以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第一実施形態)
図2,3は、本発明の第一実施形態による車両用表示装置1の概略構成を示し、図4は、装置1の電気回路構成を示している。
図2〜4に示すように、車両用表示装置1はコンビネーションメータとして機能するものであり、液晶パネル10、バックライト20、入力部30、撮像部40、描画部50及びメイン制御部60等から構成されている。
液晶パネル10はTFT透過液晶パネルであり、画面11が車両の運転席側を向くようにして当該運転席の前方に設置される。この液晶パネル10は、マトリクス状に配された複数の画素を有するドットマトリクス型であり、それら各画素が駆動されることによってフルカラーの画像表示を画面11にて実現する。ここで、本実施形態において液晶パネル10の画素は、赤,緑,青のカラーフィルタがそれぞれ配設された三色のサブ画素R,G,Bからなり、液晶パネル10を駆動する描画部50には、それらサブ画素についての階調値を画素毎に選択する表示指令信号が与えられるようになっている。
詳細には、図9に例示するように本実施形態においては、同一画素を構成して特定の色合い(色相)を表現するサブ画素のうち、その色合い表現に濃度が必要とされるサブ画素について、階調値が0よりも大きく且つ設定階調値以下の範囲となるように、当該設定階調値に対する比率(以下、単に「階調比率」と言う)が決定される。尚、色合い表現に必要なサブ画素が複数存在する場合には、それら各サブ画素についての階調比率が互いに同一比率に設定されることによって、色合いが変わらないようにすることが重要となる。これは、色合いが変わらないことによって、表示が車両の乗員にとって見易くなり、見間違えを防止することができるからである。
そして、本実施形態においては、色合い表現に必要なサブ画素について上記の如く決定した階調比率を成立させる階調値を選択すると共に、残りのサブ画素の階調値として0を選択する表示指令信号が、描画部50に与えられるのである。そこで、以下では説明を判り易くするために、画素を構成するサブ画素のうち、色合い表現に必要なサブ画素についての階調比率を「画素の階調比率」として、説明する。
ここで、色合い表現に必要なサブ画素の階調値について階調比率の基準となる設定階調値としては、例えば図9に示す0〜63の64段階の階調値を有するテーブルが描画部50の画像メモリ54に記憶されており、それら64段階の階調値の中から適宜の数値に設定することが可能である。具体的に、図9に示す例においては、赤色表現に必要なサブ画素Rの場合は63が設定階調値とされ、黄色表現に必要なサブ画素R,Gの場合はそれぞれ63,31が設定階調値とされ、白色表現に必要なサブ画素R,G,Bの場合はそれぞれ63,63,63が設定階調値とされている。このように設定階調値は、選択される階調値のうち最大値となるものであり、したがって、この設定階調値のときの階調比率が最大比率としての100%となる。ここで特に本実施形態では、バックライト20を減光しない後述の第一モードにおいて設定階調値の選択により画像の輝度が最大となるときの階調比率が、最大比率とされている。
尚、設定階調値については、例えば64段階の階調値が画像メモリ54に記憶されていたとしても、64及び0以外の数値としてもよい。具体的に、図9に示す例の黄色表現においては、最大比率100%のときのサブ画素Gの設定階調値を31としており、故に、サブ画素Gの階調比率を50%に変更するときには、サブ画素Gの階調値として15を選択するようになっている。またこれに準じて、例えば赤色表現に必要なサブ画素Rの設定階調値を31とし、サブ画素Rの階調値として15を選択することにより、サブ画素Rの階調比率を最大比率100%から50%に変更するようにしても、勿論よいのである。
図3に示すように本実施形態の液晶パネル10は、複数の画素からなりメータ画像12及び背景画像13を表示する第一画素領域14と、複数の画素からなり外界画像16を表示する第二画素領域18とを有している。
具体的にメータ画像12は、車両の状態値を車両の乗員へ指示するための画像であり、本実施形態では、車速を示す車速表示画像12a、エンジン回転数を示す回転数表示画像12b、エンジン冷却水の温度を示す水温表示画像12c、燃料残量を示す残量表示画像12dを含んでいる。背景画像13は、メータ画像12を際立たって表示させるための背景として表示されるものである。第一画素領域14は、画面11において略中央部を除く矩形の外周部分に規定されており、当該領域14を構成する各画素の駆動によってメータ画像12及び背景画像13を表示する。
外界画像16は、車両の外界状況に対して注意を喚起するために撮像部40により当該外界の所定領域を撮影してなる「注意画像」であり、本実施形態では夜間又は車両の暗所通過時において前照灯の可視光が届かない車両前方領域の画像、即ちナイトビュー画像とされる。第二画素領域18は、第一画素領域14によって取り囲まれた画面11の略中央部分に規定されており、当該領域18を構成する各画素の駆動によって外界画像16を表示する。
図2,4に示すようにバックライト20は、発光ダイオード22及び拡散板24を備えている。発光ダイオード22はチップタイプであり、車両において液晶パネル10の斜め後方に設置されている。発光ダイオード22はメイン制御部60と電気接続されており、メイン制御部60から与えられる発光駆動信号に従い駆動されることで光を放射する。拡散板24は光透過性の樹脂で平板状に形成されており、液晶パネル10の後方に当該パネル10と平行に配置されている。拡散板24は、隣接して位置する発光ダイオード22からの入射光を拡散して液晶パネル10側の発光面26から出射することにより、発光面26における発光輝度をその全域に亘って略均一にする。以上によりバックライト20は、発光面26からの光により、液晶パネル10の全体を後方から透過照明する。
図4に示すように入力部30は、液晶調整スイッチ32、表示許否スイッチ34及びライトスイッチ36を備えている。
液晶調整スイッチ32は例えば液晶パネル10の周囲に設置され、液晶パネル10の表示画像の明るさを調整するために乗員によって操作される。ここで本実施形態の液晶調整スイッチ32は、液晶パネル10の表示画像の明るさについて予め規定されている複数段階の調整値に対応して、複数の操作位置を有している。したがって、乗員は、液晶調整スイッチ32を所定位置に操作することによって、当該操作位置に対応した調整値を入力可能となっている。
表示許否スイッチ34は例えば液晶パネル10の周囲に設置され、所定画像の表示を許否するために乗員によってオンオフ操作される。ここで本実施形態の表示許否スイッチ34は、液晶パネル10の第二画素領域18における外界画像16の表示をその許否対象としている。したがって、乗員は、表示許否スイッチ34をオン位置又はオフ位置へ操作することによって、外界画像16の表示の許可指令又は禁止指令を入力可能となっている。
ライトスイッチ36は例えば運転席前方のステアリングの周囲に設置され、車両の所定のランプを点消灯させるために乗員によってオンオフ操作される。ここで本実施形態のライトスイッチ36は、車両のテープランプが点灯する車幅灯オン位置及び前照灯オン位置と、車両のテールランプが消灯する全灯オフ位置とを操作位置として有している。したがって、乗員は、ライトスイッチ36を所定位置に操作することによって、当該操作位置に対応した点灯指令又は消灯指令を入力可能となっている。
以上の各スイッチ32,34,36はメイン制御部60と電気接続されており、それぞれの操作位置に対応する入力内容を表した信号をメイン制御部60へ送信する。
撮像部40は、外界カメラ42及び画像処理回路44を備えている。外界カメラ42は、CCD等の撮像素子により車両の外界領域を撮影するものである。ここで本実施形態の外界カメラ42は例えば車両のフロントバンパー又はフロントグリルに設置され、専用の投光器又は車両の前照灯から車両前方へ照射した赤外光に対する反射光を撮像素子によって画像信号へと変換する。画像処理回路44はマイクロコンピュータからなり、車両に設置されて外界カメラ42と電気的に接続されている。画像処理回路44は、外界カメラ42からの画像信号を処理することにより、車両前方の外界画像を生成する。以上より撮像部40は、車両の外界のうち夜間又は車両の暗所通過時において前照灯の可視光が届かない領域を外界カメラ42により撮影して、当該領域に関する外界画像16を取得する。
図2,4に示すように描画部50は、描画回路52及び画像メモリ54を備えている。描画回路52はASIC等のICチップからなり、車両において発光ダイオード22の後方に設置されて液晶パネル10及びメイン制御部60と電気接続されている。画像メモリ54はEEPROMからなり、描画回路52と電気接続されている。画像メモリ54には、装置1の工場出荷前等においてメータ画像12及び背景画像13が画像情報として予め記憶されている。以上により描画回路52は、メイン制御部60からの表示指令信号に応答して画像メモリ54から所定のメータ画像12及び背景画像13を読み出し、当該表示指令信号に従って第一画素領域14の各構成画素を駆動することによってメータ画像12及び背景画像13を画面11に表示させる。
また、本実施形態の描画部50では、描画回路52が撮像部40の画像処理回路44にも電気接続されている。これにより描画回路52は、メイン制御部60からの表示指令信号に応答して撮像部40から外界画像16を読み込み、当該表示指令信号に従って第二画素領域18の各構成画素を駆動することによって外界画像16を画面11に表示させる。
メイン制御部60は、制御回路62及び相関情報メモリ64を備えている。メイン制御部60はマイクロコンピュータからなり、車両において発光ダイオード22の後方に設置されている。制御回路62は、バックライト20の発光ダイオード22、入力部30の各スイッチ32,34,36、描画部50の描画回路52及び状態値センサ66と電気接続されている。ここで状態値センサ66は、液晶パネル10の第一画素領域14によりメータ画像12として表示される車両状態値、即ち車速、エンジン回転数、エンジン冷却水温度、燃料残量等を検出し、それら検出結果を表す信号を制御回路62へ送信するものである。
相関情報メモリ64はEEPROMからなり、制御回路62と電気接続されている。相関情報メモリ64には、第一相関情報及び第二相関情報が装置1の工場出荷前等において予め記憶されている。具体的に第一相関情報は、第一画素領域14においてメータ画像12を表示する画素の階調比率(以下、単に「メータ表示階調比率」という)のうち、所定条件下にてメータ画像12を表示する際の階調比率と、液晶調整スイッチ32による入力調整値(以下、単に「入力調整値」という)との相関を表している。また、第二相関情報は、第二画素領域18において外界画像16を「注意画素」として表示する画素の階調比率(以下、単に「注意表示階調比率」という)のうち、所定条件下にて外界画像16を表示する際の階調比率と、入力調整値との相関を表している。
