JP3911532B6 - ガラス板を成形するための方法と装置、及び複雑な形状のガラスの製造へのそれらの使用 - Google Patents
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Description
本発明は、自動車用の強化安全ガラスを製造するための及び/又はプラスチックシートを用いて集成されたガラス板を、成形するための方法に関する。もっと具体的に言うと、本発明は、ガラス板を水平なコンベヤーを用いて炉を通して水平の位置で加熱し且つ移動させて、そして次に断熱した室(enclosure)内で凸状にしてから冷却ステーションへ送る成形方法を改良することを目的とする。
自動車産業の最近の発展から、複雑な形状を有する、特に局所的に非常に著しい曲率を持つ形状、また特に、球形に由来する展開不能な形状、非円筒形状を有するガラス(glazing)に対する需要が一層増加してきている。並行して、光学的特性について、より高度の要求が常になされている。同じように、精密な公差の主曲率への適合が、ガラスの周縁に近い点に対してばかりでなく、ガラスの表面の全ての点に対して要求されている。
複雑な形状を有するガラスは、主として、二つの異なる技術によって得られる。
積層により集成される例えばフロントガラスのようなガラスのために主として使用される第一のものでは、1又は2枚のガラス板を、ガラス板に与えようとする幾何学形状がその周縁部の幾何学形状から作りだされる冷たいフレームの上に配置し、次いでこの集成体を重力によりそれに凸面形状を与えるため炉で加熱する。最近の数年の間に、より複雑なあらゆる形状に対する要求を満たすため、作業の終わりにカウンター型を使ってプレス成形を行うことが提案されている。
焼き入れした又は強化したガラスのために主として使用される第二のものでは、ローラーベッド又はエアクッションにより運ばれる、それらが水平に横切る炉で加熱したガラス板を再加熱する段階と、用具を用いて行う、温度が適当なレベルにあるときにガラスに作用するだけの成形段階との間に明確な区別がつけらる。
このように、積層ガラスの製造を除外することなく、上記の「強化」方法では、所定のガラスを製造するために使用する複雑な曲げ加工用具の数とそれらを固定する回数がかなり減少する。自動車のモデルの数が非常にたくさんであることを考えると、この減少は、用具の在庫管理の難しさが避けられるからということだけでも、非常に重要な利点である。その上、「強化」方法の場合にはサイクル時間が一般にはるかに短くなる。
しかしながら、それらが成形室(forming cell)を出ないという意味で静的な性質の用具を使用するそのような「強化」方法の当面の難題は、ガラス板をコンベヤーから第一の成形用具へ移し、且つ複雑な形状の場合にはこの第一の用具から、この第一の用具と一般には共働する補助の成形用具へ移し、そして最後に冷却する際に支持用具へ移す必要があることである。これらの全ての操作は、きずをつけるという危険と位置決めが不十分という危険をもたらして、そのため結局は光学的特性が悪い及び/又は主曲率との不一致ということになるので、ガラスの特性に影響を及ぼしかねない。
その上、多数のいわゆる強化法は時間との競争であり、そして用具の位置調整を更に制御する目的では、実際のところそれらを炉の外部の外気中に置くことがより簡単なことである。これらの条件下では、ガラスはそれを凸状に曲げる間に冷えることが明らかである。しかしながら、強化段階は、最低温度を必要として、炉内でガラスを加熱すること(但しこの場合その光学的な特性は必然的に影響を受ける)及び/又は極めて速やかに凸状に曲げること(それは得ようとする形状が簡単なものである場合に可能であるに過ぎない)を必要にする。ガラスを凸状に曲げるステーションへやる前に中実(solid)の雄型と雌型の間でプレスしてガラスを予備成形することが確かに提案されており、この予備成形は炉の末端部でガラスをスピンドル又はガイドロールタイプのローラーのような回転エレメントへ、あるいはガイドボードへ移してなされる。とは言うものの、これらのエレメントはそれら自体が重大な欠陥の源であり、また移動しているガラスをそのようなエレメントの上で正確に位置調整することは事実上不可能である。予備成形域に入る前の位置調整は確かに可能であるが、その有効性は相対的なものであり、そしてやはり所望される形状の複雑さに依存するものであって、「簡単」な形状は位置調整の特性に関してよりはるかに「寛容」である。更に、回転エレメントによる予備成形は円筒状であるが、最も複雑な形状は局部的に小さな縦方向及び横方向の曲率半径を有する球形であると従来より述べられている。円筒状の予備成形は、これらの曲率半径のうちの一つへ近づくことを可能にするに過ぎない。
これらの低温技術は、成形室が炉の一体部分であるか、あるいはそれが、炉を離れる時のガラスの温度と実質的に同じ温度を維持するように少なくとも断熱される、高温技術に相対するものである。その場合には、成形作業に当てられる時間を数秒だけ延ばすことが可能であり、これは一方では炉を離れる際の温度を最低限にするのを可能にし、そして他方では緩和時間がガラスの破壊を回避するのに十分であることによりもっと著しい凸形状を与えるのを可能にする。
