JP2012064886A - 半導体レーザ - Google Patents

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Abstract

【課題】端面保護膜により発生する応力が緩和され長期信頼性を確保することが可能な半導体レーザを提供する。
【解決手段】基板10上に、下部クラッド層21、活性層22、上部クラッド層23およびコンタクト層24をこの順に含む半導体層20(レーザ構造部)を積層し、上部クラッド層23の上部に帯状の突条部(リッジ)20Aを形成する。突条部20Aの上面,側面および裾部に上部電極31を形成すると共に、基板10の裏面に下部電極32を形成する。前端面S1の突条部20Aの両側に2対の凹部20B設けたのち、前端面S1の表面に保護膜41を形成する。これにより前端面S1に形成する保護膜41の接触面積が少なくなり、前端面S1に発生する応力が低減される。
【選択図】図1

Description

本発明は、突条部(リッジ)の延在方向の両端に端面保護膜を有する端面発光型の半導体レーザに関する。
半導体レーザ(Laser Diode ;LD)は、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)またはブルーレイディスク(Blu-ray Disc;BD)のような光ディスク装置における再生用および記録用の光源としての用途に用いられている。その他、光通信、固体レーザ励起、材料加工、センサ、測定器、医療、印刷機器またはディスプレイなど様々な分野に応用されている。
端面発光型の半導体レーザは、例えばn型半導体基板上に、共振器として順次エピタキシャル成長させたn型半導体層、活性層(発光層)およびp型半導体層が積層されると共に、上部に帯状の突条部(リッジ)が設けられている。更に、p型半導体層上にはp型電極、n型半導体基板の裏面にはn型電極がそれぞれ形成されている。このような端面発光レーザでは、高出力化を実現するために、例えば特許文献1のように共振器のミラーとして機能する反射端面(後端面)および反射端面と対向する出射端面(前端面)に窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al2 O3 )あるいは酸化ケイ素(SiO2 )等による保護膜が形成されている。劈開面にこのような保護膜を設けることにより、共振器端面における光の反射率を制御できると共に異物の混入および端面の酸化を防ぐことができる。
特開2007−318088号公報
しかしながら、従来の半導体レーザでは、劈開面(端面)に保護膜を成膜することにより次のような問題があった。即ち、この保護膜と半導体層との熱膨張率の差に起因してリッジ周辺に応力(圧縮応力)が加わり、そのためリッジ周辺のエネルギーギャップが収縮し、端面における光吸収が発生する。このような光吸収が発生すると、特に高出力半導体レーザでは端面破壊に至り、突然発振が停止する虞があり、長期信頼性を確保することが困難であった。このため、大きな応力が発生するような薄膜を用いることが難しく、薄膜の種類およびその製造方法に制約を生じていた。特に、AlN等の応力の高い窒化物を酸素拡散防止膜や端面保護膜として厚く成膜することが極めて難しく、端面保護膜としての選択の自由度が得られなかった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、端面保護膜により発生する応力が緩和され長期信頼性を確保することが可能な半導体レーザを提供することにある。
本発明の半導体レーザは、突条部を有し、突条部の延在方向の両端の一方からレーザ光を射出するレーザ構造部と、レーザ構造部の端面のうち少なくとも出射側端面の突条部の両側に設けられた凹部と、凹部を有する端面に設けられた保護膜と、を備えたものである。
本発明の半導体レーザでは、突条部の両側に凹部を有することによりレーザ構造部の端面と保護膜との接触面積が少なく、これによって保護膜の成膜に起因して突条部周辺に発生する圧縮応力が緩和される。
