JP4139371B2 - 管工事布設用埋戻材の製造方法及び管工事布設用埋戻材 - Google Patents

管工事布設用埋戻材の製造方法及び管工事布設用埋戻材 Download PDF

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本発明は、管工事布設用埋戻材の製造方法に関し、特に、浄水汚泥から管工事布設用埋戻材を製造する方法に関する。
浄水処理によって排出される浄水汚泥は、水分を多量に含んだ粘土や、腐植酸などの微細な粒子から構成されている。
従来、浄水汚泥は、天日で減水されることによって天日乾燥式浄水汚泥にされて、産業廃棄物として埋め立て処分される。他にも、浄水汚泥は、機械で脱水されることによって機械脱水ケーキにされて、産業廃棄物として埋め立て処分されることもある。
しかし、近年、埋め立て処分場の確保が困難となっており、特に浄水汚泥の排出量が多い大都市圏でその傾向が強い。そのため、遠方の処分場まで輸送しなければならず、処理コストの高騰を招いていた。
そこで、浄水汚泥を再利用する技術が考えられえている。例えば、機械脱水ケーキを、グラウンド用舗装材、園芸用土、屋根瓦の固定土、又はセメント原料へ利用する技術が知られている。しかし、天日乾燥式浄水汚泥は、再利用されていない。再利用されない理由を以下で説明する。
機械脱水ケーキの含水比は、90%〜180%の範囲で変動する。一方、天日乾燥式浄水汚泥の含水比は、地域によって異なり、50%〜550%の広い範囲で変動する。
さらに、天日乾燥式浄水汚泥は、同一乾燥床内の汚泥でも含水比に大きな差が生じる。例えば、天日乾燥式浄水汚泥の含水比は、平均が50%であっても、含水比の高い部分では70〜100%となり、一方、含水比の低い部分では30%以下となる。また、天日乾燥式浄水汚泥の含水比の低い部分には、水分蒸発に伴う収縮によって、多量の浄水汚泥の塊(土塊)が生ずる。
このように、天日乾燥式浄水汚泥は、含水比に大きな変動幅があるので、再利用されることがなかった。また、天日乾燥式浄水汚泥に有機物対応型の特殊固化材を加えて固化する技術は知られているが、処理コストが高いため、現実的に利用されていなかった。
一方、管工事布設用の埋戻材は、自然資源を用いている。例えば、水道設備業者は、規定の締固め強度(CBR値)を持つ天然産山砂を購入し、管工事布設用埋戻材として使用している。しかし、これらの自然資源は無尽蔵でない。また、大量採取によって、資源の減少や自然破壊といった問題も生じている。
この問題点を解消するために、管工事布設用埋戻材(主に、再生路盤材又は再生砕石)等を建設汚泥から生成する技術が知られている。
例えば、コンクリート殻及びセメントを建設汚泥に添加混合し、固化したものを40mm以下に破砕することによって、路盤材として再利用する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
他にも、セメント固化剤、水及び添加剤を建設汚泥に添加混合後、造粒し、その造粒物にコンクリート殻を混合することによって、再生クラッシャラン又は再生砕石として再利用する技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−342902号公報 特開2003−33798号公報 特開2003−236520号公報
しかし、前述した建設汚泥を再利用する技術は、そのまま浄水汚泥に応用することができない。なぜなら、浄水汚泥は、建設汚泥の性状と異なるからである。
建設汚泥は、砂及びシルトを主成分としており、含水比が浄水汚泥より低い。また、腐植酸等の有機物がほとんど含有されていない。従って、建設汚泥の含水に応じてセメントの添加量を調整して固化すれば(例えば、重量比で40〜60%)、セメントのポゾラン反応が阻害されないので、建設汚泥は強度を発現する。
一方、浄水汚泥は、主成分の粘土のほかに、腐植酸(例えば、フミン酸)等の有機酸成分が含有されている。浄水汚泥にセメント(例えば、ポルトランドセメント)を添加混合して固化すると、浄水汚泥の有機酸成分によって、セメントのポゾラン反応が阻害される。このため、浄水汚泥の強度発現が著しく遅延してしまう。
なお、ポゾラン反応阻害の原因は、セメントの水和反応時に生成する水酸化カルシウムのカルシウムイオンCa2+が、浄水汚泥に含まれる有機酸成分との反応によるものである。
また、浄水汚泥には、活性炭や消石灰が混入する場合もある。このことも、浄水汚泥の再利用に大きな影響を与えている。
たとえ建設汚泥を再利用する従来技術を浄水汚泥に応用したとしても、浄水汚泥にセメント系固化材を添加する際に、セメント固化材に含有される微量の六価クロムを溶出するという問題が生じてしまう。
本発明はこのような問題点を解決するために提案されたもので、浄水汚泥から良質な管工事布設用埋戻材を低コストで製造する。
