JP2013200125A - 蛍光検出装置及び蛍光検出方法 - Google Patents

蛍光検出装置及び蛍光検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】効率よくレーザ光の散乱光を除去し、精度の高い蛍光強度を算出することができる蛍光検出装置および蛍光検出方法を提供する。
【解決手段】測定対象物にレーザ光を照射したときに発せられる蛍光を検出する際、レーザ光を前記測定対象物に照射する。前記測定対象物に前記レーザ光を照射したときに前記測定対象物の発する蛍光を、バイアス信号による光の誘導放出を行うことにより、増幅する。増幅された前記蛍光と、前記蛍光と同じ波長成分を有し、光の位相が時間変調した参照光を同時に受光する。前記受光により得られた受光信号から、前記光の位相の時間変調の情報を用いて、前記蛍光の蛍光強度を求める。
【選択図】 図1

Description

本発明は、測定対象物にレーザ光を照射したときに発せられる蛍光を検出する蛍光検出装置及び蛍光検出方法に関する。
従来より、測定対象物にレーザ光を照射し、測定対象物が発する蛍光を受光して、測定対象物の情報を取得する蛍光検出装置及び蛍光検出方法が知られている。
蛍光検出装置及び蛍光検出方法を用いたフローサイトメータは、蛍光試薬でラベル化された細胞、DNA、RNA、酵素、蛋白等の測定対象物をシース液に流す。この測定対象物にレーザ光を照射することにより、測定対象物に付与された蛍光色素が蛍光を発する。フローサイトメータは、この蛍光を検出することにより、測定対象物の情報を取得することができる。
フローサイトメータを用いた蛍光検出では、レーザ光は一定の光強度を与えて測定対象物に照射し、そのとき測定対象物が発する蛍光を受光する。このような一例として、下記特許文献1が挙げられる。
細胞、DNA、RNA、酵素、蛋白等の測定対象物には、一般に蛍光蛋白を用いるが、蛍光蛋白の発する蛍光の蛍光強度は、レーザ光の強度に比べてかなり低い。このため、蛍光成分のみを受光素子で受光することは難しく、測定対象物によって散乱したレーザ光の散乱光が蛍光に比べて強度の高い状態で受光される場合がある。
特開2010−117344号公報
従来より、蛍光とレーザ光の散乱光とを分離するために光学フィルタが用いられる。しかし、光学フィルタでは分離が十分でなく、除去されなかったレーザ光の散乱光の強度が、蛍光強度に対して依然として高い状態で受光素子に受光される場合があり、蛍光の受光信号として十分な出力が得られない場合がある。
また、レーザ光の除去を高めるために光学フィルタを複数枚使用することもできる。しかし、この場合、光学フィルタは、透過率が低いため透過する蛍光の強度も同時に低下する。蛍光とレーザ光の散乱光とを分離するために、高価な分光器を用いることも可能であるが、装置が大型化し、コストも上昇する。また、受光素子では、蛍光とレーザ光の散乱光を同時に受光するため、受光素子の感度を上げることもできない。
そこで、本発明は、効率よくレーザ光の散乱光を除去し、精度の高い蛍光強度を算出することができる蛍光検出装置および蛍光検出方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、測定対象物にレーザ光を照射したときに発せられる蛍光を検出する蛍光検出装置である。当該装置は、
レーザ光を前記測定対象物に照射するレーザ光源部と、
前記測定対象物に前記レーザ光を照射したときに前記測定対象物の発する蛍光を、バイアス信号による光の誘導放出を行うことにより、増幅する光増幅部と、
前記光増幅部によって増幅された前記蛍光を受光する受光素子と、
前記受光素子が前記蛍光を受光する時、前記受光素子が前記蛍光と同じ波長成分を有し、光の位相が時間変調した参照光を同時に受光するように、前記参照光を発する参照光源を含む参照光源部と、
前記受光素子が出力する受光信号から、前記光の位相の時間変調の情報および前記参照光の光強度の情報を用いて前記蛍光の蛍光強度を求める処理部と、を有する。
