JP3640809B2 - 車両間通信方式 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両同士でデータ通信を行う車両間通信方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車載用のナビゲーション装置は、車両の現在位置を検出し、その近傍の地図データをCD−ROMから読み出して画面上に表示する。また、画面中央には自車位置を示す車両位置マークが表示されており、この車両位置マークを中心に車両の進行にしたがって近傍の地図データがスクロールされ、常時自車位置周辺の地図情報がわかるようになっている。
【0003】
また、最近では、ナビゲーション装置に携帯電話や無線機を接続することにより、位置情報を他の車両との間で送受し、自車のナビゲーション装置の画面上に他の車両の位置を表示する車両間通信システムが知られている。例えば、特開平8−82526号公報に開示された「ナビゲーション装置」においては、一方の車両の搭乗者の送信指示によって車両の位置情報が送信される。そして、他方の車両の搭乗者の受信指示によってこの位置情報が受信され、他方の車両に搭載されたナビゲーション装置の表示部に一方の車両の位置が表示される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、他の車両が走行している道路を確認するためには、自車と他の車両との間で位置情報の送受を連続的に行う必要がある。しかしながら、位置情報の送受を連続的に行うと、送受する位置情報のデータ量が多くなり、送信側と受信側双方の通信装置やナビゲーション装置の処理の負担が大きくなる。特に、上述した特開平8−82526号公報に開示された「ナビゲーション装置」においては、位置情報を送信する側の車両の搭乗者によって所定の送信指示を行うとともに、位置情報を受信する側の車両の搭乗者によって所定の受信指示を行う必要があるため、車両間で位置情報の送受を連続して行おうとすると、それぞれの車両の搭乗者が頻繁に送信指示と受信指示を繰り返し行う必要が生じるため、操作が煩雑であった。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、位置情報の送受に伴う処理の負担を軽減するとともに送受信を指示する煩雑な操作が不要な車両間通信方式を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明の車両間通信方式では、一の車両が交差点やT字路等の分岐点を通過する毎に、他の車両に対して自車の位置情報を送信している。分岐路を通過する毎に位置情報が送信されるため、この位置情報を受信した車両のナビゲーション装置では、位置情報の送信元の車両が走行中の道路を特定することができる。特に、分岐点を通過したときにのみ位置情報を送信すればよいため、位置情報の送受信回数、すなわち送受信のデータ量を減らすことができ、送信側および受信側のナビゲーション装置における処理の負担を軽減することができる。
【0007】
また、位置情報を送信する側のナビゲーション装置としては、自車位置を検出する自車位置検出手段と、自車が走行中に分岐点を通過したことを検出する分岐点通過検出手段と、分岐点を通過したときに自車の位置情報を通信装置を介して他車に向けて送信する送信制御手段とを備えることが好ましい。分岐点を通過する毎に自動的に位置情報の送信が行われるため、利用者が頻繁に送信動作を指示するなどの煩雑な操作が不要となる。
【0008】
また、位置情報を受信する側のナビゲーション装置としては、位置情報を通信装置を介して受信する受信制御手段と、受信された位置情報に基づいて他の車両の走行位置を特定する他車位置特定手段と、特定された前記他車の走行位置を地図画像に重ねて表示する他車位置表示手段とを備えることが好ましい。送られてきた位置情報に基づいて自動的に他車の走行位置が特定され、地図画像に重ねて表示されるため、利用者が頻繁に受信動作や表示動作を指示するなどの煩雑な操作が不要となる。
【0009】
