JP2004311556A - 半導体レーザ並びにそれを用いた光モジュール及び機能集積型レーザ - Google Patents

半導体レーザ並びにそれを用いた光モジュール及び機能集積型レーザ Download PDF

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Abstract

【課題】Alを含む化合物半導体による発光層を有する、簡易な作製方法で実現可能な半導体レーザ並びにそれを用いた光モジュール及び機能集積型レーザを提供すること。
【解決手段】p型のInP半導体基板201の上に形成した、InGaAlAsを含む多重量子井戸構造で構成された発光層205と、該発光層の近傍に配置した半導体層209に放出された光を分布反射するための、光の進行方向に沿う周期的回折格子211とを少なくとも有し、周期的回折格子211は、レーザの発振波長において光学利得を有するInGaAsP材料を含む多重量子井戸構造209で構成され、かつ屈折率及び光学利得が周期的に摂動を受ける利得回折格子である。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光送信装置に係り、特に光通信用モジュール、光通信システム、光ネットワークに適用して好適な、単一波長で発振する分布帰還型半導体レーザに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、幹線系のみならず加入者系の通信網の光化が急速に進んでいる。単一縦モード動作が実現可能な分布帰還(以下「DFB」という)型半導体レーザは、高速変調時にも動作が安定しており、基本送信デバイスとして盛んに実用化が進められている。
【0003】
安定な単一縦モード動作を再現良く実現するための素子として、位相シフト型の回折格子を用いた位相シフト型DFBレーザと利得回折格子を用いた利得結合型DFBレーザがある。位相シフト型DFBレーザでは、四分の一波長(λ/4)の位相シフトをレーザ共振器内部に導入したλ/4位相シフトDFB半導体レーザ(例えば非特許文献1参照)が主流の構造となっているが、λ/4位相シフト型回折格子を高い歩留まりで大量生産する基本技術は未だ確立されていない。そのため、λ/4位相シフトDFB半導体レーザは広く実用化されるには至っていないのが現状である。
【0004】
また、利得結合型DFBレーザとして、InGaAsP材料で構成される多重量子井戸構造に直接回折格子を切り刻んだ利得回折格子構造のものが一部実用化されている(例えば非特許文献2参照)。この構造は、比較的容易な手法でDFBレーザを歩留まり良く作製することができる特徴がある。
【0005】
一方、最近に至り、通信用半導体レーザの諸特性を向上させる方法として、従来用いられてきたInGaAsPに代わり、InGaAlAsを用いることが知られるようになった。InGaAlAsは材料固有の深い伝導体バンド構造を有するため、電子の閉じ込めが強く、量子サイズ効果がInGaAsPに比べ増大する。
【0006】
【非特許文献1】
光ファイバ通信会議及び展示会2002(Optical Fiber Communication Conference and Exhibit, 2002)第17−22号第417頁〜第418頁(Takiguchi, T 他“1.3μm uncooled InGaInAs−MQW DFB laser with λ/4−shifted grating”)(2002年3月)
【非特許文献2】
第14回IEEE国際半導体レーザ会議(Semiconductor Laser Conference, 1994, 14th IEEE International)第19−23号第51頁〜第52頁(Lu, H.他“High−power and high−speed performance of gain−coupled 1.3μm strained−layer MQW DFB lasers”)(1994年9月)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
InGaAlAs材料の前述の特性から、これを発光層に用いれば、高温まで高性能特性を保つ半導体レーザが実現される。しかしながら、InGaAlAs材料を利得結合DFBレーザに適用することは作製プロセスの観点から困難である。それは、化学的に不安定で酸化しやすいAlを含むInGaAlAs層を剥き出した状態での再成長が困難だからである。このような事情は、やはりAlを含むInAlAs材料でも同様である。
