JP3984416B2 - 移動体通信システム及び移動局 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動局の位置を検出する位置検出手段を備えた移動体通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
無線通信を利用する移動体通信システムの普及に伴い、携帯電話やページャ等の時々刻々変化する移動局の位置を検出し、その検出情報に基づいて安定した通信状態を確立しつつ、多様化する移動体通信環境への対応が可能な移動体通信システムの開発が望まれている。
【0003】
この移動局の位置を検出する方法として、特開平7−231473号公報と特開平11−308658号公報に開示された符号分割多元接続(Code Division Multiple Access:CDMA)方式の移動体通信システムにおける移動体位置検出方法が知られている。
【0004】
前者の移動体位置検出方法は、複数の基地局から到来する電波の各受信電界強度を移動局が検出し、検出した受信電界強度に基づいて移動局の位置を推定することとしている。
【0005】
後者の移動体位置検出方法は、複数の基地局から同期して送信される各基準信号を移動局が検出し、それら基準信号の位相差に基づいて移動局の位置を推定することとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特開平7−231473号公報の移動体位置検出方法にあっては、移動局から複数の基地局までのそれぞれの距離に大差が無いような場合には、移動局に対する各基地局までの距離を高精度で検出できなくなり、そのため移動局の位置を高精度で推定することが困難になるという問題があった。
【0007】
また、上記特開平11−308658号公報の移動体位置検出方法にあっては、複数の基地局から移動局へ直接波がない場合は、各基地局からの距離を高精度で検出できなくなり、そのため移動局の位置を高精度で推定することが困難になるという問題があった。
【0008】
更に、近年になって移動体通信システムを用いてユーザーの利便性向上等を実現するためのビジネスモデルの開発が進められているが、従来の移動体通信システムでは一般に移動局の位置を調べるためのデータベースを構築するのが困難であった。このため、精度が良く且つ実状に相応したデータベースを備えた移動体通信システムを開発し、ユーザーに対し利便性向上等を図ることが望まれている。
【0009】
本発明は上記従来の問題点を克服し、より高精度に移動局の位置を検出することを可能にするデータベースを備える移動体通信システムと、それを用いた位置情報を提供する基地局を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、通信エリア内に配置された複数の基地局と、利用者の所有する移動局との間で通信を行う移動体通信システムであって、前記移動局は、移動位置において前記基地局から到来する電波の受信状況を測定する測定手段を備え、前記基地局は、前記通信エリア内の各位置を示す位置データを記憶するデータベースと前記移動局の利用者に対する課金処理を行う課金手段とを備え、前記利用者が、所有する移動局に現在位置計測装置を接続して、前記現在位置計測装置で検出される前記移動位置の緯度経度を示す緯度経度情報と前記受信状況を示す受信状況情報を前記基地局側に送信すると、前記緯度経度情報と前記受信状況情報を受信した前記基地局が、前記受信した緯度経度情報と受信状況情報とを対応付けて前記位置データとして前記データベースに記憶させると共に、前記課金手段が前記緯度経度情報と前記受信状況情報を送信した利用者に対する移動体通信システムの利用料金を所定の割引率で割り引いて課金すること、を特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の移動体通信システムにおいて、前記課金手段は、前記利用者毎に、前記データベースに記憶された位置データの更新回数を計数し、前記利用者毎に前記計数した回数が増加するのに応じて前記割引率を増やすこと、を特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、通信エリア内に配置された複数の基地局から利用者の所有する移動局へ、通信によって位置検索サービスを行う移動体通信システムであって、前記移動局は、移動位置において前記基地局から到来する電波の受信状況を測定する測定手段と前記移動位置を検出する現在位置計測装置とを備え、前記基地局は、前記移動局から送信されてくる前記電波の受信状況を示す受信状況情報と前記移動位置を示す緯度経度情報とを受信して、前記通信エリア内の各位置を示す位置データとして記憶するデータベースと、前記位置検索サービスを利用する移動局を所有する利用者に対して課金する課金手段とを備え、前記課金手段は、前記移動局を所有する利用者を、前記データベースに記憶されている前記位置データの更新に寄与する緯度経度情報を送信してきた移動局の利用者と、前記位置検索サービスのみを利用する利用者とに分別すると共に、前記データベースに記憶されている前記位置データの更新に寄与する緯度経度情報を送信してきた移動局の利用者に対する利用料金を、前記位置検索サービスのみを利用する利用者の利用料金よりも割安となるように高い割引率で割り引いて課金すること、を特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、移動体通信システムの通信エリア内に配置され、利用者の所有する移動局との間で通信を行う基地局であって、前記移動局へ電波を送信するのに応じて、該電波を受信する移動局から送信されてくる前記電波の受信状況を示す受信状況情報と該移動局の位置を示す緯度経度情報とを受信し、該受信した緯度経度情報と受信状況情報とを対応付けて位置データとして記憶するデータベースと、前記受信状況情報と前記緯度経度情報を送信した前記移動局を所有する利用者に対し、前記移動体通信システムの利用料金を所定の割引率で割り引いて課金する課金手段と、を有することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。尚、実施形態として、スペクトラム拡散(Spread Spectrum:SS)通信方式の一種である、広帯域CDMA(W-CDMA)方式を利用した移動体通信システムについて説明する。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施形態を図1〜図16を参照して説明する。
【0015】
図1は、W-CDMA方式を利用した本移動体通信システムの全体構成を模式的に示した図であり、一例として6角セルの構成を示している。
【0016】
本移動体通信システムでは、予め通信エリアが「セル」と呼ばれる任意数nの区画に区切って設定されている。各セルSEL1〜SELnには基地局B1〜Bnが設置され、各基地局B1〜Bnから出力される電波の届く範囲内に各セルSEL1〜SELnが収まるように設定され、更に、電波の届く範囲をオーバーラップさせることで通信不能エリアが生じるのを未然に防止している。
【0017】
そして、携帯電話等の移動局が利用者に伴って通話エリア内を移動すると、移動したセル内の基地局との間で通信が行われる。
【0018】
図2は上記携帯電話等の移動局MDTの構成を示すブロック図、図3は各基地局B1〜Bnに備えられている位置検出処理部BDTの構成を示すブロック図である。
【0019】
図2において、移動局MDTは、送受信アンテナ1と受信部2とデータ処理部/システムコントローラ3と位置解析部4及び送信部5を備えて構成されている。
【0020】
送受信アンテナ1は、各基地局B1〜Bnから到来する電波を受信し、受信信号SRXmを受信部2側へ出力する。また、送信部5より供給される送信信号STXmを送信電波にして各基地局B1〜Bn側へ送出する。
【0021】
受信部2は、受信信号SRXmを広帯域バンドパスフィルタ2aに通すことで不用周波数帯域からの混信を防止した受信信号SRXm’を生成し、相関器である逆拡散回路2bによって受信信号SRXm’に逆拡散符号系列発生器2cからの逆拡散符号系列Smaを乗積(逆拡散)する。そして、その乗積によって生じる逆拡散信号Smbを狭帯域バンドパスフィルタ2dに通すことで1次変調信号Smcに戻し、更に1次変調信号Smcを検波回路2eに通すことでベースバンド波形の検波信号を再生し、更にその検波信号を復調回路2fで復調することにより、送信されてきたデータ(受信データ)DRXmを再生する。
【0022】
データ処理部/システムコントローラ3は、マイクロプロセッサ(MPU)を備えており、移動局MDT全体の動作を制御すると共に、上記の受信データDRXmに基づいて各種のデータ処理を行う。
【0023】
更に、受信部2にはセルサーチ部6が設けられており、セルサーチ部6は、基地局コード発生器6aと、相関器である逆拡散回路6bと、同期判定部6c及び基地局選択部6dを備えて構成されている。
【0024】
基地局コード発生器6aは、各基地局B1〜Bnから到来する各電波を判別するための逆拡散符号系列Sbs1〜Sbsnを順次発生する。
【0025】
逆拡散回路6bは、広帯域バンドパスフィルタ2aからの受信信号SRXm’と逆拡散符号系列Sbs1〜Sbsnとのそれぞれの相関を求めることにより、相関信号Scv1〜Scvnを出力する。
【0026】
つまり、逆拡散回路6bは、受信信号SRXm’と逆拡散符号系列Sbs1との相関演算によって相関信号Scv1を生成し、次に、受信信号SRXm’と逆拡散符号系列Sbs2との相関演算によって相関信号Scv2を生成し、以下同様にして、受信信号SRXm’と逆拡散符号系列Sbsnとの相関演算によって相関信号Scvnを生成するまで、相関演算を繰り返す。そして、これらn個の相関信号Scv1〜Scvnを生成し終える毎に、再びn個の相関信号Scv1〜Scvnを生成するための相関演算を繰り返すようになっている。尚、この相関演算は、チップ区間(Chip Duration)Tcの1/4の区間Tc/4を単位位相差として行われている。
【0027】
同期判定部6cは、n個の相関信号Scv1〜Scvnが生成される毎に、それら相関信号Scv1〜Scvnの中から最大の相関値となる相関信号を検出し、検出した相関信号が生成されたときの逆拡散符号系列に対応する基地局(Sbs1〜Sbsnのうちの1つに対応する基地局)を判定し、その判定した基地局との間で同期受信を行うための逆拡散符号系列Smaを発生させるように、逆拡散符号系列発生器2cを制御する。
【0028】
基地局選択部6dは、相関信号Scv1〜Scvnに基地局B1〜Bn毎の識別コードデータTAG1〜TAGnを付けることによって、各基地局B1〜Bnに関連付けた識別コード付き相関信号Stag1〜Stagnを生成し、位置解析部4へ供給する。
【0029】
位置解析部4は、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)等の演算機能を有する集積回路装置で形成されており、以下順次に説明するマルチパス数測定部4aと、マルチパスディレイ量測定部4b、マルチパス電界強度測定部4c、基地局電界強度測定部4d、及びデータ生成部4eを備えて構成されている。
(マルチパス数測定部4a)
マルチパス数測定部4aは、識別コード付き相関信号Stag1〜Stagnに基づいて、各基地局B1〜Bnから移動局MDTに到来する電波のマルチパス数MP1〜MPnを測定する。すなわち、マルチパス数MP1〜MPnを次のようにして測定する。
【0030】
例えば、図4に示すように、利用者の移動に伴って移動局MDTがセルSEL1〜SELnのうちのセルSELj内の任意の地点P1に位置した際、基地局BjとBj+2からの電波SP1,SP2,SP3,SP4が移動局MDTに到来し、それによって図5に示すような相関信号Scvjを有する識別コード付き相関信号Stagjが生成されると、その相関信号Scvjの相関値に対し、不要な相関値成分を除去するための閾値THDより大きな相関値をピーク検出し、ピーク検出した総数をマルチパス数MPjとする。
【0031】
そして、基地局Bjを判別するための逆拡散符号系列Sbsjに基づいて生成された相関信号Scvjによってマルチパス数MPjを測定したことを示すべく、マルチパス数MPjに識別コードデータTAGjを付加し、識別コード付きのマルチパス数データDMPj(MPj,TAGj)にしてデータ生成部4eに供給する。
【0032】
尚、この場合には、図4に示すように、基地局Bjからの直接到来波SP1と、建造物BL1,BL2で反射されて到来する反射波SP2,SP3に応じて、図5に示すような相関信号Scvjが生成され、基地局Bj+2からの到来波SP4に対応する相関値は閾値THDより小さな値となる。このため、上記のピーク検出によって得られるマルチパス数MPjは「3」になる。
【0033】
また、図4に示すように、移動局MDTがセルSELj内のある地点P2に位置した際、基地局Bj,Bj+1,Bj+2からの電波SP5,SP6,SP7,SP8が移動局MDTに到来し、それによって相関信号Scvjを有する識別コード付き相関信号Stagjが生成されると、その相関信号Scvjの相関値をピーク検出し、ピーク検出した総数をマルチパス数MPjとする。そして、基地局Bjを判別するための逆拡散符号系列Sbsjに基づいて生成された相関信号Scvjによってマルチパス数MPjを測定したことを示すべく、マルチパス数MPjに識別コードデータTAGjを付加し、識別コード付きのマルチパス数データDMPj(MPj,TAGj)にしてデータ生成部4eに供給する。
【0034】
尚、この場合には、基地局Bj,Bj+1,Bj+2からの直接到来波SP5,SP6,SP8と、基地局Bj+1から出力され建造物BL3で反射された反射波SP7が移動局MDTに到来するが、受信信号SRXm’と逆拡散符号系列Sbsjとの相関演算によって得られる相関信号Scvjには、基地局Bjからの直接到来波SP5に対応する相関値だけが現れ、基地局Bj+1,Bj+2からの到来波SP6,SP7,SP8に対応する相関値は閾値THDより小さな値となる。このため、上記のピーク検出によって得られるマルチパス数MPjは「1」になる。
【0035】
また、図4に示すように、移動局MDTがセルSELj内のある地点P3に位置した際、基地局Bj,Bj+2からの電波SP9,SP10,SP11,SP12が移動局MDTに到来し、それによって相関信号Scvjを有する識別コード付き相関信号Stagjが生成されると、その相関信号Scvjの相関値をピーク検出し、ピーク検出した総数をマルチパス数MPjとする。そして、基地局Bjを判別するための逆拡散符号系列Sbsjに基づいて生成された相関信号Scvjによってマルチパス数MPjを測定したことを示すべく、マルチパス数MPjに識別コードデータTAGjを付加し、識別コード付きのマルチパス数データDMPj(MPj,TAGj)にしてデータ生成部4eに供給する。
【0036】