また、上述した分岐点を交差点ノードとすることが好ましい。2つの交差点ノードに挟まれた道路(リンク)は一意に決まるため、車両が走行中の道路の特定が容易となる。また、位置情報の受信側のナビゲーション装置に含まれる他車位置表示手段では、他車の走行位置が含まれる道路であって隣接する2つの分岐点に挟まれた道路を強調表示することが好ましい。この範囲の道路の全区間を強調表示することにより、他車の走行道路の把握が容易となる。また、位置情報の受信側のナビゲーション装置に含まれる他車位置表示手段では、他車の走行位置に基づいて、他車が通過した分岐点近傍に進行方向を示す所定のマーク画像を表示するようにしてもよい。通過した分岐点において他車がどの方向に曲がったかを所定のマーク画像(例えば矢印の画像)で示すことにより、他車の走行経路を容易に把握することができる。また、分岐点近傍に所定のマーク画像を表示するだけであるため、他の地図表示の妨げとなることを極力防止することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の車両間通信方式を適用した一実施形態のナビゲーションシステムついて図面を参照しながら説明する。
【0011】
(1)ナビゲーション装置の全体構成
図1は、本実施形態のナビゲーションシステムの全体構成を示す図である。同図に示すナビゲーションシステムは、ナビゲーション装置100および携帯電話機200によって構成されている。
【0012】
ナビゲーション装置100は、システム全体を制御するナビゲーションコントローラ1と、地図表示や経路探索等に必要な各種の地図データを記録したCD−ROM2と、このCD−ROM2に記録された地図データを読み出すディスク読取装置3と、利用者が各種の指示を入力する操作部としてのリモートコントロール(リモコン)ユニット4と、自車位置と自車方位の検出を行うGPS受信機5および自律航法センサ6と、地図画像やこれに重ねて誘導経路等を表示するディスプレイ装置9とを備えている。このナビゲーション装置100には、他車のナビゲーション装置との間で位置情報の送受を行うために携帯電話機200が接続されている。
【0013】
上述したディスク読取装置3は、1枚あるいは複数枚のCD−ROM2が装填可能であり、ナビゲーションコントローラ1の制御によっていずれかのCD−ROM2から地図データの読み出しを行う。リモコンユニット4は、経路探索指示を与えるための探索キー、経路誘導モードの設定に用いる経路誘導モードキー、目的地入力キー、左右上下のカーソルキー、地図の縮小/拡大キー、表示画面上のカーソル位置にある項目の確定を行う設定キー等の各種操作キーを備えており、キーの操作状態に応じた赤外線信号をナビゲーションコントローラ1に向けて送信する。
【0014】
GPS受信機5は、複数のGPS衛星から送られてくる電波を受信して、3次元測位処理あるいは2次元測位処理を行って車両の絶対位置および方位を計算し(車両方位は現時点における自車位置と1サンプリング時間ΔT前の自車位置とに基づいて計算する)、これらを測位時刻とともに出力する。また、自律航法センサ6は、車両回転角度を相対方位として検出する振動ジャイロ等の角度センサと、所定走行距離毎に1個のパルスを出力する距離センサとを備えており、車両の相対位置および方位を検出する。
【0015】
ディスプレイ装置9は、ナビゲーションコントローラ1から出力される画像データに基づいて、自車周辺の地図情報を自車位置を示すマーク画像や他車の位置に関する画像、出発地マーク、目的地マーク等とともに表示したり、この地図上に誘導経路を表示したりする。
【0016】
(2)地図データの詳細内容
次に、CD−ROM2に記録された地図データの詳細について説明する。CD−ROM2に記録された地図データは、所定の経度および緯度で区切られた図葉を単位としており、各図葉の地図データは、図葉番号を指定することにより特定され、読み出すことが可能となる。また、各図葉ごとの地図データには、▲1▼地図表示に必要な各種のデータからなる描画ユニットと、▲2▼マップマッチングや経路探索、経路誘導等の各種の処理に必要なデータからなる道路ユニットと、▲3▼交差点等の詳細データからなる交差点ユニットが含まれている。また、上述した描画ユニットには、VICSセンタから送られてくる渋滞情報に基づいて対応する道路を特定するために必要なVICS変換レイヤのデータと、建物あるいは河川等を表示するために必要な背景レイヤのデータと、市町村名や道路名等を表示するために必要な文字レイヤのデータが含まれている。上述した道路ユニットにおいて、道路上のある交差点等と隣接する他の交差点等とを結ぶ線をリンクといい、2本以上のリンクを結ぶ交差点等をノードという。
【0017】
図2は、上述した道路ユニットの全体構成を示す図である。同図に示すように、道路ユニットには、道路ユニットであることを識別するためのユニットヘッダと、全ノードの詳細データを納めた接続ノードテーブルと、接続ノードテーブルの格納位置を示すノードテーブルと、隣接する2つのノードによって特定されるリンクの詳細データを納めたリンクテーブルとが含まれている。
【0018】