【0008】
本発明の目的は、Alを含む化合物半導体による発光層を有する、簡易な作製方法で実現可能な半導体レーザ並びにそれを用いた光モジュール及び機能集積型レーザを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明者は、レーザの発光層となる活性層をInGaAlAs材料活性層とその上に積層したInGaAsP材料活性層による二層構造とし、前記InGaAsP活性層に利得回折格子を形成する構造を考案した。これにより、InGaAlAs活性層の高温度特性を有したまま、利得結合型分布帰還型レーザを実現することが可能となる。その結果、高温度特性の半導体レーザを高歩留まりで作製することが可能となる。
【0010】
なお、InGaAlAs活性層の高利得特性と利得回折格子の組み合わせにより、レーザの戻り光耐性が大きく向上する。このため、従来、分布帰還型レーザをモジュール化する際に必ず必要であった光アイソレータが不要になるため、光モジュールの小型化と一層の経済化を同時に実現することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る光送信装置を図面に示した幾つかの発明の実施の形態を参照して更に詳細に説明する。
<発明の実施の形態1>
図1は、本発明を用いて波長1.3μm帯の分布帰還型半導体レーザを作製した例である。n型半導体基板101の上にInGaAlAs活性層105が形成されており、更にその上にInGaAsP活性層109が積層される。InGaAsP活性層109に回折格子111が形成され、表面が表面保護層131によって保護される。リッジ構造の上にp型電極132が、基板101の裏面にn型電極133が設けられている。基板101に垂直な前端面に低反射膜151が、後端面に高反射膜152が形成され、前端面から主たるレーザ光が出射し、後端面からモニタ用レーザ光が出射する。
【0012】
このような構造の本実施形態の半導体レーザの作製方法を次に説明する。図2に示すように、導電型がn型で(100)結晶面を有するInP半導体基板101上に有機金属気相成長法により、0.5μm厚のn型InPバッファ層102、0.05μm厚のn型InAlAsバッファ層103、0.05μm厚のn型InGaAlAs下側グレーデッド型ガイド層104、アンドープの7周期のInGaAlAs系多重量子井戸活性層[5nm厚の1.2%圧縮歪InGaAlAs(組成波長1.37μm)井戸層、8nm厚のInGaAlAs(組成波長1.00μm)障壁層]105、0.01μm厚のアンドープInAlAs電子漏れ防止層106、0.02μm厚のアンドープInGaAlAsP組成傾斜層107、0.03μm厚のアンドープのInGaAsP(組成波長1.05μm)中間ガイド層108、アンドープの3周期のInGaAsP系多重量子井戸活性層[5nm厚の1.0%圧縮歪InGaAsP(組成波長1.37μm)井戸層、8nm厚のInGaAsP(組成波長1.00μm)障壁層]109、0.01μm厚のp型第一InPクラッド層110を順次成長する。多重量子井戸活性層105,109の発光波長は、共に約1.31μmである。また、組成傾斜層107においては、電子漏れ防止層106と中間ガイド層108の間で組成が徐々に変化している。
【0013】
活性層近傍のバンド構造を図5に示す。図示のように、電子漏れ防止層106及び組成傾斜層107の導入により、InGaAlAs系多重量子井戸層(MQW)105への電子供給・閉じ込めを保ちつつ、InGaAsP系量子井戸活性層(MQW)109を導入することが可能となる。また、正孔に対する障壁は、少なく均一なキャリア注入を可能にする。
【0014】
次に、通常の干渉露光法によるフォトリソグラフィーとドライエッチングにより、InGaAsP量子井戸活性層109及びp型第一InPクラッド層110の一部を図3に示すように周期的にエッチング除去し、回折格子111を基板全面に形成する。回折格子111の周期は201nmである。回折格子の深さは約50nmとし、回折格子がInGaAsP量子井戸活性層109を貫通しInGaAsP中間ガイド層108に達するようにする。
【0015】
形成された回折格子111は、発光層である多重量子井戸活性層105の近傍層である多重量子井戸活性層109に放出された光を分布反射するための、光の進行方向に沿う周期的回折格子であり、かつこの周期的回折格子はレーザの発振波長において光学利得を有するInGaAsP材料を含み、更に屈折率及び光学利得が周期的に摂動を受ける利得回折格子である。
【0016】
