JP4766770B2 - 蓄積型放送サービスシステムおよび受信蓄積装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル放送に利用して好適な情報配信サービスおよび受信蓄積装置に関し、特に、大容量記憶媒体を持った受信蓄積装置を用いて好適なサービスを行うための放送システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
デジタル放送技術の進歩により、有限な周波数資源の中で帯域を有効に活用することが可能となり、データ放送など多様なサービスを行うことができるようになってきている。データ放送サービスは、従来の映像、音声のみによるサービスとは異なり、静止画や文字などのマルチメディア情報を利用することで、制作の容易性、インターラクティブ性などの観点から、今後のデジタル放送の中核をなすサービスとなり得ると目されている。既に天気予報やニュースなどをデータ放送で実現するサービスが開始されている。これらは視聴者がアクセスするタイミングが一定していないため、通常同一のデータを長期間に渡り繰り返し伝送することで実現されている。
【0003】
一方、デジタル記憶媒体の高密度化、低価格化が進み、放送を記憶媒体に一旦蓄積してから利用するサービスも実用化され始めている。通常の番組録画機能のほか、視聴中のテレビ番組を常時バッファリングしておき、必要に応じて巻き戻して再生する機能などは既に実用化されており、録画した番組のハイライト視聴などの新しいサービスも検討され始めている。
【0004】
このように、記録媒体を有効に利用することにより、従来のデータ放送における繰り返し伝送による伝送帯域の利用効率に関する課題を解決できる可能性がある。すなわち、事前に記録媒体にデータを蓄積しておき、視聴者は必要なときに記録媒体に蓄積されたデータを利用する方法である。この方法を利用すれば、一度に伝送しきれなかったような大きなコンテンツも利用することが可能となり、サービスの質の向上も見込まれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような形態のサービスを運用するにあたっては以下に示すような課題が考えられる。
1)記憶媒体の利用状態により、必ずしもデータが蓄積可能とは限らない。
受信蓄積端末における記憶媒体の容量は限られている一方、その記憶媒体を利用するサービスは多岐にわたる。視聴者の利用如何により、必ずしもサービス享受に必要な記憶容量を確保できない場合が存在する。
2)小さなコンテンツ単位で蓄積していると、視聴者の管理が大変になる。
必要なコンテンツを都度選択して受信蓄積するように構成してしまうと、コンテンツの選択や受信後のコンテンツの管理、整理において、多大な操作が必要となる。
3)記録媒体に記録する情報は送出側から指定できなければならない。
このような形態のサービスは、通常の視聴者の指示による番組録画などとは異なり、送出側が指定した情報のみを確実に蓄積できる必要がある。
【0006】
本発明は、上記のような課題に鑑み、記憶媒体を用いた情報配信サービスにおいて、確実な蓄積を保証し、なおかつ視聴者の利便性の高いサービスを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、情報を送信する情報送信装置と情報を受信し蓄積する受信蓄積装置を備え、前記受信蓄積装置において、特定の蓄積チャネルに排他的に利用可能な記憶領域を管理し、当該蓄積チャネルとして送信された情報を前記受信蓄積装置内の当該排他的記憶領域に格納し、前記情報送信装置は、前記受信蓄積装置で確保すべき記憶容量、蓄積チャネル利用に必要なソフトウェア、蓄積チャネルの利用に関する契約情報、暗号化されて送信される情報を復号するための暗号化情報、情報を受信するための配信スケジュール情報、蓄積チャネル選択時の初期動作を規定するエントリー情報、もしくはそれらの情報を受信するための情報の少なくとも一つを記載したサービス構成情報を送信し、前記受信蓄積装置は、前記サービス構成情報中に記載された記憶容量に基づき排他的記憶領域を確保し、確保した領域を当該蓄積チャネルに関連付けて管理するとともに、前記サービス構成情報の記載に基づき、前記ソフトウェア、前記契約鍵、および前記暗号鍵の受信を行い、前記受信の成功後、当該蓄積チャネルの情報受信を開始することを特徴とする蓄積型放送サービスシステムを提供するものである。