本発明の半導体発光素子によれば、突条部の両側に凹部を形成するようにしたので、レーザ構造部の端面と保護膜との接触面積が少なくなり、保護膜により発生する突条部周辺の圧縮応力が緩和される。従って、突条部周辺のエネルギーギャップの収縮が抑制され、長期信頼性が向上する。
本発明の一実施の形態に係る半導体レーザの構成を表す断面図および斜視図である。 図1に示した半導体レーザの凹部の加工位置を説明するための図である。 図1に示した半導体レーザの製造方法を工程順に表す断面図である。 従来例における光吸収による端面破壊を説明する図である。 実施例および比較例における作動電流の変化を表す特性図である。 実施例および比較例におけるCODの経時変化を表す特性図である。 変形例1に係る半導体レーザの概略構成を表す斜視図である。 変形例2に係る半導体レーザの概略構成を表す斜視図である。 変形例3に係る半導体レーザの概略構成を表す斜視図である。 変形例4に係る半導体レーザの概略構成を表す斜視図である。 変形例5に係る半導体レーザの概略構成を表す斜視図である。 変形例6に係る半導体レーザの概略構成を表す斜視図である。 変形例7に係る半導体レーザの概略構成を表す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
[実施の形態]
(1)基本構成
(2)製造方法
[変形例1〜7]
[実施の形態]
(基本構成)
図1(A)は、本発明の一実施の形態に係る半導体レーザ1(半導体発光素子)の断面構造(ストライプ方向に直交する断面の構造、以下同様)を表すものである。図1(B)は、半導体レーザ1の概略構成を斜視的に表したものである。この半導体レーザ1は、例えば、パーソナルコンピュータや家庭用ゲーム機等のBD再生用レーザとして用いられる発振波長約500nm以下、例えば400nm前後の青・青紫半導体レーザである。なお、図1(A),(B)は模式的に表したものであり、実際の寸法,形状とは異なっている。
本実施の形態の半導体レーザ1は、帯状の突条部(リッジ)20Aを有する端面発光型の半導体レーザであり、例えば、基板10上に、下部クラッド層21、活性層22、上部クラッド層23およびコンタクト層24をこの順に含む半導体層20(レーザ構造部)を備えている。半導体層20には、上記した層以外の層(例えば、バッファ層やガイド層など)がさらに設けられていてもよい。
基板10は、例えばGaNなどのIII−V族窒化物半導体からなる。ここで、「III−V族窒化物半導体」とは、短周期型周期率表における3B族元素群のうちの少なくとも1種と、短周期型周期率表における5B族元素のうちの少なくともNとを含むものを指している。III−V族窒化物半導体としては、例えば、GaとNとを含んだ窒化ガリウム系化合物が挙げられる。窒化ガリウム系化合物には、例えば、GaN,AlGaN,AlGaInNなどが含まれる。III−V族窒化物半導体には、必要に応じてSi,Ge,O,SeなどのIV族またはVI族元素のn型不純物、または、Mg,Zn,CなどのII族またはIV族元素のp型不純物がドープされている。
半導体層20は、例えば、III−V族窒化物半導体を主に含んで構成されている。下部クラッド層21は、例えばAlGaNにより構成されている。活性層22は、例えば、組成比の互いに異なるGaInNによりそれぞれ形成された井戸層およびバリア層を交互に積層してなる多重量子井戸構造となっている。上部クラッド層23は、例えばAlGaNにより構成されている。コンタクト層24は例えばGaNにより構成されている。
半導体層20の上部、具体的には、上部クラッド層23の上部およびコンタクト層24には帯状の突条部20Aが形成されている。突条部20Aは、半導体層20のうち突条部20Aの両脇の部分と共に光導波路(図示なし)を構成している。この突条部20Aは、横方向(共振器方向と直交する方向)の屈折率差を利用して横方向の光閉じ込めを行うと共に、半導体層20へ注入される電流を狭窄するものである。活性層22のうち上述の光導波路の直下の部分が、電流注入領域に対応しており、この電流注入領域が発光領域22Aとなる。