これらの技術の従来の変形では、ガラスはコンベヤーから、圧力降下もしくは真空の作用を受けて(EP 3,391, EP 241,355)、あるいは上昇高温空気流の作用を受けて(EP 169,770)、あるいは重力の作用をうけて(WO-91/17962)、それがその形状を取り入れる雄型に移される。雄型と接触してのこの予備成形の後に、中央のあいている環状のフレームであって、プレスする場合には雌のカウンター型として使用され、あるいはもっと単純に、この環状フレームへと落ち込むことによる凸状の曲げ加工(落ち込み成形(drop forming))を行う間の支持体として使用される環状フレームを用いて、凸状の曲げ加工を完了する。前二者の場合には、予備成形の間に作用する力はコンベヤーと雄型との間の移動のためにも利用される。後者の場合には、下向きのくぼみを持つ下方の凸成形型に配置するために吸引パッドがボリュームを支持する。
これらの全ての方法には、わずかなへり部分を可能性のある例外として、平らなガラス板の表面全体が当てられる中実の雄型を用いて予備成形を行うことが共通している。実際問題として、このことは、コンベヤーと雄型との間の移動を、ヨーロッパ特許出願公開第520886号明細書及び本願の提出日には公開されていなかったヨーロッパ特許出願第93.401165.1号明細書に提案されているように環状フレームを用いて行う場合に当てはまる。例えば、これらの方法では、ガラス板が環状フレーム上にあるのは可能な限り短く、そして別個の段階、移動/雄型での予備成形/環状フレームを使ってのプレスによる凸状曲げ加工を、先に記載したように行うことができる。
本発明の発明者らは、この手順は、ガラスの形状が複雑であり、特に局部的に5を超える展開不能性判定値(non-developability criterion)を持つ場合には、完全には満足なものでないことを見いだした。この判定値は、式D=Ln(107/R1×R2)で定義され、この式中のLnは自然対数を示し、R1及びR2は検討箇所における主曲率半径に等しく、ミリメートルで表される。この式はR1とR2が両方とも小さい場合に起きる成形の問題を強調していることに注目すべきである。
遭遇する主要な難題は、その端部に常に余分な紙があってそのため折り重ねたりあるいはうねりを作ったりする必要がある1枚の紙で球体を覆おうとすると認めることがでるように、へりにうねり又はしわができることである。
本発明の発明者らは、この問題は、ガラス板が水平なコンベヤーで運ばれて水平炉を横切り、このコンベヤーがガラス板を、凸状曲げ加工温度と実質的に同じである周囲温度に保持された凸状曲げ加工室へ送り、そこには凸状の中実の雄型が備えてあって、ガラス板をその方へ、雄型と雌のカウンター型との間でガラス板をプレスするためにくぼんだ環状のカウンター型により垂直に移動させ、ガラスと雄型との接触を環状のカウンター型での重力成形による粗加工(roughing)工程後にのみ行う、水平炉で凸状に曲げ加工する温度に加熱されたガラス板を凸状に曲げるための方法によって解決することができることを見いだした。
ガラス板という用語は、本発明においては、1枚のガラス板、あるいは任意的に、以下において詳しく説明するように炉に入る時点から重ねられている2又は3枚のガラス板の積重体の意味で使用する。
例えば、本発明の方法によれば、プレス工程の前にブランクを作り、このブランクを丸く曲げる。粗加工工程では、ガラスの中央部分には有利に用具との接触を免れ、これはガラスが自由に流れるように動いて、そして局部的に薄くなることで雄型により与えられる形状の展開不能性を補償するのを可能にする。
本発明の特により好ましい変形では、粗加工工程とプレス工程との間に予備成形工程があって、この工程の間に純粋に空気式の力でガラス板を雄型に当てる。この予備成形工程の間に、ガラス板の中央部分は雄型と接触して、その結果もはや引き抜くことができなくなる。それにもかかわらず、ガラス板の表面のうちのかなりの部分はなお成形用具との接触を免れており、そのためガラスはなおも雄型をくるむように変形することができる。
このように、本発明による成形法は、ブランクの製作、中実の雄型によるこのブランクの再処理、そしてプレスによる仕上げを、連続して行うことからなる。このような三段階のプロセスは明らかに、ガラスが実質的に等温の室(enclosure)内にあり、且つ、凸状曲げ加工の用具が恒久的に収容されていて、そのため標準的に、光学特性に支障をきたすであろう寄生の熱交換がない、高温技術の枠組内で可能であるだけである。
本発明に従って手順を進めるならば、展開不能な形状を持つブランクを作る。この粗加工工程の間、ガラス板の中央部分は有利なことに接触を免れる。重力の作用により、この中央部分では、この部分が伸びることになってこのことから局部的にガラスがわずかに薄くなる、伸び応力の発生するのが可能である。同時に、端に近い材料は中央部分の方向に流れることができる。雄型に押しつける間に、望まれないうねりは形成されず、また、ガラス板の周縁に生じることがある変形は非常にわずかであって、そしてもはやガラスの「過剰」はない。
従来技術の方法にあっては、ガラス板の中央部分は必然的に、最初に凸状曲げの雄型に出くわす。接触がなされるやいなや、中央部分を、ガラスの周縁は雄型をすっかり覆うことができず、且つ材料の流れはへりの周縁部分で作用することだけができるように、伸ばすことはもはや不可能であり、これは本当の補償を可能とせず、そのためにうねりが生じる。
有利なことに、本発明による方法は、中央部分がガラス板の残りのそれと実質的に同じ時間雄型と接触するので、ガラス板の表面全体の処理をより均一なものにする。雄型に届くために動くべき距離は、重力での粗加工工程のために、ガラス板の表面の全ての点についてほぼ同じであり、そのため光学的な特性が向上する。
