JP2003062596A - 水処理薬剤及び方法 - Google Patents
水処理薬剤及び方法Info
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Abstract
金属部材に対する硬度系スケールの付着を防止すること
ができる水処理薬剤及び方法を提供する。 【解決手段】 この水処理薬剤は、(メタ)アクリル酸
系単量体単位とマレイン酸系単量体単位とからなる二元
共重合体の高分子電解質ポリマーを包含する。更に(メ
タ)アクリル酸系ホモポリマー及び/又はマレイン酸系
ホモポリマー、アゾール系化合物、菌類抑制剤を上記水
処理薬剤に配合するのも好ましい。本発明は、高濃縮運
転の冷却水系に有利に適用できる。
Description
法に関し、特に冷却水等として高硬度水(全硬度でCa
CO3として500mg/リットル以上の水)を用いる
水系において、金属、非金属部材に対する硬度系スケー
ルの付着を防止するための水処理薬剤及び水処理方法に
関する。本発明の水処理薬剤及び方法を利用できる水系
は、冷却水処理系が主であるが、本発明は、排水処理
系、工業用水処理系、純水処理系等の各種水処理系全般
に適用することができるものである。
や石油化学コンビナート等の各種工場などでは機器の冷
却に広範囲で冷却水が利用されている。こうした冷却水
系では、配管を軟鋼で形成し、熱交換器は銅や銅合金等
の銅系金属で形成する場合が多い。このような冷却水系
の障害防止としては、金属製配管や熱交換器の腐食防止
やスケール防止がある。一般に、冷却水系で使用される
冷却水の中にはカルシウムなどの硬度成分が存在するの
が通常で、冷却のために水の一部が蒸発するため、強制
的に冷却水の一部を入れ替えない限り硬度成分が濃縮さ
れる。硬度成分が多量に含まれる水は一般に金属を腐食
させ難いため、冷却水を2〜6倍程度に濃縮し、硬度成
分の濃度を高めることで防食を図ることができる。この
場合、硬度成分は200〜500mg/リットル(Ca
CO3として)程度である。このような系では、配管の
閉塞や熱交換器の伝熱に支障を来すスケールの防止のた
めに水溶性ポリマー系分散剤のみを添加する水処理方法
で冷却水系の障害を防ぐことも可能である。
ギーの立場から、今まで以上に冷却水の系外への廃棄
(ブロー)を少なくして6〜12倍程度の高濃縮運転を
行う場合が増加している。この場合、硬度成分は500
〜1000mg/リットル(CaCO3として)程度で
ある。高濃縮運転を行う場合、溶解する塩類が高濃度で
濃縮されるため、難溶性の塩となったスケールが加速度
的に生成する。生成したスケールは、熱効率の低下や配
管の閉塞など、ボイラーや熱交換器の運転に重大な障害
を引き起こす。高濃縮運転において生成するスケール種
としては、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カ
ルシウム、燐酸カルシウム、珪酸カルシウム、珪酸マグ
ネシウム、水酸化マグネシウムなどの硬度系のスケール
種がとりわけ問題となる。このようなカルシウム系やマ
グネシウム系スケールに対しては、マレイン酸、アクリ
ル酸、イタコン酸などを重合したカルボキシル基を有す
る単量体のホモポリマーがスケール防止剤として有効で
あり、更に上記の様なカルボキシル基を有する単量体
と、ビニールスルホン酸、アリルスルホン酸、2−アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などのスル
ホン酸基を有する単量体を組み合わせて共重合したもの
が一般的に使用されている。また、アルキレン基やカル
ボニル基を介してポリオキシアルキレン基が結合したビ
ニールモノマーを用いたスケール防止用コポリマーも知
られている(特公昭59−16519号公報、特開昭5
7−94398号公報)。
の従来のスケール防止剤や方法では、近年の高濃縮運転
[硬度成分で500〜1000mg/リットル(CaC
O3として)程度の水を用いた運転]においては、水溶
性電解質ポリマーでスケール成分を不溶化させないでイ
オン保持でき得る性能(ポリマーのキレート力によるス
ケール抑制能)に限界があり、その限界を超えてイオン
が加速度的に不溶化するケースが多く、局所的に多量の
スケールを生じる可能性がある。また、或る程度大きく
なったスケール結晶粒子を分散し得る性能があるといわ
れるポリマーを用いても、高濃縮運転を行う場合、ポリ
