JP2002198103A - 電極構成金属の回収方法 - Google Patents

電極構成金属の回収方法

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JP2002198103A
JP2002198103A JP2000391423A JP2000391423A JP2002198103A JP 2002198103 A JP2002198103 A JP 2002198103A JP 2000391423 A JP2000391423 A JP 2000391423A JP 2000391423 A JP2000391423 A JP 2000391423A JP 2002198103 A JP2002198103 A JP 2002198103A
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dissolving
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Yasumasa Oya
恭正 大屋
Mitsuhiro Oikawa
充広 及川
Yasuhiro Shirakawa
康博 白川
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Toshiba Development and Engineering Corp
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Toshiba Corp
Toshiba Electronic Engineering Co Ltd
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    • Y02W30/84Recycling of batteries or fuel cells

Abstract

(57)【要約】 【課題】非水電解液二次電池の電極活物質やその廃材中
に含有される有用な遷移金属を簡単な処理プロセスによ
り高純度で効率的に回収することが可能な電極構成金属
の回収方法を提供する。 【解決手段】電池用正極活物質または正極活物質の製造
工程にて発生した活物質廃材を酸で溶解して金属溶解液
を調製する溶解工程と、金属溶解液中に酸化剤を添加し
て金属イオンの酸化力を高める酸化工程と、酸化された
金属化合物を分離回収する回収工程と、回収された金属
化合物を熱処理して金属酸化物とする熱処理工程とを備
えることを特徴とする電極構成金属の回収方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電極構成金属の回収
方法に係り、特に非水電解液二次電池の電極材やその廃
材中に含有される有用なコバルトやニッケルなどの遷移
金属を簡単な処理プロセスにより高純度で効率的に回収
することが可能な電極構成金属の回収方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ノート型パーソナルコンピュー
タ、携帯型情報端末(PDA)、携帯電話などが急速に
普及し、モバイルコンピューティング化が進行してい
る。それに伴って、多機能化する携帯用電子機器などの
長時間稼動を可能にすることが望まれている。そこで、
携帯用電子機器をはじめとする各種電子機器の電源とし
て用いられる二次電池に対しては、小型・高容量化が強
く要求されるようになってきている。
【0003】このような要求を満たす二次電池として
は、例えばリチウム塩を含む非水電解液を使用した非水
電解液二次電池としてのリチウムイオン二次電池が知ら
れている。このリチウムイオン二次電池では、LiCo
やLiNiOやLiMn などのLi含有遷
移金属複合酸化物が正極活物質として用いられている。
負極には炭素系の材料が用いられ、かつ非水溶媒中にL
iPFやLiBFなどのリチウム塩を溶解した非水
電解液が用いられている。このようなリチウムイオン二
次電池は、携帯用電子機器の電源などとして多量に使用
されている。
【0004】このようにリチウムイオン二次電池を中心
とする非水電解液二次電池の需要量が増大するに伴っ
て、この二次電池の正極活物質として用いられるLiC
oOやLiNiOなどの材料の使用量も増大し、使
用済みの活物質廃材や電池の製造工程で発生する規格外
品としての廃材の量も急激に増大している。
【0005】なお、従来から老朽化して使用済みになっ
た完成品としての電池セルや電池パックなどの廃棄製品
から、有用で高価なコバルト(Co)やニッケル(N
i)などの金属を回収する試みは種々検討されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、老朽化
した完成品としての二次電池廃材から有用金属を回収す
る場合においては、電池構成部材が正極,負極に用いら
