JP3734668B2 - 情報提供支援方法および装置と情報提供支援プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、WWW(World-Wide Web)を利用した情報提供システムを利用した情報提供支援方法および装置に関し、更に詳しくは、WWWブラウザが情報の要求を代理サーバに行うと、代理サーバがネットワークを介して情報サーバにアクセスし、情報サーバから情報を代理で取得し、この取得した情報をWWWブラウザに返送し、WWWブラウザはこの返送された情報を受信して表示する情報提供システムにおける情報の提供を支援する情報提供支援方法および装置と情報提供支援プログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
WWWを利用した情報提供システムについて図4を参照して説明する。図4に示す情報提供システムは、インターネット1に対して直接または間接的に接続された情報サーバ3aおよび3bと利用者端末50を有する。情報を提供するサーバのうち、情報サーバ3aは、イントラネット8およびファイヤウォール9を介して間接的にインターネット1に接続され、情報サーバ3bは、直接インターネット1に接続されている。
【0003】
また、利用者端末50は、イントラネット8、ファイヤウォール9を介してインターネット1に接続され、情報の要求、受信、表示などを行うWWWブラウザ5およびWWWブラウザ5が要求する情報を代理で情報サーバから取得する代理サーバ7を有する。この代理サーバ7は、WWWブラウザ5からの要求を受け付ける要求受信部11、この要求受信部11で受け付けたWWWブラウザ5からの要求を情報サーバに要求する情報要求部13、情報サーバから返送されてくる情報を受信する情報取得部15、およびこの受信した情報をWWWブラウザ5に返信する情報送信部17を有する。なお、ファイヤウォール8はイントラネット8に接続されている情報サーバ3aなどに対してインターネット1を介した外部からの接続を禁止するものである。
【0004】
このように構成される情報提供システムにおいて、利用者が利用者端末50から取得したい所望の情報のURI(Uniform Resource ID)をWWWブラウザ5 に指示すると(1)、WWWブラウザ5は該URIを代理サーバ7に転送する(2)。代理サーバ7は、URIを受信すると、このURIの情報を情報サーバ3aまたは3bに要求する(3)。
【0005】
情報サーバ3aまたは3bは、代理サーバ7の要求に従って情報を代理サーバ7に返信する(4)。代理サーバ7は、この情報を受信すると、該情報をWWWブラウザ5に転送する(5)。WWWブラウザ5は、この情報を受信して表示する(6)。
【0006】
なお、WWWブラウザ5に表示された情報には通常ハイパーリンクが複数含まれており、利用者はこのリンクをクリックするという1つの動作を行うだけで、再び上述した(1)〜(6)の処理が自動的行われ、これにより現在閲覧している情報の続きを取得することができる。また、情報を閲覧中に有益な情報を発見した場合には、WWWブラウザ5の記憶機能を利用して、この表示中の情報のURIを記憶することも可能である。
【0007】
以上の説明は、代理サーバ7が利用者端末50にある場合であるが、代理サーバがファイヤウォール9に接続されている場合も同様の処理で情報を取得可能である。また、代理サーバが利用者端末50とファイヤウォール9内に存在し、両方を多段接続してアクセスすることも可能である。
【0008】
また、上述した例は、利用者端末50がイントラネット8に接続された例について説明しているが、利用者端末が携帯電話などの一般電話回線を利用し、プロバイダと呼ばれるインターネット接続業者を経由してインターネットに直接接続される場合も同様の処理で情報を取得することができる。
【0009】
以上の処理により利用者は利用者端末からWWWブラウザ5を介して所望の情報を次々と閲覧し記憶することができる。なお、上述したWWWを利用した情報提供システムについては、例えば竹下隆史、伊藤長敏、苅田幸雄著、「マスタリングTCP/IP−インターネットワーク編」、オーム社を参照されたい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の情報提供システムを近年普及が進んでいるモバイル端末を用いて利用した場合、利用者が所望する情報を容易に取得できないという問題がある。
【0011】
更に詳細には、モバイル端末はネットワークへの接続方法が頻繁に変化するという特徴がある。例えば、モバイル端末は、LANで構築されたイントラネットとの接続と携帯電話などを利用したインターネットの接続とを頻繁に行き来する。このような状況で、ある情報がイントラネット内に存在し、同じ内容がコピーされてインターネット上の情報サーバにも存在する場合を考える(このように同じ情報がコピーされて存在する例は、通信コスト削減などの理由によりインターネットではしばしば見られる)。