尚、この場合には、基地局Bj,Bj+2からの直接到来波SP9,SP10と、基地局Bj+2から出力され建造物BL4,BL5で反射された反射波SP11,SP12が移動局MDTに到来するが、受信信号SRXm’と逆拡散符号系列Sbsjとの相関演算によって得られる相関信号Scvjには、基地局Bjからの直接到来波SP9に対応する相関値だけが現れ、基地局Bj+2からの到来波SP10,SP11,SP12に対応する相関値は閾値THDより小さな値となる。このため、上記のピーク検出によって得られるマルチパス数MPjは「1」になる。
【0037】
こうしてマルチパス数測定部4aは、基地局Bjからの電波を判定するための逆拡散符号系列Sbsjに基づいて生成された相関信号Scvjをピーク検出することでマルチパス数MPjを求め、更に、移動局MDTがセルSELj内の任意の位置に移動したときの実際のマルチパス数MPjを測定する。そして、マルチパス数MPjに基地局Bjとの関連を示すための識別コードデータTAGjを付加することで、識別コード付きマルチパス数DMPjを生成して、データ生成部4eに供給する。
【0038】
尚、サフィックスjは、各基地局B1〜Bnとの関連性を示す変数である。よって、マルチパス数測定部4aは、基地局選択部6dからn個の識別コード付き相関信号Stag1〜Stagnが供給されるのに応じて、相関信号Scv1〜Scvnに基づいてマルチパス数MP1〜MPnを測定し、n個の識別コード付きマルチパス数データDMP1(MP1,TAG1)〜DMPn(MPn,TAGn)にしてデータ生成部4eに供給するようになっている。
【0039】
更に、移動局MDTがセルSELj内で移動した場合を例示してマルチパス数測定部4aの処理機能を説明したが、移動局MDTがセルSEL1〜SELnの何れのセル範囲内に位置していても、識別コード付き相関信号Stag1〜Stagnの相関信号Scv1〜Scvnに基づいてマルチパス数MP1〜MPnを測定し、n個の識別コード付きマルチパス数データDMP1(MP1,TAG1)〜DMPn(MPn,TAGn)にしてデータ生成部4eに供給するようになっている。
【0040】
このように本実施形態のマルチパス数測定部4aは、図6(a)に模式的に示すように、識別コード付き相関信号Stag1〜Stagnの全ての相関信号Scv1〜Scvnを測定対象として、順次にマルチパス数MP1〜MPnを測定している。
【0041】
ただし、マルチパス数測定部4aの変形例として、図6(b)に示すように、n個ずつ供給される相関信号Scv1〜Scvnの中から所定の条件を満足する1つの相関信号Scvkを抽出し、その抽出した相関信号Scvkを測定対象としてマルチパス数MPkを測定し、識別コード付きマルチパス数データDMPk(MPk,TAGk)にしてデータ生成部4eに供給する構成にしてもよい。
【0042】
すなわち、相関信号Scv1〜Scvnは、各基地局B1〜Bnを判別するための逆拡散符号系列Sbs1〜Sbsnと受信信号SRXm’との相関演算によって求められるものである。
【0043】
このため、移動局MDTが或るセルSELk内の任意の場所に位置している場合には、そのセルSELk内に配置されている基地局Bkから到来する電波に対応して得られる相関信号Scvkが、他の相関信号(Scv1〜ScvnのうちScvkを除く相関信号)に較べて大きな相関値となる。
【0044】
つまり、移動局MDTが或るセルSELk内の任意の場所に位置している場合には、基地局Bkからの到来波と逆拡散符号系列Sbskとの相関によって生じる相関信号Scvkが最もマルチパス数を正確に示す信号となり、基地局Bk以外の他の基地局からの到来電波と逆拡散符号系列Sbs1〜Sbsnとの相関によって生じる他の相関信号は、閾値THDより小さな相関値となる確率が高いため、マルチパス数の測定対象としてあまり意味を持たなくなる。
【0045】
そこで、図6(b)に示したように、n個の相関信号Scv1〜Scvnの中で最も大きな相関値となる相関信号Scvkのみを抽出し、その抽出した相関信号Scvkに基づいてマルチパス数MPkを測定し、更にその測定したマルチパス数MPkに基地局Bkとの関連性を示す識別コードデータTAGkを付けて、識別コード付きマルチパス数データDMPk(MPk,TAGn)にしてデータ生成部4eに供給するようにしてもよい。
【0046】
この変形例によれば、移動局MDTが位置しているセルSELk内に設けられている基地局Bkからの到来波だけを測定対象としてマルチパス数MPkを求め、そのマルチパス数MPkに、移動局MDTが位置しているセルSELk内に設けられている基地局Bkとの関連性を示す識別コードデータTAGkを付けてデータ生成部4eに供給することになるので、識別コード付きマルチパス数データDMP1〜DMPnのデータ生成部4eへの供給個数を減らすことができる。
【0047】
更に、移動局MDTが実際には位置していないセル内の移動局からの到来電波を排除することになるので、特に意味のある各識別コード付きマルチパス数データDMP1〜DMPnだけをデータ生成部4eに供給することができる。
【0048】
尚、マルチパス数測定部4aの構成を、相関信号Scv1〜Scvnの全てを測定対象として識別コード付きマルチパス数データDMP1〜DMPnをデータ生成部4eに供給する構成にするか、上記変形例のように相関信号Scv1〜Scvnの中から上記所定の条件を満足する相関信号のみを測定対象として識別コード付きマルチパス数データDMP1〜DMPnをデータ生成部4eに供給する構成にするかは、設計仕様などに応じて適宜選択することが可能である。
(マルチパスディレイ量測定部4b)
マルチパスディレイ量測定部4bは、識別コード付き相関信号Stag1〜Stagnに基づいて、各基地局B1〜Bnから到来するそれぞれの電波の伝搬遅延時間LY1〜LYnを測定する。すなわち、それぞれの伝搬遅延時間LY1〜LYnを次のようにして測定する。
【0049】
例えば、図4に示したように、利用者の移動に伴って移動局MDTが或るセルSELj内の任意の地点P1に位置した際、基地局Bjからの直接到来波SP1と、建造物BL1,BL2で反射されて到来する反射波SP2,SP3に応じて、図5に示すような相関信号Scvjが生成されると、その相関信号Scvjの相関値に対し、ノイズ成分除去用の所定閾値THDより大きな相関値のピークをピーク検出する。そして、ピーク検出した最大の相関値を基準として、残りの相関値のピークまでの位相差τ1,τ2を測定し、これらの位相差τ1,τ2を伝搬遅延時間LYj(τ1,τ2)とする。
【0050】
尚、この場合には、図4に示した基地局Bj+2からの到来波SP4に対応する相関値は閾値THDより小さな値となるため、基地局Bjからの到来波SP1,SP2,SP3に対応する相関値のピークだけが相関信号Scvjに現れることになり、2個の位相差τ1,τ2が求まることになる。
【0051】
そして、基地局Bjを判別するための逆拡散符号系列Sbsjに基づいて生成された相関信号Scvjによって伝搬遅延時間LYjを求めたことを示すべく、伝搬遅延時間LYjに識別コードデータTAGjを付加することにより、識別コード付きの遅延時間データDLYj(LYj,TAGj)を生成し、データ生成部4eに供給する。
【0052】
また、図4に示した、セルSELj内の地点P2に移動局MDTが移動し、基地局Bj,Bj+1,Bj+2からの直接到来波SP5,SP6,SP8と、基地局Bj+1から出力され建造物BL3で反射された反射波SP7が移動局MDTに到来した場合には、受信信号SRXm’と逆拡散符号系列Sbsjとの相関演算によって得られる相関信号Scvjの相関値をピーク検出し、最大の相関値を基準として、残りの相関値のピークまでの位相差を測定し、測定した位相差を伝搬遅延時間LYjとする。そして、伝搬遅延時間LYjに識別コードデータTAGjを付加することにより、識別コード付きの遅延時間データDLYj(LYj,TAGj)を生成し、データ生成部4eに供給する。
【0053】
尚、この場合には、基地局Bjからの直接到来波SP5に対応する相関値だけが現れ、基地局B2,B3からの到来波SP6,SP7,SP8に対応する相関値は閾値THDより小さな値となるため、相関値のピークは1個だけ現れることになり、位相差(遅延時間LYj)は「0」となる。
【0054】
また、図4に示した、セルSELj内の地点P3に移動局MDTが移動し、基地局Bj,Bj+2からの直接到来波SP9,SP10と、基地局Bj+2から出力され建造物BL4,BL5で反射された反射波SP11,SP12が移動局MDTに到来した場合には、受信信号SRXm’と逆拡散符号系列Sbsjとの相関演算によって得られる相関信号Scvjの相関値をピーク検出し、最大の相関値を基準として、残りの相関値のピークまでの位相差を測定し、測定した位相差を伝搬遅延時間LYjとする。そして、伝搬遅延時間LYjに識別コードデータTAGjを付加することにより、識別コード付きの遅延時間データDLYj(LYj,TAGj)を生成し、データ生成部4eに供給する。
【0055】
尚、この場合には、受信信号SRXm’と逆拡散符号系列Sbsjとの相関演算によって得られる相関信号Scvjには、基地局Bjからの直接到来波SP9に対応する相関値が1個だけが現れ、基地局Bj+2からの到来波SP10,SP11,SP12に対応する相関値は閾値THDより小さな値となる。したがって、位相差(遅延時間LYj)は「0」となる。
【0056】
このように、マルチパスディレイ量測定部4bは、基地局Bjからの電波を判定するための逆拡散符号系列Sbsjに基づいて生成された相関信号Scvjをピーク検出し、検出した相関値のピークとピークとの間の位相差に基づいて、基地局Bjから到来する電波のマルチパス毎の伝搬遅延時間LYjを測定する。尚、ピーク検出した最大の相関値を基準として、残りの相関値のピークまでの位相差を測定するので、相関値のピークがQ個検出された場合には、(Q−1)個のマルチパスの伝搬遅延時間LYjが求められる。
【0057】
また、伝搬遅延時間LYjのサフィックスjは、各基地局B1〜Bnとの関連性を示す変数である。よって、マルチパスディレイ量測定部4bは、基地局選択部6dからn個の識別コード付き相関信号Stag1〜Stagnが供給されるのに応じて、相関信号Scv1〜Scvnに基づいてマルチパスの伝搬遅延時間LY1〜LYnを測定し、n個の識別コード付き伝搬遅延時間データDLY1(LY1,TAG1)〜DLYn(LYn,TAGn)にしてデータ生成部4eに供給するようになっている。
【0058】
更に、移動局MDTがセルSELj内で移動した場合を例示してマルチパスディレイ量測定部4bの処理機能を説明したが、移動局MDTがセルSEL1〜SELnの何れのセル範囲内に位置していても、識別コード付き相関信号Stag1〜Stagnの相関信号Scv1〜Scvnに基づいてマルチパス毎の伝搬遅延時間LY1〜LYnを測定し、n個の識別コード付き伝搬遅延時間データDLY1(LY1,TAG1)〜DLYn(LYn,TAGn)にしてデータ生成部4eに供給するようになっている。
【0059】
このように本実施形態のマルチパスディレイ量測定部4bは、図7(a)に模式的に示すように、識別コード付き相関信号Stag1〜Stagnの全ての相関信号Scv1〜Scvnを測定対象として、順次にマルチパスの遅延時間LY1〜LYnを測定している。
【0060】
ただし、マルチパスディレイ量測定部4bの変形例として、図7(b)に示すように、n個ずつ供給される相関信号Scv1〜Scvnの中から所定の条件を満足する1つの相関信号Scvkを抽出し、その抽出した相関信号Scvkを測定対象としてマルチパスの伝搬遅延時間LYkを測定し、識別コード付き伝搬遅延時間データDLYk(LYk,TAGk)にしてデータ生成部4eに供給する構成にしてもよい。
【0061】
すなわち、相関信号Scv1〜Scvnは、各基地局B1〜Bnを判別するための逆拡散符号系列Sbs1〜Sbsnと受信信号SRXm’との相関演算によって求められるものである。
【0062】
このため、移動局MDTが或るセルSELk内の任意の場所に位置している場合には、そのセルSELk内に配置されている基地局Bkから到来する電波に対応して得られる相関信号Scvkが、他の相関信号(Scv1〜ScvnのうちScvkを除く相関信号)に較べて大きな相関値となる。つまり、相関信号Scvkが最もマルチパスを正確に示す信号となり、他の相関信号はマルチパスとしての測定対象としてあまり意味を持たなくなる。
【0063】
そこで、図7(b)に示したように、n個の相関信号Scv1〜Scvnの中で最も大きな相関値となる相関信号Scvkのみを抽出し、その抽出した相関信号Scvkに基づいてマルチパスの伝搬遅延時間LYkを測定し、更にその測定した伝搬遅延時間LYkに基地局Bkとの関連性を示す識別コードデータTAGkを付けて、識別コード付き伝搬遅延時間データDLYk(LYk,TAGk)にしてデータ生成部4eに供給するようにしてもよい。
【0064】
この変形例によれば、移動局MDTがSEL1内の任意の場所に位置したときには、基地局B1からの到来電波のマルチパスの伝搬遅延時間LY1をデータ生成部4eに供給し、移動局MDTがSEL2内の任意の場所に位置したときには、基地局B2からの到来電波のマルチパスの伝搬遅延時間LY2をデータ生成部4eに供給し、以下同様に、移動局MDTがSELn内の任意の場所に位置したときには、基地局Bnからの到来電波のマルチパスの伝搬遅延時間LYnをデータ生成部4eに供給することになるので、データ生成部4eに供給する識別コード付き伝搬遅延時間データの個数を減らすことができる。
【0065】
更に、移動局MDTが実際には位置していないセル内の移動局からの到来電波を排除することになるので、特に意味のある各識別コード付き伝搬遅延時間データDLY1〜DLYnだけをデータ生成部4eに供給することができる。
【0066】
尚、マルチパスディレイ量測定部4bの構成を、相関信号Scv1〜Scvnの全てを測定対象として識別コード付き伝搬遅延時間データDLY1〜DLYnをデータ生成部4eに供給する構成にするか、上記変形例のように相関信号Scv1〜Scvnの中から上記所定の条件を満足する相関信号のみを測定対象として識別コード付き伝搬遅延時間データDLY1〜DLYnをデータ生成部4eに供給する構成にするかは、設計仕様などに応じて適宜選択することが可能である。
【0067】
(マルチパス電界強度測定部4c)
マルチパス電界強度測定部4cは、識別コード付き相関信号Stag1〜Stagnに基づいて、各基地局B1〜Bnから到来する電波のマルチパス毎の電界強度EM1〜EMnを測定する。すなわち、それぞれの電界強度EM1〜EMnを次のようにして測定する。
【0068】
例えば、図4に示したように、利用者の移動に伴って移動局MDTが或るセルSELj内の任意の地点P1に位置した際、基地局Bjからの直接到来波SP1と、建造物BL1,BL2で反射されて到来する反射波SP2,SP3に応じて、図5に示すような相関信号Scvjが生成されると、その相関信号Scvjの相関値に対し、ノイズ成分除去用の所定閾値THDより大きな相関値のピークをピーク検出する。
【0069】
