JP2021109545A - ハブユニット軸受 - Google Patents

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良雄 神谷
Yoshio Kamiya
良雄 神谷
達男 若林
Tatsuo Wakabayashi
達男 若林
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Abstract

【課題】ハブボルトを取り外した状態でも、制動用回転体が、回転輪のパイロット部から不用意に脱落することを防止でき、かつ、製造コストを低減することができる構造を実現する。【解決手段】ハブ3は、パイロット部10の小径嵌合面部17の軸方向中間部に、凹溝23を有する。凹溝23は、溝側円輪面部24の径方向内側の端部と溝側底面部26の軸方向外側の端部との接続部に、制動用回転体12の外側面取り部22の面取り寸法Cよりも小さい曲率半径R27を有する溝側面取り部27を有し、かつ、溝側円輪面部24と溝側底面部26の軸方向内側の端部との軸方向距離Lhを、制動用回転体12の軸方向外側面と内周面の軸方向内側の端部との軸方向距離Lbよりも長くしている。【選択図】図3

Description

この発明は、自動車の車輪および制動用回転体を懸架装置に対して回転自在に支持するためのハブユニット軸受に関する。
自動車の車輪および制動用回転体は、ハブユニット軸受により懸架装置に対して回転自在に支持される。ハブユニット軸受は、複列の静止軌道を有する静止輪と、複列の回転軌道、回転フランジおよびパイロット部を有する回転輪と、前記複列の静止軌道と前記複列の回転軌道との間に転動自在に配置された複列の転動体とを備える。前記静止輪は、懸架装置を構成するナックルに支持固定される。前記車輪および制動用回転体は、前記パイロット部に外嵌され、かつ、前記回転フランジに対し支持される。
近年、小型化および軽量化のため、車輪を構成するホイールおよび制動用回転体に備えられた通孔を挿通したハブボルトを、回転フランジに備えられた雌ねじ孔に螺合することで、前記ホイールおよび制動用回転体を前記回転フランジに支持するハブユニット軸受が提案されている。ハブボルトを使用するハブユニット軸受では、車輪の交換時に、前記ハブボルトを取り外すと、前記制動用回転体が回転フランジに対し支持されていない状態になる。前記制動用回転体の重心は、一般的には、回転フランジの軸方向外側面よりも軸方向内側に位置するため、前記制動用回転体がパイロット部から傾きながら脱落する可能性がある。特に、車輪の交換を、経験の浅い作業者が行う場合や、必要な工具が十分にそろっていない環境で行う場合には、上記問題が顕著になりやすい。
なお、ハブユニット軸受に関して、軸方向外側とは、自動車に組みつけた状態での車両の幅方向外側(図1から図5の左側)をいい、軸方向内側とは、自動車に組みつけた状態での車両の幅方向中央側(図1から図5の右側)をいう。
特開2001−180211号公報(特許文献1)には、制動用回転体のうち、結合部材を挿通するための取付孔から円周方向に外れた部分に小通孔を形成し、かつ、該小通孔に挿通したねじを、回転フランジに形成された小ねじ孔に螺合した、ハブユニット軸受が記載されている。
特開2001−180211号公報に記載のハブユニット軸受のように、制動用回転体を、ホイールと共に回転フランジに対して支持するための結合部材とは別のねじにより、回転フランジに支持する構造を採用すれば、前記結合部材としてハブボルトを使用したハブユニット軸受において、車輪の交換に伴い前記ハブボルトを取り外した場合でも、前記制動用回転体が、回転輪のパイロット部から脱落することはない。
特開2001−180211号公報
しかしながら、ホイールおよび制動用回転体を回転フランジに支持するための結合部材としてハブボルトを使用し、かつ、前記制動用回転体を前記回転フランジに対し、ハブボルトとは別のねじによっても支持したハブユニット軸受は、製造コストを低減する面からは改良の余地がある。
