JP2004086193A - 光源装置及び光照射装置 - Google Patents

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Akira Tokuhisa
徳久 章
Hiroshi Kitano
北野 博史
Hitoshi Kawai
河井 斉
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    • G02F1/353Frequency conversion, i.e. wherein a light beam is generated with frequency components different from those of the incident light beams
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Lasers (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

【課題】波長変換の効率を向上して、出力する光の波長の狭帯域化を図る。
【解決手段】非線形光学結晶183Dでは、数段階の波長変換(非線形光学結晶183A〜183Cにおける波長変換)を経て出力レベルが減衰した基本波でなく、他の光増幅器161から得られた基本波を用いて各段階の波長変換を実行することができる。そのため、波長の変換効率が向上し、光増幅器161、161のピークパワーを抑制することができ、光増幅器161、161から出力される光の波長をさらに狭帯域化することができる。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源装置及び光照射装置に係り、更に詳しくは、レーザ光源から発せられる単一の波長の光を別の波長の光に波長変換する波長変換器を備える光源装置、及び、該光源装置を備える光照射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、物体の微細構造の検査、物体の微細加工、また、視力矯正の治療等に光照射装置が使用されている。例えば、半導体素子等を製造するためのリソグラフィ工程では、マスク又はレチクル(以下、「レチクル」と総称する)に形成されたパターンを、投影光学系を介してレジスト等が塗布されたウエハ又はガラスプレート等の基板(以下、適宜「基板」又は「ウエハ」という)上に転写するために、光照射装置の一種である露光装置が用いられている。こうした露光装置としては、ステップ・アンド・リピート方式を採用する静止露光型の投影露光装置や、ステップ・アンド・スキャン方式を採用する走査露光型の投影露光装置が主として用いられている。また、視力矯正のために、角膜表面のアブレーション(PRK:Photorefractive Keratectomy)あるいは角膜内部のアブレーション(LASIK:Laser Intrastromal keratomileusis)を行って近視や乱視等の治療をするために、光照射装置の一種であるレーザ治療装置が用いられている。
【0003】
かかる光照射装置のために、短波長の光を発生する光源について多くの開発がなされてきた。こうした短波長光源の開発の方向は、主に次の2種に大別される。その一つはレーザの発振波長自身が短波長であるエキシマレーザ光源の開発であり、もう一つは赤外又は可視光レーザの高調波発生を利用した短波長光源の開発である。
【0004】
このうち、前者の方向に沿っては、KrFエキシマレーザ(波長248nm)を使用する光源装置が開発され、現在では、さらに短波長の光源としてArFエキシマレーザ(波長193nm)等を使用する光源装置の開発が進められている。しかし、これらのエキシマレーザは大型であること、扱いに慎重を要するフッ素ガスを使用するため、レーザのメンテナンスが煩雑でかつ費用が高額となるなど、光源装置として不利な点が存在する。
【0005】
そこで、後者の方向に沿った短波長化の方法として、非線形光学結晶の非線形光学効果を利用して、長波長の光(赤外光、可視光)を、より短波長の紫外光に変換する方法が注目を集めている。かかる方法を使用した光源装置としては、例えば、国際公開公報WO99/46835に開示されたもの(以下、単に「従来例」という)がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述の非線形光学結晶を使用する短波長化の方法では、非線形光学結晶における非線形光学効果の発生効率によって短波長光の発生効率が決定されるが、入射した波長変換の対象光の輝度(「ピークパワー」の意味を含む)が高い程、その非線形光学効果の発生効率が高くなる。このため、効率良く紫外光を得るためには、高輝度の赤外光又は可視光を非線形光学結晶に入射させる必要がある。そこで、上述の従来例では、半導体レーザ等によって発生した単一波長の赤外光又は可視光を、エルビウム(Er)等の希土類元素が添加された増幅用光ファイバを有する光ファイバ増幅器で増幅して、非線形光学結晶に入射させている。なお、こうした光ファイバ増幅器では、増幅用光ファイバに励起光を供給して、添加された希土類元素を励起させ、希土類元素の外殻電子のエネルギ準位について反転分布を形成することにより、増幅用光ファイバに光増幅機能を付与している。
【0007】
上述した従来例の技術のように、長波長の光(赤外光、可視光)をより短波長の紫外光に変換する場合には、非線形光学結晶による非線形光学効果を利用して、その入射光の第2高調波あるいは和周波を発生させることによって波長変換を行っている。このような場合には、以下に示すような不都合があった。
(1) 基本波のm倍波(mは自然数)を得るのに、m−1倍波がすでに得られている場合には、m−1倍波と基本波との和周波を発生させて所望の波長の光を得ている。通常、この和周波を発生させる場合に用いられる基本波には、高調波に変換されずに前段階の非線形光学結晶を通過してきた基本波が用いられる。しかし、前段階の非線形光学結晶を通過し、最終段階の非線形光学結晶まで到達してきた基本波は、その出力レベルがかなり減衰しており、このような場合には、充分な波長変換効率を得ることができない。
(2) 波長変換に用いられる基本波の波長によって、波長変換可能な波長が、基本波のm倍波の波長に限られてしまう。
【0008】
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、波長変換効率の向上が可能な光源装置を提供することにある。
【0009】
また、本発明の第2の目的は、効率良く波長変換された光を物体(照射対象物)に照射することができる光照射装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、所定波長の光を発生させる光源装置(16、16’)であって、前記所定波長とは異なる波長の光を出力する複数の光出力装置(161、191)と;前記複数の光出力装置のうちの異なる光出力装置各々から出力された光を基本波とする2つの光を入射光とする波長変換を含む複数段階の波長変換により前記所定波長の光を発生させる波長変換器(163)と;を備える光源装置である。
【0011】
これによれば、所定波長とは異なる波長の光を、所定波長の光に段階的に変換する波長変換器においては、異なる光出力装置各々から出力された光を基本波とする2つの光を入射光とする波長変換が少なくとも1段階実行される。すなわち、本発明の光源装置では、1つの光出力装置から出力された光を唯一の基本波とし、数段階の波長変換を経て出力レベルが減衰した光で、全段階の波長変換を実行するのではなく、他の光出力装置から出力された光を基本波とする光を用いて、少なくとも1段階の波長変換を実行することができるので、波長変換効率を向上することができる。
【0012】
さらに、本発明の光源装置によれば、2段目以降の基本波を用いた波長変換には、他の光出力装置から得られた基本波を用いることができるので、1段目の波長変換に用いる基本波の出力レベルを2段目以降の波長変換に用いるための高いレベルとする必要がなくなる。したがって、本発明の光源装置では、1段目の波長変換に用いる基本波を出力する光出力装置や、他の段階での波長変換に用いられる基本波を出力する光出力装置の出力のピークパワーを抑制することができる。ピークパワーが抑制されると、光出力装置から出力される光の波長をさらに狭帯域化することができるようになる。
【0013】
この場合、請求項2に記載の光源装置のごとく、前記複数の光出力装置は、同一波長の光を出力する複数の装置を含むこととすることができる。
【0014】
上記請求項1又は2に記載の光源装置において、請求項3に記載の光源装置のごとく、前記複数の光出力装置のうちの少なくとも1つの装置は、第1波長の光を出力する第1装置(191)であり、前記複数の光出力装置のうちの少なくとも1つの装置は、前記第1波長の光とは異なる第2波長の光を出力する第2装置(161)であることとすることができる。
【0015】
これによれば、波長が異なる2つの光を入射光として、単一の波長のm倍波以外の波長の光を作り出すことができるようになるので、出力する光の波長の選択範囲を広げることができる。
【0016】
この場合、請求項4に記載の光源装置のごとく、前記波長変換器における波長変換は、前記第1装置から出力された第1波長の光のm倍波(mは自然数)と前記第2装置から出力された第2波長の光のn倍波(nは自然数)とを入射し、前記m倍波及び前記n倍波の和周波を発生させる波長変換を含むこととすることができる。
【0017】
また、上記請求項1〜4のいずれか一項に記載の光源装置において、請求項5に記載の光源装置のごとく、前記複数の光出力装置のうちの少なくとも1つの装置は、光ファイバ増幅器であることとすることができる。
【0018】
勿論、光出力装置としては、光ファイバ増幅器に制限されるものではなく、誘導ラマン散乱増幅器、誘導ブリルアン散乱増幅器など様々な増幅器を適用することができる。また、レーザ光源(例えば、Nd:YAGレーザ光源など)等の光源も光出力装置として用いることができ、それらを組合せて用いることも可能である。
【0019】
また、上記請求項1〜5のいずれか一項に記載の光源装置において、請求項6に記載の光源装置のごとく、前記複数の光出力装置のうちの少なくとも1つの装置は、エルビウム・ドープ・ファイバ増幅器であることとすることができる。なお、エルビウム・ドープ・ファイバ増幅器によって増幅可能な光の波長の帯域幅は、1530nm以上1600nm以下である。
【0020】
上記請求項1〜6のいずれか一項に記載の光源装置において、請求項7に記載の光源装置のごとく、前記複数の光出力装置のうちの少なくとも1つの装置は、イッテルビウム・ドープ・ファイバ増幅器であることとすることができる。なお、イッテルビウム・ドープ・ファイバ増幅器によって増幅可能な光の波長の帯域幅は、1030nm以上1120nm以下である。
【0021】
この場合、請求項8に記載の光源装置のごとく、前記イッテルビウム・ドープ・ファイバ増幅器に入力される光の波長は1060nmより大きいこととすることができる。このようにすれば、イッテルビウム・ドープ・ファイバ増幅器は4準位系レーザと同様に動作するので、高出力を得ることができる。
【0022】
上記請求項3〜8のいずれか一項に記載の光源装置において、請求項9に記載の光源装置のごとく、前記第1装置は、イッテルビウム・ドープ・ファイバ増幅器であり、前記第2装置は、エルビウム・ドープ・ファイバ増幅器であることとすることができる。
【0023】
これによれば、波長変換器では、1030nm以上1120nm以下の波長を有する基本波のm倍波と、1530nm以上1600nm以下の波長を有する基本波のn倍波とを入射光とする波長変換を実施することができるので、出力する光の波長の選択範囲を広げることができる。
【0024】
上記請求項1〜9のいずれか一項に記載の光源装置において、請求項10に記載の光源装置のごとく、前記波長変換器は、KrFエキシマレーザの発振波長と略同一波長である248nm近傍の波長の光を発生させることとすることができる。
【0025】
これによれば、メンテナンス等が困難なKrFエキシマレーザ光源に代えて、本発明の光源装置を用いることにより、容易に248nm近傍の波長の光を得ることができる。
【0026】
上記請求項1〜9のいずれか一項に記載の光源装置において、請求項11に記載の光源装置のごとく、前記波長変換器は、ArFエキシマレーザの発振波長と略同一波長である193nm近傍の波長の光を発生させることとすることができる。
【0027】
これによれば、メンテナンス等が困難なArFエキシマレーザ光源に代えて、本発明の光源装置を用いることにより、容易に193nm近傍の波長の光を得ることができる。
【0028】
上記請求項1〜9のいずれか一項に記載の光源装置において、請求項12に記載の光源装置のごとく、前記波長変換器は、Fレーザの発振波長と略同一波長である157nm近傍の波長の光を発生させることとすることができる。
【0029】
上記請求項3〜5のいずれか一項に記載の光源装置において、請求項13に記載の光源装置のごとく、前記第1装置は、イッテルビウム・ドープ・ファイバ増幅器であり、前記第2装置は、ツリウム・ドープ・ファイバ増幅器及びホロミウム・ドープ・ファイバ増幅器の少なくとも一方であり、前記波長変換器は、ArFエキシマレーザの発振波長と略同一波長である193nm近傍の波長の光を発生させることとすることができる。
【0030】
請求項14に記載の発明は、所定波長の光を発生させる光源装置であって、1099nm近傍の波長の光を増幅して基本波として出力するイッテルビウム・ドープ・ファイバ増幅器と;前記基本波をその7倍波に変換し、Fレーザの発振波長と略同一波長である157nm近傍の波長の光を発生させる波長変換器と;を備える光源装置である。
【0031】
請求項15に記載の発明は、所定波長の光を発生させる光源装置であって、1095nm近傍の波長の光を増幅して基本波として出力するイッテルビウム・ドープ・ファイバ増幅器と;前記基本波をその3倍波に変換し、i線の波長と略同一波長である365nm近傍の波長の光を発生させる波長変換器と;を備える光源装置である。
【0032】
請求項16に記載の発明は、所定波長の光を発生させる光源装置であって、1547nm近傍の波長の光を基本波として出力する少なくとも1つの光出力装置と;前記基本波とその6倍波との和周波である221nm近傍の波長の光を発生させる非線形光学素子としてCsB結晶が用いられている波長変換器と;を備える光源装置である。
