JP4317334B2 - 画像形成装置及び文書管理システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、記録媒体に対して画像形成を行う画像形成装置及びこの画像形成装置を含む文書管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子化された文書は、ディスプレイ上で表示されるため、閲覧のし易さに問題がある。またディスプレイ上で表示するのでは可搬性にも問題がある。そこで、文書を印刷して、その印刷物を閲覧し、あるいは、その印刷物を持ち運んで利用することが多い。一方、こうした印刷物に加筆することも多々あるが、電子的な元文書と加筆事項とは何らリンクされておらず、後で元文書を電子的に編集しなおす必要がある。そこで、印刷された文書に加筆すると電子的な元文書に自動的に反映されるシステム、端的にいえば、紙ベースのタブレットシステムを実現したい。このようなシステムのためには、まず、紙面上での先端部の座標を取得する必要がある。
【0003】
これに対して、特開平9−101864号公報では、全体が紙状で各種情報を書き換え自在に表示して維持する複数の情報表示記録媒体、複数の情報蓄積記録媒体、1個の情報記録装置を設けて、情報記録装置に手書き入力された情報は情報表示記録媒体の表示や情報蓄積記録媒体の記憶に利用され、情報記録装置により情報蓄積記録媒体から読み出された情報も情報表示記録媒体に表示される技術が開示されている。情報表示記録媒体は、表示した情報を維持し、その消去や修正も自在である。従って、紙を消費することなく書類の作成や蓄積を実現することができる。
【0004】
特開平61−296421号公報では、光学的に読取可能なコードシンボルを座標板上にマトリックス状に並べ、それを読むことによって座標情報を取得する技術が開示されている。特開平7−141104号公報にも、同様の技術内容が開示されている。
【0005】
一方、紙面にファイル情報(ファイル名など)をバーコードで印刷しておいて、タブレット上で加筆する際に紙面上のバーコードを読み取って、文書の編集を行う技術が、特開平7−244657号公報に開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
1.第1の課題
前記特開平9−101864号公報では、文字やイメージなどの各種情報を見うる状態で保存する手段として、伝統的な紙に記録する手段と、ディスプレイとメモリを有するコンピュータに記録する手段との一長一短を考慮して、両者の利点を併せた技術を提案している。つまり、記録媒体にはコンピュータで作成された、あるいは、手書き入力された情報が、何度も書き換えが可能で(つまり、紙のように消費をしない)、その情報はメモリヘ蓄積されたり、外部へ出力されたり、外部から入力されたり、コンピュータが処理することが可能なデジタル情報として処理ができる装置について開示している。
【0007】
ところが、ユーザビリティの観点からみると、すでに情報が書き込まれ、または印字されている複数枚の情報表示記録媒体をタブレットにのせて、その文書の上に加筆入力するようなものでは、情報表示記録媒体を持ち歩く場合でもタブレットを随時携帯する必要があり不便になる。
【0008】
また、個人のパーソナル的な使い方としては、伝統的な紙に筆記具で書く場合と同等な利便性と機能性の実現が必要となる。しかし、タブレットを用いる筆記作業は、紙に筆記具で書く場合とは異なった感触となり、ユーザにとって違和感のあるものとなる。
【0009】
これらの不具合は、前記特開昭61−296421号公報や、特開平7−141104号公報に開示の技術についても同様である。
【0010】
特開平7−244657号公報に開示の技術では、タブレット上で加筆する際に紙面上のバーコードを読み取って文書の編集を行うものであるが、編集の際に、紙面上のバーコードをいちいち読み込んでから行う必要があり面倒であるという不具合がある。
【0011】
これに対し、この出願の出願人が平成11年12月27日に特許出願をした特願平11−368805号においては、光学的に読取可能なコードシンボルを紙面上にマトリクス状に並べ、それを小型カメラを備えたペンで紙面への加筆と同時にカメラでコードシンボルを読み取って座標情報を同時に取得することにより、加筆情報をリアルタイムで読み取り、加筆前の紙面情報と関連付けるシステムに関する発明が記載されている。
【0012】
2.第2の課題
上記のように印刷された文書に加筆すると電子的な元文書に自動的に反映されるシステムにおいては、元の電子文書と印刷された文書の記録媒体との関連付けを行うことが必須であり、その関連付けは可能な限り人手を介さずに意識しないでできることが望ましい。
【0013】
3.第3の課題
紙に印刷された文書は複製されることがあるため、複製された文書を元の電子文書と関連付けしなければ、矛盾の無い文書管理が不可能となる。ところが、従来技術のように文書情報を埋め込んだコードシンボルを印刷した場合、それが破損、汚損された場合、それに埋め込まれた情報を取り出すことができなくなってしまい、文書の複写や管理などが不可能になってしまう。
【0014】
この発明の目的は、オフィスワークの中で、会議や文書チェック、創造的活動等の、データが印刷されている複数枚の記録媒体を使って作業または仕事をするような状況で、従来のようなタブレットを使用せずに、記録媒体の加筆前情報に対して加筆記入した情報をリアルタイムに関連付けることができる技術を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の画像形成装置の発明は、画像が形成される記録媒体であって、当該記録媒体には複数のコードシンボルが配列されるとともに、個々の前記コードシンボルには前記記録媒体上の座標情報及び前記記録媒体の同一性情報が含まれており、前記記録媒体に対して画像ソースに基づいて生成された画像データに従い画像形成動作を行う画像形成部と、前記記録媒体に配列された前記コードシンボルを光学的に読み取るコード読取部と、前記コード読取部によって読み取られたコードシンボルをデコードして前記同一性情報を獲得するデコード手段と、前記デコード手段によって獲得された前記同一性情報と前記画像ソースを特定する画像ソース特定情報とを対応付ける対応付け手段と、を具備する。
【0016】
ここで、「同一性情報」というのは、記録媒体の同一性を示す情報であり、この同一性情報は、例えば、世界に一つしかないような番号によって示される。また、「画像ソース」というのは、画像データの基礎になる画像ソースを意味し、例えば、文書データやイメージデータ等が画像ソースになり得る。そして、「画像ソース特定情報」というのは、画像ソースを特定する情報であり、例えば、パス名等が画像ソース特定情報になり得る。このような用語の定義は、この明細書の全体を通じて同様である。
【0017】
したがって、画像形成部によって記録媒体に画像形成動作を行うと、コード読取部及びデコード手段によって記録媒体の同一性情報が獲得され、これが対応付け手段によって画像ソース特定情報と対応付けられる。
【0018】
そこで、一例として、筆記具によって記録媒体に筆記動作を行うことで記録媒体に配列されたコードシンボルを読み取り、これをデコードすることで座標情報及び同一性情報を認識するようなシステム構築を行い、筆記具で記録媒体に筆記動作をした場合、デコードされた座標情報に基づいてその筆記軌跡を認識するような使い方を想定する。このような想定の元、筆記具で筆記動作を行う記録媒体については、その同一性情報と画像ソース特定情報とが対応付けられているため、筆記具での筆記軌跡を筆記軌跡と共に認識される同一性情報に対応付けられた画像ソースに加筆するという処理が実行可能となる。
【0019】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記対応付け手段によって対応付けられた前記同一性情報と前記画像ソース特定情報とを外部に出力する出力手段を具備する。
【0020】
したがって、対応付け手段によって対応付けられた同一性情報と画像ソース特定情報とを外部に出力することで、その対応付けられた情報を例えば外部機器において記憶部に記憶しておくことが可能となる。これにより、その記録媒体にはどのような画像ソース特定情報が対応するかをいつでも参照することが可能となる。
【0021】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の画像形成装置において、前記記録媒体について、前記コード読取部がその記録媒体に配列された前記同一性情報を読み取ることができない場合には、前記画像形成部による前記記録媒体に対する画像形成動作を禁止する禁止手段を具備する。
【0022】
これにより、記録媒体と画像ソース特定情報との対応付けを行うことができなくなるような事態が防止される。同時に、記録媒体が無駄に消費されることも防止される。
【0023】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の画像形成装置において、前記記録媒体について、前記コード読取部がその記録媒体に配列された前記同一性情報を読み取ることができない場合には、その旨を報知する報知手段を具備する。
【0024】
これにより、記録媒体と画像ソース特定情報との対応付けを行うことができないために画像形成動作が行われないということが操作者に示される。
【0025】
請求項5記載の文書管理システムの発明は、画像が形成される記録媒体であって、当該記録媒体には複数のコードシンボルが配列されるとともに、個々の前記コードシンボルには前記記録媒体上の座標情報及び前記記録媒体の同一性情報が含まれており、前記記録媒体に対して画像ソースに基づいて生成された画像データに従い画像形成動作を行う画像形成部と、前記記録媒体に配列された前記コードシンボルを光学的に読み取るコード読取部と、前記コード読取部によって読み取られたコードシンボルをデコードして前記同一性情報を獲得するデコード手段と、前記デコード手段によって獲得された前記同一性情報と前記画像ソースを特定する画像ソース特定情報とを対応付けて記憶部に記憶させる対応付け手段と、を具備する。
【0026】
したがって、画像形成部によって記録媒体に画像形成動作を行うと、コード読取部及びデコード手段によって記録媒体の同一性情報が獲得され、これが対応付け手段によって画像ソース特定情報と対応付けられる。このような文書管理の手法は、請求項6記載の発明によって意義深くなる。
【0027】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の文書管理システムにおいて、人が手に持っての筆記動作を許容する筆記具と、前記筆記具に設けられ、前記記録媒体上におけるその筆記具の筆記軌道上に出現するコードシンボルを光学的に読み取る第2のコード読取部と、この読み取ったコードシンボルをデコードして前記座標情報及び前記同一性情報を獲得する第2のデコード手段と、前記第2のコード手段によって獲得された前記座標情報に基づいて前記筆記具の筆記軌跡を認識する認識手段と、前記第2のコード手段によって獲得された前記同一性情報をキーとして前記記憶部からその同一性情報に対応する前記画像ソース特定情報を検索する検索手段と、前記検索手段によって検索された前記画像ソース特定情報によって特定される前記画像ソースに前記認識手段によって認識された前記筆記具の筆記軌跡を加筆する加筆手段と、を具備する。
【0028】
したがって、筆記具によって記録媒体に筆記動作を行うことで第2のコード読取部によって記録媒体に配列されたコードシンボルが読み取られ、第2のデコード手段によってそれがデコードされることで座標情報が認識される。そこで、筆記具で記録媒体に筆記動作をした場合、デコードされた座標情報に基づいてその筆記軌跡が認識される。そして、筆記具で筆記動作を行う記録媒体については、その同一性情報と画像ソース特定情報とが対応付けられているため、筆記具での筆記軌跡を筆記軌跡と共に認識される同一性情報に対応付けられた画像ソースに加筆するという処理が実行可能となる。
【0029】
請求項7記載の文書管理システムの発明は、画像が形成される記録媒体であって、当該記録媒体には複数のコードシンボルが配列されるとともに、個々の前記コードシンボルには前記記録媒体上の座標情報及び前記記録媒体の同一性情報が含まれており、前記記録媒体に対して画像ソースに基づいて生成された画像データに従い画像形成動作を行う画像形成部と、前記記録媒体に配列された前記コードシンボルを光学的に読み取るコード読取部と、前記コード読取部によって読み取られたコードシンボルをデコードして情報を獲得するデコード手段と、前記デコード手段が前記コード読取部によって読み取られたコードシンボルをデコードして獲得した情報をそのコードシンボルとは異なるコード体系に従う第2のコードシンボルに変換するエンコード手段と、を具備する。
【0030】
したがって、異なるコード体系に従う複数のコードシンボルの扱いが可能となる。そこで、請求項7〜11のいずれか一項に記載の文書管理システムに従属する請求項12記載の発明のように、前記画像形成部に、前記エンコード手段がエンコードした前記第2のコードシンボルに基づいて生成する画像データに従い画像形成動作を実行させるコードシンボル印字手段を設ければ、第2のコードシンボルが記録された記録媒体が得られる。
【0031】
ここで、前記デコード手段が前記コード読取部によって読み取られたコードシンボルをデコードして獲得する情報は、例えば座標情報(請求項10)や同一性情報(請求項11)である。
【0032】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の文書管理システムにおいて、前記コード読取部は前記第2のコードシンボルも読み取り、前記デコード手段は、前記コード読取部によって読み取られた前記第2のコードシンボルをデコードして情報を獲得する。
【0033】
したがって、例えば請求項12記載の発明によって生成された第2のコードシンボルが記録された記録媒体に対して、その第2のコードシンボルの読み取りと、第2のコードシンボルをデコードしての情報の獲得とが可能となる。
【0034】
請求項9記載の発明は、請求項7又は8記載の文書管理システムにおいて、前記コード読取部は、近赤外吸収色素を含む画像形成材料により形成された不可視のコードシンボルを読み取る。
【0035】
したがって、不可視である第2のコードシンボルがコード読取部によって読み取られる。不可視である第2のコードシンボルは、例えば、請求項13記載の文書管理システムによって得られる。
【0036】
請求項12記載の発明は、請求項7〜11のいずれか一項に記載の文書管理システムにおいて、前記画像形成部に、前記エンコード手段がエンコードした前記第2のコードシンボルに基づいて生成する画像データに従い画像形成動作を実行させるコードシンボル印字手段を具備する。
【0037】
したがって、第2のコードシンボルが記録された記録媒体が得られる。
【0038】
請求項13記載の発明は、請求項12記載の文書管理システムにおいて、前記画像形成部は、近赤外吸収色素を含む画像形成材料により形成された不可視の前記第2のコードシンボルを印字する。
【0039】
したがって、不可視である第2のコードシンボルが記録された記録媒体が得られる。
