JP3803748B2 - 光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置 - Google Patents

光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3803748B2
JP3803748B2 JP2001400095A JP2001400095A JP3803748B2 JP 3803748 B2 JP3803748 B2 JP 3803748B2 JP 2001400095 A JP2001400095 A JP 2001400095A JP 2001400095 A JP2001400095 A JP 2001400095A JP 3803748 B2 JP3803748 B2 JP 3803748B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coherent light
frequency
signal
light
wave
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2001400095A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003195380A (ja
Inventor
政春 兵頭
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Information and Communications Technology
Original Assignee
National Institute of Information and Communications Technology
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Information and Communications Technology filed Critical National Institute of Information and Communications Technology
Priority to JP2001400095A priority Critical patent/JP3803748B2/ja
Publication of JP2003195380A publication Critical patent/JP2003195380A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3803748B2 publication Critical patent/JP3803748B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ミリ波やサブミリ波の信号源から離れた位置に、レーザ光を用いて、忠実にミリ波やサブミリ波を伝送する光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
低周波信号やミリ波信号を、光を用いて伝送する装置としては、文献1
(J.J.O'Reilly, P.M. Lane, R. Heidemann and R.Hofstetter, "Optical generationof very narrow linewidth millimetre wavesignals," Electron. Lett. 28,[25], pp.2309-2311, (1992).)に記載されたものがあり、これは、図9に示す構成をもった伝送装置である。図9は、第1の従来例を示す図であり、光源からの光線を変調器で変調して、電磁信号で変調された光線を発生し、この光線を光路に沿って伝送し、この光線を光信号から電波信号に変換する変換器に通すことにより、もとの電磁信号を再生する機能をもった、電磁信号を伝送する伝送装置のブロック図を示す図である。ここで、光源としては、レーザ光源が使われることが多く、また、光路は光ファイバーを用いて構成されることが多い。また、変調器としては、強度変調器が使われることが多い。また、変換器としては、半導体光検出器が使われることが多い。
【0003】
また、このような伝送装置で、ミリ波信号を伝送する場合は、いくつかの困難があることが知られている。例えば、変調器を駆動するために大電力のミリ波の信号を必要とするが、周波数が高くなるほどそれらを得る事が困難であり、また搬送波を抑圧するほど深い変調をかけることができないため、光変調器の帯域を越える高い周波数の変調を行うことはできなかった。このため、ミリ波の信号を伝送する場合の実用的な周波数上限は、60GHz程度であった。
【0004】
また、上記のほかの構成を持った伝送装置としては、文献2(R.T. Ramos andA.J. Seeds, "Fast heterodyneoptical phase-lock loop using double quantum well laser diodes," Electron.Lett. 28, [1], pp.82-83, (1992).)に記載されたものがあり、これは、図10に示す構成をもった伝送装置である。図10は、第2の従来例を示す図であり、2台のレーザの光出力をヘテロダイン混合し、差周波にあたるミリ波周波数のビート信号を発生させ、これと同じ周波数の強度変調を光に付加する方法を用いた伝送装置を示すブロック図である。
【0005】
このような伝送装置では、ビート信号の周波数純度を高めるために光位相同期ループ(OPLL)などの位相比較機構を備える場合が多い。この伝送装置の特徴は、レーザ光を伝送する電磁信号で光変調しない点にある。従って、伝送できる信号帯域幅は、変調器や変調信号の帯域幅で制限されることがないことである。また、レーザ光源には小電力で発振や変調の行える半導体レーザなどを用いることができる点にある。また、光検出器の帯域は、通常、光変調器の帯域より広いので、上記の装置より高い周波数のミリ波信号を伝送することができる、という可能性を有している。
【0006】
また、図10に示す伝送装置の帯域幅は、光強度検出器あるいは位相差検出器により決められることが多い。位相差検出器については、分周器と併用することによって、その周波数帯域を拡大することは可能であるが、このような改善を行っても、光強度検出器あるいは位相差検出器による帯域を越える信号を伝送することは困難であった。このため、ミリ波信号を伝送する場合の周波数上限は、100GHz程度と見込まれる。
【0007】
本発明は、形態的には上記の第1の従来例の技術よりも第2の従来例の技術に近いものであるが、補助的なレーザ光源と波長変換素子を新たに用いることにより、新しい動作原理に基づいて動作する様にしたものであり、これまで動作限界とされてきた光検出器の帯域限界を超える高い周波数のミリ波あるいはサブミリ波の信号発生を容易に可能にするものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記で説明した様に、低周波信号やミリ波あるいはサブミリ波信号を含めた電磁信号を、光を用いて伝送する従来の装置では、変調器を駆動するために大電力のミリ波あるいはサブミリ波の信号を必要とする。しかし、ミリ波あるいはサブミリ波帯で、大電力の信号を得る事は困難であり、また光変調器の帯域を越える高い周波数の変調を行うことも困難であった。また、光強度検出器あるいは位相差検出器で制限される帯域を越える信号を伝送することはできない、という問題があった。
【0009】
この発明は、上記に鑑み提案されたもので、電力増幅器や光変調器、あるいは光強度検出器や位相差検出器による帯域を越える信号を伝送することができる光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
一般に、上記した第2の従来例のようにコヒーレント光源である2台のレーザ光のヘテロダイン混合によってミリ波の信号を発生させる場合、その周波数は、2台のレーザ光の差周波数に等しく、差周波数が大きいほど高い周波数のミリ波あるいはサブミリ波信号を発生させることができる。しかし、通常の光検出器はその動作帯域を越える高い周波数の変調信号を検出することができないため、この周波数上限が、発生できるミリ波あるいはサブミリ波信号の周波数の上限となっていた。
【0011】
そこで、第1の発明では、第3のコヒーレント光と波長変換素子を新たに用意し、光領域であらかじめ波長変換を行い、ミリ波あるいはサブミリ波の変調信号を通常の光検出器でも検出可能な比較的低い周波数の変調信号に変換するものであり、第1のコヒーレント光(周波数ν1)と第2のコヒーレント光(周波数ν2)とを混合して、その差周波数(ν1−ν2あるいはν2−ν1)を持った第1の電磁信号を発生する手段を備えた装置において、
第1のコヒーレント光と第2のコヒーレント光とを重畳した光に第3のコヒーレント光(周波数ν3)を重畳して出力する重ね合わせ手段と、
上記の重ね合わせ手段の出力光を混合する波長変換手段と、
上記の重畳された光に含まれる第1のコヒーレント光と第3のコヒーレント光とから第2の電磁信号を発生する光強度検出手段と、
該第2の電磁信号と予め決められた第1の高周波信号とを比較する第1の比較手段と、
上記の第1の比較手段の比較により得られた信号を帰還して、上記の第1のコヒーレント光の波長を制御する第1の帰還手段と、
上記の混合により得られる第1のコヒーレント光と第2のコヒーレント光と第3のコヒーレント光との混合光から第3の電磁信号を発生する光強度検出手段と、
該第3の電磁信号と予め決められた第2の高周波信号とを比較する第2の比較手段と、
上記の第2の比較手段の比較により得られた信号を帰還して、第3のコヒーレント光の波長を制御する第2の帰還手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0012】