【0012】
利用者がイントラネットに接続した状態でイントラネット内の情報サーバから情報を取得し、閲覧している際、モバイル端末がインターネット接続の状況に変化したとする。この状況で、WWWブラウザに表示されているページ内に含まれるハイパーリンクのリンク先は、イントラネット内に存在する情報のURIを指している。従って、利用者がこのリンクをクリックしても、インターネットからイントラネット内の情報サーバへのアクセスは禁止されていることから、情報を取得することはできない。またもし利用者が取得したい情報のコピーの存在を知っていても、閲覧したい情報のコピーに該当するURIを調査することは困難であり、またもし調査できた場合であっても、URIを直接入力する作業はハイパーリンクをクリックする作業に比べて利用者に多くの負担を強いることになる。
【0013】
更に上記の例において、利用者がURIを直接入力して続きの情報を取得できた場合にもWWWブラウザの記憶機能に問題が生じる。例えばインターネット上で利用者が自分にとって有益な情報を発見し、そのURIをWWWブラウザに記憶させたとする。この状態で再びイントラネットに戻り、WWWブラウザの記憶機能を利用して情報を再び閲覧しようとすると、WWWブラウザはイントラネット内のサーバにあるオリジナルの情報ではなく、インターネットに公開されている情報を取得することになるため、通信コストが余計にかかることになる。また、この状況を是正するには、URIの直接入力作業やWWWブラウザの記憶機能の変更処理など、利用者に負担を強いていた。
【0014】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、利用者端末が接続されるネットワークの変化に応じて代理サーバがURIを適切に変換することにより利用者に負担を負わせることなく情報を閲覧することができるように支援する情報提供支援方法および装置と情報提供支援プログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、第1の態様の本発明は、WWWブラウザが情報の要求を代理サーバに行うと、代理サーバがネットワークを介して情報サーバにアクセスし、情報サーバから情報を代理で取得し、この取得した情報をWWWブラウザに返送し、WWWブラウザはこの返送された情報を受信して表示する情報提供システムであって、前記代理サーバは、WWWブラウザが動作している利用者端末の計算機資源の状況に対応するURI変換規則を変換テーブルとして登録しておき、WWWブラウザが動作している情報端末の計算機資源の状況を検出し、WWWブラウザからURIを受け取った場合、前記検出した計算機資源の状況に対応するURI変換規則を前記変換テーブルから取得し、この取得したURI変換規則に従ってWWWブラウザから受け取ったURIを変換することを要旨とする。
【0016】
本発明にあっては、代理サーバは利用者端末の計算機資源の状況に対応するURI変換規則を変換テーブルとして登録しておき、WWWブラウザが動作している利用者端末の計算機資源の状況を検出し、URIを受け取った場合、検出した計算機資源の状況に対応するURI変換規則を変換テーブルから取得し、このURI変換規則に従ってURIを変換するため、利用者端末のネットワーク接続状況が変化しても、コピーされた情報のURIの調査、記憶、直接入力などのような利用者の負担を強いることなく、情報収集の作業の続行、情報収集作業をスムーズに実現することができる。
【0017】
また、第2の態様の本発明は、第1の態様の発明において、前記計算機資源の状況の検出が、利用者端末のネットワーク接続機器の接続状況を検出することを要旨とする。
【0018】
本発明にあっては、計算機資源の状況として利用者端末のネットワーク接続機器の接続状況を検出する。
【0019】
更に、第3の態様の本発明は、第1の態様の発明において、前記変換テーブルが、利用者端末のネットワーク接続機器の接続状況に対応してURI変換規則を登録していることを要旨とする。
【0020】
本発明にあっては、変換テーブルは利用者端末のネットワーク接続機器の接続状況に対応してURI変換規則を登録している。
【0021】
第4の態様の本発明は、第1の態様の発明において、前記計算機資源の状況の検出において、2つ以上の計算機資源の状況が検出され、この検出した計算機資源の状況に対応するURI変換規則として変換テーブルから2つ以上のURI変換規則を取得した場合、所望のコストが最小となるURI変換規則を選択することを要旨とする。
【0022】
本発明にあっては、2つ以上のURI変換規則を取得した場合、所望のコストが最小となるURI変換規則を選択するため、利用者が希望するコスト対象項目において最小のコストで情報を取得することができる。
【0023】