【0008】
さらに本発明は、上記蓄積型放送サービスを実現するために、蓄積チャネル毎に排他的記憶領域の容量を規定し、前記受信蓄積装置において、蓄積チャネルで規定された記憶容量に合致する排他的記憶領域を蓄積チャネル専用に割り当て、また、前記受信蓄積装置において、予め固定容量の複数の排他的記憶領域を搭載し、蓄積チャネル毎に規定する記憶領域の容量を前記固定容量単位で定義し、さらに、前記受信蓄積装置において、サービス構成情報を用いて蓄積チャネルをインストールすることを特徴とする。
【0009】
また、本発明における受信蓄積装置は、蓄積チャネルの管理を行う蓄積チャネル管理部と蓄積チャネルの情報受信予約を行う予約処理部と、情報を受信する受信部と、受信した情報を管理するとともに、参照名と蓄積名との関係を保持する蓄積管理部と、蓄積型放送サービスに必要な機能を、前記蓄積チャネル管理部で管理する情報を元に実現する蓄積チャネル操作アプリ部を含んだ構成を有する。
【0010】
本発明は、上記構成を有することにより、記憶媒体を用いた情報配信サービスにおいて、確実な蓄積を保証し、なおかつ視聴者の利便性の高いサービスを提供することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における蓄積型放送サービスシステムおよび受信蓄積装置の実施の形態について、図面を用いて説明する。図1は本発明の実施の形態における蓄積型放送サービスシステムの全体構成を示すブロック図である。図1において、各種放送サービスなどの情報を放送の形で送信する情報送信装置、11は情報送信装置11から送信された放送サービスなどの情報を受信して蓄積する受信蓄積装置である。情報送信装置10と受信蓄積装置11は放送網12を通して接続され、受信蓄積装置11は、放送網12を通して通常の放送サービスを受信する機能を搭載することができる。受信蓄積装置11には蓄積チャネルがインストールされている。この受信蓄積装置11は、蓄積チャネル管理部101と、蓄積チャネル管理部101に接続された予約処理部102と、予約処理部102における予約内容にしたがって情報を受信する受信部103と、受信した情報を蓄積管理する蓄積管理部104と、蓄積チャネルのプログラムを実行させる蓄積チャネル操作アプリ部105と、蓄積チャネル操作アプリ部105の操作により情報を表示する表示部106と、受信した情報を蓄積或いは格納する記憶媒体107と、蓄積チャネル操作アプリ部105に対して各種支持を入力する支持入力部108とを備えている。
【0012】
受信蓄積装置11において、蓄積チャネル管理部101は、受信蓄積装置11上にインストールされた蓄積チャネルを管理する。予約処理部102は、蓄積チャネルの情報を受信するための予約動作を行う。受信部103は、情報送信装置10より送信される各種情報を受信する。蓄積管理部104は、受信部103で受信した情報を記憶媒体107内に蓄積する。蓄積チャネル制御アプリ部105は、蓄積チャネル管理部101の管理内容を用いて蓄積チャネルの一覧表示や選局機能を担当する。表示部106は、蓄積チャネル制御アプリ部105で生成した画面を表示する。記憶媒体107は、ここでは内蔵記憶媒体を例にしているが、外付け、稼動媒体でも同様である。本発明における記憶媒体に関しては、内蔵、外付けなどの接続形態、接続記憶装置数を限定するものではない。指示入力部108は、視聴者がリモートコントローラ(図11に図示)を用いて操作した操作内容を受信する。
【0013】
