JP2008171934A - 脆質部材の保護構造および脆質部材の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 半導体ウエハなどの脆質部材の搬送や裏面研削等の加工を施す際に、脆質部材を安定して保持でき、しかも所要の処理が終了した後には、脆質部材を破損することなく剥離することができる保護構造を提供すること。
【解決手段】 本発明に係る脆質部材の保護構造は、薄板上に両面粘着テープを介して脆質部材が再剥離可能に固定されてなる脆質部材の保護構造であって、
前記薄板の曲げ強さが20〜2000MPa、かつ曲げ歪みが1%以上であることを特徴としている。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明に係る脆質部材の保護構造は、薄板上に両面粘着テープを介して脆質部材が再剥離可能に固定されてなる脆質部材の保護構造であって、
前記薄板の曲げ強さが20〜2000MPa、かつ曲げ歪みが1%以上であることを特徴としている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、半導体ウエハなどの脆質部材の搬送や裏面研削等の加工を施す際の保護構造に関する。また、本発明は、かかる保護構造を経由する脆質部材の処理方法に関する。
近年のICカードの普及にともない、その構成部材であるウエハの薄型化が進められている。従来350μm程度の厚みであったウエハを、50〜100μmあるいはそれ以下まで薄くすることが求められるようになった。
脆質部材であるウエハは、薄くなるにつれて、加工や運搬の際、破損する危険性が高くなる。このため、ウエハを極薄まで研削したり、極薄のウエハを運搬したりする場合は、ウエハをガラス板やアクリル板のような硬質板上に両面粘着シートなどにより固定・保護して作業を進めるのが望ましい。
しかしながら、両面粘着シートでウエハと硬質板とを貼り合わせる方法では、一連の工程を終えた後、両者を剥離する際、ウエハが割れてしまうことがあった。2枚の薄層品が貼り合わせてなる積層物を剥離する際には、薄層品の何れか一方、または両者を湾曲させて剥離する必要がある。しかし、硬質板を湾曲することは不可能ないし困難であるため、ウエハ側を湾曲せざるをえない。このため、脆弱なウエハにひずみがかかって割れてしまうことになる。
このような問題を解決するための手段として、ウエハの変形をできる限り低減して剥離を行う方法や、ウエハに保護フィルムを積層するなどしてウエハを補強した上で剥離を行う方法、さらにはウエハを硬質板に固定する手段として、接着力を制御可能な粘着剤や両面粘着テープを用い、剥離時に粘着剤の発泡などの適宜な手段により接着力を低下させた後に剥離を行う方法などが種々提案されている(特許文献1〜5)。
特許文献6では、硬質板を使用せずに、比較的剛性の高い樹脂フィルムを用いた脆質部材の保護方法が開示されている。
特開2004-153227号公報
特開2005-116678号公報
特開2003-324142号公報
特開2005-277037号公報
国際特許公開WO2003/049164
特開2004-63678号公報
ウエハを硬質板上に保持した場合には、ウエハを剥離する際にウエハ側を変形することとなる。このため、ウエハの破損を完全に防止することは難しい。また、発泡などにより接着力を低減するように設計された特殊な粘着剤や両面粘着テープを使用した場合には、ウエハに接着剤が残着し、ウエハを汚染してしまう可能性もある。特許文献6に提案されている方法では、剛性の樹脂フィルム側を変形してウエハからの剥離を行うため、ウエハの破損という問題は解消できる。しかし、樹脂フィルムであるため、形状保持性が必ずしも十分ではなく、ウエハの搬送時にウエハが破損するおそれがある。
