JP2011225191A - ラックピニオン式舵取装置 - Google Patents

ラックピニオン式舵取装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011225191A
JP2011225191A JP2010099507A JP2010099507A JP2011225191A JP 2011225191 A JP2011225191 A JP 2011225191A JP 2010099507 A JP2010099507 A JP 2010099507A JP 2010099507 A JP2010099507 A JP 2010099507A JP 2011225191 A JP2011225191 A JP 2011225191A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rack
rack shaft
shaft
roller
pinion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010099507A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiro Watanabe
和宏 渡邉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JTEKT Corp
Original Assignee
JTEKT Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JTEKT Corp filed Critical JTEKT Corp
Priority to JP2010099507A priority Critical patent/JP2011225191A/ja
Publication of JP2011225191A publication Critical patent/JP2011225191A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Transmission Devices (AREA)

Abstract

【課題】ラック軸にかかる様様な力をラックガイドで受け止めることができるラックピニオン式舵取装置を提供することを目的とする。
【解決手段】ギヤハウジング20内でラック軸12とピニオンシャフト24を噛合させ、この噛合方向にラックガイド31を前記ギヤハウジング20に摺動可能に案内し、このラックガイド31にラック軸12を背後から押し付けるローラ38を回転可能に軸支し、ローラ38を挟んだ両側でラック軸12の背後に摺動可能に当接する摺動部40、41を前記ラックガイド31に設け、ラックガイド31をバネ34によってラック軸12へ付勢するようにしたラックピニオン式舵取装置において、
前記ローラ38に断面円弧状の凹み38aを全周に渡って形成し、この凹み38aに係合する断面円弧状の突起12dを前記ラック軸12に形成した。
【選択図】図2

