JP2006189424A - 光断層画像化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】生体組織の光吸収特性、散乱特性、分散特性から高分解能化に対する最適波長域の低コヒーレンス光を発生する光源により高分解能光断層画像化装置を実現する。
【解決手段】光源ユニット210から、中心周波数(λc)1.1μm、スペクトル半値全幅(Δλ)75μmの低コヒーレンス光を射出する。この低コヒーレンス光は、光生体組織の光吸収特性、散乱特性、分散特性に適した波長特性を有している。光分割手段3 において、低コヒーレンス光を、光プローブ230を介して測定対象Sを照射する測定光と、光路長調整手段220方向へ向かう参照光とに分割し、また、測定対象Sの所定の深部で反射された反射光と参照光とを合波手段4において合波する。この合波された干渉光L4の光強度を干渉光検出手段240で検出し、画像取得手段250で画像処理を行い、表示装置260に光断層画像として表示する。
【選択図】図9

Description

本発明は、低コヒーレンス光である測定光を測定対象に照射して測定対象の断層画像を取得する光断層画像化装置に関し、特に測定対象の表面および深部の微細構造情報を測定光の反射光に基づいて、画像化する光断層画像化装置に関する。
従来、生体組織等の測定対象の断層画像を取得する方法の一つとして、例えば特許文献1または特許文献2に示されるような、TD−OCT(Time domain Optical Coherence Tomography)計測により光断層画像を取得する方法が提案されている。このTD−OCT計測は、光干渉計測の一種であり、二つに分けた光、すなわち測定光と参照光との光路長が光源のコヒーレンス長以内の範囲で一致したときにのみ光干渉が検出されることを利用した計測方法である。すなわちこの方法において、光源から射出された低コヒーレント光は測定光と参照光とに分割され、測定光は測定対象に照射され、測定対象からの反射光が合波手段に導かれる。
TD−OCT計測においては、参照光または測定光の光路長を変更することにより、測定対象に対する測定位置(測定深さ)を変更し、光軸方向の1次元断層画像を取得するようになっている。例えば、特許文献1に記載されたTD−OCT装置の光路長調整機構は、光ファイバから射出した参照光をミラーに反射させる光学系を有し、このミラーを参照光の光軸方向に移動させて光路長の調整を行っている。また、測定対象へ当てる測定光の照射位置を、光軸と垂直な方向に走査することで、二次元の光反射強度の断層像が得られる。さらに、測定光の照射位置を、光軸方向と垂直な二次元方向に亘って走査することで、三次元の光反射強度の断層像を得ることができる。
このようなOCT装置は、まず眼科用装置として開発が進められ、実用化されている。現在、眼科分野での実用化を受けて、内視鏡への応用を目指してさらに研究開発が進められている。開発当初においては、OCT装置の光源波長としては、主に0.8μm帯が用いられてきた(例えば非特許文献1参照)。これは生体における吸収特性を考慮した結果、選択された波長であり、る。図1(a)は、水、血液、メラニンおよび表皮の光の吸収係数を示すものであり、図1(b)は、波長帯域0.7μmから1.6μmまでの水の吸収係数を示すものである。この図1(b)から、0.98μmおよび1.2μmに水の吸収ピークがあることがわかる。また、図2中の破線は、これらの吸収係数に基づいて得られた生体の吸収損失を示すものである。この図2から、生体においては、0.8μm帯の光が、吸収損失が最も少ないことがわかる。このことから、開発当初においては、0.8μm帯の光が、生体の透過率が高く、そのために計測深度が深くなり、OCT装置には最も適していると考えられた。
しかしながら、近年、OCT装置では、生体内部の後方散乱反射光を検出するため、散乱特性も計測深度を律束することが明らかにされた。生体組織での主な散乱はレーリー散乱である。レーリー散乱では散乱強度は波長の4乗に逆比例する。図2中の点線は、生体における散乱損失を示すものである。OCT信号を取得する際の全損失は、吸収損失と散乱損失の和であり、この全損失を図2中に実線で示す。
図2から全損失が最小となる波長帯域は、1.3μm帯であることが判る。このため、眼科用のOCT装置が実用化された後、より画像化深度が求められる内視鏡応用のOCT装置においては、光源波長として1.3μm帯の光を用いて研究開発が進められている(例えば非特許文献2参照)。
一方、内視鏡へOCT装置を応用する際の目的は、生体内確定診断と、粘膜癌(m癌)と粘膜下層癌(sm癌)の識別の、癌の深達度診断である。以下簡単に癌の内視鏡下診断の手順について説明する。まず通常観察像で病変部を発見し、癌かその他疾患かを識別する。この第1次診断は医師の経験に基づく診断で、癌と推測した部位の組織を採取し病理検査により確定診断を行う。このため、現状では内視鏡検査中の確定診断は困難である。癌と確定診断された場合には、再度その後の治療方針を決定するため、内視鏡検査による癌の深達度診断が行われる。一般に癌は粘膜表皮から発生し、進行に伴って横方向へ拡がりながら深さ方向へも浸潤する。図3に示すように、胃壁の構造は表面から粘膜層(m層)、粘膜筋板(MM)、粘膜下層(sm層)、筋層、奨膜の5層から構成されている。粘膜層のみに留まっている癌をm癌、粘膜下層まで浸潤している癌をsm癌という。m癌とsm癌では治療法が異なる。粘膜下層にはリンパ系や血管系が存在するため、sm癌では転移の可能性が否定できないため、外科手術の適応となる。一方m癌であれば、転移はないため内視鏡下で癌の摘出が行われる。このためm癌かsm癌かの識別が重要となる。具体的には粘膜筋板(MM層)が層構造を保持しているか、破壊されているかを画像として評価できることが重要である。現在はこの深達度診断を目指して、超音波の適応が検討されている。しかし超音波では軸方向分解能が100μm程度であるためMM層の描出が不充分である。また進行度の高いm癌ではMM層下にリンパ濾胞が形成されるため、癌部位とリンパ濾胞とが一体に画像化されるため、m癌をsm癌と誤診断することになる。このため正確な深達度診断のために、軸方向分解能10μm以下の画像化法が切望されている。