ここで特に本実施形態では、図5の如く入力調整値の増大変化に対して第一画素領域14のメータ表示階調比率及び第二画素領域18の注意表示階調比率が互いに同一の最大比率Rmaxから線形減少し、且つ前者よりも後者にて線形減少率が小さくなるように、第一相関情報及び第二相関情報がそれぞれ規定されている。これにより第二相関情報の表す相関は、入力調整値の増大変化に対して注意表示階調比率を、第一相関情報の表す相関において同一入力調整値に対応するメータ表示階調比率よりも大きくなるよう、最大比率Rmaxから減少させるものとなっている。
尚、相関情報メモリ64において第一及び第二相関情報は、テーブルデータとして記憶されていてもよいし、マップデータとして記憶されていてもよいし、関数データとして記憶されていてもよい。
以上より図4の制御回路62は、各スイッチ32,34,36及び状態値センサ66からの信号と、相関情報メモリ64から読み出した第一及び第二相関情報とに基づいて、表示指令信号を生成する。この表示指令信号は、描画部50の描画回路52へ与えられることによって液晶パネル10の各構成画素の駆動を制御するものであり、以下では、「表示指令信号を描画回路52へ与える」ことを「液晶パネル10を制御する」こととして説明する。
また、制御回路62は、各スイッチ32,34,36及び状態値センサ66からの信号と、第一及び第二相関情報とに基づいて、発光駆動信号を生成する。この発光駆動信号は、バックライト20の発光ダイオード22へ与えられることによって発光ダイオード22の駆動を制御するものであり、以下では、「発光駆動信号を発光ダイオード22へ与える」ことを「バックライト20を制御する」こととして説明する。
次に、第一実施形態による車両用表示装置1の表示作動について、図6,1,7を参照しつつ説明する。ここで、図6はバックライト20の発光輝度について、また図1は各画素領域14,18の階調比率について、さらに図7は各画像12,16の明るさについて示している。尚、第一実施形態の表示作動及び制御フロー(後述)では、第一画素領域14において背景画像13を表示する画素の階調比率及び色合いにつき、メータ画像12の表示を際立たせるように固定されるものとする。
(1)第一モード
メイン制御部60の制御回路62は、全灯オフ位置を表すライトスイッチ36からの信号と、外界画像16の表示の禁止指令を表す表示許否スイッチ34からの信号とを受信する場合には、制御モードを第一モードに設定する。尚、このようにして設定される第一モードは、通常、昼間に実現される。
具体的に、第一モードにおいて制御回路62はバックライト20を制御することにより、拡散板24の発光面26における発光輝度(以下、「バックライト20の発光輝度」という)を、入力調整値の変化に対して一定の最大輝度Lmax(図6)に保持する。
また、第一モードにおいて制御回路62は液晶パネル10を制御することにより、第一画素領域14のメータ表示階調比率を、入力調整値の変化に対して一定の最大比率Rmax(図1)に保持する。
以上により第一モードにおいては、メータ画像12が最大許容の明るさB1max(図7)で表示されることとなる。
尚、第一モードにおいて第二画素領域18の注意表示階調比率及び色合いについては、外界画像16を背景画像13と同化させる階調比率(図1のRass)及び色合いとなるように、調整される。但し、ここで画像同士の同化には、それら画像の階調比率及び色合いが同一となることにより完全に同化することの他、それら画像の色合いが異なっていても階調値が小さいことにより互いに区別困難な暗色となって実質的に同化することも、含まれている。したがって、外界画像16は見かけ上、表示されない(図7)こととなるのである。
(2)第二モード
制御回路62は、車幅灯オン位置又は前照灯オン位置を表すライトスイッチ36からの信号と、外界画像16の表示の許可指令を表す表示許否スイッチ34からの信号とを受信する場合には、制御モードを第二モードに設定する。尚、このようにして設定される第二モードは、例えば夜間又は明かりの特に少ない暗所を車両が通過するときに実現される。
具体的に、第二モードにおいて制御回路62は、バックライト20を制御することによってその発光輝度を、最大輝度Lmaxよりも低く且つ入力調整値の変化に対して一定の中間輝度Lmid(図6)に保持する。
また、第二モードにおいて制御回路62は液晶パネル10を制御することにより、第一画素領域14のメータ表示階調比率を、相関情報メモリ64の第一相関情報に従って入力調整値の対応比率へと変化させる。即ち、第二モードにおいてメータ表示階調比率は、最大比率Rmax以下の範囲ΔR1(図1)内で入力調整値に応じた値に、調整されるのである。
さらに、第二モードにおいて制御回路62は液晶パネル10を制御することにより、第二画素領域18の注意表示階調比率を、相関情報メモリ64の第二相関情報に従って入力調整値の対応比率へと変化させる。即ち、第二モードにおいて注意表示階調比率は、最大比率Rmax以下の範囲ΔR2(図1)内で入力調整値に応じ且つ第一画素領域14のメータ表示階調比率よりも大きくなるように、調整されるのである。
以上により第二モードにおいては、例えばメータ画像12よりも外界画像16が明るくなるように、それぞれ最大許容の明るさB1max,B2maxに対して、中間明るさB1mid,B2mid以下の範囲ΔB1,ΔB2(図7)内で乗員希望の明るさに抑えた画像12,16が、表示されることとなる。
(3)第三モード
制御回路62は、車幅灯オン位置又は前照灯オン位置を表すライトスイッチ36からの信号と、外界画像16の表示の禁止指令を表す表示許否スイッチ34からの信号とを受信する場合には、制御モードを第三モードに設定する。尚、このようにして設定される第三モードは、例えば比較的明かりの多い暗所を車両が通過するときに実現される。
具体的に、第三ードにおいて制御回路62は、バックライト20を制御することによってその発光輝度を、第二モードの場合と同様(図6)に保持する。
また、第三モードにおいて制御回路62は液晶パネル10を制御することにより、第一画素領域14のメータ表示階調比率を第二モードの場合と同様(図1)に変化させる。
これに対し、第三モードにおいて第二画素領域18の注意表示階調比率及び色合いについては、外界画像16を背景画像13と同化させる階調比率(図1のRass)及び色合いとなるように、調整される。
以上により第三モードにおいては、範囲ΔB1(図7)内で乗員希望の明るさに抑えられたメータ画像12が表示される一方、外界画像16は見かけ上、表示されない(図7)こととなる。
次に、第一実施形態の制御回路62による制御フローについて、図8を参照しつつ説明する。この制御フローは、車両のイグニッションスイッチがオンされると、スタートする。
まず、ステップS101では、ライトスイッチ36及び表示許否スイッチ34からの各信号に基づいて、制御モードを第一〜第三モードのいずれかに設定する。
ステップS101において制御モードが第一モードに設定された場合には、ステップS102へ移行する。このステップS102では、バックライト20を制御対象としてその発光輝度を最大輝度Lmaxに調整する。続いてステップS103では、液晶パネル10を制御対象として、第一画素領域14のメータ表示階調比率を最大比率Rmaxに調整することにより、メータ画像12を最大許容の明るさB1maxにて表示させる。それと共にステップS103では、液晶パネル10を制御対象として第二画素領域18の注意表示階調比率及び色合いを、外界画像16が背景画像13と同化するように調整し、外界画像16を非表示状態とする。
一方、ステップS101において制御モードが第二モードに設定された場合には、ステップS104へ移行する。このステップS104では、バックライト20を制御対象としてその発光輝度を中間輝度Lmidに調整する。続いてステップS105では、液晶パネル10を制御対象として第一画素領域14のメータ表示階調比率を、第一相関情報に従う範囲ΔR1内の比率に調整することにより、メータ画像12を範囲ΔB1内の明るさに抑えて表示させる。それと共にステップS105では、液晶パネル10を制御対象として第二画素領域18の注意表示階調比率を、第二相関情報に従う範囲ΔR2内の比率に調整することにより、外界画像16を範囲ΔB2内の明るさに抑えて表示させる。
また一方、ステップS101において制御モードが第三モードに設定された場合には、ステップS106へ移行する。このステップS106では、ステップS104と同様にバックライト20の発光輝度を調整する。続いてステップS107では、ステップS105と同様に第一画素領域14のメータ表示階調比率を調整することにより、メータ画像12を範囲ΔB1内の明るさに抑えて表示させる。それと共にステップS107では、ステップS105とは異なる方法により、具体的には液晶パネル10を制御対象として第二画素領域18の注意表示階調比率及び色合いを、外界画像16が背景画像13と同化するように調整し、外界画像16を非表示状態とする。
尚、ステップS103,S105,S107の実行後は、いずれもステップS108へと移行して、イグニッションスイッチがオフされたか否かを判定する。その結果、肯定判定がなされた場合には、本制御フローを終了するのに対し、否定判定がなされた場合には、ステップS101へリターンして本制御フローを継続する。
以上説明した第一実施形態によれば、外界画像16がメータ画像12と同時に表示される第二モードにおいては、入力調整値に応じて外界画像16の明るさがメータ画像12の明るさと共に抑えられる。しかし、このときには、各画素領域14,18の特徴的な階調比率調整によってメータ画像12に対する外界画像16の相対的な明るさを高めることができるので、注意喚起という外界画像16の表示目的が阻害されるような事態を回避することができる。また、それとは逆にメータ画像12については、乗員の嗜好に合致するように明るさを十分に抑えて表示することができるので、その視認性が高められる。このような第一実施形態によれば、表示目的の異なる画像16,12を、それぞれの目的に応じて適切に表示することができるのである。
(第二実施形態)
本発明の第二実施形態は第一実施形態の変形例である。尚、以下では、第一実施形態と異なる点を中心に説明する。
図10に示すように、第二実施形態の車両用表示装置100においてバックライト120は、液晶パネル10の第一画素領域14を第二画素領域18の両側にて透過照明する第一発光ダイオード122a及び第一拡散板124aの二組を、第一光源128aとして備えている。また、バックライト120は、液晶パネル10の略中央部分の第二画素領域18を透過照明する第二発光ダイオード122b及び第二拡散板124bの一組を、第二光源128bとして備えている。