続いて、周知のウェットエッチングにより、図4に示すように、ドライエッチングで自動形成されたエッチング表面のダメージ層の数nmを除去した後、0.05μm厚のp型第二InPクラッド層112、4nm厚のp型InGaAsP(組成波長1.3μm)エッチング停止層113、1.7μm厚のp型第三InPクラッド層114、0.03μm厚のp型InGaAsP(組成波長1.3μm)障壁緩和層115、0.2μm厚の高濃度p型InGaAs電極接触層116を順次再成長する。このとき、InGaAlAs層はウェハ表面に露出していないため、Al層の酸化の問題がなく、良好な再成長界面を得ることができる。
【0017】
以上の工程により、InGaAlAs系多重量子井戸層105の上部にInGaAsP系の利得回折格子111が形成された利得結合分布帰還型レーザの基本構造が作製された。本レーザの規格化光結合係数は約4.0である。
【0018】
続いて、本ウェハは、周知のリッジ導波路型レーザに加工され、図1に示したレーザダイオードチップが完成する。共振器長は200μmであり、前端面、後端面にはそれぞれ反射率1%の低反射膜151、反射率70%の高反射膜152を通常の手法により形成した。
【0019】
作製した1.3μm帯の分布帰還型半導体レーザ素子は、室温、連続条件において閾値電流6mA、発振効率0.30W/Aであった。また、簡易な作製を反映して、85℃の高温においても閾値電流15mA、発振効率0.22W/Aと良好な発振特性を得た。
【0020】
発振閾値以下に順バイアスを印加した場合の、スペクトル形状は、利得結合型の回折格子を反映してストップバンドの長波長側に発振主モードが現われる典型的なものが得られた。この結果、−40℃〜85℃の広い温度範囲において副モード抑圧比40dB以上の安定な単一モード動作を95%以上の高い作製歩留まりで実現した。
【0021】
このように、本発明により、従来のInGaAlAs系量子井戸構造の高温高性能特性と利得回折格子構造の分布帰還型レーザの高歩留まりを両立することが可能となる。本構造は1.3μm帯のみならず1.55μm帯や他の波長帯の分布帰還型半導体レーザにも適用可能である。また、単体のレーザのみならず、後述するが、機能集積型の集積光素子にも本構造を適用することができる。
【0022】
なお、本実施形態では、活性層105をInGaAlAs系材料で構成した量子井戸構造としたが、これをInAlAs,InGaAlAsのいずれかを少なくとも含む半導体層としても良く、また、利得回折格子が形成される活性層109をInGaAsP系材料で構成した量子井戸構造としたが、これをレーザの発振波長において光学利得を有するInP,InGaAsP,InGaAs材料のいずれかを少なくとも含む半導体層とすることが可能であり、或いはInGaAsP又はInGaAsのいずれかを少なくとも含むバルク構造とすることが可能である。
<発明の実施の形態2>
図6は、本発明を用いて別構造を有する波長1.3μm帯の分布帰還型半導体レーザを作製した例である。p型の基板を用いる点及び埋め込みヘテロ構造を採用している点が実施形態1との主だった相違点である。p型基板を用いることにより実施形態1の素子に比べ、正孔の活性層への注入効率が改善される。
【0023】
本構造の半導体レーザにおいては、p型半導体基板201の上にInGaAlAs活性層205が形成されており、更にその上にInGaAsP活性層209が積層される。InGaAsP活性層209に回折格子211が形成され、表面が表面保護層231によって保護される。活性層205,209をp型埋め込み層241、高抵抗埋め込み層242、n型埋め込み層243及び溝244によって囲むことにより、埋め込みヘテロ構造が構成される。構造の上部にn型電極132が、基板101の裏面にp型電極133が設けられている。基板101に垂直な前端面に低反射膜251が、後端面に高反射膜252が形成され、前端面から主たるレーザ光が出射し、後端面からモニタ用レーザ光が出射する。
【0024】
