JP4442338B2 - 無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラム - Google Patents

無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラム Download PDF

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Description

本発明は、無線LAN(Local Area Network)のように複数の無線局間で相互に通信を行なう無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、通信局同士が直接通信(ランダム・アクセス)を行なうことにより無線ネットワークが運営される無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
さらに詳しくは、本発明は、制御局と被制御局の関係を有しないで各通信局が自律分散的にネットワーク動作を行なう無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、自律的に動作する通信局が同期をとり合いながら干渉し合うことなく自律分散的な無線ネットワークを形成する無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
複数のコンピュータを接続してLANを構成することにより、ファイルやデータなどの情報の共有化、プリンタなどの周辺機器の共有化を図ったり、電子メールやデータ・コンテンツの転送などの情報の交換を行なったりすることができる。
従来、光ファイバーや同軸ケーブル、あるいはツイストペア・ケーブルを用いて、有線でLAN接続することが一般的であったが、この場合、回線敷設工事が必要であり、手軽にネットワークを構築することが難しいとともに、ケーブルの引き回しが煩雑になる。また、LAN構築後も、機器の移動範囲がケーブル長によって制限されるため、不便である。そこで、有線方式によるLAN配線からユーザを解放するシステムとして、無線LANが注目されている。無線LANによれば、オフィスなどの作業空間において、有線ケーブルの大半を省略することができるので、パーソナル・コンピュータ(PC)などの通信端末を比較的容易に移動させることができる。
近年では、無線LANシステムの高速化、低価格化に伴い、その需要が著しく増加してきている。特に最近では、人の身の回りに存在する複数の電子機器間で小規模な無線ネットワークを構築して情報通信を行なうために、パーソナル・エリア・ネットワーク(PAN)の導入の検討が行なわれている。例えば、2.4GHz帯や、5GHz帯など、監督官庁の免許が不要な周波数帯域を利用して、異なった無線通信システムが規定されている。
無線ネットワークに関する標準的な規格として、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11(例えば、非特許文献1を参照のこと)や、HiperLAN/2(例えば、非特許文献2又は非特許文献3を参照のこと)、IEEE802.15.3、Bluetooth通信などを挙げることができる。また、IEEE802.11規格については、無線通信方式や使用する周波数帯域の違いなどにより、IEEE802.11a(例えば、非特許文献4を参照のこと),b,gといった拡張規格が存在する。
一般的には、無線技術を用いてローカル・エリア・ネットワークを構成するために、エリア内に「アクセス・ポイント」又は「コーディネータ」と呼ばれる制御局となる装置を1台設けて、この制御局の統括的な制御下でネットワークを形成する方法が用いられている。
アクセス・ポイントを配置した無線ネットワークでは、ある通信装置から情報伝送を行なう場合に、まずその情報伝送に必要な帯域をアクセス・ポイントに予約して、他の通信装置における情報伝送と衝突が生じないように伝送路の利用を行なうという、帯域予約に基づくアクセス制御方法が広く採用されている。すなわち、アクセス・ポイントを配置することによって、無線ネットワーク内の通信装置が互いに同期をとるという同期的な無線通信を行なう。
ところが、アクセス・ポイントが存在する無線通信システムで、送信側と受信側の通信装置間で非同期通信を行なう場合には、必ずアクセス・ポイントを介した無線通信が必要になるため、伝送路の利用効率が半減してしまうという問題がある。
これに対し、無線ネットワークを構成する他の方法として、端末同士が直接非同期的に無線通信を行なう「アドホック(Ad−hoc)通信」が考案されている。とりわけ近隣に位置する比較的少数のクライアントで構成される小規模無線ネットワークにおいては、特定のアクセス・ポイントを利用せずに、任意の端末同士が直接すなわちランダムな無線通信を行なうことができるアドホック通信が適当であると思料される。
アドホック型無線通信システムには中央制御局が存在しないので、例えば家庭用電気機器からなるホーム・ネットワークを構成するのに適している。アドホック・ネットワークには、1台が故障又は電源オフになってもルーティングを自動的に変更するのでネットワークが破綻しにくい、移動局間でパケットを複数回ホップさせることにより高速データレートを保ったままで比較的遠くまでデータを伝送することができる、といった特徴がある。アドホック・システムにはいろいろな開発事例が知られている(例えば、非特許文献5を参照のこと)。
例えば、IEEE802.11系の無線LANシステムでは、IEEE802.11におけるネットワーキングは、BSS(Basic Service Set)の概念に基づいている。BSSは、アクセス・ポイント (Access Point:制御局)のようなマスタが存在する「インフラ・モード」で定義されるBSSと、複数のMT(Mobile Terminal:移動局)のみにより構成される「アドホック・モード」で定義されるIBSS(Independent BSS)の2種類で構成される。後者のアドホック・モードでは、制御局を配さなくとも自律分散的にピア・ツウ・ピア(Peer to Peer)で動作する。そして、ビーコン送信時間になると各端末がランダムな期間をカウントし、その期間が終わるまでに他の端末のビーコンを受信しなかった場合に、自分がビーコンを送信する。
ここで、IEEE802.11を例にとって、従来の無線ネットワーキングの詳細について説明する。
インフラ・モード:
インフラ・モードのBSSにおいては、無線通信システム内にコーディネイションを行なうアクセス・ポイントが必須である。すなわち、アクセス・ポイントは、自局周辺で電波の到達する範囲をBSSとしてまとめ、いわゆるセルラ・システムで言うところの「セル」を構成する。アクセス・ポイント近隣に存在する移動局は、アクセス・ポイントに収容され、BSSのメンバとしてネットワークに参入する。
アクセス・ポイントは、適当な時間間隔でビーコンと呼ばれる制御信号を送信する。このビーコンを受信可能である移動局は、アクセス・ポイントが近隣に存在することを認識し、さらにアクセス・ポイントとの間でコネクション確立を行なう。
また、アクセス・ポイント周辺の移動局は、ビーコンを受信することにより、内部のTBTTフィールドをデコードすることにより次回のビーコン送信時刻を認識することが可能であるから、場合によっては(受信の必要がない場合には)、次回あるいは複数回先のTBTTまで受信機の電源を落としスリープ状態(後述)に入ることもある。
インフラ・モード時には、アクセス・ポイントのみが所定フレーム周期でビーコンを送信する。他方、周辺移動局はアクセス・ポイントからのビーコンを受信することでネットワークへの参入を果たし、自らはビーコンを送信しない。なお、本発明は、アクセス・ポイントのようなマスタ制御局の介在なしでネットワークを動作させることを主眼とし、インフラ・モードとは直接関連しないことから、インフラ・モードに関してはこれ以上説明を行なわない。
アドホック・モード:
もう一方のアドホック・モード時のIEEE802.11の動作について、図27を参照しながら説明する。
アドホック・モードのIBSSにおいては、移動局は複数の移動局同士でネゴシエーションを行なった後に自律的にIBSSを定義する。IBSSが定義されると、移動局群は、ネゴシエーションの末に、一定間隔毎にTBTTを定める。各移動局は自局内のクロックを参照することによりTBTTが到来したことを認識すると、ランダム時間の遅延の後、未だ誰もビーコンを送信していないと認識した場合にはビーコンを送信する。
図27に示す例では、2台の移動局がIBBSを構成する様子を示している。この場合、IBSSに属するいずれか一方の移動局が、TBTTが到来する毎にビーコンを送信することになる。また、各移動局から送出されるビーコンが衝突する場合も存在している。
また、IBSSにおいても、移動局は必要に応じて送受信機の電源を落とすスリープ状態(後述)に入ることがある。
IEEE802.11における送受信手順:
アドホック環境の無線LANネットワークにおいては、一般的に隠れ端末問題が生じることが知られている。隠れ端末とは、ある特定の通信局間で通信を行なう場合、通信相手となる一方の通信局からは聞くことができるが他方の通信局からは聞くことができない通信局のことであり、隠れ端末同士ではネゴシエーションを行なうことができないため、送信動作が衝突する可能性がある。
隠れ端末問題を解決する方法論として、RTS/CTS手順によるCSMA/CAが知られている。IEEE802.11においてもこの方法論が採用されている。
ここで、CSMA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance:搬送波感知多重アクセス)とは、キャリア検出に基づいて多重アクセスを行なう接続方式である。無線通信では自ら情報送信した信号を受信することが困難であることから、CSMA/CD(Collision Detection)ではなくCSMA/CA(Collision Avoidance)方式により、他の通信装置の情報送信がないことを確認してから、自らの情報送信を開始することによって、衝突を回避する。
また、RTS/CTS方式では、データ送信元の通信局が送信要求パケットRTS(Request To Send)を送信し、データ送信先の通信局から確認通知パケットCTS(Clear To Send)を受信したことに応答してデータ送信を開始する。そして、隠れ端末はRTS又はCTSのうち少なくとも一方を受信すると、RTS/CTS手続に基づくデータ伝送が行なわれると予想される期間だけ自局の送信停止期間を設定することにより、衝突を回避することができる。送信局にとっての隠れ端末は、CTSを受信して送信停止期間を設定し、データ・パケットとの衝突を回避し、受信局にとっての隠れ端末は、RTSを受信して送信期間を停止し、ACKとの衝突を回避する。
スリープ状態での信号送受信手順:
IEEE802.11におけるネットワーキングでは、アドホック・モード時のIBSSにおいても、移動局は必要に応じて送受信機の電源を落とすスリープ状態に入ることがある。
IEEE802.11においてIBSSでスリープ・モードが適用されている場合には、TBTTからしばらくの時間帯がATIM(Announcement Traffic Indication Message)ウィンドウとして定義されている。このATIMウィンドウの時間帯は、IBSSに属するすべての移動局は受信機を動作させており、この時間帯であれば、基本的にはスリープ・モードで動作している移動局も受信が可能である。
各移動局は、自局が誰か宛ての情報を有している場合には、このATIMウィンドウの時間帯において、上記の通信相手宛にATIMパケットを送信することにより、自局が送信情報を保持していることを受信側に通達する。ATIMパケットを受信した移動局は、ATIMパケットを送信した局からの受信が終了するまで、受信機を動作させておく。
図28に示す例では、STA1、STA2、STA3の3台の移動局がIBSS内に存在している場合を例示している。TBTTが到来すると、STA1、STA2、STA3の各移動局はランダム時間にわたりメディア状態を監視しながらバックオフのタイマーを動作させる。同図に示す例では、STA1のタイマーが最も早期に消滅し、STA1がビーコンを送信している。STA1がビーコンを送信したため、これを受信したSTA2並びSTA3はビーコンを送信しない。
また、図28に示す例では、STA1がSTA2宛の情報を保持しており、且つSTA2がSTA3への情報を保持している。このとき、STA1とSTA2は、ビーコンを送信/受信した後に、再度ランダム時間にわたり各々メディア状態を監視しながらバックオフのタイマーを動作させる。同図に示す例では、STA2のタイマーが先に消滅したため、まずSTA2からATIMメッセージがSTA3に宛てに送信される。STA3はATIMメッセージを受信すると、受信した旨をACK(Acknowledge)パケットを送信することによりSTA2にフィードバックする。
