JP2003234541A - 分布帰還型半導体レーザ素子 - Google Patents
分布帰還型半導体レーザ素子Info
- Publication number
- JP2003234541A JP2003234541A JP2002229894A JP2002229894A JP2003234541A JP 2003234541 A JP2003234541 A JP 2003234541A JP 2002229894 A JP2002229894 A JP 2002229894A JP 2002229894 A JP2002229894 A JP 2002229894A JP 2003234541 A JP2003234541 A JP 2003234541A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- diffraction grating
- layer
- inp
- semiconductor laser
- distributed feedback
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B82—NANOTECHNOLOGY
- B82Y—SPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
- B82Y20/00—Nanooptics, e.g. quantum optics or photonic crystals
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01S—DEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
- H01S5/00—Semiconductor lasers
- H01S5/30—Structure or shape of the active region; Materials used for the active region
- H01S5/305—Structure or shape of the active region; Materials used for the active region characterised by the doping materials used in the laser structure
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01S—DEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
- H01S5/00—Semiconductor lasers
- H01S5/10—Construction or shape of the optical resonator, e.g. extended or external cavity, coupled cavities, bent-guide, varying width, thickness or composition of the active region
- H01S5/12—Construction or shape of the optical resonator, e.g. extended or external cavity, coupled cavities, bent-guide, varying width, thickness or composition of the active region the resonator having a periodic structure, e.g. in distributed feedback [DFB] lasers
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01S—DEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
- H01S5/00—Semiconductor lasers
- H01S5/20—Structure or shape of the semiconductor body to guide the optical wave ; Confining structures perpendicular to the optical axis, e.g. index or gain guiding, stripe geometry, broad area lasers, gain tailoring, transverse or lateral reflectors, special cladding structures, MQW barrier reflection layers
- H01S5/22—Structure or shape of the semiconductor body to guide the optical wave ; Confining structures perpendicular to the optical axis, e.g. index or gain guiding, stripe geometry, broad area lasers, gain tailoring, transverse or lateral reflectors, special cladding structures, MQW barrier reflection layers having a ridge or stripe structure
- H01S5/227—Buried mesa structure ; Striped active layer
- H01S5/2275—Buried mesa structure ; Striped active layer mesa created by etching
- H01S5/2277—Buried mesa structure ; Striped active layer mesa created by etching double channel planar buried heterostructure [DCPBH] laser
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01S—DEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
- H01S5/00—Semiconductor lasers
- H01S5/30—Structure or shape of the active region; Materials used for the active region
- H01S5/34—Structure or shape of the active region; Materials used for the active region comprising quantum well or superlattice structures, e.g. single quantum well [SQW] lasers, multiple quantum well [MQW] lasers or graded index separate confinement heterostructure [GRINSCH] lasers
- H01S5/343—Structure or shape of the active region; Materials used for the active region comprising quantum well or superlattice structures, e.g. single quantum well [SQW] lasers, multiple quantum well [MQW] lasers or graded index separate confinement heterostructure [GRINSCH] lasers in AIIIBV compounds, e.g. AlGaAs-laser, InP-based laser
- H01S5/34306—Structure or shape of the active region; Materials used for the active region comprising quantum well or superlattice structures, e.g. single quantum well [SQW] lasers, multiple quantum well [MQW] lasers or graded index separate confinement heterostructure [GRINSCH] lasers in AIIIBV compounds, e.g. AlGaAs-laser, InP-based laser emitting light at a wavelength longer than 1000nm, e.g. InP based 1300 and 1500nm lasers
Abstract
(57)【要約】
【課題】 n型半導体基板上に設けられた積層構造内に
活性層及び活性層上に設けられた回折格子を有し、しき
い値電流及び素子抵抗の双方が小さい分布帰還型半導体