ある点で、本発明による方法は、積層ガラスの製造に従来用いられている成形方法に結びつけることができる。それにもかかわらず、その場合には、それは水平凸状曲げ加工室にガラス板が入りそして凸状曲げ加工温度において全ボリュームを処理するために単一の用具が使用されるいわゆる強化プロセスである、ということが強調されなくてはならない。更に、本発明による方法は、凸状曲げの後にガラスを強化用フレームへ移すことを可能にする。
本発明による方法を実施するためには、例えば、ヨーロッパ特許出願公開第520886号明細書に記載されている設備に似た凸状曲げ設備を使用することが可能であり、その設備は温度がガラス板の凸状曲げ温度の近くに保たれる凸状曲げ加工室で終える水平炉を有し、この凸状曲げ加工室は、ガラス板移送平面の延長線でガラス板を支持するための、好ましくはエアクッションタイプの部材と、この支持部材より上方に配置された下向きの凸面を有する雄型と、上記の移送平面の下方にある一番下の位置とこの雄型の近くの一番上の位置との間を変位可能な、中央のあいた連続フレームから作られたくぼんだ環状のカウンター型と、そしてこの環状型が一番上の位置と一番下の位置の間を変位する速度を制御するための手段とを有する。好ましくは、上記の支持部材は、凸状曲げ加工室の下でこの断熱された室の外側に配設され、そして上記の支持部材のほかに当該曲げ加工室の断熱床と上記の環状カウンター型を支持するプレート部材を有する集成体と一体であり、上記の環状型の変位速度制御手段は、環状カウンター型のモーター駆動の集成体を制御するための装置により構成される。
そのような設備は、強化ステーションと、そしてその強化ステーションヘ凸状曲げ加工室から凸状に曲げたガラスを移送するための手段とを付け加えることを条件として、熱強化ガラスを得るために使用することができる。それはまた、何枚かのガラス板を同時に凸状曲げ加工するために使用することもでき、このときそれらは炉に入る際に重ねられ(一般には対にして)、この積重体を環状カウンター型で持ち上げ、粗加工を可能にする十分な時間の後に雄型と接触させ、ガラス板の周縁に生じさせた真空により雄型と結合させ、そして次に環状のカウンター型を用いて雄型へ押しつける。その後、少しの間、下方のカウンター型を下げそして雄型の下にガラス板を制御された冷却ステーションへ移す回収フレームを持ち込む時間、ガラス板を雄型と接触させておく。
本発明による方法は、一の製造モードからもう一つのものへ移るのに設備に対する真の変更がなく(所望の形状に適合させるための凸状曲げ加工用具に対する変更を除いて)、強化ガラスのための設備を積層ガラスのための設備に変えるのに環状フレームを持ち上げて押しつけるのに当てられるサイクル時間を変更しなくてはならないだけであるという事実において、注目すべきものである。もっと詳しく言えば、それは、従来技術の方法では良好な光学的特性と高い主曲率精度で得ることができない、5を超える展開不能判定値を局部的に有するガラスの製造に適合する。
本発明のこのほかの有利な特徴と詳細は、図面に関連した以下の説明から理解することができる。
第1〜4図は、本発明の方法により一対のガラス板を成形することの模式側面図である。
第5図は、5の値に達する展開不能判定値を有するガラスを、立面図(第5.1図)、正面図(第5.2図)及びスリークォータ図(第5.3図)で模式的に表したものである。
第6図は、第5図のガラスにより反射された試験パターンの図である。
本発明による方法の具体的な特徴のいくつかを、第1〜4図に関連して以下において一層詳しく説明する。これらの図は、その内容が参照してこの明細書に取り入れられるEP-520,886号明細書に記載されたのと同じ設備を用いて本発明を実施するのを例示するものであって、更に詳しいことについてはそれを参照すべきである。
そのような設備は、コンベヤー、好ましくは水平のローラーベッド1により構成されるものと一緒に再過熱炉を含む。この炉を出たなら、ガラス板は、それらが熱強化操作を受けなくてはならない場合には約650℃の温度で、あるいは積層ガラスを製造することが問題である場合にはおよそ550℃の温度で、凸状曲げ加工室に入り、そこでそれらは、例えば高温エアクッションのような、ここではチャンバー2で記号化された支持部材によって支持される。後者の構成については、コンベヤーの軸線に関して横切る方向の複数の個別の区画を備えたチャンバーを有することが好ましい。この種のエアクッションは、ガラスが到着した時点で、ガラスの前方端のみがエアクッションに対し垂直に位置しているときに、クッションの平衡が破れるのを回避するのを可能にする。そのような区画化に関して更に詳しいことについては、例えば、1992年7月9日出願のフランス国特許出願第92/08482号明細書が参考にされる。
この凸状曲げ加工室又は断熱された室は、ガラス板との接触を維持するための手段を備えた凸状の雄型3をも有し、また、ガラス板移送平面の下方の一番下の位置と雄型の近くの一番上の位置との間を移動する凹型の環状カウンター型4をも有する。この雄型とカウンター型は、お互いに関連し合うものであり、垂直方向にのみ移動する。
ガラスが凸状曲げ加工室に入るのと同時に、それはガラス板の進行方向により近づけて配置された一組の集中停止装置(focussing stops)により位置調整される。単一のガラス板でなくいく枚かの、特に2枚の重ねたガラス板F、F′を、それらの間に分離剤又は離型剤、例えば多孔質ケイソウ土粉末のようなものを挿入して処理する場合には、これらの停止装置は好ましくは、下方のガラス板ばかりでなく、積層ガラスの凹面側を形成するのを目的とするため凸面側の下方のガラス板よりも標準的にわずかに小さい上方のガラス板も位置調整するように、下部よりも上部の方が大きい直径を持つ平頭円錐状停止装置である。好ましくは、これらの停止装置は引っ込み式(retractable)でもある。