前記ねじを螺合するための小ねじ孔は、前記回転フランジにタップ加工を施すことにより形成される。前記小ねじ孔は、切粉の除去を容易にするため、貫通孔により構成される。しかしながら、肉厚(軸方向厚さ)が大きい前記回転フランジに、内径が小さく、かつ、軸方向に貫通する前記小ねじ孔をタップ加工により形成すると、工具(タップ)が折損するなどのトラブルが発生しやすく、ハブユニット軸受の製造コストが嵩む原因になる。
本発明は、上述のような事情に鑑みて、ハブボルトを使用したハブユニット軸受において、ハブボルトを取り外した状態でも、制動用回転体が、回転輪のパイロット部から不用意に脱落することを防止でき、かつ、製造コストを低減することができる構造を、回転フランジに小ねじ孔を形成することなく実現することを目的としている。
本発明のハブユニット軸受は、
内周面または外周面に、複列の静止軌道を有する静止輪と、
内周面と外周面とのうち、前記複列の静止軌道に対向する周面に、複列の回転軌道を有し、かつ、径方向外側の端部にパイロット部を有する回転輪と、
前記複列の静止軌道と前記複列の回転軌道との間に転動自在に配置された複数個の転動体と、を備え、
前記パイロット部は、軸方向内側部分の外周面に、制動用回転体を外嵌するための大径嵌合面部を有し、かつ、軸方向外側部分の外周面に、ホイールを外嵌するための小径嵌合面部を有しており、
前記小径嵌合面部は、径方向内側に向けて凹んだ凹溝を全周にわたって有しており、
前記凹溝は、軸方向内側を向き、かつ、前記回転輪の中心軸に直交する溝側円輪面部と、軸方向内側に向かうほど径方向外側に向かう方向に傾斜した溝側傾斜面部と、軸方向に関して前記溝側円輪面部と前記溝側傾斜面部との間に配置された溝側底面部とを含む。
特に本発明のハブユニット軸受では、
前記溝側円輪面部と前記溝側底面部との接続部の面取り寸法若しくは曲率半径が、前記制動用回転体の軸方向外側面と内周面との接続部の面取り寸法若しくは曲率半径よりも小さいか、または、前記溝側円輪面部と前記溝側底面部との接続部に、逃げ凹部を有しており、
前記溝側円輪面部と前記溝側底面部の軸方向内側の端部との間の軸方向距離が、前記制動用回転体の軸方向外側面と内周面の軸方向内側の端部との間の軸方向距離よりも長い。
また、前記回転輪の中心軸に対する前記溝側傾斜面部の傾斜角度が、前記制動用回転体の内周面と軸方向内側面とを接続する内側傾斜面部の前記制動用回転体の中心軸に対する傾斜角度よりも小さい。
本発明のハブユニット軸受によれば、ハブボルトを取り外した状態でも、制動用回転体が、回転輪のパイロット部から不用意に脱落することを防止でき、かつ、製造コストを低減することができる。
図1は、本発明の実施の形態の1例を示す断面図である。 図2は、図1の左上部拡大図である。 図3は、図2のX部拡大図である。 図4は、制動用回転体の径方向内側の端部が、凹溝に係合した様子を示す、図3に相当する図である。 図5は、凹溝の形状の別例を示す、要部拡大断面図である。
本発明の実施の形態の1例について、図1〜図4を用いて説明する。本例のハブユニット軸受1は、従動輪用のハブユニット軸受であって、静止輪である外輪2と、回転輪であるハブ3と、複数個の転動体4a、4bを備える。
外輪2は、内周面に、複列の外輪軌道5a、5bを有し、かつ、軸方向中間部に、径方向外方に突出した静止フランジ6を有する。静止フランジ6は、径方向中間部の円周方向複数箇所に、軸方向に貫通する支持孔7を有する。外輪2は、静止フランジ6の支持孔7を挿通したボルトにより、懸架装置に対し支持固定され、車輪が回転する際にも回転しない。
ハブ3は、外輪2の径方向内側に外輪2と同軸に配置される。ハブ3は、外周面に備えられた複列の内輪軌道8a、8bと、外輪2の軸方向外側の端部よりも軸方向外側に位置する部分に備えられ、かつ、径方向外側に向けて突出した回転フランジ9と、軸方向外側の端部に備えられた、円筒状のパイロット部10とを有する。さらに、ハブ3は、回転フランジ9の軸方向外側面と、パイロット部10の外周面との接続部に、応力緩和のため、断面円弧形のハブ側隅R部35を有する。
回転フランジ9は、径方向中間部の円周方向複数箇所に雌ねじ孔11を有する。
