JP2017079886A - 血流計測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】血流計測の対象部位の設定の容易化及び短時間化を図る。
【解決手段】実施形態は、光コヒーレンストモグラフィを用いて生体の血流計測を行う血流計測装置であって、データ取得部と、位相画像形成部と、処理部とを備える。データ取得部は、生体の1以上の断面を繰り返し走査してデータを取得する。位相画像形成部は、このデータに基づいて、1以上の断面のそれぞれにおける位相画像を形成する。処理部は、位相画像の各フレームにおける少なくとも一部の画素の値を積算することにより、1以上の断面のそれぞれにおける経時的積算値プロファイルを生成し、これら経時的積算値プロファイルに基づいて、血流計測の対象部位を設定するための計測部位情報を生成する。
【選択図】図4

Description

この発明は血流計測装置に関する。
光コヒーレンストモグラフィ(Optical Coherence Tomography:OCT)は、対象の形態の計測だけでなく、その機能の計測にも利用される。例えば、OCTを用いて生体の血流計測を行うための装置が知られている。OCTを用いた血流計測は、眼底血管などに応用されている。
特開2013−184018号公報 特開2009−165710号公報 特表2010−523286号公報
血流計測は、脈波が明瞭に得られる部位を対象とすることが望ましい。典型的には、計測対象の血管は、好適なドップラー信号が得られる向きに位置する動脈であることが望ましい。動脈の探索は、現状、次のような方法で行われている。第1の方法では、所望の血管を横切る断面をユーザが指定し、その血管の血流計測を実行し、得られたデータを解析してその血管が動脈であるか判定する。この方法では、血管の選択、断面の指定、血流計測、データ解析という一連の処理を、適当な動脈が見つかるまで繰り返さなくてはならず、時間や手間が掛かってしまう。
第2の方法ではライブOCTが用いられる。ライブOCTは、生体の一断面を所定の反復レートで繰り返しスキャンし、それにより得られるデータに基づく動画像をリアルタイムで表示する画像化法である。本方法では、所望の血管を横切る断面の形態画像と位相画像とが動画表示される。位相画像において、動脈は明暗が周期的にかつ比較的大きく変化する領域として表現され、静脈は明暗の変化が比較的小さい領域として表現される。ユーザは、位相画像を観察することで、当該血管が動脈か静脈か判定する。この判定はユーザの経験に頼るものであり、正確性や再現性に劣る。更に、血管の選択、断面の指定、血流計測、観察による判定という一連の処理を、適当な動脈が見つかるまで繰り返さなくてはならない。
特に、眼底の血流計測を行う場合には、視認性の悪い赤外観察像を用いるのが一般的であるため、血管の選択も容易ではない。
この発明の目的の1つは、血流計測の対象部位の設定の容易化及び短時間化を図ることにある。
実施形態は、光コヒーレンストモグラフィを用いて生体の血流計測を行う血流計測装置であって、データ取得部と、位相画像形成部と、処理部とを備える。データ取得部は、生体の1以上の断面を繰り返し走査してデータを取得する。位相画像形成部は、このデータに基づいて、1以上の断面のそれぞれにおける位相画像を形成する。処理部は、位相画像の各フレームにおける少なくとも一部の画素の値を積算することにより、1以上の断面のそれぞれにおける経時的積算値プロファイルを生成し、これら経時的積算値プロファイルに基づいて、血流計測の対象部位を設定するための計測部位情報を生成する。
実施形態によれば、血流計測の対象部位の設定の容易化及び短時間化を図ることが可能である。
実施形態に係る血流計測装置の構成の一例を表す概略図である。 実施形態に係る血流計測装置の構成の一例を表す概略図である。 実施形態に係る血流計測装置の構成の一例を表す概略図である。 実施形態に係る血流計測装置の構成の一例を表す概略図である。 実施形態に係る血流計測装置の動作の一例を説明するための概略図である。 実施形態に係る血流計測装置の動作の一例を説明するための概略図である。 実施形態に係る血流計測装置の動作の一例を説明するための概略図である。 実施形態に係る血流計測装置の動作の一例を説明するための概略図である。 実施形態に係る血流計測装置の動作の一例を表すフローチャートである。 実施形態に係る血流計測装置の構成の一例を表す概略図である。 実施形態に係る血流計測装置の動作の一例を説明するための概略図である。 実施形態に係る血流計測装置の構成の一例を表す概略図である。
実施形態に係る血流計測装置について図面を参照しながら詳細に説明する。実施形態の血流計測装置は、OCTを用いて生体の断層像や3次元画像を形成する。本明細書に記載の引用文献の内容を実施形態に援用することができる。
以下の実施形態では、フーリエドメインOCT(特にスペクトラルドメインOCT)を用いて生体眼の眼底を計測することが可能な血流計測装置について説明する。OCTのタイプはスペクトラルドメインには限定されず、例えばスウェプトソースOCTであってよい。実施形態の血流計測装置はOCT装置と眼底カメラを組み合わせた装置であるが、眼底カメラ以外の眼底撮影装置とOCT装置とを組み合わせてもよい。そのような眼底撮影装置の例として、SLO(Scanning Laser Ophthalmoscope)、スリットランプ、眼科手術用顕微鏡などがある。なお、実施形態の血流計測装置は、一般に、OCT機能を具備していれば十分である。
〈第1実施形態〉
[構成]
図1に示すように、血流計測装置1は、眼底カメラユニット2、OCTユニット100及び演算制御ユニット200を含む。眼底カメラユニット2は、眼底を撮影して正面画像を取得するための光学系を備える。この光学系は、従来の眼底カメラのそれとほぼ同様である。OCTユニット100は、眼底のOCTを行ってデータを取得するための光学系を備える。演算制御ユニット200は、各種の演算や制御を実行するコンピュータを備える。
(眼底カメラユニット2)
図1に示す眼底カメラユニット2には、被検眼Eの眼底Efの表面形態を表す2次元画像(眼底像)を取得するための光学系が設けられている。眼底像としては観察画像や撮影画像がある。観察画像は、例えば、近赤外光を用いて所定のフレームレートで形成されるモノクロの動画像である。撮影画像は、例えば、可視光をフラッシュ発光して得られるカラー画像、又は、近赤外光若しくは可視光を照明光として用いたモノクロの静止画像である。眼底カメラユニット2は、これら以外の画像、例えばフルオレセイン蛍光画像やインドシアニングリーン蛍光画像や自発蛍光画像などを取得可能であってよい。
眼底カメラユニット2には、被検者の顔を支持するための顎受けや額当てが設けられている。更に、眼底カメラユニット2には、照明光学系10と撮影光学系30が設けられている。照明光学系10は眼底Efに照明光を照射する。撮影光学系30は、この照明光の眼底反射光を撮像装置(CCDイメージセンサ(単にCCDと呼ぶことがある)35、38)に導く。また、撮影光学系30は、OCTユニット100からの測定光を眼底Efに導くとともに、眼底Efからの測定光の戻り光をOCTユニット100に導く。
照明光学系10の観察光源11は、例えばハロゲンランプ又はLED(Light Emitting Diode)を含む。観察光源11から出力された光(観察照明光)は、曲面状の反射面を有する反射ミラー12により反射され、集光レンズ13を経由し、可視カットフィルタ14を透過して近赤外光となる。更に、観察照明光は、撮影光源15の近傍にて一旦集束し、ミラー16により反射され、リレーレンズ17、18、絞り19及びリレーレンズ20を経由する。そして、観察照明光は、孔開きミラー21の周辺部(孔部の周囲の領域)にて反射され、ダイクロイックミラー46を透過し、対物レンズ22により屈折されて眼底Efを照明する。
