JP4002238B2 - 電子的に描写された画像に透かしを入れる方法およびシステム - Google Patents

電子的に描写された画像に透かしを入れる方法およびシステム Download PDF

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Description

本発明は,電子的に描写された画像に透かしを入れる方法およびシステムに関し,画像の無許可の変更を検出できるようにするものである。
器に入った果物などのようなカラー写真は,概して色や陰影の多くのバリエーションがある。リンゴは大部分は赤いが茶色がかったり黄色がかった色合いを持つ領域もあるし,幾分緑の残った部分もありうる。バナナは黄色や茶色の様々な色の濃淡があるし,緑の残った部分もありうる。また,ブドウは紫色をしている。陰影やハイライトはこういった果物の曲面を明らかにしてくれる。こういった視覚的な複雑さにもかかわらず,写真のあらゆる部分が,赤の軸およびそれと直交する緑の軸,そして赤および緑の軸と直行する青の軸により決定される色空間の中の1色で描写できるのである。3原色の軸全てがゼロの値のときのこの光の3原色座標系の起点では,視覚的印象は黒となり,最大値のときの視覚的印象は白となる。起点のときの黒と最大値のときの白との間では,様々な陰影の灰色を描写する線が示される。
様々な陰影の灰色を描写するこの線は,新しい色空間の軸を決定するために使用できる。この軸は輝度軸(通常,文字Yで示される)と呼ばれ,新しい色空間において赤クロミナンス軸(通常,CrあるいはVで示される)および青クロミナンス軸(通常,CbあるいはUで示される)に付随される。写真のあらゆる部分が光の3原色空間で表されるように,あらゆる部分がYCrCb色空間で表される。光の3原色空間からYCrCbへ変換する簡単な方程式が,よく知られている。他の色空間もよく知られ,時機に応じて使用されている。
人間の目はあいまいなレベルでの変化に対しての方が,色の変化に対してよりも敏感である。このことは輝度の情報がクロミナンスの情報よりも重要であり,換言すれば,クロミナンスの情報が破棄されても明らかな画像の質の低下はわずかであるということを意味している。様々な画像符号化技術(一般的にデータ圧縮もできるもの)においては,明らかな画像の質の相応の損失を出すことなく画像ファイルのサイズを小さくするために,このことが利用されている。
この種の符号化技術の一つが,1990年代初頭にJoint Photographic Experts Groupにより紹介された初期のJPEG技術である。標準ISO/IEC 10918−1に記載されている。初期JPEG技術(以下,“JPEGオリジナル”)について図1Aおよび1Bを参照して要約する。
図1Aでは,画像符号器20がデジタルカメラ,スキャナあるいは画像を記憶するメモリ等の画像ソースユニット22から,入力信号を受信する。入力信号は赤,緑および青の成分を有するデジタル信号とする。符号器20は入力信号の赤,緑および青の成分をYCrCb色空間に変換する色空間変換器24を有する。輝度(あるいはY)の成分は輝度ブランチ26に与えられる。赤色クロミナンス(あるいはCr)の成分は赤色クロミナンスブランチ28に与えられ,青色クロミナンス(あるいはCb)の成分は青色クロミナンスブランチ30に与えられる。輝度成分の輝度ブランチ26は再分割装置32,離散コサイン変換(DCT)装置34,量子化器36およびエントロピー符号器38(ハフマン符号器。データワードにコードを割り当てることによりファイルのサイズを小さくするもので,短いコードが,より登場しうるデータワードに割り当てられ,長いコードが,あまり登場しないデータワードに割り当てられる)を有する。
再分割装置32は輝度成分を,幅および高さ8ピクセルのブロックに分割する。DCT装置34はこれら各ブロックに対し離散コサイン変換(DCT)を行う。離散コサイン変換は,フーリエ変換に関し,64基底関数に対し重み付けする64係数,あるいは基底画像となる。離散コサイン変換に適用される64基底関数は基本的には起点となるブロックと同一の広がりをもちブロックの水平方向および垂直方向の変化の頻度を描写するパターンを表す。ここで「頻度」とは,時間ではなく空間の変化の度合いを表す。8×8ブロック,64画素値で表される起点画像の部分は64基底関数の合計に等しく,離散コサイン変換を通して生成される係数により重み付けされる。
各ブロックに対しDCT装置34で生成された64係数は所定の順序で整列配置され,量子化器36へ与えられる。量子化器36(およびクロミナンスブランチにおける量子化)は,データ圧縮の際の主要な動力となる。量子化器36は64DCT係数のそれぞれに対する64の量子化の値を有する量子化テーブルを用いる。所望の圧縮画像の質により異なる量子化テーブルが選択される。質が高くなる毎に,圧縮の度合いは下がる。選択されたテーブルの量子化値は整数値(概して互いに同じものもある)となる。量子化器36は各係数を対応する量子化値で除すること,そして端数を切り捨てて最も近い整数値にすることによって量子化する。実際には変化の頻度の高い基底関数のDCT係数は小さくなる傾向にある一方,これら係数に対する量子化値は変化の頻度の低い基底関数に対応する係数の量子化値よりも大きくなる。このため,頻度の高い基底関数のDCT係数は量子化され0となった頻度となる。量子化プロセス中の端数除去および量子化された係数の実質的な数がゼロになる可能性は,実際には,実質的なデータ圧縮が量子化器36によってなされるということを意味する。さらなるデータ圧縮は符号器38によってなされ,エントロピーが量子化されたDCT係数を符号化し,これらをフォーマット装置40に与える。
クロミナンス成分のブランチ28および30は,概して輝度成分の上記ブランチ26と同じである。主要な相違点は量子化器にある。人間の目は輝度の空間的な変化に対しての方が色の空間的な変化に対してよりも敏感なため,ブランチ28および30の量子化器で用いられる量子化テーブルの方が,量子化器36で用いられるテーブルにおいて量子化される値よりも大きい量子化値を持つ。この結果は,クロミナンスブランチで破棄されるデータ量の方が輝度ブランチで破棄されるデータ量よりも大きく,データのロスの増加が圧縮された画像の質を目に見えて低下させてはいないということを示している。クロミナンスブランチで量子化され符号化されたDCT係数は,輝度ブランチで量子化され符号化されたDCT係数と同様,フォーマット装置40に与えられる。
フォーマット装置40は,符号化された画像データフレームを量子化され符号化されたDCT係数に組み立てる。また,フレームに対し,用いられた量子化テーブルおよび符号器38による符号化に関する情報を含む様々な情報を有するヘッダーを与え,符号化された画像が再構成される。そしてフレームは記憶装置,フレームを他の場所に送る送信媒体のインターフェース,あるいは画面上に即座に画像を表示させるために画像を再構成する復号器などのような利用装置42へ送られる。
画像を再構成する画像復号器44を,図1Bに示す。符号化画像ソース46からの符号化された画像データフレームを受信し,量子化され符号化された輝度係数を輝度ブランチ50へ送り,量子化され符号化された赤色クロミナンス係数を赤色クロミナンスブランチ52へ送り,量子化され符号化された青色クロミナンス係数を青色クロミナンスブランチ54へ送るペイロードエキストラクタ48を含んでいる。また,ペイロードエキストラクタ48は量子化および符号化に関する情報をフレームのヘッダーから取り出し,この情報をブランチ50〜54に与える。各ブランチは基本的に図1Aの画像符号器20の対応ブランチにより行われる操作と逆の操作を行う。例えば,輝度ブランチ50は符号器38で符号化されたデータを拡張する復号器56を含む。拡張されたデータは逆量子化器58へ与えられ,そこでは量子化された係数と,量子化器36で除されたときの値と同じ値とが掛け合わされる。計算結果は逆変換装置60へ与えられ,そこでは逆離散コサイン変換が行われ最初の8×8ブロックに近い画素値の8×8ブロックが再生成される。こういったブロックは,再分割結合装置62で全輝度画像に組み立てられる。全輝度画像は,ブランチ52および54からの全クロミナンス画像とともに,色空間変換器64へ与えられ,そこで画像は光の3原色空間に戻される。再構成された画像はディスプレイ装置66に表示される。