STA3からのACKが送信し終えると、STA1はさらにランダム時間にわたり各々メディア状態を監視しながらバックオフのタイマーを動作させる。タイマーが消滅すると、STA1はATIMパケットをSTA2に宛てて送信する。STA2はこれを受信した旨のACKパケットを返送することによりSTA1にフィードバックする。
このようなATIMパケットとACKパケットのやり取りがATIMウィンドウ内で行なわれると、その後の区間においても、STA3はSTA2からの情報を受信するために受信機を動作させ、同様に、STA2はSTA1からの情報を受信するために受信機を動作させる。
送信情報を保持しているSTA1並びSTA2は、ATIMウィンドウの終了とともに、ランダム時間にわたり各々メディア状態を監視しながらバックオフのタイマーを動作させる。図示の例では、STA2のタイマーが先に消滅したため、STA2からSTA3宛ての情報が先に伝送されている。この伝送終了の後、STA1は、再度ランダム時間にわたり各々メディア状態を監視しながらバックオフのタイマーを動作させ、タイマーが消滅したらSTA2宛のパケットを送信する。
上記の手順において、ATIMウィンドウ内でATIMパケットを受信しない通信局や、誰宛てにも情報を保持していない通信局は、次のTBTTまで送受信機の電源を落とし、消費電力を削減することが可能となる。
International Standard ISO/IEC 8802−11:1999(E) ANSI/IEEE Std 802.11, 1999 Edition, Part11:Wireless LAN Medium Access Control(MAC) and Physical Layer(PHY) Specifications ETSI Standard ETSI TS 101 761−1 V1.3.1 Broadband Radio Access Networks(BRAN); HIPERLAN Type 2; Data Link Control(DLC) Layer; Part1: Basic Data Transport Functions ETSI TS 101 761−2 V1.3.1 Broadband Radio Access Networks(BRAN); HIPERLAN Type 2; Data Link Control(DLC) Layer; Part2: Radio Link Control(RLC)sublayer Supplement to IEEE Standard for Information technology−Telecommunications and information exchange between systems−Local and metropolitan area networks−Specific requirements−Part 11: Wireless LAN Medium Access Control(MAC) and Physical Layer(PHY) specifications: High−speed Physical Layer in the 5GHZ Band C.K.Tho著"Ad Hoc Mobile Wireless Network"(Prentice Hall PTR社刊)
上述したように、制御局と被制御局の関係を有しないで各通信局が自律分散的にネットワーク動作を行なう無線通信システムでは、各通信局はチャネル上で周期的にビーコン情報を報知することにより、近隣(すなわち通信可能範囲内)の他の通信局に自己の存在を知らしめるとともに、ネットワーク構成を通知する。通信局は伝送フレーム周期の先頭でビーコンを送信するので、伝送フレーム周期はビーコン間隔によって定義される。また、各通信局は、伝送フレーム周期に相当する期間だけチャネル上をスキャン動作することにより、周辺局から送信されるビーコン信号を発見し、ビーコンに記載されている情報を解読することによりネットワーク構成を知る(又はネットワークに参入する)ことができる。
このような無線通信システムでは、各通信局において周辺局との時間の同期を確保しながら、上述のようなビーコン情報の報知やビーコン情報の管理などを周期的に行なう必要がある。また、通信局がフレーム周期内で帯域を予約する、あるいは優先利用期間を設定するなど時間同期をベースにしたアクセス方式においては、通信局同士で時間の同期を確保することは極めて重要な問題である。
従来の時間同期が必要となる無線通信システムの多くは、制御局の介在により、各通信局がそれぞれ制御局と時間の同期を確保し、同一ネットワークに存在する各通信局間の時間の同期を確保することが可能である。
これに対し、各通信局が自律分散的にネットワーク動作を行なう無線通信システムでは、制御局と被制御局の関係を有しないことから、従来のような時間同期を確保する方法は適用することができない。例えば、自律分散型の無線通信システムにおいて、マスタ及びスレーブとなる関係を通信局間で一時的に定義し、一時的に制御局となるような通信局を同一ネットワーク内において作ることで従来の方法を適用し時間同期を確保するという方法も考えられる。しかしながら、どのようにしてマスタとスレーブを決定するか、マスタがネットワークから消滅した場合にどのようにマスタを再設定するかなどの処理が複雑である。
また、アクセス・ポイントなどを経由して通信が行なわれるインフラストラクチャ通信と比較して、アドホック通信では各通信局の処理が大きいことから、処理がさらに増大することは好ましくない。このことから、自律分散型の通信システムでは、比較的単純な処理で各通信局間との時間同期が確保できる技術が必要である。
本発明は上述したような技術的課題を勘案したものであり、その主な目的は、制御局と被制御局の関係を有しないで各通信局が自律分散的にネットワーク動作を好適に行なうことができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明のさらなる目的は、自律的に動作する通信局が同期をとり合いながら干渉し合うことなく自律分散的な無線ネットワークを形成することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明のさらなる目的は、自律分散的な無線ネットワークにおいて、通信局が比較的単純で負荷の低い処理により他の通信局との間で時間同期をとることができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、制御局と被制御局の関係を有しないで各通信局の自律分散的な動作により構築される無線通信システムであって、
各通信局は、周辺局との時間同期状況を確認し、時間同期の修正が必要かどうかを判別し、時間同期の修正が必要な場合には、時間同期の修正処理を必ず実行するか又は所定の確率で修正処理を実行する、
ことを特徴とする無線通信システムである。時間同期の修正を行なう場合、通信局は、周辺局との同期タイミングの相違を示すパラメータの推定を行ない、該推定パラメータに基づいて時間同期の基準とする通信局を決定し、該基準となる通信局との時間同期を図る。
但し、ここで言う「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない。
但し、ここで言う「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない。
本発明に係る無線通信システムにおいては、コーディネータを特に配置しない。各通信局はビーコン情報を報知することにより、近隣(すなわち通信範囲内)の他の通信局に自己の存在を知らしめるとともに、ネットワーク構成を通知する。また、ある通信局の通信範囲に新規に参入する通信局は、ビーコン信号を受信することにより、通信範囲に突入したことを検知するとともに、ビーコンに記載されている情報を解読することによりネットワーク構成を知ることができる。
周辺に通信局がいない場合、通信局は適当なタイミングでビーコンを送信し始めることができる。以降、通信範囲内に新規に参入する通信局は、既存のビーコン配置と衝突しないように、自己のビーコン送信タイミングを設定する。このとき、各通信局は、例えば、ビーコン送信の直後に優先利用領域を獲得することから、既存の通信局が設定したビーコン間隔のほぼ真中のタイミングで新規参入局のビーコン送信タイミングを順次設定していくというアルゴリズムに従って、ビーコン配置が行なわれる。
ここで、無線通信システムでは、各通信局において周辺局との時間の同期を確保しながら、上述のようなビーコン情報の報知やビーコン情報の管理などを周期的に行なう必要がある。例えば、各通信局がフレーム周期内で帯域を予約する、あるいは優先利用期間を設定するなど時間同期をベースにしたアクセス方式においては、時間の同期確保は重要な問題である。
特定の制御局の管理下に置かれる無線通信システムでは、制御局の介在により、各通信局がそれぞれ制御局と時間の同期を確保し、同一ネットワークに存在する各通信局間の時間の同期を確保することが可能である。これに対し、制御局と被制御局の関係を有しない自律分散型の無線通信システムでは、制御局となる通信局が存在しないことから、このような時間同期を確保する方法は適用することができない、という問題がある。
そこで、本発明では、自律分散的に動作する各通信局が、周辺局との同期タイミングの相違を示すパラメータの推定を行ない、推定パラメータに基づいて時間同期の基準とする通信局を決定し、その基準となる通信局と時間同期を図ることにより、同一ネットワーク内に存在するすべての通信局間との時間同期の確保を実現するようにした。
すなわち、ビーコン信号などの各通信局間で周期的に交換されるパケットの受信時刻から自局の時間クロックのタイミングを基準として他局の時間スロットの先頭タイミングを推定する。そして、ある時間区間内において最も時間スロットの先頭タイミングが遅れている通信局に自局の時間スロットを合わせることにより、自律分散的に同一ネットワーク内の通信局間における時間同期を図る。
また、別のネットワークとの交錯や新規通信局の参入などによりビーコンの予定していた送信タイミングに狂いが生じた場合において、周辺局はそのビーコンの受信時刻から他局の時間スロットの先頭タイミングを推定するため、実際とは異なる時間スロット・タイミングを推定し、その結果、時間同期にズレが生じる恐れがある。
そこで、予定時刻に送出されたビーコンであるかどうかを通知するフラグをビーコン情報に追加しておくことようにしてもよい。このような場合、ビーコン受信局側では、フラグを参照することで、誤って推定された時間スロットに同期を合わせる頻度を減らし、信頼性の高いネットワーク内の時間同期を確保することができる。
また、周辺局と時間の同期がとれていない通信局において、予定時刻にビーコンが送信できない状況が続いた場合には、上述したような周辺局との周期タイミングの相違の推定に基づく時間同期確保方法では、自局及び周辺局のどちらにおいても時間スロットの修正が行なわれず、その結果、いつまでも時間同期がずれた状況が続くという可能性がある。
そこで、本発明では、自局において予定時刻にビーコンが送信できない状況が続いた場合であって、周辺局と時間同期にズレがあると検出された際には、自局の時間スロットの先頭タイミングがある時間区間内において周辺局に比べ最も遅れていたとしても、自局より他局に時間スロットのタイミングに合わせることで、時間同期ずれの状況が続くことを防ぐようにしてもよい。
また、上述したような時間同期の修正処理を適用した場合、複数の通信局間において、偶然に同一のタイミングで時間同期のずれを修正しようとすると、時間同期が収束しない可能性がある。それが、定常的なパターンで繰り返された場合には、いつまでも時間同期が収束しないという懸念がある。
そこで、本発明では、通信局は、時間同期にずれを検出した場合に、周辺局との時間同期の修正タイミングにある定常的なパターンが発生しないように確率的な処理を施すことにより、時間同期の修正が収束しない問題を回避するようにしてもよい。
また、消費電力の低減を目的として、周辺局とデータの送受信を行なっていない通信局において、ある一定区間のみデータの受信を行ない、それ以外の時間ではビーコンの送信のみを行なう間欠受信モードが多くの無線ネットワーク・システムで導入されている。しかしながら、上述したように、自局の時間スロット・タイミングの修正を確率的な処理で行なう場合、特に間欠受信する通信局においては次の時間同期処理までの間が間欠受信のために長時間になるため、時間同期の修正が行なわれるまでの時間が長時間化する恐れがある。