観察照明光の眼底反射光は、対物レンズ22により屈折され、ダイクロイックミラー46を透過し、孔開きミラー21の中心領域に形成された孔部を通過し、ダイクロイックミラー55を透過し、合焦レンズ31を経由し、ミラー32により反射され、ハーフミラー40を透過し、ダイクロイックミラー33により反射され、集光レンズ34によりCCDイメージセンサ35の受光面に結像される。CCDイメージセンサ35は、所定のフレームレートで眼底反射光を検出する。表示装置3には、CCDイメージセンサ35により検出された眼底反射光に基づく画像(観察画像)が表示される。なお、撮影光学系30のピントが前眼部に合わせられている場合、被検眼Eの前眼部の観察画像が表示される。
撮影光源15は、例えばキセノンランプ又はLEDを含む。撮影光源15から出力された光(撮影照明光)は、観察照明光と同様の経路を通って眼底Efに照射される。撮影照明光の眼底反射光は、観察照明光のそれと同様の経路を通ってダイクロイックミラー33まで導かれ、ダイクロイックミラー33を透過し、ミラー36により反射され、集光レンズ37によりCCDイメージセンサ38の受光面に結像される。表示装置3には、CCDイメージセンサ38により検出された眼底反射光に基づく画像(撮影画像)が表示される。
LCD(Liquid Crystal Display)39は、固視標や視力測定用指標を表示する。固視標は被検眼Eを固視させるための指標であり、眼底撮影時やOCT時などに使用される。LCD39の画面上における固視標の表示位置を変更することにより、被検眼Eの固視位置を変更できる。
LCD39から出力された光は、その一部がハーフミラー40にて反射され、ミラー32に反射され、合焦レンズ31及びダイクロイックミラー55を経由し、孔開きミラー21の孔部を通過し、ダイクロイックミラー46を透過し、対物レンズ22により屈折されて眼底Efに投影される。
更に、眼底カメラユニット2には、従来の眼底カメラと同様にアライメント光学系50とフォーカス光学系60が設けられている。アライメント光学系50は、被検眼Eに対する装置光学系の位置合わせ(アライメント)を行うための指標(アライメント指標)を生成する。フォーカス光学系60は、眼底Efに対してフォーカス(ピント)を合わせるための指標(スプリット指標)を生成する。
アライメント光学系50のLED51から出力された光(アライメント光)は、絞り52、53及びリレーレンズ54を経由してダイクロイックミラー55により反射され、孔開きミラー21の孔部を通過し、ダイクロイックミラー46を透過し、対物レンズ22により被検眼Eに投影される。
アライメント光の戻り光はCCDイメージセンサ35により検出される。CCDイメージセンサ35による受光像(アライメント指標像)は、観察画像とともに表示される。ユーザは、従来の眼底カメラと同様に、アライメント指標像を参照しつつアライメントを実施することができる。また、演算制御ユニット200がアライメント指標像の位置を解析して光学系を移動させることによりアライメントを行うこともできる(オートアライメント機能)。
フォーカス調整を行う際には、照明光学系10の光路上に反射棒67の反射面が斜設される。フォーカス光学系60のLED61から出力された光(フォーカス光)は、リレーレンズ62を通過し、スプリット指標板63により2つの光束に分離され、二孔絞り64を通過し、ミラー65に反射され、集光レンズ66により反射棒67の反射面に一旦結像されて反射される。更に、フォーカス光は、リレーレンズ20を経由し、孔開きミラー21に反射され、ダイクロイックミラー46を透過し、対物レンズ22により屈折されて眼底Efに投影される。
フォーカス光の戻り光はCCDイメージセンサ35により検出される。CCDイメージセンサ35による受光像(スプリット指標像)は、観察画像及びアライメント指標像とともに表示される。演算制御ユニット200は、従来と同様に、スプリット指標の位置を解析して合焦レンズ31及びフォーカス光学系60を移動させてピント合わせを行うことができる(オートフォーカス機能)。また、スプリット指標像の位置を参照しつつ手動でピント合わせを行ってもよい。
ダイクロイックミラー46は、眼底撮影用の光路にOCT用の測定光の光路(測定光路、測定アーム)を合成する。つまり、眼底撮影用の光路と測定光路とは、ダイクロイックミラー46により同軸に構成され、ダイクロイックミラー46よりも被検眼E側の光路を共有している。ダイクロイックミラー46は、OCTに用いられる波長帯の光を反射し、眼底撮影用の光を透過させる。測定光路には、OCTユニット100側から順に、コリメータレンズユニット40と、光路長変更部41と、光スキャナ42と、合焦レンズ43と、ミラー44と、リレーレンズ45とが設けられている。
光路長変更部41は、図1に示す矢印の方向に移動可能とされ、測定光路の長さを変更する。この光路長の変更は、被検眼Eの眼軸長に応じた光路長の補正や、干渉状態の調整などに利用される。光路長変更部41は、例えばコーナーキューブと、これを移動する機構とを含んで構成される。
光スキャナ42は、測定光路を通過する測定光LSの進行方向を変化させる。それにより、眼底Efを測定光LSで走査することができる。光スキャナ42は、例えば、測定光LSをx方向に走査するガルバノミラーと、y方向に走査するガルバノミラーとを含み、xy面上の任意の方向に測定光LSを偏向可能に構成される。
(OCTユニット100)
図2を参照しつつOCTユニット100の構成例を説明する。OCTユニット100に設けられた光学系は、従来のスペクトラルドメインタイプのOCT装置と同様に、低コヒーレンス光を参照光と測定光に分割し、被検眼Eからの測定光の戻り光と参照光路を経由した参照光とを干渉させて干渉光を生成し、この干渉光のスペクトル成分を検出するよう構成されている。この検出結果(検出信号)は演算制御ユニット200に送られる。
スウェプトソースタイプのOCT装置が適用される場合、低コヒーレンス光源の代わりに波長掃引光源が設けられるとともに、スペクトル成分を検出するデバイス(分光器)の代わりにバランスドフォトダイオード等が設けられる。一般に、OCTユニット100は、OCTのタイプに応じた公知の構成を備えていてよい。
光源ユニット101は低コヒーレンス光L0(広帯域光)を出力する。低コヒーレンス光L0は、例えば、近赤外領域の波長帯(800nm〜900nm程度)を含み、数十マイクロメートル程度の時間的コヒーレンス長を有する。或いは、1040〜1060nmの中心波長を有する近赤外光を低コヒーレンス光L0として用いてもよい。
光源ユニット101は、スーパールミネセントダイオード(Super Luminescent Diode:SLD)や、LEDや、SOA(Semiconductor Optical Amplifier)等の光出力デバイスを含んで構成される。
光源ユニット101から出力された低コヒーレンス光L0は、光ファイバ102によりファイバカプラ103に導かれて測定光LSと参照光LRに分割される。
参照光LRは、光ファイバ104により導かれて光減衰器(アッテネータ)105に到達する。光減衰器105は、演算制御ユニット200の制御の下、或いは手動操作により、光ファイバ104に導かれる参照光LRの光量を変更する。光減衰器105により光量が調整された参照光LRは、光ファイバ104により導かれて偏波調整器(偏波コントローラ)106に到達する。偏波調整器106は、光ファイバ104内を導かれる参照光LRの偏光状態を変化させる。偏波調整器106により偏光状態が調整された参照光LRは、ファイバカプラ109に到達する。
ファイバカプラ103により生成された測定光LSは、光ファイバ107により導かれ、コリメータレンズユニット105により平行光束とされる。更に、測定光LSは、光路長変更部41、光スキャナ42、合焦レンズ43、ミラー44、及びリレーレンズ45を経由してダイクロイックミラー46に到達する。そして、測定光LSは、ダイクロイックミラー46により反射され、対物レンズ11により屈折されて被検眼Eに入射する。測定光LSは、眼底Efの様々な深さ位置において反射・散乱される。眼底Efからの測定光LSの戻り光(後方散乱光、反射光、蛍光等)は、往路と同じ経路を逆向きに進行してファイバカプラ103に導かれ、光ファイバ108を経由してファイバカプラ109に到達する。