Description

本発明は、ラック軸とピニオンシャフトを使って車輪の向きを変えるようにしたラックピニオン式舵取装置に関する。
従来のラックピニオン式舵取装置として、特許文献1に開示されたものがある。
図5に示すラックピニオン式ステアリング装置100は、ハンドル操舵により回転するピニオンシャフト101と、このピニオンシャフト101に噛み合うラック軸102と、ピニオンシャフト101とラック軸102を覆うギヤハウジング103と、このギヤハウジング103に前記噛合い方向に摺動可能に案内されるラックガイド104と、このラックガイド104に回転可能に軸支されラック軸102を背後から押し付けるローラ105と、ローラ105を挟んだ両側でラックガイド104に設けられラック軸102の背後に摺動可能に当接する摺動部106と、ギヤハウジング103に螺着される蓋107と、ラックガイド104と蓋107間に介挿され、ラックガイド104をラック軸102に押付けるバネ108とを備えている。
前記摺動部106とラック軸102間には、通常隙間が存在する。前記ローラ105はギヤハウジング103に固定されたピン109と軸受メタル110を介して回転可能にかつ軸方向に移動可能に軸支される。前記ピニオンシャフト101は、軸受111を介してギヤハウジング103に回転可能に軸支される。
前記ラック軸102には、ピニオンシャフト101、車輪から様様な力が作用する。これらの力は、互いに直交する3方向の軸力、2つの傾動力、1つの回転力に分解できる。互いに直交する3方向の軸力は、ラック軸102の軸線方向の軸力と、この軸線に対して直交する2方向の軸力がある。傾動力はラック軸102の軸線を含む平面内でラック軸102を傾ける力であり、互いに直交する2平面内にそれぞれ傾動力がある。回転力はラック軸102の軸線回りにラック軸102を回転させる力である。
ラック軸102の軸線に対して直交する方向の軸力、すなわちローラ105の回転軸線と平行な方向の軸力がラック軸102に作用すると、ローラ105が軸受メタル110上を滑って一対の摺動部106のうち、片方がラック軸102に摺動可能に当接する。
このラックピニオン式舵取装置は、主にローラ105でラック軸102を支え、補助的に摺動部106でラック軸102を支えるタイプである。ローラ105はラック軸102ところがり接触するため、ラック軸102の軸動抵抗を減らせる分だけバネ108のバネ荷重を大きくでき、ラック軸102とピニオンシャフト101の歯同士の干渉音を減らせる。また補助的に摺動部106で支えるため、ローラ105の回転軸線と平行な方向の軸力に耐えられる。
実開平5−80957公報
前記ラック軸102は、断面が円形でラック側を平坦に切り欠いたD形タイプである。ラック軸102の軸線回りの回転力に対し、ラック軸102はローラ105、摺動部106に対して滑ってしまう。ラック軸102とピニオンシャフト101の歯同士が、ラック軸102の軸線回りの回転方向に干渉し、音が発生する問題があった。
ラックガイド104の摺動方向と直交する平面内での傾動力に対し、ローラ105は軸受メタル110上を軸方向に移動するため、ローラ105で受け止めることが出来ない。摺動部106で受け止めるため、ラック軸102の軸方向移動の抵抗が大きくなる問題があった。
D形タイプのラック軸は、ラックのピッチが一定のコンスタントラックが一般的に使用されている。中立位置からストロークエンドに向かって、ラックのピッチが増え、ストロークエンド近くでラックのピッチが減るダブルバリアブルラックを、D形タイプのラック軸に適用した場合、ラックの断面係数が不足することが分かった。即ち、ラック軸とピニオンシャフトの噛合い点を支点とし、ラック軸の端にかかるモーメント荷重に対するラック軸の剛性が不足することが分かった。
請求項1に記載の発明は、ギヤハウジング内でラック軸とピニオンシャフトを噛合させ、この噛合方向にラックガイドを前記ギヤハウジングに摺動可能に案内し、このラックガイドにラック軸を背後から押し付けるローラを回転可能に軸支し、ローラの回転軸線方向においてローラの両側でラック軸の背後に摺動可能に当接する摺動部を前記ラックガイドに設け、ラックガイドをバネによってラック軸へ付勢するようにしたラックピニオン式舵取装置において、前記ローラに凹みを全周に渡って形成し、この凹みに係合する突起を前記ラック軸に形成したものである。
この構成によれば、ローラはラック軸ところがり接触するため、ラック軸の軸方向移動の抵抗を減らせる分だけバネのバネ荷重を大きくでき、ラック軸とピニオンシャフトの歯同士の干渉音を減らせる。また摺動部でラック軸を支持することができるため、ラック軸にかかる様様な力に対応できる。さらにラック軸の軸線回りの回転力に対し、ローラで受け止めることができ、ラック軸とピニオンシャフトの歯同士の干渉音を減らせる。また、突起を設けた分だけ、ラック軸の断面係数が増え、ラック軸にかかるモーメント荷重に耐えられる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のラックピニオン式舵取装置において、ローラの凹みは断面円弧状であり、突起は凹みに係合するように断面円弧状に形成したものである。