また、第1のコヒーレント光(周波数ν1)と第2のコヒーレント光(周波数ν2)とを混合して、その差周波数(ν1−ν2あるいはν2−ν1)を持った第1の電磁信号を発生する手段を備えた装置において、
第1のコヒーレント光と第2のコヒーレント光とを重畳した光に第3のコヒーレント光(周波数ν3)を重畳して出力する重ね合わせ手段と、
上記の重ね合わせ手段の出力光を混合する波長変換手段と、
上記の波長変換手段の出力を光強度検出手段に入力して得られる電磁信号から、
第1のコヒーレント光と第3のコヒーレント光の混合による第 2 の電磁信号を選択する濾波手段と、
第1のコヒーレント光と第1のコヒーレント光と第3のコヒーレント光の混合による第3の電磁信号を選択する濾波手段と、
該第2の電磁信号と予め決められた第1の高周波信号とを比較する第1の比較手段と、
上記の第1の比較手段の比較により得られた信号を帰還して、第1のコヒーレント光の波長を制御する第1の帰還手段と、
該第3の電磁信号と予め決められた第2の高周波信号とを比較する第2の比較手段と、
上記の第2の比較手段の比較により得られた信号を帰還して、第3のコヒーレント光の波長を制御する第2の帰還手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0013】
また、これらのコヒーレント光は、他の装置でも利用できる様にするために、第3の発明は、重ね合わされた第1のコヒーレント光と第2のコヒーレント光と第3のコヒーレント光を分岐して出力する手段を備えたことを特徴としている。
【0014】
また、第4の発明は第1のコヒーレント光と第2のコヒーレント光とを重畳した光に第3のコヒーレント光を重畳して混合する波長変換手段は、非線形光学効果を用いて波長変換する手段であることを特徴としている。
【0015】
また、第1のコヒーレント光源である第1のレーザ光源からの光の波長を制御するにあたり、第2の電磁信号の位相と第1の高周波信号の位相との差を検出して帰還信号とすることにより、その波長の変動を抑制することができることから、第5の発明は、第2の電磁信号と予め決められた第1の高周波信号とを比較する手段は、第2の電磁信号の位相と第1の高周波信号の位相との差を検出する手段であることを特徴としている。
【0016】
また、第3のコヒーレント光源である第3のレーザ光源からの光の波長を制御するにあたり、第3の電磁信号の位相と第2の高周波信号の位相との差を検出して帰還信号とすることにより、その波長の変動を抑制することができることから、第6の発明は、第3の電磁信号と予め決められた第2の高周波信号とを比較する手段は、第3の電磁信号の位相と第2の高周波信号の位相との差を検出する手段であることを特徴としている。
【0017】
また、非線形素子に入射する光をあらかじめ変調する事によって発生される側帯波を被混合光の一部として用いることにより、ミリ波あるいはサブミリ波の出力周波数を自由に変えられるようになることから、第7の発明は、第1のコヒーレント光(周波数ν 1 )と第2のコヒーレント光(周波数ν 2 )とを混合して、その差周波数(ν 1 −ν 2 あるいはν 2 −ν 1 )を持った第1の電磁信号を発生する手段を備えた装置において、第1のコヒーレント光を変調して第1のコヒーレント光の側帯波を発生する変調手段と、第2のコヒーレント光を変調して第2のコヒーレント光の側帯波を発生する変調手段と、第3のコヒーレント光(周波数ν 3 )を変調して第3のコヒーレント光の側帯波を発生する変調手段と、第1のコヒーレント光の側帯波と第2のコヒーレント光の側帯波と第3のコヒーレント光の側帯波を重畳して出力する重ね合わせ手段と、第1のコヒーレント光の側帯波と2のコヒーレント光の側帯波と第3のコヒーレント光の側帯波とを混合する波長変換手段と、上記の重ね合わせにより得られる第1のコヒーレント光の側帯波と第3のコヒーレント光の側帯波とを重ね合わせた光から第2の電磁信号を発生する光強度検出手段と、上記の混合により得られる第1のコヒーレント光の側帯波と第2のコヒーレント光の側帯波と第3のコヒーレント光の側帯波との混合光から第3の電磁信号を発生する光強度検出手段、と、前記第2の電磁信号と予め決められた第1の高周波信号とを比較する第1の比較手段と、前記第3の電磁信号と予め決められた第2の高周波信号とを比較する第2の手段と、第1 の比較手段の比較により得られた信号を帰還して、上記の第1のコヒーレント光の波長を制御する第1の帰還手段と、第2の比較手段の比較により得られた信号を帰還して、上記の第3のコヒーレント光の波長を制御する第2の帰還手段と、を備えたことを特徴としている。
【0018】
また、第8の発明は、上記の混合される第1のコヒーレント光の側帯波の搬送波に対する位置は、上記の混合される第3のコヒーレント光の側帯波の搬送波に対する位置の反対側であり、また、混合される第3のコヒーレント光の側帯波の搬送波に対する位置は、上記の混合される第2のコヒーレント光の側帯波の搬送波に対する位置の反対側であることを特徴としている。
【0019】
また、第9の発明は、第1の発明のコヒーレント光の光源数を増やした構成により、多種類の電磁信号が得られることから、第1のコヒーレント光(周波数ν 1 )と第2のコヒーレント光(周波数ν 2 )とを混合して、その差周波数(ν 1 −ν 2 あるいはν 2 −ν 1 )を持った第1の電磁信号を発生する手段を備えた装置において、Nを3以上のいずれかの整数とするとき、
第1から第Nまでのコヒーレント光が伝搬するそれぞれの光路と、
前記のそれぞれの光路からの光を受け、第1から第Nまでの全てのコヒーレント光が重畳されて伝搬する光路と、
上記の重畳された第1から第Nまでの全てのコヒーレント光を混合する波長変換手段と、
上記の波長変換手段から出力される光を光強度検出器に入力しその出力から第1のコヒーレント光と第2のコヒーレント光と第Nのコヒーレント光とを混合した第2の電磁信号を選択する濾波手段と、
該第2の電磁信号と予め決められた第1の高周波信号とを比較する第1の比較手段と、
上記の第1の比較手段の比較により得られた信号を帰還して、上記の第1のコヒーレント光の波長を制御する帰還手段と、
第2のコヒーレント光と第Nのコヒーレント光との周波数差を予め決められた値に保つ帰還手段と、
を、備えたことを特徴としている。
【0020】
ここで、本発明の想定するコヒーレント光の順序について説明する。簡単には、最低周波数のコヒーレント光の周波数をν2(あるいはν1)とし、最高周波数のコヒーレント光の周波数をν1(あるいはν2)として、ν1に向かってν2から順にν3、ν4、ν5、…νN、ν1と、することができる。しかし、本発明においては、この様に並べることに限定する理由は無い。3つのコヒーレント光を混合する場合の組み合わせを、周波数に関わらず書くことにして、たとえば、次の様に表わす。
<ν2、ν3、ν1>さらに、他の組み合わせとして、<ν3、ν4、ν1>、また、同様に、<ν4、ν5、ν1>、これを繰り返して<νN-1、νN、ν1>、とすることができるとき、これらのコヒーレント光には、周波数の高低に依存しない順序が付けられる。本発明ではこのような順番を、念頭に置いている。
【0021】
また、第10の発明は、第1のコヒーレント光(周波数ν 1 )と第2のコヒーレント光(周波数ν 2 )とを混合して、その差周波数(ν 1 −ν 2 あるいはν 2 −ν 1 )を持った第1の電磁信号を発生する手段を備えた装置において、
Nを3以上のいずれかの整数とし、kを3以上N以下のいずれかの整数とするとき、
第1から第Nまでの複数のコヒーレント光の伝搬するそれぞれの光路と、前記のそれぞれの光路からの光を受け、第1からNまでの全てのコヒーレント光が重畳されて伝搬する光路と、
第1から第(N−1)までの複数の高周波信号源と、
第1のコヒーレント光から第Nのコヒーレント光(周波数ν N )までを混合する波長変換 手段と、
上記の混合光を用いて第2から第Nまでの電磁信号を発生する光強度検出手段と、
前記の複数の電磁信号に含まれ、第1のコヒーレント光と第kのコヒーレント光と第(k−1)のコヒーレント光との混合により波長変換された光を光強度検出手段に入力して発生した電磁信号から第kの電磁信号を選択する濾波手段と、
該第kの電磁信号と予め決められた第(k−1)の高周波信号とを比較する比較手段と、
上記の比較により得られた信号を帰還して、第kのコヒーレント光の波長を制御する帰還手段と、
第1のコヒーレント光と第Nのコヒーレント光とを重ね合わせた光を光強度検出器に入力して第2の電磁信号を発生する手段と、前記の第2の電磁信号と予め与えられた第1の高周波信号とを比較する比較手段と、
上記の比較により得られた信号を帰還して第1のコヒーレント光の波長を制御する帰還手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0022】
また、第2のコヒーレント光から幾つかのコヒーレント光を経由して第1のコヒーレント光を制御する経路には任意性があることから、第11の発明は、第1のコヒーレント光(周波数ν 1 )と第2のコヒーレント光(周波数ν 2 )とを混合して、その差周波数(ν 1 −ν 2 あるいはν 2 −ν 1 )を持った第1の電磁信号を発生する手段を備えた装置において、
Nを3以上のいずれかの整数とするとき、
第1から第Nまでの複数のコヒーレント光の伝搬するそれぞれの光路と、
前記のそれぞれの光路からの光を受け、第1から第Nまでの全てのコヒーレント光が重畳されて伝搬する光路と、
第2のコヒーレント光と、第2のコヒーレント光の周波数から制御された周波数だけずれた発振周波数をもったコヒーレント光(周波数ν R )と、第Nのコヒーレント光(周波数ν N )とを混合する波長変換手段と、前記の混合光から光強度検出手段により電磁信号を発生する手段と、
前記電磁信号と予め決められた高周波信号とを比較する比較手段と、
上記の比較により得られた信号を帰還して、上記の第2のコヒーレント光の波長を制御する帰還手段と、