ファイバカプラ109は、測定光LSの戻り光と参照光LRとを干渉させる。これにより干渉光LCが生成される。干渉光LCは、光ファイバ110により導かれて出射端111から出射される。更に、干渉光LCは、コリメータレンズ112により平行光束とされ、回折格子113によりスペクトル分解され、集光レンズ114により集光されてCCDイメージセンサ115の受光面に投影される。なお、図2に示す回折格子118は透過型であるが、例えば反射型の回折格子など、他の形態の分光素子を用いることも可能である。
CCDイメージセンサ115は、例えばラインセンサであり、干渉光LCの各スペクトル成分を検出して電荷に変換する。CCDイメージセンサ115は、この電荷を蓄積して検出信号を生成し、これを演算制御ユニット200に送る。なお、CCDイメージセンサに代えて、他のイメージセンサ、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサを用いてよい。
(演算制御ユニット200)
演算制御ユニット200は、CCDイメージセンサ115から入力される検出信号を解析してOCT画像を形成する。そのための演算処理は、従来のスペクトラルドメインOCTと同様である。
また、演算制御ユニット200は、眼底カメラユニット2、表示装置3及びOCTユニット100を制御する。眼底カメラユニット2の制御には、観察光源11、撮影光源15、LCD39、光スキャナ42、並びにLED51及び61のそれぞれの動作制御や、合焦レンズ31及び43、光路長変更部41、フォーカス光学系60、並びに反射棒67、のそれぞれの移動制御などがある。OCTユニット100の制御には、光源ユニット101、光減衰器105、偏波調整器106、及びCCDイメージセンサ120のそれぞれの動作制御などがある。
演算制御ユニット200は、プロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、通信インターフェイスなどを含む。また、演算制御ユニット200は、キーボードやマウス等の操作デバイス(入力デバイス)や、LCD等の表示デバイスを備えていてもよい。なお、本明細書において「プロセッサ」は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス(例えば、SPLD(Simple Programmable Logic Device)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array))等の回路を意味する。演算制御ユニット200は、例えば、記憶回路や記憶装置に格納されているプログラムを読み出し実行することで、実施形態に係る機能を実現する。
[制御系]
血流計測装置1の制御系の構成例を図3及び図4に示す。
(制御部210)
制御部210は、例えば、プロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、通信インターフェイス等を含む。制御部210には、主制御部211と記憶部212が設けられている。記憶部212は、各種のデータやコンピュータプログラムを記憶する。
主制御部211は各種制御を行う。例えば、図3に示すように、主制御部211は、眼底カメラユニット2のCCD35及び38、合焦駆動部31A、光路長変更部41、光スキャナ42、並びに合焦駆動部43Aの制御を行う。更に、主制御部211は、OCTユニット100の光源ユニット101、光減衰器105、偏波調整器106及びCCD115の制御を行う。
合焦駆動部31Aは、合焦レンズ31を光軸方向に移動させる。それにより、撮影光学系30の合焦位置が変化する。また、合焦駆動部43Aは、合焦レンズ43を光軸方向に移動させる。それにより、測定光LSの合焦位置(OCT計測の合焦位置)が変化する。主制御部211は、図示しない光学系駆動部を制御して、眼底カメラユニット2に設けられた光学系を3次元的に移動することができる。この光学系の移動制御は、アライメントやトラッキングにおいて用いられる。トラッキングとは、被検眼Eの眼球運動に合わせて装置光学系を移動する処理である。トラッキングの前にはアライメントとフォーカス調整が実行される。トラッキングは、装置光学系の位置を眼球運動に追従させることにより、アライメントとピントが合った状態を維持する機能である。
(画像形成部220)
画像形成部220は、CCDイメージセンサ115からの検出信号に基づいて、眼底Efの断層像の画像データと位相画像の画像データとを形成する。画像形成部220はプロセッサを含む。なお、この明細書では、「画像データ」と、それに基づく「画像」とを同一視することがある。画像形成部220は、断層像形成部221と位相画像形成部222を有する。
本実施形態では、血流計測の対象部位を設定するための走査(予備計測)と、予備計測の結果から設定された部位に関する血流情報を取得するための走査(血流計測)とが実行される。
予備計測では、眼底Efの複数の断面を測定光LSで反復的に走査する。複数の断面の走査は、例えば、互いに平行な複数の走査線に沿ったラスタースキャンである。ラスタースキャンの走査線の本数は例えば128本であり、それにより眼底Efの3次元領域が走査される(3次元スキャン)。なお、走査パターンや走査線の本数は本例に限定されない。
血流計測では、予備計測の結果から設定された眼底Efの部位に基づき2種類の走査(第1走査及び第2走査)が実行される。予備計測の結果から設定された部位を注目部位と呼ぶ。注目部位は、注目血管と注目断面とを含む。注目血管は、予備計測の結果から設定された眼底Efの血管である。注目血管は、脈波が明瞭に観察される血管であってよく、例えば動脈である。注目断面は、注目血管に交差する断面である。更に、注目部位は、注目断面の近傍に位置する1以上の断面を含んでいてよい。この1以上の断面は、注目血管の傾きを求めるためのOCTスキャンの対象となる。
第1走査では、注目血管に交差する2以上の断面が測定光LSで走査される。第1走査により取得されたデータは、注目断面における注目血管の傾き(向き)を求めるために用いられる。一方、第2走査は、注目血管に交差する注目断面が測定光LSで反復的に走査される。第1走査が行われる断面は、注目断面の近傍に配置される。第2走査は、OCTを用いたドップラー計測である。
第1走査及び第2走査の対象断面は、xy面において、注目血管の走行方向に対して直交するように向き付けられることが望ましい。図5の眼底像Dに示すように、本実施形態では、例えば、視神経乳頭Daの近傍に、第1走査が行われる2つの断面C11及びC12と、第2走査が行われる注目断面C2とが注目血管Dbに交差するように設定される。2つの断面C11及びC12の一方は注目断面C2に対して注目血管Dbの上流側に位置し、他方は下流側に位置する。注目断面C2に対する各断面C11及びC12の距離(断面間距離)は、事前に決定される。
第2走査は、患者の心臓の少なくとも1心周期の間にわたって実行されることが望ましい。それにより、心臓の全ての時相における血流情報が得られる。第2走査の実行時間は、あらかじめ設定された一定の時間(例えば2秒間)であってもよいし、患者ごとに又は検査毎に設定された時間であってもよい。後者の一例において、心電計を用いて得られる患者の心拍データを利用することができる。
(断層像形成部221)
断層像形成部221は、眼底EfをOCTスキャンして得られたデータに基づいて断層像を形成する。断層像形成部221は、予備計測において取得されたデータに基づいて断層像を形成することができる。また、断層像形成部221は、血流計測(第1走査及び/又は第2走査)により取得されたデータに基づいて断層像を形成することができる。例えば、断層像形成部221は、断面C11及びC12に対する第1走査により得られた干渉光LCの検出結果に基づいて、断面C11の形態を表す断層像と、断面C12の形態を表す断層像とを形成する。このとき、断面C11を1回走査して1枚の断層像を形成し、かつ、断面C12を1回走査して1枚の断層像を形成することができる。或いは、断面C11を複数回走査して得られた複数の断層像に基づき1枚の断層像を取得し、かつ、断面C12を複数回走査して得られた複数の断層像に基づき1枚の断層像を取得することができる。複数の断層像から1枚の断層像を取得する処理の例として、複数の断層像を平均して画質向上を図る処理や、複数の断層像から最適な1枚を選択する処理がある。