マーによるスケール分散性能が水から生成するスケール
化に追いつかなくなり、結果的にスケール障害が発生す
る。本発明は、従来技術の上述の様な欠点を解消せんと
するものである。
な従来技術の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、
冷却水などの中で、カルシウムやマグネシウム等の硬度
成分濃度の高い水[硬度成分で500〜1000mg/
リットル(CaCO3として)程度の水]で生成する各
種スケール成分のうち、とりわけ硬度成分に対して、カ
ルボキシル基を有する2種の特定の単量体の共重合によ
るコポリマーが、微小な硬度系の不溶解物を意図的に生
成させ、それ以上肥大化させないで水中に分散させ続け
る効果を有することを見出し、その結果、スケールを配
管などに付着させることなく、循環水中に浮遊させ、ス
ケール付着を実質的完全に防止する効果を有することを
見出し、冷却水系等の用水系や排水系の高硬度水におけ
るスケール防止のための水処理薬剤及び方法に関する本
発明を完成するに至った。
水素原子、1価又は2価の金属原子、アンモニウム基又
は有機アンモニウム基を表す)と式(2)の単量体単位
チル基を表し、X2とX 3はそれぞれ独立に水素原子、
1価又は2価の金属原子、アンモニウム基又は有機アン
モニウム基を表す)とからなる二元共重合体である高分
子電解質ポリマーを包含することを特徴とする水処理薬
剤を提供するものである。
3は、水素原子であるのが好ましい。式(1)と式
(2)中のX1、X2及びX3は、それぞれ独立に水素
原子又はナトリウム等の1価の金属原子であるのが好ま
しい。また、式(1)と式(2)中のX1、X2及びX
3が有機アンモニウム基である場合は、該有機アンモニ
ウム基は炭素原子数が1〜4のアルキル又はヒドロキシ
アルキル基を有する(ヒドロキシ)アルキルアンモニウ
ム基であるのが好ましい。
体単位/式(2)の単量体単位の重量比は、スケール防
止効果の観点から、1:9〜9:1であるのが好まし
く、2:8〜8:2であるのが更に好ましい。また、上
記二元共重合体の分子量は、スケール防止効果の観点か
ら、1000〜10000であるのが好ましく、200
0〜8000であるのが更に好ましい。
して提供され、その場合のその配合組成は、防食性やス
ケール防止性等の観点から、水処理薬剤組成物の総重量
に対して、上記二元共重合体の含有量が好ましくは1〜
50重量%、より好ましくは5〜30重量%である。上
記二元共重合体の含有量が1重量%未満の場合には時に
充分な防食効果を期待できないこともあり、50重量%
を超える場合には時に薬剤の安定性が損なわれることも
あると共にコスト高にもなり、あまり好ましくない。ま
た、本発明の水処理薬剤は、後に詳述する(メタ)アク
リル酸系ホモポリマー及び/又はマレイン酸系ホモポリ
マー、銅防食剤であるアゾール系化合物、菌類抑制剤な
どの他の成分を含んでもよい。なお、配合品の水含有量
は、好ましくは30〜95重量%、より好ましくは50
〜90重量%、更に好ましくは60〜80重量%であ
る。
成分である環境に有害な燐化合物や亜鉛化合物は含まな
くてもよく、本発明の方法は、上記二元共重合体により
高硬度水中に微小な不溶解物を意図的に生成させ、その
微小懸濁物質を分散保持したままスケールの肥大化を防
止し、配管などに付着させることなく、循環水中に浮遊
させ、スケール付着を実質的完全に防止する方法であ
る。本発明の水処理薬剤及び方法は、特に冷却水系で用
いて好適である。
水処理薬剤では、燐化合物の含有量が実質的にゼロであ
るのが好ましい。燐化合物とは、具体的にはオルト燐酸
塩、ポリ燐酸塩、ホスホン酸塩、燐含有ポリマー等の従
来の防食剤に用いられるものを言い、従来はこのような
燐化合物はカルシウム硬度成分含有量20〜200mg
/リットル程度の低・中濃縮冷却水による腐食を防止す
る上で、特に有効な成分と考えられてきた。「燐化合物
の含有量が実質的にゼロ」とは、燐化合物を全く含まな
い場合や、例えば、冷却装置などの高温部にスケールを
起こすことが実質的になく、海や河川や湖沼などに放流
しても事実上富栄養化を招かないと評価できる程度に燐
化合物を殆ど含まない場合を言う。
薬剤は、亜鉛化合物の含有量も実質的にゼロであるのが
好ましい。亜鉛化合物とは、具体的には硫酸亜鉛、塩化
亜鉛、酢酸亜鉛、亜鉛酸ナトリウム、亜鉛酸カリウム等
の従来の防食剤に用いられるものを言う。「亜鉛化合物
