JP4514409B2 - 半導体ウエハの仮固定方法及び電子部品、回路基板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハを加熱剥離型粘着シートに仮固定する方法に関し、より詳細には、加熱処理により容易に剥離することができ、しかも剥離後の半導体ウエハ表面の汚染を低減することができる半導体ウエハの仮固定方法に関する。また、この仮固定方法を利用して作製された半導体チップが使用されている電子部品及び回路基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、基材上に熱膨張性微小球などの発泡剤又は膨張剤を含む粘着剤層を設けた加熱剥離型粘着シートが知られている(特許文献1〜特許文献5参照)。この加熱剥離型粘着シートは、接着性と使用後の剥離性とを両立させた粘着シートであり、加熱により発泡剤等を発泡又は膨張させることで接着力が低下し、シリコンウエハなどの被着体より容易に剥離できるという特徴を有する。そのため、電子部品の製造工程時における仮固定手段などで用いられている。
【0003】
しかしながら、このような従来の加熱剥離型粘着シートを、半導体ウエハ(シリコンウエハなど)のダイシングや裏面研磨等に用いた場合、加熱処理して粘着シートを剥離した半導体ウエハの表面には、肉眼では視認できない程度の極微細な汚染(特に、有機汚染)が多数残存する汚染問題が生じ、しかも製造された電子部品は実用に適さない場合もあり、大きな問題となっていた。
【0004】
【特許文献1】
特公昭50−13878号公報
【特許文献2】
特公昭51−24534号公報
【特許文献3】
特開昭56−61468号公報
【特許文献4】
特開昭56−61469号公報
【特許文献5】
特開昭60−252681号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような汚染問題は、加熱前後の汚染状況の比較したところ、加熱処理により汚染物が飛躍的に増大していると考えられる。なお、レーザー表面検査装置を介した4インチのシリコンウエハ上でのパーティクル数測定において、加熱前のシートの剥離時では1000個未満であったものが、加熱後には10000個を超える10倍以上に汚染度が増大していることが確認された例もある。
【0006】
従って、本発明の目的は、加熱処理により粘着シートを容易に剥離することができ、しかも剥離後の半導体ウエハ表面の汚染を低減することができる半導体ウエハの仮固定方法および、この仮固定方法を利用して作製された半導体チップが使用されている電子部品並びに回路基板を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意検討した結果、半導体ウエハを粘着シートに仮固定する際に、粘着シートとして加熱剥離型粘着シートを用いるとともに、半導体ウエハの加熱剥離型粘着シート貼着面に特定の層を形成すると、加熱により容易に剥離することができ、しかも剥離後の半導体ウエハの表面の汚染度を低減することができることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成されたものである。
【0008】
すなわち、本発明は、半導体ウエハを、基材の少なくとも一方の面に熱膨張性微小球を含有する熱膨張性粘着層が形成された加熱剥離型粘着シートに仮固定する方法であって、半導体ウエハを、半導体ウエハ表面に予め設けられた水溶性樹脂により形成された水溶性保護層を介して加熱剥離型粘着シートの熱膨張性粘着層の面に貼付して仮固定することを特徴とする半導体ウエハの仮固定方法を提供する。
【0009】
この半導体ウエハの仮固定方法では、さらに、加熱剥離型粘着シートにおける基材の熱膨張性粘着層に対して反対側の面に支持台座用粘着層が形成されており、該支持台座用粘着層の面に支持台座を貼付することが好適である。
【0010】
本発明では、半導体ウエハから加熱剥離型粘着シートを加熱して剥離させ、さらに半導体ウエハ表面に予め設けられた水溶性樹脂により形成された水溶性保護層を除去した後の、XPSによる半導体ウエハの表面における炭素元素比率RC1(%)が、以下の関係式(1)を満足することが好ましい。
RC1≦30+RC2 (1)
[関係式(1)において、RC2は、加熱剥離型粘着シートに貼付される前で且つ水溶性保護層が設けられる前の、XPSによる半導体ウエハの表面による半導体ウエハの表面における炭素元素比率(%)を示す。]
【0011】
また、半導体ウエハがシリコンウエハであり、且つ、シリコンウエハから加熱剥離型粘着シートを加熱して剥離させ、さらに半導体ウエハ表面に予め設けられた水溶性樹脂により形成された水溶性保護層を除去した後の、XPSによるシリコンウエハの表面における炭素元素比率RC1 Siが、以下の関係式(2)を満足することが好ましい。
RC1 Si≦2.5RSi (2)
[関係式(2)において、RSiは、シリコンウエハから加熱剥離型粘着シートを加熱して剥離させ、さらに半導体ウエハ表面に予め設けられた水溶性樹脂により形成された水溶性保護層を除去した後の、XPSによるシリコンウエハの表面におけるケイ素元素比率(%)を示す。]
【0012】
なお、本発明は、また、前記半導体ウエハの仮固定方法を利用して、半導体ウエハを仮固定した後、加工して作製された半導体チップが使用されていることを特徴とする電子部品や回路基板を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を、必要に応じて図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の部材や部分などには同一の符号を付している場合がある。
本発明の仮固定方法では、図1や図2に示されるように、水溶性保護層を介して、半導体ウエハを加熱剥離型粘着シートに貼付して仮固定を行っている。図1及び図2は、それぞれ、本発明の仮固定方法により、半導体ウエハを加熱剥離型粘着シートに仮固定した状態の例を部分的に示す概略断面図である。図1及び2において、1は加熱剥離型粘着シート、1aは加熱剥離型粘着シート1の基材、1bは加熱剥離型粘着シート1の熱膨張性粘着層、1cは加熱剥離型粘着シート1の支持台座用粘着層、2は半導体ウエハ、3は水溶性保護層、4は支持台座である。
