以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1および図2は、本発明を適用した情報処理端末による情報管理の概念を示す図である。
図1においては、ユーザ#1乃至#3が有する情報処理端末1乃至3が、所定のプロファイルのBluetooth通信により接続され、情報処理端末1から送信された質問である「最近見た映画は?」(情報処理端末1から出ている吹き出しの質問)に対して、情報処理端末2からの「マドロックス」(情報処理端末2から出ている吹き出しの回答)と、情報処理端末3からの「ファインディング・タモ」(情報処理端末3から出ている吹き出しの回答)の映画のタイトルが情報処理端末1に返信されている。
例えば、図1の状況は、ユーザ#1が、街中ですれ違った、Bluetooth通信機能が搭載された機器を携帯している不特定の人から回答を集めている状況である。情報処理端末1から出力される電波の到達範囲内にBluetooth通信機能が搭載された機器を携帯している人がいる場合、その人の機器からは、情報処理端末1から送信されてきた質問に対する回答が自動的に情報処理端末1に返信される。回答の内容である「マドロックス」や「ファインディング・タモ」は、例えば、ユーザ#2および#3が登録しているスケジュール情報などから選択されたものである。
一方、図2においては、ユーザ#1が有する情報処理端末1とユーザ#4が有する情報処理端末4が赤外線通信により接続され、情報処理端末1から送信された質問である「最近見た映画は?」(図2の情報処理端末1から出ている吹き出しの質問)に対して、情報処理端末4からの「ラスト・サム」(情報処理端末4から出ている吹き出しの回答)が情報処理端末1に返信されている。
図1と図2に示す情報処理端末1乃至4は、例えば、そのそれぞれが、Bluetooth通信機能と赤外線通信機能、すなわち、電波を用いることにより指向性のない無線通信を行う機能(Bluetooth通信機能)と、赤外線を用いることにより指向性のある無線通信を行う機能(赤外線通信機能)を有する。また、情報処理端末1乃至4のそれぞれは、所定の質問を生成し、それを送信する機能と、送信されてきた質問に対する回答を生成し、それを送信(返信)する機能を有する。
このように、Bluetooth通信により実現される経路と、赤外線通信により実現される経路の異なる経路で回答を取得した情報処理端末1においては、その取得された回答が、取得経路に応じた優先度が設定されて管理される。
例えば、図2に示すように赤外線通信により情報処理端末4から取得された回答である「ラスト・サム」に対しては、図1に示すようにBluetooth通信により情報処理端末2と情報処理端末3から自動的に取得された回答である「マドロックス」と「ファインディング・タモ」よりも高い優先度が設定されて管理される。
これは、次のような理由に基づく。すなわち、図2の赤外線通信は指向性のある通信であるから、質問に対する回答をユーザ#4から赤外線通信により得るためには、ユーザ#1は、情報処理端末1に形成される赤外線の送受信部と、情報処理端末4に形成される赤外線の送受信部を向かい合わせる必要がある。この向かい合わせるという動作には、ユーザ#4から回答を得ようとするユーザ#1の積極的な意思が見られることから、赤外線通信により情報処理端末4から得られた回答は、情報処理端末1により自動的に得られた回答に較べて、主観的に見ればユーザ#1にとって重要な回答であるといえる。
一方、Bluetooth通信は指向性のない通信であるから、質問に対する回答を得るためには、ユーザ#1は、赤外線通信の場合のように、回答を得ようとする人の機器と、自分の情報処理端末1を向かい合わせるなどの動作を行う必要がない。
従って、図1の状況の場合、Bluetooth通信により回答を得るユーザ#1の動作には、Bluetooth通信により質問を送信する操作などを行っている以上、回答を集めようとする意思はあるものの、誰から得る、といったような積極的な意思までは見られないことから、Bluetooth通信により得られた回答は、誰から得る、といったことまで指定して得られた回答(赤外線通信により得られた回答)に較べれば、主観的に見ればユーザ#1にとって重要でない回答であるといえる。
以上のことから、赤外線通信により情報処理端末4から取得された回答に対しては、ユーザ#1の意思が反映され、Bluetooth通信により情報処理端末2と情報処理端末3から取得された回答よりも高い優先度が設定されて情報処理端末1内で管理される。これにより、ユーザ#1の意思が反映された、より好適な情報管理を実現することが可能になる。
設定された優先度は、例えば、ユーザ#1が、最近の映画のランキングを表示させるときなどに用いられる。