また、第5の態様の本発明は、第4の態様の発明において、前記所望のコストとして何を使用するのかを利用者が選択できるようになっていることを要旨とする。
【0024】
本発明にあっては、例えば通信料金や通信速度などのように利用者が希望するコスト評価対象を入力することができる。
【0025】
更に、第6の態様の本発明は、WWWブラウザが情報の要求を代理サーバに行うと、代理サーバがネットワークを介して情報サーバにアクセスし、情報サーバから情報を代理で取得し、この取得した情報をWWWブラウザに返送し、WWWブラウザはこの返送された情報を受信して表示する情報提供システムであって、前記代理サーバは、WWWブラウザが動作している利用者端末の計算機資源の状況に対応するURI変換規則を登録している変換テーブルと、WWWブラウザが動作している利用者端末の計算機資源の状況を検出する計算機資源検出手段と、WWWブラウザからURIを受け取った場合、前記検出した計算機資源の状況に対応するURI変換規則を前記変換テーブルから検索して取得する検索手段と、この取得したURI変換規則に従ってWWWブラウザから受け取ったURIを変換する変換手段とを有することを要旨とする。
【0026】
本発明にあっては、代理サーバは利用者端末の計算機資源の状況に対応するURI変換規則を変換テーブルとして登録しておき、WWWブラウザが動作している利用者端末の計算機資源の状況を検出し、URIを受け取った場合、検出した計算機資源の状況に対応するURI変換規則を変換テーブルから取得し、このURI変換規則に従ってURIを変換するため、利用者端末のネットワーク接続状況が変化しても、コピーされた情報のURIの調査、記憶、直接入力などのような利用者の負担を強いることなく、情報収集の作業の続行、情報収集作業をスムーズに実現することができる。
【0027】
第7の態様の本発明は、第6の態様の発明において、前記計算機資源検出手段が、利用者端末のネットワーク接続機器の接続状況を検出するように構成されていることを要旨とする。
【0028】
本発明にあっては、計算機資源の状況として利用者端末のネットワーク接続機器の接続状況を検出する。
【0029】
また、第8の態様の本発明は、第6の態様の発明において、前記変換テーブルが、利用者端末のネットワーク接続機器の接続状況に対応してURI変換規則を登録するように構成されていることを要旨とする。
【0030】
本発明にあっては、変換テーブルは利用者端末のネットワーク接続機器の接続状況に対応してURI変換規則を登録している。
【0031】
更に、第9の態様の本発明は、第6の態様の発明において、前記計算機資源検出手段が2つ以上の計算機資源の状況を検出し、この検出した計算機資源の状況に対応するURI変換規則として変換テーブルから2つ以上のURI変換規則を取得した場合、各URI変換規則を使用した場合にかかるコストのうち所望のコストが最小になるURI変換規則を選択し得るように各URI変換規則を使用した場合にかかるコストを計算する計算手段を有することを要旨とする。
【0032】
本発明にあっては、2つ以上のURI変換規則を取得した場合、所望のコストが最小となるURI変換規則を選択するため、利用者が希望するコスト対象項目において最小のコストで情報を取得することができる。
【0033】
第10の態様の本発明は、第9の態様の発明において、前記所望のコストとして何を使用するかを利用者が選択可能な入力手段を有することを要旨とする。
【0034】
本発明にあっては、例えば通信料金や通信速度などのように利用者が希望するコスト評価対象を入力することができる。
【0035】
また、第11の態様の本発明は、WWWブラウザが情報の要求を代理サーバに行うと、代理サーバがネットワークを介して情報サーバにアクセスし、情報サーバから情報を代理で取得し、この取得した情報をWWWブラウザに返送し、WWWブラウザはこの返送された情報を受信して表示する情報提供システムにおける情報提供支援プログラムを記録した記録媒体であって、WWWブラウザが動作している利用者端末の計算機資源の状況に対応するURI変換規則を変換テーブルとして登録しておき、WWWブラウザが動作している利用者端末の計算機資源の状況を検出し、WWWブラウザからURIを受け取った場合、前記検出した計算機資源の状況に対応するURI変換規則を前記変換テーブルから取得し、この取得したURI変換規則に従ってWWWブラウザから受け取ったURIを変換する情報提供支援プログラムを記録媒体に記録することを要旨とする。
【0036】
本発明にあっては、代理サーバは利用者端末の計算機資源の状況に対応するURI変換規則を変換テーブルとして登録しておき、WWWブラウザが動作している利用者端末の計算機資源の状況を検出し、URIを受け取った場合、検出した計算機資源の状況に対応するURI変換規則を変換テーブルから取得し、このURI変換規則に従ってURIを変換する情報提供支援プログラムを記録媒体に記録しているため、該記録媒体を用いて、その流通性を高めることができる。