【0014】
図1で示される半導体ウエハの仮固定状態では、半導体ウエハ2は、水溶性保護層3を介して、加熱剥離型粘着シート1の熱膨張性粘着層1bの面に貼付された構成となっている。
【0015】
また、図2で示される半導体ウエハの仮固定状態では、加熱剥離型粘着シート1の熱膨張性粘着層1bの面には、水溶性保護層3を介して、半導体ウエハ2が貼付され、支持台座用粘着層1cの面には、支持台座4が貼付された構成となっている。従って、この図2で示される仮固定方法では、半導体ウエハ2は、水溶性保護層3を介して加熱剥離型粘着シート1に仮固定されているとともに、支持台座4により支持されている。
【0016】
[水溶性保護層]
前記水溶性保護層3は、水溶性を有する層であり、半導体ウエハ2を加熱剥離型粘着シート1に貼付する前に、半導体ウエハ2の表面(加熱剥離型粘着シート1への貼着面)に予め設けることができる。水溶性保護層3は、水を利用した除去方法(例えば、水洗などの除去方法)により、半導体ウエハ表面から容易に除去することができる。
【0017】
なお、水溶性保護層3は、水溶性であるとともに、半導体ウエハ2の表面を加熱剥離型粘着シート1による汚染から保護することができる特性(又は機能)を有していることが重要である。
【0018】
また、水溶性保護層3は、半導体ウエハ2への密着性が良好であることも重要である。半導体ウエハ2と水溶性保護層3との密着性が低いと、該水溶性保護層3を介して半導体ウエハ2を加熱剥離型粘着シート1に仮固定した後に、半導体ウエハ2を加工する際に、半導体ウエハ2から、加熱剥離型粘着シート1が水溶性保護層3とともに剥離し易くなるためである。
【0019】
水溶性保護層は、水溶性材料により形成することができる。このような水溶性材料としては、水溶性保護層を形成することができる材料であれば特に制限されないが、半導体ウエハの保護特性や、半導体ウエハへの密着性などの観点から、水溶性樹脂を好適に用いることができる。該水溶性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール系樹脂;ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール系樹脂などが挙げられる。なお、水溶性樹脂などの水溶性材料は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0020】
水溶性保護層の形成方法としては、特に制限されないが、例えば、半導体ウエハの表面に水溶性材料を塗布する方法や、離型フィルム上に予め形成された水溶性保護層を半導体ウエハの表面に転写する方法などが挙げられる。なお、水溶性材料の塗布に際しては、公知乃至慣用のコーター(例えば、スピンコーターなど)を用いることができる。
【0021】
水溶性保護層の厚みとしては、特に制限されず、半導体ウエハ表面を保護することができる厚みであればよく、具体的には、半導体ウエハが加熱剥離型粘着シートに所定時間貼付された後、該加熱剥離型粘着シートを加熱剥離した際に、半導体ウエハ表面における加熱剥離型粘着シートによる汚染が生じない又は低減できる厚みであることが重要である。しかしながら、加熱により加熱剥離型粘着シートを剥離させた後に、該水溶性保護層の除去作業性(例えば、水洗による除去作業性)を考慮すると、あまり厚すぎると除去作業性が低下するので、水溶性保護層の厚みの上限としては、20μm程度であることが望ましい。より具体的には、水溶性保護層の厚みとしては、0.1〜10μmが好ましく、特に1〜5μmが好適である。なお、半導体ウエハ表面に、パターンなどの凹凸がある場合は、水溶性保護層の厚みは、この限りではなく、該半導体ウエハ表面の凹凸を吸収することができるだけの厚みが必要である。
【0022】
[加熱剥離型粘着シート]
図1に係る加熱剥離型粘着シート1は、基材1aと、該基材1aの一方の面に形成された熱膨張性粘着層1bとで構成されており、図2に係る加熱剥離型粘着シート1は、基材1aと、該基材1aの一方の面に形成された熱膨張性粘着層1bと、他方の面に形成された支持台座用粘着層1cとで構成されている。すなわち、加熱剥離型粘着シート1としては、図3や図4で示されているように、基材1aと、該基材1aの少なくとも一方の面に形成された熱膨張性粘着層1bとを少なくとも有するものを用いることができる。図3及び図4は、それぞれ、本発明で使用される加熱剥離型粘着シートの例を部分的に示す概略断面図である。図3及び図4において、1eは加熱剥離型粘着シート1のセパレータであり、1、1a〜1cは前記に同じである。
【0023】
具体的には、図3で示される加熱剥離型粘着シート1は、基材1aと、該基材1aの一方の面に形成された熱膨張性粘着層1bと、さらに、前記熱膨張性粘着層1b上に形成されたセパレータ1eとで構成されている。図4で示される加熱剥離型粘着シート1は、基材1aと、該基材1aの一方の面に形成された熱膨張性粘着層1bと、他方の面に形成された支持台座用粘着層1cと、さらに、前記熱膨張性粘着層1b上に形成されたセパレータ1eと、支持台座用粘着層1c上に形成されたセパレータ1eとで構成されている。
【0024】
[熱膨張性粘着層]
熱膨張性粘着層1bは、少なくとも、粘着性を付与するための粘着剤と、熱膨張性を付与するための熱膨張性微小球(マイクロカプセル)とを含んでいる。そのため、加熱剥離型粘着シート1を半導体ウエハ2に貼着した後、任意なときに熱膨張性粘着層1bを加熱して、熱膨張性微小球を発泡及び/又は膨張処理させることにより、熱膨張性粘着層1bが膨張し、この膨張により、熱膨張性粘着層1bと半導体ウエハ2との接着面積が減少し、熱膨張性粘着層1bによる接着力が減少して、加熱剥離型粘着シート1を容易に半導体ウエハ2から剥離させることができる。
【0025】
(熱膨張性微小球)