この構成によれば、ラック軸がこの軸線回りに傾いても、ローラと突起の当りがソフトに変化するため、ローラと突起に与えるダメージが少ない。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のラックピニオン式舵取装置において、前記突起を1つの第1の中心回りに1つの第1の径で円弧状に形成し、前記凹みを前記第1の中心を挟んで両側の2つの第2の中心回りに前記第1の径よりも大きい第2の径でそれぞれ円弧状に形成し、突起と凹みが第1の中心を挟んだ両側の2ヶ所で接触するようにしたものである。
この構成によれば、ラック軸がこの軸線回りに傾いても、ローラと突起の当りがよりソフトに変化するため、ローラと突起に与えるダメージがより少ない。
請求項4に記載の発明は、請求項1、2、3に記載のラックピニオン式舵取装置において、ラック軸は、断面Y字形のY形ラック軸である。
この構成によれば、ラック軸の断面係数が大きいため、ラック軸にかかるモーメント荷重に耐えることが出来る。ラックとして、中立位置からストロークエンドに向かって、ラックのピッチが増え、ストロークエンド近くでラックのピッチが減るダブルバリアブルラックを採用することが出来、操舵感が向上する。
請求項5に記載の発明は、請求項1、2、3、4に記載のラックピニオン式舵取装置において、摺動部は、ラックガイドのラック軸側に取付けられるシート状のラック軸用シートである。
この構成によれば、ラック軸用シートをラックガイドとは別材質にすることができ、低摩擦係数の材質を使用した場合、ラック軸用シートとラック軸間の摺動抵抗を下げることが出来る。
請求項6に記載の発明は、請求項1、2、3、4に記載のラックピニオン式舵取装置において、摺動部は、ラックガイドのラック軸側に取付けられる棒状のラック軸用棒状部材である。
この構成によれば、ラック軸用棒状部材をラックガイドとは別材質にすることができ、低摩擦係数の材質を使用した場合、ラック軸用棒状部材とラック軸間の摺動抵抗を下げることが出来る。棒状であるので、ラック軸用棒状部材をラック軸用シートに較べて安く作ることが出来る。
本発明によれば、ローラはラック軸ところがり接触するため、ラック軸の軸方向移動の抵抗を減らせる分だけバネのバネ荷重を大きくでき、ラック軸とピニオンシャフトの歯同士の干渉音を減らせる。また摺動部でラック軸を支持することができるため、ラック軸にかかる様様な力に対応できる。さらにラック軸の軸線回りの回転力に対し、ローラで受け止めることができ、ラック軸とピニオンシャフトの歯同士の干渉音を減らせるメリットがある。またさらに、突起を設けた分だけ、ラック軸の断面係数が上がり、ラック軸にかかるモーメント荷重に耐えられ、ラックとしてダブルバリアブルラックが適用できるメリットがある。
本発明の実施形態におけるラックピニオン舵取装置の全体構成図である。 本発明の実施形態における図1のA−A線断面図である。 本発明の実施形態における図2のラックガイド部分の拡大図である。 本発明の他の実施形態における図2相当の断面図である。 従来の舵取装置の断面図である。
本発明の一実施形態について、図1乃至図3を参酌しつつ説明する。図1はラックピニオン式舵取装置の全体構成図であり、図2は図1のA−A線断面図であり、図3は図2のラックガイド部分の拡大図である。
略円筒状のラックハウジング10には挿通穴11が貫通しており、この挿通穴11にラック軸12が挿通されている。ラック軸12の両端にボールジョイント13の一端が連結され、ボールジョイント13の他端には図略の車輪がそれぞれ連結され、ラック軸11の軸方向の移動によって車輪の向きが変えられるようになっている。ラックハウジング10の図1の右端において、挿通穴11にラック軸用ブッシュ14が挿入され、さらに挿通穴11にストッパ15が圧入されている。ラック軸用ブッシュ14の一端には、半径方向に突出したフランジ部14aが形成されており、このフランジ部14aが挿通穴11の段部11aとストッパ15で挟み込まれることによって、ラック軸用ブッシュ14は挿通穴11に固定される。