本発明は、含水比が300〜600%の浄水汚泥である高含水浄水汚泥を原料とする管工事布設用埋戻材の製造方法において、前記高含水浄水汚泥を天日乾燥し、天日乾燥時に前記高含水浄水汚泥と乾燥床の底砂とを混練し、その後生石灰が主導する減水材と、セメント又はセメント系固化材と、を添加することを特徴とする。
本発明によると、含水比が高く、活性炭やフミン酸等有機質成分が含有された浄水汚泥を原料として、より低コストで管工事布設用埋戻材を製造することができる。製造された管工事布設用埋戻材は、粒度が10mm以下に揃い、一定の締固め強度を有し、環境に対して害の無いものであり、山砂の代替品として十分に使用できる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
なお、本実施の形態の浄水汚泥は、浄水処理過程中に添加された注入物の種類に限定されず、活性炭や消石灰が混入せれていてもよい。
まず、本発明の実施の形態の参考例として、低含水浄水汚泥から管工事布設用埋戻材を製造する工程を以下に示す。
図1は、本発明の実施の形態の参考例のフローチャートを示す図である。
ここで、低含水浄水汚泥とは、含水比が300%未満の浄水汚泥である。例えば、低含水の天日乾燥式浄水汚泥又は機械脱水ケーキ等があげられる。
管工事布設用埋戻材の製造工程は、まず、低含水浄水汚泥を粘土化する(工程A)。粘土化は、通常の浄水汚泥の解砕に使用される装置によって行われる。例えば、ロールの隙間を10mm以下に調整されたロールクラッシャーや、浄水汚泥を解砕して練りこむ混練ミキサ等の装置である。このように粘土化することによって、後述する工程Cで添加する固化材を均一に混合することが可能となる。
次に、粘土化された低含水浄水汚泥に、生石灰を添加混練する(工程B)。混練は、混練ミキサ等によって、例えば1〜3分間程度行う。なお、混練ミキサは、特に限定されないが、例えば2軸パドルミキサや、アーム及びローラが付いた混練ミキサである。
その結果、添加された生石灰は、水和反応して消石灰(水酸化カルシウム)となる。消石灰は、低含水浄水汚泥中のフミン酸を中和・破壊し、低含水浄水汚泥の有機質性状を改良する。これによって、ポラゾン反応のフミン酸による阻害を排除するので、製造される管工事布設用埋戻材の強度が向上する。
また、生石灰は、水和反応の発熱によって、低含水浄水汚泥の水分を蒸発させる(減水する)。更に、水和反応によってエトリンガイトが生成されるので、粒子間に架橋を形成し低含水浄水汚泥を固化する。
なお、低含水浄水汚泥の含水比が低い場合、工程Bは省略することもできる。省略した場合には、後述する工程Dにおいて、生石灰を添加して有機質性状を改良する必要がある。
次に、生石灰を添加混練した低含水浄水汚泥に、セメント又はセメント系固化材(セメント等)と共に還元固定剤を添加混練し、混練ミキサで十分な攪拌及び練り込みを行う(工程C)。なお、セメント等は、特に限定されるものでなく、市販のものを使用することができる。例えば、セメント等は、ポルトランドセメント、高炉セメント又は汎用性セメント系固化材である。
なお、工程Cでセメント等を添加するのは、管工事布設用埋戻材が、天然産山砂の特性である、流動性及び締固め強度を備えるためである。管工事布設用埋戻材は、流動性を確保するために、天然産山砂のように10mm以下の粒度分布で揃えなければならない。また、管工事布設用埋戻材は、10トン以上の車両が舗道上を通過できる支持力の締固め強度が必要である。即ち、管工事布設用埋戻材は、CBR値で20%以上の締固め強度を備えることが望ましい。
しかし、セメント等を低含水浄水汚泥に添加することは、締固め強度を大きくする上で、経済的かつ有効な手段であるが、六価クロムの溶出が懸念される。そこで、本出願人が開発した還元固定剤(特許文献3参照)をセメント等と共に添加混練することで、管工事布設用埋戻材から六価クロムの溶出を抑制することができる。
この還元固定剤は、硫酸第一鉄(試薬鹿1級、関東化学株式会社製)を0.7〜1.0重量%、珪酸ナトリウムの水溶液(J珪酸ソーダ3号、日本化学工業株式会社製)を14〜21重量%、水及び安定剤からなるものである。なお、還元固定剤は、まず、硫酸第一鉄を所定の割合で水中に添加混合し、さらに珪酸ナトリウムの水溶液及び安定剤を所定の割合で添加混合して作成された。
製造工程に戻ると、工程Cを終えた低含水浄水汚泥に、生石灰を主導する造粒粉材を添加混練しながら、10mm以下の粒子に造粒する(工程D)。造粒は、造粒機能を有する混練ミキサによって行うことができる。例えば、株式会社北川鉄工所製の混合ミキサ(実験機商品名ベレガイヤ)や、日工株式会社製の二軸パドル混合ミキサ(実験機商品名ECB)などである。
工程Dにおいて、生石灰を主導する造粒粉材を添加混合することによって、低含水浄水汚泥の可塑性を調整できる。造粒は、セメント等のポゾラン反応が起こる前に行うので、低含水浄水汚泥に可塑性が必要となるからである。