そして、ピーク検出した最大の相関値を基準値「1」として残りの相関値のピークを正規化し、これらの正規化した相関値(ピーク値)をマルチパス毎の電界強度とする。
【0070】
尚、この場合には、図4に示した基地局Bj+2からの到来波SP4に対応する相関値は閾値THDより小さな値となるため、基地局Bjからの到来波SP1,SP2,SP3に対応する相関値のピークだけが相関信号Scvjに現れることになる。そして、到来波SP1に対応して生じる最大の相関値を基準値「1」として正規化することで、残りの電波SP2,SP3に対応する相関値を「0.7」,「0.5」のような相対的な値にし、これら3個の正規化した相関値「1」,「0.7」,「0.5」を各マルチパスの電界強度EMj(1,0.7,0.5)とする。
【0071】
そして、基地局Bjを判別するための逆拡散符号系列Sbsjに基づいて生成された相関信号Scvjによってマルチパス毎の電界強度を求めたことを示すべく、電界強度EMjに識別コードデータTAGjを付加することにより、識別コード付きのマルチパス電界強度データDEMj(EMj,TAGj)にして、データ生成部4eに供給する。
【0072】
また、図4に示したように、移動局MDTがセルSELj内の別の地点P1やP2に位置した際にも同様に、マルチパス毎の正規化した電界強度を求め、求めた電界強度EMjに識別コードデータTAGjを付加することにより、識別コード付きのマルチパス電界強度データDEMj(EMj,TAGj)にして、データ生成部4eに供給する。
【0073】
このように、マルチパスディレイ量測定部4bは、基地局Bjからの電波を判定するための逆拡散符号系列Sbsjに基づいて生成された相関信号Scvjをピーク検出し、検出した相関値の正規化した値をマルチパス毎の電界強度として測定する。
【0074】
また、電界強度EMjのサフィックスjは、各基地局B1〜Bnとの関連性を示す変数である。よって、マルチパス電界強度測定部4cは、基地局選択部6dからn個の識別コード付き相関信号Stag1〜Stagnが供給されるのに応じて、相関信号Scv1〜Scvnに基づいてマルチパス毎の電界強度EM1〜EMnを測定し、n個の識別コード付きマルチパス電界強度データDEM1(EM1,TAG1)〜DEMn(EMn,TAGn)にしてデータ生成部4eに供給するようになっている。
【0075】
更に、移動局MDTがセルSELj内で移動した場合を例示してマルチパスディレイ量測定部4bの処理機能を説明したが、移動局MDTがセルSEL1〜SELnの何れのセル範囲内に位置していても、識別コード付き相関信号Stag1〜Stagnの相関信号Scv1〜Scvnに基づいて電界強度EM1〜EMnを測定し、n個の識別コード付きマルチパス電界強度データDEM1(EM1,TAG1)〜DEMn(EMn,TAGn)にしてデータ生成部4eに供給するようになっている。
【0076】
このように本実施形態のマルチパス電界強度測定部4cは、図8(a)に模式的に示すように、識別コード付き相関信号Stag1〜Stagnの全ての相関信号Scv1〜Scvnを測定対象として、順次にマルチパス毎の電界強度EM1〜EMnを測定している。
【0077】
ただし、マルチパス電界強度測定部4cの変形例として、図8(b)に示すように、n個ずつ供給される相関信号Scv1〜Scvnの中から所定の条件を満足する1つの相関信号Scvkを抽出し、その抽出した相関信号Scvkを測定対象としてマルチパス毎の電界強度EMkを測定し、識別コード付きマルチパス電界強度データDEMk(EMk,TAGk)にしてデータ生成部4eに供給する構成にしてもよい。
【0078】
すなわち、相関信号Scv1〜Scvnは、各基地局B1〜Bnを判別するための逆拡散符号系列Sbs1〜Sbsnと受信信号SRXm’との相関演算によって求められるものである。
【0079】
このため、移動局MDTが或るセルSELk内の任意の場所に位置している場合には、そのセルSELk内に配置されている基地局Bkから到来する電波に対応して得られる相関信号Scvkが、他の相関信号(Scv1〜ScvnのうちScvkを除く相関信号)に較べて大きな相関値となる。
【0080】
つまり、相関信号Scvkが最もマルチパスの電界強度を正確に示す信号となり、他の相関信号はマルチパスの電界強度を測定するための対象としてあまり意味を持たなくなる。
【0081】
そこで、図8(b)に示したように、n個の相関信号Scv1〜Scvnの中で最も大きな相関値となる相関信号Scvkのみを抽出し、その抽出した相関信号Scvkに基づいて、基地局Bkからの到来波のマルチパス毎の電界強度EMkを測定し、更に基地局Bkとの関連性を示す識別コードデータTAGkを付けた識別コード付きマルチパス電界強度データDEMk(EMk,TAGk)にしてデータ生成部4eに供給するようにしてもよい。
【0082】
この変形例によれば、データ生成部4eに供給する識別コード付きマルチパス電界強度データDEM1〜DEMnの個数を減らすことができる。更に、移動局MDTが実際には位置していないセル内の移動局からの到来電波を排除することになるので、特に意味のある各識別コード付きマルチパス電界強度データDEM1〜DEMnだけをデータ生成部4eに供給することができる。
【0083】
尚、マルチパス電界強度測定部4cの構成を、相関信号Scv1〜Scvnの全てを測定対象として識別コード付きマルチパス電界強度データDEM1〜DEMnをデータ生成部4eに供給する構成にするか、上記変形例のように相関信号Scv1〜Scvnの中から上記所定の条件を満足する相関信号のみを測定対象として識別コード付きマルチパス電界強度データDEM1〜DEMnをデータ生成部4eに供給する構成にするかは、設計仕様などに応じて適宜選択することが可能である。
【0084】
(基地局電界強度測定部4d)
基地局電界強度測定部4dは、識別コード付き相関信号Stag1〜Stagnに基づいて、各基地局B1〜Bnから到来する電波の基地局毎の電界強度EB1〜EBnを測定し、これらの電界強度EB1〜EBnを正規化した値を基地局電界強度em1〜emnとし、更に、基地局電界強度em1〜emnを纏めた基地局電界強度データDEB(em1〜emn)として、データ生成部4eに供給する。
【0085】
すなわち、図9に模式的に示すように、基地局選択部6dから供給されるn個ずつの相関信号Scv1〜Scvnをそれぞれ閾値THDと比較し、閾値THDより大きな値の相関値を抽出して、相関信号Scv1〜Scvn毎に積分を行う。そして、得られた各積分値を各基地局B1〜Bnから到来した電波の電界強度EB1〜EBnとする。
【0086】
更に、電界強度EB1〜EBnの中から最も大きな値(すなわち、最大積分値)を抽出し、その抽出した最大積分値を「1」として残りの積分値を正規化することで、各基地局B1〜Bnから到来した電波の電界強度の比を示す基地局電界強度em1〜emnを求める。そして、基地局電界強度em1〜emnを纏めて、基地局電界強度データDEB(em1〜emn)としてデータ生成部4eに供給する。
【0087】
例えば、図4に示したように、利用者の移動に伴って移動局MDTが或るセルSELj内の任意の地点P1に位置した際、基地局Bjからの電波SP1と建造物BL1,BL2で反射された反射波SP2,SP3が到来すると、基地局電界強度測定部4dには、これらの電波SP1,SP2,SP3を含んだ受信信号SRXm’と逆拡散符号系列Sbs1〜Sbsnとの相関によって生じるn個の相関信号Scv1〜Scvnが基地局電界強度測定部4dに供給されることになる。
【0088】
この場合には、図4に示した基地局Bj+2からの到来波SP4に対応する相関値は閾値THDより小さな値となるため、図5に示したのと同様に、基地局Bjからの到来波SP1,SP2,SP3に対応する相関値が相関信号Scvjに現れることになる。したがって、基地局電界強度測定部4dは、上記のように閾値THDより大きな相関値を積分することで、基地局Bjからの到来波SP1,SP2,SP3の総電界強度(基地局電界強度)EBjが最も大きな値となり、基地局Bj以外の他の基地局から到来する電波の基地局電界強度は極めて小さな値になる。
【0089】
このため、基地局電界強度データDEB(em1〜emn)は、基地局Bjからの到来波を最も強く受けるセルSELj内に移動局MDTが位置していることを示すことになる。
【0090】
また、移動局MDTがセルSELj内で移動した場合を例示して基地局電界強度測定部4dの処理機能を説明したが、移動局MDTがセルSEL1〜SELnの何れのセル範囲内に位置していても、識別コード付き相関信号Stag1〜Stagnの相関信号Scv1〜Scvnに基づいて、各基地局B1〜Bn毎の基地局電界強度EB1〜EBnを測定し、基地局電界強度データDEB(em1〜emn)にしてデータ生成部4eに供給するようになっている。したがって、基地局電界強度データDEB(em1〜emn)には、実際に移動局MDTが位置しているセル内の基地局から到来する電波の電界強度が最も大きな値となって現れるようになっている。
【0091】
(データ生成部4e)
データ生成部4eは、マルチパス数測定部4aから供給された識別コード付きマルチパス数データDMP1(MP1,TAG1)〜DMPn(MPn,TAGn)と、マルチパスディレイ量測定部4bから供給された識別コード付き伝搬遅延時間データDLY1(LY1,ATG1)〜DLYn(LYn,ATGn)と、マルチパス電界強度測定部4cから供給された識別コード付きマルチパス電界強度データDEM1(EM1,ATG1)〜DEMn(EMn,ATGn)と、基地局電界強度測定部4dから供給された基地局電界強度データDEB(em1〜emn)とを纏め、更に、移動局MDTの識別コードデータ(電話番号等)Didを付加することで、受信状況データDcnd(DMP1〜DMPn,DLY1〜DLYn,DEM1〜DEMn,DEB,Did)を生成し、送信部5に供給する。
【0092】
送信部5は、受信状況データDcndが供給されると、受信状況データDcndを1次変調回路5aによって狭帯域変調して狭帯域バンドパスフィルタ5bに通すことで1次変調信号Smdを生成し、相関器である拡散回路5cによって1次変調信号Smdに拡散符号系列発生器5cからの拡散符号系列Smeを乗積(拡散)する。そして、その乗積によって生じる拡散信号Smfを広帯域バンドパスフィルタ5eに通すことで送信信号STXmを生成し、送受信アンテナ1を介して基地局側へ送出させる。
【0093】
このように、移動局MDTは、通信エリア内の現在位置において基地局B1〜Bnから到来する電波の受信状況の特徴を示すマルチパス数データDMP1〜DMPnと、伝搬遅延時間データDLY1〜DLYnと、マルチパス電界強度データDEM1〜DEMnと、基地局電界強度データDEBとして求め、これらのデータを受信状況データDcnd(DMP1〜DMPn,DLY1〜DLYn,DEM1〜DEMn,DEB,Did)にして、基地局側へ送出する。
【0094】
次に、図3に基づいて、各基地局B1〜Bnに備えられている位置検出処理部BDTの構成を説明する。
【0095】
位置検出処理部BDTは、移動局MDTからの電波を受信する受信アンテナ7と、受信部8、データ処理部/システムコントローラ9、位置判定部10、送信データ生成部11、データベース12、送信部13、及び送信アンテナ14を備えて構成されている。
【0096】
受信部8は、受信アンテナ7から供給される受信信号SRXbを広帯域バンドパスフィルタ8aに通すことで不用周波数帯域からの混信を防止した受信信号SRXb’を生成し、相関器である逆拡散回路8bによって受信信号SRXb’に逆拡散符号系列発生器8cからの逆拡散符号系列Sbaを乗積(逆拡散)する。そして、その乗積によって生じる逆拡散信号Sbbを狭帯域バンドパスフィルタ8dに通すことで1次変調信号Sbcに戻し、更に1次変調信号Sbcを検波回路8eに通すことでベースバンド波形の検波信号を再生し、更にその検波信号を復調回路8fで復調することにより、移動局MDTから送信されてきたデータDRXbを再生する。すなわち、移動局MDTから送られてくる受信状況データDcnd(DMP1〜DMPn,DLY1〜DLYn,DEM1〜DEMn,DEB,Did)をデータDRXbとして再生する。
【0097】
データ処理部/システムコントローラ9は、マイクロプロセッサ(MPU)を備えており、位置検出処理部BDT全体の動作を制御すると共に、上記の再生された受信状況データDcnd(DMP1〜DMPn,DLY1〜DLYn,DEM1〜DEMn,DEB,Did)に基づいて各種のデータ処理を行う。
【0098】
データベース12は、位置データ記憶部12aと提供用データ記憶部12bを備えて構成されている。
【0099】
ここで、位置データ記憶部12aには、本移動体通信システムの事業者が各セルSEL1〜SELn内の様々な地点に移動局MDTを実際に移動させ、それによって実測したマルチパス数とマルチパス伝搬遅延時間とマルチパス電界強度及び基地局電界強度の各データと、各実測地点の緯度と経度を表すデータ(以下、「緯度経度データDRxy」という)が、図11〜図15に示すように参照データとしてデータベース化して記憶されている。
【0100】
すなわち、図10に示すセルSEL1内の様々な地点に関する参照データを代表として述べると、セルSEL1内の様々な地点R11,R12,R13〜R1iの緯度経度データDRxyは、図11に示すように、セルSEL1と各地点R11〜R1iに対応付けてデータベース化されている。
【0101】
また、各地点R11〜R1iに移動局MDTを実際に移動させて実測したマルチパス数のデータが、図12に示すように、セルSEL1と各基地局B1〜Bnに対応付けて記憶されている。
【0102】
また、各地点R11〜R1iに移動局MDTを実際に移動させて実測したマルチパス遅延時間のデータが、図13に示すように、セルSEL1と各基地局B1〜Bnに対応付けて記憶されている。
【0103】
また、各地点R11〜R1iに移動局MDTを実際に移動させて実測したマルチパス電界強度のデータが、図14に示すように、セルSEL1と各基地局B1〜Bnに対応付けて記憶されている。
【0104】
また、各地点R11〜R1iに移動局MDTを実際に移動させて実測した基地局電界強度のデータが、図15に示すように、セルSEL1と各基地局B1〜Bnに対応付けて記憶されている。
【0105】
そして、他のセルSEL2〜SELn内の様々な地点の緯度経度データDRxyと、各地点に移動局MDTを実際に移動させて実測したマルチパス数のデータとマルチパス遅延時間のデータとマルチパス電界強度のデータと基地局電界強度のデータも同様にして、図11〜図15に示すように、各セルSEL2〜SELnと各基地局B1〜Bnに対応付けて記憶されている。
【0106】
提供用データ記憶部12bは、位置データ記憶部12aに記憶されている上記各地点とその周辺の地理を示す地図データ等を予め記憶している。すなわち、セルSEL1〜SELn内の各地点の地名や番地、各地点の周辺に位置する公共施設や商業施設、道路網等の情報を含んだ地図データ等、利用者にとって有用なデータが記憶されている。
