JP2726662B2 - 吸着体およびそれを用いた除去装置 - Google Patents

吸着体およびそれを用いた除去装置

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JP2726662B2 JP62224473A JP22447387A JP2726662B2 JP 2726662 B2 JP2726662 B2 JP 2726662B2 JP 62224473 A JP62224473 A JP 62224473A JP 22447387 A JP22447387 A JP 22447387A JP 2726662 B2 JP2726662 B2 JP 2726662B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は体液中からリウマチ因子を吸着除去あるいは
吸着回収するためのリウマチ因子の吸着体およびそれを
用いるリウマチ因子の除去装置に関する。 [従来の技術および発明が解決しようとする問題点] 自己免疫疾患はその名称のごとく自己の組織の構成成
分に対する抗体(以下、自己抗体という)が出現する疾
患であるが、代表的な自己免疫疾患である慢性関節リウ
マチ(以下、RAという)などでは血液成分の一つである
免疫グロブリンG(以下、IgGという)に対する抗体
(以下、リウマチ因子という)が体液中に出現し、その
病態と密接な関連があることが知られている。産生され
た自己抗体が病気の発症に関わる機序は必ずしも明確で
はないが、自己抗体自身が細胞を障害する機構、あるい
は自己抗体が抗原と結合して免疫複合体を形成し組織に
沈着することにより組織障害をおこす機構などが提唱さ
れている。リウマチ因子のばあいは発生したリウマチ因
子が血中のIgGと免疫複合体を形成し、血管壁、滑膜な
どに沈着することによりそれぞれ血管炎、関節炎を発症
することが知られている。 このように産生したリウマチ因子またはリウマチ因子
と血中のIgGとの免疫複合体によりさまざまな症状がひ
きおこされるわけであるから、治療にはリウマチ因子の
コントロールが非常に重要である。 従来よりリウマチ因子の産生を抑制する目的でステロ
イド剤、免疫抑制剤、免疫調節剤、抗炎症剤などが治療
に広く用いられている。なかでもステロイド剤はもっと
も一般的に用いられ、パルス治療と呼ばれるステロイド
の短期超大量投与療法もしばしば行なわれてる。しかし
ながら、ステロイドは少量の投与によっても副作用を生
じやすいのでステロイドの短期超大量投与療法によれ
ば、さらに大きな副作用を生じさせやすくなるのは自明
である。また、これらの薬剤は長期にわたって用いられ
ることが多く、そのようなばあいには副作用がさらに出
やすく、また薬剤耐性によりしだいに増量しなければな
らないことも多いため、症例によってはこれらの薬剤の
使用が不可能であったり、充分な効果を発揮しないばあ
いも多い。 一方、これらの薬剤療法とは別のアプローチとして、
体液中のリウマチ因子を体外循環により直接除去しよう
とする試みがなされている。もっとも簡便な方法は、リ
ウチマ因子を含む患者の血漿を健常人の血漿と交換す
る、いわゆる血漿交換療法である。この方法によって血
中のリウマチ因子は大幅に低下し、症状の改善が見られ
ている。しかしながらこの方法では大量の健常血漿が必
要となり高価であるばかりでなく、該療法処置中に血清
肝炎などの感染の危険性を伴うため広く普及するには至
っていない。 血漿交換療法では血漿中のすべての成分が除去され、
健常血漿と交換されるわけであるが、これに対して病因
物質であるリウマチ因子を選択的に除去する目的で、分
子サイズにより病因物質を分離する血漿分離膜法が開発
された。この方法では膜により血漿を高分子量画分と低
分子量画分に分離し、病因物質が含まれている高分子量
画分を廃棄し、主要蛋白であるアルブミンが含まれてい
る低分子量画分を患者に戻すが、リウマチ因子とアルブ
ミンとの分離は必ずしも充分でなく、リウマチ因子を除
去する際にアルブミンも大量に除去され、さらに病因物
質と同等以上の分子量の蛋白はすべて除去されるなどの
欠点がある。 したがって病因物質であるリウマチ因子をより選択的
に除去し、体液中の他の有用成分がほとんど失われるこ
とのない除去手段の出現が望まれていた。 そこで本発明者らは、かかる実情に鑑み鋭意研究を重
