JP2017203941A - 添加剤を含むリソグラフィー用レジスト下層膜形成組成物 - Google Patents

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康志 境田
Koji Sakaida
康志 境田
高広 岸岡
Takahiro Kishioka
岸岡  高広
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Abstract

【課題】短波長の光、例えばArFエキシマレーザー(波長193nm)に対して強い吸収を持つレジスト下層膜、及び当該レジスト下層膜を形成するためのレジスト下層膜形成組成物を提供する。
【解決手段】ポリマー(A)と、添加剤(B)と、溶剤とを含むリソグラフィー用レジスト下層膜形成組成物であって、添加剤(B)が特定の化学式から選ばれる少なくとも1種のモノマーの重合物である上記レジスト下層膜形成組成物。半導体基板上にレジスト下層膜形成組成物によりレジスト下層膜を形成する工程、その上にレジスト膜を形成する工程、光又は電子線の照射と現象によりレジストパターンを形成する工程、レジストパターンにより該下層膜をエッチングする工程、及びパターン化された下層膜により半導体基板を加工する工程を含む半導体装置の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明はリソグラフィー工程に用いられるレジスト下層膜を形成するための組成物に関する。詳しくは半導体装置製造のリソグラフィープロセスにおいて、半導体基板上に塗布されたフォトレジスト層への露光した照射光の半導体基板からの反射を軽減させる反射防止膜として機能するレジスト下層膜を形成するための組成物に関する。
従来から半導体デバイスの製造において、フォトレジスト組成物を用いたリソグラフィーによる微細加工が行われている。前記微細加工はシリコンウェハーの上にフォトレジスト組成物の薄膜を形成し、その上に半導体デバイスのパターンが描かれたマスクパターンを介して紫外線などの活性光線を照射し、現像し、得られたレジストパターンを保護膜としてシリコンウエハーをエッチング処理する加工法である。ところが、近年、半導体デバイスの高集積度化が進み、使用される活性光線もi線(波長365nm)、KrFエキシマレーザー(波長248nm)からArFエキシマレーザー(波長193nm)へと短波長化される傾向にある。これに伴い活性光線の基板からの乱反射や定在波の影響が大きな問題であった。そこでフォトレジストと基板の間に反射防止膜を設ける方法が広く検討されるようになってきた。
KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)を使用したリソグラフィープロセスにおいて加工寸法の微細化、すなわち、形成されるフォトレジストパターンサイズの微細化が進んできている。更にEUV露光(13.5nm)や電子線露光へとフォトレジストパターンの微細化が進行する。それに伴い、フォトレジストパターンの倒壊等を防止するためにフォトレジストの薄膜化が望まれるようになってきている。そして、フォトレジストを薄膜で使用する場合には、共に使用される有機反射防止膜のエッチングによる除去工程におけるフォトレジスト層の膜厚の減少を抑制するために、より短時間でエッチングによる除去が可能な有機反射防止膜(レジスト下層膜)が望まれるようになってきている。すなわち、エッチング除去工程を短時間化するために、これまでよりも薄膜で使用可能な有機反射防止膜、あるいは、これまでよりも大きなフォトレジストとのエッチング速度の選択比を持つ有機反射防止膜が要求されるようになってきている。
例えば芳香族化合物乃至脂環式化合物で置換されたトリス(ヒドロキシアルキル)イソシアヌレートを広域紫外線吸収剤に用いるという技術が知られている(特許文献1参照。)。
縮合系ポリマーを用いるレジスト下層膜形成組成物が開示されている(特許文献2参照)。
アクリレート系モノマーを重合させたポリマーによるレジスト下層膜が開示されている(特許文献3参照)。
特開平11−279523号公報 国際公開WO2005/098542パンフレット 韓国公開10−2008−0007840号
本発明は、短波長の光、例えばArFエキシマレーザー(波長193nm)に対して強い吸収を持つレジスト下層膜、及び当該レジスト下層膜を形成するためのレジスト下層膜形成組成物を提供することにある。本発明のレジスト下層膜を用いた時に、現像後に得られたレジストパターンは欠陥数を低下させることができる。
また本発明は、ArFエキシマレーザー(波長193nm)の照射光をリソグラフィープロセスの微細加工に使用する際に、半導体基板からの反射光を効果的に吸収し、そして、フォトレジスト層とのインターミキシングを起こさないレジスト下層膜を提供すること、及び当該レジスト下層膜を形成するためのレジスト下層膜形成組成物を提供することにある。また、本発明は、当該レジスト下層膜形成組成物を用いたフォトレジストパターンの形成方法を提供することにある。
本願発明は第1観点として、ポリマー(A)と、添加剤(B)と、溶剤とを含むリソグラフィー用レジスト下層膜形成組成物であって、添加剤(B)が下記式(B−1)乃至式(B−6):
Figure 2017203941
(上記式中、R〜R15はそれぞれ水素原子又はメチル基であり、n〜nはそれぞれ0〜5の整数を示す。)から選ばれる少なくとも1種のモノマーの重合物である上記レジスト下層膜形成組成物、
第2観点として、添加剤Bが、式(B−1)と式(B−2)と式(B−3)とのモノマーの重合物である第1観点に記載のレジスト下層膜形成組成物、
第3観点として、添加剤Bが、式(B−1)と式(B−2)と式(B−3)と式(B−4)とのモノマーの重合物である第1観点に記載のレジスト下層膜形成組成物、
第4観点として、添加剤Bが式(B−1)と式(B−2)と式(B−3)と式(B−4)と式(B−5)と式(B−6)とのモノマーの重合物である第1観点に記載のレジスト下層膜形成組成物、
第5観点として、添加剤Bが、式(B−1)乃至式(B−6)から選ばれたモノマーの重合物と、式(B−1)乃至式(B−6)から選ばれたモノマーとの混合物である第1観点に記載のレジスト下層膜形成組成物、
第6観点として、ポリマー(A)が 式(A−1):
Figure 2017203941
〔式中、A21、A22、A23、A24、A25、及びA26は、それぞれ、水素原子、メチル基またはエチル基を表し、X21は式(A−2)、式(A−3)または式(A−4):
Figure 2017203941
(式中R21及びR22はそれぞれ、水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数3〜6のアルケニル基、ベンジル基またはフェニル基を表し、そして、前記フェニル基は、炭素原子数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、水酸基、及び炭素原子数1〜6のアルキルチオ基からなる群から選ばれる基で置換されていてもよく、また、R21とR22は互いに結合して炭素原子数3〜6の環を形成していてもよく、R23は炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数3〜6のアルケニル基、ベンジル基またはフェニル基を表し、そして、前記フェニル基は、炭素原子数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、水酸基、及び炭素原子数1〜6のアルキルチオ基からなる群から選ばれる基で置換されていてもよい)を表し、Qは式(A−5)または式(A−6):
Figure 2017203941
(式中Q21は炭素原子数1〜10のアルキレン基、フェニレン基、ナフチレン基、またはアントリレン基を表し、そして、前記フェニレン基、ナフチレン基、及びアントリレン基は、それぞれ、炭素原子数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、水酸基、及び炭素原子数1〜6のアルキルチオ基からなる群から選ばれる基で置換されていてもよく、n21及びn22はそれぞれ0または1の数を表し、X22は式(A−2)または式(A−3)を表す)を表す〕で表される構造を有するポリマーである第1観点乃至第5観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物、