の含有量が実質的にゼロ」とは、亜鉛化合物を全く含ま
ない場合や、放流しても事実上環境汚染を招かないと評
価できる程度に亜鉛化合物を殆ど含まない場合を言う。
様に、菌類抑制剤を含有してもよい。菌類抑制剤を含有
するか否かによって、効果などの観点から、本発明の水
処理薬剤(配合品)の使用濃度は異なってくるのが通常
である。従って、本発明は、本発明の水処理薬剤が菌類
抑制剤を含有していない場合は、該水処理薬剤を50〜
500mg/リットルの濃度範囲内に希釈・保持して使
用することを特徴とする水処理方法、並びに、本発明の
水処理薬剤が菌類抑制剤を含有している場合は、該水処
理薬剤を100〜2000mg/リットルの濃度範囲内
に希釈・保持して使用することを特徴とする水処理方法
をも提供する。
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
の向上などの為に、式(1)の単量体単位と式(2)の
単量体単位からなる水溶性の上記二元共重合体に水溶性
の(メタ)アクリル酸系ホモポリマー及び/又はマレイ
ン酸系ホモポリマーを配合し、本発明の水処理薬剤に含
有させるようにしてもよい。その配合含有量は、本発明
の水処理薬剤の総重量に対して1〜50重量%であるの
が好ましく、1〜30重量%であるのがより好ましい。
該配合含有量が50重量%を超えると時にゲル化が生じ
て防食効果が損なわれることもあり、あまり好ましくな
い。
タ)アクリル酸の共重合体の一般的な合成方法でよく、
例えば、特開昭62−129136号公報に開示されて
いるのと同様の方法を用いることができる。より具体的
には、例えば、少なくとも式(1)及び式(2)に相当
する単量体を水やイソプロパノール等の溶媒中で、過酸
化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化
ベンゾイル等の重合開始剤を用いて、所定の温度で、所
定の単量体濃度で重合させればよい。この際、必要に応
じて、分子量調節のために、塩化第1銅、塩化第2銅、
硫酸第2銅、硫酸第1鉄、重亜硫酸ナトリウム等の金属
塩類を用いてもよい。
合体に加えて、冷却水系等の処理水系によっては、更に
銅や銅合金等の銅系金属用の防食剤であるアゾール系化
合物を本発明の水処理薬剤に配合するのが好ましい。そ
のようなアゾール系化合物としては、例えば、ベンゾト
リアゾール、トリルトリアゾール、アミノトリアゾール
などを挙げることができ、これらは単独でも混合しても
用いることができる。ベンゾトリアゾールとトリルトリ
アゾールが好ましい。アゾール系化合物の配合量は、水
処理薬剤(配合品)の総重量に対して、0.01〜10
重量%であるのが効果とコストの点から好ましい。
ため、菌類抑制剤を本発明の水処理薬剤に配合するのが
好ましい場合もある。そのような菌類抑制剤としては、
例えば、有機硫黄窒素化合物類などが挙げられ、その具
体例としては、2−メチル−3−イソチアゾロン、5−
クロロ−2−メチル−3−イソチアゾロン、4,5−ジ
クロロ−2−n−オクチル−3−イソチアゾロンなどを
挙げることができ、これらは単独でも混合しても用いる
ことができる。菌類抑制剤の配合量は、水処理薬剤(配
合品)の総重量に対して、1〜30重量%であるのが効
果とコストの点から好ましい。
が含まれる配合品として提供されるのが通常であり、水
処理薬剤組成物の総重量に対して、水含有量は、好まし
くは30〜95重量%、より好ましくは50〜90重量
%、更に好ましくは60〜80重量%である。なお、本
発明の水処理薬剤が上記二元共重合体の他に水溶性の
(メタ)アクリル酸系ホモポリマー及び/又はマレイン
酸系ホモポリマー、アゾール系化合物や菌類抑制剤等の
成分を併用する場合は、その各成分を別々に被処理水系
に添加しても同様の効果を得ることができるのは勿論の
ことであり、被処理水系に各成分を添加した段階でかか
る併用系の薬剤の範囲に含まれることになり、その場合
に各成分割合が上記の各成分含有量を比率に換算したも
のに相当するのが好ましいのも言うまでもない。
記の様な菌類抑制剤を含有していない場合は水系におい
て通常50〜500mg/リットルの濃度範囲内に希釈
・保持して使用すると良く、上記の様な菌類抑制剤を含
有している場合は通常100〜2000mg/リットル
の濃度範囲内に希釈・保持して使用すると良い。
るが、実施例は本発明を限定するものではない。なお、
以下、実施例としているものは、本発明の水処理薬剤を