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものである。すなわち、本発明は、半導体ウエハなどの脆質部材の搬送や裏面研削等の加工を施す際に、脆質部材を安定して保持でき、しかも所要の処理が終了した後には、脆質部材を破損することなく剥離することができる保護構造を提供することを目的としている。
このような課題の解決を目的とした本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)薄板上に両面粘着テープを介して脆質部材が再剥離可能に固定されてなる脆質部材の保護構造であって、
前記薄板の曲げ強さが20〜2000MPa、かつ曲げ歪みが1%以上である、脆質部材の保護構造。
前記薄板の曲げ強さが20〜2000MPa、かつ曲げ歪みが1%以上である、脆質部材の保護構造。
(2)前記薄板の曲げ弾性率が1〜200GPaである(1)に記載の保護構造。
(3)前記脆質部材が半導体ウエハである(1)または(2)に記載の保護構造。
(4)曲げ強さが20〜2000MPa、かつ曲げ歪みが1%以上である薄板上に、両面粘着テープを介して脆質部材を再剥離可能に固定する工程、
前記脆質部材に任意の処理を行う工程、
前記脆質部材側を支持手段により固定する工程、および
前記薄板を湾曲させてから剥離する工程を含む脆質部材の処理方法。
前記脆質部材に任意の処理を行う工程、
前記脆質部材側を支持手段により固定する工程、および
前記薄板を湾曲させてから剥離する工程を含む脆質部材の処理方法。
(5)前記薄板の曲げ弾性率が1〜200GPaである(4)に記載の処理方法。
(6)前記脆質部材が半導体ウエハである(4)または(5)に記載の処理方法。
(7)脆質部材に施される処理が、半導体ウエハの裏面研削あるいは半導体ウエハの搬送である(6)に記載の処理方法。
(8)前記薄板を脆質部材から剥離する工程において、該薄板を湾曲させつつ剥離を行う(4)〜(7)の何れかに記載の処理方法。
本発明においては、所定の曲げ物性を有する薄板に脆質部材を固定して保護しているため、脆質部材の搬送・保管・加工時において脆質部材を変形することなく保持できる。また、従来用いられていたガラス板などの硬質板と異なり、本発明で使用する薄板は湾曲可能であるため、脆質部材から薄板を剥離する際に、脆質部材を変形することなく、薄板側を変形して剥離できるため、脆質部材の破損が防止される。
以下、本発明について図面を参照しながら、さらに具体的に説明する。図1に示すように、本発明に係る保護構造10は、薄板1上に両面粘着テープ2を介して脆質部材3が再剥離可能に固定されてなる。
保護対象である脆質部材3としては、シリコンウエハ、ガリウム・ヒ素ウエハ等の各種半導体ウエハ、光学ガラス、セラミックプレート等の精密加工が要求される、壊れやすい材質からなる被加工物が挙げられるが、これらに限定されない。これらの中でも、本発明保護構造は、特に半導体ウエハに好適であり、具体的には、表面に回路が形成された半導体ウエハに適用することが特に好ましい。さらに、裏面研削を施されて厚みが極めて薄くなり、強度が極端に低下した半導体ウエハに好ましく適用できる。
薄板1は、上記脆質部材3の搬送・保管・加工時において、これを支持し保護する機能を果たす。また、脆質部材3から薄板1を剥離する際には、薄板1側を変形、湾曲して剥離を行う。このため、薄板1には、適度な曲げ物性が要求される。
したがって、薄板1の曲げ強さは20〜2000MPa、好ましくは30〜1500MPa、さらに好ましくは40〜1200MPaである。曲げ強さが20MPa未満であると支持性が悪くなり、脆質部材の搬送時などに保護構造に自重や張力によりたわみが発生し、脆質部材の破損を招くことがある。また曲げ強さが2000MPaを超えると薄板自体を湾曲できなくなり、剥離できない場合がある。
また、薄板1の曲げ歪みは1%以上である。曲げ歪みが1%未満では、薄板1が湾曲途中に降伏点を迎えてしまい、剥離後に薄板が元の状態に戻らなくなることや、最悪破損する恐れがある。この場合、剥離操作を機械で自動化することができなくなる。また、薄板は繰り返し使用することが多く、元に戻らないと繰り返し使用が困難となる。
