JP2013202075A - Lid and retractor having the same - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、蓋体およびこれを備える開創器に関する。 The present invention relates to a lid and a retractor including the lid.
腹腔鏡下手術においては、一つの切開創から鉗子や光学装置などの複数の処置具を挿入して手術を行う単孔式手術が行われている。単孔式手術は、患者の体表に残る切開創が一つになることで美容的メリットが高い。特に、術後の切開創の目立ちを防止するために臍に切開創を形成することが一般的である。 In laparoscopic surgery, single-hole surgery is performed in which a plurality of treatment tools such as forceps and optical devices are inserted from a single incision. Single-hole surgery has a high cosmetic merit because there is only one incision remaining on the patient's body surface. In particular, it is common to form an incision in the navel in order to prevent the incision from being noticeable after surgery.
近年、腹腔鏡下手術では、一つの切開創に複数の処置具を入れるための専用の器具も開発されている。このような器具は、切開創を開いた状態に保持する筒状の開創器本体と、処置具をそれぞれ挿入する複数の小孔を有する蓋体とを備えている(特許文献1参照)。 In recent years, in laparoscopic surgery, a dedicated instrument for putting a plurality of treatment tools into one incision has been developed. Such an instrument includes a cylindrical retractor body that holds an incision wound in an open state, and a lid body that has a plurality of small holes into which treatment instruments are inserted (see Patent Document 1).
しかしながら、特許文献1の器具では小孔が体表面と同じ高さに設けられているため、処置具の支点、すなわち小孔の位置から保持具本体の先端側縁部(体内側縁部)までの距離が長い。このため、処置具を大きな角度で傾斜させて挿入することができず、処置具の可動域を広くとることができない。また、処置具の支点が処置部からも遠いことから、処置具の操作が難しい場合がある。
However, since the small hole is provided at the same height as the body surface in the instrument of
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、挿通する処置具の可動域が広範であり、また、処置具の支点が処置部に近いことから処置具の操作が容易となる蓋体およびこれを備える開創器を提供するものである。 The present invention has been made in view of the above-described problems, and has a wide movable range of the treatment instrument to be inserted, and a lid that facilitates operation of the treatment instrument because the fulcrum of the treatment instrument is close to the treatment portion. And a retractor comprising the same.
このような目的は、下記(1)〜(6)に記載の本発明により達成される。
(1)筒状をなす開創器本体に着脱自在に装着される蓋体であって、前記蓋体は、少なくとも1つの開口を有する天板部と、前記天板部の周囲に形成され、前記開創器本体の端部と係合する枠部材とを備え、前記開口は、前記蓋体を前記開創器本体に装着したときに前記開創器本体の端部よりも内側に位置することを特徴とする蓋体。
(2)前記天板部は、前記蓋体を前記開創器本体に装着したときに前記開創器本体の内側に向かって凹没する部分を有し、前記開口は前記凹没する部分の底部に形成されている(1)に記載の蓋体。
(3)前記開口は、その周囲に前記開口の形状が変形するのを防止する開口形成部を備えている(1)または(2)に記載の蓋体。
(4)前記天板部は、前記開口形成部を揺動可能に支持する支持部を有している(3)に記載の蓋体。
(5)前記支持部は、前記天板部の少なくとも一部を蛇腹状にして形成されている(4)に記載の蓋体。
(6)前記支持部は前記天板部の少なくとも一部を前記天板部よりも軟質の材料から構成してなる(4)に記載の蓋体。
(7)(1)ないし(6)のいずれか一項に記載の蓋体と開創器本体とを備える開創器。
Such an object is achieved by the present invention described in the following (1) to (6).
(1) A lid that is detachably attached to a retractor body having a cylindrical shape, wherein the lid is formed around a top plate portion having at least one opening, and the top plate portion, A frame member that engages with an end portion of the retractor body, and the opening is located inside the end portion of the retractor body when the lid is attached to the retractor body. The lid to do.