ラックハウジング10の図1の左端において、これと交差する方向にギヤハウジング20が一体形成され、このギヤハウジング20に図2に示すようにシャフト挿入穴21が形成されている。シャフト挿入穴21に一対の軸受22、23が設置され、これらの軸受22、23にピニオンシャフト24が回転可能に軸支されている。ピニオンシャフト24にピニオン24aが形成され、このピニオン24aにラック軸12のラック12aが噛合している。ピニオンシャフト24には、軸受23の両側にフランジ部24bとリング溝24cが形成され、リング溝24cにリング25が嵌め込まれている。リング25とフランジ部24bによって、ピニオンシャフト24は軸受22に対し、ピニオンシャフト24の軸方向に移動不能に係止される。シャフト挿入穴21の開口側にはめねじ部21aが形成され、このめねじ部21aに留め金26が螺着されている。シャフト挿入穴21のピニオンシャフト24のフランジ部24bに対応する位置に段部21bが形成され、この段部21bと留め金26で軸受22を挟み込むことによって、軸受22はシャフト挿入穴21に軸方向に移動不能に係止される。シャフト挿入穴21の開口側の一端には、オイルシール27が圧入され、オイルシール27の内周のリップ部27aがピニオンシャフト24に摺動可能に当接している。
ギヤハウジング20にはシャフト挿入穴21と交差する方向、即ち図2の左右方向にガイド穴30が形成され、このガイド穴30にラックガイド31が摺動可能に案内されている。ガイド穴30は円筒状の穴で、一端がギヤハウジング20の外に開口し、他端がシャフト挿入穴21に開口する。ガイド穴30はラック軸12よりも大径の穴であり、ガイド穴30のギヤハウジング20の外に開口する側の一端にはめねじ部30aが形成され、このめねじ部30aに蓋32が螺着されている。
蓋32の外周にはめねじ30aに噛合するおねじ部32aが形成され、このおねじ部32aにロックナット33が噛合している。ロックナット33がギヤハウジング20の端面に当った状態でこれをさらに締め付けることによって、蓋32の緩みを防止している。蓋32とラックガイド31間には複数の皿バネ34が積み重ねられた状態で介挿され、皿バネ34が半径方向に移動しないように、皿バネ34はラックガイド31の蓋32側の端面に形成された円環部31aに遊嵌されている。
円環部31aに対してピニオンシャフト24側でラックガイド31にリング溝31bが形成され、このリング溝31bにOリング35が嵌め込まれている。リング溝31bに対してピニオンシャフト24側でラックガイド31にピニオンシャフト24と平行にピン穴31cが形成され、このピン穴31cにピン36が圧入されている。ラックガイド31の中心にはピン穴31cからピニオンシャフト24側に開口するローラ挿入穴31dが形成され、ローラ挿入穴31dはラックガイド31の摺動方向と直交する断面形状が四角形状になるように形成されている。
ピン36にはローラ挿入穴31dに対応する位置で2つのローラ用ブッシュ37が嵌め込まれ、2つのローラ用ブッシュ37にローラ38が嵌め込まれている。各ローラ用ブッシュ37の一端には半径方向に突出したフランジ部37aが形成され、各フランジ部37aはローラ挿入穴31dの壁に当接している。
2つのフランジ部37aでローラ38を挟み込むことによって、ローラ38の軸方向の移動を阻止している。つまり、ローラ38はローラブッシュ37によって軸方向の移動を阻止されながら、回転のみ許容される。2つのローラ用ブッシュ37に対しローラ38が回転できるように、ローラ用ブッシュ37とローラ38間には、ラジアル方向とスラスト方向にごくわずかな隙間が存在する。ローラ挿入穴31dのピニオンシャフト24側には、断面ハの字形状に傾斜した傾斜面31e、31fが形成され、各傾斜面31e、31fはラックガイド31の軸線を中心に図3の上下対称に形成されている。各傾斜面31e、31fにはラック軸用シート40、41がそれぞれ固着され、各ラック軸用シート40、41はラック軸12の背面側に形成した一対の傾斜面12b、12cに摺動可能に当接している。一対の傾斜面12b、12c間でラック軸12にローラ38側へ突出した突起12dが形成され、この突起12dでラック軸12はローラ38に転動可能に支持されている。
この場合、前記ラック軸用シート40、41が、ラックガイド31に設けられた摺動部に該当する。ラック軸12に余り力がかかっていない状態において、ラック軸用シート40、41とラック軸12の傾斜面12b、12c間には、ごく僅かな隙間が存在するか、ラック軸用シート40、41に対しラック軸12の傾斜面12b、12cが軽く触れている。
ピニオンシャフト24の先には、図略のハンドルにかけて、図略のステアリングコラムが設置され、このステアリングコラムの部分にパワーアシストする電動モータと、電動モータの回転を減速する減速機が設置されている。すなわち、コラム電動モータ式動力舵取装置に本実施形態を適用した。