さらに、薄板1の曲げ弾性率は、好ましくは1〜200GPa、さらに好ましくは1.3〜150GPa、特に好ましくは1.5〜100GPaである。曲げ弾性率が1GPa未満であると、支持性が悪くなり、脆質部材の搬送時などに保護構造にたわみが発生し、脆質部材の破損を招くことがある。また、曲げ弾性率が200GPaを超えると湾曲できずに、剥離が不可能になることがある
なお、本発明で規定する曲げ強さ、曲げ歪み、曲げ弾性率(以下、これらを総称して「曲げ物性」と記載する場合がある)は、いずれも後述する実施例に記載の方法により決定されるものであり、薄板1を、厚みを変化することなく、所定形状に切り出した試験片に基づいて測定される。
なお、本発明で規定する曲げ強さ、曲げ歪み、曲げ弾性率(以下、これらを総称して「曲げ物性」と記載する場合がある)は、いずれも後述する実施例に記載の方法により決定されるものであり、薄板1を、厚みを変化することなく、所定形状に切り出した試験片に基づいて測定される。
薄板1は、上記曲げ物性を満たす限り、その材質は特に限定はされないが、上記曲げ物性を満たしうる材料としては、たとえばポリスチレン、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)、硬質塩化ビニル等の樹脂、金属、無機材料があげられる。
薄板1の厚みも、上記曲げ物性を満たす限り特に限定はされないが、上述のポリスチレン、ABS樹脂、硬質塩化ビニルを用いる場合には、その厚みは300〜5000μm、好ましくは500〜3000μm程度が適当である。薄板1の厚みが薄すぎる場合には、脆性部材を支持するための十分な曲げ強度が得られないことがあり、また厚すぎる場合には、剥離工程において薄板を湾曲できない場合がある。
また、薄板1の径は、保護対象である脆質部材3の径と同一またはこれよりも若干大きめのものが採用される。さらに、後述するように、両面粘着テープ2の粘着剤層22、23に、紫外線硬化型の粘着剤を使用する場合は、薄板1は、紫外線透過性の材質により形成される。
本発明の保護構造では、上記薄板1上に、両面粘着テープ2を介して脆質部材3が固定されてなる。
両面粘着テープ2は、図1に示したように、中心に基材21と、その両側の面に粘着剤層22、23が設けられた構成からなる。この場合、中心に配置する基材21としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のフィルムよりなる。また、基材21の両側の面に設けられる粘着剤層22,23としては、再剥離可能であれば、従来公知の粘着剤が使用できる。たとえば通常の弱粘着剤であってもよく、また、剥離力を紫外線照射により制御できる紫外線硬化型粘着剤であってもよい。
この基材21の両側の面に設けられる粘着剤22,23は、どちらも同じものであってもよいが、両側が異なる材質のものでもよい。剥離時に、脆質部材3に貼着される側の粘着剤22が、薄板1の側に設けられる粘着剤23よりも剥離力が小さくなるように選択されるような構成であれば、薄板1を脆質部材3から剥離する際に、両面粘着テープ2が薄板1側に残着し、脆質部材3の側に残らず剥離されるため、脆質部材3から両面粘着テープ2を再度剥離するという工程が不要となる。一方、両面粘着テープ2を脆質部材3の回路面に貼付する場合には、剥離時に、薄板1に貼着される側の粘着剤22が、脆質部材3の側に設けられる粘着剤23よりも剥離力が小さくなるように選択されるような構成であれば、薄板1を脆質部材3から剥離する際に、両面粘着テープ2が脆質部材3の表面に残着し、薄板1の側に残らず剥離されるため、脆質部材3の回路面の保護機能として使用することができる。
なお、本発明の保護構造においては、脆質部材3上に、さらに保護テープなどを貼り合わせ、脆質部材3を補強してもよい。