その際、前記光の位相は、予め定めた周波数で時間変調し、前記受光素子が出力する前記受光信号のDC成分を除去するとともに、前記光の位相の時間変調の周波数成分を含む信号成分を抽出するフィルタを備える、ことが好ましい。
前記参照光源部は、前記参照光源から前記受光素子までの前記参照光の光路長を時間変化させることにより、光の位相を時間変調することが好ましい。
また、前記参照光源部は、超音波振動子と前記超音波振動子に設けられた反射面ミラとを含み、前記超音波振動子の振動によって前記反射ミラの位置が変動する状態で、前記参照光源から入射した参照光を前記受光素子に向けて反射させることにより、前記光の位相を時間変調することが好ましい。
前記蛍光検出装置は、例えば、管路を一列になって順次流れ、レーザ光の照射位置を通過する複数の検査対象サンプルのそれぞれを測定対象物として前記レーザ光源部がレーザ光を照射して蛍光検出を行うフローサイトメータである。
また、本発明の他の一態様は、測定対象物にレーザ光を照射したときに発せられる蛍光を検出する蛍光検出方法である。当該方法は、
レーザ光を測定対象物に照射するステップと、
前記測定対象物に前記レーザ光を照射したときに前記測定対象物の発する蛍光を、バイアス信号による光の誘導放出を行うことにより、増幅するステップと、
増幅された前記蛍光と、前記蛍光と同じ波長成分を有し、光の位相が時間変調した参照光を同時に受光するステップと、
前記受光により得られた受光信号から、前記光の位相の時間変調の情報及び前記参照光の光強度の情報を用いて、前記蛍光の蛍光強度を求めるステップと、を有する。
上述の蛍光検出装置及び蛍光検出方法では、効率よくレーザ光の散乱光を除去し、精度の高い蛍光強度を算出することができる。
本実施形態の蛍光検出方法を実施する蛍光検出装置の構成の一例を示す概略図である。 図1に示す蛍光検出装置に用いるレーザ光源部の構成の一例を示す図である。 図1に示す蛍光検出装置に用いる第2受光部の構成の一例を示す図である。 図1に示す蛍光検出装置に用いる処理部の構成の一例を示す図である。 図1に示す蛍光検出装置に用いる参照光源部の構成の一例を示す図である。 本実施形態の蛍光検出方法のフローの一例を示す図である。
以下、本発明の蛍光検出装置及び蛍光検出方法について詳細に説明する。
図1は、本実施形態の蛍光検出方法を実施する蛍光検出装置の構成の一例を示す概略図である。
(蛍光検出装置)
以下、図1を参照して、本実施形態のフローサイトメータの構成について説明する。フローサイトメータは、フローセル中の管路内で、複数の検査対象サンプルを一列に順次流し、このとき、レーザ光の照射位置(測定場)を通過する検査対象サンプルのそれぞれを測定対象物として蛍光検出を行う。具体的に、フローサイトメータは、測定対象物12にレーザ光を照射し、レーザ光が照射された測定対象物12から発せられる蛍光を受光することにより、測定対象物12の情報を取得する。本実施形態は、フローサイトメータを用いる例であるが、フローサイトメータに限られない。例えば、測定対象物12が静止した状態でレーザ光を照射する蛍光顕微鏡に適用することもできる。
本実施形態では、測定対象物12の発する蛍光を、光増幅器内で、バイアス信号による光の誘導放出を行うことにより増幅し、この光増幅器によって増幅された蛍光を受光素子で受光する。このとき、蛍光と同じ波長成分を有し、光の位相が時間変調した参照光を同時に受光素子で受光するように、参照光源部は参照光を発する。受光信号には、蛍光の信号と参照光の信号を含む。しかし、フローサイトメータは、受光素子が出力する受光信号から、光の位相の時間変調の情報を用いて、蛍光信号の振幅を取り出し、蛍光の蛍光強度を求めることができる。光増幅器を用いることにより効率よくレーザ光の散乱光を除去し、さらに、参照光と蛍光と同時に受光した後、受光信号から参照光の信号を除去することにより、精度の高い蛍光強度を算出することができる。
