JP3887563B2 - Bipolar lancing device and blood vessel collection device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一対の電極によって生体組織を切開するためのバイポーラ切開装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
生体組織を切開するためのバイポーラ型の切開装置は従来から様々な形態のものが知られている。例えば、開閉可能な一対のジョーにそれぞれ電極を配置し、これらジョー間に生体組織を挟み込むことによって、その挟まれた対象血管を通電された電極によって切開する形態(例えば、米国特許第5445638号)のものや、一対の電極に通電した後、その電極間に挟まれた生体組織を刃によって切開する形態のものなど、その種類は多岐にわたる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のバイポーラ切開装置は、切断したい対象血管に電極部を当て付けるだけでは切開することができず、前述したように、刃を押し付けて動かしたり、ジョーを開閉するなどの更なる動作を行なわなければ切開することができない。
【0004】
本発明は前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、生体組織の切開を容易に行なうことができるバイポーラ切開装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1に記載された発明は、体内に挿入される本体と、前記本体の先端に設けられ且つ生体組織を案内するV溝である案内部を有し、前記案内部で案内した生体組織を切開するための先端処置部と、前記先端処置部の上記V溝の底部に設けられた一対の電極とを備えたバイポーラ切開装置において、前記一対の電極は、前記本体がその軸方向に移動されるときに前記案内部により案内される生体組織との接触面積が小さい第1の電極と、生体組織との接触面積が前記第1の電極よりも大きく少なくとも一部が外方に露出した外表面を有する第2の電極とを備え、前記本体をその軸方向に移動させることによって前記第1の電極を生体組織に当接させてその生体組織を切開することを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に記載された発明は、皮切部より腔内に挿入可能なシースと、このシース内で進退する血管採取手段とからなり、前記腔内の血管を採取する血管採取装置において、前記血管採取手段は、生体組織を切開するためのバイポーラ切開装置と、採取対象血管を保持するための保持手段とを有し、前記バイポーラ切開装置は、前記シースを通じて体内に挿入される本体と、本体の先端に設けられ且つ生体組織を切開するための先端処置部と、先端処置部に設けられた一対の電極とを備え、 前記一対の電極は生体組織と接触する接触面積が互いに異なり、接触面積が大きい電極と前記保持手段との間の距離は、接触面積が小さい電極と前記保持手段との間の距離よりも大きいことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0008】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るバイポーラ切開装置が組み込まれた内視鏡的血管採取装置を示し、これはトロッカー1と、処置シース2と、拡張手段としてのダイセクター3及び内視鏡としての硬性鏡4とから構成されている。
【0009】
トロッカー1は、図2(a)(b)に示すように、合成樹脂材料等によって一体成形されており、略円板状のフランジ5には円筒状の案内管6が斜めに貫通して設けられている。案内管6の表面には挿入時の滑りを良くするための潤滑コーティングが施されている。この案内管6の先端部6aは鋭角にカットされており、先端部6aの端面はフランジ5と略平行に形成されている。
【0010】
さらに、案内管6の基端部における内周面には気密リング部7が一体に設けられ、中間部には送気口金8が一体に設けられている。また、フランジ5の下面には粘着テープ等の粘着層9が設けられ、トロッカー1を表皮に対して粘着固定できるように構成されている。
【0011】
次に、処置シース2について説明すると、図3及び図4に示すように構成されている。シース本体10は合成樹脂材料等からなる真っ直ぐな円筒状で、表面には挿入時の滑りを良くするための潤滑コーティングが施されている。このシース本体10の近位端には把持部を構成する円筒状の操作部カバー11が嵌着され、遠位端には先端カバー12が嵌着されている。
【0012】
シース本体10の軸心部には内視鏡チャンネル13が全長に亘って設けられている。内視鏡チャンネル13の近位端は操作部カバー11を貫通して手元側に突出しており、遠位端にはシース本体10の前端面から突出するフランジ部13aが設けられている。シース本体10の内部で、内視鏡チャンネル13を挟んで上部側に偏心した部位には第1の処置具チャンネル14が設けられ、下部側に偏心した部位には第2の処置具チャンネル15が設けられている。従って、第1の処置具チャンネル14と第2の処置具チャンネル15は内視鏡チャンネル13を挟んで対称的に最も離れた位置に配置されている。
【0013】
第1の処置具チャンネル14の近位端は操作部カバー11の内部の第1のスライド操作部16に開口しており、第2の処置具チャンネル15の近位端は操作部カバー11の内部の第2のスライド操作部17に開口している。第1の処置具チャンネル14には血管採取手段としての後述するバイポーラ切開装置(以下、バイポーラカッターという)18が軸方向に進退自在に挿通され、この近位端には第1のスライド操作部16の長孔16aの範囲内で軸方向にスライド自在な処置具操作部19が設けられている。また、バイポーラカッター18にはバイポーラケーブル20が接続され、このバイポーラケーブル20は長孔16aから外部に導出されている。
【0014】
第2の処置具チャンネル15には血管採取手段であり且つ保持手段である後述する血管保持子21が軸方向に進退自在に挿通され、この近位端には第2のスライド操作部17の長孔17aの範囲内で軸方向にスライド自在な保持子操作部22が設けられている。
【0015】
さらに、シース本体10の内部で、内視鏡チャンネル13の一側部には軸方向に貫通穴23が設けられている。この貫通穴23には後述するワイパー24のワイパーロッド25が周方向に回転自在に挿通されている。ワイパーロッド25の遠位端は略L字状に折曲され、その先端部にはワイパーゴム26が設けられている。
【0016】
ワイパーロッド25の近位端は操作部カバー11の内部の回動操作部27まで延長し、操作部カバー11の内壁に回転自在に支持されている。ワイパーロッド25の近位端にはワイパー操作部28が固定され、このワイパー操作部28は操作部カバー11の周方向の長孔27aの範囲内で回動自在である。