【0033】
上記請求項1〜16のいずれか一項に記載の光源装置において、請求項17に記載の光源装置のごとく、前記波長変換器は、複数の非線形光学素子を用いて波長変換を実行することとすることができる。この場合、請求項18に記載の光源装置のごとく、前記非線形光学素子には、NHPO結晶であることとすることができる。
【0034】
上記請求項17又は18に記載の光源装置において、請求項19に記載の光源装置のごとく、前記複数の非線形光学素子のうち、少なくとも1つの非線形光学素子は、擬似位相整合結晶であることとすることができる。この場合、請求項20に記載の光源装置のごとく、前記擬似位相整合結晶としてKTiOPO結晶とLiNbO結晶との少なくとも一方が用いられることとすることができる。
【0035】
また、上記請求項19又は20に記載の光源装置において、請求項21に記載の光源装置のごとく、前記擬似位相整合結晶として、BaMgF結晶が用いられていることとすることができる。この場合、請求項22に記載の光源装置のごとく、前記BaMgF結晶は、前記基本波と前記基本波のm倍波(mは自然数)との和周波を発生させることとすることができる。このようにすれば、擬似位相整合結晶の分極反転周期をできるだけ長くすることができるので、擬似位相整合結晶の製造が容易となる。
【0036】
上記請求項1〜22のいずれか一項に記載の光源装置において、請求項23に記載の光源装置のごとく、前記各光出力装置のうちの少なくとも一部の装置と、前記波長変換器との間には、その装置から前記波長変換器へ入力される光の進行を所定時間遅延させる遅延装置が挿入されていることとすることができる。
【0037】
上記請求項1〜9、17〜23のいずれか一項に記載の光源装置において、請求項24に記載の光源装置のごとく、前記所定波長が90nm以上800nm以下であることとすることができる。
【0038】
請求項25に記載の発明は、対象物に光を照射する光照射装置であって、請求項1〜24のいずれか一項に記載の光源装置と;前記光源装置から射出された光を前記対象物に向けて射出する照射光学系と;を備える光照射装置である。
【0039】
これによれば、請求項1〜24のいずれか一項に記載の光源装置から出力された光を、照射光学系を介して対象物に照射するので、効率良く波長変換された光を物体(照射対象物)に照射することができる。
【0040】
この場合、請求項26に記載の光照射装置のごとく、前記対象物は、感光物体であることとすることができる。すなわち、本発明の光照射装置は、露光装置であることとすることができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
《第1の実施形態》
以下、本発明の第1の実施形態を図1〜図9に基づいて説明する。
【0042】
図1には、本発明に係る光源装置を含んで構成された第1の実施形態に係る光照射装置である露光装置10の概略構成が示されている。この露光装置10は、ステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置である。
【0043】
この露光装置10は、光源装置16及び照明光学系12から成る照明系、この照明系からの露光用照明光(以下、「照明光」または「露光光」という)ILにより照明されるマスクとしてのレチクルRを保持するレチクルステージRST、レチクルRを介した露光光ILを感光物体としてのウエハW上に投射する投影光学系PL、ウエハWを保持するZチルトステージ58が搭載されたXYステージ14、及びこれらの制御系等を備えている。
【0044】
前記光源装置16は、例えば、波長193.4nm(ArFエキシマレーザ光とほぼ同一波長)の紫外パルス光を出力する装置である。この光源装置16は、前記照明光学系12、レチクルステージRST、投影光学系PL、Zチルトステージ58、XYステージ14及びこれら各部が搭載された不図示の本体コラム等から成る露光装置本体とともに、温度、圧力、湿度等が高精度に調整されたエンバイロンメンタル・チャンバ(以下、「チャンバ」という)11内に収納されている。なお、本実施形態では、光源装置16を全てチャンバ11内に配置するものとしたが、光源装置16の一部、例えば後述する波長変換器のみをチャンバ11内、特に照明光学系12と同一の架台に設け、その波長変換器と光源装置16の本体部とを光ファイバ等で接続する構成であってもよい。
【0045】
図2には、光源装置16の内部構成が、露光装置10全体を統括制御する主制御装置50とともにブロック図にて示されている。図2に示されるように、光源装置16は、光源部16A、レーザ制御装置16B、及び光量制御装置16C等を備えている。
【0046】
前記光源部16Aは、パルス光発生部160、光増幅器161、161、波長変換器163、ビームモニタ機構164及び光分割器165等を備えている。
【0047】
前記パルス光発生部160は、レーザ光源160A、光カップラBS1、光アイソレータ160B及び光変調器としての電気光学変調器(以下、「EOM」という)160C等を有する。なお、レーザ光源160Aから波長変換器163までの間の各要素間は、光ファイバ等によって光学的に接続されている。
【0048】
前記レーザ光源160Aとしては、ここでは、単一波長発振レーザ、例えば、発振波長1.5μm近傍、連続波出力(以下「CW出力」という)20mWのInGaAsP系のDFB(分布帰還型)半導体レーザが用いられている。以下においては、レーザ光源160Aを適宜「DFB半導体レーザ160A」とも呼ぶものとする。ここで、DFB半導体レーザ160Aは、縦モード選択性の低いファブリーペロー型共振器の代わりに、回折格子を半導体レーザ内に作り上げたものであり、どのような状況下であっても単一縦モード発振をするように構成されている。このようなレーザでは、基本的に単一縦モード発振をするため、その発振スペクトル線幅は0.01pm以下に抑えられる。
【0049】
なお、DFB半導体レーザ160Aは、通常、ヒートシンクの上に設けられ、これらが筺体内に収納されている。本実施形態では、DFB半導体レーザ160Aに付設されるヒートシンク上に温度調整器(ペルチェ素子など)が設けられており、レーザ制御装置16Bがその温度を制御することにより発振波長が制御(調整)可能な構成となっている。
【0050】
前記光カップラBS1としては、透過率が97%程度のものが用いられている。このため、DFB半導体レーザ160Aからのレーザ光は、光カップラBS1によって2つに分岐され、その97%程度が次段の光アイソレータ160Bに向かって進み、残り3%程度がビームモニタ機構164に入射するようになっている。
【0051】
前記ビームモニタ機構164は、フォトダイオード等の光電変換素子から成るエネルギモニタ(図示省略)を含んでいる。このエネルギモニタの出力は、レーザ制御装置16Bを介して主制御装置50に供給されており、主制御装置50ではエネルギモニタの出力に基づいてレーザ光のエネルギパワーを検出し、レーザ制御装置16Bを介してDFB半導体レーザ160Aで発振されるレーザ光の光量を必要に応じて制御する。
【0052】
前記光アイソレータ160Bは、光カップラBS1からEOM160Cに向かう方向の光のみを通過させ、反対向きの光の通過を阻止する。この光アイソレータ160Bにより、反射光(戻り光)に起因するDFB半導体レーザ160Aの発振モードの変化や雑音等が防止される。
【0053】
前記EOM160Cは、光アイソレータ160Bを通過したレーザ光(CW光(連続光))をパルス光に変換するためのものである。EOM160Cとしては、チャープによる波長広がりが小さくなるように、チャープ補正を行った電極構造を持つ電気光学変調器(例えば二電極型変調器)が用いられている。EOM160Cは、光量制御装置16Cから印加される電圧パルスに同期して変調されたパルス光を出力する。なお、EOM160Cから出力される光パルス列は、後述する光増幅器161、161における増幅用光ファイバ175における添加元素全体の励起に要する時間よりは短く、増幅用光ファイバ175における増幅作用からみれば、連続的な光とみなせるものとなっている。例えば、EOM160CによりDFB半導体レーザ160Aで発振されたレーザ光を、パルス幅1ns、繰り返し周波数100kHz(パルス周期約10μs)のパルス光に変調する。なお、繰り返し周波数は、光ファイバ増幅器におけるASE(Amplified Spontaneous Emission:自然放出光)ノイズの影響を抑制できる値が選択される。
【0054】
なお、EOM160Cへの印加電圧とDFB半導体レーザ160Aへの供給電流制御とを併用して、出力光のパルス化を行うことが望ましい。かかる場合には、消光比を向上することができる。このようにすれば、EOM160Cのみを用いる場合に比べて、消光比を向上しつつ、パルス幅が狭いパルス光を容易に発生させることが可能になるとともに、パルス光の発振間隔や発振の開始及びその停止などをより簡単に制御することが可能になる。また、EOM160Cに代えて、音響光学変調器(AOM)を用いることも可能である。
【0055】
前記光分割器165は、パルス光発生部160から出力されたパルス光を2つに分割して、光増幅器161、161に出力する。
【0056】
前記光増幅器161、161は、光分割器165からのパルス光を増幅するものである。図3には、一方の光増幅器161の構成が示されている。この図3に示されるように、光増幅器161は、光分割器165からのパルス光を時間順に周期的に振り分けて分岐(例えば、128分岐)する光分岐器166と、複数の光増幅器としてのファイバ増幅器167とを備えている。
【0057】
光ファイバ増幅器167は、図3に示されるように、増幅用媒体としての増幅用光ファイバ175、励起光(ポンプ光)を発生する励起用半導体レーザ178、178、上述の光分割器165の出力光と励起光とを合成し、こうして得られた合成光を増幅用光ファイバ175に供給する波長分割多重化装置(Wavelength Division Multiplexer:WDM)179、179を備えている。ここで、励起用半導体レーザ178及びWDM179は前方励起に使用され、一方、励起用半導体レーザ178及びWDM179は後方励起に使用されている。これにより、入力光輝度に対する光増幅率の線形性の維持と、光増幅率との向上とを図っている。
【0058】
前記増幅用光ファイバ175としては、シリカガラス又はフォスフェイトガラスを主材とし、コアとクラッドを有し、コアにエルビウム(Er)が高密度にドープされた光ファイバが用いられる。すなわち、この光ファイバ増幅器167は、エルビウム・ドープ・ファイバ光増幅器である。
【0059】
以上のように構成された光ファイバ増幅器167において、増幅用光ファイバ175に、励起用半導体レーザ178、178が発生した励起光がWDM179、179を介して供給された状態で、WDM179を介してパルス光が入射し増幅用光ファイバ175のコア中を進行すると、誘導放射が発生し、パルス光が増幅される。かかる光増幅にあたって、増幅用光ファイバ175は高い増幅率を有するので、波長の単一性が高い高輝度のパルス光が出力される。このため、効率良く狭帯域の光を得ることができる。
【0060】
前記励起用半導体レーザ178、178は、DFB半導体レーザ160Aにおける発振波長よりも短い波長の光を励起光として発生する。この励起光がWDM179、179を介して増幅用光ファイバ175に供給され、それによりErの殻外電子が励起され、いわゆるエネルギ準位の反転分布が発生する。なお、励起用半導体レーザ178、178は、光量制御装置16Cによって制御されるようになっている。
【0061】
各光ファイバ増幅器167で出力の一部が分岐され、それぞれの分岐端に設けられた光電変換素子171によってそれぞれ光電変換されるようになっている。これらの光電変換素子171の出力信号が光量制御装置16Cに供給されるようになっている。
【0062】
光量制御装置16Cでは、各光ファイバ増幅器167からの光出力が一定になるように(即ちバランスするように)、各励起用半導体レーザ178、178のドライブ電流をフィードバック制御するようになっている。他方の光増幅器161も、上述した光増幅器161と同様に構成されている。
【0063】
図2に戻り、前記波長変換器163は、複数の非線形光学結晶を含み、前記増幅されたパルス光(波長1546.9nmの光)をその8倍高調波に波長変換して、ArFエキシマレーザとほぼ同じ出力波長(193.4nm)のパルス紫外光を発生する。
【0064】
図4には、この波長変換器163の構成例が示されている。ここで、この図4に基づいて波長変換器163の具体例について説明する。図4の波長変換器163では、基本波(波長1546.9nm)→2倍波(波長773.5nm)→3倍波(波長515.6nm)→6倍波(波長257.8nm)→7倍波(波長221.0nm)→8倍波(波長193.4nm)の順に波長変換が行われる。
【0065】
これを更に詳述すると、光増幅器161から出力された波長1546.9nm(周波数ω)の基本波は、集光レンズ182Aを介して1段目の非線形光学結晶183Aに入射する。この基本波がこの非線形光学結晶183Aを通過する際に、2次高調波発生により、その基本波の周波数ωの2倍、すなわち周波数2ω(波長は1/2の773.5nm)の2倍波が発生する。
【0066】
この1段目の非線形光学結晶183Aとして、LiB(LBO)結晶が用いられ、その基本波を2倍波に波長変換するための位相整合にLBO結晶の温度調節による方法、ノンクリティカル位相整合、すなわちNCPM(Non−CriticalPhase Matching)が使用される。NCPMは、非線形光学結晶内での基本波と第2高調波との角度ずれ(Walk−off)が起こらないため高効率で2倍波への変換が可能であり、発生した2倍波はWalk−offによるビームの変形も受けないため有利である。
【0067】