フローサイトメータは、フローセル10と、レーザ光源部20と、第1受光部30と、参照光源部32と、第2受光部40と、制御部50と、処理部60と、出力部70と、を備える。また、フローセル10の下流には、測定対象物12を回収するための容器16が配置される。以下、各構成について詳細に説明する。
細胞、DNA(Deoxyribonucleic Acid)、RNA(Ribonucleic Acid)、酵素、蛋白等の測定対象物12は、シース液に囲まれてフローセル10の管路内を流れる。例えば、フローサイトメータは、蛍光蛋白等の蛍光物質が付着した生体物質を内部に取り込んだ細胞等を測定対象物12とし、フローセル10の内部に流す。後述するように、レーザ光源部20が測定対象物12にレーザ光を照射し、その際に発せられる蛍光から測定対象物12の情報を取得するため、測定対象物12には、蛍光色素14が予め付与されている。蛍光色素14は、例えば、CFP(Cyan Fluorescent Protein)、YFP(Yellow Fluorescent Protein)等が用いられる。フローセル10の内部では、シース液に囲まれた測定対象物12が、流体力学的絞り込みを受けることにより細い液流となって、フローセル10の内部を流れる。
レーザ光源部20は、例えば、350nm〜800nmの可視光帯域の波長を有し、一定の強度のレーザ光を測定対象物12に照射する。
図2は、レーザ光源部20の構成の一例を示す図である。
図2に示すように、レーザ光源部20は、レーザ光源21と、レンズ系22と、レーザドライバ23とを有している。
レーザ光源21は、強度が一定のCW(連続波)レーザ光を出射する。
レンズ系22は、レーザ光源21から出射されたレーザ光を、フローセル10中の所定の照射位置(測定場)に集束させる。
レーザドライバ23は、後述する制御部50と電気的に接続されており、制御部50から供給された信号に基づいて一定の光強度のレーザ光を出射するようにレーザ光源21を駆動する。
なお、レーザ光源部20は、1つのレーザ光源を用いてもよいし、複数のレーザ光源を用いてもよい。複数のレーザ光源が用いられる場合には、複数のレーザ光源からのレーザ光がダイクロイックミラー等を用いて、1つのレーザ光のビームに合成されることにより、測定場に向けて出射されることが好ましい。
レーザ光を出射する光源として、例えば、半導体レーザを用いることができる。レーザ光の出力は、例えば、5mW〜100mWである。
第1受光部30は、フローセル10の測定場を基準として、レーザ光源部20と反対側に配置される。第1受光部30は、フローセル10の測定場を通過する測定対象物12にレーザ光が照射されたときに、測定対象物12で散乱するレーザ光の前方散乱光を受光する。
第1受光部30は、例えば、フォトダイオード等の光電変換器を備える。光電変換器は、受光した前方散乱光を電気信号に変換する。
第1受光部30の光電変換器によって変換された電気信号は処理部60へ出力され、当該電気信号は、測定対象物12がフローセル10の測定場を通過するタイミングを知らせるためのトリガ信号として用いられる。
また、第1受光部30は、例えば、前方散乱光を光電変換器に集束させるレンズ系(図示省略)と、レーザ光が光電変換器に直接入射しないようにレンズ系の測定対象物12側前面に設けられた遮蔽板(図示省略)とを有してもよい。
第2受光部40は、レーザ光源部20から出射されるレーザ光の出射方向に対して垂直方向であって、且つ、フローセル10中の測定対象物12の移動方向に対して垂直方向に配置されている。第2受光部40は、フローセル10の測定場を通過する測定対象物12にレーザ光が照射されたときに測定対象物12から発せられる蛍光を、光増幅器で増幅して受光する。さらに受光部40は、蛍光を受光するとき、後述する参照光源部32から出射される参照光も同時に受光する。参照光については後述する。
図3は、本実施形態の第2受光部40の構成の一例を模式的に示す図である。