図3は、道路ユニットに含まれる各種のテーブルの詳細な内容を示す図である。ノードテーブルは、図3(A)に示すように、着目している図葉に含まれる全ノードに対応したノードレコード#0、#1、…を格納している。各ノードレコードは、その並び順に#0から順にノード番号が与えられており、各ノードに対応する接続ノードテーブルの格納位置を示す。
【0019】
また、接続ノードテーブルは、図3(B)に示すように、存在するノードのそれぞれ毎に、
a.正規化経度・緯度、
b.このノードが交差点ノードであるか否かを示す交差点ノードフラグ、他の図葉との境界にあるノードであるか否かを示す隣接ノードフラグなどからなる「ノードの属性フラグ」、
c.このノードをリンクの一方端とするリンクがある場合に各リンクの他方端を構成するノードの数を示す「接続しているノードの数」、
d.このノードに接続されているリンクに右折禁止やUターン禁止等の交通規制が存在する場合にはその「交通規制の数」、
e.このノードが一方端となっている各リンクのリンク番号を示すリンク本数分の接続ノードレコード、
f.上述した交通規制が存在する場合にはその数に対応した交通規制の具体的な内容を示す交通規制レコード、
g.このノードが他の図葉との境界にあるノードである場合には、隣接する図葉の対応するノードの接続ノードテーブルの位置を示す「隣接ノードレコード」、
h.このノードが交差点ノードである場合には、交差点ユニットにおける対応する交差点レコードの格納位置およびサイズ、
等が含まれる。
【0020】
また、リンクテーブルは、図3(C)に示すように、着目している図葉に含まれる全てのリンクに対応したリンク番号順の複数のリンクレコードを含んでいる。これらの各リンクレコードは、
a.主に探索経路表示用に各リンクに付されたコードであるリンクID、
b.リンクの両端に位置する2つのノードを特定するノード番号1およびノード番号2、
c.リンクの距離、
d.このリンクの通過に必要な時間を分単位で示したコスト、
e.このリンクがVICSセンタで管理しているVICSリンクと対応しているか否かを示すVICSリンク対応フラグと、このリンクに対応する道路がバイパス道路であるか否かを示すバイパス道路フラグとを含む各種の道路属性フラグ、
f.このリンクに対応した実際の道路が高速道路であるか一般道であるかといった種別を示す道路種別フラグ、
g.このリンクに対応した道路に付された路線番号、
等が含まれる。
【0021】
(3)ナビゲーションコントローラの詳細構成
次に、図1に示したナビゲーションコントローラ1の詳細な構成について説明する。ナビゲーションコントローラ1は、CD−ROM2から読み出した地図データに基づいてディスプレイ装置9に所定の地図表示をするための地図バッファ16、地図読出制御部18、地図描画部20、VRAM22、読出制御部24、画像合成部26と、自車位置の計算やマップマッチング処理を行う車両位置計算部30と、経路探索処理や経路誘導処理を行うとともにその結果を表示するための経路探索処理部36、誘導経路描画部42、マーク画像発生部44と、利用者に対する各種の操作画面を表示したりリモコンユニット4からの操作指示を各部に伝えるためのリモコン制御部60、カーソル位置計算部62、操作画面発生部64と、携帯電話機200を介した自車の位置情報の送信や他車の位置情報の受信を制御したり、他車の位置に関する画像を地図画像に重ねて表示するための送受信制御部50、他車位置特定部52、他車位置描画部54を備えている。
【0022】
地図バッファ16は、ディスク読取装置3によってCD−ROM2から読み出された地図データを一時的に格納するためのものである。読出制御部24によって画面中心位置が計算されると、この画面中心位置を含む所定範囲の地図データの読み出し指示が地図読出制御部24からディスク読取装置3に送られて、地図表示に必要な地図データがCD−ROM2から読み出されて地図バッファ16に格納される。
【0023】
地図描画部20は、地図バッファ16に格納された地図データに含まれる描画ユニットに基づいて、表示に必要な地図画像を作成する。作成された地図画像データはVRAM22に格納され、読出制御部24によって1画面分の地図画像データが読み出される。画像合成部26は、この読み出された地図画像データに、後述するマーク画像発生部44および操作画面発生部64のそれぞれから出力される各画像を重ねて画像合成を行い、合成された画像がディスプレイ装置9の画面に表示される。
【0024】
車両位置計算部30は、GPS受信機5および自律航法センサ6の各検出データに基づいて自車位置を計算するとともに、計算した自車位置が地図データの道路上にない場合には自車位置を修正するマップマッチング処理を行って自車の位置データを生成する。図4は、自車の位置データの一例を示す図である。同図に示すように、自車の位置データには、自車位置の「経度・緯度」、自車の「進行方向」、位置データを生成した「時刻」等が含まれている。