非線形光学結晶183Aで波長変換されずに透過した基本波と、非線形光学結晶183Aの波長変換で発生した2倍波とは、次段の波長板184でそれぞれ半波長、1波長の遅延が与えられる。そして、基本波のみ、その偏光方向が90度回転するようになる。これにより、その基本波及び2倍波の偏光方向が一致するようになる。波長板184を通過した基本波と2倍波は、集光レンズ182Bを介した後に、2段目の非線形光学結晶183Bに入射する。2段目の非線形光学結晶183Bとして、例えばLBO結晶が用いられるとともに、そのLBO結晶は1段目の非線形光学結晶(LBO結晶)183Aとは異なる温度でNCPMによる位相整合が図られる。この非線形光学結晶183Bでは、1段目の非線形光学結晶183Aで発生した2倍波と、波長変換されずにその非線形光学結晶183Aを透過した基本波との和周波発生により、基本波の3倍波(波長515.6nm)が得られる。
【0068】
次に、非線形光学結晶183Bで得られた3倍波は、集光レンズ182Cを介して、3段目の非線形光学結晶183Cに入射する。そして、この3倍波がこの3段目の非線形光学結晶183Cを通る際に、その3倍波の2次高調波発生により基本波の周波数ωの6倍、すなわち周波数6ω(波長は1/6の257.8nm)の6倍波が発生する。この3段目の非線形光学結晶183Cとしては、例えばβ−BaB(BBO)結晶又はCsLiB10(CLBO)結晶が用いられる。
【0069】
非線形光学結晶183Cで得られた6倍波は、集光レンズ182Dを通過後、ダイクロイック・ミラー185Aにより反射され、光増幅器161から出力され、集光レンズ182Eを通過した波長1546.9nm(周波数ω)の基本波と同軸に合成され、4段目の非線形光学結晶183Dに入射する。
【0070】
4段目の非線形光学結晶183Dとしては、CsLiB10(CLBO)結晶が用いられる。この非線形光学結晶183Dでは、基本波と6倍波との和周波発生により7倍波(波長221.0nm)が得られる。上記構成において、7倍波発生用CLBO結晶183Dのかわりに、CsB(CBO)結晶を用いることも可能である。
【0071】
非線形光学結晶183Dで得られた7倍波とそれを透過した基本波とは、ダイクロイック・ミラー185Bにより分離される。ここを透過した基本波は、ミラー185Cで反射され、集光レンズ182Fを通過してダイクロイック・ミラー185Eに至る。そして、ダイクロイック・ミラー185Bで反射された7倍波は、ミラー185Dで反射され、集光レンズ182Gを通過してダイクロイック・ミラー185Eに至る。そして、その基本波と7倍波は、ダイクロイック・ミラー185Eで同軸に合成され、5段目の非線形光学結晶183Eに入射する。なお、7倍波のビーム整形用として、集光レンズ182Gの代わりにシリンドリカルレンズ対を用いることも可能である。
【0072】
5段目の非線形光学結晶183Eとしては、CsLiB10(CLBO)結晶が用いられ、基本波と7倍波との和周波発生により、8倍波(波長193.4nm)が得られる。上記構成において、8倍波発生用CLBO結晶183Eのかわりに、LiB(LB4)結晶を用いることも可能である。
【0073】
以上のように構成された波長変換器163において、光増幅器161、161によって増幅された基本波(波長1546.9nm)を5段階で波長変換することにより、目的の波長193.4nmの光が得られる。
【0074】
図1に戻り、前記照明光学系12は、オプティカルインテグレータを含む照度均一化光学系、リレーレンズ、可変NDフィルタ、レチクルブラインド、及びダイクロイック・ミラー等(いずれも不図示)を備えている。ここで、オプティカルインテグレータとしては、フライアイレンズ、内面反射型インテグレータ(ロッドインテグレータ等)あるいは回折光学素子等が用いられる。こうした照明光学系12の構成は、例えば、特開平6−349701号公報などに開示されている。この照明光学系12から射出された露光光ILは、ミラーMによって光路が垂直下方に折り曲げられた後、コンデンサレンズ32を経て、レチクルステージRST上に保持されたレチクルR上の矩形の照明領域42Rを均一な照度分布で照明する。
【0075】
前記レチクルステージRST上にレチクルRが載置され、不図示のバキュームチャック等を介して吸着保持されている。レチクルステージRSTは、水平面(XY平面)内で微小駆動可能であるとともに、レチクルステージ駆動部49によって走査方向(ここでは図1の紙面左右方向であるY軸方向とする)に所定ストローク範囲で走査されるようになっている。この走査中のレチクルステージRSTの位置及び回転量は、レチクルステージRST上に固定された移動鏡52Rを介して外部のレーザ干渉計54Rによって計測され、このレーザ干渉計54Rの計測値が主制御装置50に供給されるようになっている。
【0076】
なお、レチクルRに用いる材質は、露光光ILの波長により定められる。すなわち、本実施形態のように、光源装置16から出力される露光光が、波長193nmの光である場合には合成石英を用いることができるが、後述するように、光源装置16から出力される露光光が、波長157nmの光であった場合には、ホタル石、フッ素がドープされた合成石英、あるいは水晶などで形成する必要がある。
【0077】
前記投影光学系PLは、例えば両側テレセントリックな縮小系であり、共通のZ軸方向の光軸AXを有する複数枚のレンズエレメントから構成されている。また、この投影光学系PLとしては、投影倍率βが例えば1/4、1/5、1/6などのものが使用されている。このため、前述の如くして、露光光ILによりレチクルR上の照明領域42Rが照明されると、そのレチクルRに形成されたパターンが投影光学系PLによって投影倍率βで縮小投影され、その像が表面にレジスト(感光剤)が塗布されたウエハW上のスリット状の露光領域42Wに転写される。
【0078】
前記XYステージ14は、ウエハステージ駆動部56によって走査方向であるY軸方向及びこれに直交するX軸方向(図1における紙面直交方向)に2次元駆動されるようになっている。このXYステージ14上に搭載されたZチルトステージ58上では、ウエハWが、ウエハホルダ(不図示)を介して真空吸着等により保持されている。Zチルトステージ58は、例えば3つのアクチュエータ(ピエゾ素子又はボイスコイルモータなど)によってウエハWのZ軸方向の位置(フォーカス位置)を調整するとともに、XY平面(投影光学系PLの像面)に対するウエハWの傾斜角を調整する機能を有する。また、XYステージ14の位置は、Zチルトステージ58上に固定された移動鏡52Wを介して外部のレーザ干渉計54Wにより計測され、このレーザ干渉計54Wの計測値が主制御装置50に供給されるようになっている。
【0079】
ここで、移動鏡は、実際には、X軸に垂直な反射面を有するX移動鏡とY軸に垂直な反射面を有するY移動鏡とが存在し、これに対応してレーザ干渉計もX軸位置計測用、Y軸位置計測用、及び回転(ヨーイング量、ピッチング量、ローリング量を含む)計測用のものがそれぞれ設けられているが、図1では、これらが代表的に、移動鏡52W、レーザ干渉計54Wとして示されている。
【0080】
Zチルトステージ58上には、後述するレチクルアライメント等を行う際に使用される基準マーク板FMが設けられている。この基準マーク板FMは、その表面がウエハWの表面とほぼ同一の高さとなるように配設されている。この基準マーク板FMの表面上には、レチクルアライメント用基準マーク、ベースライン計測用基準マーク等の基準マークが形成されている。
【0081】
また、図1では図面の錯綜を避ける観点から図示が省略されているが、この露光装置10は、実際にはレチクルアライメントを行うための例えば、画像処理方式のレチクルアライメント系を備えている。
【0082】
レチクルRのアライメントを行う場合には、まず主制御装置50によりレチクルステージ駆動部49、ウエハステージ駆動部56を介してレチクルステージRST及びXYステージ14が駆動され、前述の露光領域42Wの周辺部に基準マーク板FM上のレチクルアライメント用基準マークが設定され、その基準マークにレチクルR上のレチクルマーク像がほぼ重なるようにレチクルRとZチルトステージ58との相対位置が設定される。この状態で、主制御装置50によりレチクルアライメント系を用いて両マークが撮像され、主制御装置50では、その撮像信号を処理して対応する基準マークに対するレチクルマークの投影像のX軸方向、Y軸方向の位置ずれ量を算出する。かかるマークの撮像にあたっては、投影光学系PLを介した像を撮像することになるので、露光光ILの波長とほぼ同一の波長の光が使用される。
【0083】
また、上記のレチクルのアライメントの結果得られた基準マークの投影像の検出信号(画像信号)に含まれるコントラスト情報に基づいてフォーカスオフセットやレベリングオフセット(投影光学系PLの焦点位置、像面傾斜など)を求めることも可能である。
【0084】
また、本実施形態では、上記のレチクルアライメント時に、主制御装置50によって、投影光学系PLの側面に設けられた不図示のウエハ側のオフアクシス・アライメントセンサのベースライン量(レチクル投影位置とアライメントセンサとの相対位置関係)に関する基準マーク板上の所定マークを使用した計測も行われる。
【0085】
更に、本実施形態の露光装置10では、図1に示されるように、主制御装置50によってオン・オフが制御される光源を有し、投影光学系PLの結像面に向けて多数のピンホールまたはスリットの像を形成するための結像光束を、光軸AXに対して斜め方向より照射する照射光学系60aと、それらの結像光束のウエハW表面での反射光束を受光する受光光学系60bとからなる斜入射方式の多点焦点位置検出系(フォーカスセンサ)が設けられている。なお、本実施形態と同様の多点焦点位置検出系(フォーカスセンサ)の詳細な構成は、例えば特開平6−283403号公報等に開示されている。
【0086】
走査露光時等に、主制御装置50では、受光光学系60bからの各計測点について検出されたZ位置に基づいて、露光領域内に存在するショット領域の一部の表面のZ位置及び傾斜量を逐次算出しつつ、この算出結果に基づいてZチルトステージ58のZ位置や傾斜角を不図示の駆動系を介して制御することにより、オートフォーカス(自動焦点合わせ)及びオートレベリングが実行される。
【0087】
前記主制御装置50は、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リード・オンリ・メモリ)、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)等から成るいわゆるマイクロコンピュータ(又はワークステーション)を備えており、これまでに説明した各種の制御を行う他、露光動作が的確に行われるように、例えばレチクルRとウエハWの同期走査、ウエハWのステッピング、露光タイミング等を制御する。また、本実施形態では、主制御装置50は、後述するように走査露光の際の露光量の制御を行ったりする等の他、装置全体を統括制御する。
【0088】
具体的には、主制御装置50は、例えば走査露光時には、レチクルRがレチクルステージRSTを介して+Y方向(又は−Y方向)に速度V=Vで走査されるのに同期して、XYステージ14を介してウエハWが露光領域42Wに対して−Y方向(又は+Y方向)に速度V=β・V(βはレチクルRからウエハWに対する投影倍率)で走査されるように、レーザ干渉計54R、54Wの計測値に基づいてレチクルステージ駆動部49、ウエハステージ駆動部56をそれぞれ介してレチクルステージRST、XYステージ14の位置及び速度をそれぞれ制御する。また、ステッピングの際には、主制御装置50はレーザ干渉計54Wの計測値に基づいてウエハステージ駆動部56を介してXYステージ14の位置を制御する。
【0089】
次に、本実施形態の露光装置10において所定枚数(N枚)のウエハW上にレチクルパターンの露光を行う場合の露光シーケンスについて主制御装置50の制御動作を中心として説明する。
【0090】
まず、主制御装置50は、不図示のレチクルローダを用いて露光対象のレチクルRをレチクルステージRST上にロードする。
【0091】
次いで、レチクルアライメント系を用いてレチクルアライメントを行うとともに、ベースライン計測を行う。
【0092】
次に、主制御装置50は、不図示のウエハ搬送系にウエハWの交換を指示する。これにより、ウエハ搬送系及びXYステージ14上の不図示のウエハ受け渡し機構によってウエハ交換(ステージ上にウエハが無い場合は、単なるウエハロード)が行われ、次いでいわゆるサーチアライメント及びファインアライメント(EGA等)の一連のアライメント工程の処理を行う。これらのウエハ交換、ウエハアライメントは、公知の露光装置と同様に行われるので、ここではこれ以上の詳細な説明は省略する。
【0093】
次に、上記のアライメント結果及びショットマップデータに基づいて、ウエハW上の各ショット領域の露光のための走査開始位置(加速開始位置)にウエハWを移動させる動作と、前述した走査露光動作とを繰り返し行って、ステップ・アンド・スキャン方式でウエハW上の複数のショット領域にレチクルパターンを転写する。かかる走査露光中に、主制御装置50は、露光条件及びレジスト感度に応じて決定された目標積算露光量をウエハWに与えるため、光量制御装置16Cに指令を与え、露光光量の制御を行う。
【0094】
1枚目のウエハWに対する露光が終了すると、主制御装置50では、不図示のウエハ搬送系にウエハWの交換を指示する。これにより、ウエハ搬送系及びXYステージ14上の不図示のウエハ受け渡し機構によってウエハ交換が行われ、以後上記と同様にしてその交換後のウエハに対してサーチアライメント、ファインアライメントが行われる。
【0095】
そして、上記と同様に、このウエハW上の複数のショット領域にステップ・アンド・スキャン方式でレチクルパターンが転写される。
【0096】
なお、露光条件とレチクルパターンとの少なくとも一方の変更によって照度が変化するときは、ウエハW(レジスト)に適正な露光量が与えられるように、前述した周波数とピークパワーとの少なくとも一方を制御することが望ましい。このとき、周波数及びピークパワーの少なくとも一方に加えてレチクルR及びウエハWの走査速度を調整するようにしてもよい。
【0097】
以上詳細に述べたように、本実施形態では、1546.9nmの波長の光を段階的に所定波長(193.4nm)の光に変換する波長変換器163において、4段目以降の非線形光学結晶183D、183Eにおける波長変換においては、光増幅器161から出力された光が基本波として用いられる。このため、数段階の波長変換に用いられる非線形光学結晶183A〜183Cを経て出力レベルが減衰した基本波ではなく、光増幅器161から得られる基本波を用いて、4段目以降の波長変換(その基本波と光増幅器161から得られた基本波の6倍波との和周波等)を実行することができる。したがって、本実施形態の光源装置では、従来の光源装置に比べて高い波長変換効率を得ることができる。
