JP4747460B2 - 車両用制動制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自車両前方の物体を検出し、当該前方物体との衝突を回避するように自動制動を行う車両用制動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
このような車両用制動制御装置としては、例えば自動車技術会2000年秋季大会学術講演前刷集No.114ー00の174(p13)に記載されるものがある。この車両用制動制御装置では、自車両前方の物体と自車両との距離を検出し、この距離を自車両速度で除して衝突時間を算出し、この衝突時間が予め設定された所定値以下になったときに、自動制動を開始するまでの時間、所謂制動開始タイミングを設定するようにしている。この車両用制動制御装置によれば、自車両の速度が大きいほど、前方物体から離れた位置で自動制動が開始されることになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の車両用制動制御装置では、衝突時間が一定の所定値以下になったときに制動開始タイミングを設定するようにしているため、自車両で達成する或いは発生する減速度は、自車両の速度が大きいほど、加速度的に大きくなり、乗員に違和感を与える恐れがある。
【0004】
また、自車両で達成しようとする目標制動減速度を算出し、その目標制動減速度が達成されるように制動流体圧を制御するにあたって、一般に目標制動減速度から制動流体圧を算出する際の遅れ系フィルタの時定数が固定されているため、例えば制動に滑らかさを要求すべくフィルタの時定数が大きく設定されているときには実際に自車両で達成される或いは発生する減速度は時間の経過と共にどんどん大きくなり、逆に制動に速さを要求すべくフィルタの時定数が小さく設定されているときには実際に自車両で達成される或いは発生する減速度は制動の開始直後に最大となり、その後、時間の経過と共に小さくなるといったように、一度の制動で発生する減速度が時間の経過と共に急激に変化するという問題もある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するため、自車両で達成する或いは発生する減速度の自車両走行速度に対する変化或いは時間の経過に対する急激な変化を抑制し、乗員に違和感を与えることのない車両用制動制御装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に係る車両用制動制御装置は、自車両前方に、自車両前方に存在する物体と自車両との距離を検出する前方物体距離検出手段と、自車両前方に存在する物体の自車両に対する相対速度を検出する相対速度検出手段と、自車両の速度を検出する自車両速度検出手段と、自車両前方に存在する物体の速度を検出する前方物体速度検出手段と、路面の摩擦係数状態を検出する路面摩擦係数状態検出手段と、前記前方物体距離検出手段で検出された自車両前方に存在する物体と自車両との距離を前記相対速度検出手段で検出された相対速度で除して自車両が前方物体に到達するまでの時間を算出する到達時間算出手段と、前記自車両速度検出手段で検出された自車両の速度及び前記前方物体速度検出手段で検出された前方物体の速度及び前記路面摩擦係数状態検出手段で検出された路面摩擦係数状態の少なくとも何れか一つに基づいて制動開始タイミングを設定する制動開始タイミング設定手段と、前記自車両速度検出手段で検出された自車両の速度と前記前方物体速度検出手段で検出された前方物体の速度との平均値を前記到達時間算出手段で算出された到達時間で除した値に基づいて自車両の目標制動力を算出する目標制動力算出手段と、前記到達時間算出手段で算出された到達時間が前記制動開始タイミング設定手段で設定された前記制動開始タイミング以下となったときに前記目標制動力算出手段で算出された目標制動力を発生させる自動制動手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明のうち請求項2に係る車両用制動制御装置は、前記請求項1の発明において、前記制動開始タイミング設定手段は、前記路面摩擦係数状態検出手段で検出された路面摩擦係数状態が小さいほど前記制動開始タイミングを長く設定することを特徴とするものである。
また、本発明のうち請求項3に係る車両用制動制御装置は、請求項1又は2の発明において、前記制動開始タイミング設定手段は、前記自車両速度検出手段で検出された自車両速度が大きいほど前記制動開始タイミングを長く設定することを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明のうち請求項4に係る車両用制動制御装置は、前記請求項1乃至3の発明において、前記制動開始タイミング設定手段は、前記前方物体速度検出手段で検出された前方物体速度が大きいほど前記制動開始タイミングを長く設定することを特徴とするものである。
また、本発明のうち請求項5に係る車両用制動制御装置は、前記請求項1乃至4の発明において、前記制動開始タイミング設定手段は、前記自車両速度検出手段で検出された自車両の速度と前記前方物体速度検出手段で検出された前方物体の速度との平均値が大きいほど前記制動開始タイミングを長く設定することを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明のうち請求項6に係る車両用制動制御装置は、前記請求項5の発明において、前記制動開始タイミング設定手段は、前記自車両速度検出手段で検出された自車両の速度と前記前方物体速度検出手段で検出された前方物体の速度との平均値の小さい領域では、当該平均値の減少に対する前記制動開始タイミングの減少割合を小さく設定することを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明のうち請求項7に係る車両用制動制御装置は、前記請求項5又は6の発明において、前記制動開始タイミング設定手段は、前記自車両速度検出手段で検出された自車両の速度と前記前方物体速度検出手段で検出された前方物体の速度との平均値の大きい領域では、当該平均値の増大に対する前記制動開始タイミングの増割合を小さく設定することを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明のうち請求項8に係る車両用制動制御装置は、前記請求項1乃至7の発明において、前記目標制動力算出手段は、少なくとも前記前方物体距離検出手段で検出された自車両前方に存在する物体と自車両との距離及び前記相対速度検出手段で検出された相対速度に基づいて少なくとも自車両の目標制動減速度を算出し、前記自動制動手段は、前記目標制動減速度に応じて、制動流体圧の増圧の仕方を調整することを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明のうち請求項9に係る車両用制動制御装置は、前記請求項8の発明において、前記自動制動手段は、前記目標制動減速度に応じて、制動流体圧の減圧の仕方を調整することを特徴とするものである。
また、本発明のうち請求項10に係る車両用制動制御装置は、前記請求項9の発明において、前記自動制動手段は、前記目標制動減速度が達成されるように制動流体圧を制御するにあたり、制動流体圧の減圧の仕方が増圧の仕方より緩やかになるように調整することを特徴とするものである。
【0013】
【発明の効果】
