JP2004503565A - 構造特異的ペプチドを生産するためのコイルドコイル構造的骨格の使用 - Google Patents

構造特異的ペプチドを生産するためのコイルドコイル構造的骨格の使用 Download PDF

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Abstract

式I:
(AXXDXXX)   I
[式中、
AはIle、Leu、Valまたはそれらの誘導体であり;
DはLeu、Ile、Valまたはそれらの誘導体であり;
各Xは天然コイルドコイルタンパク質のエピトープのアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基またはそれらの誘導体であり;
各(AXXDXXX)リピート中のX残基は、X残基のセットを形成し;
nは1以上である]
の合成ペプチド。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
関連出願
本出願は、2000年6月14日に出願された米国仮出願第60/211,892号、及び2000年6月23日に出願された第60/213,387号の利益を享受する。これらの仮出願のそれぞれの完全な内容が、全体として参考としてここに取り込まれる。
【0002】
本発明は、天然に存在する微生物及び非微生物タンパク質抗原から由来する合成ペプチドを含む、構造特異的ペプチドを生産するためのコイルドコイル構造的骨格の使用に関する。前記合成ペプチドの構造は、天然のタンパク質のコイルドコイル領域から由来するエピトープがスプライスされた、7つ揃いのリピート単位の構造を利用する。生成したペプチドはより安定なコイルドコイル構造を有し、それ故ヘリックス構造におけるエピトープの提示を改良する。
【0003】
【参考文献】
Figure 2004503565
Figure 2004503565
Figure 2004503565
Figure 2004503565
【0004】
上述の文献、特許、及び特許出願の全ては、各個々の文献、特許出願、または特許の開示が、特定的に且つ個々的に全体として参考として取り込まれるように示されたのと同じ程度に、全体として参考としてここに取り込まれる。
【0005】
【従来の技術】
Streptococcus pneumoniaeは、肺炎、骨髄炎、及び菌血症のような生命を脅かす侵襲性の疾患を引き起こす重要な病原体である。米国では毎年100万以上のケースの肺炎球菌性肺炎が診断されており、これらの感染の0.7%が致死的であると見積もられている(Lancer, 1985)。発展途上国では、400万の死者がS. pneumoniae感染での肺炎によるものであり、死者の70%を数えると見積もられている(WHO, 1995)。S. pneumoniaeはまた、中耳炎及び静脈洞炎のようなあまりひどくない疾患を引き起こし、それらはその罹患率のため、ヘルスケアシステムの有意な重荷となっている。肺炎球菌感染症と関連する高い罹患率と致死率は、その生物が複数の抗生物質に対する耐性を獲得する速度によって悪化している(Spika等, 1991; Baquero等, 1991)。かくして、肺炎球菌感染症に対する有効な治療のためのまだ見ぬ必要性が存在する。
【0006】
ヒトにおける肺炎球菌感染症の予防のために利用されている現在のワクチンは、精製された莢膜ポリサッカリドに基づく。莢膜ポリサッカリドワクチンのデザインは、90の異なる莢膜タイプが存在し、莢膜によって引き出される保護はタイプ特異的であるという事実により複雑である(Henrichson, 1995)。これらの問題は、特定の莢膜が他種よりもヒトの疾患とより一般的に関連しているという事実によって幾分緩和されており、それは最終的に、現在23価のワクチンにおける莢膜の封入を導いている(Robbins等, 1983)。しかしながら、莢膜ポリサッカリドは、複数の繰り返し単位を有するほとんどのポリマー状化合物と同様に、免疫応答及びIgGへのサブクラススイッチングの刺激について非効率的である(Beuvery等, 1982)。驚くべきことではないが、このワクチンは、成人における致死的肺炎球菌性菌血症の予防においてわずか60%のみ有効であり(Shapiro等, 1991)、2歳以下の子供では十分な抗体応答を引き出すことができない(Cowan等, 1978)。子供における微弱な免疫原性の問題は、このポリサッカリドをジフテリア及び破傷風菌トキソイドのようなタンパク質キャリアに接合することによって解決しようとしている(Shelly等, 1997)。最近の臨床試験では、7価の接合物ワクチンが、子供において免疫原性であり、侵襲性の肺炎球菌感染症に対して保護を引き出すことが示された。
【0007】
しかしながら、臨床上の重要な感染が、子供の場合とは異なる莢膜タイプによって引き起こされるため、成人については別個のワクチンが必要とされるであろう。発展途上国における適用範囲は、肺炎球菌株の地理的なバリエーションのため、52%程度の低さであると予測される。さらに、接合物ワクチンは、発展途上国にはあまりに高価であると理解される。かくして、肺炎球菌性ワクチンの開発に対する代替的なアプローチに対する早急な必要性が存在する。
【0008】
ポリサッカリドワクチンと関連する欠点は、肺炎球菌性タンパク質抗原に基づくワクチンの開発の可能性における興味を引きつけている。考慮される肺炎球菌性タンパク質は、毒素、ニューモリシン(pneumolysin)、オートリシン(autolysin)、及び表面タンパク質を含む。今日までワクチンとして使用されている表面タンパク質は、肺炎球菌表面アドヘシンA(PsaA)、肺炎球菌表面タンパク質A(PspA)、及び肺炎球菌表面タンパク質C(PspC)を含む。これらの表面タンパク質は図1に示される。
【0009】
ニューモリシンは、S. pneumoniaeの実質上全ての臨床上の単離物によって生産されるチオールサイトリシン(cytolysin)である。マウスを、明礬に吸着されたニューモリシンの遺伝学的に操作されたトキソイドバージョン(ニューモリソイド)で免疫化した場合、生存割合及び非生存者の死の速度(生存時間)は、コントロールのものより有意に大きかった。しかしながら、保護の度合いにおける有意な差異が、各種の株の間で記載された(Alexander等, 1994)。ニューモリソイドは、肺炎球菌莢膜ポリサッカリドのためのキャリアータンパク質として現在調査されている(Michon等, 1998)。一般的に、破傷風菌トキソイド接合物と比較すると、莢膜ポリサッカリドをニューモリシンの接合物として処方した場合、莢膜ポリサッカリドに対するより高い応答が観察された。オートリシンでの免疫化もまた、敗血症モデルにおいて保護的であることが示されている(Canvin等, 1995)。しかしながら、オートリシンに対する抗体は、ニューモリシンのオートリシン依存的放出を妨げるため、その効果を一部しか発揮しないようである。
【0010】
今日まで調査された全てのStreptococcus pneumoniae単離物は、リポタンパク質肺炎球菌表面アドヘシン(PsaA)を発現する。PsaAは37kDaの分子量であり、遺伝学的に保存されていると考慮される。PsaAの機能は、Zn結合膜輸送タンパク質の機能である(Lawrence等, 1998)。最近の研究では、天然PsaAでのマウスの免疫化が、S. pneumoniaeの毒性株でのチャレンジからマウスを保護する抗PsaA抗体を生産することが示されている(Talkington等, 1996; De等, 1999)。マウス保菌モデルでは、PsaAが、保菌に対する保護を引き出す最も最適な肺炎球菌表面抗原の一つであることが示されている。しかしながらPsaAは、ネズミ敗血症モデルまたはネズミ肺感染症モデルにおける保護の誘導では、PspAほど有効ではない(Briles等, 2000)。
【0011】
肺炎球菌表面タンパク質Aは、今日まで研究されているS. pneumoniaeの全ての株で見出されており、完全な毒性のために必要とされる(Crain等, 1990)。PspAは、67から99kDaの範囲の株依存的な分子量を有する一方、全てのタンパク質が、4の別個のドメインからなる:N末端の非常に荷電したドメイン、プロリンリッチドメイン、10の非常に保存された20アミノ酸リピートを含むリピートドメイン、及び短い疎水性ドメイン(図2)。リピート領域は、コリン残基に対する非共有結合によって、S. pneumoniaeの細胞表面に対するこのタンパク質の結合に関与する。
【0012】
Rx1株のPspAのアミノ酸配列は、配列番号1としてここに含まれる。このPspAのN末端の配列分析(残基1−303)は、この配列がコイルドコイル構造を採用することを示した。コイルドコイル構造は、左巻きのスーパーツイストを有する互いに巻き付いた二つの両親媒性αヘリックスからなる(図3)。コイルドコイルは7つ揃いの繰り返し(abcdefg)によって特徴付けされ、そこではaとdの位置が、典型的に疎水性アミノ酸によって占められる。これらの残基は、この構造の安定性に関与する疎水性表面を形成するように整列する。
【0013】
PspAのN末端配列は、配列中に散在する3個のプロリンを含み、それらは連続するコイルドコイル中に小さな裂け目を形成すると解される。このタンパク質の流体力学的特徴、及びコンピューターモデリングから、PspAが、3個のプロリン領域の一つでそれ自体にホールディングし直すことによってコイルドコイルを形成することが提案されている。コイルドコイル領域は、細胞壁から広がって、おそらく莢膜の外側に突出していると解される。
【0014】
PspAの正確な機能は未知である。それは、血液からの肺炎球菌のクリアランスを遅延することが示されている(McDaniel等, 1987)。毒性に対するPspAの主要な効果は、相補的な固定を妨げることであろうと解されている。さらに、コイルドコイル領域の非常に陽性に荷電した性質が、陰性に荷電した莢膜と相互作用するであろうと解されている。この相互作用は、莢膜の構造を安定化するであろう。
【0015】
Streptococcus pneumoniaeは、PspAと同様なドメイン構造を有するが、より大きいコイルドコイル領域を有し、全体のサイズがより大きいPspCと称される別の表面タンパク質を有する(図2)。ヘリックスドメインのN末端150アミノ酸は、非常に可変的なサイズと配列を有する。この超可変領域に隣接して、101から205アミノ酸の長さの各種のサイズの、二つの繰り返し配列が存在する。最も大きいPspCタンパク質では、PspAにおいて見出されるコイルドコイル領域のC末端部分と相同なヘリックス領域が存在する。PspCタンパク質とPspAタンパク質の比較が、図2に示されている。現在では、S. pneumoniaeのほとんどの株が、PspAとPspCの両者を生産するという証拠が存在する(Brooks−Walter等, 1999; Crain等, 1996)。PspCの正確な機能は未知であるが、PspAと類似する態様で機能すると解されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、コイルドコイルタンパク質の特徴的な7つ揃いの繰り返し(abcdefg)(ここでaとdの位置は典型的に疎水性アミノ酸によって占められる)が、天然タンパク質のコイルドコイル領域または潜在的なコイルドコイル領域から由来するエピトープを、安定なコイルドコイル構造に固定し、天然タンパク質に基づく新規な合成ペプチドを形成するためのテンプレートとして使用できるという、予期せぬ発見に関する。そのようなペプチドは、免疫化のために使用されても良い。天然コイルドコイルタンパク質の対応する部分から得られるアミノ酸残基は、溶媒にさらされるb、c、e、f及びg位置にスプライスされる一方、疎水性アミノ酸(特にIle及びLeu)がa及びd位置を占める。生成した新規なペプチドは、水溶液中で安定なコイルドコイル構造を維持し、天然タンパク質の特徴である免疫原性エピトープを提供する。
【0017】
【課題を解決するための手段】
従って、本発明の一つの特徴点は、下式(式I):
(AXXDXXX)   I    (配列番号15)