パイロット部10は、軸方向内側部分の外周面に、ディスクやドラムなどの制動用回転体12の中心孔13をがたつきなく(微小隙間を持たせた隙間嵌または軽圧入により)外嵌する大径嵌合面部14を有し、かつ、軸方向外側部分の外周面に、車輪を構成するホイール15の中心孔16を外嵌する小径嵌合面部17を有する。大径嵌合面部14の軸方向内側の端部と小径嵌合面部17の軸方向外側の端部とは、段差部18により接続されている。本例では、段差部18は、軸方向内側に向かうほど外径寸法が大きくなる方向に傾斜した円すい面により構成されている。ただし、ホイール15の内周面との干渉を防止できる限り、段差部18を、ハブ3の中心軸Oに直交し、かつ、軸方向外側を向いた円輪面により構成することもできる。
制動用回転体12およびホイール15は、ハブボルト19により、ハブ3の回転フランジ9に結合固定される。すなわち、制動用回転体12の中心孔13を、パイロット部10の大径嵌合面部14にがたつきなく外嵌し、かつ、ホイール15の中心孔16を、パイロット部10の小径嵌合面部17に外嵌した状態で、制動用回転体12およびホイール15の径方向中間部の円周方向複数箇所に備えられた通孔20a、20bを挿通したハブボルト19を、回転フランジ9の雌ねじ孔11に螺合している。これにより、制動用回転体12およびホイール15を、ハブ3の回転フランジ9に結合固定している。
制動用回転体12は、中心孔13の軸方向内側の端部に、軸方向内側に向かうほど内径寸法が大きくなる方向に傾斜し、面取り寸法C21が、ハブ側隅R部35の曲率半径よりも大きい内側面取り部21を有し、かつ、中心孔13の軸方向外側の端部に、軸方向外側に向かうほど内径寸法が大きくなる方向に傾斜し、かつ、面取り寸法C22が、後述する溝側隅R部27の曲率半径よりも大きい外側面取り部22を有する。
すなわち、制動用回転体12の内周面と軸方向内側面との接続部に、C面取りを施すことにより、円すい面状の内側面取り部21を形成している。これにより、回転フランジ9の軸方向外側面と、パイロット部10の外周面との接続部に、応力緩和のためのハブ側隅R部35を形成可能としている。
また、制動用回転体12の内周面と軸方向外側面との接続部に、C面取りを施すことにより、円すい面状の外側面取り部22を形成している。外側面取り部22の面取り寸法C22は、ハブボルト19を取り外した状態で、制動用回転体12が倒れるように傾いて軸方向外側に移動した場合に、制動用回転体12の軸方向外側面の径方向内側部分が、溝側円輪面部24に当接できるように、溝側隅R部27の曲率半径R27よりも大きくしている。ただし、制動用回転体12の軸方向外側面の径方向内側部分と、溝側円輪面部24との当接面積を十分に確保する面からは、外側面取り部22の面取り寸法C22と溝側隅R部27の曲率半径R27とはいずれも、できる限り小さい方が好ましい。このため、本例では、外側面取り部22の面取り寸法C22を、内側面取り部21の面取り寸法C21よりも小さくしている。
なお、制動用回転体の内周面と軸方向外側面との接続部に、R面取りを施すことにより、円弧形の断面形状を有する外側面取り部を形成することもできる。
特に本例のハブユニット軸受1では、小径嵌合面部17は、径方向内側に向けて凹んだ凹溝23を全周にわたって有する。
凹溝23は、制動用回転体12の径方向内側の端部を係合可能な形状(内側に配置可能な形状)を有する。本例では、凹溝23は、軸方向外側面を構成する溝側円輪面部24と、軸方向内側面を構成する溝側傾斜面部25と、底面を構成する溝側底面部26とを備える。すなわち、凹溝23は、略台形の断面形状を有する。
本例では、凹溝23の開口部の軸方向寸法を、ホイール15の内周面の軸方向寸法よりも小さくし、かつ、凹溝23を、小径嵌合面部17の軸方向中間部に形成している。これにより、ホイール15を回転フランジ9に結合固定した状態で、ホイール15の内周面が、凹溝23を跨ぐようにして、小径嵌合面部17に外嵌されるようにしている。
溝側円輪面部24は、軸方向内側を向き、かつ、ハブ3の中心軸Oに直交する平坦面により構成されている。
