JP3064661B2 - 波長可変半導体レーザ - Google Patents

波長可変半導体レーザ

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JP3064661B2
JP3064661B2 JP4105671A JP10567192A JP3064661B2 JP 3064661 B2 JP3064661 B2 JP 3064661B2 JP 4105671 A JP4105671 A JP 4105671A JP 10567192 A JP10567192 A JP 10567192A JP 3064661 B2 JP3064661 B2 JP 3064661B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発振波長を電気的に可
変できる半導体レーザに係わり、特に分布帰還(DF
B)共振器内の各領域を独立の電極により制御可能とし
た多電極DFB構造の波長可変半導体レーザに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光周波数分割多重化技術(光FD
M)の研究開発が盛んになっている。光FDMは、大容
量光通信システム,光インターコネクション,光交換,
光演算など様々な分野に応用することができる。光FD
M向けのコヒーレント光源としては、コンパクトで信頼
性があり、電気的に波長可変可能な半導体レーザの開発
が進められている。
【0003】大容量の光FDMを実現するためには、波
長可変範囲の広い半導体レーザの開発が望まれる。ま
た、所定の波長範囲の中で高密度に多数の周波数チャン
ネルを多重化するためには、各チャンネルの占有する周
波数範囲を狭くすることが望まれる。特に、光FDMで
有望なコヒーレント光伝送方式では、信号光と局部発振
光の干渉により受信信号を得るため、狭線幅の光源が必
要になる。
【0004】また、外部に波長選択素子を有する外部共
振器半導体レーザの開発も進められているが、大きさ,
安定性,価格,信頼性などを考慮すると、実用普及には
モノリシックな波長可変半導体レーザが必要である。現
在研究されている波長可変半導体レーザは、(1)温度
制御型半導体レーザ、(2)多電極分布ブラッグ反射型
(DBR)半導体レーザ、(3)多電極分布帰還型(D
FB)半導体レーザ、(4)ツインガイド型半導体レー
ザ、の4つに分類される。
【0005】温度制御型は、活性領域近傍に加熱手段を
設けて活性層の温度を上げられるようにしたものであ
る。一般に半導体レーザでは、温度上昇により波長は長
い方にシフト(レッドシフト)する。そして、狭線幅を
保ったまま大きな波長変化を実現できる。しかし、その
ために活性層がかなり加熱されるため、信頼性に問題が
ある。
【0006】多電極DBRレーザは、ブラッグ反射領域
にキャリア注入を行ってブラッグ波長を大きく変えるも
のである。波長可変範囲は広いが、パッシブなブラッグ
導波路にキャリア注入を行うため、内部のキャリア密度
揺らぎに起因して発振線幅は10MHz以上に増大して
しまい、コヒーレント光伝送への適用は困難である。ま
た、波長の多数のモードをジャンプしながら変化するた
め、連続的に可変できる波長範囲は小さかった。
【0007】多電極DFBレーザは、DFBレーザを共
振器方向に複数の領域に分割して、キャリア密度のバラ
ンスを変化させることで平均キャリア密度を変え、発振
波長を変化させるものである。
【0008】例えば、図10(a)に示す両端面無反射
コートされた3電極位相シフトDFBレーザを考える。
このレーザに均一に強い電流注入を行った場合、図10
(b)に実線で示すように位相シフト部近傍に光が集中
し、この部分の誘導放出が大きくなる結果、中央部のキ
ャリア密度が両端部より少なくなった不均一な状態にな
っている(軸方向ホールバーニング)。このため、発振
を維持するために、全体のキャリア密度がキャリア密度
が均一な場合のキャリア密度と比べて大きな値となる。
平均のキャリア密度が高いと屈折率が大きくなるため、
発振波長も短くなる。
【0009】そこで、図10(b)に破線で示すように
中央部の電流を増やして中央部のキャリア密度を増やす
と、キャリア分布の不均一が緩和され、平均のキャリア
密度が下がり、波長はレッドシフトする。全体がアクテ
ィブな領域なので、電流注入時にもキャリア密度の揺ら
ぎが小さく、狭線幅を実現できる。反面、平均キャリア
密度の変化はそれほど大きくないため、可変できる波長
範囲も2nm程度に限られていた。
【0010】ツインガイド型は、近接して積層されてい
る活性層と光導波層(又は第2の活性層)に流す電流を
独立に制御するものである。これは、多電極DBR(又
はDFB)レーザで領域を軸方向に分割する代わりに層
方向に分割したものと考えることができる。パッシブな
光導波層を用いた場合は多電極DBRレーザと類似の動
作モード、光導波層の代わりに第2の活性層を用いた場
合は多電極DFBレーザと類似の動作モードとなる。
【0011】なお、多電極DBRレーザや多電極DFB
レーザにおいても、波長の変化には上記のキャリア効果
に加えて、熱効果も大きく寄与している。先の図10の