用いた場合であり、必ずしも本発明を適用するに好適な
条件で水処理を行ったケースだけを実施例としている訳
ではなく、また、本発明の目的であるスケール防止以外
の試験を行ったものも実施例としている。
ル評価試験装置を示す概略説明図である。60℃の恒温
槽1に1リットルのビーカー2を設置し、試験水を入
れ、図示の様に、ビーカー2内に試験片3を吊るし、水
処理薬剤を添加し、マグネチックスターラーの攪拌子4
により攪拌し、7日後の試験片の重量の増量を測定す
る。この試験では、試験片の腐食減量は実質的に無視で
き、重量の増加分が試験片へのスケール付着量と等しい
と考えることができる。即ち、本試験においては、試験
片の重量が増加しない方が結果良好であると言える。ス
ケール付着量の単位としては、「mg/cm2・mon
th」を用い、表中ではこれを「MCM」と表す。
質の戸田市水の5倍濃縮水及び10倍濃縮水を試験水と
して調製し、ビーカー2に入れ、試験片3(SUS−3
04、10×30×50mm、#400)を吊るし、水
処理薬剤を添加し、マグネチックスターラーの攪拌子4
により攪拌し、7日後の試験片の重量の増量を測定し
た。なお、表1中の各項目の単位は、電気伝導率が「μ
S/cm」、酸消費量(pH=4.8)と全硬度とカル
シウム硬度が「mgCaCO3/リットル」、シリカが
「mgSiO2/リットル」、塩化物イオンが「mgC
l/リットル」である。
用いた。表2〜4中の各ポリマー種の特徴を説明する。
「AMA」が本発明の水処理薬剤に用いられるもので、
アクリル酸単量体単位:マレイン酸単量体単位=6:4
(重量比)で重量平均分子量が約6000の二元共重合
体(ビポリマー)である。「PAA」は重量平均分子量
が約4500のアクリル酸単独重合体(ポリアクリル
酸)、「PMAA」は重量平均分子量が約1000のマ
レイン酸単独重合体(ポリマレイン酸)である。「AA
BI」はアクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸のアクリル酸系二元共重合体であ
る。「AA TER」はアクリル酸と2−アクリルアミ
ド−2−メチルプロパンスルホン酸とアルキルアクリル
アミドのアクリル酸系三元共重合体である。比較例5〜
7及び12〜14では2種のポリマーを併用した。スケ
ール評価試験の結果を表2に示す。なお、表2〜4にお
いて、Lはリットルを表す。
5倍濃縮水においては、ポリマー間で大きなスケール防
止性能の差はなく、ほぼ十分な効果(MCM:約1以
下)を示した(比較例1〜7、実施例1)。一方、高濃
縮運転の戸田市水10倍濃縮水においては、従来からよ
く使用されるポリマーでは十分な効果が得られなかった
(比較例8〜14)が、本発明で使用されるポリマーA
MAを用いた場合、とりわけ良好な結果を示した(実施
例2)。
同じ試験水と水処理薬剤としての同じポリマーを用い
て、工業用水腐食試験法(JIS−K0100)に従っ
た質量減法によって軟鋼の腐食速度を測定した。即ち、
各水処理薬剤を添加して得た試料水中に試験片を固定し
た円盤を投入し、一定速度で7日間攪拌した。7日後に
試験片を取り出し、除錆して重量を測定した。試験開始
前に測定した試験片重量と試験終了後に測定した試験片
重量との差から腐食速度を求めた。防食の評価試験の結
果を表3に示す。
は表1と同等) 水温:35℃ 攪拌速度:150rpm 試験片:(軟鋼SS400、10×30×50mm、#
400) 試験期間:7日間
位であり、mg/dm2・dayを表す。
剤を添加した全てのテスト(比較例22〜28、実施例
4)で、防食効果として適性値(MDDが10以下を適
性とする)が得られることが分った。しかしながら、戸
田市水5倍濃縮水では比較例15〜21で防食効果とし
て適性値が得られたのに対し、実施例3は防食効果とし
て適正値が得られなかった。これは、本発明による処理
方法に用いられるポリマーAMAはそれ自体の防食力は
それほど高くはないが、水中の硬度成分が濃縮される
と、硬度成分が防食に寄与する結果、或る一定の硬度
(CaCO3として約500)以上の範囲の水中では、
無薬品処理でも腐食速度が充分低くなり、実用上充分に
良好な防食効果が得られることによる。即ち、本発明に
よる処理方法でポリマーAMAのみを用いた場合、防食
に関しては、高硬度の水質領域のみで効果を有し、高硬
度に限定された処理方法であることが言える。しかし、
戸田市水5倍濃縮水程度の水でも、例えば、(メタ)ア
