JP2008507504A - 溶解遅延形態の薬物及び/又は溶解増進形態のシクロデキストリンを含む味マスキング製剤 - Google Patents

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Abstract

不快な味の薬物及びシクロデキストリンの医薬組成物の改善した味マスキングは、薬物及びシクロデキストリンの混合物を形成することによって達成され、ここで、薬物の溶解速度は遅延され、又はシクロデキストリンの溶解速度が増加され、又はその両方である。

Description

本発明は、不快な味がする薬物について味マスキングを提供するシクロデキストリンを含む医薬組成物に関する。
シクロデキストリンは、アルファ−(1,4)リンケージで連結した環状のマルチシクロピラノースユニットである。最も広く知られているシクロデキストリンは、アルファ、ベータ及びガンマ−シクロデキストリンである。これらのシクロデキストリンの誘導体はまた、製薬分野で知られ、使用されている。シクロデキストリンの環状の性質、それらの空洞の疎水的特性、並びにそれらの外側表面の親水的な特徴は、シクロデキストリンと他の化学薬品との相互作用を可能にし、封入化合物を生産することを可能にする。
薬物の封入化合物を調製するためのシクロデキストリン及びそれらの誘導体の使用に関する無数の見解及び特許は、例えば、D.Duchene、「シクロデキストリン及びそれらの産業上の使用(Cyclodextrins and their Industrial Uses)」、Editions de Sante、Paris、1987年、第6章(211−257)、第8章(297−350)、第10章(393−439);D.Ducheneら、Acta Pharma Technol.36(1)6,1−6,1990年;D.Ducheneら、Drug Dev.Ind.Pharm.,16(17),2487−2499,1990年;C.Hunterら,欧州特許公開EP0346006号、1988年12月の文献に見られる。
水溶性、それ故、難溶性の薬物の生物学的利用能を具体的に改善するために調製される封入複合体は、D.D.Chowら,Int.J.Pharm.,28,95−101,1986年;F.A.Menardら,Drug Dev.Ind.Pharm.,14(11),1529−1547,1988年;F.J.Otera−Espinarら,Int.J.Pharm.,75,37−44,1991年;及び、Berand M.Markarianら,欧州特許公開EP0274444号、1988年7月のような研究者によって報告されている。水に不溶性の薬物の溶解性をさらに改善する誘導体を調製するためにシクロデキストリンの化学修飾は、例えば、J.Pitha,米国特許第4,727,064号、1988年2月;N.S.Bodor,米国特許第5,024,998、1991年7月に記載されている。
シクロデキストリンはまた、不快な味の薬物を味マスクするために使用されている。シクロデキストリンは、複合体を形成していない薬物と味蕾との接触を制限し又は低減する水性環境中で薬物と複合体を形成する;しばしば、これらの複合体は、複合体を形成しない薬物と比べて改善された味を有する。
それにもかかわらず、シクロデキストリンを用いた味マスキングは、いつも成功しているとは限らない。ある不快な味の薬物については、シクロデキストリンと薬物とのブレンドは、十分な味マスキングを提供しない。例えば、セチリジンとベータ−シクロデキストリンのブレンドは、依然として、ほとんど即座に味がするセチリジンの苦味の原因となる。
Fanarra(US2002/0032217A1)は、薬物:シクロデキストリン複合体を予備形成させ、その後、この予備形成した複合体を剤形に取り込むことを開示する。Fanarraは、薬物:シクロデキストリン複合体の予備形成により苦味を低減したセチリジン及びベータ−シクロデキストリンの溶液を形成することを開示する。しかしながら、このアプローチの固有の不利な点は、予備形成した薬物:シクロデキストリン複合体の剤形への取り込みが、この複合体を調製し、単離し、及び精製することを必要とすることである。
したがって、薬物:シクロデキストリン複合体の予備形成を必要とせず、そして、シクロデキストリンと薬物の物理的混合物の不利な点を克服する不快な味の薬物を味マスキングする効果的な方法が依然として必要とされる。
発明の簡単な概要
第一の側面において、医薬組成物は、固体形態の不快な味の薬物と固体形態のシクロデキストリンとの物理的混合物を含み、該薬物は溶解遅延形態である。「物理的混合」は、組成物中の薬物とシクロデキストリンとの間で錯体形成が実質的に起こらないもの意味する。
第二の側面において、医薬組成物は、固体形態の不快な味の薬物と固体形態のシクロデキストリンとの物理的混合物を含み、該シクロデキストリンは溶解増進形態である。
第三の側面において、医薬組成物は、固体形態の不快な味の薬物と固体状態のシクロデキストリンとの物理的混合物を含み、該薬物は溶解遅延形態であり、そして、該シクロデキストリンは溶解増進形態である。
本発明は、広範な種類の薬物に対して味マスキングを提供するためにシクロデキストリンを使用可能にすることによって、先行技術の不利な点を克服する。本発明者らは、味マスキングを提供するためにシクロデキストリンを使用する場合の問題が、ある薬物に対するものであり、その薬物は、非常に急速に口内で溶解してしまい、シクロデキストリン複合体が形成する前に薬物を味わうことを見出した。これは、複合体が形成されるにつれて徐々に静まった初期の不快な味の原因となる。
この発見の結果として、シクロデキストリンを用いた薬物の改善された味マスキングは、過剰なモル濃度の溶解したシクロデキストリンが口内の使用環境における溶解した薬物のモル数と比較して維持される場合に起こることが見出された。この過剰なモル濃度の溶液中のシクロデキストリンは、薬物及びシクロデキストリンの溶解速度を操作することによって達成される。より具体的には、味マスキングは、(i)薬物の溶解速度を遅延すること、若しくは(ii)シクロデキストリンの溶解速度を増進すること、又は(iii)(i)及び(ii)の両方のいずれかによって改善されることを見出した。任意の理論によって結び付けられることは望ましくないが、薬物及びシクロデキストリンのそれぞれの溶解速度を変更するようにそれらの形態のこのような操作は、口内(インビボ)の使用環境における薬物とシクロデキストリンとの間の複合体の効果的な所定の位置(in situ)の形成を提供する。好ましくは、投与後の1分間の(1)口内使用環境における溶解したシクロデキストリンのモル濃度と(2)溶解した薬物のモル濃度の比は、少なくとも約1、より好ましくは少なくとも約1.5、さらにより好ましくは少なくとも約2、そして、最も好ましくは少なくとも約3である。この比は、薬物溶解速度を遅延すること、若しくはシクロデキストリン溶解速度を増進すること、又はその両方、本明細書中に開示した方法の1若しくはそれ以上によって維持される。溶解した薬物と比較して溶解したシクロデキストリンの過剰なモル濃度を維持することによって、溶解したシクロデキストリンと溶解した薬物のモル比が小さい場合に得られるものと比較して、口内で溶解した薬物の濃度を制限するように、シクロデキストリンは、溶解した薬物とより効果的に複合体を形成することができる。これは、組成物に不快な味の薬物の優れた味マスキングを提供することを可能にする。
本明細書中で使用されるように、「使用環境」は、動物、例えば哺乳動物、特にヒトの口内空間又はGI管に存在するようなインビボの体液;又は模擬の口緩衝液(MB)若しくは模擬の胃緩衝液(GB)のような試験溶液のインビトロの環境のいずれかを意味する。適切な模擬のMB試験溶液は、10M KOHでpH7.3に調整した0.05M KH2PO4緩衝液である。適切なGB試験溶液は、0.01N HCl及び0.1N HClを含む。使用環境への「投与」は、インビボの使用環境が口又はGI管である場合、組成物を輸送するために口内に組成物を置くこと、摂取、又は他のこのような手段を意味する。使用環境がインビトロである場合、「投与」は、組成物又は組成物を含有する剤形をインビトロの試験媒体に配置又は輸送することを意味する。
本発明の前述の目的及び他の目的、特徴、及び利点は、下記の本発明の詳細な説明の検討により容易に理解されるであろう。
好ましい態様の詳細な説明
味マスキングを提供するために、本発明の医薬組成物は、少なくとも1つの薬物及びシクロデキストリン、又はその両方の溶解速度を制御する。一般的に、溶解した薬物と比較して過剰のモル濃度の溶解したシクロデキストリンが口内の使用環境に存在するように溶解速度が制御されることが好ましい。過剰のモル濃度の溶解したシクロデキストリンは、薬物が溶解するにつれて、薬物:シクロデキストリン複合体を急速に形成することができる。これは、口内の使用環境における溶解した薬物の濃度を制限し、つまり、不快な味の薬物の味マスキングを提供する。薬物及びシクロデキストリンの溶解速度、シクロデキストリン及び薬物の相対量、薬物の溶解速度を遅延する方法、シクロデキストリンの溶解速度を増加する方法、そして、典型的な剤形は、下記により詳細に記載される。
薬物
本発明は、水へのある程度の溶解性を有する任意の不快な味の薬物に応用することができる。本発明は、急速に溶解する不快な味の薬物の場合に特に所望の応用を見出す。「急速な溶解」は、全ての薬物が溶解したとして、溶解した薬物の濃度が薬物の30%の溶解性であるような量で投与される場合、インビトロの模擬の口緩衝溶液中に約1分以内に少なくとも20%が溶解する結晶性形態の薬物を意味する。適したインビトロの模擬の口緩衝溶液は、pH7.3の0.05M KH2PO4である。薬物の溶解速度を遅延することによって、組成物は、薬物が溶解するにつれて、薬物との複合体に溶液中で利用可能であるようにシクロデキストリンが溶解するのに十分な時間を可能にする。つまり、本発明は、薬物が、約1分以内に少なくとも50%が溶解される、又はさらに約1分以内に少なくとも70%が溶解されるようなより急速な溶解速度を有する場合に利用性の増加を見出す。本発明はまた、味の低い閾値を有する薬物;つまり、溶解した薬物の低い濃度で味わえることができる薬物をゆっくりと溶解する場合に有用性を見出す。
本発明で使用することができる典型的な薬物は、限定されずに、末梢神経、アドレナリン作動性受容体、コリン受容体、神経系、骨格筋、心臓血管平滑筋、血液循環系、シナプス部位、神経効果器接合部位、内分泌系及びホルモン系、免疫システム、生殖系、オータコイド系、消化器系及び排泄系、オータコイドの阻害剤及びヒスタミン系に作用する無機及び有機化合物を含む。薬物の好ましい部類は、限定されないが、制酸剤、鎮痛剤、抗狭心症剤、抗不安剤、抗不整脈剤、抗菌剤、抗生物質、抗下痢剤、抗うつ剤、抗てんかん剤、抗真菌剤、抗ヒスタミン剤、高血圧剤、抗炎症剤、抗ウイルス剤、心臓薬、避妊薬、鎮咳薬、細胞毒性薬、充血除去薬、利尿薬、泌尿生殖器障害の薬物、パーキンソン症候群及び関連する障害に使用するための薬物、リウマチ性障害に使用するための薬物、睡眠薬、ミネラル及びビタミン、脂質低下剤、及び性ホルモンを含む。獣医用薬物はまた本発明の使用に適切であり得る。