レーザ素子を提供する。 【解決手段】 本実施形態例のDFBレーザ40は、共
振器長が300μmの埋め込みヘテロ型のDFBレーザ
であって、厚さ120μm程度のn−InP基板42上
に、n−InPバッファ層44、MQW−SCH活性層
46、厚さが約200nmのp−InPスペーサ層4
8、回折格子50、回折格子50を埋め込んだp−In
P埋め込み層52、及びp−InP上クラッド層54の
積層構造を有する。MQW−SCH活性層46の活性層
のバンドギャップは、波長に換算して1560nmであ
る。また、回折格子50は、回折格子層の厚さが約20
nmで、回折格子50の周期が約240nm、duty
比が30%程度である。回折格子50及びp−InP埋
め込み層52のキャリア密度は、1×1018〔cm-3〕
になるように調節されている。
活性層及び活性層上に設けられた回折格子を有し、しき
い値電流及び素子抵抗の双方が小さい分布帰還型半導体
レーザ素子を提供する。 【解決手段】 本実施形態例のDFBレーザ40は、共
振器長が300μmの埋め込みヘテロ型のDFBレーザ
であって、厚さ120μm程度のn−InP基板42上
に、n−InPバッファ層44、MQW−SCH活性層
46、厚さが約200nmのp−InPスペーサ層4
8、回折格子50、回折格子50を埋め込んだp−In
P埋め込み層52、及びp−InP上クラッド層54の
積層構造を有する。MQW−SCH活性層46の活性層
のバンドギャップは、波長に換算して1560nmであ
る。また、回折格子50は、回折格子層の厚さが約20
nmで、回折格子50の周期が約240nm、duty
比が30%程度である。回折格子50及びp−InP埋
め込み層52のキャリア密度は、1×1018〔cm-3〕
になるように調節されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分布帰還型半導体
レーザ素子に関し、更に詳細には、n型半導体基板上に
設けられた積層構造内に活性層及び活性層上に設けられ
た回折格子を有する分布帰還型半導体レーザ素子であっ
て、しきい値電流が小さく、初期スロープ効率が高く、
しかも素子抵抗が小さい分布帰還型半導体レーザ素子に
関するものである。
レーザ素子に関し、更に詳細には、n型半導体基板上に
設けられた積層構造内に活性層及び活性層上に設けられ
た回折格子を有する分布帰還型半導体レーザ素子であっ
て、しきい値電流が小さく、初期スロープ効率が高く、
しかも素子抵抗が小さい分布帰還型半導体レーザ素子に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】波長分割多重(以下、WDMと言う)光
伝送システムは、一本の光ファイバーで異なる波長の光
信号を伝送することにより、光通信容量を大幅に拡大で
きるシステムとして注目されている。その光源には、単
一波長性に優れた分布帰還型半導体レーザ素子(以下、
DFBレーザと言う)が、一般に、用いられている。
伝送システムは、一本の光ファイバーで異なる波長の光
信号を伝送することにより、光通信容量を大幅に拡大で
きるシステムとして注目されている。その光源には、単
一波長性に優れた分布帰還型半導体レーザ素子(以下、
DFBレーザと言う)が、一般に、用いられている。
【0003】比較的短距離の都市幹線系及び加入者系に
用いられる直接変調可能なDFBレーザとして、素子の
温度制御を行わない、つまり素子冷却部品で冷却しな
い、低コスト化を図った非冷却型DFBレーザ(Uncool
ed DFBレーザ)がある。非冷却型DFBレーザでは、素
子冷却部品として通常設けられているペルチェ冷却素子
が設けられていない。非冷却型DFBレーザは、温度制
御されない環境下で使用できるように、例えば−40℃
から+85℃などの広い温度範囲で持続的に動作するこ
と、更には電流注入による発熱を抑えるために、素子抵
抗を極力低くすることが求められている。
用いられる直接変調可能なDFBレーザとして、素子の
温度制御を行わない、つまり素子冷却部品で冷却しな
い、低コスト化を図った非冷却型DFBレーザ(Uncool
ed DFBレーザ)がある。非冷却型DFBレーザでは、素
子冷却部品として通常設けられているペルチェ冷却素子
が設けられていない。非冷却型DFBレーザは、温度制
御されない環境下で使用できるように、例えば−40℃
から+85℃などの広い温度範囲で持続的に動作するこ
と、更には電流注入による発熱を抑えるために、素子抵
抗を極力低くすることが求められている。
【0004】DFBレーザは、共振器内部に屈折率の実
部または虚部が周期的に変化する構造(以下、回折格子
と言う)を有し、特定の波長の光にだけ帰還がかかるよ
うにして波長選択性を持たせている。DFBレーザの発
振波長λDFBは、活性層の利得ピーク波長λPLとは独立
に設定することができ、回折格子の周期をΛ、導波路の
等価屈折率をneffとすると、λDFB=2・Λ・neffで表
される。尚、活性層の利得ピーク波長λPLはフォトルミ
ネッセンス波長に相当する。良好なレーザ発振特性を得
るためには、利得ピーク波長λPLと発振波長λDFBとの
差Δλ=λDFB−λPLをある範囲内に厳密に制御するこ
とが必要である。Δλは、デチューニング量と呼ばれて
いる。
部または虚部が周期的に変化する構造(以下、回折格子
と言う)を有し、特定の波長の光にだけ帰還がかかるよ
うにして波長選択性を持たせている。DFBレーザの発
振波長λDFBは、活性層の利得ピーク波長λPLとは独立
に設定することができ、回折格子の周期をΛ、導波路の
等価屈折率をneffとすると、λDFB=2・Λ・neffで表
される。尚、活性層の利得ピーク波長λPLはフォトルミ
ネッセンス波長に相当する。良好なレーザ発振特性を得
るためには、利得ピーク波長λPLと発振波長λDFBとの
差Δλ=λDFB−λPLをある範囲内に厳密に制御するこ
とが必要である。Δλは、デチューニング量と呼ばれて
いる。
【0005】半導体レーザ素子は、基板の導電型によっ
て、p型半導体基板上に活性層を有する積層構造を形成
した半導体レーザ素子と、n型半導体基板上に活性層を
有する積層構造を形成した半導体レーザ素子とに分けら
れるが、駆動回路の制御の都合上、p型半導体基板上に
活性層を形成することが多い。しかし、活性層を有する
積層構造をp型半導体基板上に形成した場合、発光強度
が弱く、そのために、DFBレーザで厳密なデチューニ
ング制御のために必要な、フォトルミネッセンス波長λ
PLの測定が難しい。一方、n型半導体基板上に活性層を
形成する場合には、フォトルミネッセンス波長λPLの測
定に十分な発光強度が得られるので、DFBレーザで
は、フォトルミネッセンス波長λPLの評価が容易なよう
に、n型半導体基板上に活性層を有する積層構造を形成
することが多い。
て、p型半導体基板上に活性層を有する積層構造を形成
した半導体レーザ素子と、n型半導体基板上に活性層を
有する積層構造を形成した半導体レーザ素子とに分けら
れるが、駆動回路の制御の都合上、p型半導体基板上に
活性層を形成することが多い。しかし、活性層を有する
積層構造をp型半導体基板上に形成した場合、発光強度
が弱く、そのために、DFBレーザで厳密なデチューニ
ング制御のために必要な、フォトルミネッセンス波長λ
PLの測定が難しい。一方、n型半導体基板上に活性層を
形成する場合には、フォトルミネッセンス波長λPLの測
定に十分な発光強度が得られるので、DFBレーザで
は、フォトルミネッセンス波長λPLの評価が容易なよう
に、n型半導体基板上に活性層を有する積層構造を形成
することが多い。
【0006】さらに、DFBレーザの構造には、回折格
子を活性層の上側に、つまり基板とは反対の活性層側に
形成する構造(以下、上方回折格子型と言う)と、基板
に関し活性層の下側に、つまり基板と活性層との間に回
折格子を形成する構造(以下、下方回折格子型と言う)
の2通りがある。n型半導体基板を用い、かつ上方回折
格子型の構造では、初めに活性層を形成し、活性層のフ
ォトルミネセンス波長λPLを測定した後で、回折格子の
周期Λの設計が可能であるから、デチューニングの制御
性が良い。一方、下方回折格子型の構造では、回折格子
形成後の埋め込み成長と活性層の成長を同時に行えるの
で、上方回折格子型の構造より、成長回数を一回減らす
ことができるというメリットがある。しかし、デチュー
ニングの制御のために、活性層のバンドギャップ波長を
厳密に制御することが必要となり、技術的な困難性が伴
う。
子を活性層の上側に、つまり基板とは反対の活性層側に
形成する構造(以下、上方回折格子型と言う)と、基板
に関し活性層の下側に、つまり基板と活性層との間に回
折格子を形成する構造(以下、下方回折格子型と言う)
の2通りがある。n型半導体基板を用い、かつ上方回折
格子型の構造では、初めに活性層を形成し、活性層のフ
ォトルミネセンス波長λPLを測定した後で、回折格子の
周期Λの設計が可能であるから、デチューニングの制御
性が良い。一方、下方回折格子型の構造では、回折格子
形成後の埋め込み成長と活性層の成長を同時に行えるの
で、上方回折格子型の構造より、成長回数を一回減らす
ことができるというメリットがある。しかし、デチュー
ニングの制御のために、活性層のバンドギャップ波長を
厳密に制御することが必要となり、技術的な困難性が伴
う。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、デチューニン