れる活物質の他に、結着剤(バインダ),導電助剤,セ
パレータ,銅箔等の集電帯など多岐に亘るため、回収を
目的とする金属材に多量の不純物が混入するため、顔料
等の低純度用途に転用される以外に回収品を再び電極構
成材として再利用することは不可能であった。
【0007】また各種不純物が多量に含有されているた
め、個々の不純物を分離・除去するプロセスが煩雑かつ
複雑になり、また、金属の回収費用が、新規な金属原料
の購入費用を上回る場合が多く、実用的には回収操作が
実施されることは極めて少ない難点があった。
【0008】また回収物を非水電解液二次電池用正極活
物質の製造用原料として使用する場合には、特別な精製
工程を設ける必要があり、回収装置の設備費および運転
費が高騰してしまう問題点があった。
【0009】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、特に非水電解液二次電池の電極材やそ
の廃材中に含有される有用な遷移金属を簡単な処理プロ
セスにより高純度で効率的に回収することが可能な電極
構成金属の回収方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る電極構成金属の回収方法は、電池用正
極に付着された活物質または電池製造工程にて発生した
活物質廃材を酸で溶解して金属溶解液を調製する溶解工
程と、金属溶解液中に酸化剤を添加して金属イオンの酸
化力を高める酸化工程と、酸化された金属化合物を分離
回収する回収工程と、回収された金属化合物を熱処理し
て金属酸化物とする熱処理工程とを備えることを特徴と
する。
【0011】また上記本発明に係る回収方法の溶解工程
において、酸として塩酸,硝酸および王水の少なくとも
1種の酸を使用することが好ましい。さらに、前記溶解
工程において、酸として塩酸を使用する一方、金属溶解
液中に溶解助剤として塩素ガスを通気することが好まし
い。また、前記酸化工程において酸化剤として過酸化水
素を添加することが好ましい。
【0012】さらに本発明方法の回収工程において、金
属化合物に炭酸ナトリウムまたは蓚酸を添加することに
より、酸化された金属化合物を炭酸塩または蓚酸塩とし
て沈殿せしめることが好ましい。この沈殿法による分離
回収方法は、特に回収される金属がコバルト(Co)ま
たはニッケル(Ni)であるときに効果的である。
【0013】また、前記熱処理工程において、金属化合
物の熱処理温度が350〜750℃であることが好まし
い。
【0014】本発明方法の溶解工程において使用される
塩酸,硝酸および王水は、廃材中に含まれる遷移金属を
溶解してイオン化するために用いられるものであり、回
収を目的とする金属がコバルトまたはニッケルである場
合には塩酸(HCl)が好ましい。また硝酸(HN
)は後述する酸化工程において金属イオンの酸化力
を高める酸化剤としても機能する。また王水は、ほぼ濃
硝酸1体積と濃塩酸3体積との混合液であり、単独の酸
では溶解させることが困難な金属を溶解させる場合に使
用する。
【0015】上記溶解工程において使用する酸の添加量
は、回収する金属量に対してモル比で通常2〜3倍に設
定するとよい。なお、前記溶解工程において、酸として
塩酸を使用する場合には、金属溶解液中に溶解助剤とし
て塩素ガスを通気することが好ましい。塩素ガスは金属
の溶解を促進させる溶解助剤としての作用を有するた
め、溶解用に添加する塩酸の添加量を相対的に低減する
ことが可能になる。
【0016】また、塩素ガスは金属イオンの酸化力を高
める酸化剤としても作用するため、後述する酸化工程に
おける酸化剤の使用量を低減することもできる。
【0017】次に金属イオンが溶解した金属溶解液に酸
化剤を添加して金属イオンの酸化力を高める酸化工程に
移る。上記酸化剤としては、特に限定されるものではな
いが、前記のような塩素ガスの他に過酸化水素(H
)を、回収する金属量に対して1〜5モルの割合で添
加することが好ましい。特に過酸化水素を添加すること
により、金属イオンの酸化力が高まり金属化合物の生成
速度が増大する顕著な効果がある。
【0018】さらに上記過酸化水素の添加による酸化反
応は発熱反応であるため、金属溶解液の温度を60〜7
0℃まで上昇させることが可能であり、金属成分の溶解
効率を高めることが可能である。この効果は、本発明方
法を実施するための反応槽として、ヒーターやスチーム
ジャケットなどの特殊な加熱手段を付設する必要性を解
消し、回収設備を大掛りなものとせずに簡素化できるこ
とを意味する。
【0019】なお、酸化剤として塩素ガス(Cl)を
使用する場合には、発熱量が少なく、金属成分の溶解速
度が低下する場合がある。そこで、金属成分とHCl溶
液との分散系を50〜60℃程度に加熱することによ
り、金属の溶解効率およびCoCl,NiClなど
の金属化合物の生成効率を高めることができる。
【0020】次に、上記酸化工程において生成した金属