一方、OCT装置では、光源のコヒーレンス長により光軸方向分解能が規定される、すなわち、通常は光源のコヒーレンス長より短い分解能は得られない。このため、光軸方向10μm以下の高分解能を実現するためには、コヒーレンス長10μm以下の光が必要である。低コヒーレンス光のコヒーレンス長Δzは、中心周波数の二乗に比例し、スペクトル幅に半比例するものであり、中心波長λcおよびスペクトル幅Δλとすると次式で表すことができる。
Δz=2ln2/π・(λc/Δλ)
このため、コヒーレンス長を短くするためには、スペクトル幅Δλを広くしなければならない。一方、コヒーレンス光のスペクトル幅Δλを広くすると、分散の影響を考慮する必要がでてくることが分かった(非特許文献3参照)。
マイケルソン干渉計において、光が試料を伝搬すると位相シフトが生じ、その結果干渉信号波形が変化する。その干渉信号波形をφ(ω)、光源のスペクトル波形がガウス分布とすると、自己相関関数は
Figure 2006189424
と表される。ここでσtは自己相関関数の1/e1/2幅、σt0はD=0時の自己相関関数の1/e1/2幅、σwは光のスペクトル1/e1/2幅、ω0は光スペクトルの中心周波数、Kは分散の影響によるブロード化比である。
図4は水を試料として、上記式(3)の計算結果(実線)と実測結果(▲)を示したものである。波長1.0μmで分散Dが零(零分散)であるのに対し、波長が1.0μmから離れるに従って、分散の影響が大きくなることが判る。
また、図5は波長1.32μm(スペクトル幅75nm)、1.2μm(スペクトル幅62nm)、1.15μm(スペクトル幅59nm)および0.98μm(スペクトル幅41nm)の低コヒーレント光が水中を伝播した場合の、水中伝播距離(水の厚さ)とブロード化比との関係のシミュレーション結果を示す図である。
上記非特許文献3では、低コヒーレンス光のコヒーレンス長が短い場合には、OCT装置においては、中心波長1.0μmの低コヒーレンス光を用いることが好ましいと結論付けている。
特開平6−165784号公報 特開2003−139688号公報 Optics Letters Vol.24,No17,1999, P1221-1223 by W.Drexler et.al Optics Letters Vol.26,No9,2001, P608-610,2001 by I.Hartl et.al Optics Express Vol.11,No12,2003, P14111417,2003 by Yimin Wang et.al
しかしながら、低コヒーレンス光を用いたOCT装置を用いて、生体の光断層画像を取得する際に、低コヒーレンス光(測定光)の波長帯域が生体における光吸収の大きい波長帯域を含む場合には、生体の光吸収により低コヒーレンス光(反射光)のスペクトル形状が変形し、このため、自己相関関数にサイドバンドあるいはサイドロープが現れ、その結果擬似信号が発生して、光断層画像のS/Nが低下するという問題がある。図1(b)に示すように、生体の主な構成物質である水には、波長1μm近傍では、0.98μmおよび1.2μmに吸収係数のピークが存在する。
図6は、中心波長1.0μm、波長帯域幅100nmのガウス分布の光が、水中を伝播した場合を想定したシミュレーション結果である。図6(A)は、スペクトル形状の変化を示し、図6(B)は、各スペクトル波形のフーリエ変換波形を示している。なお、実線は水を透過していない波形であり、一点破線は厚さ2mmの水を透過した場合の波形を、2点破線は厚さ4mmの水を透過した場合の波形を、点線は厚さ8mmの水を透過した場合の波形を示している。この図6から、波長1μm、波長帯域幅100nmの低コヒーレンス光が水中を透過した場合、0.98μmにおける吸収の影響により、スペクトル形状が大きく変形していることがわかる。この結果、自己相関波形にサイドバンドが現れ、擬似信号が発生して、光断層画像の画質が低下する。
また、上記非特許文献3においては、中心波長1.1μm、スペクトル幅372nmの低コヒーレンス光を用いて、光断層画像を取得しているが、この場合には0.98μmのみならず、1.2μmにおける吸収ピークの影響も受けることになり、サイドバンドの発生による画質の低下はさらに大きくなるであろう。
なお、非特許文献3には、コヒーレンス長が略10μm(λc/Δλが23)の低コヒーレンス光を用いて、光断層画像を取得する場合には、分散の影響を受けることが記載され、またλc/Δλの値が小さくなり、分散の影響を受けるような場合には、低コヒーレンス光の中心波長を1.0μm近傍とすることが好ましいことは記載されているが、0.98μmおよび1.2μmにおける吸収の影響を受けない中心波長λcおよび波長帯域幅Δλについては、一切言及していない。
本発明はこうした問題を鑑みなされたもので、低コヒーレンス光を用いて測定対象の断層画像を取得する光断層画像化装置において、生体組織の光吸収特性、散乱特性、分散特性から高分解能化に対しては最適な低コヒーレンス光の波長特性が存在することを明らかにし、この最適な波長特性を有する低コヒーレンス光を用いて、高分解能かつ高画質の光断層画像を取得する装置を実現することを目的とするものである。