次に、本発明に係る脆質部材の処理方法について説明する。
本発明の処理方法では、まず上記保護構造10を実現する。保護構造10の実現手段は特に限定はされず、予め両面粘着テープ2が貼着された薄板1に脆質部材3を貼着してもよく、この逆でもよい。脆質部材3が、表面に回路が形成された半導体ウエハの場合には、回路面側を両面粘着テープ2に貼り合わせて、回路面の保護を行う。
次いで、脆質部材3に任意の処理を行う。この処理は、脆質部材3の用途に応じて様々であり、種々の加工処理、あるいは搬送や保管等をも含む。たとえば脆質部材3が表面に回路が形成された半導体ウエハの場合には、加工処理としては、ウエハ裏面に対するエッチング処理、ポリッシング処理、スパッタ処理、蒸着処理、研削処理等である。なお、脆質部材3に施される処理が、保管、搬送である場合には、かかる処理に先立ち、脆質部材3上に、さらに保護テープなどを貼り合わせ、脆質部材3を補強してもよい。
その後、前記薄板1を脆質部材3から剥離する。剥離工程に先立ち、図2に示すように、脆質部材3の変形を防止するため、脆質部材3側を支持手段11により固定する。支持手段11は、脆質部材3を変形することなく保持できるものであれば特に限定はされないが、たとえば吸着テーブル、粘着テープであり、また脆質部材の材質にもよるが電磁石などの磁性材料であってもよい。
このような支持手段11で脆質部材3を固定しつつ、図3に示すように、薄板1側を剥離する。この結果、脆質部材3の変形が防止されるため、脆質部材3の破損が低減される。
なお、本発明の保護構造10では、前述したように特異な曲げ物性を有する薄板1を使用しているため、薄板1を湾曲させて剥離することができる。
薄板1を湾曲させて剥離するためには、薄板1の端部を把持し、端部を脆質部材3から引き上げつつ、薄板の折り返し方向に移動する。薄板1の端部を把持する手段は如何なるものであってもよいが、たとえば図4Aに斜視図、図4Bに側面図に示すように、エアシリンダ31などによって上下動可能に保持された上部可動板32と、下部挿入板33と、これらを支持する軸34とからなる剥離治具30が好ましく用いられる。この剥離治具30を使用する場合には、まず図5に示すように、下部挿入板33を脆質部材3と両面粘着テープ2との間に挿入し、上部可動板32を下降して、下部挿入板33と上部可動板32とで薄板1の端部を把持する。その後、図6に示すように、端部を脆質部材3から引き上げつつ、薄板1の折り返し方向に移動し、薄板1を湾曲させながら剥離する。この方法によれば、両面粘着テープ2が薄板1とともに剥離されるため、脆質部材3から両面粘着テープ2を再度剥離するという工程が不要となる。また、下部挿入板を薄板1と両面粘着テープ2との間に挿入して薄板1の剥離を行っても良い。この場合には、両面粘着テープ2は、脆質部材3上に残着するが、両面粘着テープは柔軟であるので、脆質部材3からの剥離は容易である。
薄板1の剥離後、支持手段11の保持力を解くことで、破損や汚染のない脆質部材が回収される。なお、支持手段11の保持力を解くには、たとえば支持手段が吸着テーブルである場合には、吸引力を解けばよく、また、粘着テープの場合には、これを剥離すればよい。磁性材料の場合には、電磁石などを使用し、所要の工程が終了後に通電を停止することで支持手段の保持力は解かれる。
また、脆質部材3が半導体ウエハである場合には、支持手段11としてダイシングシートを使用してもよい。ダイシングシート上に半導体ウエハを固定しつつ、薄板1を剥離することで、ダイシングシート上に半導体ウエハが転写される。したがって、裏面研削工程に続くダイシング工程への移行が簡便に行われる。
本発明においては、所定の曲げ物性を有する薄板に脆質部材を固定して保護しているため、脆質部材の搬送・保管・加工時において脆質部材を変形することなく保持できる。また、ガラスなどの硬質板と異なり、本発明で使用する薄板は湾曲可能であるため、脆質部材から薄板を剥離する際に、脆質部材を変形することなく、薄板側を変形して剥離できるため、脆質部材の破損が防止される。
