JP2006339358A - 狭帯域レーザ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
レーザ発振効率を向上させると共に、ビームダイバージェンスの拡大を抑制する。
【解決手段】
出力カプラ80は、レーザチャンバ20のフロントウィンドウ22側の方向と反対の方向に凹状に湾曲しており、フロントウィンドウ22と対向してレーザ光が入射、反射される入射・反射面80aと、レーザ光が出射される出射面80bとを有する。入射・反射面80aの曲率と出射面80bの曲率は異なる。入射・反射面80aの曲率は、出力カプラ80とグレーティング30とで安定共振器を構成するために適切な曲率である。出射面80bの曲率は入射・反射面80aの曲率よりも大きい。両者の曲率の差が大きいほど、出射面80bから出射されるレーザ光は光軸中心方向に狭まる。
【選択図】図6

Description

本発明は、レーザ発振効率を高めると共に、レーザ光のビームダイバージェンスを補正する機能が付加された狭帯域レーザ装置に関する。
半導体集積回路の製造工程には種々の工程があり、そのうちの一つに半導体ウェーハの露光工程がある。露光工程では露光装置から出力されたレーザ光によって半導体ウェーハ表面が露光される。露光装置の光源としてはエキシマレーザ装置やフッ素分子レーザ装置が使用される。エキシマレーザ装置はレーザ光の発振帯域が広い。よって露光用の光源としてエキシマレーザ装置を使用する場合は、レーザ光の狭帯域化が必要となる。下記特許文献1には従来の狭帯域エキシマレーザ装置が開示されている。
図1(a)は従来の狭帯域エキシマレーザの構成を示す側面図であり、図1(b)は従来の狭帯域エキシマレーザの構成を示す平面図である。図1(b)において、主放電電極23、24は図面の手前と奥に並び、奥の電極は手前の電極の背後に隠れている。
図1(a)および図1(b)で示される狭帯域エキシマレーザは、レーザチャンバ20と、レーザチャンバ20の前方(図面右方向)に設けられた出力カプラ(フロントミラーともいう)10と、レーザチャンバ20の後方(図面左方向)に設けられリアミラー(反射光学素子)として機能するグレーティング30から構成される。グレーティング30は所謂リトロー配置をとっている。
レーザチャンバ20には、図示しないボンベ、バルブ、管路等からなるガス供給・排出装置が接続される。ガス供給・排出装置によってレーザチャンバ20にレーザガスが供給され、またレーザチャンバ20からレーザガスが排出される。ガス供給・排出装置のバルブが閉じられるとレーザチャンバ20内にレーザガスが封入される。KrFエキシマレーザならば、レーザガスはフッ素、ネオン、クリプトンの混合ガスである。ArFエキシマレーザならば、レーザガスはフッ素、ネオン、アルゴンの混合ガスである。フッ素分子レーザならば、レーザガスはフッ素、ヘリウム又はネオンの混合ガスである。エキシマレーザでは出力パルス光エネルギーのばらつきを抑制するために、レーザガスに更に10ppm程度のキセノンが添加される場合もある。
レーザチャンバ20内にはレーザガスを放電励起するための主放電電極23、24が設けられる。主放電電極23、24は互いに対向しており、長手方向が前後方向(図面左右方向)となるように設けられる。更にレーザチャンバ20の前方の壁には発振レーザ光を通すフロントウィンドウ22が設けられ、後方の壁には発振レーザ光を通すリアウィンドウ21が設けられる。
出力カプラ10はレーザチャンバ20側にレーザ光の入射・反射面10aを有する平面基板である。入射・反射面10aは部分透過面である。フロントウィンドウ22から出力されたレーザ光は入射・反射面10aに入射する。そのうちの一部は出力カプラ10を透過し入射・反射面10aの裏面にあたる出射面10bから出射される。残りは入射・反射面10aで反射され再びレーザチャンバ20側に戻る。
グレーティング30は光の回折を利用して特定波長帯域の光を選択する。グレーティング30には一定方向に配列された多数の溝31が形成されている。溝31はレーザチャンバ20内の主放電電極23、24の放電方向すなわち主放電電極23、24の配列方向と平行である。溝31と直交する平面内においてグレーティング30に入射する光の入射角度θとする。この入射角度θを変化させることによって特定帯域の波長の光を選択することができる。グレーティング30は軸を中心にして回転自在であり、グレーティング30の回転動作によって入射角度θを微調整することができる。