また、断層像形成部221は、注目断面C2に対する第2走査により得られた干渉光LCの検出結果に基づいて、注目断面C2の形態の時系列変化を表す断層像群を形成する。この処理についてより詳しく説明する。第2走査では、上記のように注目断面C2が繰り返し走査される。断層像形成部221には、第2走査に応じて、OCTユニット100のCCD115から検出信号が逐次入力される。断層像形成部221は、注目断面C2の1回分の走査に対応する検出信号群に基づいて、注目断面C2の1枚の断層像を形成する。断層像形成部221は、この処理を第2走査の反復回数だけ繰り返すことで、時系列に沿った一連の断層像を形成する。ここで、これら断層像を複数の群に分割し、各群の断層像を平均して画質の向上を図ってもよい。
断層像形成部221が実行する処理は、従来のスペクトラルドメインOCTと同様に、ノイズ除去(ノイズ低減)、フィルタ処理、FFT(Fast Fourier Transform)などを含む。他のタイプのOCTが適用される場合、断層像形成部221は、そのタイプに応じた公知の処理を実行する。
(位相画像形成部222)
位相画像形成部222は、眼底Efの所定部位を繰り返しOCTスキャンして得られたデータに基づいて位相画像を形成する。位相画像形成部222は、予備計測において取得されたデータに基づいて、スキャンされた断面における位相差の時系列変化を表す位相画像を形成する。予備計測では、眼底Efの複数の断面が繰り返し走査される。位相画像形成部222は、予備計測により取得されたデータに基づいて、これら断面のそれぞれにおける位相画像を形成する。
また、位相画像形成部222は、血流計測の第2走査により取得されたデータに基づいて位相画像を形成する。例えば、位相画像形成部222は、注目断面C2に対する第2走査により得られた干渉光LSの検出結果に基づいて、注目断面C2における位相差の時系列変化を表す位相画像を形成する。
位相画像の形成に用いられるデータは、断層像形成部221が断層像を形成するために用いられるデータと同じであってよい。この場合、スキャンされた断面の断層像と位相画像とを容易に位置合わせすることができる。つまり、同じデータに基づき形成された断層像と位相画像とについて、断層像の画素と位相画像の画素とを自然に対応付けることが可能である。
位相画像の形成方法の例を説明する。本例の位相画像は、隣り合うAライン複素信号(隣接する走査点に対応する信号)の位相差を算出することにより得られる。換言すると、本例の位相画像は、スキャンされた断面の断層像の各画素について、その画素の画素値(輝度値)の時系列変化に基づき形成される。任意の画素について、位相画像形成部222は、その輝度値の時系列変化のグラフを考慮する。位相画像形成部222は、このグラフにおいて所定の時間間隔Δtだけ離れた2つの時点t1及びt2(t2=t1+Δt)の間における位相差Δφを求める。そして、この位相差Δφを時点t1(より一般に2つの時点t1及びt2の間の任意の時点)における位相差Δφ(t1)として定義する。あらかじめ設定された多数の時点のそれぞれについてこの処理を実行することで、当該画素における位相差の時系列変化が得られる。
位相画像は、各画素の各時点における位相差の値を画像として表現したものである。この画像化処理は、例えば、位相差の値を表示色や輝度で表現することで実現できる。このとき、時系列に沿って位相が増加したことを表す色(例えば赤)と、減少したことを表す色(例えば青)とを違えることができる。また、位相の変化量の大きさを表示色の濃さで表現することもできる。このような表現方法を採用することで、血流の向きや大きさを色や濃度で提示することが可能となる。以上の処理を各画素について実行することにより位相画像が形成される。
なお、位相差の時系列変化は、上記の時間間隔Δtを十分に小さくして位相の相関を確保することにより得られる。このとき、測定光LSの走査において断層像の分解能に相当する時間未満の値に時間間隔Δtを設定したオーバーサンプリングが実行される。
(データ処理部230)
データ処理部230は、各種のデータ処理を実行するプロセッサを含む。例えば、データ処理部230は、画像形成部220により形成された画像に対して画像処理や解析処理を施す。その具体例として、輝度補正や分散補正等の各種補正処理がある。また、データ処理部230は、眼底カメラユニット2により得られた画像(眼底像、前眼部像等)に対して画像処理や解析処理を施す。データ処理部230は、予備計測処理部231と、血流計測処理部232とを含む。
(予備計測処理部231)
予備計測処理部231は、血流計測が行われる部位を設定するための予備計測にて取得されたデータの処理を実行する。本例では、予備計測処理部231は、予備計測によりデータから形成された位相画像に基づいて、血流計測の対象となる注目部位を設定するための情報(計測部位情報)を生成する。予備計測処理部231は、プロファイル生成部2311と、動脈領域特定部2312と、情報生成部2313とを含む。
(プロファイル生成部2311)
プロファイル生成部2311は、予備計測に基づき形成された位相画像の各フレームをz方向に積算(積分)する。つまり、プロファイル生成部2311は、位相画像のフレームの画素の値をAライン方向(軸線方向)に積算する。それにより、予備計測が実行された各断面について、時系列に配列された複数の積算値プロファイル(経時的積算値プロファイル)が得られる。なお、画素値の積算は、Aラインに沿って配列された複数の画素の値(反射強度を表す輝度値)を加算する処理を含み、得られた積算値を加工する演算を含んでよい。この加工演算の例として、スケールの変換(階調範囲の変換)がある。
プロファイル生成部2311が実行する処理の具体例を説明する。図6A及び図6Bを参照する。図6Aは、予備計測が実行された断面についての位相画像のフレームFを表す。フレームFには、血管の断面に相当する画像領域(血管領域)Faが表現されている。血管領域Faは、動脈の断面を表すものとする。フレームFは、複数のAスキャン像A(k=1,2,3,・・・,K:例えば、K=512)により構成されている。各Aスキャン像Aは、z方向(Aライン方向)に沿った1次元輝度画像である。複数のAスキャン像A〜Aは、xy面内の任意方向に沿って配列されている。よって、xy面におけるAスキャン像Aの位置は、xy面とAスキャン像Aとの交点に位置する画素Pの位置として特定される。
プロファイル生成部2311は、各Aスキャン像Aについて、そのAスキャン像Aに含まれる複数の画素の値(輝度値)を積算し、得られた積算値を画素Pに対応付ける。それにより、複数のAスキャン像A〜Aについての積算値と複数の画素P〜Pとの対応が得られる。この対応をグラフ化すると、図6Bに示すような積算値プロファイルPが得られる。積算値プロファイルPの横軸は、複数のAスキャン像A〜Aに対応する画素の位置を表し、縦軸は、積算値の大きさを表す。積算値プロファイルPにおいて、画素Pに対して、Aスキャン像Aから得られた積算値が対応付けられている。このような積算値プロファイルが、予備計測が行われた複数の断面のそれぞれの位相画像を構成する各フレームについて作成される。それにより、各断面に関する経時的積算値プロファイルが得られる。
なお、本実施形態では、Aスキャン像に含まれる全ての画素の値を積算しているが、Aスキャン像に含まれる複数の画素の一部の画素値のみを積算するよう構成することも可能である。すなわち、プロファイル生成部2311は、位相画像のフレームを構成する複数の画素の少なくとも一部について、その画素値を積算するよう構成されていればよい。一部の画素のみを対象とする場合については後述する。
(動脈領域特定部2312)
積算値プロファイルPの一部分Paは、血管領域Faに相当する。血管領域Faが静脈に相当する場合には、血管領域Faの輝度値の経時的変化は小さいが、血管領域Faが動脈に相当する場合には、血管領域Faの輝度値が経時的に大きく変化する。したがって、経時的積算値プロファイルを解析することにより、その断面を通過する血管が動脈であるか静脈であるか判別することができる。このような事実を利用し、動脈領域特定部2312は、動脈に相当する画像領域(動脈領域)を特定する。動脈領域特定部2312が実行する処理の例を以下に説明する。