[式中、AはIle、Leu、Valまたはそれらの誘導体であり、DはLeu、Ile、Valまたはそれらの誘導体であり、各Xは、天然のコイルドコイルタンパク質のエピトープのアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基またはそれらの誘導体であり、X残基のセットを形成し、nは1以上の整数である]
の合成ペプチドを提供する。好ましくは、各(AXXDXXX)リピートのセットにおいて、AはIleであり、DはLeuである。nについての好ましい値は、2から100である。好ましい実施態様では、nは2から10であり、最も好ましくは約3から6である。
【0018】
好ましいX残基のセットは、天然タンパク質のコイルドコイル領域において溶媒にさらされるアミノ酸である。各Xアミノ酸残基のセットは、独立に選択され及び/または組み合わされて良い。言い換えると、それらは、同じタンパク質の同じエピトープ、同じタンパク質の異なるエピトープ、異なるタンパク質のエピトープ等から由来しても良い。
【0019】
前記ペプチドはさらに、ペプチドのN末端で、アミノ酸残基CNleG−のような付加的アミノ酸を含んで良い。前記ペプチドはまた、C末端で付加的アミノ酸を含んでも良い。付加的アミノ酸は、コイルドコイルを形成する傾向を有する配列で並んでも並ばなくても良く、各末端での付加的アミノ酸の数は、好ましくは100未満である。各末端での付加的アミノ酸の数は、より好ましくは50未満、さらにより好ましくは30未満、またさらにより好ましくは20未満、最も好ましくは10未満である。
【0020】
本発明は、天然状態においてコイルドコイル構造として存在する、微生物タンパク質に関する新規な合成ペプチドの作製のために特に使用されて良い。特に、微生物表面タンパク質、とりわけS. pneumoniae表面タンパク質A及びCのエピトープから得られるアミノ酸残基が、新規なペプチドにおいて使用されて良い。多くの微生物表面タンパク質が同様な構造を有し、長い自立したコイルドコイルとして存在する。
【0021】
X残基は、天然のコイルドコイルタンパク質、例えばPspA及びPspCのコンセンサス配列から由来しても良い。PspAの好ましいコンセンサス配列は、EELXKIDELDXEIAXLEKX(配列番号5)である。好ましくは、XはS、Q、NまたはDであり;XはD、NまたはKであり;XはAまたはNであり;XはK、EまたはDであり;XはN、DまたはEである。
【0022】
コイルドコイル構造の安定性を増大するために、e及びg位置のアミノ酸残基は、興味あるエピトープの一部でなければ、荷電したアミノ酸(例えばAsp、Glu、Lys、Arg及びHis)で任意に置換されて良い。この置換は、一方のペプチド鎖中のe位置及び「相補的鎖」中のg’位置が、例えばAspとLysといった反対の荷電のアミノ酸によって占められるように実施されるべきである。同様に、一方の鎖のg位置及び相補的鎖のe’位置は、反対の荷電の残基によって置換され得る。例えば、図3の鎖1と鎖2は「相補的鎖」である。図3に示されるように、鎖1のe位置及び鎖2のg’位置が整列する。それ故、反対の荷電を有するアミノ酸残基が、これらの二つの位置を占める場合、それらはその側鎖の間で塩架橋を形成し、それはコイルドコイル構造の安定性を増大する。
【0023】
これらの残基は、塩架橋が同じ鎖において3または4残基離れている二つの残基の間で形成できるように、荷電したアミノ酸によって置換されても良い。別法として、荷電したアミノ酸は、安定化した鎖において反対の荷電の残基と相互作用することによって、コイルドコイル構造を安定化しても良い。
【0024】
別の特徴点では、本発明は、コイルドコイルから由来する抗原性エピトープを選択する工程、アミノ酸残基が溶媒にさらされるかを測定する工程、及び式IのX位置中に前記溶媒にさらされるアミノ酸残基を挿入する工程を含む、式Iのペプチドの製造方法を提供する。特にエピトープの選択は、コンピューターアルゴリズムを使用して実施して良い。同じタンパク質または異なるタンパク質から由来する一つより多くのエピトープアミノ酸のセットが使用されて良い。さらにエピトープアミノ酸のセットは、微生物コイルドコイルタンパク質のエピトープが使用される場合、微生物の異なる株及び/または種から得られても良い。
【0025】
さらなる特徴点では、本発明は、式Iのペプチドを含む、動物における免疫応答を刺激するのに有用な組成物を提供する。一つより多くのエピトープアミノ酸のセットが式Iのペプチドにおいて使用され、このエピトープアミノ酸のセットが微生物の異なる株及び/または種から得られる場合、前記組成物は、一つより多くの微生物の株及び/または種に対する免疫応答を刺激するのに有用である。前記動物は、鳥類、哺乳類(ヒトを含む)、または免疫応答が可能ないずれの動物でも良い。
【0026】
式Iのペプチドの投与によって生産される抗体もまた、本発明の特徴点として提供される。そのような抗体は、ポリクローナルでもモノクローナルでも良い。そのような抗体を含む製薬組成物もまた提供される。一つより多くのエピトープアミノ酸のセットが式Iのペプチドにおいて使用され、このエピトープアミノ酸のセットが微生物の異なる株及び/または種から得られる場合、前記抗体は、一つより多くの微生物の株及び/または種に結合するであろう。
【0027】
またさらなる特徴点では、本発明は、式Iのペプチドを含む、ワクチンとして有用な組成物を提供する。一つより多くのエピトープアミノ酸のセットが式Iのペプチドにおいて使用され、このエピトープアミノ酸のセットが微生物の異なる株及び/または種から得られる場合、前記組成物は、一つより多くの微生物の株及び/または種に対する交差保護を提供するのに有用である。
【0028】
またさらなる特徴点では、本発明は、微生物感染に感受性な哺乳動物に式Iのペプチドを投与することを含む、微生物感染の予防方法を提供する。一つより多くのエピトープアミノ酸のセットが式Iのペプチドにおいて使用され、このエピトープアミノ酸のセットが微生物の異なる株及び/または種から得られる場合、前記組成物は、微生物のいくつかの株及び/または種による感染の予防に有用である。
【0029】
またさらなる特徴点では、本発明は、細菌感染の疑いのあるまたは細菌感染に罹患している動物における細菌感染の治療または予防方法を提供し、この方法は、細菌タンパク質に対する有効量の抗体を前記動物に投与することを含み、ここで前記抗体は、動物に式Iのペプチドを投与することによって生産される。特にそのような投与は、前記動物において受動免疫化を提供するため、及び/または前記動物における感染の症状を予防若しくは減弱するために使用されて良い。一つより多くのエピトープアミノ酸のセットが式Iのペプチドにおいて使用され、このエピトープアミノ酸のセットが微生物の異なる株及び/または種から得られる場合、前記方法は、いくつかの微生物の株及び/または種による感染を治療または予防するであろう。
【0030】
またさらなる特徴点では、本発明は、特定の微生物から得られるエピトープを含む式Iのペプチドに対する抗体とサンプルを接触させる工程、及び前記抗体が前記サンプルの構成成分に結合するかを測定する工程を含む、サンプル中の特定の微生物の存在の測定方法を提供する。前記サンプルは、生物学的サンプルでも良い。前記方法は、微生物感染の原因となる剤を測定するために使用されても良い。一つより多くのエピトープアミノ酸のセットが式Iのペプチドにおいて使用され、このエピトープアミノ酸のセットが微生物の異なる株及び/または種から得られる場合、前記方法は、サンプル中のいくつかの微生物の株及び/または種の存在を同時に検出するために使用されて良い。
【0031】
またさらなる特徴点では、本発明は、異なるタンパク質から得られるエピトープを有する式Iのペプチドを動物に投与することを含む、動物の免疫系にさらすための複数のエピトープの生産方法を提供する。好ましい実施態様では、前記ペプチドエピトープは、単一の微生物の、または微生物の異なる株及び/または種から得られる異なるタンパク質から得られる。
【0032】
またさらなる特徴点では、本発明は、微生物タンパク質から得られる少なくとも一つのエピトープを含む式Iのペプチドと生物学的サンプルを接触させる工程、及びペプチドに対する生物学的サンプル中の抗体の結合を測定する工程とを含む、生物学的サンプル中の微生物タンパク質に対する抗体の存在の測定方法を提供する。前記方法は、動物が微生物に対してさらされているかを測定するために使用されても良い。
【0033】
【発明の実施の形態】
本発明は、天然に存在するタンパク質抗原から由来する合成ペプチドを含む、構造特異的ペプチドを生産するためのコイルドコイル構造骨格の使用に関する。合成ペプチドの構造は、天然コイルドコイルタンパク質のエピトープをスプライスした、7つ揃いの繰り返し単位の骨格を利用する。
【0034】
特に前記合成ペプチドは、微生物タンパク質、特に表面タンパク質に基づき、それらは肺炎球菌表面タンパク質A及びCのようなコイルドコイル形態で天然に存在する。合成ペプチドは免疫原性であり、動物において免疫応答を引き出すために使用できる。従ってそれらは、ワクチンとして、または天然に存在するタンパク質を認識する抗体生産または細胞介在性免疫を刺激するために有用である。
【0035】
本発明をさらに詳細に記載する前に、本出願で使用される用語は、他に示すところがなければ以下のように定義される。
【0036】
定義
「天然タンパク質」は、天然に存在するタンパク質である。
【0037】
「コイルドコイルタンパク質」は、少なくとも一部としてコイルドコイルを形成するタンパク質である。コイルドコイルタンパク質は、コイルドコイルに加えて他の形態的構造を有しても良い。用語、コイルドコイルタンパク質に包含されるものは、コイルドコイル構造を想定されることが示されているタンパク質、及びコンピューターアルゴリズムを使用することによってコイルドコイルを形成すると予測されるタンパク質である。
【0038】
「微生物タンパク質」は、細菌、古細菌、真菌、ウイルス、原生動物、藻類、粘菌、またはプリオンのような微生物から由来するタンパク質である。
【0039】
ここで使用される「ペプチド」は、ペプチドまたはタンパク質である。言い換えると、本願において言及されるペプチドは、いずれかの数のアミノ酸を含んで良い。
【0040】
「式Iのペプチド」は、式Iからなる断片である合成断片を含むペプチドである。
【0041】
「エピトープ」は、抗原決定基であるタンパク質またはペプチドの一部である。
【0042】
アミノ酸の「誘導体」は、天然に存在しないアミノ酸残基または化学的に変性されたアミノ酸である。アミノ酸誘導体は、血清または組織におけるペプチドの半減期を増大するため、またはペプチドの抗原性を増大するために使用されて良い。
【0043】
天然に存在しないアミノ酸は、D−アイソマー、ノルロイシン、4−アミノ酪酸、アミノイソ酪酸、4−アミノ−3−ヒドロキシ−5−フェニルペンタン酸、6−アミノヘキサン酸、t−ブチルグリシン、ノルバリン、フェニルグリシン、オルニチン、サルコシン、4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン酸、及び2−チエニルアラニンに制限されなくて良い。
【0044】
化学的に改変されたアミノ酸は、側鎖修飾を有するアミノ酸である。例えば、リジンのアミノ基は、アルデヒド、引き続きNaBHでの還元でのアルキル化;メチルアセトイミダートでのアミド化;無水酢酸でのアシル化;シアナートでのカルバモイル化;2,4,6−トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)でのトリニトロベンジル化;無水コハク酸と無水テトラドロフタル酸でのアシル化;及びプリドキサル−5’−ホスファート、引き続きNaBHでの還元でのピリドキシル化によって改変されても良い。
【0045】
アルギニン残基のグアニジン基は、2,3−ブタンジオン、フェニルグリオキサル及びグリオキサルのような試薬での複素環縮合産物の形成によって改変されても良い。
【0046】
カルボキシル基は、O−アシルイソウレア形成を経たカルボジイミド活性化、引き続き例えば対応するアミンへの誘導体化によって改変されても良い。
【0047】