クリル酸系ホモポリマー及び/又はマレイン酸系ホモポ
リマーをポリマーAMAと併用すると、防食効果として
適性値が得られることが期待される。
化カルシウム試験液及び炭酸水素ナトリウム試験液を調
製し、カルシウムイオン濃度1100mgCaCO3/
リットル、炭酸水素イオン濃度1100mgCaCO3
/リットルになる様に水中に添加して試験水を調製し、
表4に示される薬剤ポリマーを10mg/リットルにな
る様に添加し、pHを8.5になる様に調整し、70℃
で24時間静置後に、サンプル水を0.45μmのメン
ブランフィルターで濾過し、得られた濾液中のカルシウ
ムイオン濃度を滴定により定量した。また、得られた濃
度に対して次の計算式を用いることで、スケールの析出
抑制性能を表す「スケール抑制率(%)」を算出し、そ
の結果を表4に示す。 スケール抑制率(%)=[(サンプル水の濾液のカルシ
ウム濃度−ブランクのカルシウム濃度)÷(1100−
ブランクのカルシウム濃度)]×100
されているポリマーと比較して特にスケール抑制性能に
優れているものとは言えない。即ち、実施例1〜2の結
果も考慮すると、高硬度水に対してスケール防止水処理
薬剤ポリマーに求められる性能は、単にスケール抑制性
能だけという訳ではないことが分かる。
ル酸系単量体とマレイン酸系単量体を共重合させて得る
ことができる二元共重合体の高分子電解質であり、本発
明の水処理方法によれば、上記高分子電解質を用いるこ
とにより、微小な硬度系の不溶解物を意図的に生成さ
せ、それ以上肥大化させないで水中に分散させ続ける効
果を得ることで、高硬度水におけるスケール防止を行う
ことができる。その結果、従来に比べて冷却水の高濃縮
処理を可能にし、冷却水の節水に大きく貢献するものと
なる。また、燐化合物、亜鉛化合物を実質的に含有しな
い様にもできるため、その場合はそれらの系外排出によ
る環境汚染の心配がない。
水処理系、工業用水処理系、純水処理系等の各種水処理
系全般に適用することができるが、高濃縮運転の冷却水
系で特に有利に用いることができる。
価試験装置を示す概略説明図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 式(1)の単量体単位と式(2)の単量
体単位とからなる二元共重合体である高分子電解質ポリ
マーを包含することを特徴とする水処理薬剤。 【化1】 (ただし、R1は水素原子又はメチル基を表し、X1は
水素原子、1価又は2価の金属原子、アンモニウム基又
は有機アンモニウム基を表す) 【化2】 (ただし、R2とR3はそれぞれ独立に水素原子又はメ
チル基を表し、X2とX 3はそれぞれ独立に水素原子、
1価又は2価の金属原子、アンモニウム基又は有機アン
モニウム基を表す)。 - 【請求項2】 前記高分子電解質ポリマー含有量が、1
〜50重量%であることを特徴とする請求項1に記載の
水処理薬剤。 - 【請求項3】 更に(メタ)アクリル酸系ホモポリマー
及び/又はマレイン酸系ホモポリマーを配合し、その含
有量が、1〜50重量%であることを特徴とする請求項
1又は2に記載の水処理薬剤。 - 【請求項4】 更にアゾール系化合物を配合し、その含
有量が0.01〜20重量%であることを特徴とする請
求項1から3のいずれかに記載の水処理薬剤。 - 【請求項5】 前記アゾール系化合物が、ベンゾトリア
ゾール又はトリルトリアゾールであることを特徴とする
請求項4に記載の水処理薬剤。 - 【請求項6】 更に菌類抑制剤を配合し、その含有量が
1〜30重量%であることを特徴とする請求項1から5
のいずれかに記載の水処理薬剤。 - 【請求項7】 前記菌類抑制剤が、有機硫黄窒素化合物
であることを特徴とする請求項6に記載の水処理薬剤。 - 【請求項8】 請求項1から5のいずれかに記載の水処
理薬剤を50〜500mg/リットルの保持濃度で使用
することを特徴とする水処理方法。 - 【請求項9】 請求項6又は7に記載の水処理薬剤を1
00〜2000mg/リットルの保持濃度で使用するこ
とを特徴とする水処理方法。
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JP2001254373A JP4787433B2 (ja) | 2001-08-24 | 2001-08-24 | 水処理方法 |
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