血管の判別において、輝度値の経時的変化の程度(大きさ)を考慮することができる。すなわち、動脈領域特定部2312は、積算値プロファイルの経時的変化(積算値の経時的なばらつき)に基づいて、血管の判別を行うことができる。具体例として、動脈領域特定部2312は、経時的積算値プロファイルに含まれる異なる積算値プロファイルの差分を求め、求められた差分の大きさに基づいて血管の判別を行うことができる。差分が比較的大きい場合、その血管は動脈と判定される。また、動脈領域特定部2312は、画素位置ごとに(画素Pごとに)積算値の経時的変化の大きさの評価値を求め、この評価値に基づいて血管の判別を行うことが可能である。積算値の経時的変化が比較的大きい場合、その血管は動脈と判定される。また、動脈領域特定部2312は、各積算値プロファイルにおける積算値のばらつきの統計値(標準偏差、分散など)を求め、この統計値に基づいて血管の判別を行うことができる。積算値のばらつきが比較的大きい場合、その血管は動脈と判定される。
また、血管の判別において、輝度値の大きさ(絶対値)を考慮することができる。例えば、動脈領域特定部2312は、比較的大きな積算値が対応付けられた一群の画素(血管領域)を含む積算値プロファイルが存在する場合、その血管は動脈であると判定することができる。本例では、積算値プロファイルにおける代表値の大きさが参照される。この代表値は、例えば、積算値プロファイルにおける最大値や極大値である。
なお、上記説明において、「比較的」とは動脈領域と静脈領域との比較を鑑みたものである。或る値が「比較的」大きいか否かは、例えば、動脈領域と静脈領域とを区別するための閾値との比較によって判定される。
(情報生成部2313)
情報生成部2313は、動脈領域特定部2312により特定された動脈領域に基づいて、血流計測の対象部位を設定するための計測部位情報を生成する。計測部位情報の形態は任意である。
例えば、計測部位情報は、予備計測が行われた断面を通過する血管が動脈であるか静脈であるかを示す情報を含んでいてよい。1つの断面を2以上の血管が通過している場合(つまり、フレーム内に2以上の血管領域が特定された場合)、情報生成部2313は、それぞれの血管について、それが動脈であるか静脈であるかを示す情報を生成することができる。計測部位情報の具体例については後述する。
(血流計測処理部232)
血流計測処理部232は、予備計測に基づいて設定された部位の血流計測にて取得されたデータの処理を実行する。本例において、血流計測処理部232は、第1走査により取得されたデータに基づいて、注目断面における注目血管の傾きを求める。更に、血流計測処理部232は、第1走査に基づき求められた注目血管の傾きと、第2走査により取得されたデータとに基づいて、注目血管に関する血流情報を求める。血流情報は、例えば、血流速度や血流量を含む。血流計測処理部232は、血管領域特定部2321と、傾き算出部2322と、血流速度算出部2323と、血管径算出部2324と、血流量算出部2325とを含む。
(血管領域特定部2321)
血管領域特定部2321は、断層像形成部221により形成された断層像において、注目血管に対応する血管領域を特定する。更に、血管領域特定部2321は、位相画像形成部222により形成された位相画像において、注目血管に対応する血管領域を特定する。血管領域の特定は、各画像の画素値を解析することにより行われる(例えば閾値処理)。
同じデータから断層像と位相画像とが作成された場合、断面形態が比較的明瞭に描出される断層像内の血管領域の特定をまず実行し、特定された血管領域に対応する位相画像内の領域を、前述した断層像と位相画像との自然なレジストレーションを利用して特定することができる。また、断層像と位相画像とが異なるデータから作成された場合であっても、それらのレジストレーションが直接的又は間接的に可能である場合には、一方の画像の血管領域の特定結果を他方の画像の血管領域の特定に利用することができる。
(傾き算出部2322)
傾き算出部2322は、第1走査により取得されたデータに基づいて注目断面C2における注目血管Dbの傾きを算出する。このとき、第2走査により得られたデータを更に用いることも可能である。傾き算出部2322は、断面間距離と血管領域の特定結果とに基づいて、注目断面C2における注目血管Dbの傾きを算出する。断面間距離は、断面C11と断面C12との間の距離を含んでよい。また、断面間距離は、断面C11と注目断面C2との間の距離と、断面C12と注目断面C2との間の距離とを含んでよい。
注目血管Dbの傾きの算出方法の例を、図7を参照しつつ説明する。断層像G11及びG12は、それぞれ、第1走査が適用される断面C11を表す断層像及び断面C12を表す断層像である。また、断層像G2は、第2走査が適用される注目断面C2を表す断層像である。符号V11、V12及びV2は、それぞれ、断層像G11内の血管領域、断層像G12内の血管領域、及び断層像G2内の血管領域を示す。なお、これら血管領域は注目血管Dbの断面に相当する。図7において、z座標軸は下方向を向いており、これは測定光LSの照射方向(測定光LSの光路の光軸の方向、軸線方向、Aライン方向)と実質的に一致するものとする。また、隣接する断層像(断面)の間隔をLとする。
1つの例において、傾き算出部2322は、3つの血管領域V11、V12及びV2の位置関係に基づいて、注目断面C2における注目血管Dbの傾きUを算出する。この位置関係は、例えば、3つの血管領域V11、V12及びV2を結ぶことによって得られる。具体的には、傾き算出部2322は、3つの血管領域V11、V12及びV2のそれぞれの特徴点を特定し、これら特徴点を結ぶ。この特徴点としては、中心位置、重心位置、最上部(z座標値が最小の位置)、最下部(z座標値が最大の位置)などがある。また、これら特徴点の結び方としては、線分で結ぶ方法、近似曲線(スプライン曲線、ベジェ曲線等)で結ぶ方法などがある。
更に、傾き算出部2322は、これら特徴点を結ぶ線に基づいて傾きUを算出する。線分が用いられる場合、例えば、注目断面C2内の血管領域V2の特徴点と断面C11内の血管領域V11の特徴点とを結ぶ第1線分の傾きと、血管領域V2の当該特徴点と断面C12内の血管領域V12の特徴点とを結ぶ第2線分の傾きとに基づいて、傾きUが算出される。この算出処理の例として、2つの線分の傾きの平均値を求めることができる。また、近似曲線で結ぶ場合の例として、近似曲線と注目断面C2との交差位置における近似曲線の傾きを求めることができる。なお、断面間距離Lは、線分や近似曲線を求める処理において、これら断層像G11、G12及びG2をxyz座標系に埋め込むときに用いられる。
本例では、3つの断面における血管領域を考慮しているが、2つの断面の血管領域を考慮して傾きを求めることも可能である。具体例として、断面C11内の血管領域V11と断面C12内の血管領域V12とに基づいて、注目断面C2における注目血管Dbの傾きUを求めるよう構成できる。或いは、上記第1線分又は第2線分の傾きを傾きUとして用いることも可能である。
注目断面における注目血管の傾きを算出する方法は、上記のものには限定されない。例えば、次のような方法を適用することができる。まず、注目断面に交差し、かつ注目血管に沿う断面に対してOCTスキャンを行う。次に、このOCTスキャンにより取得されたデータに基づいて断層像を形成し、この断層像のセグメンテーションを行って所定組織に相当する画像領域(層領域)が特定される。特定される層領域は、例えば、内境界膜に相当する層領域(ILM領域)である。内境界膜は、網膜と硝子体との境界を規定する網膜の組織であり、比較的明瞭に描出される。更に、特定された層領域の形状を近似する線分を求め、その傾きを求める。近似線分の傾きは、例えば、z座標軸に対する角度として、又は、xy面(つまりz座標軸に直交する平面)に対する角度として表現される。
(血流速度算出部2323)
血流速度算出部2323は、位相画像として得られる位相差の時系列変化に基づいて、注目血管Db内を流れる血液の注目断面C2における血流速度を算出する。この算出対象は、或る時点における血流速度でもよいし、この血流速度の時系列変化(血流速度変化情報)でもよい。前者の場合、例えば心電図の所定の時相(例えばR波の時相)における血流速度を選択的に取得することが可能である。また、後者における時間の範囲は、注目断面C2を走査した時間の全体又は任意の一部である。