【0037】
更に、第12の態様の本発明は、第11の態様の発明において、前記計算機資源の状況を検出する処理が、利用者端末のネットワーク接続機器の接続状況を検出する情報提供支援プログラムを記録媒体に記録することを要旨とする。
【0038】
本発明にあっては、利用者端末のネットワーク接続機器の接続状況を検出する情報提供支援プログラムを記録媒体に記録しているため、該記録媒体を用いて、その流通性を高めることができる。
【0039】
第13の態様の本発明は、第11の態様の発明において、前記変換テーブルが、利用者端末のネットワーク接続機器の接続状況に対応してURI変換規則を登録している情報提供支援プログラムを記録媒体に記録することを要旨とする。
【0040】
本発明にあっては、変換テーブルは利用者端末のネットワーク接続機器の接続状況に対応してURI変換規則を登録している情報提供支援プログラムを記録媒体に記録しているため、該記録媒体を用いて、その流通性を高めることができる。
【0041】
また、第14の態様の本発明は、第11の態様の発明において、前記計算機資源の状況の検出において、2つ以上の計算機資源の状況が検出され、この検出した計算機資源の状況に対応するURI変換規則として変換テーブルから2つ以上のURI変換規則を取得した場合、所望のコストが最小となるURI変換規則を選択する情報提供支援プログラムを記録媒体に記録することを要旨とする。
【0042】
本発明にあっては、2つ以上のURI変換規則を取得した場合、所望のコストが最小となるURI変換規則を選択する情報提供支援プログラムを記録媒体に記録しているため、該記録媒体を用いて、その流通性を高めることができる。
【0043】
更に、第15の態様の本発明は、第14の態様の発明において、前記所望のコストとして何を使用するのかを利用者が選択できる入力機能を提供するようになっている情報提供支援プログラムを記録媒体に記録することを要旨とする。
【0044】
本発明にあっては、例えば通信料金や通信速度などのように利用者が希望するコスト評価対象を入力する情報提供支援プログラムを記録媒体に記録しているため、該記録媒体を用いて、その流通性を高めることができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る情報提供支援方法を実施する情報提供システムに使用される利用者端末に設けられている代理サーバ10の詳細な構成を示すブロック図である。同図に示す代理サーバ10は、図4に示した代理サーバ7と同様にWWWブラウザ5とともに利用者端末に設けられるものであるが、本実施形態の代理サーバ10は図4の従来の代理サーバ7と異なり、従来の代理サーバ7の構成に加えて、新たにテーブル検索部19、計算機資源監視部21、変換テーブル23、コスト計算部25、コスト項目入力部27、およびURI変換部29を有するものであるため、異なる符号を付されている。
【0046】
代理サーバ10を構成する計算機資源監視部21は、計算機資源検出手段を構成するものであり、WWWブラウザ5が動作している利用者端末の計算機資源の状況、具体的には利用者端末のネットワーク接続機器の接続状況を監視して検出する。変換テーブル23は、WWWブラウザ5が動作している利用者端末の計算機資源の状況、すなわち利用者端末のネットワーク接続機器の接続状況に対応するURI変換規則を登録している。テーブル検索部19は、検索手段を構成し、計算機資源監視部21で検出した計算機資源の状況に対応するURI変換規則を変換テーブル23から検索して取得する。URI変換部29は、変換手段を構成し、テーブル検索部19で取得したURI変換規則に従ってWWWブラウザ5から受け取ったURIを変換するものである。
【0047】
また、コスト計算部25は、計算手段を構成し、計算機資源監視部21が2つ以上の計算機資源の状況を検出し、この検出した計算機資源の状況に対応するURI変換規則として変換テーブル23から2つ以上のURI変換規則を取得した場合、各URI変換規則を使用した場合にかかるコストのうち所望のコストが最小になるURI変換規則を選択し得るように各URI変換規則を使用した場合にかかるコストを計算する。コスト項目入力部27は、入力手段を構成し、コスト計算部25でコストを計算するに当たり、例えば通信料金、通信速度などのうちのいずれを使用するのかを利用者が選択するためのコスト項目を入力するものである。
【0048】
図2は、図1に示した代理サーバ10をWWWブラウザ5とともに備えた利用者端末であるモバイル端末51が接続される情報提供システムの構成を示す図である。図2に示す情報提供システムにおいては、モバイル端末がイントラネット8、ファイヤウォール9を介してインターネット1に接続された場合の構成のものをモバイル端末51aとして示し、プロバイダ31を介してインターネット1に接続された場合の構成のものをモバイル端末51bとして示している。