例えば、インターネットに接続された所定のサーバに、そのサーバを管理する事業者により集計された映画のランキングが用意されており、その映画のランキングが情報処理端末1にダウンロードされているものとする。この場合、情報処理端末1においては、ダウンロードされたランキングが、図1または図2に示すようにして得られた回答に応じてカスタマイズされ、カスタマイズされたランキングがユーザ#1用の映画のランキングとして表示される。ランキングのカスタマイズは、赤外線通信により回答として得られた映画がランキングに挙がっている場合、その映画に対しては、Bluetooth通信により回答として得られた映画に付加される点数よりも高い点数が付加され、合計の点数に応じてランキングが修正されることによって行われる。
また、回答を一覧表示する場合に、優先度の高い順にユーザ#1の見やすい位置にそれぞれの回答を表示することなど、ランキングをカスタマイズする以外にも優先度は各種の用途に用いられる。
優先度を設定し、それぞれの情報を管理する情報処理端末1等の処理についてはフローチャートを参照して後述する。
図3は、図1および図2の情報処理端末1の構成例を示すブロック図である。
CPU(Central Processing Unit)11は、ROM(Read Only Memory)12に記憶されているプログラム、または、HDD(Hard Disk Drive)20からRAM(Random Access Memory)13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM13にはまた、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータなどが適宜記憶される。
CPU11、ROM12、およびRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インタフェース15も接続されている。
入出力インタフェース15には、外部の機器との間でBluetooth通信を行うBluetooth通信モジュール16、外部の機器との間で赤外線通信を行う赤外線通信モジュール17が接続される。Bluetooth通信モジュール16、赤外線通信モジュール17のうちのいずれかのモジュールがCPU11により選択され、所定の質問の送信や、外部の機器から送信されてきた回答の受信などの各種の情報の送受信が行われる。
入出力インタフェース15には、Bluetooth通信モジュール16および赤外線通信モジュール17の他、キーボード、マウスなどよりなる入力部18、LCD(Liquid Crystal Display)などよりなる表示部19、HDD20、ネットワークを介しての通信処理を行う通信部21が接続される。
入出力インタフェース15にはまた、必要に応じてドライブ22が接続される。ドライブ22には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア23が適宜装着され、それから読み出されたコンピュータプログラムが必要に応じてHDD20にインストールされる。
図4は、情報処理端末1の機能構成例を示すブロック図である。図4に示す各機能部のうちの少なくとも一部は、図3のCPU11により所定のプログラムが実行されることによって実現される。
情報処理端末1は、通信方式選択部31、通信制御部32、情報管理部33、および情報取得部34から構成される。このうちの通信制御部32は、Bluetooth通信制御部41と赤外線通信制御部42から構成される。
通信方式選択部31は、外部のアプリケーションからの入力に従って、Bluetooth通信と赤外線通信のうちのいずれかの通信方式を選択し、Bluetooth通信制御部41と赤外線通信制御部42のいずれかに、アプリケーションから供給されてきた送信対象の情報を出力する。通信方式選択部31に対しては、ユーザ#1による入力に従って生成された質問などが送信対象の情報として供給されてくる。
通信制御部32のBluetooth通信制御部41は、Bluetooth通信モジュール16を制御して外部の機器との間でBluetooth通信を行い、通信方式選択部31から供給されてきた質問を送信したり、それに対する回答を受信するなどの各種の情報の送受信を行う。Bluetooth通信制御部41により受信された情報は情報管理部33に供給される。
赤外線通信制御部42は、赤外線通信モジュール17を制御して外部の機器との間で赤外線通信を行い、通信方式選択部31から供給されてきた質問を送信したり、それに対する回答を受信するなどの各種の情報の送受信を行う。赤外線通信制御部42により受信された情報も、情報管理部33に供給される。
情報管理部33は、通信制御部32のBluetooth通信制御部41と赤外線通信制御部42から供給されてきた情報を管理する。情報管理部33は、ユーザ#1の意思を反映させて、赤外線通信制御部42から供給されてきた情報にBluetooth通信制御部41から供給されてきた情報よりも高い優先度を設定して管理する。情報管理部33により管理されている情報は、適宜、それに設定されている優先度に応じて表示部19に表示される。