本発明の光断層画像化装置は、低コヒーレンス光を射出する光源部と、
前記低コヒーレンス光を測定光と参照光に分割する分割手段と、
前記測定光を測定対象に照射する照射光学系と、
前記参照光または前記測定光の光路長を変更する光路長変更手段と、
前記測定対象に前記測定光が照射されたときの該測定対象からの反射光と前記参照光とを合波する合波手段と、
合波された前記反射光と前記参照光の干渉光の光強度に基づいて、前記参照光の光路長と前記測定光および反射光の合計の光路長とが略一致する、前記測定対象の複数の深さ位置における反射光の強度を検出し、これらの各深さ位置における強度に基づいて測定対象の断層画像を取得する画像取得手段とを備えてなる光断層画像化装置において、
前記参照光および反射光の中心波長λcおよびスペクトル半値全幅Δλが、
λc/Δλ≦23
λc+(Δλ/2)≦1.2μm
λc-(Δλ/2)≧0.98μm
を満たすものであることを特徴とするものである。
前記参照光および反射光の中心波長λcおよびスペクトル半値全幅Δλは、
λc/Δλ≦17
を満たすものであってもよい。
なお、ここで「測定対象からの反射光」とは、測定対象で反射された光、測定対象で後方散乱された光、または測定対象で反射および後方散乱された光を意味している。
また、前記参照光および反射光は、実質的に同一中心波長、同一スペクトル半値全幅であればよい。なお実質的に同一とは、干渉光の光強度の測定に支障がでない程度に同一であることを意味している。
前記光源部は、スーパールミネッセントダイオードを有するものであってもよい。また、スーパールミネッセントダイオードは、特に第1の導電性を有するGaAs基板に形成され、InGaAs活性層からなる光導波路と、該光導波路の後出射端面側に配置され、前記活性層よりもエネルギーギャップが大きくかつ屈折率が小さく、前記第1の導電性とは逆の第2の導電性を有し、格子定数がGaAsの格子定数と±0.1%範囲内で格子整合するAlを含まない2元または3元の半導体材料からなるウインドウ領域層とを有するものであってもよい。前記ウインドウ領域層を形成する半導体層は、GaAsまたはInGaPからなるものであってもよい。
また、前記光源部は、近赤外蛍光色素を含有する発光体を有するものであってもよい。
さらに、前記光源部は、Yb系パルスレーザ、Nd系パルスレーザまたはTi系パルスレーザを有するものであってもよい。なお、Yb系パルスレーザとしては、Yb:YAGレーザ、Yb:GlassレーザあるいはYb系ファイバレーザ等を使用することができる。また、Nd系パルスレーザとしては、Nd:YAGレーザ、Nd:GlassレーザあるいはNd系ファイバレーザ等を使用することができる。
さらに、本光断層画像化装置は、ガウス分布成形フィルターを備えたものであってもよい。なお、本光断層画像化装置が、ガウス分布成形フィルターを備えたものである場合には、該ガウス分布成形フィルターを透過した後の低コヒーレンス光が上記の条件を満たす範囲内であれば、光源そのものから射出される低コヒーレンス光の中心波長およびスペクトル半値全幅はいかなるものであってもよい。
本発明の光断層画像化装置は、低コヒーレンス光を射出する光源部と、
前記低コヒーレンス光を測定光と参照光に分割する分割手段と、
前記測定光を測定対象に照射する照射光学系と、
前記参照光または前記測定光の光路長を変更する光路長変更手段と、
前記測定対象に前記測定光が照射されたときの該測定対象からの反射光と前記参照光とを合波する合波手段と、
合波された前記反射光と前記参照光の干渉光の光強度に基づいて、前記参照光の光路長と前記測定光および反射光の合計の光路長とが略一致する、前記測定対象の複数の深さ位置における反射光の強度を検出し、これらの各深さ位置における強度に基づいて測定対象の断層画像を取得する画像取得手段とを備えてなる光断層画像化装置において、
前記参照光および反射光の中心波長λcおよびスペクトル半値全幅Δλが、
λc/Δλ≦23
λc+(Δλ/2)≦1.2μm
λc-(Δλ/2)≧0.98μm
を満たすものであるため、光の透過率もよく、かつ0.98μmおよび1.2μmに存在する光吸収のピークの影響も少なくなるので、高分解能かつ高画質の光断層画像を取得することができる。また、λc/Δλが大きい場合、すなわちコヒーレンス長が長く、スペクトル半値全幅Δλが狭い場合には、水による分散の影響はほとんどないが、λc/Δλが小さくなると、水による分散の影響が無視できなくなる。
図5のシミュレーション結果から、中心波長λcが1.3μm前後であれば、スペクトル幅が75nm、すなわちコヒーレンス長が略10μm(λc/Δλが略23)の低コヒーレンス光であっても、光断層画像を取得する場合には、分散の影響を受けることがわかる。
すなわちλc/Δλ≦23の範囲においては、中心波長1.0μm帯の光が中心波長1.3μm帯の光に対して優位であると考えられる。なお、図7は、上記の式を満たす中心波長λcおよびスペクトル半値全幅Δλをグラフ化したものである。
また、発明者は、中心波長(λc)1.32μm、スペクトル半値全幅(Δλ)100nmの低コヒーレンス光を、厚さ2mm、4mm、10mmの水を透過させて光軸方向分解能の劣化を実測した。この実測結果は図8の(A)に示すようなものであった。また、同時に