例でも、中央部の電流増大による温度上昇がレッドシフ
トに大きく寄与している。
【0012】コヒーレント光伝送への応用を考える場
合、発振スペクトル線幅の制限から多電極DBRレーザ
やツインガイド型レーザの適用は困難である。また、信
頼性の観点から考えると、熱だけで波長を大きく変化さ
せるのも問題が大きい。このため、多電極DFBレーザ
を用いるのが有効と考えられる。
【0013】多電極DFBレーザの波長可変範囲を広げ
る方法として、ゲインレバーとよばれる方法が提案され
ている。その動作原理は、文献(K.Y.Lau, Appl.Phys.L
ett.Vol.57(25) pp.2632-2634 (1990年12月))に論じ
られているが、ここではその概要を図11を用いて簡単
に説明する。このレーザは、図11(a)に示す構造の
DFB量子井戸レーザである。キャリア密度対利得特性
は、図11(b)に示すように高キャリア密度領域で利
得の飽和が起こる非線形性の大きなものになっている。
【0014】最初に領域1と領域2の動作点がそれぞれ
A点(均一励起状態)にあったものとする。いま、領域
1の注入電流を減らして内部のキャリア密度を減じてい
くものとすると、レーザ全体として最初の状態と同一の
利得を得るため必要な領域2のキャリア密度が増加し、
動作点はそれぞれB1点,B2点になる。利得曲線の非
線形性のため、均一励起状態Aから不均一励起状態Bに
変化させるに従い平均のキャリア密度は増加するから、
発振波長は大きく短い方にシフト(ブルーシフト)する
ことになる。領域1は電流変化による利得変化が大きい
ので利得制御領域、領域2は電流変化によるキャリア密
度の変化、即ち発振波長変化への寄与が大きいことから
波長制御領域と考えることができる。
【0015】しかし、ゲインレバー効果で励起を不均一
にして波長をブルーシフトさせようとすると、平均キャ
リア密度だけでなく平均電流密度も増大するため、温度
上昇が起こる。この結果生じるレッドシフトがキャリア
密度変化によるブルーシフトと相殺し合う結果、期待さ
れるほどには波長が振れないという問題があった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】このように従来、ゲイ
ンレバー効果を用いた多電極DFBレーザにおいては、
キャリア効果による波長変化と温度上昇(熱効果)によ
る波長変化の向きが逆なので、期待されるほどには波長
を大きく変化させられないという問題があった。
【0017】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
ので、その目的とするところは、キャリア効果と熱効果
による相殺作用を減じて、より広い可変範囲を有する多
電極DFB構造の波長可変半導体レーザを提供すること
にある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の骨子は、多電極
DFB構造において、キャリア効果と熱効果の波長変化
に対する相殺作用を減じ、大きな波長変化を実現しよう
とするものである。
【0019】即ち本発明(請求項1)は、ストライプ状
に形成された分布帰還共振器内に、共振器方向(共振す
る光の進行方向と平行な方向)に分割して第1の領域と
第2の領域の少なくとも二つの領域を有し、各領域の電
流密度を独立に制御する複数の電極を設けた多電極DF
B構造の波長可変半導体レーザにおいて、第1の領域で
は注入電流密度変化による温度変化が大きく、第2の領
域では注入電流密度変化による温度変化が小さくなるよ
うに、それぞれの領域を形成したものである。ここで、
第1の領域と第2の領域は、それぞれがさらに複数のサ
ブ領域に分割されていてもよく、そのサブ領域が他方の
領域により隔てられていてもよいものとする。
【0020】また、本発明の望ましい実施態様として
は、次のものが上げられる。 (1) 第1の領域における放熱量(特性)が第2の領域に
おける放熱量(特性)よりも少なく(悪く)なるように
形成すること。具体的には、第1の領域の共振器に垂直
な断面をメサ状に形成し、第2の領域の共振器に垂直な
断面を第1の領域のそれよりも広いメサ状又はプレーナ
状に形成する。 (2) 各領域の活性層への電流供給路の少なくとも一部
を、第1の領域の方が第2の領域よりも高抵抗になるよ
うに形成すること。ここでいう電流供給路とは、半導体
クラッド領域,電極コンタクト領域,金属配線などを含
むものである。半導体層の高抵抗化の手段として、例え
ばドーパント濃度,厚さや幅,組成を変えたり、キャリ
アの流れをブロックするヘテロ接合を作り付けたりする
方法が考えられる。また、第1の領域の電極を第2の領
域の電極よりも狭いストライプ状に形成してもよい。 (3) 第1の領域における無効電流が第2の領域における
無効電流よりも大きくなるように形成すること。具体的
には、活性層側面に接する埋込み領域を流れるリーク電
流を、第1の領域において第2の領域に対して故意に大
きくなるようにする。また、第1の領域では活性層を流
れる電流密度変化による活性層のキャリア密度変化が、
第2の領域のそれよりも小さくなるように形成する。さ
らに、第1の領域の活性領域のキャリア寿命を第2の領