また、情報管理部33は、情報取得部34から供給されてきた情報に、Bluetooth通信制御部41および赤外線通信制御部42により取得され、管理している情報の優先度に応じた点数を付加して管理する。
情報取得部34は、通信部21を制御し、例えば、アプリケーションから供給されてきた質問に基づいて、その質問に対する回答になるような情報をインターネットに接続された所定のサーバからダウンロードする。情報取得部34によりダウンロードされた情報は、情報管理部33に出力される。例えば、情報取得部34は、「最近見た映画は?」の質問がアプリケーションから供給されてきたとき、所定のサーバから最近の映画のランキングをダウンロードする。
なお、図1および図2の情報処理端末2乃至4も、図3および図4に示すような情報処理端末1と同様の構成を有する。以下、必要に応じて、図3および図4の構成を、情報処理端末2乃至4の構成として引用して説明する。例えば、情報処理端末1から質問が送信されてきたとき、情報処理端末2乃至4に用意されるアプリケーションにより質問に対する回答が生成され、生成された回答が、情報処理端末2乃至4の通信方式選択部31により選択された通信方式(情報処理端末1との間で確立されているBluetooth通信と赤外線通信のいずれか)により情報処理端末1に対して返信される。
次に、以上のような構成を有する情報処理端末1の動作と、情報処理端末1と通信を行う他の情報処理端末の動作について説明する。
始めに、図5のフローチャートを参照して、Bluetooth通信を用いて行われる質問と回答の送受信について説明する。図5において、質問の送信側(回答の受信側)の機器は情報処理端末1であり、質問の受信側(回答の送信側)の機器は図1の情報処理端末2である。
この処理は、例えば、ユーザ#1が、不特定の人に対する質問を入力し、質問を送信する通信方式としてBluetooth通信を選択したときに実行される。質問と通信方式がユーザ#1により指示されたとき、送信対象の質問がアプリケーションから通信方式選択部31に供給される。
ステップS1において、情報処理端末1の通信方式選択部31は、ユーザ#1による指示に応じて、質問を送信する通信方式としてBluetooth通信を選択し、送信対象の質問をBluetooth通信制御部41に出力する。
ステップS2において、Bluetooth通信制御部41は、Bluetooth通信モジュール16を制御してBluetoothで規定される「問い合わせ」(Inquiry)を行い、周辺の機器を検索する。
Bluetooth通信制御部41は、ステップS3において、通信可能な機器が見つかったか否かを判定し、機器が見つかったと判定するまでステップS2に戻って検索を繰り返す。また、Bluetooth通信制御部41は、ステップS3において、機器が見つかったと判定した場合、ステップS4に進む。
ステップS4において、Bluetooth通信制御部41は、検索により見つかった機器との間で「呼び出し」(Page)等のBluetooth通信を確立する処理を行う。
一方、情報処理端末1からの「問い合わせ」に応答した情報処理端末2のBluetooth通信制御部41は、ステップS11において、情報処理端末1との間でBluetooth通信を確立する処理を行う。
情報処理端末1のBluetooth通信制御部41は、情報処理端末2との間でBluetooth通信が確立したとき、ステップS5に進み、質問を情報処理端末2に送信する。ここでは、例えば、図1に示すような「最近見た映画は?」の質問が情報処理端末2に送信される。
一方、ステップS12において、情報処理端末2のBluetooth通信制御部41は、情報処理端末1から送信されてきた質問を受信し、ステップS13に進み、質問に対する回答を情報処理端末1に送信する。情報処理端末1から送信されてきた質問に対する回答が情報処理端末2のアプリケーションにより生成され、生成された回答が情報処理端末1に返信される。これにより、例えば、情報処理端末1から送信されてきた「最近見た映画は?」の質問に対して、「マドロックス」の回答が情報処理端末2から返信される。
ステップS6において、情報処理端末1のBluetooth通信制御部41は、情報処理端末2から返信されてきた回答を受信する。Bluetooth通信制御部41により受信された回答は情報管理部33に出力される。
情報管理部33は、ステップS7において、Bluetooth通信制御部41から供給されてきた回答にLowの優先度(Priority)を設定して管理する。
これにより、Bluetooth通信により取得された情報に対しては、ユーザ#1の意思に応じて、低い優先度が設定されて管理される。