ねた結果、体液中の有効成分をほとんど失うことなくリ
ウマチ因子のみを選択的に中着しうる吸着体を見出し、
本発明を完成するに至った。 [問題点を解決するための手段] すなわち本発明は、球状蛋白質の排除限界分子量が10
0万以上6000万以下である多孔質セルロース体に硫酸エ
ステル基を有する分子量1000以上のポリアニオン化合物
が固定されてなるリウマチ因子の吸着体ならびに流体の
流入口および流出口を有する容器、流体および該流体に
含まれる成分は通過できるが、球状蛋白質の排除限界分
子量が100万以上6000万以下である多孔質セルロース体
に硫酸エステル基を有する分子量1000以上のポリアニオ
ン化合物が固定されてなるリウマチ因子の吸着体は通過
できないフィルター、および前記容器内に充填された前
記リウマチ因子の吸着体からなるリウマチ因子の除去装
置に関する。 [実施例] 本明細書において体液とは血液、血漿、血清、腹水、
リンパ液、関節内液およびこれらからえられた分画成
分、ならびにその他の生体由来の液性成分をいう。 本発明に用いる多孔質セルロース体は、大きな径の連
続した細孔を有するものが好ましい。すなわちリウマチ
因子はIgG、IgM(免疫ブロブリンM)などの免疫グロブ
リンからなり、分子量が16〜90万の巨大分子であるた
め、これを効率よく吸着するためにはリウマチ因子が容
易に多孔質体内に侵入しうることが必要である。 細孔径の測定方法には種々あり、水銀圧入法がもっと
もよく用いられているが、親水性多孔質体のばあいには
適用がむずかしい。これにかわる細孔径の目安として排
除限界分子量がよく用いられ、親水性多孔質体、疎水性
多孔質体いずれにも適用することができる。排除限界量
とは成書(たとえば波多野博行、花井俊彦著、実験高速
液体クロマトグラフィ、化学同人)などに述べられてい
るごとく、ゲル浸透グロマトグラフィにおいて細孔内に
侵入することができない(排除される)分子のうちもっ
とも小さい分子量をもつ物の分子量をいう。 排除限界分子量は対象とする化合物により異なること
が知られており、一般に球状蛋白質、デキストラン、ポ
リエチレングリコールなどについてよく調べられてお
り、リウマチ因子にもっとも類似していると思われる球
状蛋白質(ビールスを含む)を用いてえられた値を用い
るのが適当である。 排除限界の異なる種々の水不溶性多孔質体を用いて検
討した結果、予想に反し排除限界分子量がリウマチ因子
の分子量より小さい10万程度のものでもある程度の吸着
能を示し、また細孔径の大きいもの程能力が大きいわけ
でなく、むしろ能力が低下したりリウマチ因子以外の蛋
白が吸着されること、すなわち最適な細孔径の範囲が存
在することが明らかになった。すなわち10万未満の排除
限界分子量をもつ水不溶性多孔質体を用いたばあいはリ
ウマチ因子の吸着量は小さく実用に耐えないが、排除限
界分子量が10万ないし15万とリウマチ因子の分子量に近
い水不溶性多孔質体を用いてもある程度実用に供しうる
吸着体がえられた。一方排除限界分子量が大きくなるに
つれ、リウマチ因子の吸着量は増加するがやがて頭打ち
となり、排除限界分子量が6000万以上になると表面積が
少なすぎ吸着量は目立って低下するばかりでなく、目的
とするリウマチ因子以外の成分の吸着、すなわち非特異
吸着が増加し選択性がいちじるしく低下する。 したがって水不溶性多孔質体の好ましい排除限界分子
量は10万以上6000万以下であり、さらに好ましくはより
吸着容量が大きい点から100万以上6000万以下であり、
さらには10万以上2000万以下であるが、本発明において
は100万以上6000万以下のものを使用する。 つぎに水不溶性多孔質体の多孔構造については表面多
孔性よりも全多孔性が好ましく、空孔容積が吸着容量が
大きいという点から20%以上であることが好ましい。水
不溶性多孔質体の形状は、粒状、球状、繊維状、膜状、
ホローファイバー状など任意の形状を選ぶことができ
る。粒子状の水不溶性多孔質体を用いるばあい、その粒
子径は1μm未満のばあい圧力損失が大きく、5000μm
をこえるばあい吸着容量が小さいという点から1μm以
上5000μm以下であるのが好ましい。 水不溶性多孔質体は有機性、無機性いずれであっても
よいが、目的とするリウマチ因子以外の体液成分の吸着
(いわゆる非特異吸着)の少ないものが好ましい。親水
性である方が非特異吸着が少ないので水不溶性多孔質体