而して、本発明のうち請求項1に係る車両用制動制御装置によれば、自車両前方に存在する物体と自車両との距離を互いの相対速度で除して自車両が前方物体に到達するまでの時間を算出すると共に、検出された自車両の速度及び検出された前方物体の速度及び検出された路面摩擦係数状態の少なくとも何れか一つに基づいて制動開始タイミングを設定し、自車両の速度と前方物体の速度との平均値を到達時間で除した値に基づいて自車両の目標制動力を算出し、前記到達時間が前記制動開始タイミング以下となったときに目標制動力を発生させる構成としたため、自車両と前方物体との互いの走行状態或いは路面摩擦係数状態に応じて前記制動開始タイミングを適切に設定することができ、その結果、自車両で達成する或いは発生する減速度の変化を抑制し、乗員に違和感を与えない。
【0014】
また、本発明のうち請求項2に係る車両用制動制御装置によれば、検出された路面摩擦係数状態が小さいほど前記制動開始タイミングを長く設定する構成としたため、路面摩擦係数状態に応じた適切なタイミングで自動制動を開始させることができる。
また、本発明のうち請求項3に係る車両用制動制御装置によれば、検出された自車両速度が大きいほど前記制動開始タイミングを長く設定する構成としたため、自車両速度に応じた適切なタイミングで自動制動を開始させることができる。
【0015】
また、本発明のうち請求項4に係る車両用制動制御装置によれば、検出された前方物体速度が大きいほど前記制動開始タイミングを長く設定する構成としたため、前方物体速度に応じた適切なタイミングで自動制動を開始させることができる。
また、本発明のうち請求項5に係る車両用制動制御装置によれば、検出された自車両の速度と前方物体の速度との平均値が大きいほど前記制動開始タイミングを長く設定する構成としたため、確実に自動制動の効果を発揮することができる。
【0016】
また、本発明のうち請求項6に係る車両用制動制御装置によれば、検出された自車両の速度と前方物体の速度との平均値の小さい領域では、当該平均値の減少に対する前記制動開始タイミングの減少割合を小さく設定する構成としたため、装置の応答遅れ等を補い、更に自動制動の開始タイミングを適切なものとすることができる。
【0017】
また、本発明のうち請求項7に係る車両用制動制御装置によれば、検出された自車両の速度と前方物体の速度との平均値の大きい領域では、当該平均値の増大に対する前記制動開始タイミングの増割合を小さく設定する構成としたため、自動制動の開始タイミングを必要以上に早めることなく適切なものとすることができる。
【0018】
また、本発明のうち請求項8に係る車両用制動制御装置によれば、目標制動減速度に応じて制動流体圧の増圧の仕方を調整する構成としたため、目標制動減速度が小さいときには制動流体圧の増圧を緩やかにして制動を滑らかなものとし、目標制動減速度が大きいときには制動流体圧の増圧を速やかにして応答を高め、もって時間の経過に対する減速度の急激な変化を抑制防止することができる。
【0019】
また、本発明のうち請求項9に係る車両用制動制御装置によれば、目標制動減速度に応じて制動流体圧の減圧の仕方を調整する構成としたため、目標制動減速度が小さいときには増圧後の制動流体圧の減圧を緩やかにして制動を滑らかなものとし、目標制動減速度が大きいときには増圧後の制動流体圧の減圧を速やかにして応答を高め、もって時間の経過に対する減速度の急激な変化を抑制防止することができる。
【0020】
また、本発明のうち請求項10に係る車両用制動制御装置によれば、制動流体圧の減圧の仕方が増圧の仕方より緩やかになるように調整する構成としたため、制動開始後は制動流体圧を速やかに増圧して必要な減速度を得、その後は制動流体圧を緩やかに減圧して滑らかな制動を達成することができ、もって時間の経過に対する減速度の急激な変化をより一層抑制防止することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の車両用制動制御装置を適用した先行車両追従走行装置付き車両の第1実施形態を示すシステム構成図である。外界認識装置1には、スキャニング式レーザレーダ2で走査した結果から、自車両前方の物体を抽出するレーダ処理装置3が接続されている。このレーダ処理装置3は、検出された一つ或いは複数の前方物体に対して自車両を原点とする二次元座標値、即ち前方物体の位置を算出する機能が付加されている。
【0022】
また、前記外界認識装置1には、CCDカメラ4で撮像された自車両前方の画像から自車両の走行レーンを検出する画像処理装置5が接続されている。前記CCDカメラ4は、自車両前方の状況を広角且つ高速に把握できるプログレッシブスキャン式のものであり、また前記画像処理装置5は、前記レーダ処理装置3で検出された前方物体の位置が、自車両走行レーンの内側にあるのか外側にあるのか、またどちら側にあるのかを判定する機能が付加されている。
【0023】
更に、前記外界認識装置1には、自車両の走行状態を検出するための車速センサ6及び操舵角センサ7が接続されている。前記車速センサ6は、従動輪である後輪の回転速度から自車両の走行速度VSPを検出するものである。また、前記操舵角センサ7は、ステアリングホイールの操舵角θを検出するものである。
また、車両には、道路環境、所謂インフラストラクチャと情報の通信を行う路車間通信装置10が設けられている。この路車間通信装置10では、種々の交通情報を取得することができるが、ここでは走行路面の摩擦係数状態を検出するために使用する。この路面摩擦係数状態は前記外界認識装置1に出力される。
【0024】
そして、前記外界認識装置1では、前記前方物体が自車両にとって衝突する可能性のある障害物であるか否かを判断し、それが障害物であると判断された場合には自動ブレーキ制御装置8に指令を出力する。自動ブレーキ制御装置8は、後述する演算処理を行って、負圧ブレーキブースタ9を作動し、各車輪に制動力を付与して前方物体との衝突を回避する。また、外界認識装置1で、前記前方物体が障害物ではなく、自車両と同等の速度で走行する先行車両であると判断された場合には、図示されない先行車両追従走行制御装置に判断結果を出力し、当該先行車両追従走行制御装置は、エンジンの出力と各車輪への制動力とを制御して先行車両に追従走行する制御を行う。
【0025】
前記外界認識装置1、レーダ処理装置3、画像処理装置5、自動ブレーキ制御装置8、路車間通信装置10等は、夫々マイクロコンピュータとその周辺機器、並びに各アクチュエータを駆動するための駆動回路等を備えており、互いに通信回路を介して情報を送受信できるようになっている。
次に、前記自動ブレーキ制御装置8で行われる自動制動のための演算処理について、図2のフローチャートを用いて説明する。この演算処理は、所定のサンプリング周期ΔT(例えば10msec. )毎にタイマ割込処理される。なお、このフローチャートでは、特に通信のためのステップを設けていないが、例えばフローチャート中で得られた情報は随時記憶装置に記憶されるし、必要な情報は随時記憶装置から読出される。
【0026】
この演算処理のステップS1では、前記車速センサ6で検出された自車両速度Vc、レーザレーダ2及びレーダ処理装置3で検出された前方物体までの距離DIST、前記路車間通信装置10で取得された路面摩擦係数値μを読込む。
次にステップS2に移行して、前記ステップS1で読込んだ前方物体までの距離Dの変化率から前方物体と自車両との相対速度Vrを算出し、更に前記ステップS1で読込んだ自車両速度Vcに前記相対速度Vrを和して前方物体速度Vpを算出する。
【0027】
次にステップS3に移行して、前記ステップS1で読込んだ前方物体と自車両との距離DISTを前記相対速度Vrで除して自車両が前方物体に到達するまでの時間、即ち到達時間TTCを算出する。
