本発明に係る重合体(a)において、式(1)で表されるテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン誘導体の具体例としては、8−カルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシn−プロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシイソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシn−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシイソブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシsec−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシt−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシフェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カルボキシエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カルボキシn−プロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カルボキシイソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カルボキシn−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カルボキシイソブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カルボキシsec−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カルボキシt−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カルボキシフェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシブチル−9−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−ジカルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシシクロヘキシルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシ(4‘−t−ブチルシクロヘキシル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カルボキシシクロヘキシルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カルボキシ(4‘−t−ブチルシクロヘキシル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシメンチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カルボキシメンチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシボルニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カルボキシメンチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシイソボルニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カルボキシイソボルニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシアダマンチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カルボキシアダマンチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシビシクロ[2.2.1]−2−ヘプチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カルボキシビシクロ[2.2.1]−2−ヘプチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデシル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カルボキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデシル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシトリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デシル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カルボキシトリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デシル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシペンタシクロ[6.5.1.13,602,7−4−ペンタデシル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カルボキシペンタシクロ[6.5.1.13,602,7.09,13]−4−ペンタデシル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシトリシクロ[6.2.1.02,7]−9−ウンデシルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カルボキシトリシクロ[6.2.1.02,7]−9−ウンデシルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデシルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カルボキシペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデシルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−アセトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−シアノテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、9−メチル−8−シアノテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−シアノテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−ジメチル−8,9−ジシアノテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−カルバモイルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−N−メチルカルバモイルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−N,N−ジエチルカルバモイルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、N,N,N,N−ジエチルカルバモイルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−クロロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−トリブロモベンジルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン−8,9−ジカルボン酸無水物、8,9−ジメチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン−8,9−ジカルボン酸無水物、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン−8,9−ジカルボン酸イミド、N−フェニル−5−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン−8,9−ジカルボン酸イミド、8−トリクロロシリルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(ジメチルメトキシシリル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(ジメチルアセチルシリル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−トリメチルシリルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−クロロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−クロロメチルカルボキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−ジブロモプロピルカルボキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−ジクロロプロピルカルボキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−クロロフェニルカルボキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−ブロモフェニルカルボキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−トリブロモフェニルカルボキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−ジクロロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−ブロモメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、などが挙げられる。