図2は初期状態での受信蓄積装置11における記憶媒体107の排他的記憶領域の割当て図である。記憶媒体107の記憶量が総量で100GB(ギガバイト)であるとして、この記憶媒体107は、80GBのユーザ領域Cと、2GB単位で10個の排他領域(D〜M)とに分割されて初期化される。ユーザ領域は、通常の放送番組の録画など視聴者が自由に利用可能な領域である。これに対し、残り20GBの排他的記憶領域は、蓄積チャネル利用のために予め用意された領域である。記憶媒体107としては、ハードディスク、DVD-RAM、SDカード、メモリーカードなどの利用が考えられる。また、受信蓄積装置11上に搭載する排他的記憶領域の個数は本実施の形態では10個となっているが、一つ以上で任意の個数をとることが可能である。図2のうちD:〜M:で識別される排他的記憶領域に関しては、蓄積チャネル管理部101で管理している。蓄積チャネル管理部101では、インストールされている排他的記憶領域と個々の蓄積チャネルとの関係を管理するが、初期状態では蓄積チャネルは1つもインストールされていない。この状態における蓄積チャネル管理部101の排他的記憶領域管理情報は図3のようになっている。
【0014】
このように初期化された受信蓄積装置11上に蓄積チャネルをインストールする際の動作例を以下に示す。まず、受信蓄積装置11は、放送網12を通して提供される蓄積チャネル一覧情報を取得する。蓄積チャネル一覧情報は、定期的にあるいは必要に応じて受信し蓄積チャネル管理部101の管理下にある領域に蓄積される。なお、上記蓄積チャンネル一覧情報は、上記放送網12に限らず、衛星通信、地上波、ケーブルテレビ、インターネット等を通して取得することも可能である。
【0015】
図4は本実施の形態における蓄積チャネル一覧情報の内容を示す図である。チャネル番号は、蓄積チャネルを視聴者が選択するときに利用するための番号である。チャネル呼称は、視聴者に提示するための蓄積チャネルにつけられた名前である。チャネル識別は、受信蓄積装置11上で蓄積チャネルを一意に識別するための名前である。蓄積チャネルの各情報は、全てこの識別名を含んだ参照名を持つ。記憶領域情報は、蓄積チャネルをインストールするために必要な排他的記憶領域に関する情報であり、排他的記憶領域毎に対応する領域識別と記憶容量が記載されている。本実施の形態においては、蓄積チャネルとして利用する排他的記憶領域は2GB単位で構成することが義務付けられている。このように予め定めた固定容量単位で蓄積チャネルの容量を定義することは、受信蓄積装置11の構成を簡易化する手段として極めて有効なものとなる。なお、このように固定容量による運用を行わない場合、受信蓄積装置11において容量管理部を設けて対応することは可能である。この場合、蓄積チャネルが定義した排他的記憶領域の容量を常に確保可能なように、記憶媒体107への書きこみ時に容量管理部がそのサイズを常に監視している必要がある。
【0016】
図13は容量管理部が内部に保持する排他的記憶領域の容量テーブル(以下、容量テーブル)の例を示したものである。容量テーブルは、例えばチャンネル識別と各チャンネル識別が現在使用中の排他的記憶領域の容量を対応付けて記憶されており、いずれかのチャンネル識別に対応する排他的記憶領域が変化する度に更新される。この容量テーブルの情報を基に容量管理部は、新たなコンテンツや蓄積チャネルのダウンロードが可能か否かを判断する。
【0017】
なお容量管理部は、例えば蓄積管理部104内に含める構成を取ることが可能であり、また前記容量管理部の機能は、汎用計算機に前記機能を実現させるためのプログラムをインストールすることにより実現することもできる。このような構成をとれば、受信蓄積装置11上に搭載する排他的記憶領域の容量は任意の値をとることができる。また、本発明の別の実施の形態ではサービスの規模に応じて、複数の固定容量を搭載することも可能である。この場合は、記憶領域情報に記載された容量を元に、確保すべき排他的記憶領域を抽出することになる。
【0018】
図4において、ダウンロード情報は、蓄積チャネル利用に際して必要となるソフトウェアを受信するための情報である。ここではダウンロードコンテンツ受信のためのダウンロードロケーション情報が別途伝送されており、DownloadIdにより識別可能となる運用を想定している。蓄積チャネルのインストール時の情報としてダウンロード情報を含ませることにより、蓄積チャネルに固有の機能拡張を行うことが可能になるとともに、ダウンロードの確実性を保証することを可能としている。契約情報は、蓄積チャネルの利用に必要な課金情報などを記載する。本実施の形態では、料金情報のみを記載し、契約実行のための情報や契約者への契約鍵の送受信は別途運用されているものとしている。もちろん別の実施の形態において、契約情報中に前記の情報を含める構成にすることも可能である。暗号化情報は、蓄積チャネルの情報を暗号化して伝送する場合に記載する。暗号化情報を元に暗号を復号するための鍵を受信することができる。本実施の形態では、暗号化情報中に直接復号鍵を記載している。エントリー情報は、蓄積チャネルを選局した時に実行する処理に関して記載する。本実施の形態では、実行すべきエンジン名とエンジンに与えるべきファイル名を記載する。