熱膨張性微小球としては、公知の熱膨張性微小球から適宜選択することができる。熱膨張性微小球としては、マイクロカプセル化されている発泡剤を好適に用いることができる。このような熱膨張性微小球としては、例えば、イソブタン、プロパン、ペンタンなどの加熱により容易にガス化して膨張する物質を、弾性を有する殻内に内包させた微小球などが挙げられる。前記殻は、熱溶融性物質や熱膨張により破壊する物質で形成される場合が多い。前記殻を形成する物質として、例えば、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスルホンなどが挙げられる。熱膨張性微小球は、慣用の方法、例えば、コアセルベーション法、界面重合法などにより製造できる。なお、熱膨張性微小球には、例えば、商品名「マツモトマイクロスフェア」[松本油脂製薬(株)製]などの市販品もある。
【0026】
加熱処理により、熱膨張性粘着層の接着力を効率よく且つ安定して低下させるため、体積膨張率が5倍以上、なかでも7倍以上、特に10倍以上となるまで破裂しない適度な強度を有する熱膨張性微小球が好ましい。
【0027】
熱膨張性微小球の配合量は、熱膨張性粘着層の膨張倍率や接着力の低下性などに応じて適宜設定しうるが、一般には熱膨張性粘着層を形成する粘着剤のベースポリマー100重量部に対して、例えば1〜150重量部、好ましくは10〜130重量部、さらに好ましくは25〜100重量部である。
【0028】
熱膨張性微小球の粒径(平均粒子径)としては、熱膨張性粘着層の厚みなどに応じて適宜選択することができる。熱膨張性微小球の平均粒子径としては、例えば、100μm以下(好ましくは80μm以下、さらに好ましくは1〜50μm、特に1〜30μm)の範囲から選択することができる。なお、熱膨張性微小球の粒径の調整は、熱膨張性微小球の生成過程で行われていてもよく、生成後、分級などの手段により行われてもよい。
【0029】
(粘着剤)
熱膨張性粘着層1bにおいて用いられている粘着剤としては、加熱時に熱膨張性微小球の発泡及び/又は膨張を可及的に拘束しないようなものが好ましい。該粘着剤としては、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤、フッ素系粘着剤、スチレン−ジエンブロック共重合体系粘着剤、これらの粘着剤に融点が約200℃以下の熱溶融性樹脂を配合したクリ−プ特性改良型粘着剤などの公知の粘着剤を1種又は2種以上組み合わせて用いることができる(例えば、特開昭56−61468号公報、特開昭61−174857号公報、特開昭63−17981号公報、特開昭56−13040号公報等参照)。また、粘着剤としては、放射線硬化型粘着剤(又はエネルギー線硬化型粘着剤)を用いることもできる。これらの粘着剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。なお、粘着剤は、粘着性成分(ベースポリマー)等のポリマー成分などのほかに、粘着剤の種類等に応じて、架橋剤(例えば、ポリイソシアネート、アルキルエーテル化メラミン化合物など)、粘着付与剤(例えば、ロジン誘導体樹脂、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノール樹脂などからなる常温で固体、半固体あるいは液状のもの)、可塑剤、充填剤、老化防止剤などの適宜な添加剤を含んでいてもよい。
【0030】
なお、加熱処理前の適度な接着力と加熱処理後の接着力の低下性のバランスの点から、より好ましい粘着剤は、動的弾性率が常温から150℃において0.5〜100(Pa)[5万〜1,000万(dyn/cm2)]の範囲にあるポリマーをベースとした粘着剤である。
【0031】
熱膨張性粘着層は、例えば、粘着剤と、熱膨張性微小球と、必要に応じて溶媒やその他の添加剤などとを混合して、シート状の層に形成する慣用の方法により形成することができる。具体的には、例えば、粘着剤、熱膨張性微小球、および必要に応じて溶媒やその他の添加剤の混合物を、基材や、後述するゴム状有機弾性層上に塗布する方法、適当なセパレータ(剥離紙など)上に前記混合物を塗布して熱膨張性粘着層を形成し、これを基材又はゴム状有機弾性層上に転写(移着)する方法などにより、熱膨張性粘着層を形成することができる。なお、熱膨張性粘着層は単層、複層の何れであってもよい。
【0032】
熱膨張性粘着層の厚さは、接着力の低減性などにより適宜に選択することができ、例えば、300μm以下(好ましくは200μm以下、さらに好ましくは150μm以下)程度である。厚さが過大であると、加熱処理後の剥離時に、熱膨張性粘着層に凝集破壊が生じて、粘着剤が半導体ウエハに残存し、半導体ウエハが過度に汚染されやすくなる。一方、熱膨張性粘着層の厚さが過小であると、加熱処理による熱膨張性粘着層の変形度が小さく、接着力が円滑に低下しにくくなったり、添加する熱膨張性微小球の粒径を過度に小さくする必要が生じる。かかる点より、熱膨張性粘着層の厚さは2μm以上、なかでも5μm以上、特に10μm以上であるのが好ましい。
【0033】
[基材]
基材1aは、熱膨張性粘着層1b等の支持母体として用いることができる。なお、基材1aは単層の形態を有していてもよく、積層された形態を有していてもよい。
【0034】
基材としては、例えば、紙などの紙系基材;布、不織布、ネットなどの繊維系基材;金属箔、金属板などの金属系基材;プラスチックのフィルムやシートなどのプラスチック系基材;ゴムシートなどのゴム系基材;発泡シートなどの発泡体や、これらの積層体(特に、プラスチック系基材と他の基材との積層体や、プラスチックフィルム(又はシート)同士の積層体など)等の適宜な薄葉体を用いることができる。基材としては、熱膨張性粘着層の加熱処理温度で溶融しない耐熱性に優れるものが、加熱後の取扱性などの点より好ましい。基材としては、プラスチックのフィルムやシートなどのプラスチック系基材を好適に用いることができる。このようなプラスチック材における素材としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のα−オレフィンをモノマー成分とするオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル;ポリ塩化ビニル(PVC);ポリフェニレンスルフィド(PPS);ポリアミド(ナイロン)、全芳香族ポリアミド(アラミド)等のアミド系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などが挙げられる。これらの素材は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0035】
