JP3472528B2 - 位相シフトマスク及び位相シフトマスクブランク - Google Patents

位相シフトマスク及び位相シフトマスクブランク

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    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F1/00Originals for photomechanical production of textured or patterned surfaces, e.g., masks, photo-masks, reticles; Mask blanks or pellicles therefor; Containers specially adapted therefor; Preparation thereof
    • G03F1/26Phase shift masks [PSM]; PSM blanks; Preparation thereof
    • G03F1/32Attenuating PSM [att-PSM], e.g. halftone PSM or PSM having semi-transparent phase shift portion; Preparation thereof

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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細パターンの露
光、転写を施す際に用いる位相シフトマスク及びその母
材としての位相シフトマスクブランク等に関し、特に、
ハーフトーン型の位相シフトマスク及び位相シフトマス
クブランク等に関する。
【0002】
【従来の技術】1Mbitに始まったDRAMの高集積
化も、今日では64Mbit、256MbitDRAM
の量産体制が確立されるまでに至っている。この技術革
新の中で露光光源は超高圧水銀灯のg線(436nm)
からi線(365nm)へと短波長化されてきた。そし
て現在もなお、さらなる高集積化を目指して露光波長の
短波長化が検討されている。しかし、通常の光リソグラ
フィー法においては、露光波長の短波長化は解像度を改
善する反面、焦点深度の減少を招く。このことは露光光
学系の設計に対して負担を増大させるばかりでなく、プ
ロセスの安定性を著しく低下させ、ひいては製品の歩留
まりに悪影響を及ぼすという問題をもたらす。
【0003】位相シフト法は、このような問題に対して
有効な超解像パターン転写法の一つである。位相シフト
法では、微細パターンを転写するためのマスクとして位
相シフトマスクが使用される。
【0004】位相シフトマスクは、例えば、マスク上の
パターン部分を形成する位相シフター部と、位相シフタ
ーの存在しない非パターン部分(基板露出部)からな
り、両者を透過してくる光の位相を約180°ずらすこ
とで、パターン境界部分において光を相互干渉させ、こ
の効果により転写像のコントラストを向上させる。さら
に、位相シフト法を用いることにより、必要な解像度を
得るための焦点深度を増大させることが可能となり、ク
ロム膜等からなる一般的な遮光パターンを持つ通常のマ
スクを用いた転写プロセスに比べ、同じ波長の光を用い
ながら解像度の改善とプロセスの適用性の拡大を同時に
向上させることが可能である。
【0005】位相シフトマスクは、位相シフター部の光
透過特性によって、完全透過型(渋谷・レベンソン型)
位相シフトマスクと、ハーフトーン型位相シフトマスク
とに、実用的には大別することができる。前者は、位相
シフター部の光透過率が非パターン部(基板露出部)と
同等であり、露光波長に対してほぼ透明なマスクであっ
て、一般的にラインアンドスペースの転写に有効である
といわれている。一方、後者は、位相シフター部の光透
過率が非パターン部(基板露出部)の数%から数十%程
度であって、半導体製造プロセスにおけるコンタクトホ
ールや孤立パターンの作製に有効であるといわれてい
る。
【0006】図1にハーフトーン型位相シフトマスクブ
ランク、図2にハーフトーン型位相シフトマスクの基本
的な構造をそれぞれ示す。なお、リソグラフィープロセ
スにおいて使用される場合のある反射防止層やエッチン
グストップ層などについては割愛した。ハーフトーン型
位相シフトマスクブランクは透明性基板1上に半透明膜
(ハーフトーン位相シフター膜)2を形成したものであ
る。また、ハーフトーン型位相シフトマスクは、マスク
上のパターン部分を形成する位相シフター部3、位相シ
フターの存在しない非パターン部(基板露出部)4から
なる。ここで、位相シフター部3は、そのエッジ近傍部
分を透過した露光光の位相をシフトさせて位相シフター
としての機能を発揮するとともに、被転写基板上のレジ
ストに対しては露光光を実質的に遮断する遮光機能を有
する。
【0007】ハーフトーン型位相シフトマスクのうちに
は、構造が簡単で製造が容易な単層型のハーフトーン型
位相シフトマスクがある。このような単層型のハーフト
ーン型位相シフトマスクとしては、例えば、特開平5−
127361号公報に記載されたようなCrOx、Cr
N、CrOxy、CrxONy2等のクロム系の材料か
らなる位相シフターを有するものや、特開平6−332
152号公報に記載のMoSiO、MoSiON等のM
oSi系の材料からなる位相シフターを有するもの、あ
るいは、特開平7−261370号公報に記載のSiN
系又はSiO系の材料からなる位相シフターを有するも
の等がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】近年、露光波長の短波
長化とともにハーフトーン型位相シフトマスクの使用が
進んでおり、最近では、i線より短波長の光としてフッ
化クリプトン(KrF)エキシマレーザ光(248n
m)が使用されるようになっている。また、さらなる短
波長光としてフッ化アルゴン(ArF)エキシマレーザ
光(193nm)あるいはフッ素ダイマー(F2)エキ
シマレーザ光(157nm)の使用も提唱されている。
【0009】このような露光波長の短波長化に伴い、対
応する位相シフトマスク及び位相シフトマスクブランク
において重要となることは、使用する露光波長における
透過率、屈折率などの光学係数の制御である。可視から
近紫外領域の場合とは異なり、波長が250nmより短
い領域では多くの物質において、光吸収の度合いが著し
く大きくなるため所望する透過率に制御することが難し
くなる。したがって、i線用のハーフトーン型位相シフ
トマスクは、通常、250nmより短い露光光用のハー
フトーン型位相シフトマスクとしてそのまま使用するこ
とができない。ハーフトーン型位相シフターにおける透
過率の設定は、パターン転写において使用されるレジス
トの感度やパターニングプロセスにもよるが、例えばハ
ーフトーン型位相シフトマスクの場合、露光光の位相を
所定の角度シフトさせる位相シフターの膜厚において露
光光の透過率が3%から20%の範囲で制御できること
が望ましい。
【0010】また、露光波長の短波長化に対応して露光
波長における透過率、屈折率といった上記基本的要求特
性を満足したとしても、検査光の波長(例えば、364
nm、488nm、633nm)に対する透過率が高い
と検査を行うことができず、実用に適さないという問題
がある。したがって、実用化のためには、検査光の波長
に対する透過率を所望の値に制御できることが要求され
る。
【0011】さらに、ハーフトーン型位相シフトマスク
及びこれを作製する母材となるハーフトーン型位相シフ
トマスクブランクには上記特性以外にも、使用するエキ
シマレーザ照射に対して安定であること(耐光性)、マ
スクプロセスに必要不可欠な洗浄プロセスにおける化学
的耐久性(耐薬品性)があることや、マスクの品質を著
しく劣化させるブランク中の微小欠陥を最小限にするこ
と(低欠陥密度)などが要求される。
【0012】詳しくは、露光波長の短波長化は同時に、
単位時間当たりに照射されるエネルギー密度が増大する
ことを意味する。これに対応して、位相シフター層を形
成する膜材料には、高エネルギーの光照射によるダメー
ジで位相シフトマスクとしての機能を損なわないことが
要求される。ここでいうダメージとは、光照射によるシ
フター膜の光特性(屈折率、透過率など)の変化や色欠
陥の発生、膜厚変化、膜質劣化等を意味する。例えば、
深紫外域に波長を有するエキシマレーザを照射した場
合、二光子過程による膜中物質の励起が起こり、これが
膜の光学特性や膜質の変化につながるといわれている
が、その詳細はまだ明らかにされていない。いずれにせ
よ、露光波長の短波長化に伴う高エネルギー光の照射に
おいて、位相シフター膜が高い照射耐性を有しているこ
とも、必要不可欠な条件の一つである。
【0013】また、マスク材料という観点からシフター
膜の材質を考えた場合、マスク作製プロセスにおける酸
やアルカリによる洗浄によって膜が変質したり、溶解し
