JP3139336B2 - 光読取りカード - Google Patents

光読取りカード

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JP3139336B2 JP07235349A JP23534995A JP3139336B2 JP 3139336 B2 JP3139336 B2 JP 3139336B2 JP 07235349 A JP07235349 A JP 07235349A JP 23534995 A JP23534995 A JP 23534995A JP 3139336 B2 JP3139336 B2 JP 3139336B2
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明宏 松岡
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録層に記録され
た肉眼には見えない情報を紫外線と赤外線のいずれでも
読取ることができる、セキュリティー性に優れた光読取
りカードに関する。本発明の光読取りカードは、例え
ば、IDカード、キャッシュカード、クレジットカー
ド、医療機関向け患者カードといった、本人の確認が必
要な各種カードにおいて、本人確認の目的に利用でき
る。
【0002】
【従来の技術】磁気記録部を持った各種の情報記録カー
ドの普及には目ざましいものがある。それにつれ、カー
ドの偽造や悪用による犯罪が増加しているため、カード
のセキュリティー性を高めることが望まれている。磁気
記録カードのセキュリティー保持 (本人の確認) は、磁
気記録部にセキュリティー情報として記録した暗証番号
を利用した方式が一般的である。しかし、磁気記録部の
暗証番号を読取る装置が出回る現状では、この方式によ
るセキュリティー性は不十分である。
【0003】また、偽造を防ぐ目的でカードにホログラ
ムを付与することも行われているが、これはカードの偽
造防止効果しかなく、本人確認の目的には使用できな
い。
【0004】磁気によらない情報の記録方式として光記
録があり、磁気記録より高密度で情報を記録できるた
め、CD、CD−ROM、レーザーディスクなどとして
既に広く普及している。これは、例えば、光反射性の基
体表面に光吸収性物質のパターン(ピットと呼ばれる小
孔)を形成することにより情報を記録し、レーザー光を
ピット部に照射して反射光を検出することにより記録さ
れた情報を読取るものである。
【0005】このような光記録方式をカードの情報記録
に利用することも既に提案されており、例えば、特開昭
63−197694号公報にはこの光情報記録層を2層にし、第
1層と第2層とで互いに相反する光吸収性 (例、第1層
は紫外線または赤外線に吸収性で、可視光に透明であ
り、第2層は可視光に吸収性で、紫外線または赤外線に
透明である;或いは第1層は赤外線に吸収性で紫外線に
透明であり、第2層は赤外線に透明で紫外線に吸収性で
ある) を持たせることにより、両層に記録された情報の
読取りを可能にした証明カードが示されている。
【0006】また、特開昭63−207695号公報には、名刺
の自動入力を容易にするために、赤外線または紫外線を
吸収するインクにより識別マークを印刷することが提案
されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の光記録に利用さ
れてきた光記録層は、赤外線か紫外線の一方のみを吸収
するため、記録された情報の読取りには赤外線か紫外線
の一方しか使用することができなかった。紫外線と赤外
線の両方で読取りが可能になれば、2種類の読取り結果
の一致を判定基準に加えることができ、セキュリティー
性が増大する。
【0008】前述した特開昭63−197694号公報に開示さ
れた光記録カードでは、紫外線と赤外線の両方を読取り
に使用できるが、これは2層の記録層の一方の層は赤外
線で、他方の層は紫外線で読取るものであり、1つの記
録層をその両方で読取ることはできない。記録層を2層
形成すると、コストが増大するのみならず、他方の層の
干渉によって読取り精度が低下することがある。
【0009】本発明の目的は、1層の記録層で紫外線と
赤外線のいずれでも情報、特にセキュリティー情報の読
取りが可能な、セキュリティー性が向上した光読取りカ
ードを提供することである。
【0010】光記録層は、紫外線または赤外線吸収剤と
バインダーとを含有する塗料型組成物を用いた塗布法
か、或いは真空蒸着、CVD等の気相法のいずれかで形
成される。このうち、塗布法の方が装置が簡便で安価で