続いて、突起12dの形状、ローラ38の形状について、図3を使って説明する。突起12dは第1の中心O1回りに第1の半径R1で断面円弧状に形成されている。この第1の中心O1に対し、蓋32と反対側へmだけ、図3の上下にL/2だけずれた位置に第2の中心O2、O3がある。第1の中心O1を通る中心線nが、図3の左右方向に伸びており、この中心線nはラックガイド31の中心線でもある。ローラ38には、中心線nを挟んで上下に別々の円弧を持つ凹み38aが形成されている。即ち、中心線nより上側の第2の中心O2回りに第2の半径R2でローラ38の中心線nより下側に断面円弧状に形成され、中心線nより下側の第2の中心O3回りに第2の半径R2でローラ38の中心線nより上側に断面円弧状に形成され、2つの円弧によって、ローラ38の外周に環状の凹み38aが形成される。第2の半径R2は、第1の半径R1よりも若干大きい。このため、中心線nに対し第1の中心O1回りに上下角度Fだけずれた位置S1、S2で凹み38aと突起12cが当接する。ラック12aとピニオン24aの噛合いの作用点をO4とすると、作用点O4、第1の中心O1を通る中心線nに対し作用点O4回りに上下角度Gだけずれた位置S1、S2で、凹み38aと突起12dが当接する。ローラ38の回転軸線に対する傾斜面12b、12cの傾きは、ローラ38の位置S1、S2の傾きに比べて若干小さい。
前記傾斜面12b、12cと突起12dは、ラック軸用シート40、41あるいはローラ38に当接する範囲だけ、図1にも示すようにラック軸12の軸線方向に所定の長さに渡って形成されている。図2に示すように、ラック軸12はこの断面形状がY字形と似ていることからY形ラック軸と呼ばれている。図1において、ラック軸12の右側は、ラック軸用ブッシュ14に挿通できるように、軸線P回りに断面円形に形成されている。
ラック12aとして、中立位置からストロークエンドに向かって、ラックのピッチが増え、ストロークエンド近くでラックのピッチが減るダブルバリアブルラックを適用した。ハンドルを切るに従ってハンドルが重くなるとともに車輪に向きを大きく変えることができる操舵感が得られる。ストロークエンドではハンドルが軽くなる操舵感が得られる。
ローラ38は鉄の材質で主に作られており、切削と研磨によって凹み38aは所定の寸法に加工される。摩耗を防ぐために、凹み38aに焼入れ処理がなされる。ラック軸12は鉄の材質で主に作られており、ラック12aは鍛造によって形成され、切削と研磨によって突起12dと傾斜面12b、12cが所定の寸法に加工される。摩耗を防ぐために、突起12dと傾斜面12b、12cに焼入れ処理がなされる。ラック軸用シート40、41はPTFEベースの樹脂で主に作られている。PTFEを使用しているため、ラック軸用シート40、41の摩擦係数は非常に小さい。
次に、以上説明した構成に基づいて全体の動作を説明する。
図略のハンドルを操作すると、ピニオンシャフト24が回転し、ラック軸12の軸方向の移動に変換され、図略の車輪の向きが変わる。ラック軸12は、図1においてラックハウジング10の右側でラック軸用ブッシュ14に軸方向移動可能に支持され、図1においてラックハウジング10の左側でローラ38あるいはラック軸用シート40、41とピニオンシャフト24とで挟み込まれた状態で軸方向移動可能に支持される。すなわち、ラック軸12はローラ38で転がり支持されるか、ラック軸用シート40、41ですべり支持されるか、あるいはローラ38とラック軸用シート40、41の両方で支持されるかのどちらかである。ラックガイド31は、ラック12aとピニオン24aの噛合い方向にガイド穴30に摺動可能に支持され、皿バネ34によってローラ38と突起12dが当接する方向あるいはラック軸用シート40、41と傾斜面12b、12cが当接する方向に押付けられる。
ラック軸12には、ピニオンシャフト24との噛合い反力が作用するとともに図略の車輪から様様な力が作用する。車輪からの力として車輪の向きを変える力、車輪の上下動の力などがある。ラック軸12にかかる力は、互いに直交する3方向の軸力、2つの傾動力、1つの回転力に分解できる。互いに直交する3方向の軸力は、ラック軸12の軸線方向の軸力と、この軸線に対して直交する2方向の軸力がある。傾動力はラック軸12の軸線を含む平面内でラック軸12を傾ける力であり、互いに直交する2平面内にそれぞれ傾動力がある。回転力はラック軸12の軸線P回りにラック軸12を回転させる力である。
図2の上下方向の軸力、左右方向の軸力は、ローラ38とラック軸用シート40、41とで受け止めることができる。ラック軸12の軸線P回りの回転力は、ローラ38とラック軸用シート40、41とで受け止めることができる。図2の上下方向の軸線に対し直角な平面内の傾動力、ピニオンシャフト24の回転軸線に対し直角な平面内の傾動力は、ローラ38とラック軸用シート40、41とで受け止めることができる。
基本的には、ローラ38と突起12dは、2点当りである。ラック軸用シート40、41は、主に樹脂からなっているため、変形しやすく、面当りである。力が小さいときは、ローラ38と突起12dで受け止め、力が大きくなったときは、ラック軸用シート40、41で主に力を受け止める。傾動力によってラック軸12の傾きが小さいうちは、ローラ38で転がり支持されるか、あるいはローラ38とラック軸用シート40、41の両方で支持されるかのどちらかである。ラック軸12の傾きが大きくなると、ラック軸用シート40、41で滑り支持される。