第1のコヒーレント光と第Nのコヒーレント光との周波数差を予め決められた値に制御する手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0023】
また、第1のコヒーレント光から幾つかのコヒーレント光を経由して第2のコヒーレント光を制御する経路についても任意性があることから、第12の発明は、第1のコヒーレント光(周波数ν 1 )と第2のコヒーレント光(周波数ν 2 )とを混合して、その差周波数(ν 1 −ν 2 あるいはν 2 −ν 1 )を持った第1の電磁信号を発生する手段を備えた装置において、
Nを3以上のいずれかの整数とするとき、
第1から第Nまでのコヒーレント光の伝搬するそれぞれの光路と、
前記のそれぞれの光路からの光を受け、第1から第Nまでの全てのコヒーレント光が重畳されて伝搬する光路と、
第1のコヒーレント光と,第1のコヒーレント光の周波数から制御された周波数だけずれた発振周波数をもったコヒーレント光(周波数ν R )と,第Nのコヒーレント光(周波数ν N )とを波長変換手段を用いて混合して、光強度検出手段によって電磁信号を発生する手段と、
前記電磁信号と予め決められた高周波信号とを比較する手段と、
上記の比較により得られた信号を帰還して、上記の第1のコヒーレント光の波長を制御す る手段と、
第2のコヒーレント光と第Nのコヒーレント光との周波数差を予め決められた値に制御する手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0024】
また、重ね合わされた第1ないし第Nのコヒーレント光のいずれか複数を出力してそれらを混合して電磁信号にすることにより、種々の電磁波を得る事ができることから、第13の発明は、重ね合わされた第1ないし第Nのコヒーレント光のいずれか複数を出力する手段を備えたことを特徴としている。
【0025】
また、第14の発明は、第1ないし第Nのいずれかのコヒーレント光を混合する手段は、非線形光学効果を用いた手段であることを特徴としている。
【0026】
また、第15の発明は、第2の電磁信号と予め決められた第1の高周波信号とを比較する手段は、第2の電磁信号の位相と第1の高周波信号の位相との差を検出する手段であることを特徴としている。
【0027】
また、第16の発明は、第kの電磁信号と予め決められた第(k−1)の高周波信号とを比較する手段は、第kの電磁信号の位相と第(k−1)の高周波信号の位相との差を検出する手段であることを特徴としている。
【0028】
また、第17の発明は、第1のコヒーレント光(周波数ν1)と第2のコヒーレント光(周波数ν2)とを混合して、その差周波数(ν1−ν2あるいはν2−ν1)を持った第1の電磁信号を発生する手段を備えた装置において、Nを3以上のいずれかの整数とし、発生する電磁波には順に番号が付され、この番号の付けられた電磁波に対応する高周波信号には独自に順に番号が付されているものとするとき、第1から第Nまでのコヒーレント光(周波数ν1からνN)のすべてか、あるいはそれらの一部をそれぞれ共通にあるいは別々に変調する手段と、前記の変調で変調されたコヒーレント光の側帯波を変調されないコヒーレント光の代わりに用いることにより、第2ないし第Nのいずれかまでの電磁信号を発生する手段と、これらの電磁信号と予め決められた第1ないし第(N−1)のいずれかまでの高周波信号とを比較する手段と、上記の比較により得られた情報により、上記の第1から第Nのいずれかまでのコヒーレント光の波長を調整する手段と、を備えたことを特徴としている。
【0029】
また、第18の発明は、上記の混合される第1のコヒーレント光の側帯波の搬送波に対する位置は、上記の混合される第Nのコヒーレント光の側帯波の搬送波に対する位置の反対側であり、また、kを3以上N以下のいずれかの整数とするとき、上記の混合される第kのコヒーレント光の側帯波の搬送波に対する位置は、上記の混合される第(k−1)のコヒーレント光の側帯波の搬送波に対する位置の反対側であることを特徴としている。
【0030】
また、第19の発明は、コンピュータを用いた制御装置を用いることによって、望みのミリ波あるいはサブミリ波を容易に取り出せる様にするために、予め決められた第1の電磁信号の周波数に対応した表で、構成されたOPLLに関わる電磁波の周波数を含む表を参照して、その電磁信号を発生する手段を調整する手段を備えた事を特徴としている。
【0031】
また、第20の発明は、コンピュータを用いた制御装置を用いることによって、望みのミリ波あるいはサブミリ波を取り出すための設定を容易に行うために、予め決められた第1の電磁信号の周波数に対応した表で、ミリ波あるいはサブミリ波の発生に関わるコヒーレント光の周波数を含む表を参照して、少なくともミリ波あるいはサブミリ波の発生に関わるコヒーレント光を発生する手段を調整する手段を備えた事を特徴としている。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明の動作原理をまず説明し、続いて実施の形態を第1から第5の実施例として図面に基づいて詳細に説明する。なお、図において、同様の構成あるいは同様の機能をもつものについては同じ符号を用いている。
【0033】
本発明の動作原理を、図1を用いて説明する。図1は、本発明の望ましい構成例を示すブロック図である。波長=1550nmのレーザ光源1、波長=1551nmのレーザ光源2、ビームスプリッタ4、光―ミリ波変換器8、とそれらを結ぶ光ファイバによる光路などがあり、上記した第2の従来例に、一部類似した構成を持っているが、従来例における光強度検出器の部分を、点線で囲まれた光位相同期部30で置き換えることにより、従来のものにない構成になっている。また、その類似した構成部分の動作は、第1のコヒーレント光源である周波数ν1で連続発振するレーザ光源1の出力光と、第2のコヒーレント光源である周波数ν2で連続発振するレーザ光源2の出力光を50:50の分岐比を有するビームスプリッタ4(ファイバーカプラ等)で重ね合わせ、その出力の一方を光ファイバー23で伝送し(光出力1)、ファイバーの終端部に設けられた光−ミリ波変換器8によって、第1のコヒーレント光と第2のコヒーレント光とを混合し、ミリ波あるいはサブミリ波の電磁信号(第1の電磁信号)を発生させるものである。光−ミリ波変換器8としては、1THz以下の帯域では低温成長GaAs光伝導スイッチ素子、200GHz程度以下であれば単一走行キャリア型フォトダイオード素子(UTC−PD)などを使用することができる事が知られている。ここまでの構成や動作は、既に知られたものと類似のものである。
【0034】
しかし、このような既に知られた構成のままでは、レーザ光の周波数揺らぎに起因するミリ波信号の周波数の揺らぎは避けられない。そこで、本発明においては、ビームスプリッタ4のもう一方の出力光を、第3のコヒーレント光であるレーザ光源3の出力光と非線形素子からなる波長変換器7で混合し、新たなコヒーレント光を発生させる。この波長変換器7では、主に四光波混合(FWM)の作用によって多数のコヒーレント光が発生する。発生した各光波の周波数関係を図3(c)に示す。図3(c)は、四光波混合で発生した新たな光波(短い実線で示す)のうち、例えば周波数が(2ν1−ν3)の光と、周波数が(2ν3−ν2)の光を示しており、これらは、周波数が互いに接近するため、それらの干渉信号(ビート信号)を光強度検出器9で、周波数がf3の低周波の信号(第3の電磁信号)として検出することができる。このビート信号をバンドパスフィルタ59で濾波し、発振周波数fLのRF(ラジオ波)信号源と位相比較し、負帰還制御を施して光位相同期ループ(OPLL2)を構成している。このOPLLの部分は、図11抜き出して示した様に、通常の周波数シンセサイザー等に用いられるPLLと同様の構成を持っている事がわかる。これにより、上記のビート信号と上記のRF信号を同期させるようにレーザ光源3の発振周波数は自動調整されるため、この結果、レーザ光源3の発振周波数は、次の関係を満たすように自動制御される。
【0035】
【数1】
Figure 0003803748
【0036】
図1における光強度検出器9の出力には、周波数がf2=(ν1−ν3)(光強度検出器の動作可能な最大周波数程度の値)の高周波成分(第2の電磁信号)も含まれている。この出力をバンドパスフィルタ60で濾波し、周波数がfHのミリ波信号源と位相比較し、レーザ光源1へ負帰還制御を施してOPLL1を構成することにより、次の関係を満たすように、レーザ光源1の発振周波数は自動制御される。
【0037】
【数2】
Figure 0003803748
【0038】
なお、負帰還制御は、レーザ光源1に限定する理由はなく、レーザ光源2へ負帰還制御を施しても同様の結果が得られる。また、レーザ光源1の発振周波数がレーザ光源2の発振周波数との比較における高低によってOPLL1の信号極性が逆転するのは、通常の周波数シンセサイザ等に用いられるPLLの場合と同様に容易に理解できる。さらに、数1および数2より、次の関係が得られる。
【0039】
【数3】
Figure 0003803748
【0040】
ここで、レーザ光源1とレーザ光源2の発振周波数の差(ν1−ν2)は正確に3fH+fLに一致するため、RF信号源12やミリ波信号源13の出力を安定化させることにより、安定で高純度なミリ波の変調信号が得られることが分かる。また、(ν1−ν2)の値は、光強度検出器の動作可能な最大周波数、fH、の3倍以上の値(fLがfHにほぼ等しいならば約4倍の値)であり、これは、上記した従来構成には無かった特徴である。しかも、その出力であるミリ波あるいはサブミリ波の周波数を、ミリ波信号源13のミリ波出力の周波数fHあるいはRF信号源の発振周波数fLを変えるだけで容易に制御できる、という特徴を持っている。
【0041】