さらに、回動操作部27の内部にはワイパーロッド25に嵌合した状態でコイルスプリングからなるトーションコイルばね29が設けられている。このトーションコイルばね29はシース本体10の端面とワイパー操作部28との間に圧縮状態で介装され、ワイパー24をシース本体10の近位端方向に付勢している。その上、トーションコイルばね29は、シース本体10の端面とワイパー操作部28の側面にも係止されており、ワイパーゴム26を硬性鏡4の対物レンズ面4の側方へ退避すさせる方向へ付勢している。
【0017】
また、操作部カバー11の近位端側には内視鏡チャンネル13に固定した状態で内視鏡保持部30が設けられている。内視鏡保持部30は前記硬性鏡4の接眼部31を収納するに十分な内腔を有しており、周壁32の一部(上部)には接眼部31に設けられたライトガイド口金33が挿入係合される切欠部34が設けられている。
【0018】
従って、図5〜図7に示すように、硬性鏡4の挿入部35を内視鏡チャンネル13に挿入し、ライトガイド口金33を切欠部34に挿入係合して接眼部31を内視鏡保持部30に保持すると、処置シース2に対する硬性鏡4の回り止め及び軸方向の位置決めがなされ、硬性鏡4の上下の姿勢が設定されるようになっている。
次に、前記ダイセクター3について説明すると、図8に示すように、真っ直ぐな円筒状の挿入筒部36の軸心部には硬性鏡4の挿入部35が挿通される挿通路37が設けられている。挿入筒部36の表面には挿入時の滑りを良くするための潤滑コーディングが施されている。この挿入筒部36の遠位端には透明な合成樹脂材料によって円錐筒状に形成された剥離部材38が固定されている。挿入筒部36の近位端には内視鏡保持部39が設けられ、硬性鏡4の接眼部31を保持するようになっている。 なお、この内視鏡保持部39は、処置シース2の内視鏡保持部30と同一の構成を成していることが望ましい。
【0019】
次に、本発明の第1の実施形態に係るバイポーラ切開装置であるバイポーラカッター18について説明する。
【0020】
図9及び図10に示すように、バイポーラカッター18は、体内に挿入されるカッター本体40と、カッター本体40の先端に設けられ且つ血管を切断するための先端処置部40aと、この先端処置部40aに設けられ且つ血管を電気的に切断するための電極42,43とを備えている。カッター本体40は合成樹脂材料等の絶縁部材(例えば、セラミックス)からなり、シース本体10の円弧状の内周面に沿うように帯状板体の横断面を円弧状に湾曲した形状を成している。カッター本体40のこのような湾曲形状(屋根形状)は、後述するように、上側からの組織の垂れ下がりを防止して(体腔内の脂肪組織を圧排して)硬性鏡4の視野を確保するために役立つ。
【0021】
また、カッター本体40の先端処置部40aには、カッター本体40のその軸方向の移動に伴って血管を電極42,43へと案内する案内部が形成されている。本実施の形態において、この案内部は、V字状にカットした切り欠き溝(スリット)41によって形成されている。この場合、V字形状を形作る各辺41a,41bは、カッター本体40の遠位端の両側端縁から近位端側へと円弧状部の頂部に向かって上方に延びることにより、近位端側へと先細る切り欠き溝(以下、V溝という)41の組織案内面を形成している。
【0022】
また、V溝41の底部、すなわち、V字形状を形作る各辺41a,41bの交差部には、対向する一対(2極)の前記電極42,43が固定して設けられている。これらの2つの電極42,43は、同一面内になく、上下に位置して対向されている。
【0023】
また、これら2つの電極のうち、上側の電極42は、下側の電極43に比べて表面積が大きくなっている。すなわち、上側の電極42は、組織と接触する面積が大きく、一方、下側の電極43は、組織と接触する面積が小さくなっており、これにより、下側の電極43を切開(切断)電極として機能させるとともに、上側の電極42を凝固電極として機能させるようにしている。
【0024】
一般に、接触面積が大きい電極の方が、接触面積が小さい電極よりも切開時に止血能力が高い。後述するように(図26、図27等参照)、摘出される血管61の切開された側枝72の切開部位は、血管61の摘出後に糸により結紮されるが、患者側の切開部位はそのまま体内に残るため止血されていることが望ましい。そのため、本実施形態では、切開電極として作用する接触面積が小さい電極43を、下側、すなわち、摘出される血管61の側(血管61を保持する後述する血管保持子21の側)に配置し、凝固電極として作用する接触面積が大きい電極42を、上側、すなわち、体側(体内に残る側)に配置している。また、接触面積が大きい電極42を上側すなわち体側に配置する理由は、採取される血管61からできる限り電極42を離して、血管61に対する熱的影響を最小限に抑えるためである。したがって、以下、上側の電極42を体側電極と称し、下側の電極43をカット電極と称することにする。
【0025】
また、体側電極42及びカット電極43にはそれぞれリード線44、45が接続されており、これらリード線44,45はカッター本体40の上面及び下面に沿って配線され、前記バイポーラケーブル20に接続されている。さらに、リード線44、45は絶縁皮膜46,47によって覆われ、絶縁されている。なお、バイポーラカッター18は、電極42,43以外の部分が透明材料(アクリルなど)によって形成されていても良い。
【0026】
次に、前記血管保持子21について説明すると、図11に示すように構成されている。血管保持子21は合成樹脂材料等によって平面視で、略三角形状に形成され、上面は平坦面48に、下面は円弧凹面49に形成されている。そして、血管保持子21の後端一側部に偏った位置に操作ロッド50が連結され、操作ロッド50は前記第2の処置具チャンネル15に進退自在に挿通されている。
【0027】
血管保持子21の先端部の組織を剥離する剥離部51は鋭角で、左右対称的に第1のテーパ面52a,52bが形成されている。さらに、剥離部51の上下面には先端に向かって上下面が狭幅となるように斜面53a,53bが形成されている。血管保持子21の操作ロッド50との結合部と反対側の第1のテーパ面52aの裾部は円弧状の第2のテーパ面54に形成され、この第2のテーパ面54は血管保持子21の平坦面からなる後端の血管を引っ掛ける引っ掛け部55に連続している。
次に、前記ワイパー24について説明すると、図12に示すように構成されている。すなわち、ワイパーロッド25の遠位端に固定されたワイパーゴム26はワイパーロッド25のL字状の折曲部に接着またはインサート成形等により固定されており、ワイパーロッド25の軸方向に対して直角に設けられている。このワイパーゴム26には断面が三角形状の柔軟性を有する掻き取り部26aを有しており、ワイパーゴム26の回動によって硬性鏡4の対物レンズ面4aに付着した血液、粘膜、脂肪等の異物を掻き取ることができるようになっている。このとき、掻き取り部26aは柔軟性を有するため、シース本体10の先端面と対物レンズ面4aとの間に段差が生じていても、その段差を乗り越えて対物レンズ面4aに摺擦できるようになっている。
【0028】
前記ワイパー24のワイパーロッド25に設けられたコイルスプリングからなるトーションコイルばね29は、図13に示すように、その一端部がシース本体10の端面と当接し、他端部がワイパー操作部28との間に圧縮状態で介装され、しかもワイパー操作部28の側面に係止されている。従って、トーションコイルばね29によってワイパーロッド25をその周方向のトルクTとシース本体10の近位端方向に付勢する力Fを発生し、ワイパーゴム26が硬性鏡4の対物レンズ面4aの側方へ退避する方向と対物レンズ面4aに対して接触する方向に付勢されている。
