JP2003339869A - 麻酔装置 - Google Patents

麻酔装置

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JP2003339869A
JP2003339869A JP2002154015A JP2002154015A JP2003339869A JP 2003339869 A JP2003339869 A JP 2003339869A JP 2002154015 A JP2002154015 A JP 2002154015A JP 2002154015 A JP2002154015 A JP 2002154015A JP 2003339869 A JP2003339869 A JP 2003339869A
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patient
anesthesia
unit
gas
screen
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Application number
JP2002154015A
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English (en)
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Tomohiro Narisawa
朋広 成沢
Masahiro Kihara
正博 木原
Masato Aoki
正人 青木
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Senko Medical Instrument Manufacturing Co Ltd
Japan Science and Technology Agency
Original Assignee
Senko Medical Instrument Manufacturing Co Ltd
Japan Science and Technology Corp
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  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 患者の取り違えミスを防止する機能を備えた
麻酔装置の提供。 【解決手段】 酸素ガスと、笑気ガスと空気の少なくと
も一方と、揮発性麻酔剤を混合して新鮮ガスとして供給
する麻酔器本体と、該麻酔器本体から供給される新鮮ガ
スを、患者の呼気から炭酸ガスを吸収除去した後の循環
気に混入し、該循環気と前記新鮮ガスとを混合し吸気と
して患者に送る麻酔循環回路とを備え、該麻酔循環回路
から麻酔ガスを含んだ吸気を患者に送り該患者に麻酔を
施す麻酔装置において、個人識別可能パターンの計測手
段を用いて予め計測された患者の個人識別可能パターン
(P1)と、麻酔を施す直前の患者で計測した個人識別
可能パターン(P2)とを比較し、患者の同定を行う患
者情報ユニット62と、その内容を表示する表示部59
とを有する麻酔装置50。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、麻酔を安全に実施
し得る麻酔装置に関し、さらに詳細には、麻酔装置の運
転状態、患者の状態、装置の点検、エラー表示などの必
要な項目を分かり易く表示する機能と、麻酔を施して手
術する患者の取り違えミスを防止する機能とを備えた麻
酔装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、麻酔中の患者の各呼吸毎の
酸素摂取量、炭酸ガス排出量を演算するとともに、麻酔
剤出納バランスを演算し、それらの演算値を表示部に患
者の代謝の状態としてリアルタイムで表示することによ
って低流量麻酔を容易に実施することができる麻酔装置
を開発し、既に特許出願している(特開2001−95
921号公報参照)。図15は、上記特開2001−9
5921号公報に記載された麻酔装置を示す図である。
この従来の麻酔装置1は、酸素ガスと、笑気ガスと空気
の少なくとも一方と、揮発性麻酔剤を混合して供給する
麻酔器本体2と、該麻酔器本体2から供給される、酸素
ガスと、笑気ガスと空気の少なくとも一方と、揮発性麻
酔剤を含んだ新鮮ガスを、患者Aの呼気に混入し、該循
環気と前記新鮮ガスとを混合して吸気として患者Aに送
る麻酔循環回路3に大きく分けられる。麻酔器本体2
は、笑気ガスを含む麻酔ガスを供給するガス供給部10
と、ガス供給部10から供給される麻酔ガスの流量を測
定する流量計11と、前記麻酔ガス中に揮発性麻酔剤を
気化した状態で供給する気化器12とを備える。
【0003】前記ガス供給部10は外部から供給される
酸素ガス、笑気ガス、空気の圧力調整を行うとともに、
そのときの圧力を表示するものである。前記気化器12
は、揮発性麻酔剤である、ハロタン、エンフルラン、イ
ソフルラン、セボフルラン、及びデスフルラン等を、所
定の濃度となるように微量注入ポンプにて気化室に送
り、ここで気化した揮発性麻酔剤を、前記ガス供給部1
0から送られてくる麻酔ガスと混合させるものである。
麻酔器本体2には圧力センサ13、演算部14、及び表
示部15が設けられている。麻酔循環回路3は、麻酔器
本体2から供給される、揮発性麻酔剤を含んだ新鮮ガス
(麻酔ガス)を患者Aの呼気から炭酸ガスを吸収除去し
た後の循環気に混入し、該混入気と前記新鮮ガスとを混
合したものを吸気として患者Aに送るものである。麻酔
循環回路3は、患者Aへ供給する吸気が流れ込む吸気流
路21と、患者Aからの呼気が流れ込む呼気流路22
と、それら吸気流路21及び呼気流路22と患者Aを接
続する呼吸回路23からなる。呼吸回路23は、同軸状
の二重管構造のものを使用し得る。前記吸気流路21に
は、吸気弁25及びミキシングチャンバー26が患者A
に遠い方から患者Aに近付く方へ順に設けられ、吸気流
路21の患者A側と接続される側の反対側の端部は、前
記麻酔器本体2から麻酔ガスを供給される流路2aと合
流するとともに前記呼気流路22の端部に接続される。
吸気弁25は、炭酸ガス吸収キャニスター32からミキ
シングチャンバー26側へのガスの流れは許容するもの
のその逆の流れは規制するものである。前記呼気流路2
2には、ミキシングチャンバー28、呼気弁29、リリ
ーフ弁30、バッグ31及び炭酸ガス吸収キャニスター
32が、及び麻酔剤吸収キャニスター33が患者Aから
離れる方向へ順に設けられていて、炭酸ガス吸収キャニ
スター32には麻酔剤吸収キャニスター33が並設され
ている。呼気弁29は、ミキシングチャンバー28から
バッグ31側へのガスの流れは許容するもののその逆の
流れは規制するものである。リリーフ弁30は、呼気流
路22の圧力が所定圧以上になるときに、流路22内の
圧力を開放しそれ以上圧力が上がるのを規制するもので
ある。バッグ31は患者Aへ吸気を送り込むための圧排
可能な袋状のものであり、患者Aへ送る吸気の供給量に
応じて種々の大きさのものが用意されていて適宜交換可
能となっている。炭酸ガス吸収キャニスター32は、患
者Aの呼気から炭酸ガスを吸収除去するものであり、内
部には、ソーダライムなどの炭酸ガス吸収剤が充填され
ている。バッグ31の呼気流路22との接続部分には3
方弁35が設けられ、この3方弁35によって、呼気流