図3に示すように、第2受光部40は、レンズ系41と、バンドパスフィルタ(BPF)42と、光増幅器43と、バンドパスフィルタ44と、光電子倍増管45と、ハイパスフィルタ46と、を有する。
レンズ系41は、第2受光部40に入射した光を集光する。
BPF42は、光増幅器43の前面に設けられ、所定の波長帯域の蛍光のみを透過させるフィルタである。なお、BPF42を透過させる蛍光の波長帯域は、蛍光色素14が発する蛍光の波長帯域に対応して設定されている。また、BPF42の代わりに、バンドリジェクトフィルタを用いてもよい。BPF42は、蛍光の光強度に比べて光強度が強いレーザ光の側方散乱光を蛍光から十分に分離できず、レーザ光の側方散乱光が光増幅器43に入射され易い。
光増幅器43は、例えば半導体光増幅器であり、制御部50で生成されたDCバイアス信号を光の誘導放出のための信号として用いて、入射した蛍光の光信号を増幅する。
光増幅器43は、蛍光の光信号を増幅するために設けられており制御部50と電気的に接続され、制御部50から送信されたDCバイアス信号を光の誘導放出のための信号として受ける。これにより、光増幅器43を構成するレーザ媒質の原子あるいは分子は、DCバイアス信号により励起される。そして、蛍光が入射すると、光増幅器43は、レーザ媒質の原子あるいは分子の蛍光と同じ波長を持つ光の誘導放出を行い、この結果、光増幅器43に入射した蛍光は増幅されることになる。すなわち、光増幅器43は、測定対象物12が発する蛍光の波長に対応した波長の光を誘導放出するように、レーザ媒質は構成されている。したがって、レーザ光の側方散乱光は増幅されない。このため、光増幅器43を出た光は、蛍光が極めて強くなった光となる。なお、光増幅器43は、本発明における光増幅部の一例である。
BPF44は、光増幅された蛍光を透過させ、レーザ光の側方散乱光を分離するフィルタである。
こうして、得られた蛍光は、受光素子の一例である光電子倍増管45により受光される。このとき、光電子倍増管45は、参照光源部32から出射した光の位相が変調角周波数ωνで時間変調した参照光を同時に受光する。この点は後述する。
光電子倍増管45から出力されて受光信号は、ハイパスフィルタ46に送られる。ハイパスフィルタ46は、後述するように、参照光の位相が変調角周波数ωνで変動する受光信号の成分を抽出し、DC成分を除去する。DC成分の除去された受光信号は、処理部60に送られる。すなわち、ハイパスフィルタ46は、光電子倍増管45が出力する受光信号のDC成分を除去するとともに、参照光の位相の時間変調の周波数成分を含む信号成分を抽出する。
図4は、処理部60の構成について説明する。処理部60は、CPU64、メモリ66を主体として構成されたコンピュータであり、第2受光部40のハイパスフィルタ46から出力された信号を用いて、蛍光強度を算出する。処理部60は、AD変換ボード62と、CPU64と、メモリ66と、入出力ポート68と、を有する。入出力ポート68には、出力部70としてディスプレイ70a及びプリンタ70bが接続されている。メモリ66には、プログラムが記憶されている。メモリ66に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、処理部60は、復調部70及び強度算出部72を形成する。すなわち、復調部70及び強度算出部72は、コンピュータが実行可能なプログラムを実行することで形成されるソフトウェアモジュールである。復調部70及び強度算出部72の実質的な機能は、CPU64によって行われる。処理部60は、第1受光部30から送られる鳥が信号に基いて各処理を開始する。
上述したように、光電子倍増管45は、光増幅器43で増幅した蛍光の他に、光の位相が角周波数ωνで変調する参照光を同時に受光する。この参照光は、後述するように、参照光源部32によって生成される。
蛍光は平面波であり、下記式(1)のように複素数表示で表すことができる。また、参照光も平面波であり、下記式(2)のように複素数表示で表すことができる。