【0019】
蓄積チャネル管理部101は、蓄積チャネルのインストール状態、購読状態などを管理するために、蓄積チャネル管理テーブルを保有している。なお、蓄積チャネルのインストールとは、排他的記憶領域の確保を含め、蓄積チャネルの情報を受信するための初期化処理のことであり、蓄積チャネルの購読とは、インストールされた蓄積チャネルの情報受信を行うことである。図5は本実施の形態における蓄積チャネル管理テーブルの内容を示す一例である。ここでは、インストール済みの蓄積チャネルに対し、その購読状況、契約確認の必要性、暗号鍵、エントリー動作に関して一括で管理している。なお、これらの情報はインストール時に蓄積チャネル一覧情報から取得することができる。
【0020】
受信蓄積装置11では、蓄積チャネル一覧情報および、蓄積チャネル管理テーブルを利用して蓄積チャネル一覧画面を表示することが可能である。図11に示すリモートコントローラなどの入力デバイスを利用して行った視聴者からの蓄積チャネル一覧表示命令を、指示入力部108において受信すると、この入力は蓄積チャネル制御アプリ部105に伝送され、蓄積チャネル制御アプリ部105において、蓄積チャネル管理部101で管理される蓄積チャネル一覧情報および蓄積チャネル管理テーブルを元に蓄積チャネル一覧画面を生成し、表示部106において画面表示する。図6は蓄積チャネル一覧画面例である。画面上では蓄積チャネル名、チャネル番号、インストールの有無、購読の有無、契約情報(有料/無料)、必要な排他的記憶領域の容量などが表示されている。
【0021】
図6の蓄積チャネル一覧画面上で蓄積チャネルを選択すると、インストールされていない蓄積チャネルの場合には、蓄積チャネル制御アプリ部105においてインストール画面が生成され、表示部106において画面表示される。インストール画面中では、蓄積チャネルをインストールするために必要な情報が表示される。図7は蓄積チャネルインストール画面例である。この画面も蓄積チャネル一覧画面同様に、蓄積チャネル制御アプリ部105により、蓄積チャネル管理部101で管理される蓄積チャネル一覧情報を利用して作成されるものである。
【0022】
図8はインストール時の動作を示す流れ図である。蓄積チャネルのインストールは、個々の蓄積チャネル毎にインストールに必要な情報を記載したサービス構成情報に従い処理され、最初に排他的記憶領域を確保する処理が行われる(S801)。サービス構成情報中の蓄積容量情報から排他領域の確保数を決定し、現在未使用の排他領域が確保できることを確認する。本実施の形態においては、サービス構成情報は蓄積チャネル一覧情報として、情報送信装置から伝送されており、ここでは図4の蓄積チャネル一覧情報に記載した内容を元に処理が行われている前提で記載する。なお、図4の蓄積チャネル一覧情報において個々の蓄積チャネルに相当する列の内容がサービス構成情報となり得る。図4の蓄積チャネル一覧情報で定義された蓄積チャネルのうち、チャネル呼称がチャネル1000の蓄積チャネルをインストールする場合、図4の記憶領域情報に基づき、2GBの排他的記憶領域を二つ確保する必要がある。蓄積チャネル管理部101で管理する排他的記憶領域管理情報(図3)を検索し、空き領域を探す。現状では全ての排他的記憶領域が使用可能であり、ここではD:およびE:の二つの排他領域をチャネル1000のために確保する。当該蓄積チャネル用のディレクトリを作成し、各排他的記憶領域を示されたディレクトリ名でマウントする(当該ディレクトリ以下のファイルは全て当該排他的記憶領域に蓄積されることになる)。この状態でのディレクトリ構成は図9のようになっている。本実施の形態では、蓄積チャネルは/prestonというディレクトリの下に作成されることとしている。このディレクトリは受信蓄積装置毎に決定されるものであり、任意に設定可能である。