溝側傾斜面部25は、軸方向内側に向かうほど径方向外側に向かう方向に傾斜した円すい面により構成されている。本例では、ハブ3の中心軸Oに対する溝側傾斜面部25の(母線の)傾斜角度θを、制動用回転体12の中心軸に対する内側面取り部21の(母線の)傾斜角度φ(≒45°)よりも小さくしている(θ<φ)。
溝側底面部26は、軸方向に関して溝側円輪面部24と溝側傾斜面部25との間に配置され、かつ、ハブ3の中心軸Oを中心とする円筒面により構成されている。
本例では、溝側円輪面部24と溝側底面部26の軸方向内側の端部との軸方向距離Lを、制動用回転体12の軸方向外側面と内周面の軸方向内側の端部との軸方向距離Lよりも長くしている(L>L)。
凹溝23は、溝側円輪面部24の径方向内側の端部と溝側底面部26の軸方向外側の端部とを接続し、かつ、1/4円弧形の断面形状を有する溝側隅R部27をさらに備える。要するに、溝側円輪面部24の径方向内側の端部と溝側底面部26の軸方向外側の端部との接続部にR面取りを施すことにより、溝側隅R部27を形成している。
本例では、溝側隅R部27は、制動用回転体12の外側面取り部22の面取り寸法C22よりも小さい曲率半径R27を有する(R27<C22)。なお、外側面取り部22をR面取り部により構成した場合には、溝側隅R部27の曲率半径R27を、外側面取り部22の曲率半径よりも小さくする。
溝側隅R部27の曲率半径R27の下限値は、特に限定されないが、切削工具(チップ)の耐久性を考慮すると、0.8mm(R0.8)以上であることが好ましい。
本例のハブ3は、内輪28とハブ輪29とを備える。
内輪28は、外周面に、複列の内輪軌道8a、8bのうちの軸方向内側の内輪軌道8aを有する。
ハブ輪29は、外周面の軸方向中間部に、複列の内輪軌道8a、8bのうちの軸方向外側の内輪軌道8bを有する。さらに、ハブ輪29は、軸方向外側の端部に、円筒状のパイロット部10を有し、かつ、軸方向外側の内輪軌道8bよりも軸方向外側に位置する部分であって、パイロット部10の軸方向内側に隣接する部分に、径方向外側に向けて突出した回転フランジ9を有する。
また、ハブ輪29は、軸方向外側の内輪軌道8bよりも軸方向内側に位置する部分に、軸方向外側に隣接する部分よりも外径が小さく、内輪28が外嵌される嵌合筒部30を有する。さらに、ハブ輪29は、嵌合筒部30の軸方向内側の端部から径方向外側に向けて折れ曲がり、内輪28の軸方向内側の端面を押え付けるかしめ部31を有する。すなわち、ハブ3は、ハブ輪29の嵌合筒部30に内輪28を外嵌した状態で、嵌合筒部30の軸方向外側の端部に存在する段差面32と、かしめ部31との間で内輪28を軸方向両側から挟持して、内輪28とハブ輪29とを結合固定することにより構成されている。ただし、ハブは、内輪とハブ輪とをナットにより結合固定することで構成することもできる。
転動体4a、4bは、複列の外輪軌道5a、5bと複列の内輪軌道8a、8bとの間に、それぞれ複数個ずつ、保持器33a、33bにより保持された状態で転動自在に配置されている。これにより、ハブ3は、外輪2の径方向内側に回転自在に支持されている。
なお、本例では、転動体4a、4bとして玉を使用しているが、玉に代えて円すいころを使用することもできる。また、本例では、軸方向内側列の転動体4aのピッチ円直径と、軸方向外側列の転動体4bのピッチ円直径とを互いに同じとしているが、本発明は、軸方向内側列の転動体のピッチ円直径と、軸方向外側列の転動体のピッチ円直径とが互いに異なる異径PCD型のハブユニット軸受に適用することもできる。
本例のハブユニット軸受1は、ハブ3のパイロット部10の外周面のうち、小径嵌合面部17の軸方向中間部に、制動用回転体12の径方向内側の端部を係合可能な形状を有する凹溝23を全周にわたって有する。具体的には、凹溝23は、軸方向外側面に、軸方向内側を向き、かつ、ハブ3の中心軸Oに直交する溝側円輪面部24を有し、軸方向内側面に、軸方向内側に向かうほど径方向外側に向かう方向に傾斜した溝側傾斜面部25を有し、かつ、軸方向に関して溝側円輪面部24と溝側傾斜面部25との間に、溝側底面部26を有する。さらに、凹溝23の溝側隅R部27の曲率半径R27を、制動用回転体12の外側面取り部22の面取り寸法C22よりも小さくし(R27<C22)、かつ、溝側円輪面部24と溝側底面部26の軸方向内側の端部との軸方向距離Lを、制動用回転体12の軸方向外側面と内周面の軸方向内側の端部との軸方向距離Lよりも長くする(L>L)ことで、凹溝23の内面形状を、制動用回転体12の径方向内側の端部と係合可能な形状としている。