EP-520,886号明細書によれば、集中停止装置は好ましくは、それ自体が環状のカウンター型に関連する上方の雄型に関連し、すべてのこれらの部品は高い機械加工の精度で作られ、また好ましくは、銑鉄あるいは耐火鋼から鋳造した部品から製造される。
ガラス板が正確に集中されるやいなや、環状フレームを、例えばモーター駆動のスクリュージャッキで持ち上げる。スクリュージャッキは好ましくは、断熱した室の外側に配置される。本発明によれば、これらのスクリュージャッキの移動は、雄型に近づくときだけでなくそれらの全長にわたって全体的に制御される。情報を目的とするだけであるが、展開不能判定値が大きいガラスを製造するのを目的として、環状のカウンター型を持ち上げるのが4s、中実の型で予備成形するのが2s、そして環状のカウンター型でプレスするのが1sというパラメーターを使用した。停止時間を、例えば中間の高さでとること、また、先のように、高速の移動を行うことも、やはり可能である。これらの時間が、特に得ようとする形状の複雑さに関連するものとしても、炉の出口温度あるいはガラス板の厚さのようなパラメーターに関連するものとしても、個々のガラスで異なることがあるのは明白である。しかしながら、持ち上げ操作の時間はガラス板が雄型と接触している時間と実質的に同等でよい、ということに注目すべきである。この持ち上げ操作の間に、第2図に示したように、環状のカウンター型と接触するへりの部分を除いて用具と接触せずに、ガラスは重力の作用を受けて環状のカウンター型の上に降下する。
環状カウンター型が上昇を完了してブランクが成形されるやいなや、ガラス板は雄型の周縁に生じさせた真空による吸引作用を受ける。こうして、ガラスは環状フレームからわずかに離されて(第3図)、雄型の凸面に結合する。プロセスのこの段階において、平らなガラス板ではなく本発明によりブランクを用いることが、少なくとも二つの利点を提供する。第一のものは、ガラス板の全ての点が移動すべき距離が実質的に同じになることであり、そして第二のものは、ガラス板の中央部分と雄型との接触がずっとより激しくなくなることである。予備成形は、従来技術の方法の場合に時々そうであるように、打ち抜き操作に結びつけるよりもテーピング(taping)操作に結びつけることができる。このより穏やかな接触の結果として、ガラスの光学的性質が更に改良される。
第4図に示された最終の段階は、環状のカウンター型でプレスするものである。本発明による方法にあっては、それは単に、端部の形状寸法を完成するための簡単な仕上げ段階という問題であって、過剰の材料を補償するのを目的として圧縮応力を作りだすのを目指すものではなく、過剰の材料は粗加工の間に起きる流動により既に「吸収」されている。従って、残留応力を生じさせる危険がより小さくなり且つガラスは既にその最終形状に非常に近いので、破壊のレベルが低下し、同時に光学的な傷の危険が減少する。
プレス操作の最後に、ガラス板は、環状カウンター型を水平のガラス移送平面の下に下げるのと曲げられた凸状のガラス板を回収するためのフレームを雄型の下に導入するのに必要な時間、雄型と接触したままにされる。特定の事例に関連するものとして、このフレームは曲げられた凸状のガラスを制御された冷却ステーション、例えば放射冷却ステーションへ、あるいは強化ステーションへ送り、後者の場合の回収フレームは強化用空気の放出に適合している。
第5図は、特に側部の近くの非常に著しい曲率のために、展開可能判定値が局部的に5を超えているガラスの形状を示している。本発明による方法にあっては、この形状を、第5図の理論的形状に対応して本発明に従って得られた、45°傾けたガラスに投影した、交差するハッチングパターンの反射の実像を表す第6図に示したように、優れた光学特性で得ることができる。パターンの変形は著しく少ない。
自動車産業の最近の発展から、複雑な形状を有する、特に局所的に非常に著しい曲率を持つ形状、また特に、球形に由来する展開不能な形状、非円筒形状を有するガラス(glazing)に対する需要が一層増加してきている。並行して、光学的特性について、より高度の要求が常になされている。同じように、精密な公差の主曲率への適合が、ガラスの周縁に近い点に対してばかりでなく、ガラスの表面の全ての点に対して要求されている。
複雑な形状を有するガラスは、主として、二つの異なる技術によって得られる。
積層により集成される例えばフロントガラスのようなガラスのために主として使用される第一のものでは、1又は2枚のガラス板を、ガラス板に与えようとする幾何学形状がその周縁部の幾何学形状から作りだされる冷たいフレームの上に配置し、次いでこの集成体を重力によりそれに凸面形状を与えるため炉で加熱する。最近の数年の間に、より複雑なあらゆる形状に対する要求を満たすため、作業の終わりにカウンター型を使ってプレス成形を行うことが提案されている。
焼き入れした又は強化したガラスのために主として使用される第二のものでは、ローラーベッド又はエアクッションにより運ばれる、それらが水平に横切る炉で加熱したガラス板を再加熱する段階と、用具を用いて行う、温度が適当なレベルにあるときにガラスに作用するだけの成形段階との間に明確な区別がつけらる。