あり、大量生産に適している。また、塗布法は、スクリ
ーン印刷等の手法を利用することにより直接パターン状
に塗布することができるという利点もある。
【0011】しかし、塗布法に用いられてきた従来の紫
外線または赤外線吸収剤は有機物であるため、記録層の
吸収能、従って情報の読取り精度が経時的に低下し、カ
ードの耐久性に問題を生ずる恐れがある。
【0012】本発明の別の目的は、無機系の紫外線およ
び赤外線吸収剤を利用して、塗布法により形成された記
録層を有する、耐久性に優れた光読取りカードを提供す
ることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明により、少なくと
も片面が紫外線および赤外線に対して反射性である基材
と、この基材の反射性の表面上に設けた記録層と、この
記録層を被覆する紫外線および赤外線に対して透明な被
覆層とから構成される光読取りカードであって、前記記
録層が、Si、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ga、Ge、Zr、I
n、SnおよびHfよりなる群から選ばれた1種または2種
以上の金属を合計で全金属量の 0.1〜25原子%の割合で
含有する平均粒子径0.5 μm以下の酸化亜鉛粉末10〜90
重量%と、可視光に透明な樹脂90〜10重量%との混合物
から形成された、可視光に透明な情報パターンであるこ
とを特徴とする、記録層に記録された情報を紫外線と赤
外線の両方で読取ることができる光読取りカードが提供
される。
【0014】
【発明の実施の形態】図1に本発明の光読取りカードの
断面構造を模式的に示す。図示例では、光読取りカード
1は、下から順に基材3、金属反射膜5、記録層7、お
よび透明被覆層9から構成される。
【0015】基材3は、カードの強度を支持する支持体
であり、従来のカードではコスト、軽量性、耐久性を考
慮して、各種プラスチック、中でも硬質ポリ塩化ビニル
のシートが多用されているが、カード基材の材質は特に
制限されるものではない。カード基材は、印刷インクに
よる印刷が可能で、剛性および耐久性が高く、かつ軽量
であることが望ましい。基材3がプラスチックである場
合、通常は顔料を含有させて不透明とし、印刷が読める
ようにする。基材3の厚みも特に制限されないが、通常
は 0.3〜1.5 mm程度である。
【0016】基材3は、少なくとも片面が紫外線および
赤外線に対して反射性である必要がある。ここで反射性
とは、反射率が25%以上であればよい。基材3の材質そ
れ自体がこのような反射性を有していれば、金属反射膜
5は不要である。例えば、基材それ自体を金属 (例、ア
ルミニウム板) から作製した場合がそうである。しか
し、一般に安価なプラスチック製のカード基材はこのよ
うな反射性を有していないので、基材3の片面に金属反
射膜5を形成して反射性を付与する。
【0017】金属反射膜の材質はコスト面からアルミニ
ウムが好ましいが、銀、金などの他の高反射性の金属や
合金も使用できる。Ni、Coなどの強磁性を示す金属また
は合金は、カードが別に磁気記録層を有している場合に
は、磁気記録の読取りを妨害するため使用できない。基
材3の反射面は、乱反射を防止するため可及的に平滑な
表面とすることが望ましい。従って、金属反射膜5は、
真空蒸着等の気相法により形成することが好ましい。金
属反射膜の厚みは 500〜2000Å程度が普通である。
【0018】基材3の反射性表面 (即ち、図示例では金
属反射膜5を形成した面) の上に、記録層7を設ける。
本発明によれば、この記録層7が、少量の他金属をドー
プした酸化亜鉛粉末と透明樹脂との混合物から形成され
た、可視光に透明な情報パターンにより構成される。こ
こで、透明とは、透過率が70%以上であればよい。記録
層7は必ずしもカードの全面に設ける必要はなく、要求
される情報量に応じて、カードの一部のみに形成しても
よい。この記録層については、後で詳しく説明する。
【0019】記録層7を保護するため、紫外線および赤
外線に対して透明な被覆層9によって記録層7を完全に
被覆する。この被覆層の材質は、記録層の読取りに使用
する紫外線および赤外線に対して透明であれば特に制限
されず、可視光に対しては透明でも不透明でもよい。被
覆層9の好ましい素材は、透明性に優れたポリカーボネ
ート、ポリエステル、ポリメチルメタクリレート等の熱
可塑性樹脂のフィルムである。被覆層9の厚みは、通常
は50〜500 μm、好ましくは75〜250 μmである。
【0020】本発明で記録層の形成に用いる酸化亜鉛粉