【0029】
図9(a)(b)は処置シース2の内視鏡チャンネル13に対して硬性鏡4の挿入部35を装填した状態を示し、処置シース2の先端部からバイポーラカッター18及び血管保持子21を突出している。バイポーラケーブル20は高周波発生装置56に接続され、ライトガイド口金33はライトガイドケーブル57が接続されている。
次に、前述のように構成された血管採取装置を用いて下肢の大腿部の鼠頸部から足首に亘る大伏在静脈等の採取対象血管(以下、血管という)の全長に亘って採取する場合について説明する。
図14は下肢60を示し、61は血管である。まず、膝62と鼠頸部63との間の血管61を採取する際には、血管61の直上で膝62の一ヶ所にメス等によって皮切部64を設ける。
【0030】
続いて、皮切部64にてダイセクター等により血管61を露出させる。更に、皮切部64より肉眼で観察可能な距離について血管61の直上組織を同様のダイセクター等で剥離する。
【0031】
次に、図15および図16に示されるように、剥離部材38を通した状況は、硬性鏡4の接眼部31に接続されたTVカメラヘッド74を介してTVカメラ75によって撮像され、モニタ76にモニタ画像として表示される。血管61に沿って剥離部材38を挿入し、少し挿入したところで、トロッカー1の案内管6を鼠頸部63に向かって斜め(血管61と略平行)に挿入し、先端部6aを下向きにすると、フランジ5の下面の粘着層9が表皮65に接着固定される。この状態で、送気口金8に送気ポンプ66と接続されている送気チューブ67を接続する。
【0032】
この場合、ダイセクター3の挿入筒部36の外周面は気密リング7と密着していることから、案内管6および腔69の内部は気密状態となり、かつ、案内管6と挿入筒部36との間には送気通路68が確保される。
【0033】
また、硬性鏡4のライトガイド口金33はライトガイドケーブル57を介して光源装置78に接続されている。従って、硬性鏡4の先端部から照明光を照射して腔内69を照明することができる。 また、送気ポンプ66を駆動すると、送気チューブ67、送気口金8及び送気通路68を介して腔内69に送気され、腔内69が拡張される。 この時、ダイセクター3の挿入筒部36は気密リング7と密着しているため、気体が外部に漏れることはなく、したがって、確実に腔内69を拡張することができる。
【0034】
ここで、腔内69には表皮65の下層の皮下組織70、血管上結合組織71及び血管上結合組織71の下部には血管61が存在し、血管61には複数本の側枝72が分岐しており、側枝72の他端部は血管上結合組織71に結合されている。また、血管上結合組織71には皮下脂肪73が付着している。次に、前記モニタ画像を確認すると、図17に示すように表示され、術者は、モニター76によって血管61や側枝72を鮮明に観察できる。図17において、38aはダイセクター3の剥離部材38の先端部の画像である。
従って、ダイセクター3の挿入に際しては、モニター76によって腔内69を観察しながら血管61、側枝72に損傷を与えないように血管上結合組織71と血管61、側枝72とを剥離部材38によって剥離しながら少し押し込み、また少し戻すという操作により徐々に進める。このとき、ダイセクター3を上下・左右に振ってもトロッカー1は表皮65に粘着層9によって固定されているため、トロッカー1が表皮65から外れることはない。そして、ダイセクター3を膝62から鼠頸部63に向かって血管61に沿って貫通させる。
【0035】
ダイセクター3によって剥離手技が完了すると、ダイセクター3をトロッカー1から抜き取り、図16に示すように、トロッカー1の案内管6に硬性鏡4を挿入した状態の処置シース2を挿入する。
処置シース2の操作部カバー11を術者が片手で把持したまま、例えば親指で保持子操作部22を前進させると、血管保持子21がシース本体10の先端カバー12から突出する。また、操作部カバー11を把持した片手の人差し指でカッター操作部19を前進させると、先端カバー12からバイポーラカッター18が突出する。すなわち、術者は操作部カバー11を片手で把持したまま、血管保持子21を進退させたり、バイポーラカッター18を進退させることができる。
従って、図18に示すように、腔内69の血管上結合組織70に皮下脂肪73が大量に存在した場合にはバイポーラカッター18を突出させた状態で、処置シース2を押し進めて腔内69を押し広げることができる。このとき、バイポーラカッター18は、そのカッター本体40の湾曲形状(屋根形状)により、上側からの組織の垂れ下がりを防止する(体腔内の脂肪組織を圧排する)ため、硬性鏡4の視野を良好に確保できる。また、このとき、血管保持子21は、その下面が円弧凹面49に形成されているため、血管61の上面を滑らせて前進させることができ、血管61に損傷を与えることがない。
また、図19に示すように、皮下脂肪73に側枝72が埋まっている場合があるが、この場合、血管保持子21を処置シース2から突出させ、血管保持子21の剥離部51を皮下脂肪73に突き刺して血管61から剥離させたり、処置シース2の全体をトロッカー1の案内管6内で周方向に回動することにより、血管保持子21を回動して側枝72から皮下脂肪73を剥離することができる。このときの様子は、図20に示すようにモニター76にモニター画像として表示されるため、術者はモニター画像によって血管保持子21の姿勢を確認でき、血管61及び側枝72に損傷を与えることがない。
腔内69の皮下脂肪73を排除しながら処置シース2を腔内69に押し進め、目的とする側枝72に血管保持子21をアプローチする。このときも血管保持子21の円弧凹面49を血管61の上面に当て、血管61の上面を滑らせて前進させることができ、血管61に損傷を与えることがない。
また、図21(a)〜(c)は、血管保持子21によって側枝72を保持する手技を示す。血管保持子21は第1のテーパ面52aを有し、これと連続して第2のテーパ面54が形成されているため、血管保持子21を前進させると、まず、第1のテーパ面52aに側枝72が接触する(図21(b)参照)。
【0036】
さらに血管保持子21を前進させると、第1のテーパ面52aから第2のテーパ面52bに接触したのち、側枝72が引っ掛け部55に滑り落ちて引っ掛かる(図21(c)参照)。従って、血管保持子21の前進操作によって簡単に側枝72を保持できる。側枝72の途中に血管保持子21の引っ掛け部55を引っ掛けて血管保持子21を手前側に引くと、図22に示すように、側枝72にテンションが加わる。図23は側枝72を血管保持子21の引っ掛け部55に引っ掛けた状態のモニター画像であり、術者はモニター画像によって側枝72を保持したことを確認できる。 このように、側枝72の手前側ではなく向こう側で血管保持子21により側枝72を保持すれば、観察視野の手前側に側枝72が位置し、硬性鏡4によって側枝72の周囲を明瞭に確認できる(側枝72の手前側に血管保持子21があると、この血管保持子21によって前方の観察視野が妨げられ、側枝72および血管61の位置状態を良好に確認することができない)。したがって、後述するように、血管61を傷付けることなく安全に側枝72を切断することができる。