各々命名された薬物は、薬物の自然な形態及びその医薬として許容される形態を含みことが理解されるべきである。その「医薬として許容される形態」は、任意の医薬として許容される誘導体又は変形体を意味し、立体異性体、立体異性体の混合物、鏡像異性体、溶媒和物、水和物、同形、多形、偽形態、塩形態及びプロドラッグを含む。
不快な味の薬物の具定例は、アセトアミノフェン、アルブテロール、アミノグアニジン塩酸塩、アミノフィリン、アミトプチリン、アモキシシリン三水和物、アンピシリン、ベシル酸アムロジピン、アスピリン、アジスロマイシン、バルビツール、塩化ベルベリン、カフェイン、炭酸カルシウム、パントテン酸カルシウム、セファロスポリン、セチリジン、クロラムフェニコール、クロルジアゼポキシド、クロロキン、クロルフェニラミン、クロルプロマジン、シメチジン、シプロフロキサシン、クラリスロマイシン、コデイン、デメロール、デキストロメトルファン、ジギトキシン、ジゴキシン、塩酸ジルチアゼム、ジフェンヒドラミン、ジフェニルヒダントイン、メシル酸ドキサゾシン、コハク酸ドキシルアミン、エレトリプタン、エノキサシン、エピネフリン、エリスロマイシン、塩酸エチルエフリン(ethylefrine)、エチニジン、ファモチジン、フルコナゾール、グリピジド、グアイフェネシン、イブプロフェン、塩酸インデロキサジン、リドカイン、ロモチル、ロラタジン、ルピチジン、酸化マグネシウム、メクリジン、メタコリン、モルヒネ、ネオスチグミン、ニフェンチジン、ニペロチジン、ニザチジン、オフロキサシン、パラセタモール、ペフロキサシン、ペニシリン、フェノバルビタール、フェノチアジン、フェニルブタゾン、フェニルプロパノールアミン、ピペミド酸、塩酸ピルブテロール、ピロキシカム、プレドニソロン、塩酸プロプラノロール、偽エフェドリン、ピリドンカルボン酸抗菌剤、ラニチジン、ロキサチジン、サリチル酸、塩酸セルタラリン、シルデナフィル、スピロノラクトン、スルバクタム・ナトリウム、スルホンアミド類、スルホチジン、スルピリン、トシル酸スルタミシリン、テニダップ、テルフェナジン、セオフィリン、トリメトプリム、ツバチジン(tuvatidine)、バルデコキブ、ザルチジン、及びゾニサミドを含む。
シクロデキストリン
本発明に有用なシクロデキストリンは、α−、β−及びγ−シクロデキストリン並びにそのアルキル及びヒドロキシアルキル誘導体を含み、β−シクロデキストリン及びβ−シクロデキストリンの誘導体が利用性及び費用の見地から最も好ましい。シクロデキストリンの典型的な誘導体は、モノ−若しくはポリアルキル化β−シクロデキストリン、モノ−若しくはポリヒドロキシアルキル化β−シクロデキストリン、モノ、テトラ若しくはヘプタ−置換β−シクロデキストリン、及びスルホアルキルエーテルシクロデキストリン(SAE−CD)を含む。本明細書中で使用のための具体的なシクロデキストリン誘導体は、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリン、マルトトリオシル−β−シクロデキストリン、マルトトリオシル−γ−シクロデキストリン、ジマルトシル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン、スルホブチルエーテルシクロデキストリン(SBE−CD)、マルトシル−β−シクロデキストリン/ジマルトシル−β−シクロデキストリンのようなその混合物を含む。好ましいシクロデキストリンは、β−シクロデキストリンである。
溶解速度
一態様において、薬物は溶解遅延形態である。薬物の「溶解遅延」形態は、薬物の結晶性形態の溶解速度よりも遅い溶解速度を有する薬物の形態を意味する。より具体的には、溶解遅延薬物形態を使用環境、例えばインビボの口の使用環境、又はインビトロの模擬の口緩衝溶液中に置いた場合、約1分後に測定した溶解遅延形態によって提供される溶解した薬物量が、同じ口緩衝溶液中で1分後に測定した結晶性薬物単独の等量から本質的に成る対照組成物によって提供される溶解した薬物量の90%未満である。対照組成物は、溶解遅延形態を調製する前に薬物の初期の結晶性形態に過ぎない。好ましくは、溶解遅延形態は、約1分後の口緩衝溶液中に溶解した薬物量が、結晶性薬物によって提供される量の80%未満、さらにより好ましくは対照の70%未満、最も好ましくは対照の60%未満である。
薬物が溶解遅延形態であるかどうかを評価するための適したインビトロの溶解試験は、下記の通り実行することができる。溶解遅延形態の薬物量は、全ての薬物が溶解したとすれば、濃度が水性緩衝溶液における30%未満の薬物の溶解性になるような濃度で、10M KOHを用いてpH7.3に調整した0.05M KH2PO4を含む水性緩衝溶液に置かれる。この溶液は、37℃に平衡にされ、一定速度で撹拌される。1分後に、試料を取り出し、ろ過又は遠心して溶解していない粒子を取り除く。溶解遅延形態から溶解した薬物の濃度を決定するために試料を分析する。同量のバルク結晶性薬物から成る対照組成物を含む別の緩衝溶液で該方法を繰り返し、1分で溶解した結晶性薬物の量を決定する。溶解遅延形態によって提供される溶解した薬物量と対照組成物によって提供される溶解した薬物量の比を計算し、パーセントして表現される。例えば、投与後約1分で溶解遅延形態によって提供される溶解した薬物量が緩衝溶液に投与した溶解遅延形態中の薬物の全量の40wt%であり、約1分後の対照組成物によって提供される溶解した薬物量が対照組成物中の薬物の全量の80wt%であった場合、溶解遅延形態によって提供される溶解した薬物量は、対照組成物によって提供される溶解した薬物量の50%であった。
しかしながら、溶解遅延形態は、バルク結晶性薬物と比較して薬物の溶解速度を遅らせるが、それにもかかわらず、組成物はまたGI管に実質的に即時放出を提供する。つまり、組成物は、使用環境への投与後1時間以内に、少なくとも約70wt%、好ましくは少なくとも約80wt%、そして、より好ましくは少なくとも約90wt%の薬物を放出する。組成物は、上述した放出基準を満たすかどうかを決定するために、適切な緩衝又は非緩衝水溶液、例えば10M KOHでpH7.3に調整した0.05M KH2PO4緩衝液の模擬MB試験溶液、又は模擬のGB試験溶液中で試験することができる。緩衝溶液の量と比較して、試験した組成物の量は、薬物量と緩衝溶液の比が緩衝溶液中で30%未満の薬物安定性であるようにする。
別の態様において、シクロデキストリンは、溶解増進形態である。シクロデキストリンの「溶解増進形態」は、最も一般的に商業的に利用可能なシクロデキストリンの形態、即ち、容積加重平均粒子径が150〜350μmである結晶性シクロデキストリンよりも急速に溶解する形態のシクロデキストリンを意味する。より具体的には、シクロデキストリンの溶解増強形態が使用環境、例えばインビボの口内使用環境、又はインビトロの模擬の口緩衝溶液に配置される場合、使用環境で1分間で溶解するシクロデキストリンの量は、容積加重平均粒子径が約150μmである結晶性シクロデキストリンから本質的に成る対照によって提供される溶解した量よりも大きい。好ましくは、溶解増進形態は、1分間に溶解したシクロデキストリンの量を増加し、対照組成物によった与えられるものの約1.25倍よりも大きく、さらにより好ましくは約1.5倍よりも大きく、そして、最も好ましくは約2倍よりも大きい。発明者らは、約150μmの容積加重平均粒子径を有する結晶性シクロデキストリンによって提供される溶解したシクロデキストリンの量は、約41%であったこと決定した。したがって、使用環境に投与した後に1分で溶解した溶解増進形態は、好ましくは少なくとも約50%、さらにより好ましくは少なくとも約60%、そして、最も好ましくは少なくとも約80%である。
溶解したシクロデキストリンの量を測定するための適したインビトロの溶解試験は下記の通りである。溶解増進形態中のシクロデキストリンの量は、シクロデキストリンが全て溶解したとして、溶解したシクロデキストリンの濃度が水性緩衝溶液中のシクロデキストリンの溶解性の30%未満である濃度で、10M KOHでpH7.3に調整した0.05M KH2PO4から成る水性の模擬の口緩衝溶液に置く。この溶液を37℃で撹拌する。試料を投与後1分で取り出し、ろ過又は遠心して、溶解していない粒子を除去する。その試料を溶解増進形態から溶解したシクロデキストリンの濃度を決定するために分析し、溶解したシクロデキストリンの量を計算する。容積加重平均径が150μmである同量のバルク結晶性シクロデキストリンから成る対照組成物を用いてこの方法を繰り返す。
相対量
薬物に対するシクロデキストリンの所定の位置の効果的な錯体形成は、溶解したシクロデキストリンのモル濃度が口内の使用環境で溶解した活性薬物のモル濃度よりも大きい場合に達成される。上記で記載した同じ緩衝溶液で溶解したシクロデキストリンと溶解した薬物のモル比の観点から、1分後に測定したシクロデキストリン:薬物のモル比は、好ましくは約1より大きく、より好ましくは少なくとも約1.5、さらにより好ましくは少なくとも約2.0、そして、最も好ましくは少なくとも約3である。例えば、溶解速度と関連して、上述した同じインビトロの溶解試験を用いて、1分後の溶解した薬物の濃度が1×10-3mmol/mlであった場合、溶解したシクロデキストリンの濃度は、好ましくは少なくとも1×10-3mmol/ml、より好ましくは少なくとも1.5×10-3mmol/ml、さらにより好ましくは少なくとも2×10-3mmol/ml、そして、最も好ましくは少なくとも3×10-3mmol/mlである。
つまり、シクロデキストリンは、溶解したシクロデキストリンと溶解した薬物の所望のモル比を提供するように、十分な量で組成物に存在する。これは、インビトロの模擬の口緩衝液に投与後1分の組成物によって提供される溶解した薬物のモル濃度を決定し、シクロデキストリンの溶解速度を決定し、次に、溶解した薬物のモル濃度と少なくとも同じ大きさである溶解したシクロデキストリンのモル濃度を達成するために必要とされるシクロデキストリンの量を計算することによって決定することができる。例えば、β−シクロデキストリンは、1,134mg/mmolの分子量を有する。900mlのインビトロの模擬の口緩衝液に投与した場合、組成物は、1分後に溶解した活性薬物の1.5×10-5mmol/mlのモル濃度を提供し、1分後に溶解したβ−シクロデキストリンの量が組成物に元々存在するβ−シクロデキストリンの50wt%であるならば、1(1.5×10-5mmol/ml×900ml×1,134mg/mmol/50%)よりも大きい、1分後に測定した溶解したシクロデキストリン:薬物のモル比を達成するために少なくとも31mgのベータ−シクロデキストリンを含有するべきである。