(2) The top plate has a portion that is recessed toward the inside of the retractor body when the lid is attached to the retractor body, and the opening is at a bottom of the recessed portion. The lid according to (1), which is formed.
(3) The opening according to (1) or (2), wherein the opening includes an opening forming portion that prevents the shape of the opening from being deformed around the opening.
(4) The lid according to (3), wherein the top plate portion includes a support portion that swingably supports the opening forming portion.
(5) The lid according to (4), wherein the support portion is formed such that at least a part of the top plate portion has a bellows shape.
(6) The lid according to (4), wherein the support portion includes at least a part of the top plate portion made of a softer material than the top plate portion.
(7) A retractor comprising the lid according to any one of (1) to (6) and a retractor body.
本発明によれば、処置具の支点から開創器本体の先端側縁部までの距離が短いことから、処置具をより傾けた状態で挿入することができる。したがって、処置具の可動域を広くとることができる。また、処置具の支点から処置部までの距離も短いことから、処置具の操作がしやすい。 According to the present invention, since the distance from the fulcrum of the treatment instrument to the distal side edge of the retractor body is short, the treatment instrument can be inserted in a more inclined state. Therefore, the movable range of the treatment instrument can be widened. In addition, since the distance from the fulcrum of the treatment tool to the treatment portion is short, the treatment tool can be easily operated.
<第一実施形態>
以下、本発明の蓋体およびこれを備えた開創器の好適な実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る開創器の全体図である。図2は、本発明の第一実施形態に係る蓋体の上面図であり、図3は、図2中のIII−III断面図である。
<First embodiment>
Hereinafter, preferred embodiments of a lid of the present invention and a retractor including the lid will be described in detail with reference to the drawings.
FIG. 1 is an overall view of a retractor according to a first embodiment of the present invention. 2 is a top view of the lid according to the first embodiment of the present invention, and FIG. 3 is a sectional view taken along line III-III in FIG.
本実施形態の開創器1は、腹部の切開創を開いた状態に維持して、腹腔内の観察、洗浄、切除、器具の留置および回収等の各種処置を補助するための器具である。
The
図1に示すように、本実施形態の開創器1は、筒状をなす開創器本体2と、開創器本体2に着脱自在に装着される蓋体3とを備える。
As shown in FIG. 1, the
開創器本体2は、切開創に装着され、切開創に対して径方向の力を付与してこれを拡張する部材である。本実施形態では、開創器本体2は、可撓性を有する筒状部材21と、この筒状部材21の両端に設けられた第一固定部材22および第二固定部材23とを備えている。また、開創器本体2には、両固定部材にわたる4本のベルト24が筒状部材21の内側に設けられている。
The
第一固定部材22および第二固定部材23は、共に平板環状をなしている。第一固定部材22は切開創を通じて腹腔の内部に挿入され、腹壁の裏面に密着して用いられる。第二固定部材23は腹壁の表面(体表面)に密着して用いられる。
開創器本体2は、筒状部材21と、共に環状の第一固定部材22および第二固定部材23とが同軸で連結されて筒状をなしている。ここで、筒状とは円筒状でも角筒状でもよい。
Both the
The retractor
図1(a)に示すように、ベルト24の先端部は第一固定部材22に固定されている。また、ベルト24の基端部は第二固定部材23に対して径方向の内側から外側に向かって貫通して挿通されている。ベルト24と第二固定部材23には、それぞれラチェット構造(図示せず)が設けられている。ラチェット構造は、ベルト24の基端部を第二固定部材23の径方向外側に引き抜くときのスライドを許容し、逆にベルト24の基端部が径方向の内側に戻る向きのスライドを規制する。そして、ベルト24の基端部を第二固定部材23に対して径方向外側に牽引することで、第一固定部材22が引き上げられて第二固定部材23との距離が短縮される。