【0023】
サービス構成情報中にダウンロードロケーション情報が存在する場合、その指示に従い必要なソフトウェアのダウンロード実行もしくは予約処理を行う(S803, S804)。ここでは、ダウンロードソフトウェアの内容、送出方法、受信方法などは問わない。サービス構成情報中に契約情報が存在する場合、契約確認処理を行う(S805,S806)。なお、契約鍵は別途伝送されて図14に示す契約管理部109で管理され、定期的および契約状況変化時に更新される。ここでは契約処理の内容、実行方法などは問わない。蓄積チャネル情報中に暗号化情報が存在する場合、復号鍵受信処理を行う(S807,S808)。暗号化の方式や鍵受信の方法などは問わない。ダウンロードソフトの受信、復号鍵の受信も含め、以上の処理が完結した時点で、インストール処理は終了であり、蓄積チャネル管理テーブルに当該蓄積チャネルを登録した後、蓄積チャネルとして伝送される情報の受信処理を開始する(本実施の形態においては、インストール終了時には自動的に購読状態とする)。なお、これらの処理は、それぞれの情報が別途伝送される可能性もあり非同期で行われる場合もあり得る。また、図8に示した蓄積チャンネルインストールの動作は、汎用計算機に上記ステップS801〜S812を機能させるプログラムをインストールすることにより、実現することも可能である。
【0024】
図16はインストール解除、購読解除、購読再開のために、予約処理部102が行う動作の流れ図を示したものである。
インストールの解除は以下の動作を行う。
1)予約処理部102における当該蓄積チャネルに関する予約内容を全て消去する(S1602)。
2)当該蓄積チャネルに相当するディレクトリを全て消去する(S1603)。
3)当該蓄積チャネル用に割り当てていた排他的記憶領域のマウントを外す(S1604)。
4)当該蓄積チャネルを未インストール状態とする(S1605)。
【0025】
インストールされている蓄積チャネルに対する購読解除は以下の動作を行う。
1)予約処理部102における当該蓄積チャネルに関する予約内容を全て消去する(S1610)。
2)当該蓄積チャネルを購読中断中状態とする(S1611)。
【0026】
購読再開は以下の動作を行う。
1)予約処理部102において当該蓄積チャネルの予約受信処理を開始する(S1608)。
2)当該蓄積チャネルを購読中状態とする(S1609)。
【0027】
このように、蓄積チャネル一覧情報として蓄積チャネル情報を送信し、蓄積チャネル管理部101において蓄積チャネルの状態を管理するとともに、受信蓄積装置11内に組み込まれた排他的記憶領域と蓄積チャネルを関連付けて管理することにより、視聴者が所望する蓄積チャネルを必要なタイミングで組み込むことを可能としている。また、視聴者は蓄積チャネル上に存在する個々のファイルを意識する必要は無く、蓄積チャネルのインストール、購読のみを管理すればよく、利便性に優れている。なお、上記インストール解除、購読解除、購読再開の各機能は、図16に示す流れ図を実行するプログラムを汎用計算機にインストールすることによっても実現することができる。
【0028】
次に、蓄積チャネルの情報送受信、蓄積管理、情報利用について以下に説明する。蓄積チャネルの情報受信処理は、配信スケジュール情報に基づき行われる。配信スケジュール情報は、情報配信装置10において蓄積チャネル毎に生成され、蓄積チャネル一覧情報中またはサービス構成情報に含めるなどして伝送され、蓄積チャネル管理部101の管理下で管理される。予約処理部102では、蓄積チャネル管理部101で管理される配信スケジュール情報を元に、情報受信を行う受信部103の起動管理を行う。図15は、配信スケジュール情報の一例であり、伝送チャネル番号、送出開始時刻、送出終了時刻の情報が与えられる。予約処理部102では、これらの情報を元に、例えば予約処理部102内にタイマーを設け、前記タイマーに受信スケジュールを登録し(ここでは送出開始時刻をセットする。)、タイマー駆動により送出開始時刻において伝送チャネルへのチューニングを行い、受信部103を起動させる。蓄積チャネルの情報伝送時においては、蓄積チャネルを構成する情報ファイルから、任意の複数のファイルを多重/パケット化して伝送する。この中には次回以降の情報伝送のスケジュールを示す配信スケジュール情報を含めることも可能である。