各光源128a,128bにおいて発光ダイオード122a,122bは、メイン制御部160の制御回路162と電気接続されており、メイン制御部160からそれぞれ与えられる発光駆動信号に従い駆動されることで光を放射する。また、各光源128a,128bにおいて発光ダイオード122a,122bから拡散板124a,124bへ入射した光は、それぞれ拡散板124a,124bにより拡散されて液晶パネル10側の発光面126a,126bから出射される。したがって、液晶パネル10の各画素領域14,18は、それぞれ各光源128a,128bにおいて略均一輝度で発光する発光面126a,126bからの光によって透過照明されることになる。
また、第二実施形態においてメイン制御部160の相関情報メモリ164には、第一実施形態とは異なる第一及び第二相関情報が予め記憶されている。具体的に第一相関情報は、第一光源128aの発光面126aにおける発光輝度(以下、「第一光源128aの発光輝度」という)のうち、所定条件下において第一画素領域14によりメータ画像12を表示する際の発光輝度と、入力調整値との相関を表している。また、第二相関情報は、第二光源128bの発光面126bにおける発光輝度(以下、「第二光源128bの発光輝度」という)のうち、所定条件下において第二画素領域18により外界画像16を表示する際の発光輝度と、入力調整値との相関を表している。
ここで特に本実施形態では、図11の如く入力調整値の増大変化に対して第一光源128aの発光輝度及び第二光源128bの発光輝度が互いに同一の中間輝度Lmidから線形減少し、且つ前者よりも後者にて線形減少率が小さくなるように、第一相関情報及び第二相関情報がそれぞれ規定されている。これにより第二相関情報の表す相関は、入力調整値の増大変化に対して第二光源128bの発光輝度を、第一相関情報の表す相関において同一入力調整値に対応する第一光源128aの発光輝度よりも大きくなるよう、中間輝度Lmidから減少させるものとなっている。
このような第二実施形態において、図10に示すメイン制御部160の制御回路162は、各スイッチ32,34,36及び状態値センサ66からの信号と、相関情報メモリ164から読み出した第一及び第二相関情報とに基づいて、表示指令信号を生成する。この表示指令信号は、第一実施形態の場合と同様、描画部50の描画回路52へ与えられることによって液晶パネル10の各構成画素の駆動を制御するものであり、以下においても、「表示指令信号を描画回路52へ与える」ことを「液晶パネル10を制御する」こととして説明する。
また、制御回路162は、各スイッチ32,34,36及び状態値センサ66からの信号と、第一及び第二相関情報とに基づいて、発光駆動信号を生成する。この発光駆動信号は、各光源128a,128bの発光ダイオード122a,122bへそれぞれ個別に与えられることによって、それら発光ダイオード122a,122bの駆動を制御するものである。そこで、以下では、「発光駆動信号を発光ダイオード122a,122bへ与える」ことを「光源128a,128bを制御する」こととして説明する。
次に、第二実施形態による車両用表示装置100の表示作動について、図12〜14を参照しつつ説明する。ここで、図12は各画素領域14,18の階調比率について、また図13は各光源128a,128bの発光輝度について、さらに図14は各画像12,16の明るさについて示している。尚、第二実施形態の表示作動及び制御フロー(後述)では、第一画素領域14において背景画像13を表示する画素の階調比率及び色合いにつき、メータ画像12の表示を際立たせるように固定されるものとする。
(1)第一モード
第一モードにおいて制御回路162は液晶パネル10を制御することにより、第一画素領域14のメータ表示階調比率を、入力調整値の変化に対して一定の最大比率Rmax(図12)に保持する。
また、第一モードにおいて制御回路162は、第一光源128aを制御することによってその発光輝度を、入力調整値の変化に対して一定の最大輝度Lmax(図13)に保持する。
以上により第一モードにおいては、メータ画像12が最大許容の明るさB1max(図14)で表示されることとなる。
尚、この第一モードにおいて第二画素領域18の注意表示階調比率及び色合いについては、外界画像16を背景画像13と同化させる階調比率(図12のRass)及び色合いとなるように、調整される。また、第一モードにおいて第二光源128bについては、その発光輝度が第一光源128aの発光輝度(図13のLmax)と一致するように制御される。したがって、外界画像16は見かけ上、表示されない(図14)こととなる。
(2)第二モード
第二モードにおいて制御回路162は液晶パネル10を制御することにより、第一画素領域14のメータ表示階調比率及び第二画素領域18の注意表示階調比率を、第一モードにおけるメータ表示階調比率の場合と同様(図12)に保持する。
また、第二モードにおいて制御回路162は、第一光源128aを制御することによってその発光輝度を、相関情報メモリ164の第一相関情報に従って入力調整値の対応輝度へと変化させる。即ち、第二モードにおいて第一光源128aの発光輝度は、中間輝度Lmid以下の範囲ΔL1(図13)内で入力調整値に応じた値に、調整されるのである。
さらに、第二モードにおいて制御回路162は、第二光源128bを制御することによってその発光輝度を、相関情報メモリ164の第二相関情報に従って入力調整値の対応値へと変化させる。即ち、第二モードにおいて第二光源128bの発光輝度は、中間輝度Lmid以下の範囲ΔL2(図13)内で入力調整値に応じ且つ第一光源128aの発光輝度よりも大きくなるように、調整されるのである。
以上により第二モードにおいては、例えばメータ画像12よりも外界画像16が明るくなるように、それぞれ中間明るさB1mid,B2mid以下の範囲ΔB1,ΔB2(図14)内で乗員希望の明るさに抑えた画像12,16が、表示されることとなる。
(3)第三モード
第三ードにおいて制御回路162は液晶パネル10を制御することにより、第一画素領域14のメータ表示階調比率を第一モードの場合と同様(図12)に保持する。
また、第三モードにおいて制御回路162は、第一光源128aを制御することによってその発光輝度を、第二モードの場合と同様(図13)に変化させる。
以上に対し、第三モードにおいて第二画素領域18の注意表示階調比率及び色合いについては、外界画像16を背景画像13と同化させる階調比率(図12のRass)及び色合いとなるように、調整される。また、第三モードにおいて第二光源128bについては、その発光輝度が第一光源128aの発光輝度(図13の範囲ΔL1内の輝度)と一致するように制御される。
以上により第三モードにおいては、範囲ΔB1(図14)内で乗員希望の明るさに抑えられたメータ画像12が表示される一方、外界画像16は見かけ上、表示されない(図14)こととなる。
次に、第二実施形態の制御回路162による制御フローについて、図15を参照しつつ説明する。尚、図15のステップS201,S208は第一実施形態のステップS101,S108と実質的に同一であるので、その説明を省略し、第一実施形態と異なるステップS202〜S207について説明する。
ステップS201において制御モードが第一モードに設定された場合に移行するステップS202では、液晶パネル10を制御対象として第一画素領域14のメータ表示階調比率を最大比率Rmaxに調整する。それと共にステップS202では、液晶パネル10を制御対象として第二画素領域18の注意表示階調比率及び色合いを、外界画像16が背景画像13と同化するように調整する。以上の後、ステップS203では、第一及び第二光源128a,128bを制御対象として、それらの発光輝度をいずれも最大輝度Lmaxに調整することにより、メータ画像12を最大許容の明るさB1maxにて表示させ、また外界画像16を非表示状態とする。
一方、ステップS201において制御モードが第二モードに設定された場合に移行するステップS204では、液晶パネル10を制御対象として、第一画素領域14のメータ表示階調比率及び第二画素領域18の注意表示階調比率をいずれも最大比率Rmaxに調整する。続いてステップS205では、第一光源128aを制御対象としてその発光輝度を、第一相関情報に従う範囲ΔL1内の輝度に調整することにより、メータ画像12を範囲ΔB1内の明るさに抑えて表示させる。それと共にステップS205では、第二光源128bを制御対象としてその発光輝度を、第二相関情報に従う範囲ΔL2内の輝度に調整することにより、外界画像16を範囲ΔB2内の明るさに抑えて表示させる。
また一方、ステップS201において制御モードが第三モードに設定された場合に移行するステップS206では、ステップS202と同様に、第一画素領域14のメータ表示階調比率並びに第二画素領域18の注意表示階調比率及び色合いを調整する。続いてステップS207では、ステップS205と同様に第一光源128aの発光輝度を調整することにより、メータ画像12を範囲ΔB1内の明るさに抑えて表示させる。それと共にステップS207では、ステップS205とは異なる方法により、具体的には第二光源128bを制御対象として、その発光輝度を第一光源128aの発光輝度と一致させて、外界画像16を非表示状態とする。
以上説明した第二実施形態によれば、外界画像16がメータ画像12と同時に表示される第二モードにおいては、各光源128a,128bの特徴的な発光輝度調整が実施されるので、第一実施形態と同様な作用効果を享受することができるのである。
尚、ここまでの第二実施形態では、バックライト120が「照明手段」に相当し、入力部30が「入力手段」に相当し、第一光源128aが「メータ表示光源」に相当し、第二光源128bが「注意表示光源」に相当する。また、第二実施形態では、撮像部40、描画部50及びメイン制御部160が「制御手段」に相当し、メイン制御部160が「光源輝度調整部」に相当する。さらに、第二実施形態では、相関情報メモリ164が「相関情報記憶部」に相当し、相関情報メモリ164に記憶の第一及び第二相関情報が「相関情報記憶部に記憶の相関情報」に相当する。
(第三実施形態)
本発明の第三実施形態は第一実施形態の変形例である。尚、以下では、第一実施形態と異なる点を中心に説明する。
図16に示すように第三実施形態では、入力調整値の増大変化に対して第一画素領域14のメータ表示階調比率及び第二画素領域18の注意表示階調比率が互いに異なる基準比率R1,R2から線形減少し、且つ前者よりも後者にて線形減少率が小さくなるように、第一相関情報及び第二相関情報がそれぞれ規定されている。ここで、第二画素領域18の注意表示階調比率に関する基準比率R2は、最大比率Rmaxに設定される一方、第一画素領域14のメータ表示階調比率に関する基準比率R1は、当該基準比率R2よりも小さな比率に設定される。これにより第二相関情報の表す相関は、入力調整値の増大変化に対して第二画素領域18の注意表示階調比率を、第一相関情報の表す相関において同一入力調整値に対応する第一画素領域14のメータ表示階調比率よりも大きくなるよう、最大比率Rmaxから減少させるものとなっている。