次に、図6のフローチャートを参照して、赤外線通信を用いて行われる質問と回答の送受信について説明する。図6において、質問の送信側(回答の受信側)の機器は図5の場合と同様に情報処理端末1であり、質問の受信側(回答の送信側)の機器は図2の情報処理端末4である。
この処理は、例えば、ユーザ#1が、ユーザ#4に対する質問を入力し、質問を送信する通信方式として赤外線通信を選択したときに実行される。質問と通信方式がユーザ#1により指示されたとき、送信対象の質問がアプリケーションから通信方式選択部31に供給される。なお、このとき、指向性のある赤外線通信により質問を送信するため、情報処理端末1に形成されている赤外線の送受信部がユーザ#1により情報処理端末4に向けられている。
ステップS21において、情報処理端末1の通信方式選択部31は、ユーザ#1による指示に応じて、質問を送信する通信方式として赤外線通信を選択し、送信対象の質問を赤外線通信制御部42に出力する。
ステップS22において、赤外線通信制御部42は、赤外線通信モジュール17を制御して情報処理端末4との間で赤外線通信を確立する処理を行う。
一方、ステップS31において、情報処理端末4の赤外線通信制御部42は、情報処理端末1との間で赤外線通信を確立する処理を行う。
情報処理端末1の赤外線通信制御部42は、情報処理端末4との間で赤外線通信が確立したとき、ステップS23に進み、質問を情報処理端末4に送信する。ここでは、例えば、図2に示すような「最近見た映画は?」の質問が情報処理端末4に送信される。
一方、ステップS32において、情報処理端末4の赤外線通信制御部42は、情報処理端末1から送信されてきた質問を受信し、ステップS33に進み、質問に対する回答を情報処理端末1に送信する。情報処理端末1から送信されてきた質問に対する回答が情報処理端末4のアプリケーションにより生成され、生成された回答が情報処理端末1に返信される。これにより、例えば、情報処理端末1から送信されてきた「最近見た映画は?」の質問に対して、「ラスト・サム」の回答が情報処理端末4から返信される。
ステップS24において、情報処理端末1の赤外線通信制御部42は、情報処理端末4から返信されてきた回答を受信する。赤外線通信制御部42により受信された回答は情報管理部33に出力される。
情報管理部33は、ステップS25において、赤外線通信制御部42から供給されてきた回答にHighの優先度を設定して管理する。
これにより、赤外線通信により取得された情報に対しては、ユーザ#1の意思に応じて、高い優先度が設定されて管理される。
次に、図7のフローチャートを参照して、情報処理端末1の情報管理処理について説明する。ここでは、例えば、情報取得部34によりダウンロードされた映画のランキングを、図5および図6の処理が繰り返されることによって得られた回答(「最近見た映画は?」の質問に対する回答)の優先度に基づいてカスタマイズして管理する処理について説明する。
ステップS41において、情報取得部34は、例えば、インターネットに接続された所定のサーバから映画のランキングを取得する(ダウンロードする)。例えば、サーバの管理者により集計され、ダウンロード可能な状態で用意されていたある期間の1位から10位までの映画のランキングが取得される。取得されたランキングは情報管理部33に出力される。
ステップS42において、情報管理部33は、情報取得部34から供給されてきたランキングに挙がっている映画のそれぞれに点数を付ける。例えば、1位の映画には10点、2位の映画には9点、3位の映画には8点、・・・、10位の映画には1点などのように、上位の映画に対してより高い点数が付けられる。
ステップS43において、情報管理部33は、Bluetooth通信により回答として得られた映画がランキングに挙がっている場合、その映画の点数に1点を付加する。例えば、情報処理端末2からの回答として得られた映画である「マドロックス」がランキングの2位に挙がっている場合、「マドロックス」には1点が付加され、その合計点は10点になる。
また、ステップS44において、情報管理部33は、赤外線通信により回答として得られた映画がランキングに挙がっている場合、その映画の点数に3点を付加する。例えば、情報処理端末4からの回答として得られた映画である「ラスト・サム」がランキングの3位に挙がっている場合、「ラスト・サム」には3点が付加され、その合計点は11点になる。
情報処理端末1内では、ユーザ#1の意思が反映されて赤外線通信により得られた情報が優先的に扱われるから、このように、赤外線通信により得られた情報には、Bluetooth通信により得られた情報よりも高い点数が付加される。
ステップS45において、情報管理部33は、ステップS43およびS44において点数を付加した後に得られるそれぞれの映画の合計点に応じて順位を更新し、ユーザ#1に提示するランキングを生成する。