てはならない。すなわち、露光波長の長短によらず、位
相シフター膜には化学的耐久性が要求される。
【0014】さらに、位相シフトマスクは微細加工を行
うための道具であるという観点から見れば、位相シフト
マスクブランクの加工(パターニング、エッチングな
ど)をより高精度に達成しうる微細加工性が必要であ
り、そのためには位相シフター膜が均質で、かつ膜中に
欠陥がないことが要求される。今後、露光波長の短波長
化とともにマスクパターンのさらなる微細化が進むとい
われており、位相シフター膜中の欠陥はパターン転写の
信頼性を左右する重要な問題となる。
【0015】しかしながら、従来のハーフトーン型位相
シフトマスク及びそのブランクにおいては、露光波長の
短波長化に伴う透過率、屈折率といった基本的要求特
性、及び上述した他の要求特性の全てを十分に満足する
ものは得られていない。
【0016】本発明は上述した背景の下になされたもの
であり、露光光の短波長化に対応した優れたハーフトー
ン型位相シフトマスク及びそのブランクの提供等を目的
とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、以下の構成としてある。
【0018】(構成1)位相シフトマスクを作製するた
めの位相シフトマスクブランクであって、透明性基板を
直接透過する光に対して半透明膜を透過する光に所定量
の位相差を生じさせる機能と光の強度を減衰させる機能
とを有する半透明膜を透明性基板上に形成したハーフト
ーン型位相シフトマスクブランクにおいて、前記半透明
膜が、珪素とパラジウムと、窒素、酸素及び水素から選
ばれる少なくとも一種とを含むことを特徴とするハーフ
トーン型位相シフトマスクブランク。
【0019】(構成2)前記半透明膜中の珪素とパラジ
ウムとの合量が、30〜67原子%であることを特徴と
する構成1記載のハーフトーン型位相シフトマスクブラ
ンク。
【0020】(構成3)前記半透明膜中に含まれる珪素
とパラジウムが下記式(I)で示される関係にあること
を特徴とする構成2記載のハーフトーン型位相シフトマ
スクブランク。
【数4】
【0021】(構成4)前記半透明膜中に含有された窒
素、酸素及び水素から選ばれる少なくとも一種が、珪素
と化学結合を形成してなることを特徴とする構成1ない
し3のいずれかに記載のハーフトーン型位相シフトマス
クブランク。
【0022】(構成5)前記半透明膜が、珪素とパラジ
ウムと、窒素とを含むことを特徴とする構成1ないし4
のいずれかに記載のハーフトーン型位相シフトマスクブ
ランク。
【0023】(構成6)前記半透明膜中の窒素の含有量
が、0より大きく60原子%以下であることを特徴とす
る構成5記載のハーフトーン型位相シフトマスクブラン
ク。
【0024】(構成7)前記半透明膜中の窒素の含有量
が、0より大きく50原子%以下であることを特徴とす
る構成6記載のハーフトーン型位相シフトマスクブラン
ク。
【0025】(構成8)前記半透明膜が、酸素を0〜6
5原子%含有することを特徴とする構成1ないし7のい
ずれかに記載のハーフトーン型位相シフトマスクブラン
ク。
【0026】(構成9)前記半透明膜が、酸素を3〜5
0原子%含有することを特徴とする構成8記載のハーフ
トーン型位相シフトマスクブランク。
【0027】(構成10)位相シフトマスクを作製する
ための位相シフトマスクブランクであって、透明性基板
を直接透過する光に対して半透明膜を透過する光に所定
量の位相差を生じさせる機能と光の強度を減衰させる機
能とを有する半透明膜を透明性基板上に形成したハーフ
トーン型位相シフトマスクブランクにおいて、前記半透
明膜が、金属及び遷移金属から選ばれる少なくとも一つ
の元素M(Mはパラジウム以外の金属又は遷移金属を指
す)と珪素とパラジウムと、窒素、酸素及び水素から選
ばれる少なくとも一種とを含むことを特徴とするハーフ
トーン型位相シフトマスクブランク。
【0028】(構成11)前記半透明膜中の珪素とパラ
ジウムとの合量が、30〜67原子%であることを特徴
とする構成10記載のハーフトーン型位相シフトマスク
ブランク。
【0029】(構成12)前記半透明膜が、前記金属及
び遷移金属から選ばれる少なくとも一つの元素Mを0よ
り大きく20原子%以下含有することを特徴とする構成
10又は11記載のハーフトーン型位相シフトマスクブ
ランク。
【0030】(構成13)前記半透明膜中に含まれる珪
素とパラジウムが下記式(II)で示される関係にある
ことを特徴とする構成12記載のハーフトーン型位相シ
フトマスクブランク。
【数5】
【0031】(構成14)前記半透明膜中に含有された
窒素、酸素及び水素から選ばれる少なくとも一種が、珪
素と化学結合を形成してなることを特徴とする構成10
ないし13のいずれかに記載のハーフトーン型位相シフ
トマスクブランク。
【0032】(構成15)前記金属又は遷移金属から選
ばれる少なくとも一つの元素Mが、コバルト、タンタ
ル、タングステン、モリブデン、クロム、バナジウム、
チタニウム、ニオブ、亜鉛、ジルコニウム、ハフニウ
ム、ゲルマニウム、アルミニウム、白金、マンガン、鉄
から選ばれる少なくとも一つの元素からなることを特徴
とする構成10ないし14のいずれかに記載のハーフト
ーン型位相シフトマスクブランク。
【0033】(構成16)前記半透明膜が、前記金属及
び遷移金属から選ばれる少なくとも一つの元素Mと珪素
とパラジウムと、窒素とを含むことを特徴とする構成1
0ないし15のいずれかに記載のハーフトーン型位相シ
フトマスクブランク。
【0034】(構成17)前記半透明膜中の窒素の含有
量が、0より大きく60原子%以下であることを特徴と
する構成16記載のハーフトーン型位相シフトマスクブ
ランク。
【0035】(構成18)前記半透明膜中の窒素の含有
量が、0より大きく50原子%以下であることを特徴と
する構成17記載のハーフトーン型位相シフトマスクブ
ランク。
【0036】(構成19)前記半透明膜が、酸素を0〜
65原子%含有することを特徴とする構成10ないし1
8のいずれかに記載のハーフトーン型位相シフトマスク
ブランク。
【0037】(構成20)前記半透明膜が、酸素を3〜
50原子%含有することを特徴とする構成19記載のハ
ーフトーン型位相シフトマスクブランク。
【0038】(構成21)前記半透明膜が、位相シフト
マスクブランク及び位相シフトマスクの検査光の波長域
190nm〜650nmにおける所望の検査光に対して
の透過率が40%以下であることを特徴とする構成1な
いし20のいずれかに記載のハーフトーン型位相シフト
マスクブランク。
【0039】(構成22)構成1ないし21のいずれか
に記載の半透明膜の構成元素を含むスパッタリングター
ゲット及びガスを用いてスパッタリング法により透明性
基板上に半透明膜を形成することを特徴とするハーフト
ーン型位相シフトマスクブランクの製造方法。
【0040】(構成23)前記スパッタリングターゲッ
トが、珪素とパラジウムとを含むことを特徴とする構成
22記載のハーフトーン型位相シフトマスクブランクの
製造方法。
【0041】(構成24)前記スパッタリングターゲッ
ト中に含まれる珪素とパラジウムが下記式(III)で
示される関係にあることを特徴とする構成23記載のハ
ーフトーン型位相シフトマスクブランクの製造方法。
【数6】
【0042】(構成25)構成1ないし21のいずれか
に記載のハーフトーン型位相シフトマスクブランクにお
ける半透明膜を、塩素を含むガス及び/又はフッ素を含
むガスを用いたドライエッチングにてエッチング加工を
行うことを特徴とするハーフトーン型位相シフトマスク
の製造方法。
【0043】(構成26)構成1ないし21のいずれか
に記載のハーフトーン型位相シフトマスクブランクを用
い、ウェハーに転写すべき半透明マスクパターンを透明
性基板上に形成したことを特徴とするハーフトーン型位
相シフトマスク。
【0044】(構成27)150nm〜370nmの範
囲の波長領域における所望の露光光に対して、3%〜2
0%の透過率を有し、かつ、位相シフトマスクとして機
能すべく光学設計が施されていることを特徴とする構成
26記載のハーフトーン型位相シフトマスク。
【0045】(構成28)構成26又は27のいずれか
に記載のハーフトーン型位相シフトマスクを用いてパタ
ーン転写を行うことを特徴とするパターン転写方法。
【0046】(構成29)構成26又は27のいずれか
に記載のハーフトーン型位相シフトマスクを用いてパタ
ーン転写を行うことによって作製されたことを特徴とす
る半導体装置。
【0047】
【作用】本発明の基本的条件は、紫外から深紫外までの
露光波長領域に対して使用が可能であることであり、し
たがって、位相シフター膜は、所望の露光光波長、例え
ばフッ化クリプトンエキシマレーザの発振波長である2
48nm、あるいはフッ化アルゴンエキシマレーザの発
振波長である193nmあるいはそれ以外の波長に対し
て、光半透過性を有し、かつ膜作製においてこの光半透
過性を制御できなければならない。また、光半透過性の
他にも光学的屈折率を有し、光半透過性と同様に制御で