なお、基材として、プラスチック系基材が用いられている場合は、延伸処理等により伸び率などの変形性を制御していてもよい。また、基材としては、熱膨張性粘着層などに放射線硬化性の物質を使用する際は、放射線の透過を阻害しないものを使用することが好ましい。
【0036】
基材の厚さは、強度や柔軟性、使用目的などに応じて適宜に選択でき、例えば、一般的には1000μm以下(例えば、1〜1000μm)、好ましくは1〜500μm、さらに好ましくは3〜300μm、特に5〜250μm程度であるが、これらに限定されない。
【0037】
基材の表面は、熱膨張性粘着層等との密着性を高めるため、慣用の表面処理、例えば、クロム酸処理、オゾン暴露、火炎暴露、高圧電撃暴露、イオン化放射線処理等の化学的又は物理的方法による酸化処理等が施されていてもよく、下塗り剤によるコーティング処理等が施されていてもよい。また、熱膨張性粘着層等との剥離性を付与するために、例えば、シリコーン系樹脂やフッ素系樹脂等の剥離剤などによるコーティング処理が施されていてもよい。
【0038】
なお、本発明では、図1や図2に示されているように、基材の少なくとも一方の面(片面または両面)に熱膨張性粘着層を設けることができ、基材を熱膨張性粘着層の内部に埋設した形態などとすることもできる。
【0039】
[支持台座用粘着層]
本発明では、加熱剥離型粘着シート1としては、図2や図4で示されているように、支持台座用粘着層1cを有していてもよい。すなわち、支持台座用粘着層1cは任意に設けることができる。支持台座用粘着層1cが具備されていると、該支持台座用粘着層1cを利用して半導体ウエハ2を支持台座4により支持させることができ、半導体ウエハ2の加工をより一層容易に行うことができる。
【0040】
支持台座用粘着層1cを形成するための粘着剤としては、特に制限されず、上記熱膨張性粘着層1bにおいて用いられる粘着剤として例示された粘着剤(例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤、フッ素系粘着剤、スチレン−ジエンブロック共重合体系粘着剤、クリ−プ特性改良型粘着剤、放射線硬化型粘着剤など)等の公知乃至慣用の粘着剤を用いることができる。これらの粘着剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。なお、該支持台座用粘着層は、半導体ウエハの貼付には用いられないので、低汚染性を有していなくてもよい。支持台座用粘着層を形成するための粘着剤には、例えば、可塑剤、充填剤、界面活性剤、老化防止剤、粘着性付与剤などの公知乃至慣用の添加剤が配合されていてもよい。
【0041】
支持台座用粘着層の厚さとしては、例えば、300μm以下(例えば、1〜300μm、好ましくは5〜100μm)であってもよい。なお、支持台座用粘着層の形成方法としては、前記熱膨張性粘着層と同様の方法(例えば、基材上に塗布する方法、セパレータ上に塗布して粘着剤層を形成した後、これを基材上に転写する方法など)を利用することができる。なお、支持台座用粘着層は単層、複層の何れであってもよい。
【0042】
[中間層]
本発明では、基材と熱膨張性粘着層の間に1層又は2層以上の中間層を設けることもできる。該中間層は、前述のように、剥離性の付与を目的とした剥離剤のコーティング層や、密着力の向上を目的とした下塗り剤のコーティング層などが挙げられる。なお、剥離剤のコーティング層や下塗り剤のコーティング層以外の中間層としては、例えば、良好な変形性の付与を目的とした層、半導体ウエハへの接着面積の増大を目的とした層、接着力の向上を目的とした層、半導体ウエハの表面形状に良好に追従させることを目的とした層、加熱による接着力低減の処理性の向上を目的とした層、加熱後の半導体ウエハよりの剥離性の向上を目的とした層などが挙げられる。
【0043】
特に、加熱剥離型粘着シートの変形性の付与や加熱後の剥離性の向上などの点より、基材と熱膨張性粘着層との間の中間層として、例えば、図5や図6で示されるように、ゴム状有機弾性層を設けることができる。図5及び図6は、それぞれ、本発明で使用される加熱剥離型粘着シートの例を部分的に示す概略断面図である。図5及び図6において、1dは加熱剥離型粘着シート1のゴム状有機弾性層であり、1、1a〜1c、1eは前記に同じである。具体的には、図5及び6で示される加熱剥離型粘着シート1では、基材1aと、熱膨張性粘着層1bとの間に、ゴム状有機弾性層1dが形成されている。
【0044】
このように、ゴム状有機弾性層1dを設けることにより、加熱剥離型粘着シート1を半導体ウエハ2に水溶性保護層3を介して接着する際に、前記加熱剥離型粘着シート1の表面(熱膨張性粘着層1bの表面)を半導体ウエハ2の表面形状に良好に追従させて、接着面積を大きくすることができ、また、前記加熱剥離型粘着シート1を半導体ウエハ2から加熱剥離する際に、熱膨張性粘着層1bの加熱膨張を高度に(精度よく)コントロールし、熱膨張性粘着層1bを厚さ方向へ優先的に且つ均一に膨張させることができる。なお、ゴム状有機弾性層1dは、必要に応じて設けられる層であり、必ずしも設けられていなくてもよい。
【0045】
ゴム状有機弾性層1dは、図5や6で示されるように、熱膨張性粘着層1bの基材1a側の面に、熱膨張性粘着層1bに重畳させた形態で設けることが好ましい。なお、基材1aと熱膨張性粘着層1bとの間の中間層以外の層としても設けることができる。ゴム状有機弾性層1dは、基材1aの片面又は両面に介在させることができる。
【0046】
ゴム状有機弾性層1dは、例えば、ASTM D−2240に基づくD型シュアーD型硬度が、50以下、特に40以下の天然ゴム、合成ゴム又はゴム弾性を有する合成樹脂により形成することが好ましい。
【0047】
前記合成ゴム又はゴム弾性を有する合成樹脂としては、例えば、ニトリル系、ジエン系、アクリル系などの合成ゴム;ポリオレフィン系、ポリエステル系などの熱可塑性エラストマー;エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、ポリブタジエン、軟質ポリ塩化ビニルなどのゴム弾性を有する合成樹脂などが挙げられる。なお、ポリ塩化ビニルなどのように本質的には硬質系ポリマーであっても、可塑剤や柔軟剤等の配合剤との組み合わせによりゴム弾性が発現しうる。このような組成物も、前記ゴム状有機弾性層の構成材料として使用できる。また、熱膨張性粘着層を構成する粘着剤等の粘着性物質などもゴム状有機弾性層の構成材料として好ましく用いることができる。