第7観点として、更に、架橋性化合物を含む第1観点乃至第6観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物、
第8観点として、更に、酸化合物を含む第1観点乃至第7観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物、
第9観点として、前記式(A−1)で表される構造を有するポリマーが、式(A−7)で表される化合物と式(A−8)で表される化合物との反応により製造されるポリマーである、第1観点乃至第8観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物、
Figure 2017203941
(X21、A21、A22、A23、A24、A25、A26は上記と同じである。)
第10観点として、前記式(A−1)で表される構造を有するポリマーが、式(A−9)で表される化合物と式(A−10)で表される化合物との反応により製造されるポリマーである、第1観点乃至第8観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物、
Figure 2017203941
(X21、A21、A22、A23、A24、A25、A26は上記と同じである。)
第11観点として、第1観点乃至第10観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物を半導体基板上に塗布し焼成することによって得られるレジスト下層膜の製造方法、
第12観点として、半導体基板上に第1観点乃至第10観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物によりレジスト下層膜を形成する工程、その上にレジスト膜を形成する工程、光又は電子線の照射と現像によりレジストパターンを形成する工程、レジストパターンにより該下層膜をエッチングする工程、及びパターン化された下層膜により半導体基板を加工する工程を含む半導体装置の製造方法、及び
第13観点として、半導体基板に第1観点乃至第10観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物によりレジスト下層膜を形成する工程、その上にハードマスクを形成する工程、更にその上にレジスト膜を形成する工程、光又は電子線の照射と現像によりレジストパターンを形成する工程、レジストパターンによりハードマスクをエッチングする工程、パターン化されたハードマスクにより該下層膜をエッチングする工程、及びパターン化されたレジスト下層膜により半導体基板を加工する工程を含む半導体装置の製造方法である。
本発明は、短波長の光、例えばArFエキシマレーザー(波長193nm)に強い吸収を有するレジスト下層膜を形成する為の組成物である。得られたレジスト下層膜は、半導体基板からの反射光を効率よく吸収する。
本発明により、ArFエキシマレーザー(波長193nm)等を用いた微細加工において、半導体基板からの反射光を効果的に吸収し、フォトレジスト層とのインターミキシングを起こさない、レジスト下層膜を提供することができる。
本発明により、フォトレジストより大きなエッチング速度を有するレジスト下層膜を提供することができる。
また、本発明のレジスト下層膜を用いることにより、ArFエキシマレーザー(波長193nm)等を用いたリソグラフィープロセスにおいて、良好な形状のフォトレジストパターンを形成することができる。そして、現像後に得られたレジストパターンは欠陥数を低下させることができる。
本願発明はポリマー(A)と、添加剤(B)と、溶剤とを含むリソグラフィー用レジスト下層膜形成組成物であって、添加剤(B)が下記式(B−1)乃至式(B−6)から選ばれる少なくとも1種のモノマーの重合物である上記レジスト下層膜形成組成物である。
上記式中、R〜R15はそれぞれ水素原子又はメチル基であり、n〜nはそれぞれ0〜5の整数を示す。
本発明では上記ポリマーと添加剤と溶剤を含む。そして、架橋剤と酸を含むことができ、必要に応じて酸発生剤、界面活性剤等の添加剤を含むことができる。この組成物の固形分は0.1〜70質量%、または0.1〜60質量%である。固形分はレジスト下層膜形成組成物から溶剤を除いた全成分の含有割合である。固形分中に上記ポリマーを1〜100質量%、または1〜99.9質量%、または50〜99.9質量%の割合で含有することができる。
本発明に用いられるポリマー(A)は、重量平均分子量が例えば1000〜200000であり、また3000〜100000であり、または5000〜20000である。
添加剤(B)は重合物(ポリマー)又は重合物(ポリマー)とモノマーとの混合物とすることができる。上記重合物は重量平均分子量が1000〜100000、又は1000〜50000、又は1000〜20000の範囲とすることができる。
添加剤Bは式(B−1)としてR〜Rがそれぞれ水素原子である場合の化合物を用いることができる。式(B−2)としてR〜Rがそれぞれ水素原子である場合の化合物を用いることができる。式(B−3)としてR8が水素原子であり、n及びnがそれぞれ1である場合の化合物を用いることができる。式(B−4)としてRとR10がそれぞれ水素原子であり、R11とR12がメチル基であり、n及びnがそれぞれ1である場合の化合物を用いることができる。式(B−5)としてR13〜R15がそれぞれ水素原子であり、n〜nがそれぞれ1である場合の化合物を用いることができる。式(B−6)としてR16が水素原子でnが1である場合の化合物を用いることができる。
添加剤Bは例えば、式(B−1)と式(B−2)と式(B−3)とのモノマーの重合物である場合、式(B−1)と式(B−2)と式(B−3)と式(B−4)とのモノマーの重合物である場合、式(B−1)と式(B−2)と式(B−3)と式(B−4)と式(B−5)と式(B−6)とのモノマーの重合物である化合物を用いることができる。
そして、添加剤(B)は式(B−1)乃至式(B−6)から選ばれたモノマーの重合物と、式(B−1)乃至式(B−6)から選ばれたモノマーとの混合物をもHC委いることができる。
添加剤(B)はモノマーの重合物であるが、モノマーの重合はラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、縮合重合などの方法により合成することができる。これらの重合には重合開始剤を用いることができ、熱又は光によりラジカルを発生するアゾ化合物が挙げられ、例えばアゾビスイソブチロニトリルが挙げられる。また加熱によりラジカルを発生する有機過酸化物が挙げられ、例えばジ−tert−ブチルペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシドが挙げられる。
また添加剤(B)は加熱により重合する熱重合によっても得られる。
上記重合の形態は溶液重合、懸濁重合、乳化重合、塊状重合など種々の方法が可能である。
本願発明に用いられるポリマー(A)は式(A−1)で表される構造を有するポリマーを含むことができる。式(A−1)において、A21、A22、A23、A24、A25、及びA26は、それぞれ、水素原子、メチル基またはエチル基を表す。X21は式(A−2)、式(A−3)または式(A−4)を表し、Qは式(A−5)または式(A−6)を表す。式(A−2)及び式(A−3)中、R21及びR22はそれぞれ、水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数3〜6のアルケニル基、ベンジル基またはフェニル基を表す。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基及びシクロヘキシル基等が挙げられる。アルケニル基の具体例としては、2−プロペニル基及び3−ブテニル基等が挙げられる。また、前記フェニル基は、炭素原子数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、水酸基、及び炭素原子数1〜6のアルキルチオ基からなる群から選ばれる基で置換されていてもよい。また、R21とR22は互いに結合して炭素数3〜6の環を形成していてもよく、そのような環としては、シクロブタン環、シクロペンタン環及びシクロヘキサン環が挙げられる。