As shown in FIG. 1A, the front end portion of the
ここで、第一固定部材22を切開創に挿入し、第一固定部材22と第二固定部材23とで腹壁を緩く挟持した状態でベルト24を牽引することで、第一固定部材22および第二固定部材23が腹壁の裏面と表面に密着する。この結果、環状の第一固定部材22および第二固定部材23の開口端部を両端とする通孔が切開創の内側に形成される。かかる通孔を通じて切除組織が取り出される。
Here, the
第一固定部材22および第二固定部材23としては、開創器1を切開創に固定可能な程度の剛性を有すればいかなる材料を用いることもできる。このような材料としては例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン(PU)、ポリアミド(PA)、ポリアセタール、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、ポリカーボネート(PC)、水添スチレン系熱可塑性エラストマー(SEBS)、シリコーンゴムなどの樹脂材料や、ステンレス鋼などの金属材料が挙げられる。
As the
筒状部材21としては、軟質の材料であればいかなるものを用いることもできる。このような材料としては例えば、PE,PPなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、PU、PA、軟質ポリ塩化ビニル、SEBS、シリコーンゴム、天然ゴムなどの樹脂材料が挙げられる。
Any material can be used as the
ここで、開創器本体2の代表的な寸法について説明する。第一固定部材22および第二固定部材23は、外径が40〜120mm程度、内径が30〜110mm程度であり、厚さが5〜20mm程度である。また、筒状部材21は、肉厚0.05〜3mmの膜からなり高さが40〜120mm程度である。そして、ベルト24は、長さが50〜150mm程度となっている。
Here, typical dimensions of the
蓋体3は、開創器本体2の第二固定部材23に着脱自在に装着されて、開創器本体2の基端側開口(第二固定部材23側の開口)を閉塞することにより切開創を気密に覆う部材である。
The
図2、図3に示すように、本実施形態では蓋体3は、2つの開口(第一開口34a、第二開口34b)を有する天板部32と、天板部32の周囲に形成される枠部材31とを備えている。
As shown in FIGS. 2 and 3, in the present embodiment, the
枠部材31は、開創器本体2の第二固定部材23と係合することで蓋体3を開創器本体2に装着する。本実施形態では、枠部材31は円環状をなしている。枠部材31の側面には、等角度間隔で4つの係合凸部311が枠部材31の中央に向かって突設されている。係合凸部311は、第二固定手段23の周面に形成された係合凹部231と係合することで蓋体3を開創器本体2に装着する。
The
枠部材31としては、第一固定部材22や第二固定部材23と同等程度の剛性を有すればいかなる材料を用いることもできる。このような材料としては例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン(PU)、ポリアミド(PA)、ポリアセタール、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、ポリカーボネート(PC)、水添スチレン系熱可塑性エラストマー(SEBS)、シリコーンゴムなどの樹脂材料や、ステンレス鋼などの金属材料が挙げられる。
Any material can be used for the
天板部32は、図1、図3に示すように、枠部材31により周囲を囲まれるようにして設けられている。天板部32は、蓋体3を開創器本体2に装着したときに開創器本体2の内側に向かって凹没する部分を有している。本実施形態では、図3に示すように、天板部31全体が凹没している。そして、凹没する部分の底部は枠部材31と平行になっているが、平行には限られず曲面状等でもよい。なお、凹没する部分は天板部の全体に限られず、少なくとも天板部32に形成した開口を囲む部分において凹没していればよく、開口が複数ある場合には開口ごとに複数の凹没する部分を有していてもよい。
As shown in FIGS. 1 and 3, the
天板部32としては処置具7の挿抜時に大きく変位しない程度の剛性を有すればいかなる材料を用いることもできる。このような材料としては例えば、軟質ポリ塩化ビニル、PU、SEBS、シリコーンゴム、天然ゴム、ニトリルゴム等の合成ゴムが挙げられる。
Any material can be used for the
天板部32には、2つの開口(第一開口34a、第二開口34b)が形成されている。本実施形態では開口34a、34bはそれぞれ同じ大きさの円形形状をなしており、天板部32の凹没した部分の底部に形成されている。開口34a、34bは、主に処置具や光学装置等を挿入し、切開創を通して処置部に処置を施すために使用される。
The
なお、本実施形態では、天板部を凹没させ、その凹没した部分に開口を形成したが、本発明はこれに限られず、蓋体を開創器本体に装着したときに開創器本体の端部よりも内側に位置するよう開口を形成すればよい。また、開口の数は2つに限られず、1つや3つ以上であってもよい。さらに、開口の形状も円形に限られず、例えば多角形であってもよく、大きさも開口ごとに異なってもよい。 In the present embodiment, the top plate portion is recessed, and an opening is formed in the recessed portion.However, the present invention is not limited to this, and when the lid is attached to the retractor body, the retractor body The opening may be formed so as to be located inside the end portion. Further, the number of openings is not limited to two, and may be one or three or more. Furthermore, the shape of the opening is not limited to a circle, and may be a polygon, for example, and the size may be different for each opening.