なお、必要に応じて造粒粉材と共に補強材を添加混合してもよい。低含水浄水汚泥中に補強材を加えることによって、製造される埋戻材の強度を補強することができる。更に、生石灰及びセメント等の使用量を低減することができるので、安価に管工事布設用埋戻材を製造することができる。なお、補強材は、水分が少ない粉材であればよい。例えば、山砂、石炭灰、石粉、ダスト、水砕スラグの微粉末等である。
次に、造粒した低含水浄水汚泥を、一定期間で養生する(工程E)。養生は、野積みでシートを被せて行う。この場合の養生期間は、約3週間程度であるが、4週間程度が好ましい。養生期間中に、セメント等が低含水浄水汚泥中の水分を吸収してポゾラン反応を行う。このポラゾン反応によって、生成される管工事布設用埋戻材の強度が向上する。
次に、養生された浄水汚泥は、分級機によって、10mmより大きい粒子と10mm以下の粒子とに分けられる(工程F)。分級機は、例えば、振動ふるい機である。分級された10mm以下の粒子は管工事布設用埋戻材として回収される。一方、10mmより大きい粒子は、ロールクラッシャー等の破砕機によって破砕される。そして、10mm以下に破砕された粒子は、管工事布設用埋戻材として回収される。
本実施の形態においては、工程Bで添加する生石灰の配合量を適当な範囲に調整することによって、生成される生成物の90%以上が10mm以下の粒子となる。この場合、分級の工程(工程F)を省略しても管工事布設用埋戻材を製造することが可能となる。
なお、工程A〜Dは混練ミキサを使って以下のように実現することができる。
混練ミキサへの各材料の投入は、次によって行われる。まず、低含水浄水汚泥を投入されると、計量制御装置を使って低含水浄水汚泥の重量を測定する。そして、測定した重量が設定値に達すると、自動的に予め定められた量の生石灰、セメント等、還元固定剤を順次投入し、また、必要に応じて補強材を投入する。
混練ミキサは、例えば5〜8分間程度で工程A〜Dを行う。そして、工程A〜Dを経た低含水浄水汚泥は、ベルトコンベアを使って移動し、他の場所で養生される。
次に、本実施の形態の低含水浄水汚泥に添加する資材の添加量について説明する。
生石灰の添加率(%)((添加物の重量/浄水汚泥の容積)×100)は、低含水浄水汚泥の容積に対し、3%以上20%以下、より好ましくは5%以上15%以下に設定する。生石灰の添加率が、5%未満であると、生石灰の量が少な過ぎるため、低含水浄水汚泥の減水、有機質性状改良及び造粒効果が充分に発揮できない。一方、15%を超えると、浄水汚泥の水分を減水しすぎるので、セメント等のポゾラン効果に影響を与えてしまう。
セメント等の添加率(%)((添加物の重量/浄水汚泥の容積)×100)は、低含水浄水汚泥の容積に対し、2.5%以上20%以下、より好ましくは5%以上15%以下に設定する。セメント等の添加率が、5%未満であると、セメント等の量が少な過ぎるため、低含水浄水汚泥の固化の効果を充分に発揮できない。一方、15%を超えると、低含水浄水汚泥が固化し過ぎてしまい、更にコスト増にもなる。なお、セメント等の添加率は、低含水浄水汚泥の含水比によって調整してもよい。
次に、本発明に係る実施の形態の高含水浄水汚泥から管工事布設用埋戻材を製造する工程について説明する。
図2は、本発明の実施の形態の高含水浄水汚泥から管工事布設用埋戻材を製造する工程のフローチャートである。
ここで、高含水浄水汚泥とは、含水比が300〜600%の浄水汚泥である。例えば、高含水の天日乾燥式浄水汚泥又は活性炭混入の天日乾燥式浄水汚泥等があげられる。
まず、高含水浄水汚泥は、固化及び造粒する前に、減水する必要がある。そこで、高含水浄水汚泥に生石灰を添加混練して減水する(工程I)。なお、生石灰を添加混練することによって、前述した低含水浄水汚泥の場合と同様に、フミン酸を中和・破壊し、有機質性状を改良する。また、水和反応によって、エトリンガイドが生成されるので、粒子間に架橋を形成し高含水浄水汚泥を固化する。
生石灰を添加混練した高含水浄水汚泥は、混練ミキサ又はバックホウを使って攪拌される。攪拌された高含水浄水汚泥は、生石灰の水和反応の発熱によって、水分が減水される。
攪拌された高含水浄水汚泥は、更に、天日で減水されることが望ましい。また、天日で減水する場所がない場合には、高含水浄水汚泥を野積みで減水してもよい。
この工程Iは、例えば1〜3日間程度で行われる。なお、減水処理をされた高含水浄水汚泥の含水比は、150%以下になることが望ましい。
また、必要に応じて、補強材を生石灰と共に添加混練してもよい。添加する補強材の種類及び添加量は、高含水浄水汚泥の含水比によって調整する。高含水浄水汚泥に補強材を加えることによって、製造される管工事布設用埋戻材の強度を補強することができる。更に、生石灰及びセメント等の使用量を低減することができるので、安価に管工事布設用埋戻材を製造することができる。