中心波長(λc)1.15μm、スペクトル半値全幅(Δλ)100nmの低コヒーレンス光を、厚さ2mm、4mm、10mmの水を透過させて光軸方向分解能の劣化を実測した。この実測結果は図8の(B)に示すようなものであり、スペクトル半値全幅(Δλ)100nmでは、中心波長(λc)1.32μmの低コヒーレンス光では光軸方向分解能のブロード化が顕著であるのに対して、中心波長(λc)1.15μmの低コヒーレンス光ではほとんど光軸方向分解能の劣化が生じていない様子が判る。この実測結果から、中心波長1.0μm帯が中心波長1.3μm帯に対して特に優位である範囲は、λc/Δλ=1.32/0.1≒17から
λc/Δλ≦17
と規定できる。
また、本光断層画像化装置用の光源として、スーパールミネッセントダイオードを用いることにより、安価かつ取り扱い容易な装置が実現できる。本発明者等は、本光断層画像化装置用の光源として、光導波路の端面にウインドウ構造を設けたスーパールミネッセントダイオードに着目し、試作を開始したが、従来知られているスーパールミネッセントダイオードの構成では望ましい素子寿命が得られなかった。本発明者らは、実験により、従来知られているウインドウ領域層の材料の条件に加え、考慮せねばならない重要な条件かいくつかあることを発見した。
まず、中心波長0.98μm以上かつ1.2μm以下のSL光を得るために、活性層の材料としてInGaAs活性層を用いる場合、InGaAsは650℃以上の温度では劣化してしまうため、活性層を形成した後の工程は、650℃以下の環境下で行うことが好ましい。上記のように、ウインドウ構造を有するスーパールミネッセントダイオードでは、ウインドウを形成する材料としてAlGaAsがしばしば使用される。しかしながら、Alを含む材料から半導体層を形成する場合には、高温環境下で形成することが好ましいことが知られている。これは、環境温度が低い場合には、酸素が多く取り込まれるためである(F.Bugge et al J.Cryustal Grouwh Vol.272(2004) P531-537)。
実験により、ウインドウ領域層を、650℃以下の温度でAlを含む材料、例えばAlGaAsで作製した場合、ウインドウ領域層に酸素が多く取り込まれ、これにより非発光再結合中心の増加が起こって、熱の発生が起きて、望ましい素子寿命を得ることが困難であることがわかった。
また通常、活性層は100Å前後の厚さであるが、ウインドウ領域層は、数百nm以上の厚さの膜を成長させる必要がある。実験により、GaAs基板に対し格子整合しない材料によりウインドウ領域層用の膜を成長させる際には、結晶膜質が劣化し、望ましい素子寿命を得ることが困難であることがわかった。例えば、In組成が活性層を形成するInGaAsよりも少ないInGaAsを用いてウインドウ領域層を形成した場合には、InGaAsはGaAs基板に対し格子整合しないため、良好な結晶膜質のInGaAs層が形成されず、望ましい素子寿命は得られなかった。
また、GaAs基板と格子整合し、かつ活性層を形成するInGaAs層よりエネルギーギャップの大きい材料としてはInGaAsPがある。しかしながら、実験によりこのような4元の半導体材料を、ウインドウ領域層のような様々な結晶面に対し積層させる層の材料として用いると、4元材料比のバランスが崩れ易く結晶膜質が劣化することがわかった。また650℃以下の環境温度下で成長させると、ヒロックの増加や結晶膜質の劣化が起こり、さらに素子の信頼性を低下させることがわかった。
従って、スーパールミネッセントダイオードとして、第1の導電性を有するGaAs基板に形成され、InGaAs活性層からなる光導波路と、該光導波路の後出射端面側に配置され、前記活性層よりもエネルギーギャップが大きくかつ屈折率が小さく、前記第1の導電性とは逆の第2の導電性を有し、格子定数がGaAsの格子定数と±0.1%範囲内で格子整合するAlを含まない2元または3元の半導体材料、例えばGaAsまたはInGaPからなるウインドウ領域層とを有するを有するものを用いれば、歪みのないビーム断面形状を有する低コヒーレンス光を、容易かつ低価格に、用いることができる。また、このようなスーパールミネッセントダイオードを有する光源部を用いることにより、光源部の信頼性が向上し、その結果、本光断層画像化装置全体の信頼性も向上する。
また、前記光源部が、近赤外蛍光色素を含有する発光体を有するものであれば、所望の波長帯域の低コヒーレンス光を用いることができる。
前記光源部が、Yb系パルスレーザ、Nd系パルスレーザまたはTi系パルスレーザを有するものであれば、高出力の低コヒーレンス光を容易に用いることができる。
また、本光断層画像化装置が、ガウス分布成形フィルターを備えたものであれば、光源そのものから射出される低コヒーレンス光の中心周波数およびスペクトル半値全幅はいかなるものであってもよく、光源の選択肢が広がる。また、該ガウス分布成形フィルターを透過した後の低コヒーレンス光のスペクトル形状がガウス分布型となり、より高画質の光断層画像を取得することができる。
以下、本発明の具体的な第1の実施形態である光断層画像化装置について図9を参照して説明する。図9は本発明の第1の実施の形態である光断層画像化装置の概略構成図である。
図9に示す光断層画像化装置200は、測定対象の断層画像を前述のTD−OCT計測により取得するものであって、レーザ光Laを射出する光源10および集光レンズ11からなる光源ユニット210と、光源ユニット210から射出されて光ファイバFB1を伝搬するレーザ光Laを分割する光分割手段2と、ここを通過したレーザ光Laを測定光L1と参照光L2とに分割する光分割手段3と、光分割手段3により分割されて光ファイバFB3を伝搬した参照光L2の光路長を調整する光路長調整手段220と、光分割手段3により分割されて光ファイバFB2を伝搬した測定光L1を測定対象Sに照射する光プローブ230と、該光プローブ230から測定光L1が測定対象Sに照射されたときの測定対象からの反射光L3と参照光L2とを合波する合波手段4(光分割手段3が兼ねている)と、合波手段4により合波されて反射光L3と参照光L2との干渉光L4を検出する干渉光検出手段240とを備えている。