【0107】
位置判定部10は、上記受信部8で再生されたデータDRXb、すなわち受信状況データDcnd(DMP1〜DMPn,DLY1〜DLYn,DEM1〜DEMn,DEB)を入力する。そして、図12〜図15に示した位置データ記憶部12a中の参照データを検索し、各データDMP1〜DMPn,DLY1〜DLYn,DEM1〜DEMn,DEBに最も類似している参照データを判定し、その判定結果に対応する緯度経度データDRxyを図11に示したデータベースから検索して、送信データ生成部11へ供給する。
【0108】
尚、位置データ記憶部12aから検索した参照データと、上記の受信した各データDMP1〜DMPn,DLY1〜DLYn,DEM1〜DEMn,DEBとの相関を求め、最大の相関値が得られた参照データに基づいて、緯度経度データDRxyを判定するようになっている。
【0109】
すなわち、図12〜図15に示した各データベースから順次に参照データを検索し、受信したマルチパス数データDMP1〜DMPnと図12に示したマルチパス数データベースに既に記憶されているマルチパス数データとの相関演算と、受信したマルチパス遅延時間データDLY1〜DLYnと図13に示したマルチパス遅延時間データベースに既に記憶されているマルチパス遅延時間データとの相関演算と、受信したマルチパス電界強度データDEM1〜DEMnと図14に示したマルチパス電界強度データベースに既に記憶されているマルチパス電界強度データとの相関演算と、受信した基地局電界強度データDEBと図15に示した基地局電界強度データベースに既に記憶されている基地局電界強度データとの相関演算とを求め、それぞれ求めた相関値が最大の値となるときのセルと地点を判定結果とする。そして、その判定したセルと地点に該当する緯度経度データDRxyを図11の緯度経度データベースから検索して、送信データ生成部11へ供給する。
【0110】
送信データ生成部11は、位置判定部10から供給される緯度経度データDRxyに基づいて、上記の判定したセルと地点に関連する地図データを提供データ記憶部12bから検索し、その検索した地図データと緯度経度データDRxyとを組み合わせて送信用データDTXbを生成し、送信部13へ供給する。
【0111】
送信部13は、送信用データDTXbをW-CDMA方式の送信信号STXbに変換し、送信アンテナ14を介して移動局MDTへ送信させる。
【0112】
こうして送信信号STXbが移動局MDTに送信されると、図1に示した移動局MDT内の受信部2が送信信号STXbを受信信号SRXmとして入力し、更に再生データDRXmを生成してデータ処理部/システムコントローラ3が各種データ処理を行うことで、利用者に対して有用な情報を提供する。例えば、移動局MDTに設けられているディスプレイ(図示省略)に、地図データに基づいて地図を表示すると共に、その表示した地図上に緯度経度データDRxyに基づいて移動局MDTの現在位置を視認性の良いマーク等で表示する。これにより、移動局MDTを所有する利用者は、上記のディスプレイに表示された地図と上記マーク等を見るだけで、容易に自分の現在位置を知ることができる。したがって、本移動体通信システムは、移動局MDTを所有する利用者に対し、現在位置とその周辺の地理情報を提供する所謂ナビゲーション機能を発揮するようになっている。
【0113】
次に、かかる構成を有する移動体通信システムの位置検出動作を図16のフローチャートを参照して説明する。尚、図16中の左側のフローが移動局MDT、右側のフローが基地局B1〜Bnの動作を示している。
【0114】
図16において、移動局MDTが各基地局B1〜Bnからの到来電波を受信し(ステップS100)、その受信電波に基づいてステップS102〜S108の処理を行うことで、マルチパス数データDMP1〜DMPnと、マルチパス遅延時間データDLY1〜DLYnと、マルチパス電界強度データDEM1〜DEMnと、基地局電界強度データDEBを生成する。そして、これらのデータDMP1〜DMPn,DLY1〜DLYn,DEM1〜DEMn,DEBを纏めた受信状況データDcndを生成して基地局側へ送信する(ステップS110)。
【0115】
一方、基地局B1〜Bnのうち受信状況データDcndを受信した基地局の位置検出処理部BDTは、受信状況データDcndを再生し(ステップS200)、データベース12の参照データを検索して、受信状況データDcndに最も類似した参照データを判定し、その判定した参照データに対応する緯度経度データDRxyを取得する(ステップS202)。そして、緯度経度データDRxyと地図データ等を含めた送信データDTXbを生成し、移動局MDTへ送信する(ステップS204)。
【0116】
次に、移動局MDTは、送信データDTXbを受信して再生し(ステップS112)、送信データDTXbに含まれている緯度経度データDRxyと地図データをディスプレイに表示する等の処理を行って利用者に提供する(ステップS114)。これにより、移動局MDTを所有する利用者は、地図データと緯度経度データDRxyとに基づくディスプレイ表示を見るだけで、容易に自分の現在位置を知ることが可能となる。そして、ステップS100からの処理を繰り返すことで、移動局MDTの現在位置を時々刻々と利用者に提供する。
【0117】
尚、上記ステップS114において、基地局側から移動局MDTへ上記地図データを送信(配信)する際に、基地局側が利用者に対して一定の配信料金を徴収するようにしてもよい。
【0118】
このように、本実施形態の移動体通信システムによれば、移動局MDTの移動地点に到来する各基地局B1〜Bnからの電波からマルチパス数データDMP1〜DMPnと、マルチパス遅延時間データDLY1〜DLYnと、マルチパス電界強度データDEM1〜DEMnと、基地局電界強度データDEBを求め、これらの各データに基づいて移動局MDTの移動地点の緯度経度を判定するので、極めて高精度の位置検出を可能にする。特に、マルチパス数とマルチパス遅延時間に基づいて移動地点の緯度経度を判定することで、移動局MDTの現在位置を精密に検出することことができ、多様化する移動体通信環境、例えば多様化するビジネスモデル等への対応が可能な移動体通信システムの実現を可能にする。
【0119】
尚、以上に説明した本実施形態では、マルチパス数とマルチパス遅延時間とマルチパス電界強度及び基地局電界強度の全てのデータに基づいて移動局MDTの移動地点を検出しているが、これら全ての情報によらなくとも、実用上問題なく、移動局MDTの現在位置を精密に検出することができる。
【0120】
すなわち、図16中のステップS104,S106,S108の処理を省略し、ステップS102で求めたマルチパス数データDMP1〜DMPnだけを含む受信状況データDcndをステップS110において基地局側へ送信して、移動局MDTの現在位置を検出する構成にしてもよい。
【0121】
かかる構成によると、移動局MDTが任意のセルSELk内の或る地点に位置しているときには、図1に示したセルサーチ部6内の逆拡散回路6bが受信信号SRXm’と基地局判別用の逆拡散符号系列Sbs1〜Sbsnとの相関演算を行うと、セルSELk内に配置されている基地局Bkからの到来電波に対応する相関信号Scvkが最も大きな相関値となり、且つ移動局MDTの位置を正確に示すことになる。このため、この相関信号Scvkに基づいてマルチパス数測定部4aが測定したマルチパス数MPkを基地局側へ送信し、基地局側のデータベース4eに記憶されている図12のマルチパス数データベースを参照することで、移動局MDTの現在位置を正確且つ精密に検出することができる。
【0122】
また、ステップS104,S106,S108の処理を省略するのに伴って、マルチパスディレイ量測定部4bとマルチパス電界強度測定部4c及び基地局電界強度測定部4dを設けなくて済むので、移動局MDTの構成を簡素化することができる。
【0123】
また、図16中のステップS102,S106,S108の処理を省略し、ステップS104で求めたマルチパス遅延時間データDLY1〜DLYnだけを含む受信状況データDcndをステップS110において基地局側へ送信して、移動局MDTの現在位置を検出する構成にしてもよい。
【0124】
かかる構成によると、移動局MDTが任意のセルSELk内の或る地点に位置しているときには、図1に示したセルサーチ部6内の逆拡散回路6bが受信信号SRXm’と基地局判別用の逆拡散符号系列Sbs1〜Sbsnとの相関演算を行うと、セルSELk内に配置されている基地局Bkからの到来電波に対応する相関信号Scvkが最も大きな相関値となり、且つ移動局MDTの位置を正確に示すことになる。このため、この相関信号Scvkに基づいてマルチパスディレイ量測定部4bが測定したマルチパス遅延時間LYkを基地局側へ送信し、基地局側のデータベース4eに記憶されている図13のマルチパス数データベースを参照することで、移動局MDTの現在位置を正確且つ精密に検出することができる。
【0125】
また、ステップS102,S106,S108の処理を省略するのに伴って、マルチパス数量測定部4aとマルチパス電界強度測定部4c及び基地局電界強度測定部4dを設けなくて済むので、移動局MDTの構成を簡素化することができる。
【0126】
また、移動局MDTの移動地点を検出するのに、マルチパス数又はマルチパス遅延時間の一方を主要データとし、マルチパス電界強度と基地局電界強度のデータを補助データとして移動局MDTの位置検出を行うようにしてもよい。
【0127】
このように、マルチパス数又はマルチパス遅延時間の一方だけを移動局MDTの位置検出に利用したり、マルチパス電界強度と基地局電界強度の情報を補助データとして移動局MDTの位置検出をする構成にすると、移動局MDT内の位置解析部4の構成の簡素化と、基地局側の位置検出処理部BDT内のデータベース12の記憶容量の低減化などを実現することが可能となる。
【0128】
尚、本実施形態では、上記の地図データを基地局側の位置検出処理部BDT内の提供データ記憶部12bに予め記憶しておいて、その地図データを緯度経度データDRxyと組み合わせて移動局MDT側へ送信(配信)する構成となっている。
【0129】
しかし、上記の地図データは移動局MDTのデータ処理部/システムコントローラ3内の所定の記憶部(図示省略)に予め記憶しておき、緯度経度データDRxyが位置検出処理部BDTから送信されてくると、移動局MDTのデータ処理部/システムコントローラ3が緯度経度データDRxyと関連する地図データを上記記憶部中から検索し、その検索した地図データと緯度経度データDRxyとを、上記図示しないディスプレイに表示させるようにしてもよい。
【0130】
また、上記の地図データを移動局MDTのデータ処理部/システムコントローラ3内の所定の記憶部に予め記憶する方法として、地図データを記録したCDやDVD等の情報記録媒体を利用者に提供するようにし、その情報記録媒体の地図データを移動局MDTのデータ処理部/システムコントローラ3にダウンロードするようにしてもよい。また、緯度経度データDRxyとは別に、利用者の要求等に応じて、位置検出処理部BDT内の提供データ記憶部12bに予め記憶されている地図データだけを移動局MDT側へ送信(配信)して、データ処理部/システムコントローラ3にダウンロードするようにしてもよい。
【0131】
また、本実施形態では、図3に示したように位置データ記憶部12aと位置判定部10を基地局側の位置検出処理部BDT内に備える構成としたが、この位置データ記憶部12aと位置判定部10を図2に示した移動局MDT内に備えておき、位置判定部10で判定した緯度経度データDRxyを基地局側の位置検出処理部BDTへ送信するようにしてもよい。そして、緯度経度データDRxyを受信した位置検出処理部BDT内の送信データ生成部11が、緯度経度データDRxyに対応する地図データをデータベース12内の提供用データ記憶部12bから取得し、その地図データを送信データDTXbとして移動局MDT側へ返送するようにしてもよい。
【0132】
尚、かかる構成の場合、移動局MDT自身が現在位置を判定するので、利用者が上記地図データを取得したい場合だけ、緯度経度データDRxyを基地局側の位置検出処理部BDTへ送信するようにしてもよい。また、基地局側から移動局MDTへ地図データを送信(配信)する際に、基地局が利用者に対して一定の配信料金を徴収するようにしてもよい。
【0133】
このように、設計仕様等に応じて、図2及び図3に示した移動局MDTと位置検出処理部BDTの構成を、移動局MDTと基地局側に適宜に分散して設けるようにしてもよい。
【0134】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図17ないし図22を参照して説明する。 尚、図17は、本実施形態の移動局MDTの構成を示すブロック図であり、図2と同一又は相当する部分を同一符号で示している。また、図18は、本実施形態の各基地局B1〜Bnに備えられている位置検出処理部BDTの構成を示すブロック図であり、図3と同一又は相当する部分を同一符号で示している。
【0135】
図17において、この移動局MDTは、図2に示した位置解析部4の構成に加えて、移動速度測定部4fが設けられている。
【0136】
移動速度測定部4fは、基地局電界強度測定部4dで生成される各基地局B1〜Bnから到来した電波の電界強度EB1〜EBnのデータを入力する。つまり、正規化処理が行われる前の電界強度EB1〜EBnのデータを入力する。
【0137】
そして、図19に示すように、n個の電界強度EB1〜EBnが生成される所定期間Tn毎に、これらの電界強度EB1〜EBnの中から最も大きな電界強度のデータEBmaxを抽出する。更に、上記期間Tn毎に得られるデータEBmaxの変化を所定の閾値THDEBと比較し、期間Tnの整数倍の期間g×Tn内にデータEBmaxが閾値THDEBと交叉した回数NEBを求め、その回数NEBの逆数を移動局MDTの移動速度V(=1/NEB)とする。そして、測定した移動速度Vを示す速度データDspをデータ生成部4eに供給する。
【0138】
データ生成部4eは、上記した移動速度測定部4fからの速度データDspと、マルチパス数測定部4aからの識別コード付きマルチパス数データDMP1(MP1,TAG1)〜DMPn(MPn,TAGn)と、マルチパスディレイ量測定部4bからの識別コード付き伝搬遅延時間データDLY1(LY1,ATG1)〜DLYn(LYn,ATGn)と、マルチパス電界強度測定部4cからの識別コード付きマルチパス電界強度データDEM1(EM1,ATG1)〜DEMn(EMn,ATGn)と、基地局電界強度測定部4dからの基地局電界強度データDEB(em1〜emn)とを纏めて特徴データ(DMP1〜DMPn,DLY1〜DLYn,DEM1〜DEMn,DEB,Dsp)を生成し、更に、この特徴データに移動局MDTの識別データ(電話番号等)Didを付加することによって、受信状況データDcnd(DMP1〜DMPn,DLY1〜DLYn,DEM1〜DEMn,DEB,Dsp,Did)を生成して送信部5に供給し、基地局側へ送信させる。
【0139】