こうした第三実施形態の第二モードにおいては、第二相関情報に従って第二画素領域18の注意表示階調比率が基準比率R2以下の範囲ΔR2(図17)内に調整される一方、第一相関情報に従って第一画素領域14のメータ表示階調比率が基準比率R2より小さな基準比率R1以下の範囲δR1(図17)内に調整される。したがって、第二画素領域18の注意表示階調比率が第一画素領域14のメータ表示階調比率よりも大きくなるように設定されて、メータ画像12に対する外界画像16の相対的な明るさが高められることになるので、第一実施形態と同様な作用効果を享受することができるのである。
尚、第三実施形態の第三モードにおいては、第一画素領域14のメータ表示階調比率が第二モードの場合と同様(図17)に調整される。
また、第三実施形態では、第一相関情報及び第二相関情報に加えて、第一実施形態の第一相関関数(図5参照)が第三相関関数として相関情報メモリ64に記憶されている。そこで、第三実施形態の第一モードにおいては、かかる第三相関情報に従って第一画素領域14のメータ表示階調比率が最大比率Rmax以下の範囲ΔR1(図1)内に調整されることになる。
(第四実施形態)
本発明の第四実施形態は第二実施形態の変形例である。尚、以下では、第二実施形態と異なる点を中心に説明する。
図18に示すように第四実施形態では、入力調整値の増大変化に対して第一光源128aの発光輝度及び第二光源128bの発光輝度が互いに異なる基準輝度L1,L2から線形減少し、且つ前者よりも後者にて線形減少率が小さくなるように、第一相関情報及び第二相関情報がそれぞれ規定されている。ここで、第二光源128bの発光輝度に関する基準輝度L2は、中間輝度Lmidに設定される一方、第一光源128aの発光輝度に関する基準輝度L1は、当該基準輝度L2よりも小さな輝度に設定される。これにより第二相関情報の表す相関は、入力調整値の増大変化に対して第二光源128bの発光輝度を、第一相関情報の表す相関において同一入力調整値に対応する第一光源128aの発光輝度よりも大きくなるよう、中間輝度Lmidから減少させるものとなっている。
こうした第四実施形態の第二モードにおいては、第二相関情報に従って第二光源128bの発光輝度が基準輝度L2以下の範囲ΔL2(図19)内に調整される一方、第一相関情報に従って第一光源128aの発光輝度が基準輝度L1以下の範囲δL1(図19)内に調整される。したがって、第二光源128bの発光輝度が第一光源128aの発光輝度よりも大きくなるように設定されて、メータ画像12に対する外界画像16の相対的な明るさが高められることになるので、第二実施形態と同様な作用効果を享受することができるのである。
尚、第四実施形態の第三モードにおいては、第一光源128aの発光輝度が第二モードの場合と同様(図19)に調整され、当該発光輝度と一致するように第二光源128bの発光輝度も調整されるのである。
(第五実施形態)
本発明の第五実施形態は第一実施形態の変形例である。尚、以下では、第一実施形態と異なる点を中心に説明する。
図20,21に示すように、第五実施形態の車両用表示装置200において液晶パネル210は、メータ画像12及び背景画像13を表示する第一画素領域214の下方に、警告画像216及び背景画像217を表示する第二画素領域218を有している。ここで警告画像216は、車両の異常に対して注意を喚起するために当該異常を警告する「注意画像」であり、本実施形態では、エンジン冷却水の温度上昇異常を示す異常表示画像216a、燃料残量のエンプティ異常を示す異常表示画像216bを含んでいる。このような警告画像216について、第二画素領域218は、異常の発生時に当該領域218の各構成画素の駆動によって表示し、異常のない通常時には見かけ上表示しない。これに対し、背景画像217は、警告画像216を際立たって表示させるための背景として表示されるものである。そこで、以下では、各画素領域214,218が表示する背景画像13,217を区別するために、第一画素領域214の背景画像13を「第一背景画像13」といい、第二画素領域218の背景画像217を「第二背景画像217」というものとする。
尚、本実施形態の第一画素領域214については、液晶パネル210における配設位置以外の点で、第一実施形態の第一画素領域14と同様に構成されている。また、図20において二点鎖線は、第一画素領域214と第二画素領域218との境界を仮想的に表している。
以上の変形に伴い、図21に示すように描画部250の画像メモリ254には、メータ画像12及び第一背景画像13と共に警告画像216及び第二背景画像14が、画像情報として予め記憶されている。また、メイン制御部260の相関情報メモリ264に記憶の第一相関情報及び第二相関情報は、それぞれ第一画素領域214のメータ表示階調比率と、第二画素領域218において警告画像216を「注意画像」として表示する画素の階調比率(以下、かかる階調比率を「注意表示階調比率」という)とに関するものとなっている。さらに、入力部230には、表示許否スイッチ34が設けられていない。
このような第五実施形態においてメイン制御部260の制御回路262は、エンジン冷却水の温度上昇異常及び残量燃料量のエンプティ異常を、状態値センサ66からの信号に基づいて検出する。その結果、制御回路262は、エンジン冷却水の温度上昇異常又は残量燃料量のエンプティ異常を検出したときは「異常発生時」と判断し、それら異常のいずれも検出されないときは「通常時」と判断することとなる。
また、制御回路262は、各スイッチ32,36及び状態値センサ66からの信号と、相関情報メモリ264から読み出した第一及び第二相関情報とに基づいて、表示指令信号を生成する。この表示指令信号は、描画部250の描画回路252へ与えられることによって液晶パネル210の各構成画素の駆動を制御するものであり、以下では、「表示指令信号を描画回路252へ与える」ことを「液晶パネル210を制御する」こととして説明する。
さらに、制御回路262は、各スイッチ32,36及び状態値センサ66からの信号と、第一及び第二相関情報とに基づいて、発光駆動信号を生成する。この発光駆動信号は、第一実施形態と同様、バックライト20の発光ダイオード22へ与えられることによって発光ダイオード22の駆動を制御するものであり、以下においても、「発光駆動信号を発光ダイオード22へ与える」ことを「バックライト20を制御する」こととして説明する。
次に、第五実施形態による車両用表示装置200の表示作動について、図22〜図24を参照しつつ説明する。ここで、図22はバックライト20の発光輝度について、また図23は各画素領域214,218の階調比率について、さらに図24は各画像12,216の明るさ等について示している。尚、第五実施形態の表示作動及び制御フロー(後述)では、第一画素領域214において第一背景画像13を表示する画素の階調比率及び色合いにつき、メータ画像12の表示を際立たせるように固定されるものとする。
(第一モード)
第五実施形態の制御回路262は、全灯オフ位置を表すライトスイッチ36からの信号を受信する場合には、制御モードを第一モードに設定する。尚、このようにして設定される第一モードは、通常、昼間に実現される。
具体的に、第一モードの通常時及び異常発生時において制御回路262は、バックライト20を制御することによってその発光輝度を、入力調整値の変化に対して一定の最大輝度Lmax(図22)に保持する。
また、第一モードの通常時及び異常発生時において制御回路262は、液晶パネル210を制御することにより、第一画素領域214のメータ表示階調比率を、相関情報メモリ264の第一相関情報に従って入力調整値の対応比率に変化させる。即ち、第一画素領域214のメータ表示階調比率は、最大比率Rmax以下の範囲ΔR1(図23)内で入力調整値に応じた比率に、調整される。したがって、第一モードの通常時及び異常発生時のいずれにおいても、最大許容の明るさB1max(図24)のメータ画像12又は範囲ΔB11(図24)内で乗員希望の明るさに抑えられたメータ画像12が、表示されることとなる。
さらに、第一モードの通常時のみにおいて制御回路262は、第二画素領域218全体の階調比率(即ち、注意表示階調比率を含む)及び色合いについて、警告画像216及び第二背景画像217を第一背景画像13と同化させる階調比率(図23のRass)及び色合いとなるように、調整する。したがって、第一モードの通常時において警告画像216は、見かけ上、表示されない(図24)のである。
これに対し、第一モードの異常発生時において制御回路262は液晶パネル210を制御することにより、第二画素領域218の注意表示階調比率を、相関情報メモリ264の第二相関情報に従って入力調整値の対応比率へと変化させる。即ち、注意表示階調比率は、最大比率Rmax以下の範囲ΔR2(図23)内で入力調整値に応じ且つ第一画素領域214のメータ表示階調比率よりも大きくなるように、調整される。したがって、第一モードの異常発生時においては、最大許容の明るさB2max(図24)の警告画像216又は範囲ΔB21(図24)内で乗員希望の明るさに抑えられた警告画像216が、表示されることとなる。
尚、第一モードの異常発生時の第二画素領域218において、第二背景画像217を表示する画素の階調比率及び色合いについては、当該画像217を第一背景画像13と同化させる階調比率(Rass)及び色合いとなるよう、調整されることになる。これにより、第二背景画像217に囲まれる警告画像216の表示を際立たせることができるのである。
(第二モード)
第五実施形態の制御回路262は、車幅灯オン位置又は前照灯オン位置を表すライトスイッチ36からの信号を受信する場合には、制御モードを第二モードに設定する。尚、このようにして設定される第二モードは、通常、夜間又は暗所を車両が通過するときに実現される。
具体的に、第二モードの通常時及び異常発生時において制御回路262は、バックライト20を制御することによってその発光輝度を、入力調整値の変化に対して一定の中間輝度Lmid(図22)に保持する。
また、第二モードの通常時及び異常発生時において制御回路262は、液晶パネル210を制御することにより、第一画素領域214のメータ表示階調比率を第一モードの場合と同様(図23)に変化させる。したがって、第二モードの通常時及び異常発生時のいずれにおいても、中間明るさB1mid以下の範囲ΔB12(図24)内で乗員希望の明るさに抑えられたメータ画像12が、表示されることとなる。