式(A−4)中、R23は炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数3〜6のアルケニル基、ベンジル基またはフェニル基を表し、そして、フェニル基は、炭素原子数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、水酸基、及び炭素原子数1〜6のアルキルチオ基からなる群から選ばれる基で置換されていてもよい。アルキル基及びアルケニル基の具体例としては、前記と同様の基が挙げられる。
式(A−5)中、Q21は炭素原子数1〜10のアルキレン基、フェニレン基、ナフチレン基、またはアントリレン基を表す。そして、前記フェニレン基、ナフチレン基、及びアントリレン基は、それぞれ、炭素原子数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、水酸基、及び炭素原子数1〜6のアルキルチオ基からなる群から選ばれる基で置換されていてもよい。アルキレン基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ノルマルペンチレン基、シクロヘキシレン基、及び2−メチルプロピレン基等が挙げられる。
そして、n21及びn22はそれぞれ0または1の数を表し、X22は式(A−2)または式(A−3)を表す。
式(A−1)で表される構造の具体例としては、例えば、式(A−1−1)〜式(A−1−19)の構造が挙げられる。
Figure 2017203941
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本発明に用いられる式(A−1)で表される構造を有するポリマーは、例えば、式(A−7)で表される化合物と式(A−8)で表される化合物との反応により製造することができる。
式(A−7)で表される化合物と式(A−8)で表される化合物との反応は、ベンゼン、トルエン、キシレン、乳酸エチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、及びN−メチルピロリドン等の有機溶剤に溶解させた溶液状態で行なうことが好ましい。そして、この反応においては、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、及びテトラエチルアンモニウムブロミド等の四級アンモニウム塩を触媒として用いることも可能である。本反応の反応温度、反応時間は使用する化合物、濃度等に依存するものであるが、反応時間0.1〜100時間、反応温度20℃〜200℃の範囲から適宜選択される。触媒を用いる場合、使用する化合物の全質量に対して0.001〜30質量%の範囲で用いることができる。
また、反応に使用される式(A−7)及び式(A−8)で表される化合物の割合としては、モル比で、式(A−7)で表される化合物:式(A−8)で表される化合物として3:1〜1:3、好ましくは3:2〜2:3である。
式(A−7)と式(A−8)で表される化合物との反応では、式(A−7)の化合物の二つの反応部位(N−H部分)がそれぞれ別の式(A−8)の化合物のエポキシ環部分との間でエポキシ開環反応を起こす。その結果、式(A−1)で表される構造を有するポリマーが生成する。そして、ポリマーは、式(A−1)で表される構造の繰り返しよりなると考えられる。
式(A−1)で表される構造を有するポリマーの製造に使用される式(A−7)で表される化合物の具体例としては、例えば、ヒダントイン、5,5−ジフェニルヒダントイン、5,5−ジメチルヒダントイン、5−エチルヒダントイン、5−ベンジルヒダントイン、5−エチル−5−フェニルヒダントイン、5−メチルヒダントイン、5,5−テトラメチレンヒダントイン、5,5−ペンタメチレンヒダントイン、5−(4−ヒドロキシベンジル)−ヒダントイン、5−フェニルヒダントイン、5−ヒドロキシメチルヒダントイン、及び5−(2−シアノエチル)ヒダントイン等のヒダントイン化合物が挙げられる。
また、式(A−7)で表される化合物の具体例としては、例えば、5,5−ジエチルバルビツール酸、5,5−ジアリルマロニルウレア、5−エチル−5−イソアミルバルビツール酸、5−アリル−5−イソブチルバルビツール酸、5−アリル−5−イソプロピルバルビツール酸、5−β−ブロモアリル−5−sec−ブチルバルビツール酸、5−エチル−5−(1−メチル−1−ブテニル)バルビツール酸、5−イソプロピル−5−β−ブロモアリルバルビツール酸、5−(1−シクロヘキシル)−5−エチルマロニルウレア、5−エチル−5−(1−メチルブチル)マロニルウレア、5,5−ジブロモバルビツール酸、5−フェニル−5−エチルバルビツール酸、及び5−エチル−5−ノルマルブチルバルビツール酸等のバルビツール酸化合物が挙げられる。
また、式(A−7)で表される化合物の具体例としては、例えば、モノアリルイソシアヌル酸、モノメチルイソシアヌル酸、モノプロピルイソシアヌル酸、モノイソプロピルイソシアヌル酸、モノフェニルイソシアヌル酸、モノベンジルイソシアヌル酸、モノクロロイソシアヌル酸、及びモノエチルイソシアヌル酸等のイソシアヌル酸化合物が挙げられる。
式(A−1)で表される構造を有するポリマーの製造に使用される式(A−8)で表される化合物の具体例としては、例えば、テレフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、2,5−ジメチルテレフタル酸ジグリシジルエステル、2,5−ジエチルテレフタル酸ジグリシジルエステル、2,3,5,6−テトラクロロテレフタル酸ジグリシジルエステル、2,3,5,6−テトラブロモテレフタル酸ジグリシジルエステル、2−ニトロテレフタル酸ジグリシジルエステル、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジグリシジルエステル、2,5−ジヒドロキシテレフタル酸ジグリシジルエステル、2,6−ジメチルテレフタル酸ジグリシジルエステル、2,5−ジクロロテレフタル酸ジグリシジルエステル、2,3−ジクロロイソフタル酸ジグリシジルエステル、3−ニトロイソフタル酸ジグリシジルエステル、2−ブロモイソフタル酸ジグリシジルエステル、2−ヒドロキシイソフタル酸ジグリシジルエステル、3−ヒドロキシイソフタル酸ジグリシジルエステル、2−メトキシイソフタル酸ジグリシジルエステル、5−フェニルイソフタル酸ジグリシジルエステル、3−ニトロフタル酸ジグリシジルエステル、3,4,5,6−テトラクロロフタル酸ジグリシジルエステル、4,5−ジクロロフタル酸ジグリシジルエステル、4−ヒドロキシフタル酸ジグリシジルエステル、4−ニトロフタル酸ジグリシジルエステル、4−メチルフタル酸ジグリシジルエステル、3,4,5,6−テトラフルオロフタル酸ジグリシジルエステル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジグリシジルエステル、1,2−ナフタレンジカルボン酸ジグリシジルエステル、1,4−ナフタレンジカルボン酸ジグリシジルエステル、1,8−ナフタレンジカルボン酸ジグリシジルエステル、アントラセン−9,10−ジカルボン酸ジグリシジルエステル、及びエチレングリコールジグリシジルエーテル等のジグリシジル化合物が挙げられる。
また、式(A−8)で表される化合物の具体例としては、例えば、1,3−ジグリシジルヒダントイン、1,3−ジグリシジル−5,5−ジフェニルヒダントイン、1,3−ジグリシジル−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジグリシジル−5−メチルヒダントイン、1,3−ジグリシジル−5−エチル−5−フェニルヒダントイン、1,3−ジグリシジル−5−ベンジルヒダントイン、1,3−ジグリシジル−5−ヒダントイン酢酸、1,3−ジグリシジル−5−エチル−5−メチルヒダントイン、1,3−ジグリシジル−5−メチルヒダントイン、1,3−ジグリシジル−5,5−テトラメチレンヒダントイン、1,3−ジグリシジル−5,5−ペンタメチレンヒダントイン、1,3−ジグリシジル−5−(4−ヒドロキシベンジル)ヒダントイン、1,3−ジグリシジル−5−フェニルヒダントイン、1,3−ジグリシジル−5−ヒドロキシメチル−ヒダントイン、及び1,3−ジグリシジル−5−(2−シアノエチル)ヒダントイン等のジグリシジルヒダントイン化合物が挙げられる。