路22をバッグ31と人工呼吸器36の何れかに切換接
続できるようになっている。人工呼吸器36は、容量を
制御対象とした容量リミット式と、圧力を制御対象とし
た圧力リミット式の何れも選択できるようになってい
る。また、人工呼吸器36には、余剰ガスを排出するた
めの排出口(図示せず)が設けられている。呼吸回路2
3には、流量センサ37が設けられている。流量センサ
37は、呼気流路及び吸気流路の流速を測定するもので
あり、その検出値を基に換気量が決定される。吸気側及
び呼気側ミキシングチャンバー26、28には、酸素セ
ンサ41a、41b、炭酸ガスセンサ42a、42b、
麻酔ガスセンサ43a、43bがそれぞれ設けられてい
る。これら各センサは、前記麻酔器本体に設けられた演
算部14に電気的に接続されている。演算部14では、
これらセンサからの検出値並びに流量センサからの検出
値を基に、麻酔中の患者Aの各呼吸毎の酸素摂取量、炭
酸ガス排出量を演算するとともに、麻酔ガスセンサ43
a、43bの検出値及び流量センサからの検出値を基
に、麻酔ガス出納バランスを演算する。そして、それら
の演算値は、演算部14に接続されている表示部15に
よって表示されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の麻酔装置にあっては、麻酔を行う立ち上がりに
おいて、患者情報を入力または修正する必要があるが、
手術前の忙しい時期にこのような入力作業を行うのは困
難であり、好ましくない。
【0005】また従来、麻酔装置に入力する患者情報
は、患者名、患者番号、年齢、性別、身長、体重、病名
等に限られていたが、麻酔中にはその他にも、その患者
の術前検査の異常点や喫煙等の生活習慣、アレルギーの
有無、感染症の有無等の情報を確認したい場合があり、
それらの資料を手術室に持ち込んでおくか、あるいは必
要に応じて問い合わせなければならなかった。
【0006】さらに、病院で実際に患者を取り違えてし
まい、別の患者に手術をしてしまうという医療事故が発
生しており、患者を病室から手術室に移動して引き渡し
をする際の口頭確認や、身体的特徴を照合したり、四肢
にネームバンドをつけたり、足底に油性サインペン等で
患者の氏名を記載するなどの面倒な対策がとられてい
る。しかしながら、口頭確認やネームバンドを採用した
場合でも、人間による確認であるため患者取り違え事故
を完全に無くすことは不可能である。
【0007】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、患者の取り違えミスを防止する機能を備えた麻酔装
置の提供を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、酸素ガスと、笑気ガスと空気の少なくと
も一方と、揮発性麻酔剤を混合して新鮮ガスとして供給
する麻酔器本体と、該麻酔器本体から供給される新鮮ガ
スを、患者の呼気から炭酸ガスを吸収除去した後の循環
気に混入し、該循環気と前記新鮮ガスとを混合し吸気と
して患者に送る麻酔循環回路とを備え、該麻酔循環回路
から麻酔ガスを含んだ吸気を患者に送り該患者に麻酔を
施す麻酔装置において、個人識別可能パターンの計測手
段を用いて予め計測された患者の個人識別可能パターン
(P1)と、麻酔を施す直前の患者で計測した個人識別
可能パターン(P2)とを比較し、患者の同定を行う患
者情報ユニットと、その内容を表示する表示部とを有す
ることを特徴とする麻酔装置を提供する。また本発明
は、酸素ガスと、笑気ガスと空気の少なくとも一方と、
揮発性麻酔剤を混合して新鮮ガスとして供給する麻酔器
本体と、該麻酔器本体から供給される新鮮ガスを、患者
の呼気から炭酸ガスを吸収除去した後の循環気に混入
し、該循環気と前記新鮮ガスとを混合し吸気として患者
に送る麻酔循環回路とを備え、該麻酔循環回路から麻酔
ガスを含んだ吸気を患者に送り該患者に麻酔を施す麻酔
装置において、現在の時刻から一定時間経過後の摂取麻
酔薬量を予測する患者シミュレータユニットを有するデ
ータマスターユニットと、該データマスターユニットか
らのデータを表示する表示部と、個人識別可能パターン
の計測手段を用いて予め計測された患者の個人識別可能
パターン(P1)と、麻酔を施す直前の患者で計測した
個人識別可能パターン(P2)とを比較し、患者の同定
を行う患者情報ユニットとを有することを特徴とする麻
酔装置を提供する。本発明において、前記患者の個人識
別可能パターンが指紋、声紋、眼内血管パターン、掌紋
等からなる群から選択されることが好ましい。また、前
記P1とP2が一致しない限り実質的に動作しないよう
に構成することが好ましい。さらに、前記P1を麻酔装
置に入力する際に、患者の氏名、年齢、性別、患者番
号、身長、体重、病名、術前検査の異常点、喫煙等の生
活習慣、アレルギーの有無、感染症の有無等の患者情報
を同時に入力し、前記表示部に表示する構成が好まし
い。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を参照して説
明する。図1は、本発明に係る麻酔装置の一実施形態を
示す図である。本実施形態による麻酔装置50は、ガス
デリバリーユニット51と、人工呼吸器ユニット52
と、代謝モニタユニット53と、患者シミュレータユニ
ット54と、温湿度モニタユニット55と、パルスオキ
シメータユニット56と、ガス濃度センサユニット57
と、これらの各ユニットからの情報を入力し、処理して
ガスデリバリーユニット51、人工呼吸器ユニット5
2、代謝モニタユニット53および患者シミュレータユ
ニット54に麻酔装置50の運転に必要な指令を送ると
ともに、表示部59に各種データを表示する画像信号お
よび必要に応じて表示部59から音声を発生させる音声
信号を送るデータマスターユニット58と、該データマ
スターユニット58からの画像信号をスクリーンに表示
するディスプレイと音声信号を音声に換えるスピーカー
を内蔵する表示部59と、データマスターユニット58
に接続して設けられた外部コネクター60と、表示部5
9と接続され患者の様子を撮影可能に設けられた患者監
視カメラ61と、個人識別可能パターンの計測手段を用
いて予め計測した患者の個人識別可能パターン(P1)
と、麻酔を施す直前の患者で計測した個人識別可能パタ
ーン(P2)とを比較し、患者の同定を行う患者情報ユ
ニット62とを有した構成になっている。
【0010】前記ガスデリバリーユニット51は、麻酔
装置のガスデリバリー部分と、その作動状態を制御する
制御部とからなっている。このガスデリバリー部分は、
従来の各種のタイプの麻酔装置、すなわち半閉鎖麻酔
(高流量麻酔)用、低流量麻酔用の麻酔装置のガス供給
部分のいずれを適用させることができるが、好ましく
は、図15に示したような低流量麻酔装置のガス供給部
分が適用される。図15に示す麻酔装置のガス供給部分
は、酸素ガスと、笑気ガスと空気の少なくとも一方と、
揮発性麻酔剤を混合して供給する麻酔器本体2と、該麻
酔器本体2から供給される、酸素ガスと、笑気ガスと空
気の少なくとも一方と、揮発性麻酔剤を含んだ新鮮ガス
を、患者Aの呼気に混入し、該循環気と前記新鮮ガスと
を混合して吸気として患者Aに送る麻酔循環回路3に大
きく分けられる。麻酔器本体2は、笑気ガスを含む麻酔
ガスを供給するガス供給部10と、ガス供給部10から
供給される麻酔ガスの流量を測定する流量計11と、前
記麻酔ガス中に揮発性麻酔剤を気化した状態で供給する
気化器12とを備える。また低流量麻酔装置としては、