【0025】
また、車両位置計算部30は、地図データとマップマッチング処理後の自車の位置データに基づいて、自車が交差点やT字路等の分岐点を通過したか否かを判定しており、交差点等を通過した場合には、通過直後の自車の位置データを送受信制御部50に出力する。
【0026】
経路探索処理部36は、あらかじめ設定された目的地と出発地との間を所定の条件下で結ぶ走行経路を探索する。誘導経路描画部42は、経路探索処理部36によって設定された誘導経路を地図画像に重ねて描画する。マーク画像発生部44は、自車位置に車両位置マークを発生させたり、所定形状を有するカーソルマークを発生させる。
【0027】
送受信制御部50は、携帯電話機200を介した自車の位置データの送信や他車の位置データの受信を制御するものであり、車両位置計算部30から出力される交差点等を通過直後の自車の位置データを携帯電話機200に出力する。また、送受信制御部50は、携帯電話機200を介して他車の位置データが入力されると、このデータを他車位置特定部52に送る。
【0028】
他車位置特定部52は、他車の位置データと地図データとに基づいて、他車が現在走行中の道路に対応するリンクを特定し、そのリンクIDを他車位置描画部54に送る。他車位置描画部54は、他車リンクデータに基づいて、他車が現在走行している道路を強調した画像を描画する。
【0029】
上述したGPS受信機5、自律航法センサ6、車両位置計算部30が自車位置検出手段に、車両位置計算部30が分岐点通過検出手段に、送受信制御部50が送信制御手段および受信制御手段に、他車位置特定部52が他車位置特定手段に、他車位置描画部54が他車位置表示手段にそれぞれ対応する。
【0030】
(4)送受信時の動作
次に、携帯電話機200を介して自車の位置データを送信する場合および他車の位置データを受信する場合のナビゲーション装置の動作を説明する。なお、以下の説明においては、他車のナビゲーション装置および携帯電話機は、ナビゲーション装置100および携帯電話機200と同様の構成を有しており、送信時および受信時の動作も同じであるものとする。
【0031】
図5は、自車の位置データを送信する場合のナビゲーション装置100の動作手順を示す流れ図である。車両位置計算部30は、GPS受信機5および自律航法センサ6の各検出データに基づいて、自車位置の計算とマップマッチング処理を行い、自車の位置データを生成する(ステップ100)。
【0032】
次に、車両位置計算部30は、自車が交差点等の分岐点を通過したか否かを判定する(ステップ101)。具体的には、車両位置計算部30は、地図バッファ16から出力される地図データに含まれる接続ノードテーブル(図3(B)参照)の「ノードの正規化経度・緯度」、「ノードの属性フラグ」に基づいて、交差点ノードの位置を特定し、さらに、1つ前のタイミングで生成した自車の位置データの「経度・緯度」および今回生成した自車の位置データの「経度・緯度」に基づいて、1つ前のタイミングで生成した自車の位置データが示す自車位置から今回生成した自車の位置データが示す自車位置までのリンクに交差点ノードが存在するか否か、すなわち交差点等を通過したか否かを判定する。
【0033】
図6は、自車位置と交差点の位置関係の一例を示す図である。同図に示す▲1▼〜▲4▼は自車の位置データに対応する位置を示しており、Aは交差点ノード以外のノード、Bは交差点ノードを示している。例えば、1つ前のタイミングで生成した自車の位置データが▲1▼の位置を示しており、今回生成した自車の位置データが▲2▼の位置を示している場合には、▲1▼の位置から▲2▼の位置までの間に道路にノードが存在しないため、車両位置計算部30は交差点を通過していないと判断する。また、1つ前のタイミングで生成した自車の位置データが▲2▼の位置を示しており、今回生成した自車の位置データが▲3▼の位置を示している場合には、▲2▼の位置から▲3▼の位置までの間にノードAが存在するが、ノードAは交差点ノードではないため、車両位置計算部30は交差点を通過していないと判断する。さらに、1つ前のタイミングで生成した自車の位置データが▲3▼の位置を示しており、今回生成した自車の位置データが▲4▼の位置を示している場合には、▲3▼の位置から▲4▼の位置までの間にノードBが存在し、そのノードBは交差点ノードであるため、車両位置計算部30は交差点を通過したと判断する。
【0034】