血流速度変化情報が得られた場合、血流速度算出部2323は、当該時間の範囲における血流速度の統計値を算出することができる。この統計値としては、平均値、標準偏差、分散、中央値、最大値、最小値、極大値、極小値などがある。また、血流速度の値についてのヒストグラムを作成することもできる。
血流速度算出部2323は、前述のようにドップラーOCTの手法を用いて血流速度を算出する。このとき、傾き算出部2322により算出された注目断面C2における注目血管Dbの傾きUが考慮される。具体的には、傾き算出部2322は次式を用いる。
ここで:
Δfは、測定光LSの散乱光が受けるドップラーシフトを表す;
nは、媒質(血液)の屈折率を表す;
vは、媒質の流速(血流速度)を表す;
θは、測定光LSの入射方向と媒質の流れの方向(傾きU)とが成す角度を表す;
λは、測定光LSの中心波長を表す。
本実施形態では、nとλは既知であり、Δfは位相差の時系列変化から得られ、θは傾きUから得られる(又はθは傾きUとして得られる)。これらの値を式(1)に代入することにより、血流速度vが算出される。
(血管径算出部2324)
血管径算出部2324は、眼底像又はOCT画像を解析することにより、注目断面C2における注目血管Dbの径を算出する。眼底像が用いられる場合、注目断面C2の位置を含む眼底Efの部位の撮影が行われ、それにより得られた眼底像(例えば、カラー眼底像、レッドフリー画像等)に基づいて、注目断面C2における注目血管Dbの径、つまり血管領域V2の径を算出する。OCT画像が用いられる場合、このOCT画像は、例えば、第2走査に基づき形成された断層像、又は、予備計測に基づき形成された画像である。このような血管径の算出は、従来と同様にして実行される。
(血流量算出部2325)
血流量算出部2325は、血流速度の算出結果と血管径の算出結果とに基づいて、注目血管Db内を流れる血液の流量を算出する。この処理の一例を以下に説明する。
血管内における血流がハーゲン・ポアズイユ流(Hagen−Poiseuille flow)と仮定する。また、血管径をwとし、血流速度の最大値をVmとすると、血流量Qは次式で表される。
血流量算出部2325は、血管径算出部2324による血管径の算出結果wと、血流速度算出部2323による血流速度の算出結果に基づく最大値Vmとを式(2)に代入することにより、血流量Qを算出する。
(ユーザインターフェイス240)
ユーザインターフェイス240には、表示部241と操作部242とが含まれる。表示部241は、演算制御ユニット200の表示デバイスや表示装置3を含む。操作部242は、演算制御ユニット200の操作デバイスを含む。ユーザインターフェイス240は、例えばタッチパネルのように、表示機能と操作機能とを備えるデバイスを含んでよい。
[動作]
血流計測装置1の動作について説明する。図8は、血流計測装置1が実行する動作の流れの一例を表す。なお、患者IDの入力やアライメントやフォーカシングなどの準備動作は、既に行われたものとする。
(S1:予備計測)
まず、ユーザ又は血流計測装置1が、予備計測のスキャン範囲を設定する。スキャン範囲の設定においては、例えば、リアルタイムで取得される眼底Efの赤外観察像、或いは、過去に取得された眼底Efのデータ(眼底像、OCT画像、SLO画像、位相画像等)が参照される。
血流計測装置1は、設定されたスキャン範囲(複数の断面)に対して予備計測を実行する。一例として、設定されるスキャン範囲は3次元領域であり、この3次元領域のラスタースキャンが繰り返し実行される。位相画像形成部222は、予備計測により取得されたデータに基づいて、複数の断面のそれぞれについて位相画像を形成する。
(S2:時系列積算値プロファイルの生成)
プロファイル生成部2311は、ステップS1で形成された各位相画像の各フレームの画素値をAライン方向に積算することにより、予備計測が実行された各断面について経時的積算値プロファイルを生成する。
(S3:動脈領域の特定)
動脈領域特定部2312は、ステップS2で生成された経時的積算値プロファイルを解析することにより動脈領域を特定する。なお、動脈領域が一つも得られない場合には、ステップS1のスキャン範囲の設定に戻ることができる。ここで、動脈領域が得られるように、十分な広さのスキャン範囲を初めから設定することができる。また、スキャン範囲を視神経乳頭の近傍に設定することで、動脈領域が得られる可能性を高めることができる。
(S4:計測部位情報の生成)
情報生成部2313は、ステップS3で特定された動脈領域に基づいて、血流計測の対象部位を設定するための計測部位情報を生成する。
(S5:計測部位を設定するための情報の表示)
制御部210は、ステップS4で生成された計測部位情報に基づいて、血流計測の対象部位を設定するための情報(設定支援情報)を表示部241に表示させる。設定支援情報は、動脈と静脈との識別を可能とする情報を含んでよい。特に、設定支援情報は、動脈の位置を提示する情報を含んでよい。
一例において、制御部210は、眼底Efの正面画像を表示させるとともに、この正面画像中の動脈領域を識別可能に提示する設定支援情報を表示させる。正面画像は、例えば、リアルタイムで取得される赤外観察像、又は、過去に取得された画像である。設定支援情報は、例えば、正面画像にオーバーレイされる情報であり、動脈領域を指し示す矢印画像や、動脈領域上に配置される所定の表示色の画像を含む。
(S6:注目断面等の設定)
ユーザは、ステップS5で表示された情報を参照し、血流計測の対象となる断面(注目断面C2)を設定する。例えば、ユーザは、眼底Efの正面画像とともに表示された設定支援情報を参照することにより、この正面画像内の所望の動脈領域(注目血管Db)を指定する。
本例では注目断面C2の設定を手動で行っているが、これに限定されない。例えば、眼底Efの赤外観察像と計測部位情報とに基づいて、注目血管Dbや注目断面C2を自動で設定することができる。注目血管Dbの設定は、例えば、動脈領域のいずれか(例えば最も太いもの)を選択することにより行われる。また、注目断面C2は、例えば、注目血管Dbの向きが所定の許容範囲内である位置に、注目血管Dbの走行方向に対して直交するように設定される。
更に、ユーザ又は血流計測装置1(例えばデータ処理部230)は、第1走査の対象となる断面C11及びC12の設定を行う。
(S7:血流計測の第1走査)
血流計測装置1は、ステップS6で設定された断面C11及びC12のOCTスキャンを実行する(第1走査)。断層像形成部221は、第1走査により取得されたデータに基づいて、断面C11及びC12に対応する断層像G11及びG12を形成する。データ処理部230(血管領域特定部2321及び傾き算出部2322)は、注目断面C2における注目血管Dbの傾きUを算出する。なお、第2走査により取得されたデータを加味して傾きUを算出する場合、傾きUの算出は、第2走査より後に実行される。
(S8:血流計測の第2走査)
血流計測装置1は、ステップS6で設定された注目断面C2の反復的なOCTスキャンを実行する(第2走査)。位相画像形成部222は、第2走査により取得されたデータに基づいて、注目断面C2の位相画像を形成する。また、断層像形成部221は、当該データに基づいて注目断面C2の断層像を形成する。データ処理部230(血管領域特定部2321、血管径算出部2324等)は、注目断面C2における注目血管Dbの径を求める。
(S9:血流情報の生成)
血流速度算出部2323は、ステップS7の第1走査に基づき算出された傾きUと、ステップS8の第2走査により取得された位相画像とに基づいて、注目断面C2における血流速度を算出する。更に、血流量算出部2325は、この血流速度の算出結果と、ステップS8で得られた血管径の算出結果とに基づいて、注目血管Db内を流れる血液の流量を算出する。
主制御部211は、血流速度の算出結果、血流量の算出結果等を含む血流情報を表示部241に表示させる。また、主制御部211は、患者IDに関連付けて血流情報を記憶部212に記憶させる。以上で、本例に係る動作は終了である。
[作用・効果]