図15に示した麻酔装置1のみならず、同様の機能を有
している従来周知の別の麻酔装置のガス供給部分を適用
することもできるし、図15に示した麻酔装置1に種々
の変更を施した麻酔装置のガス供給部分を適用すること
もできる。
【0011】このガスデリバリーユニット51の制御部
は、演算部と記憶部等からなり、データマスターユニッ
ト58と別個に設けることもできるし、データマスター
ユニット58と一体とすることもできる。後者の場合、
制御部による麻酔装置のガスデリバリー部分の制御は、
データマスターユニット58の記憶部に収納された実行
ソフトにより作動させることができる。この制御は、例
えば、ガスデリバリーユニット51への酸素、笑気、空
気などの各種ガスの供給圧力と供給量、麻酔器本体から
のガスの供給圧力と供給量、麻酔循環回路内のガスの圧
力と量、呼吸回路内のガスの量と圧力は、各所に設けた
圧力センサから送られたガス圧力データが制御部に連続
的に又は定期的に送られ、制御部は、これらのデータを
必要に応じて表示部59に表示すると共に、予め記憶さ
せておいた適正値とこれらのデータを比較し、各所での
ガスデリバリーが最適となるようにユニット内の各所に
配した流量調節弁、開閉弁、リリーフ弁などのガスデリ
バリー制御手段を適宜作動させることによって、最適な
運転を維持することができるように構成できる。また異
常発生時には、表示部59を介して警報を発するととも
に、いずれの箇所の異常か、および復帰のための対策等
を表示部59に表示するように構成できる。さらに自動
運転、バッグを用いた手動運転等の運転モードの切替
も、制御部に使用者が運転モード切替を指示すること
で、制御部に予め記憶させておいた運転モード変更手順
に従って、前記ガスデリバリー制御手段を切り替えて、
運転モード切替を迅速に行うことができる。
【0012】前記人工呼吸器ユニット52は、従来より
周知の各種タイプの人工呼吸器と、その駆動を制御する
制御部とからなっている。この人工呼吸器としては、容
量を制御対象とした容量リミット式と、圧力を制御対象
とした圧力リミット式のいずれも適用可能である。この
人工呼吸器ユニット52の制御部は、演算部と記憶部等
からなり、データマスターユニット58と別個に設ける
こともできるし、データマスターユニット58と一体と
することもできる。後者の場合、制御部による人工呼吸
器の制御は、データマスターユニット58の記憶部に収
納された実行ソフトにより作動させることができる。制
御部は人工呼吸器の作動状態を表示部59に表示すると
ともに、人工呼吸器の作動を制御する。上述した通り、
データマスターユニット58には、ガスデリバリーユニ
ット51の呼吸回路等の各所に設けられた圧力センサや
流量計からのデータが入力されており、制御部でこれら
のデータを予め記憶させておいた適正値と比較し、各所
のガス圧や流量が適正値となるように人工呼吸器の作動
を制御できるように構成できる。また、上述した運転モ
ード切替に応じて、人工呼吸器の作動切替も実行され
る。
【0013】前記代謝モニタユニット53は、麻酔循環
回路内の各ガス濃度を検出するセンサ部と、患者の酸素
摂取量、炭酸ガス排出量、麻酔剤収納バランスを演算
し、そのデータをデータマスターユニット58に送ると
ともに、表示部59に表示する処理部とからなるもので
ある。処理部は、演算部と記憶部等からなり、データマ
スターユニット58と別個に設けることもできるし、デ
ータマスターユニット58と一体とすることもできる。
代謝モニタユニット53は、データマスターユニット5
8の記憶部に収納された実行ソフトにより作動させるこ
とができる。この代謝モニタユニット53は、例えば図
15に示す麻酔装置内において、呼気流路22および吸
気流路21中のミキシングチャンバー26,28にそれ
ぞれ設けた酸素センサ41a,41b、炭酸ガスセンサ
42a,42b、並びに、呼気流路と吸気流路の少なく
とも一方に設けた流量センサ37の検出値から、データ
マスターユニット58内の演算部で、あるいは別途設け
た演算部にて、患者の各呼吸毎の酸素摂取量、炭酸ガス
排出量を演算するとともに、ミキシングチャンバー2
6,28にそれぞれ設けた麻酔ガスセンサ43a,43
bおよび流量センサ37の検出値から麻酔剤出納バラン
スを演算し、それらの演算値を表示部59に患者の代謝
の状態として連続的に又は定期的に表示する機構を採用
することができる。
【0014】前記患者シミュレータユニット54は、デ
ータマスターユニット58に入力され、記憶部に蓄積さ
れる各種データをもとに、現在の時刻から一定時間経過
後の患者の体内コンパートメントにおける摂取麻酔薬量
を予測する機能を有しており、さらに患者の覚醒時期を
予測する機能を付与することもできる。これらのシミュ
レーションデータは、表示部59に連続的に又は定期的
に表示される。この患者シミュレータユニット54は、
データマスターユニット58の記憶部に収納された実行
ソフトにより作動させることができる。
【0015】この患者シミュレータユニット54によれ
ば、患者情報(体重、身長、年齢、性別)、麻酔薬濃度
設定、人工呼吸器の運転条件より、麻酔開始直後から目
標とする麻酔薬濃度(患者が摂取した麻酔薬量)を予測
することができる。そのため、過剰投与による事故を未
然に防げる他、効率良い投与が可能になるため、手術前
の麻酔準備の時間短縮を図ることができる。また手術中
の麻酔維持も予測できる。手術中、患者の代謝状態によ
り人工呼吸器の運転条件を変更することがある。その
際、麻酔薬濃度も変更することが多いが、シミュレーシ
ョンにより適切な濃度の予測が可能である。一方、逆に
麻酔薬濃度も変更することがあり、設定されている人工
呼吸器の運転条件を継続した場合、変更した場合の体内
麻酔薬濃度の予測が可能である。この患者シミュレータ
ユニット54において患者の体内の麻酔薬濃度を予測し
て該患者の覚醒予測をさらに実行する場合、覚醒する時
間は患者間で異なるが、年齢、性別、身長、体重を入力
することで、覚醒を予測できる。上述したシミュレーシ
ョンおよび覚醒予測によって麻酔導入、患者状態の維
持、覚醒を容易に行えるため、患者状態を監視する麻酔
科医の負担が軽減される。
【0016】前記温湿度モニタユニット55は、患者の
吸気の温度と湿度の少なくとも一方、好ましくは両方を
測定し、データマスターユニット58に送り、表示部5
9でこれらのデータを表示するものである。この温湿度
モニタユニット55は、患者の吸気の温度と湿度を測定
可能な、例えば呼吸回路に設けられた温度センサと湿度
センサとからなるセンサ部と、これらのセンサからのデ
ータを理解し易いような画像信号に変換し、データマス
ターユニット58を介して表示部59で表示する処理部
とからなる。この温湿度モニタユニット55の処理部
は、データマスターユニット58の記憶部に収納された
実行ソフトにより作動させることができる。
【0017】前記パルスオキシメータユニット56は、
患者の血液中の酸素飽和度と脈拍の少なくとも一方、好
ましくは両方を測定し、データマスターユニット58に
送り、表示部59でこれらのデータを表示するものであ
る。このパルスオキシメータユニット56は、例えば患
者の指に装着して患者の血液中の酸素飽和度と脈拍を測
定可能なセンサ部と、これらのセンサからのデータを理
解し易いような画像信号に変換し、表示部59で表示す
る処理部とからなる。このパルスオキシメータユニット
56の処理部は、データマスターユニット58と一体に