そこで、間欠受信する通信局を考慮した時間同期処理の方法として、確率α(0<α<1)で行なわれる自局の時間スロット・タイミングの修正において、間欠受信する通信局の方が通常の通信局よりも早期に時間同期処理が行なわれるように考慮する。さらに、時間同期ずれが検出されてから時間同期の修正が行なわれるまでの時間に閾値を設けることにより、特に間欠受信する通信局において問題となりうる時間同期ずれの検出から修正までの長時間化を防ぐようにしてもよい。
また、予定時刻以外のビーコンの送受信が継続している場合や、時間同期タイミングの誤差を推定し周辺局同士が互いに修正を続けている場合が発生したときには、いつまでも時間同期のずれが検出し続ける可能性が考えられる。また、周辺局との同期タイミングの相違を示すパラメータの推定に基づいて時間同期の基準とする通信局を決定して時間同期を図る場合、各通信局における同期タイミングの相違が基準局か否かを判断する値にちょうど一致するときには、いずれの通信局も時間同期の修正処理を実行しない可能性がある。
そこで、時間同期のずれが継続した場合、又は予定時刻以外のビーコンの送受信が継続した場合には、周辺局との同期タイミングの相違を示すパラメータの推定を行なった結果、周辺局との時間同期を図る必要がないと判断された場合であっても、時間同期の修正処理を所定の確率で実行するようにしてもよい。これによって、ネットワーク環境時や時間同期のずれが起こり続けるような定常的な時間同期の修正処理が発生時においても、時間同期の確保が可能となる。例えば、先に時間同期の修正処理が必要と判断された通信局が他方の通信局の時間スロットのタイミングに合わせて時間同期の修正を行なう。
また、本発明の第2の側面は、特定の制御局を配置しない無線通信環境下で動作するための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
周辺局との同期タイミングの相違を示すパラメータの推定を行なう推定ステップと、
該推定パラメータに基づいて時間同期の基準とする通信局を決定し、該基準となる通信局との時間同期を図る同期獲得ステップと、
を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
本発明の第2の側面に係るコンピュータ・プログラムは、コンピュータ・システム上で所定の処理を実現するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムを定義したものである。換言すれば、本発明の第2の側面に係るコンピュータ・プログラムをコンピュータ・システムにインストールすることによってコンピュータ・システム上では協働的作用が発揮され、無線通信装置として動作する。このような無線通信装置を複数起動して無線ネットワークを構築することによって、本発明の第1の側面に係る無線通信システムと同様の作用効果を得ることができる。
本発明によれば、特定の制御局を配置せずに各通信局が自律分散的にネットワーク動作を好適に行なうことができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
また、本発明によれば、自律的に動作する通信局が同期をとり合いながら干渉し合うことなく自律分散的な無線ネットワークを形成することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
本発明によれば、自律分散的に動作する各通信局が、周辺局との同期タイミングの相違を示すパラメータの推定を行ない、推定パラメータに基づいて時間同期の基準とする通信局を決定し、その基準となる通信局と時間同期を図ることにより、同一ネットワーク内に存在するすべての通信局間との時間同期の確保を実現することができる。
したがって、本発明によれば、アドホック・ネットワークにおいて時間同期をベースとしたアクセス方式を容易に採用することが可能となる。
また、本発明によれば、アクセス・ポイントや時間同期を管理する制御局などに依存した時間同期を必要とする無線通信システムとは異なり、アクセス・ポイントや制御局が消滅した際の処理を考慮したシステム設計を行なう必要がない。また、各通信局における同期処理の負荷を軽減することが可能であることから、同期処理に伴う消費電力の削減が可能である。
また、本発明によれば、複数のネットワークが交錯した場合においても、容易にネットワーク間での時間同期を確保することができることから、接続性に優れたアドホック・ネットワークの構築が可能となる。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
本発明において想定している通信の伝搬路は無線であり、複数の通信局間でネットワークを構築する。本発明で想定している通信は蓄積交換型のトラヒックであり、パケット単位で情報が転送される。また、以下の説明では、各通信局は単一のチャネルを想定しているが、複数の周波数チャネルすなわちマルチチャネルからなる伝送媒体を用いた場合に拡張することも可能である。
本発明に係る無線ネットワークでは、各通信局は、CSMA(Carrier Sense Multiple Access:キャリア検出多重接続)に基づくアクセス手順に従い直接(ランダム)に情報を伝送し、自律分散型の無線ネットワークを構築することができる。
また、本発明に係る無線ネットワークでは、緩やかな時分割多重アクセス構造を持った伝送(MAC)フレームによりチャネル・リソースを効果的に利用した伝送制御が行なわれる。この場合、各通信局は、帯域を予約する、あるいは優先利用期間を設定するなど時間同期をベースにしたアクセス方式を行なうことができる。
本発明の一実施形態では、例えば、IEEE802.11の拡張規格であるIEEE802.11aに通信環境を想定している。
このように制御局と被制御局の関係を有しない無線通信システムでは、各通信局はビーコン情報を報知することにより、近隣(すなわち通信範囲内)の他の通信局に自己の存在を知らしめるとともに、ネットワーク構成を通知する。また、ある通信局の通信範囲に新規に参入する通信局は、ビーコン信号を受信することにより、通信範囲に突入したことを検知するとともに、ビーコンに記載されている情報を解読することによりネットワーク構成を知ることができる。
以下に説明する各通信局での処理は、基本的にはネットワークに参入するすべての通信局で実行される処理である。但し、場合によっては、ネットワークを構成するすべての通信局が、以下に説明する処理を実行するとは限らない。
A.装置構成
図1には、本発明の一実施形態に係る無線ネットワークにおいて通信局として動作する無線通信装置の機能構成を模式的に示している。図示の無線通信装置100は、同じ無線システム内では効果的にチャネル・アクセスを行なうことにより、衝突を回避しながらネットワークを形成することができる。
図示の通り、無線通信装置100は、インターフェース101と、データ・バッファ102と、中央制御部103と、送信データ生成部104と、無線送信部106と、タイミング制御部107と、アンテナ109と、無線受信部110と、受信データ解析部112と、情報記憶部113とで構成される。
インターフェース101は、この無線通信装置100に接続される外部機器(例えば、パーソナル・コンピュータ(図示しない)など)との間で各種情報の交換を行なう。
データ・バッファ102は、インターフェース101経由で接続される機器から送られてきたデータや、無線伝送路経由で受信したデータをインターフェース101経由で送出する前に一時的に格納しておくために使用される。
中央制御部103は、無線通信装置100における一連の情報送信並びに受信処理の管理と伝送路のアクセス制御を一元的に行なう。基本的には、CSMA手順に基づき、伝送路の状態を監視しながらランダム時間にわたりバックオフのタイマーを動作させ、この間に送信信号が存在しない場合に送信権を獲得するというアクセス制御を行なう。
本実施形態では、中央制御部103は、ビーコン情報の報知やビーコン情報の管理などを周期的に行なうことにより、緩やかな時分割多重アクセス構造を持った伝送(MAC)フレームによりチャネル・リソースを効果的に利用した伝送制御を実現する。また、当該無線通信装置100が自律的な通信動作によりビーコンの衝突を回避するために、隣接局リスト(Neighboring List)に基づいてネットワークを管理する。また、中央制御部103は、スーパーフレーム内で帯域予約又は優先利用期間を設定するなど時間同期をベースにしたアクセス方式を実現するために、通信局間で時間の同期獲得の処理を行なう。この時間同期の獲得処理は、自局の時間クロックのタイミングを基準として各周辺局からのパケットの受信時刻から当該周辺局と時間スロットの先頭タイミングの推定し、この推定結果に基づいて時間同期の基準とする通信局を決定し、該基準となる通信局との時間同期を図ることにより行なわれる。時間の同期獲得に関しては、後に詳解する。
送信データ生成部104は、自局から周辺局宛てに送信されるパケット信号やビーコン信号を生成する。ここで言うパケットには、データ・パケットの他、受信先の通信局の送信要求パケットRTSや、RTSに対する確認応答パケットCTS、ACKパケットなどが挙げられる。例えばデータ・パケットは、データ・バッファ102に蓄積されている送信データを所定長だけ切り出し、これをペイロードとしてパケットが生成される。
無線送信部106は、送信信号をOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)など所定の変調方式で変調する変調器や、デジタル送信信号をアナログ信号に変換するD/A変換器、アナログ送信信号を周波数変換してアップコンバートするアップコンバータ、アップコンバートされた送信信号の電力を増幅するパワーアンプ(PA)など(いずれも図示しない)を含み、所定の伝送レートにてパケット信号の無線送信処理を行なう。
無線受信部110は、アンテナ109を介して他局から受信した信号を電圧増幅する低雑音アンプ(LNA)や、電圧増幅された受信信号を周波数変換によりダウンコンバートするダウンコンバータ、自動利得制御器(AGC)、アナログ受信信号をデジタル変換するA/D変換器、同期獲得のための同期処理、チャネル推定、OFDMなどの復調方式により復調処理する復調器など(いずれも図示しない)で構成される。
アンテナ109は、他の無線通信装置宛に信号を所定の周波数チャネル上で無線送信し、あるいは他の無線通信装置から送られる信号を収集する。本実施形態では、単一のアンテナを備え、送受信をともに並行しては行なえないものとする。
タイミング制御部107は、無線信号を送信並びに受信するためのタイミングの制御を行なう。例えば、自己のパケット送信タイミングやRTS/CTS方式に則った各パケット(RTS、CTS、データ、ACKなど)の送信タイミングの制御(直前のパケット受信から自局がパケットを送信するまでのフレーム間隔IFSや、競合伝送時におけるバックオフの設定など)、他局宛てのパケット受信時におけるNAVの設定、ビーコンの送受信などのタイミング制御を行なう。
受信データ解析部112は、他局から受信できたパケット信号(RTS、CTS信号の解析を含む)や、ビーコン信号を解析する。
情報記憶部113は、中央制御部103において実行される一連のアクセス制御動作などの実行手順命令プログラムや、受信したパケットやビーコンの解析結果から得られる情報などを蓄えておく。例えばビーコンを解析して得られる近隣装置の情報(NBOI(後述)や隣接局リスト)は、情報記憶部113に格納され、送受信動作タイミングなどの通信動作制御やビーコン生成処理において適宜利用される。
B.ビーコン情報の交換に基づく自律分散ネットワークの構築
本実施形態に係る自律分散型ネットワークでは、各通信局は、所定のチャネル上で所定の時間間隔でビーコン情報を報知することにより、近隣(すなわち通信範囲内)の他の通信局に自己の存在を知らしめるとともに、ネットワーク構成を通知する。ビーコンを送信する伝送フレーム周期のことを、本明細書では「スーパーフレーム(Super Frame)」と定義し、1スーパーフレームを例えば40ミリ秒とする。
新規に参入する通信局は、スキャン動作により周辺局からのビーコン信号を聞きながら、通信範囲に突入したことを検知するとともに、ビーコンに記載されている情報を解読することによりネットワーク構成を知ることができる。そして、ビーコンの受信タイミングと緩やかに同期しながら、周辺局からビーコンが送信されていないタイミングに自局のビーコン送信タイミングを設定する。
本実施形態に係る無線ネットワークでは、各通信局は、CSMAに基づくアクセス手順に従い直接(ランダム)に情報を伝送する一方、ビーコンを報知し合うことにより互いの時間同期を図り、緩やかな時分割多重アクセス構造を持った伝送(MAC)フレームによりチャネル・リソースを効果的に利用した伝送制御を行なう。この場合、各通信局は、帯域を予約する、あるいは優先利用期間を設定するなど時間同期をベースにしたアクセス方式を行なうことができる。