このような構造の本実施形態の半導体レーザの作製方法を次に説明する。図7に示すように、導電型がp型で(100)結晶面を有するInP半導体基板201上に有機金属気相成長法により1.5μm厚のp型InPバッファ層202、0.1μm厚のp型InAlAsバッファ層203、0.1μm厚のアンドープInGaAlAs下側ガイド層204、アンドープの7周期のInGaAlAs系多重量子井戸活性層[5nm厚の1.2%圧縮歪InGaAlAs(組成波長1.37μm)井戸層、8nm厚のInGaAlAs(組成波長1.00μm)障壁層]205、0.1μm厚のアンドープInGaAlAs中間ガイド層206、アンドープInGaAlAsP組成傾斜層207、0.05μm厚のアンドープのInGaAsP(組成波長1.05μm)中間ガイド層208、アンドープの3周期のInGaAsP系多重量子井戸活性層[5nm厚の1.0%圧縮歪InGaAsP(組成波長1.37μm)井戸層、8nm厚のInGaAsP(組成波長1.00μm)障壁層]209、0.01μm厚のn型第一InPクラッド層210を順次成長する。多重量子井戸活性層205,209の発光波長は、共に約1.31μmである。
【0025】
図10は活性層近傍のバンド構造図である。本実施形態の場合はp型基板を使用しているため、電子供給と電子のp型層への漏洩が未然に防止することができるバンド構造となっていることが特徴である。更に、組成傾斜層207の導入により、InGaAsP量子井戸活性層(MQW)209からInGaAlAs量子井戸活性層(MQW)205への電子に対する障壁が低減されている。
【0026】
次に、通常の干渉露光法によるフォトリソグラフィーとドライエッチングによりInGaAsP量子井戸活性層209及びn型第一InPクラッド層210の一部を図8に示すように周期的にエッチング除去し、回折格子211を基板全面に形成する。回折格子211の周期は201nmである。回折格子211の深さは約50nmとし、回折格子がInGaAsP量子井戸活性層209を貫通しInGaAsP中間ガイド層208に達するようにする。
【0027】
続いて、公知のウェットエッチングにより、ドライエッチングで自動形成されたエッチング表面のダメージ層数nmを除去した後、0.4μm厚のアンドープ第二InPクラッド層212、0.1μm厚のn型InGaAsP(組成波長1.3μm)キャップ層213を順次再成長する(図9)。
【0028】
以上の工程により、InGaAlAs系多重量子井戸層205の上部にInGaAsP系の利得回折格子211が形成された利得結合分布帰還型レーザの基本構造が作製された。本レーザの規格化光結合係数は約4.0である。
【0029】
続いて、本ウェハは公知の埋め込みヘテロ型レーザに加工され、図6に示したレーザダイオードチップが完成する。共振器長は200μmであり、前端面、後端面にはそれぞれ反射率1%の低反射膜251、70%の高反射膜252を公知の手法により形成した。
【0030】
作製した1.3μm帯の分布帰還型半導体レーザ素子は室温、連続条件において閾値電流3mA、発振効率0.35W/Aであった。また、簡易な作製を反映して、85℃の高温においても、閾値電流9mA、発振効率0.25W/Aと良好な発振特性を得た。
【0031】
発振閾値以下に順バイアスを印加した場合のスペクトル形状は、利得結合型の回折格子を反映して、ストップバンドの長波長側に発振主モードが現われる典型的なものが得られた。この結果、−40℃〜85℃の広い温度範囲において副モード抑圧比40dB以上の安定な単一モード動作を95%以上の高い作製歩留まりで実現した。
【0032】
このように、本発明によれば、従来のInGaAlAs系量子井戸構造の高温高性能特性と利得回折格子構造の分布帰還型レーザの高歩留まり化を両立することが可能となる。本構造は1.3μm帯のみならず1.55μm帯や他の波長帯の分布帰還型半導体レーザにも適用可能である。また、単体のレーザのみならず、後述するが、機能集積型の集積光素子にも本構造を適用することができる。
<発明の実施の形態3>
図11は、実施形態1又は実施形態2の分布帰還型半導体レーザ501をヒートシンク502上に実装した後、光学レンズ503、後端面光出力モニタ用のフォトダイオード504、光ファイバ505とレーザ駆動用ドライバIC506とを一体化したモジュールの斜視図である。モジュールは筐体507に収容され、筐体507に光ファイバ505を接続するためのコネクタであるファイバスリーブ508と、ドライバIC506に供給する高周波信号を入力するための高周波コネクタ509が取り付けられている。
【0033】
作製したモジュールは−40℃〜85℃の広い温度範囲において副モード抑圧比40dB以上の安定な単一モード動作を95%以上の高い作製歩留まりで実現した。また、動作速度10Gbit/sで消光比8dB以上の明瞭なアイ開口を得た。
【0034】
本半導体レーザ501では、InGaAlAs活性層の高利得特性と利得回折格子の組み合わせ、規格化光結合係数を4.0と高く設定しているため、モジュール実装での課題であるファイバ端からの戻り光による発振特性の劣化が少ないことが特徴である。そのため、本モジュールでは戻り光防止用に通常用いられる高価な光アイソレータを用いなくても所定の戻り光耐性が得られるため、モジュールの経済化に非常に有効である。