上述した例の場合、ダウンロードされたランキングに2位の映画として挙がっていた「マドロックス」の合計点は10点であり、3位の映画として挙がっていた「ラスト・サム」の合計点は11点であるから、ユーザ#1に提示するものとして最終的に生成されるランキングにおいては、「ラスト・サム」の方が、「マドロックス」よりも上位に挙がることになる。
このように、ユーザ#1自身が集めた回答の優先度に応じて修正されたランキングが得られる。ユーザ#1が集めた回答は、近くにいた人(情報処理端末1とBluetooth通信を行った機器を有する人)や知っている人(情報処理端末1と赤外線通信を行った機器を有する人)からのものであるから、以上の処理により最終的に得られたランキングは、ユーザ#1に比較的近い人からの回答も考慮されてカスタマイズされたユーザ#1用のランキングといえる。
なお、以上においては、映画のランキングを修正する場合について説明したが、このような、Bluetooth通信により取得された情報よりも赤外線通信により取得された情報の方が優先されて行われる情報管理は、これ以外の各種の情報を管理する場合にも適用することができる。
図8および図9は、本発明を適用した情報処理端末による他の情報管理の概念を示す図である。この例においては、送信対象の情報は画像である。
図8においては、ユーザ#1が有する情報処理端末1とユーザ#2が有する情報処理端末2がBluetooth通信により接続され、情報処理端末1から情報処理端末2に画像が送信されている。
例えば、図8の状況は、ユーザ#1が、不特定の人に対して、ある商品の広告の画像などを送信している状況である。情報処理端末1からの電波の到達範囲内にBluetooth通信機能が搭載された機器を携帯している人がいる場合、その人の機器においては、情報処理端末1から送信されてきた画像が自動的に保存される。
一方、図9においては、ユーザ#1が有する情報処理端末1とユーザ#2が有する情報処理端末2が赤外線通信により接続され、情報処理端末1から送信された画像が情報処理端末2により受信されている。
このように、Bluetooth通信により実現される経路と、赤外線通信により実現される経路の異なる経路で画像を取得した情報処理端末2においても、ユーザ#2の意思が反映され、赤外線通信により取得された画像が、Bluetooth通信により取得された画像よりも高い優先度が設定されて管理される。すなわち、Bluetooth通信により取得された画像は、ユーザ#2の積極的な意思により取得されたものではなく、ユーザ#2にとっては重要度の低いものであるから、積極的な意思により取得された画像(赤外線通信により取得された画像)よりも低い優先度が設定されて管理される。
ここで、図8および図9の情報処理端末1と情報処理端末2の動作について説明する。
始めに、図10のフローチャートを参照して、Bluetooth通信を用いて行われる画像の送受信について説明する。図10において、画像の送信側の機器は情報処理端末1であり、画像の受信側の機器は図8の情報処理端末2である。
この処理は、例えば、ユーザ#1が、不特定の人に送信する画像を選択し、送信する通信方式としてBluetooth通信を選択したときに実行される。画像と通信方式がユーザ#1により指示されたとき、送信対象の画像がアプリケーションから通信方式選択部31に供給される。
図10のステップS51乃至S54、およびステップS71の処理は、図5のステップS1乃至S4、およびステップS11の処理と基本的に同様である。
すなわち、ステップS51において、情報処理端末1の通信方式選択部31は、画像を送信する通信方式としてBluetooth通信を選択し、送信対象の画像をBluetooth通信制御部41に出力する。
ステップS52において、Bluetooth通信制御部41は、Bluetooth通信モジュール16を制御して周辺の機器を検索し、ステップS53に進み、通信可能な機器が見つかったか否かを判定する。ステップS53において、Bluetooth通信制御部41は、通信可能な機器が見つかったと判定した場合、ステップS54に進む。
ステップS54において、Bluetooth通信制御部41は、検索により見つかった機器との間でBluetooth通信を確立する処理を行い、通信が確立したとき、ステップS55に進み、ユーザ#1により選択された画像を情報処理端末2に送信する。
一方、情報処理端末2のBluetooth通信制御部41は、ステップS71において、情報処理端末1との間でBluetooth通信を確立する処理を行い、ステップS72に進み、情報処理端末1から送信されてきた画像を受信する。Bluetooth通信制御部41により受信された画像は、情報処理端末2の情報管理部33に供給される。
ステップS73において、情報処理端末2の情報管理部33は、Bluetooth通信制御部41から供給されてきた画像にLowの優先度を設定して管理する。