減水された高含水浄水汚泥に、セメント等及び還元固定剤を添加混練し、混練ミキサで十分な攪拌及び練込を行う(工程J)。なお、セメント等は、特に限定されるものでなく、市販のものを使用することができる。例えば、セメント等は、ポルトランドセメント、高炉セメント又は汎用性セメント系固化剤である。
なお、工程Jでセメント等を添加するのは、管工事布設用埋戻材が、天然産山砂の特性である、流動性及び締固め強度を備えるためである。管工事布設用埋戻材は、流動性を確保するために、天然産山砂のように10mm以下の粒度分布で揃えなければならない。また、管工事布設用埋戻材は、10トン以上の車両が舗道上を通過できる支持力の締固め強度が必要である。即ち、管工事布設用埋戻材は、CBR値で20%以上の締固め強度を備えることが望ましい。
しかし、セメント等を浄水汚泥に添加することは、締固め強度を大きくする上で、経済的かつ有効な手段であるが、六価クロムの溶出が懸念される。そこで、本出願人が開発した還元固定剤(特許文献3参照)をセメント等と共に添加混練することで、管工事布設用埋戻材から六価クロムの溶出を抑制することができる。
この還元固定剤は、硫酸第一鉄(試薬鹿1級、関東化学株式会所製)を0.7〜1.0重量%、珪酸ナトリウムの水溶液(J珪酸ソーダ3号、日本科学工業株式会社製)を14〜21重量%、水及び安定剤からなるものである。なお、還元固定剤は、まず、硫酸第一鉄を所定の割合で水中に添加混合し、さらに珪酸ナトリウムの水溶液及び安定剤を所定の割合で添加混合して作成された。
次に、混練された高含水浄水汚泥を、一定期間、養生する(工程K)。養生は、野積みでシートを被せて行う。この場合の養生期間は、約3週間程度であるが、4週間程度が好ましい。養生期間中に、セメント等が浄水汚泥中の水分を吸収してポゾラン反応を行う。このポゾラン反応によって、生成される管工事布設用埋戻材の強度が向上する。
次に、養生された高含水浄水汚泥を破砕し、10mm以下の粒子に造粒する(工程L)。
具体的には、まず、養生された高含水浄水汚泥を、バックホウで200mm前後に解砕し、その後、爪付ロールクラッシャーで40mm以下に破砕する。そして、その破砕物は、10mm網の振動篩い機を通され、10mm以下の粒子を埋戻材として回収する。一方、10mmより大きい粒子は、ロールクラッシャーで10mm以下に破砕して、埋戻材として回収する。
次に、本発明の実施の形態の高含水浄水汚泥に添加する資材の添加量について説明する。
生石灰の添加率(%)((添加物の重量/浄水汚泥の容積)×100)は、高含水浄水汚泥の容積に対し、5%以上25%以下、より好ましくは5%以上15%以下に設定する。生石灰の添加率が5%未満であると、生石灰の量が少な過ぎるため、高含水浄水汚泥の減水及び有機質性状改良効果が充分に発揮できない。一方、15%を超えると、高含水浄水汚泥の減水及び有機質性状改良効果は変わらないので、コスト増になるだけである。
セメント等の添加率(%)((添加物の重量/浄水汚泥の容積)×100)は、高含水浄水汚泥の容積に対し、5%以上20%以下、より好ましくは5%以上15%以下に設定する。
セメント等の添加率が、5%未満であると、セメント等の量が少な過ぎるため、高含水浄水汚泥の固化効果が充分に発揮できない。一方、15%を超えると、高含水浄水汚泥が固化し過ぎてしまい、更にコスト増にもなる。
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。但し、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
本実施例では、天日乾燥式浄水汚泥を原料とし、管工事布設用埋戻材の製造試験を行った。なお、天日乾燥式浄水汚泥の含水比は60%前後であった。
Figure 0004139371
表1は、本発明の実施例1〜3の実験結果を示す表である。表1は、汚泥の種類、試験項目、試験番号、及び浄水汚泥の平均含水比が記載されている。また、試験で浄水汚泥に添加した、生石灰、セメント及び還元固定剤の添加率が、浄水汚泥の容積に対する添加物の重量比の%(重量%)で記載されている。例えば、100mの浄水汚泥に対し、3tの生石灰を添加すると、生石灰の添加率は3%になる。また、浄水汚泥に試験で添加した山砂の添加率が、浄水汚泥の容積に対する山砂の容積比の%(容積%)で記載されている。例えば、100mの浄水汚泥に対し、10mの山砂を添加すると、山砂の添加率は10%になる。また、試験で生成された管工事布設用埋戻材の粒度分布及び強度特性(CBR試験値)が、記載されている。
即ち、試験番号1及び2では、生石灰(粉末生石灰、田源石灰工業(株)製)の添加率を3%、補強材である山砂の添加率を30%とした。そして、ポルトランドセメント(太平洋セメント(株)製)の添加率を、試験番号1では7.5%(還元固定剤3.8%)、試験番号2では10%(還元固定剤5%)とし、セメントの添加率の違いによる固化効果を調べた。なお、生石灰の添加率は、減水過程及び造粒過程で用いる添加率を合計したものである。