グ制御にとって最も有利な構造と評価できる、n型半導
体基板上に活性層を形成し、活性層の上側に回折格子を
設ける上方回折格子型の構造では、p型クラッド層中に
回折格子を形成することになり、素子抵抗が大きくなり
易い。なぜなら、半導体レーザ素子で素子抵抗に寄与す
る要因は、主に、p型半導体層の素子抵抗であり、p型
半導体層内に回折格子層のような組成の異なる層を設け
ることは、注入キャリアが感じるエネルギー障壁を増加
させることになり、素子抵抗が上昇するからである。
グ制御にとって最も有利な構造と評価できる、n型半導
体基板上に活性層を形成し、活性層の上側に回折格子を
設ける上方回折格子型の構造では、p型クラッド層中に
回折格子を形成することになり、素子抵抗が大きくなり
易い。なぜなら、半導体レーザ素子で素子抵抗に寄与す
る要因は、主に、p型半導体層の素子抵抗であり、p型
半導体層内に回折格子層のような組成の異なる層を設け
ることは、注入キャリアが感じるエネルギー障壁を増加
させることになり、素子抵抗が上昇するからである。
【0008】また、n型半導体基板と上方回折格子型の
構造の組み合わせでは、微分抵抗(dV/dI)が、し
きい値電流より高電流注入側でクランプされにくいとい
う問題がある。この結果、半導体レーザ素子の変調時の
周波数特性が劣化し、変調周波数の上限を決める3dB
帯域での遮断周波数の低下等の性能低下が起きるという
問題もあった。
構造の組み合わせでは、微分抵抗(dV/dI)が、し
きい値電流より高電流注入側でクランプされにくいとい
う問題がある。この結果、半導体レーザ素子の変調時の
周波数特性が劣化し、変調周波数の上限を決める3dB
帯域での遮断周波数の低下等の性能低下が起きるという
問題もあった。
【0009】そこで、本発明の目的は、n型半導体基板
上に設けられた積層構造内に活性層及び活性層上に設け
られた回折格子を有するDFBレーザであって、しきい
値電流及び素子抵抗の双方が小さく、かつ良好な周波数
特性を有するDFBレーザを提供することである。
上に設けられた積層構造内に活性層及び活性層上に設け
られた回折格子を有するDFBレーザであって、しきい
値電流及び素子抵抗の双方が小さく、かつ良好な周波数
特性を有するDFBレーザを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決する研究の過程で、以下のように考えた。つまり、
素子抵抗を下げるためには、p型半導体層のキャリア密
度、特に回折格子を構成する化合物半導体層(以下、回
折格子層と言うこともある)および回折格子の埋め込み
層のキャリア密度を上げることが効果的であるが、キャ
リア濃度が高くなり過ぎると光損失が増加するため、し
きい値電流、初期スロープ効率などの性能の低下といっ
た問題が起きる。ここで、初期スロープ効率とは、光出
力10mW程度時における光出力−注入電流カーブの傾
きである。そこで、本発明者は、素子抵抗、しきい値電
流、及び初期スロープ効率の全てを満足できる、回折格
子層およびその埋め込み層のキャリア密度の範囲がある
のではないか、考え、しきい値及び素子抵抗のキャリア
密度依存性を調べる以下の実験を行った。
解決する研究の過程で、以下のように考えた。つまり、
素子抵抗を下げるためには、p型半導体層のキャリア密
度、特に回折格子を構成する化合物半導体層(以下、回
折格子層と言うこともある)および回折格子の埋め込み
層のキャリア密度を上げることが効果的であるが、キャ
リア濃度が高くなり過ぎると光損失が増加するため、し
きい値電流、初期スロープ効率などの性能の低下といっ
た問題が起きる。ここで、初期スロープ効率とは、光出
力10mW程度時における光出力−注入電流カーブの傾
きである。そこで、本発明者は、素子抵抗、しきい値電
流、及び初期スロープ効率の全てを満足できる、回折格
子層およびその埋め込み層のキャリア密度の範囲がある
のではないか、考え、しきい値及び素子抵抗のキャリア
密度依存性を調べる以下の実験を行った。
【0011】先ず、図1、図2、図3及び図4を参照し
て、実験の試料に供したDFBレーザの構成を説明す
る。図1は実験に供したDFBレーザの構成を示す部分
破断斜視図、図2は図1の矢視I−IのDFBレーザの
断面図、図3は図1のDFBレーザの回折格子附近を拡
大した断面図、及び図4は図1のDFBレーザの共振器
方向に垂直な断面の中央部を示す断面図である。
て、実験の試料に供したDFBレーザの構成を説明す
る。図1は実験に供したDFBレーザの構成を示す部分
破断斜視図、図2は図1の矢視I−IのDFBレーザの
断面図、図3は図1のDFBレーザの回折格子附近を拡
大した断面図、及び図4は図1のDFBレーザの共振器
方向に垂直な断面の中央部を示す断面図である。
【0012】実験に供したDFBレーザ10は、発振波
長を1550nmに設定した、共振器長が300μmの
埋め込みヘテロ型のDFBレーザであって、図1に示す
ように、厚さ120μm程度のn−InP基板12上
に、n−InPバッファ層14、MQW−SCH活性層
16、厚さが約200nmのp−InPスペーサ層1
8、InGaAsPからなる回折格子20、回折格子2
0を埋め込んだp−InP埋め込み層22、及びp−I
nP上クラッド層24の積層構造を有する。MQW−S
CH活性層16の活性層のバンドギャップは、波長に換
算して1560nmである。また、回折格子20は、回
折格子層の厚さが約20nmで、図3に示すように、回
折格子20の周期が約240nm、duty比が30%
程度である。
長を1550nmに設定した、共振器長が300μmの
埋め込みヘテロ型のDFBレーザであって、図1に示す
ように、厚さ120μm程度のn−InP基板12上
に、n−InPバッファ層14、MQW−SCH活性層
16、厚さが約200nmのp−InPスペーサ層1
8、InGaAsPからなる回折格子20、回折格子2
0を埋め込んだp−InP埋め込み層22、及びp−I
nP上クラッド層24の積層構造を有する。MQW−S
CH活性層16の活性層のバンドギャップは、波長に換
算して1560nmである。また、回折格子20は、回
折格子層の厚さが約20nmで、図3に示すように、回
折格子20の周期が約240nm、duty比が30%
程度である。
【0013】積層構造のうち、p−InP上クラッド層
24、p−InP埋め込み層22、InGaAsP回折
格子層20、p−InPスペーサ層18、MQW−SC
H活性層16、及びn−InPバッファ層14の上部層
は、MQW−SCH活性層16が約1.5μmの幅を有
するように、メサストライプ状に加工されている。そし
て、メサストライプの両側は、p−InP層30とn−
InP層32との積層構造からなる電流ブロック層で埋
め込まれている。共振器内部の光の導波路構造は、BH
(Buried Hetero )構造に限定する必要はないが、回折
格子の存在する領域が必ず電流経路となるBH構造にお
いてのキャリア濃度最適化が特に有効である。
24、p−InP埋め込み層22、InGaAsP回折
格子層20、p−InPスペーサ層18、MQW−SC
H活性層16、及びn−InPバッファ層14の上部層
は、MQW−SCH活性層16が約1.5μmの幅を有
するように、メサストライプ状に加工されている。そし
て、メサストライプの両側は、p−InP層30とn−
InP層32との積層構造からなる電流ブロック層で埋
め込まれている。共振器内部の光の導波路構造は、BH
(Buried Hetero )構造に限定する必要はないが、回折
格子の存在する領域が必ず電流経路となるBH構造にお
いてのキャリア濃度最適化が特に有効である。
【0014】p−InPクラッド層24及びその両側の
n−InP層32上には、膜厚約2μmのp−InPク
ラッド層26及び高ドープInGaAsコンタクト層2
8が、順次、積層されている。また、ドープInGaA
sコンタクト層28上には、p側電極34を設けた領域
を除いて絶縁膜36が形成されている。p側電極34
は、Ti/Pt/Au多層金属膜である。n−InP基
板12の裏面には、n側電極38としてAuGeNi膜
が設けてある。また、寄生容量低減のために、p−In
GaAsコンタクト層28、p−InPクラッド層2
6、及びp−InP層30とn−InP層32との電流
ブロック層を貫通するように、溝33が形成されてい
る。更に、DFBレーザ10の前端面(出射端面)には
無反射コーティング膜(図示せず)が、後端面には高反
射コーティング膜(図示せず)が、それぞれ、成膜され
ている。
n−InP層32上には、膜厚約2μmのp−InPク
ラッド層26及び高ドープInGaAsコンタクト層2
8が、順次、積層されている。また、ドープInGaA
sコンタクト層28上には、p側電極34を設けた領域
を除いて絶縁膜36が形成されている。p側電極34
は、Ti/Pt/Au多層金属膜である。n−InP基
板12の裏面には、n側電極38としてAuGeNi膜
が設けてある。また、寄生容量低減のために、p−In
GaAsコンタクト層28、p−InPクラッド層2
6、及びp−InP層30とn−InP層32との電流
ブロック層を貫通するように、溝33が形成されてい
る。更に、DFBレーザ10の前端面(出射端面)には
無反射コーティング膜(図示せず)が、後端面には高反
射コーティング膜(図示せず)が、それぞれ、成膜され
ている。