は疎水性であるよりも、親水性であるほうが好ましく、
分子中に水酸基を有する化合物よりなる水不溶性多孔質
体がより好ましい。 水不溶性多孔質体の代表例としては、アガロース、デ
キストラン、ポリアクリルアミドなどの軟質多孔質体、
多孔質ガラス、多孔質シリカゲルなどの無機多孔質体、
ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ス
チレン−ジビニルベンゼン共重合体などの合成高分子お
よび/またはセルロースなどの天然高分子を原料とする
多孔質ポリマーハードゲルなどがあげられるがこれらに
限定されるわけではない。本発明においては、セルロー
スを原料とする多孔質ポリマーハードゲル(多孔質セル
ロース体)を使用する。 本発明の吸着体を体外循環治療に用いる際には、血
液、血漿のごとき高粘性流体を高速で流す必要があるた
め、圧密化を引起こさない充分な機械的強度を有する硬
質水不溶性多孔質体を用いるのが好ましい。すなわち硬
質多孔質体とは後記参考例に示すごとく、水不溶性多孔
質体を円筒状カラムに均一に充填し、水性流体を流通し
たばあいの圧力損失と流量との関係が少なくとも0.3kg/
cm2まで直線関係にあるものをいう。 本発明に用いる硫酸エステル基は、pHが中性付近で負
に帯電する官能基であり、リウマチ因子に対する親和性
が強く好ましい。 硫酸エステル基を有する分子量1000以上のポリアニオ
ン化合物(以下、硫酸エステル基を有する化合物とい
う)とは、複数の硫酸エステル基を有するポリアニオン
化合物であって分子量が1000以上のものをいう。硫酸エ
ステル基を有する分子量1000以上のポリアニオン化合物
はリウマチ因子に対する親和性が大きく、また単位量の
多孔質体に多くの硫酸エステル基を導入しやすいので好
ましい。 本発明に用いるポリアニオン化合物の代表例として
は、ポリビニル硫酸などの合成ポリアニオン化合物およ
びヘパリン、デキストラン硫酸、コンドロイチン、コン
ドロイチン硫酸などの硫酸エステル基含有多糖類があげ
られるがこれらに限定されるわけではない。 本発明の吸着体に固定されている硫酸エステル基を有
する化合物は1種であってもよいし、2種以上であって
もよい。 本発明の吸着体は、球状蛋白質の排除限界分子量が10
0万以上6000万以下である多孔質セルロース体に硫酸エ
ステル基を有する化合物が固定された状態のものをい
う。そのような硫酸エステル基を有する化合物の固定さ
れた状態をうるための硫酸エステル基の吸着体への導入
方法は種々あり、いかなる方法で導入してもよいが、代
表的な導入方法としては (1)硫酸エステル基を含有する化合物を多孔質セルロ
ース体に固定させる方法、 (2)硫酸エステル基を形成する化合物と多孔質セルロ
ース体を直接反応させることによって、多孔質セルロー
ス体に硫酸エステル基を有する化合物を固定させる方法 などがあげられる。 (1)の方法、すなわち硫酸エステル基を含有する化
合物を多孔質セルロース体に固定させる方法としては、
物理的吸着による方法、イオン結合による方法、共有結
合により固定する方法などがあり、いかなる方法を用い
てもよいが、治療目的に吸着体を用いるには、滅菌時あ
るいは治療中に硫酸エステル基含有化合物が脱離しない
ことが重要であるので、強固な固定が可能な共有結合法
が好ましい。 共有結合により硫酸エステル基含有化合物を固定させ
るばあい、硫酸エステル基含有化合物が硫酸エステル基
以外に固定に利用できる官能基を有するのが好ましい。 固定に利用できる官能基の代表例としては、アミノ
基、アミド基、カルボキシル基、酸無水物基、スクシニ
ルイミド基、水酸基、チオール基、アルデヒド基、ハロ
ゲン基、エポキシ基、シラノール基などがあげられるが
これらに限定されるわけではない。 また、硫酸エステル基を含有する化合物の代表例とし
てはアルコール、糖類、グリコールなどの水酸基含有化
合物の硫酸エステルがあげられるが、これらのなかでも
多価アルコールの部分硫酸エステル化物、とりわけ糖類
の硫酸エステル化物が硫酸エステル基、固定に必要な官
能基の双方を含んでいるうえに、生体適合性および活性
ともに高く、さらに硫酸化多糖類は容易に多孔質セルロ
ース体に固定できることからとくに好ましい。 つぎに、(2)の方法では硫酸エステル基を形成する
化合物と多孔質セルロース体とを直接反応させることに