構成することができ、データマスターユニット58の記
憶部に収納された実行ソフトにより作動させることがで
きる。
【0018】前記ガス濃度センサユニット57は、上述
した麻酔装置のガスデリバリー部分の配管中のガス濃度
(酸素、笑気、麻酔剤等の濃度)、ガス流量を測定し、
データマスターユニット58に送り、表示部59でこれ
らのデータを表示するものである。このガス濃度センサ
ユニット57は、ガスデリバリー部分の配管中のガス濃
度、ガス流量を測定可能なセンサ部と、これらのセンサ
からのデータを理解し易いような画像信号に変換し、表
示部59で表示する処理部とからなる。このガス濃度セ
ンサユニット57の処理部は、データマスターユニット
58と一体に構成することができ、データマスターユニ
ット58の記憶部に収納された実行ソフトにより作動さ
せることができる。
【0019】前記データマスターユニット58は、マイ
クロプロセッサ、CPUまたはMPUなどの演算部と記
憶部等からなる。このデータマスターユニット58は、
上述した各ユニットの制御部や処理部、すなわちガスデ
リバリーユニット51の制御部、人工呼吸器ユニット5
2の制御部、代謝モニタユニット53の処理部、患者シ
ミュレータユニット54、温湿度モニタユニット55の
処理部、パルスオキシメータユニット56の処理部、ガ
ス濃度センサユニット57の処理部、および患者情報ユ
ニット62の処理部の少なくとも1つと一体に構成する
こともできるし、これらの各ユニットとは別個に構成す
ることもできる。例えば、各ユニット51〜57及び6
2の作動(オペレーション)をデータマスターユニット
58の記憶部に記憶させた各種実行ソフトによって、デ
ータマスターユニット58の演算部を駆動させることに
よって実行することができる。
【0020】データマスターユニット58は、麻酔装置
50の運転に際しては、予め記憶された手順に従って、
各ユニット51〜57および62を上述したように作動
させるとともに、選択したデータを表示部59で表示す
る。
【0021】またデータマスターユニット58は、定期
的に予め記憶された点検項目について、麻酔装置50の
各部の状態を検出し、予め記憶しておいた正常状態と比
較し、異常がある場合には表示部59に異常表示画面を
映し出す定期点検機能を有し得る。この定期点検機能を
設けることによって、点検者はマニュアル等を参照する
ことなく、表示部の画面で異常箇所の有無、交換が必要
な部品、異常発見時の対応を行うことができ、定期点検
の手間を格段に低減することができる。定期点検の結果
は、点検日時とともに自動的に記憶部に(または外部コ
ネクター60を介して外部のコンピュータのメモリに)
記憶される。これによりチェック漏れなどのミスが防止
できる。点検日時が記憶されるため、前回の点検から一
定時間経過すると、装置使用中に点検を促すメッセージ
が表示されるようにすることも可能である。またこの定
期点検機能は、寿命の近づいた消耗品のリストを表示す
る機能をも有し得る。寿命の近づいた消耗品のリストを
表示することによって、定期点検をより確実に行うこと
ができ、麻酔装置の安全性を一層向上することができ
る。この定期点検機能は、対話式の表示画面を用いて行
われる構成とし得る。対話式の表示画面を用いて定期点
検することにより、点検操作が確実かつ容易に実行でき
るようになる。
【0022】さらにデータマスターユニット58は、麻
酔装置50のエラー発生時にエラー箇所を検出し、その
エラーの名称の他に、エラー内容、解決および対策の少
なくとも1つを表示部59に表示するエラー表示機能を
有し得る。このエラー表示機能を設けたことによって、
エラー発生時にエラーの名称の他、エラー内容、解決・
対策も表示されるため、マニュアルを参照することなく
迅速な対応が可能であり、麻酔装置の利便性、安全性が
一層向上する。このエラー表示機能は、麻酔装置に複数
のエラーが検出された場合に、予め記憶されたエラー重
要度に従って重要度の高いエラーから順に積層表示する
機能を有し得る。この積層表示機能を設けることによっ
て、複数のエラー発生時に効率よくリカバーすることが
でき、迅速な対応が可能となるとともに、重要度の高い
順にエラーをリカバーしていくことができるので、安全
性を一層向上させることができる。
【0023】前記表示部59は、データマスターユニッ
ト58から送られる画像信号をスクリーンに表示するデ
ィスプレイと、データマスターユニット58から送られ
る音声信号を音声に変換するスピーカー等を備えて構成
されている。さらに好ましくは、このディスプレイは、
使用者が画面の指示に従って指やペンで画面特定領域に
接触することによって入力可能な画面接触入力方式のデ
ィスプレイが用いられる。この画面接触入力方式のディ
スプレイを採用することにより、使用者が指やペンで表
示部に触れて入力し、運転切替やエラー発生時の対応を
行うことができ、麻酔装置の利便性、安全性が一層向上
する。またキーボードなどの外部入力手段が不要にな
り、データマスターユニットと表示部の設置スペースが
小型化できるとともに、その外部入力手段がチューブ等
に引っ掛かったり邪魔になることがない。
【0024】また表示部59は、患者監視カメラ61か
らの画像信号を表示可能なものが好ましい。この表示部
59としては、各種の市販品の中から適宜選択して使用
することができる。表示部59として好適な市販品とし
ては、例えばTFTカラーLCDである発紘電機株式会
社製のMONITOUCH V612T(商品名)など
が挙げられる。
【0025】データマスターユニット58に接続された
外部コネクター60は、データマスターユニット58と
外部の各種機器、例えばコンピュータ、集中管理用のホ
ストコンピュータ、RAN用接続機器、ターミナルアダ
プタ、プリンター、各種記憶媒体などと接続するために
必要なコネクターを選択して取り付けることができる。
この外部コネクターを設けることによって、外部のコン
ピュータ、記憶媒体等の機器と麻酔装置を接続すること
ができ、データの保存、メモリカードを用いたデータ取
り出し、遠隔操作や外部から手術室への指示、複数台の
麻酔装置の一括監視・管理などの応用が可能となる。
【0026】前記患者監視カメラ61は、患者の様子を
連続的に又は定期的に撮影し、その画像信号(必要であ
れば音声信号も)を表示部59に送り、表示部59で患
者の様子を表示できるものであればよく、例えばビデオ
カメラ、CCDカメラ、デジタルカメラなどを用いるこ
とができる。この患者監視カメラ61を設けることによ
って、患者の状態や手術の経過情報を麻酔装置の表示部
で他の情報(数値、波形データ)と併せて観察可能にな
る。また手術台などに取り付けたカメラにより、尿カテ
ーテルから尿ボトルに滴下する患者の尿の状態(量、
色)を麻酔装置の表示部で他の情報(数値、波形デー
タ)と併せて観察可能になる。その結果、麻酔装置の利
便性、安全性が一層向上する。
【0027】前記患者情報ユニット62は、個人識別可
能パターンの計測手段から送られるデータを、データマ
スターユニット58に送り、記憶するとともに、この個
人識別可能パターン(P1)と、麻酔を施す直前の患者
で計測した個人識別可能パターン(P2)とを比較し、
患者の同定を行うことが可能であればよく、使用する個
人識別可能パターン、計測手段およびその処理ソフト等
は適宜選択できる。患者識別可能パターンは、例えば、
指紋、声紋、眼内血管パターン、および掌紋の群から選