次に、図18に示す位置検出処理部BDTは、図3に示した構成に加えて、最適候補判定部15が備えられている。
【0140】
ここで、位置判定部10は、受信部8で再生されたデータDRXb、すなわち移動局MDTから送られてきた受信状況データDcnd(DMP1〜DMPn,DLY1〜DLYn,DEM1〜DEMn,DEB,Dsp,Did)を入力し、図12〜図15に示した位置データ記憶部12a中の参照データを検索し、各特徴データDMP1〜DMPn,DLY1〜DLYn,DEM1〜DEMn,DEBに類似している複数個の参照データを判定し、その判定結果に対応する複数個の緯度経度データDRxyを最適候補判定部15へ供給する。
【0141】
更に、緯度経度データDRxyと共に、受信状況データDcnd中の速度データDspも最適候補判定部15へ転送する。
【0142】
尚、上記の各特徴データDMP1〜DMPn,DLY1〜DLYn,DEM1〜DEMn,DEBに類似している複数個の参照データを判定する際、特徴データDMP1〜DMPn,DLY1〜DLYn,DEM1〜DEMn,DEBのうちの一部データだけが類似している参照データであっても判定対象とする比較的緩やかな判定を行うことにより、その判定結果に対応する複数の緯度経度データDRxyを最適候補判定部15に供給する。また、特徴データDMP1〜DMPn,DLY1〜DLYn,DEM1〜DEMn,DEBと参照データとの相関演算を行い、相関値が所定値以上となった参照データを類似していると判定する。
【0143】
更に、位置判定部10は、移動局MDT側から送られてくる受信状況データDcndを1回だけ入力して上記複数個の緯度経度データDRxyを判定するのではなく、移動局MDT側から一定期間の間に送られてくる受信状況データDcndを複数回入力し、各回毎に得られる特徴データDMP1〜DMPn,DLY1〜DLYn,DEM1〜DEMn,DEBに類似している複数個の参照データを判定して、その判定結果に対応する複数個の緯度経度データDRxyを最適候補判定部15へ供給するようになっている。尚、本実施形態では、受信状況データDcndを3回入力することとしている。
【0144】
したがって、位置判定部10は、受信状況データDcndを受信する度に、複数の緯度経度データDRxyを判定して最適候補判定部15に供給する。
【0145】
最適候補判定部15は、位置判定部10から複数回に亘って供給される複数個の緯度経度データDRxyに基づいて、移動局MDTの現在位置を示す最適位置データMRxyを生成する。
【0146】
この最適位置データMRxyの生成アルゴリズムを具体例に基づいて説明すると、例えば、位置判定部10より供給された第1回目の複数の緯度経度データDRxyがPS11〜PS13、第2回目の緯度経度データDRxyがPS21〜PS23、第3回目の緯度経度データDRxyがPS31〜PS33であったとすると、図20に示す緯度経度の座標上にこれらの緯度経度データPS11〜PS13,PS21〜PS23,PS31〜PS33をそれぞれ配列して同じもの同士の発生回数を累積加算し、更に累積加算した平均値分布の中で最も大きな値となる重心位置(緯度と経度)を、移動局MDTの現在位置を表す有力な候補MRxy’と判断する。
【0147】
更に、速度データDspの値を所定の閾値THDspと比較し、閾値THDspより大きな値の速度データDspが得られた場合に、上記候補MRxy’が移動局MDTの現在位置を示しているものと判定し、その候補MRxy’を最適位置データMRxy(=MRxy’)として、送信データ生成部11へ供給する。
【0148】
一方、閾値THDspより大きな値の速度データDspが得られなかった場合には、前回の処理で求めた最適位置データMRxyをそのまま最適位置データMRxyとして、送信データ生成部11へ供給する。
【0149】
送信データ生成部11は、上記の最適位置データMRxyが供給されると、最適位置データMRxyに対応する地図データを提供データ記憶部12bから検索し、その検索した地図データと最適位置データMRxyとを組み合わせて送信用データDTXbを生成し、送信部13へ供給する。そして、送信部13を介して移動局MDT側へ送信させる。
【0150】
こうして送信用データDTXbが移動局MDTに送信されると、図17に示した移動局MDT内の受信部2が送信用データDTXbを受信データDRXmとして再生し、データ処理部/システムコントローラ3が各種データ処理を行うことで、利用者に対して有用な情報を提供する。例えば、移動局MDTに設けられているディスプレイ(図示省略)に、地図データに基づいて地図を表示すると共に、その表示した地図上に最適位置データMRxyに基づいて移動局MDTの現在位置を視認性の良いマーク等で表示する。これにより、現在位置とその周辺の地理情報を提供する所謂ナビゲーション機能を発揮することになり、移動局MDTを所有する利用者に対し、上記のディスプレイに表示された地図と上記マーク等を見るだけで、容易に自分の現在位置を知ることを可能にする。
【0151】
このように、本実施形態によれば、各基地局B1〜Bnに設けられている位置検出処理部BDT内の最適候補判定部15が、上記したように複数個の緯度経度データRxyの発生頻度を調べ、最も発生頻度の高くなった緯度経度に基づいて、移動局MDTの現在位置を示す最適位置データMRxyを生成するようにしたので、移動局MDTの現在位置を高精度で検出することができる。
【0152】
更に、W-CDMAのような多元接続方式の通信では、基地局から移動局までの距離が同じでも、フェージング等の影響によって到来電波の電界強度が著しく変化し、一般に基地局の移動速度が小さい場合には、その電界強度のバラツキが大きくなる。しかし、本実施形態では、上記のように位相局MDTの移動速度Vを測定し、この移動速度Vを示す速度データDspが所定の閾値THDspより大きくなった場合に、上記の最適位置データMRxyを移動局MDTの現在位置を示すデータであると判断するので、移動局MDTの現在位置を極めて高精度で検出することができる。
【0153】
尚、本実施形態では、位置検出処理部BDTは、受信状況データDcnd中のデータDMP1〜DMPn,DLY1〜DLYn,DEM1〜DEMn,DEBに基づいて、図12〜図15に示した位置データ記憶部12a中の参照データとの類似性を調べることにしているが、これらデータDMP1〜DMPn,DLY1〜DLYn,DEM1〜DEMn,DEBのうちの1つのデータ又は複数組み合わせたデータと位置データ記憶部12a中の参照データとの類似性を調べることで、上記緯度経度データの候補MRxy’を求めるようにしてもよい。
【0154】
また、図17に示したように、移動速度測定部4fは、基地局電界強度測定部4dで生成された正規化処理が行われる前の電界強度EB1〜EBnのデータに基づいて移動局MDTの移動速度Vを示す速度データDspを生成することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、移動速度測定部4fは、セルサーチ部6が相関演算によって生成した相関信号Scv1〜Scvnに基づいて移動局MDTの移動速度Vを示す速度データDspを生成する構成にしてもよい。
【0155】
また、上記図17ないし図20を参照して説明した本移動体通信システムでは、位置検出処理部BDT側に位置判定部10とデータベース12及び最適候補判定部15を備え、位置検出処理部BDT側において移動局MDTの位置を判定することとしている。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、移動局MDT側で位置判定を行い、その判定結果を位置検出処理部BDT側へ送信する構成にしてもよい。
【0156】
すなわち、本実施形態の変形例として、移動局MDTを図21、位置検出処理部BDTを図22に示す構成にしてもよい。
【0157】
つまり、移動局MDTには図21に示すように、図18に示した位置検出処理部BDTの位置判定部10と位置データ記憶部12a及び最適候補判定部15に相当する位置判定部10mとデータベース12am及び最適候補判定部15mを設け、一方、位置検出処理部BDTには図22に示すように、位置判定部10と位置データ記憶部12a及び最適候補判定部15を設けない構成にする。
【0158】
そして、図21に示す移動局MDTでは、位置判定部10mが、マルチパス数測定部4aとマルチパスディレイ量測定部4bとマルチパス電界強度測定部4cと基地局電界強度測定部4d及び移動速度測定部4fから供給される各受信状況を示すデータDMP1〜DMPn,DLY1〜DLYn,DEM1〜DEMn,DEBに類似している複数個の参照データを位置データ記憶部12amから検索し、更に、複数個の参照データに対応する複数個の緯度経度データDRxyを位置データ記憶部12amから検索し、速度データDspと共に最適候補判定部15mに供給する。
【0159】
最適候補判定部15mは、上記の最適候補判定部15と同様の処理によって、これらの緯度経度データDRxyと速度データDspに基づいて、移動局MDT自身の現在位置を示す候補MRxy’を判断し、更に、候補MRxy’の中から最も適切な候補を判定して最適位置データMRxyを生成し、データ生成部4eへ供給する。
【0160】
そして、データ生成部4eは、最適位置データMRxyと識別コードデータDidを送信用データDcndとし、送信部5を介して位置検出処理部BDT側へ送信する。
【0161】
一方、図22に示す位置検出処理部BDTでは、受信部8が、移動局MDTから送信されてきた最適位置データMRxyと識別コードデータDidを受信データDRXbとして再生し、送信データ生成部11が、その再生された最適位置データMRxyに基づいて提供用データ記憶部12b中から地図データを検索し、検索した地図データを送信用データDTXbにし、送信部13を介して移動局MDT側へ送信する。そして、移動局MDT内のエータ処理部/システムコントローラ3がディスプレイ(図示省略)に、地図データに基づいて地図を表示すると共に、その表示した地図上に緯度経度データDRxyに基づいて移動局MDTの現在位置を視認性の良いマーク等で表示する。これにより、現在位置とその周辺の地理情報を提供する所謂ナビゲーション機能を発揮することになり、移動局MDTを所有する利用者に対し、上記のディスプレイに表示された地図と上記マーク等を見るだけで、容易に自分の現在位置を知ることを可能にする。
【0162】
尚、かかる変形例の場合には、移動局MDT自身が現在位置を判定するので、利用者が上記地図データを取得したい場合だけ、最適位置データMRxyと識別コードデータDidを送信用データDcndとし、送信部5を介して位置検出処理部BDT側へ送信するようにしてもよい。
【0163】
また、上記した本実施形態及び変形例において、移動局MDTから基地局側へ最適位置データMRxyと識別コードデータDidが送信用データDcndとし送信され、それに応じて基地局側から移動局MDTへ上記地図データを送信(配信)する際に、基地局側が利用者に対して一定の配信料金を徴収するようにしてもよい。
【0164】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施形態を図23〜図27を参照して説明する。尚、図23は、本実施形態の移動局MDTの構成を示すブロック図であり、図17と同一又は相当する部分を同一符号で示している。また、図24は、本実施形態の各基地局B1〜Bnに備えられている位置検出処理部BDTの構成を示すブロック図であり、図18と同一又は相当する部分を同一符号で示している。
【0165】
上記第1,第2の実施形態では、本移動体通信システムの事業者等が参照データを実測しておき、図3、図18、図21に示したように、その実測した参照データを各基地局B1〜Bn内の位置データ記憶部12a又は移動局MDT内の位置データ記憶部12amに記憶しておくことで、位置データを検索するためのデータベースを予め構築している。
【0166】
これに対し本実施形態は、本移動体通信システムの事業者等が予め実測した参照データのみに基づいてデータベースを構築するのではなく、移動局MDTから送られてくる受信状況データDcndに基づいて参照データを生成し、その参照データをデータベース12の位置データ記憶部12aに記憶又は更新することにより、より大規模で精密なデータベースを構築できるようにしたものである。
【0167】
更に、データベースの構築のために受信状況データDcndを提供した利用者に対し、一定の条件の下で、本移動体通信システムの利用料金を低減する課金処理手段を備えたものである。
【0168】
図23において、本実施形態の移動局MDTは、現在位置測定手段を備えている車載用ナビゲーション装置や、携帯型パーソナルコンピュータ、携帯型移動端末装置等の電子機器に接続するためのインタフェース部IF2が設けられている。
【0169】
例えば、GPS(Global Positioning System)衛星から到来するGPS電波信号を受信するGPS受信装置16と、GPS受信信号Sgpsに基づいて三角測量の原理等によって現在位置(緯度と経度)を演算する緯度経度測定部17と、緯度経度測定部17で生成された緯度経度データDGPSxyを外部出力するためのインタフェース部IF1とを備えた現在位置検出手段としての電子機器を利用者が所有しているような場合、そのインタフェース部IF1に移動局MDTのインタフェース部IF2を着脱自在に接続できるようになっている。
【0170】
また、移動局MDTの筐体には、送信開始釦スイッチ(図示省略)が設けられており、利用者がその送信開始釦スイッチをオン操作した際、インタフェース部IF1,IF2を介して上記電子機器に移動局MDTが接続されている場合と、上記電子機器に移動局MDTが接続されていない場合とでは、それぞれ異なった処理が行われる。
【0171】
まず、インタフェース部IF1,IF2を介して上記電子機器と移動局MDTとが接続されている状態で、利用者が上記送信開始釦スイッチをオン操作すると、データ生成部4eが車載用ナビゲーション装置等の電子機器から出力される緯度経度データDGPSxyをインタフェース部IF1,IF2を通じて入力し、その緯度経度データDGPSxyを後述の受信状況データDcndに含めて基地局B1〜Bn側へ送信する。
【0172】
つまり、利用者が上記送信開始釦スイッチをオン操作すると、図17に示した第2の実施形態の移動局MDTと同様の受信状況測定処理が行われ、更に、データ生成部4eが、マルチパス数測定部4aから供給される識別コード付きマルチパス数データDMP1〜DMPnと、マルチパスディレイ量測定部4bから供給される識別コード付き伝搬遅延時間データDLY1〜DLYnと、マルチパス電界強度測定部4cから供給される識別コード付きマルチパス電界強度データDEM1〜DEMnと、基地局電界強度測定部4dから供給される基地局電界強度データDEBと、移動速度測定部4fから供給される速度データDspとを纏めることにより、受信状況の特徴を示す特徴データDRC(DMP1〜DMPn,DLY1〜DLYn,DEM1〜DEMn,DEB,Dsp)を生成する。
【0173】