波長変換素子としては、FWM(Four Wave Mixing)のほかに自己位相変調、カー効果,コヒーレントラマン効果、ソリトン効果等を含むあらゆる種類の3次の非線形媒質を用いることができるほか、カスケードされた2次非線形光学効果(cascaded second-order nonlinearity)等の効果を有する2次の非線形素子を用いることもできる。また、特に1.5μmの光通信波長帯においては、半導体光増幅器(SOA)や非線形ループミラー(NOLM:Nonlinear Optical Loop Mirror)、PPLN(周期的分極反転型LiNbO3)などの非線形素子が適している。
【0042】
[第1実施例]
次に第1の実施例として、マルチトーンミリ波信号発生器として動作させた光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置の例を図2に示す。この実施例における装置の構成は、図1と同様であるが、図2に示す様に、光出力2の部分に光フィルタ6と光―ミリ波変換器が設けられている点で異なっている。また、バンドパスフィルタ59、60の代わりに、ローパスフィルタ(LPF)54、55が設けられている点においても異なっているが、LPFに関しては、周波数ミキサ型の位相比較器10、11を挟んで、図1のバンドパスフィルタ59、60と同様の機能を果たす。LPFは、ループフィルタが十分に高周波信号を減衰する特性を有する場合には必要ではない。
【0043】
図2のミリ波出力1には、周波数(ν1−ν2)、あるいは同じ値であるが、(3fH+fL)の信号だけが含まれている。また、光出力2には、周波数ν1、ν2、ν3の3種類のコヒーレント光が含まれており、ミリ波出力2には,これらのコヒーレント光の混合により、(3fH+fL)だけでなく、fH、(2fH+fL)の周波数の信号も同時に得る事ができる。そこで図1光出力2にファイバーブラッググレーティングなどの狭帯域バンド反射フィルタ6を挿入して、上記の3種類のコヒーレント光からひとつのコヒーレント光のみを除去した後、混合することによって、あるいはファブリー・ペロ共振器や回折格子分光器、アレイ導波路格子(AWG)などの狭帯域バンドパスフィルタを用いて上記の3種類のコヒーレント光からふたつのコヒーレント光を選択して混合することによって、3種類の信号fH、(2fH+fL)、(3fH+fL)のいずれかの信号を選択的に取り出すことができる。
【0044】
また、周波数ν1、ν2、ν3のコヒーレント光を混合して、3種類の信 号fH、(2fH+fL)、(3fH+fL)を含む信号を発生させ、ミリ波あるいはサブミリ波帯域のフィルタを用いて、3種類の信号fH、(2fH+fL)、(3fH+fL)のいずれかの信号を選択的に取り出すことができる。
【0045】
上記の様に選択的に取り出すことは、これらのいずれの方法によっても可能であるが、一般に、ミリ波あるいはサブミリ波帯域のフィルタを用いるよりも、上記の光領域の狭帯域バンド反射フィルタあるいは狭帯域バンドパスフィルタを用いた方が、装置を小型化でき簡単な構成とすることができる。
【0046】
[第2実施例]
次に第2の実施例として、広帯域光周波数カウンタとして動作させた光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置の例を以下に示す。
【0047】
図1において、いずれのレーザに対してもOPLLを実施しない場合、通常の周波数カウンタを2台使って周波数f2=(ν1−ν3)、f3=((2ν3−ν2)−(2ν1−ν3))、を正確に測定すれば、未知の光の周波数ν1を、数4の関係を用いて正確に測定することができる。f2、f3は、OPLL1およびOPLL2を実施した場合、それぞれfH、fLに等しくなる周波数である。ただし、レーザ2の発振周波数ν2は、他の安定な周波数基準にロックされているなどして既知とする。また、OPLL1またはOPLL2の一方を実施してf2、またはf3を既知としてもよく、この場合、カウンタは1台でよい。被測定信号光の周波数の範囲は、少なくとも±3f2であり、最大で±4f2程度まで(f3がf2にほぼ等しい場合)測定可能である。
【0048】
【数4】
Figure 0003803748
【0049】
従来の高精度光周波数カウンタでは、1台のレファレンスレーザとともに1台の被測定レーザ光を光検出器に同時に入射し、それらのレーザ光間のビート信号周波数をカウントし、その値をレファレンスレーザの光周波数の値に加算(または減算)する、という方法が採られており、被測定光の光周波数とレファレンスレーザの光周波数とは、光検出器の帯域以内に接近している必要があった。しかし、本発明の光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置を用いた周波数カウンタでは、上記の様に、被測定レーザ光とレファレンスレーザ光との周波数差は、少なくとも光検出器の帯域幅の3倍まで許すことができるようになった。
【0050】
[第3実施例]
次に第3の実施例として、2つのコヒーレント光の周波数差を分周するコヒーレント光を発生する分周器として動作させた光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置の例を次に示す。
【0051】
図1において、OPLL2だけを実施し、OPLL1を実施しない場合、次の関係が成り立ち、光周波数の分周器が実現できる。
【数5】
Figure 0003803748
【0052】
ここで、正確に分周するためには、数5においてfL=0、である事が望ましい。しかしその周波数下限は、位相同期を行う必要性から、MHz程度の値になる.その具体的な値は、レーザ光源の種類によって異なる。しかし、このような下限近くの値においては、fL<<(ν1−ν2)、であるから近似的に、(ν1−ν2)=3(ν1−ν3)、が成り立っている。
【0053】
ここで、数5において正確にfL =0とするためには、ホモダインとして知られる構成とする。このためには、例えば、図4に示す構成とする。図4は、ホモダインのOPLLを実現するためのブロック図であり、図に示される様に、レーザ光源3の出力部に、光変調器32を設けて、その出力光をRF信号源(周波数fL)の信号で位相変調する。
【0054】
このOPLLの部分は、図12に抜き出して示した様に、図11に抜き出して示した実施例1のOPLLとは、レーザ光源3からの光を予めRF発振器からの信号で変調して、位相比較器としての周波数ミキサにおいて、その周波数で復調するという点で、異なっている。
【0055】
これにより、周波数(2ν3−ν2)の光と周波数(2ν1−ν3)の光の間のビート信号には、本来のビート信号の周波数、f=(2ν3−ν2)−(2ν1−ν3)、に加えて、fにRF発振器の発振周波数fLが加わったような信号、fC=fL±f、が得られるようになる。この後者のビート信号をfLで復調すれば、あらかじめ与えたfLでの変調が打ち消され、周波数ミキサの出力に本来のビート信号fだけがそのまま現れる.そこで通常のOPLLを構成することにより、f=0、とすることができる.この構成は、ホモダインのOPLLとして知られるものの一つであり、変調と復調の操作を行うことによって不要な直流成分を除去し、微弱なFWM光を高感度に検出することができる、という特長がある.f=0から、(2ν1−ν3)=(2ν3−ν2)、が成立するため、数5でfL=0とおいたものが得られる事になる。
【0056】
上記の様にして、数5においてfL =0、とすることにより、ν3によって周波数差(ν1−ν2)が、(ν1−ν3):(ν3−ν2)について、正確に1/3:2/3に分割される。この場合、周波数ν1、ν2、ν3のいずれも既知である必要はない。また、この実施例ではf2さえ知る必要がなく、例えば、f2は光検出器の帯域を越える周波数領域にあってもよい。またfLをf2 にほぼ等しくできるならば、実質的に周波数差(ν1−ν2)を(ν1−ν3):(ν3−ν2)について、1/4:3/4に分割できる。
【0057】
[第4実施例]
次に第4の実施例として、サブミリ波信号発生器として動作させた光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置の例を次に示す。
【0058】
図1の構成に用いた概念を多段階に再帰的に拡張することにより、発生できる周波数をサブミリ波帯にまで拡張することができる。図5は、レーザ光源1、2のほかに、複数の補助的なレーザ光源を用いるもので、全部でN台のレーザ光源を用いて再帰的に構成した光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置のブロック図を示す。また、このN=4の場合の装置で得られる出力の周波数関係を図6に示す。このような装置では、以下に説明する様に、一般にミリ波信号源からの周波数がfHの信号の約3(N-2)の倍(ただし、N≧3とする)の周波数を持つミリ波あるいはサブミリ波信号を得る事ができる。
【0059】
図5は、レーザ光源1、レーザ光源2、ビームスプリッタ4、光―ミリ波変換器8、とそれらを結ぶ光路などを持ち、第1のコヒーレント光源である周波数ν1で連続発振するレーザ光源1の出力光と、第2のコヒーレント光源である周波数ν2で連続発振するレーザ光源2の出力光を50:50の分岐比を有するビームスプリッタ4(ファイバーカプラ等)で重ね合わせ、その出力の一方を光ファイバー23で伝送し(光出力1)、ファイバーの終端部に設けられた光−ミリ波変換器8によって第1のコヒーレント光と第2のコヒーレント光とを混合し、ミリ波あるいはサブミリ波の電磁波を発生させるものである。ビームスプリッタ4のもう一方の出力光を、第3のコヒーレント光であるレーザ光源3の出力光とビームスプリッタ5により重ね合わせ、その出力の一方を光フィルタを通じて出力し、その他の一方の出力光を、第4のコヒーレント光であるレーザ光源4の出力光とビームスプリッタにより重ね合わせる。以下同様に、再帰的にビームスプリッタとレーザ光源と光フィルタを追加して、予定の数だけレーザ光源等を追加することができる。また、ビームスプリッタ5から57を多段階的に接続する代わりに、図には示していないが、1台のスターカプラ等で代用することもできる。
【0060】