スルフィドリル基は、ヨード酢酸またはヨードアセタミドでのカルボキシメチル化;システイン酸への過ギ酸酸化;他のチオール化合物と混合したジスルフィドの形成;マレイミド、無水マレイン酸、または他の置換化マレイミドとの反応;4−クロロメルクリベンゾアート、4−クロロメルクリフェニルスルホン酸、フェニルメルクリクロリド、2−クロロメルクリ−4−ニトロフェノール、及び他のメルクリアールを使用するメルクリアール誘導体の形成;またはアルカリpHでのシアナートでのカルバモイル化によって改変されても良い。
【0048】
トリプトファン残基は、例えばN−ブロモスクシンイミドでの酸化、または2−ヒドロキシ−5−ニトロベンジルブロミドまたはスルフェニルハライドでのインドール環のアルキル化によって改変されても良い。チロシン残基は、テトラニトロメタンでのニトロ化によって改変され、3−ニトロチロシン誘導体を形成しても良い。
【0049】
ヒスチジン残基のイミダゾール環の改変は、ヨード酢酸誘導体またはジエチルピロカルボナートでのアルキル化によって達成されても良い。
【0050】
「ペプチド」は、天然に存在するアミノ酸またはアミノ酸誘導体を含むペプチドであっても良い。ペプチドはまた、ペプチドの異なる部分の間で架橋を含んでも良い。例えばコイルドコイル構造は、しばしば二本鎖または三本鎖からなる。コイルドコイルの異なる鎖はジスルフィド結合によって結合していることが好ましく、それはコイルドコイル構造を安定化する。より好ましくは、ペプチドは3または4残基離れて位置するリジンとグルタミン酸の側鎖の間でラクタム架橋を含む(Houston等, 1996)。これらのラクタム架橋は、好ましくはペプチドのN−及びC−末端で取り込まれ、エピトープが展示されている配列の領域には取り込まれない。
【0051】
「溶媒にさらされる」または「溶媒接近可能な」アミノ酸残基は、タンパク質またはペプチドが溶液中に存在する場合、溶媒にさらされるタンパク質またはペプチドのアミノ酸残基である。溶液は好ましくは水溶液であり、より好ましくは血液、リンパ液、または穏やかなバッファーのような生理学的に適合可能な溶液である。特に、「溶媒にさらされる」アミノ酸残基は、コイルドコイルを形成するまたは形成すると予測される天然エピトープのb、c、e、fまたはg位置での残基を指す。
【0052】
穏やかなバッファーは、リン酸緩衝生理食塩水である。本願で使用される「穏やかなバッファー」は、50mM KHPO、50mM KCl, pH7.0である。
【0053】
「抗体」は、特異的な抗原と反応し、IgA、IgD、IgE、IgG及びIgMといった構造の特性に基づく5個の別個のクラスの一つに属するタンパク質分子である、
【0054】
「免疫応答」は、興味ある組成物またはワクチンに対する細胞性及び/または抗体介在性免疫応答の宿主における発達である。そのような応答は、以下の一つ以上の生産からなっても良い:興味ある組成物またはワクチンに含まれる抗原に特異的に向けられた、抗体、B細胞、ヘルパーT細胞、サプレッサーT細胞、及び/または細胞障害性T細胞。
【0055】
「ワクチン」は、病原体による感染を部分的または完全に予防する免疫応答を動物において引き出すことができる分子である。
【0056】
免疫応答と「引き出す」または「刺激する」とは、免疫原に対して免疫系をさらすことによって免疫応答を引き起こすことである。
【0057】
「免疫原」は、動物において免疫応答を引き出すことができる分子である。
【0058】
「細菌感染の予防」は、細菌感染の発達を完全にまたは部分的に予防することである。
【0059】
「微生物感染の治療」は、細菌感染の開始の後、細菌感染の症状を完全にまたは部分的に減少することである。
【0060】
「サンプル」は、物質、材料、または集団の等量部分または代表的部分である。例えばサンプルは、水、汚水、オイル、砂、血液、生物学的組織、尿、または排泄物のサンプルであって良い。
【0061】
「生物学的サンプル」は、動物、植物、または微生物のような生物学的主体から回収されるサンプルである。
【0062】
「有効量」は、企図される目的を達成するのに十分な量である。例えばワクチンの有効量は、標的の疾患と接触することから受容者を保護する、または疾患と関連する医学的状態を予防または減弱するための、ワクチンの受容者における免疫応答を引き出すのに十分なワクチンの量である。
【0063】
合成コイルドコイルペプチド
PspAは、S. pneumoniaeの各種の株の中で非常に可変的であることが以前に示されている。PspAに対して生産されたモノクローナル抗体を使用するマッピング研究は、主な交差反応性エピトープが、コイルドコイルドメインの最後の100アミノ酸で見出されることを示す(配列番号1の192−270残基)(McDaniel等, 1994)。この領域の配列に基づいて、PspAタンパク質を3つのファミリーを含む6のグレードにグループ分けすることが可能である。動物の研究では、PspAでの免疫化が、同じPspAファミリーにおける他の株に交差反応性である免疫応答を引き出すだけでなく、この交差反応性がファミリーの間で拡張されることを示している(Briles等, 1999; McDaniel等, 1991; Tart等, 1996)。さらに、精製PspC断片での免疫化が、敗血症に対して保護的であり、PspAと交差反応する抗体を生産する(Brooks−Walter等, 1999)。交差保護の結果は、PspA及びPspCに対するコイルドコイルドメインの間のバリエーションにも関わらず、保存されたエピトープが存在するに違いないことを示唆する。
【0064】
PspAに対する免疫が保護的であろうという第一の証拠は、PspA特異的モノクローナル抗体(MAbs)が胎児敗血症からマウスを保護するという発見であった。その後、Rx1株から得たPspAに対するIgGまたはIgMモノクローナル抗体での受動保護が、S. pneumoniae WU2株のLD50の10倍でのipまたはivでチャレンジに引き続く死からマウスを保護することが示された(Briles等, 1989)。このMAbsは、相補性介在性の機構によってチャレンジされたマウスの血液から肺炎球菌をクリアランスすることが示された。活性な免疫化の研究は、S. pneumoniae Rx1株から得たPspAの27kDa断片(配列番号1の1−245残基)を利用し、それはそのタンパク質のヘリックスドメインのほとんどを含む。FCAアジュバントと組み合わせた5μgのこの断片でのCBA/Nマウスの免疫化、引き続きPBS中のブースター量での免疫化は、WU2株の300cfu(LD50の30倍)のivチャレンジから保護した(Talkington等, 1991)。ほとんどの最近の研究では、マウスが1から5μgのアジュバントなしの1−303残基を含む断片を受け取る場合、それはより悪性のA66.1株の480cfuでのivチャレンジに引き続き胎児感染に対して保護を引き出した(Briles等, 1998)。免疫化されたマウスまたはウサギから得た免疫血清でのマウスにおける受動保護の研究は、チャレンジ株のLD50の10から100倍のチャレンジ量から胎児敗血症に対して保護できる。
【0065】
PspAが数多くの血清学的タイプに分割できる一方、それは非常に交差反応性タンパク質であることが示されている。Rx1株から得たPspAのヘリックス部分で免疫化された一匹のウサギから得た血清は、ウエスタンブロットにおいて全ての肺炎球菌から得たPspAを認識できる。CBA/NマウスをD30、WU2及びBG9739の各株から得たPspAでの免疫化に引き続き14の異なるS. pneumoniae株(〜200×LD50量)でチャレンジした場合、各PspAは、ほとんどのチャレンジ株に対して交差保護を示した。Rx1株から得たPspAのヘリックスドメイン(配列番号1の1−314残基)が、ヒトボランティアにおける安全性と免疫原性について最近評価された(Nabors等, 2000)。水酸化アルミニウムに吸着された5から125mgのこの断片で患者を免疫化した場合、Rx1断片に対する高レベルの循環抗体が引き出され、並びに異種PspA分子に対する抗体も引き出された。
【0066】
S. pneumoniae Rx1株から得たPspA配列を、Biotools Incから得たPeptoolsプログラムを使用して分析した。Peptools構造予測アルゴリズムは、4の予測されるアルゴリズムから得た結果に基づいて、コンセンサス予測と組み合わされた周知のタンパク質ホールディングモチーフを同定することに基づく。Peptoolsプログラムはまた、PspAのN末端部分に対する300アミノ酸に亘る非常にヘリックス状の領域を予測する。Peptoolsプログラムはまた、各種の配列の親水性、溶媒接近可能性、柔軟性、及びターンの傾向を測定することによって、そのタンパク質の部位が抗原性であるかを予測することが可能であり、さらに周知のB細胞エピトープのデーターベースに対する配列をマッチする。Peptoolsは、添付資料1に示されたコイルドコイルドメインにおける数多くの潜在的なB細胞エピトープを同定した。
【0067】
PspA及びPspC(またはコイルドコイルとして存在する他のタンパク質)のコイルドコイルへのホールディングは、溶媒接近可能である特定の残基と、溶媒接近不可能である疎水性コアを形成する特定の残基を引き起こす。溶媒接近可能なアミノ酸は、7つ揃いのリピートのb、c、e、f及びg位置で位置し、一方でアミノ酸aとdは埋め込まれる。かくして溶媒接近可能な位置での残基は、例えば抗体生産といった免疫応答を介在するのに関与しているに違いない。コイルドコイル領域によって形成されるエピトープは、aおよびd残基がさらされていないため不連続であるに違いない。かくして、これらのタンパク質から得られるエピトープは、b、c、e、f及びgの溶媒接近可能な位置から由来するに違いない。
【0068】
我々は、コイルドコイルタンパク質の疎水性コアの安定性が、7つ揃いのリピートのa位置のIle残基とd位置のLeu残基の取り込みによって最大化されていることを発見した。従って本発明は、式I:
(AXXDXXX)     (配列番号15)
[式中、
AはIleまたはその誘導体であり;
DはLeuまたはその誘導体であり;
各Xは天然コイルドコイルタンパク質のエピトープのアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基またはその誘導体であり;
各(AXXDXXX)リピート中のX残基は、X残基のセットを形成し;
nは1以上である]
を含む合成ペプチドを提供する。
【0069】
好ましい実施態様は、a位置でIle、d位置でLeuを有する一方、本発明においては、aまたはa位置でVal、IleまたはLeuを含むペプチドも企図される。かくして、a位置でのアミノ酸はVal、IleまたはLeuであっても良く、d位置でのアミノ酸は独立にVal、IleまたはLeuであっても良い。
【0070】
PspA及びPspCのコイルド領域は非常に長いが、合成コイルドコイル形成配列はより短くても良い。もしラクタム架橋が含まれるのであれば、合成コイルドコイルは14残基程度の短さであって良い(Houston等, 1996)。ラクタム架橋の不存在下では、我々は21アミノ酸を含むヘリックスペプチドが安定であることを見出した。さらに、分子内ジスルフィド結合による個々のヘリックス同士の結合は、これらの構造をさらに安定化する。小さなコイルドコイルは、PspA及びPspCのような天然コイルドコイルタンパク質から得られるエピトープをスプライスする骨格として機能する。潜在的な骨格は以下の配列を有する:
CnleG−(IXXLXXX)    (配列番号16)
[式中、Nleは非分枝側鎖を含むロイシンのアイソマーであるノルロイシンである]。PspA及びPspCのような天然コイルドコイルタンパク質からエピトープを形成する残基(残基b、c、e、f及びg)は、X位置内に挿入されるであろう。残基エピトープは、Peptoolsのようなアルゴリズム及びバイオインフォマティックスプログラムを使用して決定できる可能性がある。エピトープは、Biacore装置上の天然タンパク質に対して生産されたモノクローナル抗体またはポリクローナル抗血清の分析によってマップできる。S. pneumoniaeの各種の株から得られるもののような異なる天然タンパク質から得られるエピトープは、新規な配列を生産するために共にスプライスできる。ペプチドは、当該技術分野で確立されたペプチド合成法によって合成されても良く、または興味あるペプチド配列をコードする発現ベクターを構築し、ペプチドを発現するために使用できる。この骨格中のI及びL残基は独立に、I、LまたはVから選択されるアミノ酸によって置換されても良い。