本実施形態に係る各通信局のビーコン送信手順について、図2を参照しながら説明する。
各通信局は、周辺で発信されるビーコンを聞きながら、ゆるやかに同期する。新規に通信局が現われた場合、新規通信局は既存の通信局のビーコン送信タイミングと衝突しないように、自分のビーコン送信タイミングを設定する。
また、周辺に通信局がいない場合、通信局01は適当なタイミングでビーコンを送信し始めることができる。ビーコンの送信間隔は40ミリ秒である。図2中の最上段に示す例では、B01が通信局01から送信されるビーコンを示している。
以降、通信範囲内に新規に参入する通信局は、既存のビーコン配置と衝突しないように、自己のビーコン送信タイミングを設定する。
例えば、図2中の最上段に示すように、通信局01のみが存在するチャネル上において、新たな通信局02が現われたとする。このとき、通信局02は、通信局01からのビーコンを受信することによりその存在とビーコン位置を認識し、図2の第2段目に示すように、通信局01のビーコンと衝突しないように自己のビーコン送信タイミングを設定して、ビーコンの送信を開始する。
さらに、新たな通信局03が現われたとする。このとき、通信局03は、通信局01並びに通信局02のそれぞれから送信されるビーコンの少なくとも一方を受信し、これら既存の通信局の存在を認識する。そして、図2の第3段に示すように、通信局01及び通信局02から送信されるビーコンと衝突しないタイミングで送信を開始する。
以下、同様のアルゴリズムに従って近隣で通信局が新規参入する度に、ビーコン間隔が狭まっていく。例えば、図2の最下段に示すように、次に現われる通信局04は、通信局01、通信局02及び通信局03それぞれが設定したビーコンの送信タイミングと重複しないように自己のビーコン送信タイミングを設定し、さらにその次に現われる通信局05は、通信局01、通信局02、通信局03及び通信局04それぞれが設定したビーコンの送信タイミングと重複しないようにビーコン送信タイミングを設定する。
但し、帯域(スーパーフレーム)内がビーコンで溢れないように、最小のビーコン間隔Bminを規定しておき、Bmin内に2以上のビーコン送信タイミングを配置することを許容しない。例えば、40ミリ秒のスーパーフレームでミニマムのビーコン間隔Bminを625ミリ秒に規定した場合、電波の届く範囲内では最大で64台の通信局までしか収容できないことになる。
スーパーフレーム内に新規のビーコンを配置する際、各通信局はビーコン送信の直後に優先利用領域(TPP)を獲得することから(後述)、1つのチャネル上では各通信局のビーコン送信タイミングは密集しているよりもスーパーフレーム周期内で均等に分散している方が伝送効率上より好ましい。しかし、ビーコンの送信タイミングを均等に分散させるために、例えば、自身が聞こえる範囲でビーコン間隔が最も長い時間帯のほぼ真中でビーコンの送信を開始させるように自己のビーコンの送信タイミングを決めた場合、周辺局も同様な方法でビーコンの送信タイミングを決定するため、周辺局から送信されるビーコンと自己のビーコンが衝突する頻度が増大する可能性がある。したがって、本実施形態では、自己のビーコン送信タイミングは、周辺局から送信されるビーコンと重複しないように適当に配置する。
図3には、スーパーフレーム内で配置可能なビーコン送信タイミング(TBTT)の構成例を示している。ビーコンを配置可能な位置のこと「スロット」とも呼ぶ。但し、同図に示す例では、40ミリ秒からなるスーパーフレームにおける時間の経過を、円環上で時針が右回りで運針する時計のように表している。
なお、図2並びに図3では明示されていないが、各々のビーコンは、各ビーコン送信時刻であるTBTT(Target Beacon Transmission Time)から故意に若干の時間オフセットを持った時刻で送信されている。これを「TBTTオフセット」と呼ぶ。本実施形態では、TBTTオフセット値は擬似乱数にて決定される。この擬似乱数は、一意に定められる擬似ランダム系列TOIS(TBTT Offset Indication Sequence)により決定され、TOISはスーパーフレーム毎に更新される。
TBTTオフセットを設けることにより、2台の通信局がスーパーフレーム上では同じスロットにビーコン送信タイミングを配置している場合であっても、実際のビーコン送信時刻がずらすことができ、あるスーパーフレームにはビーコンが衝突しても、別のスーパーフレームでは各通信局は互いのビーコンを聞き合う(あるいは、近隣の通信局は双方のビーコンを聞く)ことができる。通信局は、スーパーフレーム毎に設定するTOISをビーコン情報に含めて周辺局に報知する(後述)。
また、本実施形態では、各通信局は、データの送受信を行なっていない場合には、自局が送信するビーコンの前後は受信動作を行なうことが義務付けられる。また、データ送受信を行なわない場合であっても、数秒に一度は1スーパーフレームにわたり連続して受信機を動作させてスキャン動作を行ない、周辺ビーコンのプレゼンスに変化がないか、あるいは各周辺局のTBTTがずれていないかを確認することも義務付けられる。そして、TBTTにずれを確認した場合には、自局の認識するTBTT群を基準に−Bmin/2ミリ秒以内をTBTTと規定しているものを「進んでいる」、+Bmin/2ミリ秒以内をTBTTと規定しているものを「遅れている」ものと定義し、最も遅れているTBTTに合わせて時刻を修正する。なお、このような周辺局との時間スロット・タイミングの同期獲得方法の詳細については、後述に譲る。
図4には、本実施形態に係る自律分散型の無線通信システムにおいて送信されるビーコン・フレームのフォーマットの一例を示している。
図示の例では、ビーコンには、送信元局を一意に示すアドレスであるTA(Transmitter Address)フィールドと、当該ビーコンの種類を示すTypeフィールドと、周辺局から受信可能なビーコンの受信時刻情報であるNBOI/NBAI(Neighboring Beacon Offset Information/Neighboring Beacon Activity Information)フィールドと、当該ビーコンを送信したスーパーフレームにおけるTBTTオフセット値(前述)を示す情報であるTOIS(TBTT Offset Indication Sequence)フィールドと、TBTTの変更やその他各種の伝達すべき情報を格納するALERTフィールドと、当該通信局が優先的にリソースを確保している量を示すTxNumフィールドと、当該スーパーフレーム内で複数のビーコンを送信する場合に当該ビーコンに割り振られた排他的な一意のシリアル番号を示すSerialフィールドなどが含まれている。
Typeフィールドには、当該ビーコンの種類が8ビット長のビットマップ形式で記述される。本実施形態では、ビーコンが、各通信局が1スーパーフレーム毎のその先頭で1回だけ送信する「正規ビーコン」、あるいは優先的送信権を得るために送信されている「補助ビーコン」のいずれであるかを識別するための情報として、プライオリティを示す0から255までの値を用いて示される。具体的には、1スーパーフレーム毎に1回送信することが必須である正規ビーコンの場合は最大のプライオリティを示す255が割り当てられ、補助ビーコンに対してはトラフィックのプライオリティに相当する0から254までのいずれかの値が割り当てられる。
NBOIフィールドは、スーパーフレーム内において自局が受信可能な隣接局のビーコンの位置(受信時刻)を記述した情報である。本実施形態では、図3に示したように1スーパーフレーム内で最大64個のビーコンを配置なスロットが用意されていることから、受信できたビーコン・スロットの配置に関する情報を64ビット長のビットマップ形式で記述する。すなわち、自局の正規ビーコンの送信時刻TBTTをNBOIフィールドの先頭ビット(MSB)にマッピングするとともに、その他の各スロットを自局のTBTTを基準とした相対位置(オフセット)に対応するビット位置にそれぞれマッピングする。そして、自局の送信ビーコン並びに受信可能なビーコンの各スロットに割り当てられたビット位置に1を書き込み、それ以外のビット位置は0のままとする。
図5にはNBOIの記述例を示している。NBOIはスーパーフレーム内で配置可能なビーコン数に相当する64ビットで構成されるが、ここでは図面の簡素化のため、最大16局を収容可能な各スロットに通信局0〜FがそれぞれTBTTを設定しているものとする。同図に示す例では、通信局0が「1100,0000,0100,0000」のようなNBOIフィールドを作っている。これは、通信局0が、「通信局1並び通信局9からのビーコンが受信可能である」旨を伝えることになる。つまり、受信ビーコンの相対位置に対応するNBOIの各ビットに関し、ビーコンが受信可能である場合にはマーク、受信されてない場合にはスペースを割り当てる。また、MSBが1になっているのは自局がビーコンを送信しているためで、自局がビーコンを送信している時刻に相当する場所もマークする。
各通信局は、あるチャネル上でお互いのビーコン信号を受信すると、その中に含まれるNBOIの記述に基づいて、チャネル上でビーコンの衝突を回避しながら自己のビーコン送信タイミングを配置したり周辺局からのビーコン受信タイミングを検出したりすることができる。
また、NBAIフィールドは、NBOIフィールドと同様のフォーマットで、自局が実際に受信処理を行なっているビーコンを特定する情報が記載される。
TOISフィールドでは、上述のTBTTオフセットを決定する擬似ランダム系列が格納されており、当該ビーコンがどれだけのTBTTオフセットを以って送信されているかを示す。TBTTオフセットを設けることにより、2台の通信局がスーパーフレーム上では同じスロットにビーコン送信タイミングを配置している場合であっても、実際のビーコン送信時刻がずらすことができ、あるスーパーフレームにはビーコンが衝突しても、別のスーパーフレームでは各通信局は互いのビーコンを聞き合う(あるいは、近隣の通信局は双方のビーコンを聞く)ことができる。
図6には、TBTTと実際のビーコン送信時刻を示している。図示のように、TBTT、TBTT+20マイクロ秒、TBTT+40マイクロ秒、TBTT+60マイクロ秒、TBTT+80マイクロ秒、TBTT+100マイクロ秒、TBTT+120マイクロ秒のいずれかの時刻となるようTBTTオフセットを定義した場合、スーパーフレーム毎にどのTBTTオフセットで送信するかを決定し、TOISを更新する。また、送信局が意図した時刻に送信できない場合には、TOISにオールゼロなどを格納し、ビーコンを受信可能な周辺局に対し、今回のビーコン送信タイミングは意図した時刻に行なえなかった旨を伝達する。
ALERTフィールドには、異常状態において、周辺局に対して伝達すべき情報を格納する。例えば、ビーコンの衝突回避などのため自局の正規ビーコンのTBTTを変更する予定がある場合や、また周辺局に対し補助ビーコンの送信の停止を要求する場合には、その旨をALERTフィールドに記載する。
TxNumフィールドは、当該局がスーパーフレーム内で送信している補助ビーコンの個数が記載される。通信局はビーコン送信に続いてTPPすなわち優先送信権が与えられることから(後述)、スーパーフレーム内での補助ビーコン数は優先的にリソースを確保して送信を行なっている時間率に相当する。
Serialフィールドには、当該スーパーフレーム内で複数のビーコンを送信する場合に当該ビーコンに割り振られた排他的な一意のシリアル番号が書き込まれる。当該ビーコンのシリアル番号として、スーパーフレーム内に送信する各々のビーコンに排他的な一意の番号が記載される。本実施形態では、自局の正規ビーコンを基準に、何番目のTBTTで送信している補助ビーコンであるかの情報が記載される。
また、上記以外の情報を記載するためのETCフィールドが用意されている。
通信局は電源投入後、まずスキャン動作すなわちスーパーフレーム長以上にわたり連続して信号受信を試み、周辺局の送信するビーコンの存在確認を行なう。この過程で、周辺局からビーコンが受信されなかった場合には、通信局は適当なタイミングをTBTTとして設定する。
一方、周辺局から送信されるビーコンを受信した場合には、周辺局から受信した各ビーコンのNBOIフィールドを当該ビーコンの受信時刻に応じてシフトしながら論理和(OR)をとって参照することにより、最終的にマークされていないビット位置に相当するタイミングの中からビーコン送信タイミングを抽出する。
周辺局から受信したビーコンから得たNBOIのORをとった結果、スペースの部分からビーコン送信タイミングを定める。
但し、スペースのランレングスが最長となるTBTT間隔が最小のTBTT間隔よりも小さい場合(すなわちBmin以下の場合)には、新規通信局はこの系に参入することができない。