予定された最後のビームスプリッタにおいては、その出力の一方を、光フィルタを通じて出力し、その他の一方の出力光を、3次の非線形素子等からなる波長変換器7へ導入し、新たなコヒーレント光を発生させる。この波長変換器7では、上記と同様に、主に四光波混合(FWM)の作用によって多数のコヒーレント光が発生する。これらのコヒーレント光の干渉の結果として得られる比較的低周波数のビート信号を光強度検出器9で検出した後、予め用意されたミリ波あるいはサブミリ波信号源からの信号やRF信号源からの信号の位相との比較を行い、得られた信号を用いて、それぞれに対応したレーザ光源の発振波長の自動調整を行うものである。
【0061】
図6は、図5の構成において、4台のレーザ光源を用いた場合の、それぞれのコヒーレント光、および四光波混合光のスペクトルを示す図である。ここで、図6には波長変換器からの出力光のうち、主要なスペクトル成分のみを示している。特に、図6(a)は、レーザ光源1とレーザ光源2の周波数差をレーザ光源1とレーザ光源4の周波数差の約9倍に広げる場合を示している。図6(a)に示されるように、互いに周波数が接近する2組の四光波混合光が得られ、それらそれぞれに予め決められたRF信号(周波数fL1、fL2)に位相同期することによって、4台のレーザ間の周波数関係が確定し、正確にf12=9f14+3fL2+fL1が成立するようになる。ここで、f12=(ν1−ν2)、f14=(ν1−ν4)、を示すものとする。
【0062】
ここで、f14=fHとなるように制御することにより、入力したミリ波の周波数f12はfHの9倍に高められることになる。従来技術により、100GHz(波長=3mm)程度のミリ波は容易に発生できることから、本発明の装置により、波長1/3mm程度のサブミリ波が得られることになる。また、光出力3からの光を混合することにより、fH、2fH、3fH、6fH、8fHのマルチトーン信号も同時に得ることができる。
【0063】
さらにこの概念を拡張することにより、(N−2)台の補助的なレーザを用いることにより、サブミリ波の周波数をfHの3N-2倍に拡大することが可能である。その限界は、光‐ミリ波変換器の帯域の上限できめられるが、現状では、光‐ミリ波変換器として低温成長GaAs光伝導素子を用いた場合で、数THz程度である。この様に発生したミリ波やサブミリ波は、空間に放射しても導波管で取り出しても配線で取り出してもよい。
【0064】
また、このように多数のレーザを用いる場合は、波長変換器7に達するまでの光路に多数のビームスプリッタの置かれたレーザ光源ほど、より大きな光強度のものを使用することが望ましい。例えば、図6においては、レーザ光源3はレーザ光源4よりも出力を大きくするのがよく、順次大きい順で、レーザ光源5、レーザ光源6・・・とすれば良い。ただし、レーザ光源2の光強度はレーザ光源1の光強度とほぼ同じ大きさにすることが望ましい。これは、光への変調度を1とし、効率的な伝送を行うためである。
【0065】
ただし前述の方法は、OPLLを行うために十分に大きな非線形効果による変換効率が得られることが前提である。実際には周波数差が大きくなればなるほど非線形効率が小さくなるのが普通である。従って、それぞれのレーザ光源の出力の望ましい形態については、上記の大小関係に加えて、3次の非線形効果による変換効率を考慮して決定するのが望ましい。
【0066】
また、図6(b)に示すように、f14=fHとするとき、近似的にf43=2fH、f32=4fHとすることも可能である。この場合は、fH、2fH、4fH、7fHのマルチトーン信号も同時に得ることができる。この様に、ミリ波信号源やRF信号源の周波数の組み合わせを選択することにより、マルチトーン信号の自由度を拡張することができる。そのような周波数の組み合わせと、それから得られるマルチトーン信号の組み合わせを、コンピュータを用いた制御装置に記憶しておき、希望するミリ波周波数に応じて予め記憶された設定を読み出し、それらミリ波信号源やRF信号源の発振周波数を設定する構成とすることにより、自由にミリ波周波数を選択することができる。
【0067】
また、十分に大きな3次の非線形効果による変換効率が得られない場合には、図6(c)に示すように、周波数の拡大率は6倍にとどめて、つまりf12=6fHとしてOPLLへの負担を軽減することも可能である。同図において、ν1と(2ν3−ν2)の間のビート信号は、ν1の大きな光強度を反映してOPLLを行うために十分な強度となる。ν1および3つの四光波混合光から得られる2つのビート信号を、それらそれぞれに予め決められたRF信号(周波数fL1、fL2)に位相同期することによって、4台のレーザ間の周波数関係が確定し、正確にf12=6f14+2fL2+fL1が成立するようになる。ここでf14=fHとなるように制御することにより、入力したミリ波の周波数f12はfHの6倍に高められることになる。さらに、同時に得られるマルチトーン信号は、fH、2fH、3fH、5fHである。
【0068】
[第5実施例]
次に第5の実施例として、発生できる周波数領域をさらに拡張した光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置の例を図7に示す。この例では、上記の図1、図2、あるいは図5の構成に、さらに光変調器18を組み合わせて用いることにより、発生できる周波数領域をさらに拡大したものである。
【0069】
図7の構成では、図1の構成におけるビームスプリッタ5の出力の一方を光フィルタに送り、他方を光変調器18に送る。この光変調器18では入射光を周波数fmのRF信号で変調した後、3次の非線形素子等からなる波長変換器7で混合し、それから光強度検出器9により、低周波数の信号(周波数f2の第2の電磁信号、および周波数f3の第3の電磁信号)に変換するものである。
【0070】
3台のレーザ光源からのコヒーレント光に、あらかじめ周波数fmの強度変調を付加したとすると、それぞれの線スペクトルは周波数間隔fmを隔てて新たに2本のサイドバンド光を伴うようになる。そこでこれら計9本の線スペクトルを3次の非線形媒質に導入すると、FWMによってさらに多くの線スペクトルが発生する。この中から主要なものだけを抜き出して描いたものが図8である。この例では、まず、ν11とν32から発生する周波数2ν11−ν32のFWM光と、ν32とν21から発生する周波数2ν32−ν21のFWM光は周波数が接近するので、これらをOPLL2を使って周波数がfLのRF信号源に対して位相同期をかけることができる。さらにν12とν31の差周波をOPLL1を使って周波数がfHのミリ波信号源と位相同期をかけると、つぎの関係が成り立つ様になる。
【0071】
【数6】
Figure 0003803748
【0072】
このようにして、fHの3倍にfmの6倍を加えたものにほぼ等しい周波数を持つミリ波またはサブミリ波の発生が可能になる。ここで、fmとしては自由な値をとれるので、fHやfLが固定された環境においても(ν1−ν2)の値を自由に設定することができる。ここでは、変調器18として強度変調器を用いて説明したが、その代わりに光位相変調器を使用することもできることは明らかである。
【0073】
また、図7では、波長変換器の直前に光変調器を配置しているが、光変調器を各レーザ光源の直後に配置したり、あるいはレーザ光源を駆動する電流に直接変調を与えて同様の効果を得ることも可能である。ただし、これらの場合、光出力1には変調によって発生するサイドバンド光が混入することになるので、光フィルタ等を用いてこれらを除去する必要がある。
【0074】
また、光源となるレーザとしてモード同期レーザ等のパルスレーザや2モード発振レーザ等を用いることにより、光変調器を用いずに、光変調器を用いる場合と同様の効果を得ることも可能である。ただし、パルスレーザを用いる場合のパルス間隔は、OPLLの応答可能時間よりも十分に短いことが必要である。また、パルスレーザを用いる場合は、光パルスを電気信号に変換した時に得られる最高次の信号を、上記の場合の変調信号とみなすことができる。
【0075】
以上の実施の形態においては、レーザ光源の近くで光学的にミリ波あるいはサブミリ波を発生する装置について説明したが、レーザ光源と光―ミリ波変換器は、光ファイバで結ばれているために、遠隔地にあっても、上記の機能を発揮することができる。例えば、ミリ波やサブミリ波を必要とする電波天文学などをはじめとする分光学的研究において、複数の離れた場所に同一周波数で高安定・高純度で、且つ、周波数可変なミリ波やサブミリ波を容易に供給することができる。
【0076】
さらに、半導体レーザでは、供給電流や印加電圧を変化させることによって、その発振周波数を変化させることができることが知られている。このため、各レーザ装置を制御するコンピュータを用いて、希望するミリ波周波数とそのために必要な倍率が指定されると、あらかじめプログラムされた周波数配置になるように、コンピュータが各レーザの発振周波数を自動的に設定する構成とすることが望ましい。このような構成においては、望ましい周波数配置が得られた後、OPLLを機能させる。
【0077】
【発明の効果】
この発明は上記した構成からなるので、以下に説明するような効果を奏することができる。
【0078】
第1の発明は、第3のコヒーレント光と波長変換素子を新たに用意し、光領域であらかじめ波長変換を行い、ミリ波あるいはサブミリ波の変調信号を通常の光検出器でも検出可能な比較的低い周波数の変調信号に変換することを目的としたものであり、第1のコヒーレント光(周波数ν1)と第2のコヒーレント光(周波数ν2)とを混合して、その差周波数(ν1−ν2あるいはν2−ν1)を持った第1の電磁信号を発生する手段を備えた装置において、さらに、第1のコヒーレント光と第2のコヒーレント光と第3のコヒーレント光(周波数ν3)とを混合する手段と、第1のコヒーレント光と第3のコヒーレント光との混合により第2の電磁信号を発生する手段と、該第2の電磁信号と予め決められた第1の高周波信号とを比較する手段と、上記の比較により得られた情報により、上記の第1のコヒーレント光の波長を調整する手段とを備えた光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置としたので、光領域であらかじめ波長変換を行うことができるようになり、第2の電磁信号のほぼ3倍の周波数をもった電磁波を発生することができる様になった。