【0015】上述の試料DFBレーザ10の作製に当っ
ては、先ず、MOCVD装置を使って、成長温度600
℃で、n−InP基板12上に、n−InPバッファ層
14、MQW−SCH活性層16、p−InPスペーサ
層18、回折格子20の形成層を成長させた。次いで、
回折格子20の形成層上に電子ビーム(EB)描画用レ
ジストを約100nmの厚さで塗布し、EB描画装置を
使って、周期が約240nmの回折格子パターンを有す
るレジスト膜を形成した。続いて、ドライエッチング装
置を使ってレジスト膜上からInGaAsP回折格子層
20を貫通するようにエッチングして、InGaAsP
からなる回折格子20を形成した。
ては、先ず、MOCVD装置を使って、成長温度600
℃で、n−InP基板12上に、n−InPバッファ層
14、MQW−SCH活性層16、p−InPスペーサ
層18、回折格子20の形成層を成長させた。次いで、
回折格子20の形成層上に電子ビーム(EB)描画用レ
ジストを約100nmの厚さで塗布し、EB描画装置を
使って、周期が約240nmの回折格子パターンを有す
るレジスト膜を形成した。続いて、ドライエッチング装
置を使ってレジスト膜上からInGaAsP回折格子層
20を貫通するようにエッチングして、InGaAsP
からなる回折格子20を形成した。
【0016】次いで、InGaAsP回折格子20が熱
により変形することを防ぐため、成長温度を520℃程
度に下げて、MOCVD装置を使って、図3に示すよう
に、p−InP埋め込み層22及びp−InPクラッド
層24を成長させ、InGaAsP回折格子20の埋め
込み再成長を行った。
により変形することを防ぐため、成長温度を520℃程
度に下げて、MOCVD装置を使って、図3に示すよう
に、p−InP埋め込み層22及びp−InPクラッド
層24を成長させ、InGaAsP回折格子20の埋め
込み再成長を行った。
【0017】次に、プラズマCVD装置を用いて、基板
全面にSiNX膜を成膜し、フォトリソグラフィと反応
性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)
法により、InGaAsP回折格子20の周期方向に延
びる幅4μmのストライプ状にSiNX膜をエッチング
して、SiNX膜マスク(図示せず)を形成した。続い
て、ストライプ状のSiNX膜マスクをエッチングマス
クとして、p−InPクラッド層24、p−InP埋め
込み層22、InGaAsP回折格子20、p−InP
スペーサ層18、MQW−SCH活性層16、及びn−
InPバッファ層14の上部をエッチングして、MQW
−SCH活性層16が約1.5μmの幅を有するメサス
トライプ状に加工した。
全面にSiNX膜を成膜し、フォトリソグラフィと反応
性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)
法により、InGaAsP回折格子20の周期方向に延
びる幅4μmのストライプ状にSiNX膜をエッチング
して、SiNX膜マスク(図示せず)を形成した。続い
て、ストライプ状のSiNX膜マスクをエッチングマス
クとして、p−InPクラッド層24、p−InP埋め
込み層22、InGaAsP回折格子20、p−InP
スペーサ層18、MQW−SCH活性層16、及びn−
InPバッファ層14の上部をエッチングして、MQW
−SCH活性層16が約1.5μmの幅を有するメサス
トライプ状に加工した。
【0018】次いで、SiNX膜マスクを選択成長マス
クとして使い、p−InP層30及びn−InP層32
を、順次、選択成長させて、メサストライプの両脇を埋
め込み、電流(キャリア)ブロック層とした。SiNX
膜マスクを除去した後、膜厚約2μmのp−InPクラ
ッド層26及び高ドープInGaAsコンタクト層28
を成長させた。
クとして使い、p−InP層30及びn−InP層32
を、順次、選択成長させて、メサストライプの両脇を埋
め込み、電流(キャリア)ブロック層とした。SiNX
膜マスクを除去した後、膜厚約2μmのp−InPクラ
ッド層26及び高ドープInGaAsコンタクト層28
を成長させた。
【0019】次いで、n−InP層32、及びp−In
P層32をエッチングして溝33を形成し、続いて全面
に絶縁膜36を成膜した。次いで、絶縁膜36の一部を
窓開けして、高ドープInGaAsコンタクト層28上
に、p側電極34としてTi/Pt/Au多層金属膜を
パッド形状に設けた。また、基板厚が120μm程度に
なるように、n−InP基板12の裏面を研磨し、n−
InP基板12の裏面には、n側電極38としてAuG
eNi膜を設けた。更に、DFBレーザ10の前端面に
は無反射コーティング膜を、後端面には高反射コーティ
ング膜を成膜した後、チップ化してボンディングした。
P層32をエッチングして溝33を形成し、続いて全面
に絶縁膜36を成膜した。次いで、絶縁膜36の一部を
窓開けして、高ドープInGaAsコンタクト層28上
に、p側電極34としてTi/Pt/Au多層金属膜を
パッド形状に設けた。また、基板厚が120μm程度に
なるように、n−InP基板12の裏面を研磨し、n−
InP基板12の裏面には、n側電極38としてAuG
eNi膜を設けた。更に、DFBレーザ10の前端面に
は無反射コーティング膜を、後端面には高反射コーティ
ング膜を成膜した後、チップ化してボンディングした。
【0020】本実験では、上述の構成を備え、p型ドー
パントの材料ガス流量を制御することにより、InGa
AsP回折格子20および回折格子の周囲を埋め込むp
−InP埋め込み層22のキャリア密度を2×1017か
ら5×1018〔cm-3〕の範囲で種々の値に変えた多数
個の試料DFBレーザを上述の方法により作製して、キ
ャリア密度としきい値Ith及び素子抵抗Rを測定した。
素子抵抗Rとは、p側電極とn側電極との間の電気抵抗
である。その測定結果として、図5に示すように、しき
い値Ith及び素子抵抗Rとキャリア密度との関係を得
た。
パントの材料ガス流量を制御することにより、InGa
AsP回折格子20および回折格子の周囲を埋め込むp
−InP埋め込み層22のキャリア密度を2×1017か
ら5×1018〔cm-3〕の範囲で種々の値に変えた多数
個の試料DFBレーザを上述の方法により作製して、キ
ャリア密度としきい値Ith及び素子抵抗Rを測定した。
素子抵抗Rとは、p側電極とn側電極との間の電気抵抗
である。その測定結果として、図5に示すように、しき
い値Ith及び素子抵抗Rとキャリア密度との関係を得
た。
【0021】図5から判るように、しきい値電流Ith
は、キャリア密度が2×1017から2×1018〔c
m-3〕ではほぼ安定し、2×1018〔cm-3〕を超える
と大きく上昇している。また、素子抵抗Rはキャリア密
度が2×1017から7×1017〔cm-3〕ではキャリア
密度の増大と共に減少し、7×1017から5×10
18〔cm -3〕ではほぼ安定している。図6は、上述の実
験結果を模式的に示した概念図である。キャリア密度を
7×1017から2×1018〔cm-3〕の範囲に制御すれ
ば、素子抵抗R及びしきい値電流Ithを小さくすること
ができ、1×1018〔cm-3〕付近がベストモードであ
る。
は、キャリア密度が2×1017から2×1018〔c
m-3〕ではほぼ安定し、2×1018〔cm-3〕を超える
と大きく上昇している。また、素子抵抗Rはキャリア密
度が2×1017から7×1017〔cm-3〕ではキャリア
密度の増大と共に減少し、7×1017から5×10
18〔cm -3〕ではほぼ安定している。図6は、上述の実
験結果を模式的に示した概念図である。キャリア密度を
7×1017から2×1018〔cm-3〕の範囲に制御すれ
ば、素子抵抗R及びしきい値電流Ithを小さくすること
ができ、1×1018〔cm-3〕付近がベストモードであ
る。
【0022】上記目的を達成するために、上述の知見及
び実験結果に基づいて、本発明に係る分布帰還型半導体
レーザ装置(以下、第1の発明と言う)は、n型半導体
基板上に設けられた積層構造内に活性層及び活性層上に
設けられた回折格子を有する分布帰還型半導体レーザ素
子において、素子抵抗R〔Ω〕と共振器長L〔m〕との
積R・L〔Ω・m〕が、2.5×10-3〔Ω・m〕以下
であることを特徴としている。
び実験結果に基づいて、本発明に係る分布帰還型半導体
レーザ装置(以下、第1の発明と言う)は、n型半導体
基板上に設けられた積層構造内に活性層及び活性層上に
設けられた回折格子を有する分布帰還型半導体レーザ素
子において、素子抵抗R〔Ω〕と共振器長L〔m〕との
積R・L〔Ω・m〕が、2.5×10-3〔Ω・m〕以下
であることを特徴としている。
【0023】本発明で、素子抵抗R〔Ω〕と共振器長L
〔m〕との積R・L〔Ω・m〕を2.5×10-3〔Ω・
m〕以下としているのは、2.5×10-3〔Ω・m〕を
越えると、周波数応答特性や高温度条件下でのレーザ発
振特性が劣化するからである。
〔m〕との積R・L〔Ω・m〕を2.5×10-3〔Ω・
m〕以下としているのは、2.5×10-3〔Ω・m〕を
越えると、周波数応答特性や高温度条件下でのレーザ発
振特性が劣化するからである。
【0024】本発明に係る別の分布帰還型半導体レーザ
素子(以下、第2の発明と言う)は、n型半導体基板上
に設けられた積層構造内に活性層及び活性層上に設けら
れた回折格子を有する分布帰還型半導体レーザ素子にお