よって多孔質セルロース体に硫酸エステル基を有する化
合物を固定させる。このばあい、水酸基を含有する多孔
質セルロース体とクロルスルホン酸、濃硫酸などの試薬
を反応させることによって直接硫酸エステル基を導入す
ることができる。 導入される硫酸エステル基の量は、吸着体1m1あたり
0.01μmol以上10mmol以下が好ましい。001μmol未満の
ばあい吸着能力が充分でなく、10mmolをこえるばあい非
特異吸着が多すぎ、実用に供することが困難になる。よ
り好ましい硫酸エステル基導入量は1μmol以上100μmo
l以下である。 本発明の吸着体を用いて体液からリウマチ因子を除去
する方法には種々あり、いかなる方法を用いてもよい
が、流体の流入口および流出口を有する容器、流体およ
び該流体に含まれる成分は通過できるが、球状蛋白質の
排除限界分子量が100万以上6000万以下である多孔質セ
ルロース体に硫酸エステル基を有する化合物が固定され
てなるリウマチ因子の吸着体は通過できないフィルタ
ー、および前記容器内に充填された前記リウマチ因子の
吸着体からなるリウマチ因子の除去装置に体液を通液す
る方法が簡便で好ましい。 第2図に本発明のリウマチ因子の除去装置の一実施例
の概略断面図を示す。第2図中、(1)および(2)は
それぞれの流体の流入口と流出口、(3)は本発明の吸
着体、(4)および(5)は流体および流体に含まれる
成分は通過できるが本発明の吸着体は通過できないフィ
ルターまたはメッシュ、(6)はカラム、(7)は容器
である。ここで流体の流入口側のフィルター(4)は存
在しなくてもよい。 以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する
が、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではな
い。 参考例 両端に孔径15μmのフィルターを装着したガラス製カ
ラム(内径9mm、カラム長150mm)にアガロースゲル(Bi
ogel A5m、商品名、バイオラド社製、粒径50〜100メッ
シュ)、合成ポリマーよりなるゲル、トヨパールHW65
(商品名、東洋曹達工業(株)製、粒径50〜100μ
m)、および多孔質セルロースゲル、セルロファインGC
−700(商品名、チッソ(株)製、粒径45〜100μm)を
それぞれ均一に充填し、ペリスタティックポンプにより
カラム内に水を流通し、流量と圧力損失ΔPとの関係を
求めた。その結果を第1図に示す。同図より明らかなよ
うに軟質ゲルであるアガロースゲルは一定の流量以上で
は圧密化を起こし、圧力を増加させても流量が増加しな
いのに対し、トヨパール、セルロファインなどの硬質ゲ
ルは圧力の増加にほぼ比例して流量が増加する。 製造例1 多孔質セルロースゲルであるCKゲルA3(商品名、チッ
ソ(株)製、球状蛋白質の排除限界分子量5000万、粒径
45〜105μm)100m1に20%NaOH40g、ヘプタン120gおよ
びノニオン系界面活性剤トゥイーン20(商品名、花王ア
トラス(株)製)を10滴加えた。40℃で2時間攪拌後、
エピクロルヒドリン50gを加えて2時間攪拌し、ゲルを
水洗濾過してエポキシ化セルロースゲル(以下、エポキ
シ化ゲルという)をえた。 比較例1 製造例1でえたエポキシ化ゲル5m1にスルファニル酸
0.17gを10m1の水に溶解してpH9.9に調整した溶液を加
え、常温で24時間振盪し、0.5%モノエタノールアミン
水溶液を加えて振盪し未反応のエポキシ基を封止してス
ルファニル酸が固定されたセルロースゲルをえた。固定
されたスルファニル酸により導入されたアニオン性官能
基量は吸着体1m1あたり6.5μmolであった。 比較例2 製造例1でえたエポキシ化ゲル5m1にホスホリルエタ
ノールアミン0.1gを10m1の水に溶解してpH9.6に調整し
た溶液を加え、40℃で4時間振盪し、0.5%モノエタノ
ールアミン水溶液を加えて振盪し未反応のエポキシ基を
封止してホスホリルエタノールアミンが固定されたセル
ロースゲルをえた。固定されたホスホリルエタノールア
ミンにより導入されたアニオン性官能基量は吸着体1m1
あたり4μmolであった。 実施例1 製造例1でえたエポキシ化ゲル5m1に分子量約5000、
イオウ含量15%のデキストラン硫酸ナトリウム4gおよび
水5m1を加えpH9に調整して45℃で16時間振盪した。その