また、試験番号3及び4では、生石灰の添加率を5%、ポルトランドセメントの添加率を5%、還元固定剤を2.5%とした。そして、山砂の添加率を、試験番号3では30%とし、試験番号4では40%とし、山砂の添加率の違いによる固化効果を調べた。
本実施例における管工事布設用埋戻材の製造は、まず、実験用二軸ミキサを用いて天日乾燥式浄水汚泥を粘土化した。なお、粘土化するミキサの混練時間は2分とした。次に、粘土化した天日乾燥式浄水汚泥に生石灰を添加することによって、減水及び浄水汚泥の性状を改良した。なお、このときのミキサの混練時間は1分とした。
次に、減水した天日乾燥式浄水汚泥に、ポルトランドセメント及び還元固定剤(硫酸第一鉄及び珪酸ナトリウムを主成分とする液体)を加えて2分間混練する。そして、ポルトランドセメント及び還元固定剤が均一に浄水汚泥と練り込まされた事を確認した後、二軸ミキサで造粒粉材である生石灰を添加しながら1分間で混合物を造粒した。次に、造粒した天日乾燥式浄水汚泥に補強材である山砂を混合し、室温で4週間養生して管工事布設用埋戻材を得た。
そして、得られた管工事布設用埋戻材の強度特性(CBR試験値)及び粒度分布をそれぞれ測定した。なお、粒度分布は、JIS A 1204に準じて測定した。また、CBR試験は、JIS A 1211に準じて測定した(以下同様)。測定結果を、表1に示す。
試験番号1及び2によると、生石灰の添加率を3%、山砂の添加率を30%とした場合、ポルトランドセメントの添加率を7.5%とすると、管工事布設用埋戻材は、CBR値が7.7%となり、強度を発現しなかった。一方、ポルトランドセメントの添加率を10%とすると、管工事布設用埋戻材は、CBR値が68%となり、強度を発現する。なお、試験番号1と2では、還元固定剤の添加率が異なるが、還元固定剤による管工事布設用埋戻材の強度に与える影響は非常に小さいので無視することができる。
また、試験番号3及び4によると、生石灰の添加率を5%とした場合、ポルトランドセメントを5%としても、管工事布設用埋戻材は、CBR値が81.4%、71.3%となり、強度を発現する。つまり、この結果を試験番号1と比較すると、生石灰の添加率を増加すると、ポルトランドセメントの添加率を低くしても管工事布設用埋戻材の強度を発現することが分かる。
更に、試験番号3及び4を比較すると、山砂の添加率が30%の場合は管工事布設用埋戻材のCBR値が87.4%となり、山砂の添加率が40%の場合は管工事布設用埋戻材のCBR値が71.3%となった。この結果から、山砂の添加率を一方的に増加しても、管工事布設用埋戻材の強度が必ず比例して増加するとは限らないことが分かる。
また、本実施例で生成した管工事布設用埋戻材は、10mm以下の礫分及び砂分を主成分とし、山砂並みの粒度分布である。
(実施例2)
本実施例では、天日乾燥式浄水汚泥を原料とし、実施例1と同様の工程で管工事布設用埋戻材の製造試験を行った。なお、天日乾燥式浄水汚泥の含水比は55%前後であった。本実施例における各添加物の添加率は、表1に示す。
試験番号5〜7は、ポルトランドセメントを5%、還元固定剤を2.5%、生石灰の添加率を5〜7%とした。そして、山砂の添加率を、試験番号5では0%、試験番号6では10%、試験番号7では30%と変化させ、山砂の添加率の違いによる固化効果を調べた。
試験番号5によると、生石灰の添加率を5%、ポルランドセメントの添加率を5%とした場合、山砂を0%とすると、管工事布設用埋戻材は、CBR値が8.9%となり、強度を発現しなかった。一方、試験番号6によると、山砂の添加率を10%に増すと、管工事布設用埋戻材は、CBR値が46%となり、強度を発現する。また、試験番号7によると、山砂の添加率を30%に増すと、管工事布設用埋戻材は、CBR値が90%となり、更に強度を増した。この結果から、低含水浄水汚泥では、セメントの添加率が低くても、山砂の添加率を調整することによって、希望の強度を得ることができることが分かった。
また、本実施例で生成した管工事布設用埋戻材は、10mm以下の礫分及び砂分を主成分とし、山砂並みの粒度分布を得た。
(実施例3)
本実施例では、天日乾燥式浄水汚泥を原料とし、実施例1と同様の工程で管工事布設用埋戻材の製造試験を行った。なお、天日乾燥式浄水汚泥の含水比は57%前後であった。本実施例における各添加物の添加率は、表1に示す。
なお、試験番号8及び9では、高炉セメントB種(太平洋セメント(株)製)を使用した。また、試験番号10では、汎用性有機質対応型セメント系固化材(商品名GS−10、太平洋セメント(株)製)を使用した。
試験番号8〜10は、高炉セメントB種又は有機質対応型セメント系固化材を15%、還元固定剤を7.5%とし、生石灰及び山砂の添加率の変化による固化効果を調べた。