【0040】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態を図1ないし図7に基づいて説明する。
【0041】
図1は、本実施の形態で用いられる記録媒体の平面図である。記録媒体101には、人間が視覚的に読み取り可能な状態で文書を記録することができ、一般的には、紙、布、プラスチック等で構成され、シート状である。このような記録媒体101には、光学的に読み取り可能なコードシンボル102が予め記録されている。このコードシンボル102は、例えば、バーコードや2次元コード等によって表現されている。
【0042】
また、記録媒体101は、人の手による筆記動作、あるいは、プリンタや複写機による画像形成動作等によって情報を可視的に表示することを目的としている。このため、記録媒体101は、図2に基づいて後述する筆記具261を用いた筆記動作によって可視的な画像を形成したり、あるいは、図2及び図3に示すプリンタ221や図4に示す複写機241での画像形成動作によって可視的な画像を形成したりすることができるように形成されている。
【0043】
ここで、図1中は、コードシンボル102は、記録媒体101の左隅に4個だけ示されているが、実際には、記録媒体101には、多数のコードシンボル102がマトリクス状に配列されている。そして、図1では、コードシンボル102は記録媒体101の大きさに対して極めて大きく表現されているが、これは、説明の便宜のためであり、実際のコードシンボル102の大きさは極めて微細である。
【0044】
このようなコードシンボル102は、座標情報と同一性情報とを含んでいる。つまり、マトリクス状に配列されたコードシンボル102の個々には、記録媒体101におけるX−Y座標上のどの位置にそのコードシンボル102が位置しているかという情報が座標情報として含まれている。また、個々のコードシンボル102には、その記録媒体101の同一性を示す識別情報が同一性情報として含まれている。この同一性情報は、記録媒体101についての識別情報であるため、全てのコードシンボル102について同一の情報が含まれていることになる。
【0045】
図2は、本実施の形態の文書管理システムのシステム構成例を概略的に示すブロック図である。本実施の形態の文書管理システム201は、いくつかの情報処理装置211(211a、211b)、プリンタ221、スキャナ231及び複写機241等の周辺機器がネットワーク202を介して接続されたシステム構成となっている。
【0046】
ここで、情報処理装置211は、例えば、マイクロプロセッサとメモリとを用いて各種処理を実行する一般的なマイクロコンピュータである。一つの情報処理装置211aは、記録媒体101に対する筆記に適した構成を備えている後述する筆記具261から無線送信されたデータの入力を受付け、携帯情報端末281との間で無線によるデータの送受信が可能となっている。また、別の情報処理装置211bは、そのハードディスクドライブ(HDD)212に、各種の管理情報を保存記録する。各種の管理情報としては、例えば、プリンタ221や複写機241を用いて記録媒体101に情報を記録した場合、その情報のソースである画像ソースを特定する画像ソース特定情報とこの画像ソース特定情報に基づいて生成された画像データが記録された記録媒体101とを対応付ける対応付けファイル213が保存記録されている。
【0047】
筆記具261は、その先端部に筆記部262を備える。筆記部262としては、この筆記部262の筆記軌跡によって可視的な軌跡を残すことができる万年筆、サインペン、ボールペン又はシャープペンシルのような構造であっても、あるいは、単に記録媒体101等に接触するだけの構造であっても、いずれでも良い。記録媒体101等に対して、筆記具261によって実際の筆記、つまり、可視的な筆記軌跡を残すことが求められる場合には、筆記部262の筆記軌跡によって可視的な軌跡を残すことができるように構成すれば良い。
【0048】
このような筆記具261は、記録媒体101に対する筆記動作に伴いコードシンボル102を光学的に読み取ることができる第2のコード読取部263を備える。この第2のコード読取部263は、光電変換素子264と光学系265とを備え、光学系265を介してコードシンボル102からの反射光を光電変換素子264で受光し、この光電変換素子264からコードシンボル102の光反射率に応じた出力信号を出力することでコードシンボル102を光学的に読み取る構造である。
【0049】
筆記具261は、マイクロプロセッサとメモリとを具備する情報処理部266を内蔵する。この情報処理部266は、第2のコード読取部263が読み取ったコードシンボル102をデコードし、その反射率に基づくイメージデータをコード化されたコードデータに変換する。そのために、情報処理部266は、コードシンボル102の形状的特徴とコードとを対応付けたファイル構造を具備している。情報処理部266は、さらに、こうして獲得したコードデータを一方の情報処理装置211aに無線送信するための無線出力回路も備えている。
【0050】
ここで、コードシンボル102は、座標情報と同一性情報とを含んでいる。そこで、情報処理部266がデコードしたコードシンボル102からは同一性情報が獲得されることになる。この意味で、情報処理部266は、コードシンボル102をデコードして同一性情報を獲得する第2のデコード手段として機能することになる。
【0051】
なお、本実施の形態では、筆記具261の情報処理部266は、情報処理装置211aに対して、無線通信によってコードシンボル102のデコードデータを送信出力するように構成されている。これに対し、筆記具261の情報処理部266が情報処理装置211aに有線通信によってコードシンボル102のデコードデータを送信出力するように構成してもよい。この場合、情報処理部266には、例えばシリアルインターフェース等の通信インターフェースを具備させる必要がある。
【0052】
また、本実施例では、筆記具261の情報処理部266に第2のデコード手段の機能を持たせたが、実施に当たっては、情報処理装置211やプリンタ221、複写機241等にデコード手段の機能を持たせても良い。つまり、文書管理システム内のどこかでデコード手段の機能が発揮されれば良い。
【0053】
図3は、プリンタ221の概略構造を示す模式図である。このプリンタ221は、電子写真記録方式の画像形成装置であり、給紙部222に収納保持された記録媒体101を案内経路223を介して排紙部224に案内搬送し、その途中で画像形成部としての画像形成プロセス部225によって記録媒体101にトナー画像を形成し、このトナー画像を定着装置226によって加熱加圧定着する構造である。このような構造のプリンタ221は、ネットワーク202に接続するネットワークインターフェース227を備え、ネットワーク202を経由して情報処理装置211等から送信された画像データに従いマイクロプロセッサとメモリとを備えた情報処理部228が画像形成プロセス部225を駆動制御し、これによって記録媒体101にトナー画像を形成する。
【0054】
プリンタ221は、記録媒体101の案内経路223中に、記録媒体101に配列されたコードシンボル102を光学的に読み取るコード読取部229を備える。このコード読取部229は、構造的には前述した筆記具261に設けられた第2のコード読取部263と同様な構造を備えている。そして、プリンタ221に設けられた情報処理部228は、コード読取部229が読み取ったコードシンボル102をデコードし、その反射率に基づくイメージデータをコード化されたコードデータに変換する。そのために、情報処理部228は、コードシンボル102の形状的特徴とコードとを対応付けたファイル構造を具備している。
【0055】
ここで、前述した通り、コードシンボル102は、座標情報と同一性情報とを含んでいる。そこで、プリンタ221の情報処理部228がデコードしたコードシンボル102からは同一性情報が獲得されることになる。この意味で、情報処理部228は、コードシンボル102をデコードして同一性情報を獲得するデコード手段として機能することになる。
【0056】
なお、本実施の形態では、プリンタ221の情報処理部228にデコード手段の機能を持たせたが、実施に当たっては、情報処理装置211等にデコード手段の機能を持たせても良い。つまり、文書管理システム内のどこかでデコード手段の機能が発揮されれば良い。
【0057】
また、本実施の形態では、プリンタ221は電子写真方式のプリンタとして説明したが、実施に当たったは、その形式を問わず、例えば、熱転写方式のプリンタやインクジェットプリンタ等、各種形式のプリンタを用いることが可能である。
【0058】
図4は、複写機241の概略構造を示す模式図である。この複写機241は、デジタル複写機であり、スキャナ部251を備えている。そこで、スキャナ部251で読み取った画像データに従いマイクロプロセッサとメモリとを備えた情報処理部248が画像形成プロセス部245を駆動制御し、これによって記録媒体101にトナー画像を形成する。その他の点は、図3に基づいて説明したプリンタ221と同様である。
【0059】
つまり、複写機241のプリンタ部は、電子写真記録方式の画像形成装置であり、給紙部242に収納保持された記録媒体101を案内経路243を介して排紙部244に案内搬送し、その途中で画像形成部としての画像形成プロセス部245によって記録媒体101にトナー画像を形成し、このトナー画像を定着装置246によって加熱加圧定着する構造である。このような構造の複写機241は、ネットワーク202に接続するネットワークインターフェース247を備え、スキャナ部251で読み取った画像データのみならず、ネットワーク202を経由して情報処理装置211等から送信された画像データに従い情報処理部248が画像形成プロセス部245を駆動制御し、これによって記録媒体101にトナー画像を形成する。
【0060】
そして、複写機241は、記録媒体101の案内経路243中に、記録媒体101に配列されたコードシンボル102を光学的に読み取るコード読取部249を備える。このコード読取部249は、構造的には前述した筆記具261に設けられた第2のコード読取部263やプリンタ221に設けられたコード読取部229と同様な構造を備えている。そして、複写機241に設けられた情報処理部248は、コード読取部249が読み取ったコードシンボル102をデコードし、その反射率に基づくイメージデータをコード化されたコードデータに変換する。そのために、情報処理部248は、コードシンボル102の形状的特徴とコードとを対応付けたファイル構造を具備している。
【0061】
ここで、前述した通り、コードシンボル102は、座標情報と同一性情報とを含んでいる。そこで、複写機241の情報処理部248がデコードしたコードシンボル102からは同一性情報が獲得されることになる。この意味で、情報処理部248は、コードシンボル102をデコードして同一性情報を獲得するデコード手段として機能することになる。
【0062】
なお、本実施の形態では、複写機241の情報処理部248にデコード手段の機能を持たせたが、実施に当たっては、情報処理装置211等にデコード手段の機能を持たせても良い。つまり、文書管理システム内のどこかでデコード手段の機能が発揮されれば良い。
【0063】
図5は、プリンタ221及び複写機241に設けられたコード読取部229、249によるコードシンボル102の読み取り構造を示す模式図である。コード読取部229、249は、図示しない光電変換素子を内蔵し、記録媒体101の搬送によって記録媒体101を走査する。そして、記録媒体101を走査することによって読み取ったコードシンボル102に基づく出力信号を、制御回路255を介してコントローラである情報処理部228、248に送信出力する構造となっている。
【0064】
図6は、一方の情報処理装置211bのHDD212に保存記録された対応付けファイル213のデータ構造を示す模式図である。この対応付けファイル213は、プリンタ221や複写機241を用いて記録媒体101に情報を記録した場合、その情報のソースである画像ソースを特定する画像ソース特定情報とその画像ソースに基づいて生成された画像データが記録された記録媒体101とを対応付けて保存記録するファイル構造を備えている。
【0065】
より詳細には、プリンタ221や複写機241のコード読取部229、249が読み取った記録媒体101のコードシンボル102に含まれている同一性情報は、記録媒体101の識別情報として識別番号213aに記録されている。そして、対応付けファイル213のその他の部分には、それらのプリンタ221や複写機241がその記録媒体101に画像形成した画像データの基礎をなす画像ソースを特定するための画像ソース特定情報が記録されている。ここで、画像ソースというのは、例えば、プリンタ221がプリントアウトした画像データがワードプロセッサソフトや表計算ソフトによって作成されたファイルに基づく場合を想定すると、そのファイルが画像ソースということになる。そして、画像ソース特定情報は、その画像ソースを特定するためのパス名等である。例えば、図6に例示する対応付けファイル213の場合であれば、文書名213bにはその画像ソースの文書名が記録され、パス名213cにはその画像ソースにアクセスするためのパス名が記録され、これらの情報が記録媒体101を識別する識別情報213aに対応付けられている。その他、対応付けファイル213は、その画像ソースに関する作者213d、更新日時213e、ページ213f、総ページ数213g及び複写フラグ213hが記録され、これらの情報が記録媒体101を識別する識別情報213aに対応付けられている。
【0066】
このようなファイル構造を備えた対応付けファイル213は、HDD212を備えた情報処理装置211bに格納されている他、別の情報処理装置211aやプリンタ221、複写機241等に設けられていても良い。
【0067】
次に、文書管理システムの作用について説明する。本実施の形態の文書管理システムでは、まず、情報処理装置211がプリンタ221や複写機241に所定の画像ソースから生成された画像データに基づく画像形成命令を送信出力し、これに応じてプリンタ221や複写機241が受信した画像データに従い記録媒体101に画像形成を行う。この際、記録媒体101に配列されたコードシンボル102がコード読取部229、249によって読み取られ、これが情報処理部228、248でデコードされてその記録媒体101の同一性情報が得られる。そこで、プリンタ221や複写機241の情報処理部228、248は、画像形成命令に含まれている画像ソース特定情報と記録媒体101の同一性情報とを対応付け(対応付け手段)、こうして対応付けた情報をネットワーク202経由で対応ファイル213を備えた情報処理装置211bに送信出力するという処理を実行する(出力手段)。
【0068】
画像ソース特定情報と記録媒体101の同一性情報とを対応付けた情報を受信した情報処理装置211bは、そのHDD212に格納する対応ファイル213に、その情報を記録する。この場合、記録媒体101の同一性情報は対応付けファイル213の識別番号213aに記録され、その同一性情報と対応付けられた画像ソース特定情報には、文書名、パス名、作者名、ページ及び総ページ数の情報が含まれているため、それらの情報を対応付けファイル213の該当欄に記録する。また、対応付けファイル213中の対応する更新日時213eには、情報処理装置211bの計時機能を利用して得られた更新日時の情報が記録される。