【0048】
ゴム状有機弾性層は、例えば、前記天然ゴム、合成ゴム又はゴム弾性を有する合成樹脂などのゴム状有機弾性層形成材を含むコーティング液を基材上に塗布する方式(コーティング法)、前記ゴム状有機弾性層形成材からなるフィルム、又は予め1層以上の熱膨張性粘着層上に前記ゴム状有機弾性層形成材からなる層を形成した積層フィルムを基材と接着する方式(ドライラミネート法)、基材の構成材料を含む樹脂組成物と前記ゴム状有機弾性層形成材を含む樹脂組成物とを共押出しする方式(共押出し法)などの形成方法により形成することができる。
【0049】
ゴム状有機弾性層の厚さは、一般的には500μm以下(例えば、1〜500μm)、好ましくは3〜300μm、さらに好ましくは5〜150μm程度である。ゴム状有機弾性層は単層であってもよく、2以上の層で構成してもよい。
【0050】
なお、ゴム状有機弾性層は、天然ゴムや合成ゴム又はゴム弾性を有する合成樹脂を主成分とする粘着性物質で形成されていてもよく、また、かかる成分を主体とする発泡フィルム等で形成されていてもよい。発泡は、慣用の方法、例えば、機械的な攪拌による方法、反応生成ガスを利用する方法、発泡剤を使用する方法、可溶性物質を除去する方法、スプレーによる方法、シンタクチックフォームを形成する方法、焼結法などにより行うことができる。
【0051】
また、ゴム状有機弾性層としては、熱膨張性粘着層や支持台座用粘着層に放射線硬化性の物質を使用する際は、放射線の透過を阻害しないものを使用することが好ましい。
【0052】
なお、前記中間層(ゴム状有機弾性層等)は、基材と支持台座用粘着層との間などの他の部位に設けることも可能である。
【0053】
[セパレータ]
本発明では、セパレータ1eとしては、慣用の剥離紙などを使用できる。セパレータ1eは熱膨張性粘着層1bや支持台座用粘着層1cの保護材として用いられており、加熱剥離型粘着シート1を半導体ウエハ2や支持台座4に貼着する際に剥がされる。セパレータ1eは必ずしも設けられていなくてもよい。
【0054】
セパレータとしては、例えば、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の剥離剤により表面処理されたプラスチックフィルムや紙等の剥離層を有する基材;ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体等のフッ素系ポリマーからなる低接着性基材;オレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなど)等の無極性ポリマーからなる低接着性基材などを用いることができる。なお、セパレータは、熱膨張性粘着層を支持するための基材として用いることも可能である。
【0055】
なお、セパレータは公知乃至慣用の方法により形成することができる。また、セパレータの厚さ等も特に制限されない。
【0056】
加熱剥離型粘着シートは、前述のような層構成を有しており、例えば、商品名「リバアルファ」(日東電工社製)などが市販されている。
【0057】
加熱剥離型粘着シートは、シート状、テープ状などの形態を有することができる。加熱剥離型粘着シートは、熱膨張性粘着層の粘着剤により、半導体ウエハに水溶性保護層を介して接着させる際には予め設定した接着力で接着でき、熱膨張性粘着層の熱膨張性微小球により、接着状態を解きたいときには加熱処理により容易に剥離乃至分離できる。
【0058】
また、基材と熱膨張性粘着層との間にゴム状有機弾性層が設けられた加熱剥離型粘着シートでは、加熱剥離型粘着シートを半導体ウエハに接着する際には、ゴム状有機弾性層の弾性により、加熱剥離型粘着シートの表面(熱膨張性粘着層の表面)が半導体ウエハの表面形状に良好に追従して大きな接着面積が得られ、接着強度を高めることができると共に、加熱剥離させる際には、熱膨張性粘着層の膨張(体積変化)を精度よくコントロールでき、厚さ方向に優先して且つ均一に膨張させることができ、剥離が一層容易となる。また、熱膨張性粘着層に含まれる熱膨張性微小球の粒径が多少大きくても、それに起因する凹凸がゴム状有機弾性層により吸収されるので、熱膨張性粘着層の表面粗さを小さくなるように調整することができる。
【0059】
[半導体ウエハ]
半導体ウエハ2としては、公知乃至慣用の半導体ウエハであれば特に限定はないが、例えば、シリコンウエハを好適に用いることができる。なお、本発明の仮固定方法のポイントである「水溶性保護層を介して加熱剥離型粘着シートの熱膨張性粘着層の面に貼付して仮固定する方法」は、半導体ウエハ以外の部品(例えば、多層基板、積層セラミック、一括封止モジュールなど)を仮固定する方法としても利用することができる。すなわち、本発明は、「仮固定用電子系部品を、水溶性保護層を介して、基材の少なくとも一方の面に熱膨張性微小球を含有する熱膨張性粘着層が形成された加熱剥離型粘着シートの熱膨張性粘着層の面に貼付して仮固定する方法」にも関している。もちろん、前記仮固定用電子系部品としては、前述のように、半導体ウエハ以外の部品(多層基板、積層セラミック、一括封止モジュールなど)が用いられる。また、これらの仮固定用電子系部品は、前記仮固定方法により仮固定した後に、加工を行うことができる。
【0060】
[支持台座]
支持台座4としては、半導体ウエハ2を支持することができるものであれば特に制限されず、半導体ウエハを加工する際に用いられている公知乃至慣用の支持台座を用いることができる。具体的には、支持台座としては、ステンレス板、ガラス板、ダミーウエハなどが挙げられる。支持台座は、半導体ウエハの種類、半導体ウエハの加工方法などに応じて適宜選択することができる。
【0061】