さらに、第二モードの通常時のみにおいて制御回路262は、液晶パネル210を制御することにより、第一モードの場合と同様な階調比率(図23のRass)及び色合いを第二画素領域218にて実現する。したがって、第二モードの通常時においても、警告画像216は見かけ上、表示されない(図24)のである。
これに対し、第二モードの異常発生時において制御回路262は液晶パネル210を制御することにより、第二画素領域218の注意表示階調比率を、第一モードの場合と同様(図23)に変化させる。したがって、第二モードの異常発生時においては、メータ画像12よりも明るく且つ中間明るさB2mid以下の範囲ΔB22(図24)内で乗員希望の明るさに抑えられた警告画像216が、表示されることとなる。
尚、第二モードの異常発生時の第二画素領域218において、第二背景画像217を表示する画素の階調比率及び色合いについては、第一モードの場合と同様な階調比率及び色合いとなるように、調整されることになる。これにより、第二背景画像217に囲まれる警告画像216の表示を際立たせることができるのである。
次に、第五実施形態の制御回路262による制御フローについて、図25を参照しつつ説明する。尚、この制御フローも、車両のイグニッションスイッチがオンされると、スタートする。
まず、ステップS301では、ライトスイッチ36からの各信号に基づいて、制御モードを第一及び第二モードのいずれかに設定する。
ステップS301において制御モードが第一モードに設定された場合には、ステップS302へ移行する。このステップS302では、バックライト20を制御対象としてその発光輝度を最大輝度Lmaxに調整する。続いてステップS303では、液晶パネル210を制御対象として第一画素領域214のメータ表示階調比率を、第一相関情報に従う範囲ΔR1内の比率に調整する。これらにより、最大許容の明るさB1max又は範囲ΔB11内で当該B1maxよりも抑えた明るさにて、メータ画像12を表示させるのである。
この後、ステップS304では、エンジン冷却水の温度上昇異常又は残量燃料量のエンプティ異常を検出したか否かを、状態値センサ66からの信号に基づいて判定する。
ステップS304で肯定判定がなされた場合には、異常発生時と判断して、ステップS305へ移行する。このステップS305では、液晶パネル210を制御対象として第二画素領域218の注意表示階調比率を、第二相関情報に従う範囲ΔR2内の比率に調整する。それと共にステップS305では、液晶パネル210を制御対象として、第二画素領域218のうち第二背景画像217の表示画素の階調比率及び色合いを、当該画像217が第一背景画像13と同化するように調整する。これらにより、最大許容の明るさB2max又は範囲ΔB21内で当該B2maxよりも抑えた明るさにて、警告画像216を表示させるのである。
一方、ステップS304で否定判定がなされた場合には、通常時と判断して、ステップS306へ移行する。このステップS306では、液晶パネル210を制御対象として第二画素領域218全体の階調比率及び色合いを、警告画像216及び第二背景画像217が第一背景画像13と同化するように調整し、警告画像216の非表示状態とする。
以上、ステップS301において制御モードが第一モードに設定された場合について説明したが、同ステップS301において制御モードが第二モードに設定された場合には、ステップS307へ移行する。このステップS307では、バックライト20を制御対象としてその発光輝度を中間輝度Lmidに調整する。続いてステップS308では、ステップS303と同様に第一画素領域214のメータ表示階調比率を調整する。これらによりメータ画像12の明るさを、中間明るさB1mid以下の範囲ΔB12内に抑えて表示させるのである。
この後、ステップS309では、エンジン冷却水の温度上昇異常又は残量燃料量のエンプティ異常を検出したか否かを、ステップS304と同様に判定する。
ステップS309で肯定判定がなされた場合には、異常発生時と判断して、ステップS310へ移行する。このステップS310では、第二画素領域218の注意表示階調比率を、ステップS305と同様に調整する。それと共にステップS310では、第二画素領域218のうち第二背景画像217の表示画素の階調比率及び色合いを、ステップS305と同様に調整する。これらにより警告画像216を、中間明るさB2mid以下の範囲ΔB22内に抑えて表示させるのである。
一方、ステップS309で否定判定がなされた場合には、通常時と判断して、ステップS311へ移行する。このステップS311では、液晶パネル210を制御対象として、第二画素領域218全体の階調比率及び色合いをステップS306と同様に調整し、警告画像216の非表示状態とする。
尚、ステップS305,S306,S310,S311の実行後は、いずれもステップS312へと移行して、イグニッションスイッチがオフされたか否かを判定する。その結果、肯定判定がなされた場合には、本制御フローを終了するのに対し、否定判定がなされた場合には、ステップS301へリターンして本制御フローを継続する。
以上説明した第五実施形態によれば、警告画像216がメータ画像12と同時に表示される各モードの異常発生時においては、警告画像216の明るさが入力調整値に応じて、メータ画像12の明るさと共に抑えられる。しかし、このときには、各画素領域214,218の特徴的な階調比率調整によってメータ画像12に対する警告画像216の相対的な明るさを高めることができるので、注意喚起という警告画像216の表示目的が阻害されるような事態を回避することができる。また、それとは逆にメータ画像12については、乗員の嗜好に合致するように明るさを十分に抑えて表示することができるので、その視認性が高められる。したがって、このような第五実施形態によっても、表示目的の異なる画像216,12を、それぞれの目的に応じて適切に表示することができるのである。
(第六実施形態)
本発明の第六実施形態は第五実施形態の変形例である。尚、以下では、第五実施形態と異なる点を中心に説明する。
図26に示すように、第六実施形態の車両用表示装置300においてバックライト320は、液晶パネル210の第一画素領域214を透過照明する第一発光ダイオード322a及び第一拡散板324aの一組を、第一光源328aとして備えている。また、バックライト320は、液晶パネル210の第二画素領域218を透過照明する第二発光ダイオード322b及び第二拡散板324bの一組を、第二光源328bとして備えている。
各光源328a,328bにおいて発光ダイオード322a,322bは、メイン制御部360の制御回路362と電気接続されており、メイン制御部360からそれぞれ与えられる発光駆動信号に従い駆動されることで光を放射する。また、各光源328a,328bにおいて発光ダイオード322a,322bから拡散板324a,324bへ入射した光は、それぞれ拡散板324a,324bにより拡散されて液晶パネル210側の発光面326a,326bから出射される。したがって、液晶パネル210の各画素領域214,218は、それぞれ各光源328a,328bにおいて略均一輝度で発光する発光面326a,326bからの光により透過照明されることとなる。
また、第六実施形態においてメイン制御部360の相関情報メモリ364には、第五実施形態とは異なる第一及び第二相関情報が予め記憶されている。具体的に第一相関情報は、第一光源328aの発光面326aにおける発光輝度(以下、「第一光源328aの発光輝度」という)のうち、所定条件下において第一画素領域214によりメータ画像12を表示する際の発光輝度と、入力調整値との相関を表している。また、第二相関情報は、第二光源328bの発光面326bにおける発光輝度(以下、「第二光源328bの発光輝度」という)のうち、所定条件下において第二画素領域218により「注意画像」としての警告画像216を表示する際の発光輝度と、入力調整値との相関を表している。
ここで特に本実施形態では、図27の如く入力調整値の増大変化に対して第一光源328aの発光輝度及び第二光源328bの発光輝度が互いに同一の最大輝度Lmax(同図の上側半分)又は中間輝度Lmid(同図の下側半分)から線形減少し、且つ前者よりも後者にて線形減少率が小さくなるように、第一相関情報及び第二相関情報がそれぞれ規定されている。これにより第二相関情報の表す相関は、入力調整値の増大変化に対して第二光源328bの発光輝度を、第一相関情報の表す相関において同一入力調整値に対応する第一光源328aの発光輝度よりも大きくなるよう、初期値としての最大輝度Lmax又は中間輝度Lmidから減少させるものとなっている。
このような第六実施形態において、図26に示すメイン制御部360の制御回路362は、各スイッチ32,36及び状態値センサ66からの信号と、相関情報メモリ364から読み出した第一及び第二相関情報とに基づいて、表示指令信号を生成する。この表示指令信号は、第五実施形態の場合と同様、描画部250の描画回路252へ与えられることによって液晶パネル210の各構成画素の駆動を制御するものであり、以下においても、「表示指令信号を描画回路252へ与える」ことを「液晶パネル210を制御する」こととして説明する。
また、制御回路362は、各スイッチ32,36及び状態値センサ66からの信号と、第一及び第二相関情報とに基づいて、発光駆動信号を生成する。この発光駆動信号は、各光源328a,328bの発光ダイオード322a,322bへそれぞれ個別に与えられることによって、それら発光ダイオード322a,322bの駆動を制御するものである。そこで、以下では、「発光駆動信号を発光ダイオード322a,322bへ与える」ことを「光源328a,328bを制御する」こととして説明する。
次に、第六実施形態による車両用表示装置300の表示作動について、図28〜30を参照しつつ説明する。ここで、図28は各画素領域214,218の階調比率について、また図29は各光源328a,328bの発光輝度について、さらに図30は各画像12,216の明るさ等について示している。尚、第六実施形態の表示作動及び制御フロー(後述)では、第一画素領域214において第一背景画像13を表示する画素の階調比率及び色合いにつき、メータ画像12の表示を際立たせるように固定されるものとする。
(1)第一モード
第一モードの通常時及び異常発生時において制御回路362は、液晶パネル210を制御することにより第一画素領域214のメータ表示階調比率を、入力調整値の変化に対して一定の最大比率Rmax(図28)に保持する。
また、第一モードの通常時及び異常発生時において制御回路362は、第一光源328aを制御することによってその発光輝度を、相関情報メモリ364の第一相関情報のうち最大輝度Lmaxが初期値のものに従って、入力調整値の対応輝度へと変化させる。即ち、第一光源328aの発光輝度は、最大輝度Lmax以下の範囲ΔL11(図29)内で入力調整値に応じた輝度に、調整されるのである。したがって、第一モードの通常時及び異常発生時のいずれにおいても、最大許容の明るさB1max(図30)のメータ画像12、又は範囲ΔB11(図30)内で乗員希望の明るさに抑えられたメータ画像12が、表示されることとなる。