きなければならない。屈折率は位相シフターの膜厚と相
関して、位相シフトマスクの重要な要件である位相シフ
ト角を定める。例えば、屈折率が2の場合、位相シフト
角180°が得られる膜厚は、波長248nmでは12
4nm(×N:自然数)であり、同様に波長193nm
では96.5nm(×N:自然数)となる。したがっ
て、所望の光半透過率も実際には、設定された位相シフ
ト角を達成する膜厚条件を満たすことを前提として要求
されるため、これらの数値を制御できることが非常に重
要となる。
【0048】これに対し、特に、本発明では、パラジウ
ムを含有すること、及び膜組成(構成元素及びそれらの
比率)や膜質(結合状態や膜構造を含む)を選択、制御
することで、露光波長に対する透過率や屈折率といった
基本的要求特性を満足するにとどまらず、検査光の波長
域190nm〜650nmにおける所望の検査光に対し
て所望の透過率を有する半透明膜を得ることができる。
【0049】上記構成1によれば、半透明膜が珪素とパ
ラジウムと、窒素、酸素及び水素から選ばれる少なくと
も一種とを含むことで、ハーフトーン型位相シフトマス
クとしての要求特性を全て満たすことが可能となる。す
なわち、構成1の半透明膜は、露光波長に対する透過
率、屈折率といった基本的要求特性の他、検査光の波長
に対する透過率や、耐光性、化学的耐久性(耐薬品
性)、低欠陥密度などの要求特性を全て満たすことが可
能となる。
【0050】上記構成2において、半透明膜中の珪素と
パラジウムとの合量が30原子%未満であると、検査光
波長域での透過率が高すぎて膜の検査が困難となるおそ
れがある。半透明膜中の珪素とパラジウムとの合量が6
7原子%を超えると、露光波長域での透過率が悪くなる
おそれがある。これらと同様の観点から、半透明膜中の
珪素とパラジウムとの合量のより好ましい範囲は、40
〜60原子%である。なお、半透明膜中の珪素の含有量
は、30〜55原子%程度が好ましく、35〜50原子
%がより好ましい。珪素がこの範囲の含有量で存在する
場合には、半透明膜の強度を安定に保ちながら、露光光
に対し適した透過率を有する膜とすることが容易であ
る。また、半透明膜中のパラジウムの含有量は、3〜2
0原子%程度が好ましく、4〜15原子%がより好まし
い。パラジウムがこの範囲の含有量で存在する場合に
は、特に露光波長域の光に対する透過率や屈折率など
の、半透明膜として要求される光学特性を容易に得るこ
とができ、かつ検査光に対して適した透過率を有する膜
を容易に得ることができる。さらに、電気的特性、化学
的耐久性等にも優れた半透明膜とすることが容易であ
る。
【0051】上記構成3によれば、半透明膜中に含まれ
る珪素とパラジウムが式(I)で示される関係にある場
合、半透明膜はハーフトーン型位相シフトマスクとして
の要求特性の全てを容易に満足させることができる。な
お、[膜中のパラジウムの原子%+膜中の珪素の原子
%]に対する[膜中のパラジウム原子%]の比率が、1
0%未満であると、波長全域において光透過性が上昇す
る反面、検査光波長域での透過率が40%以上となり、
実質的に膜の検査が難しくなり、40%を超えると波長
全域、特に露光波長付近の透過率が下がりハーフトーン
型位相シフターとしての機能を低下させる。このよう
に、珪素とパラジウムの比率を上記範囲内とし、さらに
窒素、酸素及び水素から選ばれる少なくとも一種を含有
させることで、透過率、屈折率等の特性をコントロール
することができる。
【0052】上記構成4では、上記構成1ないし3の要
件を満たす半透明膜が、Si−N結合、Si−O結合、
Si−H結合を含有したアモルファス構造膜からなるこ
とが、要求特性の制御、改善のために好ましい。
【0053】上記構成5によれば、特に窒素を必須成分
として含有させることで、半透明膜の透過率や屈折率を
所望の値に制御することが容易となる。
【0054】上記構成6によれば、半透明膜中における
窒素の含有率が60原子%を超えると、波長全域におい
て透過率が上昇するため検査が難しくなる。さらに膜の
抵抗率が上昇し、ブランクの電子線描画の際に膜のチャ
ージアップなどの弊害をもたらす。
【0055】上記構成7では、上記構成6と同様の観点
から、半透明膜中に含有される窒素の好ましい含有量を
さらに規定したものである。
【0056】上記構成8によれば、半透明膜中における
酸素の含有率が65原子%を超えると、波長全域におい
て透過率が上昇するため検査が難しくなることに加え、
膜の抵抗率の上昇や、膜の屈折率の低下をもたらし、電
気的、光学的特性が要求を満たさなくなる。
【0057】上記構成9では、上記構成8と同様の観点
から、半透明膜中に含有される酸素の好ましい含有量を
さらに規定したものである。なお、酸素の含有量を3原
子%以上としたのは、酸素の含有量が3原子%未満であ
ると、例えば光吸収特性と光透過特性とをバランス良く
制御して所望の半透明膜を得るという酸素による効果が
十分に得られないからである。
【0058】上記構成10によれば、半透明膜の主たる
構成元素を、金属及び/又は遷移金属Mと珪素とパラジ
ウムと、窒素、酸素及び水素から選ばれる少なくとも一
種との4元系以上とすることで、ハーフトーン型位相シ
フトマスクとしての要求特性を全て満たすことが可能と
なる。また、構成10では、金属及び/又は遷移金属を
加えることで、要求特性の制御、改善が容易となる。
【0059】上記構成11において、半透明膜中の珪素
とパラジウムとの合量が30原子%未満であると、検査
光波長域での透過率が高すぎて膜の検査が困難となるお
それがある。半透明膜中の珪素とパラジウムとの合量が
67原子%を超えると、露光波長域での透過率が悪くな
るおそれがある。これらと同様の観点から、半透明膜中
の珪素とパラジウムとの合量のより好ましい範囲は、4
0〜60原子%である。なお、半透明膜中の珪素の含有
量は、30〜55原子%程度が好ましく、35〜50原
子%がより好ましい。珪素がこの範囲の含有量で存在す
る場合には、半透明膜の強度を安定に保ちながら、露光
光に対し適した透過率を有する膜とすることが容易であ
る。また、半透明膜中のパラジウムの含有量は、3〜2
0原子%程度が好ましく、4〜15原子%がより好まし
い。パラジウムがこの範囲の含有量で存在する場合に
は、特に露光波長域の光に対する透過率や屈折率など
の、半透明膜として要求される光学特性を容易に得るこ
とができ、かつ検査光に対して適した透過率を有する膜
を容易に得ることができる。さらに、電気的特性、化学
的耐久性等にも優れた半透明膜とすることが容易であ
る。
【0060】上記構成12において、パラジウム以外の
金属又は遷移金属(元素M)の含有量が20原子%を超
えると、露光波長域での透過率が悪くなるおそれがあ
る。なお、半透明膜中の珪素とパラジウムと元素Mとの
合量は、30〜67原子%の範囲であることが好まし
い。合量をこの範囲とすることにより、半透明膜として
要求される光学特性、化学的耐久性を容易に制御するこ
とができ、所望の特性を備えた半透明膜を容易に形成す
ることができる。
【0061】上記構成13によれば、半透明膜が、金属
及び/又は遷移金属Mと珪素とパラジウムと、窒素、酸
素及び水素から選ばれる少なくとも一種とを含み、さら
に、半透明膜中に含まれる珪素とパラジウムの比率を特
定することで、ハーフトーン型位相シフトマスクとして
の要求特性を全て満たすことが可能となる。なお、[膜
中のパラジウムの原子%+膜中の珪素の原子%]に対す
る[膜中のパラジウムの原子%]の比率が、5%未満で
あると、波長全域において光透過性が上昇する反面、検
査光波長域での透過率が40%以上となり、実質的に膜
の検査が難しくなり、40%を超えると波長全域、特に
露光波長付近の透過率が下がりハーフトーン型位相シフ
ターとしての機能を低下させる。
【0062】上記構成14では、上記構成10ないし1
3のいずれかに記載の要件を満たす半透明膜が、Si−
N結合、Si−O結合、Si−H結合を含有したアモル
ファス構造膜からなることが、要求特性の制御、改善の
ために好ましい。
【0063】上記構成15によれば、金属及び/又は遷
移金属Mとしてこれらの元素を用いることで、所望の光
学特性が達成できるだけでなく、膜の電気特性、光学特
性及び化学的耐久性の向上に効果的である。具体的に
は、電気的特性の改善として膜の導電性の向上が、光学
特性の改善として露光波長での透過率制御や、マスクの
検査光波長域での透過率の改善が、化学的耐久性の改善
としてマスクの洗浄工程で使用される酸やアルカリに対
しての耐久性が改善できる。なお、これらの元素のなか
でも、バナジウム(V)を含有させることが好ましい。
バナジウムを含有させることにより、石英等からなる透
明性基板に対する半透明膜のエッチング選択比をより向
上させることができる。
【0064】上記構成16によれば、特に窒素を必須成
分として含有させることで、半透明膜の透過率や屈折率
を所望の値に制御することが容易となる。
【0065】上記構成17によれば、半透明膜中におけ
る窒素の含有率が60原子%を超えると、波長全域にお