開口34a、34bの周囲には開口の形状が変形するのを防止するため、それぞれ開口形成部が設けられている。本実施形態では開口形成部はリング状の開口保持部材(第一開口保持部材33a、第二開口保持部材33b)である。すなわち、開口保持部材33a、33bの内側が開口34a、34bとなっている。開口保持部材33a、33bは開口形状を保持するとともに、開口34a、34bに挿入された処置具等を支持する役割も担う。
In order to prevent the shape of the opening from being deformed around the
開口保持部材33a、33bは、先端側に弁体(第一弁体35a、第二弁体35b)を備えている。弁体35a、35bは、開口34a、34bをそれぞれ覆うように設けられ、処置具等を挿入しない状態では閉じており、処置具等を挿入すると開く。本実施形態では、弁体35a、35bは、円形のシート状をなしており、中央部に十字のスリットが設けられている。なお、弁体は上述のような開閉をすればいかなる形態のものを使用してもよく、例えば、ダックビル弁やフラップ弁としてもよい。また、弁体の取付位置も開口支持部材の先端側に限られず、基端側や中間部に設けてもよく、先端部と基端部の双方に設けるなど複数の弁体を備えるようにしてもよい。
The
ここで、図4を参照して本実施形態における開口34a、34bの機能について従来技術と比較して説明する。図4(a)は、本発明の第一実施形態に係る開創器1を使用した場合の処置具7の可動域を説明した図であり、(b)は、従来の開創器4を使用した場合の処置具7の可動域を説明した図である。
Here, the functions of the
まず、従来の開創器4の構成について簡単に説明する。開創器4は、本実施形態の開創器1と同様に筒状の開創器本体5と、開創器本体5に着脱自在に装着される蓋体6とを有する。そして、開創器本体5は、可撓性を有する筒状部材51と、この筒状部材51の両端に設けられた第一固定部材52および第二固定部材53、第一固定部材52と第二固定部材53の間にわたる4本のベルト(図示せず)とを備えている。
First, the configuration of the conventional retractor 4 will be briefly described. The retractor 4 includes a tubular retractor
従来の開創器4の蓋体6は、本実施形態の蓋体3と同様に2つの開口(第一開口63a、第二開口63b)を有する天板部62と、天板部62の周囲に形成される枠部材61とを備えている。しかし、開創器4の天板部6は、本実施形態の天板部3と異なり、円形平板状をなしている。したがって、開口63a、63bは蓋体6を開創器本体5に装着したときに開創器本体5の基端側縁部(第二固定部材52)と同一平面内に形成されている。
The lid 6 of the conventional retractor 4 includes a
本実施形態の開創器1および従来の開創器4は、腹腔内の観察、洗浄、切除、器具の留置および回収等の各種処置を補助するための器具であり、これらの処置は開口34a、34bまたは開口63a、63bに処置具等を挿入することで行う。このとき、処置部の標的部位が開口34a、34bまたは開口63a、63bの直下にあるとは限らないため、処置具7を開口34a、34bまたは開口63a、63bに対し適宜傾けて使用する場合がある。
The
処置具7を傾けて使用する場合、傾ける方向によって処置具をどの程度傾けることができるかは異なる。特に処置具7を外側に向けて傾けるときが最も傾斜角を取ることができない。この場合、図4に示すように処置具7が第二固定部材23と当接するまでしか傾けることができず、処置具7の可動範囲が制限される。
When the
開創器本体2の第一固定部材22および第二固定部材23はベルト24を牽引することで腹壁の裏面と表面に密着している。したがって、第一固定部材22から第二固定部材23までの距離は患者の腹壁の厚さによって決まる。ここで、図4(b)に示すように、従来の開創器4は開口63a、63bが第二固定部材53と同一平面内に形成されているため、開口63a、63bから第一固定部材52までの距離が長くなる。このため、従来の開創器4では処置具7をあまり大きく傾けることができない。
The first fixing
一方、図4(a)に示すように、本実施形態の開創器1は開口34a、34bは蓋体を開創器本体に装着したときに開創器本体2の端部(第二固定部材23)よりも内側に位置するよう形成されている。したがって、開口34a、34bから第一固定部材22までの距離は短くなり、処置具7を大きく傾けることができる。