更に、この特徴データDRCに、電子機器から取得した緯度経度データDGPSxyと移動局MDTの識別コードデータ(電話番号等)Didを付加することで、受信状況データDcnd(DMP1〜DMPn,DLY1〜DLYn,DEM1〜DEMn,DEB,Dsp,DGPSxy,Did)を生成して送信部5に供給し、基地局側へ送信させる。
【0174】
上記電子機器と移動局MDTとが接続されていない状態で、利用者が上記送信開始釦スイッチをオン操作した場合には、図17に示した第2の実施形態の移動局MDTと同様の受信状況測定処理が行われ、更に、データ生成部4eが、マルチパス数測定部4aから供給される識別コード付きマルチパス数データDMP1〜DMPnと、マルチパスディレイ量測定部4bから供給される識別コード付き伝搬遅延時間データDLY1〜DLYnと、マルチパス電界強度測定部4cから供給される識別コード付きマルチパス電界強度データDEM1〜DEMnと、基地局電界強度測定部4dから供給される基地局電界強度データDEBと、移動速度測定部4fから供給される速度データDspとを纏めることにより、受信状況の特徴を示す特徴データDRC(DMP1〜DMPn,DLY1〜DLYn,DEM1〜DEMn,DEB,Dsp)を生成する。
【0175】
そして、電子機器と移動局MDTが接続されていないため、この特徴データDRCに緯度経度データを追加するための処理は行わずに、移動局MDTの識別コードデータ(電話番号等)Didを付加することで、受信状況データDcnd(DMP1〜DMPn,DLY1〜DLYn,DEM1〜DEMn,DEB,Dsp,Did)を生成して送信部5に供給し、基地局側へ送信させる。
【0176】
このように、電子機器と移動局MDTとが接続されている場合には、電子機器から供給される緯度経度データDGPSxyと移動局MDT内で測定した特徴データDRC(DMP1〜DMPn,DLY1〜DLYn,DEM1〜DEMn,DEB,Dsp)とを含んだ受信状況データDcndを基地局側へ送信し、電子機器と移動局MDTとが接続されていない場合には、移動局MDT内で測定した特徴データDRC(DMP1〜DMPn,DLY1〜DLYn,DEM1〜DEMn,DEB,Dsp)を含んだ受信状況データDcndを基地局側へ送信する。
【0177】
更に、電子機器に移動局MDTが接続されている場合と、電子機器に移動局MDTが接続されていない場合との何れの場合でも、利用者が自己の意志に基づいて送信開始釦スイッチをオン操作した場合に限って、受信状況データDcndを基地局側へ送信することで、利用者の個人情報を保護する等の措置を講じている。
【0178】
図24において、本実施形態の各基地局B1〜Bn内の位置検出処理部BDTには、位置データ生成部18と、課金処理手段としての課金処理部19と課金データ記憶部12cが備えられている。
【0179】
位置データ生成部18は、主に、受信部8で再生される受信データDRXb(すなわち、受信状況データDcnd)に基づいて参照データを生成し、その参照データを位置データ記憶部12aに記憶或いは更新するための処理、すなわちデータベース構築のための処理を行い、課金処理部19は、データベース構築に寄与した利用者に対して、システム利用料金を割引ための処理等を行う。
【0180】
より詳細に述べると、位置データ生成部18は、受信部8から受信状況データDcndが供給されると、受信状況データDcnd中の識別コードデータDidを課金処理部19に供給する。これに対し課金処理部19は、課金データ記憶部12c中に予め記憶されている「特別契約登録」のなされている利用者データを検索し、識別コードデータDidが「特別契約登録」のなされている利用者のものか否か判定する。
【0181】
ここで言う「特別契約登録」のなされている利用者とは、本移動体通信システムを利用する利用者であって、且つ、移動局MDTから基地局へ緯度経度データDGPSxyを提供することにより上記データベース構築に寄与する旨の特別な契約を本移動体通信システムの事業者との間で行った利用者を言う。よって、単に本移動体通信システムを利用するだけの利用契約者は「システム利用契約者」であっても、「特別契約登録」を行った利用者とは区別されている。尚、説明の便宜上、「特別契約登録」を行った利用者を「特別契約者」、本移動体通信システムの利用契約だけを行っている利用者を「システム利用者」と呼ぶことにする。
【0182】
上記したように課金処理部19が、上記識別コードデータDidを「特別契約者」のものであると判定すると、その判定結果を位置データ生成部18に供給し、参照データ生成処理を開始させる。また、課金処理部19が、上記識別コードデータDidを「特別契約者」のものではない判定すると、その判定結果を位置データ生成部18に供給し、参照データ生成処理をしないように指令する。
【0183】
課金処理部19からの判定結果に応じて位置データ生成部18が参照データ生成処理を開始すると、まず、「特別契約者」から送られてきた受信状況データDcnd中に緯度経度データDGPSxyが含まれているか否か判断する。
【0184】
緯度経度データDGPSxyが含まれている場合には、位置データ生成部18は、受信部8で再生された受信状況データDcndを入力することにより、複数の受信状況データDcnd毎に含まれている特徴データDRC(DMP1〜DMPn,DLY1〜DLYn,DEM1〜DEMn,DEB,Dsp)を取得する。更に、特徴データDRC中の速度データDspが所定の閾値THDspより大きな値である場合に、その特徴データDRCを後述する新規の参照データを生成するためのデータとする。つまり、移動局MDTが同じ場所にいても、各基地局B1〜Bnから移動局MDTに到来する電波がフェージング等によって変動する場合があることから、特徴データDRC中の速度データDspが所定の閾値THDspより大きな値のときに、その特徴データDRCを移動局MDTにおける受信状況を良く表していると判断して、後述する新規の参照データを生成するためのデータとする。
【0185】
更に、特徴データDRCの取得を完了すると、位置データ記憶部12aを検索し、特徴データDRC中の緯度経度データDGPSxyと同じ緯度経度データが位置データ記憶部12a中に参照データとして記憶されているか調べる。ここで、緯度経度データDGPSxyと同じ緯度経度データが未だ位置データ記憶部12a中に記憶されていない場合には、緯度経度データDGPSxyと受信状況を示す特徴データDMP1〜DMPn,DLY1〜DLYn,DEM1〜DEMn,DEBとを対応付けることによって新規な参照データ(DGPSxy;DMP1〜DMPn,DLY1〜DLYn,DEM1〜DEMn,DEB)を生成して位置データ記憶部12aに記憶させ、更に、その新規な参照データを位置データ記憶部12aに記憶させた旨を課金処理部19に通知する。
【0186】
こうして、新規な参照データを位置データ記憶部12aに記憶させた旨の情報が課金処理部19に通知されると、課金処理部19は、受信状況データDcndを送ってきた「特別契約者」のシステム利用料金からデータベース構築に寄与した分の割引(以下、「第1種割引」という)を行うための処理を行い、更に、その「特別契約者」が「第1種割引」の対象者であることを示す判別データDCHK1を出力する。
【0187】
また、位置データ生成部18は、上記の位置データ記憶部12aを検索した結果、「特別契約者」から送られてきた緯度経度データDGPSxyと同じ緯度経度データが位置データ記憶部12a中に既に記憶されていた場合には、受信部8で再生された受信状況データDcndを入力することにより、受信状況データDcndに含まれている特徴データDRC(DMP1〜DMPn,DLY1〜DLYn,DEM1〜DEMn,DEB,Dsp)を取得し、更に、特徴データDRC中の速度データDspが所定の閾値THDspより大きな値である場合に、その特徴データDRCを後述する更新用の参照データを生成するためのデータとする。つまり、移動局MDTが同じ場所にいても各基地局B1〜Bnから移動局MDTに到来する電波がフェージング等によって変動する場合があることから、特徴データDRC中の速度データDspが所定の閾値THDspより大きな値のときに、その特徴データDRCを移動局MDTにおける受信状況を良く表していると判断して、後述する更新用の参照データを生成するためのデータとする。
【0188】
そして、この特徴データDRCを求めた後、位置データ記憶部12aを検索し、特徴データDRCに含まれている各特徴データDMP1〜DMPn,DLY1〜DLYn,DEM1〜DEMn,DEBが、既に位置データ記憶部12a中に記憶されている緯度経度データに対応付けて記憶されている各特徴データと同じか否か調べる。
【0189】
上記の特徴データDMP1〜DMPn,DLY1〜DLYn,DEM1〜DEMn,DEBと既に記憶されている特徴データとが異なっていた場合には、上記の受信部8から取得した特徴データDRCに含まれている特徴データDMP1〜DMPn,DLY1〜DLYn,DEM1〜DEMn,DEBを新規な特徴データとして緯度経度データDGPSxyに対応付けることにより、更新用の参照データ(DGPSxy;DMP1〜DMPn,DLY1〜DLYn,DEM1〜DEMn,DEB)を生成し、既に記憶されている緯度経度データと特徴データとからなっている旧い参照データを、上記の更新用の参照データで置き換えて位置データ記憶部12aに記憶させる。
【0190】
つまり、この場合には、位置データ記憶部12aに新規参照データを新たに記憶させるのではなく、位置データ記憶部12a中に存在していた旧い参照データを更新用の参照データで更新する。そして、更新を行った旨を課金処理部19に通知する。また、課金処理部19は、上記の更新が行われた場合にも、受信状況データDcndを送ってきた「特別契約者」に対して「第1種割引」の処理を行うと共に、「第1種割引」の対象者であることを示す判別データDCHK1を出力する。
【0191】
また、位置データ生成部18は、「特別契約者」から送られてきた受信状況データDcnd中に緯度経度データDGPSxyが含まれていないと判断した場合には、位置データ記憶部12aに参照データを記憶させるための処理を行わず、緯度経度データDGPSxyが無かった旨の通知を課金処理部19に通知する。そして、課金処理部19は、緯度経度データDGPSxyが無かった旨の通知を受けると、受信状況データDcndを送ってきた「特別契約者」に対して「第2種割引」を行うための処理を行うとともに、その「特別契約者」が「第2種割引」の対象者であることを示す判別データDCHK2を出力する。
【0192】
このように、位置データ生成部18と課金処理部19と課金データ記憶部12cは、互いに協働して「特別契約者」か否かの判断を行い、更に、「特別契約者」から送られてきた受信状況データDcndに基づいて新規な参照データを位置データ記憶部12aに記憶した場合、又は「特別契約者」から送られてきた受信状況データDcndに基づいて特徴データの更新を行った場合には、その「特別契約者」を「第1種割引」の対象者とし、一方、「特別契約者」から送られてきた受信状況データDcnd中に緯度経度データDGPSxyが含まれていなかった場合には、その「特別契約者」を「第2種割引」の対象者としてそれぞれシステム利用料金から料金割引を行う課金処理を行い、受信状況データDcndが「特別契約者」からのものでない場合には、料金割引の対象者でないとしてシステム利用料金を徴収するための課金処理を行うようになっている。
【0193】
つまり、図27に表記するように、「特別契約者」に対しては所定の条件に基づいて「第1種割引」と「第2種割引」を適用し、「特別契約登録」していない利用者(未契約者)に対しては割引を適用しないようになっている。
【0194】
尚、課金処理部19は、上記の新規な参照データの記憶又は更新用の参照データによる更新が行われた際の「特別契約者」、すなわちデータベース構築に実質的に寄与した「特別契約者」が「第1種割引」の対象となった回数を計数し、その累積計数値をデータベース構築に対する貢献度を示す履歴データDGとして課金データ記憶部12cに記憶する。そして、貢献度を示す履歴データDGの値が大きい「特別契約者」ほど、上記「第1種割引」の割引率Kを増していくようになっている。
【0195】
このように、「第1種割引」の割引率Kを調整することにより、例えば、位置データ記憶部12aに未だ記録されていない受信状況データDcndを多数回送ってきた「特別契約者」と、既に位置データ記憶部12aに記録されている受信状況データDcndを多数回数送ってきた「特別契約者」との間で、データベース構築に実質的に寄与した貢献度に差を持たせている。
【0196】
尚、本実施形態では、上記したようにデータベース構築に実質的に寄与した場合に「第1種割引」の割引率Kを増やすことにしているが、データベース構築に実質的に寄与することにならなかった(更新等に寄与しなかった)受信状況データDcndを送った「特別契約者」であっても、受信状況データDcndを送る毎の回数を計数して、「第1種割引」の割引率Kを増やすようにしてもよい。ただし、データベース構築に実質的に寄与した受信状況データDcndを送った「特別契約者」に対して、「第1種割引」の割引率Kを増やすようにする方が、合理的且つ好ましい。
【0197】
また、緯度経度データDGPSxyの含まれていない受信状況データDcndを送った「特別契約者」は、その際の受信状況データDcndによってはデータベース構築に実質的な寄与をしないことになるが、潜在的にデータベース構築に寄与し得る車載用ナビゲーション装置などを所有している「特別契約者」であることから、「第2種割引」の対象としている。
【0198】
ただし、「第1種割引」の割引率Kを「第2種割引」の割引率Mより常に高く設定している。
【0199】
こうして、所定の条件の下で「特別契約者」に割引を行いつつ、「特別契約者」から送られてきた受信状況データDcndに基づいて新規参照データと更新用参照データを生成して位置データ記憶部12aに記憶と更新をしていくことで、図11〜図15に示したようなファイル管理したデータベースを自動的に構築するようになっている。
【0200】
また、更新用参照データで位置データ記憶部12a中の旧い参照データを更新すると、緯度経度データDGPSxyは変化しなくとも、その緯度経度データDGPSxyの地点の周囲に例えば新たな建造物等が建てられて各基地局B1〜Bnからの電波の受信状況が変化するような状況が生じても、更新用参照データに基づいてデータベースが最新の内容に更新されていく。このため、最新且つ実状に即応した精度の高いデータベースの構築及び維持が可能となる。
【0201】
次に、位置判定部10と送信データ生成部11及び最適候補判定部15を説明する。まず概略を述べると、これら位置判定部10と送信データ生成部11及び最適候補判定部15は互いに協働して、上記の「第1種割引」の対象となった「特別契約者」を除いた利用者に対して、現在位置の情報を提供するための処理を行う。
【0202】