これにより、Bluetooth通信により取得された情報である画像に対しては、ユーザ#2の意思に応じて、低い優先度が設定されて管理される。
次に、図11のフローチャートを参照して、赤外線通信を用いて行われる画像の送受信について説明する。図11においても、画像の送信側の機器は情報処理端末1であり、画像の受信側の機器は図9の情報処理端末2である。
この処理は、例えば、ユーザ#1が、送信対象の画像を選択し、画像を送信する通信方式として赤外線通信を選択したときに実行される。画像と通信方式がユーザ#1により指示されたとき、送信対象の画像がアプリケーションから通信方式選択部31に供給される。なお、このとき、指向性のある赤外線通信により画像を送信するため、情報処理端末1に形成されている赤外線の送受信部がユーザ#1により情報処理端末2に向けられている。
図11のステップS81およびS82、ステップS91の処理は、図6のステップS21およびS22、ステップS31の処理と基本的に同様である。
ステップS81において、情報処理端末1の通信方式選択部31は、画像を送信する通信方式として赤外線通信を選択し、送信対象の画像を赤外線通信制御部42に出力する。
ステップS82において、赤外線通信制御部42は、赤外線通信モジュール17を制御して情報処理端末2との間で赤外線通信を確立し、ステップS83に進み、送信対象の画像を情報処理端末2に送信する。
一方、情報処理端末2の赤外線通信制御部42は、ステップS91において、情報処理端末1との間で赤外線通信を確立する処理を行い、ステップS92に進み、情報処理端末1から送信されてきた画像を受信する。赤外線通信制御部42により受信された画像は情報処理端末2の情報管理部33に出力される。
情報管理部33は、ステップS93において、赤外線通信制御部42から供給されてきた画像にHighの優先度を設定して管理する。
これにより、赤外線通信により取得された情報に対しては、ユーザ#2の意思に応じて、高い優先度が設定されて管理される。
このように、画像などの各種の情報を、取得経路に応じた優先度を設定して管理するようにすることも可能である。
以上においては、Bluetooth通信と赤外線通信のうち、送信側の機器のユーザであるユーザ#1がいずれかの通信方式を選択して情報を送信する場合について説明したが、送信対象の情報の内容に応じて、通信方式が自動的に選択されるようにしてもよい。
例えば、送信対象の情報が図1および図2を参照して説明したような質問である場合、質問の内容に応じて、その質問がプライベートな質問である場合には赤外線通信で送信され、それ以外の質問である場合にはBluetooth通信で送信されるようにしてもよい。
プライベートな質問は、主に、親しい人などの特定の人に対する質問であると考えられるから、この場合、指向性があり、特定の人にだけ質問を送信可能な赤外線通信が選択される。一方、プライベートでない質問は、親しい人だけではなく、不特定の人に対する質問であると考えられるから、この場合、指向性がなく、不特定の人に質問を送信可能なBluetooth通信が選択される。
すなわち、上述した例においては、選択された通信方式からユーザ#1の意思が判断され(Bluetooth通信の場合、それほど重要ではなく、赤外線通信の場合、重要であると判断され)、その通信方式により得られた情報にユーザ#1の意思が反映されるとしたが、この場合、質問の内容からユーザ#1の意思が判断され、通信方式が選択される。
送信対象の質問がプライベートな内容であるかそうでないかは、プライベートで主に使われる単語が質問の中に含まれているか否かにより判定される。プライベートで主に使われる単語を含む質問はプライベートな質問として判定され、そのような単語を含まない質問はプライベートなものではない質問として判定される。
図12は、情報処理端末1の他の機能構成例を示すブロック図である。図12の構成は、単語抽出部51が追加されている点を除いて図4の構成と同じである。重複する説明については適宜省略する。
単語抽出部51は、メーラにより送受信された電子メールの内容や、スケジューラにより管理されているユーザ#1のスケジュール情報などの、ユーザ#1により入力された文章から、プライベートで主に使われる単語を抽出する。例えば、電子メールやスケジュール情報に含まれる全ての単語のうち、所定の回数以上出現する単語がプライベートで主に使われる単語として抽出される。これにより、ユーザ#1の趣味が例えば野球である場合、友人と送受信した電子メールの中やスケジュール情報の中に多く含まれる「野球」がプライベートで主に使われる単語として抽出される。
単語抽出部51により抽出されたプライベートで主に使われる単語は通信方式選択部31に供給される。