On the other hand, as shown in FIG. 4A, in the
より詳細に説明する。図4(a)、(b)に示すように、第二固定部材23、53から第一開口34a、63aの中心までの距離をa、第一開口34aの中心から第一固定部材22までの最短距離をb、第一開口63aの中心から第一固定部材52までの最短距離をcとし、第一開口34aに挿入した処置具7の最大傾斜角度をθA、第一開口63aに挿入した処置具7の最大傾斜角度をθBとする。このとき、θA=arcsin(a/b)、θB=arcsin(a/c)であり、b<cからθA>θBとなる。すなわち、平面視で同じ位置にある開口であれば、本実施形態の開創器1は従来の開創器4と比べて処置具7を大きく傾けることが可能となる。したがって、本実施形態の開創器1は処置具7の可動範囲を広くとることができる。
This will be described in more detail. 4A and 4B, the distance from the
さらに、処置具7を開口34a、34bに挿入して処置を行う場合、処置具7は開口34a、34bを支点として操作される。このとき本実施形態の開創器1では開口34a、34bから処置部までの距離が短いため、従来の開創器4と比べてより繊細な操作が可能となる。
Furthermore, when performing treatment by inserting the
図2、図3に示すように、第一開口保持部材33a、第二開口保持部材33bを囲む部分にはそれぞれ支持部36が形成されている。支持部36は天板部32の他の部分と比べて柔軟となっており、開口保持部材33a、33bを揺動可能に支持している。本実施形態では、支持部36は開口保持部材33a、33bを中心として天板部32を蛇腹状にして形成されている。なお、支持部はこれに限られず、例えば天板部の他の部分と比べて柔軟な樹脂を用いて形成してもよい。この場合の支持部36の材料としては、例えばポリウレタン(PU)、軟質ポリ塩化ビニル、水添スチレン系熱可塑性エラストマー(SEBS)、シリコーンゴム、天然ゴム、ニトリルゴム等の合成ゴムが挙げられる。また、本実施形態では開口保持部材33a、33bの周囲の一部を支持部36としているが、本発明はこれに限られず、天板部32の全体を支持部36としてもよい。
As shown in FIGS. 2 and 3,
ここで、図5を参照して本実施形態における支持部36の機能について従来技術と比較して説明する。図5(a)は、本発明の第一実施形態に係る開創器1の使用状態の説明図であり、図5(b)は、従来の開創器4の使用状態の説明図である。
Here, with reference to FIG. 5, the function of the
前述のように開創器1を介した処置においては、処置具7を開口34a、34bに対して傾けて使用する場合がある。このとき、従来の開創器4であれば天板部62はある程度の剛性を有しており容易に変形しない。したがって処置具7は開口63a、63bの内径と処置具7の外径との差の分または、天板部62のわずかな変形量分しか傾けることができず、それ以上に傾斜させようとすると、天板部62に不要な力が加わり、後述する処置具7の位置ずれの問題が生じることがある。このため、開口63a、63bと処置部の位置関係によって使用可能な処置具7が制限される。
As described above, in the treatment via the
一方、本実施形態の開創器1は、開口保持部材33a、33bを柔軟な支持部36が支持している。このため、処置具7はこれを挿入した開口保持部材33a、33bごと傾けることが可能であり、処置具7の外径が開口34a、34bの内径とほぼ等しくても自由に傾けて使用することができる。
On the other hand, in the
また、図5(b)に示すように複数の開口63a、63bのそれぞれに処置具7a、7bを挿入して処置を行っている場合、従来の開創器4では一方の処置具7aを傾けたときに他方の処置具7bが追随してその位置がずれることがある。すなわち、一方の処置具7aを傾けると、これが挿入されている開口63a近傍の部分が傾く。これにより他方の開口63b近傍の部分に張力が働き、この部分も傾くと、これに挿入されている処置具7bが傾くといったことが生じうる。
Also, as shown in FIG. 5B, when the treatment is performed by inserting the