末は、Si、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ga、Ge、Zr、In、
Sn、およびHfの1種もしくは2種以上の金属 (以下、こ
れらの金属をドープ金属ということがある) を酸化物と
して含有し、残部が実質的に酸化亜鉛からなる。この粉
末は、酸化亜鉛が示す優れた紫外線吸収能に加えて、ド
ープされた他金属をドープの混入によって赤外線吸収能
も有し、特に近赤外域において従来材に見られない著し
く高い赤外線吸収性を発揮する。
【0021】このような他金属がドープされた酸化亜鉛
粉末は、例えば、塩化亜鉛とドープ金属の塩化物とを含
有する水溶液にアルカリを加えて塩化物を加水分解する
ことにより、水酸化亜鉛とドープ金属の水酸化物とを共
沈させ、共沈物を焼成して酸化物にするといった、適当
な公知手法により製造することができる。
【0022】ドープ金属として好ましいのはV、Cr、M
n、Co、Ga、Hfである。ドープ金属の含有量(2種以上
のドープ金属を含有する場合はその合計量)は、全金属
量 (即ち、亜鉛との合計量) に基づいて 0.1〜25原子%
とするが、好ましくは1〜15原子%、より好ましくは1
〜10原子%である。ドープ金属の含有量が 0.1原子%未
満では、赤外線吸収能、特に近赤外線に対する高い吸収
能を確保することができない。一方、ドープ金属の含有
量が25原子%を越えると、ドープ金属によっては粉末が
強い色調を帯び、記録層が着色して肉眼で見えるように
なり、本発明で目的とするカードのセキュリティー性が
著しく損なわれる上、それ以上の赤外線吸収能の向上が
ない。
【0023】本発明で用いる酸化亜鉛粉末の平均粒子径
は、可視光に対する透明性を確保するため、0.5 μm以
下とし、特に0.1 μm以下とすることが好ましい。平均
粒子径が0.5 μmを超えると、透明性が低下し、記録層
に記録した情報パターンが肉眼で見えるようになり、カ
ードのセキュリティー性が著しく低下し、或いは失われ
る。
【0024】記録層7は、上記酸化亜鉛粉末10〜90重量
%と、バインダーとして機能する透明樹脂90〜10重量%
との混合物から形成される。酸化亜鉛粉末が10重量%未
満では、記録層の紫外線および赤外線の吸収性、従って
光による読取り能が不十分となり、これが90重量%を超
えるとバインダーが少なすぎて、記録層の一体性と密着
性が不十分となる。好ましい割合は、酸化亜鉛粉末20〜
80量%、透明樹脂80〜20重量%である。記録層の厚みは
特に制限されないが、通常は 0.1〜10μm、好ましくは
0.1〜5μmの範囲である。
【0025】透明樹脂は、可視光に対して透明であれば
よく、赤外線または紫外線に対しては透明でも吸収性で
もよい。好ましい透明樹脂の例としては、アクリル樹
脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリカーボネート樹脂、水溶性アルキッド樹脂、ポ
リビニルアルコール、ポリブチルアルコール、ならびに
アクリル、アクリル−スチレン、もしくは酢酸ビニル系
のエマルジョン型水分散性樹脂等が挙げられる。
【0026】記録層の形成は塗布法により行うのが簡便
である。即ち、透明樹脂を適当な溶媒に溶解した樹脂溶
液に、樹脂との割合が上記範囲内になるような量の酸化
亜鉛粉末を分散させて塗料組成物を調製し、これをスク
リーン印刷等の適当な手法で所望のパターン状に塗布
し、必要であれば加熱下に乾燥して、溶媒を除去し、場
合により樹脂を硬化させると、情報パターンの形態の記
録層を形成することができる。但し、所望のパターン形
成が可能であれば、他の方法も採用できる。
【0027】なお、酸化亜鉛粉末、透明樹脂、溶媒のい
ずれについても、所望により2種以上の材料を使用でき
る。また、樹脂溶液には、必要に応じて硬化剤、架橋
剤、硬化促進剤、触媒などを適量配合することができ
る。さらに、塗料に一般に使用される添加剤、例えば、
pH調整剤、消泡剤、湿潤剤等の1種もしくは2種以上
を少量添加してもよい。
【0028】記録層に情報を記録するためのパターンの
種類は特に制限されない。例えば、光記録に利用されて
いるようにピット (小孔) の寸法や間隔により情報を記
録することも原理的には可能である。しかし、このよう
な非常に微細なパターンとして記録された情報は、レー
ザー光の走査により読取る必要があり、読取りに時間が
かかると同時に、読取り装置も複雑で高価となる。従っ
て、カードの本人確認用の目的には、よりマクロで簡便
なパターンが好ましい。
【0029】本発明の記録層に適した情報パターンとし