次にステップS4aに移行して、図3の制御マップに従って、前記ステップS1で読込んだ自車両速度Vcに応じた制動開始までの時間、即ち制動開始タイミングTTCCOM を算出する。この制御マップでは、自車両速度Vcに対して制動開始タイミングTTCCOM は正比例し、自車両速度Vcが大きいほど制動開始タイミングTTCCOM は長く設定される。
【0028】
次にステップS5に移行して、前記ステップS3で算出した到達時間TTCが前記ステップS4aで算出した制動開始タイミングTTCCOM 以下であるか否かを判定し、当該到達時間TTCが制動開始タイミングTTCCOM 以下である場合にはステップS6に移行し、そうでない場合にはメインプログラムに復帰する。
前記ステップS6では、下記1式に従って、目標制動流体圧αを算出すると共に、その目標制動流体圧αが達成されるように負圧ブースタを駆動して各車輪に制動力を付与する。
【0029】
α=K・μ・((Vc+Vp)/2)/TTC
=K・μ・((Vc+Vp)/2)・Vr/DIST ……… (1)
但し、Kは、路面摩擦係数μの精度に応じて設定するゲインである。即ち、本実施形態のように路車間通信によってインフラストラクチャから得る路面摩擦係数μは比較的精度が高いので、ゲインKを比較的小さくしても目標制動流体圧αは当該路面摩擦係数μに対して適切なものとなる。一方、後述のように路面摩擦係数μをワイパの作動や外気温等から推定する場合には比較適精度が低いので、ゲインKを比較的大きくして目標制動流体圧αを大きめにし、十分な制動力が得られるようにする。
【0030】
本実施形態では、自車両から前方物体までの距離DISTを相対速度Vrで除して自車両が前方物体に到達するまでの時間TTCを算出すると共に、自車両速度Vcに応じて制動開始タイミングTTCCOM を設定し、前記到達時間TTCが制動開始タイミングTTCCOM 以下となったら目標制動流体圧αを算出して制動を開始する。このとき、制動開始タイミングTTCCOM は自車両速度Vcに正比例し、自車両速度Vcが大きいほど長く、自車両速度Vcが小さいほど短く設定される。即ち、自車両が速く前方物体に接近しているときほど、制動開始タイミングTTCCOM は長く設定されるから、その分だけ前方物体から離れた位置で制動が開始されることになる。
【0031】
従って、自車両速度Vcに対する制動開始タイミングTTCCOM の傾きと切片を適切に設定することにより、図4aに示すように制動開始タイミングTTCCOM を到達時間TTCと同等に設定することができ、そのようにすることで制動開始タイミングを適切なものとすることができ、図4bに示すように車両に発生する減速度の自車両速度に対する変化を抑制することができるので、乗員に違和感を与えることがない。これに対し、前記従来のように制動開始タイミングを図4aに破線で示すような一定値に設定してしまうと、到達時間が当該一定値の制動開始タイミングを下回ってから車両で達成する或いは車両に発生する減速度は、自車両速度が大きいほど、加速度的に大きくなり、これが乗員に違和感となる。
【0032】
また、目標制動力、即ち前記目標制動流体圧αを路面摩擦係数μ、自車両速度と前方物体速度の平均値(Vc+Vp)/2、及び到達時間TTCに応じて設定することにより、自車両が前方物体の位置に到達するときには自車両速度Vcを“0”として停止することが可能となり、自動制動の効果を十分に発揮することができる。
【0033】
以上より、前記レーザレーダ2、レーダ処理装置3及び図2の演算処理のステップS1が本発明の前方物体距離検出手段を構成し、以下同様に、前記図2の演算処理のステップS2が相対速度検出手段を構成し、前記車速センサ6及び図2の演算処理のステップS1が自車両速度検出手段を構成し、前記図2の演算処理のステップS2が前方物体速度検出手段を構成し、前記路車間通信装置10及び図2の演算処理のステップS1が路面摩擦係数状態検出手段を構成し、前記図2の演算処理のステップS3が到達時間算出手段を構成し、前記図2の演算処理のステップS4aが制動開始タイミング設定手段を構成し、前記図2の演算処理のステップS6が目標制動力算出手段を構成し、前記図2の演算処理のステップS5、ステップS6が自動制動手段を構成している。
【0034】
次に、本発明の車両用制動制御装置の第2実施形態について説明する。この実施形態の車両概略構成は、前記第1実施形態の図1のものと同様である。この実施形態では、前記図1の自動ブレーキ制御装置8で行われる演算処理が、前記第1実施形態の図2のものから図5のものに変更されている。この図5の演算処理と図2の演算処理とは類似しており、同等のステップには同等の符号を付して詳細な説明を省略する。この演算処理では、前記第1実施形態の図2の演算処理のステップS4aがステップS4bに変更されている。
【0035】
このステップS4bでは、図6の制御マップに従って、前記ステップS1で読込んだ路面摩擦係数値μに応じた制動開始までの時間、即ち制動開始タイミングTTCCOM を算出してから前記ステップS5に移行する。この制御マップでは、路面摩擦係数値μに対して制動開始タイミングTTCCOM は反比例し、路面摩擦係数値μが大きいほど制動開始タイミングTTCCOM は短く設定される。
【0036】
本実施形態では、自車両から前方物体までの距離DISTを相対速度Vrで除して自車両が前方物体に到達するまでの時間TTCを算出すると共に、路面摩擦係数μに応じて制動開始タイミングTTCCOM を設定し、前記到達時間TTCが制動開始タイミングTTCCOM 以下となったら目標制動流体圧αを算出して制動を開始する。このとき、制動開始タイミングTTCCOM は路面摩擦係数μに反比例し、路面摩擦係数μが大きいほど短く、路面摩擦係数μが小さいほど長く設定される。即ち、滑り易く、大きな制動力が付与できない路面ほど、制動開始タイミングTTCCOM は長く設定されるから、その分だけ前方物体から離れた位置で制動が開始されることになる。
【0037】
従って、路面摩擦係数μに対する制動開始タイミングTTCCOM の係数と漸近値を適切に設定することにより、制動開始タイミングTTCCOM を到達時間TTCと同等に設定することができ、そのようにすることで制動開始タイミングを適切なものとすることができ、車両に発生する減速度の路面摩擦係数に対する変化を抑制することができるので、乗員に違和感を与えることがない。
【0038】
以上より、前記レーザレーダ2、レーダ処理装置3及び図5の演算処理のステップS1が本発明の前方物体距離検出手段を構成し、以下同様に、前記図5の演算処理のステップS2が相対速度検出手段を構成し、前記車速センサ6及び図5の演算処理のステップS1が自車両速度検出手段を構成し、前記図5の演算処理のステップS2が前方物体速度検出手段を構成し、前記路車間通信装置10及び図5の演算処理のステップS1が路面摩擦係数状態検出手段を構成し、前記図5の演算処理のステップS3が到達時間算出手段を構成し、前記図5の演算処理のステップS4bが制動開始タイミング設定手段を構成し、前記図5の演算処理のステップS6が目標制動力算出手段を構成し、前記図5の演算処理のステップS5、ステップS6が自動制動手段を構成している。
【0039】
次に、本発明の車両用制動制御装置の第3実施形態について説明する。この実施形態の車両概略構成は、前記第1実施形態の図1のものと同様である。この実施形態では、前記図1の自動ブレーキ制御装置8で行われる演算処理が、前記第1実施形態の図2のものから図7のものに変更されている。この図7の演算処理と図2の演算処理とは類似しており、同等のステップには同等の符号を付して詳細な説明を省略する。この演算処理では、前記第1実施形態の図2の演算処理のステップS4aがステップS4cに変更されている。
【0040】