【0049】
なお、モバイル端末には、ネットワーク機器を付加するためのインタフェースが1つ以上設けられている。モバイル端末を操作するための基本インタフェースであるオペレーティングシステムは、これらのインタフェースにどのようなネットワーク機器が接続されているかを管理している。モバイル端末上で動作するソフトウェアは、このオペレーティングシステムに問い合わせることにより、インタフェースに接続されているネットワーク機器の種類や、実際にネットワーク機器を介してネットワークに接続されているのかを知ることができる。
【0050】
従って、前記計算機資源監視部21は、WWWブラウザ5が動作しているモバイル端末の計算機資源の状況、具体的にはモバイル端末のネットワーク接続機器の接続状況を監視するに当たり、オペレーティングシステムに対してインタフェースに接続されているネットワーク接続機器の種類とその機器がネットワークに実際に接続されているか否かについて問い合わせる。そして、この問い合わせた結果を記憶し、その後は一定時間毎にオペレーティングシステムに同様の問い合わせを行い、ネットワーク接続機器に変化があった場合には、記憶した情報を書き替えるという動作を繰り返し行っている。
【0051】
また、イントラネット8には情報サーバ3aが接続され、インターネット1には情報サーバ3bが接続されている。情報サーバ3aは、情報a,b,cを公開しており、それぞれのURIは次の通りである。
【0052】
【数1】
情報サーバ3aにおける情報aのURI: http://A/a
情報サーバ3aにおける情報bのURI: http://A/b
情報サーバ3aにおける情報cのURI: http://A/c
また、情報サーバ3bには情報サーバ3aが公開している情報のコピーが存在し、それぞれのURIは次の通りである。
【0053】
【数2】
情報サーバ3bにおける情報aのURI: http://B/copy/a
情報サーバ3bにおける情報bのURI: http://B/copy/b
情報サーバ3bにおける情報cのURI: http://B/copy/c
更に、情報サーバ3aおよび情報サーバ3bの各情報a,b,cにはそれぞれハイパーリンクが含まれているが、図2では、各情報a,b,cの下に記載されている「次へ」という文字列が次の情報へのハイパーリンクを含んでいる。すなわち、情報aの場合には、その「次へ」という文字列には情報bへのハイパーリンクが含まれている。
【0054】
なお、ファイヤウォール9は、インターネット1からイントラネット8への通信を制限するために設けられている。従って、プロバイダ31を経由してインターネット1に接続した端末からイントラネット8内の情報サーバ3aにはアクセスできないようになっている。
【0055】
上述した情報提供システムの構成において、前記変換テーブル23は、図3に示す表1のように条件文であるネットワーク接続機器に対応して実行文としてURI変換規則を登録している。この例では、モバイル端末51をモバイル端末51aのようにイントラネット8に接続する場合に使用するネットワーク接続機器をイントラネット接続とし、モバイル端末51bのようにインターネット1に接続する場合に使用するネットワーク接続機器をインターネット接続としている。また、変換規則には正規規則を利用可能としている。
【0056】
次に、以上のように構成される実施形態の作用について説明する。まず、利用者がモバイル端末51をモバイル端末51aとして示すようにイントラネット8に接続している状態からモバイル端末51bとして示すようにプロバイダ31を介してインターネット1に接続するように接続替えしながら、情報a,b,cを引き続き閲覧する場合の動作について説明する。
【0057】
まず、利用者はモバイル端末をモバイル端末51aとして示すようにイントラネット8に接続すると、モバイル端末に設けられている代理サーバ10の計算機資源監視部21は、上述したように、オペレーティングシステムに問い合わせて、ネットワーク接続機器の接続状況が「イントラネット接続」であることを検出し、これを記憶する。
【0058】
次に、利用者は情報サーバ3aが提供している情報aを取得するために、WWWブラウザ5にURIとしてhttp://A/aを入力する。WWWブラウザ5は、このURIを受信すると、このURIを代理サーバ10に送信する。代理サーバ10は、WWWブラウザ5からのURIを要求受信部11で受信すると、このURIをテーブル検索部19に送信する。テーブル検索部19は、計算機資源監視部21からネットワーク接続機器の接続状況として「イントラネット接続」なる情報を取得し、この取得した「イントラネット接続」情報で変換テーブル23を検索し、変換テーブル23にネットワーク接続機器として「イントラネット接続」に合致する条件文があることを識別する。