【0029】
受信部103は、伝送パケットをデコードし、受信部103内の受信バッファ上にファイルを抽出する。この際、これらのファイルは暗号化されて伝送されることも考えられる。インストール時に復号鍵を受信している場合には、その鍵を利用して暗号を復号化する。個々のファイルには、ファイル生成時に付与された名前が記載されている。蓄積管理部104では、付与された名前を元に蓄積すべき領域を確定し、記憶媒体107に蓄積する。なお、ここで伝送時に付与されるファイル名は、個々の情報中から参照する場合の参照名としても利用される。
【0030】
図10は蓄積管理部104において処理する、伝送時に付与されたファイル名から受信蓄積装置上で管理されるファイル名への変換例を示す。ここでは伝送時には"file://"という文字列以降に、蓄積チャネル識別(AAA)と、それ以降のファイルパス名を記載することとしている。受信蓄積装置11では、蓄積チャネルは全て/preston以下のディレクトリに生成することにしており、蓄積チャネル1000をインストールした時点で、/preston/AAAというディレクトリおよび、/preston/AAA/aaaというディレクトリが生成されている。よって、伝送時に付与されたファイル名(参照名)の先頭文字列"file://"を"/preston/"に置き換えることにより、蓄積時に付与すべきファイル名を抽出することができる。この際/preston/AAAは排他的記憶領域D:に、/preston/AAA/aaaは排他的記憶領域E:にそれぞれマウントされているため、 HYPERLINK file://AAA/abc.bin file://AAA/abc.binというファイルは/preston/AAA/abc.binというファイル名で排他的記憶領域D:に、 HYPERLINK file://AAA/aaa/def.bin file://AAA/aaa/def.binは/preston/AAA/aaa/def.binというファイル名で排他領域記憶領域E:にそれぞれ格納されることになる。なお、蓄積管理部104におけるこのような伝送ファイル名(参照名)から蓄積ファイル名の変換処理は、ファイル中で他のファイルを参照する場合などでも利用される。
【0031】
予約処理部102では、新しく受信した配信スケジュール情報などを元にして、次回以降の受信予約を実行する。こうして蓄積チャネルとして伝送される各種情報は、視聴者が意識することなく、自動的に記憶装置内に蓄積、更新される。よって視聴者は、蓄積チャネルインストール後、常に最新の情報を利用することが可能となる。
【0032】
次に、このようにセットされている受信蓄積装置において、蓄積チャネルにアクセスし、情報を提示する場合について説明する。図11は蓄積チャネルのアクセス時に利用するリモートコントローラの一例である。通常利用時には、チャネルUpDownボタン1101や数値入力ボタン1102を押すことにより、放送サービスを切替えて視聴することができる。蓄積チャネルにアクセスする場合は、モード切替えボタン1103を押し下げ、モードを「蓄積チャネル」にセットする。なお、このモード切替えボタン1103は、テレビ放送、ラジオ放送などの放送種を切りかえるためのボタン、もしくは複数の放送ネットワークを切り替えるボタンなどと共用することが可能である。なお、モード切替えボタン1103を設けず、通常の放送サービスの続きとして蓄積チャネルを提示するように構成することも可能である。
【0033】