上記式(1)で表されるテトラシクロドデセン誘導体のうち、合成の容易さ、重合反応性の容易さ、及び反射防止膜用組成物としてレジストとの密着性の観点からカルボン酸エステル類が好ましい。また式−(CH2)nCOOR1で示されるカルボン酸エステル類のうち、nが小さいものほどモノマーの合成の容易さ、耐熱性の観点から好ましい。更に、通常−(CH2)nCOOR1においては、n=0であることが特に好ましい。R1基は炭素数1〜10の炭化水素基であるが、炭素数が少ないほど耐熱性に優れるので、炭素数1〜4の炭化水素基が好ましい。特に8−カルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシn−プロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシイソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシn−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシイソブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシsec−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシt−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンが好ましい。
本発明に係る重合体(a)において、式(1)で表されるテトラシクロドデセン誘導体との共重合可能なモノマーの具体例は、5−カルボキシメチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−カルボキシエチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−カルボキシn−プロピルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−カルボキシイソプロピルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−カルボキシn−ブチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−カルボキシイソブチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−カルボキシsec−ブチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−カルボキシ−t−ブチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−カルボキシフェニルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−メチル−5−カルボキシメチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−メチル−5−カルボキシエチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−メチル−5−カルボキシn−プロピルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−メチル−5−カルボキシイソプロピルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−メチル−5−カルボキシn−ブチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−メチル−5−カルボキシイソブチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−メチル−5−カルボキシsec−ブチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−メチル−5−カルボキシ−t−ブチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−メチル−5−カルボキシフェニルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−カルボキシブチル−6−フェニルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5,6−ジカルボキシメチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−カルボキシシクロヘキシルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−メチル−5−カルボキシシクロヘキシルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−カルボキシ−(4‘−t−ブチルシクロヘキシル)ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−メチル−5−カルボキシ−(4‘−t−ブチルシクロヘキシル)ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−カルボキシメンチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−メチル−5−カルボキシメンチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−カルボキシボルニルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−メチル−5−カルボキシボルニルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−カルボキシイソボルニルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−カルボキシアダマンチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−メチル−5−カルボキシアダマンチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−カルボキシビシクロ[2.2.1]−2−ヘプチル−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−メチル−5−カルボキシビシクロ[2.2.1]−2−ヘプチル−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−カルボキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデシルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−メチル−5−カルボキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデシルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−カルボキシトリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デシル−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−メチル−5−カルボキシトリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デシル−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−カルボキシペンタシクロ[6.5.1.12,6.02,7.09,13]−4−ペンタデシル−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−メチル−5−カルボキシペンタシクロ[6.5.1.12,6.02,7.09,13]−4−ペンタデシル−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−カルボキシトリシクロ[6.2.1.02,7]−9−ウンデシル−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−メチル−5−カルボキシトリシクロ[6.2.1.02,7]−9−ウンデシル−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−カルボキシペンタシクロ[6.6.1.12,602,7.09,14]−4−ヘキサデシル−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