さらに、第一モードの通常時のみにおいて制御回路362は、第二画素領域218全体の階調比率(即ち、注意表示階調比率を含む)及び色合いについて、警告画像216及び第二背景画像217を第一背景画像13と同化させる階調比率(図28のRass)及び色合いとなるように、調整する。また、これに加えて制御回路362は、第二光源328bを制御することによってその発光輝度を、第一光源328aの発光輝度(図29の範囲ΔL11内の輝度)と一致させる。以上により、第一モードの通常時において警告画像216は、見かけ上、表示されない(図30)のである。
これに対し、第一モードの異常発生時において制御回路362は、液晶パネル210を制御することにより、第二画素領域218の注意表示階調比率を、入力調整値の変化に対して一定の最大比率Rmax(図28)に保持する。また、これに加えて制御回路362は、第二光源328bを制御することによってその発光輝度を、相関情報メモリ364の第二相関情報のうち最大輝度Lmaxが初期値のものに従って、入力調整値の対応輝度へと変化させる。即ち、第二光源328bの発光輝度は、最大輝度Lmax以下の範囲ΔL21(図29)内で入力調整値に応じた輝度に、調整されるのである。以上により、第一モードの異常発生時においては、最大許容の明るさB2max(図30)の警告画像216又は範囲ΔB21(図30)内で乗員希望の明るさに抑えられた警告画像216が、表示されることとなる。
尚、第一モードの異常発生時の第二画素領域218において、第二背景画像217を表示する画素の階調比率及び色合いについては、当該画像217を第一背景画像13と同化させる階調比率(Rass)及び色合いとなるよう、調整されることになる。これにより、第二背景画像217に囲まれる警告画像216の表示を際立たせることができるのである。
(第二モード)
第二モードの通常時及び異常発生時において制御回路362は、液晶パネル210を制御することにより第一画素領域214のメータ表示階調比率を、第一モードの場合と同様(図28)に保持する。
また、第二モードの通常時及び異常発生時において制御回路362は、第一光源328aを制御することによってその発光輝度を、相関情報メモリ364の第一相関情報のうち中間輝度Lmidが初期値のものに従って、入力調整値の対応輝度へと変化させる。即ち、第一光源328aの発光輝度は、中間輝度Lmid以下の範囲ΔL12(図29)内で入力調整値に応じた輝度に、調整されるのである。したがって、第一モードの異常発生時及び通常時のいずれにおいても、中間明るさB1mid以下の範囲ΔB12(図30)内で乗員希望の明るさに抑えられたメータ画像12が、表示されることとなる。
さらに、第二モードの通常時のみにおいて制御回路362は、液晶パネル210を制御することにより、第一モードの場合と同様な階調比率(図28のRass)及び色合いを第二画素領域218にて実現する。また、これに加えて制御回路362は、第二光源328bを制御することによってその発光輝度を、第一光源328aの発光輝度(図29の範囲ΔL12内の輝度)と一致させる。以上により、第二モードの通常時においても、警告画像216は見かけ上、表示されない(図30)のである。
これに対し、第二モードの異常発生時において制御回路362は液晶パネル210を制御することにより、第二画素領域218の注意表示階調比率を、第一モードの場合と同様(図28)に保持する。また、これに加えて制御回路362は、第二光源328bを制御することによってその発光輝度を、相関情報メモリ364の第二相関情報のうち中間輝度Lmidが初期値のものに従って、入力調整値の対応輝度へと変化させる。即ち、第二光源328bの発光輝度は、中間輝度Lmid以下の範囲ΔL22(図29)内で入力調整値に応じた輝度に、調整されるのである。以上により、第二モードの異常発生時においては、中間明るさB2mid以下の範囲ΔB22(図30)内で乗員希望の明るさに抑えられた警告画像216が、表示されるのである。
尚、第二モードの異常発生時の第二画素領域218において、第二背景画像217を表示する画素の階調比率及び色合いについては、第一モードの場合と同様な階調比率及び色合いとなるように、調整されることになる。これにより、第二背景画像217に囲まれる警告画像216の表示を際立たせることができるのである。
次に、第六実施形態の制御回路362による制御フローについて、図31を参照しつつ説明する。尚、図31のステップS401,S404,S411は第五実施形態のステップS301,S304,S309と実質的に同一であるので、その説明を省略し、第一実施形態と異なるステップS402,S403,S405〜S410,S412〜S416について説明する。
ステップS401において制御モードが第一モードに設定された場合に移行するステップS402では、液晶パネル210を制御対象として第一画素領域214のメータ表示階調比率を最大比率Rmaxに調整する。続いてステップS403では、第一光源328aを制御対象としてその発光輝度を、第一相関情報のうち最大輝度Lmaxが初期値のものに従う範囲ΔL11内の輝度に調整する。これらにより、最大許容の明るさB1max又は範囲ΔB11内で当該B1maxよりも抑えた明るさにて、メータ画像12を表示させるのである。
この後、ステップS404で肯定判定がなされた場合に移行するステップS405では、液晶パネル210を制御対象として第二画素領域218の注意表示階調比率を、最大比率Rmaxに調整する。それと共にステップS405では、液晶パネル210を制御対象として、第二画素領域218のうち第二背景画像217の表示画素の階調比率及び色合いを、当該画像217が第一背景画像13と同化するように調整する。さらに、続くステップS406では、第二光源328bを制御対象としてその発光輝度を、第二相関情報のうち最大輝度Lmaxが初期値のものに従う範囲ΔL21内の輝度に調整する。これらにより、最大許容の明るさB2max又は範囲ΔB21内で当該B2maxよりも抑えた明るさにて、警告画像216を表示させるのである。
一方、ステップS404で否定判定がなされた場合に移行するステップS407では、液晶パネル210を制御対象として第二画素領域218全体の階調比率及び色合いを、警告画像216及び第二背景画像217が第一背景画像13と同化するように調整する。続いてステップS408では、第二光源328bを制御対象としてその発光輝度を、直前のステップS403にて調整された第一光源328aの発光輝度に一致させる。これらにより、警告画像216の非表示状態を実現するのである。
以上、ステップS401において制御モードが第一モードに設定された場合の後続ステップについて説明したが、同ステップS401において制御モードが第二モードに設定された場合に移行するステップS409では、ステップS402と同様に第一画素領域214のメータ表示階調比率を調整する。続いてステップS410では、第一光源328aを制御対象としてその発光輝度を、第一相関情報のうち中間輝度Lmidが初期値のものに従う範囲ΔL12内の輝度に調整する。これらによりメータ画像12を、中間明るさB1mid以下の範囲ΔB12内に抑えた明るさにて表示させるのである。
この後、ステップS411で肯定判定がなされた場合に移行するステップS412では、第二画素領域218の注意表示階調比率を、ステップS405と同様に調整する。それと共にステップS412では、第二画素領域218のうち第二背景画像217の表示画素の階調比率及び色合いを、ステップS405と同様に調整する。さらに、続くステップS413では、第二光源328bを制御対象としてその発光輝度を、第二相関情報のうち中間輝度Lmidが初期値のものに従う範囲ΔL22内の輝度に調整する。これらにより警告画像216を、中間明るさB2mid以下の範囲ΔB22内に抑えた明るさにて表示させるのである。
一方、ステップS411で否定判定がなされた場合に移行するステップS414では、ステップS407と同様に第二画素領域218全体の階調比率及び色合いを調整する。続いてステップS415では、第二光源328bを制御対象としてその発光輝度を、直前のステップS410にて調整された第一光源328aの発光輝度に一致させる。これらにより、警告画像216の非表示状態を実現するのである。
尚、ステップS406,S408,S413,S415の実行後は、いずれもステップS416へと移行して、イグニッションスイッチがオフされたか否かを判定する。その結果、肯定判定がなされた場合には、本制御フローを終了するのに対し、否定判定がなされた場合には、ステップS401へリターンして本制御フローを継続する。
以上説明した第六実施形態によれば、警告画像216がメータ画像12と同時に表示される各モードの異常発生時においては、各光源328a,328bの特徴的な発光輝度調整が実施されるので、第五実施形態と同様な作用効果を享受することができるのである。
尚、ここまでの第六実施形態では、バックライト320が「照明手段」に相当し、入力部230が「入力手段」に相当し、第一光源328aが「メータ表示光源」に相当し、第二光源328bが「注意表示光源」に相当する。また、第六実施形態では、撮像部40、描画部250及びメイン制御部360が「制御手段」に相当し、メイン制御部360が「光源輝度調整部」に相当する。さらに、第六実施形態では、相関情報メモリ364が「相関情報記憶部」に相当し、相関情報メモリ364に記憶の第一及び第二相関情報が「相関情報記憶部に記憶の相関情報」に相当し、状態値センサ66及びメイン制御部360が「異常検出部」に相当し、画像メモリ254が「画像記憶部」に相当する。
(第七実施形態)
本発明の第七実施形態は第二実施形態の変形例である。尚、以下では、第二実施形態と異なる点を中心に説明する。
詳細には、図32に例示するように第七実施形態においては、同一画素を構成して特定の色合い(色相)を表現するサブ画素のうち、その色合い表現に濃度が必要とされるサブ画素の階調値について、0よりも大きく且つ最大値以下の範囲となるように決定される。
そして、第七実施形態においては、色合い表現に必要なサブ画素について上記の如く決定した階調値を選択すると共に、残りのサブ画素の階調値として0を選択する表示指令信号が、描画部50の描画回路52に与えられるのである。そこで、以下では説明を判り易くするために、画素を構成するサブ画素のうち、色合い表現に必要なサブ画素についての階調値を「画素の階調値」として、説明する。
尚、色合い表現に必要なサブ画素が複数存在する場合には、それらサブ画素の階調値の各々が「画素の階調値」を意味するものとする。したがって、画素の階調値の最大値とは、例えば図32に示すように、一つのサブ画素Rにより赤色を表現する画素の場合は63となるが、二つのサブ画素R,Gにより黄色を表現する画素の場合は63,31となり、またサブ画素R,G,Bにより白色を表現する画素の場合は63,63,63となる。