軸線P回りの回転力が小さいうちは、ローラ38と突起12dで受け止めることができる。軸線P回りの回転力が大きいため軸線P回りにラック軸12が例えば右回りに回転すると、ラックガイド31は上方へ変位し、位置S2よりも外側で凹み38aと突起12dが当接する。しかも、突起12dでラック軸用シート41の内側を圧縮しながら、傾斜面12bでラック軸用シート40の外側を圧縮する。
このように、上述した実施形態のラックピニオン式舵取装置は、ラック軸12にかかる力によって、ローラ38で受け止めたり、ラック軸用シート40で受け止めたり、ローラ38とラック軸用シート40の両方で受け止めたりすることができる。ローラ38はラック軸12ところがり接触するため、ラック軸12の軸方向移動の抵抗を減らせる分だけ皿バネ34のバネ荷重を大きくでき、ラック軸12とピニオンシャフト24の歯同士の干渉音を減らせるメリットがある。ラック軸12の軸方向移動の抵抗が下がった分だけ、運転者が入力するハンドルトルクを下げることができ、操舵感がアップするメリットがある。ラック軸12に突起12dを設けた分だけ、ラックの断面係数がアップし、ラック12aとしてダブルバリアブルラックが適用できる。ラック12aとして、中立位置からストロークエンドに向かって、ラックのピッチが増え、ストロークエンド近くでラックのピッチが減るダブルバリアブルラックを適用すると、ハンドルを切るに従ってハンドルが重くなるとともに車輪に向きを大きく変えることができる操舵感が得られる。ストロークエンドではハンドルが軽くなる操舵感が得られる。ダブルバリアブルラックを適用すると、ラックの圧力角が大きいところでラックとピニオンが噛合することもあり、ラックの傾き角が大きいところでラックとピニオンが噛合することもあるため、このときに限って、図2の左右方向と上下方向に大きな噛合い反力が発生する。これらの反力がラック軸12の軸線回りのモーメントとして、ローラ38に作用した場合、突起12dを設けた分だけモーメント長さが長くなり、ラック軸12の軸線回りの回転モーメントをローラ38でしっかりと受け止めることができる。
本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
上述した実施形態は、コラム電動モータ式動力舵取装置に適用したが、ラックハウジングに油圧シリンダも設け、この油圧シリンダでパワーアシストする油圧式動力舵取装置にも適用できる。ステアリングコラムに電動モータ、減速機を用いないマニュアル式にも適用できる。
また、上述した実施形態は、ローラ38に断面円弧状の凹み38aを形成したが、ローラ38に断面コの字状の凹みを形成しても良い。この場合、突起12cは断面コの字状に形成する。
さらに、上述した実施形態は、ラックガイド31をラック軸12に押付けるバネ34として、皿バネを使用したが、コイルバネでも良い。
またさらに、上述した実施形態は、ローラブッシュ37によってローラ38を軸方向移動不能にかつ回転可能に軸支したが、ニードル軸受によってローラを軸方向移動不能にかつ回転可能に軸支しても良い。この場合、ラジアル支持するニードル軸受と、スラスト支持するニードル軸受をそれぞれ用意する。
上述した実施形態として、ラック12dはダブルバリアブルラックを適用したが、中立位置からストロークエンドに向かって、ラックのピッチが増えるバリアブルラックを適用しても良い。また、ラックのピッチが一定のコンスタンスラックを適用しても良い。
また、上述した実施形態は、摺動部としてシート状のラック軸用シート40、41を使用した例について述べたが、図4に示すように、棒状のラック軸用棒状部材50、51であっても良い。この場合、傾斜面31e、31fと直角に取付け穴31g、31hを穿孔し、取付け穴31g、31hにラック軸用棒状部材50、51を圧入する。ラック軸用棒状部材50、51はPTFEベースの樹脂で主に作られ、PTFEを使用しているためラック軸用棒状部材50、51の摩擦係数は非常に小さい。棒状であるため、取付け穴31g、31hにラック軸用棒状部材50、51を圧入するだけで、ラック軸用棒状部材50、5をラックガイド31に簡単に取付けることが出来る。前記ラック軸用棒状部材50、51が、ラックガイド31に設けられた摺動部に該当する。ラック軸12に余り力がかかっていない状態において、ラック軸用棒状部材50、51とラック軸12の傾斜面12b、12c間には、ごく僅かな隙間が存在するか、ラック軸用棒状部材50、51に対しラック軸12の傾斜面12b、12cが軽く触れている。
12:ラック軸、12a:ラック、12b:傾斜面、12c:傾斜面、12d:突起、20:ギヤハウジング、24:ピニオンシャフト、24a:ピニオン、30:ガイド穴、31:ラックガイド、32:蓋、34:皿バネ、38:ローラ、38a:凹み、40:ラック軸用シート、41:ラック軸用シート、50:ラック軸用棒状部材、51:ラック軸用棒状部材