域のそれよりも故意に小さくなるようにする。キャリア
寿命は、例えば不純物のドーピングにより短くすること
ができる。また、活性層からオーバーフローする電子の
割合が第1の領域で第2の領域よりも大きくなるよう
に、各領域の層構造を変える。例えば、量子井戸活性層
の障壁の高さを低めに設定したり、活性層厚さに対する
障壁厚さの割合を大きくしたり、クラッド層の禁制帯幅
を狭めに設定したりすることで、電子のオーバーフロー
を増やすことができる。 (4) 第1の領域を第2の領域に比較して、注入電流密度
に対する微分利得は低いがキャリア密度に対する微分利
得は高くなるように設定すること。これは、第1の領域
のキャリア密度に対する微分利得を第2の領域のそれよ
りも高く設定しておき、上記 (3)に具体化した方法によ
り電流変化に対するキャリア密度変化を小さくすること
で実現される。第1の領域のキャリア密度に対する微分
利得を高める方法としては、先に従来の技術の項で述べ
た動作点の設定の他、領域により活性層構造を積極的に
変えることでゲインレバー効果をエンハンスすることも
できる。 (5) 第2の領域を主たる光出射端側(前方端面)に形成
し、その前方端面の反射率が共振器の反対側の端面(後
方端面)の反射率より低くなるように作製すること。 (6) 共振器の中央部に第1の領域、両端部にそれぞれ第
2の領域が形成された少なくとも三領域からなる多電極
DFBレーザであって、共振器中央部に回折格子の位相
シフト領域を形成すること。ここで、両端面には低反射
コーティング膜を形成してあることが好ましい。また、
ホールバーニング効果を相乗的に利用するためには、κ
L(κは回折格子の結合係数、Lは共振器長)も大きめ
(2以上)に設定することが好ましい。 (7) 活性層の少なくとも一部に歪量子井戸層を用いるこ
と。 (8) 第1の領域を介してAFCのための電流負帰還をか
けること。 (9) 第1の領域に周波数変調のための高速信号が加えら
れるように、終端抵抗,給電ラインなどの手段を有する
こと。
【0021】
【作用】本発明によれば、電流注入による発振波長変化
に関して、第1の領域ではキャリア効果に対して熱効果
がエンハンスされ、第2の領域ではキャリア効果に対し
て熱効果が抑制されている。第1の領域の電流を増やし
第2の領域の電流を減らすことで、出力パワー一定の条
件で波長を変化させる場合を考える。第1の領域では電
流を増加させた場合、熱効果はレッドシフトに、キャリ
ア効果はブルーシフトに働くが、熱効果がエンハンスさ
れているのでトータルでは大きなレッドシフトが起こ
る。逆に、第2の領域では電流減少で熱効果はブルーシ
フトに、キャリア効果はレッドシフトに働くが、熱効果
が抑制されているので、レッドシフトが強調される。こ
の結果、どちらの領域もレッドシフトに働くので、波長
可変範囲を大きくとることができる。このとき、いずれ
の領域も発振状態にあるため、大きな波長変化が得られ
るにも拘らず、発振線幅は狭く保つことができる。
【0022】前記(1) のように、第1及び第2の領域に
おける放熱特性を変えるために、第1の領域の共振器に
垂直な断面をメサ状に形成し、第2の領域の共振器に垂
直な断面を第1の領域のそれよりも広いメサ状又はプレ
ーナ状に形成した場合、狭いメサ状に形成された第1の
領域で熱抵抗が高いため、電流注入に対する温度上昇が
第2の領域よりも強調される結果、上記の効果を得るこ
とができる。
【0023】前記(2) のように、各領域の活性層への電
流供給路の少なくとも一部を第1の領域で第2の領域よ
りも高抵抗になるように形成、又は第1の領域の電極を
第2の領域の電極よりも狭いストライプ状に形成した場
合、第1の領域への電流注入に際して発熱が大きくなる
結果(大まかには電流変化の二乗に比例して温度上昇が
起こる)、上記の効果が得られる。ここでは、配線抵抗
による電力消費や電極抵抗による電力消費が発熱に寄与
することになる。
【0024】前記(3) のように、第1の領域における無
効電流が第2の領域における無効電流よりも大きくなる
ように形成するため、活性層側面に接する埋込み領域を
流れるリーク電流を、第1の領域において第2の領域に
対して故意に大きくなるようにした場合、埋込領域を流
れるリーク電流による電力消費が発熱に寄与し、第1の
領域への電流注入に際して発熱が大きくなる結果、上記
の効果が得られる。
【0025】また、(3)(4)で述べた例では、同じ活性層
キャリア密度変化を得るのに、第1の領域で余分に電流
を変化させる必要が生じる結果、温度変化も大きくな
り、上記の効果が得られる。発振しきい条件では電流密
度Jと活性層キャリア密度Nの間には、 N/J=(1−Rof)×τn /ed … (1) の関係がある。ここで、Rofはオーバーフロー電流の場
合、τn は活性層のキャリア寿命、eは電荷素量、dは
活性層厚さである。活性層のキャリア密度変化ではτn
を小さくすることにより、活性層からオーバーフローす
る電子の割合ではRofを大きくすることにより、それぞ
れ第1の領域のN/Jの値を減じている。
【0026】本発明の半導体レーザをゲインレバーモー
ドで使用する場合、キャリア密度により波長が大きく変
化する第2の領域が先に述べた波長制御領域に対応す