【0069】
次いで、本実施の形態では、画像ソースに基づき生成された画像データが記録された記録媒体101に対して、筆記具261を用いて情報を加筆することができ、こうして情報を加筆した場合に、その画像ソースに対して加筆された情報をデータ上でも加筆することができる点に特徴を有する。
【0070】
つまり、画像形成済みの記録媒体101に対して筆記具261を用いて筆記動作を行うと、記録媒体101に配列されたコードシンボル102が筆記具261における第2のコード読取部263によって読み取られ、そのコードシンボル102のイメージデータが情報処理部266によってデコードされる。これにより、コードシンボル102に含まれている座標情報及び同一性情報が獲得される。そこで、筆記具261は、そのようなデコードされたデータを無線によって情報処理装置211aに送信出力する。情報処理装置211aは、受信したコードシンボル102に含まれている座標情報に基づいて筆記具261の筆記軌跡を認識し(認識手段)。また、情報処理装置211aは、受信したコードシンボル102に含まれている同一性情報に基づいて、別の情報処理装置211bのHDD212に格納された対応付けファイル213の識別情報213aの欄を検索し、画像ソース特定情報である対応するパス名213cを得る(検索手段)。そこで、情報処理装置211aは、このパス名213cに基づいて対応する画像ソースにアクセスし、その画像ソースを開く。この場合、画像ソースは、情報処理装置211aにおいてその画像ソースを作成したアプリケーションの起動によって開かれる。その後、情報処理装置211aは、開かれた画像ソースというデータに対して、認識手段によって認識された筆記具261の筆記軌跡をデータ上で加筆するという処理を実行する(加筆手段)。この場合、情報処理装置211aは、筆記軌跡のデータをイメージデータとして加筆しても良く、筆記軌跡が文字を表現する場合にはその筆記軌跡に基づいて文字情報を認識し、こうして認識した文字情報を加筆してもよい。そして、筆記軌跡のデータが加筆された後の画像ソースは、その画像ソースを格納している情報処理装置211a又は211bや図示しない情報処理装置の情報記憶領域において更新保存される。
【0071】
以上説明した処理により、本実施の形態では、画像ソースに基づき生成された画像データが記録された記録媒体101に対して、筆記具261を用いて情報を加筆することができ、こうして情報を加筆した場合に、その画像ソースに対して加筆された情報をデータ上でも加筆することができる。
【0072】
ここで、プリンタ221及び複写機241は、画像形成に際し、記録媒体101のコードシンボル102に含まれている同一性情報を得ることができない場合がある。このような事態は、典型的には、同一性情報を含んだコードシンボル102を含まない記録媒体が給紙部222、242にセットされているような場合に発生する。そこで、本実施の形態では、記録媒体101のコードシンボル102に含まれている同一性情報を得ることができない場合には、プリンタ221及び複写機241において、画像形成プロセス部225、245による画像形成動作が禁止され(禁止手段)、その旨が報知される(報知手段)。これにより、記録媒体101と画像ソース特定情報との対応付けを行うことができなくなるような事態の発生が防止され、同時に、記録媒体101が無駄に消費されることも防止される。そして、その旨の報知により、記録媒体101と画像ソース特定情報との対応付けを行うことができないために画像形成動作が行われないという画像形成動作が行われない原因が操作者に示され、例えば故障であるというような誤認識をユーザにもたらすことがない。
【0073】
さらに、本実施の形態の文書管理システムでは、画像ソースに基づく画像データに従い画像形成された記録媒体101を、複写機241で読み取って複写することができる。そして、この場合に重要なのは、複写機241は、コードシンボル102まで含めて複写できるという点である。図7は、こうして複写された画像ソースに基づく画像データに従い画像形成された記録媒体101の一例である。図7に示すように、複写機241の情報処理部248は、複写画像がコピーであることを示す「Copy」という表示や、画像ソースに基づく画像に対して「これはオリジナルの文書です。」という表示を複写画像に重畳させる処理を実行する。
【0074】
【実施例】
[発明の実施例1]
この発明の一実施例である情報処理システムを発明の実施例1として説明する。
【0075】
図8は、この情報処理システムで用いる記録媒体1の平面図である。記録媒体1には、人間が視覚的に読み取り可能な状態で文書を記録することができ、一般的には、紙、布、プラスチック等で構成され、シート状である。符号2は、記録媒体1に筆記等の手法によって記録することができる人間が読み取り可能な文書そのものであり、文字、図、表などである。符号3は、光学的に読み取り可能なコードシンボルであり、詳しくは後述するが、一般にはバーコード、2次元コード等である。
【0076】
文書2とコードシンボル3のインクの吸光波長または発光波長を互いに重ならないようにして、文書2を人間が視覚的に読み取り可能な波長域に、コードシンボル3を人間にとっては読み取り不可能であるが、光学的には読み取り可能な波長域で印刷した場合、文書2とコードシンボル3を重ねて印刷し、かつ、独立して読み取ることができる。人間に不可視のインクとしては、例えば、日立マクセル社製のステルスインクがあり、これには熱転写プリンタ用のシートも用意されている。これは人間にはほとんど見えず、赤外領域で光学的に読み取り可能である。一方、逆に赤外領域では、透明な黒色インクも市販されているので、これらのインクを用いて市販の熱転写方式プリンタを用いれば、人間にとって可視の文書2と不可視のコードシンボル3とをプリンタで印刷することが容易に可能となる(不可視のインク材料については詳細を後述する)。
【0077】
図8の例では、コードシンボル3はマトリクス状に並べられている。コードシンボル3には、記録媒体1のコードシンボル3が印刷されている面におけるコードシンボル3の座標を意味するマーク、及び、記録媒体1の同一性を示すマークがエンコードされている。例えば、座標を意味するマークという点に着目すると、図8の左上のコードシンボル3aは「0101」がエンコードされ、コードシンボル3bは「0102」、コードシンボル3cは「0103」、コードシンボル3dは「0201」とエンコードされている。あるいは他の例としてコードシンボル3aの部分が「aa」、コードシンボル3bの部分が「ab」、コードシンボル3cの部分が「ac」、コードシンボル3dの部分が「ba」とエンコードされていてもよい。このように複数のコードシンボル3が各々一意的に識別できるならば何でもよく、また配置にも特に制約はないが、図8のように、規則的にエンコードし、かつ、規則的にコードシンボル3を配置するのが望ましい。
【0078】
より具体的に例をあげると、紙面の左上を原点とし、右および下方向にx軸およびy軸をとる。ここで、x軸、y軸の、(10mm,10mm)の位置に「0101」のコードシンボル3の中心がくるように配置し、(10mm,20mm)の位置には「0102」のコードシンボル3、(20mm,10mm)の位置に「0201」のコードシンボル3を配置する。
【0079】
また、光学的に読み取り可能なコードシンボル3として、図8には、QRコードの例を示しているが、同様なコードシンボル3としては他にもいくつか周知であるものがあり、例えば、CodeOne,AztecCode,MaxiCode等を用いることができる。また1次元のバーコードや独自コードを用いてもよい。
【0080】
コードシンボル3は記録媒体1のなるべく広い範囲に記録することが望ましいが、必ずしも全面に記録する必要はない。
【0081】
図9は、この情報処理システムで用いる座標入力装置4の概略構成を示すブロック図である。図9に示すように、この座標入力装置4は、人が手に持っての筆記動作を許容する筆記具7を備えている。この筆記具7の先端部5には、必要であれば、現実の筆記具、すなわち、ボールペン、シャープペンシルの先端部部分等を取り付けて、現実に筆記可能としてもよい。筆記具7の側部などに設けられた画像読取装置6は、例えば、CCDなどの光電変換素子6aと、レンズなどからなる光学系6bとから構成されていて、記録媒体1上の画像を読み取る装置である。なお、画像読取装置6には、必要に応じて照明を設けることができる。
【0082】
筆記具7には、マイコン8が搭載されていて、このマイコン8には、画像読取装置6が接続されている。画像読取装置6で読み取った記録媒体1上の画像に基づいた各種処理がマイコン8でなされる。すなわち、読み取ったコードシンボル3をデコードし、読み取った画像上におけるコードシンボル3の位置、向き、歪み量を検出する(詳細は後述する)。これにより、デコード手段、歪み量等算出手段を実現している。また、マイコン8は筆記具7の外部のPCなどの情報処理装置9と接続可能であり、マイコン8内に蓄積したデータを情報処理装置9に出力可能である。なお、マイコン8を筆記具7に搭載するのに代えて、画像読取装置6をプリンタ10に接続された情報処理装置9と接続し、マイコン8で行う前記処理を情報処理装置9で実行するようにしてもよい。なお、図9では、画像読取装置6、マイコン8などに電力を供給する電源や、マイコン8と情報処理装置9とのインターフェースなどは図示を省略している。
【0083】
筆記具7には、先端部5の部分が筆記面に接触しているかどうかを検出する装置を設けるのが望ましい。すなわち、先端部5部分をペン軸に沿った方向に可動とし、先端部5が筆記面に接触することにより先端部5部分が移動し、それを機械的にまたは導電性の変化等により検出する技術は、既にタブレットのペン等に適用されている技術としては周知である。
【0084】
図10は、座標入力装置4で図8のような記録媒体1を読み取った画像例である。座標入力装置4による撮影範囲を、コードシンボル3の幅の少なくとも倍以上にしておけば、少なくとも1つのコードシンボル3は画像の読み取り範囲内に入る。ここで、例えば、図10の枠11内のコードシンボル3を読み取り、それに含まれている座標情報をマイコン8でデコードした結果が「0102」と得られれば、座標入力装置4は、少なくとも図10に示す四角の枠11の大きさの精度で記録媒体1上の座標位置を検出することができる(なお、かかる技術については、特開昭61−296421号公報も参照)。
【0085】
しかし、これでは解像度が数ミリ〜1cmと非常に小さく、実用上は問題がある。あるいは解像度を高くするためにコードシンボル3を小さくするためには、コードシンボル3を印刷するプリンタや画像読取装置6の精度を向上させる必要があり、かつ大量のコードシンボル3を用いるためには印刷のコストがかかり、現実的ではない。
【0086】
そこで本発明の実施例では、図10に示すような画像をマイコン8で処理して、この画像内のコードシンボル3の位置、向き、歪み量を検出する。すなわち、コードシンボル3内に座標情報のデータ領域のほか、位置、向き、歪み量を検出しやすいような特殊なパターン領域を設ければよい。例えば、図11は、QRコードであるが、3ヶ所ある特殊領域a,b,cをそれぞれ探し出し、それぞれの位置や互いの位置関係、サイズ比較等により、コードシンボル3全体の画像上における、位置、向き、歪み量が検出できる。
【0087】
ここで、説明の簡易化のため、画像上における中心点が先端部5の位置であり、かつ、紙面に対して垂直であると仮定して以下の説明を行う。図12に示す画像が得られたとすると、この画像で2次元コードをデコードすると、図12のコードシンボル3がデコードされ、例えば「0102」という座標情報が得られる。
【0088】
一方、説明のため、画像とコードシンボル3の位置関係を図示したものを図13に示す。この図13では、画像12の中心とコードシンボル3の中心が一致している(すなわち両中心間のオフセットが0である)例を示している。コードシンボル3の印刷位置は既知であるので、例えば座標情報が「0102」のコードシンボル3の中心が紙面の左上から(10mm,20mm)と得られる。一方、画像12の中心とコードシンボル3の中心が一致しているので、先端部5は紙面座標における(10mm,20mm)の位置にあると求めることができる。
【0089】
また、図14は、撮像された画像12の別の例である(図12の別の例)。図15は、図13に相当する別例である。この図14、図15に示す例では、コードシンボル3の位置は、撮影画像の中心にはなく、コードシンボル3の中心と撮影画像の中心とは、オフセット値d,eを持っている。撮影画像上のオフセット量、例えば画素数値は求めることができる。さらにコードシンボル3の実寸が既知であるので、オフセット値d,eの実寸を求めることができる。例えば、オフセット値が(2mm,5mm)と求まれば、先端部5の座標は(12mm,15mm)と求めることができる。
【0090】
図12、図14の例は、説明の簡易化のための理想的な画像であったが、一般的には、画像読取装置6で読み取られる画像は、コードシンボル3が傾いたり、歪んだりした画像となる。コードシンボル3を外枠でのみ図示した画像12が図16である。このとき、画像中におけるコードシンボル3の傾きαにより筆記具7の回転量が求まる。また、コードシンボル3の歪fにより、筆記具7の傾き量がわかる。さらに、先端部5の位置は画像12の中心とは限らないが、画像12と先端部5の位置関係は一定であるので、これも求めることができる。したがって、コードシンボル3をデコードしたデータと、コードシンボル3の位置、傾き、歪み量の各量の計算値より、先端部5の位置をより正確に求めることができ、これにより座標検出手段を実現することができる。
【0091】
このような座標入力装置4を用い、記録媒体1上での先端部5の位置の検出を連続的に行えば、記録媒体1上での先端部5の移動軌跡を求めることができる。また、前記のような先端部5が筆記面に接触しているかどうかを検出する装置を設ければ、筆記具7で記録媒体1上に筆記を行ったときの筆記軌跡を求めることができる。そのときの筆記軌跡のデータは、マイコン8の記憶装置に記憶させる。また、前記のようにマイコン8を設けない場合は、情報処理装置9の記憶装置に記憶する。
【0092】
さて、コードシンボル3は、前記のように、記録媒体1の同一性情報をエンコードしている。そこで、この記録媒体1にプリンタ10を用いて画像形成動作を実行する場合、そのプリンタ10が図2及び図3に基づいて説明したプリンタ221と同様の構成を備えるならば、画像形成動作に伴い記録媒体1に配列されたコードシンボル3に含まれている同一性情報が読み取られる。これにより、前述したように、画像ソースを特定する画像ソース特定情報と記録媒体1の同一性情報とが対応付けられて図6に例示するような対応付けファイル213に記録保存される。画像ソース特定情報は、例えば、
「c:\MyDocument\Patent.doc」
のようなファイル(画像ソース)に対するパス名である。
【0093】