このように、積層ガラスの製造を除外することなく、上記の「強化」方法では、所定のガラスを製造するために使用する複雑な曲げ加工用具の数とそれらを固定する回数がかなり減少する。自動車のモデルの数が非常にたくさんであることを考えると、この減少は、用具の在庫管理の難しさが避けられるからということだけでも、非常に重要な利点である。その上、「強化」方法の場合にはサイクル時間が一般にはるかに短くなる。
しかしながら、それらが成形室(forming cell)を出ないという意味で静的な性質の用具を使用するそのような「強化」方法の当面の難題は、ガラス板をコンベヤーから第一の成形用具へ移し、且つ複雑な形状の場合にはこの第一の用具から、この第一の用具と一般には共働する補助の成形用具へ移し、そして最後に冷却する際に支持用具へ移す必要があることである。これらの全ての操作は、きずをつけるという危険と位置決めが不十分という危険をもたらして、そのため結局は光学的特性が悪い及び/又は主曲率との不一致ということになるので、ガラスの特性に影響を及ぼしかねない。
その上、多数のいわゆる強化法は時間との競争であり、そして用具の位置調整を更に制御する目的では、実際のところそれらを炉の外部の外気中に置くことがより簡単なことである。これらの条件下では、ガラスはそれを凸状に曲げる間に冷えることが明らかである。しかしながら、強化段階は、最低温度を必要として、炉内でガラスを加熱すること(但しこの場合その光学的な特性は必然的に影響を受ける)及び/又は極めて速やかに凸状に曲げること(それは得ようとする形状が簡単なものである場合に可能であるに過ぎない)を必要にする。ガラスを凸状に曲げるステーションへやる前に中実(solid)の雄型と雌型の間でプレスしてガラスを予備成形することが確かに提案されており、この予備成形は炉の末端部でガラスをスピンドル又はガイドロールタイプのローラーのような回転エレメントへ、あるいはガイドボードへ移してなされる。とは言うものの、これらのエレメントはそれら自体が重大な欠陥の源であり、また移動しているガラスをそのようなエレメントの上で正確に位置調整することは事実上不可能である。予備成形域に入る前の位置調整は確かに可能であるが、その有効性は相対的なものであり、そしてやはり所望される形状の複雑さに依存するものであって、「簡単」な形状は位置調整の特性に関してよりはるかに「寛容」である。更に、回転エレメントによる予備成形は円筒状であるが、最も複雑な形状は局部的に小さな縦方向及び横方向の曲率半径を有する球形であると従来より述べられている。円筒状の予備成形は、これらの曲率半径のうちの一つへ近づくことを可能にするに過ぎない。
これらの低温技術は、成形室が炉の一体部分であるか、あるいはそれが、炉を離れる時のガラスの温度と実質的に同じ温度を維持するように少なくとも断熱される、高温技術に相対するものである。その場合には、成形作業に当てられる時間を数秒だけ延ばすことが可能であり、これは一方では炉を離れる際の温度を最低限にするのを可能にし、そして他方では緩和時間がガラスの破壊を回避するのに十分であることによりもっと著しい凸形状を与えるのを可能にする。
これらの技術の従来の変形では、ガラスはコンベヤーから、圧力降下もしくは真空の作用を受けて(EP 3,391, EP 241,355)、あるいは上昇高温空気流の作用を受けて(EP 169,770)、あるいは重力の作用をうけて(WO-91/17962)、それがその形状を取り入れる雄型に移される。雄型と接触してのこの予備成形の後に、中央のあいている環状のフレームであって、プレスする場合には雌のカウンター型として使用され、あるいはもっと単純に、この環状フレームへと落ち込むことによる凸状の曲げ加工(落ち込み成形(drop forming))を行う間の支持体として使用される環状フレームを用いて、凸状の曲げ加工を完了する。前二者の場合には、予備成形の間に作用する力はコンベヤーと雄型との間の移動のためにも利用される。後者の場合には、下向きのくぼみを持つ下方の凸成形型に配置するために吸引パッドがボリュームを支持する。
これらの全ての方法には、わずかなへり部分を可能性のある例外として、平らなガラス板の表面全体が当てられる中実の雄型を用いて予備成形を行うことが共通している。実際問題として、このことは、コンベヤーと雄型との間の移動を、ヨーロッパ特許出願公開第520886号明細書及び本願の提出日には公開されていなかったヨーロッパ特許出願第93.401165.1号明細書に提案されているように環状フレームを用いて行う場合に当てはまる。例えば、これらの方法では、ガラス板が環状フレーム上にあるのは可能な限り短く、そして別個の段階、移動/雄型での予備成形/環状フレームを使ってのプレスによる凸状曲げ加工を、先に記載したように行うことができる。
本発明の発明者らは、この手順は、ガラスの形状が複雑であり、特に局部的に5を超える展開不能性判定値(non-developability criterion)を持つ場合には、完全には満足なものでないことを見いだした。この判定値は、式D=Ln(107/R1×R2)で定義され、この式中のLnは自然対数を示し、R1及びR2は検討箇所における主曲率半径に等しく、ミリメートルで表される。この式はR1とR2が両方とも小さい場合に起きる成形の問題を強調していることに注目すべきである。
遭遇する主要な難題は、その端部に常に余分な紙があってそのため折り重ねたりあるいはうねりを作ったりする必要がある1枚の紙で球体を覆おうとすると認めることがでるように、へりにうねり又はしわができることである。