また、式(A−8)で表される化合物の具体例としては、例えば、1,3−ジグリシジル−5,5−ジエチルバルビツール酸、1,3−ジグリシジル−5−フェニル−5−エチルバルビツール酸、1,3−ジグリシジル−5−エチル−5−イソアミルバルビツール酸、1,3−ジグリシジル−5−アリル−5−イソブチルバルビツール酸、1,3−ジグリシジル−5−アリル−5−イソプロピルバルビツール酸、1,3−ジグリシジル−5−β−ブロモアリル−5−sec−ブチルバルビツール酸、1,3−ジグリシジル−5−エチル−5−(1−メチル−1−ブテニル)バルビツール酸、1,3−ジグリシジル−5−イソプロピル−5−β−ブロモアリルバルビツール酸、1,3−ジグリシジル−5−(1−シクロヘキシル)−5−エチルマロニルウレア、1,3−ジグリシジル−5−エチル−5−(1−メチルブチル)マロニルウレア、1,3−ジグリシジル−5,5−ジアリルマロニルウレアジグリシジル、及び1,3−ジグリシジル−5−エチル−5−ノルマルブチルバルビツール酸等のジグリシジルバルビツール酸化合物が挙げられる。
式(A−1)で表される構造を有するポリマーの製造において、式(A−7)及び式(A−8)で表される化合物は、それぞれ、一種類のみを用いることが出来るが、又、二種類以上の化合物を組み合わせて用いることもできる。そして、例えば、式(A−7)の化合物としてモノアリルイソシアヌル酸が、式(A−8)の化合物としてテレフタル酸ジグリシジルエステルが使用された場合、得られるポリマーは、式(A−1−12)の構造からなるポリマーであると考えられる。また、例えば、式(A−7)の化合物として5,5−ジエチルバルビツール酸が、式(A−8)の化合物としてテレフタル酸ジグリシジルエステルとエチレングリコールジグリシジルエーテルの二種が使用された場合、得られるポリマーは、式(A−1−4)の構造と式(A−1−17)の構造からなるポリマーであると考えられる。
また、本発明も用いられる式(A−1)で表される構造を有するポリマーは、また、式(A−9)で表される化合物と式(A−10)で表される化合物との反応により製造することができる。
式(A−9)と式(A−10)で表される化合物の反応は、前記の式(A−7)と式(A−8)で表される化合物の反応と同様の条件で行なうことができる。
また、反応に使用される式(A−9)及び式(A−10)で表される化合物の割合としては、モル比で、式(A−9):式(A−10)として3:1〜1:3、好ましくは3:2〜2:3である。
式(A−9)と式(A−10)で表される化合物との反応では、式(A−10)の化合物の二つの反応部位(N−H部分またはO−H部分)がそれぞれ別の式(A−9)の化合物のエポキシ環部分との間でエポキシ開環反応を起こす。その結果、式(A−1)で表される構造を有するポリマーが生成する。そして、ポリマーは、式(A−1)で表される構造の繰り返しよりなると考えられる。
式(A−1)で表される構造を有するポリマーの製造に使用される式(A−9)で表される化合物の具体例としては、前記式(A−8)の具体例におけるジグリシジルヒダントイン化合物及びジグリシジルバルビツール酸化合物が挙げられる。また、さらに、モノアリルジグリシジルイソシアヌル酸、モノエチルジグリシジルイソシアヌル酸、モノプロピルジグリシジルイソシアヌル酸、モノイソプロピルジグリシジルイソシアヌル酸、モノフェニルジグリシジルイソシアヌル酸、モノブロモジグリシジルイソシアヌル酸及びモノメチルジグリシジルイソシアヌル酸等のジグリシジルイソシアヌル酸化合物を挙げることができる。
式(A−1)で表される構造を有するポリマーの製造に使用される式(A−10)で表される化合物の具体例としては、前記式(A−7)の具体例におけるヒダントイン化合物及びバルビツール酸化合物が挙げられる。また、さらに、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、2,5−ジエチルテレフタル酸、2,3,5,6−テトラクロロテレフタル酸、2,3,5,6−テトラブロモテレフタル酸、2−ニトロテレフタル酸、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸、2,5−ジヒドロキシテレフタル酸、2,6−ジメチルテレフタル酸、2,5−ジクロロテレフタル酸、2,3−ジクロロイソフタル酸、3−ニトロイソフタル酸、2−ブロモイソフタル酸、2−ヒドロキシイソフタル酸、3−ヒドロキシイソフタル酸、2−メトキシイソフタル酸、5−フェニルイソフタル酸、3−ニトロフタル酸、3,4,5,6−テトラクロロフタル酸、4,5−ジクロロフタル酸、4−ヒドロキシフタル酸、4−ニトロフタル酸、4−メチルフタル酸、3,4,5,6−テトラフルオロフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、アントラセン−9,10−ジカルボン酸、エチレングリコール、1,3−プロパンジカルボン酸、及び4−ヒドロキシ安息香酸等の化合物を挙げることができる。
式(A−1)で表される構造を有するポリマーの製造において、式(A−9)及び式(A−10)で表される化合物は、それぞれ、一種類のみを用いることができるが、又、二種類以上の化合物を組み合わせて用いることもできる。そして、例えば、式(A−9)の化合物としてモノアリルジグリシジルイソシアヌル酸が、式(A−10)の化合物として5,5−ジエチルバルビツール酸が使用された場合、得られるポリマーは、式(A−1−1)の構造からなるポリマーであると考えられる。
また、例えば、式(A−9)の化合物としてモノアリルジグリシジルイソシアヌル酸が、式(A−10)の化合物としてテレフタル酸と5,5−ジエチルバルビツール酸の二種が使用された場合、得られるポリマーは、式(A−1−3)の構造と式(A−1−1)の構造からなるポリマーであると考えられる。
本発明に用いられる式(A−1)で表される構造を有するポリマーとしては、一種のポリマーを使用してもよく、また二種以上のポリマーを組み合わせて使用することができる。
本発明の用いられる式(A−1)で表される構造を有するポリマーの分子量としては、重量平均分子量として、例えば、1000〜200000であり、また例えば3000〜100000であり、または、5000〜20000である。
上記ポリマー(A)と添加剤(B)は質量%比で、99.99:0.01〜80.00:20.00、又は99.9:0.1〜80.0:20.0、又は99:1〜90:10の範囲で添加することができる。
本発明のレジスト下層膜形成組成物は架橋性化合物を含むことができる。そのような架橋性化合物としては、特に制限はないが、少なくとも二つの架橋形成置換基を有する架橋性化合物が好ましく用いられる。例えば、メチロール基、メトキシメチル基といった架橋形成置換基を有するメラミン系化合物や置換尿素系化合物が挙げられる。具体的には、メトキシメチル化グリコールウリル、またはメトキシメチル化メラミンなどの化合物であり、例えば、テトラメトキシメチルグリコールウリル、テトラブトキシメチルグリコールウリル、またはヘキサメトキシメチルメラミンである。また、テトラメトキシメチル尿素、テトラブトキシメチル尿素などの化合物も挙げられる。これら架橋性化合物は自己縮合による架橋反応を起こすことができる。また、式(A−1)で表される構造を有するポリマー中の水酸基と架橋反応を起こすことができる。そして、このような架橋反応によって、形成されるレジスト下層膜は強固になる。そして、有機溶剤に対する溶解性が低いレジスト下層膜となる。架橋性化合物は一種のみを使用してもよく、また二種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明のレジスト下層膜形成組成物は酸化合物を含むことができる。酸化合物としては、例えば、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、及びピリジニウム−p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸化合物、サリチル酸、スルホサリチル酸、クエン酸、安息香酸、及びヒドロキシ安息香酸等のカルボン酸化合物を挙げることができる。