このステップS4cでは、図8の制御マップに従って、前記ステップS2で算出した前方物体速度Vpに応じた制動開始までの時間、即ち制動開始タイミングTTCCOM を算出してから前記ステップS5に移行する。この制御マップでは、前方物体速度Vpに対して制動開始タイミングTTCCOM は正比例し、前方物体速度Vpが大きいほど制動開始タイミングTTCCOM は長く設定される。
【0041】
本実施形態では、自車両から前方物体までの距離DISTを相対速度Vrで除して自車両が前方物体に到達するまでの時間TTCを算出すると共に、前方物体速度Vpに応じて制動開始タイミングTTCCOM を設定し、前記到達時間TTCが制動開始タイミングTTCCOM 以下となったら目標制動流体圧αを算出して制動を開始する。このとき、制動開始タイミングTTCCOM は前方物体速度Vpに正比例し、前方物体速度Vpが大きいほど長く、前方物体速度Vpが小さいほど短く設定される。即ち、前方物体が速く自車両に接近しているときほど、制動開始タイミングTTCCOM は長く設定されるから、その分だけ前方物体から離れた位置で制動が開始されることになる。
【0042】
従って、前方物体速度Vpに対する制動開始タイミングTTCCOM の傾きと切片を適切に設定することにより、制動開始タイミングTTCCOM を到達時間TTCと同等に設定することができ、そのようにすることで制動開始タイミングを適切なものとすることができ、車両に発生する減速度の前方物体速度に対する変化を抑制することができるので、乗員に違和感を与えることがない。
【0043】
以上より、前記レーザレーダ2、レーダ処理装置3及び図7の演算処理のステップS1が本発明の前方物体距離検出手段を構成し、以下同様に、前記図7の演算処理のステップS2が相対速度検出手段を構成し、前記車速センサ6及び図7の演算処理のステップS1が自車両速度検出手段を構成し、前記図7の演算処理のステップS2が前方物体速度検出手段を構成し、前記路車間通信装置10及び図7の演算処理のステップS1が路面摩擦係数状態検出手段を構成し、前記図7の演算処理のステップS3が到達時間算出手段を構成し、前記図7の演算処理のステップS4cが制動開始タイミング設定手段を構成し、前記図7の演算処理のステップS6が目標制動力算出手段を構成し、前記図7の演算処理のステップS5、ステップS6が自動制動手段を構成している。
【0044】
次に、本発明の車両用制動制御装置の第4実施形態について説明する。この実施形態の車両概略構成は、前記第1実施形態の図1のものと同様である。この実施形態では、前記図1の自動ブレーキ制御装置8で行われる演算処理が、前記第1実施形態の図2のものから図9のものに変更されている。この図9の演算処理と図2の演算処理とは類似しており、同等のステップには同等の符号を付して詳細な説明を省略する。この演算処理では、前記第1実施形態の図2の演算処理のステップS4aがステップS4dに変更されている。
【0045】
このステップS4dでは、図10の制御マップに従って、前記ステップS1で読込んだ自車両速度Vcと前記ステップS2で算出した前方物体速度Vpの平均値(Vc+Vp)/2に応じた制動開始までの時間、即ち制動開始タイミングTTCCOM を算出してから前記ステップS5に移行する。この制御マップでは、自車両速度と前方物体速度の平均値(Vc+Vp)/2に対して制動開始タイミングTTCCOM は正比例し、自車両速度と前方物体速度の平均値(Vc+Vp)/2が大きいほど制動開始タイミングTTCCOM は長く設定される。
【0046】
本実施形態では、自車両から前方物体までの距離DISTを相対速度Vrで除して自車両が前方物体に到達するまでの時間TTCを算出すると共に、自車両速度と前方物体速度の平均値(Vc+Vp)/2に応じて制動開始タイミングTTCCOM を設定し、前記到達時間TTCが制動開始タイミングTTCCOM 以下となったら目標制動流体圧αを算出して制動を開始する。このとき、制動開始タイミングTTCCOM は自車両速度と前方物体速度の平均値(Vc+Vp)/2に正比例し、自車両速度と前方物体速度の平均値(Vc+Vp)/2が大きいほど長く、自車両速度と前方物体速度の平均値(Vc+Vp)/2が小さいほど短く設定される。即ち、自車両と前方物体とが互いに速く接近しているときほど、制動開始タイミングTTCCOM は長く設定されるから、その分だけ前方物体から離れた位置で制動が開始されることになる。
【0047】
従って、自車両速度と前方物体速度の平均値(Vc+Vp)/2に対する制動開始タイミングTTCCOM の傾きと切片を適切に設定することにより、制動開始タイミングTTCCOM を到達時間TTCと同等に設定することができ、そのようにすることで制動開始タイミングを適切なものとすることができ、自車両速度と前方物体速度の平均値に対して車両に発生する減速度の変化を抑制することができるので、乗員に違和感を与えることがない。また、このように設定することにより、例えば自車両が前方物体位置に位置するときに少なくとも自車両の速度を前方物体の速度と同等にすることができ、自動制動の効果を十分に発揮することができる。
【0048】
以上より、前記レーザレーダ2、レーダ処理装置3及び図9の演算処理のステップS1が本発明の前方物体距離検出手段を構成し、以下同様に、前記図9の演算処理のステップS2が相対速度検出手段を構成し、前記車速センサ6及び図9の演算処理のステップS1が自車両速度検出手段を構成し、前記図9の演算処理のステップS2が前方物体速度検出手段を構成し、前記路車間通信装置10及び図9の演算処理のステップS1が路面摩擦係数状態検出手段を構成し、前記図9の演算処理のステップS3が到達時間算出手段を構成し、前記図9の演算処理のステップS4dが制動開始タイミング設定手段を構成し、前記図9の演算処理のステップS6が目標制動力算出手段を構成し、前記図9の演算処理のステップS5、ステップS6が自動制動手段を構成している。
【0049】
次に、本発明の車両用制動制御装置の第5実施形態について説明する。この実施形態の車両概略構成は、前記第1実施形態の図1のものと同様である。この実施形態では、前記図1の自動ブレーキ制御装置8で行われる演算処理が、前記第1実施形態の図2のものから図11のものに変更されている。この図11の演算処理と図2の演算処理とは類似しており、同等のステップには同等の符号を付して詳細な説明を省略する。この演算処理では、前記第1実施形態の図2の演算処理のステップS4aがステップS4eに変更されている。
【0050】
このステップS4eでは、図12の制御マップに従って、前記ステップS1で読込んだ自車両速度Vcと前記ステップS2で算出した前方物体速度Vpの平均値(Vc+Vp)/2及び前記ステップS1で読込んだ路面摩擦係数μに応じた制動開始までの時間、即ち制動開始タイミングTTCCOM を算出してから前記ステップS5に移行する。この制御マップは自車両速度と前方物体速度の平均値(Vc+Vp)/2及び路面摩擦係数μを変数とする三次元マップであり、自車両速度と前方物体速度の平均値(Vc+Vp)/2の増加及び路面摩擦係数μの減少に対して制動開始タイミングTTCCOM は増加し、自車両速度と前方物体速度の平均値(Vc+Vp)/2が大きいほど制動開始タイミングTTCCOM は長く設定され、路面摩擦係数μが小さいほど制動開始タイミングTTCCOM は長く設定される。丁度、前述した第2実施形態の図6の制御マップと第4実施形態の図10の制御マップとを乗じた形態に相当する。
【0051】