レーザチャンバ20とグレーティング30との間には一以上のプリズムビームエキスパンダ41、42(以下、単にプリズム41、42という)が設けられる。プリズム41、42はレーザチャンバ20から出力されたレーザビーム幅を拡大してグレーティング30に出力する。プリズム41、42の個数は出力レーザ光のスペクトル幅仕様値に応じて決められる。プリズム41、42のビーム拡大方向すなわちプリズムの陵線方向と垂直な方向は、グレーティング30の溝31及びレーザチャンバ20内の主放電電極23、24の放電方向と垂直な方向に平行する。プリズム41、42のビーム拡大方向をグレーティング30の溝31と垂直な方向にすることによって、グレーティング30におけるビーム広がり角がビームエキスパンダの拡大率の逆数分だけ小さくなるので、レーザ光の狭帯域化効率が向上する。
レーザチャンバ20の後方のウィンドウ21とプリズム41の間にはスリット52が設けられる。またレーザチャンバ20の前方のウィンドウ22と出力カプラ10の間にはスリット51が設けられる。このスリット51は、レーザチャンバ20内部であって、主放電電極23、24とフロントウィンドウ22の間に設けられる場合もある。スリット51、52は長方形状の開口を有する遮光板である。スリット51、52については下記特許文献2で開示されている。スリット51、52の開口のうち、主放電電極23、24の放電方向の開口幅(図1(a)で示される開口幅)は、主放電電極23、24の間隔よりも若干狭い。またスリット51、52の開口のうち、放電方向及びレーザ光軸に直交する方向の開口幅(図1(b)で示される開口幅)は、狭帯域化の仕様により定められる。スリット51、52によって余分なレーザ光がカットされ、狭帯域レーザのスペクトル幅が効率よく狭まる。
図1(a)、(b)で示される出力カプラ10は平面基板であるため、スリット51で遮光される光の成分が比較的多い。このためレーザ発振効率が低くなる。下記特許文献3には図1で示される狭帯域エキシマレーザよりもレーザ発振効率が高い狭帯域エキシマレーザが開示されている。下記特許文献3の狭帯域エキシマレーザには、出力カプラ10とは別形態の出力カプラが設けられている。この狭帯域エキシマレーザを図2を用いて説明する。
図2(a)、(b)は別形態の出力カプラが設けられた従来の狭帯域エキシマレーザの構成を示す図である。図2で示される狭帯域エキシマレーザは、図1で示される出力カプラ10を出力カプラ60に置換した構成であり、その他の構成は図1で示される狭帯域エキシマレーザと同じである。
出力カプラ60は、平面基板型の出力カプラ10をフロントウィンドウ22側の方向と反対の方向に凹状に湾曲した形状であり、シリンドリカルミラー型と呼ばれる。出力カプラ60とグレーティング30は所謂安定共振器を形成しており、高次横モードをレーザ発振に寄与させることでレーザ発振効率を高めることができる。出力カプラ60はその機械軸(長さ方向に沿ってミラーを2分する軸)がレーザチャンバ20内の放電電極23、24の放電方向と一致するようにして配置される。
出力カプラ60の入射・反射面60aの曲率はレーザ光のビームウェストがグレーティング30上にくるように選択される。すなわち出力カプラ60の入射・反射面60aの曲率をRとし、出力カプラ60とグレーティング30の回転軸までの長さ、つまりレーザのキャビティ長をLとするとき、R=2Lの関係が成立するように出力カプラ60の入射・反射面60aの曲率が選択される。こうした曲率の選択によってグレーティング30の回折面(溝31を形成する面)へ入射するレーザ光の平行度が高まるため、レーザ光の狭帯域化効率が向上する。
特許第2531788号公報(第6図、第9図) 特許第2997606号公報([0004]段落) 特開平5−121817号公報(図1乃至図9)