また、酸化合物としては、例えば、2,4,4,6−テトラブロモシクロヘキサジエノン、ベンゾイントシレート、2−ニトロベンジルトシレート、p−トリフルオロメチルベンゼンスルホン酸−2,4−ジニトロベンジル、フェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、及びN−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホネート等の熱または光によって酸を発生する酸発生剤を挙げることができる。酸化合物としては、また、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフエート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、及びビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート等のヨードニウム塩系酸発生剤、及びトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、及びトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート等のスルホニウム塩系酸発生剤を挙げることができる。酸化合物としては、スルホン酸化合物、ヨードニウム塩系酸発生剤、スルホニウム塩系酸発生剤が好ましく使用される。酸化合物は一種のみを使用してもよく、また二種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明のレジスト下層膜形成組成物がポリマー(A)と添加剤(B)と架橋性化合物を含む場合、その含有量としては、固形分中で、ポリマー(A)と添加剤(B)は、例えば50〜99質量%であり、または60〜90質量%である。そして、架橋性化合物の含有量としては固形分中で、例えば1〜50質量%であり、または10〜40質量%である。
本発明のレジスト下層膜形成組成物が式(1)で表される構造を有するポリマーと架橋性化合物と酸化合物を含む場合、その含有量としては、固形分中で、ポリマー(A)と添加剤(B)は、例えば50〜99質量%であり、または60〜90質量%である。そして、架橋性化合物の含有量としては固形分中で、例えば0.5〜40質量%であり、または0.5〜35質量%である。そして、酸化合物の含有量としては固形分中で、例えば0.1〜10質量%であり、または0.1〜5質量%である。
本発明のレジスト下層膜形成組成物は、必要に応じて、他のポリマー、吸光性化合物、レオロジー調整剤、及び界面活性剤等の任意成分を含むことができる。
他のポリマーとしては、付加重合性の化合物より製造されるポリマーが挙げられる。アクリル酸エステル化合物、メタクリル酸エステル化合物、アクリルアミド化合物、メタクリルアミド化合物、ビニル化合物、スチレン化合物、マレイミド化合物、マレイン酸無水物、及びアクリロニトリル等の付加重合性化合物より製造される付加重合ポリマーが挙げられる。また、その他、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミック酸、ポリカーボネート、ポリエーテル、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、及びナフトールノボラック等が挙げられる。他のポリマーが使用される場合、その使用量としては、固形分中で、例えば0.1〜40質量%である。
吸光性化合物としては、レジスト下層膜の上に設けられるフォトレジスト層中の感光成分の感光特性波長領域における光に対して高い吸収能を有するであれば特に制限なく使用することができる。吸光性化合物としては、例えば、ベンゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、アゾ化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、アントラキノン化合物、トリアジン化合物、トリアジントリオン化合物、キノリン化合物などを使用することができる。ナフタレン化合物、アントラセン化合物、トリアジン化合物、トリアジントリオン化合物が用いられる。具体例としては、例えば、1−ナフタレンカルボン酸、2−ナフタレンカルボン酸、1−ナフトール、2−ナフトール、ナフチル酢酸、1−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、3,7−ジヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、6−ブロモ−2−ヒドロキシナフタレン、2,6−ナフタレンジカルボン酸、9−アントラセンカルボン酸、10−ブロモ−9−アントラセンカルボン酸、アントラセン−9,10−ジカルボン酸、1−アントラセンカルボン酸、1−ヒドロキシアントラセン、1,2,3−アントラセントリオール、9−ヒドロキシメチルアントラセン、2,7,9−アントラセントリオール、安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、4−ブロモ安息香酸、3−ヨード安息香酸、2,4,6−トリブロモフェノール、2,4,6−トリブロモレゾルシノール、3,4,5−トリヨード安息香酸、2,4,6−トリヨード−3−アミノ安息香酸、2,4,6−トリヨード−3−ヒドロキシ安息香酸、及び2,4,6−トリブロモ−3−ヒドロキシ安息香酸等を挙げることができる。吸光性化合物が使用される場合、その使用量としては、固形分中で、例えば0.1〜40質量%である。
レオロジー調整剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジヘキシルフタレート、ブチルイソデシルフタレート等のフタル酸化合物、ジノルマルブチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジイソオクチルアジペート、オクチルデシルアジペート等のアジピン酸化合物、ジノルマルブチルマレート、ジエチルマレート、ジノニルマレート等のマレイン酸化合物、メチルオレート、ブチルオレート、テトラヒドロフルフリルオレート等のオレイン酸化合物、及びノルマルブチルステアレート、グリセリルステアレート等のステアリン酸化合物を挙げることができる。レオロジー調整剤が使用される場合、その使用量としては、固形分中で、例えば0.001〜10質量%である。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフエノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフエノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロツクコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、商品名エフトップEF301、EF303、EF352((株)トーケムプロダクツ製)、商品名メガファックF171、F173、R−08、R−30、R−30N、R−40(DIC(株)製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム(株)製)、商品名アサヒガードAG710,サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、及びオルガノシロキサンポリマ−KP341(信越化学工業(株)製)等を挙げることができる。これらの界面活性剤は単独で使用してもよいし、また2種以上の組み合わせで使用することもできる。界面活性剤が使用される場合、その使用量としては、固形分中で、例えば0.0001〜5質量%である。
本発明のレジスト下層膜形成組成物に使用される溶剤としては、前記の固形分を溶解できる溶剤であれば、特に制限無く使用することができる。そのような溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、及び乳酸ブチル等を挙げることができる。これらの溶剤は単独で、または二種以上の組み合わせで使用される。さらに、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等の高沸点溶剤を混合して使用することができる。
溶剤を混ぜて使用することができる。例えばプロピレングリコールモノメチルエーテルとプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの混合溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルとプロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等の混合溶剤を用いることができる。