択される少なくとも1つとすることができ、好ましくは
指紋とされる。なお、指紋を計測不可能な患者に対して
は、眼内血管パターンなどの別の個人識別可能パターン
を切り替え使用できる構成とするのが好ましい。以下の
説明は、個人識別可能パターンP1,P2として指紋を
用いる場合について記す。
【0028】患者識別可能パターンとして指紋を用いる
場合、その計測手段(以下、指紋読取装置と記す)とし
ては、患者の指紋を読み取って、データ(例えばデジタ
ルデータ)を麻酔装置50のデータマスターユニット5
8に送るか、またはデータをICカード、フレキシブル
ディスクなどの磁気記憶媒体や光記憶媒体に書き込むこ
とができればよく、例えば市販品として、オムロン社
製、指紋認識モジュールFPP3700(商品名)など
を使用できる。指紋読取装置で読み取った指紋データ
は、有線または無線で麻酔装置50のデータマスターユ
ニット58に送信できる。また読み取った指紋データを
磁気記憶媒体や光記憶媒体(以下、記憶媒体と記す)に
書き込む場合、患者情報ユニット62は、記憶媒体読み
取り手段(例えばカードリーダ等)を備えた構成とされ
る。
【0029】記憶媒体には、患者の指紋データととも
に、患者の氏名、年齢、性別、患者番号、身長、体重、
病名、術前検査の異常点、喫煙等の生活習慣、アレルギ
ーの有無、感染症の有無等の患者情報が入力可能であ
り、前記記憶媒体読み取り手段に記憶媒体をセットし、
データマスターユニット58に記録データを読み込む際
に、患者の指紋データと、前記患者情報とを同時に送
り、かつ必要に応じて患者情報を表示部59に切り替え
表示できるように構成することが望ましい。
【0030】この患者情報ユニット62には、麻酔を施
す直前の患者について指紋データ(個人識別可能パター
ンP2)をその場で、例えば手術室内で読み取るための
指紋読取装置を備えていることが望ましい。なお、この
指紋読取装置は、通常有線で麻酔装置50に接続された
構成とされるが、これに限定されることなく、例えば赤
外線を含む無線通信によって麻酔装置50とデータ通信
できるものであれば、麻酔装置50と無接続の別体とし
て構成することもできる。
【0031】この患者情報ユニット62自体、またはデ
ータマスターユニット58内には、予め入力しておいた
指紋データ(個人識別可能パターンP1)と、手術室内
に搬送されてきた患者から直に読み取った指紋データ
(個人識別可能パターンP2)とを比較し、これらP1
とP2が一致するかどうか同定し、その結果を表示部5
9に表示する機能が設けられている。この機能は患者情
報ユニット62自体、またはデータマスターユニット5
8内の記憶に予め記憶させておいたデータ処理ソフトな
どによって作動させることができ、該ソフトはP1とP
2が一致するかどうか同定し、その結果を表示部59に
表示する機能を有していればよく、表示画面の構成等は
特に限定されない。この麻酔装置50は、患者情報ユニ
ット62を設けたことによって、手術を施す患者を手術
室に搬送し、麻酔を施す直前に指紋(個人識別可能パタ
ーンP2)を計測し、これを予め計測しておいた指紋
(個人識別可能パターンP1)と比較して同定し、その
患者が手術を施すべき個人かどうかを直接調べることが
でき、患者の取り違えミスを防ぐことができる。
【0032】本発明の更に好ましい形態において、本患
者情報ユニット62またはデータマスターユニット58
内に搭載した前記ソフトは、手術直前の患者から直に読
み取った指紋(個人識別可能パターンP2)が、予め入
力しておいた指紋データ(個人識別可能パターンP1)
と一致する場合には、麻酔装置50が正常に起動する
が、万一両方の指紋が一致しなかった場合には麻酔装置
50を停止させるか、あるいは少なくとも麻酔装置50
の主要な部分を停止させ、患者に麻酔をすることができ
なくなる安全機能を有することが望ましい。このような
安全機能を付与することで、麻酔装置50の安全性を一
層向上させることができる。
【0033】図2は、指紋データとともに患者情報ユニ
ット62を経てデータマスターユニット58に入力、記
憶され、必要に応じて表示部59に表示される患者情報
の一例を示すものである。図2に示したように、この患
者情報としては、患者氏名、病院等で任意に付した患者
番号、年齢、性別、身長、体重、病名等の一般的な患者
情報、患者の病歴や前検査の際の異常点(循環系異常、
呼吸系異常、その他異常)、アレルギー、麻酔歴、感染
症、生活習慣およびASAリスク分類などを記載でき
る。このASAリスク分類とは、1961年にアメリカ
麻酔学会が作成した術前状態分類であり、我が国でも麻
酔記録表に殆どの施設が記入欄を作って利用している。
この他に肥満度、New York Heart Association(NYH
A)の心機能から見た分類、呼吸機能障害のあらわれと
しての息切れ度、一般手術に対する心機能からみた危険
度、各種機能検査の異常の程度と危険度などが評価の目
安として用いられている。
【0034】この患者情報は手術前の適当な時期、通常
は手術の前日までに麻酔医が患者の病室を訪れ、麻酔の
説明を行うとともに、カルテの検討、麻酔をかける上で
必要な注意点を確認する。この際にノートパソコン等の
入力手段を用い、必要事項を図2の患者情報欄に記入
し、記憶媒体を用いて患者情報を記録しておくことがで
き、この際、患者の指紋データ(P1)を同時に読み込
んでおくことができる。
【0035】患者情報は、例えば次の(1)〜(5)に
従い麻酔装置50に入力される: (1)通常は手術の前日までに麻酔医が患者の病室を訪
れ、麻酔の説明を行うとともに、カルテの検討、麻酔を
かける上で必要な注意点を確認する。この際にノートパ
ソコンあるいはPDAツールを用いて必要事項を入力
し、ICカードなどの磁気記憶媒体や光記憶媒体を用い
て情報を保存する。 (2)指紋読取装置を用いてその患者の指紋データを上
記の記憶媒体等に取り込む。なお(1)と(2)は同時
に実行でき、あるいは(1)と(2)のいずれかを先ま
たは後に行うことができる。 (3)麻酔装置50には、カードリーダ等の記憶媒体読
み取り手段を設け、手術前に、上記の指紋データを含む
患者情報を麻酔装置50内のデータマスターユニット8
に入力する。 (4)手術日に手術台に患者が寝かされたら、もう一
度、指紋読取装置によりその患者の指紋(P2)を読み
取り、データマスターユニット58に保存しておいた患
者の指紋(P1)と一致していることを確認する。両方
の指紋が一致していれば、麻酔装置50は正常に動作す
る。一方、P1とP2が一致しなかった場合、患者取り
違えと判断し、表示部59に警告を表示したり、音声等
で警告する。更に好ましくは、これらの警告に加えて、
麻酔装置50の少なくとも主要部を強制停止させ、麻酔
を実行不可能な状態とする。 (5)指紋が一致し、手術するべき患者であると同定さ
れた場合、通常の手術に移行する。指紋(P1)ととも
に予め入力された患者情報(図2参照)は、麻酔医また
は他の手術スタッフが必要に応じて表示部59に表示さ
れる。
【0036】図3及び図4は、指紋データ(P1)の登
録を含め、手術の前日までに患者情報を記憶媒体に入力
するステップを例示するフロー図である。これらの患者
情報を入力するには、例えば適当なソフトを有するパソ
コンを用いて容易に実行できる。なお、図3及び図4に
示す各ステップは例示にすぎず、項目や順序は適宜変更
可能である。図3及び図4中の例示では、患者名、患者
番号、年齢、性別、身長、体重、病名、手術名などの一