【0059】
そこで、URI変換部29は、「イントラネット接続」という条件文に対応するURI変換規則を変換テーブル23から取得しようとするが、上述したように入力したhttp://A/aを変換するURI変換規則がないため、代理サーバ10はURIを変更することなく、通常と同様に、情報要求部13からイントラネット8を介して情報サーバ3aに該URIの情報aを要求する。情報サーバ3aは、情報要求部13からの要求に従って情報aを情報取得部15に返信する。代理サーバ10の情報送信部17は情報aを受信すると、該情報aをWWWブラウザ5に転送し、WWWブラウザ5は情報aを受信して表示する。このように情報aがWWWブラウザ5に表示された場合において、該情報aに含まれるリンクのリンク先は、http://A/bとなっている。
【0060】
このような状態において、利用者がモバイル端末をモバイル端末51bとして示すようにプロバイダ31を介してインターネット1に接続替えすると、代理サーバ10の計算機資源監視部21は、上述したように、一定期間毎のオペレーティングシステムへの問い合わせで、ネットワーク接続機器の接続状況が「インターネット接続」に変化したことを検出し、これを記憶する。
【0061】
そして、利用者が情報aの続きを閲覧しようとして、「次へ」のリンクをクリックすると、WWWブラウザ5は代理サーバ10に対してURIとしてhttp://A/bを入力する。代理サーバ10の要求受信部11は、このURIを受信すると、このURIをテーブル検索部19に送信する。テーブル検索部19は、計算機資源監視部21からネットワーク接続機器の接続状況として「インターネット接続」なる情報を取得し、この取得した「インターネット接続」情報で変換テーブル23を検索し、変換テーブル23にネットワーク接続機器として「インターネット接続」に合致する条件文があることを識別する。
【0062】
そこで、URI変換部29は、「インターネット接続」という条件文に対応するURI変換規則を変換テーブル23から取得する。このURI変換規則は、図3に示す表1からわかるように、http://A/*→http://B/copy/*であるので、 この変換規則によりhttp://A/bをhttp://B/copy/bに変換する。以降は通常の処 理と同様に情報サーバ3bにURIの情報bを要求し、情報サーバ3bから情報bを受信して、WWWブラウザ5で表示する。このようにして、利用者は情報bのコピー先のURIを直接入力するという負担もなく、続きの情報bを取得することができるのである。
【0063】
次に、利用者がモバイル端末をモバイル端末51bとして示すようにプロバイダ31を介してインターネット1に接続されている状態からモバイル端末51aとして示すようにイントラネット8に接続替えしながら情報bを閲覧する処理について説明する。
【0064】
利用者は、インターネット1に接続された状態において閲覧した情報(http://B/copy/b)を有益な情報と考えて、WWWブラウザ5に記憶させたとする。そ れから、利用者はモバイル端末をイントラネット8に接続し、WWWブラウザ5の記憶機能を用いて、情報bに再びアクセスしたとする。この状況では、代理サーバ10の計算機資源監視部21は、ネットワーク接続機器の接続状況を「イントラネット接続」として記憶している。従って、WWWブラウザ5は、記憶したhttp://B/copy/bにアクセスするように代理サーバ10に要求する。代理サーバ 10のテーブル検索部19は、変換テーブル23を検索して、「イントラネット接続」の条件文が一致することを検知し、またURI変換部29は、「イントラネット接続」という条件文に対応するURI変換規則としてhttp://B/copy/*があることを識別し、このURI変換規則に従ってhttp://B/copy/bをhttp://A/b に変換する。以降は通常の処理と同様に情報サーバ3aに情報bを要求し、情報サーバ3aから情報bを受信して、WWWブラウザ5で表示する。このようにして、利用者はオリジナル情報のURIの調査やWWWブラウザの記憶機能の編集などの負荷を負うことなく、情報bを取得することができる。
【0065】
次に、利用者がモバイル端末をモバイル端末51aおよびモバイル端末51bとして示すようにプロバイダ31を介してインターネット1に接続されている場合とイントラネット8に接続されている場合のように両方に接続されている場合において情報bを閲覧する動作について説明する。なお、この説明では、代理サーバ10の計算機資源監視部21は、ネットワーク接続機器の接続状況として「インターネット接続およびイントラネット接続」を記憶しているものとする。
【0066】