【0079】
また、第2の発明では、第1のコヒーレント光(周波数ν1)と第2のコヒーレント光(周波数ν2)とを混合して、その差周波数(ν1−ν2あるいはν2−ν1)を持った第1の電磁信号を発生する手段を備えた装置において、さらに、第1のコヒーレント光と第2のコヒーレント光と第3のコヒーレント光(周波数ν3)とを混合することにより第3の電磁信号を発生する手段と、該第3の電磁信号と予め決められた第2の高周波信号とを比較する手段と、上記の比較により得られた情報により、第3のコヒーレント光の波長を調整する手段と、を備えた光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置としたので、第2の電磁信号のほぼ3倍の周波数をもった安定した電磁波を発生することができる様になった。
【0080】
また、第3の発明では、重ね合わされた第1のコヒーレント光と第2のコヒーレント光と第3のコヒーレント光とを出力する手段をさらに備えたので、種々の周波数の電磁信号を利用し易くなった。
【0081】
また、第4の発明では、第1のコヒーレント光と第2のコヒーレント光と第3のコヒーレント光とを混合する手段は、四光波混合等の非線形光学効果であるように構成したので、第3の電磁信号の周波数を低く抑えることができ、装置が簡単になった。
【0082】
また、第5の発明では、第2の電磁信号と予め決められた第1の高周波信号とを比較する手段は、第2の電磁信号の位相と第1の高周波信号の位相との差を検出する手段であるように構成したので、既に良く知られた位相差検出回路を用いて、レーザ光源からの光の波長を制御することができるようになった。
【0083】
また、第6の発明では、第3の電磁信号と予め決められた第2の高周波信号とを比較する手段は、第3の電磁信号の位相と第2の高周波信号の位相との差を検出する手段であるように構成したので、既に良く知られた位相差検出回路を用いて、レーザ光源からの光の波長を制御することができるようになった。
【0084】
また、第7の発明では、非線形素子に入射する光を変調する事により、ミリ波あるいはサブミリ波の出力周波数をさらに自由に変えられるようになった。
【0085】
また、第8の発明では、周波数軸上において被混合光のそれぞれの位置関係を明確にしたので、ミリ波あるいはサブミリ波の周波数をさらに高めることができるようになった。
【0086】
また、第9ないし第12のそれぞれの発明では、第1あるいは第2の発明と比べてコヒーレント光の光源数を増やした構成になったので、さらに多種類の電磁波が得られるようになった。
【0087】
また、第13の発明では、重ね合わされた第1ないし第Nのコヒーレント光のいずれか複数を出力してそれらを混合して電磁信号にすることにより、種々の電磁波を得る事ができるようになった。
【0088】
また、第14の発明では、コヒーレント光を混合する手段は、非線形光学効果を用いた手段としたので、差周波数が大きい場合でも効果的に混合することができ、容易に種々の電磁波を得る事ができるようになった。
【0089】
また、第15あるいは第16の発明では、位相同期ループ回路を用いて周波数を一致させることができるようになったので、周波数の一致が正確になった。
【0090】
また、第17の発明では、コヒーレント光の光源数を増やした構成になったので、第8の周波数領域をさらに広げることができる様になった。
【0091】
また、第18の発明では、周波数軸上において被混合光のそれぞれの位置関係を明確にしたので、ミリ波あるいはサブミリ波の周波数をさらに高めることができるようになった。
【0092】
また、第19あるいは第20の発明では、コンピュータを用いた制御装置を用いることによって、望みのミリ波あるいはサブミリ波を容易に取り出せる様になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の望ましい構成例を示すブロック図である。
【図2】 本発明の望ましい構成例を示すブロック図である。
【図3】 第1のコヒーレント光と第2のコヒーレント光と第3のコヒーレント光の四光波混合で発生した新たな光波のうち、周波数が(2ν1−ν3)と、(2ν3−ν2)の光の周波数関係を示す図である。
【図4】 ホモダインのOPLLを実現するためのブロック図である。
【図5】 全部でN台のレーザ光源を用いて再帰的に構成した光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置のブロック図である。
【図6】 4台のレーザ光源を用いた場合の、それぞれのコヒーレント光の四光波混合によるスペクトルを示す図である。
【図7】 発生できる周波数領域をさらに拡張した光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置のブロック図である。
【図8】 発生できる周波数領域をさらに拡張した光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置から得られる多くの線スペクトルのうち、主要なものだけを抜き出した図である。
【図9】 第1の従来例を示す図である。
【図10】 第2の従来例を示す図である。
【図11】 OPLL部分を示すブロック図である。
【図12】 ホモダインのOPLL部分を示すブロック図である。
【符号の説明】
1、2、3 レーザ光源
4、5 ビームスプリッタ
6 光フィルタ
7 波長変換器
8 光―ミリ波変換器
9 光強度検出器
10、11 位相比較器
12 RF信号源
13 ミリ波信号源
14 増幅器
15 RF信号源
16 光強度変調器
17 電力増幅器
18 光変調器
19 光―ミリ波変換器
21、22、23、24、25、26、27、28 光ファイバ
30、31 光位相同期部
32 光変調器
40 光位相同期ループフィルタ
50 レーザ光源
51、52、53 ループフィルタ
54、55、56 ローパスフィルタ
57 ビームスプリッタ
58 光フィルタ
59、60 バンドパスフィルタ

Claims (20)

  1. 第1のコヒーレント光(周波数ν1)と第2のコヒーレント光(周波数ν2)とを混合して、その差周波数(ν1−ν2あるいはν2−ν1)を持った第1の電磁信号を発生する手段を備えた装置において、
    第1のコヒーレント光と第2のコヒーレント光とを重畳した光に第3のコヒーレント光(周波数ν3)を重畳して出力する重ね合わせ手段と、
    上記の重ね合わせ手段の出力光を混合する波長変換手段と、
    上記の重畳された光に含まれる第1のコヒーレント光と第3のコヒーレント光とから第2の電磁信号を発生する光強度検出手段と、
    該第2の電磁信号と予め決められた第1の高周波信号とを比較する第1の比較手段と、
    上記の第1の比較手段の比較により得られた信号を帰還して、上記の第1のコヒーレント光の波長を制御する第1の帰還手段と、
    上記の混合により得られる第1のコヒーレント光と第2のコヒーレント光と第3のコヒーレント光との混合光から第3の電磁信号を発生する光強度検出手段と、
    該第3の電磁信号と予め決められた第2の高周波信号とを比較する第2の比較手段と、
    上記の第2の比較手段の比較により得られた信号を帰還して、第3のコヒーレント光の波長を制御する第2の帰還手段と、
    を備えたことを特徴とする光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置。
  2. 第1のコヒーレント光(周波数ν1)と第2のコヒーレント光(周波数ν2)とを混合して、その差周波数(ν1−ν2あるいはν2−ν1)を持った第1の電磁信号を発生する手段を備えた装置において、
    第1のコヒーレント光と第2のコヒーレント光とを重畳した光に第3のコヒーレント光(周波数ν3)を重畳して出力する重ね合わせ手段と、
    上記の重ね合わせ手段の出力光を混合する波長変換手段と、
    上記の波長変換手段の出力を光強度検出手段に入力して得られる電磁信号から、
    第1のコヒーレント光と第3のコヒーレント光の混合による第 2 の電磁信号を選択する濾波手段と、
    第1のコヒーレント光と第1のコヒーレント光と第3のコヒーレント光の混合による第3の電磁信号を選択する濾波手段と、
    該第2の電磁信号と予め決められた第1の高周波信号とを比較する第1の比較手段と、
    上記の第1の比較手段の比較により得られた信号を帰還して、第1のコヒーレント光の波長を制御する第1の帰還手段と、
    該第3の電磁信号と予め決められた第2の高周波信号とを比較する第2の比較手段と、
    上記の第2の比較手段の比較により得られた信号を帰還して、第3のコヒーレント光の波長を制御する第2の帰還手段と、
    を備えたことを特徴とする光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置。
  3. 重ね合わされた第1のコヒーレント光と第2のコヒーレント光と第3のコヒーレント光を分岐して出力する手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置。
  4. 第1のコヒーレント光と第2のコヒーレント光とを重畳した光に第3のコヒーレント光を重畳して混合する波長変換手段は、非線形光学効果を用いて波長変換する手段であることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置。
  5. 第2の電磁信号と予め決められた第1の高周波信号とを比較する手段は、第2の電磁信号の位相と第1の高周波信号の位相との差を検出する手段であることを特徴とする、請求項1、2、3あるいは4のいずれかに記載の光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置。