本発明の発明者らは、この問題は、ガラス板が水平なコンベヤーで運ばれて水平炉を横切り、このコンベヤーがガラス板を、凸状曲げ加工温度と実質的に同じである周囲温度に保持された凸状曲げ加工室へ送り、そこには凸状の中実の雄型が備えてあって、ガラス板をその方へ、雄型と雌のカウンター型との間でガラス板をプレスするためにくぼんだ環状のカウンター型により垂直に移動させ、ガラスと雄型との接触を環状のカウンター型での重力成形による粗加工(roughing)工程後にのみ行う、水平炉で凸状に曲げ加工する温度に加熱されたガラス板を凸状に曲げるための方法によって解決することができることを見いだした。
ガラス板という用語は、本発明においては、1枚のガラス板、あるいは任意的に、以下において詳しく説明するように炉に入る時点から重ねられている2又は3枚のガラス板の積重体の意味で使用する。
例えば、本発明の方法によれば、プレス工程の前にブランクを作り、このブランクを丸く曲げる。粗加工工程では、ガラスの中央部分には有利に用具との接触を免れ、これはガラスが自由に流れるように動いて、そして局部的に薄くなることで雄型により与えられる形状の展開不能性を補償するのを可能にする。
本発明の特により好ましい変形では、粗加工工程とプレス工程との間に予備成形工程があって、この工程の間に純粋に空気式の力でガラス板を雄型に当てる。この予備成形工程の間に、ガラス板の中央部分は雄型と接触して、その結果もはや引き抜くことができなくなる。それにもかかわらず、ガラス板の表面のうちのかなりの部分はなお成形用具との接触を免れており、そのためガラスはなおも雄型をくるむように変形することができる。
このように、本発明による成形法は、ブランクの製作、中実の雄型によるこのブランクの再処理、そしてプレスによる仕上げを、連続して行うことからなる。このような三段階のプロセスは明らかに、ガラスが実質的に等温の室(enclosure)内にあり、且つ、凸状曲げ加工の用具が恒久的に収容されていて、そのため標準的に、光学特性に支障をきたすであろう寄生の熱交換がない、高温技術の枠組内で可能であるだけである。
本発明に従って手順を進めるならば、展開不能な形状を持つブランクを作る。この粗加工工程の間、ガラス板の中央部分は有利なことに接触を免れる。重力の作用により、この中央部分では、この部分が伸びることになってこのことから局部的にガラスがわずかに薄くなる、伸び応力の発生するのが可能である。同時に、端に近い材料は中央部分の方向に流れることができる。雄型に押しつける間に、望まれないうねりは形成されず、また、ガラス板の周縁に生じることがある変形は非常にわずかであって、そしてもはやガラスの「過剰」はない。
従来技術の方法にあっては、ガラス板の中央部分は必然的に、最初に凸状曲げの雄型に出くわす。接触がなされるやいなや、中央部分を、ガラスの周縁は雄型をすっかり覆うことができず、且つ材料の流れはへりの周縁部分で作用することだけができるように、伸ばすことはもはや不可能であり、これは本当の補償を可能とせず、そのためにうねりが生じる。
有利なことに、本発明による方法は、中央部分がガラス板の残りのそれと実質的に同じ時間雄型と接触するので、ガラス板の表面全体の処理をより均一なものにする。雄型に届くために動くべき距離は、重力での粗加工工程のために、ガラス板の表面の全ての点についてほぼ同じであり、そのため光学的な特性が向上する。
ある点で、本発明による方法は、積層ガラスの製造に従来用いられている成形方法に結びつけることができる。それにもかかわらず、その場合には、それは水平凸状曲げ加工室にガラス板が入りそして凸状曲げ加工温度において全ボリュームを処理するために単一の用具が使用されるいわゆる強化プロセスである、ということが強調されなくてはならない。更に、本発明による方法は、凸状曲げの後にガラスを強化用フレームへ移すことを可能にする。
本発明による方法を実施するためには、例えば、ヨーロッパ特許出願公開第520886号明細書に記載されている設備に似た凸状曲げ設備を使用することが可能であり、その設備は温度がガラス板の凸状曲げ温度の近くに保たれる凸状曲げ加工室で終える水平炉を有し、この凸状曲げ加工室は、ガラス板移送平面の延長線でガラス板を支持するための、好ましくはエアクッションタイプの部材と、この支持部材より上方に配置された下向きの凸面を有する雄型と、上記の移送平面の下方にある一番下の位置とこの雄型の近くの一番上の位置との間を変位可能な、中央のあいた連続フレームから作られたくぼんだ環状のカウンター型と、そしてこの環状型が一番上の位置と一番下の位置の間を変位する速度を制御するための手段とを有する。好ましくは、上記の支持部材は、凸状曲げ加工室の下でこの断熱された室の外側に配設され、そして上記の支持部材のほかに当該曲げ加工室の断熱床と上記の環状カウンター型を支持するプレート部材を有する集成体と一体であり、上記の環状型の変位速度制御手段は、環状カウンター型のモーター駆動の集成体を制御するための装置により構成される。
そのような設備は、強化ステーションと、そしてその強化ステーションヘ凸状曲げ加工室から凸状に曲げたガラスを移送するための手段とを付け加えることを条件として、熱強化ガラスを得るために使用することができる。それはまた、何枚かのガラス板を同時に凸状曲げ加工するために使用することもでき、このときそれらは炉に入る際に重ねられ(一般には対にして)、この積重体を環状カウンター型で持ち上げ、粗加工を可能にする十分な時間の後に雄型と接触させ、ガラス板の周縁に生じさせた真空により雄型と結合させ、そして次に環状のカウンター型を用いて雄型へ押しつける。その後、少しの間、下方のカウンター型を下げそして雄型の下にガラス板を制御された冷却ステーションへ移す回収フレームを持ち込む時間、ガラス板を雄型と接触させておく。