【0071】
本発明におけるb、c、e、f、及びg位置でのアミノ酸は、興味ある特定のタンパク質の天然コイルドコイルから得られる溶媒にさらされるアミノ酸である。それ故、本発明はWO 01/00010とは別個であり、コイルドコイルテンプレートにおける非コイルドコイルタンパク質から得られる溶媒にさらされるアミノ酸を展示するように配向する。その結果、非コイルドコイルエピトープは、コイルドコイル構造に変換され、コイルドコイル構造に対して生産された抗体は、元々の非コイルドコイルエピトープを認識しないであろう。対照的に、本発明の式Iに従って生産されたペプチドは、b、c、e、f、及びg位置で、コイルドコイルタンパク質のb、c、e、f、及びg位置から得られるアミノ酸を含む。生成したペプチドは、より免疫原性である一方で、特異性に関して元となるエピトープと同じ免疫応答を引き出すであろう。
【0072】
本発明はまた、一つのペプチドを別のものに埋め込むことに向けられたWO 96/11944とは別個である。略記すると、WO 96/11944は、興味あるペプチドと同じ構造を形成するような強い特性を有するアミノ酸とペプチドを隣接させ、それによってペプチドの構造を安定化することによって、ペプチドの免疫原性を増大することができることを開示する。例えば、コイルドコイルを形成するペプチドを、GCN4のアミノ酸配列中に埋め込むことができ、それは比較的安定なコイルドコイルを形成する。生成したキメラペプチドは、αヘリックス誘導溶媒トリフルオロエタノール中に溶解した場合、高いヘリックス含量を有するが、水性条件下でのヘリックス含量は低い。本発明は他方で、別のアミノ酸配列中にペプチド断片を埋め込むものではない。代わりにペプチドのa及びd位置でのアミノ酸は、特異的に選択され、コイルドコイル構造の安定性を増大するために適切な場合置換され、生成したペプチドは水溶液中でさえ典型的にヘリックス状である。
【0073】
以下の実施例は、本発明の基本的特徴を説明する。前述のように、Rx1 PspAタンパク質から得たコイルドコイルドメインのC末端は、数多くの交差保護性エピトープを含むことが示されている。Biotoolsソフトウェアは、コイルドコイル免疫原の構築を説明するために使用されるであろう153−170残基と181−198残基を含む数多くのそのようなエピトープを同定した(実施例1)。これらのエピトープのa及びd位置は太字で強調され、溶媒接近可能なアミノ酸はイタリックで記載される。これらの位置は、テンプレートのa位置でIle、d位置でLeuによって置換されている。潜在的なエピトープから得られる溶媒にさらされる残基を単純にスプライスし、この骨格にそれらを取り込むことによって、免疫原性である独特のポリペプチド配列を作成可能である。実施例1に記載されたコイルドコイルは、約7,000Daの分子量を有し、それ自体免疫応答を引き出すのに十分な長さであろう。代わりにこれらの分子は、破傷風菌トキソイドまたはKLHのようなキャリアータンパク質に結合することができ、または当業者に周知の方法を使用してリポソームに結合できる。
【0074】
例えばこのタンパク質から得られるc残基が、式Iにおけるc残基に対応しなければならないように、残基をフェーズにおいて維持しなければならないことが強調されなければならない。二つの隣接する配列のそれぞれから得られる残基が、スプライスの間で生じるいずれかのギャップを埋めるために使用できる。コイルドコイルは二つのαヘリックスからなるために、二つのヘリックス鎖は異なる配列を有することができ、かくして分子全体におけるエピトープの数を増大する。各種のクレードから得られる数多くのエピトープの取り込みを通じて、コイルドコイルペプチドは各種のクレードの間で交差反応するであろう。
【0075】
一定の疎水性コアを維持し、溶媒にさらされる残基のみにおいてスプライスし、及び各種のタンパク質から得られるエピトープを混合することによって、独特の配列が生産される。かくして、式Iのペプチドは、一方の7つ揃いのリピートにおいてPspAのb、c、e、f及びg位置から得られるアミノ酸を有し、もう一方のリピートにおいてPspCから得られるそれらを有しても良い。このペプチドがワクチンとして使用される場合、PspAとPspCの両者に対する免疫が誘導され、それによってS. Pneumoniaeに対する二重の保護が提供される。
【0076】
特筆すべきアプローチは、表面タンパク質(PspA及びPspCのような)と表面アドヘシンタンパク質(PsaA)の両者から得られるアミノ酸を含むことである。アドヘシンタンパク質は、鼻咽腔領域におけるS. pneumoniaeの病原性に関与し、一方で表面タンパク質は、全身性の症状に関与する。PsaAは鼻咽腔保菌を予防するために有効なワクチンであり、一方でPspAは全身性の感染のためのより最適なワクチンの候補である(Briles等, 2000)。それ故PsaA及びPspAから得られるエピトープを含むペプチドは、最近による鼻咽腔感染及び全身性の感染の両者に対する防御を提供するであろう。これは、式Iのペプチドの一方の7つ揃いのリピート内に、PsaAのαヘリックス領域から得られる溶媒にさらされるアミノ酸と、同じペプチドの他方の7つ揃いのリピート内に、PspAのαヘリックスから得られる溶媒にさらされるアミノ酸とをスプライスすることによって達成できる。同様に、PspCエピトープとPsaAエピトープの両者を含むハイブリッドペプチドが調製できる。
【0077】
別法として、式Iのペプチドは、微生物の異なる株、または異なる微生物から得られるタンパク質の溶媒にさらされるアミノ酸を含んでも良く、生成したワクチンは、使用される全ての株または微生物に対して有効であることができる。同様に、コンセンサス配列は、異なる株から得られる特定のタンパク質について推定され、全てのこれらの株に対するワクチンとして使用されても良い(実施例3参照)。
【0078】
ペプチドのヘリックス安定性を改良するために、式Iの7つ揃いのリピートのe及びg位置は、グルタミン酸とリジンとを含んでも良い。これらの残基は、一方の鎖のeと他方の鎖のg’との間で塩架橋を形成し、並びに一方の鎖のgと他方の鎖のe’の間でも塩架橋を形成する。これらの塩架橋は、コイルドコイル構造を安定化するのにさらに寄与する。個々のαヘリックスを安定化するため、リジン残基とグルタミン酸残基は、3−4残基離れた位置に導入でき、その側鎖の間の鎖間塩架橋の形成を容易にできる。アラニンまたはアミノイソ酪酸のような高いヘリックス特性を有するアミノ酸を含むことによって、コイルドコイルの安定性を増大できる。
【0079】
別法として、エピトープを含まない安定化した鎖が使用されても良い。安定化した鎖の唯一の目的は、エピトープを含む鎖のヘリックス含量を増大することである。安定化した鎖は、エピトープ含有鎖のヘリックス構造の形成をサポートし安定化する非常に安定なヘリックスを形成可能である。好ましくはエピトープは、e及びg位置でリジン及び/またはグルタミン酸を有し、安定化した鎖は、e’またはg’位置で反対の荷電を有するアミノ酸を提供でき、鎖間塩架橋を形成する。安定化した鎖の例は以下の通りである:
CNleGGG(EIEALKK)     (配列番号2)
【0080】
これらのペプチドの構造的及び立体構造的完全性は、円2色性(CD)スペクトロスコピーによって容易に測定できる。本発明において有用なペプチドは、水溶液中でヘリックスの特徴を有する(実施例2及び3参照)。それ故天然のエピトープは、生理学的環境において正確に存在できる。対照的に、以前に報告された合成コイルドコイルタンパク質は、水溶液中でヘリックスを形成しない(WO 96/11944)。本発明において有用なペプチドは、CDスペクトロスコピーによって測定して、穏やかなバッファー中で少なくとも20%のヘリックス含量を有する。ヘリックス含量は、穏やかなバッファー中で好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも60%、最も好ましくは少なくとも80%である。
【0081】
ペプチドの安定性は、熱変性アッセイ、または塩化グアニジン変性アッセイのような化学的変性アッセイによって測定されても良い。そのようなアッセイは、当業者に周知である。ペプチドの安定性は、阻害ELISAによって間接的に評価されても良く、そこでは抗原と抗体の間の相互作用を阻害するペプチドの能力が、抗体に対して抗原と競合するために必要な構造を仮定した場合に、ペプチドがどのくらい安定であるかの指標として機能する。
【0082】
他の細菌コイルドコイルタンパク質から得られるエピトープもまた、本発明において使用されて良い。特に、コイルドコイル構造を含む細菌表面タンパク質から得られるエピトープが使用されて良い。本発明において有用なタンパク質を有する微生物の例は、Haemophilus influenza、特にその仮定的タンパク質HI0500;ライム病スピロヘータ、即ちBorrelia burgdorferi、特にその表面リポタンパク質P27;Legionella、特にその仮定的タンパク質ppIB;大腸菌、特にその保存的YigNタンパク質;Neisseria種、特にNeisseria meningitidis、及びその推定ペリプラズムタンパク質;Moraxella catarrhalis、特にそのタンパク質UspA1及びUspA2;Mycoplasma種、特にMycoplasma pneumoniae及びその仮定的タンパク質EO7;Chlamydia種mと国仮定的タンパク質CT825;Plasmodium falciparum、特にその仮定的タンパク質PFB01450、及び成熟寄生虫感染赤血球表面抗原;Trypanosoma種;Staphylococcus aureus;Streptococcus mutans;Cryptococcus neoforms;Klebsiella pneumoniae;Pseudomonas aeruginosa;ウイルス;真菌等を制限することなく含む。
【0083】
さらに、細菌起源から由来しない他のコイルドコイルタンパク質が同じ態様で使用されて良い。例えば、治療目的のためタンパク質に対する抗体を生産すること、またはこのタンパク質の機能を研究することは一般的である。しかしながら、全ての興味あるタンパク質が十分に免疫原性であるわけでなく、天然タンパク質の特定のコイルドコイル領域に対して特異的に向けられた抗体を生産することは困難であろう。本発明は、例えタンパク質がどんな起源、機能、または細胞内局在を有するかに関わらず、いずれのコイルドコイルタンパク質に対しても抗体調製を最適化するために使用されて良い。さらに本発明はまた、抗体を生産するために使用されるペプチド中の興味ある領域のみを含むことによって、特定のコイルドコイル領域に対して向けられた抗体の生産を可能にする。
【0084】
非細菌性のコイルドコイルタンパク質の例は、エストロゲンレセプター結合断片関連遺伝子9(Nakashima等, 1999)、白血病関連タンパク質5(Kapanadze等, 1998)、ブドウ膜自己抗原(Yamada等, 2001)、アンギオポエチン前駆体(Davis等, 1996)、NF−カッパB必須モジュレーター(Li等, 1999)、腫瘍感受性遺伝子101タンパク質(Li等, 1997)、細胞トリカルシノーマ抗原1(Chang等, 1994)、TACC1(Still, 1999)、及びTPR(Miranda等, 1994)を制限することなく含む。
【0085】
ここに挙げられた細菌及び非細菌タンパク質に加えて、当業者は、当該技術分野の確立された方法に従って、他のコイルドコイルタンパク質を同定できる。例えば、もしタンパク質のアミノ酸配列が入手可能であれば、MulticoilまたはPeptoolのような各種のコンピューターアルゴリズムが、そのタンパク質がコイルドコイルを形成するかどうか予測するために使用できる。実質的に精製されたタンパク質については、CDスペクトロスコピーが、ここに記載された実際の構造を測定するために使用できる。
【0086】
組成物