通信方式選択部31は、アプリケーションから供給されてきた質問に単語抽出部51から供給されてきたプライベートで主に使われる単語が含まれるか否かを判定し、その判定結果に応じて、質問の出力先を切り替える。すなわち、アプリケーションから供給されてきた質問にプライベートで主に使われる単語が含まれ、その質問がプライベートな質問であると判定した場合、通信方式選択部31は、質問の出力先を赤外線通信制御部42とし、一方、質問にプライベートで主に使われる単語が含まれないことから、その質問がプライベートな質問ではないと判定した場合、質問の出力先をBluetooth通信制御部41とする。
次に、図13のフローチャートを参照して、内容に応じて通信方式を替えて質問を送信する情報処理端末1の処理について説明する。
ステップS101において、単語抽出部51は、ユーザ#1により入力された文章に基づいてプライベートで主に使われる単語を抽出し、抽出した単語を通信方式選択部31に出力する。
ステップS102において、通信方式選択部31は、ユーザ#1からの入力などに応じてアプリケーションにより生成された質問を受信し、ステップS103に進み、受信した質問に、単語抽出部51から供給されてきた単語が含まれるか否かを判定する。
通信方式選択部31は、ステップS103において、受信した質問に、単語抽出部51から供給されてきた単語が含まれると判定した場合、ステップS104に進み、その質問を送信する通信方式として赤外線通信を選択する。通信方式選択部31は、送信対象の質問を赤外線通信制御部42に出力する。
ステップS105において、赤外線通信による情報収集処理が行われる。すなわち、ここでは、図6を参照して説明した処理が行われ、収集された回答に高い優先度が設定されて管理される。
一方、ステップS103において、受信した質問に、単語抽出部51から供給されてきた単語が含まれないと判定した場合、通信方式選択部31は、ステップS106に進み、その質問を送信する通信方式としてBluetooth通信を選択する。通信方式選択部31は、送信対象の質問をBluetooth通信制御部41に出力する。
ステップS107において、Bluetooth通信による情報収集処理が行われる。すなわち、ここでは、図5を参照して説明した処理が行われ、収集された回答に低い優先度が設定されて管理される。
ステップS105、またはステップS107の情報収集処理が行われた後、処理は終了される。
このように、質問の内容からユーザ#1の意思が判断され、ユーザ#1の意思に応じた通信方式により質問が送信されるようにしてもよい。
なお、以上においては、質問の内容からユーザ#1の意思が判断され、ユーザ#1の意思に応じた通信方式が選択されて質問が送信される場合について説明したが、この場合も、送信対象の情報は質問に限られず、画像などの他の情報であってもよい。
例えば、送信対象の情報として画像が選択された場合、その画像の内容(被写体)からユーザ#1の意思が判断され、ユーザ#1の意思に応じた通信方式が選択されて画像が送信されるようにしてもよい。例えば、情報処理端末1に、ユーザ#1の友人の画像が予め登録されている場合、送信対象として選択された画像に、その、予め登録されている友人が映っているか否かが画像認識により判定される。そして、送信対象の画像がユーザ#1の友人が映っている画像であると判定された場合、その画像はプライベートな画像であると判定され、通信方式として赤外線通信が選択されて送信される。
このように、各種の情報が、その内容によって判断されたユーザ#1の意思に応じた通信方式により送信されるようにすることも可能である。
また、以上においては、ユーザ#1の意思を判断する基準となるものが通信方式、すなわち、管理する情報の取得経路である場合について説明したが、ユーザ#1の意思を判断する基準となる取得経路は、Bluetooth通信や赤外線通信などの無線通信により実現される経路に限られない。
図14は、本発明を適用した情報処理端末によるさらに他の情報管理の概念を示す図である。
図14においては、ユーザ#2が有する情報処理端末2からユーザ#1が有する情報処理端末1に対してリムーバブルメディア61を介して情報が提供されている。リムーバブルメディア61は、図3のリムーバブルメディア23と同様に、半導体メモリや光ディスクなどよりなる。
例えば、インターネットに接続されるサーバからダウンロードされた情報が情報処理端末1に既にある場合、リムーバブルメディア61を介して取得された情報に、そのダウンロードされた情報よりも高い優先度が設定されて管理される。
すなわち、この場合も、リムーバブルメディア61により実現される情報の取得経路と、インターネット(ネットワーク)により実現される情報の取得経路との異なる経路が情報処理端末1に用意され、取得された情報に対して、その取得経路に応じた優先度が設定されて管理される。