化合物を分離回収する回収工程に移る。この回収工程で
は、金属化合物に炭酸ナトリウム(NaCO)また
は蓚酸((COOH))を添加することにより、酸化
された金属化合物を炭酸塩または蓚酸塩として沈殿せし
める。すなわち、アルカリ金属の炭酸塩および蓚酸塩は
水に溶解し易い傾向にあるが、その他の金属の炭酸塩お
よび蓚酸塩は水に対して難溶性を示すため金属成分の沈
殿による分離が容易である。特に炭素ナトリウムは各種
金属のうちコバルトまたはニッケルのみをCoCO
たはNiCOとして選択的に沈殿させる作用を有する
ため、特に有効である。
【0021】なお、金属成分を沈殿物として回収する方
法として、例えば、金属溶液中に硫酸等を添加して撹拌
し、硫化物の沈殿物として回収方法も試行されている。
しかしながら、この場合には沈殿物中に硫黄成分が混入
して純度が低下し易い難点があり、この硫黄成分を除去
するためには1000℃以上の高温度で加熱する操作が
必要となり、精製プロセスが煩雑になる上に、材料特性
が劣化する問題点がある。そのため、金属成分は、炭酸
塩または蓚酸塩として沈殿させることが好ましい。
【0022】次に、沈殿物を含む溶解液を濾過して夾雑
物を除去した後に、洗浄水を添加して沈殿物を沈降させ
る操作と上澄液を排出する操作とを繰り返して十分に洗
浄する。この洗浄操作は、アルカリ成分量を減少させる
ために上澄液のpH値が9以下になるまで実施するとよ
い。この沈殿物を含む溶液を濾過して沈殿物を分離した
後に、温度100〜140℃で1〜5時間加熱して乾燥
させる。さらに乾燥した沈殿物(金属化合物)を空気雰
囲気中で350〜750℃の温度で3〜6時間加熱する
熱処理工程を実施することにより、高純度の金属酸化物
が調製される。
【0023】上記熱処理工程において、所定の化学量論
組成を有する高純度のCoなどの金属酸化物を効
率的に得るためには、熱処理温度を350〜750℃の
範囲に制御することが重要である。すなわち、熱処理温
度が350℃未満の場合には、金属の酸化反応が十分に
進行せずに、金属塩が残存する組成となる。一方、熱処
理温度が750℃を超える場合においても、Li化合物
などの別組成の金属化合物が生成し易くなるため、熱処
理温度は350〜750℃の範囲とされる。
【0024】上記構成に係る電極用金属の回収方法によ
れば、処理対象を粉粒状の正極活物質およびその廃材に
限定しているため、回収目的とする金属成分の溶解・酸
化・沈殿が容易であり、高純度の金属酸化物を効率的に
回収することができる。また回収した金属酸化物を原料
として再利用し正極活物質を形成した場合においても、
電池特性の低下は少なく、再生利用が可能となるため、
電池の製造コストを低減することができる。
【0025】さらに、所定量の酸化剤を添加しているた
め、その発熱によって金属溶解液の温度を高めることが
でき、別途加熱手段を装備することなく、通常の撹拌容
器を使用しても、金属成分の溶解効率を高めることが可
能であり、回収設備を簡素化することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態について以
下の実施例および比較例に基づいて具体的に説明する。
【0027】実施例1 非水電解液二次電池の正極活物質としてLiCoO
主成分として含有する電極材および電池製造工程内で発
生した活物質廃材を撹拌容器内に投入し、分散媒として
の水を配合して撹拌して均一な分散液とした。この分散
液を撹拌機で撹拌しながら分散液中の回収を目的とする
金属(Co)量に対してモル比で2倍量のHCl溶液を
投入し、さらに金属量に対して酸化剤として2モル相当
の過酸化水素(H)を投入し金属成分を溶解して
金属溶解液を調製した。上記過酸化水素の添加により金
属溶解液の温度は65℃に上昇し、金属成分の溶解・酸
化が効果的に進行した。
【0028】得られた金属溶解液をフィルターにより濾
過して夾雑物を除去した後に、金属モル数の1.5倍相
当の炭酸ナトリウム(NaCO)を添加して撹拌
し、コバルト(Co)の炭酸塩(CoCO)と沈殿を
生成させた。沈殿物を含む溶液に洗浄水を添加して沈殿
物を沈降させる操作と上澄液を排出する操作とを、上澄
液のpH値が9以下になるまで繰り返して十分に洗浄し
た。
【0029】得られた沈殿物を120℃にて乾燥し、さ
らに乾燥物を空気雰囲気中で450℃の温度で5時間熱
処理することにより実施例1に係る金属酸化物としての
酸化コバルトを調製した。得られた酸化コバルトを、C
uKα線による粉末X線回折法により測定したところ、
Coの回折パターンとほぼ一致した。
【0030】実施例2 実施例1の溶解工程において、回収する金属量に対して
モル比で0.8倍量のHCl溶液を投入して、金属溶解
液の温度が50℃になるまで加熱する一方、回収金属量
に対してモル比で1.0倍量の塩素ガス(Cl)を金
属溶解液中にバブリングにより通気した点以外は実施例
1と同様に処理することにより実施例2に係る金属酸化