そこで、そのような画像形成後の記録媒体1に対して筆記具7によって筆記動作を行うと、座標入力装置4には、座標情報と記録媒体1の同一性情報とが入力される。そこで、座標入力装置4におけるマイコン8や情報処理装置9は、入力された同一性情報をキーとして対応付けファイル213を検索し、その画像ソースのパス名213cを獲得する。これにより、情報処理装置9においては、例えば、
「c:\MyDocument\Patent.doc」「10,10」「10,11」「10,12.5」「11,14」…のように、画像ソース特定情報と座標情報とが得られる。
【0094】
さらに、記録媒体1に対する筆記を開始する前に、筆記具7で使用する筆記のインクの色情報を事前に検出するようにしてもよい。この場合、筆記を開始すると、検出している文書情報や座標情報に、その前に検出した色情報を添付することによって、実際に筆記した文字や図形などの形だけではなく、筆記に用いた色まで再現させることができる。
【0095】
例えば、今使用するインクの色が赤であるとする。筆記具7で使用するインクカートリッジを赤に替えたときに、赤インクであると座標入力装置4が検出することができるようにする。例えば、インクカートリッジには赤であるというマーク等が付けてあり、これを筆記具7に取り付けることで、筆記具7側に設けてある図示しないセンサで検出するようにすることができる。次に前記したように、座標入力装置4において、
「c:\MyDocument\Patent.doc」「10,10」「10,11」「10,12.5」「11,14」…のような画像ソース特定情報及び座標情報が取得されると、座標入力装置4では、このようなデータに色情報を付加したデータとする。つまり、
「red\c:\MyDocument\Patent.doc,10,10」
(または「c:\MyDocument\Patent.doc,red,10,10」)
「red\c:\MyDocument\Patent.doc,10,11」
「red\c:\MyDocument\Patent.doc,10,12.5」
「red\c:\MyDocument\Patent.doc,11,14」
というようなデータを生成する。
【0096】
以上のようにして得られた座標情報、文書情報、色情報は、マイコン8の記憶装置に格納され、マイコン8から情報処理装置9に転送される。あるいは、情報処理装置9において、以上のようにして得られた座標情報、文書情報、色情報を生成する。そして、情報処理装置9には、記録媒体1に対して形成した画像の元文書である画像ソースが予めハードディスクなどに記憶されている。そこで、情報処理装置9は、その画像ソースを開き、筆記具7により記録媒体1上で筆記した内容をあたかも加筆するかのように、画像ソースに前記の座標情報、文書情報、色情報を付加するように画像ソースを更新登録する。
【0097】
いずれにしても、本実施例では、元文書(画像ソース)を一意的に識別でき、かつ、筆記軌跡が求まるので、これらの情報を元文書(画像ソース)に自動的に付加するのは容易である。つまり、文書名やパス名等の画像ソース特定情報から電子的な元文書(画像ソース)を読み出し、その文書に座標情報による筆記軌跡、さらに色情報を付加すればよい。これにより、座標入力装置4より前記の座標情報、文書情報、色情報を得て、元文書(画像ソース)に付加するような電子文書編集のシステムは容易に構築することができるし、また周知のいわゆるワードプロセッサソフトを用いても、そのマクロ機能を用いれば容易に実現できる。
【0098】
なお、元文書(画像ソース)への筆記軌跡の加筆を行う前記の処理は、必ずしもリアルタイムに行う必要はなく、例えば、マイコン8内のメモリに一旦蓄え、後でマイコン8と情報処理装置9を接続し、元文書(画像ソース)への加筆を実行するようにしてもよい。このとき、いきなり元文書(画像ソース)への加筆を行うのではなく、情報処理装置9の操作者に確認を求めてから行うようにするのが望ましい。さらに、加筆を行う元文書(画像ソース)も情報処理装置9の操作者が情報処理装置9の操作により選択可能とするのが望ましく、この場合はコードシンボル3に元文書(画像ソース)を識別する同一性情報がない場合でも、適切な元文書(画像ソース)を選び出して加筆を行うことが可能である。
【0099】
次に、記録媒体1として、書換え可能な記録媒体1を用いる場合について、図17を参照して説明する。この記録媒体1は、支持体13を有しており、この支持体13上に、コードシンボル3が埋め込まれているコードシンボル層14、記録層15、中間層16、保護層17が順次積層されている。この支持体13は、熱伝導性が良好な白色の樹脂からなり、中間層16、保護層17は、透光性の良好な無色の樹脂からなる。
【0100】
また、図18に示すように、与えた熱を有効に利用するため、支持体13と記録層15との間に断熱性の下引き層18を設けることができる。下引き層18は、有機または無機の微小中空体粒子を、バインダ樹脂を用いて塗布することにより形成できる。筆記軌跡を示す座標情報や記録媒体1の同一性情報を示すコードシンボル3層は、下引き層18中に設けている。さらに、支持体13と記録層15の接着性の改善や、支持体13への記録層材料の浸透防止を目的としたアンダーコート層を設けることもできる。
【0101】
このコードシンボル3は前記したように不可視インクで形成されている(不可視の材料については詳細を後述)。ここで用いられているコードシンボル3については、座標情報の他に、文書のID用として多種多様にわたる文書を分類する必要がある場合は、前記したようなバーコードでは分類数が不足してしまうので、2次元コードを使用する。2次元へ拡大することにより、20桁程度のコードを生成することができるので、全世界で使用している記録媒体1の数に対して、絶対的な識別番号(例えば通し番号)を文書情報として付けることも可能となる。つまり一度作成した文書のIDが固定されて、世界に1つしかないIDの付いた文書、つまり、世界で1つしかない文書とすることができる。また、前記したような可視光以外の光を反射して使用者が見えにくくなる不可視材料を使用し、文書のIDが即座に判別しないようにしてセキュリティを高めるようにすることができる。
【0102】
この場合に、記録媒体1の作成時に絶対的な識別番号を同一性情報として付すので、実際に記録媒体1をプリンタで印刷する場合に、印刷したい文書2の文書データである画像ソースを識別する情報である識別情報(例えば、「c:\MyDocument\Patent.doc」)と、絶対的な識別番号である同一性情報との関連付けを行う必要がある。そうすれば、どの記録媒体1に何の文書2を印刷したかがわかり、本情報処理システムで編集した後、元文書(画像ソース)に加筆することが可能となる。つまり、「123456」という同一性情報がついた記録媒体1に対して、情報処理装置9に接続されたプリンタ10(図9参照)を用いて、「c:\MyDocument\Patent.doc」という識別情報を有する文書2を印刷し、その対応関係を図6に例示するような対応付けファイル213に記録保存しておけば、情報処理装置9において、自動的に、「123456」と「c:\MyDocument\Patent.doc」との対応付けを行うことが可能になる。これにより対応付け手段を実現している。したがって、印刷後の記録媒体1に座標入力装置4で筆記を行ったときは、画像読取装置6で読み取った同一性情報と情報処理装置9に記憶されている前記の関連付けがなされた情報とが対応付けファイル213において照合されて、記録媒体1に印刷された文書2の文書データ(画像ソース)が呼び出され、その文書データに画像読取装置6で読み取った座標情報や色情報が自動的に付加されるように、文書データは更新される。これにより加筆手段を実現している。
【0103】
次に、前記したように、座標入力装置4に赤インクを用いて、記録媒体1の番号である文書情報と、座標情報とが、「123456」「10,10」「10,11」「10,12.5」「11,14」…のように入力されると、座標入力装置4では、次のようなデータが作成される。つまり、色情報、文書情報、座標情報とからなる、
「red\123456,10,10」(または「123456,red,10,10」)
「red\123456,10,11」
「red\123456,10,12.5」
「red\123456,11,14」…
である。これらが情報処理装置9に転送されると、前記のように関連付けられた情報「123456」と「c:\MyDocument\Patent.doc」とにより元文書を指定して、元文書「c:\MyDocument\Patent.doc」上に赤色で加筆情報を上書きさせることができる。以上説明した処理は、情報処理装置9に接続されたプリンタ10自身で行ってもよいし、情報処理装置9で行わせてもよい。
【0104】
記録層15は、情報の可視的表示を可逆的に行うことができる可逆性記録層であり、感熱方式、磁気記録方式、フォトクロミック記録方式、エレクトロクロミック方式等が利用できる。特に、本発明の実施例においては、感熱記録方式、すなわち、熱エネルギーにより可逆的に光学特性が変化し、可視情報の記録および消去が可能である記録層15が望ましいものとして挙げられる。熱エネルギーによる書込みは、例えば熱昇華型のプリンタで印字することが容易である。
【0105】
この熱エネルギーにより可逆記録が行える材料としては、少なくとも、ロイコ染料と顕色剤を含む記録層、有機低分子化合物の粒子を含有する樹脂層、さらに、低分子または高分子液晶化合物を含む記録層から構成される可逆性記録層が望ましいものとして挙げられる。ロイコ染料と顕色剤を含む可逆性記録層は、例えば樹脂バインダ中にロイコ染料および顕色剤を分散させることにより形成することができる。ロイコ染料としては、例えばフタリド系化合物、アサフタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、ロイコオーラミン系化合物など公知の染料前駆体が挙げられる。具体的には、特開平5−124360号公報に記載の公知のロイコ染料が使用できる。顕色剤は、分子内にロイコ染料を発色させる顕色能を有する構造、例えばフェノール性水酸基、カルボン酸基、リン酸基等と、分子間の凝集力を制御する構造、例えば長鎖炭化水素基が連結した構造をもつ化合物である。連結部分にはヘテロ原子を含む2価の基を介していてもよく、また、長鎖炭化水素基中にもヘテロ原子を含む2価の基または芳香族炭化水素基が含まれていてもよい。具体的には、特開平5−124360号公報等に記載されている公知の顕色剤が使用できる。
【0106】
記録層15は、少なくともロイコ染料と顕色剤を含む樹脂層からなり、記録層を形成する樹脂としては、例えばポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、フッソ樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリスチレン、スチレン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体、マレイン酸系共重合体、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン、ゼラチン、カゼイン類等を挙げることができる。
【0107】
また記録層15の皮膜の強度を上げることを目的に、各種硬化剤、架橋剤を添加することもできる。このような硬化剤、架橋剤の例としてイソシアネート基をもつ化合物、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、エポキシ基をもつ化合物、グリオキザール、ジルコニウム化合物等を挙げることができる。さらに電子線硬化性あるいは紫外線硬化性バインダを用いて記録層を設けることもできる。かかるバインダとしてはエチレン性不飽和結合を有する化合物が挙げられる。
【0108】
これらの具体例としては、
1.脂肪族、脂環族、芳香族の多価アルコールおよびポリアルキレングリコールのポリ(メタ)アクリレート
2.脂肪族、脂環族、芳香族、芳香脂肪族の多価アルコールにポリアルキレンオキサイドを付加させた多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート
3.ポリエステルポリ(メタ)アクリレート
4.ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート
5.エポキシポリ(メタ)アクリレート
6.ポリアミドポリ(メタ)アクリレート
7.ポリ(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸エステル
8.(メタ)アクリロイル基を側鎖、または末端に有するビニル系またはジエン系化合物
9.単官能(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、(メタ)アクリロイル化合物
10.エチレン性不飽和結合を有するシアノ化合物
11.エチレン性不飽和結合を有するモノあるいはポリカルボン酸およびそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等
12.エチレン性不飽和(メタ)アクリルアミドまたはアルキル置換(メタ)アクリルアミドおよびその多量体
13.ビニルラクタムおよびポリビニルラクタム化合物
14.エチレン性不飽和結合を有するモノあるいはポリエーテルおよびそのエステル
15.エチレン性不飽和結合を有するアルコールのエステル
16.エチレン性不飽和結合を有するポリアルゴールおよびそのエステル
17.スチレン、ジビニルベンゼン等、1個以上のエチレン性不飽和結合を有する芳香族化合物
18.(メタ)アクリロイルオキシ基を側鎖、または末端に有するポリオルガノシロキサン系化合物
19.エチレン性不飽和結合を有するシリコーン化合物
20.前記1〜19記載の化合物の多量体あるいはオリゴエステル(メタ)アクリレート変成物
等が挙げられる。
【0109】
紫外線硬化性バインダを用いて記録層15を形成する場合には、光重合開始剤を混合して用いる。光重合開始剤としては、ジあるいはトリクロロアセトフェノンのようなアセトフェノン類、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル、ベンジルジメチルケタール、テトラメチルチウラムモノサルファイト、チオキサントン類、アゾ化合物、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、ビス(トリクロロメチル)トリアジン化合物等が挙げられる。
【0110】
これらのロイコ染料および顕色剤を用いた記録層15は、図19に示すプロセスで発色・消色する。初期の消色状態(A)を加熱すると、温度T1以上でロイコ染料と顕色剤が溶融混合して発色し(B)、この状態を急冷すると発色状態のまま固定される(C)。発色状態(C)を加熱していくと、発色温度T1より低い温度T2で消色し(D)、冷却すれば初期と同様の消色状態となる。また、記録層15が有機低分子化合物の粒子を含有する樹脂層は、温度に依存してその透明度が可逆的に変化する記録層であり、この記録層15の光散乱性が温度に依存して可逆的に変化する性質を利用し構成される。
【0111】