−メチル−5−カルボキシペンタシクロ[6.6.1.12,602,7.09,14]−4−ヘキサデシル−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−アセトキシビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−シアノビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、6−メチル−5−シアノビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−メチル−5−シアノビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5,6−ジメチル−5,6−ジシアノビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−カルバモイルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−N−メチルカルバモイルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−N,N−ジエチルカルバモイルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、N,N,N,N−テトラメチル−5,6−ジカルバモイルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−クロロビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−メチル−5−クロロビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−クロロメチルカルボキシビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−ジブロモプロピルカルボキビシシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−ジクロロプロピルカルボキシビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−クロロフェニルカルボキシビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−ブロモフェニルカルボキシビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−トリブロモフェニルカルボキシビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5,6−ジクロロフェニルカルボキシビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−ブロモメチルカルボキシビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−トリブロモベンジルカルボキシビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン−5,6−ジカルボン酸無水物、5,6−ジメチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン−5,6−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン−5,6−ジカルボン酸イミド、N−フェニル−5−メチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン−5,6−ジカルボン酸イミド、5−トリクロロシリルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−(ジメチルメトキシシリル)ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−(ジメチルアセチルシリル)ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−トリメチルシリルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、シクロペンテン、シクロオクテン、1,5−シクロオクタジエン、1,5,9−シクロドデカトリエン、ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、トリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン、トリシクロ[5.2.1.02,6]−3−デセン、トリシクロ[6.2.1.01,8]−9−ウンデセン、トリシクロ[6.2.1.01,8]−4−ウンデセン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,14]−4−ペンタデセン、ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,14]−11−ペンタデセン、ジシクロペンタジエン、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,14]−ペンタデカ−4,11−ジエンなどが挙げられる。
また式(1)で表される化合物は、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン非共役ジエン共重合ゴム、ポリノルボルネン、ポリペンテナマーなどの重合体の主鎖に炭素−炭素二重結合を含んだ不飽和炭化水素系ポリマーと共重合することもできる。
開環(共)重合体を製造する際に通常用いられるメタセシス触媒は、通常(a)W、Mo及びRe化合物から選ばれた少なくとも1種と、(b)デミングの周期律表IA、IIA、IIB、IIIA、IVAあるいはIVB族元素との化合物であって、これらの少なくとも1つの元素と炭素との結合あるいはこの元素と水素との結合を有するものから選ばれた少なくとも1種の組合せからなる触媒であるが、触媒活性を高める添加剤を加えたものであっても良い。
得られる開環(共)重合体の分子量は、触媒の調節及び濃度、重合温度、溶媒の種類及び濃度などの反応条件によって調節することは可能であるが、より好ましくは、α−オレフィン類、α,ω−ジオレフィン類、又はアセチレン類などの少なくとも1つの炭素間二重結合又は炭素間三重結合を有する化合物あるいは塩化アリル、酢酸アリル、トリメチルアリロキシシランなどの極性アリル化合物の適当量を反応系に添加することにより調節される。
重合反応に用いられる溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのアルカン類、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナンなどのシクロアルカン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素化合物、クロロブタン、ブロモヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼンなどのハロゲン化アルカン、ハロゲン化アリールなどの化合物、酢酸エチル、プロピオン酸メチルなどの飽和カルボン酸エステル類及びエーテル類などが挙げられる。
重合体(b)の一例であるフェニル環を含む重合体は、下記式(2)に表される。
式(2):
[式中、Ra及びRbは水素原子、炭素数1〜3の炭化水素基を示し、Eは水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、−(CH2)xCOOR1、−(CH2)xOCOR2、−(CH2)xCOR3、−(CH2)xCONR4R5、−CH2OH、−COOH、−CONH2、アミノ基、ヒドロキシル基を示し、R1〜R5は炭素数1〜10の炭化水素基を示し、xは0〜10の整数を示す。Gは水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、−(CH2)xCOOR1、−(CH2)xOCOR2、−(CH2)xCOR3、−(CH2)xCONR4R5、−(CH2)xNHCH2OCH3、−CH2OH、−COOH、−CONH2、アミノ基、ヒドロキシル基、ナフチル基、アントラニル基を示す。R1〜R5は炭素数1〜10の炭化水素基、グリシジル基、フェニル基、ヒドロキシフェニル基、ナフチル基、ヒドロキシメチルナフチル基、アントラニル基を示し、xは0〜10の整数を示す。n1及びm1は、0.01≦〔n1/(n1+m1)≦1を満たす数を示す。]