本実施形態では、自車両から前方物体までの距離DISTを相対速度Vrで除して自車両が前方物体に到達するまでの時間TTCを算出すると共に、自車両速度と前方物体速度の平均値(Vc+Vp)/2及び路面摩擦係数μに応じて制動開始タイミングTTCCOM を設定し、前記到達時間TTCが制動開始タイミングTTCCOM 以下となったら目標制動流体圧αを算出して制動を開始する。このとき、制動開始タイミングTTCCOM は自車両速度と前方物体速度の平均値(Vc+Vp)/2に正比例し、自車両速度と前方物体速度の平均値(Vc+Vp)/2が大きいほど長く、自車両速度と前方物体速度の平均値(Vc+Vp)/2が小さいほど短く設定されると共に、路面摩擦係数μに反比例し、路面摩擦係数μが大きいほど短く、路面摩擦係数μが小さいほど長く設定される。即ち、自車両と前方物体とが互いに速く接近しているときほど、また滑り易く、大きな制動力が付与できない路面ほど、制動開始タイミングTTCCOM は長く設定されるから、その分だけ前方物体から離れた位置で制動が開始されることになる。
【0052】
従って、自車両速度と前方物体速度の平均値(Vc+Vp)/2及び路面摩擦係数μに対する制動開始タイミングTTCCOM を適切に設定することにより、制動開始タイミングTTCCOM を到達時間TTCと同等に設定することができ、そのようにすることで制動開始タイミングを適切なものとすることができ、自車両速度と前方物体速度の平均値及び路面摩擦係数に対して車両に発生する減速度の変化を抑制することができるので、乗員に違和感を与えることがない。また、このように設定することにより、例えば自車両が前方物体位置に位置するときに少なくとも自車両の速度を前方物体の速度と同等にすることができ、自動制動の効果を十分に発揮することができる。
【0053】
以上より、前記レーザレーダ2、レーダ処理装置3及び図11の演算処理のステップS1が本発明の前方物体距離検出手段を構成し、以下同様に、前記図11の演算処理のステップS2が相対速度検出手段を構成し、前記車速センサ6及び図11の演算処理のステップS1が自車両速度検出手段を構成し、前記図11の演算処理のステップS2が前方物体速度検出手段を構成し、前記路車間通信装置10及び図11の演算処理のステップS1が路面摩擦係数状態検出手段を構成し、前記図11の演算処理のステップS3が到達時間算出手段を構成し、前記図11の演算処理のステップS4eが制動開始タイミング設定手段を構成し、前記図11の演算処理のステップS6が目標制動力算出手段を構成し、前記図11の演算処理のステップS5、ステップS6が自動制動手段を構成している。
【0054】
次に、本発明の車両用制動制御装置の第6実施形態について説明する。この実施形態の車両概略構成は、前記第1実施形態の図1のものと同様である。この実施形態では、前記図1の自動ブレーキ制御装置8で行われる演算処理が、前記第1実施形態の図2のものから図13のものに変更されている。この図13の演算処理と図2の演算処理とは類似しており、同等のステップには同等の符号を付して詳細な説明を省略する。この演算処理では、前記第1実施形態の図2の演算処理のステップS4aがステップS4fに変更されている。
【0055】
このステップS4fでは、図14の制御マップに従って、前記ステップS1で読込んだ自車両速度Vcと前記ステップS2で算出した前方物体速度Vpの平均値(Vc+Vp)/2に応じた制動開始までの時間、即ち制動開始タイミングTTCCOM を算出してから前記ステップS5に移行する。この制御マップでは、自車両速度と前方物体速度の平均値(Vc+Vp)/2の増加と共に制動開始タイミングTTCCOM は増加し、自車両速度と前方物体速度の平均値(Vc+Vp)/2が大きいほど制動開始タイミングTTCCOM は長く設定されるのであるが、特に自車両速度と前方物体速度の平均値(Vc+Vp)/2が小さい領域では、当該自車両速度と前方物体速度の平均値(Vc+Vp)/2の減少に対する制動開始タイミングTTCCOM の減少割合が小さくなるように設定されている。
【0056】
本実施形態では、自車両から前方物体までの距離DISTを相対速度Vrで除して自車両が前方物体に到達するまでの時間TTCを算出すると共に、自車両速度と前方物体速度の平均値(Vc+Vp)/2に応じて制動開始タイミングTTCCOM を設定し、前記到達時間TTCが制動開始タイミングTTCCOM 以下となったら目標制動流体圧αを算出して制動を開始する。このとき、制動開始タイミングTTCCOM は自車両速度と前方物体速度の平均値(Vc+Vp)/2に正比例し、自車両速度と前方物体速度の平均値(Vc+Vp)/2が大きいほど長く、自車両速度と前方物体速度の平均値(Vc+Vp)/2が小さいほど短く設定される。即ち、自車両と前方物体とが互いに速く接近しているときほど、制動開始タイミングTTCCOM は長く設定されるから、その分だけ前方物体から離れた位置で制動が開始されることになる。
【0057】
従って、自車両速度と前方物体速度の平均値(Vc+Vp)/2に対する制動開始タイミングTTCCOM の傾きと切片を適切に設定することにより、制動開始タイミングTTCCOM を到達時間TTCと同等に設定することができ、そのようにすることで制動開始タイミングを適切なものとすることができ、自車両速度と前方物体速度の平均値に対して車両に発生する減速度の変化を抑制することができるので、乗員に違和感を与えることがない。また、このように設定することにより、例えば自車両が前方物体位置に位置するときに少なくとも自車両の速度を前方物体の速度と同等にすることができ、自動制動の効果を十分に発揮することができる。更に、本実施形態では、自車両速度と前方物体速度の平均値(Vc+Vp)/2が小さい領域では、当該自車両速度と前方物体速度の平均値(Vc+Vp)/2の減少に対する制動開始タイミングTTCCOM の減少割合が小さくなるように設定されているため、装置の応答遅れを補い、更に自動制動の開始タイミングを適切なものとすることができる。
【0058】
以上より、前記レーザレーダ2、レーダ処理装置3及び図13の演算処理のステップS1が本発明の前方物体距離検出手段を構成し、以下同様に、前記図13の演算処理のステップS2が相対速度検出手段を構成し、前記車速センサ6及び図13の演算処理のステップS1が自車両速度検出手段を構成し、前記図13の演算処理のステップS2が前方物体速度検出手段を構成し、前記路車間通信装置10及び図13の演算処理のステップS1が路面摩擦係数状態検出手段を構成し、前記図13の演算処理のステップS3が到達時間算出手段を構成し、前記図13の演算処理のステップS4fが制動開始タイミング設定手段を構成し、前記図13の演算処理のステップS6が目標制動力算出手段を構成し、前記図13の演算処理のステップS5、ステップS6が自動制動手段を構成している。
【0059】
次に、本発明の車両用制動制御装置の第7実施形態について説明する。この実施形態の車両概略構成は、前記第1実施形態の図1のものと同様である。この実施形態では、前記図1の自動ブレーキ制御装置8で行われる演算処理が、前記第1実施形態の図2のものから図15のものに変更されている。この図15の演算処理と図2の演算処理とは類似しており、同等のステップには同等の符号を付して詳細な説明を省略する。この演算処理では、前記第1実施形態の図2の演算処理のステップS4aがステップS4gに変更されている。
【0060】
このステップS4gでは、図16の制御マップに従って、前記ステップS1で読込んだ自車両速度Vcと前記ステップS2で算出した前方物体速度Vpの平均値(Vc+Vp)/2に応じた制動開始までの時間、即ち制動開始タイミングTTCCOM を算出してから前記ステップS5に移行する。この制御マップでは、自車両速度と前方物体速度の平均値(Vc+Vp)/2の増加と共に制動開始タイミングTTCCOM は増加し、自車両速度と前方物体速度の平均値(Vc+Vp)/2が大きいほど制動開始タイミングTTCCOM は長く設定されるのであるが、特に自車両速度と前方物体速度の平均値(Vc+Vp)/2が大きい領域では、当該自車両速度と前方物体速度の平均値(Vc+Vp)/2の増大に対する制動開始タイミングTTCCOM の増加割合が小さくなるように設定されている。