いて、注入電流がしきい値(Ith)+10mAのときの
微分抵抗dV/dI〔Ω〕(@Ith+10mA)と、注
入電流が200mAのときの微分抵抗dV/dI〔Ω〕
(@200mA)の差が、注入電流がしきい値(Ith)
+10mAのときの微分抵抗dV/dI〔Ω〕(@Ith
+10mA)の20%以内であることを特徴としてい
る。
素子(以下、第2の発明と言う)は、n型半導体基板上
に設けられた積層構造内に活性層及び活性層上に設けら
れた回折格子を有する分布帰還型半導体レーザ素子にお
いて、注入電流がしきい値(Ith)+10mAのときの
微分抵抗dV/dI〔Ω〕(@Ith+10mA)と、注
入電流が200mAのときの微分抵抗dV/dI〔Ω〕
(@200mA)の差が、注入電流がしきい値(Ith)
+10mAのときの微分抵抗dV/dI〔Ω〕(@Ith
+10mA)の20%以内であることを特徴としてい
る。
【0025】本発明に係る更に別の分布帰還型半導体レ
ーザ素子(以下、第3の発明と言う)は、n型半導体基
板上に設けられた積層構造内に活性層及び活性層上に設
けられた回折格子を有する分布帰還型半導体レーザ素子
において、回折格子を構成している化合物半導体層、及
び回折格子の埋め込み層の少なくともいずれか一方のキ
ャリア密度が、7×1017〔cm-3〕以上2×10
18〔cm-3〕以下であることを特徴としている。
ーザ素子(以下、第3の発明と言う)は、n型半導体基
板上に設けられた積層構造内に活性層及び活性層上に設
けられた回折格子を有する分布帰還型半導体レーザ素子
において、回折格子を構成している化合物半導体層、及
び回折格子の埋め込み層の少なくともいずれか一方のキ
ャリア密度が、7×1017〔cm-3〕以上2×10
18〔cm-3〕以下であることを特徴としている。
【0026】回折格子を構成している化合物半導体層又
は回折格子の周囲の埋め込み層のキャリア密度が、7×
1017〔cm-3〕未満になると、素子抵抗Rが増大し、
2×1018〔cm-3〕を越えると、しきい値電流Ithが
増大するからである。好適には、回折格子を構成してい
る化合物半導体層および回折格子の埋め込み層の少なく
ともいずれか一方のキャリア密度が、9×1017〔cm
-3〕以上1×1018〔cm-3〕以下である。図5に示す
ように、回折格子を構成している化合物半導体層又は回
折格子の埋め込み層のキャリア密度が、9×1017〔c
m-3〕未満になると、素子抵抗Rが多少増大し、1×1
018〔cm-3〕を超えると、しきい値電流Ithが多少増
大するからである。また、本発明の効果を奏する上で、
回折格子を構成している化合物半導体層及び回折格子の
埋め込み層の双方のキャリア密度が、本発明で特定した
範囲にあることが望ましい。
は回折格子の周囲の埋め込み層のキャリア密度が、7×
1017〔cm-3〕未満になると、素子抵抗Rが増大し、
2×1018〔cm-3〕を越えると、しきい値電流Ithが
増大するからである。好適には、回折格子を構成してい
る化合物半導体層および回折格子の埋め込み層の少なく
ともいずれか一方のキャリア密度が、9×1017〔cm
-3〕以上1×1018〔cm-3〕以下である。図5に示す
ように、回折格子を構成している化合物半導体層又は回
折格子の埋め込み層のキャリア密度が、9×1017〔c
m-3〕未満になると、素子抵抗Rが多少増大し、1×1
018〔cm-3〕を超えると、しきい値電流Ithが多少増
大するからである。また、本発明の効果を奏する上で、
回折格子を構成している化合物半導体層及び回折格子の
埋め込み層の双方のキャリア密度が、本発明で特定した
範囲にあることが望ましい。
【0027】また、2×1018〔cm-3〕を超えるよう
な高密度にキャリア密度を高くした場合、活性層へのキ
ャリアの拡散を起き難くするために回折格子を活性層か
ら離す必要があるものの、低しきい値電流特性を得るた
めには適度な回折格子強度を保たなくてはならない。そ
のため、回折格子を構成している化合物半導体層と回折
格子の周囲の埋め込み層との屈折率差(バンドギャップ
波長差)を大きくとり、回折格子による適度な分布帰還
を得る必要がある。図9から判るように、少なくとも、
屈折率差が0.15以上、バンドギャップ波長差が0.
2μm以上あることが望ましい。図9は、回折格子を構
成している化合物半導体層と回折格子の埋め込み層との
屈折率差Δnと、発振しきい値電流Ith〔mA〕との関
係を示すグラフであって、屈折率差Δnが0.15未満
になると、発振しきい値電流Ithが急激に増大すること
を示している。
な高密度にキャリア密度を高くした場合、活性層へのキ
ャリアの拡散を起き難くするために回折格子を活性層か
ら離す必要があるものの、低しきい値電流特性を得るた
めには適度な回折格子強度を保たなくてはならない。そ
のため、回折格子を構成している化合物半導体層と回折
格子の周囲の埋め込み層との屈折率差(バンドギャップ
波長差)を大きくとり、回折格子による適度な分布帰還
を得る必要がある。図9から判るように、少なくとも、
屈折率差が0.15以上、バンドギャップ波長差が0.
2μm以上あることが望ましい。図9は、回折格子を構
成している化合物半導体層と回折格子の埋め込み層との
屈折率差Δnと、発振しきい値電流Ith〔mA〕との関
係を示すグラフであって、屈折率差Δnが0.15未満
になると、発振しきい値電流Ithが急激に増大すること
を示している。
【0028】第1及び第2の発明の好適な実施態様で
は、回折格子の埋め込み層のキャリア密度が、7×10
17〔cm-3〕以上2×1018〔cm-3〕以下である。こ
れにより、素子抵抗R及びしきい値電流Ithが小さい分
布帰還型半導体レーザ素子を実現することできる。第1
から第3の発明によれば、以上の構成を備えることによ
り、周波数応答特性の3dB帯域が−40℃から+85
℃の全温度範囲において8GHz以上になる。
は、回折格子の埋め込み層のキャリア密度が、7×10
17〔cm-3〕以上2×1018〔cm-3〕以下である。こ
れにより、素子抵抗R及びしきい値電流Ithが小さい分
布帰還型半導体レーザ素子を実現することできる。第1
から第3の発明によれば、以上の構成を備えることによ
り、周波数応答特性の3dB帯域が−40℃から+85
℃の全温度範囲において8GHz以上になる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に、実施形態例を挙げ、本発
明の実施の形態を具体的かつ詳細に説明する。本実施形
態例は、第1から第3の発明に係る分布帰還型半導体レ
ーザ素子の一体的な実施形態例であって、図7は本実施
形態例の構成を示す断面図である。本実施形態例の分布
帰還型半導体レーザ素子(DFBレーザと言う)40
は、InGaAsP回折格子層50を埋め込んだp−I
nP埋め込み層52のキャリア密度が1×1018〔cm
-3〕であることを除いて、前述した供試DFBレーザ1
0と同じ構成を備えている。
明の実施の形態を具体的かつ詳細に説明する。本実施形
態例は、第1から第3の発明に係る分布帰還型半導体レ
ーザ素子の一体的な実施形態例であって、図7は本実施
形態例の構成を示す断面図である。本実施形態例の分布
帰還型半導体レーザ素子(DFBレーザと言う)40
は、InGaAsP回折格子層50を埋め込んだp−I
nP埋め込み層52のキャリア密度が1×1018〔cm
-3〕であることを除いて、前述した供試DFBレーザ1
0と同じ構成を備えている。
【0030】即ち、本実施形態例のDFBレーザ40
は、発振波長を1550nmに設定した、共振器長Lが
300μmの埋め込みヘテロ型のDFBレーザであっ
て、図7に示すように、厚さ120μm程度のn−In
P基板42上に、n−InPバッファ層44、MQW−
SCH活性層46、厚さが約200nmのp−InPス
ペーサ層48、InGaAsPからなる回折格子50、
InGaAsP回折格子50を埋め込んだp−InP埋
め込み層52、及びp−InP上クラッド層54の積層
構造を有する。
は、発振波長を1550nmに設定した、共振器長Lが
300μmの埋め込みヘテロ型のDFBレーザであっ
て、図7に示すように、厚さ120μm程度のn−In
P基板42上に、n−InPバッファ層44、MQW−
SCH活性層46、厚さが約200nmのp−InPス
ペーサ層48、InGaAsPからなる回折格子50、
InGaAsP回折格子50を埋め込んだp−InP埋
め込み層52、及びp−InP上クラッド層54の積層
構造を有する。
【0031】MQW−SCH活性層46の活性層のバン
ドギャップは、波長に換算して1560nmである。ま
た、InGaAsP回折格子50は、回折格子層の厚さ
が約20nmで、InGaAsP回折格子50の周期が
約240nm、duty比が30%程度である。回折格
子50を構成するInGaAsP層のキャリア密度は、
1×1018〔cm-3〕になるように調節されている。エ
ッチングされたInGaAsP回折格子50の間を埋め
込むp−InP埋め込み層52のキャリア密度も、1×
1018〔cm-3〕になるように調節されている。
ドギャップは、波長に換算して1560nmである。ま
た、InGaAsP回折格子50は、回折格子層の厚さ
が約20nmで、InGaAsP回折格子50の周期が
約240nm、duty比が30%程度である。回折格
子50を構成するInGaAsP層のキャリア密度は、