いて透過率が上昇するため検査が難しくなる。さらに膜
の抵抗率が上昇し、ブランクの電子線描画の際に膜のチ
ャージアップなどの弊害をもたらす。
【0066】上記構成18では、上記構成17と同様の
観点から、半透明膜中に含有される窒素の好ましい含有
量をさらに規定したものである。
【0067】上記構成19によれば、半透明膜中におけ
る酸素の含有率が65原子%を超えると、波長全域にお
いて透過率が上昇するため検査が難しくなることに加
え、膜の抵抗率の上昇や、膜の屈折率の低下をもたら
し、電気的、光学的特性が要求を満たさなくなる。
【0068】上記構成20では、上記構成19と同様の
観点から、半透明膜中に含有される酸素の好ましい含有
量をさらに規定したものである。なお、酸素の含有量を
3原子%以上としたのは、酸素の含有量が3原子%未満
であると、例えば光吸収特性と光透過特性とをバランス
良く制御して所望の半透明膜を得るという酸素による効
果が十分に得られないからである。
【0069】上記構成21によれば、上記構成1ないし
20において、膜組成(構成元素及びそれらの比率)や
膜質(結合状態や膜構造を含む)を選択、制御すること
で、検査光の波長域190nm〜650nmにおける所
望の検査光に対して40%以下の透過率を有する半透明
膜を得ることができ、したがって、信頼性の高い検査を
行うことが可能なマスクを作製できる。
【0070】上記構成22では、膜質の制御性の広さや
量産性を考慮した場合、現在のところスパッタ法で半透
明膜を形成することが好ましい。
【0071】上記構成23では、スパッタリングターゲ
ットが、珪素とパラジウムとを含むものであることが好
ましいので規定したものである。
【0072】上記構成24では、スパッタリングターゲ
ット中に含まれる珪素とパラジウムが式(III)で示
される関係にあることが好ましいので規定したものであ
る。
【0073】上記構成25によれば、本発明で得られた
半透明膜と、塩素を含むガス及び/又はフッ素を含むガ
スを用いたドライエッチング加工とを組み合わせること
で、優れた微細加工性を実現できる。
【0074】上記構成26によれば、ブランクをパター
ニングすることで、要求特性を全て満たすハーフトーン
型位相シフトマスクが得られる。
【0075】上記構成27によれば、所望の光学特性等
を有するハーフトーン型位相シフトマスクが得られる。
特に、フッ化クリプトン(KrF)エキシマレーザ光
(248nm)、フッ化アルゴン(ArF)エキシマレ
ーザ光(193nm)、あるいはフッ素ダイマー
(F2)エキシマレーザ光(157nm)などの露光光
に対して所望の光学特性等を有するハーフトーン型位相
シフトマスクが得られる。
【0076】上記構成28によれば、本発明のハーフト
ーン型位相シフトマスクを使用してパターン転写を行う
ことで、露光波長の短波長化に対応した転写プロセスが
実現できる。
【0077】上記構成29によれば、本発明のハーフト
ーン型位相シフトマスクを使用してパターン転写を行う
ことで、露光波長の短波長化に対応した微細パターンが
良好に転写された半導体素子などの半導体装置が得られ
る。
【0078】以下、本発明を詳細に説明する。
【0079】本発明では、半透明膜(ハーフトーン型位
相シフター膜)の主たる構成元素が相乗効果的に作用し
て、露光波長に対する透過率、屈折率といった基本的要
求特性の他、検査光の波長に対する透過率や、露光光に
対する耐光性、化学的耐久性(耐薬品性)、低欠陥密度
などのハーフトーン型位相シフトマスクとしての要求特
性を全て満たすことが可能となるものであるが、各元素
は単独では主として以下に示す作用を有する。なお、可
能性だけでなく実際に要求特性を全て満たすためには、
構成元素の比率や膜質(結合状態や膜構造を含む)等を
選択、制御することが重要である。
【0080】半透明膜中に含有される珪素は、同じく膜
中に含有される窒素、酸素、水素と化合して窒化珪素、
酸化珪素、水素化珪素を形成しながら、半透明膜の主た
る構造となり、膜の構造を堅固にし、熱的、化学的安定
性を向上させる作用を有する。なお、珪素と同様の作用
を有するものとしてはアルミニウムがある。
【0081】膜中に含有される窒素、酸素、水素は、各
々単独もしくは重畳して、ハーフトーン型位相シフター
膜としての特性を変化せしめる。
【0082】膜中の窒素は、透過率制御に加えて、主に
屈折率を変化させることに有効である。
【0083】膜中の酸素は、主に透過率制御に有効であ
る。特に、多くの材料で光吸収が生ずる紫外波長域にお
いて、光吸収特性と光透過特性とをバランス良く制御し
て所望の半透明膜を得るためには、半透明膜に酸素を導
入することは効果的である。しかし、膜中への過剰な酸
素の導入は、膜中の酸化物の割合を増加させ、場合によ
っては半透明膜の屈折率の低下につながることがある。
上述のように位相シフト角は、ある光の波長に対して屈
折率と膜厚によって定められることから、屈折率の低下
は位相シフト角180°を得るために必要な膜厚の増加
を意味するため、結果的に所望の透過率(透過量)が得
られなくなる。このことから、所望の露光波長に対して
位相シフターとして機能するためには、十分な透過率を
達成すると同時に、ある程度の屈折率を有することが重
要となる。酸素の過剰添加による屈折率の低下を避ける
ためには、窒素添加による膜中への窒化物の導入による
屈折率の向上が効果的である。
【0084】膜中の水素は、窒素や酸素と同様に透過率
を制御することに有効であると同時に、膜中成分元素の
ダングリングボンドを効果的に終端し、紫外光のような
短波長高エネルギー光に対する膜の安定性を向上させる
ことにも有効である。なお、水素は、窒素及び/又は酸
素とともに膜中に存在させることが好ましい。この場合
において、前述した水素の添加効果が顕著に発揮され
る。珪素とパラジウムと水素の3成分系の半透明膜は、
ハーフトーン膜として所望の光学特性が得られない場合
があり、また膜の安定性が低くなる恐れがある。なお、
膜中における熱的安定性、光化学的安定性を考慮して水
素の導入量を決定する必要がある。
【0085】膜中のパラジウムは、パラジウムを含む膜
の組成(構成元素及びそれらの比率)や膜質(結合状態
や膜構造を含む)を選択、制御することで、露光波長に
対する透過率や屈折率といった基本的要求特性を満足す
るにとどまらず、特に、検査光の波長域190nm〜6
50nmにおける所望の検査光に対して40%以下の透
過率を有する半透明膜を得るために有効である。また、
膜中のパラジウムは、単独あるいは他の金属又は遷移金
属元素とともに、膜の電気特性、光学特性及び化学的耐
久性の向上に効果的である。具体的には、電気的特性の
改善として膜の導電性の向上が、光学特性の改善として
露光波長での透過率制御や、マスクの検査光波長域での
透過率の改善が、化学的耐久性の改善としてマスクの洗
浄工程で使用される酸やアルカリに対しての耐久性が改
善できる。
【0086】膜中の金属又は遷移金属元素Mとしては、
所望の光学特性が達成できるような金属又は遷移金属元
素を適宜選択すればよいが、中でもコバルト、タンタ
ル、タングステン、モリブデン、クロム、バナジウム、
チタニウム、ニオブ、亜鉛、ジルコニウム、ハフニウ
ム、ゲルマニウム、アルミニウム、白金、マンガン、鉄
等が、膜の電気特性、光学特性及び化学的耐久性の制
御、改善に効果的である。
【0087】なお、膜中に含まれる元素及びその比率が
同一であっても、膜の光学特性やその他の特性は膜中に
含まれる実質的な結合によって発揮されるため、膜中に
含まれる実質的な結合を規定することは重要である。さ
らにこれらの結合は、所定の特性を発揮すべく所定量含
まれること、均一に分布すること、結合状態によってア
モルファス構造の膜となることなどが重要となる。具体
的には、例えば、珪素と、窒素、酸素及び水素から選ば
れる少なくとも一種との結合等が少ないと、膜の緻密さ
を向上することが難しくなり、また、膜中に単体で存在
する珪素の割合が多くなると、膜の化学的耐久性や光学
的特性が低下する恐れがある。他の結合に関してもその
有無あるいは多少によって、膜の緻密性、化学的耐久
性、光学的特性、耐光性等が低下する。膜構造がアモル
ファスであるということは、膜内に発生する応力を所望
の値に適宜制御できるだけでなく、光学的に複屈折や散
乱など転写特性を劣化させる現象を生じにくい。さら
に、最終的にパターニングによりマスクを作製するリソ
グラフィー工程において、微細パターンの加工性を顕著
に向上させる。膜中に含まれる実質的な結合を支配する
には、膜の成膜方法や成膜条件、膜組成やターゲット組
成等を選択する必要がある。以上のようなことから、本
発明における半透明膜は、少なくともPd−Si結合
と、Pd−N結合、Pd−O結合又はPd−H結合と、
Si−N結合、Si−O結合又はSi−H結合を実質的
に含有し、必要に応じM−Si結合、M−N結合を実質
的に含有し、かつ、アモルファス構造膜からなること
が、要求特性の制御、改善のために好ましい。なお、各