半導体層20の前端面S1および後端面S2は、例えば劈開によって形成された劈開面であり、これら前端面S1および後端面S2によって共振器が構成されている。前端面S1はレーザ光を射出する面、即ち出射側端面であり、後端面S2はレーザ光を反射する面である。前端面S1および後端面S2の表面にはそれぞれ後述する保護膜41,42が設けられている。
半導体層20の前端面S1には凹部20Bが設けられている。この凹部20Bは、突条部20Aを間にして、その両側にそれぞれ2個設けられている。凹部20Bの数はここでは2対としているが、それに限らず、1対でもよくあるいは3対以上でもよい。これら凹部20Bは半導体層20の上面から下面にかけて貫通しているが、必ずしも貫通していなくてもよい。本実施の形態では、このような凹部20Bが設けられることにより前端面S1の表面積が低減されている。即ち、前端面S1の表面積を少なくすることで、前端面S1の表面に形成される保護膜41との接触面積が少なくなり、これにより突条部20A周辺に発生する応力が低減されるものである。凹部20Bを設けていない場合と比較して、保護膜41と前端面S1との接触面積は少なくとも50%以上、より好ましくは90%まで低減することが望ましい。
なお、保護膜41は前端面S1との接触面のみに形成され、凹部20Bの内部および前面には形成されていないことが望ましいが、後述のようなスパッタリングなどの製造プロセスの都合上、保護膜41全体が繋がり、あるいは凹部20Bに保護材料が入る込むことがあるが、その程度は許容される。
凹部20Bは、光強度分布に影響を与えない範囲で、突条部20Aの両側の近傍に形成されていることが望ましい。具体的には図2(A)に示した遠視野像(Far Field Pattern ;FFP)を逆フーリエ変換して求められた光強度分布(位相分布)の端よりも外側に形成することが好ましい。具体的には、凹部20Bの位置は例えば突条部20Aの底部から1.5μm外側に設けることが好ましい。
突条部20Aの上面(コンタクト層24の表面)には上部電極31が設けられている。この上部電極31は、例えばTi,PtおよびAuをこの順に積層して構成されており、コンタクト層24と電気的に接続されている。一方、基板10の裏面には下部電極32が設けられている。この下部電極32は、例えばAuとGeとの合金,NiおよびAuを基板10側から順に積層して構成されており、基板10と電気的に接続されている。なお、ここでは上部電極31はコンタクト層24の表面および突条部側面を覆うように形成したが、これに限らずコンタクト層24の表面のみに形成してもよい。
保護膜41,42は、異物の混入、端面の酸化および水分等による劣化を防ぐと共に、共振器端面における光の反射率を制御するためのものである。保護膜41,42の材料としては例えば、酸化アルミニウム(Al23),酸化ケイ素(SiO2),酸化チタン(TiO2),酸化タンタル(Ta25),酸化ジルコニア(ZrO2),酸化ハフニウム(Hf2),窒化アルミニウム(AlN),窒化ケイ素(Si34),窒化ホウ素(BN)または酸化イットリウム(Y25)を用いることができる。
保護膜41,42のうち、出射端面側の前端面S1の保護膜41は、反射率が低くなるように調整されており、具体的には例えばAl23の単層膜であり、反射率は例えば約10%程度となるように調整されている。一方、後方端面側の後端面S2の保護膜42は、反射率が高くなるように調整されており、具体的には例えばAl23/TiO2を4組積層した多層膜であり、反射率は例えば約80%となるように構成されている。これにより、活性層22において発生した光は前端面S1および後端面S2の間を往復して増幅され、低反射率の前端面S1からレーザビームとして射出される。また、保護膜41,42の膜厚は、後端面S2の反射率に応じて後端面S2の電界強度が最小となるように調整される。なお、保護膜41は単層に限らず、2層以上の膜を含む多層膜でもよく、同様に保護膜42も多層膜に限らず、単層でもよい。また、保護膜41にはAl23のほかに活性層22のエネルギーギャップ(Eg)よりも大きい誘電体材料、例えばAlN等を用いてもよい。AlNはAl23よりも熱伝導率が高く、発光により発生した熱を分散しやすい。