蓄積チャネル選局モードの状態で、チャネルUpDownボタン1101もしくは数値入力ボタン1102を操作することにより、蓄積チャネルを選局することが可能となる。チャネルUpDownボタン1101は、チャネル番号の次に大きい/小さい蓄積チャネルを提示する時に利用する。数値入力ボタン1102は、直接蓄積チャネル番号を指定して提示するときに利用する。リモートコントローラへの視聴者操作は、指示入力部108を通して、蓄積チャネル制御アプリ部105へ伝送される。蓄積チャネル制御アプリ部105では、蓄積チャネル管理部101で管理する蓄積チャネル一覧情報を元に、選択すべき蓄積チャネルを抽出することができる。この際、蓄積チャネル管理部101で同じく管理される蓄積チャネル管理テーブルに記載される蓄積チャネルのインストール状況、購読状況も容易に参照可能であるため、インストールしている蓄積チャネルのみの選局、購読中の蓄積チャネルのみの選局を実行することも容易である。また、リモートコントローラで直接指定するだけでなく、前記した蓄積チャネル一覧画面などの画面を通して蓄積チャネルを選局させるようにすることも容易である。
【0034】
図12は蓄積チャネル選択時の動作を示す流れ図である。蓄積チャネルが決定されると、蓄積チャネル制御アプリ105では、まず蓄積チャネルが現在インストールされているかどうかをチェックする(S1201)。この情報は蓄積チャネル管理部101から入手可能である。インストールされていない蓄積チャネルの場合、蓄積チャネル管理部101で管理しているサービス構成情報を参照してインストール画面を表示する(S1202)。この後の処理は前記内容と同じである。インストールされている蓄積チャネルの場合、次に購読中かどうかがチェックされる(S1203)。購読中断中の場合、購読再開画面を提示する(S1204)。この後の処理は前記内容と同じである。購読中の場合、契約の有無をチェックする(S1205)。契約の有効性は、契約管理部109で一括して管理されており、蓄積チャネル識別を契約管理部109に渡すことで、現時点での契約有効性の有無が判別される(S1206)。契約管理部109は、例えばICカードなどで実現されるものである。現時点で契約有効性が満たされていない場合には、契約切れであることを示すメッセージを表示する(S1207)。契約有効性が満たされている場合には、蓄積チャネル毎に設定されるエントリー動作を実行する(S1208)。エントリー動作には、起動するエンジンの指定、その際の初期情報などが含まれる。初期情報は各実行エンジン毎に定義されるものであり、蓄積チャネル制御アプリ部105がエンジンを起動する際に、蓄積チャネル管理部101で管理する初期情報をそのまま当該エンジンへ渡す。
【0035】
なお、図12に示す蓄積チャネル選択時の動作は、汎用計算機に、図12に示すステップS1201〜S1209として機能させるプログラムをインストールすることにより、実現することも可能である。
【0036】
このように、蓄積チャネル管理部101の管理に従い、蓄積チャネル操作アプリ部105の処理を行うことにより、記憶媒体107上に蓄積された情報を蓄積チャネルとして提示することが可能である。通常の放送サービスと同一のユーザインターフェースでアクセスすることも可能となり、非常に高い利便性を持つことができる。
【0037】
なお、本実施の形態では、蓄積チャネルの情報利用に関して、選局動作としてエントリー動作から開始する方法を記載したが、蓄積管理部104における参照名−蓄積名の変換機能を利用することで、直接ファイルを指定して参照することも可能である。例えば、通常の放送番組において蓄積チャネルとして伝送したファイルを用いたデータ放送機能を実現することなども可能となる。
【0038】
また、本実施例で記載した受信蓄積装置は、汎用計算機に、前記受信蓄積装置として機能させるための制御プログラムをインストールすることにより、同様の機能を実現させることが可能である。
【0039】
また、本実施例で記載した情報送信装置は、汎用計算機に、前記情報送信装置として機能させるための制御プログラムをインストールすることにより、同様の機能を実現させることが可能である。
【0040】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明を利用することにより、記録媒体に記録する情報は送出側から指定する蓄積チャネルを基本構成要素とする蓄積型放送サービスが実現可能となる。その結果として、意図した情報を確実に蓄積利用することが可能になるとともに、情報量が増大し、小さなコンテンツ単位の蓄積情報が増大した場合においても簡便な利用方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における蓄積型放送サービスシステムの全体構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態における記憶媒体の排他的記憶領域の割当ての模式図