画像ファイルを様々な方法で操作できる写真編集ソフトが提供されている。画像を例えばトリミングしたり,あるいは画像の一部を異なる画像からのコンテンツと置き換えることにより変更する。他の編集方法としては,増加傾向にある圧縮,色の調整,画像の一部を他の一部に上書きコピーして他の一部を消す,などがある。こういった変更は肖像写真から汚点を取り除きたいときであれば良い目的となるが,責任を逃れるために自動車事故の写真を詐欺的手段で変造するのであれば悪い目的ということになる。目的に関わらず,画像の変更は画像の完全な状態に対する攻撃という点で特徴付けられる。こういった攻撃を発見できることが望ましい。許容範囲での圧縮(相応の画像の質の低下を伴う)あるいは明度や色の調整を以外の攻撃を発見する手段が,画像に対する透かしである。
本発明の出発点は,Ching‐Yung Lin,および,Shih‐Fu Chang(ここでの共同発明者の一人)の共同論文“Semi−Fragile Watermarking for Authenticating JPEG Visual Content”(Proc.SPIE,Security and Watermarking of Multimedia Contents,San Jose,California,January 2000)の140〜150ページに記載されている透かし技術である。ここで“semi−fragile”とは,透かし技術が,適度の圧縮のような許容範囲の画像の変更を受け入れるのには十分弾力的であるが,他の画像変更に対しては許容範囲が狭いという意味である。
上記論文に記載の透かし技術,いわゆる「特徴量」ビットは画像より生成され,画像に組み込まれる。特徴量ビットを生成するために,画像の8×8ブロックはシークレットマッピング機能を用いて対のグループに分けられる。各ブロック対に対し,所定のDCT係数が選ばれる。特徴量ビットは一対のブロックの一方に対し選択された係数の大きさと他方に対し選択された係数の大きさとの関係に基づいて生成される。具体的には,一方のブロックに対する係数が他方のそれよりも小さい場合,特徴量ビット0が生成される。他の場合,1が生成される。以下の式で表される。
Figure 0004002238
ここで,Sはi番目の特徴量ビットを表し,ブロック対のブロック1および2より生成されたi番目のDCT係数F間の関係を特徴付ける。
特徴量ビットSは,シークレットマッピング機能を用いて組み込まれ,組み込みのホストの役割を果たすブロック対より生じる係数が選ばれる。組み込みはホスト係数のうち最も小さい特徴量ビットを特徴量ビットに応じて調整することにより行われる。
特徴量ビットを生成し,これらが組み込まれるホスト係数を選択するこの手順は,図2A〜2Cを参照して例示される。図2Aは,家および上空の太陽の画像68である。第1のシークレットマッピング機能を用いて8画素×8画素のブロック70,72,74が選択され,8画素×8画素のブロック76,78,80と対にされる。図2Bは,ブロック70の輝度成分より生成される64DCT係数を受信する配列70’を示している。さらに図2Cは,ブロック76の輝度成分より生成される64DCT係数を受信する配列76’を示しており,ブロック76はブロック70と対になっている。更にマッピングルールを用いて,特徴量ビットを生成する際に使用される配列70’および76’における特徴量ソース係数が選択され,特徴量ビットが組み込まれるホスト係数も同様に選択される。この例では,このことは図2Bおよび2Cの中で丸印を用いて示され,特徴量ビットを生成するために選択されたソース係数を示している。特徴量ビットを組み込む際に選択されたホスト係数を示すために六角形が用いられる。
説明のために,例えばブロック対70,76の第1特徴量ビットSは配列70’の列1行1の係数および配列76’の列1行1の対応する係数より生成され,この特徴量ビットが列5行6の係数に組み込まれるとする。方程式(1)を用いると,配列70’の列1行1の係数が配列76’の列1行1の係数と同じかこれより大きい場合,組み込まれる特徴量ビットの式はS1=1となり,配列70’の列1行1の係数が配列76’の列1行1の係数より小さい場合,組み込まれる特徴量ビットの式はS1=0となる。
上記論文に記載された組み込み作業は通常配列70’の列5行6に現れるDCT係数F6,5(つまり,この例におけるホスト係数)を,参照係数と呼ばれる変更値F 6,5に置き換えることによりなされる。計算には,2段階の手順を経る。まず,続く量子化プロセスの中で特徴量ビットS(この例ではi=1)と量子化値Q6,5の和で,通常F6,5を除する。この第1段階では,F6,5およびQ6,5は中間値を求める際に以下のように用いられる。
Figure 0004002238
ここで“IntegerRound”とは,最も近い整数値に切り上げあるいは切り捨てられた値ということである。第2段階では,参照係数F 6,5は以下のようにして求められる。
Figure 0004002238
ここで“sgn”とは,続く式が負の場合マイナス1,負でなければプラス1ということである。
認証プロセスにおいて,特徴量ビットは受信された画像から抽出され上記論文に示された基準に合致しているかどうかのチェックを受ける。この論文には2つの法則が記されている。第1の法則は,量子化の前後で,画像のなかの重複しない2つの8×8ブロックより生成されたDCT係数間には不変の関係がある,ということを基本的に示している。第2の法則は,一定の条件下では量子化されていない係数の正確な値は量子化の後再構成される,ということを基本的に示している。特に,第2の法則は,DCT係数が,続くJPEG圧縮の中でとりうる全ての量子化値よりも大きい所定の量子化値の整数倍の値に変更されると,この変更された係数は最初に用いられた同じ量子化値の使用により,続くJPEG圧縮のなかで正しく再構成されることを示している。この法則は参照係数Fを用いるための根拠となる。方程式(3)より,先述の論文に記載された特徴量ビットを組み込んだ結果,最悪の場合,量子化値の中ではかなり小さい値が得られることになる,ということがわかる。この手順により,多くの場合画像が攻撃された箇所が特定できる。
上記の論文では,誤報の可能性について述べられており,許容範囲の使用の可能性についても触れられている。こういった誤報は雑音によって,特に雑音が明度調整のための編集等の受容可能な変更を伴う場合に起こる。方程式(1)を用いたときにブロック対のi番目の係数が互いに近い数値となる場合,誤報の可能性は特に高くなる。これは,この場合特徴量ビットSが小さい正または負の数をもとに決定されるためである。許容範囲Mは,特徴量チェックの段階で定められ,係数間の差の絶対値がM以下であれば攻撃がなされたかどうかの判断は保留される。以下のとおりである。
Figure 0004002238