式Iのコイルドコイルペプチドを含む組成物は、少なくとも二つの目的のため動物において免疫応答を引き出すために使用できる。組成物が動物における免疫応答を引き出すことによってワクチンとして機能する場合、生成した抗体またはT細胞介在性免疫は、同じエピトープを含むその後の攻撃から動物を保護できる(能動免疫)。別法として、組成物は、研究ツールとして使用できる、または同じエピトープを含む後の攻撃から第二の動物を保護するために第二の動物に投与できる抗体を生産するために使用できる(受動免疫)。
【0087】
引き出された免疫応答を増幅するために、式Iのペプチド、特により小さいペプチド(例えば)1から4の7つ揃いのリピートを含むもの)をキャリアータンパク質に接合することが好ましいであろう。
【0088】
さらに、式Iのコイルドコイルペプチドまたはキャリアータンパク質とのそれらの接合体は、アジュバントが免疫保護化抗体力化または細胞介在性免疫応答を増大するため、免疫応答を引き出すためのアジュバントとさらに混合されても良い。そのようなアジュバントは、フロイント完全アジュバント、フロイント不完全アジュバント、水酸化アルミニウム、ジメチルジオクタデシル−アンモニウムブロミド、Adjuvax (Alpha−Beta Technology)、Inject Alum (Pierce)、Monophosphoryl LipidA (Ribi Immunochem Research)、MPL+TDM (Ribi Immunochem Research)、Titermax (CytRx)、QS21、CpG配列(Singh等, 1999)、毒素、トキソイド、グリコプロテイン、リピド、グリコリピド、細菌細胞壁、サブユニット(細菌またはウイルス)、炭水化物分子(モノ−、ジ−、トリ−、テトラ−、オリゴ−、及びポリサッカリド)、各種のリポソーム製剤またはサポニンを制限することなく含む。各種のアジュバントの組み合わせは、免疫原製剤を調製するために抗原と共に使用されて良い。
【0089】
組成物は、脈管内、腹腔内、筋肉内、皮膚内、皮下、経口、鼻腔、または吸入を含む各種の輸送方法によって投与されて良い。組成物はさらに、製薬学的に許容可能な賦形剤及び/またはキャリアーを含んで良い。そのような組成物は、霊長類、齧歯類、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ウサギ、ブタ、イヌ、及びトリ種のような、免疫応答を開始可能ないずれかの動物を免疫化するのに有用である。家畜動物と野生動物の両者が免疫化されて良い。組成物の正確な製剤は、特定のペプチドまたはペプチド−キャリアー接合物、免疫化される種、及び投与の経路に依存するであろう。
【0090】
コイルドコイルタンパク質に対して生産された抗体は、製薬組成物中に含ませることができ、動物に投与できる。製薬組成物は典型的に、製薬学的に許容可能なキャリアーを含み、製薬学的に許容可能な賦形剤を含んでも良い。製薬組成物は、脈管内、腹腔内、筋肉内、皮膚内、皮下、経口、鼻腔で投与でき、またはエアゾール吸入によっても投与できる。好ましくは製薬組成物は、脈管内、筋肉内、鼻腔、またはエアゾール吸入によって投与される。
【0091】
本発明によって、抗体、特にモノクローナル抗体もまた包含され、それは式Iのペプチドに対して生産された抗体から由来する。特に、ハイブリドーマは式Iのペプチドを使用して生産でき、組換え誘導体抗体は、周知の遺伝学的操作法に従ってこれらのハイブリドーマを使用して生産できる(レビューとして、Winter等, 1991参照)。例えば、モノクローナル抗体の可変領域をコードするDNA断片は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって得ることができる。PCRプライマーは、重鎖または軽鎖の定常領域に相補的であるオリゴヌクレオチドであることができ、PCRテンプレートは、ハイブリドーマから調製される全cDNAまたはゲノムDNAであることができる。別法として、cDNAライブラリーが、ハイブリドーマから調製でき、特定のハイブリドーマによって生産される重鎖または軽鎖のクローンを得るために、イムノグロブリン重鎖または軽鎖の定常領域に対応するプローブでスクリーニングできる。
【0092】
次に、可変領域に対するDNA断片は、発現ベクター内に挿入でき、選択された定常領域のcDNA配列とフレーム中で融合される。定常領域は、ヒト化抗体を生産するためにヒト定常配列、ヤギ抗体を生産するためにヤギ定常配列、式Iのペプチドを認識するIgEを生産するためにIgE定常配列等であることができる。かくして、同じ抗原認識能力を有するが、異なる定常領域を有する抗体が生産できる。特に興味があるのはヒト化抗体であり、それはヒト化定常領域に対する非所望の免疫応答を引き出すことなく、ヒトにおいて同系の抗原と関連する疾患に対する治療薬として使用できる。
【0093】
抗体をヒト化するため、またはヒト抗体を生産するための、当該技術分野で周知の他の方法が同様に利用でき、Abgenix Inc.によって開発された異種マウス法(米国特許第6,075,181号;第6,150,584号)、並びにBiovation、Bioinvent International AB、Protein Design Labs.、Applied Molecular Evolution, Inc.、ImmGenics Pharmaceuticals Inc.、Medarex, Inc.、Cambridge Antibody Technology、Elan、Eos Biotechnology、MedImmune、MorphoSys、またはUroGensys Inc.によって開発された方法を制限することなく含む。同様に、コイルドコイルペプチド抗原に対するヒト抗体分泌細胞をスクリーニングするための当該技術分野で周知の他の方法が利用できる。
【0094】
コイルドコイルペプチドまたはコイルドコイルペプチドに対する抗体のいずれかを含む組成物のための処方は、投与経路、投与される動物のサイズと種類、及び投与の目的のような因子に依存して変化するであろう。本発明における使用のための適切な処方は、Remington’s Pharmaceutical Sciencesに見出すことができる。
【0095】
以下の実施例は、本発明を説明するために与えられ、本発明の範囲を制限するいずれの目的でも構成されるものではない。
【0096】
【実施例】
以下の実施例では、以下の略語は以下の意味を有する。定義されていない略語は、一般的に受け入れられている意味を有する。
℃    =摂氏
hr   =時
min  =分
μM   =マイクロモーラー
mM   =ミリモーラー
M    =モーラー
ml   =ミリリットル
μl   =マイクロリットル
mg   =ミリグラム
μm   =マイクログラム
rpm  =分当たりの回転
ID   =内径
TFE  =トリフルオロエタノール
EDT  =エタンジオール
TFA  =トリフルオロ酢酸
PBS  =リン酸緩衝生理食塩水
β−ME =β−メルカプトエタノール
DMSO =ジメチルスルホキシド
Nle  =ノルロイシン
ELISA=酵素免疫検定法
HRP  =セイヨウワサビペルオキシダーゼ
TD   =胸腺依存性
TT   =破傷風菌トキソイド
KLH  =キーホールリンペットヘモシアニン
BSA  =ウシ血清アルブミン
【0097】
本願を通じた使用されるアミノ酸の一文字コード及び三文字コードは、以下に記載される:
A=Ala=アラニン
C=Cys=システイン
D=Asp=アスパラギン酸
E=Glu=グルタミン酸
F=Phe=フェニルアラニン
G=Gly=グリシン
H=His=ヒスチジン
I=Ile=イソロイシン
K=Lys=リジン
L=Leu=ロイシン
M=Met=メチオニン
N=Asn=アスパラギン
P=Pro=プロリン
Q=Gln=グルタミン
R=Arg=アルギニン
S=Ser=セリン
T=Thr=トレオニン
V=Val=バリン
W=Try=トリプトファン
Y=Tyr=チロシン
【0098】
物質と方法
ペプチド合成と精製
Applied Biosystem 431 Aペプチド合成器でt−Boc化学により、ペプチド類似体を調製した。ペプチド樹脂(700mg)を、0−4℃で1時間、10%アニゾールと2.5% EDTを含む10mLのHFで切断した。HFの除去の後、ペプチド/樹脂をシンターガラス漏斗に移し、ジエチルエーテル(2×50mL)、引き続き氷冷酢酸(2×50mL)で洗浄した。次いで酢酸溶液を凍結乾燥した。粗ペプチドを、0.05% TFAと3mL酢酸を含む15mLの水に採取した。攪拌とソニケーションの後、混合物を1.5mLエッペンドルフチューブに移し、13000rpmで遠心分離した。上清を回収し、Millex GV 0.22μmシリンジフィルターを通じて濾過した。この溶液を、3mL/分の流速で5mL注入ループを通じてZorbax RX−C8 (22.1mm ID×250mm、5μmの粒径)に乗せた。溶媒Aが水中に0.05% TFAであり、溶媒Bがアセトニトリル中に0.05% TFAである、0.1%B/分の直線状AB勾配を稼働することによって、精製を実施した。
【0099】
リンカーとシステイン残基を取り込ませ、コイルドコイルの鎖をジスルフィド結合によって共に結合させた。ジスルフィド架橋化コイルドコイルを、100mM NHHCO, pH8.5中の〜10mg/mLのペプチドの室温での一晩の空気酸化によって形成した。全てのペプチドを、分析的HPLCとエレクトロスプレーマススペクトロメトリーによって特徴付けし、タンパク質濃度並びにアミノ酸組成を、アミノ酸分析によって測定した。前述の従来の固相化学によって、ペプチドのN末端に結合した光反応性試薬ベンゾイル安息香酸を生産するキャリアータンパク質破傷風菌トキソイドにペプチドを結合した。この光アフィニティープローブは、t−Boc化学の条件下で安定である。ノルロイシン残基をペプチドのリンカー領域に取り込ませ、アミノ酸分析によってキャリアータンパク質に結合したペプチドの定量を可能にした。100mmのNHHCO, pH8.3バッファー中に溶解した10mgの破傷風菌トキソイドに対して6mgのペプチドを加え、溶液を350nmの波長で1時間照射した。いずれの非反応性ペプチドをも除去し、溶液を15mLの透析カセットに移し、4Lの20mM NaHPO, pH7.0バッファーで透析した。この透析物のHPLC分析を、照射溶液中に存在する非反応性ペプチドの量を測定するために使用した。残余のペプチドがHPLCクロマトグラムにおける曲線の下の全部の領域の1%未満である場合、透析は完成したと判断された。
【0100】
CDスペクトロスコピー
円2色性(CD)スペクトロスコピーを、Jasco DP−500Nデータプロセッサーを装備したJasco J−500Cスペクトロポラリメーター(Jasco, Easton, Maryland)を使用して実施した。ジスルフィド結合化ペプチドの〜500mMのストック溶液の10倍の希釈物を、0.02cmの溶融シリカセルに乗せ、190から250nmで楕円率をスキャンした。各ジスルフィド架橋化類似体を、穏やかな条件(50mMリン酸、100mM KCl,pH7.0)で且つ同じバッファー中の50%TFEの存在下でCDスペクトロスコピーによって分析した。ラウダ水浴(モデルRMS、Brinkmann Instruments, Rexdale, Ont.)を使用して、セルの温度を制御した。CDスペクトルは、250から190nmの0.1mm間隔でのデーターの回収によって得られた4のスキャンの平均であった。
【0101】
HPLC
分析的HPLCを、ダイオードアレー検出器を備えたBeckman System Gold HPLCで実施した。分析は、Zorbax SB−C8カラム(4.5mm ID×150、3.5μm粒径)で実施した。移動相は、A:0.05%トリフルオロ酢酸を含む脱イオン精製水(18MΩ/cm)、及びB:0.05%TFAを含むアセトニトリル(HPLCグレード,99.99%)であった。HPLC操作条件は以下に挙げられる:
流速        1mL/時
注入容量      20mL
検出波長      215nm
勾配2.5%B/分
全稼働時間     20分
挿入開始時     5分
最小領域(挿入)  25000
【0102】
実施例1:合成肺炎球菌免疫原の構築