Eを含む繰り返し単位を与えるモノマー成分の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、4−ビニルトルエン、3―ビニルトルエン、2−ビニルトルエン、4―エチルスチレン、3−エチルスチレン、2−エチルスチレン、4−イソプロプルベンゼン、3−イソプロピルベンゼン、4−t−ブチルベンゼン、3−t−ブチルベンゼン、4−ビニルフェノール、3−ビニルフェノール、4−ビニルアニソール、3−ビニルアニソール、4−エトキシスチレン、3−エトキシスチレン、4−t−ブトキシスチレン、3−t−ブトキシスチレン、4−ビニル安息香酸、3−ビニル安息香酸、4−ビニル安息香酸メチルエステル、3−ビニル安息香酸メチルエステル、4−ビニル安息香酸エチルエステル、4−ビニル安息香酸エチルエステル、4−ビニル安息香酸t−ブチルエステル、3−ビニル安息香酸t−ブチルエステル、4−アセトキシスチレン、3−アセトキシスチレン、4−メチルオキシカルボメチルスチレン、3−メチルオキシカルボメチルスチレン、4−メトキシカルボメチルスチレン、3−メトキシカルボメチルスチレン、4−エチルオキシカルボメチルスチレン、3−エチルオキシカルボメチルスチレン、4−エトキシカルボメチルスチレン、3−エトキシカルボメチルスチレン、4−t−ブチルオキシカルボメチルスチレン、3−t−ブチルオキシカルボメチルスチレン、4−t−ブトキシカルボメチルスチレン、3−t−ブトキシカルボメチルスチレン、4−ビニルフェノール、3−ビニルフェノール、4−ビニルアニリン、3−ビニルアニリン、4−メチルカルボアミノスチレン、3−メチルカルボアミノスチレン、4−エチルカルボアミノスチレン、3−エチルカルボアミノスチレン、4−t−ブチルカルボアミノスチレン、3−t−ブチルカルボアミノスチレン、4−ビニルベンジルアルコール、3−ビニルベンジルアルコール、4−メトキシメチルスチレン、3−メトキシメチルスチレン、4−エトキシメチルスチレン、3−エトキシメチルスチレン、4−メトキシカルボメチルスチレン、3−メトキシカルボメチルスチレン、4−フルオロメチルスチレン、3−フルオロメチルスチレン、4−クロロメチルスチレン、3−クロロメチルスチレン、4−ブロモメチルスチレン、3−ブロモメチルスチレン、4−ヨードメチルスチレン、3−ヨードメチルスチレン、4−(N,N−ジメチルアミノメチル)スチレン、3−(N,N−ジメチルアミノメチル)スチレン、4−アミノメチルスチレン、3−アミノメチルスチレン、4−(N−エチルアミノメチル)スチレン、3−(N−エチルアミノメチル)スチレン、4−N,N−ビス(カルボキシメチル)メチルスチレン、3−N,N−ビス(カルボキシメチル)メチルスチレン、4−メルカプトメチルスチレン、3−メルカプトメチルスチレン、4−シアノメチルスチレン、3−シアノメチルスチレン、4−ビニルベンズアルデヒド、3−ビニルベンズアルデヒド、4−アミノエチルスチレン、3−アミノエチルスチレンなどが挙げられる。これらは1種単独であるいは2種類以上を混合して使用することができる。
Gを含む繰り返し単位を与えるモノマー成分の具体例は、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル等のカルボン酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル等のシアン化ビニル、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、9−アントラニル(メタ)アクリレート、1−ナフチル(メタ)アクリレート、2−ナフチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ビニル、ジメチルビニルメタクリロイルオキシメチルシラン、2−クロロエチルビニルエーテル、クロロ酢酸ビニル、クロロ酢酸アリル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール、(メタ)アクリルアミド、クロトン酸アミド、2−メタクロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクロイルオキシエチルマレイン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、9−ビニルアントラセン、9−ビニルカルバゾール等が挙げられる。これらのモノマーは、1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
前記式(2)に表される重合体を合成するにあたってEを含む繰り返し単位を与えるモノマー成分とGを含む繰り返し単位を与えるモノマー成分との共重合比率は、両モノマー成分の合計に対してEを含む繰り返し単位を与えるモノマー成分が1〜100モル%、好ましくは10〜100モル%、更に好ましくは20〜100モル%含有する。上記前駆重合体の分子量は、反射防止膜の所望の特性に応じて適宜選択されるが、ポリスチレン換算の重量平均分子量(以下、「Mw」という)で、通常、500〜100,000、好ましくは1,000〜50,000である。上記重合体は、例えばラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等の適宜の方法により、溶液重合等の重合形態で製造することができる。
重合体(b)の他の一例であるナフタレン環を含む重合体は下記式(3)に表される。
式(3):
[式中、Rc及びRdは水素原子、炭素数1〜3の炭化水素基を示し、Zは水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、−(CH2)xCOOR1、−(CH2)xOCOR2、−(CH2)xCOR3、−(CH2)xCONR4R5、−CH2OH、−COOH、−CONH2、アミノ基、ヒドロキシル基を示し、R1〜R5は炭素数1〜10の炭化水素基を示し、xは0〜10の整数を示す。Jは水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、−(CH2)xCOOR1、−(CH2)xOCOR2、−(CH2)xCOR3、−(CH2)xCONR4R5、−(CH2)xNHCH2OCH3、−CH2OH、−COOH、−CONH2、アミノ基、ヒドロキシル基、アントラニル基を示し、R1〜R5は炭素数1〜10の炭化水素基、グリシジル基、フェニル基、ヒドロキシメチルフェニル基、ナフチル基、ヒドロキシメチルナフチル基、アントラニル基を示し、xは0〜10の整数を示す。n2及びm2は、0.01≦〔n2/(n2+m2)≦1を満たす数を示す。]
Zを含む繰り返し単位を与えるモノマー成分の具体例は、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、1−ビニル−4−メチルナフタレン、1−ビニル−5−メチルナフタレン、1−ビニル−6−メチルナフタレン、1−ビニル−4−ヒドロキシナフタレン、1−ビニル−5−ヒドロキシナフタレン、1−ビニル−6−ヒドロキシナフタレン、1−ビニル−4−ヒドロキシメチルナフタレン、1−ビニル−5−ヒドロキシメチルナフタレン、1−ビニル−6−ヒドロキシメチルナフタレン、1−ビニル−4−メトキシカルボニルナフタレン、1−ビニル−5−メトキシカルボニルナフタレン、1−ビニル−6−メトキシカルボニルナフタレン、1−ビニル−4−クロロナフタレン、1−ビニル−5−クロロナフタレン、1−ビニル−6−クロロナフタレン、1−ビニル−4−ブロモナフタレン、1−ビニル−5−ブロモナフタレン、1−ビニル−6−ブロモナフタレン、1−ビニル−4−メトキシカルボニルナフタレン、1−ビニル−5−メトキシカルボニルナフタレン、1−ビニル−6−カルボニルナフタレン、1−ビニル−4−カルボキシナフタレン、1−ビニル−5−カルボキシナフタレン、1−ビニル−6−カルボキシナフタレン、1−ビニル−4−メトキシナフタレン、1−ビニル−5−メトキシナフタレン、1−ビニル−6−メトキシナフタレン、1−ビニル−4−アミノナフタレン、1−ビニル−5−アミノナフタレン、1−ビニル−6−アミノナフタレン、1−ビニル−4−アセトキシナフタレン、1−ビニル−5−アセトキシナフタレン、1−ビニル−6−アセトキシナフタレン等が挙げられる。これらは1種単独であるいは2種類以上を混合して使用することができる。Jを含む繰り返し単位を与えるモノマー成分の具体例は、Gを含む繰り返し単位を与えるモノマー成分から、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレンを除いたものと同様である。式(3)で表される重合体において、適用できる共重合比及び好ましい共重合比、Mw及び重合方法は式(2)に表される重合体におけるそれらと同様である。
重合体(b)の他の一例であるナフタレン環構造を含む化合物は、下記式(4)で表される。
式(4):
[式中、Reは水素原子、炭素数1〜3の炭化水素基を示し、Lは水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、−(CH2)xCOOR1、−(CH2)xOCOR2、−(CH2)xCOR3、−(CH2)xCONR4R5、−CH2OH、−COOH、−CONH2、アミノ基、ヒドロキシル基を示し、R1〜R5は炭素数1〜10の炭化水素基を示し、xは0〜10の整数を示す。Qは水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、−(CH2)xCOOR1、−(CH2)xOCOR2、−(CH2)xCOR3、−(CH2)xCONR4R5、−(CH2)xNHCH2OCH3、−CH2OH、−COOH、−CONH2、アミノ基、ヒドロキシル基、フェニル基、ヒドロキシメチルフェニル基、ナフチル基、ヒドロキシメチルナフチル基、アントラニル基を示し、R1〜R5は炭素数1〜10の炭化水素基、グリシジル基、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基を示し、xは0〜10の整数を示す。n3及びm3は、0.01≦〔n3/(n3+m3)≦1を満たす数を示す。]