<発明の実施の形態4>
図12は、本発明の利得結合型半導体レーザを用いた機能集積型レーザの実施形態である。本例では、電界吸収型光変調器と波長帯1.55μmで動作する利得結合型レーザをバットジョイント法によりモノリシック集積している。素子の作製手法は、まず、レーザ部の回折格子構造までを実施形態1に記した手法と同様の手法で作製する。
【0035】
図12において、702,703はそれぞれ、n型で(100)結晶面を有するInP半導体基板701上に形成したInGaAlAs系多重量子井戸層とInGaAsP系多重量子井戸層であり、発光波長は、共に約1560nmである。InGaAsP系多重量子井戸層703には、周期241nmの利得回折格子が形成されている。
【0036】
回折格子を形成の後、電界吸収型光変調器の光吸収層704を公知のバットジョイント接続法により形成し、その後、InPクラッド層705の再成長埋め込みを行ない、集積構造が作製される。
【0037】
この後、集積構造は、実施形態1と同様にリッジ導波路構造に加工された後、上部電極711,712、下部電極713が形成される。劈開工程を経て、前端面に無反射膜714、後端面に高反射膜715が成膜され、チップが完成する。本素子は、2.5〜40Gbit/sでのコンパクトな送信光源の心臓部品の役割を果たす。
<発明の実施の形態5>
本発明の利得結合型半導体レーザを用いた機能集積型レーザは、図13に示す周知の選択成長法によるバンドギャップエネルギー制御を用いた光変調器/レーザの集積プロセスによっても作製可能である。本実施形態では、レーザ部/変調器部の両者にInGaAlAs系材料を採用したことにより、両素子の特性向上が同時に図れる。
【0038】
図13において、802,803はそれぞれ、n型で(100)結晶面を有するInP半導体基板801上に形成したInGaAlAs系多重量子井戸層とInGaAsP系多重量子井戸層である。また、804は、同じくInGaAlAs系材料を採用した電界吸収型光変調器の光吸収層である。InGaAsP系多重量子井戸層803には、利得回折格子が形成される。回折格子を形成の後、InPクラッド層805の再成長埋め込みを行ない、集積構造が作製される。
【0039】
この後、集積構造は、実施形態1と同様にリッジ導波路構造に加工された後、上部電極811,812、下部電極813が形成される。劈開工程を経て、前端面に無反射膜814、後端面に高反射膜815が成膜され、チップが完成する。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、高温で高性能特性を有し、かつ高歩留まりで簡易に作製可能な利得回折格子構造の分布帰還型半導体レーザを実現することができる。この半導体レーザを用いることにより、広い温度範囲において動作が安定な光モジュール及び機能集積型レーザを実現することができる。更に、本発明を用いれば、素子性能、歩留まりが飛躍的に向上するだけでなく、この素子を適用した光通信システムの低価格化、大容量化、長距離化に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光送信装置の第1の発明の実施の形態を説明するための斜視図。
【図2】図1の光送信装置の作製方法を説明するための第1の図。
【図3】図1の光送信装置の作製方法を説明するための第2の図。
【図4】図1の光送信装置の作製方法を説明するための第3の図。
【図5】図1の光送信装置のバンド構造を説明するための図。
【図6】本発明の光送信装置の第2の発明の実施の形態を説明するための斜視図。
【図7】図6の光送信装置の作製方法を説明するための第1の図。
【図8】図6の光送信装置の作製方法を説明するための第2の図。
【図9】図6の光送信装置の作製方法を説明するための第3の図。
【図10】図6の光送信装置のバンド構造を説明するための図。
【図11】本発明の光送信装置を用いた光モジュールによる第3の発明の実施の形態を説明するための斜視図。
【図12】本発明の光送信装置を用いた機能集積型レーザによる第4の発明の実施の形態を説明するための断面図。
【図13】本発明の光送信装置を用いた機能集積型レーザによる第5の発明の実施の形態を説明するための断面図。
【符号の説明】