記録層15に用いられる樹脂は、有機低分子物質を均一に分散保持した層を形成すると共に、最大透明時の透明度に影響を与える材料である。このため樹脂母材は透明性がよく、機械的に安定で、かつ、成膜性のよい樹脂が望ましい。このような樹脂としては、ポリ塩化ビニル;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−アクリレート共重合体等の重化ビニル系共重合体;ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体等の塩化ビニリデン系共重合体;ポリエステル;ポリアミド;ポリアクリレートまたはポリメタクリレートあるいはアクリレート−メタクリレート共重合体;シリコーン樹脂等が挙げられる。これらは単独で或いは2種以上混合して使用される。
【0112】
記録層15に用いられる有機低分子化合物としては、一般に融点30〜200℃、好ましくは50〜150℃程度のものが使用される。このような有機低分子化合物としてはアルカノール;アルカンジオール;ハロゲンアルカノールまたはハロゲンアルカンジオール;アルキルアミン;アルカン;アルケン;アノレキン;ハロゲンアルカン;ハロゲンアルケン;ハロゲンアルキン;シクロアルカン;シクロアルケン;シクロアルキン;飽和または不飽和モノまたはジカルボン酸またはこれらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;飽和または不飽和ハロゲン脂肪酸またはこれらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;アリルカルボン酸またはそれらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;ハロゲンアリルカルボン酸またはそれらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;チオアルコール;チオカルボン酸またはそれらのエステル、アミンまたはアンモニウム塩;チオアルコールのカルボン酸エステル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上混合して使用される。これらの化合物の炭素数は、10〜60、好ましくは10〜38、特に10〜30がよい。エステル中のアルコール基部分は飽和していても飽和していなくてもよく、またハロゲン置換されていてもよい。
【0113】
いずれにしても、有機低分子化合物は分子中に酸素、窒素、硫黄およびハロゲンの少なくとも1種、例えば−OH、−COOH、―CONH、−COOR、−NH−、−NH、−S−、−S−S−、−O−、ハロゲン等を含む化合物であることが望ましい。さらに、透明化できる温度の巾を広げるには、上記の有機低分子化合物を適宜組合せるか、または、そうした有機低分子化合物と融点の異なる他の材料とを組合せればよい。これらは、例えば、特開昭63−39378号、特開昭63−130380号などの公報や、特願昭63−14754号、特願平1−140109号などの明細書で明らかにされているが、これらに限定されるものではない。
【0114】
これらの有機低分子と樹脂とからなる記録層15は、図20に示すプロセスで透明・白濁する。熱による透明度の変化を表わしている図20において、樹脂およびこの樹脂中に分散された有機低分子化合物を主成分とする可逆記録層は、例えばT0以下の常温では白濁不透明状態にある。これを温度T2に加熱すると透明になり、この状態で再びT0以下の常温に戻しても透明のままである。更にT3以上の温度に加熱すると、最大透明度と最大不透明度との中間の半透明状態になる。次に、この温度を下げて行くと、再び透明状態をとることなく最初の白濁不透明状態に戻る。なお、この不透明状態のものをT1〜T2間の温度に加熱した後、常温即ちT0以下の温度に冷却した場合には、透明と不透明との中間の状態をとることができる。また、前記常温で透明になったものも再びT3以上の温度に加熱した後常温に戻せば、再び白濁不透明状態に戻る。
【0115】
さらに、記録層15が低分子または高分子液晶を含む記録層に用いられる、高分子液晶としては、主鎖または側鎖にメソゲン(液晶性を示す分子)が結合された主鎖型および側鎖型分子液晶等が用いられる。高分子液晶は、通常、重合可能なメソゲン化合物(メソゲンモノマーと呼ぶ)を重合するか、あるいは水素化ポリシリコーン等の反応性ポリマーに付加反応可能なメソゲン化合物を付加させて製造することができる。このような技術は、
Makromo1.Chem.,179,p273(1978),Eur,Po1y.J.,18,p651(1982)
Mol.Cryst.Liq.Cryst.,169,p167(1989)
等に開示されている。本実施例に使用される高分子液晶も同様な方法で製造することができる。
【0116】
メソゲンモノマーおよび付加反応可能なメソゲン化合物としては、ビフェニル系、フェニルベンゾエート系、シクロヘキシルベンゼン系、アゾキシベンゼン系、アゾベンゼン系、アゾメチン系、フェニルピリミジン系、ジフェニルアセチレン系、ビフェニルベンゾエート系、シクロヘキシルビフェニル系、ターフェニル系等の剛直な分子(メソゲン)に、好ましくは所定の長さのアルキルスペーサを介して、アクリル酸エステル基、メタクリル酸エステル基またはビニル基が結合した種々の化合物等が代表的なものとしてあげられる。
【0117】
最後に不可視の材料について記述しておく。不可視の材料の中で光学的に検知できるものとしては、光を吸収し、その反射強度の差により検知できる材料、または、光の吸収により励起し、蛍光を発し、それを検知できる材料が用いられる。光を吸収しその反射強度の差により検知できる材料は、可視域での吸収は低く、それ以外の波長領域での吸収を有する材料を用いることができる。前記の座標情報、文書情報は、これらの材料で形成された吸収する部分と反射する部分から形成され、これらの吸収/反射による可視域外での光学濃度の差から情報を検知できる。また、これらは可視域の光学濃度の差が極めて小さいため、肉眼ではほとんど視認されない。照射光については、紫外光による記録媒体含有物の劣化等の配光性を考慮し、赤外光の照射により、光学的に認識できることが望ましい。
【0118】
有機系の赤外吸収材料としては、シアニン系色素、ナフトキノン系色素、フタロシアニン系色素、アントラキノン系色素、ジオール系色素、トリフェニルメタン系色素等が挙げられる。これらは可視域にも吸収があるため、赤味がかったクリーム色を呈している。これに対し、可視域では吸収を持たず、赤外域に吸収を有する無機系の材料がより望ましい。例えば、少なくとも、Nd,Yb,In,Sn,Znを含有した化合物を用いることができる。特に、これら金属およびこれらの酸化物、硫化物、ハロゲン化物などの化合物が望ましく、これら化合物は白色、または淡い青色であり、情報担体を不可視化するに適している。これら化合物の具体的な例として、酸化イッテルビウム、酸化錫、酸化亜鉛、硫化イッテルビウム、硫化亜鉛、塩化イッテルビウム、塩化インジウム、重化錫、塩化亜鉛、臭化イッテルビウム、臭化インジウム、インジウム−錫混合酸化物、またはインジウム−錫混合酸化物とアルミナ、硫酸バリウム、二酸化珪素、炭酸カルシウムから選ばれる1種との混合物等が挙げられる。
【0119】
また、Yb,In,Sn,Znを含み、これらと酸との塩も有効な赤外吸収材料である。これらの具体的な例として、硫酸イッテルビウム、硫酸亜鉛、硫酸インジウム、硝酸イッテルビウム、硝酸錫、過塩素酸イッテルビウム、炭酸イッテルビウム、炭酸亜鉛、炭酸インジウム、酢酸イッテルビウム、酢酸亜鉛、酢酸錫、ニコチン酸イッテルビウム、リン酸イッテルビウム、リン酸亜鉛、リン酸錫、シュウ酸イッテルビウム、シュウ酸亜鉛、シュウ酸錫等が挙げられる。
【0120】
また、光の吸収により励起し、蛍光を発し、それを検知できる材料は、発せられる蛍光波長、強度差で検知できるものが用いられる。特に、紫外光による記録媒体含有物の劣化等の耐光性を考慮し、赤外光により励起し、蛍光を発する材料が好ましい。この赤外光を吸収し、蛍光を発する材料としては、光学活性元素として少なくともNdを含む有機金属化合物がある。これら有機金属化合物中の有機化合物としては、カルボン酸類、ケトン類、エーテル類、アミン類から選択される。これらの具体的な例としては、桂皮酸ネオジム、ナフトエ酸ネオジム等が挙げられる。また、光学活性元素として、NdおよびYbを含む有機金属化合物がより望ましく、これらの具体的な例としては、桂皮酸ネオジム・イッテルビウム複合塩、安息香酸ネオジム・イッテルビウム複合塩、ナフトエ酸ネオジム・イッテルビウム複合塩等が挙げられる。
【0121】
また、Nd,Yb,Erの1種以上の元素を含む含酸素酸塩化合物も赤外蛍光材料として使用できる。この含酸素酸塩化合物の具体的な例としては、リン酸塩化合物、バナジン酸塩化合物、ホウ酸重化合物、モリブデン酸塩化合物等が挙げられる。さらに、光学活性元素としてFeおよびErを含有し、他にSc,Ga,Al,In,Y,Bi,Ce,Gd,Lu,Laから選択された少なくとも1種以上の元素を含有した化合物も赤外蛍光材料として使用できる。また、光学活性元素としてYbを含有し、この他,Sc,Ga,Al,In,Y,Bi,Ce,Gd,Lu,Laから選択された少なくとも1種以上の元素を含有した化合物も赤外蛍光材料として用いることができる。さらに、赤外領域に吸収を有する有機化合物を把持させた、Nb,Yb,Erから選択された1種以上の希土類含有有機化合物も赤外蛍光材料として用いることができる。これら赤外領域に吸収を有する有機化合物としては、ポリメチン系色素、アントラキノン系色素、ジオール系色素、フタロシアニン系色素、インドフェノール系色素、アゾ系色素等から選択できる。
【0122】
[発明の実施例2]
この発明の別の実施例である情報処理システムを発明の実施例2として説明する。
【0123】
図21は、この情報処理システムで用いる記録媒体1の平面図である。記録媒体1には、人間が視覚的に読み取り可能な状態で文書が記録されており、一般的には、紙、布、プラスチック等で構成され、シート状である。符号2は、人間が読み取り可能な文書そのものであり、文字、図、表などである。符号3は、光学的に読み取り可能なコードシンボルであり、詳しくは後述するが、一般にはバーコード、2次元コード等である。
【0124】
文書2とコードシンボル3のインクの吸光波長または発光波長を互いに重ならないようにして、文書2を人間が視覚的に読み取り可能な波長域に、コードシンボル3を人間にとっては読み取り不可能であるが、光学的には読み取り可能な波長域で印刷した場合、文書2とコードシンボル3を重ねて印刷し、かつ、独立して読み取ることができる。人間に不可視のインクとしては、例えば、日立マクセル社製のステルスインクがあり、これには熱転写プリンタ用のシートも用意されている。これは人間にはほとんど見えず、赤外領域で光学的に読み取り可能である。一方、逆に赤外領域では、透明な黒色インクも市販されているので、これらのインクを用いて市販の熱転写方式プリンタを用いれば、人間にとって可視の文書2と不可視のコードシンボル3とをプリンタで印刷することが容易に可能となる(不可視のインク材料については、発明の実施例1で説明したとおりである)。
【0125】
図21の例では、コードシンボル3はマトリクス状に並べられている。コードシンボル3には、記録媒体1のコードシンボル3が印刷されている面におけるコードシンボル3の座標を意味するマークがエンコードされている。例えば、図21の左上のコードシンボル3aは「0101」がエンコードされ、コードシンボル3bは「0102」、コードシンボル3cは「0201」、コードシンボル3dは「0202」とエンコードされている。あるいは他の例として、コードシンボル3aの部分が「aa」、コードシンボル3bの部分が「ab」、コードシンボル3cの部分が「ba」、コードシンボル3dの部分が「bb」とエンコードされていてもよい。このように複数のコードシンボル3が各々一意的に識別できるならば何でもよく、また配置にも特に制約はないが、図21のように、規則的にエンコードし、かつ、規則的にコードシンボル3を配置するのが望ましい。
【0126】
より具体的に例をあげると、紙面の左上を原点とし、右および下方向にx軸およびy軸をとる。ここで、x軸、y軸の、(10mm,10mm)の位置に「0101」のコードシンボル3の中心がくるように配置し、(10mm,20mm)の位置には「0102」のコードシンボル3、(20mm,10mm)の位置に「0201」のコードシンボル3を配置する。
【0127】
また、光学的に読み取り可能なコードシンボル3として、図21には、DataMatrixコードを示しているが、同様なコードシンボル3としては他にもいくつか周知であるものがあり、例えば、CodeOne,AztecCode,MaxiCode,QRCode等を用いることができる。また1次元のバーコードや独自コードを用いてもよい。
【0128】
さらに、コードシンボル3としてエンコードされている情報は、記録媒体1上の物理的な位置を意味するものではなく、文書の論理的な位置を意味するもの、例えば第1章第2節第5段落第6文字目といったことを意味する「01020506」のようなものでも構わない。
【0129】
コードシンボル3は記録媒体1のなるべく広い範囲に記録することが望ましいが、必ずしも全面に記録する必要はない。例えば、プリンタで印刷する場合、紙面の周囲は印字できない範囲である場合が多い。このようなとき、このような部分に必ずしも印刷する必要はない。
【0130】
図21の例では、コードシンボル3には、記録媒体1の表面上における位置を示す座標情報のみがエンコードされているが、これに加えて、記録媒体1を一意的に識別するための情報である同一性情報もエンコードして記録されている。この同一性情報をエンコードしたコードシンボル3は、座標情報を表すコードシンボル3とは別に記録媒体1に配置してもよいが、座標情報を表すコードシンボル3に同時にエンコードすることもできる。例えば、2次元コードの場合、この程度の情報量は数ミリ角くらいのサイズになるので、両者を併せても十分エンコード可能である。
【0131】
この発明の情報処理システムで用いる座標入力装置4の電気的な接続状態は、図9を参照して前記したものと同様である。すなわち、図9に示すように、この座標入力装置4は、人が手に持っての筆記動作を許容する筆記具状の筆記具7を備えている。この筆記具7の先端部5には、必要であれば、筆記具、すなわち、ボールペン、シャープペンシルの先端部部分等を取り付けて、現実に筆記可能としてもよい。筆記具7の側部などに設けられた画像読取装置6は、例えば、CCDなどの光電変換素子6aと、レンズなどからなる光学系6bとから構成されていて、記録媒体1上の画像を読み取る装置である。なお、画像読取装置6には、必要に応じて照明を設けることができる。筆記具7を手に持って記録媒体1に筆記を行っている状態の斜視図を、図22に示す。
【0132】
筆記具7には、マイコン8が搭載されていて、このマイコン8には、画像読取装置6が接続されている。画像読取装置6で読み取った記録媒体1上の画像に基づいた各種処理がマイコン8でなされる。すなわち、読み取ったコードシンボル3をデコードし、読み取った画像上におけるコードシンボル3の位置、向き、歪み量を検出する。これにより、デコード手段、歪み量等算出手段を実現している。また、マイコン8は筆記具7の外部のPCなどの情報処理装置9と接続可能であり、マイコン8内に蓄積したデータを情報処理装置9に出力可能である。なお、マイコン8を筆記具7に搭載するのに代えて、画像読取装置6を情報処理装置9と接続し、マイコン8で行う前記処理を情報処理装置9で実行するようにしてもよい。なお、図9では、画像読取装置6、マイコン8などに電力を供給する電源や、マイコン8と情報処理装置9とのインターフェースなどは図示を省略している。