ところで、エキシマレーザやフッ素分子レーザを半導体露光用光源として使用する場合には、ビームダイバージェンスが小さいという特性が求められる。半導体製造工場においてレーザ装置から露光機までの距離は数メートルになることがある。この数メートルの間でレーザビーム幅はビームダイバージェンスに起因して拡大する。レーザビーム幅の拡大比率が大きいとレーザ光が露光機に達した時点で露光レンズの面積に対してレーザビーム幅が広すぎる等の不都合が生ずる。そこで、ビームダイバージェンスに着目して従来技術を検討する。
図2で示される安定共振器には、レーザ発振効率が向上するというメリットがある反面、出力カプラが有する曲率のレンズ効果によってレーザ光の進行と共にレーザビーム幅が拡大する(ビームダイバージェンスが大きい)というデメリットがある。出力カプラの形状とビームダイバージェンスとの関係について図1乃至図5を用いて説明する。
図3は平面基板の出力カプラとレーザ光の進行方向を示す図である。図4、図5はシリンドリカルミラー型の出力カプラとレーザ光の進行方向を示す図である。図3で示される出力カプラ10は図1で示される出力カプラ10と同等のものである。図4で示される出力カプラ70は出力カプラ10の入射・反射面10aがフロントウィンドウ側の方向と反対の方向に凹状に湾曲した凹面鏡である。図5で示される出力カプラ60は図2で示される出力カプラ60と同等のものである。
出力カプラ10、60、70に達するレーザ光のうち、一部は入射・反射面10a、60a、70aで反射し、残りは出力カプラ10、60、70を透過して出射面10b、60b、70bから出射される。
スリット51の開口幅は、互いに対向する主放電電極23、24の間隔と同等か又はやや狭い。前述したように、この構成は狭帯域レーザの不要な発振を防ぐ等のために従来から用いられている。レーザチャンバ20内部では様々な方向の光が発生するが、主放電電極23、24の長手方向とほぼ平行な方向(レーザ光軸方向)を外れる光の多くはこのスリット51で遮断されて出力カプラ10、60、70へ達しない。また出力カプラ10、60、70へ達した光であっても、入射・反射面10a、60a、70aで反射してスリット51で遮断されるためレーザチャンバ20内へ戻ることがない。すなわち、レーザ光軸方向とほぼ平行な光のみがレーザ光として出射され、レーザ光軸方向と非平行な光はレーザ発振に寄与しない。
レーザ光軸方向とほぼ平行な光のみがレーザ光として出射されるという事実を念頭に置いて図3乃至図5のビームダイバージェンスを検討する。
図3で示される出力カプラ10の場合、レーザチャンバ20から出射された光11のうち、レーザ光軸方向とほぼ平行な光11aの一部と拡がり角の小さい光11bの一部は入射・反射面10aで反射し、スリット51の開口を通過してレーザチャンバ20内へ戻る。一方、拡がり角の大きな光11cの一部は入射・反射面10aで反射し、スリット51にあたって消失する。出力カプラ10は平面基板であるため、光11aと光11bは、スネルの法則から入射・反射面10aに入射される前と出射面10bから出射された後とで平行である。出力カプラ10のビームダイバージェンスによるビーム拡がり角はそれほど大きくない。
図4で示される出力カプラ70の場合、入射・反射面70aが湾曲しているため、入射・反射面70aで反射される光71a、71b、71cの多くがスリット51の開口を通過する。その反面、出力カプラ70を透過し出射面70bから出射される光71a、71b、71cの拡がり角は大きい。
図5で示される出力カプラ60の場合、出射面60bが入射・反射面60aと同程度に湾曲しているため、出力カプラ60を透過し出射面60bから出射される光61a、61b、61cの拡がり角は、図4で示される光71a、71b、71cの拡がり角と比べて幾らか小さくなる。しかしこれとて拡がり角は大きい。
本発明はこうした実状に鑑みてなされたものであり、レーザ発振効率を向上させると共に、ビームダイバージェンスの拡大を抑制することを解決課題とするものである。
本発明は、
内部に封入されるレーザガスと、互いに対向して設けられレーザガスを放電励起する一対の放電電極と、前記放電電極の長手方向の前方に設けられレーザ光を通過させるフロントウィンドウと、前記放電電極の長手方向の後方に設けられレーザ光を通過させるリアウィンドウと、を有するレーザチャンバと、