る。ゲインレバーモードでは波長制御領域のキャリア密
度に対する微分利得は利得領域のそれよりも低くする必
要がある。このとき、第2の領域は線幅増大係数αも大
きくなるので、キャリア効果がエンハンスされる。前記
(4) によれば、キャリア密度に対する微分利得Γ・dG
/dNは第2の領域の方が小さく、電流密度に対する微
分利得Γ・dG/dJは第1の領域の方が小さいから、
前記 (1)〜(3) の効果とゲインレバー効果を相乗的に使
うことができ、より大きな波長可変範囲を得ることがで
きる。ここで、Γは光閉じ込め係数,Gは利得である。
【0027】前記(5) に述べたような前後面非対称な二
電極DFBレーザの場合、共振器内部の光電界は後方端
面側に集中しており、この部分の屈折率変化が波長変化
に大きく寄与する。一方、光出力は出射端面側に形成さ
れた領域の注入電流に敏感である。即ち、出力光パワー
一定の条件で波長を熱効果でレッドシフトさせようとし
た場合、出射端側の電流を僅かに減らして後方領域の電
流を大きく増やすことになる。このように後方領域の熱
効果をエンハンスすることで、波長を更に大きく変化さ
せることができる。
【0028】従来の技術の項に述べた位相シフト3電極
DFBレーザでは、両端部の領域の電流を僅かに減らし
て中央部の電流を大きく増やすことで、出力パワー一定
の条件下でレッドシフトさせることができる。前記(6)
により中央部の熱効果をエンハンスすることで、更に大
きな波長変化を実現できる。
【0029】本発明では温度上昇を積極的に利用してい
ることから、発振しきい値、効率などの特性劣化が懸念
される。これに対して、前記(7) のように活性層に微分
利得が高くしきいキャリア密度の低い歪量子井戸層を使
えば、この特性劣化を補ったり、或いは更に特性を向上
させたりすることができる。歪量子井戸構造の利用によ
り微分利得やしきいキャリア密度に対する自由度も大き
くなるので、活性層構造を変えてゲインレバー効果を大
きくエンハンスさせることも可能になる。
【0030】本発明では第1の領域の熱効果の増大が著
しいので、波長変化に対する感度は第1の領域の方が第
2の領域よりも敏感になる。従って、自動周波数制御
(AFC)のための電流帰還や周波数変調をかける領域
として第2の領域よりも第1の領域の方が適している。
従って、前記(8) の構成によれば良好なAFCを実現す
ることができる。また、前記(9) の方法によれば、高効
率の高速周波数変調を実現することができる。なお、高
速周波数変調を行う場合の熱的な時間応答が問題になる
が、本発明の場合は熱源の位置が活性層に近いため、サ
ブ・ナノ秒の応答が可能である。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0032】図1〜図4は、本発明の第1の実施例に係
わる3電極DFB波長可変半導体レーザの概略構造を説
明するためのもので、図1は全体構成を示す斜視図、図
2は活性層ストライプに沿った断面図、図3(a)(b)は中
央部領域(第1の領域)と端部の領域(第2の領域)の
活性層ストライプに垂直な断面図、図4は活性層の層構
造を示す断面図である。
【0033】このレーザはn型InP基板1上に有機金
属気相成長法により積層された活性層(光導波層を含
む)2,p型InPクラッド層3,及びp型InGaA
sオーミック・コンタクト層4からなるメサストライプ
5、さらにこのメサストライプを埋め込むように積層さ
れたp型InP埋込層6,n型InP埋込層7,p型I
nGaAsP埋込層8,アンドープInGaAsP層9
からなる半導体積層構造を用いて作製されている。
【0034】活性層2は、図4に示すように、厚さ3n
mのIn 0.7Ga 0.3As歪井戸層21と障壁層22を
交互に積層した歪量子井戸構造と、これを挟むように積
層された厚さ30nmの下部InGaAsP光導波層2
3、厚さ100nmで回折格子25の形成された上部I
nGaAsP光導波層24とからなる。障壁層22は厚
さ10nmでInPに格子整合し、波長1.3μmに相
当する組成のInGaAsPからなる。回折格子25
は、p型InP層6により埋め込まれている。回折格子
25の共振器の中央部には、位相(四分の一波長)シフ
ト領域26が形成されている。
【0035】図1及び図2に示すように、InGaAs
P層4,9が除去された分離溝10により、半導体レー
ザは中央部11と両端部12、13の3つの領域に分離
されている。分離溝10の近傍を除く各領域のオーミッ
クコンタクト層4の上には、Au/Zn/Auからなる
p型オーミック電極14a,14b,14cが形成され
ている。この電極の幅は、中央部11で4μm、両端部
12、13で20μmとなっている。これらの電極幅の
違いのため、中央部11のコンタクト抵抗は10Ω、両
端部12,13のコンタクト抵抗は5Ωとなっている。
【0036】また、図1及び図3(a)に示すように、
中央部11のストライプの両脇のInGaAsP埋込層
8,9が除去され、溝15が形成されている。この結
果、中央部11の断面形状は幅7μmのメサになってい
る。
【0037】上部表面のp型オーミック電極14の形成
されていない部分は全てSiO2 絶縁膜16で覆われて