本発明による方法は、一の製造モードからもう一つのものへ移るのに設備に対する真の変更がなく(所望の形状に適合させるための凸状曲げ加工用具に対する変更を除いて)、強化ガラスのための設備を積層ガラスのための設備に変えるのに環状フレームを持ち上げて押しつけるのに当てられるサイクル時間を変更しなくてはならないだけであるという事実において、注目すべきものである。もっと詳しく言えば、それは、従来技術の方法では良好な光学的特性と高い主曲率精度で得ることができない、5を超える展開不能判定値を局部的に有するガラスの製造に適合する。
本発明のこのほかの有利な特徴と詳細は、図面に関連した以下の説明から理解することができる。
第1〜4図は、本発明の方法により一対のガラス板を成形することの模式側面図である。
第5図は、5の値に達する展開不能判定値を有するガラスを、立面図(第5.1図)、正面図(第5.2図)及びスリークォータ図(第5.3図)で模式的に表したものである。
第6図は、第5図のガラスにより反射された試験パターンの図である。
本発明による方法の具体的な特徴のいくつかを、第1〜4図に関連して以下において一層詳しく説明する。これらの図は、その内容が参照してこの明細書に取り入れられるEP-520,886号明細書に記載されたのと同じ設備を用いて本発明を実施するのを例示するものであって、更に詳しいことについてはそれを参照すべきである。
そのような設備は、コンベヤー、好ましくは水平のローラーベッド1により構成されるものと一緒に再過熱炉を含む。この炉を出たなら、ガラス板は、それらが熱強化操作を受けなくてはならない場合には約650℃の温度で、あるいは積層ガラスを製造することが問題である場合にはおよそ550℃の温度で、凸状曲げ加工室に入り、そこでそれらは、例えば高温エアクッションのような、ここではチャンバー2で記号化された支持部材によって支持される。後者の構成については、コンベヤーの軸線に関して横切る方向の複数の個別の区画を備えたチャンバーを有することが好ましい。この種のエアクッションは、ガラスが到着した時点で、ガラスの前方端のみがエアクッションに対し垂直に位置しているときに、クッションの平衡が破れるのを回避するのを可能にする。そのような区画化に関して更に詳しいことについては、例えば、1992年7月9日出願のフランス国特許出願第92/08482号明細書が参考にされる。
この凸状曲げ加工室又は断熱された室は、ガラス板との接触を維持するための手段を備えた凸状の雄型3をも有し、また、ガラス板移送平面の下方の一番下の位置と雄型の近くの一番上の位置との間を移動する凹型の環状カウンター型4をも有する。この雄型とカウンター型は、お互いに関連し合うものであり、垂直方向にのみ移動する。
ガラスが凸状曲げ加工室に入るのと同時に、それはガラス板の進行方向により近づけて配置された一組の集中停止装置(focussing stops)により位置調整される。単一のガラス板でなくいく枚かの、特に2枚の重ねたガラス板F、F′を、それらの間に分離剤又は離型剤、例えば多孔質ケイソウ土粉末のようなものを挿入して処理する場合には、これらの停止装置は好ましくは、下方のガラス板ばかりでなく、積層ガラスの凹面側を形成するのを目的とするため凸面側の下方のガラス板よりも標準的にわずかに小さい上方のガラス板も位置調整するように、下部よりも上部の方が大きい直径を持つ平頭円錐状停止装置である。好ましくは、これらの停止装置は引っ込み式(retractable)でもある。
EP-520,886号明細書によれば、集中停止装置は好ましくは、それ自体が環状のカウンター型に関連する上方の雄型に関連し、すべてのこれらの部品は高い機械加工の精度で作られ、また好ましくは、銑鉄あるいは耐火鋼から鋳造した部品から製造される。
ガラス板が正確に集中されるやいなや、環状フレームを、例えばモーター駆動のスクリュージャッキで持ち上げる。スクリュージャッキは好ましくは、断熱した室の外側に配置される。本発明によれば、これらのスクリュージャッキの移動は、雄型に近づくときだけでなくそれらの全長にわたって全体的に制御される。情報を目的とするだけであるが、展開不能判定値が大きいガラスを製造するのを目的として、環状のカウンター型を持ち上げるのが4s、中実の型で予備成形するのが2s、そして環状のカウンター型でプレスするのが1sというパラメーターを使用した。停止時間を、例えば中間の高さでとること、また、先のように、高速の移動を行うことも、やはり可能である。これらの時間が、特に得ようとする形状の複雑さに関連するものとしても、炉の出口温度あるいはガラス板の厚さのようなパラメーターに関連するものとしても、個々のガラスで異なることがあるのは明白である。しかしながら、持ち上げ操作の時間はガラス板が雄型と接触している時間と実質的に同等でよい、ということに注目すべきである。この持ち上げ操作の間に、第2図に示したように、環状のカウンター型と接触するへりの部分を除いて用具と接触せずに、ガラスは重力の作用を受けて環状のカウンター型の上に降下する。
環状カウンター型が上昇を完了してブランクが成形されるやいなや、ガラス板は雄型の周縁に生じさせた真空による吸引作用を受ける。こうして、ガラスは環状フレームからわずかに離されて(第3図)、雄型の凸面に結合する。プロセスのこの段階において、平らなガラス板ではなく本発明によりブランクを用いることが、少なくとも二つの利点を提供する。第一のものは、ガラス板の全ての点が移動すべき距離が実質的に同じになることであり、そして第二のものは、ガラス板の中央部分と雄型との接触がずっとより激しくなくなることである。予備成形は、従来技術の方法の場合に時々そうであるように、打ち抜き操作に結びつけるよりもテーピング(taping)操作に結びつけることができる。このより穏やかな接触の結果として、ガラスの光学的性質が更に改良される。