このように、本発明の半導体ウエハの仮固定方法では、半導体ウエハを水溶性保護層を介して加熱剥離型粘着シートに仮固定しているので、半導体ウエハの表面における加熱剥離型粘着シートによる汚染を低減することができる。また、加熱剥離型粘着シートは加熱により容易に剥離させることができ、一方、水溶性保護層は水を利用した除去方法(例えば、水洗など)により容易に除去することができる。従って、本発明の半導体ウエハの仮固定方法によると、仮固定に使用した粘着シートや水溶性保護層は容易に剥離又は除去することができ、しかも、半導体ウエハ表面の汚染を低減することができる。
【0062】
具体的には、本発明の半導体ウエハの仮固定方法では、半導体ウエハから加熱剥離型粘着シートを加熱して剥離させ、さらに水溶性保護層を除去した後の、XPSによる半導体ウエハの表面における炭素元素比率RC1(%)として、以下の関係式(1)を満足させることができる。
RC1≦30+RC2 (1)
[関係式(1)において、RC2は、加熱剥離型粘着シートに貼付される前で且つ水溶性保護層が設けられる前の、XPSによる半導体ウエハの表面における炭素元素比率(%)を示す。]
【0063】
すなわち、本発明の仮固定方法では、加熱剥離型粘着シートの熱膨張性粘着層の面が半導体ウエハ(シリコンウエハ等)の一方の面に予め形成されている水溶性保護層の表面に接着するように、半導体ウエハの表面に水溶性保護層を介して加熱剥離型粘着シートを貼付して仮固定を行い、必要に応じてさらに支持台座により支持させて、例えば、半導体ウエハに所望の加工を行った後、半導体ウエハから加熱剥離型粘着シートを加熱して剥離させ、さらに水溶性保護層を水洗等により除去した後の、半導体ウエハの表面(加熱剥離型粘着シートが貼付していた側の面)におけるXPSによる炭素元素比率RC1(%)と、前記加熱剥離型粘着シートが貼付される前で且つ水溶性保護層が設けられる前の半導体ウエハの表面におけるXPSによる炭素元素比率RC2(%)との差[RC1−RC2](「ΔRC1-2」と称する場合がある)が、30以下であることが好適である。
【0064】
特に、半導体ウエハがシリコンウエハである場合は、シリコンウエハから加熱剥離型粘着シートを加熱して剥離させ、さらに水溶性保護層を除去した後の、XPSによるシリコンウエハの表面における炭素元素比率RC1 Siとして、以下の関係式(2)を満足させることができる。
RC1 Si≦2.5RSi (2)
[関係式(2)において、RSiは、シリコンウエハから加熱剥離型粘着シートを加熱して剥離させ、さらに水溶性保護層を除去した後の、XPSによるシリコンウエハの表面におけるケイ素元素比率(%)を示す。]
【0065】
すなわち、半導体ウエハがシリコンウエハである場合、加熱剥離型粘着シートの熱膨張性粘着層の面がシリコンウエハの一方の面に予め形成されている水溶性保護層の表面に接着するように、シリコンウエハの表面に水溶性保護層を介して加熱剥離型粘着シートを貼付して仮固定を行い、必要に応じてさらに支持台座により支持させて、例えば、シリコンウエハに所望の加工を行った後、シリコンウエハから加熱剥離型粘着シートを加熱して剥離させ、さらに水溶性保護層を水洗等により除去した後の、シリコンウエハの表面(加熱剥離型粘着シートが貼付していた側の面)におけるXPSによる炭素元素比率RC1 Si(%)と、加熱剥離型粘着シートの熱膨張性粘着層の面がシリコンウエハの一方の面に予め形成されている水溶性保護層の表面に接着するように、シリコンウエハの表面に水溶性保護層を介して加熱剥離型粘着シートを貼付して仮固定を行い、必要に応じてさらに支持台座により支持させて、例えば、シリコンウエハに所望の加工を行った後、シリコンウエハから加熱剥離型粘着シートを加熱して剥離させ、さらに水溶性保護層を水洗等により除去した後の、シリコンウエハの表面(加熱剥離型粘着シートが貼付していた側の面)におけるXPSによるケイ素元素比率RSi(%)との比[RC1 Si/RSi](「RC/Si」と称する場合がある)が2.5以下であることが好適である。
【0066】
本発明では、前記関係式(1)及び(2)のうち少なくとも一方の関係式を満足していることが望ましく、特に、半導体ウエハがシリコンウエハである場合、前記関係式(1)及び(2)の両方を満足していることが好ましい。
【0067】
なお、ΔRC1-2としては、30以下であれば特に制限されず、例えば、0〜30[好ましくは20以下(例えば、0.1〜20)、さらに好ましくは5以下(例えば、0.5〜5)]の範囲から選択することができる。なお、ΔRC1-2はマイナスの数値であってもよい。ΔRC1-2が30を超えると、加熱剥離型粘着シートが水溶性保護層を介して接着していた半導体ウエハの表面(水溶性保護層の除去面)における汚染度が高くなり、加工して得られる半導体チップ等の部品は不良品となり、実用することできなくなる場合がある。
【0068】
また、RC/Siとしては、2.5以下であれば特に制限されないが、例えば、0〜2.5[好ましくは2.25以下(例えば、0.05〜2.25)、さらに好ましくは1.5以下(例えば、0.1〜1.5)、特に0.5以下(例えば、0.2〜0.5)]の範囲から選択することができる。RC/Siが2.5を超えると、加熱剥離型粘着シートが水溶性保護層を介して接着していたシリコンウエハの表面(水溶性保護層の除去面)における汚染度が高くなり、加工して得られる半導体チップ等の部品は不良品となり、実用することできなくなる場合がある。
【0069】
このような元素比率[炭素元素比率RC1(半導体ウエハがシリコンウエハである場合は、炭素元素比率RC1 Si)(%)、炭素元素比率RC2(%)、ケイ素元素比率RSi(%)など]は、XPS(X−ray Photoelectron Spectroscopy;X線光電子分光分析)により測定される。具体的には、XPSによる炭素元素比率RC1(%)やケイ素元素比率RSi(%)は、例えば、加熱剥離型粘着シートを熱膨張性粘着層の面が半導体ウエハの表面に予め形成されている水溶性保護層の表面に接触するように、水溶性保護層を介して、加熱剥離型粘着シートを半導体ウエハに貼付させた後、130℃の熱風乾燥器中で10分間加熱処理を行い、半導体ウエハから加熱剥離型粘着シートを剥離させ、さらに水洗により半導体ウエハから水溶性保護層を除去した後、X線光電子分光分析装置(アルバックファイ社製のモデル名「5400」)を用いて、X線源:MgKα15KV(300W)、取りだし角:45°、測定面積:1×3.5mmの条件で、半導体ウエハにおける加熱剥離型粘着シートが貼付していた側の面のX線光電子分光分析を行うことにより、炭素元素比率RC1(%)やケイ素元素比率RSi(%)を測定することができる。一方、XPSによる炭素元素比率RC2(%)は、例えば、X線光電子分光分析装置(アルバックファイ社製のモデル名「5400」)を用いて、X線源:MgKα15KV(300W)、取りだし角:45°、測定面積:1×3.5mmの条件で[炭素元素比率RC1(%)やケイ素元素比率RSi(%)の測定と同一装置及び同条件で]、加熱剥離型粘着シートを貼付する前で且つ水溶性保護層が設けられる前の半導体ウエハの表面のX線光電子分光分析を行うことにより、炭素元素比率RC2(%)を測定することができる。