このとき、光電子倍増管45では、光のエネルギが受光信号として出力されるので、光電子倍増管45が出力する受光信号Sは、下記式(3)に示す式に比例する。この式を整理することにより、下記式(4)を得る。さらに、参照光は、蛍光と同じ波長成分を有し、ωp1=ωp2であるので、受光信号Sは下記式(5)で表される。
式(5)において、φ=ωνtである(参照光の位相は変調角周波数ωνで時間変調している)ので、受光信号は、DC成分と変調角周波数ωνで変動するAC成分とを含む。ハイパスフィルタ46は、受光信号から上記DC成分を除去する。したがって、ハイパスフィルタ46から送られてきた受光信号S’は、式(5)の右辺の第1項及び第2項が取り除かれ、下記式(6)に示すように表される。
このような受光信号S’が処理部60に入力される。
AD変換ボード62は、受光信号S’をAD変換する。デジタル化された受光信号S’は、入出力ポート68を通して、メモリ66に一旦記録される。
復調部70は、受光信号S’をメモリ66から呼び出し、受光信号S’と、復調部70で別途生成したcos(ωνt)とを乗算することにより下記式(7)の信号を得る。ここで、変調角周波数ωνは、参照光の位相の時間変調に用いる角周波数であり、参照光源部32から情報として送られる既知の情報である。したがって、復調部70は、この角周波数を用いて、下記式(7)に示すように、蛍光の振幅A1と参照光の振幅A2の積の値を取り出すことができる。
強度算出部72は、復調部70で得られた蛍光の振幅A1と参照光の振幅A2の積の値から蛍光の振幅A1の値を求める。参照光の振幅A2は、参照光源部32から情報として送られるので、既知の情報である。したがって、振幅A1と振幅A2の積の値から蛍光の振幅A1の値を求めることができる。強度算出部72は、さらに、振幅A1の値を二乗することにより、蛍光強度の値を算出する。算出された蛍光強度の値は、ディスプレイ70aあるいはプリンタ70bに出力される。
図5は、光電変換器45に向けて参照光を出射する参照光源部32の構成の一例を示す図である。参照光源部32は、フローセル10を挟んで第2受光部40と反対側に設けられが、参照光源部32が発する参照光が、フローセル10に当たらないように、フローセル10を挟んで第2受光部40と正反対側の位置から僅かにずれた位置に設けられている。参照光源部32は、参照光源34を有する。参照光源34は、制御部50からの指示に従って、蛍光と同じ波長成分を有する一定の強度の光を発する。参照光は、光の位相が時間変調するため、レーザ光であることが好ましい。参照光源部32は、参照光源34から光電変換器45までの光路長を時間変化させることにより、光の位相を時間変調する。図5に示す例では、参照光源部32は、変調角周波数ωνで振動する超音波振動子36と、超音波振動子36に設けられた反射ミラ38とを含む。参照光源部32は、超音波振動子36の振動によって反射ミラ38の位置が変動する状態で、参照光源から入射した参照光を光電変換器45の受光面に向けて反射させることにより、光の位相を時間変調する。なお、測定対象物12が測定場を通過する測定時間が数10μ秒であること考慮すると、変調角周波数ωνに対応する周波数は、MHzのオーダ、例えば、数MHzであることが好ましい。
このように、光の位相を時間変調させるのは、上述したように、ハイパスフィルタ46を用いてフィルタ処理された式(6)で表された受光信号S’を、変調角周波数ωνを用いて復調して(cos(ωνt)を除去して)式(7)を得るためである。
したがって、参照光源32が発する参照光の光強度と、超音波振動子36の変調角周波数ωνの情報は、処理部60に送られる。これらの情報は、処理部60では、復調部70の処理及び強度算出部72の処理に用いられる。