このことは図2Dも参照して示される。横軸は,画像が符号化されたとき(つまり,特徴量生成側)のブロック対のi番目の係数の差を表し,縦軸は符号化された画像が復号化されたとき(つまり,特徴量照合側)に決定された差を表している。差が0以上(方程式(1)参照)のとき,あるいは縦軸の右側に等しいとき,S=0の特徴量ビットは特徴量生成側に生成される。許容範囲Mがなければ,攻撃が無い限り照合場所の係数間の差が0以上になると予想することになる。許容範囲Mがすることは,図2Dの横軸に沿って幅2Mの判定を留保する帯域を提供するということである。
許容範囲Mは誤報を減らす一方,画像の攻撃に対し「安全な場所」も提供してくれる。この理由は,量子化された係数間の差の絶対値がMより小さい場合,攻撃が発見できないからである。この制約にかなう攻撃が不可能かかなり困難であれば,この脆弱性は見過ごされることになる。残念ながら,ある画像の中の一物体を他の画像のオブジェクトと置き換えたり,画像の中の背景の一部をあるオブジェクトを隠すためにその上にコピーしたり,白い背景から文字を削除したり,オブジェクトを挿入したり,あるいは淡い背景に物体を描写するといったような攻撃は差の小さい量子化係数という結果になるのである。
JPEGオリジナルの広範囲での成功例からも明らかなように,圧縮とともに離散コサイン変換を適用した画像符号化技術が非常に有用であることは実証済みである。それでもなお,他の基本的手法を用いた画像符号化技術が注目を浴び続けている。その中の1つが,離散コサイン変換の代わりに,係数を生成するウェーブレット変換を適用したものである。この手法はJPEG−2000のなかで用いられている。JPEG−2000の仕様書は,ISO/IEC JTC 1/SC 29/WGIとして発行されている。
離散コサイン変換と同様に,ウェーブレット変換は周知のフーリエ変換に関係している。しかし離散コサイン変換とは異なり,離散ウェーブレット変換(DWT)は,限られた範囲の外ではゼロの値となるコンパクトファンクションを参照して入力信号を分析する。逆に離散コサイン変換は,限られた範囲の外でもゼロの値とはならない。画像符号の分野では,離散ウェーブレット変換は概して,いわゆる「マザーウェーブレット」を他の場所に置き換えたり,係数2を用いマザーウェーブレットを拡張したりすることによって生成される一群の直交するウェーブレットを適用する。DWTにおいて一群の直交あるいはほぼ直交するウェーブレット生成に使用される様々なマザーウェーブレットが知られている。DWTを使用し入力信号を分析すると,入力信号がどれだけよくウェーブレットに関係しているかを示す指標を基本的に与える係数が生成される。これら係数は,位置情報(移動を考慮して)に加えて入力信号についての周波数の情報(拡張を考慮して)を提供する。
図3Aは,画像ソースユニット82より光の3原色を受け取る画像符号器80を示している。符号器80は画像を輝度(Y)の成分に変換する色空間変換器84を有する。輝度(Y)の成分は輝度ブランチ86に与えられる。赤色クロミナンス(Cr)の成分は赤色クロミナンスブランチ88に与えられ,青色クロミナンス(Cb)の成分は青色クロミナンスブランチ90に与えられる。輝度ブランチ86は輝度成分をタイルとして知られるサブユニットに分離する再分割装置92を有し,それらタイルは離散ウェーブレット変換(DWT)装置94に与えられる。DWT装置94はデジタルフィルタを用いてウェーブレット係数を生成する。デジタルフィルタは適用されるウェーブレット群を基礎とする特徴をもつ。
図3BはDWT装置94の概念上の実行状態を概略的に示している。再分割装置92からの,輝度成分のタイルを表す入力信号が,ハイパスフィルタ96に与えられる。ハイパスフィルタ96は行方向に信号を通過させ,ダウンサンプラ98へ続く。ダウンサンプラ98は通過した信号を2でダウンサンプルする(1つおきのサンプルが破棄される)。通過しダウンサンプルされた信号はハイパスフィルタ100に与えられる。ハイパスフィルタ100は列方向に信号を通過させる。結果,ダウンサンプラ102により2でダウンサンプルされたことになる。いわゆる1HHサブバンド(“1”は分解の第1レベルを示し,“HH”は列方向および行方向でのハイパスフィルタを示す)の1組のDWT係数である。ダウンサンプラ98の出力もまたローパスフィルタ104に与えられる。ローパスフィルタ104は列方向に信号を通過させ,通過した信号はダウンサンプラ106により2でダウンサンプルされる。そして1HLサブバンドの1組のDWT係数が提供される。
ハイパスフィルタ96により行方向にハイパスフィルタリングさせられるのに加え,再分割装置92からの信号はフィルタ108によりローパスフィルタリングさせられる。結果,ダウンサンプラ110により2でダウンサンプルされたことになり,信号はハイパスおよびローパスフィルタ112および114に与えられる。これらフィルタは列方向に信号を通過させる。フィルタ112の出力はダウンサンプラ116により2でダウンサンプルされ,1LHサブバンドの1組のDWT係数が提供される。フィルタ114の出力はダウンサンプラ118によりダウンサンプルされ,タイル分解の第1レベルが終了する。図3Cは第1レベル分解の結果得られたDWT係数の4つのサブバンドを概略的に示している。
1LLサブバンドは,様々な場所での両通過方向の低周波数情報を表す。両方向で2でダウンサンプルされ,概して最初のタイルでの画像コンテンツの,より小さいサイズ,低品質のものに相当することになる。1HL,1HH,1LHのサブバンドの係数は様々な場所での高周波数情報を表す。この高周波数情報は,最初のタイルの画像コンテンツを再構成するために,1LLサブバンドでの低周波数情報を増やす段階で用いられる。しかし,1あるいはそれ以上のレベルでの分解が続けられるのが普通である。
図3Bでは,ダウンサンプラ118の出力(1LLサブバンドを表す)がハイパスフィルタ120に与えられる。ハイパスフィルタ120は行方向に信号を通過させ,通過した信号はダウンサンプラ122により2でダウンサンプルされ,そしてハイパスおよびローパスフィルタ124および126に与えられる。これらフィルタはいずれも列方向に通過させる。通過してダウンサンプルされた結果,2HHおよび2HLサブバンドの係数が提供される。ダウンサンプラ118の出力もまた行方向に低域で通過させられ,ダウンサンプルされる。そして列方向に高域で通過させられ,ダウンサンプルされて2LHサブバンドの係数が提供される。このローパス剰余に対するフィルタリングおよびダウンサンプルの工程の繰り返しは,続けることができる。図3Dは,1LLサブバンド(図3C参照)が1つの分解レベルしか持たない領域での第2および第3の分解レベルの係数のサブバンドを示している。
図3Aに戻ると,DWT装置94より生じたDWT係数が配列に配置され,量子化テーブルの量子化値に従って量子化器128により量子化されているのが分かる。量子化テーブルは,この分解のために許容される画像の劣化の程度と連動して,所望の分解の程度によって選ばれたものである(つまり,量子化値の大きさ)。DCT変換と同様に,選択されたテーブルの値は,量子化される特定の係数の視覚的な重要性による大きさに依存した大きさにより変化する整数値である。DWT係数は,テーブル(テーブル内の量子化値の中には,異なる係数に適用されるにもかかわらず数字の上では同じものもある)のその量子化値で除することにより量子化され,余りは切り捨てられる。
引き続き図3Aを参照すると,量子化されたDWT係数はエントロピー符号器130に与えられ,フォーマット装置132に与えられる。フォーマット装置132もまた,量子化され符号化された赤および青色クロミナンス成分のDWT係数をブランチ88および90から受け取る。フォーマット装置132は,量子化され符号化された係数を,符号化された画像を再構成するための情報を含む様々な情報とともに,符号化画像データフレームに設置する。フレームはその後,記憶装置,復号器,あるいは符号化された画像データフレームを所望の方向へ伝送する信号送信装置等のような,符号化画像利用装置134に与えられる。