  6. 第3の電磁信号と予め決められた第2の高周波信号とを比較する手段は、第3の電磁信号の位相と第2の高周波信号の位相との差を検出する手段であることを特徴とする、請求項2、3あるいは4のいずれかに記載の光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置。
  7. 第1のコヒーレント光(周波数ν1)と第2のコヒーレント光(周波数ν2)とを混合して、その差周波数(ν1−ν2あるいはν2−ν1)を持った第1の電磁信号を発生する手段を備えた装置において、
    第1のコヒーレント光を変調して第1のコヒーレント光の側帯波を発生する変調手段と、第2のコヒーレント光を変調して第2のコヒーレント光の側帯波を発生する変調手段と、第3のコヒーレント光(周波数ν3)を変調して第3のコヒーレント光の側帯波を発生する変調手段と、
    第1のコヒーレント光の側帯波と第2のコヒーレント光の側帯波と第3のコヒーレント光の側帯波を重畳して出力する重ね合わせ手段と、
    第1のコヒーレント光の側帯波と2のコヒーレント光の側帯波と第3のコヒーレント光の側帯波とを混合する波長変換手段と、
    上記の重ね合わせにより得られる第1のコヒーレント光の側帯波と第3のコヒーレント光の側帯波とを重ね合わせた光から第2の電磁信号を発生する光強度検出手段と、
    上記の混合により得られる第1のコヒーレント光の側帯波と第2のコヒーレント光の側帯波と第3のコヒーレント光の側帯波との混合光から第3の電磁信号を発生する光強度検出手段、と、
    前記第2の電磁信号と予め決められた第1の高周波信号とを比較する第1の比較手段と、
    前記第3の電磁信号と予め決められた第2の高周波信号とを比較する第2の手段と、
    第1の比較手段の比較により得られた信号を帰還して、上記の第1のコヒーレント光の波長を制御する第1の帰還手段と、
    第2の比較手段の比較により得られた信号を帰還して、上記の第3のコヒーレント光の波長を制御する第2の帰還手段と、
    を備えたことを特徴とする光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置。
  8. 上記の混合される第1のコヒーレント光の側帯波の搬送波に対する位置は、混合される第3のコヒーレント光の側帯波の搬送波に対する位置の反対側であり、また、上記の混合される第3のコヒーレント光の側帯波の搬送波に対する位置は、混合される第2のコヒーレント光の側帯波の搬送波に対する位置の反対側であることを特徴とする請求項7に記載の光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置。
  9. 第1のコヒーレント光(周波数ν1)と第2のコヒーレント光(周波数ν2)とを混合して、その差周波数(ν1−ν2あるいはν2−ν1)を持った第1の電磁信号を発生する手段を備えた装置において、Nを3以上のいずれかの整数とするとき、
    第1から第Nまでのコヒーレント光が伝搬するそれぞれの光路と、
    前記のそれぞれの光路からの光を受け、第1から第Nまでの全てのコヒーレント光が重畳されて伝搬する光路と、
    上記の重畳された第1から第Nまでの全てのコヒーレント光を混合する波長変換手段と、
    上記の波長変換手段から出力される光を光強度検出器に入力しその出力から第1のコヒーレント光と第2のコヒーレント光と第Nのコヒーレント光とを混合した第2の電磁信号を選択する濾波手段と、
    該第2の電磁信号と予め決められた第1の高周波信号とを比較する第1の比較手段と、
    上記の第1の比較手段の比較により得られた信号を帰還して、上記の第1のコヒーレント光の波長を制御する帰還手段と、
    第2のコヒーレント光と第Nのコヒーレント光との周波数差を予め決められた値に保つ帰還手段と、
    を備えたことを特徴とする光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置。
  10. 第1のコヒーレント光(周波数ν1)と第2のコヒーレント光(周波数ν2)とを混合して、その差周波数(ν1−ν2あるいはν2−ν1)を持った第1の電磁信号を発生する手段を備えた装置において、
    Nを3以上のいずれかの整数とし、kを3以上N以下のいずれかの整数とするとき、
    第1から第Nまでの複数のコヒーレント光の伝搬するそれぞれの光路と、前記のそれぞれの光路からの光を受け、第1からNまでの全てのコヒーレント光が重畳されて伝搬する光路と、
    第1から第(N−1)までの複数の高周波信号源と、
    第1のコヒーレント光から第Nのコヒーレント光(周波数νN)までを混合する波長変換手段と、
    上記の混合光を用いて第2から第Nまでの電磁信号を発生する光強度検出手段と、
    前記の複数の電磁信号に含まれ、第1のコヒーレント光と第kのコヒーレント光と第(k−1)のコヒーレント光の混合により波長変換された光を光強度検出手段に入力して発生した電磁信号から第kの電磁信号を選択する濾波手段と、
    該第kの電磁信号と予め決められた第(k−1)の高周波信号とを比較する比較手段と、
    上記の比較により得られた信号を帰還して、第kのコヒーレント光の波長を制御する帰還手段と、
    第1のコヒーレント光と第Nのコヒーレント光とを重ね合わせた光を光強度検出器に入力して第2の電磁信号を発生する手段と、前記の第2の電磁信号と予め与えられた第1の高周波信号とを比較する比較手段と、
    上記の比較により得られた信号を帰還して第1のコヒーレント光の波長を制御する帰還手段と、
    を備えたことを特徴とする光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置。
  11. 第1のコヒーレント光(周波数ν1)と第2のコヒーレント光(周波数ν2)とを混合して、その差周波数(ν1−ν2あるいはν2−ν1)を持った第1の電磁信号を発生する手段を備えた装置において、
    Nを3以上のいずれかの整数とするとき、
    第1から第Nまでの複数のコヒーレント光の伝搬するそれぞれの光路と、
    前記のそれぞれの光路からの光を受け、第1から第Nまでの全てのコヒーレント光が重畳されて伝搬する光路と、
    第2のコヒーレント光と、第2のコヒーレント光の周波数から制御された周波数だけずれた発振周波数をもったコヒーレント光(周波数ν R )と、第Nのコヒーレント光(周波数ν N )とを混合する波長変換手段と、前記の混合光から光強度検出手段により電磁信号を発生する手段と、
    前記電磁信号と予め決められた高周波信号とを比較する比較手段と、
    上記の比較により得られた信号を帰還して、上記の第2のコヒーレント光の波長を制御する帰還手段と、
    第1のコヒーレント光と第Nのコヒーレント光との周波数差を予め決められた値に制御する手段と、
    を備えたことを特徴とする光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置。
  12. 第1のコヒーレント光(周波数ν1)と第2のコヒーレント光(周波数ν2)とを混合して、その差周波数(ν1−ν2あるいはν2−ν1)を持った第1の電磁信号を発生する手段を備えた装置において、
    Nを3以上のいずれかの整数とするとき、
    第1から第Nまでのコヒーレント光の伝搬するそれぞれの光路と、
    前記のそれぞれの光路からの光を受け、第1から第Nまでの全てのコヒーレント光が重畳されて伝搬する光路と、
    第1のコヒーレント光と,第1のコヒーレント光の周波数から制御された周波数だけずれた発振周波数をもったコヒーレント光(周波数νR)と,第Nのコヒーレント光(周波数νN)とを波長変換手段を用いて混合して、光強度検出手段によって電磁信号を発生する手段と、
    前記電磁信号と予め決められた高周波信号とを比較する手段と、
    上記の比較により得られた信号を帰還して、上記の第1のコヒーレント光の波長を制御する手段と、
    第2のコヒーレント光と第Nのコヒーレント光との周波数差を予め決められた値に制御する手段と、
    を備えたことを特徴とする光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置。
  13. 重ね合わされた第1ないし第Nのコヒーレント光のいずれか複数の光を選択して出力する手段を備えたことを特徴とする請求項9ないし請求項12のいずれかに記載の光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置。
  14. コヒーレント光を混合する手段は、2次あるいは3次の非線形光学効果を用いて波長変換する手段であることを特徴とする、請求項9ないし請求項13のいずれかに記載の光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置。
  15. 第2の電磁信号と予め決められた第1の高周波信号とを比較する手段は、第2の電磁信号の位相と第1の高周波信号の位相との差を検出する手段であることを特徴とする、請求項9ないし請求項14のいずれかに記載の光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置。
  16. 第kの電磁信号と予め決められた第(k−1)の高周波信号とを比較する比較手段は、第kの電磁信号の位相と第(k−1)の高周波信号の位相との差を検出して比較する手段であることを特徴とする、請求項10ないし請求項15のいずれかに記載の光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置。