前記フロントウィンドウの前方に設けられる出力カプラと、前記リアウィンドウの後方に設けられる反射光学素子と、で構成されるレーザ共振器と、
前記放電電極と前記出力カプラとの間に設けられ前記放電電極間に形成された放電空間の延長上に開口部を有するスリットと、を備えた狭帯域レーザ装置において、
前記出力カプラは、前記フロントウィンドウ側の方向と反対の方向に凹状に湾曲し、前記フロントウィンドウと対向するレーザ光の入射・反射面の曲率よりも当該入射・反射面の裏面にあたるレーザ光の出射面の曲率の方が大きいこと
を特徴とする。
図6、図7を用いて本発明を説明する。
図7で示される本発明の狭帯域レーザ装置の構成と図1で示される従来の狭帯域レーザ装置の構成とで異なる部分は、出力カプラの形状である。
出力カプラ80は、レーザチャンバ20のフロントウィンドウ22側の方向と反対の方向に凹状に湾曲しており、フロントウィンドウ22と対向してレーザ光が入射、反射される入射・反射面80aと、レーザ光が出射される出射面80bとを有する。入射・反射面80aの曲率と出射面80bの曲率は異なる。入射・反射面80aの曲率は、出力カプラ80とグレーティング30とで安定共振器を構成するために適切な曲率である。出射面80bの曲率は入射・反射面80aの曲率よりも大きい。両者の曲率の差が大きいほど、出射面80bから出射されるレーザ光は光軸中心方向に狭まる。但し、出射面80bの曲率が大きすぎると焦点以後に拡大に転ずるため、出射面80bの曲率には限度がある。
本発明によれば、出力カプラが安定共振器を構成するため、レーザ発振効率が向上する。さらにフロントウィンドウと対向しレーザ光の入射・反射面の曲率よりも、入射・反射面の裏面にあたるレーザ光の出射面の曲率の方が大きいため、出射面から出射されるレーザ光のビームダイバージェンスが小さくなる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図6(a)は本発明に係る狭帯域エキシマレーザの構成を示す側面図であり、図6(b)は本発明に係る狭帯域エキシマレーザの構成を示す平面図である。
図6(a)、(b)で示される本発明の狭帯域エキシマレーザの構成と図1(a)、(b)で示される従来の狭帯域エキシマレーザの構成との異なる部分は、出力カプラの形状のみである。そこで以下では主に出力カプラの説明をすることとし、他の構成の説明を省略する。なお以下の説明で用いられる「x軸」は図6(a)の紙面と直交する方向と平行することとし、「y軸」は図6(a)の上下方向と平行することとし、「z軸」は図6(a)の左右方向と平行することとする。
図7は第1実施形態に係る出力カプラとレーザ光の進行方向を示す図である。
図7においては左方向にレーザチャンバのフロンウィンドウが設けられている。図7で示されるように、出力カプラ80は、レーザチャンバ20のフロントウィンドウ22側の方向と反対の方向に凹状に湾曲しており、フロントウィンドウ22と対向してレーザ光が入射、反射する入射・反射面80aと、入射・反射面80aの裏面にあたりレーザ光が出射する出射面80を有する。入射・反射面80a及び出射面80bは球面の一部である。入射・反射面80aの曲率と出射面80bの曲率は異なる。このように両面の曲率が異なる形状をメニスカス型という。入射・反射面80aの曲率は、出力カプラ80とグレーティング30で安定共振器を構成するために適切な曲率である。出射面80bの曲率は、入射・反射面80aの曲率よりも大きい。
図8は入射・反射面80aの曲率半径R1及び出射面80bの曲率半径R2を示す図である。
入射・反射面80aの曲率は曲率半径R1の逆数1/R1で表され、出射面80bの曲率は曲率半径R2の逆数1/R2で表される。R1、R2で出力カプラ80の条件を表すと、(1/R1)<(1/R2)(又はR1>R2)となる。本発明者が用いた出力カプラ80の曲率半径R1は約20mであり、曲率半径R2は約10mであり、曲率はそれぞれ1/20、1/10となる。この出力カプラ80を正しく図示すると殆ど平面になるが、本実施形態を理解し易くするために、各図では出力カプラ80の湾曲の度合を大きく示している。安定共振器になるような入射・反射面の曲率半径R1は共振器長Lが決定されれば、自動的にその範囲が決まる。リア側ミラーが平面の場合は、0<(1−L/R1)<1を満たすR1になる。