【0037】
図23に示される状態を形成したら、次に、バイポーラカッター18を前進させ、血管保持子21で保持した側枝72にバイポーラカッター18をアプローチする。このとき、図24のモニター画像に示すように、バイポーラカッター18が血管61に接触しないように血管保持子21によって血管61をバイポーラカッター18から離れる方向に退避させることができる。
【0038】
図25(a)〜(c)は、側枝72をバイポーラカッター18によって切断する手技を示す。バイポーラカッター18の先端部にはV溝41が設けられているため、バイポーラカッター18を側枝72に向かって前進させると、側枝72はV溝41によってその底部方向に引き寄せられる。従って、図26(a)に示すように、側枝72はカット電極43に接触し、血管上結合組織71または側枝72に体側電極42が接触する。すなわち、本実施の形態に係るバイポーラカッター18においては、V字形状を形作る各辺41a,41bに対応するV溝41の壁面によって、各辺41a,41bの交差部にほぼ位置する電極42,43へと側枝72を案内することができる。
【0039】
術者がモニター画像によって側枝72がカット電極43に接触し、血管上結合組織71または側枝72に体側電極42が接触したことを確認した後、術者が高周波発生装置56のフットスイッチ80を操作して高周波電流を通電する。すると、血管上結合組織71または側枝72の体側電極42に接触している領域は凝固され、側枝72はカット電極43によって瞬時に切断される。従って、図26(b)に示すように、血管61が側枝72によって血管上結合組織71に結合されていた部分は側枝72の切断によって切り離される。この時、接触面積が大きい体側電極42は、カット電極43よりも血管61から上側(体側)に離れて配置されているため、血管61に対する熱的影響は最小限に抑えられる。
【0040】
このように、バイポーラカッター18は、体側電極42の接触面積がカット電極43の接触面積よりも大きく(カット電極43の接触面積に対する体側電極42の接触面積の比が従来よりも大きく)、切開機能をカット電極43側に持たせるようにしているため、電極42,43を血管(側枝72)に押し当てるだけで血管を瞬時に切断(切開)することができる。また、バイポーラカッター18は、V溝41を有しているため、カッター本体40を前後動させるだけで、血管(側枝72)を電極42,43に接触させることができる。すなわち、バイポーラカッター18は、血管(側枝72)の切断に際し前後動以外の動作を必要としない。そのため、内視鏡的血管採取装置全体の操作の自由度が減り(少ない自由度で必要な動作を行なえ)、操作性が向上する。
【0041】
以上のようにして、側枝72を切断したら、図27に示すように、血管保持子21を血管61の下側に通して持ち上げ、図28に示すモニター画像によって側枝72が完全に切断処置されているか否かを確認する。
【0042】
さらに、処置シース2を腔内69にさらに押し進め、腔内69をモニター画像によって観察しながら次の側枝72に血管保持子21をアプローチし、バイポーラカッター18とともに再び前述と同様の手技を繰り返し、側枝72を切断して血管61を血管上結合組織71から切り離す。
【0043】
このようにして側枝72を切断する手技を繰り返すと、硬性鏡4の対物レンズ面4aに血液、粘膜や皮下脂肪73等の付着物81が付着し、硬性鏡4による視野が妨げられることがある。このような場合、操作部カバー11を把持したまま、手指によってワイパー操作部28をトーションコイルばね29の付勢力に抗して回動させると、図29に示すように、ワイパーロッド25を介してワイパー24が回動し、ワイパーゴム26の掻き取り部26aによって対物レンズ面4aに付着している血液、粘膜や皮下脂肪73等の付着物81を掻き取ることができる。
【0044】
ワイパー24はトーションコイルばね29によって付勢されているため、ワイパー操作部28から手指を離すと、対物レンズ面4aから退避する方向に復帰する。従って、前述した操作を数回繰り返すことにより、対物レンズ面4aにこびり付いて落ち難い皮下脂肪73等の付着物81であってもきれいに掻き取ることができる。また、ワイパー操作部28から手指を離すと、ワイパー24は対物レンズ面4aから退避する方向に復帰するため、ワイパー24が硬性鏡4の視野を妨げることはない。
また、バイポーラカッター18によって側枝72を切断することを繰り返すと、図30に示すように、バイポーラカッター18の屋根型形状に起因して、バイポーラカッター18の内面にも粘膜や皮下脂肪73等の付着物81が付着する。しかし、カッター操作部19によってバイポーラカッター18を後退させ、第1の処置具チャンネル14に引き込むと、粘膜や皮下脂肪73はシース本体10の前端面によって掻き落とされる。従って、バイポーラカッター18に付着した付着物81を簡単に掻き落とすことができる。なお、本実施形態では、バイポーラカッター18に付着し粘膜や皮下脂肪73をシース本体10の前端面によって掻き落とすために、バイポーラカッター18とシース本体10との間のクリアランス(バイポーラカッター18の外面と第1の処置具チャンネル14の内面との間のクリアランス)を小さく設定している。
【0045】
また、図31に示すように、掻き落とされた付着物81が硬性鏡4の対物レンズ面4aに付着して視野が妨げられることがあるが、この場合においても、前述のようにワイパー操作部28を操作してワイパー24を回動することにより、対物レンズ面4aに付着している付着物81を掻き取ることができる。
【0046】
バイポーラカッター18に付着した付着物81を掻き落としたり、対物レンズ面4aに付着した付着物81を掻き落とす操作を繰り返しながら、側枝72を切断して血管61を血管上結合組織71から切り離す手技を繰り返し、鼠頸部63まで進んだところで、側枝72の切断を終了する。そして、血管61の真上の鼠頸部63にメス等によって皮切部を形成し、この皮切部から血管61を外部に引き出して血管61を切断し、血管61の両切断端末を糸によって結紮する。
次に、膝62の皮切部64から足首に向かう血管61の採取手技を行って最終的に1本の血管(約60cm)を採取する。手技方法は前述した膝62から鼠頸部63までの血管61を採取する方法と基本的に同様であり、説明を省略する。
以上説明したように、本実施形態のバイポーラカッター18の一対の電極42,43は、生体組織と接触する接触面積が互いに異なり、接触面積が小さい電極43によって生体組織を切開するようになっている。すなわち、体側電極42の接触面積をカット電極43の接触面積よりも大きくし(カット電極43の接触面積に対する体側電極42の接触面積の比が従来よりも大きくし)、切開機能をカット電極43側に持たせるようにしている。そのため、電極42,43を血管(側枝72)に押し当てるだけで血管を簡単に切断(切開)することができる。
【0047】
また、本実施形態のバイポーラカッター18では、カッター本体40の軸方向の移動に伴って血管を電極42,43へと案内するV溝(案内部)41が先端処置部40aに形成されている。そのため、カッター本体40を単に前後動させるだけで、血管を電極42,43に接触させることができる。