本発明の組成物の利点の1つは、投与後短時間(例えば、0.1〜2分)で、効果的な味マスキングを達成するために必要とされるシクロデキストリンの量が、溶解遅延形態の薬物又は溶解増進形態のシクロデキストリンのいずれかを含有しない組成物と比較して低減されることである。組成物は、薬物又はシクロデキストリンの溶解速度が修飾されない慣用的な組成物と比較して、同量のシクロデキストリン及び薬物に対する溶解したシクロデキストリン:薬物のより高いモル比を達成する。したがって、味をマスクした所望の薬物量については、慣用的な組成物と比較して、より少ないシクロデキストリンが味マスキングを達成するために必要である。
薬物の溶解を遅延させる方法
薬物の溶解遅延形態を形成する方法は、(i)薬物の多粒子(粒子、顆粒等を含む)を形成すること;そして、(ii)薬物を単独で又は多粒子製剤中で被覆することを含む。
薬物を含有する多粒子は、任意の慣用的な方法、例えば、溶融−凝固法、顆粒化(乾式及び湿式の両方)、及び押出し球形化によって形成することができる。多粒子は、被覆しても被覆しなくてもよい。多粒子は小さく、約3mmまでの平均径を有する。(直径への言及は、存在するならば、被覆を含む、最終的な多粒子の直径であるべきである。)直径及び体積頻度を考慮するそれらのサイズの有用な測定は、容積加重平均径である。容積加重平均は、報告したサイズの約30%以内である約85%の粒子体積であるガウスサイズ分布を想定する。本発明の多粒子は、好ましくは、500ミクロン未満、より好ましくは約300ミクロン未満の容積加重平均径を有する。これらのサイズ及び形状は、所望であれば、非常な流動特性、錠剤への圧縮の容易さ、改善された「口の感触」、飲み込み易さ、及び均一な被覆の容易さへと導く。
好ましい態様では、多粒子は非常に小さい。好ましくは、このような多粒子は、200ミクロン未満、より好ましくは約150ミクロ未満の容積加重平均径(存在すれば、被覆後)を有する。被覆した多粒子について、被覆していない核は、150ミクロン未満、より好ましくは約125ミクロン未満、さらに好ましくは100ミクロン未満の容積加重平均径を有する。このような粒子を全く感じるならば、このような小さい多粒子は、口の中でザラザラ感よりはむしろ滑らかさを提示するので、このような小さい多粒子は患者により喜ばれる。加えて、このように小さい粒子は、チューワブル(chewable)な錠剤に被覆した多粒子を導入した場合に特に有利である。本発明者らは、被覆した多粒子を用いて圧縮したチューワブルな錠剤を形成することに関連した1つの問題は、被覆が錠剤の形成中に破損するかもしれないということを発見した。このような剤形は、しばしば、微結晶性セルロースのような硬質結晶性材料、スクロース又はキシリトールのような多糖類、又はマンニトール若しくはソルビトールのようなポリオール類を含有する。このような硬質結晶性材料の多粒子への圧縮は被覆を破損し又は破壊する原因となると考えられる。加えて、大きな多粒子の被覆は、噛んでいる間に破損し又は破壊するかもしれない。しかしながら、本発明者らは、小さい多粒子は、圧縮又は噛んでいる間に被覆の破壊を経験することが非常に少ないようであることを見出した。
薬物を多粒子に形成する1つの方法は、(a)不快な味の薬物及び少なくとも1つの医薬として適合する担体を含む溶融した混合物を形成すること、(b)飛沫を形成する粉末化手段によって工程(a)の溶融した混合物を粉末にすること、そして、(c)多粒子を形成するために工程(b)の飛沫を凝固することの工程を含む溶融−凝固法による。「担体」は、任意の賦形剤(又は複数)を含む、多粒子内に存在する全ての非薬物種を意味する。
溶融した混合物は、薬物及び少なくとも1つの医薬として適合される担体を含む。溶融した混合物中の薬物は、担体中で溶解してもよく、溶融した担体に分布した結晶性薬物の懸濁液であってもよく、又はこのような状態若しくはその間にあるような状態の任意の組み合わせであってもよい。好ましくは、溶融した混合物は、溶融した担体中で溶融又は溶解する薬物の断片が相対的に低く維持され、好ましくは約30wt%未満である場合に、溶融した担体中の結晶性薬物の均一な懸濁液である。一般的に、混合物は、遠心又は回転盤噴霧器によって発揮するような1又はそれより多くの力、例えば圧力、剪断力、及び遠心力に供した場合に流れるであろうという意味において混合物は溶融する。つまり、薬物/担体混合物は、混合物が、全体として、細分化され得るのに十分に流動的となり、担体と薬物の任意の部分が十分に流動的となる場合に、「溶融された」と考えることができる。
実質的に、任意の過程は、溶融した混合物を形成するために使用することができる。1つの方法は、流動的となるまでタンク内で担体を加熱し、その後、溶融した担体に薬物を添加することに関与する。一般的に、担体は、流動的になる温度で、約10℃又はより高い温度まで加熱される。溶融した混合物の少なくとも一部が細分化されるまで流動的のままであるようにこの過程が実行される。担体が流動的となると、流動性の担体に薬物を添加することができる。その代わりに、薬物及び固体の担体の両方をタンクに添加し、担体が流動的となるまで混合物を加熱することができる。
溶融した混合物を調製する代替の方法は、2つのタンクを使用し、1つのタンクで第一の担体を溶融させ、別のタンクで第二の担体を溶融することである。薬物をこれらのタンクの1つに添加し、上述したように混合する。次に、この2つの溶融物をインラインの静的ミキサー又は押出器を通してポンプされ、下記に記載する細分化過程に指向される単一の溶融混合物を産生する。
担体が流動的となり、薬物が添加されると、混合物は、薬物が実質的にその中に均一に分布されていることを確かめるために混合される。混合は、一般的に、機械的な手段、例えば頭上のミキサー、磁気的に作動するミキサー及び撹拌バー、遊星形ミキサー、及びホモジナイザーを用いてなされる。場合によっては、タンクの内容物は、タンクの外へ、及びインライン、静的ミキサー又は押出器を通してポンプすることができ、その後、タンクへ戻される。溶融した供給材料(feed)を混同するために使用される剪断量は、溶融した混合物中の薬物の実質的に均一な分布を確かめるのに十分に高いものであるべきである。しかしながら、剪断力は、薬物の形態が変化する程度、即ち、結晶性薬物が非結晶質になる原因となる、又は薬物の新しい結晶性形態になる程に高いものでないことが好ましい。一般的に、溶融した担体の全体を通して実質的に均一に結晶性薬物を分散するのに必要な最小限に近づけるように混合時間を制限することが好ましい。溶融した混合物を調製するのに使用できる別の方法は、連続的に撹拌されるタンクシステムを用いることである。このシステムでは、薬物と担体は、連続的な撹拌の手段を配備した加熱したタンクに連続的に添加され、溶融した混合物は、タンクから連続的に取り出される。薬物は、典型的には、固体形態で添加され、タンクに添加される前に予め加熱してもよい。担体はまた、連続的な撹拌されるタンクシステムに添加する前に、予め加熱されるか又はなお予め溶融させてもよい。広範な種々の混合方法は、上述するようなシステムを用いて使用することができる。
溶融した混合物はまた、Dyno(登録商標)Millのような連続的なミルを用いて形成してもよく、固体薬物及び担体は、直径0.25〜5mmを有するビーズのような粉砕媒体を含有するミルの粉砕チャンバーに供給される。粉砕チャンバーは、典型的には、加熱又は冷却流動体がチャンバー内の温度を制御するためにチャンバーの周りを循環可能なように被覆される。溶融した混合物は、粉砕チャンバー内で形成され、溶融した混合物から粉砕媒体を取り出すために分離機を通じてチャンバーを外す。
溶融した混合物を形成する別の方法は、押出機による。「押出機」は、加熱及び/又は剪断力によって溶融した押出物を作り出し、及び/又は固体及び/又は液体(即ち、溶融した)供給材料から均一に混合した押出物を製造する装置又は一群の装置を意味する。このような装置は、限定されないが、単軸押出機;共回転、反回転、噛合型、及び非噛合型押出機を含む2軸押出機;多軸押出機;加熱したシリンダー及び溶融した供給材料を押し出すためのピストンから成る溶融したラム押出機;溶融した供給材料を同時に加熱しポンプする一般的には反回転の加熱した歯車ポンプから成る歯車−ポンプ押出機;そして、コンベア押出機を含む。コンベア押出機は、軸コンベア又は気体コンベア、及びポンプのような固体及び/又は粉末化した供給材料を輸送するためのコンベア手段を含む。コンベアの少なくとも一部は、十分に高温まで加熱し、溶融した混合物を製造する。溶融した混合物は、ポンプに指向される前に、溶融した混合物を噴霧器に指向する蓄積タンクに場合により指向してもよい。場合により、インラインミキサーは、溶融した混合物が実質的に均一であることを確かめるためにポンプの前後で使用してもよい。これらの押出機の各々において、溶融した混合物は、均一に混合した押出物を形成するように混合される。このような混合は、混合要素、ニーディング(kneading)要素、及び逆流による剪断混合を含む種々の機械的手段及び加工手段によって達成することができる。つまり、このような装置では、噴霧器に指向され得る溶融した混合物を生産する組成物が押出機に供給される。
一態様において、組成物は、固体粉末の形態で押出機に供給される。粉末化された供給材料は、高含量の均一性を有する粉末化した混合物を得るために、当該技術分野において周知な方法を用いて調製することができる。Remington’s Pharmaceutical Sciences(第20版、2000年)を参照されたい。一般的に、薬物及び担体の粒子サイズは、均一な混合物を得るために同じであることが望ましい。しかしながら、これは、本発明の成功した実施に本質的ではない。
溶融した混合物が形成されると、小さな溶滴に破壊するための噴霧器に輸送される。実際には、ポンプ、及び圧縮した容器又はピストンポットのような種々の型の空気圧装置の使用を含む任意の方法が使用され、噴霧器に溶融した混合物を輸送するために使用することができる。押出機が溶融した混合物を形成するために使用される場合、押出機それ自身は、噴霧器に溶融した混合物を輸送するために使用することができる。典型的には、溶融した混合物は、混合物が固化することを防ぎ、溶融した混合物の流れを維持するために、混合物を噴霧器に移送中に高温で維持される。
一般的に、細分化は、(1)「圧力」又は単流体ノズル;(2)二流体ノズル;(3)超音波ノズル;(4)機械的振動ノズル;及び、(5)遠心又は回転盤噴霧器を含むいくつかの方法のうちの1つに起こる。細分化過程の詳細な記載は、Lefebvre,Atomization and Sprays(1989)又はPerry’s Chemical Engineers’ Handbook(第7版、1997年)に見出すことができ、それらの開示は参照により本明細書中に援用される。
圧力ノズルの多くの型及び設計が存在し、一般的には、高圧で溶融した混合物を開口部に移送する。溶融した混合物は、繊維として、又は繊維中に分散される薄いシートとして開口部から出され、その後、溶滴に分散される。圧力ノズルを横切って動作する圧力低下は、1barから70bargまで変化し、溶融した供給材料の粘度、開口部のサイズ、及び多粒子の所望のサイズに依存する。