光源ユニット210は、中心波長(λc)1.1μm、スペクトル半値全幅75nmの低コヒーレント光Laを射出するSLD(Super Luminescent Diode)10と、この光源10から射出された光を光ファイバFB1内に入射させるための光学系11とを有している。なお、SLD10の詳細な構成は後述する。
上記光路長調整手段220は、光ファイバFB3から出射した参照光L2を平行光化するコリメータレンズ21と、このコリメータレンズ21との距離を変えるように図中矢印A方向に移動可能とされたミラー23と、このミラー23を移動させるミラー移動手段24とから構成されて、測定対象S内の測定位置を深さ方向に変化させるために、参照光L2の光路長を変える機能を有している。光路長調整手段220により光路長の変更がなされた参照光L2が合波手段4に導波されるようになっている。
光プローブ230は、先端が閉じられた円筒状のプローブ外筒15と、このプローブ外筒15の内部空間に、該外筒15の軸方向に延びる状態に配設された1本の光ファイバ13と、光ファイバ13の先端から出射した光Lをプローブ外筒15の周方向に偏向させるプリズムミラー17と、光ファイバ13の先端から出射した光Lを、プローブ外筒15の周外方に配された被走査体としての測定対象Sにおいて収束するように集光するロッドレンズ18と、プリズムミラー17を光ファイバ13の軸を回転軸として回転させるモータ14とを備えている。
光分割手段3は、例えば2×2の光ファイバカプラから構成されており、光源ユニット210から光ファイバFB1を介して導波した光Laを測定光L1と参照光L2とに分割する。この光分割手段3は、2本の光ファイバFB2、FB3にそれぞれ光学的に接続されており、測定光L1は光ファイバFB2を導波し、参照光L2は光ファイバFB3を導波する。なお、本例におけるこの光分割手段3は、合波手段4としても機能するものである。
光ファイバFB2には、光プローブ230が光学的に接続されており、測定光L1は光ファイバFB2から光プローブ230へ導波する。光プローブ230は、例えば鉗子口から鉗子チャンネルを介して体腔内に挿入されるものであって、光学コネクタ31により光ファイバFB2に対して着脱可能に取り付けられている。
また合波手段4は、前述の通り2×2の光ファイバカプラからなり、光路長調整手段230により周波数シフトおよび光路長の変更が施された参照光L2と、測定対象Sからの反射光L3とを合波し、光ファイバFB4を介して干渉光検出手段240側に射出するように構成されている。
干渉光検出手段240は、干渉光L4の光強度を検出するものであり、干渉光L4の光強度を測定する光検出器40aおよび40bと、光検出器40aの検出値と光検出器40b の検出値の入力バランスを調整してバランス検波を行う演算部41とを備えている。具体的には、測定光L1の全光路長と測定対象Sのある点で反射、もしくは後方散乱された反射光L3の合計と、参照光L2の光路長差が光源のコヒーレンス長よりも短い場合にのみ、反射光量に比例した振幅の干渉信号が検出される。光路長調整手段220により光路長を走査することで、干渉信号が得られる測定対象Sの反射点位置(深さ)が変わって行き、干渉光検出手段240は測定対象Sの各測定位置における反射率信号を検出するようになっている。なお、測定位置の情報は光路長調整手段220から画像取得手段250へ出力されるようになっている。このミラー移動手段24における測定位置の情報と干渉光検出手段240により検出された信号とに基づいて、画像取得手段250により測定対象Sの深さ方向の反射光強度分布情報が得られる。
以下、上記構成を有する光断層画像化装置1の作用について説明する。断層画像を取得する際には、まずミラー23を矢印A方向に移動させることにより、測定可能領域内に測定対象Sが位置するように光路長の調整が行われる。その後、光源ユニット210から光Laが射出され、この光Laは光分割手段3により測定光L1と参照光L2とに分割される。測定光L1は光プローブ230から体腔内に向けて射出され、測定対象Sに照射される。
そして、測定対象Sからの反射光L3は、において、反射ミラー22において反射した参照光L2と合波され、干渉光L4が発生する。
干渉光L4は、光分割手段3(合波手段4)で分割され、一方は光検出器40aに入力され、他方は光検出器40a に入力される。
干渉光検出手段240では、光検出器40aの検出値と光検出器40b の検出値の入力バランスを調整してバランス検波を行って、干渉光L4の光強度を検出し、画像取得手段250へ出力する。
この検出された干渉光L4の光強度に基いて、画像取得手段250において測定対象Sの所定の深さにおける反射光強度情報が得られる。次に光路長調整手段330により、参照光L2の光路長を変更し、同様に干渉光L4の光強度を検出し、異なる所定の深さにおける反射光強度情報を取得する。このような動作を繰り返すことにより、測定対象Sの深さ方向(1次元)の反射光強度情報を取得することができる。
そして、光プローブ230のモータ14により、プリズムミラー17を回転させることにより、測定光L1を測定対象S上で走査させれば、この走査方向に沿った各部分において測定対象Sの深さ方向の情報が得られるので、この走査方向を含む断層面についての断層画像を取得することができる。このようにして取得された断層画像は、表示装置260に表示される。なお、例えば光プローブ230を図9の左右方向に移動させて、測定対象Sに対して測定光L1を、上記走査方向に対して直交する第2の方向に走査させることにより、この第2の方向を含む断層面についての断層画像をさらに取得することも可能である。