【0098】
逆に言えば、4段目以降の基本波を用いた波長変換には、他の光増幅器161から得られた基本波が用いられるので、光増幅器161の基本波の出力レベルを、4段目以降の波長変換に用いるためのレベルまで上げる必要がなくなる。したがって、本実施形態の光源装置では、1段目の波長変換に用いる光増幅器161の出力のピークパワーを抑制することができる。ピークパワーが抑制されると、光増幅器161から出力される光の波長をさらに狭帯域化することができるようになるというメリットがあり、この光源装置16は、露光装置10を始めとする狭帯域の波長の光を要する装置に特に有用となる。
【0099】
また、本第1の実施形態の露光装置10によれば、走査露光にあたって高輝度の照明光ILをレチクルRに照射できるので、レチクルRに形成されたパターンを精度良く効率的にウエハWに転写することができる。
【0100】
なお、上記実施形態では、光源装置16には、2つの光増幅器161、161のそれぞれの光の供給源として、パルス光発生部160が1つだけ備えられているとしたが、2つの光増幅器161、161のそれぞれの光の供給源として、レーザ光源160Aを備えるパルス光発生部160を2つ備えていてもよい。その際に、光源装置16は、光分割器165を備える必要がないことはいうまでもない。
【0101】
また、上記実施形態では、波長変換器163に基本波を出力する光増幅器を光増幅器161、161の2つとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、光増幅器が3つ以上備えられていてもよい。図5には、光増幅器が3つ備えられている場合の波長変換器163の構成が示されている。なお、ここでは、光源装置16が、3番目の光増幅器として光増幅器161をさらに備えているものとする。光増幅器161は、光増幅器161、161と同様に、光分割器165において、分岐された光を入力するようにしてもよいし、パルス光発生部160とは異なる別のパルス光発生部から出力された光を入力するようにしてもよい。
【0102】
図5に示されるように、この波長変換器163は、複数の非線形光学結晶を含み、前記増幅されたパルス光(波長1546.9nmの光)を、その8倍高調波に波長変換して、ArFエキシマレーザの発振波長と略同一波長(193.4nm)であるパルス紫外光を発生する点においては、図4の波長変換器163と同じである。
【0103】
図5の波長変換器163では、図4に示される波長変換器163と同様に、基本波(波長1546.9nm)→2倍波(波長773.5nm)→3倍波(波長515.6nm)→6倍波(波長257.8nm)→7倍波(波長221.0nm)→8倍波(波長193.4nm)の順に波長変換が行われる。そして、図5の波長変換器163では、7倍波が得られる非線形光学結晶183Dまでの各要素の構成および動作は、図4の波長変換器163と同一であるため、それらの説明を省略する。
【0104】
図5に示されるように、非線形光学結晶183Dで得られた7倍波は、集光レンズ182Fを介して、ダイクロイック・ミラー185Bで光増幅器161から出力され集光レンズ182Gを通過した光と同軸に合成され、非線形光学結晶183Eに入射する。
【0105】
5段目の非線形光学結晶183Eとしては、CsLiB10(CLBO)結晶が用いられ、基本波と7倍波との和周波発生により、8倍波(波長193.4nm)が得られる。
【0106】
以上述べたように、図5の波長変換器163は、5段目の非線形光学結晶183Eに入射される基本波として、光増幅器161から入力され、4段目の非線形光学結晶183Dを通過した基本波ではなく、光増幅器161から入力された基本波が用いられる。したがって、非線形光学結晶183Dを経て出力レベルが減衰した基本波ではなく、光増幅器161から得られる基本波を用いて5段目の波長変換を実行することができる。そのため、図5の波長変換器163を用いれば、図4の波長変換器163を用いるよりもさらに高い波長変換効率を得ることができる。また、図5の波長変換器163は、図4の波長変換器163に比べ、ダイクロイック・ミラーの数を減らすことができ(図4ではダイクロイック・ミラー185A、185B、185Eの3個→2個)、7倍波に対して基本波を迂回させる経路を設ける必要がなくなるので、簡単な構成とすることができる。なお、前述のように、非線形光学結晶183C、183Dの後に、Walk−off補正用のシリンドリカルレンズ対を用い、ビーム整形を行うことにより、波長変換の効率をさらに高めることが可能となる。その他の光の経路においても、波長板やシリンドリカルレンズ対を適宜用いることができる。
【0107】
また、この他にも、波長変換器163の構成には、様々な変形例が考えられる。図6には、波長変換器163の構成の変形例が示されている。図6(a)、図6(b)に示される波長変換器163では、基本波(波長1546.9nm)→2倍波(波長773.5nm)→3倍波(波長515.6nm)→4倍波(波長386.7nm)→7倍波(波長221.0nm)→8倍波(波長193.4nm)の順に波長変換が行われる。なお、図6(a)の波長変換器163では、3倍波が得られる非線形光学結晶183Bまでの構成は、図4の波長変換器163と同一であるため、それらの説明を省略する。
【0108】
図6(a)に示されるように、非線形光学結晶183Bで波長変換されずに透過した基本波と、非線形光学結晶183Bの波長変換で発生した3倍波とは、集光レンズ182Cを通過して、3段目の非線形光学結晶183Cに入射する。そして、その基本波と3倍波との和周波発生により、基本波の周波数ωの4倍、すなわち周波数4ω(波長は1/4の386.7nm)の4倍波が発生する。この3段目の非線形光学結晶183Cとしては、例えばGd1−xCaO(BO(GdYCOB)結晶が用いられる。GdYCOBにおいても、NCPM(Non−Critical Phase Matching)が使用される。
【0109】
次に、非線形光学結晶183Cで波長変換されずに透過した3倍波と、非線形光学結晶183Cの波長変換で発生した4倍波とは、集光レンズ182Dを介して、4段目の非線形光学結晶183Dに入射する。そして、この3倍波と4倍波とがこの4段目の非線形光学結晶183Dを通過する際に、その3倍波と4倍波との和周波発生により、基本波の周波数ωの7倍、すなわち周波数7ω(波長は1/7の221.0nm)の7倍波が発生する。この4段目の非線形光学結晶183Dとしては、例えばβ−BaB(BBO)結晶が用いられる。
【0110】
非線形光学結晶183Dで得られた7倍波は、集光レンズ182Eを通過後、ダイクロイック・ミラー185Aにより反射され、光増幅器161から出力された波長1546.9nm(周波数ω)の基本波と同軸に合成され、5段目の非線形光学結晶183Eに入射する。
【0111】
5段目の非線形光学結晶183Eとしては、CsLiB10(CLBO)結晶が用いられ、その基本波と7倍波との和周波発生により、8倍波(波長193.4nm)が得られる。上記構成において、8倍波発生用CLBO結晶183Eのかわりに、CsB(CBO)結晶を用いることも可能である。
【0112】
以上のように構成された図6(a)に示される波長変換器163において、光増幅器161、161によって増幅された基本波(波長1546.9nm)を波長変換することにより、目的の波長193.4nmの光が得られる。
【0113】
また、図6(b)に示される波長変換器163では、6倍波を得るまでの構成及び動作は、図4の波長変換器163と同一であるので、それらの説明を省略する。図6(b)に示されるように、光増幅器161から出力された波長1546.9nm(周波数ω)の基本波は、集光レンズ182Eを介して4段目の非線形光学結晶183Dに入射する。この基本波がこの非線形光学結晶183Dを通過する際に、2次高調波発生により、その基本波の周波数ωの2倍、すなわち周波数2ω(波長は1/2の773.5nm)の2倍波が発生する。
【0114】
この4段目の非線形光学結晶183Dとして、LiB(LBO)結晶が用いられ、その基本波を2倍波に波長変換するための位相整合にLBO結晶の温度調節による方法、NCPM(Non−Critical Phase Matching)が使用される。
【0115】
非線形光学結晶183Cで得られた6倍波は、集光レンズ182Dを通過後、ダイクロイック・ミラー185Aにより反射され、非線形光学結晶183Dで発生した2倍波と同軸に合成され、5段目の非線形光学結晶183Eに入射する。
【0116】
5段目の非線形光学結晶183Eとして、β−BaB(BBO)結晶が用いられ、その2倍波と6倍波との和周波発生により、8倍波(波長193.4nm)が得られる。
【0117】
以上のように構成された図6(b)に示される波長変換器163において、光増幅器161、161によって増幅された基本波(波長1546.9nm)を波長変換することにより、目的の波長193.4nmの光が得られる。
【0118】
図7には、波長変換器163の構成の他の変形例が示されている。図7(a)に示される波長変換器163では、基本波(波長1546.9nm)→2倍波(波長773.5nm)→3倍波(波長515.6nm)→7倍波(波長221.0nm)→8倍波(波長193.4nm)の順に波長変換が行われる。図7(a)の波長変換器163では、光増幅器161から出力された波長1546.9nm(周波数ω)の基本波を入力するところから3倍波が得られる非線形光学結晶183Bまでの構成は、図4の波長変換器163と同一であるため、それらの説明を省略する。
【0119】
一方、上記波長変換とは別に、図7(a)、図7(b)の波長変換器では、上述の3倍波(波長515.6nm)から7倍波への変換の際に用いる4倍波(波長386.7nm)を得るために、基本波(波長1546.9nm)→2倍波(波長773.5nm)→4倍波(波長386.7nm)の波長変換も実行される。
【0120】
図7(a)に示されるように、光増幅器161から出力された波長1546.9nm(周波数ω)の基本波は、集光レンズ182Dを介して1段目の非線形光学結晶183Cに入射する。この基本波がこの非線形光学結晶183Cを通過する際に、2次高調波発生により、その基本波の周波数ωの2倍、すなわち周波数2ω(波長は1/2の773.5nm)の2倍波が発生する。なお、この1段目の非線形光学結晶183Cとして、LBO結晶が用いられ、その基本波を2倍波に波長変換するための位相整合にLBO結晶の温度調節による方法、ノンクリティカル位相整合、すなわちNCPMが使用される。
【0121】
そして、この2倍波が2段目の非線形光学結晶183Dを通過する際に、2次高調波発生により、基本波の周波数ωの4倍、すなわち周波数4ω(波長は1/4の386.7nm)の4倍波が発生する。なお、この非線形光学結晶183Dとしては、LBO結晶が用いられる。
【0122】
非線形光学結晶183Dで得られた4倍波は、集光レンズ182Fを通過後、ミラー185B及びダイクロイック・ミラー185Aにより反射され、非線形光学結晶183Bで得られ集光レンズ182Cを通過した3倍波と同軸に合成され、3段目の非線形結晶183Eに入射する。3段目の非線形光学結晶183Eとしては、BBO結晶が用いられる。この非線形光学結晶183Eでは、3倍波と4倍波との和周波発生により7倍波(波長221.0nm)が得られる。
【0123】
非線形光学結晶183Eで得られた7倍波は、集光レンズ182Hを通過後、ダイクロイック・ミラー185Cにより反射され、光増幅器161から出力され、集光レンズ182Iを通過した波長1546.9nm(周波数ω)の基本波と同軸に合成され、4段目の非線形光学結晶183Fに入射する。
【0124】
4段目の非線形光学結晶183Fとしては、CLBO結晶が用いられ、その基本波と7倍波との和周波発生により、8倍波(波長193.4nm)が得られる。
【0125】
以上のように構成された図7(a)に示される波長変換器163において、光増幅器161、161、161によって増幅された基本波(波長1546.9nm)を波長変換することにより、目的の波長193.4nmの光が得られる。
【0126】
図7(b)に示される波長変換器163では、光増幅器161から出力された波長1546.9nm(周波数ω)の基本波を入力するところから3倍波が得られる非線形光学結晶183Bまでの構成と、光増幅器161から出力された波長1546.9nm(周波数ω)の基本波を入力するところから4倍波が得られる非線形光学結晶183Dまでの構成は、図7(a)の波長変換器163と同じである。
【0127】
2段目の非線形光学結晶183Dで得られ、集光レンズ182Fを通過した4倍波は、ダイクロイック・ミラー185B、185Aで反射される。これにより、その4倍波は、2段目の非線形光学結晶183Bで得られ、集光レンズ182Cを通過した3倍波と同軸に合成され、3段目の非線形光学結晶183Eに入射する。これにより、3段目の非線形光学結晶183Eでは、図7(a)の波長変換器163と同様に、7倍波が得られるようになる。
【0128】
一方、光増幅器161から出力され、集光レンズ182D、非線形光学結晶183C、集光レンズ182E、非線形光学結晶183D、集光レンズ182Fを通過した基本波は、ダイクロイック・ミラー185Bを通過し、ミラー185Dで反射され、集光レンズ182Iを通過して、ダイクロイック・ミラー185Cに至る。
【0129】
そして、非線形光学結晶183Eで得られ、集光レンズ182Hを通過した7倍波は、ダイクロイック・ミラー185Cで反射され、ミラー185Dより入射した基本波と同軸に合成されて、4段目の非線形光学結晶183Fに入射する。
【0130】
非線形光学結晶183Fとしては、図7(a)の波長変換器と同様に、CLBO結晶が用いられ、その基本波と7倍波との和周波発生により、8倍波(波長193.4nm)が得られる。
【0131】
以上のように構成された図7(b)に示される波長変換器163において、光増幅器161、161によって増幅された基本波(波長1546.9nm)を波長変換することにより、目的の波長193.4nmの光が得られる。
【0132】