このような第七実施形態の表示作動について、図33〜図35を参照しつつ、以下に説明する。ここで、図33は各画素領域14,18の階調値について、また図34は各光源128a,128bの発光輝度について、さらに図35は各画像12,16の明るさについて示している。尚、第七実施形態の表示作動及び制御フロー(後述)では、第一画素領域14において背景画像13を表示する画素の階調値及び色合いにつき、メータ画像12の表示を際立たせるように固定されるものとする。
(1)第一モード
第一モードにおいて制御回路162は液晶パネル10を制御することにより、第一画素領域14のうちメータ画像12を表示する画素の階調値(以下、単に「メータ表示階調値」という)を、入力調整値の変化に対して一定の最大値Tmax(図33)に保持する。
また、第一モードにおいて制御回路162は、第一光源128aを制御することによってその発光輝度を、入力調整値の変化に対して一定の最大輝度Lmax(図34)に保持する。
以上により第一モードにおいては、メータ画像12が最大許容の明るさB1max(図35)で表示されることとなる。
尚、この第一モードにおいて第二画素領域18全体の階調値及び色合いについては、外界画像16を背景画像13と同化させる階調値(図33のTass)及び色合いとなるように、調整される。また、第一モードにおいて第二光源128bについては、その発光輝度が第一光源128aの発光輝度(図34のLmax)と一致するように制御される。したがって、外界画像16は見かけ上、表示されない(図35)こととなる。
(2)第二モード
第二モードにおいて制御回路162は液晶パネル10を制御することにより、第一画素領域14のメータ表示階調値及び第二画素領域18全体の階調値を、第一モードにおけるメータ表示階調値の場合と同様(図33)に保持する。
また、第二モードにおいて制御回路162は、第一光源128aを制御することによってその発光輝度を、相関情報メモリ164の第一相関情報に従って入力調整値の対応輝度へと変化させる。即ち、第二モードにおいて第一光源128aの発光輝度は、中間輝度Lmid以下の範囲ΔL1(図34)内で入力調整値に応じた値に、調整されるのである。
さらに、第二モードにおいて制御回路162は、第二光源128bを制御することによってその発光輝度を、相関情報メモリ164の第二相関情報に従って入力調整値の対応値へと変化させる。即ち、第二モードにおいて第二光源128bの発光輝度は、中間輝度Lmid以下の範囲ΔL2(図34)内で入力調整値に応じ且つ第一光源128aの発光輝度よりも大きくなるように、調整されるのである。
以上により第二モードにおいては、例えばメータ画像12よりも外界画像16が明るくなるように、それぞれ中間明るさB1mid,B2mid以下の範囲ΔB1,ΔB2(図35)内で乗員希望の明るさに抑えた画像12,16が、表示されることとなる。
(3)第三モード
第三ードにおいて制御回路162は液晶パネル10を制御することにより、第一画素領域14のメータ表示階調値を第一モードの場合と同様(図33)に保持する。
また、第三モードにおいて制御回路162は、第一光源128aを制御することによってその発光輝度を、第二モードの場合と同様(図34)に変化させる。
以上に対し、第三モードにおいて第二画素領域18全体の階調値及び色合いについては、外界画像16を背景画像13と同化させる階調値(図33のTass)及び色合いとなるように、調整される。また、第三モードにおいて第二光源128bについては、その発光輝度が第一光源128aの発光輝度(図34の範囲ΔL1内の輝度)と一致するように制御される。
以上により第三モードにおいては、範囲ΔB1(図35)内で乗員希望の明るさに抑えられたメータ画像12が表示される一方、外界画像16は見かけ上、表示されない(図35)こととなる。
続いて、第七実施形態の制御フローについて、図36を参照しつつ説明する。尚、図36のステップS501,S508は第二実施形態のステップS201,S208と実質的に同一であるので、その説明を省略し、第二実施形態と異なるステップS502〜S507について説明する。
ステップS501において制御モードが第一モードに設定された場合に移行するステップS502では、液晶パネル10を制御対象として第一画素領域14のメータ表示階調値を最大値Tmaxに調整する。それと共にステップS502では、液晶パネル10を制御対象として第二画素領域18全体の階調値及び色合いを、外界画像16が背景画像13と同化するように調整する。以上の後、ステップS503では、第一及び第二光源128a,128bを制御対象として、それらの発光輝度をいずれも最大輝度Lmaxに調整することにより、メータ画像12を最大許容の明るさB1maxにて表示させ、また外界画像16を非表示状態とする。
一方、ステップS501において制御モードが第二モードに設定された場合に移行するステップS504では、液晶パネル10を制御対象として、第一画素領域14のメータ表示階調値及び第二画素領域18全体の階調値をいずれも最大値Tmaxに調整する。続いてステップS505では、第一光源128aを制御対象としてその発光輝度を、第一相関情報に従う範囲ΔL1内の輝度に調整することにより、メータ画像12を範囲ΔB1内の明るさに抑えて表示させる。それと共にステップS505では、第二光源128bを制御対象としてその発光輝度を、第二相関情報に従う範囲ΔL2内の輝度に調整することにより、外界画像16を範囲ΔB2内の明るさに抑えて表示させる。
また一方、ステップS501において制御モードが第三モードに設定された場合に移行するステップS506では、ステップS502と同様に、第一画素領域14のメータ表示階調値並びに第二画素領域18全体の階調値及び色合いを調整する。続いてステップS507では、ステップS505と同様に第一光源128aの発光輝度を調整することにより、メータ画像12を範囲ΔB1内の明るさに抑えて表示させる。それと共にステップS507では、ステップS505とは異なる方法により、具体的には第二光源128bを制御対象として、その発光輝度を第一光源128aの発光輝度と一致させて、外界画像16を非表示状態とする。
以上説明した第七実施形態によれば、外界画像16がメータ画像12と同時に表示される第二モードにおいては、各光源128a,128bの特徴的な発光輝度調整が実施されるので、第二実施形態と同様な作用効果を享受することができるのである。
(第八実施形態)
本発明の第八実施形態は第六実施形態の変形例である。尚、以下では、第六実施形態と異なる点を中心に説明する。
第八実施形態においては、図32に例示するように、第七実施形態と実質的に同様に階調値を規定した表示指令信号が、描画部250の描画回路252に与えられることになる。したがって、本実施形態においても、画素を構成するサブ画素のうち、色合い表現に必要なサブ画素についての階調値を「画素の階調値」として、説明する。
このような第八実施形態の表示作動について、図37〜図39を参照しつつ、以下に説明する。ここで、図37は各画素領域214,218の階調値について、また図38は各光源328a,328bの発光輝度について、さらに図39は各画像12,216の明るさ等について示している。尚、第八実施形態の表示作動及び制御フロー(後述)では、第一画素領域214において第一背景画像13を表示する画素の階調値及び色合いにつき、メータ画像12の表示を際立たせるように固定されるものとする。
(1)第一モード
第一モードの通常時及び異常発生時において制御回路362は、液晶パネル210を制御することにより第一画素領域214のメータ表示階調値を、入力調整値の変化に対して一定の最大値Tmax(図37)に保持する。
また、第一モードの通常時及び異常発生時において制御回路362は、第一光源328aを制御することによってその発光輝度を、相関情報メモリ364の第一相関情報のうち最大輝度Lmaxが初期値のものに従って、入力調整値の対応輝度へと変化させる。即ち、第一光源328aの発光輝度は、最大輝度Lmax以下の範囲ΔL11(図38)内で入力調整値に応じた輝度に、調整されるのである。したがって、第一モードの通常時及び異常発生時のいずれにおいても、最大許容の明るさB1max(図39)のメータ画像12、又は範囲ΔB11(図39)内で乗員希望の明るさに抑えられたメータ画像12が、表示されることとなる。
さらに、第一モードの通常時のみにおいて制御回路362は、第二画素領域218全体の階調値及び色合いについて、警告画像216及び第二背景画像217を第一背景画像13と同化させる階調値(図37のTass)及び色合いとなるように、調整する。また、これに加えて制御回路362は、第二光源328bを制御することによってその発光輝度を、第一光源328aの発光輝度(図38の範囲ΔL11内の輝度)と一致させる。以上により、第一モードの通常時において警告画像216は、見かけ上、表示されない(図39)のである。
これに対し、第一モードの異常発生時において制御回路362は、液晶パネル210を制御することにより、第二画素領域218のうち警告画像216を「注意画像」として表示する画素の階調値(以下、単に「注意表示階調値」という)を、入力調整値の変化に対して一定の最大値Tmax(図37)に保持する。また、これに加えて制御回路362は、第二光源328bを制御することによってその発光輝度を、相関情報メモリ364の第二相関情報のうち最大輝度Lmaxが初期値のものに従って、入力調整値の対応輝度へと変化させる。即ち、第二光源328bの発光輝度は、最大輝度Lmax以下の範囲ΔL21(図38)内で入力調整値に応じた輝度に、調整されるのである。以上により、第一モードの異常発生時においては、最大許容の明るさB2max(図39)の警告画像216又は範囲ΔB21(図39)内で乗員希望の明るさに抑えられた警告画像216が、表示されることとなる。
尚、第一モードの異常発生時の第二画素領域218において、第二背景画像217を表示する画素の階調値及び色合いについては、当該画像217を第一背景画像13と同化させる階調値(Tass)及び色合いとなるよう、調整されることになる。これにより、第二背景画像217に囲まれる警告画像216の表示を際立たせることができるのである。
(第二モード)
第二モードの通常時及び異常発生時において制御回路362は、液晶パネル210を制御することにより第一画素領域214のメータ表示階調値を、第一モードの場合と同様(図37)に保持する。