【0048】
このように、本実施形態のバイポーラカッター18は、従来のように刃を押し付けて動かしたり、ジョーを開閉するなどの更なる動作を行なわずに、切断したい対象血管に対して先端処置部40a(電極42,43)を押し当てて通電することにより、血管を切断することができる(血管の切断を容易に行なうことができる)。 また、更なる動作が伴わない単純な前後動によって切断できるため、誤操作が少なく、したがって、誤操作に伴う切断ミスを防止することができる(血管の切断を容易に行なうことができる)。
【0049】
また、本実施形態のバイポーラカッター18では、接触面積が大きい体側電極42が、カット電極43よりも血管61から上側(体側)に離れて配置されている。すなわち、接触面積が大きい体側電極42と血管保持子21との間の距離は、接触面積が小さいカット電極43と血管保持子21との間の距離よりも大きく設定されている。このように、接触面積が大きい電極42を採取される血管61からできる限り離せば、血管61に対する熱的影響を最小限に抑えることができる。その上、切断後、体内に残る側枝72の止血も行なうことができる。
【0050】
図32および図33は、本発明のバイポーラ切開装置の第2の実施形態を示している。前述した実施形態では、バイポーラ切開装置が内視鏡的血管採取装置に組み込まれていたが、本実施形態のバイポーラ切開装置は、それ単独で体内に挿入でき、尚且つ、それ単独で血管の切断を行なうことができる。
【0051】
すなわち、図40および図41に示されるように、本実施形態のバイポーラ切開装置としてのバイポーラカッター118は、体内に挿入されるカッター本体140と、カッター本体140の先端に設けられ且つ血管を切断するための先端処置部140aと、この先端処置部140aに設けられ且つ血管を電気的に切断するための電極142,143とを備えている。カッター本体140は、合成樹脂材料等の絶縁部材(例えば、セラミックス)からなり、略平板状を成している。また、電極142,143同士は、その間に介在された絶縁体によって、互いに電気的に絶縁されている。
【0052】
また、カッター本体140の先端処置部140aには、カッター本体140のその軸方向の移動に伴って血管を電極142,143へと案内する案内部が形成されている。本実施形態において、この案内部は、V字状にカットした切り欠き溝(スリット)141によって形成されている。この場合、V字形状を形作る各辺141a,141bは、カッター本体140の遠位端の両側端縁から近位端側へと円弧状部の頂部に向かって上方に延びることにより、近位端側へと先細る切り欠き溝(以下、V溝という)141の組織案内面を形成している。
【0053】
また、V溝141の底部、すなわち、V字形状を形作る各辺141a,141bの交差部には、対向する一対の前記電極142,143が固定して設けられている。これらの2つの電極142,143は、同一面内になく、上下に位置して対向されている。
【0054】
また、これら2つの電極のうち、上側の電極142は、下側の電極143に比べて表面積が大きくなっている。すなわち、上側の電極142は、組織と接触する面積が大きく、一方、下側の電極143は、組織と接触する面積が小さくなっており、これにより、下側の電極143を切開(切断)電極として機能させるとともに、上側の電極142を凝固電極として機能させるようにしている。
【0055】
また、カッター本体140の近位端にはハンドル102が設けられている。このハンドル102からは、高周波発生装置56に接続される電気ケーブル105が延びている。また、ハンドル102には、電極142,143への通電を制御するためのスイッチ103が設けられている。
【0056】
図34〜図36には、バイポーラカッター118の使用態様の一例が示されている。図34および図35は、バイポーラカッター118を用いて下肢60の大腿部の鼠頸部63から足首に亘る血管(大伏在静脈)61を採取する態様を示している。バイポーラカッター118を用いた採取の場合には、採取血管61に沿って下肢60を全体的に切開して、採取血管61の全体を完全に露出させる。その状態で、図35に示されるようにV溝141内に側枝72を導入しながら切断していく。この場合も、前述した実施形態と同様に、V溝141の存在に起因して、バイポーラカッター118を押し進めるだけで、簡単に側枝72を切断することができる。また、図36は、臓器160と体壁161との癒着部163を剥離する手技にバイポーラカッター118を使用した態様を示している。図示のように、V溝141内に癒着組織を導入しながら癒着部163に沿って押し進めていけば、簡単に臓器160と体壁161との癒着部163を剥離することができる。
【0057】
以上のように、本実施形態のバイポーラカッター118も、カッター本体140の軸方向の移動に伴って血管を電極142,143へと案内するV溝(案内部)141が先端処置部140aに形成されている。そのため、カッター本体140を単に前後動させるだけで、血管へとアプローチできると同時に、その血管を切断することができる。
【0058】
図37および図38には、前述した両バイポーラカッター18,118における電極42,43(142,143)の形成形態の変形例が示されている。
【0059】
図37では、V溝41(141)の各辺の全長にわたって体側電極42(142)が設けられている。具体的には、図37の(b)に示されるように、V字形状を形作る各辺に対応するV溝41(141)の壁面の上縁部に体側電極42(142)が設けられている。また、V字形状を形作る各辺の交差部には、前述した実施形態と同様に、カット電極43(143)が設けられている。図37の(b)に明確に示されるように、体側電極42(142)とカット電極43(143)は、同一面内になく、互いに上下に位置して対向されている。
【0060】
このように、V溝41(141)の各辺の全長にわたって体側電極42(142)を設けると、前述した実施形態よりも体側電極42(142)の表面積を更に大きくすることができ、結果的に、カット電極43(143)の接触面積に対する体側電極42(142)の接触面積の比を更に大きくすることができる。したがって、切開機能を更にカット電極43(143)側に持たせることができ、切断力が向上する(カット性能が上がる)。
【0061】
また、図38では、図37と同様にV溝41(141)の各辺の全長にわたって体側電極42(142)が設けられるとともに、V溝41(141)の一方の辺に体側電極42(142)と対向するようにカット電極43(143)が設けられている。この場合、カット電極43(143)は、鋭利に先細るテーパ部169を先端に有しており、V溝41(141)の辺の略半分の長さにわたって延びている。
【0062】
このような構成によれば、図37と同様の作用効果が得られるとともに、テーパ部169を介してカット電極43(143)が斜めに食い込みながら組織(血管)を切るため、切開力に優れ、特に、脂肪組織73中に側枝72が埋まっているような場合において効果を発揮する。
【0063】