結合種における「−」の記号は、原子間の結合を意味す
るものであって、単結合に限らず多重結合や、それ以外
の結合状態(例えば、単結合と二重結合の中間の結合)
等も含まれる。
【0088】本発明のハーフトーン型位相シフトマスク
ブランクにおいては、必要に応じ、反射防止層やエッチ
ングストップ層、エッチングマスク層などの他の層を形
成できる。また、透明性基板は、露光光や検査光に対し
て透明であればよく、その材料等は特に制限されない。
【0089】次に、本発明のハーフトーン型位相シフト
マスクブランクの製造方法について説明する。
【0090】半透明膜の成膜方法としては、スパッタ成
膜法、蒸着法、化学気相成長法(CVD)、イオンビー
ム堆積法、電子線蒸着法等の各種薄膜形成方法が挙げら
れる。 これらのうち、マスク材料としての量産性や製
造歩留まり、安定性等を考慮した場合、現在のところ、
半透明膜の構成元素を含むスパッタリングターゲット及
びガスを用いたスパッタ成膜法が有効である。
【0091】半透明膜の主たる構成元素のうち、窒素、
酸素、水素については、これらの元素を含むスパッタガ
スを用いた反応性スパッタ法によってこれらの元素を膜
中に導入する方法と、これらの元素をターゲット中に含
ませておきこれを膜中に導入する方法とがある。
【0092】酸素ガスを導入したプラズマ放電(反応性
スパッタ法)の場合、ターゲット表面に形成される絶縁
酸化物による異常放電がしばしば問題とされる。異常放
電は、ターゲット表面にて発生し微小なパーティクルを
発生させる。このパーティクルは半透明膜中に取り込ま
れ、膜中欠陥として、ハーフトーン型位相シフターの品
質を著しく低下させる。本発明における材料系では、タ
ーゲット中にあらかじめ酸化物を含有させておくことが
可能である。例えば、珪素とパラジウムからなるターゲ
ットの場合、ターゲット中に酸化珪素や酸化パラジウム
を含有させておけばよい。高周波放電の場合は、ターゲ
ットの導電性に関わらず放電が可能なので、酸化物の割
合に制限はない。直流放電や交流放電の場合には、それ
ぞれの放電方式に合わせた導電率の範囲で酸化物をター
ゲット中に含有させればよい。このように、酸化物とし
てターゲット中に含有させることによって、異常放電を
減少させながら効率よく膜中に酸化物を導入することが
可能となる。なお、窒素や水素は、酸素の代わりに添加
することで、酸素反応性スパッタの際に生じやすいプラ
ズマ中の異常放電を減少させ、半透明膜中の欠陥数を減
少させるのに有効である。窒素に関しては、酸素と同様
に、窒化物、酸窒化物としてターゲット中に含有させる
ことによって、効率よく膜中に窒化物を導入することが
可能となる。なお、窒素や水素は、酸素に比較して反応
性スパッタの際の異常放電が発生しにくいため、スパッ
タガスを介して膜中に導入してもよい。
【0093】スパッタガスとしては、窒素、酸素、水素
の他、これらを含むガス、例えば、一酸化窒素、二酸化
窒素、一酸化二窒素、笑気ガス、アンモニアガス、オゾ
ン、水などが挙げられる。これらのガスを単独あるいは
混合して用いたり、さらにヘリウム、アルゴン、キセノ
ンなどのガスと混合して用いることで、窒素、酸素、水
素を容易に膜中に取り込むことが可能である。最終的に
は、目的とする膜組成、膜特性が得られるようなターゲ
ット組成、及びガス組成を適宜選択すればよい。また、
スパッタ方式(直流スパッタ、高周波スパッタ、交流ス
パッタ等)の選択や、スパッタ出力、ガス圧、基板加熱
の有無等のスパッタ条件の選択についても、半透明膜の
材料系や目的とする膜組成、膜特性に応じて、適宜選択
すればよい。
【0094】本発明のハーフトーン型位相シフトマスク
は、上述した本発明のハーフトーン型位相シフトマスク
ブランクを用い、ウェハーに転写すべき半透明マスクパ
ターンを透明性基板上に形成することによって得られ
る。
【0095】ブランク上の半透明膜等のパターニングに
は、リソグラフィー法を用いる。リソグラフィー法とし
ては、一般的なマスク製造プロセスに用いられる方法が
適用できるが、例えば、本発明の半透明膜のパターニン
グについては、CF4、C2 6、CHF3、SF6、NF3
などのフッ素を含むガスや、Cl2、CH2Cl2などの
塩素を含むガス、さらにO2、O3、H2Oなどの酸素を
含むガス等のエッチングガスを適宜混合して用いたドラ
イエッチング方式を好適に使用できる。なお、ドライエ
ッチングにおいて、アルゴン、水素、ヘリウム、あるい
はその他のガスを上記エッチングガスに混合して用い、
エッチング特性の制御を行うことも有効である。
【0096】
【実施例】以下、実施例について説明する。
【0097】実施例1 実施例1では、珪素とパラジウムからなる複合スパッタ
ターゲットを用い、ArとN2とを流量比にして約1対
4の割合で混合したガスをスパッタガスとして用いて、
直流スパッタ成膜によって石英基板上に半透明膜(ハー
フトーン位相シフター膜)を形成した。スパッタガスの
導入条件は、混合ガスの総導入量を30SCCMとした
上で、排気ポンプ直上の圧力調整器にてスパッタ時の装
置内圧力が3mTorrとなるように設定した。このと
き、[膜中のパラジウムの原子%+膜中の珪素の原子
%]に対する[膜中のパラジウムの原子%]の比率が約
20%となるようにターゲット中のパラジウム量を調整
した。具体的には、[ターゲット中のパラジウムの原子
%+ターゲット中の珪素の原子%]に対する[ターゲッ
ト中のパラジウムの原子%]の比率を20%とした。
【0098】このようにして石英基板上に作製したハー
フトーン位相シフター膜について、膜厚を触針法で、透
過率を分光光度計を用いて測定したところ、膜厚は70
9オンク゛ストロームであり、193nmにおける分光透過率は
3.5%であった(図3)。また、同じく、分光光度計
を用いて測定した膜の反射率、透過率、膜厚から屈折率
(n)を計算したところ、屈折率(n)の値は2.36
であり、膜厚709オンク゛ストロームにおいて193nmの波
長の光の位相を180°シフトさせるのに十分であるこ
とを確認した。さらに、検査光波長(364nm)にお
ける分光透過率を同様にして測定したところ28.1%
であった。
【0099】作製したハーフトーン位相シフター膜につ
いて、[膜中のパラジウムの原子%+膜中の珪素の原子
%]に対する[膜中のパラジウムの原子%]の比率は、
19%であった。この測定は、X線光電子分光法(XP
S)により行った。また、作製したハーフトーン位相シ
フター膜について、同じくXPSを用いて測定したとこ
ろ、膜中の珪素とパラジウム窒素の合量は、56原子%
であった。さらに、作製したハーフトーン位相シフター
膜について、同じくXPSを用いて測定したところ、膜
中の珪素、パラジウム、窒素の各含有量はそれぞれ、4
5原子%、11原子%、43原子%であった。以上の結
果を表1に示す。
【0100】
【表1】
【0101】作製したハーフトーン位相シフター膜の化
学的耐久性については、酸への浸漬及び浸漬前後の膜質
変化により評価した。膜厚が709オンク゛ストローム、193
nmにおける分光透過率が3.5%であった上記ハーフ
トーン位相シフター膜を、90℃〜100℃に加熱した
熱濃硫酸へ120分間浸漬した後に、上記と同様に測定
したところ、膜厚は697オンク゛ストローム、193nmにお
ける分光透過率は3.7%であり、酸への浸漬によって
もたらされる位相シフト角のずれは3°以内と十分な熱
濃硫酸に対する耐性を有していた。同様に、過酸化水素
水と硫酸とを1対4の割合で混合した過水硫酸溶液に、
120℃で120分間浸漬した場合についても、十分な
薬液耐性を有していることを確認した。
【0102】作製したハーフトーン位相シフター膜の光
照射耐性に関しては、193nmに発振波長を有するA
rFエキシマレーザを照射し、照射前後における膜の透
過率、屈折率、膜厚を評価した。その結果、単パルス当
たりの照射エネルギー密度が1mJ/cm2であるAr
Fエキシマレーザを107パルス照射した前後におい
て、透過率、屈折率、膜厚に有意な変化は見られず、ハ
ーフトーン位相シフター膜としてその特性は非常に安定
>していた。
【0103】作製したハーフトーン位相シフター膜のエ
ッチングは、反応性イオンエッチングにより行った。こ
の際、エッチングガスとして塩素ガスを用いた。この結
果、石英基板に対して約3.0倍のエッチング選択比を
有しながら良好にエッチングできることを確認した。ま
た、膜構造がアモルファスであるため、エッチングパタ
ーンの側壁も滑らかであった。
【0104】以上の実施例1に示したごとく、ハーフト
ーン位相シフター膜として良好な膜質と、光学特性を兼
ね備えた薄膜の作製が容易に可能であった。
【0105】なお、比較のため、[膜中のパラジウムの
原子%+膜中の珪素の原子%]に対する[膜中のパラジ
ウムの原子%]の比率が10%未満のものでは、検査光
波長における分光透過率が40%を超えてしまった(比
較例3参照)。
【0106】実施例2 実施例2では、珪素とパラジウムからなる複合スパッタ
ターゲットを用い、ArとN2とO2とを流量比にして約