いる。この絶縁膜16と電極14の上には、各p型オー
ミック電極14a,14b,14cに接触するように、
Cr/Auからなる配線17a,17b,17c、さらにそ
の上にはTi/Pt/Au配線兼ボンディング・パッド
18a,18b,18cが形成されている。中央部11
のTi/Pt/Au配線18aは溝15の活性層ストラ
イプ側の側面で一部除去されており、残されたCr/A
u膜17aは直列抵抗約10Ωの抵抗膜として機能す
る。InP基板1の下部にはn型オーミック電極19が
形成されている。
【0038】この半導体レーザ・チップの寸法は、長さ
約1mm,幅300μm,厚さ80μmである。中央部
11の長さは約400μm、両端部12,13の長さは
それぞれ約300μmである。両端面はへき開により形
成され、反射率1%以下のSiNx 低反射膜20がコー
ティングされている。回折格子の結合係数κは30cm
-1である。
【0039】この半導体レーザ・チップはAuSnハン
ダにより接地電極となるヒートシンクの上に固定されて
おり、ヒートシンクは温度センサとペルチェ素子を用い
て一定温度になるように制御されている。各電極パッド
18は、セラミック基板上に形成された給電線とボンデ
ィングにより接続されており、各電極独立に注入電流を
制御できるようになっている。これらは、出力光ファイ
バへ結合させるためのレンズ系,光アイソレータ,出力
モニタ・フォトダイオードなどと共にレーザ・モジュー
ル内に実装されている。
【0040】後述のように光出力に敏感な両端部の電極
14bに自動パワー制御(APC)を、波長変化に敏感
な中央部の電極14aに自動周波数制御(AFC)をか
けている。このレーザを高速FSK変調する際には、電
極14aにインピーダンス整合抵抗を介して変調電流を
流す。このとき、上記の第2の領域より大きい抵抗の少
なくとも一部を整合抵抗の一部としてもよい。
【0041】この波長可変半導体レーザの動作原理は、
基本的には図10の従来例と類似である。しかし、本実
施例の半導体レーザの場合、中央部11の電流増加によ
る温度上昇がエンハンスされているため、さらに大きな
レッドシフトを生じさせることができる。即ち、中央部
11は両端部12、13と比べて電極部4a、14aと
メサ配線部17a、18aの直列抵抗が15Ω程度高く
なっており、しかもその抵抗部で発生した熱が活性層2
近傍を通ってヒートシンクへ流れるようになっているた
め、中央部11の電流を増加させた場合の活性層2の温
度上昇が従来例よりも遥かに大きくなる。このため、熱
効果によるレッドシフトを大きくすることができる。
【0042】勿論、図10の従来例の場合と同様にホー
ルバーニングの抑制効果もレッドシフトに寄与するか
ら、温度変化のみにより波長を変化させる温度制御型波
長可変レーザと比べて、必要な温度の変化は小さく、信
頼性も高い。ホールバーニング抑制効果を使っているた
め、中央部のキャリア密度増加にも拘らず、トータルと
してのキャリア密度が減少するので、キャリア効果はブ
ルーシフトではなく、むしろレッドシフトとなる。
【0043】なお、出力パワー一定の条件で波長を変化
させるものとすると、中央部11の注入電流を増加させ
た分、両端部12,13の電流を減らす必要がある。こ
の部分でのキャリア密度減少によるレッドシフトが先に
述べたホールバーニング抑制効果に寄与しているわけで
ある。一方、この部分の熱効果によるブルーシフトが問
題になるが、本発明では以下の理由により、この影響は
抑制される。
【0044】即ち、もともと出射端に近い端部12の方
が中央部11と比べて注入電流の光出力変化に対する影
響が大きいから、一定光出力の条件下では中央部11の
電流増加に対して両端部12、13の電流減少は小さく
てよい。しかも、本実施例では中央部11から伝わって
くる熱により両端部12、13もかなり温度が上がるの
で、温度上昇による光出力低下分を補償するために注入
電流を多めにする必要が生じる。従って、両端部12、
13の電流減少はあったとしても小さくて済む上、中央
部11から伝わる熱の効果も加わり、両端部12、13
における温度低下は殆どなく、熱効果によるブルーシフ
トは抑制されるわけである。
【0045】この結果、光出力一定のDFB単一モード
発振の条件下で、従来の半導体レーザと比べて大きな波
長可変範囲が実現できる。しかも、微分利得の大きな歪
量子井戸活性層を用いているので、活性層の動作温度が
高くなるにも拘らず、従来の波長可変半導体レーザと比
べて発振しきい値,最高出力,発振スペクトル線幅など
の特性上大きなデメリットは生じない。
【0046】なお、この実施例の3電極両端面低反射コ
ート位相シフトDFBレーザでは、光電界の大きい中央
部の電極の方が光波長に対して敏感であり、出射端に近
い両端部の電極の方が光出力に対して敏感である。本発
明では波長変化に対する第1の領域の熱効果の寄与が主
として強調されるので、波長変化に敏感な中央部を第1
の領域としている。しかし、この反対の配置において
も、本実施例と同様な趣旨の改善がはかれることは明確
であろう。また、上記の領域以外に位相制御など他の機
能を有する領域を有する構造,非対称構造,領域毎に活