【0133】
筆記具7には、先端部5の部分が筆記面に接触しているかどうかを検出する装置を設けるのが望ましい。すなわち、先端部5部分をペン軸に沿った方向に可動とし、先端部5が筆記面に接触することにより先端部5部分が移動し、それを機械的にまたは導電性の変化等により検出する技術は、既にタブレットのペン等に適用されている技術としては周知である。
【0134】
図23は、座標入力装置4で図21のような記録媒体1を読み取った画像例である。座標入力装置4による撮影範囲を、コードシンボル3の幅の少なくとも倍以上にしておけば、少なくとも1つのコードシンボル3は画像の読み取り範囲内に入る。実際には、隣接のコードシンボル3も読み取り範囲内に入るが、図23では省略している。図22に示すように、記録媒体1の表面と画像読取装置6の撮像面は必ずしも正対していないので、図23に示すように、読み取ったコードシンボル3の画像は歪みをもっている。ここで、例えば、図23の枠11内のコードシンボル3を読み取り、それに含まれている座標情報をマイコン8でデコードした結果が「0102」と得られれば、座標入力装置4は、少なくとも図23に示す四角の枠11の大きさの精度で記録媒体1上の座標位置を検出することができる(なお、かかる技術については、特開昭61−296421号公報も参照)。
【0135】
しかし、これでは解像度が数ミリ〜1cmと非常に小さく、実用上は問題がある。あるいは解像度を高くするためにコードシンボル3を小さくするためには、コードシンボル3を印刷するプリンタや画像読取装置6の精度を向上させる必要があり、かつ大量のコードシンボル3を用いるためには印刷のコストがかかり、現実的ではない。
【0136】
そこで、本発明の実施例2では、図23に示すような、画像読取装置6で読み取った画像の枠11をマイコン8で処理して、この枠11内のコードシンボル3の位置、向き、歪み量を検出する。その具体的な手段については、発明の実施例1で説明したとおりである。
【0137】
図23に示すような画像で2次元コードをデコードすると、例えば「0102」というデータが得られる。コードシンボル3の印刷位置は既知であるので、例えば「0102」であるコードシンボル3の中心が記録媒体1の紙面の左上から、xy座標で(10mm、20mm)であるとわかる。一方、コードシンボル3のサイズも既知であり、例えば縦横5mmであるとすると、コードシンボル3の4角の座標位置も、それぞれ、(7.5mm,17.5mm),(7.5mm,22.5mm),(12.5mm,17.5mm),(12.5mm、22.5mm)にあると求めることができる。これらコードシンボル3の4角の座標位置の関係式は次式で与えられることが知られている。
【0138】
【数1】
Figure 0004317334
【0139】
この式で、添え字rは記録媒体1の紙面上の座標、添え字sは画像読取装置6で読み取った画像上の座標である。この式には未知数が8個あるので、前述のようにコードシンボル3の4角の座標位置がわかっていれば、係数(射影変換係数)がすべて求まる。次に、この係数と式を用いれば、画像上の任意の点に対する紙面上の座標を求めることができる。したがって、先端部5の位置に対応する記録媒体1の紙面上の座標を求めることができる。なお、先端部5対応する画像上の点は、先端部5と画像読取装置6の位置関係から求めることもできるし、画像上に先端部5が写っている場合は実測してもよい。いずれの場合も先端部5と画像読取装置6の位置関係は固定であるので、容易に求めることができる。このような座標入力装置4を用い、先端部5の位置の検出を連続的に行えば、先端部5の移動軌跡を求めることができる。前記のとおり、先端部5が筆記面に接触しているかどうかを検出する装置を設けるならば、筆記軌跡を求めることができる。筆記軌跡データは筆記具7内のマイコン8の記憶装置に記憶させてもよいし、情報処理装置9にリアルタイムに取り出してもよい。
【0140】
コードシンボル3の読み取り画像をエンコードしたデータが得られたときに、マイコン8が、そのデータから先端部5の位置に対応する記録媒体1の紙面上の座標を求める場合の処理手順について、前記の内容を整理し、図24のフローチャートを参照して説明する。まず、マイコン8は、コードシンボル3のエンコード結果から、コードシンボル3の中心における記録媒体1の紙面上の座標を求める(ステップS1)。そして、このコードシンボル3の中心における記録媒体1の紙面上の座標から、コードシンボル3の4角における記録媒体1の紙面上の座標を求める(ステップS2)。このコードシンボル3の4角における紙面上の座標と、画像上の座標とから、前記のように射影変換係数を求める(ステップS3)。そして、先端部5と画像読取装置6の位置関係と、射影変換係数とから、先端部5における記録媒体1の紙面上の座標を求めることができる(ステップS4)。
【0141】
さて、コードシンボル3には、前記のように、記録媒体1を一意的に識別できるデータである同一性情報がエンコードされている。そこで、読み取られてデコードされたその同一性情報をキーとして図6に例示する対応付けファイル213を検索することで、座標入力装置4は、例えば、
「c:\MyDocument\Patent.doc」「10,10」「10,11」「10,12.5」「11,14」…のような画像ソース特定情報と座標情報とを獲得する。
【0142】
これにより、元文書(画像ソース)を一意的に識別できかつ筆記軌跡が求まるので、これらの情報を元文書(画像ソース)に自動的に付加するのは容易である。文書名やバス名等の画像ソース特定情報から電子的な元文書(画像ソース)を読み出し、その文書に座標情報による筆記軌跡を付加すればよい。座標入力装置4より前記の座標情報、文書情報を得て、元文書(画像ソース)に付加するような電子文書編集のシステムは容易に構築することができるし、また周知のいわゆるワードプロセッサソフトを用いても、そのマクロ機能を用いれば容易に実現できる。
【0143】
なお、元文書(画像ソース)への筆記軌跡の加筆を行う前記の処理は、必ずしもリアルタイムに行う必要はなく、例えば、マイコン8内のメモリに一旦蓄え、後でマイコン8と情報処理装置9を接続し、元文書(画像ソース)へ加筆を実行するようにしてもよい。このとき、いきなり元文書(画像ソース)への加筆を行うのではなく、情報処理装置9の操作者に確認を求めてから行うようにするのが望ましい。さらに、加筆を行う元文書(画像ソース)も情報処理装置9の操作者が情報処理装置9の操作により選択可能とするのが望ましく、この場合はコードシンボル3に元文書(画像ソース)を識別する同一性情報がない場合でも、適切な元文書(画像ソース)を選び出して加筆を行うことが可能である。
【0144】
次に、先端部5の記録媒体1上での位置の検出を行う手段について、別の例を説明する。図25は、この別の例で用いる記録媒体1を画像読取装置6で読み取った画像を示すものである。図25に示すように、この記録媒体1では、図23に示すものと同様である座標情報および文書情報がエンコードされた2次元コードであるコードシンボル3の周囲の四角に、それぞれ、このコードシンボル3とは別の4つのシンボル図形21,21,…を配置している。
【0145】
発明の実施例1で説明したように、2次元コードのコードシンボル3の画像だけを用いて、コードシンボル3の歪量の計算を行う場合には、コードシンボル3の角部分の画像を用いていたが、元来コードシンボル3はこのような用途に用いられるものではないので、コードシンボル3の角部分にドットがない場合等、十分な精度が得られない場合がある。
【0146】
そこで、図25の例のように、コードシンボル3のほかに、このコードシンボル3のゆがみ量を検出するためのシンボル図形21,21,…を配置する。シンボル図形21,21,…は、エンコードしてデータを取り出す必要がないので、検出しやすい形状が望ましく、図25の例では四角であるが円形などでもよい。そして、テンプレートマッチング手法を用いて、その画面上におけるシンボル図形21,21,…の座標(以下特徴点という)を検出することができる。
【0147】
また、実際には画面上にはシンボル図形21,21,…のほかにも四角の図形が存在するので、抽出されたシンボル図形21,21,…が必ずしも目標のコードシンボル3の周囲に配置されているものであるとは限らず、もう1ブロック離れた位置のものが検出されることがあり、どの点が抽出されるかはその時々によって異なる。しかし、画像読取装置6と記録媒体1の紙面との距離がほぼ一定なので、4角のシンボル図形21,21,…の画像中における間隔もほぼ一定となる。したがって、各特徴点やコードシンボル3がそれぞれどのブロックにあるか判定することができる。コードシンボル3や、シンボル図形21,21,…の配置はあらかじめ決められているので、これに対する記録媒体1の紙面における座標を求める手順は以下のようになる。
【0148】
すなわち、図26は、記録媒体1の紙面上における先端部5の座標を求める処理を説明するフローチャートである。図26に示すように、まず、マイコン8は、コードシンボル3のエンコード結果から、コードシンボル3の中心における記録媒体1の紙面上の座標を求める(ステップS11)。そして、このコードシンボル3の中心における画像上の座標および各特徴点の画像上の座標を求め、ステップS1で求めたコードシンボル3の中心における記録媒体1の紙面上の座標とから、各特徴点における記録媒体1の紙面上の座標を求める(ステップS12)。このステップS12によりシンボル図形算出手段を実現している。そして、ステップS12で求めた各特徴点の紙面上の座標と、画像上の座標とから、前記のようにして射影変換係数を求める(ステップS13)。そして、先端部5と画像読取装置6の位置関係と、射影変換係数とから、先端部5における記録媒体1の紙面上の座標を求めることができる(ステップS14)。このステップS14により、座標検出手段を実現している。
【0149】
また、次のようにしてもよい。すなわち、図27に示すように、座標情報、同一性情報がエンコードされた2次元コードのコードシンボル3を複数個、少なくとも4個読み取り、そのエンコード結果と各コードシンボル3の中心における記録媒体1の紙面上の座標を取得する。
【0150】
前記と同様、2次元コードであるコードシンボル3の角の検出は、十分な精度が得られない場合があるので、この例では、4個のコードシンボル3の中心座標を用いて射影変換係数を求める。すなわち、記録媒体1の紙面における座標を求める手順は以下のようになる。
【0151】
すなわち、図28は、記録媒体1の紙面上における先端部5の座標を求める処理を説明するフローチャートである。図28に示すように、まず、マイコン8は、4つのコードシンボル3のエンコード結果から、その各コードシンボル3の中心における記録媒体1の紙面上の座標を求める(ステップS21)。そして、4つのコードシンボル3の中心における画像上の座標を求め、ステップS21で求めたその各コードシンボル3の中心における記録媒体1の紙面上の座標とから、前記のようにして射影変換係数が求まる(ステップS22)。このステップS22によりコードシンボル検出手段を実現している。そして、先端部5と画像読取装置6の位置関係と、射影変換係数とから、先端部5における記録媒体1の紙面上の座標を求めることができる(ステップS23)。このステップS23により座標検出手段を実現している。
【0152】
図25,図26を参照して説明した例では、シンボル図形21,21,…の記録媒体1の紙面上における座標を求めるのに、それぞれの位置関係を判定する必要があったが(ステップS12)、図27,図28を参照して説明した例では、各コードシンボル3をエンコードすることによって、その記録媒体1の紙面上における座標が得られるので、ステップS12に対応する処理を省略することができ、処理の高速化を図ることができる。一方、図27,図28を参照して説明した例では、図25,図26を参照して説明した例より広範囲で2次元コードのコードシンボル3をエンコードする必要があるため、画像読取装置6の光学系6bは広範囲に画像を読み取れるものが必要となる。よって、図25,図26を参照して説明した例の方が図27,図28を参照して説明した例に比べて、画像読取装置6の製造コストを低減することができる。
【0153】
なお、図25,図26を参照して説明した例では、シンボル図形21を4個用いている。この中で1個をコードシンボル3の中心の座標で代用することもできるし、逆に5個以上のシンボル図形21を用い、最小二乗法を用いてより高い精度で変換係数を求め、先端部5の記録媒体1上での座標の検出をより精緻に行うこともできる。記録媒体1の構造やその材料などについては、発明の実施例1で説明したとおりである。
【0154】
[発明の実施例3]
この発明の別の実施例である情報処理システムの発明を実施例3として説明する。本実施例の情報処理システムは、基本的には前述した実施例1及び実施例2と同様のシステム構成を備えている。したがって、実施例1及び実施例2と同一部分は同一符号で示し説明も省略する。
【0155】
<基本構成>
前述したように、記録媒体1の面上に座標情報と同一性情報とをエンコードしたコードシンボル3を用意し、そのコードシンボル3を例えばスキャナ読み取りして画像処理することによってコード情報を得るに際して、コードシンボル3は規格統一されたものではない。よって、全ての機器において互いに互換性があるわけではない。例えば、あるコードシンボル3を読み取った場合、そのコード体系と異なるコード体系で認識しても、正しい認識がなされない。そこで、本実施例では、このような互換性の問題に対して、一つの解決策を与える。
【0156】
本実施例による解決策は、概念的には、あるコード体系に従ったコードシンボル3を別のコード体系のコードシンボル3(第2のコードシンボル301)にエンコードし、その別のコード体系に従う機器において第2のコードシンボル301を認識することで、この第2のコードシンボル301とは異なるコード体系である最初のコードシンボル3を認識したのと同様の効果をもたらす、というものである。以下、その仕組みの詳細を説明する。
【0157】
図29は、情報処理装置9(プリンタ221や複写機241でも良い)で記録媒体1を読み取った画像例を示す平面図である。このようなコードシンボル3から座標情報及び同一性情報を取得する仕組みは、実施例1及び実施例2と同様なので、その説明を省略する。情報処理装置9(プリンタ221や複写機241でも良い)は、そのような実施例2で紹介した手法を用いて記録媒体1に記録されたコードシンボル3から座標情報及び同一性情報を読み取る。そして、情報処理装置9は、それらの座標情報及び同一性情報を異なるコード体系に従った2次元コード(第2のコードシンボル301)に置換し、これをプリンタ10に印刷させる(コードシンボル印字手段)。
【0158】