のち、ゲルを濾別して、2M食塩水溶液、0.5M食塩水溶液
および水を用いてこの順に洗浄し、0.5%モノエタノー
ルアミン水溶液を加えて振盪し未反応のエポキシ基を封
止してデキストラン硫酸ナトリウムが固定されたセルロ
ースゲルをえた。固定されたデキストラン硫酸により導
入されたアニオン性官能基は吸着体1m1あたり10μmolで
あった。 比較例3 製造例1でえたエポキシ化ゲル5m1にグリシン0.22gを
10m1の水に溶解してpH9.8に調整した溶液を加え、常温
で24時間振盪し、0.5%モノエタノールアミン水溶液を
加えて振盪し未反応のエポキシ基を封止してグリシンが
固定されたセルロースゲルをえた。固定されたグリシン
により導入されたアニオン性官能基量は吸着体1m1あた
り9μmolであった。 比較例4 製造例1でえたエポキシ化ゲル5m1にタウリン0.37gを
10m1の水に溶解してpH9.0に調整した溶液を加え、常温
で24時間振盪し、0.5%モノエタノールアミン水溶液を
加えて振盪し未反応のエポキシ基を封止してタウリンが
固定されたセルロースゲルをえた。固定されたタウリン
により導入されたアニオン性官能基量は吸着体1m1あた
り5μmolであった。 比較例5 CKゲルA3、10m1を水洗後吸引濾過しこれにジメチルス
ルホキシド6m1、2N−NaOH2.6m1、エピクロルヒドリン1.
5m1を加え40℃、2時間攪拌した。反応後ゲルを濾別、
水洗してエポキシ基の導入されたセルロースゲルをえ
た。 これに濃アンモニア水6m1を加え40℃で2時間反応さ
せてアミノ化セルロースゲルをえた。 このゲル5m1に分子量19〜50万のポリアクリル酸ナト
リウム0.2gを10m1の水を溶解してpH4.5に調整した溶液
を加え、さらに1−エチル−3−(ジメチルアミノプロ
ピル)カルボジミド200mgをpH4.5に保ちながら添加し、
4℃で24時間振盪した。反応後ゲルを濾別、水洗してポ
リアクリル酸の導入されたセルロースゲルをえた。固定
されたポリアクリル酸により導入されたアニオン性官能
基量は吸着体1m1あたり14μmolであった。 実施例2、3および比較例6〜8 多孔質セルロースゲルをCK−A22(商品名、チッソ
(株)製、球状蛋白質の排除限界分子量2000万、粒径45
〜105μm、架橋ゲル)、セルロファインGCL−2000(商
品名、チッソ(株)製、球状蛋白質の排除限界分子量30
0万、粒径45〜105μm、架橋ゲル)、セルロファインGC
−700(商品名、チッソ(株)製、球状蛋白質の排除限
界分子量40万、粒径45〜105μm、)、セルロファインG
C−200m(商品名、チッソ(株)製、球状蛋白質の排除
限界分子量12万、粒径45〜105μm)、セルロファインG
CL−90(商品名、チッソ(株)製、球状蛋白質の排除限
界分子量3.5万、粒径45〜105μm)にかえたほかは製造
例1および実施例1と同様にしてデキストラン硫酸ナト
リウムの固定されたセルロースゲルをえた。固定された
デキストラン硫酸により導入されたアニオン性官能基量
は吸着体1m1あたりそれぞれ16.18,24、30、37μmolであ
った。 比較例9 エポキシ化架橋アガロースゲルであるエポキシアクテ
ィベイティッドセファロースCL−6B(商品名、ファルマ
シアファインケミカルズ社製、球状蛋白質の排除限界分
子量400万、粒径45〜165μm)ゲルを用いたほかは実施
例1と同様の方法でデキストラン硫酸ナトリウムを固定
した。固定されたデキストラン硫酸により導入されたア
ニオン性官能基量は吸着体1m1あたり20μmolであった。 比較例10 ポリメタクリル酸メチルを主成分とする親水性多孔性
硬質ヒドロゲルであるFP−HG(商品名、三菱化成(株)
製、球状蛋白質の排除限界分子量400万、粒径120μm)
を用いたほかは製造例1および実施例1と同様にしてデ
キストラン硫酸が固定されたゲルをえた。固定されたデ
キストラン硫酸により導入されたアニオン性官能基量は
吸着体1m1あたり9μmolであった。 実施例4 比較例5と同様にしてえたアミノ化セルロースゲル2g
に、分子量5000、イオウ含量15%のデキストラン硫酸ナ
トリウム4gを0.1Mリン酸バッファー(pH8.0)8m1に溶解
した液を加え室温で16時間振盪した。反応後NaCNBH320m
gを加え室温で30分攪拌後、40℃で4時間加熱したのち