図3Eは,画像復号器136を示している。画像復号器136は符号化された画像データフレームをソース138から受け取る。ペイロードエキストラクタ140は画像復号のための情報を取り出し,量子化されエントロピー符号化された輝度成分の係数を輝度ブランチ142に与える。量子化されエントロピー符号化された赤および青色クロミナンスの係数はクロミナンスブランチ144および146に与えられる。輝度ブランチ142では,復号器148がエントロピー符号化されたデータを,輝度成分のタイルの量子化された係数を逆量子化器150に与えるために拡張する。逆量子化器150は,量子化された係数にテーブルの値を乗じる。これらの値は,画像符号器80により適用される量子化プロセスの間に係数が除される値と一致する。装置152による逆DWT変換の後,タイルは再分割結合装置154で全輝度画像に組み合わせられる。装置152は,DWT係数から得られた輝度成分のタイルの画素値を再生成する。輝度およびクロミナンス成分の組み合わされた画素値は,変換器156により光の3原色空間へ変換されて戻され,ディスプレイ装置158に与えられる。
本発明の第1の目的は,エラーの少ない,しかし従来技術でエラーを少なくするのに必要とされてきた攻撃に対する脆弱性のない,透かしを入れる方法およびシステムを提供することである。
本発明の他の目的は,範囲値あるいは範囲値の組が,特徴量生成側の選択された係数グループより生成された値と比較され,異なる範囲値が,特徴量照合側の係数グループより生成された値と比較される,透かしを入れる方法およびシステムを提供することである。
本発明のさらなる目的は,画像ファイルを特徴づける生の特徴量を生成し,これら生の特徴量を生の特徴量の組に集め,短縮された特徴量を生の特徴量の組の代わりに用いる方法およびシステムを提供することである。関連目的は,生特徴量コードの組の出現の可能性により,生の特徴量の組を短縮された特徴量にマッピングすることである。
続く詳細な説明の中で明らかになるこれらおよび他の目的は,所定の選択ルールを用いて第1ファイルの係数グループが選択され;所定の計算式を用いて,各グループの係数より第1計算値が決定され;第1計算値は,少なくとも1つの所定の第1範囲値と比較され,前記第1ファイルにマルチビットの生の特徴量が生成され;第1ファイルで用いられたのと同じ選択ルールを用いて第2ファイルの係数グループが選択され;第1ファイルで用いられたのと同じ計算式を用いて,第2ファイルで選択されたグループの前記係数より第2計算値が決定され;第2計算値は,第1範囲値とは異なる複数の第2範囲値と比較され,第2ファイルで選択されたグループの受容可能な生の特徴量を決定し,;および,第2ファイルで選択されたグループの受容可能な生の特徴量は,第1ファイルで生成された生の特徴量と比較される発明の第1の観点に従って得られる。
発明の他の観点に従えば,所定の選択ルールを用いて第1ファイルの係数グループが選択され;所定の計算式を用いて,各グループの係数より第1計算値が決定され;第1計算値は,少なくとも1つの所定の第1範囲値と比較され,第1ファイルにマルチビットの生の特徴量が生成され;生の特徴量は生の特徴量の組に集められ;生の特徴量の組より,短縮された特徴量が決定され;第1ファイルで用いられたのと同じ選択ルールを用いて第2ファイルの係数グループが選択され;第2計算値は,複数の第2範囲値と比較され,第2ファイルで選択されたグループの受容可能な生の特徴量が決定され;短縮された特徴量より,生の特徴量の組を確認する工程と;および,短縮された特徴量より確認された生の特徴量の組は,受容可能な生の特徴量とを比較する,方法が提供される。
(第1の実施の形態)
図4Aは,本発明の第1の実施形態にかかる,画像符号化システムにおける画像符号器200を示している。画像符号器200は,デジタルカメラ,スキャナあるいは記憶装置等のような画像ソース202から,光の3原色を表す信号を受信する。光の3原色空間は,色空間変換器204によってYCrCb色空間に変換される。色空間変換器204は,輝度(Y)の成分を輝度ブランチ206に与える。同様に,赤色クロミナンス(Cr)の成分は赤色クロミナンスブランチ208に,青色クロミナンス(Cb)の成分は青色クロミナンスブランチ210にそれぞれ与えられる。
輝度ブランチ206は,画像の輝度成分を8ピクセル×8ピクセルのブロックに再分割する再分割装置212を有する。これらブロックは各ブロックの画素値に対し離散コサイン変換を行う離散コサイン変換(DCT)装置214に与えられ,DCT係数64を各ブロックに生成する。各ブロックに対する係数64はグループ分けの後整列配置され,所望の画像の外見の質に基づき選択された量子化テーブルに従って,量子化器216により量子化される。量子化された係数は符号器218によって符号化され,輝度成分の各ブロックの量子化され符号化された係数は,フォーマット装置220に与えられる。量子化器216は透かし装置222に接続される。透かし装置222は,1組の生特徴量ビットS(後述する)を量子化された係数より生成する。生特徴量ビットSもまたフォーマット装置220に与えられる。
クロミナンスブランチ208と210は同じものであるが,それぞれの量子化器は,輝度ブランチ206で用いられる量子化テーブルよりも大きな量子化値を有する量子化テーブルを用いている。
フォーマット装置220は,ブランチ206〜210により生成された量子化され符号化された係数により,符号化された画像データフレームを形成し,フレームのヘッダーに対し,符号化された画像を再構成するための様々な情報を与える(例えば,符号器218により用いられた量子化テーブルおよび符号化を確認するための情報,およびクロミナンスブランチ中の数に入れていない符号器に関する情報)。フォーマット装置220はまた生の特徴量Sをヘッダーに与える。完成した画像データフレームはその後,符号化画像利用装置223(記憶装置,符号化された画像データフレームを他の場所へ伝送する手段,あるいは画像をディスプレイ装置で再生成する復号器等のような装置)に与えられる。
図4Bは,透かし装置222の一例を示している。透かし装置222は減算器224を有する。減算器224は,量子化器216より入力ポート225を経た輝度成分の全ブロックのDCT係数の配列を受け取る。減算器224はまた,特徴量生成係数選択器226に接続されている。特徴量生成係数選択器226は,係数の組pおよびqを,減算器224に対し一致させる。これら係数は秘密のルールに従って選択される。減算器224は係数pの値から係数qの値を引き,引き算の結果求められた差の値,i番目の(p−q)が,生特徴量生成器228に与えられる。
係数の組pおよびqを確認するために選択器226により適用されたルールの1つの可能性について,図4Cを参照して述べる。この図は家と,家を照らしている太陽の画像230を示している。始めに,所定の選択リストに従ってブロックP,P,・・・,P,・・・,Pが選択されるが,画像の中央領域より外側の様々な位置が好ましい。そして乱数発生器が用いられ,ベクトルV,V,・・・,V,・・・,Vを定義するxおよびy値が生成される。ブロックPおよびランダムベクトルVのベクトル加法は,ターゲットブロックQを生成する。ターゲットブロックQは,ブロックPと対になる。また,ブロック対の画素より生成された64DCT係数値の中から特定の1つを選択するための手順を踏むことが必要である。ひとつの方法は,選択基準としてi mod 64を用いることである。つまり,ブロックpおよびqに対し,最初の64係数が係数pおよびqとして選択され,さらにブロックpおよびqに対し,第2の64係数が係数pおよびqとして選択され,p64およびq64まで続き,64番目の係数はp64およびq64の両方から選択される。そして,次の係数の対p65およびq65が,ブロックp65およびq65に対し生成された第1のDCT係数より始まるのである。