交差点等を通過していない場合には、再び、自車の位置データの生成(ステップ100)以降の動作が繰り返される。また、交差点等を通過した場合には、車両位置計算部30は、今回生成した自車の位置データ、すなわち交差点等を通過直後の自車の位置データを送受信制御部50に出力し、送受信制御部50は、携帯電話機200に発呼指示を与える等の送信制御を行うことにより、この自車の位置データを他車のナビゲーション装置に向けて送信する(ステップ102)。その後、再び、自車の位置データの生成(ステップ100)以降の動作が繰り返される。
【0035】
図7は、他車の位置データを受信する場合のナビゲーション装置100の動作手順を示す流れ図である。なお、以下の説明においては、他車が現在走行しているリンクは、地図バッファ16に読み出された地図データに含まれているものとする。
【0036】
送受信制御部50は、携帯電話機200の着信制御を行っており、携帯電話機200が他車の位置データを受信すると、そのデータを取り込んで他車位置特定部52に出力する(ステップ200)。他車位置特定部52は、他車が現在走行している道路に対応するリンクを特定し、そのリンクIDを他車位置描画部54へ出力する(ステップ201)。
【0037】
図8は、他車が走行しているリンクとノードの位置関係を示す図である。同図に示す▲1▼〜▲6▼はリンクであり、A、C、Eは交差点ノード、B、Dは交差点ノード以外のノードである。図8において、他車がリンク▲1▼からリンク▲6▼まで走行する場合を考えると、他車のナビゲーション装置は、他車が交差点A、C、Eを通過する毎に、通過直後の他車の位置データをナビゲーション装置100へ送る。したがって、他車位置特定部52は、まず、交差点ノードAを通過した直後の他車の位置データを取得する。
【0038】
上述したように、他車の位置データは他車が交差点等を通過する毎にナビゲーション装置100に送られるものであるから、交差点ノードAを通過した直後の他車の位置データを取得した場合には、次に他車の位置データを取得するまでは、他車は交差点ノードAとCの間のリンク▲2▼、▲3▼のいずれかを走行中ということである。したがって、他車位置特定部52は、交差点ノードAを通過した直後の他車の位置データを取得した場合には、交差点ノードAとCの間のリンク(リンク▲2▼、▲3▼)を他車が現在走行している道路に対応するリンクであると特定し、これらのリンクに対応するリンクIDを他車位置描画部54へ出力する。
【0039】
同様にして、他車位置特定部52は、交差点ノードCを通過した直後の他車の位置データを取得した場合には、リンク▲4▼、▲5▼を他車が現在走行しているリンクと特定して、対応するリンクIDを他車位置描画部54へ出力し、交差点ノードCを通過した直後の他車の位置データを取得した場合には、リンク▲6▼を他車が走行しているリンクと特定して、対応するリンクIDを他車位置描画部54へ出力する。
【0040】
他車位置描画部54は、他車位置特定部52から出力されるリンクIDと地図バッファ16から出力される地図データに基づいて、他車が現在走行している道路を強調した画像を描画する(ステップ202)。他車位置描画部54によって描画された画像は、VRAM22に送られ、地図画像に重ねてディスプレイ装置9に表示される(ステップ203)。表示後は、再び他車の位置データの受信(ステップ200)以降の動作が繰り返される。
【0041】
例えば、他車位置特定部52が他車位置描画部54へリンク▲2▼、▲3▼のリンクIDを送った場合には、他車位置描画部54は、図9(A)に示すように交差点ノードAとCの間のリンク▲2▼、▲3▼を強調表示した画像を描画する。次に、他車位置特定部52が他車位置描画部54へリンク▲4▼、▲5▼のリンクIDを送った場合には、他車位置描画部54は、図9(B)に示すように交差点ノードCとEの間のリンク▲4▼、▲5▼を強調表示した画像を描画する。
【0042】
このように、車両位置計算部30により交差点等を通過したか否かを判定しており、交差点等を通過した場合にのみ、交差点等を通過後の自車の位置データを自動的に他車のナビゲーション装置へ送信する。車両が走行する道路は交差点等を通過する毎に変わるため、一方の車両が走行している道路を他方の車両において確認する場合には、必ずしも一方の車両から他方の車両へ常時位置データを送信する必要はなく、一方の車両が交差点等を通過する毎に位置情報を送信すれば、他方の車両において一方の車両がどの道路を走行しているかを確認することは可能である。したがって、本実施形態のように、自車が交差点等を通過する毎に、その交差点等を通過後の自車の位置データをナビゲーション装置100から他車のナビゲーション装置へ送信することにより、送信する位置データのデータ量および送信回数を低減して、ナビゲーション装置100や携帯電話機200の送信処理の負担と他車のナビゲーション装置や携帯電話機の受信処理の負担を軽減することができる。