以上述べたように、図7(a)、図7(b)の波長変換器163では、非線形光学結晶の4段構成により、193.4nmの光を得ることができるので、非線形光学結晶が5段に構成された図6(a)、図6(b)の波長変換器163よりも高い波長変換効率を得ることができる。
【0133】
また、上記実施形態の光源装置は、193nm近傍の波長の光に変換する装置であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、Fレーザの発振波長と略同一の波長等の他の波長に変換して出力する光源装置にも適用することができる。
【0134】
図8には、Fレーザの発振波長と略同一の波長に変換する波長変換器163の構成が示されている。図8に示される波長変換器163では、基本波(波長1576nm)→2倍波(波長788nm)→3倍波(波長525.3nm)→6倍波(波長262.7nm)→7倍波(波長225.1nm)→8倍波(波長197nm)→9倍波(波長175.1nm)→10倍波(波長157.6nm)の順に波長変換が行われる。なお、図8の波長変換器163では、8倍波を得るまでの構成及び動作は、図5の波長変換器163と同一であるので、それらの説明を省略する。また、図8では、光源装置16が光増幅器を5つ備えているものとする(光増幅器161〜161)。
【0135】
図8に示されるように、非線形光学結晶183Eで得られ、集光レンズ182Hを通過した8倍波は、ダイクロイック・ミラー185Cで、光増幅器161から出力され、集光レンズ182Iを通過した光と同軸に合成され、非線形光学結晶183Fに入射する。
【0136】
6段目の非線形光学結晶183Fとしては、CBO結晶又はKBBF(KBeBO:Potassium Fluoroboratoberyllate)が用いられ、その結晶に入射した基本波と8倍波との和周波発生により、9倍波(波長175.1nm)が得られる。
【0137】
非線形光学結晶183Fで得られた9倍波は、ダイクロイック・ミラー185Dで光増幅器161から出力され、集光レンズ182Kを通過した光と同軸に合成され、非線形光学結晶183Gに入射する。7段目の非線形光学結晶183Gとしては、BaMgF(BMF)結晶が用いられ、基本波と9倍波との和周波発生により、10倍波(波長157.6nm)が得られる。
【0138】
このBMF結晶は、周期的ドメイン反転構造を有する非線形光学素子(以下、「QPM素子」又は「擬似位相整合結晶」という)である。BMF結晶は、擬似位相整合(QPM:Quasi−Phase Matching)により、基本波と9倍波との和周波を発生させるので、NCPMの場合と同様に、Walk−offは発生しない。
【0139】
図9に示されるように、QPM素子183’は、光の進行方向に沿って、図9において紙面上下方向の矢印で表される分極方向が互いに反対向きの領域150A及び領域150Bが交互かつ周期的に形成された周期的ドメイン反転構造を有している。
【0140】
なお、擬似位相整合結晶では、領域150A及び領域150Bの光の進行方向に沿った幅Λは、以下のように設定されている。
【0141】
擬似位相整合結晶を用いて、第2高調波を発生させる場合には、QPM素子183’内において、入射光の波数ベクトルの絶対値をkとし、生成される第2高調波の波数ベクトルの絶対値をkとして、
Λ=2π/(k−2k)       ・・・(1)
によって定められる。
【0142】
和周波を発生させる場合には、QPM素子183’内において、入射光の波数ベクトルの絶対値をk、kとし、生成される和周波の波数ベクトルの絶対値をkとして、
Λ=2π/(k−(k+k))     ・・・(2)
によって定められる。
【0143】
上述したように、図8に示される波長変換器163では、BaMgF(BMF)結晶を用いて10倍波(波長157.6nm)が得るが、その際にBMF結晶に入射する入射光は、2倍波及び8倍波や、3倍波及び7倍波などではなく、基本波及び9倍波とするのが望ましい。このようにすれば、上述したBMF結晶の周期Λを約3μmとすることができ、BMF結晶の製造が容易となる。なお、157.6nmの波長の光を、例えば、BMF結晶において第2高調波発生により発生させようとすると、BMF結晶の周期は約1μmとなる。すなわち、2つの入射光の波長の差を大きくすればするほど、周期Λを長くすることができ、その製造を容易なものとすることができる。
【0144】
また、こうしたQPM素子183’としては、周期的ドメイン反転LN(LiNbO)結晶(PPLN結晶)、周期的ドメイン反転LT(LiTaO)結晶(PPLT)結晶、周期的ドメイン反転KTP(KTiOPO)結晶(PPKTP結晶)及び応力利用により周期的ドメイン反転構造が形成された水晶(以下、「水晶QPM素子」という)がある。
【0145】
例えば、図4、図5、図6(a)、図6(b)、図7(a)、図7(b)に示される波長変換器163における2倍波、3倍波発生用の非線形光学素子183A、183Bとして、擬似位相整合結晶であるPPKTP結晶やPPLN結晶を用いてもよい。かかる結晶は、狭帯域の波長193.4nmの光を得るのに適している。すなわち、これらの結晶を用いれば、光増幅器161等のピークパワーを低くしても波長変換効率を保つことができるとともに、エルビウム・ドープ・ファイバ中でのSPM(自己位相変調)によるスペクトル幅の拡大を抑制することができる。
【0146】
《第2の実施形態》
次に、本発明の第2の実施形態について、図10〜図18に基づいて説明する。ここで、前述した第1の実施形態と同一若しくは同等の構成部分については同一の符号を用いるとともにその説明を省略するものとする。
【0147】
第2の実施形態における露光装置は、光源装置16の代わりに、光源装置16’を備えている点が、図1に示される露光装置の構成と異なっている。図10には、第2の実施形態に係る光源装置16’の構成が概略的に示されている。図10に示されるように、光源装置16’の光源部16A’は、パルス光発生部160に加え、パルス光発生部190を備え、光増幅器161の代わりに光増幅器191を新たに備えている点が、図2に示される光源装置16の光源部16Aと異なっている。
【0148】
前記パルス光発生部190は、レーザ光源190A、光カップラBS2、光アイソレータ190B及び光変調器としての電気光学変調器(以下、「EOM」という)190C等を有する。なお、レーザ光源190Aから波長変換器163までの間の各要素間は、光ファイバ等によって光学的に接続されている。
【0149】
レーザ光源190A、光カップラBS2、光アイソレータ190B、EOM190Cの構成及び動作は、レーザ光源160A、光カップラBS1、光アイソレータ160B、EOM160Cと同じである。但し、レーザ光源190Aとしては、例えば、発振波長1030nm〜1120nmの狭帯域イットリビウム(Yb)添加DFBファイバレーザ、あるいは単一波長発振DFB半導体レーザなどが用いられている。以下においては、レーザ光源190Aを適宜「DFB半導体レーザ190A」とも呼ぶものとする。
【0150】
光増幅器191の構成は、光増幅器161の構成とほぼ同じであるが、内部に備えられる増幅用光ファイバのコアにはエルビウム(Er)ではなく、イッテルビウム(Yb)が高密度にドープされた光ファイバが用いられる。すなわち、この光増幅器191は、イッテルビウム・ドープ・ファイバ光増幅器である。なお、この光増幅器191の帯域幅は、1030nm以上1120nm以下である。
【0151】
前記ビームモニタ機構164は、レーザ光源160A及びレーザ光源190Aのエネルギをモニタし、主制御装置50では、そのエネルギモニタの出力に基づいてそれらのレーザ光のエネルギパワーを検出し、レーザ制御装置16Bを介してDFB半導体レーザ160A、190Aで発振されるレーザ光の光量を必要に応じて制御する。
【0152】
また、光量制御装置16Cでは、光増幅器161、191の各光ファイバ増幅器167からの光出力が一定になるように(即ちバランスするように)、光増幅器161、191の各励起用半導体レーザ178、178のドライブ電流をフィードバック制御するようになっている。
【0153】
前記波長変換器163は、複数の非線形光学結晶を含み、増幅されたパルス光、すなわち波長1105nmの光を第1基本波とし、波長1546.9nmの光を第2基本波とする波長変換を実行して、ArFエキシマレーザと同じ出力波長(193.4nm)のパルス紫外光を発生させる。
【0154】
なお、図10では、エルビウム・ドープ・ファイバ光増幅器161、イッテルビウム・ドープ・ファイバ光増幅器191だけが図示されているが、これらは、後述する波長変換器163の構成に応じて複数備えられていてもよい。なお、エルビウム・ドープ・ファイバ光増幅器を複数備える場合には、161、161・・・というように参照番号が付与され、イッテルビウム・ドープ・ファイバ光増幅器を複数備える場合には、191、191・・・というように参照番号が付与されるものとする。また、図10では、光源装置16’には、2つの光増幅器161、191のそれぞれの光の供給源として、パルス光発生部160、190が1つだけ備えられているとしたが、2つの光増幅器161、161・・・、191、191・・・のそれぞれの光の供給源として、レーザ光源160A、190Aを備えるパルス光発生部160、190を複数備えていてもよい。
【0155】
図11、図12には、この波長変換器163の構成の一例が示されている。ここで、これらの図に基づいて波長変換器163の具体例について説明する。
【0156】
図11(a)、図11(b)、図12(a)、図12(b)の波長変換器163では、第1基本波(波長1105nm)の5倍波と第2基本波(波長1546.9nm)との和周波発生により、ArFエキシマレーザと同じ出力波長(193.4nm)のパルス紫外光が得られる。
【0157】
これを更に詳述すると、図11(a)に示されるように、光増幅器191から出力された波長1105nm(周波数ω)の第1基本波は、集光レンズ182Aを介して、1段目の非線形光学結晶183Aに入射する。この第1基本波がこの非線形光学結晶183Aを通過する際に、2次高調波発生により、その第1基本波の周波数ωの2倍、すなわち周波数2ω(波長は1/2の552.5nm)の2倍波が発生する。
【0158】
この1段目の非線形光学結晶183Aとして、LiB(LBO)結晶が用いられ、その基本波を2倍波に波長変換するための位相整合にLBO結晶の温度調節による方法、NCPM(Non−Critical Phase Matching)が使用される。非線形光学結晶183Aで波長変換されずに透過した第1基本波は、ダイクロイック・ミラー185Aで反射されるが、非線形光学結晶183Aの波長変換で発生した2倍波は、ダイクロイック・ミラー185Aを透過し、集光レンズ182Bを介して非線形光学結晶183Bに入射する。
【0159】
この2倍波がこの非線形光学結晶183Bを通過する際に、2次高調波発生により、その第1基本波の周波数ωの4倍、すなわち周波数4ω(波長は1/4の276.3nm)の4倍波が発生する。なお、2段目の非線形光学結晶183Bとしては、CsLiB10(CLBO)結晶が用いられる。
【0160】
ダイクロイック・ミラー185Aで反射された第1基本波は、ミラー185Cで反射され、集光レンズ182Dを介してダイクロイック・ミラー185Dを透過する。そして、非線形光学結晶183Bにおいて発生した4倍波は、ミラー185Bで反射され、集光レンズ182Cを介してダイクロイック・ミラー185Dで反射されて、第1基本波と同軸に合成され、3段目の非線形光学結晶183Cに入射する。
【0161】
3段目の非線形光学結晶183Cとしては、CsLiB10(CLBO)結晶が用いられる。この非線形光学結晶183Cでは、第1基本波の4倍波と、第1基本波との和周波発生により第1基本波の5倍波(波長221.0nm)が得られる。
【0162】
非線形光学結晶183Cで得られた5倍波は、集光レンズ182Eを通過後、ダイクロイック・ミラー185Eにより反射され、光増幅器161から出力され集光レンズ182Fを通過した波長1546.9nm(周波数ω)の第2基本波と同軸に合成され、4段目の非線形光学結晶183Dに入射する。4段目の非線形光学結晶183Dとしては、CsLiB10(CLBO)結晶が用いられる。この非線形光学結晶183Dでは、第1基本波の5倍波と第2基本波との和周波発生により波長193.4nmの光が得られる。
【0163】
また、図11(b)に示されるように、光増幅器191から出力された波長1105nm(周波数ω)の第1基本波は、集光レンズ182Aを介して、1段目の非線形光学結晶183Aに入射する。この第1基本波がこの非線形光学結晶183Aを通過する際に、2次高調波発生により、その第1基本波の2倍波が発生する。この1段目の非線形光学結晶183Aとして、図11(a)の波長変換器163と同様に、LiB(LBO)結晶が用いられる。
【0164】
非線形光学結晶183Aで波長変換されずに透過した第1基本波と、非線形光学結晶183Aの波長変換で発生した2倍波とは、集光レンズ182Bを介して非線形光学結晶183Bに入射する。この2倍波がこの非線形光学結晶183Bを通過する際に、2次高調波発生により、その第1基本波の周波数ωの4倍波が発生する。なお、2段目の非線形光学結晶183Bとしては、CsLiB10(CLBO)結晶が用いられる。
【0165】
非線形光学結晶183Bで得られた4倍波は、集光レンズ182Cを通過後、ダイクロイック・ミラー185Aにより反射され、光増幅器191から出力され、集光レンズ182Dを通過した波長1105nm(周波数ω)の第1基本波と同軸に合成され、3段目の非線形光学結晶183Cに入射する。3段目の非線形光学結晶183Cとしては、CsLiB10(CLBO)結晶が用いられる。この非線形光学結晶183Cでは、第1基本波の4倍波と、第1基本波との和周波発生により第1基本波の5倍波(波長221.0nm)が得られる。
【0166】
非線形光学結晶183Cで得られた5倍波は、集光レンズ182Eを通過後、ダイクロイック・ミラー185Bにより反射され、光増幅器161から出力され、集光レンズ182Fを通過した波長1546.9nm(周波数ω)の第2基本波と同軸に合成され、4段目の非線形光学結晶183Dに入射する。4段目の非線形光学結晶183Dとしては、CsLiB10(CLBO)結晶が用いられる。この非線形光学結晶183Dでは、第1基本波の5倍波と第2基本波との和周波発生により波長193.4nmの光が得られる。