生成器228により生成された生の特徴量Sは,マルチビット値を持つ。このマルチビット値は,特徴量照合側(図4Eを参照して後述する画像復号器)で,小さな変更は誤報を鳴らす代わりに受け入れる,いわゆる「緩い」判断を下すために用いられる。表2はこのプロセスの一例である。
Figure 0004002238
図4Dに示すように,表2において“r”は,p−qの差の全てのとりうる値の組を3つの領域に分割するために選択された大きさの範囲値を表す。範囲値rは実質的にp−qの差を3つの生の特徴量,S=0,S=1およびS=2に,量子化する。
特徴量照合側では,受容可能な生の特徴量Sは表3に従って決定される。
Figure 0004002238
2つの範囲値RおよびRが表3で用いられている。図4Dから明らかなように,これらは1つの特徴量のみ受容可能である範囲間の,許容範囲を狭めたギャップを提供するために選択されている。各ギャップにおいて,2つのうちどちらかの生の特徴量が受容可能であるが,第3の生の特徴量は受容可能ではない。
表4および5は,さらなる可能性を示している。表4は特徴量生成側で,2つの範囲値rおよびrを適用し,表5は特徴量照合側で,3つの範囲値r,rおよびrを適用している。
Figure 0004002238
Figure 0004002238
図4Eに戻って,図4Aの画像符号器200とともに用いられる画像復号器232について述べる。画像復号器232は,符号化画像ソース234からの符号化された画像データフレームを受信する。ペイロードエキストラクタ236は量子化され符号化された3つの成分の係数を画像データフレームから取り出し,輝度(Y)ブランチ238,赤色クロミナンス(Cr)ブランチ240,青色クロミナンス(Cb)ブランチ242にそれぞれ与える。画像データフレームのヘッダーにおける,成分を符号化するのに必要な情報(例えば,用いられた量子化テーブルおよびエントロピー符号化を確認するための情報)もまたブランチ238,240および242へ与えられる。さらに,ヘッダーに位置する生の特徴量Sは,画像符号器200で使用された係数p,qの組を決定する情報とともに特徴量照合器244へ送られる。
ブランチ238はエントロピー符号化された値を拡張する復号器246,逆量子化器248,逆DCT装置250,再分割結合装置252を含む。再分割結合装置252は,輝度成分のブロックを全輝度画像に組み合わせる。クロミナンスブランチ240と242は同じものである。色空間変換器254は,全輝度画像および全クロミナンス画像を受け取って,それらを光の3原色空間に変換する。
特徴量照合器244は,ブロック対PおよびQの中の選択された係数の,p−qの差の値を計算し,これらの差の値を適当な範囲値(例えば,表2が特徴量生成側で用いられた場合の表3の例)を用いて評価する。もし不一致が検出されれば,関連するブロックが,再構成された画像を映し出すディスプレイ装置256に示される。
図4Fは,特徴量照合器244の構成を示している。特徴量照合器244は,輝度照合装置258,赤色クロミナンス照合装置260,青色クロミナンス照合装置262,およびマーキング装置264を有する。装置258は,復号器246(図4E)から輝度成分の係数を受け取りこれら係数を減算器268に与えるポート266を有する。ポート270はペイロードエキストラクタ236から情報を受け取る。この情報は,画像符号器により生成された生の特徴量Sを含み,これら生の特徴量Sは生特徴量チェッカ274へ与えられる。ペイロードエキストラクタ236から受け取った情報はまた,ブロックPを確認するデータおよびベクトルVが導かれた乱数列を確認するデータを含む。この情報は特徴量生成係数選択器272へ与えられる。特徴量生成係数選択器272はその後,ブロックPと対になったブロックQを計算し,これらブロックの中で係数p,qの組を決定する。係数p,qの組は減算器268に与えられる。そして減算器268は,係数の組を確認する情報を用い,特徴量照合側に生成されたp−qの差の値を生成する。これら差の値は生特徴量チェッカ274へ与えられる。そしてチェッカ274は,表3(特徴量生成側で用いられたのが表2であると仮定して)に従って,p−qの差の値が受容可能な生特徴量Sに適合するかどうかを決定する。チェッカ274はマーキング装置264に対する不一致を確認する。
クロミナンス照合装置260および262は,輝度照合装置258と実質的に同じものである。マーキング装置264は,照合装置258〜262により決定された不一致(もしあれば)を,ポート276で色空間変換器254(図4E)より受け取った光の3原色の画像信号と相互に関連付け,信号を,出力ポート278経由でディスプレイ装置256に送信する。この出力信号は,不一致(もしあれば)を表す表示を再構成された画像の上に重ね合わせ,攻撃を受けた領域を示す。
離散コサイン変換の代わりに離散ウェーブレット変換を利用する第1の実施の形態について,図4Gから4Iを参照して簡潔に述べる。図4Gはソースユニット282より光の3原色の画像を受け取る画像符号器280を示している。符号器280は,光の3原色の画像をYCrCb画像に変換する変換器284を有する。輝度成分は輝度ブランチ286に与えられ,赤色クロミナンス(Cr)の成分はクロミナンスブランチ288に,青色クロミナンス(Cb)の成分はクロミナンスブランチ290にそれぞれ与えられる。輝度ブランチ286は,輝度成分を再分割し成分のタイルをDWT装置294へ与える再分割装置292を有する。装置294は,図3Aから3Eを参照して述べたウェーブレット係数を生成するために構成されるデジタルフィルタを用いて,ダウンサンプリングとともに,縦および横方向に通過させる。説明のために,装置294は3つのレベルでの分解を輝度成分の各タイルに対し実行し,各タイルの,3つのレベルでの分解の結果得られたサブバンドのウェーブレット係数を量子化器296へ送る。
量子化器296は,テーブルの量子化値に従って係数を量子化し,量子化された係数を符号器298に与える。符号器298は,輝度成分の各タイルの係数をエントロピー符号化し,フォーマット装置300へ与える。量子化器296はまた,ウェーブレット係数を透かし装置302に与える。透かし装置302は,与えられたサブバンドの中の係数p,p,・・・,p,・・・,pを所定の選択ルールを用いて確認し,1組のベクトルv,v,・・・,v,・・・,vを乱数発生器を用いて生成し,ベクトルを係数p,・・・,pと結びつく位置に加えることにより,各係数pと係数qとを対にする。図4Hに一例を示す。ここでは,係数Pが係数qと,同じサブバンド(図中の1HLサブバンド)で対になっている。1以上のサブバンドの係数が,同じ方法で対になってもよい。なお,対になるのはサブバンドベースである。つまり,異なるサブバンドの係数同士は対になれない。
透かし装置302は係数を対にした後,係数pの値から対の係数qの値を引いてp−qの差の値を生成し,生の特徴量Sを表2または4に従って生成し,その生の特徴量をフォーマット装置300へ与える。各特徴量が生成したサブバンドを確認する情報もまた,フォーマット装置300へ与えられる。
クロミナンスブランチ288および290は同じであるが,主要な相違点はこれらブランチの量子化器が,概して,輝度ブランチ286のそれより大きな量子化ステップとなる量子化テーブルを用いているという点にある。量子化され符号化された係数,画像に関する関連情報(ファイル名等)および符号器280に関する関連情報(用いられた量子化テーブルおよびエントロピー符号化テーブルを確認する情報等),および生の特徴量Sが,装置300により,符号化された画像データフレームにフォーマットされ,そして符号化画像利用装置304(例えば,符号化された画像データフレームの記憶装置,符号化された画像データフレームを他の場所へ伝送する手段,あるいは画像をディスプレイ装置で再生成するために復元する画像復号器等)に与えられる。