10対37対3の割合で混合したガスをスパッタガスと
して用いて、直流スパッタ成膜によって石英基板上に半
透明膜(ハーフトーン位相シフター膜)を形成した。ス
パッタガスの導入条件は、混合ガスの総導入量を30S
CCMとした上で、排気ポンプ直上の圧力調整器にてス
パッタ時の装置内圧力が3mTorrとなるように設定
した。このとき、[膜中のパラジウムの原子%+膜中の
珪素の原子%]に対する[膜中のパラジウムの原子%]
の比率が約20%となるようにターゲット中のパラジウ
ム量を調整した。具体的には、[ターゲット中のパラジ
ウムの原子%+ターゲット中の珪素の原子%]に対する
[ターゲット中のパラジウムの原子%]の比率を20%
とした
【0107】このようにして石英基板上に作製したハー
フトーン位相シフター膜について、膜厚を触針法で、透
過率を分光光度計を用いて測定したところ、膜厚は11
27オンク゛ストロームであり、193nmにおける分光透過率
は9.1%であった。また、同じく、分光光度計を用い
て測定した膜の反射率、透過率、膜厚から屈折率(n)
を計算したところ、屈折率(n)の値は1.88であ
り、膜厚1127オンク゛ストロームにおいて193nmの波長
の光の位相を180°シフトさせるのに十分であること
を確認した。さらに、検査光波長(364nm)におけ
る分光透過率を同様にして測定したところ36.2%で
あった。
【0108】作製したハーフトーン位相シフター膜につ
いて、[膜中のパラジウムの原子%+膜中の珪素の原子
%]に対する[膜中のパラジウムの原子%]の比率は、
19%であった。また、膜中の珪素とパラジウム窒素の
合量は、46原子%であり、膜中の珪素、パラジウムの
各含有量はそれぞれ、37原子%、9原子%であった。
また、作製したハーフトーン位相シフター膜につい
て、同じくXPSを用いて測定したところ、膜中の窒素
の含有量は15原子%で、酸素の含有量は37原子%で
あった(図4)。なお、図4は、XPSを用いて測定し
た、深さ方向の組成分析結果を示す図であり、横軸はス
パッタリング時間(分)、縦軸は含有量(原子%)をそ
れぞれ示す。以上の結果を表1に示す。
【0109】作製したハーフトーン位相シフター膜の化
学的耐久性については、実施例1と同様に酸への浸漬前
後の膜質、及び光学特性の変化により評価した。その結
果、熱濃硫酸及び過水硫酸への浸漬前後における位相シ
フト角のずれはいずれも2°以下であり、かつ透過率の
変化も0.1%以下であり、非常に良好な薬液耐性を有
していることを確認した。
【0110】作製したハーフトーン位相シフター膜の光
照射耐性に関しては、実施例1と同様に193nmに発
振波長を有し、単パルス当たりの照射エネルギー密度が
1mJ/cm2であるArFエキシマレーザを107パル
ス照射した前後において、透過率、屈折率、膜厚の変化
を測定したが、測定値に有意差は見られず、ハーフトー
ン位相シフター膜としてその特性は非常に安定してい
た。
【0111】作製したハーフトーン位相シフター膜のエ
ッチングは、実施例1と同様に反応性イオンエッチング
により行った。この際、エッチングガスとして塩素ガス
を用いた。この結果、石英基板に対して約2.5倍のエ
ッチング選択比を有しながら良好にエッチングできるこ
とを確認した。また、膜構造がアモルファスであるた
め、エッチングパターンの側壁も滑らかであった。
【0112】以上の実施例2に示したごとく、ハーフト
ーン位相シフター膜として良好な膜質と、光学特性を兼
ね備えた薄膜の作製が容易に可能であった。
【0113】なお、実施例2では、膜中に酸素を導入す
ることで、露光波長域における透過率の向上が図られて
おり、膜中の窒素の作用により高屈折率を維持してい
る。ここで、膜中に適当な量のPdを導入することで光
吸収特性と光透過特性とをバランス良く制御している。
【0114】なお、比較のため、[膜中のパラジウムの
原子%+膜中の珪素の原子%]に対する[膜中のパラジ
ウムの原子%]の比率が40%を超えるものでは、露光
波長における分光透過率が3%未満となった(比較例4
参照)。
【0115】実施例3 実施例3では、珪素とパラジウムとバナジウムからなる
複合スパッタターゲットを用い、ArとN2とを流量比
にして約1対4の割合で混合したガスをスパッタガスと
して用いて、直流スパッタ成膜によって石英基板上に半
透明膜(ハーフトーン位相シフター膜)を形成した。ス
パッタガスの導入条件は、混合ガスの総導入量を30S
CCMとした上で、排気ポンプ直上の圧力調整器にてス
パッタ時の装置内圧力が3mTorrとなるように設定
した。なお、[ターゲット中のパラジウムの原子%+タ
ーゲット中の珪素の原子%]に対する[ターゲット中の
パラジウムの原子%]の比率は8%とした。
【0116】このようにして石英基板上に作製したハー
フトーン位相シフター膜について、膜厚を触針法で、透
過率を分光光度計を用いて測定したところ、膜厚は69
7オンク゛ストロームであり、193nmにおける分光透過率は
4.1%であった。また、同じく、分光光度計を用いて
測定した膜の反射率、透過率、膜厚から屈折率(n)を
計算したところ、屈折率(n)の値は2.41であり、
膜厚697オンク゛ストロームにおいて193nmの波長の光の
位相を180°シフトさせるのに十分であることを確認
した。さらに、検査光波長(364nm)における分光
透過率を同様にして測定したところ36.1%であっ
た。
【0117】作製したハーフトーン位相シフター膜につ
いて、X線光電子分光法(XPS)を用いて測定したと
ころ、[膜中のパラジウムの原子%+膜中の珪素の原子
%]に対する[膜中のパラジウムの原子%]の比率は、
8%であり、また、膜中の珪素とパラジウム窒素の合量
は、45原子%であった。また、作製したハーフトーン
位相シフター膜について、同じくXPSを用いて測定し
たところ、膜中の珪素、パラジウム、バナジウム、窒素
の各含有量はそれぞれ、41原子%、4原子%、10原
子%、44原子%であった。以上の結果を表1に示す。
【0118】作製したハーフトーン位相シフター膜の化
学的耐久性については、実施例1と同様に酸への浸漬前
後の膜質、及び光学特性の変化により評価した。その結
果、熱濃硫酸及び過水硫酸への浸漬前後における位相シ
フト角のずれはいずれも1.5°以下であり、かつ透過
率の変化も0.2%以下であり、十分な薬液耐性を有し
ていることを確認した。
【0119】作製したハーフトーン位相シフター膜の光
照射耐性に関しては、実施例1と同様に193nmに発
振波長を有し、単パルス当たりの照射エネルギー密度が
1mJ/cm2であるArFエキシマレーザを107パル
ス照射した前後において、透過率、屈折率、膜厚の変化
を測定したが、測定値に有意差は見られず、ハーフトー
ン位相シフター膜としてその特性は非常に安定してい
た。
【0120】作製したハーフトーン位相シフター膜のエ
ッチングは、実施例1と同様に反応性イオンエッチング
により行った。この際、エッチングガスとして塩素ガス
を用いた。この結果、石英基板に対して約8.0倍のエ
ッチング選択比を有しながら良好にエッチングできるこ
とを確認した。また、膜構造がアモルファスであるた
め、エッチングパターンの側壁も滑らかであった。
【0121】以上の実施例3に示したごとく、4元系と
することで石英基板に対するエッチング選択比が大きく
なり、ハーフトーン位相シフター膜として良好な膜質
と、加工性を兼ね備えた薄膜の作製が容易に可能であっ
た。
【0122】比較のため、[膜中のパラジウムの原子%
+膜中の珪素の原子%]に対する[膜中のパラジウムの
原子%]の比率が、5%未満のものでは、検査光波長に
おける分光透過率が40%を超えてしまった(比較例5
参照)。
【0123】実施例4 実施例4では、珪素とパラジウムとバナジウムからなる
複合スパッタターゲットを用い、ArとN2とO2とを流
量比にして約10対38対2の割合で混合したガスをス
パッタガスとして用いて、直流スパッタ成膜によって石
英基板上に半透明膜(ハーフトーン位相シフター膜)を
形成した。スパッタガスの導入条件は、混合ガスの総導
入量を30SCCMとした上で、排気ポンプ直上の圧力
調整器にてスパッタ時の装置内圧力が3mTorrとな
るように設定した。なお、[ターゲット中のパラジウム
の原子%+ターゲット中の珪素の原子%]に対する[タ
ーゲット中のパラジウムの原子%]の比率は8%とし
た。
【0124】このようにして石英基板上に作製したハー
フトーン位相シフター膜について、膜厚を触針法で、透
過率を分光光度計を用いて測定したところ、膜厚は10
06オンク゛ストロームであり、193nmにおける分光透過率
は6.0%であった(図5)。また、同じく、分光光度
計を用いて測定した膜の反射率、透過率、膜厚から屈折
率(n)を計算したところ、屈折率(n)の値は1.9
9であり、膜厚1006オンク゛ストロームにおいて193nm
の波長の光の位相を180°シフトさせるのに十分であ
ることを確認した。さらに、検査光波長(364nm)
における分光透過率を同様にして測定したところ39.