本実施形態では、測定対象物の発する蛍光を、光増幅器43がDCバイアス信号による光の誘導放出を行うことにより、蛍光を増幅し、この増幅された蛍光を光電子倍増管45が受光するので、効率よくレーザ光の散乱光を除去することができる。さらに、光電子倍増管45が蛍光を受光するとき、参照光も同時に受光するので、受光信号の信号レベルを光電子倍増管45のノイズに比べて大きくし、SN比を向上することができる。処理部60では、参照光の信号を含んだ受光信号S’から、参照光の位相の角周波数の情報を用いて蛍光の振幅を復調することができるので、精度の高い蛍光強度を算出することができる。
このように、本実施形態は、光電子倍増管45に対して、参照光を蛍光と同時に受光させるのは、受光信号Sのレベルを高めSN比を向上するためである。光増幅器43の光増幅率を高めて、受光される蛍光の蛍光強度を高くすることもできるが、光増幅率を高くするには、光増幅器43内の通過する蛍光の光路を長くしなければならず、第2受光部40が大型化するため好ましくない。光電子倍増管45の感度を高めることも可能であるが、ノイズ成分も高めることになる。このような状況の下、本実施形態は、効率よくレーザ光の散乱光を除去し、精度の高い蛍光強度を算出することができる。
本実施形態は、参照光の位相は、予め定めた変調角周波数で時間変調し、光電子倍増管45が出力する受光信号のDC成分を除去するとともに、参照光の位相の時間変調の周波数成分を含む信号成分を抽出するハイパスフィルタ46を備える。このため、式(6)に示すように、時間に依存したAC成分のみを有する受光信号S’が得られるので、式(6)から、復調の処理を施すことにより、蛍光強度を精度高く算出することができる。
本実施形態では、ハイパスフィルタ46を備えるが、ハイパスフィルタ46を備えず、復調部70の処理により除去することができる。しかし、蛍光強度を精度高く算出する点で、ハイパスフィルタ46を用いることが好ましい。
参照光源部32は、参照光源34から光電子倍増管45までの光路長を時間変化させることにより、光の位相を時間変調する。このため、容易に、参照光の位相の時間変調を行うことができる。例えば、簡易な構成として、本実施形態のように、超音波振動子36と超音波振動子36に設けられた反射面ミラ38とを含み、超音波振動子36の振動によって反射ミラ38の位置が変動する状態で、参照光源34から入射した参照光を光電子倍増管45に向けて反射させる。これにより、参照光の位相の時間変調を容易に実現する。参照光源部32の構成は、光の位相が時間変調するものであればどのようなものであってもよいが、簡易な構成とするには、超音波振動子36に設けられた反射面ミラ38を用いる構成が好ましい。
(蛍光検出方法)
図6は、本実施形態の蛍光検出方法のフローの一例を示す図である。
まず、フローサイトメータは、測定対象物12を含む複数の検査対象サンプルを、シース液とともにフローセル10中に一列に流す。このとき、制御部50からの指示により、レーザ光源部20は、測定場を通過した測定対象物12に、レーザ光源部20からレーザ光を照射する。このとき、参照光源部32は、参照光を出射する(ステップS10)。参照光は、測定対象物12の発する蛍光と同じ波長成分を有し、光の位相が時間変調している。
次に、測定対象物12にレーザ光を照射したときに測定対象物12の発する蛍光は、レンズ系41を通してBPF42に入射する。光増幅器43は、BPF42を透過した蛍光を、DCバイアス信号による光の誘導放出を行うことにより、増幅する(ステップS20)。
増幅された蛍光は、BPF44を透過し、光電子倍増管45にいたる。このとき、参照光源部32は参照光を出射しているので、BPF44を透過した蛍光は、参照光とともに、同時に光電子倍増管45に受光される(ステップS30)。
蛍光及び参照光の受光により光電子倍増管45が出力する受光信号は、ハイパスフィルタ46により、受光信号のDC成分が除去され、参照光の位相の時間変調に用いた変調角周波数ωνを角周波数とするAC成分を取りだす。このAC成分は、処理部60に送られる。処理部60は、既知の情報である変調角周波数ωνを用いて復調の処理を施す。すなわち、上記式(6)から上記式(7)が得られる。さらに、処理部60は、既知の情報である参照光の振幅A2(参照光の光強度の情報)を用いて、復調の処理結果の値を除算することによって蛍光の振幅A1を求め、これにより、蛍光強度を求める。