図4Iは,画像符号器280で符号化された画像を復号する画像復号器306を示している。符号化された画像データフレームは,ソース(例えば,記憶装置)308により復号器306に与えられる。ペイロードエキストラクタ310は量子化され符号化された係数を,これらの生成に用いられた量子化およびエントロピー符号化の情報とともに輝度ブランチ312,クロミナンスブランチ314および316に与える。輝度ブランチは復号器318(エントロピー符号化された値を拡張する),逆量子化器320(ウェーブレット係数と,最初の係数が画像符号器280で量子化されたときに除数となった値と同じ量子化値とを乗じる),逆DWT装置322(ウェーブレット係数からの輝度成分のタイルの画素値を生成する),および再分割結合装置324(輝度成分のブロックを全輝度画像に組み合わせる)を含む。クロミナンスブランチ314および316は同じである。全輝度およびクロミナンス画像は,色空間変換器326に与えられる。色空間変換器326は,YCrCb成分を光の3原色空間に変換する。
輝度ブランチ286の復号器318およびクロミナンスブランチの同じ復号器からの,復号化されたがまだ量子化されているウェーブレット係数は生特徴量照合器328に与えられる。(特徴量生成側で,生成のために用いられた各サブバンドに対する)生の特徴量S,用いられた各サブバンドで選択された係数Pを確認するための情報,およびベクトルVを特徴付ける乱数に関する情報もまた,符号化された画像データフレームのヘッダーからペイロードエキストラクタ318により取り出され,照合器328に与えられる。照合器328はその後,復元された画像の中でp−qの差の値を計算し,その結果と表3(表1が特徴量生成側で使用されていれば表5)の範囲値Rとを比較し,生の特徴量Sが受容可能かを決定する。もし可能でなければ,復元された画像が装置330に表示されたときに,特徴量照合器328は攻撃されたと判定した領域を示す。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では,マルチビットの生の特徴量を適用したので,これらを組み込む係数を,画像を受容不可能な程度にまで劣化させるような係数にしてもよい。第1の実施の形態では,生の特徴量を符号化された画像データフレームのヘッダーに位置させることによりこのリスクは避けられ,マルチビットの生の特徴量を記憶する分離ファイルもまた画像の劣化のリスクを避けられた。しかし本実施形態では,生の特徴量は短縮され,ホスト係数に組み込むデータが少なくてすむ。この場合,データをヘッダーあるいは分離ファイルに記憶させるよりも組み込む方が望ましい。
図5Aは,画像符号器のある成分(輝度成分等)のブランチ400を示している。ブランチは,成分をより小さい領域に再分割する再分割装置402,各領域を特徴付ける1組の係数を生成する変換装置404,量子化テーブルに従って係数を量子化する量子化器406,特徴量組み込み器408(後述する),および量子化された係数(特徴量データが組み込まれたものも含む)のエントロピー符号器410を有する。透かし装置412は,ブランチ400に接続されている。透かし装置412は,秘密の選択ルール(係数pの配置を特定し,これら係数pを擬似ランダムベクトルvを用いて係数qと対にさせるような)に従ってソース係数pおよびqを選択する生特徴量生成係数選択器414を有する。減算器416は,量子化された係数を量子化器406から受け取り,p−qの差を求め,その差を生特徴量生成器418に与える。p−qの各差に対し,生成器418は生特徴量Sを表4に従って計算する。なお,表4の生特徴量Sは0から4の特徴量をもつ。
一続きの生特徴量Sは生特徴量バッファ420に与えられる。生特徴量バッファ420は,1組の4つの生特徴量を格納し,その組を特徴量短縮装置に与える。以下,これら4つの生特徴量は特徴量A,B,C,Dと呼ぶこととし,4つの生特徴量の組は[A,B,C,D]と示すこととする。
図5Bは,4つの生特徴量の組をツリー配列で概略的に示している。この配列の中で,生特徴量Aが最初で,最上層に位置している。特徴量生成側の2つの範囲値rおよびrで,表4は生特徴量S=0,S=1,S=2,S=3,S=4の,5つの可能性を示している。図5Bは,生特徴量Aからの,それぞれのとりうる生特徴量を示す5つのブランチを示している。図5Bの例では,生特徴量AについてS=1の場合,続く生特徴量はBで,また5つのとりうる生特徴量を持つ。そして生特徴量BについてS=2の場合,続く生特徴量はCで,また5つのとりうる生特徴量Sの値を持つ。生特徴量CについてS=4の場合,続く生特徴量はDで,また5つのとりうる生特徴量Sの値を持つ。ここで,生特徴量DについてS=0とすると,4つの生特徴量の組は[1,2,4,0]となる。
図5Bの例からわかるように,[A,B,C,D]がとりうる値は[0,0,0,0]から[4,4,4,4]まで5,つまり625通りある。特徴量Sを短縮するために,これら625通りの値は16の短縮された特徴量に圧縮される。各特徴量コードは4ビットで表される。生特徴量の組[A,B,C,D]を16の特徴量コードに圧縮するにあたり,およそ40の生特徴量の組が16の短縮された特徴量のそれぞれにマッピングされる。図5Cに一例を示す。図5Bの例で述べた生特徴量の組[1,2,4,0]は,短縮された特徴量(1111)(例えば)にマッピングされる生特徴量の組の1つであることが分かる。図5Cでの,記号表示[...,...,...,...]および(...)は,さらに多数の生特徴量の組,また,より多数の短縮された特徴量が存在することを示しているが,図示はしない。
図5Aに戻ると,特徴量短縮装置422が,生特徴量の組[A,B,C,D]をバッファ420から受け取り,その生特徴量の組に割り当てられた,短縮された特徴量(図5Cの例では“1111”)を決定するために参照テーブルを用いる。特徴量短縮装置422はその後,その短縮された特徴量を特徴量組み込み器408に送信する。特徴量組み込み器408は,秘密のルールに従ってホスト係数を選択し,その短縮された特徴量を所望の方法でホスト係数に組み込む。例えば,4つの連続した係数が,コード“1111”の4ビットを受け取るためのホストとして選択されるようなケースである。この場合,各ホスト係数の最小の有効なビットは,コードのビットの1つに基づき変更される。他の可能性としては,本明細書の「技術分野」の項で取り上げたLinおよびChangの論文に従って,離散コサイン変換を適用した画像符号化システムにおいて,コードの4つのビットを4つの連続したホスト係数(あるいは連続しないホスト係数,それに関する限りでは,それらを決定するルールが確立されている限り)に組み込むということが考えられる。
図5Dは,画像復号器のブランチを示している。ブランチは,係数を(逆変換する前に)特徴量照合装置428に与える逆変換装置426を有する。装置428は,係数の組p,qを,(特徴量生成側の)画像符号器で適用されたルールと同じ選択ルールを用いて確認する生特徴量生成係数選択器430を有する。減算器432は係数を逆変換装置426から受け取り,選択器430で確認された係数を引き算し,p−qの差の値を計算する。これら差の値は,差分バッファ434に与えられる。差分バッファ434は,1組の4つの連続した差の値を集め,その組を受容可能生特徴量セット生成器436に与える。生成器436は,バッファ434からの差の値を受け,表5の基準を用いて受容可能な生特徴量の組を生成する。表6および7の例を以下に示す。この例では,バッファ434より受け取った4つの差の組に対する受容可能な生特徴量(表5参照)が,表6に示されていることが分かる。そして,バッファ434より受け取った差の組に対する,全ての受容可能な生特徴量の組は,表7に示されている。