性層や回折格子を変えた構造,位相シフト領域を分散さ
せた構造,端面に活性層のない窓領域を設けた構造,出
射面を活性層ストライプと垂直でなくした傾斜端面構造
など、様々なバリエーションに対しても、本実施例と同
様の効果が得られる。
【0047】次に、本発明の第2の実施例に係わる半導
体レ―ザについて、図5〜図7を用いて説明する。図5
は、第2の実施例の半導体レ―ザの活性層ストライプに
沿った断面を示す概略図、図6は同レーザの第1の領域
と第2の領域の活性層ストライプに垂直な切断面を示す
概略図、図7は同レーザのキャリア密度と電流密度に対
する微分利得を示す図である。
【0048】このレ―ザは、n型InP基板1上に形成
された、セルフアラインド・コンストリテッド・メサ
(SACM)構造2電極DFB波長可変レ―ザである。
基板1上には、量子井戸活性(光導波層を含む)2,p
型InPクラッド層3,p型InGaAsPオ―ミック
・コンタクト層4が有機金属気相成長法により積層され
ている。活性層2の上には回折格子25が形成されてい
る。第1の領域111の活性層2とその近傍には亜鉛拡
散領域102が形成されている。第1の領域111と第
2の領域112のオ―ミック・コンタクト層4は溝10
により分離されており、それぞれの上にはp側のオ―ミ
ック電極14a,14bが形成されている。オ―ミック
電極14の形成されていないメサ上部表面はSiO2
16で覆われている。
【0049】図6(a)に第1の領域、図6(b)に第
2の領域を示すように、どちらの領域とも狭窄メサ状に
加工されている。また、各オ―ミック電極14a、14
bに接続して、隣のメサに形成されたパッドにつながる
エア・ブリッジ配線18a,18bが形成されている。
基板1の裏面には共通n側オ―ミック電極19が形成さ
れている。第1の領域111の長さは約600μm、第
2の領域112の長さは約300μmであり、第1の領
域の側の端面には高反射率コ―ティング120が、第2
の領域の側の端面には低反射率コ―ティング20が形成
されている。このレ―ザ・チップは、図にはないが、適
切な光学系,給電系,温度制御系と共にモジュ―ルに実
装されている。
【0050】第1の領域111の活性層にはp型ド―パ
ントである亜鉛がド―ピングされているため、図7
(a)に示すように、注入キャリア密度に対して第1の
領域11は第2の領域112よりも高い微分利得を有す
る。しかし、第2の領域112のキャリア寿命τn が2
nsなのに対して、第1の領域111の領域では亜鉛の
ド―ピングによりτn は0.3nsと短くなっている。
前記 (1)式により、第2の領域112と同じキャリア密
度変化を得るために、第1の領域111では数倍の電流
密度変化が必要なことが分かる。
【0051】また、活性層2の両脇の埋込みホモ接合部
にも亜鉛がド―ピングされているため、この部分のキャ
リア再結合寿命も短くなっている。この結果、第1の領
域111ではリ―ク電流の割合が第2の領域112より
も大きくなっている。この結果、電流密度に対する微分
利得は、図7(b)に示すように第2の領域112の方
が第1の領域111よりも大きくなっている。従って、
第1の領域111では第2の領域112と比べて無効電
流が大きく、その消費電力は殆ど熱に変換される。
【0052】次に、第2の実施例の半導体レ―ザの波長
可変動作を図7により説明する。最初、第1の領域11
1と第2の領域の動作点がそれぞれA1点、A2点にあ
り、第1の領域111の電流をB1点まで増やし、第2
の領域112の電流をB2点まで減らすことで、第2の
領域側端面からの出力光パワ―を殆ど変えずに波長を変
えるものとする。第1の領域111ではキャリア密度の
増加が小さく電流密度の増加が大きいため、熱効果によ
るレッドシフトがキャリア効果によるブル―シフトを大
きく上回る。第2の領域112では電流密度の減少は小
さい上、第1の領域から伝わる熱のため、温度低下はあ
ったとしても小さく、熱効果によるブル―シフトは無視
できる。一方、キャリア密度に対する微分利得が小さく
線幅増大係数αも大きくなるので、キャリア効果による
レッドシフトが大きい。
【0053】この結果、全体として従来の多電極DFB
レ―ザと比べて大きなレッドシフトを得ることができ
る。そして、この変化の際にもDFB単一モ―ド発振状
態を保持しているので、リ―ク電流によるキャリア揺ら
ぎで若干スペクトル線幅が増えるとしても、パッシブな
導波路を有するDBRレ―ザと比べて狭い線幅を維持で
きる。また、熱効果とキャリア効果の両者を有効に利用
しているので、熱効果のみによるチュ―ニングと比べ
て、出力や信頼性に対する悪影響を緩和することができ
る。
【0054】なお、この実施例では、光電界の大きい高
反射率コ―ティング端面側の電極の方が光波長に対して
敏感であり、出射端に近い低反射率コ―ティング端面側
の電極の方が光出力に対して敏感である。従って、AP
Cの帰還は電極14bに、AFCの帰還は電極14aに
かけている。しかし、第1の実施例同様に、この配置に
拘らず様々なバリエ―ションに対して本発明は有効であ
る。
【0055】次に、本発明の第3の実施例の半導体レ―
ザについて、図8と図9を用いて説明する。図8は第3