【0043】
また、交差点等を通過するタイミングで自車の位置データが送信されるため、自車の搭乗者による送信指示や他車の搭乗者による受信指示は必要なく、双方の搭乗者の操作の負担を軽減することができる。
【0044】
さらに、他車の位置データを受信する場合には、他車位置特定部52によって他車の位置データに基づいて、他車が現在走行している道路に対応するリンクを特定し、他車位置描画部54によって他車が現在走行している道路を強調した画像が描画され、地図画像とともに、ディスプレイ装置9に表示される。したがって、自車の搭乗者は、他車の走行している道路を容易に確認することができる。特に、他車が走行中のリンク全体が強調表示されるため、視覚的に確認しやすい利点もある。
【0045】
ところで、上述した実施形態では、他車が現在走行している道路を強調表示したが、他車がそれまで走行した道路について同様に強調表示してもよい。例えば、上述した図8において、他車がリンク▲1▼からリンク▲5▼まで走行する場合を考えると、他車位置特定部52は、他車が交差点ノードAを通過したときにリンク▲2▼、▲3▼のリンクIDを他車位置描画部54へ出力し、次に他車が交差点ノードCを通過したときにリンク▲4▼、▲5▼のリンクIDを他車位置描画部54へ出力する。
【0046】
他車が現在走行中の道路を「赤」で強調表示し、それまでに走行してきた道路を「青」で強調表示するものとすると、他車位置特定部52がリンク▲2▼、▲3▼のリンクIDを出力したときは、他車位置描画部54は、図10(A)に示すようにそれまで走行していたリンク▲1▼の表示を赤から青に変え、交差点ノードAとCの間のリンク▲2▼と▲3▼を赤で強調表示した画像を描画する。次に、他車位置特定部52がリンク▲4▼、▲5▼のリンクIDを出力したときは、他車位置描画部54は、図10(B)に示すようにそれまで走行していたリンク▲2▼、▲3▼の表示を赤から青に変え、交差点ノードCとEの間のリンク▲4▼と▲5▼を赤で強調表示した画像を描画する。このように、他車の軌跡が表示されることにより、自車の搭乗者は、他車が現在走行している道路だけでなく、それまでに走行してきた道路についても確認することができる。したがって、他車の後を追って走行する場合等において他車が通過した道路および現在走行中の道路の両方が明確にわかるようになる。
【0047】
また、道路を強調表示するのではなく、交差点等における進行方向を表示することによっても、他車が現在走行している道路を確認することができる。例えば、上述した図8において、他車がリンク▲1▼からリンク▲5▼まで走行する場合を考えると、他車位置特定部52は、他車が交差点ノードAを通過したときにリンク▲2▼、▲3▼のリンクIDを他車位置描画部54へ出力し、次に他車が交差点ノードCを通過したときにリンク▲4▼、▲5▼のリンクIDを他車位置描画部54へ出力する。
【0048】
他車位置描画部54は、他車位置特定部52からリンク▲4▼、▲5▼のリンクIDを取得した場合には、リンク▲4▼、▲5▼のリンクIDおよび1つ前のタイミングで取得したリンク▲2▼、▲3▼のリンクIDと、地図バッファ16から出力される地図データに基づいて、リンク▲2▼〜▲5▼の間の交差点ノードCを特定し、図11(A)に示すようにこの交差点ノードCにおける他車の進行方向(リンク▲3▼からリンク▲4▼へ向かう方向)を示す矢印の画像を描画する。この場合には、他車は矢印で指し示された方向の道路を走行していることになるため、この矢印を表示することによって、自車の搭乗者は、他車の走行している道路を確認することができる。また、交差点等を通過する毎に、これらの動作が繰り返されることによって、図11(B)に示すように他車が通過した交差点等に進行方向を示す矢印が表示される。このため、自車の搭乗者は、他車がそれまでに走行してきた道路についても確認することができる。
【0049】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、通信装置として携帯電話機200を用いたが、携帯電話以外の通信装置、例えば無線機を用いて位置データの送受を行うようにしてもよい。
【0050】
また、上述した実施形態では、自車と他車の間で1対1で位置データの送受を行ったが、3台以上の車両同士で位置データの送受を行うようにしてもよい。また、図3に示したように、位置データには、位置データを生成した時刻が含まれているため、これを交差点等の通過時刻としてディスプレイ装置9に表示するようにしてもよい。