二流体ノズルでは、溶融した混合物は、溶融した混合物を細分化するのに十分な速度で流れるガス流、典型的には空気又は窒素と接触される。内部の混合形状では、ノズル開口部を通して排出する前に、溶融した混合物とガスをノズル内で混合する。外部の混合形状では、ノズル外部の高速ガスは溶融した混合物と接触する。このような二流体ノズルを横切るガスの圧量低下は、0.5barg〜10bargの範囲である。
超音波ノズルでは、溶融した混合物は、小さな溶滴に溶融した混合物を細分化して、超音波周波数で振動する振動子及びホルンを通じて又は超えて供給される。機械的な振動ノズルでは、溶融した混合物は、小さい溶滴に溶融した混合物を細分化して、制御された振動数で振動する針を通じて供給される。両ケースでは、製造された粒子サイズは、液体の流速、超音波又は振動の振動数、及び開口部の直径によって決定される。
遠心噴霧器では、回転噴霧器又は回転盤噴霧器としても知られ、溶融した混合物は、回転表面に供給され、遠心力によって散開する原因となる。回転表面はいくつかの形態をとることができ、その例には、平盤、カップ、羽根付晩、及び溝付の輪が含まれる。盤表面はまた、多粒子の形成を手助けするために加熱することができる。細分化のいくつかのメカニズムは、平盤及びカップの遠心噴霧器を用いて観察され、溶融した混合物の盤への流れ、盤の回転スピード、盤の直径、供給材料の粘度、並びに供給材料の表面張力及び密度に依存する。低い流速で、溶融した混合物は盤表面を横切って散開し、盤の端まで到達した時、離散溶滴を形成し、その後、盤から投げ出される。盤の溶融した混合物の流速が増加するにつれて、離散溶滴というよりはむしろフィラメントとして盤を離れる傾向にある。その後、フィラメントは、非常に均一なサイズに分散される。さらにより高い流速で、溶解した混合物は、薄い連続的なシートとしてディスクの端を離れ、その後、不規則なサイズのフィラメント及び溶滴に分解する。回転表面の直径は、一般的に2cm〜50cmの範囲であり、回転スピードは500rpm〜100,000rpm又はそれより高い範囲であり、多粒子の所望のサイズに依存する。
溶融した混合物が細分化されると、溶滴は、典型的には、その溶滴の固化温度以下の温度で、気体又は液体との接触によって凝固する。凝固段階は、しばしば、多粒子の回収を単純化するために閉ざされた空間内で起こる。このような場合、冷却気体又は液体は、相対的に一定の凝固温度を維持するために閉ざされた空間を通して循環することができる。
多粒子はまた、本明細書中に開示した1つ又はそれより多くの医薬として適合される担体と共に薬物の乾式粒子化又は湿式粒子化によって形成することができる。乾式粒子化は、薬物及び担体を粉砕することによって、例えば、ボールミル、ハンマーミル、流動性エネルギーミル、又は転圧機によって;遊星形ミキサー、ボルテックスブレンダー、及びV−ブレンダーのようなミキサーを用いて薬物と担体をブレンドすることによって;そして、二軸押出機のような押出機内で薬物と担体を混合することによって達成することができる。
湿式粒子化は、高い剪断造粒機又は流動床造粒機で達成することができ、溶媒又は湿潤剤は、成分に添加し、又は担体材料は、顆粒化流動体として使用される溶媒に溶解することができる。
多粒子が混合又はブレンド法を用いて作製される場合、顆粒化法は、ブレンドを形成するために使用される同装置で、例えば、医薬組成物を加工するために日常的に使用される慣用的な高剪断又は高速混合機/造粒機で発生することができる。これらの方法において、顆粒化した組成物の形成を手助けするために乾燥成分をブレンドした後に、顆粒化流動体は組成物と混合される。顆粒化流動体の例は、水、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロパノール、ブタノールの種々の異性体、及びそれらの混合物を含む。
湿式顆粒化法が使用される場合、顆粒化薬物及び担体、又は担体は、しばしば、更なる加工前に乾燥される。湿式顆粒化と連結して使用される適した乾燥法の例は、トレイ乾燥、マイクロ波乾燥、回転乾燥、及び流動床乾燥であり、全て製薬分野において周知である。薬物を顆粒化した場合、次に、特定の剤形用に所望される粒子サイズを達成するために粉砕してもよい。
多粒子はまた、「押出/球形化」のような製薬分野において湿式顆粒化の別の形態によって形成することができる。この過程において、薬物及び担体材料は、ペースト状のプラスチック懸濁液を形成するように液体と混合し、その後、しばしば、細長い固体の竿の形態で固体塊を形成する穴のあいたプレート又は金型を通して押し出される。次に、この固体塊を粉砕し、多粒子を形成する。一態様において、固体塊は、介入する乾燥段階の有無にかかわらず、多粒子球状、球体、又は、丸くなった竿に材料を分散する突起を有する回転盤上に配置する。その後、そのように形成した多粒子は、いずれかの残存する液体を除去するために乾燥させる。
上述した任意の方法によって形成した薬物を含有する多粒子は、医薬として許容される担体を含み、一般的に、多粒子に存在する全ての非薬物種又は賦形剤を意味する。「医薬として許容される」は、担体が組成物の他の成分と適合しなければならず、患者には無害でなければならないことを意味する。担体は、多粒子用のマトリックスとして機能し、又は多粒子からの薬物の放出速度を制御するように、又はその両方として機能する。ある薬物については、単一の担体は、薬物放出を十分に遅延させることができ、他の薬物については、2つ又はそれより多くの担体は、薬物の所望の溶解遅延形態を提供するために必要とされるかもしれない。
担体は、少なくともマトリックス材料を含む。典型的なマトリックス材料は、微結晶性セルロール、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及び酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロースの重合体;スチレン及びマレイン酸共重合体;アクリル酸及びアクリルエステル共重合体のようなポリアクリル酸誘導体;クロトン酸共重合体;カルナウバワックス、白色及び黄色蜜ワックス、微結晶性ワックス、及びパラフィンワックスのようなワックスの高度に精製した形態;ステアリルアルコール、セチルアルコール、及びポリエチレングリコールのような長鎖ワックス;ポロキサマー;ポリオキシエチレンアルキルエーテル;モノオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、ポリエトキシル化ヒマシ油誘導体、モノ−、ジ−、及びトリベヘン酸グリセリルの混合物を含むモノ−、ジ−、及びトリアルキルグリセリドの混合物、トリステアリン酸グリセリル、トリパルミン酸グリセリル、及び水素化綿実油を含む水素化植物油のような長鎖脂肪酸エステル(脂肪としても知られる);ステアリン酸ポリエチレングリコール及びジステアリン酸ポリエチレングリコールのようなグリコール化脂肪酸エステル;パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、クエン酸トリエチル、レシチン、トリアセチン、及びセバシン酸ジブチルのような短〜中鎖脂肪酸エステル;ポリソルベート;ステアリン酸、安息香酸、クエン酸、フマル酸、乳酸、及びマレイン酸のようなカルボン酸;及び、それらの混合物を含む。特に好ましいマトリックス材料は、ベヘン酸モノ−、ジ−、及びトリグリセリルの混合物のようなアルキル含有グリセロール(Gattefose Corporation(ニュージャージー州ウェストウッド)によるCOMPRITOL888として商業的に利用可能である);水素化綿実油(Edward Mendell Co.(ニューヨーク州パターソン)によるLUBRITABとして商業的に利用可能である)である。マトリックス材料は、前述した任意のものの混合物のような材料の混合物を含んでもよい。
担体はまた、1つ又はそれより多くの任意の賦形剤を含んでもよい。担体に含むことができる賦形剤の1つの特別に有用な部類は、多粒子又は被覆した薬物粒子からの薬物の放出を阻害し又は遅延させるために使用可能な溶解阻害剤を含む。このような溶解阻害剤は、一般的に疎水的である。溶解阻害剤の例には、微結晶性及びパラフィンワックスのような炭化水素ワックス;及び約20,000ダルトンより大きな分子量を有するポリエチレングリコールを含む。
本発明の目的は、一般的に、薬物の溶解速度を遅らせることであるが、ある場合において、口から離れた後に薬物の急速な放出を達成するためにその速度を上方に調整する必要があるかもしれない。このような場合、賦形剤の非常に有用な部類は、多粒子又は被覆した薬物粒子からの薬物の溶解速度を増加する溶解増進剤を含む。このような試薬は、その全体量に基づいて、多粒子又は被覆した0〜30wt%の薬物粒子を作製することができる。一般的に、溶解増進剤は、両親媒性化合物であり、一般的に担体より親水的である。典型的な溶解増進剤は、ステアリルアルコール、セチルアルコール、及びポリエチレングリコールのようなアルコール;ポロキサマー、ドキュセート(docusate)塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリソルベート、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、及びソルビタンモノエステルのような分散剤又は乳化剤;グルコース、スクロース、キシリトール、ソルビトール、及びマルチトールのような糖類;塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、炭酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、及びリン酸カリウムのような塩類;アラニン及びグリシンのようなアミノ酸;そして、それらの混合物を含む。
薬物の多粒子が溶融−凝固法によって形成される場合、賦形剤の有用な部類は溶融した供給材料の粘度を調整するために使用される材料である。このような粘度を調整する賦形剤は、一般的に、多粒子の全量に基づいて、0〜65wt%の多粒子を作製するであろう。溶融した供給材料の粘度は、粒子サイズの狭い分布を有する多粒子を得るために基本変数である。例えば、回転盤噴霧器が使用される場合、溶融した混合物の粘度は、少なくとも約1cpであり約10,000cp未満、より好ましくは少なくとも50cpであり約1000cp未満であることが好ましい。溶融した混合物がこれらの好ましい範囲外の粘度を有する場合、粘度を調整する担体は、好ましい粘度範囲内に溶融した混合物を得るために添加することができる。粘度を低下させる賦形剤の例には、ステアリルアルコール、セチルアルコール、低分子量ポリエチレングリコール(例えば、約1000ダルトンより小さい)、イソプロピルアルコール、及び水が含まれる。粘度を増加させる賦形剤の例には、微結晶性ワックス、パラフィンワックス、合成ワックス、高分子量ポリエチレングリコール(例えば、約5000ダルトンより大きい)、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、二酸化ケイ素、微結晶性セルロース、ケイ酸マグネシウム、糖類、及び塩類が含まれる。