試験番号8によると、生石灰の添加率を5%、高炉セメントB種の添加率を15%、山砂の添加率を25%とした場合、管工事布設用埋戻材は、CBR値が186%となり、強度を発現した。また、試験番号9によると、山砂以外の添加率は試験番号8と同一であり、山砂の添加率を20%に減らしても、管工事布設用埋戻材は、CBR値が137%となり、十分な強度が得られた。
一方、試験番号10によると、生石灰の添加率を0%、有機質対応型セメント系固化材の添加率を15%、山砂の添加率を試験番号9と同じ20%とした場合、管工事布設用埋戻材は、CBR値が34%となり、強度を発現したが、試験番号8及び9と比較して十分な強度向上効果が得られなかった。
以上の結果から、有機質対応型セメント系固化材及び山砂の組合せで生成された管工事布設用埋戻材より、同量の高炉セメント及び山砂の組合わせに、生石灰5%を加えた管工事布設用埋戻材のほうが、強度を大きく向上させることができた。よって、生石灰が浄水汚泥の有機質性状を改良する効果があることが示唆された。
また、本実施例で生成した管工事布設用埋戻材は、10mm以下の礫分及び砂分を主成分とし、山砂並みの粒度分布を得た。
(比較例1)
比較例1では、天日乾燥式浄水汚泥を原料とし、実施例1と同様の工程で管工事布設用埋戻材の製造試験を行った。なお、天日乾燥式浄水汚泥の含水比は57%前後であった。本実施例における各添加物の添加率は、表1に示す。
即ち、生石灰を添加せず、還元固定剤を7.5%に固定し、ポルトランドセメント及び山砂の添加率を変化して、固化効果を調べた。
試験番号11〜14によると、生石灰を添加せず、山砂の添加率を0〜30%、ポルトランドセメントの添加率を5〜15%とした場合、管工事布設用埋戻材は、CBR値が1.7〜4.5%となり、いずれも強度を発現しなかった。この結果からも、生石灰は、浄水汚泥の有機質性状の改良効果を発揮し、セメントの固化効果に大きな影響を与えていることが示唆された。
(実施例4)
本実施例では、浄水処理過程で石灰を注入した機械脱水ケーキを原料とし、管工事布設用埋戻材の製造試験を行った。なお、機械脱水ケーキの含水比は91.2%又は93.8%であった。本実施例の脱水ケーキは、石灰が予め含まれていたため、生石灰を添加してケーキの有機質性状を改良する必要がないと判断される。よって、本実施例では、セメントを用いて製造試験を行った。
Figure 0004139371
表2は、本発明の実施例4の実験結果を示す表である。
即ち、試験番号15〜18は、ポルトラントセメントの添加率を15%、還元固定剤の添加率を7.5%とし、山砂の添加率の違いによる固化効果を調べた。
本実施例における管工事布設用埋戻材の製造は、まず、実験用二軸ミキサを用いて機械脱水ケーキを粘土化する。なお、粘土化するミキサの混練時間は3分とした。次に、粘土化された機械脱水ケーキに、ポルトランドセメント(太平洋セメント(株)製)、及び還元固定剤(硫酸第一鉄及び珪酸ナトリウムを主成分とする液体)を添加して2分間混練した。次に、二軸ミキサを用いて、生石灰50%及び石粉50%を混合した造粒粉材を機械脱水ケーキに添加しながら1分間造粒した。そして、造粒された機械脱水ケーキに補強材である山砂を混合して、室温で4週間養生して管工事布設用埋戻材を得た。
得られた管工事布設用埋戻材の強度特性(CBR試験値)及び粒度分布をそれぞれ測定した。測定結果を表2に示す。
試験番号15〜18によると、機械脱水ケーキに、セメントの添加率を15%、還元固定剤の添加率を7.5%とした場合、山砂の添加率を増加させると、得られる管工事布設用埋戻材の強度も増加し続ける。しかし、試験番号17及び18によると、山砂の添加率を40%としても、山砂の添加率を30%とした場合と比較して、管工事布設用埋戻材の強度を大きく向上することができなかった。
また、本実施例で生成した管工事布設用埋戻材は、10mm以下の礫分及び砂分を主成分とし、山砂並みの粒度分布を得た。
(比較例2)
比較例2では、機械脱水ケーキを原料とし、実施例4と同様の工程で管工事布設用埋戻材の製造試験を行った。なお、機械脱水ケーキの含水比は93.8%であった。本比較例2における各添加物の添加率は、表2に示す。
即ち、ポルトランドセメントの添加率を10%、還元固定剤の添加率を7.5%、山砂の添加率を20%とし、固化効果を調べた。
すると、製造された管工事布設用埋戻材は、CBR値が45%となり、強度を発現できた。この結果を試験番号15の結果と比較すると、ポルトランドセメントの添加率を低減しても、山砂の添加率を増加させることによって、管工事布設用埋戻材は同等の強度が得られることが分かった。
つまり、山砂の添加率を増加させることによって、ポルトランドセメントの添加率を低減しても、目標の強度を得ることができるので、管工事布設用埋戻材を安価に製造できる。
(実施例5)
本実施例では、活性炭が混入した天日乾燥式高含水浄水汚泥を原料とし、管工事布設用埋戻材の製造試験を行った。なお、天日乾燥式高含水浄水汚泥の含水比は532.9%又は580.3%であった。