Claims (6)

  1. ギヤハウジング内でラック軸とピニオンシャフトを噛合させ、この噛合方向にラックガイドを前記ギヤハウジングに摺動可能に案内し、このラックガイドにラック軸を背後から押し付けるローラを回転可能に軸支し、ローラの回転軸線方向においてローラの両側でラック軸の背後に摺動可能に当接する摺動部を前記ラックガイドに設け、ラックガイドをバネによってラック軸へ付勢するようにしたラックピニオン式舵取装置において、
    前記ローラに凹みを全周に渡って形成し、この凹みに係合する突起を前記ラック軸に形成したことを特徴とするラックピニオン式舵取装置。
  2. 請求項1に記載のラックピニオン式舵取装置において、
    ローラの凹みは断面円弧状であり、突起は凹みに係合するように断面円弧状に形成したことを特徴とするラックピニオン式舵取装置。
  3. 請求項2に記載のラックピニオン式舵取装置において、
    前記突起を1つの第1の中心回りに1つの第1の径で円弧状に形成し、前記凹みを前記第1の中心を挟んで両側の2つの第2の中心回りに前記第1の径よりも大きい第2の径でそれぞれ円弧状に形成し、突起と凹みが第1の中心を挟んだ両側の2ヶ所で接触するようにしたことを特徴とするラックピニオン式舵取装置。
  4. 請求項1、2、3に記載のラックピニオン式舵取装置において、
    ラック軸は、断面Y字形のY形ラック軸であることを特徴とするラックピニオン式舵取装置。
  5. 請求項1、2、3、4に記載のラックピニオン式舵取装置において、
    前記摺動部は、ラックガイドのラック軸側に取付けられるシート状のラック軸用シートであることを特徴とするラックピニオン式舵取装置。
  6. 請求項1、2、3、4に記載のラックピニオン式舵取装置において、
    前記摺動部は、ラックガイドのラック軸側に取付けられる棒状のラック軸用棒状部材であることを特徴とするラックピニオン式舵取装置。
JP2010099507A 2010-04-23 2010-04-23 ラックピニオン式舵取装置 Pending JP2011225191A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010099507A JP2011225191A (ja) 2010-04-23 2010-04-23 ラックピニオン式舵取装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010099507A JP2011225191A (ja) 2010-04-23 2010-04-23 ラックピニオン式舵取装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011225191A true JP2011225191A (ja) 2011-11-10