【0167】
また、図12(a)に示されるように、光増幅器191から出力された波長1105nm(周波数ω)の第1基本波は、集光レンズ182Aを介して、1段目の非線形光学結晶183Aに入射する。この第1基本波がこの非線形光学結晶183Aを通過する際に、2次高調波発生により、その第1基本波の周波数ωの2倍、すなわち周波数2ω(波長は1/2の552.5nm)の2倍波が発生する。この1段目の非線形光学結晶183Aとして、LiB(LBO)結晶が用いられる。
【0168】
非線形光学結晶183Aで得られた第1基本波の2倍波は、集光レンズ182Bを通過後、ダイクロイック・ミラー185Aにより反射され、光増幅器161から出力され、集光レンズ182Cを通過した波長1546.9nm(周波数ω)の第2基本波と同軸に合成され、2段目の非線形光学結晶183Bに入射する。2段目の非線形光学結晶183Bとしては、擬似位相整合結晶である前述のPPKTP結晶が用いられる。この非線形光学結晶183Bでは、第1基本波の2倍波と第2基本波との和周波発生により、第1基本波の2倍波及び第2基本波の和周波(波長407.1nm)が得られる。
【0169】
非線形光学結晶183Bの波長変換で発生した和周波は、集光レンズ182Dを介して非線形光学結晶183Cに入射する。
【0170】
この和周波がこの非線形光学結晶183Cを通過する際に、第1基本波の4倍波と第2基本波との和周波(波長は234.4nm)が発生する。なお、3段目の非線形光学結晶183Cとしては、BBO結晶が用いられる。
【0171】
非線形光学結晶183Cで得られた第1基本波の4倍波と第2基本波との和周波は、集光レンズ182Eを通過後、ダイクロイック・ミラー185Bにより反射され、光増幅器191から出力され、集光レンズ182Fを通過した波長1105nm(周波数ω)の第1基本波と同軸に合成され、4段目の非線形光学結晶183Dに入射する。
【0172】
4段目の非線形光学結晶183Dとしては、CsLiB10(CLBO)結晶が用いられる。この非線形光学結晶183Dでは、第1基本波の5倍波と第2基本波との和周波(波長193.4nm)が得られる。
【0173】
また、図12(b)に示されるように、光増幅器191から出力された波長1105nm(周波数ω)の第1基本波は、集光レンズ182Aを介して、1段目の非線形光学結晶183Aに入射する。この第1基本波がこの非線形光学結晶183Aを通過する際に、2次高調波発生により、その第1基本波の周波数ωの2倍、すなわち周波数2ω(波長は1/2の552.5nm)の2倍波が発生する。この1段目の非線形光学結晶183Aとして、LiB(LBO)結晶が用いられる。
【0174】
非線形光学結晶183Aで得られた第1基本波の2倍波は、ダイクロイック・ミラー185Aで反射され、集光レンズ182Bを通過後、ダイクロイック・ミラー185Cにより反射され、光増幅器161から出力され、集光レンズ182Cを通過した波長1546.9nm(周波数ω)の第2基本波と同軸に合成され、2段目の非線形光学結晶183Bに入射する。2段目の非線形光学結晶183Bとしては、擬似位相整合結晶である前述のPPKTP結晶が用いられる。この非線形光学結晶183Bでは、第1基本波の2倍波と第2基本波との和周波発生により、第1基本波の2倍波及び第2基本波の和周波(波長407.1nm)が得られる。非線形光学結晶183Bの波長変換で発生した和周波は、集光レンズ182Dを介して非線形光学結晶183Cに入射する。
【0175】
この和周波がこの非線形光学結晶183Cを通過する際に、第1基本波の4倍波と第2基本波との和周波(波長は234.4nm)が発生する。なお、3段目の非線形光学結晶183Cとしては、BBO結晶が用いられる。
【0176】
一方、ダイクロイック・ミラー185Aを通過した第1基本波は、ミラー185Bにより反射され、集光レンズ182Fを通過して、ダイクロイック・ミラー185Dに入射する。非線形光学結晶183Cで得られた第1基本波の4倍波と第2基本波との和周波は、集光レンズ182Eを通過後、その第1基本波と同軸に合成され、4段目の非線形光学結晶183Dに入射する。4段目の非線形光学結晶183Dとしては、CsLiB10(CLBO)結晶が用いられる。この非線形光学結晶183Dでは、第1基本波の5倍波と第2基本波との和周波(波長193.4nm)が得られる。
【0177】
以上のように構成された波長変換器163において、光増幅器191などから出力された第1基本波(波長1105.0nm)と、光増幅器161などから出力された第2基本波(波長1546.9nm)とを入射光として波長変換することにより、目的の波長193.4nmの光が得られる。
【0178】
なお、2段目の非線形光学結晶183BとしてNHPO(ADP)結晶を用いる場合には、非線形光学結晶183B内で第1基本波とその第2高調波との角度ずれ(Walk−off)が起こらないため、図11(a)のダイクロイック・ミラー185A→ミラー185C→集光レンズ182D→ダイクロイック・ミラー185Dの第1基本波迂回用の経路を構成する必要がなくなる。したがって、2段目の非線形光学結晶183BとしてNHPO(ADP)結晶を用いる場合には、波長変換器163を、図13に示されるような構成とすることができる。
【0179】
以上述べたように、図11(a)、図11(b)、図12(a)、図12(b)、及び図13に示されるような波長変換器163では、第1基本波(波長1105nm)の5倍波と第2基本波(波長1546.9nm)との和周波発生により、非線形光学結晶の4段構成(4段階の波長変換)によってArFエキシマレーザと同じ出力波長(193.4nm)のパルス紫外光を得ることができる。したがって、本第2の実施形態では、波長変換の段階数を、図4等に示されるエルビウム・ドープ・ファイバ光増幅器から出力された光だけを基本波とする波長変換の段階数5から4に減らすことができるので、波長変換効率をさらに高くすることができるという利点がある。
【0180】
なお、図11(a)、図11(b)、図12(a)、図12(b)、及び図13に示されるような構成を有する波長変換器163では、第2基本波として、エルビウム・ドープ・ファイバ光増幅器から出力される光の代わりに、Tm(ツリウム)、若しくはHo(ホロミウム)が添加されたファイバ光増幅器から出力される光を用いても良い。出力波長が前述のように1.5μm帯であるエルビウム・ドープ・ファイバ光増幅器でなく、出力波長が2μm帯であるツリウム(又はホロミウム)・ドープ・ファイバ光増幅器を適用した場合には、イッテルビウム・ドープ・ファイバ光増幅器から出力される光の波長は、1070nmとなり、イッテルビウム・ドープ・ファイバ光増幅器が、この波長域の光を出力する場合には、出力波長が1105nmである場合よりも、蛍光の断面積を大きくすることができ、高ピークパワーの増幅に有利となる。
【0181】
また、上述した波長変換器163は、ArFエキシマレーザの発振波長と略同一の波長(193.4nm)の光が得られるものであったが、本第2の実施形態では、この波長変換器163の構成を変更すれば、KrFエキシマレーザの発振波長(248nm近傍)やFレーザの発振波長(157nm近傍)と略同一の波長を得ることもできるようになる。
【0182】
図14には、第1基本波(波長1095nm)の3倍波と、第2基本波(波長1546.9nm)の2倍波との和周波発生により、KrFエキシマレーザの発振波長と略同一の波長248nmを発生して出力する波長変換器163の構成が示されている。図14に示されるように、光増幅器191から出力された波長1095nm(周波数ω)の第1基本波は、集光レンズ182Aを介して、1段目の非線形光学結晶183Aに入射する。この第1基本波がこの非線形光学結晶183Aを通過する際に、2次高調波発生により、その第1基本波の周波数ωの2倍、すなわち周波数2ω(波長は1/2の547.5nm)の2倍波が発生する。この1段目の非線形光学結晶183Aとして、LiB(LBO)結晶が用いられ、その基本波を2倍波に波長変換するための位相整合にLBO結晶の温度調節による方法、NCPM(Non−Critical Phase Matching)が使用される。
【0183】
非線形光学結晶183Aで波長変換されずに透過した第1基本波と、非線形光学結晶183Aの波長変換で発生したその2倍波とは、次段の波長板184でそれぞれ半波長、1波長の遅延が与えられる。そして、第1基本波のみ、その偏光方向が90度回転するようになる。これにより、その第1基本波及びその2倍波の偏光方向が一致するようになる。波長板184を通過した第1基本波とその2倍波は、集光レンズ182Bを介した後に、2段目の非線形光学結晶183Bに入射する。2段目の非線形光学結晶183Bとして、例えば1段目の非線形光学結晶(LBO結晶)183Aとは異なる温度でNCPMにより位相整合が行われるLBO結晶が用いられる。この非線形光学結晶183Bでは、1段目の非線形光学結晶183Aで発生した2倍波と、波長変換されずにその非線形光学結晶183Aを透過した基本波との和周波発生により、3倍波(波長365.0nm)が得られる。
【0184】
光増幅器161から出力された波長1546.9nm(周波数ω)の第2基本波は、3段目の非線形光学結晶183Cに入射する。この第2基本波がこの非線形光学結晶183Cを通過する際に、2次高調波発生により、その第2基本波の周波数ωの2倍、すなわち周波数2ω(波長は1/2の773.5nm)の2倍波が発生する。
【0185】
非線形光学結晶183Bで得られた第1基本波の3倍波は、集光レンズ182Cを通過後、ダイクロイック・ミラー185Aにより反射され、非線形光学結晶183Cで発生した第2基本波の2倍波と同軸に合成され、4段目の非線形光学結晶183Dに入射する。4段目の非線形光学結晶183Dとしては、CsLiB10(CLBO)結晶が用いられる。この非線形光学結晶183Dでは、第1基本波の3倍波と第2基本波の2倍波との和周波発生により波長248.0nmの光が得られる。なお、この波長変換器163における波長変換は、3段階と少ないため、高い波長変換効率が得られる。また、耐性の高い結晶のみで波長変換器を構成することができるので、出力レベルの高い光を得ることができる。
【0186】
図15には、第1基本波(波長1119nm)の5倍波と、第2基本波(波長1599nm)の3倍波との和周波発生により、Fレーザの発振波長と略同一の波長157.6nmを発生して出力する波長変換器163の構成が示されている。図15に示されるように、非線形光学結晶183Dにおいて、第1基本波の5倍波と第2基本波との和周波発生により波長193.4nmの光が得られるまでの構成は、図11(a)に示される波長変換器の構成と同一である。但し、図15では、光増幅器191から入力される第1基本波の波長は1119nmとし、光増幅器161〜161から入力される第2基本波の波長は1599nmであるとする。
【0187】
非線形光学結晶183Dで発生した第1基本波の5倍波と第2基本波との和周波は、集光レンズ182Gを通過後、ダイクロイック・ミラー185Fにより反射され、光増幅器161から出力され集光レンズ182Hを通過した波長1599nm(周波数ω)の第2基本波と同軸に合成され、5段目の非線形光学結晶183Eに入射する。
【0188】
5段目の非線形光学結晶183Eとしては、CBO結晶が用いられる。この非線形光学結晶183Eでは、第1基本波の5倍波と第2基本波の2倍波との和周波(波長174.8nm)が得られる。なお、CBO結晶183Eの代わりにKBBF結晶を用いることも可能である。
【0189】
非線形光学結晶183Eで発生した第1基本波の5倍波と第2基本波の2倍波との和周波は、集光レンズ182Iを通過後、ダイクロイック・ミラー185Gにより反射され、光増幅器161から出力され集光レンズ182Jを通過した波長1599nm(周波数ω)の第2基本波と同軸に合成され、6段目の非線形光学結晶183Fに入射する。非線形光学結晶183Fでは、第1基本波の5倍波と第2基本波の3倍波との和周波(波長157.6nm)が得られる。なお、非線形光学結晶183Fには、擬似位相整合結晶である前述のBMF結晶が用いられる。なお、ここでも、BMF結晶は、第2基本波(1599nm)と、第1基本波の5倍波と第2基本波の2倍波との和周波(174.8nm)という波長が著しく異なる2つの光を入射光としているため、BMF結晶の周期Λを3μm程度とすることができ、BMF結晶の製造が容易となる。
【0190】
以上詳細に述べたように、本第2の実施形態の光源装置では、波長が異なる2つの光(第1基本波、第2基本波)を入射光として、それらの波長の高調波以外の波長の光、を作り出すことができるようになるので、出力する光の波長の選択範囲を広げることができる。特に、KrFエキシマレーザの発振波長と略同一の波長の光は、エルビウム・ドープ・ファイバ光増幅器のみ、あるいは、イッテルビウム・ドープ・ファイバ光増幅器のみから出力された光を基本波とする波長変換だけでは、作りだせない波長の光であったが、図14に示される波長変換器163等を用いた波長変換によって、この波長の光を作り出すことが可能となった。
【0191】
なお、本実施形態の光源装置では、第1基本波を出力する光出力装置として、イッテルビウム・ドープ・ファイバ増幅器を用い、第2基本波を出力する光出力装置として、エルビウム・ドープ・ファイバ光増幅器を用いた。イッテルビウムはエルビウムに比べて10倍以上の高濃度添加が可能である。したがって、イッテルビウム・ドープ・ファイバは、エルビウム・ドープ・ファイバよりも短尺化することが可能となる。ファイバが短尺化されると、ラマン散乱、4光波混合が発生しにくくなるので、高いピークパワーを得ることが可能となり、ファイバ中で発生するSPM(自己位相変調)によるスペクトル拡がりの影響も少なくなる。以上のことから、イッテルビウム・ドープ・ファイバ光増幅器では、エルビウム・ドープ・ファイバ光増幅器よりも、発生する光の狭帯域化が容易となる。また、イッテルビウム・ドープ・ファイバ光増幅器は、入射光の波長が1060nm以上では、4準位系に近いふるまいをするので、高出力化に有利である。したがって、本実施形態では、エルビウム・ドープ・ファイバ光増幅器のみを用いる構成よりも、はるかに高出力かつ狭帯域の光を得ることが可能となる。
【0192】