この実施例は、合成免疫原内に、PspAのコイルドコイル構造のb、c、e、fまたはg位置でのアミノ酸座菌をスプライスする方法を説明する。Biotoolsソフトウェアーは、153−170残基と181−198残基とを含むPspA中の多くのコイルドコイルモチーフを同定した。以下に示されるように、これらのモチーフのa及びd位置は太字で表され、溶媒接近可能なアミノ酸はイタリックである。明確化のためスペースが7つ揃いのリピートの間で挿入されている
LEEAEKK ATEAKQK VDA      配列番号1の153−168残基
AELENQ VHRLEQE LKEIDES    配列番号1の181−198残基
【0103】
溶媒にさらされる残基は、a及びd位置のそれぞれでイソロイシン及びロイシンでコイルドコイルテンプレート内に取り込まれる。
Figure 2004503565
【0104】
このペプチドを、物質と方法に記載されているように合成する。a及びd位置でイソロイシン及びロイシンの代わりに天然の配列を含むコントロールペプチドも合成する:
CNleG LEEAEKK ATEAKQK VDALENQ VHRLEQE LKEIDES
(天然コントロール;配列番号4)
【0105】
ペプチドのCDプロフィールとヘリックス安定性を、物質と方法に記載されているように測定する。その結果は、試験ペプチドが、トリフルオロエタノール(TFE)の不存在下で穏やかなバッファー(50mM KHPO、50mM KCL, pH7.0)中でさえヘリックス形態で存在することを示す。対照的に、天然のコントロールは、ヘリックス構造を形成するためのTFEの存在を必要とする。同様に、試験ペプチドは、熱変性実験で試験すると天然コントロールよりずっと安定である
【0106】
実施例2:合成肺炎球菌PspAペプチド
合成ペプチドを、3種の異なる肺炎球菌表面タンパク質A(pspA)から得たエピトープに基づいて調製した。3種のPspAタンパク質及びそれらの莢膜血清型は以下の通りである:
PspA株      莢膜血清型
BG 8746       23F
EF5668        4
BG8090        19F
【0107】
これらのタンパク質を、肺炎球菌感染におけるこれらの血清型の罹患率のため選択した(Kalin, 1998)。図4に示されるB細胞エピトープを、バイオインフォマティックスソフトウェアーPeptools(Edmonton, Alberta)を使用して同定した。3種のエピトープを、コイルドコイルリピートが記録上維持されるように共にスプライスした。リンカー及びシステイン残基を取り込ませ、コイルドコイルの鎖がジスルフィド結合によって共に結合するようにさせた。
【0108】
ペプチドのCDスペクトルが図5に示される。穏やかなバッファー(50mM KH2PO4、50mM KCl, pH7.0)において、ペプチドはランダムコイルとアルファヘリックスの混在した構造を採用する。50%トリフルオロエタノール(TFE、これはアルファヘリックスにホールディングする特性を有するペプチド中のヘリックス構造を誘導する)の存在下で、ペプチドは高度にヘリックス状の構造を採用する。穏やかなバッファー中のヘリックス含量は、50%THF中のものの17%であり、ペプチドがTFEを含まない生理学的に適合可能な溶液中でヘリックスを形成することを示す。それ故このペプチドは、生理学的条件下で免疫応答を引き出すために使用されて良い。
【0109】
実施例3:コンセンサスコイルドコイル配列の生産
今日まで、各種の株から得た肺炎球菌表面タンパク質Aの40分部分的及び完全配列が、各種の配列データベースに放出されている。これらのタンパク質は、リーダー配列、コイルドコイルドメイン、プロリンドメイン、及びコリン結合ドメインからなる共通の構造を共有する。プログラムMultiCoil(Wolf等, 1997)によるPspA配列の分析は、コイルドコイル領域がプロリン残基を含む部分によって破壊されていることを示す。ソフトウェアーBiotollsを使用した複数の配列分析は、印刷された配列が24.1%から97%まで相同性が変化することを示す。しかしながら、これらのタンパク質のヘリックスドメインの特定の領域は顕著に相同であり、これらの保存された領域がペプチドの機能に重要であることを示唆する。
【0110】
コンセンサス配列(図6)を、抗原活性を有することが示された保存領域から推定した。完全な及び部分的なPspA配列を、バイオインフォマティックスソフトウェアーPeptools(Biotools, Edmonton, Alberta)中のNational Library pf Medicine PubMedウェブサイトからダウンロードした。全部で40の完全な及び部分的配列をソフトウェアーのアライメントモジュールに移し、コンセンサスの域値を65%にセットした。コンセンサスの域値は、並べられた配列の群中の最小の残基複数性を規定する。要するに、コンセンサス域値は、不十分なマッチを排除するために機能し、配列内の保存残基を強調する。これは、視覚的観察により相同性の容易な同定を可能にする。
【0111】
コイルドコイル領域の最後の100アミノ酸は、この領域が交差反応性エピトープを有することが以前に示されているため、配列相同性の焦点であった。図6は、この領域内で見出される残基に対する配列アライメントを説明する。特にこのアライメントは、EELXKIDELDXEIAXLEKX(配列番号5)のコンセンサス配列を生じ、個々では推定のa及びd位置が、それぞれイソロイシン及びロイシンであるように選択された。好ましくは、XがS、Q、N、またはDであり;XがD、N、またはKであり;XがA、またはNであり;XがK、E、またはDであり;及びXがN、D、またはEである。
【0112】
このコンセンサス領域の第一の部分を含む配列、EELSDKIDELD(配列番号6)を、抗原性研究のために選択した。Ser及びAsp残基は、これらの残基がアライメントされた配列の大多数で存在するため、この配列に含まれた。
【0113】
EELSDKIDELD(配列番号6)を含む合成ペプチドを、本発明の式Iに従って製造した。かくして、式Iに係る前記配列のN末端でイソロイシンが挿入され、ペプチドの長さを増大するために隣接配列が加えられた。このペプチドの完全な配列、CVX0270は以下の通りであり、コンセンサス配列から得られる残基は太字で強調されている:
アセチル−CNleGEIEALKKKIEELSDKIDELEKEIK−アミド  (配列番号7)
【0114】
CDスペクトルを、穏やかな条件(50mM KH2PO4、100mM KCl, pH7.0)の下で50%TFEを含む水溶液中で実施した。20℃での穏やかな条件の下でペプチドCVX0270のCDスペクトルが図7に示される。CDスペクトルは、222nm及び209nmで最小値、200nm以下で高いポジティブ楕円率を有するヘリックスペプチドの典型である。典型的に、222nmでのモル楕円率([θ]222)は、ペプチド中のヘリックス含量を測定するために使用されている。ペプチドCVX0270については、これは−29800の値に対応し、このペプチドが有意にα−ヘリックスであることを示す。理論的には、27残基のペプチドについての[θ]222の値は−33900である(Chen等, 1974)。それ故ペプチドCVX0270は88%ヘリックス状である。リンカー領域(Cys−Nle−Gly)はヘリックスではないようにデザインされ、それ故[θ]222シグナルを減少することに注意すべきである。222と208でのモル楕円率の比([θ]222/[θ]208)は1.02より大きく、コイルドコイルについて以前に観察されたものと相同であり(Hodges等, 1988; Lau等, 1984; Zhou等, 1992)、[θ]208が[θ]222より大きい非相互作用性αヘリックスとは明らかに異なる。50%TFEの存在下では、ヘリックス含量は101%にわずかに増加した。このデータは、ペプチドCVX0270が高度にヘリックス状であり、水溶液の下でコイルドコイル構造で主に見出されることを示す。
【0115】
CVX0270の安定性を測定するために、熱変性実験を実施した。図8は、温度の関数として[θ]222をモニターすることによって得られた変性曲線を示す。この研究は、ペプチドCVX0270が75℃で元々のヘリックスの77%を示すペプチドで非常に安定であることを示す。前記の結果は、a位置でイソロイシン及びd位置でロイシン残基を有するコイルドコイル形成配列が、別のタンパク質配列から得られたヘリックスエピトープを与えるのに十分に安定であることを示す。
【0116】
実施例4:コイルドコイルタンパク質の免疫原性
実施例3に記載されたペプチド「Strep」(配列番号7)を、物質と方法に記載されたタンパク質キャリアー破傷風菌トキソイド((TT)に結合した。このペプチドの免疫原性を以下のように測定した。
【0117】
Balb/cマウス(6−8週齢、メス、Charles River)を、Strep−破傷風菌トキソイド(20、10または5μg)及び非接合破傷風菌トキソイドと共に腹腔内注射(100μLトータル、50% Alhydrogel2%アジュバント、Cedarlane、カタログ番号SF2000−250)によって、0日目(1°一次免疫化)、7日目(2°二次免疫化)、28日目(3°三次免疫化)、及び42日目(追加免疫)に免疫化した。これらの抗原を0.9% NaCl中に各種の量で希釈し、0.9% NaClで注射されたマウスをネガティブコントロールとして使用した。マウスを、6、14、35、及び49日目に1°、2°、3°及び追加免疫に引き続き採血し、抗体力価(直接的ELISA)及び抗体アイソタイプ応答(アイソタイピングELISA)についてのアッセイ、抗体特性(阻害ELISA)の測定、並びに免疫保護化抗体応答(殺菌アッセイ/オプソニン化アッセイ)の測定のために血清を回収した。
【0118】
典型的に免疫化スケジュールは表1に示される。当該技術分野で周知の各種の他の免疫化スケジュール及びアジュバント処方もまた有効であろう。脈管内、筋肉内、皮膚内、皮下、経口、鼻腔、エアゾール吸入経路を含む各種の輸送法もまた有効であろう。
【0119】
表1:I.P.で免疫化されたBALB/cマウス−Strep−TT免疫化スケジュール
【表1】
Figure 2004503565
研究群:
(10A.BYマウス/群)
1.Strep−TT(20μg/マウス)+アジュバント
2.Strep−TT(10μg/マウス)+アジュバント
3.Strep−TT(5μg/マウス)+アジュバント
4.破傷風菌トキソイド(20μg/マウス)+アジュバント
5.PBS(Alumなし)
【0120】
A.コイルドコイル抗原接合物によって引き出される抗体レベルの測定
抗体レベルを測定するために基本的な方法は、以下の直接的ELISAプロトコールによる:
1.0.05M炭酸−二炭酸バッファー(pH9.6、100μL/ウェル)中の1.0μg/mL(ウェル当たり0.1μg)の抗原でのEIAプレート(COSTAR)の被覆。
2.4℃で一晩のプレートのインキュベーション。
3.翌日、洗浄バッファー(PBS/0.05%Tween)での3回のプレートの洗浄。ベンチトップ上でプレートをたたくことによる過剰な液体の除去。
4.ウェル当たり100μLブロッキングバッファー(PBS/2%BSA)でのプレートのブロック。37℃で1時間のプレートのインキュベーション。
5.洗浄バッファー(PBS/0.05%Tween)で5回のプレートの洗浄。ベンチトップ上でプレートをたたくことによる過剰な液体の除去。
6.希釈バッファー(PBS/0.1%Tween)で適切に希釈されたウェル当たり100μLの試験抗体の添加。37℃で60分のプレートのインキュベーション。
7.洗浄バッファー(PBS/0.05%Tween)で3回のプレートの洗浄。ベンチトップ上でプレートをたたくことによる過剰な液体の除去。
8.1:5000の濃度への希釈バッファー(PBS/0.1%Tween)中におけるHRP抗マウスIgG(Jackson Lab)の希釈。ウェル当たり100μLの添加と37℃で60分のインキュベーション。
9.洗浄バッファー(PBS/0.05%Tween)で3回のプレートの洗浄。ベンチトップ上でプレートをたたくことによる過剰な液体の除去。
10.HRP基質の調製
0.01Mクエン酸ナトリウムバッファー中に溶解された0.03%過酸化水素(30%)と1mM ABTS(クエン酸ナトリウム(1.48g)は500mL蒸留水にクエン酸ナトリウムを溶解する。クエン酸は750mL蒸留水にクエン酸を溶解する。pH4.2を得るようにクエン酸ナトリウム溶液にクエン酸溶液を注ぐ)。各ウェルに100μLの添加、及び30分暗所で発色。