般的な項目を順次入力し、その後、術前検査の以上の有
無を入力する。もし異常がある場合には、その異常を具
体的に入力し、さらに必要に応じて病名等の関連事項を
入力する。例えば、循環系の異常の有無、呼吸系の異常
の有無、それ以外の異常の有無、薬に対するアレルギー
の有無、本人や家族の麻酔に対する過去の異常の有無、
感染症の有無等を入力することが望ましい。更に、患者
情報として、生活習慣(飲酒、喫煙、常用薬)の特徴や
ASAリスク分類を入力することができる。その後、指
紋データを読み込んで登録する。この指紋登録は最後に
限定されない。指紋データ(P1)を読み込むには、指
紋読取装置(例えばオムロン社製、指紋認識モジュール
FPP3700(商品名))をパソコンに接続し、患者
の指紋、好ましくは特定の1又は複数の指の指紋を読み
込んでパソコンに入力する。この指紋データを含め、全
ての患者情報の入力後、これらを患者情報として記憶媒
体に入力する。この記憶媒体としては、パソコンに着脱
自在な磁気記憶媒体や光記録媒体を採用でき、あるいは
パソコンから電話回線等の有線を経て、もしくは赤外通
信を含む無線を用いて病院内のサーバー等の別のコンピ
ュータに入力、保存することもできる。
【0037】図5は、前記のように構成された麻酔装置
50における表示部59の画面構成の一例を説明するた
めのものである。本例示において画面構成は、図5に示
すように、立ち上がり部と操作(麻酔)部に大きく分け
られている。立ち上がり部は、麻酔装置の電源ONの
後、装置内部、供給ガス圧の自動チェック、自動リーク
テスト、患者情報入力、人工呼吸器の初期条件入力、気
化器設定、麻酔初期条件入力、指紋照合および脱窒素化
の順に自動切り替えで表示される。上述したように画面
接触入力方式のディスプレイであれば、使用者が画面の
適所に接触することによって、これらの入力事項を簡単
に入力でき、また入力ミスも防止できる。なお、これら
の入力項目は、麻酔装置50の構成等に応じて適宜変更
可能である。
【0038】上記患者情報入力において、本例示では患
者情報入力のステップで、図3及び図4に示したように
記憶媒体に入力しておいた患者の指紋(P1)を含む患
者情報を、患者情報ユニット62を介して麻酔装置50
のデータマスターユニット58に入力している。上述し
たように、データマスターユニット58への患者情報の
入力は、本例示の如く記憶媒体を介して行われる他、電
話回線などの有線を用いる方式、あるいは赤外通信を含
む無線を用いる方式によって行うこともできる。麻酔を
行う患者から直に指紋(P2)を読み取り、指紋(P
1,P2)の照合を行う場合、両方の指紋(P1,P
2)が一致、すなわち手術を行おうとする患者が事前に
入力しておいた患者情報に示された患者と同一人である
ことが確認できたことが表示される。一方、両方の指紋
(P1,P2)が一致しなかった場合、登録人以外であ
ることが表示される。さらに、一致しなかった場合に
は、麻酔装置50の主な機能が停止するようにしておく
ことが望ましい。
【0039】上記立ち上がり部の操作が終わり、指紋
(P1,P2)の照合の結果、その患者が手術を受ける
べき患者であると同定されたなら、麻酔装置50のデー
タマスターユニット58からの指示によって脱窒素化が
行われ、次いで操作(麻酔部)部の画面に移行する。操
作部は、情報表示、操作設定、シミュレーション、患者
情報等の画面で構成される。これらの操作部の画面は、
自由に設定することができ、必要に応じて随時変更され
る。
【0040】図6は表示部59のスクリーンに複数の情
報を積層表示する場合を例示している。このような積層
画面(マルチオーバラップ画面)とすることによって、
複数種類の情報を見やすく表示することができるととも
に、画面切り替えやエラー発生時の対応が実行し易くな
る。この積層画面は、例えば最上層の画面(マルチ1)
には、操作・設定関係に使用(例えば計算器を表示)
し、複数エラー発生時には、エラー表示画面にも使用
し、中層の画面(マルチ2)はエラー関係を表示し、最
下層の画面(マルチ3)には患者監視カメラ61からの
ビデオ画像を表示するなどによって活用することができ
る。
【0041】図7(a)、(b)は、麻酔装置50に単
一のエラーが発生した場合に用いられるエラー表示の一
例を示すものである。エラー発生1個の場合、図7
(a)に示すように、患者情報等の画面上にエラー表示
を見やすく表示することができる。なお、図7(a)で
は、「麻酔薬濃度画面」上にエラー表示として「麻酔薬
濃度設定異常」の表示とその内容およびその解決・対策
が表示され、さらに表示部59のスピーカーから警報が
発せられている。このエラー表示中の「消音」、「クリ
ア」を選択すると、図7(b)に示す通り、「麻酔薬濃
度画面」の上部に小さく「エラー表示」と表示が切り替
わるとともに、警報は消音される。
【0042】図8(a)〜(d)は、麻酔装置50に2
個以上のエラーが発生した場合に用いられるエラー表示
の一例を示すものである。図8(a)は、エラー発生時
の画面であり、エラー発生が2個以上になった時、「エ
ラー発生中」画面が表示される。新たに発生したエラー
の表示スイッチランプが点灯するとともに、右下にエラ
ー内容が表示される。なお、「エラー発生中」画面では
優先順位が高いエラーをトップに複数個が表示される。
図8(b)は、縮小キーを選択した場合のエラー表示で
あり、図8(a)、(c)の画面中の縮小スイッチを選
択した場合、「エラー表示」スイッチが画面上部に表示
される。図8(c)は、「エラー表示」スイッチを選択
した場合を示し、「エラー表示」スイッチを選択した場
合、再度「エラー発生中」画面が表示されると共に、優
先順位1位のエラー内容が表示される。その際、「エラ
ー発生中」画面では優先順位1位の「エラー表示」スイ
ッチランプが点灯する。図8(d)は、消音・クリアを
選択した場合を示し、図8(a)のエラー内容画面で、
消音・クリアの順番でスイッチを押した時、「エラー発
生中」画面のみが表示される。
【0043】図9(a)〜(c)は、緊急警報、警戒警
報、注意報のエラー内容表示用の画面デザインを例示す
るものである。本例示では、警戒警報と注意報を区別す
るため、警戒警報の色変更を行っている。図9(a)は
緊急警報(例えば停電)を知らせるエラー表示であり、
エラーの内容と対策などが表示されている。図9(b)
は警戒警報(例えば酸素は移管供給圧低下)を知らせる
エラー表示であり、エラーの内容と対策などが表示され
ている。図9(c)は注意報(例えば麻酔薬濃度設定異
常)を知らせるエラー表示であり、エラーの内容と対策
などが表示されている。これらのエラー表示は単なる例
示であり適宜変更可能である。またエラー表示の優先順
位は、最初に暫定的にエラーを区分し、重要度を順位付
けし、その後使用者が変更することもできる。
【0044】図10〜図12は、本実施形態の麻酔装置
50において、シミュレーションを実行する場合の操作
を説明するためのフロー図である。図10〜図12に示
す通り、本実施形態の麻酔装置50において、麻酔シミ
ュレーションおよび覚醒シミュレーションを実行するに
は、麻酔装置50の電源をONにする。ここで、麻酔装
置の電源ONから脱窒素化までのステップは、図5に示
した「立ち上がり部」であり、この立ち上がり部は上述
した通り実行される。指紋(P1,P2)の照合後、
「脱窒素化」工程が自動的に開始され、その終了時点で
画面に表示されるとともに、画面が「メインメニュー画