なお、以上説明した技術内容によれば、以下に示されるような各種の構成が得られる。
【0064】
1.接触面積の異なる2極の電極で構成されたバイポーラ切開装置であって、接触面積が小さい電極側で組織を切開することを特徴とするバイポーラ切開装置。
【0065】
2.大伏在静脈摘出システムにおいて、接触面積が異なる2極の電極の配置を、接触面積が小さい電極をグラフト(摘出する血管)側、接触面積が大きい電極を患者(体内に残る)側とすることを特徴とする大伏在静脈摘出システム。
【0066】
3.血管を取り込むためのV字溝を有し、このV字形状の各辺に電極を配置したことを特徴とする第1項に記載のバイポーラ切開装置または第2項に記載の大伏在静脈摘出システム。
【0067】
4.前記2極の電極は、同一平面内にないことを特徴とする第1項に記載のバイポーラ切開装置または第2項に記載の大伏在静脈摘出システム。
【0068】
5.電極部以外の部位は透明部材で形成されていることを特徴とする第1項に記載のバイポーラ切開装置または第2項に記載の大伏在静脈摘出システム。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のバイポータ切開装置によれば、血管の切断を容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るバイポーラ切開装置(バイポーラカッター)が組み込まれた血管採取装置の分解側面図。
【図2】同実施形態を示し、(a)はトロッカーの斜視図、(b)は同じく縦断側面図。
【図3】同実施形態を示し、硬性鏡を抜き取った状態の処置シースの縦断側面図。
【図4】同実施形態を示し、硬性鏡を抜き取った状態の処置シースの縦断平面図。
【図5】同実施形態を示し、硬性鏡を挿通した状態の処置シースの縦断側面図。
【図6】同実施形態を示し、硬性鏡を挿通した状態の処置シースの縦断平面図。
【図7】同実施形態を示し、図5の矢印A方向から見た図。
【図8】同実施形態を示し、ダイセクターの先端部の縦断側面図。
【図9】同実施形態を示し、(a)は血管採取装置の斜視図、(b)は先端部の斜視図、(c)は先端部の正面図。
【図10】同実施形態のバイポーラカッターを示し、(a)は上面図、(b)は縦断側面図、(c)は下面図。
【図11】同実施形態の血管保持子を示し、(a)は上面図、(b)は縦断側面図、(c)は正面図。
【図12】同実施形態のワイパーを示し、(a)は上面図、(b)はB−B線に沿う断面図。
【図13】同実施形態のワイパー操作部の斜視図。
【図14】同実施形態を示し、下肢に皮切部を形成した状態の図。
【図15】同実施形態を示し、下肢の皮切部にトロッカーを装着し、トロッカーを案内として腔内にダイセクターを挿入した状態の断面図。
【図16】同実施形態を示し、トロッカーを案内として腔内に処置シースを挿入した状態の全体構成図。
【図17】同実施形態のモニター画像を示す図。
【図18】同実施形態を示し、腔内に処置シースを挿入した状態の断面図。
【図19】同実施形態を示し、腔内の処置状態の断面図。
【図20】同実施形態のモニター画像を示す図。
【図21】同実施形態を示し、(a)〜(c)は血管保持子の作用を示す斜視図。
【図22】同実施形態を示し、処置状態の腔内断面図。
【図23】同実施形態のモニター画像を示す図。
【図24】同実施形態のモニター画像を示す図。
【図25】同実施形態を示し、(a)〜(c)はバイポーラカッターの作用を示す平面図。
【図26】同実施形態を示し、(a)(b)はバイポーラカッターの作用を示す腔内断面図。
【図27】同実施形態を示し、処置状態の腔内断面図。
【図28】同実施形態のモニター画像を示す図。
【図29】同実施形態を示し、処置シースの先端部の斜視図。
【図30】同実施形態を示し、処置シースの先端部の斜視図。
【図31】同実施形態を示し、処置シースの先端部の斜視図。
【図32】本発明の第2の実施形態に係るバイポーラ切開装置(バイポーラカッター)の斜視図。
【図33】図32のバイポーラカッターの側断面図。
【図34】下肢を血管に沿って切開した状態を示す図。
【図35】図32のバイポーラカッターの使用形態を示す図。
【図36】図32のバイポーラカッターの他の使用形態を示す図。
【図37】バイポーラカッターにおける電極の形成形態の変形例であり、(a)は先端処置部の平面図、(b)は(a)のD−D線に沿う断面図。
【図38】バイポーラカッターにおける電極の形成形態の他の変形例であり、(a)は先端処置部の平面図、(b)は(a)のE−E線に沿う断面図。
【符号の説明】
18,118・・・バイポーラカッター(バイポーラ切開装置)
40,140・・・カッター本体
40a,140a・・・先端処置部
42,43,142,143・・・電極
61・・・血管
72・・・側枝[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a bipolar incision device for incising a living tissue with a pair of electrodes.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, various types of bipolar type incision devices for incising living tissue are known. For example, an electrode is disposed on each of a pair of jaws that can be opened and closed, and a living tissue is sandwiched between the jaws, whereby the sandwiched target blood vessel is incised by an energized electrode (for example, US Pat. No. 5,445,638) There are a wide variety of types, such as those having a configuration in which a pair of electrodes is energized and then a living tissue sandwiched between the electrodes is cut with a blade.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, such a conventional bipolar incision device cannot be incised only by applying an electrode portion to a target blood vessel to be cut, and as described above, it can be moved by pressing a blade or opening and closing a jaw. An incision cannot be made without performing the following operation.