  17. 第1のコヒーレント光(周波数ν1)と第2のコヒーレント光(周波数ν2)とを混合して、その差周波数(ν1−ν2あるいはν2−ν1)を持った第1の電磁信号を発生する手段を備えた装置において、
    Nを3以上のいずれかの整数とし、発生する電磁波には順に番号が付され、この番号の付けられた電磁波に対応する高周波信号には独自に順に番号が付されているものとするとき、
    第1から第Nまでのコヒーレント光(周波数ν1からνN)のすべてか、あるいはそれらの一部をそれぞれ共通にあるいは別々に変調する手段と、
    前記の変調で変調されたコヒーレント光の側帯波を変調されないコヒーレント光の代わりに用いることにより、第2ないし第Nのいずれかまでの電磁信号を発生する手段と、
    これらの電磁信号と予め決められた第1ないし第(N−1)のいずれかまでの高周波信号とを比較する手段と、
    上記の比較により得られた信号を帰還して、上記の第1から第Nまでのいずれかのコヒーレント光の波長を制御する手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項9ないし請求項16のいずれかに記載の光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置。
  18. 上記の混合される第1のコヒーレント光の側帯波の搬送波に対する位置は、上記の混合される第Nのコヒーレント光の側帯波の搬送波に対する位置の反対側であり、また、kを3以上N以下のいずれかの整数とするとき、上記の混合される第kのコヒーレント光の側帯波の搬送波に対する位置は、上記の混合される第(k−1)のコヒーレント光の側帯波の搬送波に対する位置の反対側であることを特徴とする請求項17に記載の光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置。
  19. 目的とする周波数の出力をマルチトーン信号によって得る際に、第1の電磁信号の周波数とそれぞれの高周波信号との周波数を対応づける予め用意した表を参照して、周波数を制御する高周波信号を選択する制御手段を備えた事を特徴とする請求項10ないし請求項12のいずれかに記載の光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置。
  20. 目的とする周波数の出力をマルチトーン信号によって得る際に、第1の電磁信号の周波数とそれぞれの高周波信号との周波数を対応づける予め用意した表を参照して、負帰還を行うコヒーレント光の光源を選択する制御手段を備えた事を特徴とする請求項19に記載の光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置。
JP2001400095A 2001-12-28 2001-12-28 光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置 Expired - Lifetime JP3803748B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001400095A JP3803748B2 (ja) 2001-12-28 2001-12-28 光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001400095A JP3803748B2 (ja) 2001-12-28 2001-12-28 光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003195380A JP2003195380A (ja) 2003-07-09
JP3803748B2 true JP3803748B2 (ja) 2006-08-02

Family

ID=27604843

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001400095A Expired - Lifetime JP3803748B2 (ja) 2001-12-28 2001-12-28 光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3803748B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005001505A1 (en) 2003-06-25 2005-01-06 Canon Kabushiki Kaisha High frequency electrical signal control device and sensing system
CN101090300B (zh) * 2007-07-12 2010-06-30 上海交通大学 在光载无线通信系统中产生和传输多波段信号的方法
JP5271580B2 (ja) * 2008-03-25 2013-08-21 日本電信電話株式会社 高周波数帯雑音発生装置
JP5667021B2 (ja) * 2011-09-22 2015-02-12 日本電信電話株式会社 フォトミキサおよび光電子集積回路
WO2021100101A1 (ja) * 2019-11-19 2021-05-27 三菱電機株式会社 光周波数制御装置、光発振装置、周波数変換装置及び電波発生装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003195380A (ja) 2003-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7085499B2 (en) Agile RF-lightwave waveform synthesis and an optical multi-tone amplitude modulator
US5574588A (en) Phase lock loop circuit using optical correlation detection
US7123402B1 (en) Cloning optical-frequency comb sources
US6963442B2 (en) Low-noise, switchable RF-lightwave synthesizer
JP2017507344A (ja) 安定化マイクロ波周波数源
US7151897B2 (en) Optical clock phase-locked loop circuit
WO2002021649A2 (en) Method and device for generating radiation with stabilized frequency
US20130301664A1 (en) High spectral-purity carrier wave generation by nonlinear optical mixing
WO2005083502A1 (ja) 光クロック抽出装置及び方法
JP4072053B2 (ja) 周波数シンセサイザ
Balakier et al. Optical phase lock loop as high-quality tuneable filter for optical frequency comb line selection
JP3803748B2 (ja) 光学的ミリ波あるいはサブミリ波の発生装置
JPH11317567A (ja) レーザー光発生方法及びその装置
US9935717B2 (en) Optical synthesizer
Hasanuzzaman et al. Cascaded microwave photonic filters for side mode suppression in a tunable optoelectronic oscillator applied to THz signal generation & transmission
Hasanuzzaman et al. Photonic THz generation using optoelectronic oscillator-driven optical frequency comb generator
JP3760239B2 (ja) 2つの連続波レーザ光間の差周波数を安定化させた光信号発生装置
US20060262386A1 (en) Frequency multiplied optical electronic oscillator
US11336377B1 (en) Millimeter-wave frequency synthesizer based on microcomb photomixing, and associated methods
Seeds Photonic techniques for microwave frequency synthesis
CN114285481B (zh) 一种基于主动锁模光电振荡器的双频段微波脉冲产生装置及方法
JP3974255B2 (ja) 周波数可変レーザ光源装置
JP3575653B2 (ja) 超高速同期パルス光源
JP4392162B2 (ja) 光ダウンコンバータ
CN117111338A (zh) 相干双光频梳产生装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050208

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050411

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051018

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060404

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3803748

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term