図7には、新規に参入した通信局が周辺局から受信したビーコンから得た各ビーコンのNBOIに基づいて自局のTBTTを設定する様子を示している。但し、NBOIは、スーパーフレーム内に配置可能なビーコン数に相当する64ビットで構成されるが、ここでは図面の簡素化のためNBOIが16ビットで構成される(すなわち、1スーパーフレームが16スロットで構成される)例を用いて説明する。
通信局は電源投入後、まずスキャン動作すなわちスーパーフレーム長以上にわたり連続して信号受信を試み、周辺局の送信するビーコンの存在確認を行なう。この過程で、周辺局からビーコンが受信されなかった場合には、通信局は適当なタイミングをTBTTとして設定する。一方、周辺局から送信されるビーコンを受信した場合には、周辺局から受信した各ビーコンのNBOIフィールドを当該ビーコンの受信時刻に応じてシフトしながら論理和(OR)をとって参照することにより、最終的にマークされていないビット位置に相当するタイミングの中からビーコン送信タイミングを抽出する。
図7に示す例では、新規に登場した通信局Aに着目し、通信局Aの周辺には通信局0、通信局1、通信局2が存在しているという通信環境を想定している。そして、通信局Aは、スキャン動作によりスーパーフレーム内にこの3つの局0〜2からのビーコンが受信できたとする。
NBOIフィールドは、周辺局のビーコン受信時刻を自局の正規ビーコンに対する相対位置に対応するビット位置にマッピングしたビットマップ形式で記述している(前述)。そこで、通信局Aでは、周辺局から受信できた3つのビーコンのNBOIフィールドを各ビーコンの受信時刻に応じてシフトして時間軸上でビットの対応位置を揃えた上で、各タイミングのNBOIビットのORをとって参照する。
周辺局のNBOIフィールドを統合して参照した結果、得られている系列が図9中“OR of NBOIs”で示されている「1101,0001,0100,1000」であり、1はスーパーフレーム内で既にTBTTが設定されているタイミングの相対位置を、0はTBTTが設定されていないタイミングの相対位置を示している。この系列において、スペース(ゼロ)の最長ランレングスは3であり、候補が2箇所存在していることになる。図7に示す例では通信局Aは、このうち15ビット目を自局の正規ビーコンのTBTTに定めている。
通信局Aは、15ビット目の時刻を自局の正規ビーコンのTBTT(すなわち自局のスーパーフレームの先頭)として設定し、ビーコンの送信を開始する。このとき、通信局Aが送信するNBOIフィールドは、ビーコン受信可能な通信局0〜2のビーコンの各受信時刻を、自局の正規ビーコンの送信時刻からの相対位置に相当するビット位置をマークしたビットマップ形式で記載したものである、図7中の“NBOI for TX (1 Beacon TX)”で示す通りとなる。
なお、通信局Aが帯域確保のために優先送信権を得るなどの目的で補助ビーコンを送信する際には、さらにこの後、周辺局のNBOIフィールドを統合した“OR of NBOIs”で示されている系列のスペース(ゼロ)の最長ランレングスを探し、探し当てたスペースの箇所に補助ビーコンの送信時刻を設定する。図7に示す例では、2つの補助ビーコンを送信する場合を想定しており,“OR of NBOIs”の6ビット目と11ビット目のスペースの時刻に補助ビーコンの送信タイミングを設定している。この場合、通信局Aが送信するNBOIフィールドは、自局の正規ビーコンと周辺局の受信ビーコンの相対位置に加え、さらに自局がビーコン送信を行なっている箇所(正規ビーコンに対する相対位置)にもマークされ、“NBOI for TX (3 Beacon TX)”で示されている通りとなる。
各通信局が上述したような処理手順で自局のビーコン送信タイミングTBTTを設定してビーコンの送信を行なう場合、各通信局が静止して電波の到来範囲が変動しないという条件下では、ビーコンの衝突を回避することができる。また、送信データの優先度に応じて(すなわち必要な帯域に応じて)、正規ビーコンの他に補助ビーコン(又は複数のビーコンに類する信号)をスーパーフレーム内で送信することにより、優先的にリソースを割り当て、QoS通信を提供することが可能である。また、周辺から受信したビーコン数(NBOIフィールド)を参照することにより、各通信局がシステムの飽和度を自律的に把握することができる。したがって、分散制御システムでありながら、通信局毎に系の飽和度を加味しつつ優先トラヒックの収容を行なうことが可能となる。さらに、各通信局が受信ビーコンのNBOIフィールドを参照することで、ビーコン送信時刻は衝突しないように配置されるので、複数の通信局が優先トラヒックを収容した場合であっても、衝突が多発するといった事態を避けることができる。
C.自律分散型ネットワークにおけるアクセス手順
通信局として動作する無線通信装置100は、特定の制御局を配置しない通信環境下で、緩やかな時分割多重アクセス構造を持った伝送(MAC)フレームにより伝送チャネルを効果的に利用した伝送制御、あるいはCSMA/CAに基づくランダム・アクセスなどの通信動作を行なう。
各通信局は、ビーコンを報知し合うことにより互いの時間同期を図り、緩やかな時分割多重アクセス構造を持った伝送(MAC)フレームによりチャネル・リソースを効果的に利用した伝送制御が行なわれる。この場合、各通信局は、帯域を予約する、あるいは優先利用期間を設定するなど時間同期をベースにしたアクセス方式を行なうことができる。
本実施形態では、各通信局はビーコンを一定間隔で送信しているが、ビーコンを送信した後しばらくの間は、該ビーコンを送信した局に送信の優先権を与えることで、信号の往来を自律分散的に管理し、通信帯域(QoS)を確保するようにしている。図8には、ビーコン送信局に優先権が与えられる様子を示している。本明細書では、この優先送信区間のことを「Transmission Prioritized Period(TPP)」と定義する。
図9には、ビーコン送信局に優先送信期間TPPを与える場合のスーパーフレーム(T_SF)の構成例を示している。同図に示すように、各通信局からのビーコンの送信に続いて、そのビーコンを送信した通信局のTPPが割り当てられるが、TPPに続く区間を「Fairly Access Period(FAP)」と定義され、すべての通信局において通常のCSMA/CA方式により通信が行なわれる。そして、次の通信局からのビーコン送信タイミングでFAPが終わり、以降は同様にビーコン送信局のTPPとFAPが続く。
各通信局は、基本的にはスーパーフレーム毎に1回のビーコンを送信するが、場合に応じて、複数個のビーコンあるいはビーコンに類する信号を送信することが許容され、ビーコンを送信する度にTPPを獲得することができる。言い換えれば、通信局は、スーパーフレーム毎に送信するビーコンの個数に応じて優先的な送信用のリソースを確保できることになる。ここで、通信局がスーパーフレームの先頭で必ず送信するビーコンのことを「正規ビーコン」、それ以外のタイミングでTPP獲得又はその他の目的で送信する2番目以降のビーコンのことを「補助ビーコン」と呼ぶ。
図10には、通信局がTPP区間及びFAP区間においてそれぞれ送信を開始するための動作を図解している。
TPP区間内では、通信局は、自局のビーコンを送信した後、より短いバケット間隔SIFSの後に送信を開始することができる。図示の例では、ビーコン送信局はSIFSの後にRTSパケットを送信する。そして、その後も、送信されるCTS、データ、ACKの各パケットも同様にSIFSのフレーム間スペースで送信することにより、近隣局に邪魔されず、一連の通信手順を実行することができる。
これに対し、FAP区間では、ビーコン送信局は、他の周辺局と同様にLIFS+ランダム・バックオフだけ待機してから送信開始する。言い換えれば、すべての通信局にランダムなバックオフにより送信権が均等に与えられることになる。図示の例では、他局のビーコンが送信された後、まずLIFSだけメディア状態を監視し、この間にメディアがクリアすなわち送信信号が存在しなければ、さらにランダム・バックオフを行ない、この間にも送信信号が存在しない場合に、RTSパケットを送信する。なお、RTS信号に起因して送信されるCTS、データ、ACKなどの一連のパケットはSIFSのフレーム間スペースで送信することにより、近隣局に邪魔されず、一連の通信手順を実行することができる。
上述した信号の往来管理方法によれば、優先度の高い通信局がより短いフレーム間スペースを設定することで優先的に送信権を獲得することができる。
但し、優先送信期間TPPは、最小ビーコン間隔以下の一定期間に固定され、その後はFAPというすべての通信局が共通のIFSとランダム・バックオフで均等な条件で通信権を得る期間へと移行する。このため、通信局が、上位レイヤからの要求により、スーパーフレーム毎に1回のビーコン送信で得られる優先送信期間TPPを超えた通信帯域が必要となった場合には、例えば正規ビーコン以外に補助ビーコンを送信し、さらにTPPの獲得を行なうことができるようになっている。
図11には、通信局が補助ビーコンという仮想的なビーコンを複数送信して、この優先利用期間を増やす様子を示している。図示の例では、通信局#1は、上位レイヤから要求された通信帯域を確保するために、スーパーフレーム内で開いているビーコン・スロットを発見し、自局の補助ビーコンを配置することにより、1スーパーフレームで複数のTPPを得ている。NBOI情報の交換により自律分散的にスーパーフレームを構築するシステムにおいては、隠れ端末問題も考慮して空きビーコン・スロットを探索することができるので、補助ビーコンを利用した帯域の獲得方法は簡易である。
図12には、本実施形態において、通信局として動作する無線通信装置の状態遷移図を示している。図示の例では、自局が優先送信権を獲得しているTPP期間に相当する「優先送信モード」と、すべての通信局が優先送信権を得ていないFAP期間に相当する「通常送信モード」という2つの状態が定義されている。
通信局は、通常動作モード下では、LIFS+ランダム・バックオフだけ待機してから送信開始する。
ここで、自局のビーコン送信タイミングTBTTが到来し、ビーコンを送信した後、優先送信モードに遷移し、優先送信期間TPPを獲得する。
優先送信モード下では、SIFSのフレーム間スペースで送信することにより、近隣局に邪魔されず、送信権を獲得することができる。
通信局は、上位レイヤから要求される帯域量に相当する長さの優先送信期間TPPだけ優先送信モードを継続する。
そして、TPPが終了し、FAPへ移行したとき、あるいは他局のビーコンを受信したときには、優先送信モードから通常動作モードへ復帰する。
また、図13には、通信局として動作する無線通信装置の状態遷移図についての他の例を示している。図示の例では、自局が優先送信権を獲得しているTPP期間に相当する「優先送信モード」と、すべての通信局が優先送信権を得ていないFAP期間に相当する「通常送信モード」に加え、他局の優先送信期間TPPに相当する「優先送信モード」という状態が定義されている。
通信局は、通常動作モード下では、通常のフレーム間隔MIFSにランダム・バックオフを加えた期間だけ待機してから送信開始する。FAPの期間中はシステム内のすべての通信局は、MIFS+バックオフにて送信する
ここで、自局のビーコン送信タイミングTBTTが到来し、ビーコンを送信した後、優先送信モードに遷移し、優先送信期間TPPを獲得する。
優先送信モード下では、MIFSよりも短いフレーム間隔SIFSの待機時間だけで送信することにより、近隣局に邪魔されず、送信権を獲得することができる。通信局は、上位レイヤから要求される帯域量に相当する長さの優先送信期間TPPだけ優先送信モードを継続する。そして、TPPが終了し、FAPへ移行したときには、通常送信モードへ復帰する。
また、他局からのビーコンを受信し、当該他局の優先送信期間に突入したときには、非優先送信モードに遷移する。非優先送信モード下では、通常送信モード時のフレーム間隔MIFSよりもさらに長いフレーム間隔LIFSにランダム・バックオフを加えた期間だけ待機してから送信開始する。
そして、他局のTPPが終了し、FAPへ移行したときには、通常送信モードへ復帰する。
D.自律分散型ネットワークにおける時間同期の獲得
上述したように、制御局と被制御局の関係を有しない自律分散型の無線通信システムでは、各通信局はチャネル上で周期的にビーコン情報を報知することにより、近隣(すなわち通信可能範囲内)の他の通信局に自己の存在を知らしめるとともに、ネットワーク構成を通知する。通信局は伝送フレーム周期の先頭でビーコンを送信するので、伝送フレーム周期すなわちスーパーフレームはビーコン間隔によって定義される。また、各通信局は、スーパーフレームに相当する期間だけチャネル上をスキャン動作することにより、周辺局から送信されるビーコン信号を発見し、ビーコンに記載されている情報を解読することによりネットワーク構成を知る(又はネットワークに参入する)ことができる。