図9は凹面鏡の出力カプラとビームダイバージェンスの関係を示すグラフである。
図9の直線Aで示されるように、一般的に図4で示されるような凹面鏡の出力カプラ70を透過する光線は、入射・反射面70aの曲率が大きくなるほど拡がり角が大きくなる。図9の直線Bで示されるように、出力カプラ70の前方に補正レンズを設けると、ビームの拡がりを抑制できる。しかし補正レンズのような光学素子を光路上に設けると、レーザ光が損失する。図7で示されるようなメニスカス型の出力カプラ80は、出力カプラの機能と補正レンズの機能を併せ持つ。つまり出力カプラ80によれば、補正レンズを設けることなくビームの拡がりを抑制できる。
本実施形態の出力カプラ80の有効性をデータを参照して示す。
図10(a)、(b)はビームダイバージェンスの拡がり角を示すグラフであり、平面基板の出力カプラ10(図3)の出力光と、凹面鏡の出力カプラ70(図4)の出力光と、本実施形態の出力カプラ80(図7)の出力光と、をレンズで集光したときのその焦点面でのプロファイル断面を表したグラフである。図10(a)では理論的に得られた結果が示され、図10(b)では実験によって得られた結果が示されている。図10(a)、(b)の横軸は拡がり角(mrad)を示し、縦軸は規格a.u.(arbitrary unit)化された光強度を示す。拡がり角は1/eで定義されている。図10(a)、(b)をみると、両者はほぼ等しいことが分かる。
ビームの拡がり角だけに着目すれば、図10(a)、(b)から判るように、平面基板の出力カプラ10の結果が良好である。しかし前述したように、出力カプラ10にはレーザ発振効率が低いというデメリットがある。一方、凹面鏡の出力カプラ70はレーザ発振効率が高い。しかし出力カプラ70には拡がり角が大きいというデメリットがある。本実施形態の出力カプラ80によれば、入射・反射面80aが出力カプラ70と同様に湾曲するため、レーザ発振効率が高くなる。また図10(a)、(b)で示されるように、a.u.=0.15あたりの出力カプラ80の拡がり角は、出力カプラ10とほぼ等しい1.7mradである。因みに出力カプラ70の拡がり角はほぼ2mradである。このように出力カプラ80はビームダイバージェンスを抑制する。
図11は出力カプラの位置調整を説明するための図である。
本実施形態の狭帯域エキシマレーザは、出力カプラ80をx軸、y軸を中心にして回転自在にし、またx軸、y軸に沿って平行移動自在にする調整機構を備える。
第1実施形態において、出力カプラ80の入射・反射面80a及び出射面80bは球面の一部である。しかし出射面の形状は球面である必要はない。そこで以下では他の出力カプラの形態を説明する。なお各実施形態で説明する出力カプラは、図6の出力カプラ80に代わって設置されるものとする。
図12は第2実施形態に係る出力カプラを示す図である。
出力カプラ82は、入射・反射面82aが球面の一部であるが、出射面82bが非球面の一部である。出射面82bの曲面は二次曲線である。
図13(a)、(b)は第3実施形態に係る出力カプラを示す図である。図13(a)は出力カプラ84のx軸断面(x軸と直交する断面)であり、図13(b)はy軸断面(y軸と直交する断面)である。
出力カプラ84は出射面84bの断面形状がx軸断面とy軸断面とで異なる。出力カプラ84の出射面84bのようにx軸断面とy軸断面が異なる面をトロイダル面という。出射面84bの曲率は、y軸断面よりもx軸断面の方が大きい。
図14(a)、(b)、(c)は第4実施形態に係る出力カプラを示す図である。図14(a)は出力カプラ86の斜視図であり、図14(b)は出力カプラ86のy軸断面(y軸と直交する断面)であり、図14(c)はx軸断面(x軸と直交する断面)である。
出力カプラ86は入射・反射面86a、出射面86bともにトロイダル面である。出射面86bの曲率は、y軸断面よりもx軸断面の方が大きい。一方、x軸断面の入射・反射面86aが凹面であるのに対して、y軸断面の入射・反射面86aは凸面である。出力カプラ86のように入射・反射面86aのy軸断面が凸面である場合は、入射・反射面86aからの反射光が拡がる傾向をもつ。このため入射・反射面86aの中央部に平行に入射した光だけがスリット51を通過し、チャンバ20側に戻り、グレーティング30に入射する。つまりグレーティング30に入射する光の平行度が向上する。このためグレーティング30による波長選択性が向上し、スペクトル線幅が狭くなる。