他の賦形剤は、多粒子若しくは被覆した薬物粒子の放出特性を調整し、又は方法を改良するために添加することができ、そして、0〜50wt%の多粒子又は被覆した薬物粒子を典型的に作製するであろう。例えば、賦形剤は、多粒子又は被覆した薬物粒子上の帯電を減少するために添加してもよい。このような帯電防止剤の例は、タルク及び二酸化ケイ素を含む。香味剤、着色剤、及び他の賦形剤はまた、それらの有用な目的のために有用な量で添加することができる。
典型的な多粒子製剤は、5〜80wt%の薬物、及び20〜95%の担体を含む。一態様において、多粒子は、10〜55wt%の薬物;合成ワックス、微結晶性ワックス、パラフィンワックス、カルナウバワックス、蜜ワックスのようなワックス;モノオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、ポリエトキシル化ヒマシ油誘導体、水素化植物油、モノ−、ジ−、又はトリベヘン酸グリセリル、トリステアリン酸グリセリル、トリパルミチン酸グリセリル、及びそれらの混合物のようなグリセリドから選択される90〜45wt%の担体;及び、ポロキサマー、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリソルベート、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、及びソルビタンモノエステルのような分散剤又は乳化剤;ステアリルアルコール、セチルアルコール及びポリエチレングリコールのようなアルコール;グルコース、キシリトール、ソルビトール及びマルチトールのような糖類;塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、炭酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、及びリン酸カリウムのような塩;アラニン及びグリシンのようなアミノ酸;そして、それらの混合物から選択される0〜30wt%の溶解増進賦形剤を含む。結晶性薬物に比べて溶解遅延形態の薬物の輸送を可能にすることが期待されるが、それにもかかわらず、服用1時間以内に少なくとも70%の薬物を放出することが期待される。したがって、ある製剤において溶解増進賦形剤は上記の通り必要とされ得る。
薬物を含有する多粒子の別の典型的な態様において、多粒子は、(a)薬物;(b)16個又はそれより多くの炭素原子のアルキレート置換基を少なくとも1個有するグリセリド担体;及び(c)ポロキサマーを含む。2種類の特に好ましいグリセリド担体は、(i)Gattefosse Corporation(ニュージャージー州ウェストウッド)からのCOMPRITOL888として商業的に利用可能なモノ−、ジ−及びトリベヘン酸グリセリルの混合物、及び(ii)Edward Mendell Co.(ニューヨーク州パターソン)からのLUBRITABとして商業的に利用可能な水素化綿実油を含む。
溶解遅延形態はまた、パンコーター(例えばFreund Corp.(東京、日本)からの利用可能なHi−Coater、Manesty(リバプール、英国)からの利用可能なAccela−Cota)、流動床コーター(例えば、Glatt Air Technologies,Inc.(ニュージャージー州ラムジー)及びNiro Pharma Systems(ブーベンドルフ、スイス)により利用可能なWurster coaters又はトップスプレイコーター)、回転造粒機(例えば、Freund Corpより利用可能なCF−Granulator)、及び噴霧乾燥機(例えば、Liquid Feed Process Vessel Model No.PSD−1を装備するNiro type XP Portable Spray−Dryer)のような標準的な被覆装置を用いて、上述した薬物を含有する多粒子のいずれかを被覆することによって、又は、本明細書中で開示した1つ又はそれ以上の医薬として適合される担体で薬物だけの粒子を被覆することによって作製することができる。
1つの方法において、被覆を形成するために液体を基礎とした方法又はラテックスを基礎とした方法を用いた場合、Wurster流動庄システムが使用される。このシステムでは、円筒形の仕切り(Wursterカラム)が装置の円錐製造物容器に配置される。Wursterカラムを通過する大部分の上方移動の空気を用いて薬物粒子を流すために、製造物容器の底に位置した分配プレートを空気が通過する。被覆溶液を上方に噴霧する細分化ノズルで装備されるWursterカラム内に薬物粒子を引き入れる。薬物粒子はWursterカラムを通過する際に被覆され、被覆された粒子がカラムを出る際に被覆溶媒が取り除かれる。
その代わりに、トップスプレイ法は、被覆を応用するために使用することができる。この方法では、被覆溶液は、流動される薬物粒子上に噴霧される。溶媒は、被覆した粒子から蒸発され、装置内に再度流動される。被覆は、所望の被覆厚が達成されるまで続けられる。
被覆はまた、ホット溶融被覆技術を用いて適用することができる。この方法では、被覆は、まず溶融され、次に薬物粒子上に噴霧される。典型的には、ホット溶融被覆は、トップスプレイアレンジメントで装備された流動庄内で応用される。
ホット溶融被覆を薬物粒子に応用する別の方法は、修飾した溶融−凝固法を用いることである。この方法では、薬物粒子は、溶融した被覆剤中に懸濁され、薬物粒子の融点が被覆剤の融点よりも大きい。その後、被覆剤によって取り囲まれた薬物粒子を含む溶滴中にこの懸濁液を形成する。溶滴は、典型的には、回転又は回転盤噴霧器のような噴霧器の使用を通じて形成される。溶滴は、次に、冷却され、被覆が凝固し、被覆した薬物粒子を形成する。
被覆はまた、回転造粒機に応用することができる。このような装置では、水平盤が高速で回転し、容器の壁に薬物粒子の回転「ロープ(rope)」を形成する。このロープに被覆を噴霧し、粒子を被覆する。この技術は、ホット溶融、ラテックス、及び液体を基礎とした被覆溶液を用いて使用することができる。
好ましい被覆材料は、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロースのようなセルロースエーテル;酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸フタル酸セルロースのようなセルロースエステル;スチレン及びマレイン酸共重合体;アクリル酸及びアクリルエステル共重合体のようなポリアクリル酸誘導体;クロトン酸共重合体、ポリメタクリレート、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン−ポリプロピレングリコール共重合体、ポリビニルピロリジノン、スターチ、デキシトラン、デキシトリン、ポリデキシトロース、ポリアルケン、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルハロゲン化物、ポリビニルエーテル、パラフィンワックス、微結晶性ワックス、カルナウバワックス、合成ワックス、アカシア、ゼラチン、蜜ワックス、ガム、セラック及び糖を含む。特に好ましいセルロースエーテルは、エチルセルロースである(Colorcon(ペンシルバニア州ウェストポイント)からのSURELEASEとして利用可能である)。特に好ましいポリメタクリレートは、2:1のアクリル酸エチル及びメタクリル酸メチルである(Rohm Pharma(Darmstadt、Germany)からのEUDRAGIT NEとして商業的に利用可能である)。
被覆剤は、フタル酸ジブチル;セバシン酸ジブチル;フタル酸ジエチル;フタル酸ジメチル;クエン酸トリエチル;安息香酸ベンジル;脂肪酸のブチル及びグリコールエステル;精製鉱油;オレイン酸;ステアリン酸;セチルアルコール;ステアリルアルコール;ヒマシ油;トウモロコシ油;ココナッツ油;及びカンフル油を含む慣用的な可塑剤;そして、抗粘着剤、流動促進剤等の他の賦形剤を含んでもよい。
シクロデキストリンの溶解増進形態
上述したように、シクロデキストリンの溶解増進形態は、シクロデキストリンの商業的等級(例えば、容積加重平均粒子径の約150マイクロを有するシクロデキストリン)より急速である溶解速度を有する。シクロデキストリンの溶解増進形態は、(i)容積加重平均粒子径の約150ミクロン未満を有するシクロデキストリン;及び、(ii)非結晶質のシクロデキストリンを含む。
シクロデキストリンの溶解増進形態を形成するための特に好ましく単純な方法は、より大きな直径の粒子をより小さな直径の粒子へと分解することを含む。一般的に、溶解速度は、平均粒子サイズが減少するにつれて増加する。好ましいより小さな平均径粒子サイズ範囲は、125μm未満、より好ましくは100μm未満、さらにより好ましくは75μm未満である。粒子サイズの減少は、任意の慣用的な方法、例えば、粉砕、研磨、微粉、細分化、及び沈殿によって達成することができる。典型的な粉砕装置は、チェーサー(chaser)ミル、バール(ball)ミル、振動バールミル、ハンマーミル、衝撃研磨ミル、流動エネルギーミル(ジェットミル)、及び遠心衝撃粉砕機(pulverizer)を含む。好ましい方法は、ジェットミルである。約150μm未満の粒子サイズを有するシクロデキストリンはまた、アルコール又は水のような溶媒中への溶解、続く非溶媒との混合による沈殿のような他の方法によって形成することができる。粒子サイズを減少する他の方法は、細分化によって、例えば、溶媒にシクロデキストリンを溶解し、得られた溶液を噴霧にし、噴霧乾燥によって粉末を形成することによる。
シクロデキストリンの溶解増進形態を形成する他の方法は、結晶性シクロデキストリンを非結晶質形態に変換することである。非結晶質形態は、任意の慣用的な方法によって行うことができる。例えば、非結晶質形態は、マトリックスにシクロデキストリンを溶解し、シクロデキストリンの再結晶を防ぐためにマトリックスとシクロデキストリンを急速に固化することによって;多孔性基質上に非結晶質のシクロデキストリンを吸収させることによって;溶媒にシクロデキストリンを溶解し、非結晶質のシクロデキストリンだけを得るために溶液から溶媒を急速に除去することによって;又は即座溶解の水可溶性の医薬として適合されるマトリックス中のシクロデキストリンの固体非結晶質分散にシクロデキストリンを導入することによって行うことができる。このようなシクロデキストリンの非結晶質形態を調製するための適した手法は、シクロデキストリン及び担体の溶融した混合物を溶融−凝固すること又は噴霧−凝固すること、あるいは、シクロデキストリン単独で又は担体、多孔性基質、若しくはマトリックスを含む溶液を噴霧−乾燥又は凍結乾燥することを含む。
非結晶質のシクロデキストリンの吸着物を形成するために有用な多孔性基質は、SiO2、TiO2、ZnO2、ZnO、Al23、及びゼオライトのような無機酸化物を含む。