各通信局は、ビーコンを報知し合うことにより互いの時間同期を図り、緩やかな時分割多重アクセス構造を持った伝送(MAC)フレームによりチャネル・リソースを効果的に利用した伝送制御を行なう。この場合、各通信局は、帯域を予約する、あるいは優先利用期間を設定することができる。
このように時間同期をベースにしたアクセス方式を採用する自律分散型の無線通信システムでは、各通信局において周辺局との時間の同期を確保しながら、上述のようなビーコン情報の報知やビーコン情報の管理などを周期的に行なう必要がある。また、各通信局がフレーム周期内で優先利用期間TPPを設定するなど時間同期をベースにしたアクセス方式においては、通信局同士で時間の同期を確保することは極めて重要な問題である。
ここで、自律分散型ネットワークにおいて通信局間で時間同期を図るための、簡単に思いつく方法として、各通信局において時間同期を図る通信局を適当(ランダム)に選択する方法が挙げられる。図29に示す例では、各通信局において時間同期を図るために基準となる通信局がそれぞれ、通信局#1→通信局#6(基準とする通信局)、通信局#2→通信局#1、通信局#3→通信局#2、通信局#4→通信局#3、通信局#5→通信局#4、通信局#6→通信局#5となっている。このような場合、各通信局において時間同期を図るタイミングによっては、同図に示すように同一ネットワーク内の時間同期が収束しない可能性が考えられる。
また、別の方法として、アドホック・ネットワークにおいて時間同期の基準となる通信局を周辺局との情報交換(シグナリング)によって一意に決定した後、各通信局が自律分散的にその決定した基準となる通信局と時間同期を確保する方法が考えられる。具体的な方法としては、シグナリングにより同一ネットワーク内において各通信局においてそれぞれマスタ及びスレーブとなる関係を通信局間で一時的に定義し、一時的に制御局となるような通信局を同一ネットワーク内において作ることで従来の方法を適用し時間同期を確保するという方法である。
しかしながら、自律分散型のネットワーク環境の場合、ある特定の通信局間で通信を行なう場合、通信相手となる一方の通信局からは聞くことができるが他方の通信局からは聞くことができない通信局が存在するという隠れ端末問題(前述)がある。このような場合、以下に示すような局面において、マスタとスレーブの決定の困難さや制御処理の複雑さが存在するとともに、また頻繁に発生する情報交換に伴うオーバーヘッドの増大が懸念される。
(1)ネットワーク・トポロジの変化に伴うマスタとスレーブの切り替え
(2)マスタがネットワークから消滅した場合のマスタの再設定
(3)通信範囲が限定されることにより同一ネットワークに複数のマスタによる管理
そこで、本発明者らは、各通信局が自律的に周辺局との時間同期状況を確認し、時間同期の状況に応じた同期獲得方法を提案する。通信局は、スーパーフレーム毎に時間同期の状況を確認し、時間同期の修正が必要であると判別した場合には、自局は時間同期の修正処理を行なわない(周辺局が修正処理を行なう)、時間同期の修正処理を必ず実行する、又は所定の確率で修正処理を実行する、のうちいずれかの方法を決定する(図30を参照のこと)。そして、この3つの処理を巧みに使い分けることにより、自律分散型の無線ネットワークで想定されるさまざまな状況下において周辺局との時間同期をとることが可能となる。
時間同期の修正処理を行なう場合、通信局が自律分散的に周辺局との同期タイミングの相違を示すパラメータの推定を行なう。そして、推定パラメータに基づいて時間同期の基準とする通信局を決定し、その基準となる通信局と時間同期を図ることにより、同一ネットワーク内に存在する通信局間との時間同期を確保する。以下で説明する時間同期の動作の流れは、以下に示す2つの手順に大別される。
(1)周辺局との同期タイミングの相違を示すパラメータの推定
(2)推定パラメータに基づく時間同期の基準とする通信局の決定
以下では、1つの実施形態として、伝送フレーム周期で送信されるビーコンを利用することで、周辺局のスーパーフレームの先頭タイミングを推定し、周辺局の時間スロットのタイミングを推定することにより自局の時間スロットのタイミングと比較して時間のずれを修正する方法について、各手順に沿いながら説明する。
D−1.周辺局との同期タイミングの相違を示すパラメータの推定
図14には、各通信局のビーコン送信手順について図解している。各通信局は、周辺で発信されるビーコンを聞きながら、緩やかに同期する。新規に通信局が現れた場合、新規通信局は既存の通信局のビーコン送信タイミング(スーパーフレームの先頭タイミングと等価)と衝突しないように、自己のビーコン送信タイミングを設定する。
ここで、周辺に通信局が存在しない場合、通信局#1は適当なタイミングでビーコンを送信し始めることができる。その後、通信局#1は、スーパーフレーム間隔でビーコンを送信する。以降、通信範囲内に新規に参入する通信局は、既存のビーコン配置と衝突しないように、自己のビーコン送信タイミングを決定する。
但し、最小のビーコン間隔Bminを規定しておき、そのBminを時間スロットの最小単位とする。そして、帯域(スーパーフレーム)内がビーコンで溢れないように、各スロットに2以上のビーコン送信タイミングの配置を許容しないように規定しておく。また、1スーパーフレーム内に存在する時間スロットの数は、1スーパーフレーム時間をBmin時間で割った値となり、この値が同一ネットワークに存在することが可能な通信局数の上限となる(前述)。
図15には、周辺局に関するスーパーフレームの先頭タイミングの推定方法を示している。同図では、通信局#2において通信局#1のスーパーフレームの先頭タイミングを推定する場合の具体例を挙げている。
具体例1として、通信局#1のビーコンがスーパーフレームの先頭で送信される場合、通信局#2において推定される通信局#1のスーパーフレームの先頭タイミングはビーコンの受信時刻となる。また、具体例2として、通信局#1のビーコンがスーパーフレームの先頭からオフセット時間ずれた時刻で送信される場合、通信局#2において推定される通信局#1のスーパーフレームの先頭タイミングはビーコンの受信時刻から通信局#1のオフセット時間を引いた時刻となる。
但し、通信局#2において、通信局#1のオフセット時間を事前に把握しておく必要がある。その実施例として、自局のオフセット時間TBTTに関する情報をビーコン情報として付加する方法が考えられる。図4に示した例では、TBTTオフセットに関する情報をビーコン・フレーム内のTOISフィールドに記載している(前述)。なお、実施方法は、周辺局に自局のオフセット時間を事前に把握させることができれば、その限りではない。例えば、シグナリングにより互いのオフセット時間を交換する方法を用いて実施することも可能である。
D−2.推定パラメータに基づく時間同期の基準とする通信局の決定
時間同期の基準とする通信局を決定して時間同期を確保する手順について、図16及び図17を参照しながら説明する。
上述したように、通信局は、周辺局からのビーコンを受信し、推定したスーパーフレームの先頭タイミングからBmin間隔を考慮して、周辺局の時間スロット・タイミングを推定することができる。図16及び図17に示す例では、通信局#2において、受信したビーコンのタイミングに基づいて通信局#1の時間スロット・タイミングを推定することができ、その推定結果と自局の現在の時間スロット・タイミングとを比較することにより、通信局#2において、通信局#1と比較してどの程度時間の同期ずれが生じているかが判る。そして、各通信局において自律分散的に、同期ずれの程度より時間同期の基準とする通信局を決定する。
図16及び図17に示す例では、時間同期の基準とする通信局は、周辺局の時間スロット・タイミングが自局の時間スロット・タイミングよりBmin/2以内に遅れている通信局としている。
図16に示す例では、通信局#1が時間同期の基準とする通信局となり、通信局#2は時間スロット・タイミングを通信局#1と一致するようにスーパーフレームの先頭タイミングの再設定を行なっている。
まず、通信局#2は、通信局#1のスーパーフレームの先頭(すなわち、通信局#1からのビーコンの受信タイミング)より、Bmin間隔の時間スロット・タイミングを推定する。次いで、通信局#1の時間スロット・タイミングが自局の時間スロット・タイミングよりBmin/2以内に遅れているので、自局の時間スロット・タイミングを通信局#1に合わせる。そして、通信局#2は、新しい時間スロット・タイミングを用いて、ビーコンの送信タイミング、すなわち自局のスーパーフレームの先頭を決定する。
一方、図17に示す例では、通信局#2にとって時間同期の基準とする通信局が存在しない(つまり、周辺局にとって自局が時間同期の基準となる通信局となる)ことになり、スーパーフレームの先頭タイミングの再設定は行なわない。このため、通信局#2がビーコンを送出した後、通信局#1が通信局#2との時間同期のずれを検出し、時間スロット・タイミングの修正を行なうことになる。
この場合、通信局#2は、通信局#1のスーパーフレームの先頭(すなわち、通信局#1からのビーコンの受信タイミング)より、Bmin間隔の時間スロット・タイミングを推定する。図示の例では、通信局#1の時間スロット・タイミングが自局の時間スロット・タイミングよりBmin/2を超えて遅れているので、自局の時間スロット・タイミングを設定し直さない。その後、通信局#1は、通信局#2からのビーコンを受信し、通信局#1のスーパーフレームの先頭より、Bmin間隔の時間スロット・タイミングを推定する。そして、通信局#2の時間スロット・タイミングが自局の時間スロット・タイミングよりBmin/2以内に遅れているので、自局の時間スロット・タイミングを通信局#2に合わせる。そして、通信局#1は、新しい時間スロット・タイミングを用いて、ビーコンの送信タイミング、すなわち自局のスーパーフレームの先頭を決定する。
図18には、通信局において、推定した周辺局の時間スロット・タイミングより基準とする通信局を決定するまでの処理手順をフローチャートの形式で示している。この動作は、実際には通信局として動作する無線通信装置100内で中央制御部103が所定の実行手順命令プログラムを実行するという形態で実現される。
当該処理手順において使用される各変数を初期化する(ステップS1)。すなわち、時間スロットの基準となる通信局を保持する変数BT、ビーコン送信元の通信局をインデックスiを用いて保持する配列方変数TX[i]、自局の時間スロットの先頭タイミングと比較して遅れている推定時間を保持する変数dtimeを定義する。
そして、受信したビーコンについての以下のチェックを、各周辺局TX[i]に対し順次行なう(ステップS2、S7)。
まず、自局の時間スロットの先頭タイミングと比較し、推定時間スロット・タイミングXがBmin/2以下の遅れであるかどうかをチェックする(ステップS3)。
推定時間スロット・タイミングXの遅れがBmin/2を超える場合には、ここでは何もしない。一方、推定時間スロット・タイミングXの遅れがBmin/2以下である場合には、続いて、時間スロットの基準となる通信局BTが決まっているかどうかをチェックする(ステップS4)。
基準となる通信局BTがまだ決まっていない場合には、当該周辺局TX[i]を時間スロットの基準となる通信局BTと暫定的に決定する(ステップS5)。また、基準となる通信局BTが決まっている場合には、さらに、その基準となる通信局BTと、当該周辺局TX[i]とで、自局の時間スロットの先頭タイミングからの遅れの大小を比較する(ステップS6)。そして、当該周辺局TX[i]の方が自局の時間スロットの先頭タイミングからの遅れが大きい場合には、当該周辺局TX[i]を時間スロットの基準となる通信局BTと暫定的に決定する(ステップS5)。
そして、すべての周辺局に対し、これらの処理を行なった後、決定されたものを時間スロットの基準となる通信局BTとして決定する(ステップS8)。
ここで、BTがNULL、すなわち、いずれの周辺局も時間スロットの基準となる通信局BTとして決定することができなかった場合には(ステップS9)、自局を基準の通信局BTとして決定する(ステップS10)。
図19には、時間同期の基準とする通信局が複数存在する場合についての時間同期を確保する手順を図解している。この場合、最も遅れている通信局に時間同期を合わせるように動作する。図示の例では、通信局#1と通信局#2は時間同期がとれているため、通信局#3と通信局1及び通信局#2との同期ずれの程度はほとんど同じであるが、通信局#3は、推定した同期ずれの時間からその時間がより大きい通信局に時間スロット・タイミングを合わせることになる。図19に示す例では、通信局#3が同期ずれを修正することにより、通信局#1、通信局#2及び通信局#3の間で時間同期が確保されることになる。