出力カプラ86とは逆に、入射・反射面のx軸断面が凸面でありy軸断面で凹面である場合もグレーティング30に入射する光の平行度は向上する。しかしこの場合に光が平行する方向はグレーティング30の溝31と平行になるため、回折には影響しない。つまり波長選択性には何ら影響しない。よって入射・反射面86aを凸面にするならy軸断面であり、この場合にのみ波長選択性が向上する。
上記実施例1〜4において、出力カプラの中心が平面で、その平面の周りに湾曲面が形成された形態でもよい。
本発明と同等の効果は、出力カプラの屈折率分布を調整することによっても得られる。 図15(a)、(b)は第5実施形態に係る出力カプラを示す図である。
図15(a)で示される出力カプラ88は、z軸を中心とし、中心から離れるに従い屈折率が低くなるような屈折率分布を持つ。図15(b)で示される出力カプラ89は、入射・反射面89aから出射面89bに進むに従い屈折率が低くなるような屈折率分布を持つ。
各実施形態で説明した出力カプラは、図6の狭帯域レーザ、フリーランレーザ(図6のプリズム41、42とグレーティング30の代わりに高反射ミラーが設けられたもの)のいずれにも適用可能である。
図1(a)は従来の狭帯域エキシマレーザの構成を示す側面図であり、図1(b)は従来の狭帯域エキシマレーザの構成を示す平面図である。 図2(a)、(b)は別形態の出力カプラが設けられた従来の狭帯域エキシマレーザの構成を示す図である。 図3は平面基板の出力カプラとレーザ光の進行方向を示す図である。 図4はシリンドリカルミラー型の出力カプラとレーザ光の進行方向を示す図である。 図5はシリンドリカルミラー型の出力カプラとレーザ光の進行方向を示す図である。 図6(a)は本発明に係る狭帯域エキシマレーザの構成を示す側面図であり、図6(b)は本発明に係る狭帯域エキシマレーザの構成を示す平面図である。 図7は第1実施形態に係る出力カプラとレーザ光の進行方向を示す図である。 図8は入射・反射面80aの曲率半径R1及び出射面80bの曲率半径R2を示す図である。 図9は凹面鏡の出力カプラとビームダイバージェンスの関係を示すグラフである。 図10(a)、(b)はビームダイバージェンスの拡がり角を示すグラフである。 図11は出力カプラの位置調整を説明するための図である。 図12は第2実施形態に係る出力カプラを示す図である。 図13(a)、(b)は第3実施形態に係る出力カプラを示す図である。 図14(a)、(b)、(c)は第4実施形態に係る出力カプラを示す図である。 図15(a)、(b)は第5実施形態に係る出力カプラを示す図である。
符号の説明
20…レーザチャンバ 21…リアウィンドウ 22…フロントウィンドウ
23、24…主放電電極 30…グレーティング 41、42…プリズム
51、52…スリット 80…出力カプラ 80a…入射・反射面 80b…出射面

Claims (1)

  1. 内部に封入されるレーザガスと、互いに対向して設けられレーザガスを放電励起する一対の放電電極と、前記放電電極の長手方向の前方に設けられレーザ光を通過させるフロントウィンドウと、前記放電電極の長手方向の後方に設けられレーザ光を通過させるリアウィンドウと、を有するレーザチャンバと、
    前記フロントウィンドウの前方に設けられる出力カプラと、前記リアウィンドウの後方に設けられる反射光学素子と、で構成されるレーザ共振器と、
    前記放電電極と前記出力カプラとの間に設けられ前記放電電極間に形成された放電空間の延長上に開口部を有するスリットと、を備えた狭帯域レーザ装置において、
    前記出力カプラは、前記フロントウィンドウ側の方向と反対の方向に凹状に湾曲し、前記フロントウィンドウと対向するレーザ光の入射・反射面の曲率よりも当該入射・反射面の裏面にあたるレーザ光の出射面の曲率の方が大きいこと
    を特徴とする狭帯域レーザ装置。
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