【0051】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、一の車両が交差点やT字路等の分岐点を通過する毎に、他の車両に対して自車の位置情報を送信しており、この位置情報を受信した車両のナビゲーション装置では、位置情報の送信元の車両が走行中の道路を特定することができる。特に、分岐点を通過したときにのみ位置情報を送信すればよいため、位置情報の送受信回数、すなわち送受信のデータ量を減らすことができ、送信側および受信側のナビゲーション装置における処理の負担を軽減することができる。また、位置情報を送信する側のナビゲーション装置として、分岐点を通過したときに自車の位置情報を通信装置を介して他車に向けて送信する送信制御手段を備えることにより、分岐点を通過する毎に自動的に位置情報の送信が行われるため、利用者が頻繁に送信動作を指示するなどの煩雑な操作が不要となる。さらに、位置情報を受信する側のナビゲーション装置として、位置情報を通信装置を介して受信する受信制御手段と、受信された位置情報に基づいて他の車両の走行位置を特定して表示する他車位置特定手段、他車位置表示手段とを備えることにより、送られてきた位置情報に基づいて自動的に他車の走行位置の特定と表示が行われるため、利用者が頻繁に受信動作や表示動作を指示するなどの煩雑な操作が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施形態の車載用ナビゲーションシステムの全体構成を示す図である。
【図2】道路ユニットの全体構成を示す図である。
【図3】道路ユニットに含まれる各種テーブルの詳細な内容を示す図である。
【図4】自車の位置データの一例を示す図である。
【図5】自車の位置データを送信する場合のナビゲーション装置の動作手順を示す流れ図である。
【図6】自車位置と交差点の位置関係を示す図である。
【図7】他車の位置データを受信する場合のナビゲーション装置の動作手順を示す流れ図である。
【図8】他車が走行しているリンクとノードの位置関係を示す図である。
【図9】他車が走行している道路を強調表示する場合の表示遷移の一例を示す図である。
【図10】他車が走行している道路とそれまでに走行してきた道路を強調表示する場合の表示遷移の一例を示す図である。
【図11】交差点等における進行方向を示す矢印の表示の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 ナビゲーションコントローラ
5 GPS受信機
6 自律航法センサ
9 ディスプレイ装置
30 車両位置計算部
50 送受信制御部
52 他車位置特定部
54 他車位置描画部
100 ナビゲーション装置
200 携帯電話機
Claims (4)
- 通信装置とナビゲーション装置とを接続することにより、複数の車両に搭載された前記ナビゲーション装置間で車両の位置情報の送受を行い、一の車両が道路の分岐点を通過する毎に、前記一の車両に搭載された前記ナビゲーション装置から他の車両に搭載された前記ナビゲーション装置に対して自車の位置情報を送信する車両間通信方式であって、
前記ナビゲーション装置は、
他の車両から送信されてくる前記位置情報を前記通信装置を介して受信する受信制御手段と、
前記受信制御手段の制御によって受信された前記位置情報に基づいて前記他の車両の走行位置を特定する他車位置特定手段と、
前記他車位置特定手段によって特定された前記他の車両の走行位置を、前記他の車両の走行位置が含まれる道路であって隣接する2つの前記分岐点に挟まれた道路を強調表示することにより、地図画像に重ねて表示する他車位置表示手段と、
を備えることを特徴とする車両間通信方式。 - 請求項1において、
前記他車位置表示手段は、前記他の車両の走行位置に基づいて、前記他の車両が通過した前記分岐点近傍に進行方向を示す所定のマーク画像を表示することを特徴とする車両間通信方式。 - 請求項1または2において、
前記ナビゲーション装置は、
自車位置を検出する自車位置検出手段と、
自車が走行中に前記分岐点を通過したことを検出する分岐点通過検出手段と、
前記分岐点通過検出手段によって前記分岐点の通過が検出されたときに、前記自車位置検出手段による検出結果に基づいて作成される自車の位置情報を前記通信装置を介して送信する送信制御手段と、
を備えることを特徴とする車両間通信方式。 - 請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記分岐点は、交差点ノードであることを特徴とする車両間通信方式。
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