実施形態に係る血流計測装置の作用及び効果について説明する。
実施形態の血流計測装置は、OCTを用いて生体(眼底Ef等)の血流計測を行うものであり、データ取得部と、位相画像形成部と、処理部とを備える。
データ取得部は、生体の複数の断面を繰り返し走査してデータを取得する。すなわち、データ取得部は予備計測を実行する。上記の実施形態において、データ取得部は、OCTユニット100、測定光LSの光路に配置された光学素子群など、OCTを実行するための構成を含む。
位相画像形成部(222)は、データ取得部により取得されたデータに基づいて、予備計測が行われた複数の断面のそれぞれにおける位相画像を形成する。
処理部(予備計測処理部231)は、位相画像形成部により形成された位相画像の各フレームにおける少なくとも一部の画素の値を積算することにより、予備計測が行われた複数の断面のそれぞれにおける経時的積算値プロファイルを生成する。更に、処理部は、生成された経時的積算値プロファイルに基づいて、血流計測の対象部位を設定するための計測部位情報を生成する。
実施形態において、処理部は、経時的積算値プロファイルを解析することにより動脈領域を特定する領域特定部(動脈領域特定部2312)と、特定された動脈領域に基づいて計測部位情報を生成する情報生成部(2313)とを含んでよい。
更に、領域特定部は、経時的積算値プロファイルを解析することにより経時的積算値プロファイルの経時的変化の程度を示す情報を求め、この情報に基づいて動脈領域を特定するよう構成されてよい。
また、領域特定部は、経時的積算値プロファイルにおける代表値の大きさに基づいて動脈領域を特定するよう構成されてよい。
実施形態の血流計測装置は、正面画像取得部と、表示制御部と、操作部とを更に備えていてよい。正面画像取得部は、生体の正面画像を取得する。上記の実施形態において、正面画像取得部は、眼底カメラユニット2など、眼底Efを撮影するための構成を含む。また、正面画像取得部は、血流計測装置又は他の装置に格納されている正面画像を取得するよう構成されてもよい。例えば、正面画像取得部は、ネットワークを通じて画像ファイリングシステムから正面画像を取得するよう構成されてよい。表示制御部(制御部210)は、正面画像と計測部位情報とを表示手段に表示させる。表示手段は、血流計測装置に含まれてもよいし、それに接続された表示デバイスでもよい。操作部(242)は、血流計測の対象断面(注目断面C2)を設定するために用いられる。
このような実施形態によれば、複数の断面のOCTスキャンを行って取得された位相画像群に基づいて計測部位情報を生成し、この計測部位情報に基づいて血流計測の対象部位を設定することができる。したがって、血流計測の対象血管(注目血管)を探索するための試行錯誤を行う必要がなく、また、ユーザの経験に頼ることなく対象血管を設定することができる。したがって、血流計測の対象部位の設定の容易化及び短時間化を図ることができる。また、実施形態は、対象血管の設定の正確性や再現性の向上にも寄与する。
〈第2実施形態〉
第1実施形態では、経時的積算値プロファイルを生成するために、位相画像のフレームを構成する全ての画素の値を積算している。それに対し、第2実施形態では、位相画像のフレームにおける一部の画素のみを積算する場合について説明する。
本実施形態の構成例を図9に示す。本実施形態の血流計測装置は、第1実施形態とほぼ同様の構成を備えるが、予備計測処理部231に層領域特定部2314が設けられている点において第1実施形態と異なる。特に言及しないかぎり、第1実施形態の図面を参照する。
層領域特定部2314は、OCT画像を解析することにより、このOCT画像内の層領域を特定する。層領域は、例えば、眼底Efの任意の組織に相当する画像領域、又は隣接組織間の境界に相当する画像領域である。層領域は、網膜の組織に相当する画像領域であってよい。層層領域として特定可能な組織として、内境界膜(ILM)、神経線維層(NFL)、神経節細胞層(GCL)、内網状層(IPL)、内顆粒層(INL)、外網状層(OPL)、外顆粒層(ONL)、視細胞内節外節接合部(IS/OS)、網膜色素上皮層(RPE)、ブルッフ膜(BM)脈絡膜−強膜境界(CSI)などがある。
OCT画像を複数の層領域に区分けする処理はセグメンテーションと呼ばれる。セグメンテーションは、2次元断層像又は3次元画像の画素値(輝度値)に基づいて行われる。眼底Efの層組織はそれぞれ特徴的な反射率を有し、その層組織の画像領域も特徴的な輝度値を有する。セグメンテーションにおいては、そのような特徴的な輝度値に基づいて目的の画像領域が特定される。
層領域特定部2314は、予備計測によって得られた位相画像のフレームのセグメンテーションを行う。そのために、層領域特定部2314は、位相画像のみ、又は位相画像及び断層像の双方を解析することができる。後者の例として、断層像に対してセグメンテーションを行い、その結果を位相画像に反映させることができる。更に、位相画像に基づいて血管領域を特定し、この血管領域が含まれる部分領域(1以上の層領域)を特定することができる。例えば、図10に示すように、フレームFにおいて血管領域Faを含む部分領域Fbが特定される。
プロファイル生成部2311は、層領域特定部2314により特定された層領域に含まれる画素の値を(例えばAライン方向に)積算することにより、当該フレームについての積算値プロファイルを生成する。複数のフレームにおいて、積算される範囲は同じでも異なってもよい。
このような実施形態によれば、積算値プロファイルに含まれるノイズの低減を図ることができる。例えば、硝子体のような動脈/静脈の判別に無関係な部分のデータを除いて積算値プロファイルを生成することができるので、動脈/静脈の判定の確度や精度の向上が期待される。
〈第3実施形態〉
2以上の血管がz方向に並んで位置する場合、OCTでは、網膜表面に最も近い血管のデータのみが好適に取得され、それ以外の血管に関するデータは十分に取得されないことが多い。このような部位を通過するAスキャン像の画素値を積算すると、得られる積算値の確度が低い可能性がある。本実施形態では、このような不適当な部分を除外して積算値プロファイルを生成する構成を説明する。
本実施形態の構成例を図11に示す。本実施形態の血流計測装置は、第1実施形態とほぼ同様の構成を備えるが、予備計測処理部231に部分領域特定部2315が設けられている点において第1実施形態と異なる。特に言及しないかぎり、第1実施形態の図面を参照する。
部分領域特定部2315は、予備計測によって得られた位相画像のフレームにおいて、被検眼Eの所定部位に相当する部分領域を特定する。所定部位は、上記のような不適当な部位を含んでよい。部分領域特定部2315は、位相画像のみ、又は位相画像及び断層像の双方を解析することによって部分領域を特定する。後者の例として、部分領域特定部2315は、断層像において所定部位に相当する領域を特定し、この領域に対応する位相画像内の部分領域を特定することができる。また、位相画像に基づいて血管領域を特定し、特定された血管領域のうちのいくつかがz方向に並んでいるか判断するようにしてもよい。
プロファイル生成部2311は、部分領域特定部2315により特定された部分領域以外の領域に含まれる画素の値を(例えばAライン方向に)積算することにより、当該フレームについての積算値プロファイルを生成する。複数のフレームにおいて、積算される範囲は同じでも異なってもよい。
このような実施形態によれば、第2実施形態と同様に、積算値プロファイルに含まれるノイズの低減を図ることが可能である。
〈変形例〉
以上に説明した構成は、この発明の実施態様の例に過ぎない。よって、この発明の要旨の範囲内における任意の変形(省略、置換、付加等)を施すことが可能である。
例えば、上記の典型的な実施形態では、生体の複数の断面を繰り返し走査してデータを取得し、複数の断面のそれぞれにおける位相画像を形成し、複数の断面のそれぞれにおける経時的積算値プロファイルを生成し、それに基づき計測部位情報を生成している。しかしながら、処理の対象となる断面の個数は2以上には限定されず、1つであってもよい。つまり、実施形態は、生体の「単一」の断面を繰り返し走査してデータを取得し、この断面における位相画像を形成し、この断面における経時的積算値プロファイルを生成し、この経時的積算値プロファイルに基づいて計測部位情報を生成するよう構成されてもよい。