11.30分405nmでのELISAプレートリーダーでの吸光度の読み取り。
【0121】
Strep−TT接合物(20μg、10μg及び5μg)に対して抗血清で得られた平均のO.D.のELISAの読み取りが表2に示される。全ての3の投与量濃度(20μg、10μg及び5μg)でのStrep−TT接合物が、Strep(EIEALKKKIEELSDKIDELEKEIK)ハプテンに対して有意な抗体力価を引き出した。非接合破傷風菌トキソイドがコイルドコイルStrep抗原に対していずれか抗体または交差反応性の抗体をも引き出さないため、これらの抗体は抗原特異性である。
【0122】
表2.コイルドコイルStrep抗原に対するマウス血清抗体のELISAの結果
【表2】
Figure 2004503565
*マウスは、Strep−TT+アジュバント、TT+アジュバント、またはPBSで0、7、28及び42日目に腹腔内で注射された。血清は49日目に回収された。
【0123】
B.コイルドコイル抗原接合物によって引き出される抗体アイソタイプレベルの測定
抗体アイソタイプレベルを測定するために基本的な方法は、コイルドコイル抗原接合物によって引き出されるIgM、IgG、及びIgAアイソタイプを提供するために以下の通りである:
1.0.05M炭酸−二炭酸バッファー(pH9.6、100μL/ウェル)中の1.0μg/mL(ウェル当たり0.1μg)の抗原でのEIAプレート(COSTAR)の被覆。
2.4℃で一晩のプレートのインキュベーション。
3.翌日、洗浄バッファー(PBS/0.05%Tween)で3回のプレートの洗浄。ベンチトップ上でプレートをたたくことによる過剰な液体の除去。
4.ウェル当たり100μLブロッキングバッファー(PBS/2%BSA)でのプレートのブロック。37℃で1時間のプレートのインキュベーション。
5.洗浄バッファー(PBS/0.05%Tween)で5回のプレートの洗浄。ベンチトップ上でプレートをたたくことによる過剰な液体の除去。
6.操作バッファー(PBS/0.1%Tween)中の1:250希釈マウス血清の調製。適切なウェル内への100μL/ウェルの添加。37℃で1時間のプレートのインキュベーション。
7.洗浄バッファー(PBS/0.05%Tween)で3回のプレートの洗浄。ベンチトップ上でプレートをたたくことによる過剰な液体の除去。
8.HRP−ラベル化検出抗体(Southern Biotechnology Associates Inc.)の希釈。
適切なウェル内への100μL/ウェルの添加。37℃で1時間のプレートのインキュベーション。
9.洗浄バッファー(PBS/0.05%Tween)で3回のプレートの洗浄。ベンチトップ上でプレートをたたくことによる過剰な液体の除去。
10.HRP基質の調製
0.01Mクエン酸ナトリウムバッファー中に溶解された0.03%過酸化水素(30%)と1mM ABTS(クエン酸ナトリウム(1.48g)は500mL蒸留水にクエン酸ナトリウムを溶解する。クエン酸は750mL蒸留水にクエン酸を溶解する。pH4.2を得るようにクエン酸ナトリウム溶液にクエン酸溶液を注ぐ)。各ウェルに100μLの添加、及び30分暗所で発色。
11.30分405nmでのELISAプレートリーダーでの吸光度の読み取り。
【0124】
Strep−TTコイルドコイル抗原に対するIgG抗体アイソタイプ応答は表3に示される。これらの結果は、二次免疫化の後Strepコイルドコイル抗原に対する有意なIgG1抗体レベルの存在を示す。IgG1からIgG2a、IgG2b及びIgGへの有意なIgGアイソタイプへのスイッチが、追加免疫注射の後観察された(29日目の採血)。コイルドコイルStrep抗原に対する観察されたIgG抗体の成熟は、TD応答の典型例である。
【0125】
表3.コイルドコイルStrep抗原に対するマウス血清抗体のアイソタイピングELISA
【表3】
Figure 2004503565
Figure 2004503565
【0126】
C.コイルドコイル抗原接合物または遊離ペプチドでの組成物中の抗体結合の測定
抗血清の特異性を、コイルコイル構造を有するまたは有さないペプチドを使用して、阻害ELISAによってさらに調査した。この阻害ELISAについてのプロトコールは以下の通りである:
1.炭酸−二炭酸バッファー中の1.0μg/mL(ウェル当たり0.1μg)へのコーティング抗原の希釈。ガラスチューブの使用。
2.プレートの各ウェルに100μLのコーティング抗原の添加。4℃で一晩のプレートの貯蔵。
3.ウェルの攪拌と、キムワイプ上で逆さまにして除去。ウェル当たり〜200μLの洗浄バッファー(PBS/0.05%Tween)(v/v)で3回のプレートの洗浄。
4.ウェル当たり200μLのブロッキングバッファーの添加(PBS/2%BSA)(v/v)。37℃で60分のプレートのインキュベーション。
5.ウェルの攪拌と、キムワイプ上で逆さまにして除去。ウェル当たり〜200μLの洗浄バッファー(PBS/0.05%Tween)(v/v)で5回のプレートの洗浄。
6.希釈バッファー(PBS/0.1%Tween)(v/v)で適切に希釈された、50μLの選択された競合的接合物または遊離ペプチドの添加。(注意:競合的ペプチドは50μL中で2倍の濃度を有する)
7.希釈バッファー(PBS/0.1%Tween)(v/v)で適切に希釈された、ウェル当たり50μLの試験抗体の添加。(注意:試験抗体は50μL中で2倍の濃度を有する)各ウェルの最終容量は100μLであった。
8.ELISAシェイカーでゆっくり攪拌しながら37℃で60分のプレートのインキュベーション。
9.ウェルの攪拌と、キムワイプ上で逆さまにして除去。ウェル当たり〜200μLの洗浄バッファー(PBS/0.05%Tween)(v/v)で3回のプレートの洗浄。1:5000の濃度に、希釈バッファー(PBS/0.1%Tween)(v/v)中へのペルオキシダーゼ接合抗マウスIgGの希釈。ウェル当たり100μLの添加と、37℃で60分のインキュベーション。
10.ウェルの攪拌と、キムワイプ上で逆さまにして除去。ウェル当たり〜200μLの洗浄バッファー(PBS/0.05%Tween)(v/v)で3回のプレートの洗浄。
11.HRP基質の調製
0.01Mクエン酸ナトリウムバッファー中に溶解された0.03%過酸化水素(30%)と1mM ABTS(クエン酸ナトリウム(1.48g)は500mL蒸留水にクエン酸ナトリウムを溶解する。クエン酸は750mL蒸留水にクエン酸を溶解する。pH4.2を得るようにクエン酸ナトリウム溶液にクエン酸溶液を注ぐ)。各ウェルに100μLの添加、及び30分暗所で発色。
12.30分405nmでのELISAプレートリーダーでの吸光度の読み取り。
【0127】
この阻害アッセイで使用されるStrep#1、#2及び#3遊離ペプチドの配列は以下の通りである:
Figure 2004503565
【0128】
ラクタム架橋を形成する残基は、太字で強調されている。ラクタムは、グルタミン酸残基のカルボン酸側鎖をリジン残基のアミノ基側鎖と反応させることによって形成される。これらのラクタムは、それらが4残基離れて配置され、且つリジンの方向にグルタミン酸が配向されている場合、αヘリックスとコイルドコイルを安定化する。
【0129】
エピトープはイタリックの文字で強調されている。全ての3種の配列から、エピトープがリジン残基(L)が引き続く二つのグルタミン酸残基(EE)で開始することが分かる。一本鎖ペプチドの場合、ロイシン残基が、ラクタム架橋の一部であるグルタミン酸(E)残基によって置換されている。エピトープは、コイルドコイルにおいてSKDとイソロイシン(I)残基が引き続いて連続し、一本鎖ペプチドにおいてラクタム架橋に含まれるリジン残基が引き続く。エピトープの最後の二つの残基はDEである。
【0130】
表4は、3種の異なるStrepペプチド、Strep−TT免疫原、TT、及びBSAを使用する抗Strep血清の阻害ELISAの結果を示す。Strep#3ペプチド(免疫原として使用されるペプチド)は有意な阻害を示し、Strep#2(直鎖状ペプチド、低ヘリックス含量を有する)は阻害を示さなかった。それ故、免疫原Strep−TTは構造的(または3次元)エピトープ構造を認識する抗体を引き出すと解されていた。Strep−TT免疫原は、直鎖状エピトープに対して抗体を引き出さなかった。それ故これらの結果は、コイルドコイル抗原が構造的エピトープを認識する抗体を引き出すことを示唆する。阻害はまたStrep#1ペプチドでも観察され、そのペプチドはコイルドコイル抗原に対してさらなる安定性を加えるラクタム架橋を含む。
【0131】
表4:各種のStrep抗原インヒビターを使用する抗Strep(1:25,000の希釈、49日目)の阻害ELISA
【表4】
Figure 2004503565
Figure 2004503565
Strep#1=コイルドコイル+ラクタム架橋
Strep#2=直鎖状配列
Strep#3=配列番号7
【0132】
D.コイルドコイル抗原接合物によって引き出される免疫保護化抗体を測定するための殺菌アッセイとオプソニン化アッセイ
使用される基本的な殺菌アッセイとオプソニン化アッセイは以下の通りである:
殺菌アッセイ
1.各種のカルチャーコレクション(ATCC)から調達される所望のグラム陽性細菌でのアガープレートのストリーク。37℃で一晩のインキュベーション。
2.翌日、単離されたコロニーの取得と、滅菌試験チューブへの1.0mlのTodd−Hewitt Broth(THB)+Yeast Extraction(YE)中のイノキュレート。37℃で一晩のインキュベーション。
3.翌日、420nmの波長でのイノキュレートされた細菌のO.D.の測定。ブランクとしてTHF+YE培地の使用。
4.滅菌平底96穴ウェルプレートに対して、各ウェルに滅菌した2.5mmのガラスビーズの添加。
5.各ウェルに対して、5μLの細菌、及び10μLの試験されるマウス血清の添加。37℃で1時間のインキュベーション。注意:工程5と6は三重に実施される。
6.1時間のインキュベーション後、THB+YE中に無菌的に、1:20希釈した外因性補足物(Low ToxモルモットComplement、Cedarlane)の調製。50μLの添加。37℃で1時間のインキュベーション。
7.補足インキュベーションの後、50μLの等量物をガラススプレッダーを使用してアガープレートに配置。
8.プラスチックバッグに全てのアガープレートをラップ、37℃で一晩のインキュベーション。
9.翌日、コロニー形成ユニット(CFU)のカウント。
【0133】
オプソニン化アッセイ
1.各種のカルチャーコレクション(ATCC)から調達される所望のグラム陽性細菌でのアガープレートのストリーク。37℃で一晩のインキュベーション。
2.翌日、単離されたコロニーの取得と、滅菌試験チューブへの1.0mlのTodd−Hewitt Broth(THB)+Yeast Extraction(YE)中のイノキュレート。37℃で一晩のインキュベーション。
3.翌日、100U/mlの滅菌ヘパリンの調製。
4.各マウス(5−10)の尾の静脈内に100μLの滅菌ヘパリンの静脈内注射。10分後、滅菌チューブ内にマウスの心臓採血。
5.420nmの波長でのイノキュレートされた細菌のO.D.の測定。ブランクとしてTHF+YE培地の使用。
6.滅菌平底96穴ウェルプレートに対して、各ウェルに滅菌した2.5mmのガラスビーズの添加。
7.各ウェルに対して、50μLのヘパリン処理血液、10μLの試験されるマウス血清、5μLの細菌の添加。37℃で1時間のインキュベーション。注意:この工程は三重に実施される。
8.1時間のインキュベーション後、蒸留水中に無菌的に、1:20希釈した外因性補足物(Low ToxモルモットComplement、Cedarlane)の調製。50μLの添加。37℃で1時間のシェイカーでのインキュベーション(遅い動き)。
9.1時間後、100μLの等量物をガラススプレッダーを使用してアガープレートに配置。
10.プラスチックバッグに全てのアガープレートをラップ、37℃で一晩のインキュベーション。
11.翌日、コロニー形成ユニット(CFU)のカウント。
【0134】