このようにして取得された断層画像は、表示装置260に表示される。なお、例えば光プローブ230を図9の左右方向に移動させて、測定対象Sに対して測定光L1を、上記走査方向に対して直交する第2の方向に走査させることにより、この第2の方向を含む断層面についての断層画像をさらに取得することも可能である。
また、低コヒーレンス光Laとして、例えば、中心波長(λc)1.1μm、スペクトル半値全幅(Δλ)75nmの光を用いれば、測定光L1、参照光L2および反射光L3は、中心波長(λc)1.1μm、スペクトル半値全幅(Δλ)75nmとなるため、参照光L2および反射光L3のλc/Δλは、16.1となり、分散の影響を考慮すると、中心波長1.3μm帯よりも中心波長1.0μm帯が特に優位である。また、中心波長λcとスペクトル半値全幅Δλとが、
λc+(Δλ/2)≦1.2μm
λc-(Δλ/2)≧0.98μm
を満たすものであるため、測定光L1は測定対象Sにおける透過率もよく、さらに反射光L3においては0.98μmおよび1.2μmに存在する水の光吸収のピークの影響も少なくなるので、高分解能かつ高画質の光断層画像を取得することができる。
なお、次に前述した光源ユニット210のSLD10について図10を用いて説明する。SLD10は、有機金属気相成長(MOCVD)法を用いて結晶成長を行って作成したSBR構造を有するスーパールミネッセントダイオードであり、図10はSLD10の構造断面図を示したものである。有機金属気相成長(MOCVD)法の原料ガスとしては、TEG(トリエチルガリウム)、TMA(トリメチルアルミニウム)、TMI(トリメチルインジウム)、AsH3(アルシン)、PH3(ホスフィン)等を用いている。また、ドーパントとしては、SiH4(シラン)、DEZ(ジエチル亜鉛)を用いている。
SLD10は、光導波路部12と、該光導波路部12の光出射端と反対側に設けられたウインドウ部13とから構成されている。光導波路部12は、p型 GaAsエッチングストップ層108上に形成されたリッジ形状のp型In0.49Ga0.51P上部第2クラッド層109を光ガイドとするSBR構造を有している。
SLD10は、n型GaAs基板101上に、n型GaAsバッファ層102およびn型In0.49Ga0.51P下部クラッド層103が順に積層されている。光導波路部12では、n型In0.49Ga0.51P下部クラッド層103の上に、更にノンドープGaAs下部光ガイド層104、InGaAs多重量子井戸活性層105、ノンドープGaAs上部光ガイド層106、p型In0.49Ga0.51P上部第1クラッド層107、p型 GaAsエッチングストップ層108が順に積層されている。なお、InGaAs多重量子井戸活性層105の材料としては、In比X>0.3のInxGa1-xAsが用いられている。
p型 GaAsエッチングストップ層108上には、リッジ形状のp型In0.49Ga0.51P上部第2クラッド層109が形成されている。このリッジ(p型In0.49Ga0.51P上部第2クラッド層109)の側面にはn-In0.49(Al0.12Ga0.88)0.51P電流ブロック層113が形成され、さらにリッジおよびn-In0.49(Al0.12Ga0.88)0.51P電流ブロック層113の上面にはp型GaAsキャップ層(0.1μm厚、キャリア濃度7.0×1017cm-3)110、p型In0.49(Al0.12Ga0.88)0.51P上部第3クラッド層114およp-GaAsコンタクト層115が形成されている。
ウインドウ部13では、n型In0.49Ga0.51P下部クラッド層103の上に、p型GaAsウインドウ領域層111、ウインドウ領域層用エッチングストップIn0.49Ga0.51P層112、n-In0.49(Al0.12Ga0.88)0.51P電流ブロック層113、p型In0.49(Al0.12Ga0.88)0.51P上部第3クラッド層114およp-GaAsコンタクト層115が、順に積層されている。
このような構成を有するSLD10では、InGaAs多重量子井戸活性層105中をウインドウ部13側へ導光してきた光は、p型GaAsウインドウ領域層111の中に放射されて、拡散する。このため、レーザ発振が抑制され、スペクトル半値幅の広いSLD(スーパールミネッセント)光が、光射出端から射出される。SLD10からは、中心波長1.1μm、半値幅75nm、30mWのSL光が射出される。
SLD10は、InGaAs多重量子井戸活性層105よりもエネルギーギャップが大きくかつ屈折率が小さく、格子定数がGaAsの格子定数と±0.1%範囲内で格子整合し、Alを含まないp型GaAsによりウインドウ領域層111を形成するため、劣化のないInGaAs活性層105と良好な結晶膜質を有するウインドウ領域層111とを実現させているので、素子寿命が長く、かつ高出力で歪みのないビーム断面形状を有するスーパールミネッセント光を射出することができる。
また、SLD10は、InGaAs多重量子井戸活性層105が形成された後は、650℃より高い温度環境下には曝されていないため、InGaAs多重量子井戸活性層105が劣化することがないので、高出力を長時間維持することができる。