て、バーコードパターンがある。バーコードはバーの
幅、本数および間隔として数字情報を記録するものであ
り、商品の販売、管理などにおいて広く利用されてい
る。通常のバーコードは肉眼で見えるように黒色インキ
により形成される。このバーコードに光を照射すると、
コードの黒線部では光が吸収され、背景部のみから光が
反射されるため、反射光のパターンを検出することによ
りバーコードとしてパターン化された数字が読取られ
る。
【0030】本発明の1態様では、上記の酸化亜鉛粉末
と透明樹脂との混合物からなる、可視光に透明なバーコ
ードのパターンを、例えば印刷により基材の反射面の上
に形成する。従って、このバーコードのパターンは肉眼
には見えない。しかし、紫外線または赤外線を照射する
と、バーコードの線がある部分では存在する酸化亜鉛粉
末により照射光が吸収され、残りの背景部分では照射光
が反射されるため、反射光のパターンを検出することに
よって、バーコードパターン化された数字情報を読み取
ることができる。
【0031】本発明の光読取りカードは、例えば、基材
3の樹脂シートの上に上述したような方法で金属反射膜
5と記録層7の情報パターンを順に形成し、最後に被覆
層9を構成する透明樹脂フィルムを接着剤等により貼付
することにより製造できる。或いは、逆の順序、即ち、
被覆層9を構成する透明樹脂フィルムの上に、上記方法
で記録層7と金属反射膜5を順に形成し、最後に基材3
の樹脂シートを接着等により貼付することによって製造
することも可能である。
【0032】本発明の光読取りカードは、例えば、ID
カード、会員カードなどとして有用である。この場合に
は、本人確認のための個人情報(例、暗証番号、誕生日
等の数字) を情報パターン (例、バーコードパターン)
としてカードに記録しておく。記録された情報パターン
は可視光に透明であるため、肉眼ではパターンを見るこ
とができない。この光読取りカードを、紫外線および赤
外線の両方の照射手段と反射光検出手段を備えた紫外・
赤外光読取り装置 (或いは紫外光読取り装置と赤外光読
取り装置の両方) にかけて、記録された個人情報を読取
る。読取った情報と、その場でカード所持者が入力した
情報および/または予め登録されている個人情報との照
合により、カード所持者が本人であることを確認する。
【0033】読取り装置としては、例えば、情報パター
ンがバーコードである場合には、従来よりバーコードの
読取りに利用されてきたのと同種の装置を用いることが
できる(但し、照射光の波長は変更する)。
【0034】本発明によれば、紫外線と赤外線の2種類
の光で照合を2回行うことができるため、カードのセキ
ュリティー性が高くなる。例えば、紫外線吸収性のイン
クで同様のカードを偽造しても、赤外線照射によってカ
ードの偽造を判別できる。
【0035】本発明の光読取りカードはまた、キャッシ
ュカード、クレジットカード、患者カードのように、磁
気により多量の情報が記録される磁気カードとしても利
用できる。この場合には、磁気記録部を本発明の光読取
りカードの裏面側 (図1において基材3の下面) に設け
るか、或いは表面側 (図1の金属反射膜5の上面) に磁
気記録部と本発明にかかる光読取り用の情報パターン部
とを離間して設けることができる。光読取り用の情報パ
ターンとして本人確認に必要な情報を記録しておく。こ
のカードを、上記のように光読取り装置にかけると本人
確認ができ、必要であれば磁気読取り装置によって読み
取った個人情報をさらに照合することによって、セキュ
リティー性を一段と高めることもできる。
【0036】
【参考例】本例では、ドープした酸化亜鉛粉末の紫外線
および赤外線に対する吸収能と耐久性を実証する。
【0037】使用した酸化亜鉛粉末は、表1に示すドー
プ金属含有量および平均粒径を有するものであった。こ
れらの酸化亜鉛粉末は、塩化亜鉛とドープ金属の塩化物
とを含有する塩酸酸性水溶液にアンモニア水を添加し、
析出した共沈物を濾取し、水洗・乾燥した後、N2 雰囲
気中で 400℃で1時間焼成することにより調製した。
【0038】
【表1】
【0039】表1に示した記号A〜Tの各酸化亜鉛粉末
を、表2に示す割合で有機樹脂および溶媒からなる樹脂
溶液 (溶媒が水の場合にはエマルジョン溶液) と混合し
て塗料化した。この混合は、ガラスビーズを加えたペイ
ントシェーカーにより行い、粒ゲージにより粉末が均一
に分散したことが確認されるまで混合を続けた。
【0040】得られた塗料組成物を、ガラス板 (厚さ2
mm、可視光透過率91%) にバーコーターで塗布し、100