【0061】
本実施形態では、自車両から前方物体までの距離DISTを相対速度Vrで除して自車両が前方物体に到達するまでの時間TTCを算出すると共に、自車両速度と前方物体速度の平均値(Vc+Vp)/2に応じて制動開始タイミングTTCCOM を設定し、前記到達時間TTCが制動開始タイミングTTCCOM 以下となったら目標制動流体圧αを算出して制動を開始する。このとき、制動開始タイミングTTCCOM は自車両速度と前方物体速度の平均値(Vc+Vp)/2に正比例し、自車両速度と前方物体速度の平均値(Vc+Vp)/2が大きいほど長く、自車両速度と前方物体速度の平均値(Vc+Vp)/2が小さいほど短く設定される。即ち、自車両と前方物体とが互いに速く接近しているときほど、制動開始タイミングTTCCOM は長く設定されるから、その分だけ前方物体から離れた位置で制動が開始されることになる。
【0062】
従って、自車両速度と前方物体速度の平均値(Vc+Vp)/2に対する制動開始タイミングTTCCOM の傾きと切片を適切に設定することにより、制動開始タイミングTTCCOM を到達時間TTCと同等に設定することができ、そのようにすることで制動開始タイミングを適切なものとすることができ、自車両速度と前方物体速度の平均値に対して車両に発生する減速度の変化を抑制することができるので、乗員に違和感を与えることがない。また、このように設定することにより、例えば自車両が前方物体位置に位置するときに少なくとも自車両の速度を前方物体の速度と同等にすることができ、自動制動の効果を十分に発揮することができる。更に、本実施形態では、自車両速度と前方物体速度の平均値(Vc+Vp)/2が大きい領域では、当該自車両速度と前方物体速度の平均値(Vc+Vp)/2の増大に対する制動開始タイミングTTCCOM の増加割合が小さくなるように設定されているため、更に自動制動の開始タイミングを適切なものとすることができる。
【0063】
以上より、前記レーザレーダ2、レーダ処理装置3及び図15の演算処理のステップS1が本発明の前方物体距離検出手段を構成し、以下同様に、前記図15の演算処理のステップS2が相対速度検出手段を構成し、前記車速センサ6及び図15の演算処理のステップS1が自車両速度検出手段を構成し、前記図15の演算処理のステップS2が前方物体速度検出手段を構成し、前記路車間通信装置10及び図15の演算処理のステップS1が路面摩擦係数状態検出手段を構成し、前記図15の演算処理のステップS3が到達時間算出手段を構成し、前記図15の演算処理のステップS4gが制動開始タイミング設定手段を構成し、前記図15の演算処理のステップS6が目標制動力算出手段を構成し、前記図15の演算処理のステップS5、ステップS6が自動制動手段を構成している。
【0064】
次に、本発明の車両用制動制御装置の第8実施形態について説明する。この実施形態の車両概略構成は、前記第1実施形態の図1のものと同様である。また、この実施形態において、前記図1の自動ブレーキ制御装置8で行われる演算処理の概略は、前記第1実施形態の図2のものと同様であるが、そのステップS6で行われる目標流体圧の算出及び制動の詳細が変更されている。具体的には、図17に示す演算処理をマイナプログラムとして実行する。
【0065】
この演算処理では、まずステップS61で、下記2式に従って、目標制動減速度gS を算出する。
S =K1 ・μ・((Vc+Vp)/2)/TTC
=K1 ・μ・((Vc+Vp)/2)・Vr/DIST ……… (2)
但し、K1 は、前記1式のK同様、路面摩擦係数μの精度に応じて設定するゲインである。即ち、本実施形態のように路車間通信によってインフラストラクチャから得る路面摩擦係数μは比較的精度が高いので、ゲインK1 を比較的小さくしても目標制動減速度gS は当該路面摩擦係数μに対して適切なものとなる。一方、後述のように路面摩擦係数μをワイパの作動や外気温等から推定する場合には比較適精度が低いので、ゲインK1 を比較的大きくして目標制動減速度gS を大きめにし、十分な減速度が得られるようにする。
【0066】
次にステップS62に移行して、制動流体圧を増圧制御しているのか、或いは減圧制御しているのかを検出する。具体的には、εを微小な所定値とし、前述のように算出した過去5回の目標制動減速度gS の平均値gSave0 と、それより更に過去5回の目標制動減速度gS の平均値(以下、過去6〜10回の目標制動減速度の平均値とも記す)gSave1 とを比較し、過去5回の目標制動減速度の平均値gSave0 から過去6〜10回の目標制動減速度の平均値gSave1 を減じた値が前記負の所定値(−ε)以下であるときには、全般に減速度を小さくする傾向にあるので減圧状態であるとし、前記過去5回の目標制動減速度の平均値gSave0 から過去6〜10回の目標制動減速度の平均値gSave1 を減じた値が前記正の所定値(+ε)以上であるときには、全般に減速度を大きくする傾向にあるので増圧状態であると判定する。なお、前記過去5回の目標制動減速度の平均値gSave0 から過去6〜10回の目標制動減速度の平均値gSave1 を減じた値が前記負の所定値(−ε)より大きく且つ正の所定値(+ε)より小さい場合には、前回の判定と同じ状態であるものとする。
【0067】
次にステップS63に移行して、図18の制御マップに従って、目標制動減速度gS に応じたフィルタ時定数τを設定する。この図18の制御マップは、全般に目標制動減速度gS が大きいほど、時定数τを小さくするように構成されているが、前記ステップS62で検出された制動流体圧の減圧時と増圧時とでヒステリシスを設け、制動流体圧の減圧時の方が増圧時よりも時定数τが大きく設定されるように構成されている。これは、制動流体圧の増圧時の応答性を高めて、必要な減速度が速やかに得られるようにすると共に、制動流体圧の減圧時の応答性を緩やかにして、制動を滑らかなものとするためである。
【0068】
次にステップS64に移行して、前記ステップS63で設定されたフィルタ時定数τを用い、前記ステップS61で算出した目標制動減速度gS にフィルタリング処理を施す。このフィルタリング処理は、周知の一次遅れ系のフィルタや二次遅れ系のフィルタを用いて行えばよい。
次にステップS65に移行して、下記3式に従って、フィルタリング目標制動減速度gSfilに基づいて目標制動流体圧αを算出する。なお、式中のK3 はフィルタリング目標制動減速度gSfilを目標制動流体圧αに換算するためのゲインである。
【0069】
α=K3 ・gSfil ……… (3)
次にステップS66に移行して、前記ステップS65で算出された目標制動流体圧αを達成する制動流体圧制御信号を創成出力してからメインプログラムに復帰する。