なお、SLD10の代わりに、p型In0.49Ga0.51Pを用いたウインドウ領域層111aを有するSLD10aを用いることもできる。p型In0.49Ga0.51P も、InGaAs多重量子井戸活性層105よりもエネルギーギャップが大きくかつ屈折率が小さく、格子定数がGaAsの格子定数と±0.1%範囲内で格子整合し、Alを含まない半導体材料であり、SLD10aも。波長1.1μm、半値幅75nmで、高出力かつ歪みのないビーム断面形状を有するスーパールミネッセント光を射出することができる。また、素子寿命を評価するため室温で連続駆動したところ、出力が初期の90%になったのは約5000時間経過後であった。
さらに、SLD10の代わりに、図11に示す内部ストライプ構造を有するSLD10bを用いることもできる。図11に示すように、SLD10bは、光導波路部15と、該光導波路部15の光出射端と反対側に設けられたウインドウ部16とから構成されている。光導波路部15は、p型 GaAsエッチングストップ層108上に形成された幅3mmのストライプ構造により電流の流れが狭窄される内部ストライプ構造を有している。また、p型GaAsウインドウ領域層(0.5μm)118の上部にウインドウ領域層用n型(Al0.33Ga0.670.5As電流ブロック層(0.5μm厚、キャリア濃度7.0×1017cm-3)119が設けられている。その他の構成はほぼSLD10と同様である。またp型In0.49Ga0.51Pを用いたウインドウ領域層118aを有するSLD10cを用いることもできる。
このようなSLDを有する光源ユニット210を用いることにより、光源ユニット210の信頼性が向上し、その結果、光断層画像化装置200の信頼性も向上する。
なお、SLD10および10aは、SBR構造を有するものであり、SLD10bおよび10cは、内部ストライプ構造を有するものであるが、SLDの構造はこれらの構造に限定されるものではなく、他のインデックスガイド構造やゲインガイド構造を有するSLDであってもよい。
なお、光源ユニット210の代わりに、図12に示すようなモード同期固体レーザを用いたパルス光源部141 、パルス圧縮部142 およびスペクトル成形部140をから構成される光源ユニット410を用いたものも考えられる。パルス光源部141 は、モード同期固体レーザ143 および該モード同期固体レーザ143 から射出されたパルス光をパルス圧縮部142 へ導入する集光レンズ144 とから構成されている。またパルス圧縮部142 は、負分散特性を有するフォトニッククリスタルファイバ145 および光コネクタ146 から構成されている。フォトニッククリスタルファイバは、構造分散値を選択可能であるため所望の波長帯域において、負分散特性を実現することができる。スペクトル成形部140 は、光コネクタ147と、パルス圧縮部142から出力された広帯域光のスペクトル形状がガウス分布となるように信号光を成形するガウス分布成形フィルター148と、成形された低コヒーレンスをファイバFB1へ導入する光コネクタ149とから構成されている。なお、ガウス分布成形フィルター148は、中心波長λcとスペクトル半値全幅Δλとの関係が、
λc/Δλ≦23
λc+(Δλ/2)≦1.2μm
λc-(Δλ/2)≧0.98μm
を満たすように、低コヒーレンス光のスペクトルを成形するものである。
さらに、光源ユニット210の代わりに、図13に示すような、近赤外蛍光色素を含有する発光体を有する光源ユニット420を有するものも考えられる。
光源ユニット420は、近赤外蛍光色素を含有する発光体であるキャピラリー153と、該キャピラリー153の励起用のYb:YAGレーザ151と、励起光カットフィルタ156と、レンズ152、155および157とから構成されている。キャピラリー153には、1.0〜1.2μmで励起可能な色素が溶媒とともに封入されている。例えば色素1,2,3の吸収スペクトルを図15に示す。これをYb:YAGレーザ151から射出された波長1.03μm光で励起する。蛍光強度は3種の色素でほぼ同等となるように、各色素濃度を調整すると、図14に示すような蛍光が得られる。3種色素からの蛍光の加算は図15の破線のような1000nm〜1200nm帯のスペクトルとなる。こうして発光した広帯域光はレンズ155、励起光カットフィルタ156およびレンズ157を透過して、低コヒーレンス光L1として、光ファイバFB1に導光される。なお、励起光カットフィルタ156は、Yb:YAGレーザから射出された励起光が光ファイバFB1へ入射することを防止するものである。
蛍光色素としては、図16に示すようなピリリウム系色素を用いることができる。色素の組み合わせにより、励起用レーザとしては、発振波長が1.04μmのNd:YLFレーザや発振波長が1.064μmのNd:YAGレーザなど適宜最適波長のものを組み合わせればよい。
また、本実施の形態のさらに他の変型例として、光源ユニット210の代わりに、図17に示すようなYb系パルスレーザ、Nd系パルスレーザまたはTi系パルスレーザを光源431として用いた光源ユニット430を用いてもよい。なお、Yb系パルスレーザとしては、Yb:YAGレーザ、Yb:GlassレーザあるいはYb系ファイバレーザ等を使用することができる。また、Nd系パルスレーザとしては、Nd:YAGレーザ、Nd:GlassレーザあるいはNd系ファイバレーザ等を使用することができる。
なお、上記各光源ユニット210、420、430においても、光源ユニット410と同様に、ガウス分布成形フィルター148を有するスペクトル成形部140を備えてもよい。また、ガウス分布成形フィルター148を有するスペクトル成形部140は、参照光L2と反射光L3が合波される前であれば、その光路のいかなる部位に配置してもよい。例えば図18に示すように、参照光L2の光路中に、光コネクタ147a、ガウス分布成形フィルター148aおよび光コネクタ149aを有するスペクトル成形部140aを配置し、測定光L2(反射光L3)の光路中に光コネクタ147b、ガウス分布成形フィルター148bおよび光コネクタ149bを有するスペクトル成形部140bを配置してもよい。