1×1018〔cm-3〕になるように調節されている。エ
ッチングされたInGaAsP回折格子50の間を埋め
込むp−InP埋め込み層52のキャリア密度も、1×
1018〔cm-3〕になるように調節されている。
【0032】積層構造のうち、p−InP上クラッド層
54、p−InP埋め込み層52、InGaAsP回折
格子50、p−InPスペーサ層48、MQW−SCH
活性層46、及びn−InPバッファ層44の上部層
は、MQW−SCH活性層46が約1.5μmの幅を有
するように、メサストライプ状に加工されている。そし
て、メサストライプの両側は、p−InP層60とn−
InP層62との積層構造からなる電流(キャリア)ブ
ロック層で埋め込まれている。
54、p−InP埋め込み層52、InGaAsP回折
格子50、p−InPスペーサ層48、MQW−SCH
活性層46、及びn−InPバッファ層44の上部層
は、MQW−SCH活性層46が約1.5μmの幅を有
するように、メサストライプ状に加工されている。そし
て、メサストライプの両側は、p−InP層60とn−
InP層62との積層構造からなる電流(キャリア)ブ
ロック層で埋め込まれている。
【0033】p−InPクラッド層54及びその両側の
n−InP層62上には、膜厚約2μmのp−InPク
ラッド層56及び高ドープInGaAsコンタクト層5
8が、順次、積層されている。また、ドープInGaA
sコンタクト層58上には、p側電極としてのTi/P
t/Au多層金属膜64を設けた領域を除いて絶縁膜6
6が形成されている。n−InP基板42の裏面には、
n側電極68としてAuGeNi膜が設けてある。
n−InP層62上には、膜厚約2μmのp−InPク
ラッド層56及び高ドープInGaAsコンタクト層5
8が、順次、積層されている。また、ドープInGaA
sコンタクト層58上には、p側電極としてのTi/P
t/Au多層金属膜64を設けた領域を除いて絶縁膜6
6が形成されている。n−InP基板42の裏面には、
n側電極68としてAuGeNi膜が設けてある。
【0034】また、寄生容量低減のために、p−InP
層60とn−InP層62との電流(キャリア)ブロッ
ク層を貫通するように、溝63が形成されている。更
に、DFBレーザ40の前端面(出射端面)には無反射
コーティング膜(図示せず)が、後端面には高反射コー
ティング膜(図示せず)が、それぞれ、成膜されてい
る。本実施形態例のDFBレーザ40は、実験に供した
DFBレーザ10と同様にして作製することができる。
層60とn−InP層62との電流(キャリア)ブロッ
ク層を貫通するように、溝63が形成されている。更
に、DFBレーザ40の前端面(出射端面)には無反射
コーティング膜(図示せず)が、後端面には高反射コー
ティング膜(図示せず)が、それぞれ、成膜されてい
る。本実施形態例のDFBレーザ40は、実験に供した
DFBレーザ10と同様にして作製することができる。
【0035】本実施形態例のDFBレーザ40の性能を
評価するために、DFBレーザ40を100個試作し、
種々の測定を行った。素子抵抗Rは、標準偏差0.32
Ω、平均5Ωであった。よって、素子抵抗R〔Ω〕と共
振器長L〔m〕との積R・L〔Ω・m〕は、5×300
×10-6=1.5×10-3〔Ω・m〕で、2.5×10
-3〔Ω・m〕以下である。また、しきい値電流は、標準
偏差0.65mA、平均8.5mAであり、従来の9mA
と同等であった。
評価するために、DFBレーザ40を100個試作し、
種々の測定を行った。素子抵抗Rは、標準偏差0.32
Ω、平均5Ωであった。よって、素子抵抗R〔Ω〕と共
振器長L〔m〕との積R・L〔Ω・m〕は、5×300
×10-6=1.5×10-3〔Ω・m〕で、2.5×10
-3〔Ω・m〕以下である。また、しきい値電流は、標準
偏差0.65mA、平均8.5mAであり、従来の9mA
と同等であった。
【0036】注入電流がしきい値電流Ith+10mAの
ときの微分抵抗の値dV/dI(@Ith+10mA)は
5Ωで、注入電流が200mAのときの微分抵抗の値d
V/dI(@200mA)は4.6Ωであった。従っ
て、両者の差は、注入電流がしきい値電流Ith+10m
Aのときの微分抵抗の値dV/dI(@Ith+10m
A)の10%以内で小さかった。初期スロープ効率は、
0.42mW/mAであり、これは、従来の平均値であ
る0.40mW/mAと同等であった。また、周波数応
答特性の3dB帯域は−40℃から+85℃の全温度範
囲において8GHz以上であった。つまり、本実施形態
例のDFBレーザ40は、WDM光伝送システム使用さ
れる非冷却型DFBレーザに必要とされる性能につい
て、良好な値が得られたと評価できる。
ときの微分抵抗の値dV/dI(@Ith+10mA)は
5Ωで、注入電流が200mAのときの微分抵抗の値d
V/dI(@200mA)は4.6Ωであった。従っ
て、両者の差は、注入電流がしきい値電流Ith+10m
Aのときの微分抵抗の値dV/dI(@Ith+10m
A)の10%以内で小さかった。初期スロープ効率は、
0.42mW/mAであり、これは、従来の平均値であ
る0.40mW/mAと同等であった。また、周波数応
答特性の3dB帯域は−40℃から+85℃の全温度範
囲において8GHz以上であった。つまり、本実施形態
例のDFBレーザ40は、WDM光伝送システム使用さ
れる非冷却型DFBレーザに必要とされる性能につい
て、良好な値が得られたと評価できる。
【0037】実施形態例2
本実施形態例は、本発明に係る実施形態の一例であっ
て、図8は本実施形態例のDFBレーザの構成を示す斜
視図である。本実施形態例2のDFBレーザは、発振波
長が1310nmに設定され、共振器長が300μmで
あり、光の導波路構造がリッジ導波路型のDFBレーザ
であることを除いて、前述した実施形態例DFBレーザ
40と同じ構造を備えている。すなわち、図8に示すよ
うに、厚さ350μm程度のn−InP基板上に、n−
InPバッファ層69、MQW−SCH活性層(InG
aAsP)70、p−InPスペーサ層71、回折格子
72、回折格子72を埋め込んだp−InP埋め込み
層、及びp−InPクラッド層73、74の積層構造を
有する。ここで、活性層の材料は、InGaAsP/I
nP系に限る必要はなく、例えばAlGaInAs/I
nP系等を用いてもよい。
て、図8は本実施形態例のDFBレーザの構成を示す斜
視図である。本実施形態例2のDFBレーザは、発振波
長が1310nmに設定され、共振器長が300μmで
あり、光の導波路構造がリッジ導波路型のDFBレーザ
であることを除いて、前述した実施形態例DFBレーザ
40と同じ構造を備えている。すなわち、図8に示すよ
うに、厚さ350μm程度のn−InP基板上に、n−
InPバッファ層69、MQW−SCH活性層(InG
aAsP)70、p−InPスペーサ層71、回折格子
72、回折格子72を埋め込んだp−InP埋め込み
層、及びp−InPクラッド層73、74の積層構造を
有する。ここで、活性層の材料は、InGaAsP/I
nP系に限る必要はなく、例えばAlGaInAs/I
nP系等を用いてもよい。
【0038】MQW−SCH活性層70のバンドギャッ
プは、波長に換算して1335nmである。また回折格
子72は、その周期が約200nm、duty比が約3
0%である。回折格子72を構成する化合物半導体層お
よび回折格子72の埋め込み層のキャリア密度は、1×
1018〔cm-3〕になるように調節されている。
プは、波長に換算して1335nmである。また回折格
子72は、その周期が約200nm、duty比が約3
0%である。回折格子72を構成する化合物半導体層お
よび回折格子72の埋め込み層のキャリア密度は、1×
1018〔cm-3〕になるように調節されている。
【0039】積層構造のうち、p−InPクラッド層7
4は、約2μmの幅を有するように、メサストライプ状
に加工されている。そしてメサストライプ上には、p側
電極としてTi/Pt/Au多層金属膜76を設けた領
域を除いて絶縁膜75が形成されている。n−InP基
板69の裏面には、n側電極77としてAuGeNi膜
が設けてある。
4は、約2μmの幅を有するように、メサストライプ状
に加工されている。そしてメサストライプ上には、p側
電極としてTi/Pt/Au多層金属膜76を設けた領
域を除いて絶縁膜75が形成されている。n−InP基
板69の裏面には、n側電極77としてAuGeNi膜
が設けてある。
【0040】本実施形態例2のDFBレーザの性能を評
価するために、100個のDFBレーザ素子について、
種々の測定を行なった。素子抵抗Rは、標準偏差0.2
5Ω、平均で6.5Ωであった。よって、素子抵抗R
〔Ω〕と共振器長L〔m〕の積は6.5×300×10
-6=1.95×10-3〔Ω・m〕で、2.5×10
-3〔Ω・m〕以下である。また、しきい値電流は、標準
偏差0.72mA、平均5.3mAであった。
価するために、100個のDFBレーザ素子について、
種々の測定を行なった。素子抵抗Rは、標準偏差0.2
5Ω、平均で6.5Ωであった。よって、素子抵抗R
〔Ω〕と共振器長L〔m〕の積は6.5×300×10
-6=1.95×10-3〔Ω・m〕で、2.5×10
-3〔Ω・m〕以下である。また、しきい値電流は、標準
偏差0.72mA、平均5.3mAであった。
【0041】周波数応答特性の3dB帯域は−40℃か