(実施例)
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、曲げ物性の測定は、実施例、比較例において使用した薄板を、厚みを変化することなく、長さ80mm、幅10mmに切り出した試験片について行った。
曲げ物性の測定は、島津製作所製の島津オートグラフAG-10KNIS MSを使用して行った。具体的には、試験片の両端を支持し、中央に集中荷重を加え、試験片が破壊又は規定のたわみに達するまで一定速度でたわませ、その間の試験片に負荷される荷重を測定した。曲げ強さ、曲げ歪み、曲げ弾性率は、下記測定値を意味する。
(1)曲げ強さ
支点間距離を32mmに設定し、試験速度2mm/minで曲げ試験を行い、試験中の試験片が耐える最大曲げ応力を曲げ強さとした。
支点間距離を32mmに設定し、試験速度2mm/minで曲げ試験を行い、試験中の試験片が耐える最大曲げ応力を曲げ強さとした。
(2)曲げ歪み
支点間距離を32mmに設定し、試験速度2mm/minで曲げ強さを測定した際の最大曲げ応力時の試験片の歪みを曲げ歪みとした。
支点間距離を32mmに設定し、試験速度2mm/minで曲げ強さを測定した際の最大曲げ応力時の試験片の歪みを曲げ歪みとした。
(3)曲げ弾性率
支点間距離を32mmに設定し、試験速度2mm/minで曲げ弾性率を測定した。
支点間距離を32mmに設定し、試験速度2mm/minで曲げ弾性率を測定した。
また、支持性、剥離性の評価は、下記のとおり行った。
(4)支持性
両面粘着テープを介して所定の薄板と脆質部材としての8インチシリコンウエハとを積層した。続いて、ウエハ裏面研削機(株式会社ディスコ社製DFG−840)を用いてシリコンウエハの厚みが50μmになるまで研削を行い、保護構造とした。平滑な板上に高さ50mm、直径50mmの円柱状の台を置き、さらにその台上に研削したシリコンウエハを薄板側を下にして、ウエハの中心と台の中心とが一致するように置いた。平滑な板から薄板のエッジ部までの距離を定規で測定し、49mm〜51mmであれば良好とし、それ以外であれば不可と判断した。
両面粘着テープを介して所定の薄板と脆質部材としての8インチシリコンウエハとを積層した。続いて、ウエハ裏面研削機(株式会社ディスコ社製DFG−840)を用いてシリコンウエハの厚みが50μmになるまで研削を行い、保護構造とした。平滑な板上に高さ50mm、直径50mmの円柱状の台を置き、さらにその台上に研削したシリコンウエハを薄板側を下にして、ウエハの中心と台の中心とが一致するように置いた。平滑な板から薄板のエッジ部までの距離を定規で測定し、49mm〜51mmであれば良好とし、それ以外であれば不可と判断した。
(5)剥離性
図4に示す剥離手段を用いて薄板の剥離を行った。半導体ウエハ側を破損、汚染することなく剥離できたものを良好とした。半導体ウエハを剥離できなかったり、ウエハの破損、汚染があったものを不良とした。
図4に示す剥離手段を用いて薄板の剥離を行った。半導体ウエハ側を破損、汚染することなく剥離できたものを良好とした。半導体ウエハを剥離できなかったり、ウエハの破損、汚染があったものを不良とした。
(実施例1)
(両面粘着テープの製造)
粘着剤AおよびBとして、下記粘着剤を準備した。
(両面粘着テープの製造)
粘着剤AおよびBとして、下記粘着剤を準備した。
粘着剤A:2−エチルヘキシルアクリレート85重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート15重量部からなる重量平均分子量400,000の共重合体100重量部と、トリレンジイソシアナートとトリメチロールプロパンの付加物からなる架橋剤9.4重量部とを配合した粘着剤。