このようなガウス分布成形フィルターを備える場合には、該ガウス分布成形フィルターを透過した後の光において、中心波長λcとスペクトル半値全幅Δλとの関係が、
λc/Δλ≦23
λc+(Δλ/2)≦1.2μm
λc-(Δλ/2)≧0.98μm
を満たすもものであればよい。すなわち、ガウス分布成形フィルターを備える場合には、該ガウス分布成形フィルターを透過した後の低コヒーレンス光が上記の条件を満たす範囲内であれば、例えばSLD、モード同期固体レーザ、近赤外蛍光色素を含有する発光体あるいはパルスレーザ等の光源の中心波長およびスペクトル半値全幅は、いかなるものであってもよい。なお、ガウス分布成形フィルター148aおよびガウス分布成形フィルター148bの2つのガウス分布成形フィルターを備える場合には、そのフィルタ特性は略同一であることが好ましいが、干渉光L4の光強度の測定に支障がでない程度であれば異なっていてもよい。
さらに、図19に示すように、参照光L2の光路中(光ファイバFB3)に、参照光L2に対しわずかな周波数シフトを与える機能を有している位相変調器440を配置してもよい。この場合には、干渉光検出手段340において、合波手段4から光ファイバFB2を伝搬して来た干渉光L4の光強度を、たとえばヘテロダイン検波により検出することができる。具体的には、測定光L1の全光路長と反射光L3の全光路長との合計が、参照光L2の全光路長と等しいときに、参照光L2と反射光L3との差周波数で強弱を繰り返すビート信号が発生する。このビート信号を検出することにより、高精度に干渉光L4の光強度を検出することができる。
吸収特性の説明図 生体組織における損失の説明図 胃壁における癌の進行状態の説明図 水の分散の説明図 水中伝播距離とブロード化比の関係の説明図 スペクトル波形およびフーリエ変換波形の説明図 中心周波数およびスペクトル半値全幅の関係の説明図 水中伝播距離と光軸方向分解能の関係の説明図 本発明の実施形態における光断層画像化装置の概略構成図 SLDの概略構成図 他のSLDの概略構成図 光源ユニットの変型例の概略構成図 光源ユニットの他の変型例の概略構成図 色素の吸収スペクトルの説明図 蛍光の説明図 ピリリウム系色素の説明図 光源ユニットのさらに他の変型例の概略構成図 光断層画像化装置の変型例の概略構成図 光断層画像化装置のさらに他の変型例の概略構成図
符号の説明
3 光分割手段
4 合波手段
10,10a,10b,10c SLD
140,140a,140b スペクトル成形部
148,148a,148b ガウス分布成形フィルター
210,410,420,430 光源ユニット
230 光路長調整手段
230 光プローブ
240 干渉光検出手段
250 画像取得手段
260 表示装置

Claims (8)

  1. 低コヒーレンス光を射出する光源部と、
    前記低コヒーレンス光を測定光と参照光に分割する分割手段と、
    前記測定光を測定対象に照射する照射光学系と、
    前記参照光または前記測定光の光路長を変更する光路長変更手段と、
    前記測定対象に前記測定光が照射されたときの該測定対象からの反射光と前記参照光とを合波する合波手段と、
    合波された前記反射光と前記参照光の干渉光の光強度に基づいて、前記参照光の光路長と前記測定光および反射光の合計の光路長とが略一致する、前記測定対象の複数の深さ位置における反射光の強度を検出し、これらの各深さ位置における強度に基づいて測定対象の断層画像を取得する画像取得手段とを備えてなる光断層画像化装置において、
    前記参照光および反射光の中心波長λcおよびスペクトル半値全幅Δλが、
    λc/Δλ≦23
    λc+(Δλ/2)≦1.2μm
    λc-(Δλ/2)≧0.98μm
    を満たすものであることを特徴とする光断層画像化装置。
  2. 前記参照光および反射光の中心波長λcおよびスペクトル半値全幅Δλが、
    λc/Δλ≦17
    を満たすものであることを特徴とする請求項1記載の光断層画像化装置。
  3. 前記光源部が、スーパールミネッセントダイオードを有することを特徴とする請求項1または2記載の光断層画像化装置。
  4. 前記スーパールミネッセントダイオードが、第1の導電性を有するGaAs基板に形成され、InGaAs活性層からなる光導波路と、該光導波路の後出射端面側に配置され、前記活性層よりもエネルギーギャップが大きくかつ屈折率が小さく、前記第1の導電性とは逆の第2の導電性を有し、格子定数がGaAsの格子定数と±0.1%範囲内で格子整合するAlを含まない2元または3元の半導体材料からなるウインドウ領域層とを有するものであることを特徴とする請求項3記載の光断層画像化装置。
  5. 前記ウインドウ領域層を形成する半導体層がGaAsまたはInGaPからなることを特徴とする請求項4記載の光断層画像化装置。
  6. 前記光源部が、近赤外蛍光色素を含有する発光体を有することを特徴とする請求項1または2項記載の光断層画像化装置。
  7. 前記光源部が、Yb系パルスレーザ、Nd系パルスレーザまたはTi系パルスレーザを有することを特徴とする請求項1または2記載の光断層画像化装置。
  8. ガウス分布成形フィルターを備えたものであることを特徴とする請求項1から7いずれか1項記載の光断層画像化装置。
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