ここで、図29に例示するコードシンボル3は、例えば、図30に例示する左上のコードシンボル3を読み取った場合を想定している。そのコードシンボル3は、一例として、「0102」に相当するものとする。そこで、情報処理装置9は、そのコードシンボル3を、このコードシンボル3とはコード体系が異なる図31に例示するような第2のコードシンボル301に変換した後、プリンタ10に印字命令を発してその「0102」というコードを記録媒体1の左上から(10mm、20mm)である位置に印刷する。この場合、コードシンボル3aのサイズが例えば5mmであるとすると、そのコードシンボル3aの頂点の紙面座標における位置は、それぞれ、(7.5mm、17.5mm)、(7.5mm、22.5mm)、(12.5mm、17.5mm)、(12.5mm、22.5mm)の位置となる(図32参照)。
【0159】
このような処理を、図30に例示する記録媒体1における全てのコードシンボル3について実行すると、変換後の第2のコードシンボル301が印刷された状態は、図33のようになる。こうして、コードシンボル3から第2のコードシンボル301へのデータ変換及び印刷処理が終了する。
【0160】
図34は、本実施例の情報処理装置9(プリンタ221や複写機241でも良い)の機能ブロック図である。この機能ブロックは、ハードウエア構成として見ると、マイクロコンピュータが特定のプログラムコードに従い実行する各種の処理内容をブロック化したものとして認識可能である。つまり、図34の機能ブロックは、例えばROM等の記憶媒体に記憶されているプログラムコードに従いマイクロプロセッサが実行する処理によって生ずる機能をブロック化して表現したものである。
【0161】
本実施例の情報処理装置9(プリンタ221や複写機241でも良い)は、次のような機構を備えている。
【0162】
まず、1次コード読取部501(例えばスキャナ)では第1のコードシンボル3を読み取る。ここで取得された画像に基づいて、1次コード判別部502において座標情報を取得する。1次コード判別部502で第1のコードシンボル3を判別する際に、そのコードシンボルがいかなる座標情報を示しているかを取得する必要がある。そこで、本実施例では、HDDに格納された1次コード情報記録媒体503よりその情報を取得し、1次コード判別部502によって座標情報の判別を行う。次に、そのデータは2次コード置換部504に受け渡される。ここでは第1のコードシンボル3から第2のコードシンボル301への置換処理を実行する(エンコード手段)。その際には、第2のコードシンボル301が表現する座標情報が必要となる。そこで、本実施例では、座標情報と第2のコードシンボル301との対応関係を、HDDに格納された2次コード情報記録媒体505から取得する。最後に、どの第1のコードシンボル3を第2のコードシンボル301に置換したかを記録する1次コード2次コード対応情報記録部506に記録する。この1次コード2次コード対応情報記録部506は、例えばHDDの記憶領域を利用して構築されており、この1次コード2次コード対応情報記録部506には、第1のコードシンボル3と第2のコードシンボル301との置換情報が記録されている。
【0163】
図35は、本実施例の情報処理装置9(プリンタ221や複写機241でも良い)の変形例を示す機能ブロック図である。この機能ブロックは、ハードウエア構成として見ると、マイクロコンピュータが特定のプログラムコードに従い実行する各種の処理内容をブロック化したものとして認識可能である。つまり、図35の機能ブロックは、例えばROM等の記憶媒体に記憶されているプログラムコードに従いマイクロプロセッサが実行する処理によって生ずる機能をブロック化して表現したものである。
【0164】
HDDに1次コード座標対応文書情報記録媒体511が設けられ、第1のコードシンボル3が同一性情報を含み、この同一性情報によってその文書情報との対応がなされている場合、そのコードシンボル3を第2のコードシンボル301に置換すると、その第2のコードシンボル301に対しても文書情報との対応付けを行う必要がある。
【0165】
そこで、本実施例では、1次コード判別部502によって第1のコードシンボル3の座標情報及び同一性情報を判別する際に、判別した同一性情報に対応する文書情報を1次コード座標対応文書情報記録媒体511より取得する。
【0166】
そして、コードシンボル3と文書情報との対応関係を取得した後、2次コード置換部504において、その第2のコードシンボル301と文書情報との対応関係を、例えばHDDの一部領域を利用する2次コード座標対応文書情報記録媒体512に対して記録する。図36に例示する2次コード座標対応文書情報記録媒体512は、そのような対応関係の記録例を例示している。
【0167】
<第2のコードシンボルの印字>
図37は、第1のコードシンボル3と第2のコードシンボル301とが印刷記録されている記録媒体を示す模式図である。本実施例では、第1のコードシンボル3が印刷記録されている記録媒体1に対して、第2のコードシンボル301を印字記録可能となっている。2種類のコードシンボル3、301を同一の記録媒体1に表示するには、次のように行う。
【0168】
まず、第1のコードシンボル3と第2のコードシンボル301とを交互に図37に示すように並べ、それぞれのコード体系に適合する別個の情報処理装置9(プリンタ221や複写機241でも良い)のいずれでもその座標情報及び同一性情報を取得可能とする。しかしながら、この手法だと、座標読み取りのためのコードシンボル3、301の並びが疎になり、座標密度が低下してしまう。そこで、本実施例では、第1のコードシンボル3もしくは第2のコードシンボル301のいずれか一方を不可視コードとし、記録媒体1上で重ね合わせることによってその問題を回避している(図38参照)。
【0169】
図38に示すように、不可視コードによる第1のコードシンボル3は第2のコードシンボル301上に形成されている。そして、第1のコードシンボル3及び第2のコードシンボル301は、共に、重ね合わさった状態でも個々の読み取りが可能である。ここで、図38では、図示の便宜上、2種類のコードシンボルがずらして表現されているが、実際には2種類のコードシンボルは全く同じ所に重ね合わせて配置されている。もっとも、2種類のコードシンボルをずらして配置しても、その読み取りが妨げられるわけではない。これにより、一つの記録媒体1上に2種類のコードの表記が可能になり、2種類のコード体系を一つの情報処理装置9(プリンタ221や複写機241でも良い)において使用可能となる。
【0170】
このように、本実施例では、単一のコードシンボル3の組み合わせで表現されるコードの組み合わせ数には自ずと限界があるのに対して、第2のコードシンボル301が併用されることによって、その組み合わせを増やすことが可能となる。コードの組み合わせ数が増えることにより、記録媒体1上で表現される領域が広がるという効果が得られる。例えば、2つのコードを全く重ねて印刷したとする。このとき、第1のコードシンボル3から「1234」が得られ、第2のコードシンボル301から「5678」が得られたとする。これを比較すると、いずれか一方のコードの組み合わせだけの場合には、コードの表現できる組み合わせが10000通り(0000〜9999/10進数)となる。これに対して、二つの数値「1234」及び「5678」を組み合わせて一つのコードとして扱い、「12345678」であると判別すれば、10000×10000で、100000000通りの表現が可能になる。そこで、記録媒体1上で表現可能な領域が広がることになる。
【0171】
このような本実施例の効果は、座標読取り精度の向上ももたらす。図39(a)に例示するように、第1のコードシンボル3と第2のコードシンボル301とが並んでいると想定する。図39(b)に示すように、第2のコードシンボル301の中心は、記録媒体1の左上から(10mm、20mm)である位置に配置されているものとする。そして、コードの中心座標と周囲の4つの補助シンボルとの距離は、X軸方向とY軸方向とのそれぞれについて、2.5mm間隔で与えられている。このような想定の下では、第2のコードシンボル301のみを見てみると、この第2のコードシンボル301から得られる座標の解像度は、2.5mmであることが分る。これに対して、第1のコードシンボル3は、その近傍に位置する第2のコードシンボル301に対して、図39(c)に示すように、1.25mmだけX軸方向及びY軸方向ともにオフセットして印刷されている。図39(c)は、このような第1のコードシンボル3を可視カットフィルタを通して見た状態を想定して示している。こうして、2つのコードシンボル3、301は、お互いに補完することにより、1.25mm間隔で読み取りが可能になり、これにより、読み取り座標精度の向上が図られる。
【0172】
図40は、2種類のコード体系に従うコードシンボル3、301(不可視コード、可視コード)を読み取るための情報処理装置9(プリンタ221や複写機241でも良い)の機能ブロック図である。情報処理装置9等は、1次コード読取部501と2次コード読取部521とを有する。これらの1次コード読取部501及び2次コード読取部521のどちらか一方は、不可視コードを読み取るために可視カットフィルタを装着している。1次コード/2次コード判別部522は、1次コード読取部501及び2次コード読取部521の両者から出力される情報に基づいて、それぞれ1次コード情報記録媒体503から第1のコードシンボル3が示す座標情報を取り出し、2次コード情報記録媒体505から第2のコードシンボル301が示す座標情報を取り出す。これにより、第1のコードシンボル3と第2のコードシンボル301とが示す座標情報を認識することができる。そして、1次コード座標対応文書情報記録媒体511と2次コード座標対応文書情報記録媒体512とから情報を取得することで、第1のコードシンボル3と第2のコードシンボル301との座標情報に対応した文書情報を取得することができる。この際、どちらか片一方のコード座標対応文書情報記録媒体511又は512からしか対応文書情報を取得することができなかった場合、例えば1次コード座標対応文書情報記録媒体511からしか文書情報が得られなかった場合には、その情報は1次コード2次コード対応情報記録部506に保存される。これは、その文書情報を、第1のコードシンボル3と第2のコードシンボル301とのいずれからも得ることができるようにするためである。
【0173】
<不可視コードシンボル>
ここで、不可視のコードシンボル3又は301を形成するためのトナーについて説明する。このようなトナーの例としては、ジイモニウム系の近赤外吸収色素〔日本化薬(株)製品 IRG−022〕によって不可視コードを印字した紙に黒画像を含む画像を形成する手法がある。この画像を、可視カットフィルタを通してCCDで観察すると、可視画像は見えずに不可視コードのみが認識される。つまり、図39(a)に示すコードシンボル3、301中、図39(c)に示す第1のコードシンボル3のみを認識することができる。
【0174】
そして、実施に際しては、記録媒体1上に画像形成を行う際に、従来の赤外線吸収の黒色トナーを用いる代わりに、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーを使用することにより、赤外線が透過なトナーを形成することができる。つまり不可視のトナー上に、上記のトナーによる画像を形成する。これによって、赤外線吸収を行うトナーを用いた第1のコードシンボル3上に、赤外線吸収を行わないトナー(イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー)で第2のコードシンボル301の画像を形成し、これによって低コストで二つのコードシンボル3、301を重ね合わせ表現することができる。
【0175】
次いで、トナーの例を挙げる。樹脂として、テレフタル酸とエチレンオキサイド付加ビスフェノールAとを重合させて得る、重量平均分子量(Mw=12000)、酸価=5、軟化点TM=110℃のポリエステル樹脂を使用する。このポリエステル樹脂を着色剤と混合し、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナーを作成する。
(1)イエロートナー
上記ポリエステル樹脂95重量%と、C.I.ピグメント・イエロー95 5重量%とを、エクストルーダーによって溶融混練し、その後、粉砕、分級して、平均粒径7.0μmのトナー50重量%及び平均粒径4.5μmの微粉50重量%を得る。
(2)マゼンタトナー
上記ポリエステル樹脂95重量%と、C.I.ピグメント・レッド122 5重量%とを、エクストルーダー混練機によって溶融混練し、その後、粉砕、分級して、平均粒径7.0μm、≦4μm(pop)=10%のトナー50重量%及び平均粒径4.5μmの微粉50重量%を得る。
(3)シアントナー
上記ポリエステル樹脂95重量%と、C.I.ピグメント・ブルー15:3 5重量%とを、エクストルーダー混練機によって溶融混練し、その後、粉砕、分級して、平均粒径7.0μm、≦4μm(pop)=10%のトナー50重量%及び平均粒径4.5μm%の微粉50重量%を得る。
(4)黒色トナー
上記(1)〜(3)で得られた微粉を、黒色トナーの製造に使用する。
【0176】
上記(1)〜(3)で分離された微粉を、イエロー微粉35重量%、マゼンタ微粉36重量%、及びシアン微粉29重量%の比率で混合し、溶融混練し、その後、粉砕、分級して、平均粒径7.0μm黒色トナー50重量%を得る。
【0177】
上記の各カラートナー及び黒色トナーを、スチレン−メタクリレート−共重合体で被覆したフェライトキャリアと組み合わせ、電子写真方式のプリンタ(リコー製 IPSiOカラー5100D(商品名))に導入する。本トナーを用いて近赤外吸収材料により不可視コードが形成された紙に画像形成を行う。さらに、この画像を、可視カットフィルタを通してCCDで観察すると、可視画像は見えずに不可視コードのみが認識され、コードシンボル3、301を正しく認識することができる。
【0178】
別の一例として、インクジェット方式を用いても同様のことが可能である。インクジェット方式での一例を挙げると、例えば、ピエゾ式インクジェットプリンタ〔セイコーエプソン社製品MJ930〕を用い、黒インクとしてカーボンブラックを用いたインクとし、ジイモニウム系の近赤外吸収色素〔日本化薬(株)製品 IRG−022〕により不可視コードを印字した紙に黒画像を含む画像を形成する。不可視コードを含むのでカラー画像形成材料のみによる画像形成が行われ、綺麗な画像が得られる。さらに、この画像を、可視カットフィルタを通してCCDで観察すると、可視画像は見えずに不可視コードのみが認識され、コードシンボル3、301を正しく認識することができる。
【0179】
【発明の効果】
請求項1記載の画像形成装置の発明では、画像形成部によって記録媒体に画像形成動作を行うことで、コード読取部及びデコード手段によって記録媒体の同一性情報を獲得してこの同一性情報を対応付け手段によって画像ソース特定情報と対応付けることができる。そこで、一例として、筆記具によって記録媒体に筆記動作を行うことで記録媒体に配列されたコードシンボルを読み取り、これをデコードすることで座標情報及び同一性情報を認識するようなシステム構築を行い、筆記具で記録媒体に筆記動作をした場合、デコードされた座標情報に基づいてその筆記軌跡を認識するような使い方をするとの想定の元、筆記具で筆記動作を行う記録媒体については、その同一性情報と画像ソース特定情報とが対応付けられているため、筆記具での筆記軌跡を筆記軌跡と共に認識される同一性情報に対応付けられた画像ソース特定情報によって特定される画像ソースに加筆するという処理を行うことができる。