なお、上述のイッテルビウム・ドープ・ファイバ光増幅器やエルビウム・ドープ光ファイバ増幅器から出力された光を基本波として波長変換を行う波長変換器163の構成の他の例が図16〜図18に示されている。
【0193】
このうち、図16には、イッテルビウム・ドープ・ファイバ光増幅器191から出力された光(波長1103.2nm)を基本波として、157.6nmの波長の光を出力する波長変換器163の構成が示されている。図16に示されるように、光増幅器191から出力された波長1103.2nm(周波数ω)の基本波は、集光レンズ182Aを介して、1段目の非線形光学結晶183Aに入射する。この基本波がこの非線形光学結晶183Aを通過する際に、2次高調波発生により、その基本波の周波数ωの2倍、すなわち周波数2ω(波長は1/2の551.6nm)の2倍波が発生する。この1段目の非線形光学結晶183Aとして、LiB(LBO)結晶が用いられ、その基本波を2倍波に波長変換するための位相整合にLBO結晶の温度調節による方法、NCPM(Non−Critical Phase Matching)が使用される。
【0194】
非線形光学結晶183Aで波長変換されずに透過した基本波は、ダイクロイック・ミラー185Aで反射されるが、非線形光学結晶183Aの波長変換で発生した2倍波は、ダイクロイック・ミラー185Aを透過し、集光レンズ182Bを介して非線形光学結晶183Bに入射する。
【0195】
この2倍波がこの非線形光学結晶183Bを通過する際に、2次高調波発生により、その基本波の周波数ωの4倍、すなわち周波数4ω(波長は1/4の275.8nm)の4倍波が発生する。なお、2段目の非線形光学結晶183Bとしては、CsLiB10(CLBO)結晶やCBO結晶が用いられる。
【0196】
非線形光学結晶183Bで波長変換されずに透過した2倍波は、ダイクロイック・ミラー185B、ミラー185Dで反射され、集光レンズ182Cを介してダイクロイック・ミラー185Eを透過する。また、非線形光学結晶183Bの波長変換で発生した4倍波は、ダイクロイック・ミラー185Bを透過し、ミラー185Cで反射された後、ダイクロイック・ミラー185Eで反射され、ダイクロイック・ミラー185Eを透過した2倍波と同軸に合成され、非線形光学結晶183Cに入射する。3段目の非線形光学結晶183Cとしては、KBBF(KBeBO:Potassium luoroboratoberyllate)が用いられ、その結晶に入射した2倍波と4倍波との和周波発生により、6倍波(波長183.9nm)が得られる。
【0197】
非線形光学結晶183Aで波長変換されずに透過した基本波は、ダイクロイック・ミラー185A→ミラー185F→ミラー185Gで反射され、集光レンズ182Fを通過して、ダイクロイック・ミラー185Hを透過する。非線形光学結晶183Cで得られた6倍波は、集光レンズ182Eを通過後、ダイクロイック・ミラー185Hによって、その基本波と同軸に合成され、非線形光学結晶183Dに入射する。
【0198】
4段目の非線形光学結晶183Dとしては、前述のBaMgF(BMF)結晶が用いられ、基本波と6倍波との和周波発生により、7倍波(波長157.6nm)が得られる。ここでも、基本波と6倍波とが入射光となっているため、
BMF結晶の周期Λを2.3μm程度として、その結晶の製造を容易とすることができる。なお、従来のように、4倍波と3倍波とを入射光とする場合には、BMF結晶の周期Λを1μm程度にしなければならず、非常に製造が困難であった。なお、得られた7倍波は、集光レンズ182Gを通過し、波長変換器163から出力される。
【0199】
図17には、イッテルビウム・ドープ・ファイバ光増幅器191から出力された光(波長1095nm)を基本波として、i線の波長(365nm)の波長の光を出力する波長変換器163の構成が示されている。
【0200】
図17に示されるように、光増幅器191から出力された波長1095nmの基本波は、集光レンズ182Aを介して、1段目の非線形光学結晶183Aに入射される。この基本波がこの非線形光学結晶183Aを通過する際に、2次高調波発生により、その基本波の周波数ωの2倍、すなわち周波数2ω(波長は1/2の547.5nm)の2倍波が発生する。この1段目の非線形光学結晶183Aとして、LiB(LBO)結晶が用いられ、その基本波を2倍波に波長変換するための位相整合にLBO結晶の温度調節による方法、NCPM(Non−Critical Phase Matching)が使用される。
【0201】
非線形光学結晶183Aで波長変換されずに透過した基本波と、非線形光学結晶183Aの波長変換で発生した2倍波とは、次段の波長板184でそれぞれ半波長、1波長の遅延が与えられる。そして、基本波のみ、その偏光方向が90度回転するようになる。これにより、その基本波及び2倍波の偏光方向が一致するようになる。波長板184を通過した基本波と2倍波は、集光レンズ182Bを介した後に、2段目の非線形光学結晶183Bに入射する。2段目の非線形光学結晶183Bとして、例えばLBO結晶やCBO結晶が用いられる。この非線形光学結晶183Bでは、1段目の非線形光学結晶183Aで発生した2倍波と、波長変換されずにその非線形光学結晶183Aを透過した基本波との和周波発生により、3倍波(波長365.0nm)が得られる。そして、高出力かつ狭帯域の3倍波が集光レンズ182Cを介して出力される。
【0202】
図18には、エルビウム・ドープ・ファイバ光増幅器161から出力された光(波長1546.9nm)を基本波として、193.4nmの波長の光を出力する波長変換器163の構成が示されている。
【0203】
図18に示されるように、光増幅器161から出力された波長1546.9nm(周波数ω)の基本波は、集光レンズ182Aを介して、1段目の非線形光学結晶183Aに入射する。この基本波がこの非線形光学結晶183Aを通過する際に、2次高調波発生により、その基本波の周波数ωの2倍、すなわち周波数2ω(波長は1/2の773.5nm)の2倍波が発生する。この1段目の非線形光学結晶183Aとして、LiB(LBO)結晶が用いられ、その基本波を2倍波に波長変換するための位相整合にLBO結晶の温度調節による方法、NCPM(Non−Critical Phase Matching)が使用される。
【0204】
非線形光学結晶183Aで波長変換されずに透過した基本波と、非線形光学結晶183Aの波長変換で発生した2倍波とは、次段の波長板184Aでそれぞれ半波長、1波長の遅延が与えられる。そして、基本波のみ、その偏光方向が90度回転するようになる。これにより、その基本波及び2倍波の偏光方向が一致するようになる。波長板184Aを通過した基本波と2倍波は、集光レンズ182Bを介した後に、2段目の非線形光学結晶183Bに入射される。2段目の非線形光学結晶183Bとして、例えばLBO結晶が用いられるとともに、そのLBO結晶は1段目の非線形光学結晶(LBO結晶)183Aとは異なる温度でNCPMにより位相整合が行われる。この非線形光学結晶183Bでは、1段目の非線形光学結晶183Aで発生した2倍波と、波長変換されずにその非線形光学結晶183Aを透過した基本波との和周波発生により、3倍波(波長515.6nm)が得られる。
【0205】
次に、非線形光学結晶183Bで得られた3倍波は、ダイクロイック・ミラー185A、集光レンズ182Cを介して、3段目の非線形光学結晶183Cに入射する。そして、この3倍波がこの3段目の非線形光学結晶183Cを通る際に、その3倍波の2次高調波発生により基本波の周波数ωの6倍、すなわち周波数6ω(波長は1/6の257.8nm)の6倍波が発生する。この3段目の非線形光学結晶183Cとしては、例えばβ−BaB(BBO)結晶又はCsLiB10(CLBO)結晶が用いられる。
【0206】
非線形光学結晶183Cで得られた6倍波は、ミラー185Cにより反射されて集光レンズ182Eを通過する。そして、その6倍波は、ダイクロイック・ミラー185A→ミラー185B→集光レンズ182Dと迂回してきた基本波とダイクロイック・ミラー185Dにおいて同軸に合成され、4段目の非線形光学結晶183Dに入射する。4段目の非線形光学結晶183Dとしては、CsB(CBO)結晶が用いられる。
【0207】
非線形光学結晶183Dで得られた7倍波とそれを透過した基本波とは、ダイクロイック・ミラー185Eにより分離される。ここを透過した基本波は、ミラー185Fで反射され、波長板184B、集光レンズ182Fを通過してダイクロイック・ミラー185Hを透過する。そして、ダイクロイック・ミラー185Eで反射された7倍波は、ミラー185Gで反射され、集光レンズ182Gを通過してダイクロイック・ミラー185Hで反射される。そして、その基本波と7倍波は、ダイクロイック・ミラー185Hで同軸に合成され、5段目の非線形光学結晶183Eに入射する。なお、7倍波のビーム整形用として、集光レンズ182Gの代わりにシリンドリカルレンズ対を用いることも可能である。
【0208】
5段目の非線形光学結晶183Eとしては、CsLiB10(CLBO)結晶が用いられ、基本波と7倍波との和周波発生により、8倍波(波長193.4nm)が得られる。
【0209】
なお、上記実施形態では、複数の光増幅器161、191などから出力された光を基本波として用いるため、それらのタイミングを調整する必要がある。そのため、各光増幅器のうちの少なくとも一部の増幅器と、波長変換器163との間には、その装置から波長変換器163へ入力される光の進行を所定時間遅延させる遅延装置が挿入されるようにしてもよいし、例えば、図10のレーザ光源160Aとレーザ光源190Aにおいて、波長変換器163に入力される各基本波のタイミングを調整できるようにしてもよい。
【0210】
また、上記実施形態では、レーザ光源160A、190Aを連続光源としたが、パルス光源とすることもできる。かかる場合には、光アイソレータ160B、190Bと光増幅器161、191との間の電気光学変調器160C、190Cを配置しなければ、上記の実施形態に係る光源装置16、16’と同様の出力光を得ることができる。
【0211】
また、上記実施形態では、レーザ光源160A、190AとしてDFBレーザを使用したが、これに限定されるものではなく、他の半導体レーザを使用することができる。例えば、外部共振器構成の半導体レーザを使用することもできるし、また、分布反射型(DBR)レーザ等の他の外部共振器構成でない半導体レーザを使用することもできるし、チタンサファイヤレーザや、イッテルビウム・ドープ・ファイバ・レーザ等のファイバ・レーザを使用することもできる。
【0212】
また、上記実施形態では、波長変換器から出力される光の波長をArFエキシマレーザ、KrFエキシマレーザの発振波長、i線の波長など特定の波長としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、波長変換器163における非線形光学結晶等の設定や、入射する光の波長の設定を変更することにより、90nm〜800nmの任意の波長の光を出力することができる。その所定波長は、一例として、ウエハW上に転写すべきパターンのデザインルール(線幅、ピッチなど)に応じて決定するようにしてもよく、さらにはその決定に際して前述の露光条件や、レチクルRの種類(位相シフト型か否か)などを考慮してもよい。
【0213】
また、上記実施形態では、波長変換器163に基本波を出力する光出力装置を全てファイバ光増幅器としたが、本発明はこれに限定されず、所望の波長の光を出力できる装置であれば、Nd:YAGレーザ等のレーザ光源であってもよい。
【0214】
また、図3に示される光増幅部161において並列に配置される光ファイバ増幅器167の数は任意でよく、本発明に係る光源装置が適用される製品において要求される仕様に応じてその本数を決定すればよい。特に、光源装置として高出力を要求されない場合には、光ファイバ増幅器167の数を減らして、構成を簡略化することができる。なお、光ファイバ増幅器167を1つのみ含むように簡略化するときは、光分岐器166も不要となる。また、上記の実施形態では、光増幅器として光ファイバ増幅器167を使用したが、半導体光増幅器を使用することもできる。
【0215】
また、上記実施形態では、波長変換器163における非線形光学結晶として、CLBO結晶、BBO結晶などを使用したが、CLBO結晶やBBO結晶の潮解性が問題となる場合には、周囲雰囲気を窒素や乾燥空気などでパージしたり、CLBO結晶やBBO結晶を高温に温度調節してやればよい。
【0216】
また、上記実施形態では、本発明に係る光源装置がステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置に適用された場合について説明したが、露光装置以外でデバイス製造工程などに用いられる装置、例えば、ウエハ上に形成された回路パターンの一部(ヒューズなど)を切断するために用いられるレーザリペア装置などにも本発明に係る光源装置を適用することができる。また、本発明は、ステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置に限らず、静止露光型、例えばステップ・アンド・リピート方式あるいはステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置、プロキシミティー方式の露光装置、ミラープロジェクション・アライナー、例えば国際公開WO99/49504などに開示される、投影光学系PLとウエハとの間に液体(例えば純水など)が満たされる液浸型露光装置などにも適用できる。なお、上記実施形態の露光装置は、例えば特開平10−214783号公報や国際公開WO98/40791号などに開示されているように、投影光学系を介してレチクルパターンの転写が行われる露光位置と、ウエハアライメント系によるマーク検出が行われる計測位置(アライメント位置)とにそれぞれウエハステージを配置して、露光動作と計測動作とをほぼ並行して実行可能なツイン・ウエハステージタイプでも良い。
【0217】
また、上記実施形態では、本発明に係る光源装置が露光用照明光を発生する光源装置として使用される例を説明したが、露光用照明光とほぼ同一の波長の光を必要とする上述のレチクルアライメント用の光源装置、あるいは投影光学系の物体面又は像面に配置されるマークの投影像を検出して当該投影光学系の光学特性求める空間像検出系の光源装置等として使用することも可能である。
【0218】