一方、図5(a)に示すように、本実施形態の開創器1では、処置具7aを傾けた場合、これが挿入されている開口34a近傍の部分が傾く。しかし、開口34a(開口保持部材33a)の周囲に形成された支持部36により張力は減衰されるため、開口34b(開口保持部材33b)に張力が及ぶことが効果的に防止される。したがって、本実施形態の開創器1では、一方の開口34aに挿入した処置具7aを傾けても、他方の開口34bに挿入した処置具7bが傾くなどのずれが生じることがほとんどない。
On the other hand, as shown to Fig.5 (a), in the
このように本実施形態では、開口保持部材33a、33bが支持部36により揺動可能に支持されていることにより、開口保持部材33a、33bをそれぞれ独立に動かすことが可能となっている。したがって、一方の開口保持部材33aに挿入した処置具7aの動きが他方の開口保持部材33bに挿入した処置具7bにほとんど影響を及ぼすことがなく、処置具7を自由に操作することができる。
As described above, in the present embodiment, the
ここで蓋体3の代表的な寸法について説明する。枠部材31は、外径が第二固定部材23より僅かに大きく45〜135mm程度、内径が40〜120mm程度であり、厚さが5〜20mm程度である。また、天板部32は厚さが0.5〜5mm程度であり、凹没した部分の大きさは直径が35〜115mm程度、深さが5〜35mm程度である。さらに、開口34a、34bは直径が2〜15mm程度となっている。
Here, typical dimensions of the
次に、本実施形態に係る開創器1の使用方法について説明する。本実施形態の開創器1は、主に腹腔内の処置に用いられる。まず、腹部に切開創を形成する。切開創は一文字状や十字状など様々に形成してもよい。この切開創を介して腹腔内に開創器本体2の第一固定部材22を挿入する。次いで、第二固定部材23を持ち上げ第一固定部材22を腹壁の裏面に密着させた状態でベルト24を1本ずつ牽引する。これにより切開創をより大きく開創できるとともに、第一固定部材22と第二固定部材23とで腹壁を挟み込むことで開創器本体2が切開創に固定設置される。
Next, the usage method of the
開創器本体2を介して体内の処置を行う。気腹操作を行う場合は蓋体3を装着する。蓋体3の装着は、蓋体3を第二固定部材23の上に置き、右回しに約45度回転させることで行う。これにより蓋体3の係合凸部311と第二固定部材23の係合凹部231が係合し、蓋体3が開創器本体2に固定される。なお、取り外す場合は蓋体3を左回しに約45度回転させればよい。
An internal treatment is performed via the
蓋体3を装着した状態で体内の処置を行う場合には開口34a、34bを介して行う。使用される処置具7としては、例えば把持用の鉗子、切除用のメス、補助用の鉗子、光学装置またはこれらを挿通するためのトロッカーなどが挙げられる。これらの処置具7を開口34a、34bに挿入して体内の処置を行う。
When the treatment inside the body is performed with the
このとき本実施形態の開創器1では、蓋体3の天板部32が凹没した部分を有しており、この凹没した部分に開口34a、34bが形成されているため、前述したように処置具7を大きく傾斜させて使用することも可能となる。したがって従来の開創器と比べてより広範囲の処置部の処置を行うことができる。また、処置具7は開口34a、34bを支点として操作されるが、天板部32の凹没した部分に開口34a、34bが形成されていることから、支点から処置部までの距離が短くなるため処置具7をより繊細に操作することができる。
At this time, in the
さらに開口34a、34b(開口保持部材33a、33b)はそれぞれ周囲に柔軟な支持部36を備えている。したがって、前述のように一方の開口34aに挿入された処置具7を傾斜させる等操作しても、その動きの他方の開口34bに挿入された処置具7への影響が小さく、他方側の処置具7が不測に動くことが防止され、処置をより円滑に行うことができる。
Furthermore, each of the
本実施形態の開創器本体2を取りだすときは、まずベルト24の下にある解除レバー(図示せず)を押し下げる。この状態のまま鉗子等でベルト24が第二固定部材23から完全に外れるまで引き戻す。その後、ベルト24を引き上げ第一固定部材22を抜去する。
When taking out the