この演算処理によれば、前記ステップS63で、目標制動減速度gS に応じたフィルタ時定数τを設定し、その時定数τを用いて、当該目標制動減速度gS にフィルタリング処理を施す。ここで、フィルタ時定数τは、制動流体圧の増圧時、減圧時に関わらず、原則的に目標制動減速度gS が大きいほど小さく設定されるので、例えば目標制動減速度gS が小さいときにはフィルタ時定数τが大きく設定され、さほど大きな減速度が必要とされないときには滑らかな制動が達成可能となる。逆に目標制動減速度gS が大きいときにはフィルタ時定数τが小さく設定されるので、大きな減速度が必要とされるときに速やかに制動力が高められ、その結果、応答性が高まると共に、その後は、制動力を同等に保持するか、徐々に減少させればよいことになるから、一度の制動における時間の経過に対する減速度の急激な変化を抑制防止することができる。また、制動流体圧の減圧時には増圧時よりもフィルタ時定数τが大きくなるように構成されているため、制動流体圧の減圧の仕方を増圧の仕方より緩やかになるように調整することができ、これにより制動開始後は制動流体圧を速やかに増圧して必要な減速度を得、その後は制動流体圧を緩やかに減圧して滑らかな制動を達成することができ、もって時間の経過に対する減速度の急激な変化をより一層抑制防止することが可能となる。
【0070】
図19は、前記図17の演算処理による車間距離、目標制動減速度、制動流体圧の経時変化を示したものである。この例では、先行車両は比較的中程度の減速度一定で減速し、その結果、先行車両の走行速度が傾き一様で減速するから、その積分値として現れる車間距離DISTは、途中まで二次曲線的に減少している。このように減少する車間距離DISTに対し、前記図17の演算処理のステップS61で、前記2式に従って算出設定される目標制動減速度gS は、当該車間距離DISTに反比例するように増大する。この次第に増大する目標制動減速度gS に対し、前記図17の演算処理のステップS63で設定されるフィルタ時定数τは、制動初期の段階では大きな値となるが、その後、目標制動減速度gS の増大と共に小さな値に設定される。従って、この時定数τを用いてフィルタリング処理されたフィルタリング目標制動減速度gSfilに基づいて図17の演算処理のステップS65で算出される目標制動流体圧αは、制動開始直後こそ増圧傾きが小さいが、前記車間距離DISTの増大に伴って応答性が高くなり、速やかに増圧される。その結果、自車両の走行速度が速やかに減速されるので車間距離DISTの減少が緩まり、目標制動減速度gS の増大が抑制される。その後も、自車両の走行速度は減速し続けるため、車間距離DISTの増大は更に抑制され、その結果、目標制動減速度gS は減少に転ずる。
【0071】
前述のように目標制動減速度gS の減少傾向が継続すると、図17の演算処理のステップS62で制動流体圧を減圧するものと判定されるので、同ステップS63で設定されるフィルタ時定数τは、減圧に応じたやや大きな値となる。しかしながら、それでも目標制動減速度gS が大きいことに変わりはないので、フィルタ時定数τの値自体は小さく、目標制動減速度gS 、即ち車間距離DISTの変化に応じて目標制動流体圧αは高応答に変化する。その後、目標制動減速度gS が更に減少すると、それに合わせてフィルタ時定数τは次第に大きな値となり、目標制動減速度gS 減少に対してより一層緩やかに目標制動流体圧αが減少され、その結果、滑らかな制動が達成される。
【0072】
このように、本実施形態の車両用制動制御装置によれば、目標制動減速度が大きいときには高応答に制動流体圧を制御し、目標制動減速度が小さいときには滑らかな制動を可能とする。その結果、前記図19のタイミングチャートでは、制動流体圧のピークが、一回の制動のほぼ中央付近にあり、制動の効き具合も緩めめ具合も違和感がない。
【0073】
これに対し、図20は、前記目標制動減速度から目標制動流体圧を算出する際のフィルタの時定数が大きな値に固定されている場合のシミュレーションであり、その問題点を明瞭にするために先行車両が比較的緩やかに減速する場合を想定している。この例では、先行車両は比較的小さい減速度一定で減速し、その結果、先行車両の走行速度が小さな傾き一様で減速するから、その積分値として現れる車間距離DISTは、二次曲線的に緩やかに減少している。このように減少する車間距離DISTに対し、目標制動減速度gS は、前記図19と同様に、当該車間距離DISTに反比例するように増大するが、図19よりも増大の仕方が緩やかである。この次第に増大する目標制動減速度gS に対し、時定数の大きなフィルタリング処理によって算出される目標制動流体圧αは、目標制動減速度gS が大きくなっても、なかなか大きくならず、その結果、車間距離DISTの減少が緩やかになり、より一層目標制動減速度gS が大きくなり、それに対して目標制動減速度gS が大きくならないといった繰り返しから、目標制動流体圧αだけが時間の経過と共に加速度的に増大する。その結果、自車両には、制動の後半に大きな減速度が作用し、これによって車間距離が急速に小さくなり、それに伴って目標制動減速度gS が急速に小さくなり、その後、制動流体圧αが次第に小さくなる。つまり、目標制動減速度gS から目標制動流体圧αを算出するときのフィルタ時定数が大きいと、目標制動減速度gS が大きなときに、なかなか必要な減速度が達成されず、一回の制動の後半に急速に減速度が大きくなり、その後、急速に減速度が小さくなる。このようにフィルタの時定数が大きいと、目標制動減速度が大きいときに、時間の経過に対する減速度の変化が大きく、乗員は違和感を感じる。
【0074】
逆に、図21は、前記目標制動減速度から目標制動流体圧を算出する際のフィルタの時定数が小さな値に固定されている場合のシミュレーションであり、その問題点を明瞭にするために先行車両が比較的速やかに減速する場合を想定している。この例では、先行車両は比較的大きい減速度で速やかに減速し、その結果、先行車両の走行速度が大きな傾きで減速するから、その積分値として現れる車間距離DISTは、二次曲線的に速やかに減少している。このように減少する車間距離DISTに対し、目標制動減速度gS は、前記図19と同様に、当該車間距離DISTに反比例するように増大するが、図19よりも増大の仕方が速やかである。この次第に増大する目標制動減速度gS に対し、時定数の小さなフィルタリング処理によって算出される目標制動流体圧αは、目標制動減速度gS が大きくなると速やかに大きくなり、その結果、車間距離DISTの減少が急速に緩やかになり、目標制動減速度gS もそれ以上大きくならず、ゆっくりとした減少に転ずる。この目標制動減速度gS の変化に伴って、時定数の小さなフィルタリング処理で設定される目標制動流体圧αも、ほぼ同様の傾向で変化し、制動の初期に急速に大きくなった後、ほぼ同じような値で次第に減少する。この結果、自車両には、制動の前半に大きな減速度が作用し、その後、制動流体圧αが次第に小さくなる。つまり、目標制動減速度gS から目標制動流体圧αを算出するときのフィルタ時定数が小さいと、目標制動減速度gS が小さなときに、いきなり大きな減速度が発生することになるから、一回の制動の前半に急速に減速度が大きくなり、その後、次第に減速度が小さくなる。このようにフィルタの時定数が小さいと、目標制動減速度が小さいときに、時間の経過に対する減速度の変化が大きく、乗員は違和感を感じる。
【0075】
以上より、前記レーザレーダ2、レーダ処理装置3及び図2の演算処理のステップS1が本発明の前方物体距離検出手段を構成し、以下同様に、前記図2の演算処理のステップS2が相対速度検出手段を構成し、前記図2の演算処理のステップS3が到達時間算出手段を構成し、前記図2の演算処理のステップS4aが制動開始タイミング設定手段を構成し、前記図17の演算処理のステップS61が目標制動減速度算出手段を構成し、前記図2の演算処理のステップS5、ステップS6及び図17の演算処理のステップS62〜ステップS66が自動制動手段を構成している。
【0076】
なお、前記各実施形態では、制動開始タイミングを設定するための変数を一つ又は二つ用いる場合についてのみ説明したが、これらの変数を適宜に組合せて制動開始タイミングを設定するようにすることも可能であり、そのようにすれば種々のファクタに対してより制動開始タイミングを適切なものにすることができる。