次に本発明のレジストパターン形成法について説明すると、精密集積回路素子の製造に使用される基板(例えばシリコン/二酸化シリコン被覆、ガラス基板、ITO基板などの透明基板)上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法によりレジスト下層膜形成組成物を塗布後、ベークして硬化させ塗布型下層膜を作成する。ここで、レジスト下層膜の膜厚としては0.01〜3.0μmが好ましい。また塗布後ベーキングする条件としては80〜350℃で0.5〜120分間である。その後レジスト下層膜上に直接、または必要に応じて1層乃至数層の塗膜材料を塗布型下層膜上に成膜した後、レジストを塗布し、所定のマスクを通して光又は電子線の照射を行い、現像、リンス、乾燥することにより良好なレジストパターンを得ることができる。必要に応じて光又は電子線の照射後加熱(PEB:Post Exposure Bake)を行うこともできる。そして、レジストが前記工程により現像除去された部分のレジスト下層膜をドライエッチングにより除去し、所望のパターンを基板上に形成することができる。
本発明に用いられるレジストとはフォトレジストや電子線レジストである。
本発明におけるリソグラフィー用レジスト下層膜の上部に塗布されるフォトレジストとしてはネガ型、ポジ型いずれも使用でき、ノボラック樹脂と1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルとからなるポジ型フォトレジスト、酸により分解してアルカリ溶解速度を上昇させる基を有するバインダーと光酸発生剤からなる化学増幅型フォトレジスト、アルカリ可溶性バインダーと酸により分解してフォトレジストのアルカリ溶解速度を上昇させる低分子化合物と光酸発生剤からなる化学増幅型フォトレジスト、酸により分解してアルカリ溶解速度を上昇させる基を有するバインダーと酸により分解してフォトレジストのアルカリ溶解速度を上昇させる低分子化合物と光酸発生剤からなる化学増幅型フォトレジスト、骨格にSi原子を有するフォトレジスト等があり、例えば、ロームアンドハーツ社製、商品名APEX−Eが挙げられる。
また本発明におけるリソグラフィー用レジスト下層膜の上部に塗布される電子線レジストとしては、例えば主鎖にSi−Si結合を含み末端に芳香族環を含んだ樹脂と電子線の照射により酸を発生する酸発生剤から成る組成物、又は水酸基がN−カルボキシアミンを含む有機基で置換されたポリ(p−ヒドロキシスチレン)と電子線の照射により酸を発生する酸発生剤から成る組成物等が挙げられる。後者の電子線レジスト組成物では、電子線照射によって酸発生剤から生じた酸がポリマー側鎖のN−カルボキシアミノキシ基と反応し、ポリマー側鎖が水酸基に分解しアルカリ可溶性を示しアルカリ現像液に溶解し、レジストパターンを形成するものである。この電子線の照射により酸を発生する酸発生剤は1,1−ビス[p−クロロフェニル]−2,2,2−トリクロロエタン、1,1−ビス[p−メトキシフェニル]−2,2,2−トリクロロエタン、1,1−ビス[p−クロロフェニル]−2,2−ジクロロエタン、2−クロロ−6−(トリクロロメチル)ピリジン等のハロゲン化有機化合物、トリフェニルスルフォニウム塩、ジフェニルヨウドニウム塩等のオニウム塩、ニトロベンジルトシレート、ジニトロベンジルトシレート等のスルホン酸エステルが挙げられる。
レジスト溶液は塗布した後に焼成温度70〜150℃で、焼成時間0.5〜5分間行い、レジスト膜厚は10〜1000nmの範囲で得られる。レジスト溶液や現像液や以下に示す塗布材料は、スピンコート、ディップ法、スプレー法等で被覆できるが、特にスピンコート法が好ましい。レジストの露光は所定のマスクを通して露光が行なわれる。露光には、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)及びEUV光(波長13.5nm)、電子線等を使用することができる。露光後、必要に応じて露光後加熱(PEB:Post Exposure Bake)を行なうこともできる。露光後加熱は、加熱温度70℃〜150℃、加熱時間0.3〜10分間から適宜、選択される。
本発明のリソグラフィー用レジスト下層膜材料を使用して形成したレジスト下層膜を有するレジストの現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジーn−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の第4級アンモニウム塩、ピロール、ピペリジン等の環状アミン類、等のアルカリ類の水溶液を使用することができる。さらに、上記アルカリ類の水溶液にイソプロピルアルコール等のアルコール類、ノニオン系等の界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。これらの中で好ましい現像液は第四級アンモニウム塩、さらに好ましくはテトラメチルアンモニウムヒドロキシド及びコリンである。
また、本願発明ではレジストの現像に現像液として有機溶剤を用いることができる。レジストの露光後に現像液(溶剤)によって現像が行なわれる。これにより、例えばポジ型フォトレジストが使用された場合は、露光されない部分のフォトレジストが除去され、フォトレジストのパターンが形成される。
現像液としては、例えば、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、メトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、2−メトキシブチルアセテート、3-メトキシブチルアセテート、4−メトキシブチルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテート、3−エチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、2−エトキシブチルアセテート、4−エトキシブチルアセテート、4−プロポキシブチルアセテート、2−メトキシペンチルアセテート、3−メトキシペンチルアセテート、4−メトキシペンチルアセテート、2−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、4−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル、炭酸エチル、炭酸プロピル、炭酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、ピルビン酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソプロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−エトキシプロピオネート、プロピル−3−メトキシプロピオネート等を例として挙げることができる。さらに、これらの現像液に界面活性剤などを加えることもできる。現像の条件としては、温度5〜50℃、時間10〜600秒から適宜選択される。
本発明では、半導体基板にレジスト下層膜形成組成物により該レジスト下層膜を形成する工程、その上にレジスト膜を形成する工程、光又は電子線照射と現像によりレジストパターンを形成する工程、レジストパターンにより該レジスト下層膜をエッチングする工程、及びパターン化されたレジスト下層膜により半導体基板を加工する工程を経て半導体装置を製造することができる。
今後、レジストパターンの微細化が進行すると、解像度の問題やレジストパターンが現像後に倒れるという問題が生じ、レジストの薄膜化が望まれてくる。そのため、基板加工に充分なレジストパターン膜厚を得ることが難しく、レジストパターンだけではなく、レジストと加工する半導体基板との間に作成されるレジスト下層膜にも基板加工時のマスクとしての機能を持たせるプロセスが必要になってきた。このようなプロセス用のレジスト下層膜として従来の高エッチレート性レジスト下層膜とは異なり、レジストに近いドライエッチング速度の選択比を持つリソグラフィー用レジスト下層膜、レジストに比べて小さいドライエッチング速度の選択比を持つリソグラフィー用レジスト下層膜や半導体基板に比べて小さいドライエッチング速度の選択比を持つリソグラフィー用レジスト下層膜が要求されるようになってきている。また、このようなレジスト下層膜には反射防止能を付与することも可能であり、従来の反射防止膜の機能を併せ持つことができる。
一方、微細なレジストパターンを得るために、レジスト下層膜のドライエッチング時にレジストパターンとレジスト下層膜をレジスト現像時のパターン幅より細くするプロセスも使用され始めている。このようなプロセス用のレジスト下層膜として従来の高エッチレート性反射防止膜とは異なり、レジストに近いドライエッチング速度の選択比を持つレジスト下層膜が要求されるようになってきている。また、このようなレジスト下層膜には反射防止能を付与することも可能であり、従来の反射防止膜の機能を併せ持つことができる。