このため、ハブボルト19を取り外した状態(ハブボルト19により、回転フランジ9と制動用回転体12とホイール15とを共締めする以前の状態)で、制動用回転体12が倒れるように傾き、重力の作用により、制動用回転体12の上側部分が軸方向外側に移動すると、制動用回転体12の内周面のうちの上側部分が凹溝23の溝側傾斜面部25に沿って案内され、図4に示すように、制動用回転体12の上側部分の径方向内側の端部が、凹溝23の内側に移動する。そして、制動用回転体12の上側部分の軸方向外側面が、凹溝23の溝側円輪面部24に突き当たり、制動用回転体12がそれ以上軸方向外側に不用意に移動することが防止される。これにより、ハブボルト19を取り外した状態でも、制動用回転体12が、ハブ3のパイロット部10から不用意に脱落することを防止できる。
このように、本例では、パイロット部10に、凹溝23を設けることで、ハブボルト19を取り外した状態でも、制動用回転体12が、ハブ3のパイロット部10から不用意に脱落することを防止している。このため、本例のハブユニット軸受1によれば、特開2001−180211号公報に記載のハブユニット軸受のように、肉厚が大きい回転フランジに、内径が小さい小ねじ孔をタップ加工により形成する必要はない。したがって、タップ加工に使用する工具(タップ)が折損するなどのトラブルの発生を防止できて、ハブユニット軸受1の製造コストを抑えることができる。
制動用回転体12のうち、ブレーキパッドとの摺接面は、一般的に、回転フランジ9の軸方向外側面との当接面(径方向内側部分の軸方向内側面)よりも軸方向内側に位置しており(制動用回転体12は、径方向外側部分が径方向内側部分よりも軸方向内側にオフセットしており)、制動用回転体12の重心も、前記当接面よりも軸方向内側に位置する。制動用回転体12の中心孔13と大径嵌合面部14との間の径方向隙間は、0〜0.1mm程度である。このため、ハブボルト19を取り外した状態においても、制動用回転体12は大きく傾くことはないが、図1〜図4の反時計回りに若干傾きながら凹溝23に向けて滑り落ちてくる。ここで、本例では、ハブ3の中心軸Oに対する溝側傾斜面部25の(母線の)傾斜角度θを、制動用回転体12の中心軸に対する内側面取り部21の(母線の)傾斜角度φよりも小さくしている(θ<φ)。このため、制動用回転体12の円周方向一部のうちの径方向内側の端部が、凹溝23の内側に移動する際に、溝側傾斜面部25と内側面取り部21の軸方向内側の端縁(大径側稜部)とが干渉することを防止できる。したがって、制動用回転体12が凹溝23の内側に円滑に滑り落ちることができる。これにより、制動用回転体12の軸方向外側への不用意な移動を、効果的に防止することができる。
なお、凹溝23にグリースを充填することもできる。凹溝23にグリースを充填すれば、ハブ3に対するホイール15の固着を防止することができる。特にホイール15としてアルミニウム合金製のものを使用した場合、グリースによるホイール15の固着防止効果を、顕著に得ることができる。
あるいは、図5に示すように、凹溝23aのうち、溝側円輪面部24の径方向内側の端部と溝側底面部26の軸方向外側の端部との接続部に、逃げ凹部34を設けることもできる。すなわち、溝側円輪面部24の径方向内側の端部と溝側底面部26の軸方向外側の端部との接続部に菱形チップで切削加工を施すなどにより、逃げ凹部34を形成することもできる。
また、本例では、ハブ3が中実である(軸方向に貫通する係合孔を備えない)従動輪用のハブユニット軸受1に本発明を適用した場合について説明したが、本発明のハブユニット軸受は、ハブが、駆動軸を係合するための係合孔を備える駆動輪用のハブユニット軸受に適用することもできる。