【0070】
なお、加熱剥離型粘着シートを半導体ウエハより剥離する際の加熱処理は、例えば、ホットプレート、熱風乾燥機、近赤外線ランプ、エアードライヤーなどの適宜な加熱手段を利用して行うことができる。加熱温度は、熱膨張性粘着層中の熱膨張性微小球の発泡開始温度以上であればよいが、加熱処理の条件は、半導体ウエハの表面状態や熱膨張性微粒子の種類等による接着面積の減少性、基材や半導体ウエハの耐熱性、加熱方法(熱容量、加熱手段等)などにより適宜設定できる。一般的な加熱処理条件は、温度100〜250℃で、5〜90秒間(ホットプレートなど)または5〜15分間(熱風乾燥機など)である。かかる加熱条件で、通例、熱膨張性粘着層の熱膨張性微小球が膨張及び/又は発泡して熱膨張性粘着層が膨張変形することにより凹凸状変形し、接着力が低下ないし喪失する。なお、加熱処理は使用目的に応じて適宜な段階で行うことができる。また、加熱源としては、赤外線ランプや加熱水を用いることができる場合もある。
【0071】
また、水溶性保護層を半導体ウエハから除去する際の除去処理は、水を利用した除去方法であれば特に制限されないが、例えば、流水洗浄、水中での超音波洗浄(純水超音波洗浄等)などの適当な方法を利用することができる。
【0072】
本発明の半導体ウエハの仮固定方法は、加工時には、強い接着力で半導体ウエハを接着することができ、加工後には、その接着状態を解除することができ、しかも、半導体ウエハ表面における汚染が少ない用途で好適に利用される。
【0073】
本発明では、前記半導体ウエハの仮固定方法により半導体ウエハを仮固定した後、半導体ウエハを加工することができる。前記半導体ウエハの加工としては、例えば、半導体ウエハの裏面研磨処理加工、ダイシング処理加工、微細加工などの種々の加工が挙げられる。なお、このような加工において、加熱剥離型粘着シートは、加工時の半導体ウエハを保護する機能も有している。
【0074】
半導体ウエハを仮固定した後、加工することにより、例えば、半導体チップを得ることができる。本発明の加工方法により加工された半導体ウエハによる半導体チップは、その表面の汚染性が低いため、この観点からは不良品とはならず、実用に供することができ、電子部品用半導体チップ、回路基板用半導体チップなどとして有用である。すなわち、本発明の電子部品や回路基板では、前記半導体ウエハの仮固定方法を利用して、半導体ウエハを加工して作製された半導体チップが使用されている。
【0075】
【発明の効果】
本発明の半導体ウエハの仮固定方法によれば、加熱処理により粘着シートを容易に剥離することができ、しかも剥離後の半導体ウエハ表面の汚染を低減することができる。また、この仮固定方法を利用して作製された半導体チップは、その表面の汚染が低減されているので、電子部品や回路基板に使用される半導体チップとして有用である。
【0076】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0077】
(実施例1)
シリコンミラーウエハ表面に、ポリビニルアルコール水溶液[商品名「PVA−205」(株)クラレ製]をスピンコーターにて乾燥後の厚さが3μmとなるように塗布し乾燥して、ポリビニルアルコール層(厚み3μm)を形成した。
前記シリコンミラーウエハ表面に形成されたポリビニルアルコール層上(塗布面)に、商品名「リバアルファ『No.3195MS:120℃加熱剥離タイプ』」[日東電工(株)製;ポリエチレンテレフタレートを基材とする加熱剥離型粘着シート]を貼り合わせ、ダイサー(デュスコ社製のDFD−651型)にて、10mm□チップにダイシングした後、熱風乾燥器[恒温器:タバイエスペック(株)製のSPH−201型]中で、130℃×10分間加熱剥離処理し、得られたチップを回収した。その後、このチップの剥離面のポリビニルアルコール層を純水超音波洗浄にて除去し、乾燥して、シリコンミラーウエハによるチップを得た。
【0078】
(実施例2)
ポリエチレングリコール水溶液[商品名「PEG1540」第一工業製薬(株)製]を、厚さ38μmのシリコーン剥離処理ポリエステルフィルム[商品名「#38セラピール」東洋メタライジング(株)製]の剥離処理面に、乾燥後の厚さが3μmとなるように塗布し乾燥して、ポリエチレングリコール層(厚み3μm)を形成し、さらに、該ポリエチレングリコール層をシリコンミラーウエハ表面に転写した。
前記シリコンミラーウエハ表面に形成されたポリエチレングリコール層上(転写面)に、商品名「リバアルファ『No.3193MS:120℃加熱剥離タイプ』」[日東電工(株)製;ポリエチレンテレフタレートを基材とする加熱剥離型粘着シート]を貼り合わせ、ダイサー(デュスコ社製のDFD−651型)にて、10mm□チップにダイシングした後、熱風乾燥器[恒温器:タバイエスペック(株)製のSPH−201型]中で、130℃×10分間加熱剥離処理し、得られたチップを回収した。その後、このチップの剥離面のポリエチレングリコール層を純水超音波洗浄にて除去し、乾燥して、シリコンミラーウエハによるチップを得た。
【0079】
(比較例1)
シリコンミラーウエハ表面に、ポリビニルアルコール水溶液を塗布せず、シリコンミラーウエハ表面に直接、商品名「リバアルファ『No.3195MS:120℃加熱剥離タイプ』」[日東電工(株)製]の粘着層を貼り合わせたこと以外は、実施例1と同様にして、チップを回収して、シリコンミラーウエハによるチップを得た。もちろん、シリコンミラーウエハ表面にはポリビニルアルコール層が形成されていないので、純水超音波洗浄は行っていない。
【0080】