Figure 0004139371
表3は、本発明の実施例5の実験結果を示す表である。
即ち、試験番号20〜25では、ポルトランドセメントの添加率を15%、還元固定剤の添加率を7.5%とし、生石灰の添加率を5〜15%、山砂の添加率を20〜30%、及び石炭灰の添加率を10〜20%と変化させて固化効果を調べた。
本実施例における管工事布設用埋戻材の製造は、まず、生石灰、山砂及び石炭灰を天日乾燥式高含水浄水汚泥に添加し、実験用二軸ミキサを用いて3分間混練する。そして、混練された天日乾燥式高含水浄水汚泥を空気中で減水する。なお、試験番号20〜23の減水期間は3日間であり、試験番号24及び25の減水期間は6日間であった。
減水後の天日乾燥式高含水浄水汚泥の含水比が150%以下になることを確認した後、ポルトランドセメント(太平洋セメント(株)製)、及び還元固定剤(硫酸第一鉄と珪酸ナトリウムを主成分とする液体、本発明者製)を添加し、実験用二軸ミキサを用いて3分間混練する。混練した天日乾燥式高含水浄水汚泥を室温で4週間養生し、さらに破砕及び造粒し、10mmの篩いを通したものを管工事布設用埋戻材として回収した。
得られた管工事布設用埋戻材の強度特性(CBR試験値)及び粒度分布をそれぞれ測定した。測定結果を表3に示す。
試験番号20〜23によると、セメントの添加率を15%とした場合、生石灰、山砂及び石炭灰を添加した管工事布設用埋戻材は、CRB値が106.8%以上であり、大きい強度を発現した。一方、試験番号24及び25によると、セメントの添加率が同一の15%の場合でも、石炭灰を添加せず、生石灰及び山砂を添加した管工事布設用埋戻材は、強度を発現したものの、試験番号20〜23で石炭灰を添加して生成した管工事布設用埋戻材よりCBR値が低かった。
この結果から、活性炭が混入した天日乾燥式高含水浄水汚泥に対し、生石灰及びポルトランドセメントを添加し、更に、補強材を添加することによって、管工事布設用埋戻材の強度を向上させることができる。特に、補強材として、石炭灰を添加することによって、管工事布設用埋戻材の強度を著しく向上させることができる。
また、本実施例で生成した管工事布設用埋戻材は、10mm以下の礫分及び砂分を主成分とし、山砂並みの粒度分布を得た。
(比較例3)
比較例3は、活性炭が混入した天日乾燥式高含水浄水汚泥を原料とし、実施例5と同様の工程で管工事布設用埋戻材の製造試験を行った。なお、天日乾燥式浄水汚泥の含水比は532.9%であった。本比較例3における各添加物の添加率は、表3に示す。
即ち、生石灰を添加せず、ポルトランドセメントの添加率を15%、還元固定剤の添加率を7.5%、山砂の添加率を30%とし、固化効果を調べた。
すると、管工事布設用埋戻材は、CBR値が6.1%となり、強度を発現しなかった。この結果と試験番号20〜23の結果とを比較すると、生石灰を添加しなかったことが原因であると判断できる。本比較例3では、生石灰を添加しなかったため、高含水浄水汚泥の有機質性状を改良できなかったからである。つまり、有機質性状を改良することによって、ポルトランドセメントであっても浄水汚泥を固化できることが分かる。
(実施例6)
本実施例では、天日乾燥式浄水汚泥、又は活性炭が混入した天日乾燥式高含水浄水汚泥を原料とし、管工事布設用埋戻材の製造試験を行った。
Figure 0004139371
表4は、本発明の実施例6の実験結果を示す表である。
管工事布設用埋戻材は、実施例5と同様の工程で製造される。
そして、製造された管工事布設用埋戻材の六価クロムの溶出量をそれぞれ調べた。その測定結果を表4に示す。なお、六価クロムの溶出量の測定は、環境庁告示第46号(土壌の汚染に係る環境基準)に従って、ジフェニカルバジド吸光光度法によって測定した。
試験番号27〜43によると、セメントの添加率を5〜15%とし、還元固定剤の添加率をセメントの添加率の1/2とすることで、すべての試験で六価クロムの溶出量が土壌環境基準値である0.05mg/l以下に抑えられた。
(比較例4)
比較例4では、天日乾燥式浄水汚泥、又は活性炭が混入した天日乾燥式高含水浄水汚泥を原料とし、実施例6と同様の工程で管工事布設用埋戻材の製造試験を行った。なお、比較例4では、還元固定剤を添加せずに管工事布設用埋戻材の製造試験を行った。本比較例4における各添加物の添加率は、表4に示す。
試験番号44〜46によると、還元固定剤を添加しない場合、六価クロムの溶出量が土壌環境基準値(0.05mg/l)を超えてしまう。
この結果から、浄水汚泥からセメント固化材を用いて管工事布設用埋戻材を製造する際に還元固定剤を添加することによって、製造された管工事布設用埋戻材の六価クロムの溶出を環境基準値以下に抑えることができることが分かる。つまり、還元固定剤を添加することによって、安全性の高い管工事布設用埋戻材を製造することができる。
(実施例7)