本例は、ハブ輪29の軸方向中間部外周面に、軸方向外側の内輪軌道8bを直接形成した、いわゆる第3世代のハブユニット軸受1に本発明を適用した場合について説明したが、本発明は、第3世代のハブユニット軸受以外のハブユニット軸受にも適用することができる。例えば、本発明は、軸部材に、それぞれの外周面に内輪軌道を有する一対の内輪を外嵌してなるハブを備える、いわゆる第2.5世代のハブユニット軸受に適用することができる。
また、本例のハブユニット軸受1は、外輪2が、懸架装置に支持固定される静止輪を構成し、かつ、ハブ3が、制動用回転体およびホイールを支持する回転輪を構成する、いわゆる内輪回転型の構造を有する。ただし、本発明は、外方部材が、制動用回転体およびホイールを支持する回転輪を構成し、かつ、内方部材が、懸架装置に支持固定される静止輪を構成する、いわゆる外輪回転型のハブユニット軸受に適用することもできる。この場合、例えば、内方部材は、それぞれが外周面に、静止軌道である内輪軌道を有する一対の内輪により構成することができる。
1 ハブユニット軸受
2 外輪
3 ハブ
4a、4b 転動体
5a、5b 外輪軌道
6 静止フランジ
7 支持孔
8a、8b 内輪軌道
9 回転フランジ
10 パイロット部
11 雌ねじ孔
12 制動用回転体
13 中心孔
14 大径嵌合面部
15 ホイール
16 中心孔
17 小径嵌合面部
18 段差部
19 ハブボルト
20a、20b 通孔
21 内側面取り部
22 外側面取り部
23 凹溝
24 溝側円輪面部
25 溝側傾斜面部
26 溝側底面部
27 溝側隅R部
28 内輪
29 ハブ輪
30 嵌合筒部
31 かしめ部
32 段差面
33a、33b 保持器
34 逃げ凹部
35 ハブ側隅R部

Claims (2)

  1. 内周面または外周面に、複列の静止軌道を有する静止輪と、
    内周面と外周面とのうち、前記複列の静止軌道に対向する周面に、複列の回転軌道を有し、かつ、径方向外側の端部にパイロット部を有する回転輪と、
    前記複列の静止軌道と前記複列の回転軌道との間に転動自在に配置された複数個の転動体と、備え、
    前記パイロット部は、軸方向内側部分の外周面に、制動用回転体を外嵌するための大径嵌合面部を有し、かつ、軸方向外側部分の外周面に、ホイールを外嵌するための小径嵌合面部を有しており、
    前記小径嵌合面部は、径方向内側に向けて凹んだ凹溝を全周にわたって有しており、
    前記凹溝は、軸方向内側を向き、かつ、前記回転輪の中心軸に直交する溝側円輪面部と、軸方向内側に向かうほど径方向外側に向かう方向に傾斜した溝側傾斜面部と、軸方向に関して前記溝側円輪面部と前記溝側傾斜面部との間に配置された溝側底面部とを含んでおり、
    前記溝側円輪面部と前記溝側底面部との接続部の面取り寸法若しくは曲率半径が、前記制動用回転体の軸方向外側面と内周面との接続部の面取り寸法若しくは曲率半径よりも小さいか、または、前記溝側円輪面部と前記溝側底面部との接続部に、逃げ凹部を有しており、
    前記溝側円輪面部と前記溝側底面部の軸方向内側の端部との間の軸方向距離が、前記制動用回転体の軸方向外側面と内周面の軸方向内側の端部との間の軸方向距離よりも長い、
    ハブユニット軸受。
  2. 前記回転輪の中心軸に対する前記溝側傾斜面部の傾斜角度が、前記制動用回転体の内周面と軸方向内側面とを接続する内側傾斜面部の前記制動用回転体の中心軸に対する傾斜角度よりも小さい、
    請求項1に記載のハブユニット軸受。
JP2020002556A 2020-01-10 2020-01-10 ハブユニット軸受 Pending JP2021109545A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023149151A1 (ja) * 2022-02-04 2023-08-10 Ntn株式会社 車輪用軸受装置

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