ら+85℃の全ての温度範囲において10GHz以上を
示した。このように、DFBレーザにおいて、回折格子
を構成している化合物半導体層および回折格子の周囲の
埋め込み層のキャリア密度を最適化することにより、光
の導波路構造によらず、3dB帯域の高い変調特性を得
ることができる。
ら+85℃の全ての温度範囲において10GHz以上を
示した。このように、DFBレーザにおいて、回折格子
を構成している化合物半導体層および回折格子の周囲の
埋め込み層のキャリア密度を最適化することにより、光
の導波路構造によらず、3dB帯域の高い変調特性を得
ることができる。
【0042】
【発明の効果】第1の発明によれば、素子抵抗R〔Ω〕
と共振器長L〔m〕との積R・L〔Ω・m〕を2.5×
10-3〔Ω・m〕以下にすることにより、周波数応答特
性における3dB帯域の向上および高温動作時における
レーザ発振特性の向上の効果を奏する分布帰還型半導体
レーザ素子を実現することができる。
と共振器長L〔m〕との積R・L〔Ω・m〕を2.5×
10-3〔Ω・m〕以下にすることにより、周波数応答特
性における3dB帯域の向上および高温動作時における
レーザ発振特性の向上の効果を奏する分布帰還型半導体
レーザ素子を実現することができる。
【0043】第2の発明によれば、注入電流がしきい値
(Ith)+10mAのときの微分抵抗dV/dI〔Ω〕
(@Ith+10mA)と、注入電流が200mAのとき
の微分抵抗dV/dI〔Ω〕(@200mA)の差を注
入電流がしきい値(Ith)+10mAのときの微分抵抗
dV/dI〔Ω〕(@Ith+10mA)の20%以内に
することにより、周波数応答特性における3dB帯域の
向上の効果を奏する分布帰還型半導体レーザ素子を実現
することができる。
(Ith)+10mAのときの微分抵抗dV/dI〔Ω〕
(@Ith+10mA)と、注入電流が200mAのとき
の微分抵抗dV/dI〔Ω〕(@200mA)の差を注
入電流がしきい値(Ith)+10mAのときの微分抵抗
dV/dI〔Ω〕(@Ith+10mA)の20%以内に
することにより、周波数応答特性における3dB帯域の
向上の効果を奏する分布帰還型半導体レーザ素子を実現
することができる。
【0044】第3の発明によれば、回折格子を構成して
いる化合物半導体層及び回折格子の埋め込み層の少なく
ともいずれか一方のキャリア密度を7×1017から2×
10 18〔cm-3〕に制御することにより、しきい値電流
及び素子抵抗が低く、初期スロープ効率が高く、更に
は、3dB帯域での高い周波数応答特性を有する分布帰
還型半導体レーザ素子を実現することができる。
いる化合物半導体層及び回折格子の埋め込み層の少なく
ともいずれか一方のキャリア密度を7×1017から2×
10 18〔cm-3〕に制御することにより、しきい値電流
及び素子抵抗が低く、初期スロープ効率が高く、更に
は、3dB帯域での高い周波数応答特性を有する分布帰
還型半導体レーザ素子を実現することができる。
【図1】実験に供したDFBレーザの構成を示す部分破
断斜視図である。
断斜視図である。
【図2】図1の矢視I−IのDFBレーザの断面図であ
る。
る。
【図3】図1のDFBレーザの回折格子附近を拡大した
断面図である。
断面図である。
【図4】図1のDFBレーザの共振器方向に垂直な中央
部断面を示す断面図である。
部断面を示す断面図である。
【図5】しきい値電流Ith、素子抵抗Rのキャリア密度
依存性を示すグラフである。
依存性を示すグラフである。
【図6】キャリア密度増減に伴う素子抵抗R上昇、しき
い値電流Ith上昇及び初期スロープ効率低下などの現象
と最適なキャリア密度との関係を示す概念図である。
い値電流Ith上昇及び初期スロープ効率低下などの現象
と最適なキャリア密度との関係を示す概念図である。
【図7】本実施形態例のDFBレーザの構成を示す部分
破断斜視図である。
破断斜視図である。
【図8】本実施形態例2のDFBレーザの構成を示す斜
視図である。
視図である。
【図9】回折格子を構成している化合物半導体層と回折
格子の周囲の埋め込み層との屈折率差Δnによる発振し
きい値電流Ith〔mA〕の変化を示すグラフである。
格子の周囲の埋め込み層との屈折率差Δnによる発振し
きい値電流Ith〔mA〕の変化を示すグラフである。
10 実験に供したDFBレーザ
12 n−InP基板
14 n−InPバッファ層
16 MQW−SCH活性層
18 p−InPスペーサ層
20 InGaAsP回折格子層
22 InP埋め込み層
24 p−InPクラッド層
26 p−InPクラッド層
28 InGaAsコンタクト層
30 p−InP層
32 n−InP層
33 溝
34 p側電極
36 絶縁膜
38 n側電極
40 実施形態例1のDFBレーザ
42 n−InP基板
44 n−InPバッファ層
46 MQW−SCH活性層
48 p−InPスペーサ層
50 InGaAsP回折格子層
52 p−InP埋め込み層
54 p−InP上クラッド層
56 p−InPクラッド層
58 InGaAsコンタクト層
60 p−InP層
62 n−InP層
63 溝
64 p側電極
66 絶縁膜
68 n側電極
80 実施形態例2のDFBレーザ
69 n−InPバッファ層
70 MQW−SCH活性層
71 p−InPスペーサ層
72 InGaAsP回折格子層
73 p−InPクラッド層
74 p−InPクラッド層
75 絶縁膜
76 p側電極
77 n側電極
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
Fターム(参考) 5F073 AA22 AA45 AA51 AA64 AA74
AA89 BA02 CA12 CB11 DA05
DA25 EA14 EA23 EA29
Claims (10)
- 【請求項1】 n型半導体基板上に設けられた積層構造
内に活性層及び活性層上に設けられた回折格子を有する
分布帰還型半導体レーザ素子において、 回折格子を構成している化合物半導体層、及び回折格子
の埋め込み層の少なくともいずれか一方のキャリア密度
が、7×1017〔cm-3〕以上2×1018〔cm-3〕以
下であることを特徴とする分布帰還型半導体レーザ素
子。 - 【請求項2】 回折格子を構成している化合物半導体
層、及び回折格子の埋め込み層の少なくともいずれか一
方のキャリア密度が、9×1017〔cm-3〕以上1×1
018〔cm-3〕以下であることを特徴とする請求項1に
記載の分布帰還型半導体レーザ素子。 - 【請求項3】 n型半導体基板上に設けられた積層構造
内に活性層及び活性層上に設けられた回折格子を有する
分布帰還型半導体レーザ素子において、 素子抵抗R〔Ω〕と共振器長L〔m〕との積R・L〔Ω
・m〕が、2.5×10-3〔Ω・m〕以下であることを
特徴とする分布帰還型半導体レーザ素子。 - 【請求項4】 素子抵抗R〔Ω〕と共振器長L〔m〕と
の積R・L〔Ω・m〕が、2.5×10-3〔Ω・m〕以
下であることを特徴とする請求項1から4のうちのいず
れか1項に記載の分布帰還型半導体レーザ素子。 - 【請求項5】 n型半導体基板上に設けられた積層構造
内に活性層及び活性層上に設けられた回折格子を有する
分布帰還型半導体レーザ素子において、 注入電流がしきい値(Ith)+10mAのときの微分抵
抗dV/dI〔Ω〕(@Ith+10mA)と、注入電流
が200mAのときの微分抵抗dV/dI〔Ω〕(@2
00mA)の差が、注入電流がしきい値(Ith)+10
mAのときの微分抵抗dV/dI〔Ω〕(@Ith+10
mA)の20%以内であることを特徴とする分布帰還型
半導体レーザ素子。 - 【請求項6】 注入電流がしきい値(Ith)+10mA
のときの微分抵抗dV/dI〔Ω〕(@Ith+10m
A)と、注入電流が200mAのときの微分抵抗dV/
dI〔Ω〕(@200mA)の差が、注入電流がしきい
値(Ith)+10mAのときの微分抵抗dV/dI
〔Ω〕(@Ith+10mA)の20%以内であることを
特徴とする請求項1から6のうちのいずれか1項に記載
の分布帰還型半導体レーザ素子。 - 【請求項7】 周波数応答特性の3dB帯域が5GHz
以上であることを特徴とする請求項1から6のうちのい
ずれか1項に記載の分布帰還型半導体レーザ素子。 - 【請求項8】 回折格子を構成する化合物半導体層と回
折格子の周囲の埋め込み層との屈折率差が0.15以上
であることを特徴とする請求項1から7のうちのいずれ
か1項に記載の分布帰還型半導体レーザ素子。 - 【請求項9】 回折格子を構成する化合物半導体層と回
折格子の周囲の埋め込み層とのバンドギャップ波長差が
0.2μm以上であることを特徴とする請求項1から8
のうちのいずれか1項に記載の分布帰還型半導体レーザ
素子。 - 【請求項10】 導波路構造がBH構造( Buried Hete
ro Structure)であることを特徴とする請求項1から9
のうちいずれか1項に記載の分布帰還型半導体レーザ素
子。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002229894A JP2003234541A (ja) | 2001-12-07 | 2002-08-07 | 分布帰還型半導体レーザ素子 |