[半導体レーザ1の製造方法]
このような構成を有する半導体レーザ1は、例えば次のようにして製造することができる。
まず、図3(A)に示したように、MOCVD(Molecular Organic Chemical Vaper Deposition )装置にて基板10上に半導体レーザ構造を有する積層膜を形成したのち、一般的な半導体プロセスを用いて半導体発光素子パターンを形成する。具体的には、例えば基板10の表面を例えばサーマルクリーニングにより清浄する。次に、清浄された基板10上に、例えばMOCVD法により、下部クラッド層21、活性層22、上部クラッド層23およびコンタクト層24を順次成長させて、半導体層20を形成する。次に半導体層20上に帯状のマスクを形成する。続いて、例えばドライエッチングにより、上部クラッド層23の上部およびコンタクト層24を選択的に除去する。これにより上部クラッド層23の上部およびコンタクト層24に帯状の突条部20Aが形成される。次に、マスクを除去したのち、上部クラッド層23およびコンタクト層の一部に絶縁層25を形成する。続いて突条部20Aの上面,側面および裾部に上部電極31を形成すると共に、基板10の裏面に下部電極32を形成する。
次に、前端面S1側の突条部20Aの両側に凹部20Bを形成する。具体的には、まず図3(B)に示したように、上部に半導体露光プロセスを用いて凹部20Bを形成するためのマスク26を形成する。なお、ここではマスクとしてレジストパターンを用いるが、SiO2でもよく、エッチングする物質との選択性が得られるのであればこれに限らない。
続いて、図3(C)に示したようにマスク26を用いたドライエッチングにより半導体層20を選択的に除去することにより凹部20Bを形成する。エッチングガスとしては例えば塩素(Cl2)を用いるが、Cl2とアルゴン(Ar)の混合ガスを用いてもよい。この他、表面自然酸化膜の影響による面荒れや突起物の生成を防止するために塩化ボロン(BCl)や塩化ケイ素(SiCl4)を添加してもよい。
最後に、図3(D)に示したように凹部20Bを形成した基板10を横方向にバー状に劈開して前端面S1および後端面S2を形成したのち、ECR(Electron Cyclotron Resonance)スパッタ装置を用いて前端面S1および後端面S2に前述の材料からなる保護膜41,42を形成する。このようにして本実施の形態の半導体レーザ1が完成する。
[半導体レーザ1の作用・効果]
次に、本実施の形態の半導体レーザ1の作用および効果について説明する。
本実施の形態の半導体レーザ1では、上部電極31および下部電極32に所定の電流が供給されると、突条部20Aにより電流狭窄された電流が活性層22の電流注入領域(発光領域)22Aに注入され、これにより電子と正孔の再結合による発光が生じる。この光は、前端面S1および後端面S2に形成された保護膜41,42により反射され、所定の波長でレーザ発振を生じ、前端面S1側からビームとして外部に射出される。
ところで前端面S1および後端面S2に形成された保護膜41,42は、互いの熱膨張率の差に起因してそれぞれが形成された端面S1,S2に応力(圧縮応力)を発生させる。従来の半導体レーザでは、突条部周辺に応力が発生すると図4に示したようにエネルギーギャップ(Eg)が収縮することにより、前端面S1および後端面S2において光吸収が発生する。これにより前端面S1および後端面S2に熱が集中し被膜を損傷することで突然の劣化、即ち長期信頼性の低下を招いていた。これに対して、本実施の形態では、前端面S1の突条部20Aの両側に例えば2対の凹部20Bが設けられているため、前端面S1の表面に形成される保護膜41との接触面積が少なくなり、これにより前端面S1に発生する応力が低減される。具体的には、例えば3インチのシリコン基板上に保護膜41,42として100nmの厚みで成膜した場合、下記式(1)または式(2)で表わされる応力(σ)の値は、0.05Gpa以上3Gpa以下、更に0.05Gpa以上0.5Gpa以下であることが好ましい。
(数1)
σ=E/2(1+ν)COSθ・π/180・Δ(2θ)/Δ(sin2φ)・・・(1)