本発明では基板上に本発明のレジスト下層膜を成膜した後、レジスト下層膜上に直接、または必要に応じて1層乃至数層の塗膜材料をレジスト下層膜上に成膜した後、レジストを塗布することができる。これによりレジストのパターン幅が狭くなり、パターン倒れを防ぐ為にレジストを薄く被覆した場合でも、適切なエッチングガスを選択することにより基板の加工が可能になる。
即ち、半導体基板にレジスト下層膜形成組成物により該レジスト下層膜を形成する工程、その上にケイ素成分等を含有する塗膜材料によるハードマスク又は蒸着によるハードマスク(例えば、窒化酸化ケイ素)を形成する工程、更にその上にレジスト膜を形成する工程、光又は電子線の照射と現像によりレジストパターンを形成する工程、レジストパターンによりハードマスクをハロゲン系ガスでエッチングする工程、パターン化されたハードマスクにより該レジスト下層膜を酸素系ガス又は水素系ガスでエッチングする工程、及びパターン化されたレジスト下層膜によりハロゲン系ガスで半導体基板を加工する工程を経て半導体装置を製造することができる。
本発明のリソグラフィー用レジスト下層膜形成組成物は、反射防止膜としての効果を考慮した場合、光吸収部位が骨格に取りこまれているため、加熱乾燥時にフォトレジスト中への拡散物がなく、また、光吸収部位は十分に大きな吸光性能を有しているため反射光防止効果が高い。
本発明のリソグラフィー用レジスト下層膜形成組成物では、熱安定性が高く、焼成時の分解物による上層膜への汚染が防げ、また、焼成工程の温度マージンに余裕を持たせることができるものである。
さらに、本発明のリソグラフィー用レジスト下層膜材料は、プロセス条件によっては、光の反射を防止する機能と、更には基板とフォトレジストとの相互作用の防止或いはフォトレジストに用いられる材料又はフォトレジストへの露光時に生成する物質の基板への悪作用を防ぐ機能とを有する膜としての使用が可能である。
(合成例B−1)
ペンタエリトリトールトリ/テトラアクリレート50gと、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート50gを500mlのフラスコに入れ、50℃に昇温した。50℃で5時間反応しポリマーを得た。得られたポリマーの重量平均分子量は2500であった。
(合成例B−2)
ペンタエリトリトールトリ/テトラアクリレート30gと、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート30gと、ビスフェノールAエチレンオキシド変性ジアクリレート40gを500mlのフラスコに入れ、50℃に昇温した。50℃で5時間反応しポリマーを得た。得られたポリマーは重量平均分子量が3000であった。
(合成例B−3)
ペンタエリトリトールトリ/テトラアクリレート20gと、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート20gと、ビスフェノールAエチレンオキシド変性ジアクリレート40gと、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性トリアクリレート10gと、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10gを500mlのフラスコに入れ、50℃に昇温した。50℃で5時間反応しポリマーを得た。得られたポリマーは重量平均分子量が13000であった。
(合成例A−1)
モノアリルジグリシジルイソシアヌル酸(四国化成工業(株)製)100g、5,5−ジエチルバルビツール酸66.4g、及びベンジルトリエチルアンモニウムクロリド4.1gをプロピレングリコールモノメチルエーテル682gに溶解させた後、130℃で24時間反応させポリマーを含む溶液を得た。得られたポリマーのGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は6800であった。なお、得られたポリマーは、式(A−1−1)の構造からなるポリマーであると考えられる。
(合成例A−2)
モノアリルジグリシジルイソシアヌル酸6.9g、5−フェニル−5−エチルバルビツール酸5.8g、及びベンジルトリエチルアンモニウムクロリド0.3gをプロピレングリコールモノメチルエーテル52.1gに溶解させた後、130℃で24時間反応させポリマーを含む溶液を得た。得られたポリマーのGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は6900であった。なお、得られたポリマーは、式(A−1−2)の構造からなるポリマーであると考えられる。
(合成例A−3)
テレフタル酸ジグリシジルエステル(ナガセケムテックス(株)製、製品名EX711)50.0g、モノアリルイソシアヌル酸(四国化成工業(株)製)30.4g、及びベンジルトリエチルアンモニウムクロリド2.0gをプロピレングリコールモノメチルエーテル330gに溶解させた後、130℃で24時間反応させポリマーを含む溶液を得た。得られたポリマーのGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は20000であった。なお、得られたポリマーは、式(A−1−3)の構造からなるポリマーであると考えられる。
実施例1
合成例(A−1)により得られたポリマー溶液4.53gに、テトラメトキシメチルグリコールウリル(日本サイテックインダストリーズ(株)製、商品名:POWDERLINK〔登録商標〕1174)0.23g、ピリジニウムp−トルエンスルホナート0.02g、及び界面活性剤R−30N(DIC(株)製)0.01g、合成例(B−1)により得られた添加剤0.05gを混合し、当該混合物にプロピレングリコールモノメチルエーテル65g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート29gを加え溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過してレジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
以下同様にレジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
表中、テトラメトキシメチルグリコールウリル(日本サイテックインダストリーズ(株)製、商品名:POWDERLINK〔登録商標〕1174)はPL−LIで、ピリジニウムp−トルエンスルホン酸はPyPTSで、界面活性剤は商品名R−30N(DIC(株)製)で、プロピレングリコールモノメチルエーテルはPGMEで、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートはPGMEAで示した。表中の単位はグラム(g)である。
〔表1〕
表1
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ポリマー 添加剤 架橋剤 酸化合物 界面活性剤 溶剤
実施例1 (A−1) (B−1) PL−LI PyPTS R30N PGME PGMEA
(g) 4.5 0.05 0.23 0.02 0.01 65 29
実施例2 (A−1) (B−2) PL−LI PyPTS R30N PGME PGMEA
(g) 4.5 0.05 0.23 0.02 0.01 65 29
実施例3 (A−1) (B−3) PL−LI PyPTS R30N PGME PGMEA
(g) 4.5 0.05 0.23 0.02 0.01 65 29
実施例4 (A−2) (B−1) PL−LI PyPTS R30N PGME PGMEA
(g) 4.5 0.05 0.23 0.02 0.01 65 29
実施例5 (A−2) (B−2) PL−LI PyPTS R30N PGME PGMEA
(g) 4.5 0.05 0.23 0.02 0.01 65 29
実施例6 (A−2) (B−3) PL−LI PyPTS R30N PGME PGMEA
(g) 4.5 0.05 0.23 0.02 0.01 65 29
実施例7 (A−3) (B−1) PL−LI PyPTS R30N PGME PGMEA
(g) 4.5 0.05 0.23 0.02 0.01 65 29