このように、処理部60は、参照光の位相の時間変調に用いる角周波数と参照光の振幅を用いて、蛍光信号の振幅A1を取り出し、蛍光強度を算出する(ステップS40)。
以上、本発明の蛍光検出装置及び蛍光検出方法について詳細に説明したが、本発明の蛍光検出装置及び蛍光検出方法は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10 フローセル
12 測定対象物
20 レーザ光源部
30 第1受光部
32 参照光源部
34 参照光源
36 超音波振動子
38 反射ミラ
40 第2受光部
41 レンズ系
42,44 バンドパスフィルタ
43 光増幅器
45 光電子倍増管
46 ハイパスフィルタ
50 制御部
60 処理部
62 AD変換ボード
64 CPU
66 メモリ
68入出力ポート
70 復調部
72 強度算出部
70 出力部
70a ディスプレイ
70b プリンタ

Claims (6)

  1. 測定対象物にレーザ光を照射したときに発せられる蛍光を検出する蛍光検出装置であって、
    レーザ光を前記測定対象物に照射するレーザ光源部と、
    前記測定対象物に前記レーザ光を照射したときに前記測定対象物の発する蛍光を、バイアス信号による光の誘導放出を行うことにより、増幅する光増幅部と、
    前記光増幅部によって増幅された前記蛍光を受光する受光素子と、
    前記受光素子が前記蛍光を受光する時、前記受光素子が前記蛍光と同じ波長成分を有し、光の位相が時間変調した参照光を同時に受光するように、前記参照光を発する参照光源を含む参照光源部と、
    前記受光素子が出力する受光信号から、前記光の位相の時間変調の情報および前記参照光の光強度の情報を用いて前記蛍光の蛍光強度を求める処理部と、を有する蛍光検出装置。
  2. 前記光の位相は、予め定めた周波数で時間変調し、
    前記受光素子が出力する前記受光信号のDC成分を除去するとともに、前記光の位相の時間変調の周波数成分を含む信号成分を抽出するフィルタを備える、請求項1に記載の蛍光検出装置。
  3. 前記参照光源部は、前記参照光源から前記受光素子までの前記参照光の光路長を時間変化させることにより、光の位相を時間変調する、請求項1または2に記載の蛍光検出装置。
  4. 前記参照光源部は、超音波振動子と前記超音波振動子に設けられた反射面ミラとを含み、前記超音波振動子の振動によって前記反射ミラの位置が変動する状態で、前記参照光源から入射した参照光を前記受光素子に向けて反射させることにより、前記光の位相を時間変調する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の蛍光検出装置。
  5. 管路を一列になって順次流れ、レーザ光の照射位置を通過する複数の検査対象サンプルのそれぞれを測定対象物として前記レーザ光源部がレーザ光を照射して蛍光検出を行うフローサイトメータである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の蛍光検出装置。
  6. 測定対象物にレーザ光を照射したときに発せられる蛍光を検出する蛍光検出方法であって、
    レーザ光を測定対象物に照射するステップと、
    前記測定対象物に前記レーザ光を照射したときに前記測定対象物の発する蛍光を、バイアス信号による光の誘導放出を行うことにより、増幅するステップと、
    増幅された前記蛍光と、前記蛍光と同じ波長成分を有し、光の位相が時間変調した参照光を同時に受光するステップと、
    前記受光により得られた受光信号から、前記光の位相の時間変調の情報および前記参照光の光強度の情報を用いて、前記蛍光の蛍光強度を求めるステップと、を有する蛍光検出方法。


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