(σ=応力(残留),E:ヤング率,ν:ポアソン比,θ:ブラック角,φ:資料面法線Nと格子面法線N'のなす角)
(数2)
σ=Es・ts 2/{6(1−Vs)rtF}・・・・・・・・・・・・・・・(2)
(σ:応力,ts:基板の厚さ,Vs:基板のポアソン比,r:曲率半径,tF:薄膜の厚み,Es:ヤング率,)
図5は、Tc80℃,CW120mWにおける駆動時の作動電圧の経時変化を表したものである。なお、図5(A)は本実施の形態の半導体レーザ素子1の結果であり、図5(B)は出射端面に凹部が形成されていない従来の半導体レーザでの結果である。図5(B)からわかるように従来の半導体レーザでは約300時間程度から突然作動電圧が0、即ちレーザを発振しなくなる素子が複数みられる。これに対して、本実施の形態の半導体レーザ素子では従来例のような突然の発振不良は見られない。また、図6は半導体レーザ1および従来例のCOD(Catastrophic Optical Damage)の経時変化を表したものである。図6からわかるように、本実施の形態の半導体レーザ素子1は一貫して従来の半導体レーザ素子よりも高いCODレベルを保っていることがわかる。これらのことから高出力に対する耐性および長期信頼性が向上していることがわかる。
以上のように、本実施の形態では、前端面S1の突条部20Aの両側に凹部20Bを設けるようにしたので、前端面S1に形成される保護膜41との接触面積が少なくなる。これにより前端面S1に発生する圧縮応力が緩和される。よって突条部20A周辺のエネルギーギャップ(Eg)の収縮が抑制され、前端面S1における光吸収が抑えられて前端面S1の破壊が低減される。即ち、CODレベルが向上および長期信頼性が向上する。
また、保護膜41の形成によって発生する前端面S1への応力の大きさを考慮することなく保護膜41の材料を選択することが可能となる。従って、半導体層20への酸素の拡散を抑制する能力は高いものの、高い応力を有することで用いることが困難であったAlNのような窒化物を用いることが可能となるため、より長期信頼性を改善することができる。
更に、保護膜41として多層膜を用いることも可能となるため、劈開面と保護膜41,42との電界強度の制御が容易となる。更にまた、応力が高くバルクに近い膜を保護膜41に用いることが可能となるため、従来の多結晶膜やアモルファス膜と比較して突条部20A周辺の端面の排熱を向上させることができる。
次に、上記実施の形態の変形例1〜7について説明する。以下では、上記第1の実施の形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図7に示した半導体レーザ2(変形例1)は、前端面S1の端面に上から見て矩形状の凹部30Bが突条部20Aを中心に3対形成されていること以外は、上記実施の形態と同様の構成となっている。
図8に示した半導体レーザ3(変形例2)は、前端面S1および後端面S2の両方の端面に、上から見て三角状の凹部40Bが突条部40Aを中心にそれぞれ2対形成されている。図9に示した半導体レーザ4(変形例3)は、前端面S1の両端を半導体層50の積層方向にエッチングして形成した凹部50Bによって前端面S1の面積を小さくしている。
図10に示した半導体レーザ5(変形例4)は、前端面S1および後端面S2の両方の端面に、上から見て前端面S1および後端面S2に対して垂直な1辺を有する三角状の凹部60Bを形成したものである。なお、ここでは端面S1,S2に対して垂直な一辺が両端側に形成されているがこれに限らず、内部側に形成してもよい。
図11に示した半導体レーザ6(変形例5)は、前端面S1および後端面S2の両方の端面に、上から見て突条部70Aの延在方向に長辺を有する矩形状の凹部70Bをそれぞれ3対形成したものである。
図12に示した半導体レーザ7(変形例6)は、前端面S1および後端面S2の両方の端面に、上から見て半円状の凹部80Bを突条部80Aを中心にそれぞれ2対形成したものである。なお、ここでは凹部80Bを半円状としたがこれに限らず、半楕円としてもよい。その場合、楕円の長軸方向は突条部80Aの延在方向または交差方向どちらでもよい。