の実施例に係わる半導体レ―ザの共振器方向に沿った断
面を示す概略図、図9はこの半導体レ―ザの第1の領域
と第2の領域の活性層近傍のバンド構造を説明する概念
図である。
【0056】このレ―ザはn型InP基板1上に形成さ
れた、SACM構造2電極DFB波長可変レ―ザであ
る。基板上1には禁制帯幅に相当する波長が1.1μm
の組成のアンド―プInGaAsP光導波層200、厚
さ10nmのアンド―プInPエッチングストップ層2
01、量子井戸活性層2,202、p型InPクラッド
層3、p型InGaAsPオ―ミックコンタクト層4が
有機金属気相成長法により積層されている。
【0057】基板1と光導波層200との間には、回折
格子25が形成されている。光導波層200の厚さは1
00nmあり、その上部はほぼ平坦になっている。図9
に示すように、第1の領域211の量子井戸活性層2の
障壁層には禁制帯幅波長1.3μm相当のInGaAs
P層221が用いられ(図9(a))、第2の領域212の
量子井戸活性層202の障壁層には禁制帯幅波長1.1
μm相当のInGaAsP層222が使われている(図
9(b))。どちらも井戸層220は厚さ8nmのIn
0.53 Ga 0.47 Asで、井戸数は10である。また、
エッチングストップ層201と一番下の井戸層の間の障
壁層221a,222aの厚さは30nm、一番上の井
戸層とp型クラッド層3の間の障壁層221b,222
bの厚さは70nm、井戸層に狭まれた障壁層221
c,222cの厚さは12nmである。
【0058】この構造は例えば、光導波層201から活
性層2(又は202)までを基板全面に成長した後、一
方の領域212(又は211)の活性層2(又は20
2)をエッチングストップ層201まで選択的に除去
し、この部分の活性層202(又は2)を選択再成長す
ることで作製することができる。また、第2の実施例の
場合同様、二つの活性層に関してド―ピングや成長条件
などでキャリア寿命に差を与えることも可能である。
【0059】第1の領域211と第2の領域212のオ
―ミックコンタクト層4は溝10により分離されてお
り、それぞれの上にはp側オ―ミック電極14a,14
bが形成されている。オ―ミック電極14の形成されて
いないメサ上部表面はSiO2膜16で覆われている。
また、各オ―ミック電極14a,14bに接続して、ボ
ンディングパッドにつながる配線18a,18bが形成
されている。基板1の裏面には共通n側オ―ミック電極
19が形成されている。第1の領域211の長さは約4
00μm、第2の領域212の長さは約200μmであ
り、第1の領域側の端面には高反射率コ―ティング12
0が、第2の領域側の端面には低反射率コ―ティング2
0が形成されている。
【0060】このレ―ザ・チップは、第2の実施例と同
様に、適切な光学系、給電系、温度制御系とともにモジ
ュ―ルに実装されている。APCの帰還は電極14b
に、AFCの帰還は電極14aにかけられている。
【0061】次に、この半導体レ―ザの波長可変動作に
ついて説明する。第2の実施例同様に、第1の領域21
1の電流を増やし、第2の領域の電流を減らすことで、
低反射率コ―ティング20の形成された端面側の出力光
パワ―を略一定に保ち波長をレッドシフトさせる場合を
考える。
【0062】第1の領域211の活性層2の井戸層22
0と障壁層221の間の伝導帯のバンド不連続ΔEcは
約61meVであり、この井戸層220の中にできる量
子準位はバンド端から35meV上の位置にできる。即
ち、第1の領域の井戸の量子準位の深さは約0.26m
eVしかなく、高注入レベルでは電子の半分以上が井戸
の2次元状態密度に入り切らず、オ―バ―フロ―した状
態になっている。
【0063】一方、第2の領域212の活性層202の
井戸層220と障壁層222の間の伝導帯のバンド不連
続ΔEcは約113meVであり、この井戸層220の
中にできる量子準位はバンド端から45meV上の位置
にできる。即ち、第2の領域の井戸では量子準位の深さ
が68meVあり、オ―バ―フロ―する電子の割合は小
さい。
【0064】なお、量子準位の深さの違いのため、第1
の領域211の方が利得ピ―ク波長が長い。従って、第
1の領域211では第2の領域212と比較して相対的
に利得ピ―ク波長に対して短波長側に波長が設定される
ので、キャリア密度に対する微分利得は第1の領域21
1の方が高くなるようにすることができる。第1の領域
211では無効電流の割合が大きいので、電流密度に対
する微分利得はむしろ第2の領域の方が高くなるように
することもできる。また、第2の実施例のように、活性
層のド―ピングなどで第1の領域のキャリア密度に対す
る微分利得をさらに大きくしたり、電流密度に対する微
分利得をさらに小さくしたりすることもできる。この結
果、図7のような関係が実現される。
【0065】従って、第1の領域211ではオ―バ―フ
ロ―した電子の再結合による無効電流が第2の領域21
2よりも大きいので、第1の領域は第2の領域と比較し
て電流注入による利得変化が小さく、温度上昇が大きく
なる。従って、第2の実施例と同様に、第1の領域21
1の熱効果によるレッドシフトが強調される。一方、第
2の領域212では温度低下があっても小さいため、キ