第4図に示された最終の段階は、環状のカウンター型でプレスするものである。本発明による方法にあっては、それは単に、端部の形状寸法を完成するための簡単な仕上げ段階という問題であって、過剰の材料を補償するのを目的として圧縮応力を作りだすのを目指すものではなく、過剰の材料は粗加工の間に起きる流動により既に「吸収」されている。従って、残留応力を生じさせる危険がより小さくなり且つガラスは既にその最終形状に非常に近いので、破壊のレベルが低下し、同時に光学的な傷の危険が減少する。
プレス操作の最後に、ガラス板は、環状カウンター型を水平のガラス移送平面の下に下げるのと曲げられた凸状のガラス板を回収するためのフレームを雄型の下に導入するのに必要な時間、雄型と接触したままにされる。特定の事例に関連するものとして、このフレームは曲げられた凸状のガラスを制御された冷却ステーション、例えば放射冷却ステーションへ、あるいは強化ステーションへ送り、後者の場合の回収フレームは強化用空気の放出に適合している。
第5図は、特に側部の近くの非常に著しい曲率のために、展開可能判定値が局部的に5を超えているガラスの形状を示している。本発明による方法にあっては、この形状を、第5図の理論的形状に対応して本発明に従って得られた、45°傾けたガラスに投影した、交差するハッチングパターンの反射の実像を表す第6図に示したように、優れた光学特性で得ることができる。パターンの変形は著しく少ない。
Claims (14)
- 水平炉で凸状曲げ加工の温度に加熱したガラス板を凸状に曲げるための方法であり、それがこの水平炉を水平なコンベヤーで運ばれて横切り、このコンベヤーがそれを、周囲温度が当該凸状曲げ加工温度と実質的に同じである凸状曲げ加工室へ送り、そしてそれには凸状の中実の雄型が備えてあって、この雄型と、くぼんだ環状の雌のカウンター型との間でプレスするために、ガラス板を当該環状の雌のカウンター型により当該凸状の雄型の方向へ垂直に移動させる方法であって、ガラスが当該凸状の雄型と接触する前に当該環状のカウンター型で重力により成形するための粗加工工程を当該凸状曲げ加工室内で行い、且つ、当該凸状曲げ加工室に当該雄型と雌のカウンター型が恒久的に収容されていることを特徴とする、ガラス板の凸状曲げ方法。
- 前記粗加工工程とプレス工程との間に、純粋に空気式の力で前記ガラス板を前記雄型にあてる予備成形工程があることを特徴とする、請求の範囲第1項記載の凸状曲げ方法。
- プレス工程の後に、前記ガラス板を前記雄型と接触させておくことを特徴とする、請求の範囲第1項及び第2項のいずれか一方に記載の凸状曲げ方法。
- 吸引による予備工程の間、更に前記ガラス板を前記雄型と接触させておくことを特徴とする、請求の範囲第3項記載の凸状曲げ方法。
- 前記吸引を前記雄型の周縁の近くで生じさせた真空によって行うことを特徴とする、請求の範囲第4項記載の凸状曲げ方法。
- 前記ガラス板が積重体により構成されていることを特徴とする、請求の範囲第1項から第5項までのいずれか1項に記載の凸状曲げ方法。
- 前記積重体が前記炉に入るときに重ねられている2枚のガラス板により構成されていることを特徴とする、請求の範囲第6項記載の凸状曲げ方法。
- 前記凸状曲げ加工室に入る際に、前記ガラス板をその中央部分を支持するための手段で固定し、この手段が前記環状のカウンター型に取り囲まれていることを特徴とする、請求の範囲第1項から第7項までのいずれか1項に記載の凸状曲げ方法。
- 前記支持手段が高温エアクッションであることを特徴とする、請求の範囲第8項記載の凸状曲げ方法。
- 前記ガラス板が前記水平炉に入るときに重ねられている2枚のガラス板から構成される積重体であり、当該ガラス板を前記プレス工程の後に、前記雄型の周縁の近くで生じさせた真空による吸引で前記雄型と接触させておくことを特徴とする、請求の範囲第1項から第9項までのいずれか1項に記載の凸状曲げ方法。
- 前記ガラス板を前記プレス工程の後に、前記雄型の周縁の近くで生じさせた真空による吸引で前記雄型と接触させておき、当該ガラス板を回収するためのフレームを強化ステーションへ直接送ってそのガラス板を当該強化ステーションにおいて強化するのを可能にするようにすることを特徴とする、請求の範囲第1項から第10項までのいずれか1項に記載の凸状曲げ方法。
- 展開不能判定値(non-developability criterion)が局部的に5を超えるガラスの製造への、請求の範囲第1項から第11項までのいずれか1項に記載の方法の使用。
- 水平炉と、ガラス板の凸状曲げ温度に近い温度を保持し且つガラス板移送平面の延長線にガラス板を支持するための部材を有する凸状曲げ加工室と、雄型の近くの一番上の位置と上記の移送平面の下方の一番下の位置との間で変位可能である、当該凸状曲げ加工室に恒久的に収容された凹状の環状カウンター型と、そしてこの環状カウンター型の垂直の変位速度を制御するための手段とにより構成されている、請求の範囲第1項から第11項までのいずれか1項に記載の方法を実施するための凸状曲げ装置。
- 前記環状カウンター型の垂直の変位速度を制御するための手段が断熱された室の外側に配置されたモーター駆動のスクリュージャッキであることを特徴とする、請求の範囲第13項記載の凸状曲げ装置。
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