また、時間同期の基準とする通信局を決定するための別の方法として、新規参入時に限り既存のネットワークの同期関係を確保しながら参入するという方法がある。この場合、自局の時間スロット・タイミングよりBmin/2以内に遅れている通信局を時間同期の基準局とするという上述のルールを適用する場合であっても、新規参入時に限り、時間同期の基準が自局であったとしても、他局に時間同期させることにより、既存のネットワークの同期関係を確保しながら参入する。
つまり、図17に示した場面を想定する場合、通信局#1、通信局#2、通信局#3、…の順でネットワークに参入することから、通信局#2が通信局#1と時間スロット・タイミングを合わせた後、通信局#2はビーコンを送出することになるので、上記とは獲得された時間同期のスロット・タイミングが相違することになる。
また、図20には、新規参入局が既存のネットワークの同期関係を確保しながら参入するというルールを適用した場合における、新規参入時における時間同期を確保する動作例を図解している。同図では、通信局#1と通信局#2の間で既に時間同期が確保されている状態で、通信局#3が新規に参入するという場面を想定している。
通信局#1と通信局#2の間では、自局の時間スロット・タイミングよりBmin/2以内に遅れている通信局を時間同期の基準局とする、というルールに従って、両局間では時間スロット・タイミングが合わせられている。
ここで、通信局#3が新規に参入してきたとする。通信局#3にとっては、自局の時間スロット・タイミングよりBmin/2以内に遅れている通信局が存在しないので、通常であれば自局が基準局となる。ところが、新規参入局が既存のネットワークの同期関係を確保しながら参入するというルールを適用することにより、通信局#3は、通信局#1と通信局#2のうち最も遅れている時間スロット・タイミングに合わせることになる。図20に示した例では、通信局#1と通信局#2の間では既に時間同期が確保されているので、これらの時間スロット・タイミングに合わせることで、系内での時間同期が確保されたことになる。
また、図21には、新規参入局が既存のネットワークの同期関係を確保しながら参入するというルールを適用した場合における、新規参入時における時間同期を確保する他の動作例を図解している。図示の例では、既存の通信局#1と通信局#2の間でまだ時間同期が確保されていない状態で、通信局#3が新規に参入する、という場面を想定している。
まず、新規参入した通信局#3は、通信局#1と通信局#2のうち最も遅れている時間スロット・タイミングに合わせる。図示の例では、通信局#3は通信局#2の時間スロット・タイミングに合わせることになる。
次いで、通信局#2は、自局の時間スロット・タイミングよりBmin/2以内に遅れている通信局を時間同期の基準局とする、というルールに従って、通信局#1の時間スロット・タイミングに合わせる。
さらで、通信局#3は、今度は自局の時間スロット・タイミングよりBmin/2以内に遅れている通信局を時間同期の基準局とする、という通常のルールに従って、通信局#1(通信局#2)の時間スロット・タイミングに合わせる。この結果、系内のすべての通信局同士で時間同期が確保されたことになる。
このように既存のネットワークに存在する通信局が複数の場合には、新規参入局は、自局を除いて時間同期の基準となる通信局を決定した後、同様の方法により時間スロット・タイミングの修正を図ることができる。
図22には、別のネットワークが交錯した場合において、各通信局の間での時間同期を確保する様子を示している。同図では、通信局#1〜通信局#4からなるネットワーク#1と、通信局#5〜通信局#8からなるネットワーク#2の2つのネットワークがそれぞれ存在している場面を想定している。
これら各ネットワークは、初めは独立して存在している。その後、ネットワーク#2に存在している通信局#5が移動し、ネットワーク#1に存在している通信局#3と通信が可能な領域に達する。
この結果、通信局#3と通信局#5の間において時間の同期確保が行なわれることになる。ここでは、通信局#5が通信局#3の時間スロット・タイミングに自局の時間スロット・タイミングを合わせるものとする。
すると、通信局#5〜通信局#8からなるネットワーク#2において、通信局#5を基準として時間同期がなされ、最終的にはネットワーク#1とネットワーク#2との間の時間同期が確保される。
図34には、通信局が基準局との時間同期のずれを修正するための処理手順をフローチャートの形式で示している。但し、最も遅いビーコン送信タイミングを持つ通信局を基準局として扱うものとする。通信局は、基準局との時間同期のずれ量αを算出し(ステップS41)、自局のTBTTタイミングをαだけ遅らせる(ステップS42)。
D−3.推定誤差による時間同期ずれへの対応(1)
これまでの説明で、自局の時間スロット・タイミングよりBmin/2以内に遅れている通信局を時間同期の基準局とするというルール、さらには新規参入局が既存のネットワークの同期関係を確保しながら参入するというルールを適用することで、ネットワークを構成する通信局同士、あるいは交錯するネットワーク間の通信局同士で時間同期を確保することができることが理解できよう。
但し、これらは時間スロット・タイミングの推定に利用するパケット(本実施形態ではビーコン)の送信タイミングは、周辺局において既知であることを前提としている。つまり、ビーコンはスーパーフレームの先頭若しくはオフセット時間TBTTの後に送信されたものとして、周辺局のスーパーフレームの先頭及び時間スロット・タイミングの推定を行なっている。
しかしながら、現実のネットワークの運用上、他の通信局によってチャネルが使用されているなどの事象によって、ビーコン送信が送信元において予定しているタイミング以外で送信される可能性がある。この場合、上述した時間同期の獲得方法では推定誤差が生じるために時間同期ができない、という問題がある。
さらに、周辺局の時間スロット・タイミングの推定誤差のために、各通信局において時間同期の基準となる通信局が自局であると誤って判断してしまい、この結果、推定誤差が連続して生じる場合には周辺局との時間同期がいつまでも確立できないという事態を招来しかねない。
そこで、本発明者らは、予定しているビーコン送信タイミングに送信されたか否かを示す情報(ここでは、INVALID TOISと定義する)をビーコンに付加しておくことにより、上記のような問題を回避する方法を提案する。
図23には、INVALID TOISを用いた時間同期の確保方法を示している。但し、以下の説明では、INVALID TOIS=0の場合、受信したビーコンは予定している送信タイミングにおいて送信されたものとし、INVALID TOIS=1の場合、このビーコンを受信した周辺局側では、受信したビーコンは予定している送信タイミングにおいて送信されなかったものとする。
図示の例では、通信局#1において、ビーコンの送信が何らかの理由により予定していた送信タイミングと異なるタイミングにおいてビーコンの送信がなされた場面を想定している。
ここで、INVALID TOISを用いない場合(W/O INVALID TOIS)には、偶発的なビーコンの送信タイミングの狂いによってネットワーク全体の時間同期のタイミングに変化を及ぼしてしまう。
一方、INVALID TOISを用いた場合(W/ INVALID TOIS)には、このビーコンを受信した周辺局側では、受信したビーコンは予定している送信タイミングにおいて送信されなかったものとして扱う。この結果、偶発的なビーコンの送信タイミングの狂いによって生じた時間スロット・タイミングの誤差が時間同期に反映されないため、頻繁にビーコンの送信タイミングが狂うようなネットワーク環境においても、時間スロット・タイミングを頻繁に変化させなくて済む。
したがって、INVALID TOISを用いることにより、誤って推定された時間スロットに同期を合わせる頻度を減らし、時間同期に関して信頼性を有したアドホック・ネットワークの構築が可能となる。
D−4.推定誤差による時間同期ずれへの対応(2)
また、周辺局との時間スロット・タイミングの推定誤差により、各通信局において時間同期の基準となる通信局が自局であると誤って判断してしまい、その結果、推定誤差が連続して生じる場合には周辺局との時間同期がいつまでも確立できない可能性がある。
そこで、連続して予定している時刻にビーコンを送信できない通信局(つまり、INVALID TOIS=1が連続している通信局)では、周辺局との時間同期が確立されない状況が続いた場合、自局を除く時間同期の基準となる通信局を決定した後、時間スロット・タイミングの修正を図るようにする。これによって、連続して予定している時刻にビーコンを送信できない通信局が、いつまでも時間同期が確保できないという状況を回避することが可能となる。
D−5.時間同期の修正が収束しない問題への対応
上述したような通信局同士の時間同期の獲得方法における別の問題点として、時間同期の収束タイミングによってネットワーク内における時間同期の確立が収束しない場合がある。
図24には、周辺局との時間同期の修正タイミングにある定常的なパターンが発生するために時間同期の修正が収束しない様子を示している。図示のように、系内で、通信局#1→通信局#2、通信局#2→通信局#3、通信局#3→通信局#1という順で、時間同期の基準となる通信局が入れ替わるような場合、時間同期の修正タイミングによっては、基準局が順次入れ替わっていくだけで、時間同期の確立が収束しない可能性がある。
そこで、本発明者らは、上述した時間同期の獲得方法に加え、新たに時間同期の修正が必要だと判断した場合には、確率α(0<α<1)で自局の時間スロット・タイミングの修正を行なう方法を提案する。これにより、各通信局間において定常的な時間スロット・タイミングの修正が生じなくなることができる。これによって、図24に示すような時間同期が収束しないという事態を回避することができる。
図25には、周辺局との時間同期の修正タイミングにある定常的なパターンが発生しないように確率的な処理を施す同期獲得の処理手順をフローチャートの形式で示している。この動作は、実際には通信局として動作する無線通信装置100内で中央制御部103が所定の実行手順命令プログラムを実行するという形態で実現される。
ランダム処理が施される閾値X、すなわち何スーパーフレームだけ連続して時間同期のずれを検出したら以下の処理を起動すべきかを、決めておく(ステップS11)。
そして、Xスーパーフレームだけ連続して時間同期のずれを検出したら、確率α(0<α<1)によるランダム処理を適用する(ステップS13)。
この場合、当該通信局は時間の同期ずれが検出していると必ず時間同期ずれの修正を行なうのではなく、αの割合でしか時間同期ずれの修正処理を起動しない(ステップS14)。
例えば、数スーパーフレーム(図25中ではXスーパーフレーム)だけ連続して時間同期のずれを検出した場合において、時間同期の修正が必要と判断するが、その際、直ちに時間同期の修正を行なうのではなく、確率αによるランダム処理により時間同期処理をするかどうかを決定する。
D−6.間欠受信する通信局を考慮した同期処理
消費電力の低減を目的として、周辺局とデータの送受信を行なっていない通信局において、ある一定区間のみデータの受信を行ない、それ以外の時間ではビーコンの送信のみを行なう間欠受信モードが多くの無線ネットワークシステムで導入されている。
しかし、上述したように、自局の時間スロット・タイミングの修正を確率的な処理で行なう場合、特に間欠受信する通信局においては次の時間同期処理までの間が間欠受信のために長時間になるため、時間同期の修正が行なわれるまでの時間が長時間化する恐れがある。
そこで、間欠受信する通信局を考慮した時間同期処理の方法として、確率α(0<α<1)で行なわれる自局の時間スロット・タイミングの修正において、間欠受信する通信局の方が通常の通信局よりも早期に時間同期処理が行なわれるように考慮する。さらに、時間同期ずれが検出されてから時間同期の修正が行なわれるまでの時間に閾値を設けることにより、特に間欠受信する通信局において問題となりうる時間同期ずれの検出から修正までの長時間化を防ぐ。
図26には、間欠受信する通信局を考慮した同期処理の手順をフローチャートの形式で示している。この動作は、実際には通信局として動作する無線通信装置100内で中央制御部103が所定の実行手順命令プログラムを実行するという形態で実現される。
ここで、ランダム処理が施される第1の閾値X、並びにランダム処理が施される第2の閾値Yを設定しておく(ステップS21)。なお、図中において、パラメータX及びY(0<X<Y、X,Y:整数)は、同期時間ずれが検出されてからの時間をスーパーフレーム単位で表したものである。但し、この値に関しては秒やミリ秒などの時間により行なわれてもよい。
まず、自局が間欠受信しているかどうかの判断を行なう(ステップS22)。