Family

ID=45041110

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010099507A Pending JP2011225191A (ja) 2010-04-23 2010-04-23 ラックピニオン式舵取装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011225191A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102892663A (zh) * 2011-05-13 2013-01-23 日本精工株式会社 齿轮齿条式转向器单元
CN103237711A (zh) * 2011-12-05 2013-08-07 日本精工株式会社 转向装置

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5618269U (ja) * 1979-07-20 1981-02-18
JPS5662280U (ja) * 1979-10-20 1981-05-26
JPS5691165U (ja) * 1979-12-17 1981-07-21
JPS59206258A (ja) * 1983-05-06 1984-11-22 Jidosha Kiki Co Ltd ラツクピニオン型ステアリング装置
JPS6189169A (ja) * 1984-10-06 1986-05-07 Tokai T R W Kk ラツク・ピニオンステアリング機構
JPH0181373U (ja) * 1987-11-24 1989-05-31
JP2004034829A (ja) * 2002-07-03 2004-02-05 Nsk Ltd ステアリング装置及びラック軸の製造方法
JP2004075000A (ja) * 2002-08-22 2004-03-11 Nsk Ltd ステアリング装置
JP2006231934A (ja) * 2005-02-22 2006-09-07 Hitachi Ltd ラックピニオン式ステアリング装置
JP2006240464A (ja) * 2005-03-03 2006-09-14 Hitachi Ltd ラックピニオン式ステアリング装置

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5618269U (ja) * 1979-07-20 1981-02-18
JPS5662280U (ja) * 1979-10-20 1981-05-26
JPS5691165U (ja) * 1979-12-17 1981-07-21
JPS59206258A (ja) * 1983-05-06 1984-11-22 Jidosha Kiki Co Ltd ラツクピニオン型ステアリング装置
JPS6189169A (ja) * 1984-10-06 1986-05-07 Tokai T R W Kk ラツク・ピニオンステアリング機構
JPH0181373U (ja) * 1987-11-24 1989-05-31
JP2004034829A (ja) * 2002-07-03 2004-02-05 Nsk Ltd ステアリング装置及びラック軸の製造方法
JP2004075000A (ja) * 2002-08-22 2004-03-11 Nsk Ltd ステアリング装置
JP2006231934A (ja) * 2005-02-22 2006-09-07 Hitachi Ltd ラックピニオン式ステアリング装置
JP2006240464A (ja) * 2005-03-03 2006-09-14 Hitachi Ltd ラックピニオン式ステアリング装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102892663A (zh) * 2011-05-13 2013-01-23 日本精工株式会社 齿轮齿条式转向器单元
CN103237711A (zh) * 2011-12-05 2013-08-07 日本精工株式会社 转向装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5218831B2 (ja) ラック軸支持装置および車両用操舵装置
JP5914031B2 (ja) 電動リニアアクチュエータ
US10427707B2 (en) Dual-pinion electric power steering device
CN104024695B (zh) 线性电动致动器
CN102892663B (zh) 齿轮齿条式转向器单元
KR20150013470A (ko) 전동 파워 스티어링 장치
CN101482160B (zh) 环面包络无间隙蜗轮蜗杆减速装置
JP5062465B2 (ja) ステアリング装置
JP5125568B2 (ja) ラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニット
JP2005254880A (ja) ラックピニオン式ステアリング装置用のラックガイド
JP2012245810A (ja) ラック軸支持装置および車両用操舵装置
US8826763B2 (en) Off-centred pusher device for steering an automobile
JP2011225191A (ja) ラックピニオン式舵取装置
CN101201099B (zh) 一种蜗轮蜗杆脱开复位机构
JP2010254238A (ja) ラック軸支持装置および車両用操舵装置
JPWO2008069172A1 (ja) ボールねじを用いたステアリング装置
CN110382915B (zh) 齿条引导件以及齿轮机构
JP2013086528A (ja) ラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置
JP2012106650A (ja) ラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニット
JP2004001679A (ja) 電動式パワーステアリング装置
JP2015107683A (ja) ラックシャフト支持装置およびこの装置を備えるステアリング装置
JP5392559B2 (ja) ラック軸支持装置
JP5416369B2 (ja) 操舵装置
JP2015045393A (ja) テーパスナップリング
US20240175489A1 (en) Worm reducer

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130320

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131024

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131126

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140113

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140701