ャリア効果によるレッドシフトが支配的になる。従っ
て、全体として大きなレッドシフトが実現できることに
なる。
【0066】第3の実施例においては、キャリア寿命に
対する微分利得と電流密度に対する微分利得の大小が図
7のように二つの領域で逆転していることは必須要件で
はなく、熱効果とキャリア効果の相対的な寄与を二つの
領域でアンバランスにすることで、上記の効果を得るこ
とができる。図7のような関係が成立している場合に
は、特に効果が大きい。この実施例においても、様々な
バリエ―ションが考えられることは言うまでもない。
【0067】なお、本発明は上述した各実施例に限定さ
れるものではない。実施例では、InGaAsP系の波
長可変レ―ザについて説明したが、InGaAlAs
系,AlGaInAs系,AlGaInP系,InGa
AsSb系,ZnCdSSe系など、様々な材料系につ
いて本発明を適用することができる。また、基板はn型
に限るものではないし、埋め込み構造も上記のBH構造
やSACM構造に限るものではない。また、本発明は、
前に述べた変形例だけでなく、他の素子との集積化やア
レイ化など、種々様々に変形して使用することができ
る。
【0068】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、D
FB共振器を分割した第1の領域では注入電流密度変化
による温度変化が大きく、第2の領域では注入電流密度
変化による温度変化が小さくなるようにしているので、
注入電流による波長シフトの方向が逆のキャリア効果と
熱効果の相殺を緩和することができ、従来の多電極DF
Bレ―ザと比べて大きな連続波長可変量を実現すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例に係わる3電極DFB波長可変レ
―ザの概略構造を示す斜視図、
【図2】第1の実施例レーザの活性層ストライプに沿っ
た断面図、
【図3】第1の実施例レーザの活性層ストライプに垂直
な断面図、
【図4】第1の実施例レ―ザの活性層構造を具体的に示
す断面図、
【図5】第2の実施例に係わる半導体レ―ザの活性層ス
トライプに沿った断面図、
【図6】第2の実施例レ―ザの活性層ストライプに垂直
な断面図、
【図7】第2の実施例レ―ザのキャリア密度と電流密度
に対する微分利得を示す図、
【図8】第3の実施例に係わる半導体レ―ザの共振器方
向に沿った断面図、
【図9】第3の実施例の半導体レ―ザの活性層近傍のバ
ンド構造を示す模式図、
【図10】従来の3電極位相シフトDFBレ―ザの構造
と動作原理を示す図、
【図11】従来技術のゲインレバー効果を説明するため
の図。
【符号の説明】
1…半導体基板、 2、202…活性
層、3…クラッド層、 4…コンタク
ト層、10…分離溝、 11,11
1,211…第1の領域、12,13,112,212
…第2の領域、14…p側電極、 1
5…溝、17,18…配線、ボンディング・パッド、1
9…n側電極、 20…低反射率コ―
ティング膜、25…回折格子、 2
1,220…井戸層、22,221,222…障壁層、
102…不純物拡散領域、120…高反射率コ―テ
ィング膜、 201…エッチングストップ層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−61183(JP,A) 特開 平4−76979(JP,A) 特開 平1−125992(JP,A) 特開 平3−174791(JP,A) 特開 昭62−281489(JP,A) 特開 平3−295289(JP,A) 特開 平4−147686(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 5/00 - 5/50 JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ストライプ状に形成された分布帰還共振器
    内に、この共振器の共振器方向に分割して第1の領域と
    第2の領域の少なくとも二つの領域を有し、各領域の電
    流密度を独立に制御する複数の電極を設けた波長可変半
    導体レーザにおいて、 前記各領域を、第1及び第2の領域への注入電流密度変
    化による温度変化が、第1の領域の方で第2の領域より
    も大きくなるように形成してなることを特徴とする波長
    可変半導体レーザ。
  2. 【請求項2】前記各領域を、第1の領域における放熱量
    が第2の領域における放熱量よりも少なくなるように形
    成したことを特徴とする請求項1記載の波長可変半導体
    レーザ。
  3. 【請求項3】前記各領域の活性層への電流供給路の少な
    くとも一部を、第1の領域の方が第2の領域よりも高抵
    抗になるように形成したことを特徴とする請求項1記載
    の波長可変半導体レーザ。
  4. 【請求項4】前記各領域を、第1の領域における無効電
    流が第2の領域における無効電流よりも大きくなるよう
    に形成したことを特徴とする請求項1記載の波長可変半
    導体レーザ。
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