つまり、「第1種割引」の対象となった「特別契約者」は、自ら所有している車載用ナビゲーション装置等によって現在位置を知ることができるため、「第1種割引」の対象となった「特別契約者」には現在位置の情報を提供しないこととしている。
【0203】
ただし、自ら所有している車載用ナビゲーション装置等から移動局MDTを取り外し、移動局MDT単体で携帯して使用しているような「特別契約者(第2種割引の対象者)」には、現在位置の情報を知ることができないため、現在位置の情報を提供することとしている。
【0204】
更に、「特別契約登録」をしていない単なる「システム利用者」に対しても、現在位置の情報を提供することとしている。
【0205】
ちなみに、車載用ナビゲーション装置等の現在位置を測定可能な電子機器を所有しているが「特別契約登録」をしていない利用者が、その電子機器で測定した緯度経度データDGPSxyを受信状況データDcndに含めて基地局側へ送信した場合には、その利用者に対しては単なる「システム利用者」と同じ扱いをして、現在位置の情報を提供することとしている。
【0206】
位置判定部10は、上記したように受信部8が受信状況データDcndを再生して出力すると、その受信状況データDcndを入力する。更に、課金処理部19から判別データDCHK1,DCHK2,DCHK3のうちのいずれの判別データが出力されたかを調べる。
【0207】
そして、判別データDCHK1が出力されている場合には、上記したように、受信状況データDcndを「第1種割引」の対象となった「特別契約者」から送られてきたものであると判断して現在位置の情報を返送するための処理を行わず、更に送信データ生成部11及び最適候補判定部15に対しても現在位置の情報を返送するための処理をしないように指令する。
【0208】
一方、課金処理部19から判別データDCHK2又はDCHK3が出力されている場合には、送信データ生成部11及び最適候補判定部15と協働して、「第2種割引」の対象となった「特別契約者」又は「システム利用者」に対して現在位置の情報を返送するための処理を開始する。
【0209】
こうして位置判定部10が現在位置の情報を返送するための処理を開始すると、受信部8で再生されたデータDRXb、すなわち移動局MDTから送られてきた受信状況データDcnd(DMP1〜DMPn,DLY1〜DLYn,DEM1〜DEMn,DEB,Dsp,Did)を入力し、図12〜図15に示した位置データ記憶部12a中の参照データを検索し、各特徴データDMP1〜DMPn,DLY1〜DLYn,DEM1〜DEMn,DEBに類似している複数個の参照データを判定し、その判定結果に対応する複数個の緯度経度データDRxyを最適候補判定部15へ供給する。
【0210】
更に、緯度経度データDRxyと共に、受信状況データDcnd中の速度データDspも最適候補判定部15へ転送する。
【0211】
尚、上記の各特徴データDMP1〜DMPn,DLY1〜DLYn,DEM1〜DEMn,DEBに類似している複数個の参照データを判定する際、特徴データDMP1〜DMPn,DLY1〜DLYn,DEM1〜DEMn,DEBのうちの一部データだけが類似している参照データであっても判定対象とする比較的緩やかな判定を行うことにより、その判定結果に対応する複数の緯度経度データDRxyを最適候補判定部15に供給する。また、特徴データDMP1〜DMPn,DLY1〜DLYn,DEM1〜DEMn,DEBと参照データとの相関演算を行い、相関値が所定値以上となった参照データを類似していると判定する。
【0212】
更に、位置判定部10は、移動局MDT側から送られてくる受信状況データDcndを1回だけ入力して上記複数個の緯度経度データDRxyを判定するのではなく、移動局MDT側から一定期間の間に送られてくる受信状況データDcndを複数回入力し、各回毎に得られる特徴データDMP1〜DMPn,DLY1〜DLYn,DEM1〜DEMn,DEBに類似している複数個の参照データを判定して、その判定結果に対応する複数個の緯度経度データDRxyを最適候補判定部15へ供給するようになっている。尚、本実施形態では、受信状況データDcndを3回入力することとしている。
【0213】
したがって、位置判定部10は、受信状況データDcndを受信する度に、複数の緯度経度データDRxyを判定して最適候補判定部15に供給する。
【0214】
最適候補判定部15は、位置判定部10から複数回に亘って供給される複数個の緯度経度データDRxyに基づいて、移動局MDTの現在位置を示す最適位置データMRxyを生成する。
【0215】
つまり、図20に示したのと同様に、位置判定部10から供給される複数個の緯度経度データDRxyを緯度経度の座標上に配列して同じもの同士の発生回数を累積加算し、更に累積加算した平均値分布の中で最も大きな値となる重心位置(緯度と経度)を、移動局MDTの現在位置を表す有力な候補MRxy’と判断する。
【0216】
例えば、位置判定部10より供給された第1回目の複数の緯度経度データDRxyがPS11〜PS13、第2回目の緯度経度データDRxyがPS21〜PS23、第3回目の緯度経度データDRxyがPS31〜PS33であったとすると、これらの緯度経度データPS11〜PS13,PS21〜PS23,PS31〜PS33をそれぞれ配列して同じもの同士の発生回数を累積加算し、更に累積加算した平均値分布の中で最も大きな値となる重心位置(緯度と経度)を、移動局MDTの現在位置を表す有力な候補MRxy’と判断する。
【0217】
更に、速度データDspの値を所定の閾値THDspと比較し、閾値THDspより大きな値の速度データDspが得られた場合に、上記候補MRxy’が移動局MDTの現在位置を示しているものと判定し、その候補MRxy’を最適位置データMRxy(=MRxy’)として、送信データ生成部11へ供給する。
【0218】
一方、閾値THDspより大きな値の速度データDspが得られなかった場合には、前回の処理で求めた最適位置データMRxyをそのまま最適位置データMRxyとして、送信データ生成部11へ供給する。
【0219】
このように、最適候補判定部15は、複数個の緯度経度データRxyの発生頻度を調べ、最も発生頻度の高くなった緯度経度に基づいて、移動局MDTの現在位置を示す最適位置データMRxyを生成することで、移動局MDTの現在位置を高精度で検出するようになっている。
【0220】
更に、W-CDMAのような多元接続方式の通信では、基地局から移動局までの距離が同じでも、フェージング等の影響によって到来電波の電界強度が著しく変化し、一般に基地局の移動速度が小さい場合には、その電界強度のバラツキが大きくなる。しかし、位相局MDTの移動速度を示す速度データDspが所定の閾値THDspより大きくなった場合に、上記の最適位置データMRxyを移動局MDTの現在位置を示すデータであると判断するので、移動局MDTの現在位置を極めて高精度で検出することができるようになっている。
【0221】
送信データ生成部11は、最適位置データMRxyが供給されると、最適位置データMRxyに基づいて提供データ記憶部12bを検索し、最適位置データMRxyで示される地点及びその周辺の地図データを取得する。そして、最適位置データMRxyと地図データとを組み合わせて送信用データDTXbを生成し、送信部13を介して移動局MDT側へ送信させる。
【0222】
こうして送信用データDTXbが送信されると、図23に示した移動局MDTは、送信用データDTXbを受信データDRxmとして受信し、データ処理部/システムコントローラ3がその送信用データDTXbに含まれている地図データと最適位置データMRxyとをディスプレイ表示し、利用者の現在位置を視覚的に見やすい状態で提供する。
【0223】
次に、本実施形態の通信システムの動作を図25、図26に示すフローチャートを参照して説明する。尚、図25は、図23に示した移動局MDTの動作、図26は、図24に示した位置検出処理部BDTの動作を示している。
【0224】
図25において、「特別契約登録」を行っている利用者の所有する移動局MDTに設けられている送信開始釦スイッチがオン操作されると(ステップS500)、データ処理部/システムコントローラ3がこれを検知した後、車載用ナビゲーション装置等の電子機器に移動局MDTが接続されているか調べる(ステップS502)。電子機器に移動局MDTが接続されていると、データ生成部4eが電子機器の計測した緯度経度データDGPSxyを取得し(ステップS504)、更に、セルサーチ部6及び各測定部4a〜4fによる受信状況測定処理が行われ、測定された受信状況の特徴を示す特徴データDRCを生成する(ステップS506)。次に、データ生成部4eが緯度経度データDGPSxyと特徴データDRCと識別コードデータDidを有する受信状況データDcndを生成し(ステップS508)、この受信状況データDcndを基地局側へ送信させ(ステップS510)、データベース構築に寄与する情報提供のための処理を終了する。
【0225】
こうして、受信状況データDcndを基地局側へ送信すると、「特別契約登録」を行った利用者は後述の「第1種割引」又は「第2種割引」の適用が受けられる。
【0226】
一方、上記ステップS502において、電子機器に移動局MDTが接続されていなかった場合にはステップS512に移行して、セルサーチ部6及び各測定部4a〜4fによる受信状況測定処理が行われ、測定された受信状況の特徴を示す特徴データDRCを生成する(ステップS512)。更に、データ生成部4eが特徴データDRCと識別コードデータDidを有する受信状況データDcndを生成し(ステップS514)、この受信状況データDcndを基地局側へ送信させた後(ステップS516)、基地局からの返送があるまで待機状態となる。
【0227】
つまり、緯度経度データDGPSxyを含まない受信状況データDcndを基地局側へ送信すると、移動局MDTの現在位置を示す情報が基地局から返送されてくるまで待機状態となる。
【0228】
そして、後述するステップS636において基地局からデータDTXbが返送されて来ると、このデータDTXbを受信及び再生し(ステップS518)、更に、データ処理部/システムコントローラ3がデータDTXbに含まれている最適位置データMRxyと地図データをディスプレイ表示して利用者に提供する。
【0229】
また、「特別契約登録」をした利用者が緯度経度データDGPSxyを含まない受信状況データDcndを基地局側へ送信した場合には、「第2種割引」の適用が受けられる。
【0230】
尚、「特別契約登録」を行っていない利用者が移動局MDTを所有しており、その利用者が上記ステップS500において送信開始釦スイッチをオン操作した場合でも、電子機器への接続の有無に応じてステップS510又はS516の送信が行われる。ただし、この場合には、基地局側の位置検出処理部BDTが「未契約者」と判断し、ステップS518において基地局からデータDTXbが返送されて来ると、位置検出処理部BDT内の課金処理部19が割引の無い通常のシステム利用料金を徴収することになる。
【0231】
次に、図26に基づいて位置検出処理部BDTの動作を説明する。上記ステップS510又はS516において移動局MDTから基地局側へ受信状況データDcndが送信されると、受信状況データDcndを受信できる場所に存在している基地局内の位置検出処理部BDTがその受信状況データDcndを受信し再生する(ステップS600)。
【0232】
次に、受信状況データDcnd中の識別コードデータDidをチェックし、受信状況データDcndが「特別契約者」から送られてきたものか判定する(ステップS602)。
【0233】
ここで、「特別契約者」でないと判定するとステップS604に移行し、受信状況データDcndに含まれている特徴データDRCに基づいて位置データ記憶部12a中の参照データを検索し、検索した参照データに基づいて移動局MDTの現在位置を示す最適位置データMRxyを生成する。更に、最適位置データMRxyに基づいて提供用データ記憶部12b中の地図データを検索して取得し(ステップS606)、最適位置データMRxyと地図データを有する送信用データDTXbを生成した後(ステップS608)、その送信用データDTXbを、受信状況データDcndを送ってきた移動局MDTへ送信(返送)する(ステップS610)。
【0234】
そして、課金処理部19が、受信状況データDcndを送ってきた「特別契約者」でない利用者(未契約者)に対し、最適位置データMRxyと地図データを提供したことに対する対価として、利用料金の徴収のための課金処理を行う。
【0235】
上記ステップS602において、識別コードデータDidが「特別契約者」のものであった場合には、ステップS614においてその確定を行った後、受信状況データDcnd中に緯度経度データDGPSxyが在るか調べる(ステップS616)。
【0236】
ここで、緯度経度データDGPSxyが在った場合には、ステップS618に移行して、受信状況データDcndを送ってきた「特別契約者」を「第1種割引」の対象者と確定し、緯度経度データDGPSxyが無かった場合には、ステップS628に移行して、受信状況データDcndを送ってきた「特別契約者」を「第2種割引」の対象者と確定する。
【0237】
上記ステップS618で「特別契約者」を「第1種割引」の対象者と確定すると、次に、送られてきた緯度経度データDGPSxyと同じ移動経度データが位置データ記憶部12a中に既に記憶されているか調べ(ステップS620)、未だ記憶されていない場合(「No」の場合)には、受信状況データDcndに含まれている特徴データDRCと緯度経度データDGPSxyとを対応付けて新規参照データを生成し、位置データ記憶部12aに記憶する(ステップS622)。
【0238】
一方、既に記憶されていた場合(「Yes」の場合)には、受信状況データDcndに含まれている特徴データDRCに基づいて更新用参照データを生成し、位置データ記憶部12aに記憶されている旧い参照データの特徴データを、更新用参照データで置き換えて更新する(ステップS624)。つまり、旧い参照データと特徴データが異なっていた場合にのみ、特徴データDRCに基づいて更新用参照データを生成して上記の更新を行う。
【0239】
そして、ステップS622又はステップS624の処理、すなわちデータベース構築のための処理が完了すると、「第1種割引」の対象者がデータベース構築に寄与した回数を累積計数すると共に、その累積した回数に基づいて「第1種割引」の課金処理を行い(ステップS626)、処理を終了する。
【0240】
上記ステップS616からステップS628に移行して、受信状況データDcndを送ってきた「特別契約者」を「第2種割引」の対象者と確定した場合には、次に、受信状況データDcndに含まれている特徴データDRCに基づいて位置データ記憶部12a中の参照データを検索し、検索した参照データに基づいて移動局MDTの現在位置を示す最適位置データMRxyを生成する(ステップS630)。更に、最適位置データMRxyに基づいて提供用データ記憶部12b中の地図データを検索して取得し(ステップS632)、最適位置データMRxyと地図データを有する送信用データDTXbを生成した後(ステップS634)、その送信用データDTXbを、受信状況データDcndを送ってきた移動局MDTへ送信(返送)する(ステップS636)。