℃で乾燥することにより、表2に示す厚さの透明皮膜を
形成した。この皮膜の透明性 (全可視光透過率) 、紫外
線・赤外線吸収性 (紫外線および赤外線のカット波長)
、および近赤外線の吸収性 (1000 nm での透過率) の
結果も表2に併せて示す。
【0041】なお、透過スペクトルは自記分光光度計
(日立製作所製: U-4000型) を用いて測定した。このス
ペクトルから可視光透過率 (JIS R 3106) を求めた。ま
た、紫外域 (380 nm以下) で透過率が5%を示す最大波
長を「紫外線カット波長」とし、赤外域 (810 nm以上)
で透過率が5%を示す最小波長を「赤外線カット波長」
として記録した。さらに、近赤外線の吸収性を評価する
ため、波長1000 nm における透過率を求めた。
【0042】
【表2】
【0043】表2からわかるように、本発明において情
報記録用に利用する他金属でドープした酸化亜鉛粉末を
含有させた透明皮膜は、光吸収性粉末を1種類しか含有
していないが、十分な紫外線吸収能を有すると同時に、
1050〜1550 nm より長波長の赤外線を吸収することがで
き、1000 nm の近赤外線の透過率も10〜37%と低く、近
赤外線も含めた赤外線を効果的に吸収した。
【0044】従って、反射性表面の上に、この透明皮膜
を情報を記録したパターン状に形成すれば、紫外線およ
び赤外線の両方の光によって情報パターンを読取ること
ができることは明らかである。
【0045】また、表2に示した透明皮膜の耐久性試験
をサンシャインウェザーメータを用いて実施した結果、
200 時間の照射において紫外線・赤外線の吸収能に劣化
は認められなかった。これに対し、従来用いられてきた
有機系の紫外線または赤外線吸収剤を含有する樹脂層を
記録層として用いると、200 時間の照射において光吸収
能に劣化が認められた。
【0046】
【発明の効果】本発明の光読取りカードは、各種のカー
ド (磁気カードを含む) において、本人を確認するとい
ったセキュリティーの目的に使用することができる。但
し、用途はこれに限られるものではなく、別の目的
(例、画像処理、マスキング )のために情報を記録し、
読取るの場合にも使用できる。
【0047】この光読取りカードにパターンとして記録
された情報は、紫外線と赤外線の2種類の光によって読
取ることができるため、セキュリティー用に利用した場
合、1層の記録層で二重 (2回) の確認を行うことがで
き、セキュリティー性が向上する。また、紫外線と赤外
線を吸収する物質が無機物であることから、光照射を繰
り返しても劣化が少なく、有機系の紫外線または赤外線
吸収剤を利用した従来の光読取りカードに比べて耐久性
が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光読取りカードの断面構造を示す模式
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−67252(JP,A) 特開 昭63−197694(JP,A) 特開 平6−309534(JP,A) 特開 平7−69627(JP,A) 実開 昭63−130272(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/24 B42D 15/10 G06K 19/00 - 19/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも片面が紫外線および赤外線に
    対して反射性である基材と、この基材の反射性の表面上
    に設けた記録層と、この記録層を被覆する紫外線および
    赤外線に対して透明な被覆層とから構成される光読取り
    カードであって、前記記録層が、Si、Ti、V、Cr、Mn、
    Fe、Co、Ga、Ge、Zr、In、SnおよびHfよりなる群から選
    ばれた1種または2種以上の金属を合計で全金属量の
    0.1〜25原子%の割合で含有する平均粒子径0.5 μm以
    下の酸化亜鉛粉末10〜90重量%と、可視光に透明な樹脂
    90〜10重量%との混合物から形成された、可視光に透明
    な情報パターンであることを特徴とする、記録層に記録
    された情報を紫外線と赤外線の両方で読取ることができ
    る光読取りカード。
  2. 【請求項2】 前記情報パターンがバーコードパターン
    である、請求項1記載の光読取りカード。
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