面」に切り替えられる。図5に示した通り、通常の麻酔
装置の運転では、メインメニューから「患者情報画面」
を選択することによって、患者の様子、麻酔装置の運転
状態などの選択した画面が表示される。
【0045】麻酔シミュレーションおよび覚醒シミュレ
ーションを実行する場合には、メインメニューからシミ
ュレーションを選択する。シミュレーション画面では、
覚醒シミュレーションを選択するかどうかを画面上で選
択する。覚醒シミュレーションを選択した(Yes)場
合は、後述する。覚醒シミュレーションを選択しなかっ
た(No)場合は、麻酔シミュレーションが実行され
る。麻酔シミュレーションでは、まず「時間を設定」す
る。すなわち現在から何時間先までシミュレーションを
行うか、その時間を設定する。ここでは時間数を入力す
る場合、デフォルト値を使用する場合を選択できる。次
に、人工呼吸器・麻酔濃度条件を変更するかどうか選択
する。ただし、ここでの人工呼吸器・麻酔濃度条件の変
更は、シミュレーション上のことであって、これを変更
することによって装置の運転条件が変わるものではな
く、あくまでも人工呼吸器・麻酔濃度条件をある数値に
変更したらどうなるかをシミュレーションするためのも
のである。
【0046】人工呼吸器・麻酔濃度条件を変更しない
(No)を選択した場合、代謝モニタ情報とともに、デ
ータマスターユニット58へ送信され、さらに患者シミ
ュレータユニット54に送信され、現在からある時間経
過後の患者体内の麻酔濃度(患者が摂取した麻酔薬量)
を計算し、予測する。この予測値はデータマスターユニ
ット58を経て表示部59に送信され、表示部59で表
示される。シミュレーション結果の表示後、再度シミュ
レーションを実行するかどうかを選択する画面に切り替
えられ、ここで実行しない(No)を選択した場合に
は、シミュレーション終了となり、実行する(Yes)
を選択した場合には、シミュレーション画面に戻る。
【0047】人工呼吸器・麻酔濃度条件を変更するかど
うか選択する画面で、変更する(Yes)を選択した場
合には、「麻酔薬濃度設定」、「新鮮ガス流量設定」、
「1回換気量設定」および「呼吸回数設定」の各設定画
面に順に設定するべき情報を入力する。これらの各設定
画面での入力終了後、その情報が代謝モニタ情報と共に
データマスターユニット58へ送信され、さらに患者シ
ミュレータユニット54に送信され、現在からある時間
経過後の患者体内の麻酔濃度(患者が摂取した麻酔薬
量)を計算し、予測する。この予測値はデータマスター
ユニット58を経て表示部59に送信され、表示部59
で表示される。表示部59には、現在の運転・新運転条
件の結果を同時に表示するかどうかの選択が表示され、
表示しない(No)を選択した場合は新運転条件でのシ
ミュレーション結果を表示し、Yesを選択した場合は
シミュレーション結果を同時に表示する。シミュレーシ
ョン結果の表示後、再度シミュレーションを実行するか
どうかを選択する画面に切り替えられ、ここで実行しな
い(No)を選択した場合には、シミュレーション終了
となり、実行する(Yes)を選択した場合には、シミ
ュレーション画面に戻る。
【0048】シミュレーション画面において、「覚醒シ
ミュレーションを選択」する(Yes)場合、覚醒シミ
ュレーションが実行される。覚醒シミュレーションで
は、まず「時間を設定」する。すなわち現在から何時間
先までシミュレーションを行うか、その時間を設定す
る。ここでは時間数を入力する場合、デフォルト値を使
用する場合を選択できる。次に、「目標肺胞濃度を設
定」する。ここでは肺胞濃度を設定する場合(Ye
s)、デフォルト値を使用する場合(No)を選択する
ことができる。デフォルト値を使用する場合は、さらに
デフォルト値を使用する場合(Yes)、呼気麻酔薬濃
度を0%に設定する場合を選択することができる。これ
ら条件の選択後、上述した麻酔シミュレーションでの
「人工呼吸器・麻酔濃度条件を変更」の判断画面に移行
し、その後は上述した麻酔シミュレーションの実行で説
明したと同様の操作が行われる。シミュレーション結果
の表示後、再度シミュレーションを実行するかどうかを
選択する画面に切り替えられ、ここで実行しない(N
o)を選択した場合には、シミュレーション終了とな
り、実行する(Yes)を選択した場合には、シミュレ
ーション画面に戻る。
【0049】図13は、本実施形態の麻酔装置50にお
いて、情報表示、エラー表示を実行する場合の操作を説
明するためのフロー図である。ここで、麻酔装置の電源
ONから脱窒素化までのステップは、図5に示した「立
ち上がり部」であり、この立ち上がり部は上述した通り
実行される。指紋(P1,P2)の照合後、「脱窒素
化」工程が自動的に開始され、その終了時点で画面に表
示されるとともに、画面が「メインメニュー画面」に切
り替えられる。図5に示した通り、通常の麻酔装置の運
転では、メインメニューから「患者情報画面」を選択す
ることによって、患者の様子、麻酔装置の運転状態など
の選択した画面が表示される。
【0050】各ユニット、すなわちガスデリバリーユニ
ット51、人工呼吸器ユニット52、代謝モニタユニッ
ト53、患者シミュレータユニット54、温湿度モニタ
ユニット55、パルスオキシメータユニット56および
ガス濃度センサユニット57から送られてくる信号(デ
ータ)は、データマスターユニット58に送られ、表示
部59のスクリーンに表示される。このように通常運転
では、各ユニット51〜57から送られてくる信号(デ
ータ)を表示部59へ送信する一方、異常な数値を検知
した場合には、エラー情報を表示部59に送る。エラー
発生時の表示画面については、上述したとおり、図7〜
図9に例示したようなエラー表示画面を採用し得る。
【0051】図14は、メインメニューの「操作設定画
面」を用いて、麻酔装置50の運転条件(人工呼吸器の
運転条件、麻酔条件)の設定時の流れを説明するための
フロー図である。ここで麻酔装置の電源ONから脱窒素
化までのステップは、図5に示した「立ち上がり部」で
あり、この立ち上がり部は上述した通り実行される。指
紋(P1,P2)の照合後、「脱窒素化」工程が自動的
に開始され、その終了時点で画面に表示されるととも
に、画面が「メインメニュー画面」に切り替えられる。
図5に示した通り、通常の麻酔装置の運転では、メイン
メニューから「患者情報画面」を選択することによっ
て、患者の様子、麻酔装置の運転状態などの選択した画
面が表示される。
【0052】設定を変更する場合、メインメニュー画面
の中の「操作設定画面」を選択する。操作設定画面で
は、ガスデリバリーユニット51および人工呼吸器ユニ
ット52についての設定画面が表示され、使用者は必要
な設定変更項目を選択し、変更値を入力する。この変更
値は逐次データマスターユニット58に送られて記憶さ
れるとともに、データマスターユニット58からガスデ
リバリーユニット51および人工呼吸器ユニット52に
変更された運転条件が送信され、ガスデリバリーユニッ
ト51および人工呼吸器ユニット52では、変更後の運
転条件にしたがって運転される。
【0053】なお、本実施形態においては、麻酔装置5
0として、ガスデリバリーユニット51、人工呼吸器ユ
ニット52、代謝モニタユニット53、患者シミュレー
タユニット54、温湿度モニタユニット55、パルスオ
キシメータユニット56およびガス濃度センサユニット
57、データマスターユニット58、表示部59および
患者情報ユニット62を備えた構成としたが、本発明は