【0241】
そして、課金処理部19が、受信状況データDcndを送ってきた「特別契約者」に対し、「第2種割引」に基づく課金処理を行い(ステップS638)、処理を終了する。
【0242】
このように、本実施形態によれば、移動局MDTからの受信状況データDcndに基づいて位置データ記憶部12aに記憶すべき参照データをデータ構築することができるという優れた効果を発揮する。特に、広大な通信エリア内の位置情報を実測するには困難性が伴うが、利用者の所有している移動局MDTからの受信状況データDcndに基づいてデータベースを構築するので、実際に即した精度の高いデータベースを構築することができる。
【0243】
また、上記の特別契約登録をした利用者がデータベース構築に寄与した分の割引を行うことにより、利用者に対するサービスの向上を図ることができる。
【0244】
また、新規参照データ又は更新参照データを位置データ記憶部12aに記憶又は更新することによって、実質的にデータベース構築に寄与することになった「特別契約者」に対して、その寄与した回数を計数し、その累積計数値に応じて割引率を増すようにしているので、利用者及び本移動体通信システムの事業者との間で合理的な割引を行うことができる。
【0245】
また、「特別契約者」である利用者は、移動局MDTを車載用ナビゲーション装置から取外して車外で利用するような一般的な場合には、現在位置の情報が基地局側から提供されるため、利用者に対する利便性の向上を図ることができる。
【0246】
また、車載用ナビゲーション装置等の電子機器から供給される緯度経度データDGPSxyを移動局MDTが利用して基地局側へ送信するという形態を採っているため、移動局MDT自身にGPS装置等の位置検出のための手段を備えなくとも良いという効果が得られる。例えば、移動局MDT自身にGPS装置等を設けることにすると、移動局MDTに大容量のバッテリを内蔵する必要が生じて携帯性が損なわれる等の問題を生じるが、本実施形態によれば、車載用ナビゲーション装置等の電子機器側の電源によって位置検出が行われることになるので、移動局MDT自身に大容量のバッテリを内蔵する必要が無く、携帯性を損なう等の問題を未然に防止することができる。
【0247】
ただし、本発明は、移動局MDT自体にGPS受信装置等を常設することを否定するものではなく、移動局MDTにGPS受信装置等を常設したり、移動局MDTにユニット化されたGPS受信装置を着脱自在に設ける構造としてもよい。
【0248】
また、所定の送信開始釦スイッチを利用者がオン操作したときだけ、受信状況データDcndを基地局側へ送信するようにしたので、利用者の責任の下で個人情報を保護することができる等の効果が得られる。
【0249】
尚、送信開始釦スイッチを利用者がオン操作した場合に限らず、例えば一定期間毎に受信状況データDcndを基地局側へ送信する構成にし、「特別契約登録」の内容(覚え書き)等にその旨の記載をしたり、割引の内容もバリエーションを持たせるようにしてもよい。
【0250】
また、本実施形態では、「第1種割引」の適用者には現在位置のデータ(最適位置データMRxy)を提供しないことにしているが、少なくとも地図データを提供する構成にしても良い。かかる構成によれば、基地局側から利用者に対して最新の地図データを提供し、その最新の地図データを利用者の所有している車載用ナビゲーション装置にダウンロードさせることができる等の効果が得られ、利用者に対するサービスの向上等を図ることができる。
【0251】
また、本実施形態では、マルチパス数とマルチパス遅延時間とマルチパス電界強度及び基地局電界強度の全てのデータに基づいて移動局MDTの移動地点を検出しているが、これら全ての情報によらなくとも、実用上問題なく、移動局MDTの現在位置を精密に検出することができる。
【0252】
また、本実施形態(第3の実施形態)は、図23及び図24に示したように、第2の実施形態で述べた移動局(図17参照)と基地局(図18参照)を基本的に適用して、データベース構築を行う構成となっている。ただし、本発明は係る構成に限らず、第1の実施形態で述べた移動局(図2参照)と基地局(図3参照)を適用して、データベース構築を行う構成としてもよい。
【0253】
このように、本移動体通信システムは、多様化する移動体通信環境、例えば多様化するビジネスモデル等への対応が可能な移動体通信システムの実現を可能にする。
【0254】
また、以上に説明した第1〜第3の実施形態では、典型例として、移動局MDTが携帯電話である場合を説明したが、本発明は、携帯電話に限るものではなく、各種データを送受信する移動端末装置や通信機能を有するパーソナルコンピュータ、携帯用ナビゲーションシステム等にも適用可能なものであり、利用形態を限定するものではない。
【0255】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、利用者が現在位置計測装置を移動局に接続して現在位置計測装置で検出される緯度経度情報と移動局で測定される受信状況の情報とを基地局側へ送信すると、基地局側がこれらの緯度経度情報と受信状況の情報とを対応付けて位置データとしてデータベースに記憶し、更に課金手段がこのデータベース化に寄与した利用者に対して移動体通信システムの利用料を第1の割り引き率で割り引くようにしたので、基地局側では実際に即した精度のよい位置データのデータベースを構築することができ、利用者にとっては移動体通信システムを低額で利用することができるという優れた効果を発揮する。
【0256】
また、利用者が何回も緯度経度情報と受信状況の情報を基地局側に送信してデータベース化に寄与する回数が増えると、課金手段は第1の割引率を増加するようにしたので、精密なデータベースを構築することができ、利用者にとっては移動体通信システムを更に低額で利用することができるという優れた効果を発揮する。
【0257】
また、車載用ナビゲーション装置等の現在位置計測装置を所有する利用者がその現在位置計測装置から移動局を外し、移動局のみを携帯して移動する際に、現在位置を知りたい場合等でも、データベース構築に寄与した点を考慮した割引率が得られるため、低額で本移動体通信システムを利用することを可能にするという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】通信エリアのセル構成を模式的に示した図である。
【図2】第1実施形態の移動局の構成を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態の基地局の構成を示すブロック図である。
【図4】各基地局から移動局に到来する電波の態様を例示した図である。
【図5】セルサーチ部で生成される相関信号の一例を示す図である。
【図6】第1実施形態におけるマルチパス数測定部の構成及び変形例を模式的に示した図である。
【図7】第1実施形態におけるマルチパスディレイ量測定部の構成及び変形例を模式的に示した図である。
【図8】第1実施形態におけるママルチパス電界強度測定部の構成及び変形例を模式的に示した図である。
【図9】第1実施形態における基地局電界強度測定部の構成を模式的に示した図である。
【図10】第1実施形態における緯度経度データの形成方法を説明するための図である。
【図11】緯度経度データベースの構造を示す図である。
【図12】マルチパス数データベースの構造を示す図である。
【図13】マルチパス遅延時間データベースの構造を示す図である。
【図14】マルチパス電界強度データベースの構造を示す図である。
【図15】基地局電界強度データベースの構造を示す図である。
【図16】第1実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【図17】第2実施形態の移動局の構成を示すブロック図である。
【図18】第2実施形態の基地局の構成を示すブロック図である。
【図19】移動局の移動速度を測定する方法を説明するための図である。
【図20】移動局の位置を測定する方法を説明するための図である。
【図21】第2実施形態の移動局の変形例の構成を示すブロック図である。
【図22】第2実施形態の基地局の変形例の構成を示すブロック図である。
【図23】第3実施形態の移動局の構成を示すブロック図である。
【図24】第3実施形態の基地局の構成を示すブロック図である。
【図25】第3実施形態の移動局の動作を説明するためのフローチャートである。
【図26】第3実施形態の基地局の動作を説明するためのフローチャートである。
【図27】課金処理の態様を示した図である。
【符号の説明】
SEL1〜SELn…セル
B1〜Bn…基地局
MDT…移動局
BDT…位置検出処理部
2,8…受信部
5,13…送信部
3,9…データ処理部/システムコントローラ
4…位置解析部
4a…マルチパス数測定部
4b…マルチパスディレイ量測定部
4c…マルチパス電界強度測定部
4d…基地局電界強度測定部
4e…データ生成部
4f…移動速度測定部
6…セルサーチ部
10,10m…位置判定部
11…送信データ生成部
12…データベース
12a,12am…位置データ記憶部
12b…提供用データ記憶部
12c…課金データ記憶部
15,15m…最適候補判定部
16…GPS受信装置
17…緯度経度測定部
18…位置データ生成部
19…課金処理部

Claims (10)

  1. 通信エリア内に配置された複数の基地局と、利用者の所有する移動局との間で通信を行う移動体通信システムであって、
    前記移動局は、移動位置において前記基地局から到来する電波の受信状況を測定する測定手段を備え、
    前記基地局は、前記通信エリア内の各位置を示す位置データを記憶するデータベースと前記移動局の利用者に対する課金処理を行う課金手段とを備え、
    前記利用者が、所有する移動局に現在位置計測装置を接続して、前記現在位置計測装置で検出される前記移動位置の緯度経度を示す緯度経度情報と前記受信状況を示す受信状況情報を前記基地局側に送信すると、前記緯度経度情報と前記受信状況情報を受信した前記基地局が、前記受信した緯度経度情報と受信状況情報とを対応付けて前記位置データとして前記データベースに記憶させると共に、前記課金手段が前記緯度経度情報と前記受信状況情報を送信した利用者に対する移動体通信システムの利用料金を所定の割引率で割り引いて課金すること
    を特徴とする移動体通信システム。
  2. 前記課金手段は、前記利用者毎に前記データベースに記憶された位置データの更新回数を計数し、前記利用者毎に前記計数した回数が増加するのに応じて前記割引率を増やすこと
    を特徴とする請求項1に記載の移動体通信システム。
  3. 通信エリア内に配置された複数の基地局から利用者の所有する移動局へ、通信によって位置検索サービスを行う移動体通信システムであって、
    前記移動局は、移動位置において前記基地局から到来する電波の受信状況を測定する測定手段と前記移動位置を検出する現在位置計測装置とを備え、
    前記基地局は、前記移動局から送信されてくる前記電波の受信状況を示す受信状況情報と前記移動位置を示す緯度経度情報とを受信して、前記通信エリア内の各位置を示す位置データとして記憶するデータベースと前記位置検索サービスを利用する移動局を所有する利用者に対して課金する課金手段とを備え、
    前記課金手段は、前記移動局を所有する利用者を、前記データベースに記憶されている前記位置データの更新に寄与する緯度経度情報を送信してきた移動局の利用者と、前記位置検索サービスのみを利用する利用者とに分別すると共に、前記データベースに記憶されている前記位置データの更新に寄与する緯度経度情報を送信してきた移動局の利用者に対する利用料金を、前記位置検索サービスのみを利用する利用者の利用料金よりも割安となるように高い割引率で割り引いて課金すること
    を特徴とする移動体通信システム。
  4. 前記課金手段は、前記データベースに記憶されている前記位置データの更新に寄与する緯度経度情報を送信してきた移動局の利用者毎に前記更新回数を計数し、前記更新回数が増加するのに応じて前記利用者毎の前記割引率を増やすこと
    を特徴とする請求項3に記載の移動体通信システム。
  5. 前記課金手段は、前記移動局の利用者毎に前記緯度経度情報と前記受信状況情報を送信してきた回数を計数すると共に、前記利用者毎に計数した回数が増加するのに応じて前記割引率を増やすこと
    を特徴とする請求項3に記載の移動体通信システム。
  6. 前記基地局は、前記移動局から送信されてくる所定の地点における受信状況を示す受信状況情報と前記データベース内の前記所定の地点における前記位置データとを比較し、前記移動局から送信されてくる受信状況情報と前記データベース内の位置データとが異なる場合に、前記データベース内の位置データを前記受信状況を示す情報に更新し、
    前記課金手段は、前記データベースに記憶されている前記位置データの更新に寄与する緯度経度情報を送信してきた移動局の利用者に対する前記データベースの更新回数をさらに更新すること
    を特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の移動体通信システム。
  7. 前記利用者は、位置検索サービスの契約登録によって、位置検索サービスを利用すること、
    を特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項に記載の移動体通信システム。
  8. 移動体通信システムの通信エリア内に配置され、利用者の所有する移動局との間で通信を行う基地局であって、
    前記移動局へ電波を送信するのに応じて、該電波を受信する移動局から送信されてくる前記電波の受信状況を示す受信状況情報と該移動局の位置を示す緯度経度情報とを受信し、該受信した緯度経度情報と受信状況情報とを対応付けて位置データとして記憶するデータベースと、
    前記受信状況情報と前記緯度経度情報を送信した前記移動局を所有する利用者に対し、前記移動体通信システムの利用料金を所定の割引率で割り引いて課金する課金手段と、
    を有することを特徴とする基地局。
  9. 更に、前記データベースに記憶した位置データを、位置検索サービスを利用する利用者の所有する前記移動局に送信すること、
    を特徴とする請求項8に記載の基地局。
  10. 前記課金手段は、前記移動局を所有する利用者を、前記データベースに記憶されている前記位置データの更新に寄与する緯度経度情報を送信してきた移動局の利用者と、前記位置検索サービスのみを利用する利用者とに分別し、前記データベースに記憶されている前記位置データの更新に寄与する緯度経度情報を送信してきた移動局の利用者に対する利用料金を、前記位置検索サービスのみを利用する利用者の利用料金よりも割安となるように高い割引率で割り引いて課金すること、
    を特徴とする請求項9に記載の基地局。
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