Strep−TT接合物(20、10、5μgの投与量)で免疫化されたマウスから得た血清は、オプソニン化アッセイによって測定すると免疫保護的であることが見出された。Strep−TTに対する抗血清は、代表的なStreptococcus pneumoniae血清型(1,3及び5)のコロニー形成ユニットの減少を示した。破傷風菌トキソイドまたはPBSで注射されたマウスから得た血清では、ほとんどまたは全くコロニー形成ユニットの減少が観察されなかった。Strep−TT接合物は、S. pneumoniaeのコイルドコイル抗原に対する免疫保護化抗体を引き出した。
【0135】
表5:Streptococcus pneumoniae血清型(1,3及び5)を使用するStrep−TTに対する抗血清のオプソニン化の結果
【表5】
Figure 2004503565
【0136】
添付資料1
S. pneumoniae Rx1株から得られるPspAタンパク質の免疫原性領域の分析。免疫原性領域は、配列の株の星印によって示される。
【表6】
Figure 2004503565
Figure 2004503565
Figure 2004503565
Figure 2004503565
Figure 2004503565
Figure 2004503565

【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、微生物表面に存在するいくつかの抗原を表す、肺炎球菌表面の仮想図である。PspA及びPspCから得られるコイルドコイル領域は、細胞壁から離れて突出していると解される。
【図2】図2は、PspA及びPspC分子の模式図であり、それらのホモロジー領域を強調している。各タンパク質は、コイルドコイルドメイン、プロリンリッチ領域、コリン結合領域、及び疎水性テールの4個のドメインからなる。高い配列ホモロジーが、PspA及びPspCの間のコイルドコイルドメインの領域2の部分に存在する。
【図3】図3は、二つのペプチド鎖からなるコイルドコイル構造の断面図を示す。鎖1における7つ揃いのリピートの7の位置は、a、b、c、d、e、f及びgで表される一方、鎖2における7つ揃いのリピートの7の位置は、a’、b’、c’、d’、e’、f’及びg’で表される。白い矢印は、aとa’、及びdとd’のそれぞれの間の疎水性相互作用を示す。
【図4】図4は、S. pneumoniaeのいくつかの臨床的に関連する株のエピトープを、コイルドコイルテンプレートに組み合わせ、免疫原性ペプチドを作製する工程を示す。
【図5】図5は、TFEの存在下及び不存在下での、図4のペプチドのCDスペクトルを示す。
【図6】図6は、非常に保存されたPspAの領域を示す。式Iを有することを確認するように選択されたコンセンサス配列も知られている。
【図7】図7は、ペプチドCVX0270のCDスペクトルを示し、それは図6に示されたコンセンサス配列の一部を含む。
【図8】図8は、ペプチドCVX0270の熱変性プロフィールを示す。

Claims (57)

  1. 式I:
    (AXXDXXX)   I
    [式中、
    AはIle、Leu、Valまたはそれらの誘導体であり;
    DはLeu、Ile、Valまたはそれらの誘導体であり;
    各Xは天然コイルドコイルタンパク質のエピトープのアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基またはそれらの誘導体であり;
    各(AXXDXXX)リピート中のX残基は、X残基のセットを形成し;
    nは1以上である]
    の合成ペプチド。
  2. 各(AXXDXXX)リピートにおいて、AがIleであり、DがLeuである、請求項1記載のペプチド
  3. nが約3から6である、請求項1記載のペプチド。
  4. 前記X残基が、天然タンパク質のコイルドコイル領域において溶媒にさらされるアミノ酸である、請求項1記載のペプチド。
  5. 前記X残基のセットのそれぞれが、単一のタンパク質の同じエピトープから得られる、請求項1記載のペプチド。
  6. 異なるX残基の少なくとも二つのセットを含む、請求項1記載のペプチド。
  7. 前記異なるセットのそれぞれが、同じタンパク質の異なるエピトープ、及び異なるタンパク質から得られるエピトープからなる群から独立に選択される、請求項6記載のペプチド。
  8. ペプチドのC−末端及び/またはN−末端で付加的なアミノ酸をさらに含む、請求項1記載のペプチド。
  9. 前記付加的なアミノ酸残基が、ペプチドのN−末端でのCNleGである、請求項8記載のペプチド。
  10. X残基のセットが、天然コイルドコイルタンパク質の溶媒にさらされる残基のコンセンサス配列に対応する、請求項1記載のペプチド。
  11. 前記コイルドコイルタンパク質が、肺炎球菌表面タンパク質A、肺炎球菌表面タンパク質C、及び肺炎球菌アドヘシンAからなる群から選択される、請求項10記載のペプチド。
  12. EELXKIDELDXEIAXLEKX(配列番号5)、及びEELXKIDELD(配列番号5の1−11)[式中、X、X、X、XまたはXはいずれかのアミノ酸である]からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項11記載のペプチド。
  13. 式中、
    がS、Q、N、またはDであり;
    がD、N、またはKであり;
    がA、またはNであり;
    がK、E、またはDであり;及び
    がN、D、またはEである;
    請求項12記載のペプチド。
  14. 式I:
    (AXXDXXX)   I
    [式中、
    AはIle、Leu、Valまたはそれらの誘導体であり;
    DはLeu、Ile、Valまたはそれらの誘導体であり;
    各Xは天然コイルドコイルタンパク質のエピトープのアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基またはそれらの誘導体であり、但し少なくとも一つのXが、荷電したアミノ酸と、反対の荷電の別のアミノ酸残基との間で塩架橋を形成するような態様で、荷電したアミノ酸残基で置換されて、その塩架橋がペプチドのコイルドコイル構造の推定を容易にすることを除く;
    各(AXXDXXX)リピート中のX残基は、X残基のセットを形成し;
    nは1以上である]
    の合成ペプチド。
  15. 荷電したアミノ酸が、Asp、Glu、Lys、Arg、及びHisからなる群から選択される、請求項14記載のペプチド。
  16. a)コイルドコイルタンパク質のエピトープを選択する工程;
    b)前記エピトープのどのアミノ酸残基が溶媒にさらされるかを測定する工程;及び
    c)式IのX位置に前記溶媒にさらされるアミノ酸残基を挿入する工程;
    を含む、式Iのペプチドの製造方法。
  17. 前記コイルドコイルタンパク質が細菌タンパク質である、請求項16記載の方法。
  18. 前記エピトープの選択工程が、コンピューターアルゴリズムを使用して実施される、請求項16記載の方法。
  19. エピトープアミノ酸の一つのセットが使用される、請求項16記載の方法。
  20. 前記セットのそれぞれが、同じタンパク質の異なるエピトープ、及び異なるタンパク質から得られるエピトープからなる群から独立に選択される、請求項19記載の方法。
  21. 少なくとも一つの式Iのペプチドを含む、動物において免疫応答を刺激するのに有用な組成物。
  22. 前記式Iのペプチドが、キャリアータンパク質に接合されている、請求項21記載の組成物。
  23. さらにアジュバントを含む、請求項21記載の組成物。
  24. 少なくとも二つの異なるX残基のセットを含む、請求項21記載の組成物。
  25. 前記異なるセットのそれぞれが、同じタンパク質の異なるエピトープ、及び異なるタンパク質から得られるエピトープからなる群から独立に選択される、請求項24記載の組成物。
  26. 微生物の一つより多くの株及び/または種に対する免疫応答を刺激するのに有用である、請求項24記載の組成物。
  27. 動物に式Iのペプチドを投与することを含む、動物において免疫応答を引き出す方法。
  28. 式Iのペプチドを認識する抗体。
  29. 式Iのペプチドが、細菌タンパク質から得られる溶媒にさらされるアミノ酸を含む、請求項28記載の抗体。
  30. 微生物の一つより多くの株及び/または種に結合する、請求項28記載の抗体。
  31. ポリクローナルまたはモノクローナルである、請求項28記載の抗体。
  32. 請求項28記載の抗体を含む製薬組成物。
  33. 製薬学的に許容可能な賦形剤またはキャリアーをさらに含む、請求項32記載の組成物。
  34. 免疫応答を刺激するために、動物に式Iのペプチドを投与することによって生産される抗体。
  35. 式Iのペプチドを含む、ワクチンとして有用な組成物。
  36. 一つより多くのエピトープアミノ酸のセットが、式Iのペプチドにおいて使用される、請求項35記載の組成物。
  37. エピトープアミノ酸のセットが、微生物の異なる株及び/または種から得られる、請求項36記載の組成物。
  38. 一つより多くの微生物の株及び/または種に対する交差保護を提供する、請求項35記載の組成物。
  39. 一つより多くの微生物の株及び/または種に対する交差保護を提供する、請求項36記載の組成物。
  40. 一つより多くの微生物の株及び/または種に対する交差保護を提供する、請求項37記載の組成物。
  41. 製薬学的に許容可能な賦形剤またはキャリアーをさらに含む、請求項35記載の組成物。
  42. 細菌感染の疑いのある哺乳動物に式Iのペプチドを投与することを含む、細菌感染を防止する方法。
  43. 一つより多くのエピトープアミノ酸のセットが式Iのペプチドにおいて使用され、前記エピトープアミノ酸のセットが微生物の異なる株及び/または種から得られる、請求項42記載の方法。
  44. いくつかの微生物の株及び/または種による感染を防止するのに有用である、請求項42記載の方法。
  45. いくつかの微生物の株及び/または種による感染を防止するのに有用である、請求項43記載の方法。
  46. 細菌感染の疑いのある、または細菌感染に罹患している動物において細菌感染を治療または防止する方法であって、動物に対して式Iのペプチドを投与することによって生産される細菌タンパク質に対する有効量の抗体を、前記動物に投与することを含む方法。
  47. 前記動物において感染の症状を防止する、請求項46記載の方法。
  48. いくつかの微生物の株及び/または種による感染を治療または防止するのに有用である、請求項46記載の方法。
  49. a)特定の微生物から得られるエピトープを含む式Iのペプチドに対する抗体と、サンプルを接触させる工程;及び
    b)前記抗体が前記サンプルの構成成分に結合するかを測定する工程;
    を含む、サンプル中の特定の微生物の存在を測定する方法。
  50. 前記サンプルが生物学的サンプルである、請求項49記載の方法。
  51. 細菌感染の原因となる剤を決定するために使用される、請求項49記載の方法。
  52. サンプル中のいくつかの微生物の株及び/または種の存在を同時に検出するために使用される、請求項51記載の方法。
  53. サンプル中のいくつかの微生物の株及び/または種の存在を同時に検出するために使用される、請求項50記載の方法。
  54. サンプル中のいくつかの微生物の株及び/または種の存在を同時に検出するために使用される、請求項51記載の方法。
  55. 生物学的サンプル中の細菌タンパク質に対する抗体の存在を測定する方法であって、
    a)前記細菌タンパク質から得られる少なくとも一つのエピトープを含む式Iのペプチドと、前記生物学的サンプルを接触させる工程;及び
    b)前記生物学的サンプル中の抗体が、前記ペプチドに結合するかを測定する工程;
    を含む方法。
  56. 特定の微生物に対して動物をさらす前に測定するために使用される、請求項55記載の方法。
  57. 付加的アミノ酸が、ラクタム架橋の形成を通じてペプチドを安定化する、請求項8記載のタンパク質。
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