マトリックスに使用される成分は、重合性又は非重合性であってもよく、そして、いくつかの成分の混合物を含んでもよい。つまり、このマトリックスは、重合性成分の混合物、非重合性成分の混合物、又は重合性及び非重合性成分の混合物を含んでいてもよい。
用語「重合性」は慣用的に使用され、互いに連結した単量体から作製され、巨大分子を形成する化合物を意味する。重合性成分は、一般的に少なくとも約20個の単量体から成る。つまり、重合性成分の分子量は、一般的に、約2000ダルトン又はそれより大きいであろう。重合性成分は、中和であるか又はイオン化され得て、そして、セルロース性又は非セルロース性であってもよい。一般的に、シクロデキストリンの固体非結晶質の分散剤を形成するのに有用な重合体は、少なくとも0.1mg/mLの水への溶解度を有する中和又はイオン化可能なセルロース性又は非セルロース性非結晶質重合体であってもよい。中和の非セルロース性重合体の例には、ビニルポリマー及び共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール/ポリ酢酸ビニル共重合体、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリエチレン/ポリビニルアルコール共重合体、及びポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロック共重合体が含まれる。イオン化可能な非セルロース性ポリマーの例には、カルボン酸機能化ポリメタクリレート、並びにカルボン酸機能化ポリアクリレート、アミン機能化ポリアクリレート及びポリメタクリレート、ゼラチン及びアルブミンのような高分子量タンパク質、並びにグリコール酸スターチのようなカルボン酸機能化スターチを含む。中和セルロース性重合体の例は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、及びヒドロキシエチルエチルセルロースである。イオン化可能なセルロース性重合体の例は、酢酸コハク酸酢ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及び酢酸トリメリト酸セルロースである。
「非重合性」は、成分が重合性でないことを意味する。マトリックス成分としての使用のための典型的な非重合性材料は、ステアリルアルコール及びセチルアルコールのようなアルコール、ステアリン酸、クエン酸、フマル酸、酒石酸、リンゴ酸のような有機酸及びそれらの塩、及び医薬として許容されるそれらの塩;グルコサミン、N−メチルグルコサミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、及びドデシルアミンのような有機塩基;塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、炭酸ナトリウム、及び硫酸マグネシウムのような塩;アラニン及びグリシンのようなアミノ酸;グルコース、スクロース、キシリトール、フルクトース、ラクトース、トレハロース、マンニトール、ソルビトール、及びマルチトールのような糖類;(モノ−及びジ−)ステアリン酸グリセリル、(モノ−及びジ−)ベヘン酸グリセリル、トリグリセリド、モノステアリン酸ソルビタン、モノステアリン酸サッカロース、グリセリル(パルミチン酸ステアリン酸)エステル、水素化綿実油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;微結晶性ワックス、パラフィンワックス、蜜ワックス、合成ワックス、カストールワックス、及びカルナウバワックスのようなワックス;ラウリル硫酸ナトリウム及びラウリル硫酸マグネシウムのような硫酸アルキル;並びに、レシチンのようなリン脂質;そして、それらの混合物を含む。
低い水溶性であり、又は水溶液中でゲル化する傾向にあるいくつかのマトリックス材料について、非結晶質シクロデキストリンの即座の分解速度を得るための多孔性材料を形成する必要があるかもしれない。例えば、マトリックスヒドロキシプロピルメチルセルロースについて、非結晶質シクロデキストリンは、急速に溶解する非常に多孔質な材料を得るために凍結乾燥によって結成することができる。
賦形剤及び剤形
本発明の組成物に存在する中心的な成分は、単に薬物の溶解遅延形態及びシクロデキストリンの溶解増進形態であるけれども、組成物中への他の賦形剤の封入は有用であり得る。
慣用的な製剤賦形剤は、本発明の組成物に使用してもよく、当該技術分野において周知の賦形剤が含まれる(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences(第20版、2000年)に記載される)。一般的に、ろ過剤、崩壊剤、色素、結合剤、潤滑剤、流動促進剤、香味剤などは、日常的な目的で、及び組成物の特性を有意に影響することなしに典型的な量で使用することができる。組成物を所望の剤形に製剤化するために、これらの賦形剤は、薬物及びシクロデキストリン組成物が形成した後に利用することができる。酸、塩基、又は緩衝剤のようなpH修飾剤の添加はまた有利であり、薬物又はシクロデキストリン組成物の分解速度を修飾し、あるいはその代わりに、組成物の化学安定性を改善する手助けとなる。チューワブルな錠剤は、希釈剤、膨張剤、抗粘着防止剤、結合剤、潤滑剤、香味料及び甘味料を用いて製剤化することができる。
一態様において、剤形は、1つ又はそれより多くの追加の味マスキング剤を含む。追加の味マスキング剤の例は、アスパルテーム、圧縮性(compressible)糖、デキストレート、ラクトース、マンニトール、スクロース、マルトース、サッカリン・ナトリウム、ソルビトール、及びキシリトールのような甘味料、並びに、バナナ、グレープ、バニラ、チェリー、ユーカリオイル、メントール、オレンジ、ペパーミントオイル、ラズベリー、ストロベリー、及びスイカのような香味料を含む。
剤形賦形剤、ろ過剤、又は希釈剤の例は、ラクトース、マンニトール、キシリトール、デキストロース、スクロース、ソルビトール、圧縮性糖、微結晶性セルロース、粉末化セルロース、スターチ、プレゼラチン化スターチ、デキストレート、デキストラン、デキシトリン、デキシトロース、マルトデキシトリン、炭酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、ポリエチレンオキシドのようなポロキサマー、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。
表面活性剤の例は、ラウリル硫酸ナトリウム及びポリソルベート80を含む。
崩壊剤の例は、グリコール酸ナトリウムスターチ、カルボキシメチルセルロース・ナトリウム、カルボキシメチルセルロース・カルシウム、クロスカルメロース・ナトリウム、クロスポビドン(ポリビニルポリピロリドン)、メチルセルロース、微結晶性セルロース、粉末化セルロース、スターチ、プレゼラチン化スターチ、及びアルギン酸ナトリウムを含む。
錠剤結合剤の例は、アカシア、アルギン酸、カルボマー、カルボキシメチルセルロース・ナトリウム、デキシトリン、エチルセルロース、ゼラチン、グアーガム、水素化植物油、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、液体グルコース、マルトデキシトリン、ポリメタクリレート、ポビドン、プレゼラチン化スターチ、アルギン酸ナトリウム、スターチ、スクロース、トラガカント、及びゼインを含む。
潤滑剤の例は、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、水素化植物油、軽鉱油、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸、タルク、及びステアリン酸亜鉛を含む。
流動促進剤の例は、二酸化ケイ素、タルク及びコーンスターチを含む。
薬物及びシクロデキストリンを含有する組成物は、舌下錠剤、チューワブルな錠剤、カプセル剤、又は単位服用パケット(当該技術分野において「サシェ」又は「構成用経口粉末剤」(OPC)として時々言及される);及び懸濁剤を含む、風味があってもよい任意の医薬製剤に導入することができる。経口投与用のチューワブルな錠剤のような固体剤形が好ましい。
一例のチューワブルな錠剤は、下記のように作製することができる。第一に、薬物の溶解遅延形態は、溶融−凝固過程を用いる薬物の多粒子を形成することによって作製することができる。次に、多粒子は、シクロデキストリン(商業的等級又は溶解増進形態のいずれか)、圧縮性糖及び微結晶性セルロース(Avicel PH101及びAvicel CE)のようなろ過剤、Ac−Di−Solのような分散剤、香味剤、及び着色剤と組み合わせることができる。これらの成分を混合し、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤を添加し、その後、さらに混合することができる。錠剤混合物は、F打錠機と1/2”の平らな斜面の縁の工具を用いて圧縮することができ、硬度7−9kPを有する錠剤に帰着する。
別の態様において、本発明の組成物は、同時投与することができ、薬物を含有する組成物がシクロデキストリンを含有する組成物とは別々の形態で投与することができるが、それと同じ一般的な時間枠内で投与することができることを意味する。つまり、薬物を含有する組成物は、例えば、別々の剤形であるシクロデキストリンを含有する組成物とおよそ同じ時間を費やすそれ自身の剤形で投与することができる。同時に投与しない場合、シクロデキストリンを含有する組成物は、薬物を含有する組成物の前に投与することが好ましい。
上記の添加物又は賦形剤に加えて、任意の慣用的な材料の使用、及び当業者に既知の本発明の組成物を用いた適した剤形の調製法は非常に有用である。
本発明の他の特徴及び態様は、その意図された範囲を制限するよりは、本発明の説明のために与えられる下記の実施例から明らかとなるであろう。
実施例
多粒子1
セチリジンを多粒子に導入し、薬物の溶解遅延形態を得た。(これらの実施例を通じて、セチリジンの二塩酸塩を使用し、分子量461.8g/mol、及び平均粒子サイズ約5μmを有する。)55wt%のモノ−、ジ−及びトリベヘン酸グリセリル(COMPRITOL888)及び10wt%のポロキサマー(BASF(ニュージャージー州マウントオリーブ)からのPLURONIC F127として商業的に利用可能である)の担体中に35wt%のセチリジンを含む多粒子(「多粒子1」)を下記の方法を用いて調製した。第一に、2357gのCOMPRITOL及び429gのPLURONICは、反回転混合パドル及びホモジナイザーを装備したシールされた被覆ステンレススチールタンク(Malto−Mat−Universal MMU5、Krieger AGG、スイス)に添加した。92℃に加熱した流動物をタンクの被覆を通して循環させた。約60分後、混合物は溶融し、約90℃の温度を有する。次に、混合物を80rpmで60分間混合した。その後、1500gの薬物セチリジンを溶融物に添加し、5分間均一にして、溶融成分中にセチリジンの供給された懸濁液を得た。