101…n型InP半導体基板、102…n型InPバッファ層、103…n型InAlAsバッファ層、104…n型InGaAlAs下側グレーデッド型ガイド層、105…InGaAlAs系多重量子井戸活性層、106…InAlAs電子漏れ防止層、107…InGaAlAsP組成傾斜層、108…InGaAsP中間ガイド層、109…InGaAsP系多重量子井戸活性層、110…p型第一InPクラッド層、111…回折格子、112…p型第二InPクラッド層、113…p型InGaAsPエッチング停止層、114…p型第三InPクラッド層、115…p型InGaAsP障壁緩和層、116…高濃度p型InGaAs電極接触層、131…表面保護層、132…p型電極、133…n型電極、151…低反射膜、152…高反射膜、201…p型InP半導体基板、202…p型InPバッファ層、203…p型InAlAsバッファ層、204…InGaAlAs下側グレーデッド型ガイド層、205…InGaAlAs系多重量子井戸活性層、206…InGaAlAs中間ガイド層、207…InGaAlAsP組成傾斜層、208…InGaAsP中間ガイド層、209…InGaAsP系多重量子井戸活性層、210…n型第一InPクラッド層、211…回折格子、212…第二InPクラッド層、213…n型InGaAsPキャップ層、231…表面保護層、232…n型電極、233…p型電極、241…p型埋め込み層、242…高抵抗埋め込み層、243…n型埋め込み層、251…低反射膜、252…高反射膜。

Claims (9)

  1. 第1の導電型のInP半導体基板と、第1の導電型のバッファ層と、発光層と、該発光層の近傍に配置した半導体層に放出された光を分布反射するための、光の進行方向に沿う周期的回折格子と、第2の導電型のクラッド層とを少なくとも有し、
    上記バッファ層、上記発光層、上記周期的回折格子及び上記クラッド層は、上記半導体基板の上にこの順に形成されており、
    前記発光層は、InAlAs,InGaAlAsのいずれかを少なくとも含む半導体層を含み、
    前記周期的回折格子は、レーザの発振波長において光学利得を有するInP,InGaAsP,InGaAs材料のいずれかを少なくとも含み、かつ屈折率及び光学利得が周期的に摂動を受ける利得回折格子であることを特徴とする半導体レーザ。
  2. 上記発光層は、InAlAs,InGaAlAsのいずれかを少なくとも含む量子井戸構造で構成され、
    上記利得回折格子は、InP,InGaAsP,InGaAsのいずれかを少なくとも含む量子井戸構造で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ。
  3. 上記発光層は、InAlAs,InGaAlAsのいずれかを少なくとも含む多重量子井戸構造で構成され、
    上記利得回折格子は、InGaAsP又はInGaAsのいずれかを少なくとも含むバルク構造で構成されていることを特徴とした請求項1に記載の半導体レーザ。
  4. 多重量子井戸構造で構成された上記発光層の最終層と多重量子井戸構造で構成された利得回折格子の最初の層との間に組成が徐々に変化する組成傾斜層が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の半導体レーザ。
  5. 多重量子井戸構造で構成された上記発光層の最終層とバルク構造で構成された上記利得回折格子との間に組成が徐々に変化する組成傾斜層が設けられたことを特徴とする請求項3に記載の半導体レーザ。
  6. 第1の導電型がp型であり、第2の導電型がn型であることを特徴とした、請求項1〜請求項5のいずれか一に記載の光送信装置。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一に記載の半導体レーザと光機能素子とがモノリシック集積されていることを特徴とする機能集積型レーザ。
  8. 請求項1〜請求項6に記載のいずれか一に記載の半導体レーザと、該半導体レーザが出射するレーザ光を集光するための光学レンズとを少なくとも有し、該半導体レーザから出射されるレーザ光が光アイソレータを介さずに該光学レンズを経て、光を外部に導く光ファイバに入射されることを特徴とする光モジュール。
  9. 請求項7に記載の機能集積型レーザと、該機能集積型レーザが出射するレーザ光を集光するための光学レンズとを少なくとも有し、該機能集積型レーザから出射されるレーザ光が光アイソレータを介さずに該光学レンズを経て、光を外部に導く光ファイバに入射されることを特徴とする光モジュール。
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