本実施形態にのみ限定されることなく、例えば図15に
示す従来の麻酔装置、あるいはその麻酔装置の構成を一
部変更、修正した麻酔装置において、個人識別可能パタ
ーンの計測手段を用いて予め計測された患者の個人識別
可能パターン(P1)と、麻酔を施す直前の患者で計測
した個人識別可能パターン(P2)とを比較し、患者の
同定を行う患者情報ユニット62と、その内容を表示す
る表示部59とを付加して構成した麻酔装置をも包含し
得る。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、手術を施す患者を手術
室に搬送し、麻酔を施す直前に指紋などの個人識別可能
パターン(P2)を計測し、これを予め計測しておいた
個人識別可能パターン(P1)と比較して同定し、その
患者が手術を施すべき個人かどうかを直接調べることが
でき、患者の取り違えミスを防ぐことができる。また、
予め患者の指紋などの個人識別可能パターンとともに患
者情報を入力しておくことで、麻酔を行う立ち上がりに
おいて、患者情報を入力または修正する煩雑な操作を省
略ないしは軽減することができ、使用利便性を向上する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る麻酔装置の一実施形態を示す概
略構成図である。
【図2】 患者情報の項目と表示パターンを例示する図
である。
【図3】 患者情報の入力方法を説明するためのフロー
図である。
【図4】 図3のフロー図の続きである。
【図5】 麻酔装置の表示部の画面構成の一例を示すフ
ロー図である。
【図6】 表示部のスクリーン構成の一例を示す概略図
である。
【図7】 エラー表示の一例を示す図であり、エラー発
生1個の場合のエラー表示画面を示す図である。
【図8】 エラー表示の一例を示す図であり、エラー発
生2個以上の場合のエラー表示画面を示す図である。
【図9】 エラー表示の一例を示す図である。
【図10】 本発明に係る麻酔装置において、シミュレ
ーションを実行する場合の操作を説明するためのフロー
図の一部である。
【図11】 図10のフロー図の続き部分である。
【図12】 図10のフロー図の別の続き部分である。
【図13】 本発明に係る麻酔装置において、情報表
示、エラー表示を実行する場合の操作を説明するための
フロー図である。
【図14】 メインメニューの操作設定画面を用いて、
麻酔装置の運転条件(人工呼吸器の運転条件、麻酔条
件)の設定時の流れを説明するためのフロー図である。
【図15】 従来の麻酔装置の一例を示す構成図であ
る。
【符号の説明】
50 麻酔装置 51 ガスデリバリーユニット 52 人工呼吸器ユニット 53 代謝モニタユニット 54 患者シミュレータユニット 55 温湿度モニタユニット 56 パルスオキシメータユニット 57 ガス濃度センサユニット 58 データマスターユニット 59 表示部 60 外部コネクター 61 患者監視カメラ 62 患者情報ユニット
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年6月18日(2002.6.1
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 成沢 朋広 東京都文京区本郷3丁目23番13号 泉工医 科工業株式会社内 (72)発明者 木原 正博 東京都文京区本郷3丁目23番13号 泉工医 科工業株式会社内 (72)発明者 青木 正人 東京都文京区本郷3丁目23番13号 泉工医 科工業株式会社内 Fターム(参考) 4C038 FF01 FF05 VA07 VB04 VB12 VB40

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素ガスと、笑気ガスと空気の少なくと
    も一方と、揮発性麻酔剤を混合して新鮮ガスとして供給
    する麻酔器本体と、該麻酔器本体から供給される新鮮ガ
    スを、患者の呼気から炭酸ガスを吸収除去した後の循環
    気に混入し、該循環気と前記新鮮ガスとを混合し吸気と
    して患者に送る麻酔循環回路とを備え、該麻酔循環回路
    から麻酔ガスを含んだ吸気を患者に送り該患者に麻酔を
    施す麻酔装置において、 個人識別可能パターンの計測手段を用いて予め計測され
    た患者の個人識別可能パターン(P1)と、麻酔を施す
    直前の患者で計測した個人識別可能パターン(P2)と
    を比較し、患者の同定を行う患者情報ユニットと、その
    内容を表示する表示部とを有することを特徴とする麻酔
    装置。
  2. 【請求項2】 酸素ガスと、笑気ガスと空気の少なくと
    も一方と、揮発性麻酔剤を混合して新鮮ガスとして供給
    する麻酔器本体と、該麻酔器本体から供給される新鮮ガ
    スを、患者の呼気から炭酸ガスを吸収除去した後の循環
    気に混入し、該循環気と前記新鮮ガスとを混合し吸気と
    して患者に送る麻酔循環回路とを備え、該麻酔循環回路
    から麻酔ガスを含んだ吸気を患者に送り該患者に麻酔を
    施す麻酔装置において、 現在の時刻から一定時間経過後の摂取麻酔薬量を予測す
    る患者シミュレータユニットを有するデータマスターユ
    ニットと、該データマスターユニットからのデータを表
    示する表示部と、 個人識別可能パターンの計測手段を用いて予め計測され
    た患者の個人識別可能パターン(P1)と、麻酔を施す
    直前の患者で計測した個人識別可能パターン(P2)と
    を比較し、患者の同定を行う患者情報ユニットとを有す
    ることを特徴とする麻酔装置。
  3. 【請求項3】 前記患者の個人識別可能パターンが指
    紋、声紋、眼内血管パターン、掌紋等からなる群から選
    択される請求項1または2記載の麻酔装置。
  4. 【請求項4】 前記P1とP2が一致しない限り実質的
    に動作しないように構成された請求項1〜3のいずれか
    に記載の麻酔装置。
  5. 【請求項5】 前記P1を麻酔装置に入力する際に、患
    者の氏名、年齢、性別、患者番号、身長、体重、病名、
    術前検査の異常点、喫煙等の生活習慣、アレルギーの有
    無、感染症の有無等の患者情報を同時に入力し、前記表
    示部に表示するように構成した請求項1〜4のいずれか
    に記載の麻酔装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005536282A (ja) * 2002-08-22 2005-12-02 スミスズ メディカル ピーエム インコーポレイテッド 指紋装置とオキシメータ装置とを組み合わせた装置
JP2011521683A (ja) * 2008-05-21 2011-07-28 エシコン・エンド−サージェリィ・インコーポレイテッド 医学的ユニット及びディスプレー・モニターを有する医学的システム

Cited By (3)

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JP2011521683A (ja) * 2008-05-21 2011-07-28 エシコン・エンド−サージェリィ・インコーポレイテッド 医学的ユニット及びディスプレー・モニターを有する医学的システム

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