【図3】本発明の実施の形態における蓄積チャネル管理部の排他的記憶領域管理情報の一覧図
【図4】本発明の実施の形態における蓄積チャネル一覧情報の内容例を示す一覧図
【図5】本発明の実施の形態における蓄積チャネル管理テーブルの内容例を示す一覧図
【図6】本発明の実施の形態における蓄積チャネル一覧の画面図
【図7】本発明の実施の形態における蓄積チャネルインストール画面図
【図8】本発明の実施の形態における蓄積チャネルインストール時の動作を示す流れ図
【図9】本発明の実施の形態における受信蓄積装置におけるディレクトリ構成例を示す一覧図
【図10】本発明の実施の形態における蓄積管理部におけるファイル名変換例を示す一覧図
【図11】本発明の実施の形態における蓄積チャネルのアクセス時に利用するリモートコントローラの正面図
【図12】本発明の実施の形態における蓄積チャネル選択時の動作を示す流れ図
【図13】本発明の実施の形態における容量管理部が内部に保持する排他的記憶領域の容量テーブルの例を示した図
【図14】契約管理部を含めた本発明の実施の形態における蓄積型放送サービスシステムの全体構成を示すブロック図
【図15】本発明の実施の形態における配信スケジュール情報の一例を示す図
【図16】本発明の実施の形態におけるインストール解除、購読解除、購読再開のための予約処理部の動作を示す流れ図
【符号の説明】
10…情報送信装置
11…受信蓄積装置
12…放送網
101…蓄積チャネル管理部
102…予約処理部
103…受信部
104…蓄積管理部
105…蓄積チャネル制御アプリ部
106…表示部
107…記録媒体
108 指示入力部
109 契約管理部
Claims (5)
- 情報を送信する情報送信装置と情報を受信し蓄積する受信蓄積装置を備え、
前記受信蓄積装置において、特定の蓄積チャネルに排他的に利用可能な記憶領域を管理し、当該蓄積チャネルとして送信された情報を前記受信蓄積装置内の当該排他的記憶領域に格納し、
前記情報送信装置は、
前記受信蓄積装置で確保すべき記憶容量、蓄積チャネル利用に必要なソフトウェア、蓄積チャネルの利用に関する契約情報、暗号化されて送信される情報を復号するための暗号化情報、情報を受信するための配信スケジュール情報、蓄積チャネル選択時の初期動作を規定するエントリー情報、もしくはそれらの情報を受信するための情報の少なくとも一つを記載したサービス構成情報を送信し、
前記受信蓄積装置は、
前記サービス構成情報中に記載された記憶容量に基づき排他的記憶領域を確保し、確保した領域を当該蓄積チャネルに関連付けて管理するとともに、前記サービス構成情報の記載に基づき、前記ソフトウェア、前記契約鍵、および前記暗号鍵の受信を行い、前記受信の成功後、当該蓄積チャネルの情報受信を開始する、
ことを特徴とする蓄積型放送サービスシステム。 - 蓄積チャネル毎に排他的記憶領域の容量を規定し、前記受信蓄積装置において、蓄積チャネルで規定された記憶容量に合致する排他的記憶領域を蓄積チャネル専用に割り当てることを特徴とする請求項1記載の蓄積型放送サービスシステム。
- 前記受信蓄積装置において、予め固定容量の複数の排他的記憶領域を搭載し、蓄積チャネル毎に規定する記憶領域の容量を前記固定容量単位で定義することを特徴とする請求項2記載の蓄積型放送サービスシステム。
- 前記受信蓄積装置において、サービス構成情報を用いて蓄積チャネルをインストールすることを特徴とする請求項2記載の蓄積型放送サービスシステム。
- 運用中の蓄積チャネルの一覧情報として少なくとも、蓄積チャネル識別、および蓄積チャネル毎のサービス構成情報もしくはサービス構成情報受信のための情報を記載した蓄積チャネル一覧情報を送信することを特徴とする請求項2または3記載の蓄積型放送サービスシステム。
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