また、第二モードの通常時及び異常発生時において制御回路362は、第一光源328aを制御することによってその発光輝度を、相関情報メモリ364の第一相関情報のうち中間輝度Lmidが初期値のものに従って、入力調整値の対応輝度へと変化させる。即ち、第一光源328aの発光輝度は、中間輝度Lmid以下の範囲ΔL12(図38)内で入力調整値に応じた輝度に、調整されるのである。したがって、第一モードの異常発生時及び通常時のいずれにおいても、中間明るさB1mid以下の範囲ΔB12(図39)内で乗員希望の明るさに抑えられたメータ画像12が、表示されることとなる。
さらに、第二モードの通常時のみにおいて制御回路362は、液晶パネル210を制御することにより、第一モードの場合と同様な階調値(図37のTass)及び色合いを第二画素領域218にて実現する。また、これに加えて制御回路362は、第二光源328bを制御することによってその発光輝度を、第一光源328aの発光輝度(図38の範囲ΔL12内の輝度)と一致させる。以上により、第二モードの通常時においても、警告画像216は見かけ上、表示されない(図39)のである。
これに対し、第二モードの異常発生時において制御回路362は液晶パネル210を制御することにより、第二画素領域218の注意表示階調値を、第一モードの場合と同様(図37)に保持する。また、これに加えて制御回路362は、第二光源328bを制御することによってその発光輝度を、相関情報メモリ364の第二相関情報のうち中間輝度Lmidが初期値のものに従って、入力調整値の対応輝度へと変化させる。即ち、第二光源328bの発光輝度は、中間輝度Lmid以下の範囲ΔL22(図38)内で入力調整値に応じた輝度に、調整されるのである。以上により、第二モードの異常発生時においては、中間明るさB2mid以下の範囲ΔB22(図39)内で乗員希望の明るさに抑えられた警告画像216が、表示されるのである。
尚、第二モードの異常発生時の第二画素領域218において、第二背景画像217を表示する画素の階調値及び色合いについては、第一モードの場合と同様な階調値及び色合いとなるように、調整されることになる。これにより、第二背景画像217に囲まれる警告画像216の表示を際立たせることができるのである。
続いて、第八実施形態の制御フローについて、図40を参照しつつ説明する。尚、図40のステップS601,S604,S611,S616は第六実施形態のステップS501,S404,S411,S416と実質的に同一であるので、その説明を省略し、第一実施形態と異なるステップS602,S603,S605〜S610,S612〜S615について説明する。
ステップS601において制御モードが第一モードに設定された場合に移行するステップS602では、液晶パネル210を制御対象として第一画素領域214のメータ表示階調値を最大値Tmaxに調整する。続いてステップS603では、第一光源328aを制御対象としてその発光輝度を、第一相関情報のうち最大輝度Lmaxが初期値のものに従う範囲ΔL11内の輝度に調整する。これらにより、最大許容の明るさB1max又は範囲ΔB11内で当該B1maxよりも抑えた明るさにて、メータ画像12を表示させるのである。
この後、ステップS604で肯定判定がなされた場合に移行するステップS605では、液晶パネル210を制御対象として第二画素領域218の注意表示階調値を、最大値Tmaxに調整する。それと共にステップS605では、液晶パネル210を制御対象として、第二画素領域218のうち第二背景画像217の表示画素の階調値及び色合いを、当該画像217が第一背景画像13と同化するように調整する。さらに、続くステップS606では、第二光源328bを制御対象としてその発光輝度を、第二相関情報のうち最大輝度Lmaxが初期値のものに従う範囲ΔL21内の輝度に調整する。これらにより、最大許容の明るさB2max又は範囲ΔB21内で当該B2maxよりも抑えた明るさにて、警告画像216を表示させるのである。
一方、ステップS604で否定判定がなされた場合に移行するステップS607では、液晶パネル210を制御対象として第二画素領域218全体の階調値及び色合いを、警告画像216及び第二背景画像217が第一背景画像13と同化するように調整する。続いてステップS608では、第二光源328bを制御対象としてその発光輝度を、直前のステップS603にて調整された第一光源328aの発光輝度に一致させる。これらにより、警告画像216の非表示状態を実現するのである。
以上、ステップS601において制御モードが第一モードに設定された場合の後続ステップについて説明したが、同ステップS601において制御モードが第二モードに設定された場合に移行するステップS609では、ステップS602と同様に第一画素領域214のメータ表示階調値を調整する。続いてステップS610では、第一光源328aを制御対象としてその発光輝度を、第一相関情報のうち中間輝度Lmidが初期値のものに従う範囲ΔL12内の輝度に調整する。これらによりメータ画像12を、中間明るさB1mid以下の範囲ΔB12内に抑えた明るさにて表示させるのである。
この後、ステップS611で肯定判定がなされた場合に移行するステップS612では、第二画素領域218の注意表示階調値を、ステップS605と同様に調整する。それと共にステップS612では、第二画素領域218のうち第二背景画像217の表示画素の階調値及び色合いを、ステップS605と同様に調整する。さらに、続くステップS613では、第二光源328bを制御対象としてその発光輝度を、第二相関情報のうち中間輝度Lmidが初期値のものに従う範囲ΔL22内の輝度に調整する。これらにより警告画像216を、中間明るさB2mid以下の範囲ΔB22内に抑えた明るさにて表示させるのである。
一方、ステップS611で否定判定がなされた場合に移行するステップS614では、ステップS607と同様に第二画素領域218全体の階調値及び色合いを調整する。続いてステップS615では、第二光源328bを制御対象としてその発光輝度を、直前のステップS610にて調整された第一光源328aの発光輝度に一致させる。これらにより、警告画像216の非表示状態を実現するのである。
以上説明した第八実施形態によれば、警告画像216がメータ画像12と同時に表示される各モードの異常発生時においては、各光源328a,328bの特徴的な発光輝度調整が実施されるので、第六実施形態と同様な作用効果を享受することができるのである。
(他の実施形態)
ここまで、本発明の複数の実施形態について説明してきたが、本発明は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
例えば、第一又は第三実施形態と第二又は第四実施形態とを組み合わせて、画素領域14,18の階調比率と光源128a,128bの発光輝度との双方を変化させることによって画像12,16の明るさを調整するようにしてもよい。また同様に、第五実施形態と第六実施形態とを組み合わせて、画素領域214,218の階調比率と光源328a,328bの発光輝度との双方を変化させることによって画像12,216の明るさを調整するようにしてもよい。さらに、第一〜第四及び第七実施形態のうち少なくとも一つと、第五、第六及び第八実施形態のうち少なくとも一つとを組み合わせて、外界画像16と警告画像216との双方を本発明に従って表示するようにしてもよい。
第一〜第八実施形態において液晶パネル10,210としては、透過液晶パネル以外にも、反射液晶パネルを用いてもよい。この場合、照明手段としては、液晶パネル10,210を前方から反射照明するものを用いることができる。
第一、第三及び第五実施形態においてバックライト20としては、発光ダイオード22及び拡散板24を組み合わせたもの以外にも、発光輝度を調整可能な各種の光源を用いることができる。また同様に、第二、第四及び第六〜第八実施形態においてバックライト120,320の各光源128a,128b,328a,328bとしては、発光ダイオード122a,122b,322a,322b及び拡散板124a,124b,324a,324bを組み合わせたもの以外にも、発光輝度を調整可能な各種の光源を用いることができる。
第一〜第八実施形態において、画像メモリ54,254及び相関情報メモリ64,164,264,364としては、工場出荷前等に記憶情報の書き込みが容易なEEPROMからなるもの以外にも、例えばROMからなるものを用いてもよい。また、第一〜第八実施形態において、相関情報メモリ64,164,264,364に記憶される相関情報としては、入力調整値の変化に対して階調比率又は発光輝度が線形変化するもの以外にも、例えば入力調整値の変化に対して階調比率又は発光輝度が多次元関数的に又はステップ関数的に変化するもの等であってもよい。さらに、第一〜第八実施形態において入力調整値は、段階的に変化するように規定される以外にも、連続的に変化するように規定されてもよく、特にその場合には、液晶調整スイッチ32の操作位置が所定範囲内の任意位置に規定される。
第一〜第八実施形態においては、上述した車両状態値(車速、エンジン回転数、エンジン冷却水温度、燃料残量)以外の状態値、例えば走行距離等を状態値センサ66により検出して、対応するメータ画像12を表示するようにしてもよい。また、第一〜第四及び第七実施形態においては、可視光の反射光を利用して車両の前方、後方、側方の外界領域を撮影することにより得られる画像を、外界画像16として表示するようにしてもよい。さらに、第五、第六及び第八実施形態においては、エンジン冷却水の温度上昇異常及び残量燃料量のエンプティ異常以外の異常、例えばABSシステムが作動する車輪のロック異常等を検出して、対応する警告画像216を表示するようにしてもよい。
第一及び第三実施形態において、例えば上述の如く可視光の反射光を利用して撮影した画像を外界画像16として表示させる場合には、第一モードにおける第二画素領域18の注意表示階調比率と、第一モードにおける第一画素領域14のメータ表示階調比率とを、第二モードに準じて前者が後者よりも大きくなるように調整してもよい。また、第五実施形態においては、第三実施形態に準じた第一及び第二相関情報を採用してもよく、同様に第六実施形態においては、第四実施形態に準じた第一及び第二相関情報を採用してもよい。さらに、第三、第五、第六及び第八実施形態においては、第一モードにおける画像12,216の明るさが一定に保持されるようにしてもよい。
第一〜第八実施形態においては、画像同士を同化させるように階調制御する場合、通常、液晶パネル10において表示画素の各サブ画素の電極に対応する薄膜トランジスタを常に通電させて該当部分の液晶をオン状態とさせることになる。これに対し、表示画素の各サブ画素の電極に対応する薄膜トランジスタの通電をカットして該当部分の液晶をオフ状態とすることにより、画像同士を同化させるようにすることも可能である。
そして本発明は、コンビネーションメータとして機能する車両用表示装置以外にも、例えば液晶パネルの表示画像をコンバイナに虚像表示させるヘッドアップディスプレイとして機能する装置に適用することができる。