実施例8 (A−3) (B−2) PL−LI PyPTS R30N PGME PGMEA
(g) 4.5 0.05 0.23 0.02 0.01 65 29
実施例9 (A−3) (B−3) PL−LI PyPTS R30N PGME PGMEA
(g) 4.5 0.05 0.23 0.02 0.01 65 29
比較例1 (A−1) PL−LI PyPTS R30N PGME PGMEA
(g) 4.7 0.24 0.02 0.01 65 29
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
上記実施例1〜9、および比較例1のレジスト下層膜形成組成物をスピナーにより回転数1500rpmにてシリコンウェハー上にSiON膜(窒素含有酸化珪素膜)が0.05μmの厚さに形成された基板上に塗布した。それからホットプレート上でベーク(205℃、1分間)し、膜厚30nmのレジスト下層膜を形成した。このレジスト下層膜の上に、市販のフォトレジスト溶液(例えば住友化学(株)製、商品名:PAR855)をスピナーにより塗布し、ホットプレート上でベーク(105℃、1分間)して、フォトレジスト膜を形成した。
次いで、スキャナー、例えば(株)ニコン製、NSRS307E(波長193nm、NA:0.85)を用い、現像後にフォトレジストのライン幅及びそのフォトレジストのラインの幅が0.090μm、スペース幅が0.090μm(すなわち0.090μmL/S)のパターンが形成されるように設定されたフォトマスクを通じて露光を行った。その後、ホットプレート上にて100℃で60秒間露光後加熱(PEB)を行い、冷却後、現像液として2.38%のテトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて現像し、レジストパターンを形成した。それぞれのパターンをKLA−Tencor社製、明視野欠陥検査装置2800でパターン欠陥を観測した。実施例は比較例より少ない現像後欠陥数を示した。
本発明は、短波長の光、例えばArFエキシマレーザー(波長193nm)に対して強い吸収を持つレジスト下層膜、及び当該レジスト下層膜を形成するためのレジスト下層膜形成組成物を提供することにある。本発明のレジスト下層膜を用いた時に、現像後に得られたレジストパターンは欠陥数を低下させることができる。

Claims (13)

  1. ポリマー(A)と、添加剤(B)と、溶剤とを含むリソグラフィー用レジスト下層膜形成組成物であって、添加剤(B)が下記式(B−1)乃至式(B−6):
    Figure 2017203941
    (上記式中、R〜R15はそれぞれ水素原子又はメチル基であり、n〜nはそれぞれ0〜5の整数を示す。)から選ばれる少なくとも1種のモノマーの重合物である上記レジスト下層膜形成組成物。
  2. 添加剤Bが、式(B−1)と式(B−2)と式(B−3)とのモノマーの重合物である請求項1に記載のレジスト下層膜形成組成物。
  3. 添加剤Bが、式(B−1)と式(B−2)と式(B−3)と式(B−4)とのモノマーの重合物である請求項1に記載のレジスト下層膜形成組成物。
  4. 添加剤Bが式(B−1)と式(B−2)と式(B−3)と式(B−4)と式(B−5)と式(B−6)とのモノマーの重合物である請求項1に記載のレジスト下層膜形成組成物。
  5. 添加剤Bが、式(B−1)乃至式(B−6)から選ばれたモノマーの重合物と、式(B−1)乃至式(B−6)から選ばれたモノマーとの混合物である請求項1に記載のレジスト下層膜形成組成物。
  6. ポリマー(A)が 式(A−1):
    Figure 2017203941

    〔式中、A21、A22、A23、A24、A25、及びA26は、それぞれ、水素原子、メチル基またはエチル基を表し、X21は式(A−2)、式(A−3)または式(A−4):
    Figure 2017203941

    (式中R21及びR22はそれぞれ、水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数3〜6のアルケニル基、ベンジル基またはフェニル基を表し、そして、前記フェニル基は、炭素原子数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、水酸基、及び炭素原子数1〜6のアルキルチオ基からなる群から選ばれる基で置換されていてもよく、また、R21とR22は互いに結合して炭素原子数3〜6の環を形成していてもよく、R23は炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数3〜6のアルケニル基、ベンジル基またはフェニル基を表し、そして、前記フェニル基は、炭素原子数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、水酸基、及び炭素原子数1〜6のアルキルチオ基からなる群から選ばれる基で置換されていてもよい)を表し、Qは式(A−5)または式(A−6):
    Figure 2017203941

    (式中Q21は炭素原子数1〜10のアルキレン基、フェニレン基、ナフチレン基、またはアントリレン基を表し、そして、前記フェニレン基、ナフチレン基、及びアントリレン基は、それぞれ、炭素原子数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、水酸基、及び炭素原子数1〜6のアルキルチオ基からなる群から選ばれる基で置換されていてもよく、n21及びn22はそれぞれ0または1の数を表し、X22は式(A−2)または式(A−3)を表す)を表す〕で表される構造を有するポリマーである請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物。
  7. 更に、架橋性化合物を含む請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物。
  8. 更に、酸化合物を含む請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物。
  9. 前記式(A−1)で表される構造を有するポリマーが、式(A−7)で表される化合物と式(A−8)で表される化合物との反応により製造されるポリマーである、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物。
    Figure 2017203941

    (X21、A21、A22、A23、A24、A25、A26は上記と同じである。)
  10. 前記式(A−1)で表される構造を有するポリマーが、式(A−9)で表される化合物と式(A−10)で表される化合物との反応により製造されるポリマーである、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物。
    Figure 2017203941

    (X21、A21、A22、A23、A24、A25、A26は上記と同じである。)
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物を半導体基板上に塗布し焼成することによって得られるレジスト下層膜の製造方法。
  12. 半導体基板上に請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物によりレジスト下層膜を形成する工程、その上にレジスト膜を形成する工程、光又は電子線の照射と現像によりレジストパターンを形成する工程、レジストパターンにより該下層膜をエッチングする工程、及びパターン化された下層膜により半導体基板を加工する工程を含む半導体装置の製造方法。
  13. 半導体基板に請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物によりレジスト下層膜を形成する工程、その上にハードマスクを形成する工程、更にその上にレジスト膜を形成する工程、光又は電子線の照射と現像によりレジストパターンを形成する工程、レジストパターンによりハードマスクをエッチングする工程、パターン化されたハードマスクにより該下層膜をエッチングする工程、及びパターン化されたレジスト下層膜により半導体基板を加工する工程を含む半導体装置の製造方法。
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