANSYSを使用して解析した。その結果、図9(a)〜(c)に示すように、振動子30のノードポイントに連結ビーム70を連結した場合においても、アクチュエータ40により振動子30が2次〜4次の振動モードで駆動可能であることが確認された。
なお、上記各実施の形態では、検出センサ10の構成について例示して説明したが、例えばアクチュエータ40の形状や向き、連結ビーム70の位置や幅、長さ、検出部50の構成等、例示した以外の構成に適宜変更しても良い。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
本発明の第一の実施の形態における検出センサの構成を示す平面図である。 振動子およびアクチュエータを示す斜視図である。 アクチュエータの断面図である。 本実施の形態における構成により振動子を振動させたときの振動の様子を示す図である。 1次モード、2次モードで振動させたときのシミュレーション結果を示す図である。 3次モード、4次モードで振動させたときのシミュレーション結果を示す図である。 アクチュエータに駆動力を与えたときの静的な変形のシミュレーション結果を示す図である。 本発明の第二の実施の形態における検出センサの構成を示す平面図である。 第二の実施の形態の構成により、振動子を2次モード、3次モード、4次モードで振動させたときのシミュレーション結果を示す図である。
符号の説明
10…検出センサ、20…吸着部、30…振動子、30a…固定端、30b…自由端、40…アクチュエータ、40a…固定端、40b…自由端、43、46…電極層、44…圧電層、49…矯正ビーム、50…検出部、51…検出用ピエゾ抵抗素子、52…基準用ピエゾ抵抗素子、60…基板、70…連結ビーム(連結部材)

Claims (8)

  1. 一端部が固定された梁状であり、質量を有した物質の付着または吸着により振動特性が変化する振動子と、
    一端部が固定された梁状であり、固定端と自由端を結ぶ軸線が前記振動子軸線方向とほぼ直交する方向に一致するように前記振動子の近傍に設けられて、設定された駆動特性で振動するアクチュエータと、
    前記アクチュエータと前記振動子を連結し、前記アクチュエータの振動を前記振動子に伝達することで前記振動子を振動させる連結部材と、
    前記アクチュエータとは別体で構成され、前記振動子における振動の変化を検出することで、前記物質を検出する検出部と、
    を備えることを特徴とする検出センサ。
  2. 前記アクチュエータは
    動を生じさせるための圧電材料からなる圧電層と、
    前記圧電層に電圧を印加する駆動電極と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の検出センサ。
  3. 前記圧電層に内在する残留応力による前記アクチュエータ本体の反りを矯正するための矯正部材が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の検出センサ。
  4. 前記アクチュエータと前記振動子は、前記振動子が振動するときに前記振動子の表面近傍に形成される境界層の厚さよりも大きな間隔を隔てて設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の検出センサ。
  5. 前記検出部は、前記振動子の固定端部近傍に設けられ、前記振動子の振動によって生じる応力変化を検出するピエゾ抵抗素子からなることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の検出センサ。
  6. 前記連結部材は、前記振動子が前記アクチュエータによって2次以上の高次の振動モードで駆動されるときに、前記振動子の振幅がゼロとなる節の位置またはその近傍にて前記振動子に連結されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の検出センサ。
  7. 前記検出部は、前記振動子に付着した前記物質の量を検出することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の検出センサ。
  8. 前記物質が特定の分子、あるいは特定の特性または特徴を有する複数種の分子であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の検出センサ。
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