リムーバブルメディア61に記憶されている情報は、リムーバブルメディア61に記憶された状態でユーザ#2から直接手渡しされた情報であるという点で、また、もらい主のユーザ#2をユーザ#1が直接知っているという点で、直接手渡しされたものではない情報や、もらい主を直接知らない情報などと較べて、ユーザ#1にとって重要度が高いと考えられる。従って、このように、重要度が高いと考えられる情報に対しては、高い優先度が設定されて管理されることにより、より好適な情報管理が実現されることになる。
例えば、情報処理端末1により取得された情報が画像である場合、リムーバブルメディア61を介してユーザ#2から取得された画像の方が、情報処理端末1のWebブラウザの自動巡回機能などにより所定のサーバからダウンロードされた画像よりもユーザ#1にとっては重要度が高いと考えられるから、そのようにリムーバブルメディア61を介して取得された画像に対して、より高い優先度が設定されて管理される。
設定された優先度は、例えば、ユーザ#1が情報処理端末1に記憶されている画像をスライドショー再生させる場合に、その再生順序を決めるためなどに用いられる。この場合、リムーバブルメディア61を介して取得され、高い優先度が設定された画像の方が、サーバからダウンロードされた画像よりも先に表示される。
図15は、リムーバブルメディア61を介して取得された情報に、サーバからダウンロードされた情報よりも高い優先度を設定して管理する図14の情報処理端末1の機能構成例を示すブロック図である。図4、図12に示したものと同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
読み出し部71は、ドライブ22(図3)に装着されたリムーバブルメディア61に記憶されている情報を読み出し、読み出した情報を情報管理部33に出力する。
情報管理部33は、読み出し部71から供給されてきた情報と情報取得部34から供給されてきた情報に、その取得経路に応じた優先度を設定して管理する。
次に、図16のフローチャートを参照して、図15の情報処理端末1の情報管理処理について説明する。
この処理は、例えば、リムーバブルメディア61から読み出された情報が読み出し部71から情報管理部33に供給されたとき、または、所定のサーバからダウンロードされた情報が情報取得部34から情報管理部33に供給されたときに開始される。
ステップS121において、情報管理部33は、情報取得部34または読み出し部71から供給されてきた情報を取得し、ステップS122に進み、取得した情報が読み出し部71から供給されてきたもの、すなわち、リムーバブルメディア61を介して取得されたものであるか否かを判定する。
情報管理部33は、ステップS122において、ステップS121で取得した情報がリムーバブルメディア61を介して取得されたものであると判定した場合、ステップS123に進み、取得した情報にHighの優先度を設定して管理する。
一方、ステップS122において、テップS121で取得した情報がリムーバブルメディア61を介して取得されたものではない、すなわち、サーバからダウンロードされたものであると判定した場合、ステップS124に進み、取得した情報にLowの優先度を設定して管理する。ステップS123、またはステップS124において優先度が設定された後、処理は終了される。
これにより、例えば、友人であるユーザ#2からリムーバブルメディア61を介して直接もらった画像などは、サーバからダウンロードされた画像よりも優先して情報処理端末1内で扱われるようになり、ユーザ#1にとってより好適な情報管理が実現されることになる。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば、汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
この記録媒体は、図3に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク(MD(登録商標)(Mini-Disk)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア23により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROM12や、HDD20に含まれるハードディスクなどで構成される。
なお、本明細書において、各ステップは、記載された順序に従って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表わすものである。
1乃至4 情報処理端末, 16 Bluetooth通信モジュール, 17 赤外線通信モジュール, 31 通信方式選択部, 32 通信制御部, 41 Bluetooth通信制御部, 42 赤外線通信制御部, 33 情報管理部, 34 情報取得部, 51 単語抽出部, 71 読み出し部