自局が間欠受信していない場合は、あるスーパーフレーム時間(図中ではXスーパーフレーム)だけ連続して時間同期のずれを検出した場合において(ステップS23)、時間同期の修正が必要と判断し、ランダム処理を施すことになる。
ここで、間欠受信していない場合においても、ランダム処理により同期ずれの検出から修正までの長時間化を防ぐため、あるスーパーフレーム時間(図中ではYスーパーフレーム)だけ連続して時間同期のずれを検出したかどうかをさらに判断する(ステップS24)。
そして、Yスーパーフレームだけ連続して時間同期のずれを検出している場合には、ステップS25をスキップし、ランダム処理を行なわずに直ちに時間同期の修正を行なう(ステップS26)。
また、時間同期ずれをまだYスーパーフレームだけ連続して検出していない場合には、確率α(0<α<1)によるランダム処理を適用し(ステップS25)、時間同期ずれの修正処理を行なう(ステップS26)。
一方、自局が間欠受信をしている場合には、上述した通常動作時の場合とは異なり、直ちにランダム処理へと移行する。すなわち、あるスーパーフレーム時間(図中ではXスーパーフレーム)だけ連続して時間同期のずれを検出したかどうかをチェックする(ステップS27)。
時間同期ずれをまだXスーパーフレームだけ連続して検出していない場合には、確率α(0<α<1)によるランダム処理を適用し(ステップS28)、時間同期ずれの修正処理を行なう(ステップS29)。
また、Xスーパーフレームだけ連続して時間同期のずれを検出した場合には(ステップS27)、直ちに、時間同期の修正を行なうように処理する(ステップS29)。これによって、間欠受信している場合の方が通常の場合に比べて早期に時間同期の修正を行なうことが可能となり、特に間欠受信する通信局において問題となりうる時間同期ずれの検出から修正までの長時間化を防ぐことができる。
D−7.時間同期の修正処理の短縮化
この項では、時間同期の修正までに要する時間の短縮化に重点を置いた同期獲得方法について説明する。
上述した実施形態では、通信局は、周辺局との時間同期状況を確認し、時間同期のずれが検出された場合、自局の時間同期の修正が必要であれば直ちに確率による時間同期の修正を図る。
ところが、予定しているビーコン送信タイミングに送信されなかったビーコン(INVALID TOIS=1)のみを受信し続けている場合や、時間同期タイミングの推定誤差をしている場合、周辺局同士が互いに修正を続けている場合などの事態が発生した際には、いつまでも時間同期のずれが検出し続ける可能性が考えられる。
また、図31に示すように、時間同期のとれていない通信局それぞれのスーパーフレームの先頭タイミングが時間同期スロットのちょうど半分に位置する場合には、図18のS3の判定(前述)により、どちらの通信局も時間同期の修正処理が行なわれない可能性がある。
そこで、このような場合を想定して、数スーパーフレームに渡り連続して時間同期のずれが検出された、あるいは予定しているビーコン送信タイミングに送信されなかったビーコン(INVALID TOIS=1)のみを受信し続けている場合、自局からの時間同期の修正が必要であるかどうかに関わらず、確率による時間同期の修正処理を適用する。図32には、この場合の処理手順をフローチャートの形式で示している。
まず、変数Xにランダム処理が施される第1の閾値(スーパーフレーム)を代入するとともに、変数count_cont_detectionに同期ずれ又はINVALIDTOIS=1となるビーコンを受信した連続SF回数を代入する(ステップS31)。
ここで、周辺局との同期ずれを検出し、又はINVALID TOIS=1のビーコンを受信した場合には(ステップS32)、変数count_cont_detectionを1だけインクリメントする(ステップS33)。
そして、変数count_cont_detectionの値が第1の閾値Xを超えた場合(ステップS34)、あるいは第1の閾値Xを超えない場合であっても、自局が時間同期する必要がある場合には(ステップS35)、所定の確率α(但し、0<α<1)により通信局が実際に時間同期の修正処理を行なうかどうかを決定する(ステップS36)。
そして、時間同期のずれの修正処理を行なうと決定した場合には、当該処理を実行する(ステップS37)。修正処理については既に説明しているのでここでは省略する。
ここで、通信局間で時間同期の修正処理を行なうためには、時間同期の基準となる通信局を決定する必要がある。ところが、図31に示したように、自局からの時間同期の修正が必要でない場合における時間同期処理の場合、「0<時間スロットの先頭タイミング<TBTT/2」に該当する通信局がないため、上述した方法では時間同期の基準となる通信局を決めることができない。
そこで、その基準局の決定方法の一例として、最も遅れた通信局を基準局とする方法を適用する。それにより、図31に示した通信状況において、通信局#1が時間同期の修正処理を行なう場合、新たな基準局として通信局#2と決定することが可能となる。
また、周辺に複数の通信局が存在する場合においては、時間同期の修正処理を行なう通信局にとって最も遅れた通信局を基準局とするようにする。例えば、図33に示すように、周辺に複数の通信局が存在する場合においては、通信局#1が時間同期の修正処理を行なう場合、新たな基準局は通信局#3(最も遅れた通信局)となる。
図23に示した例では、推定誤差を極力減らすことを目的として、時間同期タイミングの推定には、予定したビーコン送信タイミングで送信されたビーコン(INVALID TOIS=0)を用いる。この場合、予定したビーコン送信タイミングでは送信されなかったビーコン(INVLALID TOIS=1)のみが受信される環境では、時間同期のずれが検出された際、自局から修正を行なう必要がないと判断され、周辺局との時間同期がいつまでもとれない可能性がある。これに対し、図32に示した処理手順に従えば、自局からINVALID TOIS=0のビーコンが送信できておれば、そのような状況においても周辺局が時間同期の修正処理を実行した該の同期がとれることが期待できる。
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
本明細書では、自律分散型の無線ネットワークにおいて、各通信局が所定のフレーム周期毎にビーコンを報知し合うような通信環境下において本発明を適用した場合を主な実施形態として説明してきたが、本発明の要旨はこれに限定されるものではない。例えば、通信範囲内で複数の通信局からビーコンが送信されるような他の形態の通信システムに対しても、本発明を同様に適用することができる。
また、ビーコンを報知し合う通信環境以外であっても、緩やかな時分割多重アクセス構造を持った伝送(MAC)フレームによりチャネル・リソースを効果的に利用した伝送制御を行なう通信システムや、時間同期をベースにしてアクセス制御を行なう自律分散型の通信システムに対し、本発明を同様に適用することができる。
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
図1は、本発明の一実施形態に係る無線ネットワークにおいて通信局として動作する無線通信装置の機能構成を模式的に示した図である。 図2は、自律分散型ネットワークにおいて各通信局のビーコン送受信手順を説明するための図である。 図3は、スーパーフレーム内で配置可能なビーコン送信タイミング(TBTT)の構成例を示した図である。 図4は、ビーコン・フレームのフォーマットの一例を示した図である。 図5は、NBOIの記述例を示した図である。 図6は、TBTTと実際のビーコン送信時刻の関係を示した図である。 図7は、新規に参入した通信局が周辺局から受信したビーコンから得た各ビーコンのNBOIに基づいて自局のTBTTを設定する様子を示した図である。 図8は、ビーコン送信局に優先権が与えられる様子を示した図である。 図9は、ビーコン送信局に優先送信期間TPPを与える場合のスーパーフレーム(T_SF)の構成例を示した図である。 図10は、通信局がTPP区間及びFAP区間においてそれぞれ送信を開始するための動作を説明するための図である。 図11は、通信局が補助ビーコンという仮想的なビーコンを複数送信して、優先利用期間を増やす様子を示した図である。 図12は、通信局として動作する無線通信装置の状態遷移図を示した図である。 図13は、通信局として動作する無線通信装置の状態遷移図を示した図である。 図14は、各通信局のビーコン送信手順について説明するための図である。 図15は、周辺局に関するスーパーフレームの先頭タイミングの推定方法を説明するための図である。 図16は、時間同期の基準とする通信局を決定して時間同期を確保する手順を説明するための図である。 図17は、時間同期の基準とする通信局を決定して時間同期を確保する手順を説明するための図である。 図18は、推定した周辺局の時間スロット・タイミングより基準とする通信局を決定するまでの処理手順を示したフローチャートである。 図19は、時間同期の基準とする通信局が複数存在する場合についての時間同期を確保する手順を説明するための図である。 図20は、新規参入時に限り既存のネットワークの同期関係を確保しながら参入するという時間同期の獲得方法を説明するための図である。 図21は、新規参入時に限り既存のネットワークの同期関係を確保しながら参入するという時間同期の獲得方法を説明するための図である。 図22は、別のネットワークが交錯した場合において、各通信局の間での時間同期を確保するための動作手順を説明するための図である。 図23は、INVALID TOISを用いた時間同期の確保方法を説明するための図である。 図24は、時間同期にずれが検出された場合に、周辺局との時間同期の修正タイミングにある定常的なパターンが発生しないように確率的な処理を施す手順を説明するための図である。 図25は、周辺局との時間同期の修正タイミングにある定常的なパターンが発生しないように確率的な処理を施す同期獲得の処理手順を示したフローチャートである。 図26は、間欠受信する通信局を考慮した同期処理の手順を示したフローチャートである。 図27は、アドホック・モード時のIEEE802.11の動作を説明するための図である。 図28は、IEEE802.11におけるネットワーキングで、アドホック・モード時のIBSSにおけるスリープ状態での動作を説明するための図である。 図29は、自律分散型ネットワークにおいて通信局間で時間同期を図るための1つの方法を説明するための図である。 図30は、通信局が周辺局との時間同期を獲得するための基本的な手順を示した図である。 図31は、時間同期がいつまでもとれないネットワーク環境の例を示した図である。 図32は、時間同期の修正までに要する時間の短縮化に重点を置いた同期獲得の手順を示したフローチャートである。 図33は、周辺に複数の通信局が存在するネットワーク環境の例を示した図である。 図34は、通信局が基準局との時間同期のずれを修正するための処理手順を示したフローチャートである。
符号の説明
100…無線通信装置
101…インターフェース
102…データ・バッファ
103…中央制御部
104…送信データ生成部
106…無線送信部
107…タイミング制御部
109…アンテナ
110…無線受信部
112…受信データ解析部
113…情報記憶部

Claims (3)

  1. 各通信局の自律分散的な動作により構築される無線通信システムであって、
    各通信局は、周辺局との時間同期状況を確認し、時間同期の修正が必要かどうかを判別し、時間同期の修正が必要な場合には、時間同期の修正処理を必ず実行するか又は所定の確率で修正処理を実行する、
    ことを特徴とする無線通信システム。
  2. 自律分散的な動作を行なう無線通信装置であって、
    無線データを送受信する通信手段と、
    前記通信手段による無線データの送受信動作を制御する通信制御手段と、
    周辺局との時間同期状況を確認する時間同期確認手段と、
    前記時間同期確認手段による確認結果に基づいて時間同期の修正が必要かどうかを判別し、時間同期の修正が必要な場合には、時間同期の修正処理を必ず実行するか又は所定の確率で修正処理を実行する同期獲得手段と、
    を具備することを特徴とする無線通信装置。
  3. 自律分散的に動作するための無線通信方法であって、
    周辺局との時間同期状況を確認する時間同期確認ステップと、
    前記時間同期確認ステップにおける確認結果に基づいて時間同期の修正が必要かどうかを判別し、時間同期の修正が必要な場合には、時間同期の修正処理を必ず実行するか又は所定の確率で修正処理を実行する同期獲得ステップと、
    を有することを特徴とする無線通信方法。
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