<第二実施形態>
次に本発明の第二実施形態について説明する。
以下では、第二実施形態について説明するが、第一実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
<Second embodiment>
Next, a second embodiment of the present invention will be described.
In the following, the second embodiment will be described, but the difference from the first embodiment will be mainly described, and the description of the same matters will be omitted.
図6は、本発明の第二実施形態に係る開創器の断面図である。
第二実施形態では、蓋体3の構成が異なる以外は第一実施形態と同様である。
FIG. 6 is a cross-sectional view of a retractor according to a second embodiment of the present invention.
The second embodiment is the same as the first embodiment except that the configuration of the
図6に示すように、本実施形態では枠部材31は基端側円環部37と先端側円環部38およびこれらを連結する円筒部39を備える。基端側円環部37の内径と先端側円環部38の外径はほぼ等しく、基端側円環部37の内周と先端側円環部38の外周が円筒部39を介して連結された構造となっている。先端側円環部38の外径は筒状部材21の内径よりも小さく、筒状部材21に挿入可能な大きさである。
As shown in FIG. 6, in the present embodiment, the
また、本実施形態では2つの開口(第一開口34a、第二開口34b)が設けられた天板部32は平板状をなしており、その周囲に先端側円環部38が形成されている。したがって、蓋体3を開創器本体2に装着したときに開口34a、34bは開創器本体2の端部よりも内側に位置する。したがって、処置具7の使用においては第一実施形態と同様の効果を奏する。
Further, in the present embodiment, the
1 開創器
2 開創器本体
21 筒状部材
22 第一固定部材
23 第二固定部材
231 係合凹部
24 ベルト
3 蓋体
31 枠部材
311 係合凸部
32 天板部
33a 第一開口保持部材
33b 第二開口保持部材
34a 第一開口
34b 第二開口
35a 第一弁体
35b 第二弁体
36 支持部
37 基端側円環部
38 先端側円環部
39 円筒部
4 開創器
5 開創器本体
51 筒状部材
52 第一固定部材
53 第二固定部材
6 蓋体
61 枠部材
62 天板部
63a 第一開口
63b 第二開口
7、7a、7b 処置具
DESCRIPTION OF
Claims (7)
前記蓋体は、少なくとも1つの開口を有する天板部と、
前記天板部の周囲に形成され、前記開創器本体の端部と係合する枠部材とを備え、
前記開口は、前記蓋体を前記開創器本体に装着したときに前記開創器本体の端部よりも内側に位置することを特徴とする蓋体。 A lid that is detachably attached to a retractor body having a cylindrical shape,
The lid includes a top plate having at least one opening;
A frame member formed around the top plate portion and engaged with an end portion of the retractor body;
The said opening is located inside the edge part of the said retractor main body when the said cover body is mounted | worn with the said retractor main body, The cover body characterized by the above-mentioned.
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