【0077】
また前記実施形態では、路面摩擦係数状態をインフラストラクチャとの路車間通信によって取得する場合についてのみ詳述したが、例えば自車両速度と車輪速度とからスリップ率を求め、同時に車輪に作用する制駆動力を算出し、そのときの制駆動力とスリップ率との関係から路面摩擦係数状態を算出するようにしてもよい。また、同様に外気温を検出すると共にワイパの作動状態を監視し、ワイパが作動しているときには路面が濡れていると判断してウエット路相当の路面摩擦係数状態を設定し、更に外気温が氷点下であるときには凍結路相当の路面摩擦係数状態を設定するようにしてもよい。
【0078】
また、前記実施形態では、相対速度を直接的には検出できないレーザレーダを用いた場合についてのみ詳述したが、例えばミリ波レーダのようにドップラ効果等により相対速度を直接的に検出できるレーダであれば、前方物体と自車両との相対速度をダイレクトに検出して用いることができる。
また、前記実施形態では、夫々の演算処理装置にマイクロコンピュータを用いたが、これに代えて各種の論理回路を用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用制動制御装置を備えた先行車両追従走行制御付き車両の一例を示す車両構成図である。
【図2】自動制動制御のための演算処理の第1実施形態を示すフローチャートである。
【図3】図2の演算処理で用いる制御マップである。
【図4】図2の演算処理の作用説明図である。
【図5】自動制動制御のための演算処理の第2実施形態を示すフローチャートである。
【図6】図5の演算処理で用いる制御マップである。
【図7】自動制動制御のための演算処理の第3実施形態を示すフローチャートである。
【図8】図7の演算処理で用いる制御マップである。
【図9】自動制動制御のための演算処理の第4実施形態を示すフローチャートである。
【図10】図9の演算処理で用いる制御マップである。
【図11】自動制動制御のための演算処理の第5実施形態を示すフローチャートである。
【図12】図11の演算処理で用いる制御マップである。
【図13】自動制動制御のための演算処理の第6実施形態を示すフローチャートである。
【図14】図13の演算処理で用いる制御マップである。
【図15】自動制動制御のための演算処理の第7実施形態を示すフローチャートである。
【図16】図15の演算処理で用いる制御マップである。
【図17】自動制動制御のための演算処理の第8実施形態を示すフローチャートである。
【図18】図17の演算処理で用いる制御マップである。
【図19】図17の演算処理の作用を示すタイミングチャートである。
【図20】フィルタ時定数が大きいときの作用を示すタイミングチャートである。
【図21】フィルタ時定数が小さいときの作用を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1は外界認識装置
2はレーザレーダ
3はレーザレーダ処理装置
4はCCDカメラ
5は画像処理装置
6は車速センサ
7は操舵角センサ
8は自動ブレーキ制御装置
9は負圧ブレーキブースタ
10は路車間通信装置

Claims (10)

  1. 自車両前方に存在する物体と自車両との距離を検出する前方物体距離検出手段と、
    自車両前方に存在する物体の自車両に対する相対速度を検出する相対速度検出手段と、
    自車両の速度を検出する自車両速度検出手段と、
    自車両前方に存在する物体の速度を検出する前方物体速度検出手段と、
    路面の摩擦係数状態を検出する路面摩擦係数状態検出手段と、
    前記前方物体距離検出手段で検出された自車両前方に存在する物体と自車両との距離を前記相対速度検出手段で検出された相対速度で除して自車両が前方物体に到達するまでの時間を算出する到達時間算出手段と、
    前記自車両速度検出手段で検出された自車両の速度及び前記前方物体速度検出手段で検出された前方物体の速度及び前記路面摩擦係数状態検出手段で検出された路面摩擦係数状態の少なくとも何れか一つに基づいて制動開始タイミングを設定する制動開始タイミング設定手段と、
    前記自車両速度検出手段で検出された自車両の速度と前記前方物体速度検出手段で検出された前方物体の速度との平均値を前記到達時間算出手段で算出された到達時間で除した値に基づいて自車両の目標制動力を算出する目標制動力算出手段と、
    前記到達時間算出手段で算出された到達時間が前記制動開始タイミング設定手段で設定された前記制動開始タイミング以下となったときに前記目標制動力算出手段で算出された目標制動力を発生させる自動制動手段とを備えたことを特徴とする車両用制動制御装置。
  2. 前記制動開始タイミング設定手段は、前記路面摩擦係数状態検出手段で検出された路面摩擦係数状態が小さいほど前記制動開始タイミングを長く設定することを特徴とする請求項1に記載の車両用制動制御装置。
  3. 前記制動開始タイミング設定手段は、前記自車両速度検出手段で検出された自車両速度が大きいほど前記制動開始タイミングを長く設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用制動制御装置。
  4. 前記制動開始タイミング設定手段は、前記前方物体速度検出手段で検出された前方物体速度が大きいほど前記制動開始タイミングを長く設定することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の車両用制動制御装置。
  5. 前記制動開始タイミング設定手段は、前記自車両速度検出手段で検出された自車両の速度と前記前方物体速度検出手段で検出された前方物体の速度との平均値が大きいほど前記制動開始タイミングを長く設定することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の車両用制動制御装置。
  6. 前記制動開始タイミング設定手段は、前記自車両速度検出手段で検出された自車両の速度と前記前方物体速度検出手段で検出された前方物体の速度との平均値の小さい領域では、当該平均値の減少に対する前記制動開始タイミングの減少割合を小さく設定することを特徴とする請求項5に記載の車両用制動制御装置。
  7. 前記制動開始タイミング設定手段は、前記自車両速度検出手段で検出された自車両の速度と前記前方物体速度検出手段で検出された前方物体の速度との平均値の大きい領域では、当該平均値の増大に対する前記制動開始タイミングの増割合を小さく設定することを特徴とする請求項5又は6に記載の車両用制動制御装置。
  8. 前記目標制動力算出手段は、少なくとも前記前方物体距離検出手段で検出された自車両前方に存在する物体と自車両との距離及び前記相対速度検出手段で検出された相対速度に基づいて少なくとも自車両の目標制動減速度を算出し、
    前記自動制動手段は、前記目標制動減速度に応じて、制動流体圧の増圧の仕方を調整することを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の車両用制動制御装置。
  9. 前記自動制動手段は、前記目標制動減速度に応じて、制動流体圧の減圧の仕方を調整することを特徴とする請求項8に記載の車両用制動制御装置。
  10. 前記自動制動手段は、前記目標制動減速度が達成されるように制動流体圧を制御するにあたり、制動流体圧の減圧の仕方が増圧の仕方より緩やかになるように調整することを特徴とする請求項9に記載の車両用制動制御装置。
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