[0004]
The present invention has been made paying attention to the above circumstances, and an object of the present invention is to provide a bipolar incision apparatus that can easily incise a living tissue.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-described problem, the invention described in
[0006]
Further, the invention described in
[0007]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
[0008]
FIG. 1 shows an endoscopic blood vessel collection device incorporating a bipolar incision device according to a first embodiment of the present invention, which includes a
[0009]
As shown in FIGS. 2A and 2B, the
[0010]
Further, an
[0011]
Next, the
[0012]
An
[0013]
The proximal end of the first
[0014]
A
[0015]
Furthermore, a
[0016]
The proximal end of the
Further, a
[0017]
In addition, an
[0018]
Accordingly, as shown in FIGS. 5 to 7, the
Next, the
[0019]
Next, a
[0020]
As shown in FIGS. 9 and 10, the
[0021]
In addition, a guide portion that guides blood vessels to the
[0022]
A pair of opposing electrodes (two poles) 42, 43 are fixedly provided at the bottom of the
[0023]
Of these two electrodes, the
[0024]
In general, an electrode having a large contact area has a higher hemostatic ability at the time of incision than an electrode having a small contact area. As will be described later (see FIG. 26, FIG. 27, etc.), the incision site of the
[0025]
Lead
[0026]
Next, the
[0027]
The peeling
Next, the
[0028]
As shown in FIG. 13, the
[0029]
9A and 9B show a state in which the
Next, using the blood vessel sampling device configured as described above, sampling is performed over the entire length of a blood vessel to be collected (hereinafter referred to as a blood vessel) such as a large saphenous vein extending from the groin to the ankle of the thigh of the lower limb. The case where it does is demonstrated.
FIG. 14 shows the
[0030]
Subsequently, the
[0031]
Next, as shown in FIGS. 15 and 16, the situation through the peeling
[0032]
In this case, since the outer peripheral surface of the
[0033]
Further, the
[0034]
Here, in the
Therefore, when the
[0035]
When the peeling procedure is completed by the
If the operator holds the
Therefore, as shown in FIG. 18, when a large amount of
Further, as shown in FIG. 19, the
The
21A to 21C show a procedure for holding the
[0036]
When the
[0037]
After the state shown in FIG. 23 is formed, the
[0038]
FIGS. 25A to 25C show a procedure for cutting the
[0039]
After the operator confirms that the
[0040]
Thus, the
[0041]
When the
[0042]
Further, the
[0043]
When the procedure for cutting the
[0044]
Since the
When the
[0045]
In addition, as shown in FIG. 31, the adhered
[0046]
A procedure for cutting the
Next, the
As described above, the pair of
[0047]
Further, in the
[0048]
As described above, the
[0049]
In the
[0050]
32 and 33 show a second embodiment of the bipolar lancing device of the present invention. In the above-described embodiment, the bipolar dissection device is incorporated in the endoscopic blood vessel collection device. However, the bipolar dissection device of the present embodiment can be inserted into the body by itself, and the blood vessel can be cut by itself. Can be performed.
[0051]
That is, as shown in FIG. 40 and FIG. 41, a
[0052]
Further, the
[0053]
A pair of opposing
[0054]
Of these two electrodes, the
[0055]
A
[0056]
34 to 36 show an example of how the
[0057]
As described above, the
[0058]
FIG. 37 and FIG. 38 show a modification of the formation form of the
[0059]
In FIG. 37, the body-side electrode 42 (142) is provided over the entire length of each side of the V groove 41 (141). Specifically, as shown in FIG. 37 (b), body side electrodes 42 (142) are provided on the upper edge of the wall surface of the V groove 41 (141) corresponding to each side forming the V shape. Yes. Moreover, the cut electrode 43 (143) is provided in the intersection part of each side which forms V shape similarly to embodiment mentioned above. As clearly shown in FIG. 37 (b), the body-side electrode 42 (142) and the cut electrode 43 (143) are not in the same plane, but are opposed to each other up and down.
[0060]
As described above, when the body side electrode 42 (142) is provided over the entire length of each side of the V groove 41 (141), the surface area of the body side electrode 42 (142) can be further increased as compared with the above-described embodiment. Furthermore, the ratio of the contact area of the body side electrode 42 (142) to the contact area of the cut electrode 43 (143) can be further increased. Therefore, the cutting function can be further provided on the cut electrode 43 (143) side, and the cutting force is improved (cut performance is improved).
[0061]
In FIG. 38, the body side electrode 42 (142) is provided over the entire length of each side of the V groove 41 (141) as in FIG. 37, and the body side electrode 42 (142) is provided on one side of the V groove 41 (141). The cut electrode 43 (143) is provided so as to be opposed to. In this case, the cut electrode 43 (143) has a tapered
[0062]
According to such a configuration, the same operational effects as in FIG. 37 can be obtained, and the cut electrode 43 (143) cuts through the tissue (blood vessel) through the
[0063]
In addition, according to the technical content demonstrated above, the various structures as shown below are obtained.
[0064]
1. A bipolar incision device comprising bipolar electrodes having different contact areas, wherein the tissue is incised on an electrode side having a small contact area.
[0065]
2. In the great saphenous vein excision system, the arrangement of two electrodes with different contact areas should be the graft (blood vessel) side with the smaller contact area, and the patient (remaining in the body) side with the larger contact area. Large saphenous vein extraction system.
[0066]
3. 3. A bipolar incision device according to
[0067]
4). The bipolar dissection device according to
[0068]
5). The bipolar incision device according to
[0069]
【The invention's effect】
As described above, according to the biporter incision device of the present invention, the blood vessel can be easily cut.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an exploded side view of a blood vessel sampling device incorporating a bipolar incision device (bipolar cutter) according to a first embodiment of the present invention.
2A is a perspective view of a trocar, and FIG. 2B is a longitudinal side view of the same.
FIG. 3 is a longitudinal side view of the treatment sheath in the state in which the rigid endoscope is removed according to the embodiment;
FIG. 4 is a longitudinal plan view of the treatment sheath in the state in which the rigid endoscope is removed according to the embodiment;
FIG. 5 is a longitudinal side view of the treatment sheath in the state where the rigid endoscope is inserted, showing the embodiment.