図13に示した半導体レーザ8(変形例7)は、前端面S1および後端面S2の両方の端面に、上から見て突条部90Aの延在方向に対して垂直方向に長辺を有する矩形状の凹部90Bを形成したものである。
上記変形例1〜7のような凹部30B〜90Bを形成した場合であっても、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、上記変形例1〜7に示した態様の他に、前端面S1と後端面S2とで凹部の形状を異ならせるようにしてもよい。
以上、実施の形態および変形例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、前端面S1には、共振器の側から、高屈折率の保護膜と、反射率調整用の保護膜との積層膜を形成してもよい。高屈折率の保護膜が反射率調整用の保護膜よりも屈折率の高い材料により構成されていることにより、前端面S1、即ち出射側端面の電界強度を下げ、端面への熱の集中を抑えて突然劣化を抑制することができる。
高屈折率の保護膜は、例えば、Ta25,HfO2,ZrO2,酸化ニオブ(Nb25)およびTiO2などの酸化物,AlN,Si34,BN,窒化ハフニウム(HfN)および窒化ジルコニウム(ZrN)などの窒化物、並びに炭化ケイ素(SiC),ダイヤモンド,ダイヤモンド状炭素(DLC;Diamond-like Carbon )などの炭化物からなる群のうちの少なくとも1種により構成される。なかでも、窒化物または炭化物が好ましく、具体的には窒化アルミニウム(AlN)が好ましい。電界強度を調整する機能と共に、反射率調整用の保護膜に含まれる酸素がレーザ構造部10の内部に拡散するのを防ぐ酸素ブロッキング層としての機能も有することができるからである。
反射率調整用の保護膜は、例えば、Al23の単層膜であり、前端面S1の反射率は例えば約5%とする。反射率調整用の保護膜は、単層に限らず、2層以上の膜を含む多層構造でもよく、その場合には、高屈折率の保護膜は、反射率調整用の保護膜のうち最も共振器に近い膜よりも屈折率の高い材料により構成されていればよい。
1〜8…半導体レーザ、10…基板、20…半導体層、20A…突条部、20B…凹部、21…下部クラッド層、22…活性層、22A…発光領域、23…上部クラッド層、24…コンタクト層、25…絶縁層、26…マスク、31…上部電極、32…下部電極、41,42…保護膜、S1…前端面(出射側端面)、S2…後端面

Claims (6)

  1. 突条部を有し、前記突条部の延在方向の両端の一方からレーザ光を射出するレーザ構造部と、
    前記レーザ構造部の端面のうち少なくとも出射側端面の前記突条部の両側に設けられた凹部と、
    前記凹部を有する端面に設けられた保護膜と
    を備えた半導体レーザ。
  2. 前記保護膜は、前記凹部を除く前記端面の表面に接して設けられている、請求項1に記載の半導体レーザ。
  3. 前記凹部は前記突条部の延在方向に平行に凹み、その横断面形状が矩形、三角形、半円または半楕円である、請求項1または2に記載の半導体レーザ。
  4. 前記凹部は、前記レーザ光の遠視野像を逆フーリエ変換して求められた光強度分布(位相分布)の端よりも外側に形成されている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体レーザ。
  5. 前記凹部は、前記突条部の底部の端より少なくとも1.5μm以上離れた位置に形成されている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体レーザ。
  6. 前記保護膜は、酸化アルミニウム(Al23),酸化ケイ素(SiO2),酸化チタン(TiO2),酸化タンタル(Ta25),酸化ジルコニア(ZrO2),酸化ハフニウム(HfO2),窒化アルミニウム(AlN),窒化ケイ素(Si34),窒化ホウ素(BN)または酸化イットリウム(Y25)のうちの少なくとも1種よりなる、請求項1に記載の半導体レーザ。
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