粘着剤B:ブチルアクリレート80重量部、メチルメタクリレート10重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート5重量部からなる重量平均分子量500,000の共重合体100重量部とトリレンジイソシアナートとトリメチロールプロパンの付加物からなる架橋剤0.9重量部を配合した粘着剤。
粘着剤B:ブチルアクリレート80重量部、メチルメタクリレート10重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート5重量部からなる重量平均分子量500,000の共重合体100重量部とトリレンジイソシアナートとトリメチロールプロパンの付加物からなる架橋剤0.9重量部を配合した粘着剤。
厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムにロールコーターを用いて粘着剤Aを乾燥厚み20μmとなるように塗布乾燥し、剥離フィルムとラミネートした。続いて、別の剥離フィルムに粘着剤Bを乾燥厚み20μmとなるように塗布乾燥し、PETの粘着剤Aを塗布した面と逆面にラミネートし両面粘着シートを得た。
(保護構造の形成)
両面の剥離フィルムを剥がした両面粘着シートを介して表1に記載の曲げ物性を有する厚み2010μmのポリスチレン板(直径200mm)と厚み720μmのシリコンウエハ(8インチ)を真空下で積層した。その後、ウエハ裏面研削機(株式会社ディスコ社製DFG−840)を用いてシリコンウエハの厚みが50μmになるまで研削を行い、保護構造を形成し、支持性と剥離性の評価を行った。
結果を表2に示す。
両面の剥離フィルムを剥がした両面粘着シートを介して表1に記載の曲げ物性を有する厚み2010μmのポリスチレン板(直径200mm)と厚み720μmのシリコンウエハ(8インチ)を真空下で積層した。その後、ウエハ裏面研削機(株式会社ディスコ社製DFG−840)を用いてシリコンウエハの厚みが50μmになるまで研削を行い、保護構造を形成し、支持性と剥離性の評価を行った。
結果を表2に示す。
1・・・薄板
2・・・両面粘着テープ
21・・・基材
22,23・・・粘着剤層
3・・・脆質部材
10・・・保護構造
11・・・支持手段
30・・・剥離手段
31・・・エアシリンダ
32・・・上部可動板
33・・・下部挿入板
34・・・軸
2・・・両面粘着テープ
21・・・基材
22,23・・・粘着剤層
3・・・脆質部材
10・・・保護構造
11・・・支持手段
30・・・剥離手段
31・・・エアシリンダ
32・・・上部可動板
33・・・下部挿入板
34・・・軸
Claims (8)
- 薄板上に両面粘着テープを介して脆質部材が再剥離可能に固定されてなる脆質部材の保護構造であって、
前記薄板の曲げ強さが20〜2000MPa、かつ曲げ歪みが1%以上である、脆質部材の保護構造。 - 前記薄板の曲げ弾性率が1〜200GPaである請求項1に記載の保護構造。
- 前記脆質部材が半導体ウエハである請求項1または2に記載の保護構造。
- 曲げ強さが20〜2000MPa、かつ曲げ歪みが1%以上である薄板上に、両面粘着テープを介して脆質部材を再剥離可能に固定する工程、
前記脆質部材に処理を行う工程、
前記脆質部材側を支持手段により固定する工程、および
前記薄板を湾曲させて脆質部材から剥離する工程を含む脆質部材の処理方法。 - 前記薄板の曲げ弾性率が1〜200GPaである請求項4に記載の処理方法。
- 前記脆質部材が半導体ウエハである請求項4または5に記載の処理方法。
- 脆質部材に施される処理が、半導体ウエハの裏面研削あるいは半導体ウエハの搬送である請求項6に記載の処理方法。
- 前記薄板を脆質部材から剥離する工程において、該薄板を湾曲させつつ剥離を行う請求項4〜7の何れかに記載の処理方法。
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