表6:特定の4係数の差の値の組に対する受容可能な生特徴量S
Figure 0004002238
表7:受容可能な生特徴量の組
Figure 0004002238
(逆変換前の)装置426からの係数も,ホスト係数選択器438へ与えられる。ホスト係数選択器438は,画像符号器(つまり,特徴量生成側)で適用されたルールと同じ秘密のルールでホスト係数を確認する。選択器438は,これらホスト係数を短縮特徴量抽出器440へ送る。短縮特徴量抽出器440は,ホスト係数から,短縮された特徴量のビットを抽出し,これらのビットを4つ1組で短縮特徴量バッファ442に格納する。バッファ442で保持された4つのビットは,短縮された特徴量の16のコードを表す。短縮/生特徴量変換器444は参照テーブルを適用し,バッファ444で保持されている特定のコードにマッピングされるおよそ40の生特徴量の組[A,B,C,D]を配置させる。このことは実質的に,図5Cで示されたマッピング手順の逆を示している。
変換器444からの生特徴量の組は,生成器436からの受容可能な生特徴量の組と,比較器446により比較される。変換器444からの生特徴量の少なくとも1組が生成器436からの1組の受容可能な生特徴量の組と一致していなければ,比較器446は,ポート448経由で攻撃がなされた旨示す信号を発する。この信号は,攻撃の位置情報を再構成された画像に重ね合わせるマーキング装置に送信される。
(第3の実施の形態)
第2の実施の形態では,比較的多くの生特徴量の組が比較的少数の短縮された特徴量にマッピングされている。上述した4数字1組の生特徴量の組[A,B,C,D]および4ビットの短縮された特徴量では,およそ40の生特徴量の組がそれぞれの短縮された特徴量にマッピングされなければならなかった。このことは,攻撃から生じるp−qの差の値が,該当する係数の(攻撃が無い場合の)論理的な差の値と同じ受容可能な生特徴量の組にたまたま該当する場合,攻撃が発見されないかも知れないというリスクを招く。
第3の実施の形態では,以下の方法で限られた数の使用できる短縮された特徴量を割り当てることによりこのリスクは減少する。より多くの短縮された特徴量が,生特徴量の最もとりうる組に割り当てられ,生特徴量の組の,短縮された特徴量に対する割合が,最も可能性の高い生特徴量の組でも40未満となる。もちろん,この割合は最も可能性の低い生特徴量の組では相応に増す。
図6に,全ての生特徴量の組が3つ別々のサブセットに分割された場合の一例を示す。サブセットの1つは,最も高い可能性のサブセットで,他方は最も低い可能性のサブセット,そしてこれらの間に中間のサブセットが存在する。全ての短縮された特徴量も,3つのサブセットに分割される。16の使用可能な短縮された特徴量(仮に,4つのビットコードが使用されるとする)が,以下の方法でこれら3つのサブセットに分配される。リッチサブセットの各コードにマッピングされる生特徴量の組の数は比較的少ない(なお,最も可能性の高い生特徴量の組だけがリッチサブセットにマッピングされる)。短縮された特徴量のシンサブセットの各コードにマッピングされる生特徴量の組の数は比較的多い(なお,最も可能性の低い生特徴量の組だけがシンサブセットにマッピングされる)。中間の可能性をもつ生特徴量の組は,短縮された特徴量の中間サブセットにマッピングされる。中間サブセットの短縮された特徴量の数は,生特徴量の組の短縮された特徴量に対する割合が,リッチサブセットのそれよりも小さく,シンサブセットのそれよりも大きくなるように選択される。
生特徴量の組を異なる可能性のカテゴリにランク分けするために,数々の異なる手法が可能である。1つは表4によるもので,中央の生の特徴量はS=2であることが分かる。ゆえに,生特徴量の組[A,B,C,D]の中央値は[2,2,2,2]となると予想することになる。そして生特徴量の組とこの中央値との距離Xは,次のようにして求められる。
Figure 0004002238
あらゆる生特徴量の組[A,B,C,D]について距離Xがゼロに近いほど,生特徴量の組は中間値に近くなり,ゆえに可能性も高くなると考えることができる。このことは,図6に示される可能性のサブセットを確立する基礎となる。例えば,距離Xが1.5より短いすべての生特徴量の組は,最も高い可能性のサブセットにグループ分けされ,距離Xが4より長いすべての生特徴量の組は,最も低い可能性のサブセットにグループ分けされ,残るすべての生特徴量の組は,中間のサブセットにグループ分けされる。
(変更例)
上述された特定の実施例が,多数の変更例および修正例に影響されやすいことは,当業者には明らかである。ゆえに,こういった変更例および修正例は,付加された請求の範囲と同等の意味合いや範囲に含まれると考える。これら変更例および修正例の中の数例につき,以下に簡単に述べる。
ここでは,係数の組間の関係が差p−qを用いて特徴付けられたが,この関係は異なる方法ででも特徴付けられる。1つは,平均1/2(p+q)を用いるものである。他にも平均から差を引いたり,あるいは差に所定の数を加える等,多数の可能性が存在する。
上記実施例では,係数は対にグループ分けされたが,他のグループ分けを用いることも可能である。1つは,3つ1組の係数p,qおよびrを用いるものである。この第3の係数rは,例えば,第2の擬似ランダムベクトルを生成し,係数pに対応する位置にそれを加えることにより求められる。4つまたはそれ以上の係数の組も適用可能である。
上記実施例では,符号器および復号器に対しDCTあるいはDWT変換を適用したが,本発明はこの例に限定されない。実際には,変換は全く使われる必要はないし,既述の技術は画素領域に適用できる。
第1の実施の形態では,透かし装置を画像符号器の全ての3ブランチに適用し,照合装置を画像復号器の全ての3ブランチに適用したが,受容可能な結果は1つの透かし装置のみおよび1つの照合装置のみを使用することでも得られる。1つの透かし装置および1つの照合装置を使用する場合,これらは輝度ブランチに配置されることが好ましい。理由は,攻撃に先立ちカラー画像がグレースケール画像に変更されても攻撃を発見できるからである。
上記実施例では画像ファイルを参照して述べたが,本発明はオーディオビジュアルファイルや他の形態のファイルにも適用可能である。
本出願は,2001年6月29日出願のアメリカ合衆国仮出願番号60/302,188の優先権の特典を主張する。この開示は,参照により組み入れられる。