また、上述したように、モバイル端末がインターネットとイントラネットの両方に接続されるような状況は、例えばモバイル端末にネットワーク接続機器を付加するためのインタフェースとしてモデムによる電話回線インタフェースとLANインタフェースの2種類が設けられていて、電話回線インタフェースでインターネットに接続し、LANインタフェースでイントラネットに接続するような場合に発生する。
【0067】
まず最初に、利用者は、コスト項目入力部27が提供するインタフェース機能を利用して、コストの対象である評価したい項目、すなわちコストとして通信料金のコストを対象としたいのか、または通信速度のコストを対象としたいのかなどのように通信料金や通信速度などのコスト評価項目を入力する。なお、このようにコストとしては、通信料金や通信速度の他に、ビット誤り率、ホップ数などがある。ホップ数とは、ネットワーク上でパケットを送信する際に経由するルータなどの装置数であり、この数が多いほど、情報要求を送信してから情報を受信するまでの応答速度が遅くなる。ホップ数については、例えばウォッシュバーンケビン、エヴンス ジム著、油井尊訳、「TCP/IPバイブル」ソフトバンクを参照されたい。
【0068】
また、コスト項目入力部27が提供するインタフェースは、利用者が選択できるコストをすべて表示し、その中から1つをボタンで選択する方法や、メニューによって選択させる方法などが可能である。
【0069】
コスト項目入力部27は、利用者の操作で入力されたコストを記憶する。すなわち、利用者がコストとして通信料金を少なく押さえたいと考えている場合には、コスト項目入力部27からコスト評価項目として「通信料金」が入力され、記憶される。
【0070】
次に、利用者は情報bにアクセスするために、http://B/copy/をWWWブラウザに入力する。WWWブラウザ5は、この要求を代理サーバ10に送信する。代理サーバ10は、テーブル検索部19が計算機資源監視部21に記憶されているネットワーク接続機器の接続状況と変換テーブル23を照合し、この結果としてインターネット接続とイントラネット接続の2つの条件文に一致することを識別する。そこで、コスト計算部25は、コスト項目入力部27から利用者が入力したコスト評価項目である通信料金が最小になるURI変換規則を選択し得るように各URI変換規則を使用した場合にかかるコストを次のように計算する。なお、コスト計算部25は、予め通信料金のための計算式を記憶しているものとする。
【0071】
【数3】
インターネット接続の場合、1分×10円=10円
イントラネット接続の場合、1分×0円=0円
このようにコスト計算部25が計算した結果から、イントラネット接続のコストが最小であることがわかり、イントラネット接続が選択される。従って、URI変換部29は、イントラネット接続に対応するURI変換規則を使用して、http://B/copy/をhttp://A/bに変換する。以降は通常の処理と同様に情報サーバ3aに情報bを要求し、情報サーバ3aから情報bを受信して、WWWブラウザ5で表示する。このようにして、利用者は希望したコストが最小になる方法で情報bを取得することができる。
【0072】
なお、上記実施形態の情報提供支援方法の処理手順をプログラムとして記録媒体に記録して、この記録媒体をコンピュータシステムに組み込むとともに、該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムにダウンロードまたはインストールし、該プログラムでコンピュータシステムを作動させることにより、情報提供支援方法を実施する情報提供支援装置として機能させることができることは勿論であり、このような記録媒体を用いることにより、その流通性を高めることができるものである。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、利用者端末の計算機資源の状況に対応するURI変換規則を変換テーブルとして登録しておき、WWWブラウザが動作している利用者端末の計算機資源の状況を検出し、URIを受け取った場合、検出した計算機資源の状況に対応するURI変換規則を変換テーブルから取得し、このURI変換規則に従ってURIを変換するので、利用者端末のネットワーク接続状況が変化しても、コピーされた情報のURIの調査、記憶、直接入力などのような利用者の負担を強いることなく、情報収集の作業の続行、情報収集作業をスムーズに実現することができる。
【0074】
また、本発明によれば、2つ以上のURI変換規則を取得した場合、所望のコストが最小となるURI変換規則を選択するので、利用者が希望するコスト対象項目において最小のコストで情報を取得することができる。
【0075】
更に、本発明にあっては、例えば通信料金や通信速度などのように利用者が希望するコスト評価対象を入力でき、このコスト評価対象において最小のコストで情報を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報提供支援方法を実施する情報提供システムに使用される利用者端末に設けられている代理サーバの詳細な構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した代理サーバをWWWブラウザとともに備えた利用者端末であるモバイル端末が接続される情報提供システムの構成を示す図である。