8%であった。
【0125】作製したハーフトーン位相シフター膜につ
いて、X線光電子分光法(XPS)を用いて測定したと
ころ、[膜中のパラジウムの原子%+膜中の珪素の原子
%]に対する[膜中のパラジウムの原子%]の比率は、
8%であり、また、膜中の珪素とパラジウム窒素の合量
は、41原子%であった。また、作製したハーフトーン
位相シフター膜について、同じくXPSを用いて測定し
たところ、膜中の珪素、パラジウム、バナジウム、窒
素、酸素の各含有量はそれぞれ、37原子%、4原子
%、9原子%、12原子%、38原子%であった。以上
の結果を表1に示す。
【0126】作製したハーフトーン位相シフター膜の化
学的耐久性については、実施例1と同様に酸への浸漬前
後の膜質、及び光学特性の変化により評価した。その結
果、熱濃硫酸及び過水硫酸への浸漬前後における位相シ
フト角のずれはいずれも1°以下であり、かつ透過率の
変化も0.1%以下であり、十分な薬液耐性を有してい
ることを確認した。
【0127】作製したハーフトーン位相シフター膜の光
照射耐性に関しては、実施例1と同様に193nmに発
振波長を有し、単パルス当たりの照射エネルギー密度が
1mJ/cm2であるArFエキシマレーザを107パル
ス照射した前後において、透過率、屈折率、膜厚の変化
を測定したが、測定値に有意差は見られず、ハーフトー
ン位相シフター膜としてその特性は非常に安定してい
た。
【0128】作製したハーフトーン位相シフター膜のエ
ッチングは、実施例1と同様に反応性イオンエッチング
により行った。この際、エッチングガスとして塩素ガス
を用いた。この結果、石英基板に対して約5.1倍のエ
ッチング選択比を有しながら良好にエッチングできるこ
とを確認した。また、膜構造がアモルファスであるた
め、エッチングパターンの側壁も滑らかであった。
【0129】以上の実施例4に示したごとく、5元系と
することで特に優れた薬液耐性と石英基板に対する良好
なエッチング選択比が得られ、ハーフトーン位相シフタ
ー膜として良好な膜質と、加工性を兼ね備えた薄膜の作
製が容易に可能であった。
【0130】比較のため、[膜中のパラジウムの原子%
+膜中の珪素の原子%]に対する[膜中のパラジウムの
原子%]の比率が40%を超えるものでは、露光波長に
おける分光透過率が3%未満となった。
【0131】実施例5 バナジウムの代わりに、タングステン、モリブデン、チ
タニウム、ニオブ、ジルコニウム、ハフニウム、を用
い、ターゲット組成及びガス組成を適宜調整したこと以
外は実施例3〜4と同様にして評価を行った。その結
果、実施例3〜4と同様に、ハーフトーン位相シフター
膜として良好な膜質と、光学特性を兼ね備えた薄膜の作
製が容易に可能であることを確認した。
【0132】比較例1 比較例1では、珪素からなるスパッタターゲットを用
い、ArとN2とを流量比にして約1対4の割合で混合
したガスをスパッタガスとして用いて、直流スパッタ成
膜によって石英基板上に半透明膜(ハーフトーン位相シ
フター膜)を形成した。スパッタガスの導入条件は、混
合ガスの総導入量を30SCCMとした上で、排気ポン
プ直上の圧力調整器にてスパッタ時の装置内圧力が3m
Torrとなるように設定した。
【0133】このようにして石英基板上に作製したハー
フトーン位相シフター膜について、膜厚を触針法で、透
過率を分光光度計を用いて測定したところ、膜厚は60
7オンク゛ストロームであり、193nmにおける分光透過率は
14.3%であった(図6)。また、同じく、分光光度
計を用いて測定した膜の反射率、透過率、膜厚から屈折
率(n)を計算したところ、屈折率(n)の値は2.6
3であり、膜厚607オンク゛ストロームにおいて193nmの
波長の光の位相を180°シフトさせるのに十分である
ことを確認した。しかしながら、検査光波長(364n
m)における分光透過率を同様にして測定したところ7
6.6%であり、検査可能な透過率の上限を大きく越え
ていた。
【0134】比較例2 比較例2では、珪素からなるスパッタターゲットを用
い、ArとN2とを流量比にして約4対1の割合で混合
したガスをスパッタガスとして用いて、直流スパッタ成
膜によって石英基板上に半透明膜(ハーフトーン位相シ
フター膜)を形成した。スパッタガスの導入条件は、混
合ガスの総導入量を30SCCMとした上で、排気ポン
プ直上の圧力調整器にてスパッタ時の装置内圧力が3m
Torrとなるように設定した。
【0135】このようにして石英基板上に作製したハー
フトーン位相シフター膜について、膜厚を触針法で、透
過率を分光光度計を用いて測定したところ、膜厚は78
4オンク゛ストロームであり、193nmにおける分光透過率は
1.89%であった(図6)。また、同じく、分光光度
計を用いて測定した膜の反射率、透過率、膜厚から屈折
率(n)を計算したところ、屈折率(n)の値は2.2
5であり、膜厚784オンク゛ストロームにおいて193nmの
波長の光の位相を180°シフトさせるのに十分である
ことを確認した。比較例2では、比較例1に記載のハー
フトーン位相シフター膜の検査光波長における透過率を
小さくするため、膜中の窒素量を小さくした。しかしな
がら、検査光波長(364nm)における分光透過率を
上記と同様にして測定したところ62.3%であり、検
査可能な透過率の上限を大きく越えていた。また、19
3nmにおける透過率はハーフトーン位相シフターとし
て適正な下限を下回った。
【0136】比較例3 比較例3では、珪素とパラジウムからなる複合スパッタ
ターゲットを用い、ArとN2とを流量比にして約1対
4の割合で混合したガスをスパッタガスとして用いて、
直流スパッタ成膜によって石英基板上に半透明膜(ハー
フトーン位相シフター膜)を形成した。スパッタガスの
導入条件は、混合ガスの総導入量を30SCCMとした
上で、排気ポンプ直上の圧力調整器にてスパッタ時の装
置内圧力が3mTorrとなるように設定した。このと
き、[膜中のパラジウムの原子%+膜中の珪素の原子
%]に対する[膜中のパラジウムの原子%]の比率が約
4.5%となるようにターゲット中のパラジウム量を調
整した。具体的には、[ターゲット中のパラジウムの原
子%+ターゲット中の珪素の原子%]に対する[ターゲ
ット中のパラジウムの原子%]の比率を7.7%とし
た。
【0137】このようにして石英基板上に作製したハー
フトーン位相シフター膜について、膜厚を触針法で、透
過率を分光光度計を用いて測定したところ、膜厚は62
3オンク゛ストロームであり、193nmにおける分光透過率は
11%であった。また、同じく、分光光度計を用いて測
定した膜の反射率、透過率、膜厚から屈折率(n)を計
算したところ、屈折率(n)の値は2.55であり、膜
厚623オンク゛ストロームにおいて193nmの波長の光の位
相を180°シフトさせるのに十分であることを確認し
た。しかしながら、検査光波長(364nm)における
分光透過率を同様にして測定したところ68%であり、
検査可能な透過率の上限を大きく越えていた。これは次
に示す膜中のパラジウムの比率が10%未満だからであ
る。
【0138】作製したハーフトーン位相シフター膜につ
いて、X線光電子分光法(XPS)を用いて測定したと
ころ、[膜中のパラジウムの原子%+膜中の珪素の原子
%]に対する[膜中のパラジウムの原子%]の比率は、
4.5%であり、また、膜中の珪素とパラジウム窒素の
合量は、44原子%であった。また、作製したハーフト
ーン位相シフター膜について、同じくXPSを用いて測
定したところ、膜中の珪素、パラジウム、窒素の各含有
量はそれぞれ、42原子%、2原子%、56原子%であ
った。以上の結果を表1に示す。
【0139】比較例4 比較例4では、珪素とパラジウムからなる複合スパッタ
ターゲットを用い、ArとN2とO2とを流量比にして約
5対5対1の割合で混合したガスをスパッタガスとして
用いて、直流スパッタ成膜によって石英基板上に半透明
膜(ハーフトーン位相シフター膜)を形成した。スパッ
タガスの導入条件は、混合ガスの総導入量を30SCC
Mとした上で、排気ポンプ直上の圧力調整器にてスパッ
タ時の装置内圧力が3mTorrとなるように設定し
た。このとき、[膜中のパラジウムの原子%+膜中の珪
素の原子%]に対する[膜中のパラジウムの原子%]の
比率が約50%となるようにターゲット中のパラジウム
量を調整した。具体的には、[ターゲット中のパラジウ
ムの原子%+ターゲット中の珪素の原子%]に対する
[ターゲット中のパラジウムの原子%]の比率を49%
とした。
【0140】このようにして石英基板上に作製したハー
フトーン位相シフター膜について、膜厚を触針法で、透
過率を分光光度計を用いて測定したところ、膜厚は91
9オンク゛ストロームであり、193nmにおける分光透過率は
0%であり、ハーフトーン位相シフター膜として機能し
得ないものであった。これは次に示す膜中の珪素とパラ
ジウムの合量が67原子%を超え、また、膜中のパラジ
ウムの比率が40%を超えるからである。なお、同じ
く、分光光度計を用いて測定した膜の反射率、透過率、
膜厚から屈折率(n)を計算したところ、屈折率(n)
の値は2.05であり、膜厚919オンク゛ストロームにおいて
193nmの波長の光の位相を180°シフトさせるの
に十分であることを確認した。また、検査光波長(36
4nm)における分光透過率を同様にして測定したとこ
ろ0.8%であった。
【0141】作製したハーフトーン位相シフター膜につ
いて、X線光電子分光法(XPS)を用いて測定したと
ころ、[膜中のパラジウムの原子%+膜中の珪素の原子
%]に対する[膜中のパラジウムの原子%]の比率は、
49%であり、また、膜中の珪素とパラジウム窒素の合
量は、71原子%であった。また、作製したハーフトー
ン位相シフター膜について、同じくXPSを用いて測定
したところ、膜中の珪素、パラジウム、窒素、酸素の各
含有量はそれぞれ、36原子%、35子%、9原子%、
20原子%であった。以上の結果を表1に示す。
【0142】比較例5 比較例5では、珪素とパラジウムとバナジウムからなる
複合スパッタターゲットを用い、ArとN2とを流量比
にして約1対3の割合で混合したガスをスパッタガスと
して用いて、直流スパッタ成膜によって石英基板上に半
透明膜(ハーフトーン位相シフター膜)を形成した。ス
パッタガスの導入条件は、混合ガスの総導入量を30S
CCMとした上で、排気ポンプ直上の圧力調整器にてス
パッタ時の装置内圧力が3mTorrとなるように設定
した。なお、[ターゲット中のパラジウムの原子%+タ
ーゲット中の珪素の原子%]に対する[ターゲット中の
パラジウムの原子%]の比率を4.9%とした。
【0143】このようにして石英基板上に作製したハー
フトーン位相シフター膜について、膜厚を触針法で、透
過率を分光光度計を用いて測定したところ、膜厚は68
4オンク゛ストロームであり、193nmにおける分光透過率は
1.0%であり、露光波長における分光透過率が3%未
満となって、ハーフトーン位相シフターとして適正な値
を下回った。これは次に示す膜中のバナジウムの含有量