離散コサイン変換を用いた従来の画像符号器を概略的に示した図である。 図1Aの配置により符号化された画像を再生成する従来の画像符号器を概略的に示した図である。 従来技術に従ったブロック対の選択例を示した図である。 ブロック対のDCT係数の配列を示した図であり,丸や六角形で印された従来技術に従って,特徴量ビットおよび特徴量ビットが組み込まれる係数を生成するために用いられる係数の例とともに示している。 ブロック対のDCT係数の配列を示した図であり,丸や六角形で印された従来技術に従って,特徴量ビットおよび特徴量ビットが組み込まれる係数を生成するために用いられる係数の例とともに示している。 誤報を減らす許容範囲を示すグラフである。 離散ウェーブレット変換を用いた従来の画像符号器を概略的に示した図である。 ウェーブレット係数を生成する従来のフィルタおよびダウンサンプル配置を概略的に示した図である。 画像の,ウェーブレット係数のサブバンドへの分解を示した図である。 画像の,ウェーブレット係数のサブバンドへの分解を示した図である。 図3Aの配置により符号化された画像を再生成する従来の画像復号器を概略的に示した図である。 本発明の第1の実施形態に従った画像符号器を概略的に示した図である。 図4Aに適用された透かし装置を概略的に示した図である。 ブロック対の選択例を示した図である。 特徴量生成側および特徴量照合側の係数差の,異なる範囲値の使用例を示した図である。 本発明の第1の実施形態に従った画像復号器を概略的に示した図である。 図4Eに示される配置に適用される生特徴量照合器を概略的に示した図である。 本発明の第1の実施形態に従った他の画像符号器を概略的に示した図である。 サブバンドの係数の対の選択を示した図である。 図4Gに示される配置により符号化された画像の画像復号器を概略的に示した図である。 本発明の第2の実施形態に従った画像符号器の一部を概略的に示した図である。 生特徴量の組の形成,および生特徴量の組の短縮された特徴量へのマッピングを示した図である。 生特徴量の組の形成,および生特徴量の組の短縮された特徴量へのマッピングを示した図である。 本発明の第2の実施形態に従った画像復号器の一部を概略的に示した図である。 本発明の第3の実施形態に従った,生の特徴量の組の可能性による,生特徴量の組の短縮された特徴量へのマッピングを示した図である。

Claims (19)

  1. 画像を符号化するための変換係数を含む第1ファイルに透かしを入れ,第2ファイルが前記第1ファイルの認証版であることを検知する方法であって,
    (a)秘密の選択ルールを用いて前記第1ファイルの係数グループを選択する工程と;
    (b)離散コサイン変換を用いて,各グループの前記係数より第1計算値を決定する工程と;
    (c)前記第1計算値と,少なくとも1つの所定の第1範囲値とを比較し,前記第1ファイルにマルチビットの量子化された特徴量を生成する工程と;
    (d)工程(a)で用いられたのと同じ選択ルールを用いて前記第2ファイルの係数グループを選択する工程と;
    (e)工程(b)で用いられたのと同じ離散コサイン変換を用いて,工程(d)で選択された各グループの前記係数より第2計算値を決定する工程と;
    (f)前記第2計算値と,複数の所定の第2範囲値(第2範囲値は少なくとも1つの第1範囲値とは異なる)とを比較し,工程(d)で選択されたグループの受容可能な量子化された特徴量を決定する工程と;
    (g)工程(f)で決定された前記受容可能な量子化された特徴量と,工程(c)で生成された前記量子化された特徴量とを比較する工程と;
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記第1および第2ファイルは画像コンテンツを含むことを特徴とする,請求項1に記載の方法。
  3. 前記変換係数は量子化されることを特徴とする,請求項1に記載の方法。
  4. 前記変換係数はDCT係数であることを特徴とする,請求項1に記載の方法。
  5. 前記変換係数はDWT係数であることを特徴とする,請求項1に記載の方法。
  6. 工程(a)および(d)で選択された前記係数グループは係数の対をなすことを特徴とする,請求項1に記載の方法。
  7. 前記第1および第2計算値は,前記対の前記係数間で異なることを特徴とする,請求項6に記載の方法。
  8. 前記係数は輝度成分の係数であることを特徴とする,請求項1に記載の方法。
  9. 前記係数はクロミナンス成分の係数であることを特徴とする,請求項1に記載の方法。
  10. 画像を符号化するための変換係数を含む第1ファイルに透かしを入れ,第2ファイルが前記第1ファイルの認証版であることを検知する方法であって,
    (a)秘密の選択ルールを用いて前記第1ファイルの係数グループを選択する工程と;
    (b)離散コサイン変換を用いて,各グループの前記係数より第1計算値を決定する工程と;
    (c)前記第1計算値と,少なくとも1つの所定の第1範囲値とを比較し,前記第1ファイルにマルチビットの量子化された特徴量を生成する工程と;
    (d)前記量子化された特徴量を集めて量子化された特徴量の組を形成する工程と;
    (e)前記量子化された特徴量の組より,圧縮された特徴量を決定する工程と;
    (f)工程(a)で用いられたのと同じ所定の選択ルールを用いて前記第2ファイルの係数グループを選択する工程と;
    (g)工程(f)で用いられたのと同じ離散コサイン変換を用いて,工程(d)で選択された各グループの前記係数より第2計算値を決定する工程と;
    (h)前記第2計算値と,複数の所定の第2範囲値とを比較し,工程(f)で選択されたグループの受容可能な量子化された特徴量を決定する工程と;
    (i)前記短縮された特徴量より,量子化された特徴量の組を確認する工程と;
    (j)工程(h)で確認された前記量子化された特徴量の組と,工程(g)で決定された前記受容可能な量子化された特徴量とを比較する工程と;
    を含むことを特徴とする方法。
  11. 前記第1および第2ファイルは画像コンテンツを含むことを特徴とする,請求項10に記載の方法。
  12. 前記第2範囲値は少なくとも1つの第1範囲値とは異なることを特徴とする,請求項10に記載の方法。
  13. 前記圧縮された特徴量および前記生の特徴量は,ビットを有するデジタルデータであり,前記量子化された特徴量の組のビット数は実質的に前記圧縮された特徴量のビット数より大きいことを特徴とする,請求項10に記載の方法。
  14. 前記量子化された特徴量の組は,前記圧縮された特徴量にマッピングされ,前記マッピングは前記量子化された特徴量の組の出現確率により決定されることを特徴とする,請求項13に記載の方法。
  15. 工程(a)および(f)で選択された前記係数グループは係数の対をなすことを特徴とする,請求項10に記載の方法。
  16. 前記第1および第2計算値は,前記対の前記係数間で異なることを特徴とする,請求項15に記載の方法。
  17. 前記係数は輝度成分の係数であることを特徴とする,請求項10に記載の方法。
  18. 前記係数はクロミナンス成分の係数であることを特徴とする,請求項10に記載の方法。
  19. 画像を符号化するための変換係数を含む第1画像ファイルに透かしを入れ,第2画像ファイルが前記第1画像ファイルの認証版であることを検知する方法であって,
    (a)秘密の選択ルールを用いて前記第1ファイルの画像を符号化するための変換係数のグループを選択する工程と;
    (b)離散コサイン変換を用いて,各グループの前記画像情報の装置より第1計算値を決定する工程と;
    (c)前記第1計算値と,少なくとも1つの所定の第1範囲値とを比較し,前記第1ファイルにマルチビットの量子化された特徴量を生成する工程と;
    (d)工程(a)で用いられたのと同じ選択ルールを用いて前記第2ファイルの画像を符号化するための変換係数のグループを選択する工程と;
    (e)工程(b)で用いられたのと同じ離散コサイン変換を用いて,工程(d)で選択された各グループの前記画像を符号化するための変換係数より第2計算値を決定する工程と;
    (f)前記第2計算値と,複数の所定の第2範囲値(第2範囲値は少なくとも1つの第1範囲値とは異なる)とを比較し,工程(d)で選択されたグループの受容可能な量子化された特徴量を決定する工程と;
    (g)工程(f)で決定された前記受容可能な量子化された特徴量と,工程(c)で生成された前記量子化された特徴量とを比較する工程と;
    を含むことを特徴とする方法。
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