【図3】利用者端末の計算機資源の状況であるネットワーク接続機器の接続状況に対応してURI変換規則を登録している変換テーブルの構成を示す表である。
【図4】WWWを利用した情報提供システムの従来の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 インターネット
3a,3b 情報サーバ
5 WWWブラウザ
8 イントラネット
19 テーブル検索部
21 計算機資源監視部
23 変換テーブル
25 コスト計算部
27 コスト項目入力部
29 URI変換部
Claims (3)
- インターネット上にある情報サーバBと、該インターネットと接続されたイントラネット上にある情報サーバAがあり、前記情報サーバAと前記情報サーバBは同じ情報がコピーされて同じ情報を提供するようになっているネットワーク環境に接続される、利用者端末に設けられた代理サーバにおける処理方法であって、
代理サーバにより、
WWWブラウザが動作している利用者端末の接続状況がインターネット接続か、あるいはイントラネット接続かを識別する第1のステップと、
WWWブラウザからの情報要求を受信する第2のステップと、
該情報要求に含まれるURIが前記情報サーバAを指しており、かつ、利用者端末の接続状況がインターネット接続であるときに、前記情報要求のURIが前記情報サーバBを指すようにURIを変更し、該情報要求に含まれるURIが情報サーバBを指しており、かつ、利用者端末の接続状況がイントラネット接続であるときに、前記情報要求のURIが前記情報サーバAを指すようにURIを変更する第3のステップと、
前記第3のステップにて変更されたURIに基づき、情報サーバAあるいは情報サーバBに情報を要求する第4のステップと、
前記第4のステップにて情報を要求した情報サーバから情報を受信し、受信した情報を前記WWWブラウザに送信する第5のステップと、
を実行することを特徴とする情報提供支援方法。 - インターネット上にある情報サーバBと、該インターネットと接続されたイントラネット上にある情報サーバAがあり、前記情報サーバAと前記情報サーバBは同じ情報がコピーされて同じ情報を提供するようになっているネットワーク環境に接続される、利用者端末に設けられた代理サーバが、
WWWブラウザが動作している利用者端末の接続状況がインターネット接続か、あるいはイントラネット接続かを識別する手段と、
WWWブラウザからの情報要求を受信する手段と、
該情報要求に含まれるURIが前記情報サーバAを指しており、かつ、利用者端末の接続状況がインターネット接続であるときに、前記情報要求のURIが前記情報サーバBを指すようにURIを変更し、該情報要求に含まれるURIが情報サーバBを指しており、かつ、利用者端末の接続状況がイントラネット接続であるときに、前記情報要求のURIが前記情報サーバAを指すようにURIを変更する手段と、
変更されたURIに基づき、情報サーバAあるいは情報サーバBに情報を要求する手段と、
情報を要求した情報サーバから情報を受信し、受信した情報を前記WWWブラウザに送信する手段と、
を有することを特徴とする情報提供支援装置。 - インターネット上にある情報サーバBと、該インターネットと接続されたイントラネット上にある情報サーバAがあり、前記情報サーバAと前記情報サーバBは同じ情報がコピーされて同じ情報を提供するようになっているネットワーク環境に接続される、利用者端末に設けられた代理サーバに対して、
WWWブラウザが動作している利用者端末の接続状況がインターネット接続か、あるいはイントラネット接続かを識別する第1のステップと、
WWWブラウザからの情報要求を受信する第2のステップと、
該情報要求に含まれるURIが前記情報サーバAを指しており、かつ、利用者端末の接続状況がインターネット接続であるときに、前記情報要求のURIが前記情報サーバBを指すようにURIを変更し、該情報要求に含まれるURIが情報サーバBを指しており、かつ、利用者端末の接続状況がイントラネット接続であるときに、前記情報要求のURIが前記情報サーバAを指すようにURIを変更する第3のステップと、
前記第3のステップにて変更されたURIに基づき、情報サーバAあるいは情報サーバBに情報を要求する第4のステップと、
前記第4のステップにて情報を要求した情報サーバから情報を受信し、受信した情報を前記WWWブラウザに送信する第5のステップと、
を実行させることを特徴とする情報提供支援プログラムを記録した記録媒体。
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