US10/310,939 US7003013B2 (en) | 2001-12-07 | 2002-12-06 | Distributed feedback semiconductor laser device |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001374281 | 2001-12-07 | ||
JP2001-374281 | 2001-12-07 | ||
JP2002229894A JP2003234541A (ja) | 2001-12-07 | 2002-08-07 | 分布帰還型半導体レーザ素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003234541A true JP2003234541A (ja) | 2003-08-22 |
Family
ID=26624935
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002229894A Pending JP2003234541A (ja) | 2001-12-07 | 2002-08-07 | 分布帰還型半導体レーザ素子 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US7003013B2 (ja) |
JP (1) | JP2003234541A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010272752A (ja) * | 2009-05-22 | 2010-12-02 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 半導体光素子を作製する方法 |
JP2011071155A (ja) * | 2009-09-24 | 2011-04-07 | Oki Electric Industry Co Ltd | 半導体レーザの製造方法 |
JP2011199040A (ja) * | 2010-03-19 | 2011-10-06 | Fujitsu Ltd | 光半導体装置及びその製造方法 |
KR101818034B1 (ko) * | 2014-02-20 | 2018-02-22 | 한국전자통신연구원 | 매립형 이종접합 레이저 다이오드 |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100584333B1 (ko) * | 2004-01-08 | 2006-05-26 | 삼성전자주식회사 | 반도체 레이저 장치 및 그 제조방법 |
JP2005229011A (ja) * | 2004-02-16 | 2005-08-25 | Anritsu Corp | 波長可変半導体レーザ及びガス検知装置 |
JP4917157B2 (ja) * | 2010-02-26 | 2012-04-18 | Nttエレクトロニクス株式会社 | リッジ型半導体レーザ及びリッジ型半導体レーザの製造方法 |
JP2012089622A (ja) * | 2010-10-18 | 2012-05-10 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 半導体レーザ素子 |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB8516853D0 (en) * | 1985-07-03 | 1985-08-07 | British Telecomm | Manufacture of semiconductor structures |
FR2684805B1 (fr) * | 1991-12-04 | 1998-08-14 | France Telecom | Dispositif optoelectronique a tres faible resistance serie. |
US5721751A (en) * | 1993-10-28 | 1998-02-24 | Nippon Telegraph & Telephone Corporation | Semiconductor laser |
FR2715251B1 (fr) * | 1994-01-20 | 1996-04-05 | Christophe Kazmierski | Structure semiconductrice à réseau de diffraction virtuel. |
KR100357787B1 (ko) * | 1994-01-31 | 2003-01-24 | 가부시끼가이샤 히다치 세이사꾸쇼 | 도파로형광소자의제조방법 |
JP4786024B2 (ja) * | 2000-11-20 | 2011-10-05 | 三菱電機株式会社 | 分布帰還型レーザおよびその製造方法 |
JP4128790B2 (ja) * | 2002-03-26 | 2008-07-30 | 三菱電機株式会社 | リッジ導波路型分布帰還レーザの製造方法 |
-
2002
- 2002-08-07 JP JP2002229894A patent/JP2003234541A/ja active Pending
- 2002-12-06 US US10/310,939 patent/US7003013B2/en not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010272752A (ja) * | 2009-05-22 | 2010-12-02 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 半導体光素子を作製する方法 |
JP2011071155A (ja) * | 2009-09-24 | 2011-04-07 | Oki Electric Industry Co Ltd | 半導体レーザの製造方法 |
JP2011199040A (ja) * | 2010-03-19 | 2011-10-06 | Fujitsu Ltd | 光半導体装置及びその製造方法 |
KR101818034B1 (ko) * | 2014-02-20 | 2018-02-22 | 한국전자통신연구원 | 매립형 이종접합 레이저 다이오드 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US7003013B2 (en) | 2006-02-21 |
US20030138016A1 (en) | 2003-07-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6426515B2 (en) | Semiconductor light-emitting device | |
JP3481458B2 (ja) | 半導体レーザ | |
US20040179569A1 (en) | Wavelength tunable DBR laser diode | |
JP4026334B2 (ja) | 半導体レーザ、分布帰還型半導体レーザおよび波長可変半導体レーザ | |
JP3484394B2 (ja) | 光半導体装置およびその製造方法 | |
JP2004179274A (ja) | 光半導体装置 | |
US8144741B2 (en) | Semiconductor laser | |
US20030047738A1 (en) | Semiconductor laser device having selective absorption qualities over a wide temperature range | |
JPH07249829A (ja) | 分布帰還型半導体レーザ | |
JP2003234541A (ja) | 分布帰還型半導体レーザ素子 | |
US6661828B2 (en) | Semiconductor laser device | |
US5469459A (en) | Laser diode element with excellent intermodulation distortion characteristic | |
JP4599700B2 (ja) | 分布帰還型半導体レーザ | |
CA2321607A1 (en) | Gain-coupled distributed-feedback semiconductor laser device | |
JP2770722B2 (ja) | 波長可変半導体レーザの製造方法 | |
CN115280609A (zh) | 光学器件 | |
JP3241002B2 (ja) | 半導体レーザの製造方法 | |
WO2006088293A1 (en) | Quantum well laser diode having wide band gain | |
JP2913922B2 (ja) | 量子井戸分布帰還型半導体レーザ | |
US20060002441A1 (en) | Semiconductor laser with side mode suppression | |
JP2783163B2 (ja) | 分布帰還型半導体レーザおよびその製造方法 | |
JP3251615B2 (ja) | 半導体レーザ装置 | |
JPH03214683A (ja) | 波長可変半導体レーザ | |
JP2924433B2 (ja) | 半導体レーザ及びその製造方法 | |
JPH0722692A (ja) | 半導体レーザ |