Lを含む繰り返し単位を与えるモノマー成分の具体例は、アセナフチレン、1−メチルアセナフチレン、3−メチルアセナフチレン、4−メチルアセナフチレン、5−メチルアセナフチレン、1−エチルアセナフチレン、3−エチルアセナフチレン、4−エチルアセナフチレン、5−エチルアセナフチレン、1−クロロアセナフチレン、3−クロロアセナフチレン、4−クロロアセナフチレン、5−クロロアセナフチレン、1−ブロモアセナフチレン、3−ブロモアセナフチレン、4−ブロモアセナフチレン、5−ブロモアセナフチレン、1−ニトロアセナフチレン、3−ニトロアセナフチレン、4−ニトロアセナフチレン、5−ニトロアセナフチレン、1−アミノアセナフチレン、3−アミノアセナフチレン、4−アミノアセナフチレン、5−アミノアセナフチレン、1−フェニルアセナフチレン、3−フェニルアセナフチレン、4−フェニルアセナフチレン、5−フェニルアセナフチレン、1−メルカプトアセナフチレン、3−メルカプトアセナフチレン、4−メルカプトアセナフチレン、5−メルカプトアセナフチレン、1−ヒドロキシアセナフチレン、3−ヒドロキシアセナフチレン、4−ヒドロキシアセナフチレン、5−ヒドロキシアセナフチレン、1−ヒドロキシメチルアセナフチレン、3−ヒドロキシメチルアセナフチレン、4−ヒドロキシメチルアセナフチレン、5−ヒドロキシメチルアセナフチレン、アセナフチレン−1−カルボン酸、アセナフチレン−3−カルボン酸、アセナフチレン−4−カルボン酸、アセナフチレン−5−カルボン酸等が挙げられる。これらは1種単独であるいは2種類以上を混合して使用することができる。
Qを含む繰り返し単位を与えるモノマー成分の具体例は、Gを含む繰り返し単位を与えるモノマー成分と同様である。式(4)で表される重合体において、適用できる共重合比及び好ましい共重合比、Mw及び重合方法は式(2)に表される重合体におけるそれらと同様である。
アントラセン環を含む化合物は下記式(5)に表される。
式(5):
[式中、Rf及びRgは水素原子、炭素数1〜3の炭化水素基を示し、Tは水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、−(CH2)xCOOR1、−(CH2)xOCOR2、−(CH2)xCOR3、−(CH2)xCONR4R5、−CH2OH、−COOH、−CONH2、アミノ基、ヒドロキシル基を示し、R1〜R5は炭素数1〜10の炭化水素基を示し、xは0〜10の整数を示す。Uは水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、−(CH2)xCOOR1、−(CH2)xOCOR2、−(CH2)xCOR3、−(CH2)xCONR4R5、−(CH2)xNHCH2OCH3、−CH2OH、−COOH、−CONH2、アミノ基、ヒドロキシル基を示し、R1〜R5は炭素数1〜10の炭化水素基、グリシジル基、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基を示し、xは0〜10の整数を示す。n4及びm4は、0.01≦〔n4/(n4+m4)≦1を満たす数を示す。]
Tを含む繰り返し単位を与えるモノマー成分の具体例は、9―ビニルアントラセン、1−ビニルアントラセン、2−ビニルアントラセン等が挙げられる。これらは1種単独であるいは2種類以上を混合して使用することができる。
Uを含む繰り返し単位を与えるモノマー成分の具体例は、前記したGを含む繰り返し単位を与えるモノマー成分から、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、9−ビニルアントラセンを除いたものと同様である。式(5)に表される重合体において、適用できる共重合比及び好ましい共重合比、Mw及び重合方法は、式(2)に表される重合体におけるそれらと同様である。
上記、フェニル環、ナフタレン環、アセナフテン環及びアントラセン環から選ばれた少なくとも1種の環構造を有する重合体(b)は、モノマーの種類により、例えばラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等の方法により、溶液重合等の重合形態で適宜製造することができる。ラジカル重合の場合、開始剤は、アゾビスイソブチロニトリル、ジベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。カチオン重合開始剤としては、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、ジクロロ酢酸、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、トリクロロホウ素、トリブロモホウ素等が挙げられる。アニオン重合開始剤としては、メチルリチウム、n−ブチルリチウム、フェニルリチウム、リチウム、ナトリウム等が挙げられる。重合溶剤については、特に限定されないが、重合方法及びモノマーの溶解性によって適宜選択される。
本発明の組成物における重合体(a)と重合体(b)の比率に特に制限はなく、本発明の効果を奏する限りにおいて任意の比率とすることができるが、重合体(a)の比率が少なすぎるとArF光を用いた場合の屈折率が低下し、吸光度が大きくなりすぎるため反射が大きくなりすぎる。重合体(b)の比率が少なすぎると吸光度が低下すると共に、定在波の防止効果が小さくなりすぎ好ましくない。重合体(a)と重合体(b)との比率は、重合体(a)100質量部に対して、重合体(b)が好ましくは10〜1000質量部、更に好ましくは20〜800質量部、特に好ましくは30〜500質量部の範囲である。
本発明の組成物には重合体の他に溶剤が含まれる。この溶剤としては、前述及び後述する組成物の成分を溶解しうる。具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類;トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル等のトリエチレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエテルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸−n−プロピル、乳酸イソプロピル、乳酸−n−ブチル、乳酸−n−イソブチル等の乳酸エステル類;ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸−n−プロピル、ギ酸イソプロピル、ギ酸−n−ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸−n−アミル、ギ酸イソアミル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−n−アミル、酢酸イソアミル、酢酸−n−ヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸−n−プロピル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸−n−ブチル、プロピオン酸イソブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸−n−プロピル、酪酸イソプロピル、酪酸−n−ブチル、酪酸イソブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、メトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、アセト酢酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、メチル−n−アミルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類等を適宜選択して使用する。これらのうち、好ましい溶剤としては、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、メチル−n−アミルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン等が挙げられる。これらの溶剤は、1種単独で又は2種類以上を混合して使用される。
溶剤の配合量は、得られる組成物の固形分濃度が、通常0.01〜70質量%程度、好ましくは0.05〜60質量%、更に好ましくは0.1〜50質量%となる範囲である。
[その他の成分]
本発明の組成物には、本発明の所望の効果を損なわない限り、必要に応じて架橋剤、熱又は光酸発生剤、及び各種添加剤を配合することができる。
(架橋剤)
架橋剤は、例えば、本発明の組成物を半導体基板に塗布して得られる反射防止膜と、その上に塗布、形成されるレジスト膜との間でインターミキシングが起こることを防止する役割を果たす。また、塗布後のクラックを防止する役割も果たす。具体例としては、(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジオール、メチレンビスフェノール、4,4’−エチリデンビスフェノール、4,4’,4’’−メチリデントリスフェノール、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、ノボラック等のポリフェノール類、上記多核フェノール類の水酸基の部分がナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホン酸エステル体に置換されている、2,6−(4‘−アジドベンザル)メチルシクロヘキサノン、4−メチル−2,6−(4‘−アジドベンザル)メチルシクロヘキサノン、4−エチル−2,6−(4‘−アジドベンザル)メチルシクロヘキサノン、4,4’−ジアジドカルコン、3,3‘−ジアジドジフェニルスルホンなどのジアジド化合物、トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、シクロヘキサンジイソシアナート等のジイソシアナート類;エピコート812、同815、同826、同828、同834、同836、同871、同1001、同1004、同1007、同1009、同1031(商品名、油化シェルエポキシ製)、アラルダイト6600、同6700、同6800、同502、同6071、同6084、同6097、同6099(商品名、チバガイギー製)、DER331、同332、同333、同661、同644、同667(商品名、ダウ製)等のエポキシ化合物類;サイメル300、同301、同303、同350、同370、同771、同325、同327、同703、同712、同701、同272、同202、マイコート506、同508(商品名、三井サイアナミッド製)等のメラミン系硬化剤、サイメル1123、同1123−10、同1128、マイコート102、同105、同106、同130(商品名、三井サイアナミッド製)等のベンゾグアナミン系硬化剤;サイメル1170、同1172(商品名、三井サイアナミッド製)、ニカラックN−2702(商品名、三和ケミカル社製)等のグリコールウリル系硬化剤等が挙げられる。