本実施例では、底砂が混入された天日乾燥式浄水汚泥を原料とし、管工事布設用埋戻材への製造試験を行った。この天日乾燥式浄水汚泥は、天日乾燥期間中に、トラクタで乾燥床中の汚泥を数回で天地換えを行い、強制的に水分を蒸発させた。そのような天地換えの作業は、トラクタの羽根が乾燥床の底部に敷いた底砂を一部掘り起し、天日乾燥式浄水汚泥に底砂を混入する。天日乾燥式浄水汚泥は、底砂が混入すると、含水比が低減する。更に、天日乾燥式浄水汚泥は、補強材として山砂を添加されたときと同様に、強度が向上する効果もある。
なお、本実施例の底砂混入天日乾燥式浄水汚泥の含水比は、43%前後であった。
Figure 0004139371
本実施例における各添加物の添加率は、表5に示す。
表5には、試験で浄水汚泥に添加した生石灰の添加率が、浄水汚泥の容積に対する添加物の重量比の%(重量%)で記載されている。また、浄水汚泥に試験で添加した山砂の添加率が、浄水汚泥の容積に対する山砂の容積比の%(容積%)で記載されている。また、試験で生成された管工事布設用埋戻材の粒度分布及び強度特性(CBR試験値)が、記載されている。
即ち、試験番号47では、生石灰の添加率を10%、補強材である山砂の添加率を40%とした。また、試験番号48では、生石灰の添加率を15%、補強材である山砂の添加率を30%とした。このように本実施例では、セメント等を添加せず、生石灰及び山砂のみの添加による固化効果を調べた。
本実施例における管工事布設用埋戻材の製造は、まず、実験用ミキサを用いて底砂混入天日乾燥式浄水汚泥を2分間で粘土化した。次に、粘土化した底砂混入天日乾燥式浄水汚泥に生石灰を添加することによって、2分間で減水及び浄水汚泥の有機質性状を改良した。
次に、減水した底砂混入天日乾燥式浄水汚泥に造粒粉材である生石灰を添加しながら、二軸ミキサより1分間で混合物を造粒した。次に造粒した底砂混入天日乾燥式浄水汚泥に補強材である山砂を混合し、室温で3週間養生して管工事布設用埋戻材を得た。
そして、得られた管工事布設用埋戻材の強度特性(CBR試験値)及び粒度分布をそれぞれ測定し、結果を表5に示す。
試験番号47によると、生石灰の添加率を10%、山砂の添加率を40%とした場合、得られた管工事布設用埋戻材は、CBR値が71.5%となった。また、試験番号48によると、生石灰の添加率を15%、山砂の添加率を30%として得られた管工事布設用埋戻材は、CBR値が93.7%となった。
この結果から、底砂混入天日乾燥式浄水汚泥に、センメント等を添加しなくても、生石灰を10%前後の添加率で添加し、更に、山砂を30%前後の添加率で添加すると、目標値を超える強度の管工事布設用埋戻材を製造することが可能となることが分かった。また、生石灰の添加率を増加させることによって、生成された管工事布設用埋戻材の強度を向上できることが分かった。
また、本実験例で生成した管工事布設用埋戻材は、10mm以下の礫分及び砂分を主成分とし、山砂並みの粒度分布である。
本発明によれば、浄水処理業者は、浄水汚泥を廃棄せずに、リサイクルすることが可能となる。
本発明の実施の形態の参考例のフローチャートを示す図である。 本発明の実施の形態の高含水浄水汚泥から管工事布設用埋戻材を製造する工程のフローチャートである。

Claims (7)

  1. 含水比が300〜600%の浄水汚泥である高含水浄水汚泥を原料とする管工事布設用埋戻材の製造方法において、
    前記高含水浄水汚泥を天日乾燥し、天日乾燥時に前記高含水浄水汚泥と乾燥床の底砂とを混練し、その後生石灰が主導する減水材と、セメント又はセメント系固化材と、を添加することを特徴とする管工事布設用埋戻材の製造方法。
  2. 前記セメント又はセメント系固化材を添加後、前記高含水浄水汚泥を養生し、その後破砕及び造粒することを特徴とする請求項1に記載の管工事布設用埋戻材の製造方法。
  3. 前記高含水浄水汚泥に、補強材を添加することを特徴とする請求項1又は2に記載の管工事布設用埋戻材の製造方法。
  4. 前記補強材は、山砂、石炭灰、石粉、ダスト及びスラグ微粉末から選択された少なくとも一種であることを特徴とする請求項3に記載の管工事布設用埋戻材の製造方法。
  5. 前記セメント又はセメント系固化材と共に還元固定剤を添加することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の管工事布設用埋戻材の製造方法。
  6. 前記還元固定剤は、硫酸第一鉄及び珪酸ナトリウムを主成分とすることを特徴とする請求項5に記載の管工事布設用埋戻材の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一つに記載の製造方法によって製造された管工事布設用埋戻材であって、粒径が10mm以下、六価クロム溶出量が0.05mg/l以下であることを特徴とする管工事布設用埋戻材。
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