【0180】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記対応付け手段によって対応付けられた前記同一性情報と前記画像ソース特定情報とを外部に出力する出力手段を具備するので、対応付け手段によって対応付けられた同一性情報と画像ソース特定情報とを外部に出力することができ、これにより、一例として、その対応付けられた情報を例えば外部機器において記憶部に記憶しておくことができ、これにより、その記録媒体にはどのような画像ソース特定情報が対応するかをいつでも参照することができる。
【0181】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の画像形成装置において、前記記録媒体について、前記コード読取部がその記録媒体に配列された前記同一性情報を読み取ることができない場合には、前記画像形成部による前記記録媒体に対する画像形成動作を禁止する禁止手段を具備するので、記録媒体と画像ソース特定情報との対応付けを行うことができなくなるような事態の発生を防止することができ、同時に、記録媒体が無駄に消費されることも防止することができる。
【0182】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の画像形成装置において、前記記録媒体について、前記コード読取部がその記録媒体に配列された前記同一性情報を読み取ることができない場合には、その旨を報知する報知手段を具備するので、記録媒体と画像ソース特定情報との対応付けを行うことができないために画像形成動作が行われないということを操作者に示し、例えば故障であるというような誤認識をユーザにもたらすことを防止することができる。
【0183】
請求項5記載の文書管理システムの発明では、画像形成部によって記録媒体に画像形成動作を行うことで、コード読取部及びデコード手段によって記録媒体の同一性情報を獲得してこの同一性情報を対応付け手段によって画像ソース特定情報と対応付けることができる。
【0184】
請求項6記載の発明は、筆記具での筆記軌跡を画像ソース特定情報に加筆するという処理を行うことができる。つまり、記録媒体上で筆記具が筆記した軌跡の座標を検出し、記録媒体の加筆前情報である画像ソースに対して加筆記入した情報をデータ上で加筆することが可能となる。
【0185】
請求項7記載の文書管理システムの発明は、画像が形成される記録媒体であって、当該記録媒体には複数のコードシンボルが配列されるとともに、個々の前記コードシンボルには前記記録媒体上の座標情報及び前記記録媒体の同一性情報が含まれており、前記記録媒体に対して画像ソースに基づいて生成された画像データに従い画像形成動作を行う画像形成部と、前記記録媒体に配列された前記コードシンボルを光学的に読み取るコード読取部と、前記コード読取部によって読み取られたコードシンボルをデコードして情報を獲得するデコード手段と、前記デコード手段が前記コード読取部によって読み取られたコードシンボルをデコードして獲得した情報をそのコードシンボルとは異なるコード体系に従う第2のコードシンボルに変換するエンコード手段と、を具備するので、異なるコード体系に従う複数のコードシンボルを扱うことができ、例えば、請求項7〜11のいずれか一項に記載の文書管理システムに従属する請求項12記載の発明のように、前記画像形成部に、前記エンコード手段がエンコードした前記第2のコードシンボルに基づいて生成する画像データに従い画像形成動作を実行させるコードシンボル印字手段を設ければ、第2のコードシンボルが記録された記録媒体を得ることができる。
【0186】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の文書管理システムにおいて、前記コード読取部は前記第2のコードシンボルも読み取り、前記デコード手段は、前記コード読取部によって読み取られた前記第2のコードシンボルをデコードして情報を獲得するので、例えば請求項12記載の発明によって生成された第2のコードシンボルが記録された記録媒体に対して、その第2のコードシンボルを読み取ることができ、読み取った第2のコードシンボルをデコードしての同一性情報を獲得することができる。
【0187】
請求項9記載の発明は、請求項7又は8記載の文書管理システムにおいて、前記コード読取部は、近赤外吸収色素を含む画像形成材料により形成された不可視のコードシンボルを読み取るので、不可視である第2のコードシンボルをコード読取部によって読み取ることができる。
【0188】
請求項12記載の発明は、請求項7〜11のいずれか一項に記載の文書管理システムにおいて、前記画像形成部に、前記エンコード手段がエンコードした前記第2のコードシンボルに基づいて生成する画像データに従い画像形成動作を実行させるコードシンボル印字手段を具備するので、第2のコードシンボルが記録された記録媒体を得ることができる。
【0189】
請求項13記載の発明は、請求項12記載の文書管理システムにおいて、前記画像形成部は、近赤外吸収色素を含む画像形成材料により形成された不可視の前記第2のコードシンボルを印字するので、不可視である第2のコードシンボルが記録された記録媒体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態において用いられる記録媒体の平面図である。
【図2】本実施の形態の文書管理システムのシステム構成例を概略的に示すブロック図である。
【図3】プリンタの概略構造を示す模式図である。
【図4】複写機の概略構造を示す模式図である。
【図5】プリンタ及び複写機に設けられたコード読取部によるコードシンボルの読み取り構造を示す模式図である。
【図6】対応付けファイルのデータ構造を示す模式図である。
【図7】記録媒体の複写画像の一例を示す模式図である。
【図8】この発明の実施例1である情報処理システムの記録媒体の平面図である。
【図9】前記情報処理システムのペン型の座標入力装置のブロック図である。
【図10】前記座標入力装置で記録媒体を読み取ったときの画像例を示す平面図である。
【図11】前記記録媒体上に形成されたコードシンボルの平面図である。
【図12】前記座標入力装置で記録媒体を読み取ったときの画像例を示す平面図である。
【図13】前記コードシンボルの位置の検出を説明する説明図である。
【図14】前記座標入力装置で記録媒体を読み取ったときの画像例を示す平面図である。
【図15】前記コードシンボルの位置の検出を説明する説明図である。
【図16】前記コードシンボルの傾きや歪み量の検出を説明する説明図である。
【図17】前記記録媒体の縦断面図である。
【図18】前記記録媒体の縦断面図である。
【図19】ロイコ染料および顕色剤を用いた可逆性記録層が発色・消色するプロセスを説明するグラフである。
【図20】有機低分子と樹脂とからなる可逆性記録層が透明・白濁するプロセスを説明するグラフである。
【図21】この発明の実施例2である情報処理システムの記録媒体の平面図である。
【図22】前記情報処理システムの座標入力装置の装置本体を手に持って記録媒体に筆記を行っている状態の斜視図である。
【図23】前記座標入力装置で図21の記録媒体を読み取った画像例を示す平面図である。
【図24】前記記録媒体上のコードシンボルの読み取り画像をエンコードしたデータから前記装置本体の先端部の位置に対応する記録媒体の紙面上の座標を求める場合の処理について説明するフローチャートである。
【図25】前記座標入力装置で記録媒体を読み取った画像例を示す平面図である。
【図26】前記記録媒体上のコードシンボルの読み取り画像をエンコードしたデータから前記装置本体の先端部の位置に対応する記録媒体の紙面上の座標を求める場合の処理について説明するフローチャートである。
【図27】前記座標入力装置で記録媒体を読み取った画像例を示す平面図である。
【図28】前記記録媒体上のコードシンボルの読み取り画像をエンコードしたデータから前記装置本体の先端部の位置に対応する記録媒体の紙面上の座標を求める場合の処理について説明するフローチャートである。
【図29】座標入力装置で記録媒体を読み取った画像例を示す平面図である。
【図30】記録媒体にコードシンボルが配列されている状態を示す記録媒体の平面図である。
【図31】第1のコードシンボルとこの第1コードシンボルから変換される第2のコードシンボルとを例示する模式図である。
【図32】第2のコードシンボルをその座標情報と共に示す模式図である。
【図33】コードシンボルが第2のコードシンボルに変換され、記録媒体に第2のコードシンボルが配列されている状態を示す記録媒体の平面図である。
【図34】座標入力装置の機能ブロック図である。
【図35】座標入力装置の変形例を示す機能ブロック図である。
【図36】2次コード座標対応文書情報記録媒体のデータ構造を示す模式図である。
【図37】第1のコードシンボルと第2のコードシンボルとが印刷記録されている記録媒体の平面図である。
【図38】第1のコードシンボルと第2のコードシンボルとが重ねて印刷記録されている記録媒体の平面図である。
【図39】重ねて印刷記録されている第1のコードシンボルと第2のコードシンボルとをそれらの座標情報と共に示す模式図である。
【図40】2種類のコード体系に従うコードシンボル(不可視コード、可視コード)を読み取るための座標入力装置の機能ブロック図である。
【符号の説明】
101 記録媒体
102 コードシンボル
212 記憶部(HDD)
221 画像形成装置(プリンタ)
225、245 画像形成部(画像形成プロセス部)
228、248 デコード手段(情報処理部)
229、249 コード読取部
241 画像形成装置(複写機)
261 筆記具
265 第2のコード読取部
266 第2のデコード手段(情報処理部)

Claims (13)

  1. 画像が形成される記録媒体であって、当該記録媒体には複数のコードシンボルが配列されるとともに、個々の前記コードシンボルには前記記録媒体上の座標情報及び前記記録媒体の同一性情報が含まれており、前記記録媒体に対して画像ソースに基づいて生成された画像データに従い画像形成動作を行う画像形成部と、
    前記記録媒体に配列された前記コードシンボルを光学的に読み取るコード読取部と、
    前記コード読取部によって読み取られたコードシンボルをデコードして前記同一性情報を獲得するデコード手段と、
    前記デコード手段によって獲得された前記同一性情報と前記画像ソースを特定する画像ソース特定情報とを対応付ける対応付け手段と、
    を具備する画像形成装置。
  2. 前記対応付け手段によって対応付けられた前記同一性情報と前記画像ソース特定情報とを外部に出力する出力手段を具備する請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記記録媒体について、前記コード読取部がその記録媒体に配列された前記同一性情報を読み取ることができない場合には、前記画像形成部による前記記録媒体に対する画像形成動作を禁止する禁止手段を具備する請求項1又は2記載の画像形成装置。
  4. 前記記録媒体について、前記コード読取部がその記録媒体に配列された前記同一性情報を読み取ることができない場合には、その旨を報知する報知手段を具備する請求項3記載の画像形成装置。
  5. 画像が形成される記録媒体であって、当該記録媒体には複数のコードシンボルが配列されるとともに、個々の前記コードシンボルには前記記録媒体上の座標情報及び前記記録媒体の同一性情報が含まれており、前記記録媒体に対して画像ソースに基づいて生成された画像データに従い画像形成動作を行う画像形成部と、
    前記記録媒体に配列された前記コードシンボルを光学的に読み取るコード読取部と、
    前記コード読取部によって読み取られたコードシンボルをデコードして前記同一性情報を獲得するデコード手段と、
    前記デコード手段によって獲得された前記同一性情報と前記画像ソースを特定する画像ソース特定情報とを対応付けて記憶部に記憶させる対応付け手段と、
    を具備する文書管理システム。
  6. 人が手に持っての筆記動作を許容する筆記具と、
    前記筆記具に設けられ、前記記録媒体上におけるその筆記具の筆記軌道上に出現するコードシンボルを光学的に読み取る第2のコード読取部と、
    この読み取ったコードシンボルをデコードして前記座標情報及び前記同一性情報を獲得する第2のデコード手段と、
    前記第2のコード手段によって獲得された前記座標情報に基づいて前記筆記具の筆記軌跡を認識する認識手段と、
    前記第2のコード手段によって獲得された前記同一性情報をキーとして前記記憶部からその同一性情報に対応する前記画像ソース特定情報を検索する検索手段と、
    前記検索手段によって検索された前記画像ソース特定情報が特定する前記画像ソースに前記認識手段によって認識された前記筆記具の筆記軌跡を加筆する加筆手段と、
    を具備する請求項5記載の文書管理システム。
  7. 画像が形成される記録媒体であって、当該記録媒体には複数のコードシンボルが配列されるとともに、個々の前記コードシンボルには前記記録媒体上の座標情報及び前記記録媒体の同一性情報が含まれており、前記記録媒体に対して画像ソースに基づいて生成された画像データに従い画像形成動作を行う画像形成部と、
    前記記録媒体に配列された前記コードシンボルを光学的に読み取るコード読取部と、
    前記コード読取部によって読み取られたコードシンボルをデコードして情報を獲得するデコード手段と、
    前記デコード手段が前記コード読取部によって読み取られたコードシンボルをデコードして獲得した情報をそのコードシンボルとは異なるコード体系に従う第2のコードシンボルに変換するエンコード手段と、
    を具備する文書管理システム。
  8. 前記コード読取部は前記第2のコードシンボルも読み取り、前記デコード手段は、前記コード読取部によって読み取られた前記第2のコードシンボルをデコードして情報を獲得する請求項7記載の文書管理システム。
  9. 前記コード読取部は、近赤外吸収色素を含む画像形成材料により形成された不可視のコードシンボルを読み取る請求項7又は8記載の文書管理システム。
  10. 前記デコード手段が前記コード読取部によって読み取られたコードシンボルをデコードして獲得する情報は、座標情報である請求項7〜9のいずれか一項に記載の文書管理システム。
  11. 前記デコード手段が前記コード読取部によって読み取られたコードシンボルをデコードして獲得する情報は、同一性情報である請求項7〜10のいずれか一項に記載の文書管理システム。
  12. 前記画像形成部に、前記エンコード手段がエンコードした前記第2のコードシンボルに基づいて生成する画像データに従い画像形成動作を実行させるコードシンボル印字手段を具備する請求項7〜11のいずれか一項に記載の文書管理システム。
  13. 前記画像形成部は、近赤外吸収色素を含む画像形成材料により形成された不可視の前記第2のコードシンボルを印字する請求項12記載の文書管理システム。
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