また、動脈でも静脈でも、同じ血管であれば任意の断面における血流速度は同程度であり、拍動状態も同様であることを考慮すると、単一の断面において動脈領域と静脈領域との判別を行うことが可能である。その場合であっても、上記実施形態と同じ要領で動脈領域や静脈領域を特定することができる。ただし、単一の断面に対して処理を適用する場合にはこの断面に交差する血管の判別しか行えないため、複数の血管について判別を行いたい場合には、これら血管の位置や数に応じた個数の断面に対して処理を適用する必要がある。
以上より、実施形態に係る血流計測装置において、データ取得部は、生体の1以上の断面を繰り返し走査してデータを取得するよう構成されてよく、位相画像形成部は、取得されたデータに基づいて1以上の断面のそれぞれにおける位相画像を形成するよう構成されてよく、処理部は、位相画像の各フレームにおける少なくとも一部の画素の値を積算することにより1以上の断面のそれぞれにおける経時的積算値プロファイルを生成し、この経時的積算値プロファイルに基づいて血流計測のための計測部位情報を生成するよう構成されてよい。
この構成においても、処理部は、上記実施形態と同様に、セグメンテーションと、層領域の画素値の積算とによって、経時的積算値プロファイルを生成することができる。或いは、処理部は、上記実施形態と同様に、位相画像中の部分領域の特定と、部分領域以外の領域の画素値の積算によって経時的積算値プロファイルを生成することができる。更に、生体の正面画像と計測部位情報とを表示し、血流計測の対象断面の設定を受け付けるよう構成することも可能である。
上記の典型的な実施形態では、血流計測の対象部位を設定するために動脈領域を選択的に特定しているが、静脈領域を特定することも可能である。つまり、実施形態において、領域特定部は、経時的積算値プロファイルを解析することにより動脈領域及び静脈領域の少なくとも一方を特定するよう構成されてよい。静脈領域の特定は、動脈領域の特定と同じ要領で行うことができる。例えば、領域特定部は、経時的積算値プロファイルを解析することによりその経時的変化の程度(積算値の経時的なばらつき)を示す情報を求め、この情報に基づいて静脈領域を特定するよう構成されてよい。或いは、領域特定部は、経時的積算値プロファイルにおける代表値(例えば、最大値、極大値など)の大きさに基づいて静脈領域を特定するよう構成されてよい。
特定の対象となる血管の種別を手動又は自動で選択することができる。例えば、診断やスクリーニングのために動脈血流を考慮するのが有効である場合には、特定対象として動脈が選択される。逆に、診断やスクリーニングのために静脈血流を考慮するのが有効である場合には、特定対象として動脈が選択される。また、診断やスクリーニングのために、全身に送られる動脈血流及び静脈血流の双方の解析が必要である場合には、特定対象として動脈と静脈の双方が選択される。領域特定部は、特定対象として選択された動脈及び/又は静脈に対応する領域を特定するよう動作する。なお、実施形態に係る血管の判別は、血流計測以外にも適用可能である。例えば、動脈や静脈の形状や分布を求めるために血管の判別を適用することができる。
このようにして領域特定部により特定された動脈領域及び静脈領域の少なくとも一方に基づいて、情報生成部は計測部位情報を生成することができる。
上記の典型的な実施形態では、経時的積算値プロファイルを生成するために、位相画像のフレーム(2次元断面)における少なくとも一部の画素の値をAライン方向に積算している。しかし、画素値を積算する方向はAライン方向に限定されない。例えば、フレームにおいてAライン方向に直交する方向(横スキャン方向)に画素値を積算することができる。或いは、Aライン方向とも横スキャン方向とも異なる任意の方向に画素値の積算を行うように構成することも可能である。
また、位相画像のフレームは2次元断面には限定されない。例えば3次元領域の位相画像が得られる場合、この3次元領域における任意の方向に画素値を積算することにより、経時的画素値プロファイルを生成することが可能である。
また、位相画像のフレームが2次元断面である場合において、この2次元断面は平面には限定されない。例えば、サークルスキャンが適用される場合、位相画像のフレームは円筒形の断面に相当する。このような場合、当該断面における任意の方向に画素値を積算することによって経時的積算値プロファイルを生成することが可能である。より一般に、画素値を積算する方向は、直線的な方向(一定方向)には限定されず、曲線的な方向のような任意の経路に沿う方向であってよい。
また、一のフレームにおいて複数の方向に画素値を積算することもできる。例えば、複数の方向にそれぞれ画素値を積算することにより複数の経時的積算値プロファイルを生成することが可能である。そして、複数の経時的積算値プロファイルのいずれかを選択して使用することや、複数の経時的積算値プロファイルのうちの2つ以上を統合して得られるデータを使用することが可能である。
1 血流計測装置
100 OCTユニット
222 位相画像形成部
231 予備計測処理部

Claims (7)

  1. 光コヒーレンストモグラフィを用いて生体の血流計測を行う血流計測装置であって、
    生体の1以上の断面を繰り返し走査してデータを取得するデータ取得部と、
    前記データに基づいて、前記1以上の断面のそれぞれにおける位相画像を形成する位相画像形成部と、
    前記位相画像の各フレームにおける少なくとも一部の画素の値を積算することにより、前記1以上の断面のそれぞれにおける経時的積算値プロファイルを生成し、前記経時的積算値プロファイルに基づいて、血流計測の対象部位を設定するための計測部位情報を生成する処理部と
    を備える血流計測装置。
  2. 前記処理部は、
    前記経時的積算値プロファイルを解析することにより動脈領域及び静脈領域の少なくとも一方を特定する領域特定部と、
    前記領域特定部により特定された前記動脈領域及び前記静脈領域の少なくとも一方に基づいて前記計測部位情報を生成する情報生成部と
    を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の血流計測装置。
  3. 前記領域特定部は、前記経時的積算値プロファイルを解析することにより前記経時的積算値プロファイルの経時的変化の程度を示す情報を求め、この情報に基づいて前記動脈領域及び前記静脈領域の少なくとも一方を特定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の血流計測装置。
  4. 前記領域特定部は、前記経時的積算値プロファイルにおける代表値の大きさに基づいて前記動脈領域及び前記静脈領域の少なくとも一方を特定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の血流計測装置。
  5. 前記処理部は、前記位相画像のフレームのセグメンテーションを実行することより得られた複数の層領域のうちの1以上の層領域に含まれる画素の値を積算することによって前記経時的積算値プロファイルを生成する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の血流計測装置。
  6. 前記処理部は、前記生体の所定部位に相当する前記位相画像のフレームの部分領域を特定し、前記部分領域以外の領域に含まれる画素の値を積算することによって前記経時的積算値プロファイルを生成する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の血流計測装置。
  7. 前記生体の正面画像を取得する正面画像取得部と、
    前記正面画像と前記計測部位情報とを表示手段に表示させる表示制御部と、
    血流計測の対象断面を設定するための操作部と
    を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の血流計測装置。
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