FIG. 6 is a longitudinal plan view of the treatment sheath in a state where the rigid endoscope is inserted, showing the embodiment.
7 is a diagram showing the embodiment, viewed from the direction of arrow A in FIG. 5;
FIG. 8 is a longitudinal side view of the tip portion of the die sector showing the embodiment;
9A is a perspective view of a blood vessel sampling device, FIG. 9B is a perspective view of a distal end portion, and FIG. 9C is a front view of the distal end portion;
10A and 10B show the bipolar cutter of the same embodiment, wherein FIG. 10A is a top view, FIG. 10B is a longitudinal side view, and FIG. 10C is a bottom view.
11A and 11B show the blood vessel retainer of the embodiment, wherein FIG. 11A is a top view, FIG. 11B is a longitudinal side view, and FIG. 11C is a front view.
12A and 12B show the wiper according to the embodiment, wherein FIG. 12A is a top view and FIG. 12B is a cross-sectional view taken along the line BB.
FIG. 13 is a perspective view of the wiper operation unit of the embodiment.
FIG. 14 is a view showing the embodiment and showing a state in which a skin incision is formed in the lower limb.
FIG. 15 is a cross-sectional view showing the same embodiment, with a trocar attached to the skin cut portion of the lower limb and a die sector inserted into the cavity using the trocar as a guide.
FIG. 16 is an overall configuration diagram showing a state in which the treatment sheath is inserted into the cavity using the trocar as a guide, showing the same embodiment;
FIG. 17 is a view showing a monitor image of the embodiment.
FIG. 18 is a cross-sectional view showing the same embodiment with the treatment sheath inserted in the cavity.
FIG. 19 is a cross-sectional view of the treatment state in the cavity, showing the embodiment.
FIG. 20 is a view showing a monitor image of the embodiment.
FIG. 21 is a perspective view illustrating the operation of the blood vessel retainer according to the embodiment;
FIG. 22 is a cross-sectional view in the cavity of the treatment state showing the embodiment.
FIG. 23 is a view showing a monitor image of the embodiment.
FIG. 24 is a view showing a monitor image of the embodiment.
FIG. 25 is a plan view showing the embodiment, wherein (a) to (c) show the operation of the bipolar cutter.
FIG. 26 shows the same embodiment, and (a) and (b) are cross-sectional views in the cavity showing the action of the bipolar cutter.
FIG. 27 is a cross-sectional view of the intracavity in the treatment state according to the embodiment.
FIG. 28 is a view showing a monitor image of the embodiment.
FIG. 29 is a perspective view of the distal end portion of the treatment sheath, showing the embodiment.
FIG. 30 is a perspective view of the distal end portion of the treatment sheath, showing the embodiment.
FIG. 31 is a perspective view of the distal end portion of the treatment sheath, showing the embodiment.
FIG. 32 is a perspective view of a bipolar incision device (bipolar cutter) according to a second embodiment of the present invention.
33 is a side sectional view of the bipolar cutter of FIG. 32. FIG.
FIG. 34 is a view showing a state in which a lower limb is incised along a blood vessel.
35 is a view showing a usage pattern of the bipolar cutter of FIG. 32. FIG.
36 is a view showing another usage pattern of the bipolar cutter of FIG. 32. FIG.
FIG. 37 is a modification of the electrode formation mode in the bipolar cutter, (a) is a plan view of the distal treatment section, and (b) is a cross-sectional view taken along line DD of (a).
FIGS. 38A and 38B are other modifications of the electrode formation mode in the bipolar cutter, wherein FIG. 38A is a plan view of the distal treatment section, and FIG.
[Explanation of symbols]
18, 118 ... Bipolar cutter (bipolar cutting device)
40,140 ... Cutter body
40a, 140a ... tip treatment section
42, 43, 142, 143 ... electrodes
61 ... Blood vessels
72 ... side branch
Claims (2)
前記本体の先端に設けられ且つ生体組織を案内するV溝である案内部を有し、前記案内部で案内した生体組織を切開するための先端処置部と、
前記先端処置部の上記V溝の底部に設けられた一対の電極と
を備えたバイポーラ切開装置において、
前記一対の電極は、前記本体がその軸方向に移動されるときに前記案内部により案内される生体組織との接触面積が小さい第1の電極と、生体組織との接触面積が前記第1の電極よりも大きく少なくとも一部が外方に露出した外表面を有する第2の電極とを備え、
前記本体をその軸方向に移動させることによって前記第1の電極を生体組織に当接させてその生体組織を切開することを特徴とするバイポーラ切開装置。A body inserted into the body,
A distal end treatment portion provided at the distal end of the main body and having a guide portion that is a V-groove for guiding a living tissue, and for incising the living tissue guided by the guiding portion;
A bipolar incision device comprising a pair of electrodes provided at the bottom of the V-groove of the distal treatment section,
The pair of electrodes has a first electrode having a small contact area with the living tissue guided by the guide portion when the main body is moved in the axial direction, and a contact area between the living tissue and the first electrode. A second electrode having an outer surface that is larger than the electrode and at least partially exposed outwardly;
A bipolar incision device, wherein the body is moved in the axial direction so that the first electrode is brought into contact with the living tissue to incise the living tissue.
前記血管採取手段は、生体組織を切開するためのバイポーラ切開装置と、採取対象血管を保持するための保持手段とを有し、
前記バイポーラ切開装置は、前記シースを通じて体内に挿入される本体と、本体の先端に設けられ且つ生体組織を切開するための先端処置部と、先端処置部に設けられた一対の電極とを備え、
前記一対の電極は生体組織と接触する接触面積が互いに異なり、接触面積が大きい電極と前記保持手段との間の距離は、接触面積が小さい電極と前記保持手段との間の距離よりも大きいことを特徴とする血管採取装置。In the blood vessel collecting device for collecting blood vessels in the cavity, comprising a sheath that can be inserted into the cavity from the skin incision and blood vessel collecting means that advances and retreats in the sheath,
The blood vessel collecting means has a bipolar incision device for incising a living tissue, and a holding means for holding a blood vessel to be collected.
The bipolar incision device comprises a main body inserted into the body through the sheath, a distal treatment section provided at the distal end of the main body and for incising a living tissue, and a pair of electrodes provided at the distal treatment section,
The pair of electrodes have different contact areas in contact with living tissue, and the distance between the electrode having a large contact area and the holding means is larger than the distance between the electrode having a small contact area and the holding means. A blood vessel collecting device characterized by the above.
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