次に、供給した懸濁液は、5800rpmで回転している4インチの直径の回転盤噴霧器の中心にギアポンプ(Zenith Pump、Parker Hannifin Corp、モデルC−9000、2.4cc/rev)を用いて140g/分の速度でポンプで注入し、その表面は90℃に加熱した。回転盤噴霧器によって形成した粒子は周囲空気中で凝固し、全体で4071gの多粒子を形成した。
そのように形成した多粒子(「多粒子1」)からのセチリジン溶解速度は、下記の方法を用いて決定した。多粒子の37mgの試料は、50rpmで回転しているテフロン(登録商標)被覆したパドルを装備したUSP2型ディスソエット(dissoette)フラスコに置いた。薬物の全部が溶解した場合、セチリジンの濃度は14μg/mlであったろう。フラスコは、37.0±0.5℃で保持された900mLの模擬の口緩衝液(KOHでpH7.3に調整した0.05 KH2PO4緩衝液)を含有した。排管に接続した10μmのろ過剤で試料を採取した。フラスコ中の4mLの流動物の試料を引き出し、排管を外した。0.45μmのフィルターをシリンジに接続し、2mLの試料を溶解フラスコに戻し、そして、1mLの試料を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)バイアル中にろ過した。シリンジに残った溶液をフィルターから引き出し、任意の多粒子をフィルターから取り出し、そして、フラスコに戻した。試料を種々の時間点で回収し、フラスコに多粒子を添加した。試料をHPLC(Hewlett Packard 1100;Mac Mod Analyticl Zorbax Stablebond CN(SB−CN)カラム、5μmの粒子、15cm×4.6mm i.d.;移動相 1g/Lのオクタンスルホン酸ナトリウムを含む100mMのKH2PO4、pH6.5/MeOH(50/50)、1.0mL/分;ダイオードアレイ分光光度計を用いて吸光度を214nmで測定した)を用いて分析した。対照1は、200mLの受容器溶液中の20mgの結晶性セチリジンから成っていた。
溶解した薬物の量は、製剤の効力検定に基づいて計算した。溶解遅延薬物形態の効力を測定するために、約40mgの製剤(溶液中の約0.1mg/mLの薬物の濃度を得るために十分である)を計量し、100mLの容量フラスコに添加した。次に、10mLのアセトニトリルを添加し、溶液を10分間超音波処理した。フラスコはHPLC移動相を用いて容積まで満たされ、さらに10分間超音波処理した。溶液をろ過し、分析して、製剤中の薬物の総量を決定した。製剤の効力検定は、各溶解試験のために添加した薬物量を計算するために使用した。各試料において分析した薬物量は、試験のために添加した薬物の総量(効力検定に基づく)で割り、結果を効力検定のパーセントとして報告する。これらの溶解試験の結果を表1に与えた。対照1は、結晶性セチリジンのみから成っていた。
Figure 2008507504
表1のデータから明らかなように、多粒子組成物への薬物導入は、薬物の溶解速度を遅延させた。1分後、薬物の溶解遅延形態の41%だけが溶液に溶解し、一方、結晶性薬物の93%が溶液に溶解した。溶解遅延形態は、1分後に対照組成物によって与えられる溶解薬物濃度の41%÷93%×100=44%を与えた。データはまた、そのような加工されたセチリジンの多粒子は60分以下で少なくとも70%放出される標的放出プロフィールを満たすことを示した。
多粒子2
セチリジンHClは、第二の多粒子製剤(「多粒子2」)に導入され、薬物の溶解遅延形態を与えた。60wt%の水素化綿実油(Edward Mendell Co.(ニューヨーク州パターソン)よりLUBRITABとして商業的に利用可能である)及び10wt%のポロキサマーPLURONIC F127の担体中の30wt%のセチリジンを含む多粒子が下記の方法を用いて調製された。第一に、12gのLUBRITAB及び2gのPLURONICを、多粒子1について記載したように、タンクに添加し溶融した。薬物を予熱し、6gを手動で撹拌しながら添加した。予熱したホモジナイザーシャフトを溶液中に置いた。混合物を5000rpmで5分間均一にし、溶融成分中にセチリジンの供給された懸濁液に帰着した。
供給した懸濁液は、次に、5500rpmで回転している回転盤噴霧器の中心に140g/分の速度でポンプで注入し、その表面を90℃で加熱した。回転盤噴霧器によって形成した粒子は周囲空気中で凝固させ、総量15gの多粒子を形成した。
多粒子2は、多粒子1について上述したように試験した。データを表2に示す。対照1は比較のために繰り返す。
Figure 2008507504
表2のデータから明らかなように、多粒子組成物への薬物導入は、薬物の溶解速度を遅延させた。1分後、薬物の溶解遅延形態の22%だけが溶液に溶解し、一方、結晶性薬物の93%が溶液に溶解した。溶解遅延形態は、1分後の対照組成物によって与えられた溶解した薬物の濃度の22%÷93%×100%=24%を与えた。データはまた、そのような加工されたセチリジンの多粒子は60分以下で少なくとも70%放出される標的放出プロフィールを満たすことを示した。
溶解増進シクロデキストリン
この実施例では、粒子サイズの様々な範囲を有するいくつかの異なるβ−シクロデキストリン試料によって与えられる溶解したシクロデキストリンの量を決定した。116μm〜249μmの範囲の平均粒子サイズを有するβ−シクロデキストリン試料は、Roquette America of keokuk,lowaから得た。加えて、約57μmの範囲の平均粒子サイズを有するβ−シクロデキストリン試料は、はじめに水中で249μmの商業的に利用可能な試料を溶解することによって調製し、次に、微細粉末を形成するように溶液を凍結乾燥させた。各β−シクロデキストリン試料についての容積加重平均粒子径(ミクロン)は、Horiba粒子サイザーを用いて決定した。
これらの試料の溶解速度は、下記のように決定した。所定の粒子サイズのβ−シクロデキストリンの350mgの試料を50mLの脱イオン化水に置き、そして、表2に示した時間点で屈折指数を測定した。屈折指数の測定値は、既知の濃度を用いた標準の検量線と比較し、時間に対する溶解したβ−シクロデキストリン濃度を決定した。平均粒子サイズによる結果を表3に示す。
Figure 2008507504
これらのデータは、β−シクロデキストリンの粒子サイズが減少するにつれて、使用環境への投与後1分で溶解するシクロデキストリン量が増加することを示す。116μmの平均粒子サイズを有するシクロデキストリンは、156μmのシクロデキストリンによって与えられたものの約1.4倍である投与後1分で溶解したシクロデキストリン量を与え、一方、57μmのシクロデキストリンは、156μmのシクロデキストリンによった与えられるものより約2.4倍である投与後1分で溶解したシクロデキストリンの量を与えた。
非結晶質β−シクロデキストリン分散
β−シクロデキストリンの溶解増進形態は、β−シクロデキストリンの固体非結晶質分散物を形成することによって作製した。βシクロデキストリンの固体非結晶質分散物は下記の方法によって作製した。水中の5wt%のβシクロデキストリン及び5wt%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む溶液を「ミニ噴霧乾燥機」を用いて噴霧乾燥させた。溶液をCole Parmer 74900シリーズの速度調節シリンジポンプを介してミニ噴霧乾燥装置中にポンプで注入した。薬物/ポリマー溶液をSparying Systems Co.の2つの流動ノズル、モデルNo.SU1Aを介して、窒素の熱流(100℃)を用いて細分化した。噴霧溶液を11cm径のステンレススチールチャンバー内で噴霧化した。得られた固体非結晶質分散物をフィルターペーパーに回収し、真空下で乾燥させ、デシケーター中で保存した。
実施例1
薬物セチリジン及びβ−シクロデキストリンの溶解遅延形態を含有するチューワブルな錠剤を作製した。錠剤は、3.6wt%の多粒子1、14.1wt%及び9.7wt%の2つの等級の微結晶性セルロース(それぞれAvicel PH200及びAvicel CE15、ペンシルバニア州フィラデルフィアのFMC Corporationによる)、60.8wt%の加工させたスクロース(Domino SugarからDiPacとして商業的に利用可能である)、1.3wt%のクロスカルメロース・ナトリウム(FMC CorporationよりAcDiSolとして商業的に利用可能である)、10.0wt%のβ−シクロデキストリン(249μmの平均粒子サイズ)、及び0.5wt%のステアリン酸マグネシウムを含有した。錠剤を形成するために、多粒子1及びβ−シクロデキストリンをTurbulaブレンダーで10分間混合した。次に、Avicel PH200を混合物に添加し、Turbulaブレンダー中で10分間混合し、その後、Avicel CE15及びAcDiSolを添加し、10分間ブレンドし、スクロースを添加して10分間ブレンドして、最後に、ステアリン酸マグネシウムを添加して4分間ブレンドした。次に、混合物を800mgの試料に加重し、1/2”の平らの斜面(FB)の工具を用いてF打錠機上で錠剤に形成した。圧力を硬度7〜9キロポンド(kP)で錠剤を移送するようにセットした。
対照2について、錠剤は、薬物が溶解遅延形態でないように作製した。対照2の錠剤は、1.3wt%の結晶性セチリジン、14.5wt%のAvicel PH200、10.0wt%のAvicel CE15、62.5wt%のDiPac、1・3wt%のAcDiSol、10.0wt%のβ−シクロデキストリン(249μmの平均粒子サイズ)、及び0.5wt%のステアリン酸マグネシウムを含有した。
セチリジン溶解速度
このように調製した錠剤からのセチリジンの溶解速度は、上述のように決定した。錠剤を噛むことを真似るために、溶解フラスコに各錠剤を添加する前に、錠剤をモーター及び乳棒で軽く砕いた。結果を表4に示す。多粒子1からのセチリジン放出は、比較のために再度示した。
Figure 2008507504
結果は、錠剤化した多粒子からの初期のセチリジン溶解速度が、多粒子単独のものとおよそ同じであり、錠剤化した結晶性薬物(対照2)からのセチリジンの放出より遅いことを示す。セチリジンの溶解遅延形態を含有する実施例1の錠剤は、バルクの結晶性セチリジンを含有する対照2の錠剤と比較して、1分後に溶解した薬物の量の60%(46%÷77%×100)を与えた。それにもかかわらず、実施例1の錠剤は、30分後、薬物の94wt%を放出した。