これら多核フェノール類のなかで、特に4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール及びノボラック、およびそのナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホン酸エステル体、2,6−(4‘−アジドベンザル)メチルシクロヘキサノン、4−メチル−2,6−(4‘−アジドベンザル)メチルシクロヘキサノン、4−エチル−2,6−(4‘−アジドベンザル)メチルシクロヘキサノン、4,4’−ジアジドカルコンなどが好適である。
架橋剤の配合量は、反射防止膜組成物の重合体(a)と重合体(b)との合計100質量部当たり、通常、1〜100質量部、好ましくは、5〜80質量部である。
(酸発生剤)
酸発生剤は、先に述べた架橋剤の架橋反応を助ける触媒としての役割を果たす。そのため本発明の組成物を半導体基板に塗布して得られる反射防止膜と、その上に塗布、形成されるレジスト膜との間でインターミキシングが起こることを防止する役割を果たす。また、塗布後のクラックを防止する役割も果たす。酸発生剤としては、潜在性熱酸発生剤又は潜在性光酸発生剤を挙げることができる。
潜在性熱酸発生剤は、通常50〜450℃、好ましくは150〜350℃に加熱することにより酸を発生する化合物であり、スルホニウム塩、ベンゾチアゾリウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩などのオニウム塩が用いられる。潜在性熱酸発生剤として用いられるスルホニウム塩の具体例としては、4−アセトフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、ジメチル−4−(ベンジルオキシカルボニルオキシ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジメチル−4−(ベンゾイルオキシ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジメチル−4−(ベンゾイルオキシ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、ジメチル−3−クロロ−4−アセトキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートなどのアルキルスルホニウム塩;ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−メトキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−2−メチル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゾイントシレート、2−ニトロベンジルトシレートなどのベンジルスルホニウム塩;ジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−アセトキシフェニルジベンジルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−4−メトキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、ジベンジル−3−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−メトキシベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェートなどのジベンジルスルホニウム塩;p−クロロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、p−ニトロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、p−クロロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、p−ニトロベンジル−3−メチル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、3,5−ジクロロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、o−クロロベンジル−3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートなどの置換ベンジルスルホニウム塩を挙げることができる。
また、ベンゾチアゾニウム塩の具体例としては3−ベンジルベンゾチアゾリウムヘキサフルオロアンチモネート、3−ベンジルベンゾチアゾリウムヘキサフルオロホスフェート、3−ベンジルベンゾチアゾリウムテトラフルオロボレート、3−(p−メトキシベンジル)ベンゾチアゾリウムヘキサフルオロアンチモネート、3−ベンジル−2−メチルチオベンゾチアゾリウムヘキサフルオロアンチモネート、3−ベンジル−5−クロロベンゾチアゾリウムヘキサフルオロアンチモネートなどのベンジルベンゾチアゾリウム塩を挙げることができる。更に、上記以外の熱酸発生剤として、2,4,4,6−テトラブロモシクロヘキサジエノンを例示できる。
以上のうち、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルベンジルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、3−ベンジルベンゾチアゾリウムヘキサフルオロアンチモネートなどが好ましく用いられる。これらの市販品としては、サンエイドSI−L85、同SI−L110、同SI−L145、同SI−L150、同SI−L160(三新化学工業(株)製)などを挙げることができる。これらの化合物は、単独であるいは2種以上を併用することができる。
潜在性光酸発生剤は、通常、1〜100mJ、好ましくは10〜50mJのエネルギーの紫外光照射により酸を発生する化合物である。潜在性光酸発生剤としては、例えばジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロn−ブタンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムナフタレンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロn−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムナフタレンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニル(4−メチルフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル(4−メトキシフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、(ヒドロキシフェニル)ベンゼンメチルスルホニウムトルエンスルホネート、シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジシクロヘキシル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート、(4−ヒドロキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウムトルエンスルホネート、1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−シアノ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ニトロ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メチル−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−シアノ−1−ナフチル−ジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ニトロ−1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メチル−1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−エトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メトキシメトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−エトキシメトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(1−メトキシエトキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(2−メトキシエトキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−エトキシカルブニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