が20原子%を超えるからである。なお、同じく、分光
光度計を用いて測定した膜の反射率、透過率、膜厚から
屈折率(n)を計算したところ、屈折率(n)の値は
2.41であり、膜厚684オンク゛ストロームにおいて193
nmの波長の光の位相を180°シフトさせるのに十分
であることを確認した。また、検査光波長(364n
m)における分光透過率を同様にして測定したところ4
9%であり、検査可能な透過率の上限を越えていた。こ
れは次に示す膜中のパラジウムの比率が5%未満である
ためである。
【0144】作製したハーフトーン位相シフター膜につ
いて、X線光電子分光法(XPS)を用いて測定したと
ころ、[膜中のパラジウムの原子%+膜中の珪素の原子
%]に対する[膜中のパラジウムの原子%]の比率は、
4.9%であり、また、膜中の珪素とパラジウム窒素の
合量は、39原子%であった。また、作製したハーフト
ーン位相シフター膜について、同じくXPSを用いて測
定したところ、膜中の珪素、パラジウム、バナジウム、
窒素の各含有量はそれぞれ、39原子%、2子%、27
原子%、33原子%であった。以上の結果を表1に示
す。
【0145】実施例6 実施例1〜5で石英基板上にハーフトーン位相シフター
膜(半透明膜)を形成して得られたハーフトーン型位相
シフトマスクブランクを用い、ハーフトーン位相シフタ
ー膜(半透明膜)をパターニングすることにより、ハー
フトーン型位相シフトマスクを作製した。これらのハー
フトーン型位相シフトマスクを使用して、露光光として
ArFエキシマレーザー(193nm)用い、半導体ウ
エハ等の被転写体に対し、露光・現像などのパターン転
写処理を行ったところ、いずれの場合も微細パターンが
良好に転写された半導体素子などの半導体装置を得るこ
とができた。
【0146】以上実施例をあげて本発明を説明したが、
上記で示した実施例は本発明を具体化する一例であり、
その条件及び実施内容によって本発明を制限するもので
はない。
【0147】例えば、実施例において、直流スパッタを
実施するためには、スパッタターゲットがある程度の導
電性を有することが必要条件であるが、ターゲットを構
成する材料が半絶縁体、あるいは不導体(非導電体)の
ように直流放電が難しい場合には、最終的に形成された
膜のハーフトーン位相シフターとしての特性に支障のな
い範囲で、ターゲットに導電性を付与するような材料、
例えば硼素などを若干量添加してもよい。逆に、ターゲ
ット材料が優れた導電性を有する有するような場合に
は、放電と膜特性を阻害しない範囲で、絶縁体、半導体
材料をターゲットに添加してもよい。放電方式に関して
は、直流放電方式以外にも、プラズマ放電がターゲット
の導電性に影響されにくい高周波放電方式や、交流放電
方式を用いることも実質的に可能である。ただし、いず
れの場合においても、所望する膜を作製するにあたり膜
中の欠陥を極力低減させることが重要である。
【0148】また、スパッタに用いるガスとしては、実
施例で示した物質及び混合比率に限定されるものではな
く、例えば、Arの代わりにXeガスやHeガスを、N
2の代わりにNH3、N2O、NO2、NOなどの窒素を含
むガスを、あるいは、これらの成分を含むガスを適宜選
択し、混合して用いることが可能である。
【0149】さらに、位相シフター膜のエッチングは、
実施例で示した方法に限定されず、エッチング方式や、
エッチングガス、さらには詳細なエッチング条件等を最
適に選択設定できる。
【0150】また、透明基板として、石英基板の代わり
に、蛍石、その他各種ガラス基板(例えば、フッリン酸
系ガラス、フッホウ酸系ガラス等)などを用いてもよ
い。
【0151】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ハ
ーフトーン型位相シフトマスク及びその素材としての位
相シフトマスクブランクとしての要求特性を全て満たす
ことが可能となる。すなわち、本発明における半透明膜
(ハーフトーン位相シフター膜)は、248nm又は1
93nm等の露光波長に対して所望の透過率や屈折率を
有する。したがって、基本的に露光光の短波長化に対応
できる。また、本発明における半透明膜は、検査光波長
に対して所望の透過率を有する。したがって、信頼性の
高い検査を行うことが可能な実用に適したマスクを作製
できる。さらに、本発明における半透明膜は、高エネル
ギーの短波長光に対して安定であり、かつ、マスク製造
プロセスにおいて使用される薬品に対しても十分な耐性
を有し、膜中の欠陥が少なく、微細加工性に優れる。し
たがって、露光光の短波長化に対応した優れた位相シフ
トマスクを高い量産性の下で容易に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハーフトーン型位相シフトマスクブランクを示
す模式的断面図である。
【図2】ハーフトーン型位相シフトマスクを示す模式的
断面図である。
【図3】実施例1における半透明膜の紫外から可視光領
域における分光透過率を示す図である。
【図4】実施例2における半透明膜について、XPSを
用いて測定した、深さ方向組成分析結果を示す図であ
る。
【図5】実施例4における半透明膜の紫外から可視光領
域における分光透過率を示す図である。
【図6】比較例1及び比較例2における半透明膜の紫外
から可視光領域における分光透過率を示す図である。
【符号の説明】
1 透明性基板 2 半透明膜(ハーフトーン位相シフター膜) 3 位相シフター部 4 非パターン部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−244219(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 1/00 - 1/16

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位相シフトマスクを作製するための位相
    シフトマスクブランクであって、透明性基板を直接透過
    する光に対して半透明膜を透過する光に所定量の位相差
    を生じさせる機能と光の強度を減衰させる機能とを有す
    る半透明膜を透明性基板上に形成したハーフトーン型位
    相シフトマスクブランクにおいて、 前記半透明膜が、珪素とパラジウムと、窒素、酸素及び
    水素から選ばれる少なくとも一種とを含むことを特徴と
    するハーフトーン型位相シフトマスクブランク。
  2. 【請求項2】 前記半透明膜中の珪素とパラジウムとの
    合量が、30〜67原子%であることを特徴とする請求
    項1記載のハーフトーン型位相シフトマスクブランク。
  3. 【請求項3】 前記半透明膜中に含まれる珪素とパラジ
    ウムが下記式(I)で示される関係にあることを特徴と
    する請求項2記載のハーフトーン型位相シフトマスクブ
    ランク。 【数1】
  4. 【請求項4】 位相シフトマスクを作製するための位相
    シフトマスクブランクであって、透明性基板を直接透過
    する光に対して半透明膜を透過する光に所定量の位相差
    を生じさせる機能と光の強度を減衰させる機能とを有す
    る半透明膜を透明性基板上に形成したハーフトーン型位
    相シフトマスクブランクにおいて、 前記半透明膜が、遷移金属から選ばれる少なくとも一つ
    の元素M(Mはパラジウム以外の遷移金属を指す)と珪
    素とパラジウムと、窒素、酸素及び水素から選ばれる少
    なくとも一種とを含むことを特徴とするハーフトーン型
    位相シフトマスクブランク。
  5. 【請求項5】 前記半透明膜中の珪素とパラジウムとの
    合量が、30〜67原子%であることを特徴とする請求
    記載のハーフトーン型位相シフトマスクブランク。
  6. 【請求項6】 前記半透明膜が、前記遷移金属から選ば
    れる少なくとも一つの元素Mを0より大きく20原子%
    以下含有することを特徴とする請求項4又は5記載のハ
    ーフトーン型位相シフトマスクブランク。
  7. 【請求項7】 前記半透明膜中に含まれる珪素とパラジ
    ウムが下記式(II)で示される関係にあることを特徴
    とする請求項記載のハーフトーン型位相シフトマスク
    ブランク。 【数2】
  8. 【請求項8】 前記半透明膜が、位相シフトマスクブラ
    ンク及び位相シフトマスクの検査光の波長域190nm
    〜650nmにおける所望の検査光に対しての透過率が
    40%以下であることを特徴とする請求項1ないし
    いずれかに記載のハーフトーン型位相シフトマスクブラ
    ンク。
  9. 【請求項9】 請求項1ないしのいずれかに記載の半
    透明膜の構成元素を含むスパッタリングターゲット及び
    ガスを用いてスパッタリング法により透明性基板上に半
    透明膜を形成することを特徴とするハーフトーン型位相
    シフトマスクブランクの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記スパッタリングターゲットが、珪
    素とパラジウムとを含むことを特徴とする請求項記載
    のハーフトーン型位相シフトマスクブランクの製造方
    法。
  11. 【請求項11】 前記スパッタリングターゲット中に含
    まれる珪素とパラジウムが下記式(III)で示される
    関係にあることを特徴とする請求項10記載のハーフト
    ーン型位相シフトマスクブランクの製造方法。 【数3】
  12. 【請求項12】 請求項1ないしのいずれかに記載の
    ハーフトーン型位相シフトマスクブランクにおける半透
    明膜を、塩素を含むガス及び/又はフッ素を含むガスを
    用いたドライエッチングにてエッチング加工を行うこと
    を特徴とするハーフトーン型位相シフトマスクの製造方
    法。
  13. 【請求項13】 請求項1ないしのいずれかに記載の
    ハーフトーン型位相シフトマスクブランクを用い、ウェ
    ハーに転写すべき半透明マスクパターンを透明性基板上
    に形成したことを特徴とするハーフトーン型位相シフト
    マスク。
  14. 【請求項14】 150nm〜370nmの範囲の波長
    領域における所望の露光光に対して、3%〜20%の透
    過率を有し、かつ、位相シフトマスクとして機能すべく
    光学設計が施されていることを特徴とする請求項13
    載のハーフトーン型位相シフトマスク。
  15. 【請求項15】 請求項13又は14のいずれかに記載
    のハーフトーン型位相シフトマスクを用いてパターン転
    写を行うことを特徴とするパターン転写方法。
JP2000148923A 1999-06-11 2000-05-19 位相シフトマスク及び位相シフトマスクブランク Expired - Fee Related JP3472528B2 (ja)

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