(比較例2)
シリコンミラーウエハ表面に、ポリエチレングリコール層を転写せず、シリコンミラーウエハ表面に直接、商品名「リバアルファ『No.3193MS:120℃加熱剥離タイプ』」[日東電工(株)製]の粘着層を貼り合わせたこと以外は、実施例2と同様にして、チップを回収して、シリコンミラーウエハによるチップを得た。もちろん、シリコンミラーウエハ表面にはポリエチレングリコール層が形成されていないので、純水超音波洗浄は行っていない。
【0081】
(評価)
実施例および比較例により得られたシリコンミラーウエハによるチップの表面を、X線光電子分光分析装置を用いて、XPS(X−ray Photoelectron Spectroscopy;X線光電子分光分析)により、表面の炭素元素比率RC1(%)を測定し、同時にその時の表面のケイ素元素比率RSi(%)も測定する。また、オリジナルの鏡面処理した4吋シリコンウエハ面(粘着シートを貼着する前の鏡面処理した4吋シリコンウエハ面)を、X線光電子分光分析装置を用いて、XPSにより、表面の炭素元素比率RC2(%)を測定する。
【0082】
このようにして測定されたRC1、RSi、RC2により、RC1とRC2との差[RC1−RC2(=ΔRC1-2)]、およびRC1とRSi(%)との比[RC1/RSi(=RC/Si)]を求めて、汚染性を評価した。評価結果は、表1のそれぞれの欄に示した。なお、ΔRC1-2およびRC/Siは、その値大きいほど、汚染度が大きいことを意味している。また、加熱前よりも加熱後の方が大きいほど、加熱処理により汚染度が増大していることを意味している。
【0083】
X線光電子分光分析装置は、アルバックファイ社製のモデル名「5400」を用い、X線源:MgKα15KV(300W)、取りだし角:45°、測定面積:1×3.5mmの条件で測定した。
【0084】
【表1】
【0085】
表1より、ΔRC1-2は、実施例では30以下(特に20以下)であるが、比較例では40以上であり、実施例による仮固定方法では、ΔRC1-2を大きく低減させることができることが確認された。
【0086】
また、RC/Siは、実施例では2.5以下(特に1.0以下)であるが、比較例では、4.0以上であり、実施例による仮固定方法では、RC/Siを大きく低減させることができることが確認された。
【0087】
従って、半導体ウエハを加熱剥離型粘着シートに仮固定する際に、水溶性保護層を利用すると、加熱処理により粘着シートを容易に剥離することができるとともに、剥離後の半導体ウエハ表面の汚染を低減することができることが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の仮固定方法により、半導体ウエハを加熱剥離型粘着シートに仮固定した状態の例を部分的に示す概略断面図である。
【図2】本発明の仮固定方法により、半導体ウエハを加熱剥離型粘着シートに仮固定した状態の例を部分的に示す概略断面図である。
【図3】本発明で使用される加熱剥離型粘着シートの例を部分的に示す概略断面図である。
【図4】本発明で使用される加熱剥離型粘着シートの例を部分的に示す概略断面図である。
【図5】本発明で使用される加熱剥離型粘着シートの例を部分的に示す概略断面図である。
【図6】本発明で使用される加熱剥離型粘着シートの例を部分的に示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 加熱剥離型粘着シート
1a 加熱剥離型粘着シート1の基材
1b 加熱剥離型粘着シート1の熱膨張性粘着層
1c 加熱剥離型粘着シート1の支持台座用粘着層
1dは加熱剥離型粘着シート1のゴム状有機弾性層
1eは加熱剥離型粘着シート1のセパレータ
2 半導体ウエハ
3 水溶性保護層
4 支持台座
Claims (6)
- 半導体ウエハを、基材の少なくとも一方の面に熱膨張性微小球を含有する熱膨張性粘着層が形成された加熱剥離型粘着シートに仮固定する方法であって、半導体ウエハを、半導体ウエハ表面に予め設けられた水溶性樹脂により形成された水溶性保護層を介して加熱剥離型粘着シートの熱膨張性粘着層の面に貼付して仮固定することを特徴とする半導体ウエハの仮固定方法。
- さらに、加熱剥離型粘着シートにおける基材の熱膨張性粘着層に対して反対側の面に支持台座用粘着層が形成されており、該支持台座用粘着層の面に支持台座を貼付する請求項1記載の半導体ウエハの仮固定方法。
- 半導体ウエハから加熱剥離型粘着シートを加熱して剥離させ、さらに半導体ウエハ表面に予め設けられた水溶性樹脂により形成された水溶性保護層を除去した後の、XPSによる半導体ウエハの表面における炭素元素比率RC1(%)が、以下の関係式(1)を満足する請求項1又は2記載の半導体ウエハの仮固定方法。
RC1≦30+RC2 (1)
[関係式(1)において、RC2は、加熱剥離型粘着シートに貼付される前で且つ水溶性保護層が設けられる前の、XPSによる半導体ウエハの表面による半導体ウエハの表面における炭素元素比率(%)を示す。] - 半導体ウエハがシリコンウエハであり、且つ、シリコンウエハから加熱剥離型粘着シートを加熱して剥離させ、さらに半導体ウエハ表面に予め設けられた水溶性樹脂により形成された水溶性保護層を除去した後の、XPSによるシリコンウエハの表面における炭素元素比率RC1 Siが、以下の関係式(2)を満足する請求項1〜3の何れかの項に記載の半導体ウエハの仮固定方法。
RC1 Si≦2.5RSi (2)
[関係式(2)において、RSiは、シリコンウエハから加熱剥離型粘着シートを加熱して剥離させ、さらに半導体ウエハ表面に予め設けられた水溶性樹脂により形成された水溶性保護層を除去した後の、XPSによるシリコンウエハの表面におけるケイ素元素比率(%)を示す。] - 請求項1〜4の何れかの項に記載の半導体ウエハの仮固定方法を利用して、半導体ウエハを仮固定した後、加工して作製された半導体チップが使用されていることを特徴とする電子部品。
- 請求項1〜4の何れかの項に記載の半導体ウエハの仮固定方法を利用して、半導体ウエハを仮固定した後、加工して作製された半導体チップが使用されていることを特徴とする回路基板。
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