−n−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−iso−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−n−ブトキカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−tert−ブトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(2−テトラヒドロフラニルオキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ベンジルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(ナフチルアセトメチル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートなどのオニウム塩系光酸発生剤類;フェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、メトキシフェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、ナフチル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどのハロゲン含有化合物系光酸発生剤類;1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニルクロリド、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド、2,3,4,4’−テトラベンゾフェノンの1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル又は1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルなどのジアゾケトン化合物系光酸発生剤類;4−トリスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタンなどのスルホン酸化合物系光酸発生剤類;ベンゾイントシレート、ピロガロールのトリストリフルオロメタンスルホネート、ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネート、トリフルオロメタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、N−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホネート、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミドトリフルオロメタンスルホネートなどのスルホン酸化合物系光酸発生剤類などを挙げることができる。これらは1種単独でも2種以上を併用することができる。以上の酸発生剤は、潜在性熱酸発生剤及び潜在性光酸発生剤のいずれの場合も、重合体(a)と重合体(b)との合計100質量部に対して、通常1〜30質量部であることが好ましい。
(他の添加剤)
その他の添加剤としては、例えば、界面活性剤等を挙げることができる。界面活性剤は、塗布性、ストリエーション、ぬれ性、現像性等を改良する作用を有するものである。このような界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤の他、市販品としては、例えばオルガノシロキサンポリマーであるKP341(商品名、信越化学工業製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体であるポリフローNo.75、同No.95(商品名、共栄社油脂化学工業製)、エフトップEF101、同EF204、同EF303、同EF352(商品名、トーケムプロダクツ製)、メガファックF171、同F172、同F173(商品名、大日本インキ化学工業製)、フロラードFC430、同FC431、同FC135、同FC93(商品名、住友スリーエム製)、アサヒガードAG710、サーフロンS382、同SC101、同SC102、同SC103、同SC104、同SC105、同SC106(商品名、旭硝子製)等が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上組合わせても使用することができる。界面活性剤の配合量は、反射防止膜組成物の固形分100質量部当たり、通常、15質量部以下、好ましくは、10質量部以下である。さらにその他の添加剤として保存安定剤、消泡剤、接着助剤等を挙げることもできる。
[組成物の使用法]
本発明の組成物は、半導体基板上にレジストパターンを形成する際に、反射防止膜を形成するのに用いられる。具体的には、例えば、次のように使用される。すなわち、通常、レジストパターン形成方法は、基板上に本発明の反射防止膜形成組成物を塗布し、得られた塗膜をベークして反射防止膜を形成する工程(第1工程)、該反射防止膜上にレジスト組成物溶液を塗布し、得られた塗膜をベークしてレジスト膜を形成する工程(第2工程)、該レジスト膜を露光用マスクを介して放射線にて選択的に露光する工程(第3工程)、露光したレジスト膜を現像する工程(第4工程)、及び反射防止膜をエッチングする工程(第5工程)を含むことが好ましい。
第1工程で形成される反射防止膜の膜厚は、例えば100〜5,000オングストロームであり、組成物は例えば回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の方法により塗布される。次いで、ベークして反射防止膜組成物を熱硬化させる。この際のベーク温度は、例えば100〜400℃程度であることが好ましく、更に好ましくは150〜350℃程度のベーク温度である。ベーク温度が低すぎると、硬化が不十分となる場合があり、高すぎると、膜組成物が熱分解してしまう場合がある。基板としては、例えばシリコンウエハー、アルミニウムで被覆したウエハー等が挙げられる。
第2工程では、該反射防止膜上に得られるレジスト膜が所定の膜厚となるようにレジスト組成物溶液を塗布し、プレベークして得られた塗膜中の溶剤を揮発させてレジスト膜を形成する。この際のプレベークの温度は、使用されるレジストの種類等に応じて適宜調製される。通常、30〜200℃程度、好ましくは、50〜150℃である。
レジスト膜を反射防止膜上に形成させるには、レジスト組成物を適当な溶液に固形分濃度が例えば5〜50質量%となるように溶解したのち、例えば孔径0.2μm程度のフィルターでろ過して組成物溶液を調製し、これを回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の方法により反射防止膜上に塗布する。なお、この場合、市販のレジスト溶液をそのまま使用できる。
上で使用されるレジスト組成物としては、例えばアルカリ可溶性樹脂とキノンジアジド系感光剤とからなるポジ型レジスト組成物、アルカリ可溶性樹脂と感放射線性架橋剤とからなるネガ型レジスト組成物、感放射線性酸発生剤を含有するポジ型又はネガ型の化学増幅型レジスト組成物等を挙げることができる。
第3工程で露光に用いられる放射線としては、使用するレジストの種類に応じて、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線、γ線、分子線、イオンビーム等から適切に選択される。これらの放射線のうち、反射防止機能の観点から、好ましいのは、ArF光より短波長の光源であり、特に、反射率の観点からArFエキシマレーザー(193nm)が好適に用いられる。
次いで第4工程で、露光後のレジストを現像する。その後洗浄し、乾燥することにより、所望のレジストパターンを得る。この工程中、解像度、パターンプロファイル、現像性等を向上させるため、露光後、現像前にベーキングを行っても良い。
最後に第5工程で、レジストパターンをマスクとして、酸素プラズマ等のガスプラズマを用いて反射防止膜の乾式エッチングを行い、基板加工用のレジストパターンを得る。
前記工程で使用される現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノナン等を溶解したアルカリ性水溶液を挙げることができる。また、これらの現像液には、水溶性有機溶剤、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類、及び界面活性剤を適量添加することもできる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に何ら制約されるものではない。以下の説明において「部」は特記しない限り「質量部」を意味する。
以下の合成例において、得られた樹脂のMwは、東ソー社製GPCカラム(G2000HXL:2本、G3000HXL:1本)を用い、流量:1.0ml/分、溶出溶剤:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフ法(検出器:示差屈折計)により測定した。
反射防止膜形成組成物の性能評価は、下記の要領で行った。
塗布性(膜厚均一性):
8インチのシリコンウェハー上に、反射防止膜形成組成物をスピンコートした後、ホットプレート上で、300℃で120秒間ベークして反射防止膜を形成した。KLA−TECOR社製分光エリプソメータUV−1280Eを用いて膜厚を49点測定し、膜厚の均一性を測定した。膜厚のσ%が1%を越える場合を不良とした。
光学特性測定:
8インチのシリコンウエハー上に、反射防止膜形成組成物をスピンコートしたのち、ホットプレート上で300℃で120秒間ベークして膜厚0.1μmの反射防止膜を形成した。KLA−TENCOR社製分光エリプソメータUV−1280Eを用いて、248nmにおける屈折率(n値)及び吸光度(k値)を測定した。また、SOPRA社製分光エリプソメーターMOSS−ESVG DEEP UVを用いて、193nmにおけるn値とk値を測定した。
ArF用ポジ型レジストパターンの形成:
8インチのシリコーンウエハー上に、反射防止膜組成物を膜厚600Åの膜が得られるようにスピンコートしたのち、ホットプレート上で300℃で120秒間ベークして反射防止膜を形成した。その後、反射防止膜上にレジスト(ARF001S、JSR(株)製)を塗布し、130℃で90秒間乾燥させた。この際のレジストの膜厚は340nmに制御した。(株)ニコン製ArFエキシマレーザー照射装置を用い、ArFエキシマレーザー(波長193nm)を0.2μmのライン・アンド・スペースパターンを有する石英製マスクを介して基板に32mJ照射した。この後、基板を130℃で90秒間加熱した。2.38質量%濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用い、25℃で1分間現像し、水洗し、乾燥して、ポジ型レジストパターンを形成した。その後、走査型電子顕微鏡を用いてパターン形状を観察し、形状が悪い場合を不良とした。
耐溶剤性:
前述した条件に従って、反射防止膜及びレジスト膜の形成し、ガンマブチロラクトンを形成した反射防止膜上に垂らし30秒間浸漬させ、浸漬前後の膜厚を測定した。浸漬後の反射防止膜の膜厚が浸漬前の膜厚に比べ、30Å以上変化している場合を不良とした。
定在波防止効果:
前述した条件に従って、反射防止膜及びレジスト膜の形成、露光並びに現像を行った。その後、レジスト膜への定在波の影響の有無を走査型電子顕微鏡を用いて観察し、定在波によるパターン側壁のラフネスが見られた場合、不良とした。
合成例1(式(1)の重合体(a)の合成例)
8−メチル−8−カルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン50gと、1,2−ジクロロエタン200mLと、分子量調節剤である1−ヘキセン0.38gと、触媒であるWCl6の濃度0.05M/Lのクロロベンゼン溶液9.16mLと、パラアルデヒドの濃度0.1M/Lの1,2−ジクロロエタン溶液6.87mLと、トリイソブチルアルミニウムの濃度0.5M/Lのトルエン溶液3.7mLとを加え、60℃で10時間反応させ、固有粘度0.56dl/g(クロロホルム中、30℃、濃度0.5g/dl)のポリマーを得た。このポリマー溶液をヘキサン2Lに投じ、沈殿したポリマーをろ過により採取した。40℃で減圧乾燥し、重合体を得た。得られた樹脂は、Mw:82,000(ポリスチレン換算)であった。
合成例2(式(2)の重合体(b)の合成例)
温度計を備えたセパラブルフラスコに、4−ビニルベンジルアルコール50g、メタクリル酸メチル50g、トルエン200g、アゾイソブチロニトリル0.5g、トルエン200gを添加し75℃に昇温し、6時間攪拌した。得られた反応溶液を多量のイソプロパノール中に投入し、沈殿した樹脂をろ過により採取した。40℃で減圧乾燥し、重合体を得た。得られた樹脂は、Mw:22,000(ポリスチレン換算)であった。
合成例3(式(3)の重合体(b)の合成例)
温度計を備えたセパラブルフラスコに、1−ビニルナフタレン50g、t−ブチルメタクリレート50g、トルエン200g、アゾビスイソブチロニトリル0.5g、トルエン200gを添加し75℃に昇温し、6時間攪拌した。得られた反応溶液を多量のイソプロパノール中に投入し、沈殿した樹脂をろ過により採取した。40℃で減圧乾燥し、重合体を得た。得られた樹脂は、Mw:32,000(ポリスチレン換算)であった。
合成例4(式(4)の重合体(b)の合成例)
温度計を備えたセパラブルフラスコに、アセナフチレン50g、4−ビニルベンジルアルコール50g、トルエン200g、アゾビスイソブチロニトリル0.5g、トルエン200gを添加し75℃に昇温し、6時間攪拌した。得られた反応溶液を多量のイソプロパノール中に投入し、沈殿した樹脂をろ過により採取した。40℃で減圧乾燥し、重合体を得た。得られた樹脂は、Mw:18,000(ポリスチレン換算)であった。
合成例5(式(5)の合成例)
温度計を備えたセパラブルフラスコに、9−ビニルアントラセン50g、4−ビニルベンジルアルコール50g、トルエン200g、アゾビスイソブチロニトリル0.5g、トルエン200gを添加し75℃に昇温し、6時間攪拌した。得られた反応溶液を多量のイソプロパノール中に投入し、沈殿した樹脂をろ過により採取した。40℃で減圧乾燥し、重合体を得た。得られた樹脂は、Mw:8,000(ポリスチレン換算)であった。
実施例1
合成例1で合成した重合体10部と合成例2で合成した重合体5部及びナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニックアシッド−4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノールエステル3部、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート1部及びサイメル1170(三井サイアナミッド社製)2部を、2−ヘプタノン81部に溶解し、得られた溶液を孔径0.1μmのメンブランフィルターでろ過し、反射防止膜形成組成物を調製した。次いで、得られた組成物について、前記のようにして性能評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例2
合成例1で合成した重合体10部と合成例3で合成した重合体5部及びナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニックアシッド−4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノールエステル3部、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート1部及びサイメル1170(三井サイアナミッド社製)2部を、2−ヘプタノン81部に溶解し、得られた溶液を孔径0.1μmのメンブランフィルターでろ過し、反射防止膜形成組成物を調製した。次いで、得られた組成物について、前記のようにして性能評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例3
合成例1で合成した重合体10部と合成例4で合成した重合体5部及びナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニックアシッド−4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノールエステル3部、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート1部及びサイメル1170(三井サイアナミッド社製)2部を、2−ヘプタノン81部に溶解し、得られた溶液を孔径0.1μmのメンブランフィルターでろ過し、反射防止膜形成組成物を調製した。次いで、得られた組成物について、前記のようにして性能評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例4
合成例1で合成した重合体10部と合成例5で合成した重合体5部及びナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニックアシッド−4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノールエステル3部、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート1部及びサイメル1170(三井サイアナミッド社製)2部を、2−ヘプタノン81部に溶解し、得られた溶液を孔径0.1μmのメンブランフィルターでろ過し、反射防止膜形成組成物を調製した。次いで、得られた組成物について、前記のようにして性能評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例5
酸発生剤及び架橋剤を用いなかった以外は実施例1と同様にして反射防止膜形成組成物を調製した。得られた組成物について、前記のようにして性能評価を行った。評価結果を表1に示す。
比較例1
反射防止膜形成組成物を用いなかったこと以外は実施例1〜5と同様に性能評価を行った。評価結果を表1に示す。
比較例2
合成例1で合成した重合体15部及びナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニックアシッド−4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノールエステル3部、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート1部、を、2−ヘプタノン81部に溶解し、得られた溶液を孔径0.1μmのメンブランフィルターでろ過し、反射防止膜形成組成物を調製した。次いで、得られた組成物について、前記のようにして性能評価を行った。評価結果を表1に示す。
比較例3
合成例4で合成した重合体15部及びジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート5部、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール5部を、2−ヘプタノン75部に溶解し、得られた溶液を孔径0.1μmのメンブランフィルターでろ過し、反射防止膜形成組成物を調製した。次いで、得られた組成物について、前記のようにして性能評価を行った。評価結果を表1に示す。