実施例1の錠剤はまた、1分間で放出した薬物を超えて、溶解したシクロデキストリンの比率を維持した。錠剤は、10.1mgのセチリジンを含有した。薬物全部が溶解した場合、セチリジン濃度は、11μg/mL(10.1mg/900ml)であったろう。セチリジンの分子量は、461.8mg/mmolである。1分後、46wt%の薬物が、緩衝液に溶解した。溶液に溶解したセチリジンのモル濃度は、したがって、46%×11μg/mL×1mmol/(461.8×103μg)=1.1×10-5mmol/mLであった。錠剤はまた、80mgのβ−シクロデキストリンを含有した。緩衝液中のβ−シクロデキストリンの濃度は、シクロデキストリンの全部が溶解した場合、88.9μg/mLであったろう。β−シクロデキストリンの分子量は、約1,134mg/mmolである。20wt%のシクロデキストリンが1分後に溶解したと推測された(表3を参照)。β−シクロデキストリンのモル濃度は、20%×88.9μg/mL×1mmol/(1,134×103μg)=1.6×10-5mmol/mLであった。つまり、錠剤は、1分後の溶解したシクロデキストリン:溶解した薬物のモル比を1.6×10-5mmol/mL/1.1×10-5mmol/mL=1.5として与えた。つまり、錠剤は、1分後の溶解したシクロデキストリンと薬物の過剰なモル比を与えた。
実施例2
チューワブルな錠剤をヒトの味試験用に実施例1のように作製した;この錠剤は、3.6wt%の多粒子1、14.9wt%のAvicel PH101、10.0wt%のAvicel CE15、58.8wt%のDiPac、1.1wt%のAcDiSol、10.0wt%のβ−シクロデキストリン(249μmの平均粒子サイズ)、0.3wt%のグレープフレーバー、0.1wt%のバニラフレーバー、0.1wt%のカーミンレッドの着色剤、0.1wt%のFD&Cブルー#2レーキ、及び1.0wt%のステアリン酸マグネシウムを含有した。対照3について、錠剤は、24.9wt%のAicel PH101が含まれ、β−シクロデキストリンが存在しないことを除いて、同量で同成分を用いて作製した。対照4について、錠剤は、セチリジンが結晶性形態であり、1.3wt%で存在し、17.2wt%のAvicel PH101で含むことを除いて、同量で同成分を用いて作製した。対照5は、いずれのβ−シクロデキストリンを含まずにセチリジン多粒子を含んだ。
6人の討論者は、錠剤及び多粒子形態中のこれら4つの製剤を与えられ、それぞれ、10mgのセチリジンの用量を含有する。味試験のプロトコールは、それが普通に甘くなるまで製剤を噛み、その後、苦味が検出されるまで口の中でそれを保持することからなる。苦味の程度は、各製剤について各参加者によって示された。結果を表5に示す。
Figure 2008507504
これらの結果は、セチリジン多粒子及びβ−シクロデキストリンを含有する実施例2の錠剤は満足のいく味マスクされた剤形を提供したことを示す。
実施例3
チューワブルな錠剤は、実施例1で対照2について上述したのと同じ製剤を用いて作製されるが、しかし、β−シクロデキストリンは、その溶解速度を増進するように57μmの粒子の形態であった。
1分後に溶解したシクロデキストリンと溶解した薬物の期待されるモル比は下記のように計算した。1分後、シクロデキストリンは、完全に溶解することが期待された(表3を参照)。900mlの模擬の口緩衝液を想定して、溶解したシクロデキストリンの期待されたモル濃度は、100%×88.9μg/mL×1mmol/(1,134×103μg)=7.8×10-5mmol/mLであった。1分後に溶解したセチリジンの量は、77%であることが期待された(表4を参照)。溶液中の溶解したセチリジンのモル濃度は、したがって、77%×11μg/mL×1mmol/(461.8×103μg)=1.8×10-5mmol/mLであった。1分後に溶解したシクロデキストリンと溶解したセチリジンの期待されるモル比は、したがって、4.3であった。
実施例4
チューワブルな錠剤は、実施例1で対照2の上述したのと同じ製剤を用いて作製したが、下記の例外を有する:セチリジンの溶解速度を遅延するように錠剤中に導入する前に、2wt%のステアリン酸マグネシウムを用いて顆粒にし、Avicel PH200の13.0wt%だけを使用した。
実施例3及び4の錠剤は、実施例2と同じプロトコールを用いて、同じ6人の討論者によって味試験がなされた。結果を表6に示す。
Figure 2008507504
実施例5
この実施例は、溶解したシクロデキストリンと溶解した薬物の所望のモル比を達成するために要求されるシクロデキストリン量の計算を示す。錠剤は、多粒子1の28.9mgを含有するように調製されるべきである。1分後の900mlの緩衝液に溶解した薬物の量は、多粒子単独によって与えられた溶解した薬物量と同じであり、即ち、41wt%であると推測される(表4を参照)。つまり、1分後に900mlの緩衝液に溶解した薬物のモル濃度は、41%×11μg/mL×1mmol/(461.8×103μg)=1.0×10-5mmol/mLである。
1分後の溶解したシクロデキストリンと溶解した薬物のモル比が少なくとも1.5になるようにするために、1分後の溶解したシクロデキストリンのモル濃度は、少なくとも1.5×1.0×10-5mmol/mL=1.5×10-5mmol/mLであるべきである。
249μmの平均粒子サイズを有するβ−シクロデキストリンの商業的等級についてこのモル濃度を達成するために、20wt%のシクロデキストリンが1分後に溶解することが推測される(表3を参照)。したがって、錠剤は、シクロデキストリンの20wt%が溶解したとすれば、1.5×10-5mmol/mL/20%×1,134×103μg/mmol=85.1μg/mLの1分後の溶解したβ−シクロデキストリンの濃度を与えるべきである。溶解したセチリジンの上記の濃度を達成するために溶解試験で使用した同じ900mlの緩衝液の容積を用いると、錠剤は、1分後の溶解した薬物に対する溶解したシクロデキストリンの1.5の所望のモル比を達成するためにβ−シクロデキストリンの商業的等級の少なくとも77mgを含有するべきである。
同様に、含有する組成物についての溶解したシクロデキストリンと溶解した薬物の種々のモル比を達成するために要求されるシクロデキストリン量は、表7に記載されるように計算される。
Figure 2008507504
実施例6
β−シクロデキストリンが156μmのサイズまで粉砕され、1分後に41%の溶解であるように推測される(表3を参照)ことを除いて、辞を繰り返す。28.9mgの多粒子1及び156μmのサイズまで粉砕されたβ−シクロデキストリンを含有する組成物について溶解したシクロデキストリンと溶解した薬物の種々のモル比を達成するのに要求されるシクロデキストリン量は、表8に記載されるように計算される。
Figure 2008507504
実施例7
多粒子2及び非結晶質のβ−シクロデキストリンが使用されることを除いて、実施例5を繰り返す。非結晶質のβ−シクロデキストリンの溶解速度は、900mLの模擬の口緩衝液(KOHでpH7.3まで調整した0.05 KH2PO4緩衝液)中で決定される。使用されるべき非結晶質のβ−シクロデキストリンの量は、上述した方法を用いて計算される。
前述の明細書中に使用した用語及び表現は、限定の用語ではなく、記述の用語として本明細書中に使用され、示され及び記載された特徴の均等物又はその部分を除外するこのような用語及び表現の使用において制限されることはなく、本発明の範囲は定義され、添付される特許請求の範囲によってだけ限定されることが認識される。

Claims (22)

  1. 下記:
    (a)固体形態の不快な味の薬物;及び
    (b)固体形態のシクロデキストリン
    の物理的混合物を含み、ここで、前記薬物が溶解遅延形態である、医薬組成物。
  2. 下記:
    (a)固体形態の不快な味の薬物;及び
    (b)固体形態のシクロデキストリン
    の物理的混合物を含み、ここで、前記シクロデキストリンが溶解増進形態である、医薬組成物。
  3. 下記:
    (a)固体形態の不快な味の薬物;及び
    (b)固体形態のシクロデキストリン
    の物理的混合物を含み、ここで、前記薬物が溶解遅延形態であり、そして、前記シクロデキストリンが溶解増進形態ある、医薬組成物。
  4. 前記薬物の前記溶解遅延形態が多粒子(multiparticulate)である、請求項1又は3に記載の組成物。
  5. 前記多粒子が約500μm未満の平均径を有する、請求項4に記載の組成物。
  6. 前記多粒子が約200μm未満の平均径を有する、請求項4に記載の組成物。
  7. 前記薬物の前記溶解遅延形態が被覆を含む、請求項1又は3に記載の組成物。
  8. 前記シクロデキストリンの前記溶解増進形態が約125μm未満の平均粒子サイズを有する前記シクロデキストリンを含む、請求項2又は3に記載の組成物。
  9. 前記シクロデキストリンの前記溶解増進形態が非結晶質形態で前記シクロデキストリンを含む、請求項2又は3に記載の組成物。
  10. 使用環境に投与した後1分以内に、溶解したシクロデキストリンと溶解した薬物の約1より大きいモル比を提供する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  11. 前記溶解したシクロデキストリンと前記溶解した薬物の前記モル比が少なくとも約1.5である、請求項10に記載の組成物。
  12. 前記溶解したシクロデキストリンと前記溶解した薬物の前記モル比が少なくとも約2である、請求項10に記載の組成物。
  13. 前記溶解したシクロデキストリンと前記溶解した薬物の前記モル比が少なくとも約3である、請求項10に記載の組成物。
  14. 前記溶解遅延形態が、使用環境への投与後約1分で、結晶性薬物から成る対照組成物によって提供される溶解した薬物濃度の80%未満である溶解した薬物濃度を提供する、請求項1又は3に記載の組成物。
  15. 前記シクロデキストリンの前記溶解増進形態が、使用環境への投与後1分で少なくとも50%溶解される、請求項2又は3に記載の組成物。
  16. 前記溶解増進シクロデキストリンが、使用環境への投与後1分で少なくとも60%溶解される、請求項15に記載の組成物。
  17. 前記使用環境が、0.05M KH2PO4緩衝溶液を含むインビトロの試験溶液である、請求項10、14及び15のいずれか1項に記載の組成物。
  18. 固体剤形に取り込まれる、請求項1又は3のいずれか1項に記載の組成物。
  19. 前記固体剤形が噛み砕ける(chewable)、請求項18に記載の組成物。
  20. 前記薬物が、制酸剤、鎮痛剤、抗狭心症剤、抗不安剤、抗不整脈剤、抗菌剤、抗生物質、抗下痢剤、抗うつ剤、抗てんかん剤、抗真菌剤、抗ヒスタミン剤、高血圧剤、抗炎症剤、抗ウイルス剤、心臓薬、避妊薬、鎮咳薬、細胞毒性薬、充血除去薬、利尿薬、泌尿生殖器障害の薬物、パーキンソン症候群及び関連する障害に使用するための薬物、リウマチ性障害に使用するための薬物、睡眠薬、ミネラル及びビタミン、脂質低下剤、及び性ホルモンから成る群から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  21. 前記薬物がベンズヒドリルピペラジンを含む、請求項20に記載の組成物。
  22. 前記薬物がセチリジンである、請求項21に記載の組成物。
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