ゲルを濾別水洗してデキストラン硫酸の固定されたセル
ロースゲルをえた。固定されたデキストラン硫酸により
導入されたアニオン性官能基量は吸着体1m1あたり18μm
olであった。 実施例5 実施例1、4および比較例1〜5でえられた吸着体1m
1ずつをポリプロピレン製ミニカラム(内径:7mm)に充
填し、生理的食塩水で洗浄したのち、生理的食塩水で10
倍希釈したIgM型リウマチ因子を含む血清0.1m1を通液
し、さらに5m1の0.15Mトリス‐HCl緩衝液、pH7.6で洗
い、そのすりぬけ分画のリウマチ因子力価を固相酵素抗
体法(ELISA法)により測定した。IgM型リウマチ因子力
価は、IgGを付着したプレートに希釈した検体を滴下
し、抗原‐抗体反応を行ない、ペルオキシダーゼ標識抗
ヒト免疫グロブリン抗体を滴下し、酵素発色反応をSLT-
210(商品名、ラボサイエンス(株)製)にて測定し
た。第1表に各吸着体に固定されたアニオン性官能基を
有する化合物名および各吸着体の原血清のリウマチ因子
力価に対するすり抜け分画中のリウマチ因子力価を百分
率で相対リウマチ因子力価として示す。 第1表から、分子量が大きい硫酸エステル基を有する
化合物であるデキストラン硫酸ナトリウムが固定された
吸着体のIgM型リウマチ因子結合能はとくにすぐれてい
ることがわかる。 実施例6 実施例1〜3および比較例6〜10でえられた吸着体を
用いたほかは、実施例5と同様の方法で、相対リウマチ
因子力価を求めた。結果を用いた種々の水不溶性多孔質
体名とともに第2表に示す。 第2表から、排除限界分子量が小さい多孔質セルロー
ス体(セルロースGC-700、セルロースGC-200mおよびセ
ルロースGCL-90)のリウマチ因子結合能がおとることが
わかる。また、排除限界分子量が大きくても多孔質セル
ロース体でないばあい(セファロースCL-6Bおよびヒド
ロゲンFP-HGのばあい)にも、リウマチ因子結合能がお
とることがわかる。 実施例7 リウマチ因子陽性の患者血清をセファデックスG-200
カラムに通液してIgM成分をIgG、アルブミン成分より分
離した。この分離されたIgM分画成分2mlを実施例5と同
様の方法で通液し、さらに1mlの0.15Mトリス‐HCl緩衝
液、pH7.6で洗い、そのすりぬけ分画の相対リウマチ因
子力価を測定した。その結果、すり抜け分画中にIgM型
リウマチ因子は、検出されなかった。 このことから、リウマチ因子はIgG分子を介して吸着
されるのではなく、吸着体に直接吸着されるものと推定
する。 [発明の効果] 本発明の吸着体およびそれを用いるリウマチ因子の除
去装置は体液中のリウマチ因子を選択的に除去する効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】 第1図は3種のゲルを用いて流速と圧力損失との関係を
調べた結果を示すグラフである。 第2図は本発明のリウマチ因子の除去装置の一実施例の
概略断面図である。 (図面の主要符号) (1):流入口 (2):流出口 (3):吸着体 (4)、(5):フィルター (7):容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−90039(JP,A) 特開 昭59−186558(JP,A) 特開 昭59−186559(JP,A) 特開 昭59−186560(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.球状蛋白質の排除限界分子量が100万以上6000万以
    下である多孔質セルロース体に硫酸エステル基を有する
    分子量1000以上のポリアニオン化合物が固定されてなる
    リウマチ因子の吸着体。 2.流体の流入口および流出口を有する容器、流体およ
    び該流体に含まれる成分は通過できるが、球状蛋白質の
    排除限界分子量が100万以上6000万以下である多孔質セ
    ルロース体に硫酸エステル基を有する分子量1000以上の
    ポリアニオン化合物が固定されてなるリウマチ因子の吸
    着体は通過できないフィルター、および前記容器内に充
    填された前記リウマチ因子の吸着体からなるリウマチ因
    子の除去装置。
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