なお、本発明の光源装置は、露光装置以外にも様々な装置に利用することができる。例えば、レーザ光を角膜に照射して表面のアブレーション(あるいは切開した角膜内部のアブレーション)を行い、角膜の曲率若しくは凹凸を矯正して近眼、乱視などの治療を行うレーザ治療装置に使用される光源装置として利用することができる。また、光学式検査装置等における光源装置としても、本発明の光源装置は利用可能である。
【0219】
また、本発明の光源装置は、上記の実施形態における投影光学系のような光学系の光学調整(光軸合わせ等)用又は検査用としても利用可能である。さらには、エキシマレーザを光源として有する各種装置において、エキシマレーザに置き換えて本発明の光源装置を適用できる。
【0220】
なお、図2に示された光源装置16の構成は図1の露光装置10における使用を前提としたものであって、光源装置16は、図2の構成に限られるものではない。露光装置では、高精度な波長制御や光量制御等が必要となるが、例えば、露光装置以外で厳密な光量制御等が不要であれば、光量モニタや光量制御装置16Cを設けなくともよい。
【0221】
次に、本実施形態の露光装置及び方法を使用したデバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造について説明する。
【0222】
まず、設計ステップにおいて、デバイスの機能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、マスク製作ステップにおいて、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ウエハ製造ステップにおいて、シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
【0223】
次に、ウエハ処理ステップにおいて、上記のステップで用意されたマスクとウエハを使用して、後述するように、リソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路等を形成する。
【0224】
このウエハ処理ステップは、例えば、半導体デバイスの製造にあたっては、ウエハの表面を酸化させる酸化ステップ、ウエハ表面に絶縁膜を形成するCVDステップ、ウエハ上に電極を蒸着によって形成する電極形成ステップ、ウエハにイオンを打ち込むイオン打込みステップといったウエハプロセスの各段階の前処理工程と、後述する後処理工程を有している。前処理工程は、ウエハプロセスの各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
【0225】
ウエハプロセスの各段階において、前処理工程が終了すると、レジスト処理ステップにおいてウエハに感光剤が塗布され、引き続き、露光ステップにおいて上記で説明した露光装置10によってマスクの回路パターンをウエハに焼付露光する。次に、現像ステップにおいて露光されたウエハが現像され、引き続き、エッチングステップにおいて、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、レジスト除去ステップにおいて、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
【0226】
以上のようにして、前処理工程と、レジスト処理ステップからレジスト除去ステップまでの後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
【0227】
こうしてウエハ処理ステップが終了すると、組立ステップにおいて、ウエハ処理ステップにおいて処理されたウエハを用いてチップ化する。この組み立てには、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)やパッケージング工程(チップ封入)等の工程が含まれる。
【0228】
最後に、検査ステップにおいて、組立ステップで作製されたデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
【0229】
以上のようにして、精度良く微細なパターンが形成されたデバイスが、高い量産性で製造される。
【0230】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の光源装置によれば、数段階の波長変換を経て出力レベルが減衰した基本波でなく、他の光出力装置から得られた基本波を用いて各段階の波長変換を実行することができるので、波長変換効率が向上し、光出力装置のピークパワーを抑制することができ、光出力装置から出力される光の波長をさらに狭帯域化することができる。
【0231】
また、本発明の光照射装置によれば、本発明の光源装置から射出された光を、照射光学系を介して対象物に照射するので、効率良く波長変換された光を対象物に照射することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る露光装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】図1の光源装置の内部構成を主制御装置とともに示すブロック図である。
【図3】図2の光増幅器を構成する光ファイバ増幅器及びその周辺部を、波長変換器の一部とともに概略的に示す図である。
【図4】波長193.4nmの光が得られる波長変換器の構成の一例を示す図である。
【図5】波長193.4nmの光が得られる波長変換器の構成の他の例を示す図である。
【図6】図6(a)は、波長変換器の構成の変形例(その1)を示す図、図6(b)は、波長変換器の構成の変形例(その2)を示す図である。
【図7】図7(a)は、波長変換器の構成の変形例(その3)を示す図、図7(b)は、波長変換器の構成の変形例(その4)を示す図である。
【図8】波長157.6nmの光が得られる波長変換器の構成の一例を示す図である。
【図9】QPM素子の構造を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態の光源装置の内部構成を主制御装置とともに示すブロック図である。
【図11】図11(a)は、波長193.4nmの光が得られる波長変換器の構成の一例(その1)を示す図、図11(b)は、波長193.4nmの光が得られる波長変換器の構成の一例(その2)を示す図である。
【図12】図12(a)は、波長193.4nmの光が得られる波長変換器の構成の一例(その3)を示す図、図12(b)は、波長193.4nmの光が得られる波長変換器の構成の一例(その4)を示す図である。
【図13】波長193.4nmの光が得られる波長変換器の構成の一例(その5)を示す図である。
【図14】波長248nmの光が得られる波長変換器の構成の一例を示す図である。
【図15】波長157.6nmの光が得られる波長変換器の構成の一例を示す図である。
【図16】イッテルビウム・ドープ・ファイバ光増幅器から出力された光を基本波とし、波長157.6nmの光が得られる波長変換器の構成の一例を示す図である。
【図17】波長365nmの光が得られる波長変換器の構成の一例を示す図である。
【図18】エルビウム・ドープ・ファイバ光増幅器から出力された光を基本波とし、波長193.4nmの光が得られる波長変換器の構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
10…露光装置、16…光源装置、16’…光源装置、161…光増幅器、161…光増幅器、191…光増幅器、163・・・波長変換器、183A…非線形光学結晶、183B…非線形光学結晶、183C…非線形光学結晶、183D…非線形光学結晶、183E…非線形光学結晶、183F…非線形光学結晶、183’…QPM素子。

Claims (26)

  1. 所定波長の光を発生させる光源装置であって、
    前記所定波長とは異なる波長の光を出力する複数の光出力装置と;
    前記複数の光出力装置のうちの異なる光出力装置各々から出力された光を基本波とする2つの光を入射光とする波長変換を含む複数段階の波長変換により前記所定波長の光を発生させる波長変換器と;を備える光源装置。
  2. 前記複数の光出力装置は、同一波長の光を出力する複数の装置を含むことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  3. 前記複数の光出力装置のうちの少なくとも1つの装置は、第1波長の光を出力する第1装置であり、前記複数の光出力装置のうちの少なくとも1つの装置は、前記第1波長の光とは異なる第2波長の光を出力する第2装置であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光源装置。
  4. 前記波長変換器における波長変換は、
    前記第1装置から出力された第1波長の光のm倍波(mは自然数)と前記第2装置から出力された第2波長の光のn倍波(nは自然数)とを入射し、前記m倍波及び前記n倍波の和周波を発生させる波長変換を含むことを特徴とする請求項3に記載の光源装置。
  5. 前記複数の光出力装置のうちの少なくとも1つの装置は、光ファイバ増幅器であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光源装置。
  6. 前記複数の光出力装置のうちの少なくとも1つの装置は、エルビウム・ドープ・ファイバ増幅器であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光源装置。
  7. 前記複数の光出力装置のうちの少なくとも1つの装置は、イッテルビウム・ドープ・ファイバ増幅器であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の光源装置。
  8. 前記イッテルビウム・ドープ・ファイバ増幅器に入力される光の波長は1060nmより大きいことを特徴とする請求項7に記載の光源装置。
  9. 前記第1装置は、イッテルビウム・ドープ・ファイバ増幅器であり、前記第2装置は、エルビウム・ドープ・ファイバ増幅器であることを特徴とする請求項3〜8のいずれか一項に記載の光源装置。
  10. 前記波長変換器は、KrFエキシマレーザの発振波長と略同一波長である248nm近傍の波長の光を発生させることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の光源装置。
  11. 前記波長変換器は、ArFエキシマレーザの発振波長と略同一波長である193nm近傍の波長の光を発生させることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の光源装置。
  12. 前記波長変換器は、Fレーザの発振波長と略同一波長である157nm近傍の波長の光を発生させることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の光源装置。
  13. 前記第1装置は、イッテルビウム・ドープ・ファイバ増幅器であり、前記第2装置は、ツリウム・ドープ・ファイバ増幅器及びホロミウム・ドープ・ファイバ増幅器の少なくとも一方であり、
    前記波長変換器は、ArFエキシマレーザの発振波長と略同一波長である193nm近傍の波長の光を発生させることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の光源装置。
  14. 所定波長の光を発生させる光源装置であって、
    1099nm近傍の波長の光を増幅して基本波として出力するイッテルビウム・ドープ・ファイバ増幅器と;
    前記基本波をその7倍波に変換し、Fレーザの発振波長と略同一波長である157nm近傍の波長の光を発生させる波長変換器と;を備える光源装置。
  15. 所定波長の光を発生させる光源装置であって、
    1095nm近傍の波長の光を増幅して基本波として出力するイッテルビウム・ドープ・ファイバ増幅器と;
    前記基本波をその3倍波に変換し、i線の波長と略同一波長である365nm近傍の波長の光を発生させる波長変換器と;を備える光源装置。
  16. 所定波長の光を発生させる光源装置であって、
    1547nm近傍の波長の光を基本波として出力する少なくとも1つの光出力装置と;
    前記基本波とその6倍波との和周波である221nm近傍の波長の光を発生させる非線形光学素子としてCsB結晶が用いられている波長変換器と;を備える光源装置。
  17. 前記波長変換器は、
    複数の非線形光学素子を用いて波長変換を実行することを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の光源装置。
  18. 前記複数の非線形光学素子のうち、少なくとも1つの非線形光学素子は、NHPO結晶であることを特徴とする請求項17に記載の光源装置。
  19. 前記複数の非線形光学素子のうち、少なくとも1つの非線形光学素子は、擬似位相整合結晶であることを特徴とする請求項17又は18に記載の光源装置。
  20. 前記擬似位相整合結晶としてKTiOPO結晶とLiNbO結晶との少なくとも一方が用いられることを特徴とする請求項19に記載の光源装置。
  21. 前記擬似位相整合結晶として、BaMgF結晶が用いられていることを特徴とする請求項19又は20に記載の光源装置。
  22. 前記BaMgF結晶は、前記基本波と前記基本波のm倍波(mは自然数)との和周波を発生させることを特徴とする請求項21に記載の光源装置。
  23. 前記各光出力装置のうちの少なくとも一部の装置と、前記波長変換器との間には、その装置から前記波長変換器へ入力される光の進行を所定時間遅延させる遅延装置が挿入されていることを特徴とする請求項1〜22のいずれか一項に記載の光源装置。
  24. 前記所定波長が90nm以上800nm以下であることを特徴とする請求項1〜9、17〜23のいずれか一項に記載の光源装置。
  25. 対象物に光を照射する光照射装置であって、
    請求項1〜24のいずれか一項に記載の光源装置と;
    前記光源装置から射出された光を前記対象物に向けて射出する照射光学系と;を備える光照射装置。
  26. 前記対象物は、感光体であることを特徴とする請求項25に記載の光照射装置。
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