物としての酸化コバルトを回収した。
【0031】得られた酸化コバルトを、CuKα線によ
る粉末X線回折法により測定したところ、Co
回折パターンとほぼ一致した。
【0032】上記実施例2に係る回収方法によれば、溶
解工程において塩素ガスを通気しているため、金属成分
の溶解効率が高まる結果、金属成分を溶解するために必
要とされる塩酸量を相対的に低減することが可能になっ
た。
【0033】実施例3 実施例1の溶解工程において、金属成分を溶解するため
の塩酸の代わりに濃硝酸1体積と濃塩酸3体積との混合
液である王水を、回収する金属量のモル比で1.5倍量
添加した点以外は実施例1と同様に処理することによ
り、実施例3に係る金属酸化物としての酸化コバルトを
回収した。
【0034】得られた酸化コバルトを、CuKα線によ
る粉末X線回折法により測定したところ、Co
回折パターンとほぼ一致した。
【0035】上記実施例3に係る回収方法によれば、金
属成分の溶解効率が高い王水を使用しているため、回収
する金属成分の収率をより高めることが可能になった。
【0036】実施例4 実施例1の熱処理工程において、熱処理温度を300℃
に設定した点以外は実施例1と同様に処理することによ
り実施例4に係る金属酸化物としての酸化コバルトを回
収した。
【0037】しかしながら、上記実施例4に係る回収方
法によれば、熱処理温度が低いために金属成分の酸化反
応が十分に進行せず、コバルト塩などの副生物を含むC
粉末しか得られず、目的とするCo粉末
の純度が低下した。
【0038】実施例5 実施例1の熱処理工程において、熱処理温度を800℃
と過大に設定した点以外は実施例1と同様に処理するこ
とにより実施例5に係る金属酸化物としての酸化コバル
トを回収した。
【0039】しかしながら、上記実施例5に係る回収方
法によれば、熱処理温度が高いために、Li化合物など
の副生物を含むCo粉末しか得られず、目的とす
るCo粉末の純度が低下した。
【0040】比較例 一方、本発明の回収方法によらず、不純物としてNiを
200ppm等を合計で2000ppm含有する純度9
9.8%のCo原料粉末(購入品)を比較例に係
る金属酸化物として用意した。
【0041】上記のように回収した各実施例の金属酸化
物(酸化コバルト)の特性を比較例の酸化コバルトと比
較するために下記のように正極活物質を合成し、さらに
その活物質を正極とするリチウムイオン二次電池を調製
した。
【0042】すなわち、各酸化コバルト粉末を水酸化リ
チウム粉末と、Co:Liのモル比が1:1となるよう
に混合し、得られた混合物を空気雰囲気中で950℃の
温度で5時間焼成することにより、LiCoOを主成
分とする複合酸化物をそれぞれ調製した。
【0043】次に、得られた各複合酸化物を正極活物質
として用い、この正極活物質90質量%と導電剤として
グラファイト6質量%と結着剤としてポリフッ化ビニリ
デン4質量%とを混合して正極合剤を調製した。この正
極合剤をN−メチル−2−ピロリドンに分散させてスラ
リー状とし、これをアルミニウム箔に塗布し、乾燥させ
た。これをローラープレス機で圧縮成形した。得られた
圧縮成形体を所定のサイズに裁断することによって、シ
ート状の正極を得た。
【0044】次に、炭素材料93質量%と結着剤として
ポリフッ化ビニリデン7質量%とを混合して負極合剤を
調製した。この負極合剤を用いる以外は、正極と同様に
してシート状の負極を作製した。
【0045】上述したシート状の正極と微孔性ポリエチ
レンフィルムからなるセパレータとシート状の負極をこ
の順序で積層し、この積層物を負極が外側に位置するよ
うに渦巻き状に巻回することにより電極群を作製した。
この電極群にリードを取り付けて有底円筒状の電池容器
(電池缶)に収容した。さらに、電池容器内に非水電解
液を注入した後、これを封入することにより、図1に示
すような円筒形非水電解液二次電池を組み立てた。な
お、非水電解液は、エチレンカーボネート(EC)とメ
チルエチルカーボネート(MEC)の1:1混合溶媒
に、1mol/Lの濃度でLiPFを溶解して調製し
た。
【0046】図1は本発明の非水電解液二次電池をリチ
ウムイオン二次電池に適用した一実施形態の構造を一部
断面で示す図である。同図においては、1は例えばステ
ンレスからなる電池容器(電池缶)である。この電池容
器1の底部には絶縁体2が配置されている。電池容器1
の形状としては、例えば有底円筒状や有底角筒状などが
適用される。本発明は円筒形二次電池および角型二次電
池のいずれにも適用可能である。
【0047】電池容器1は負極端子を兼ねており、この
ような電池容器1内に発電要素として電極群3が収納さ
れている。電極群3は、正極4、セパレータ5および負
極6をこの順序で積層した帯状物を、負極6が外側に位
置するように、例えば渦巻き状に巻回した構造を有して
いる。電極群3は渦巻き型に限らず、正極4、セパレー
タ5および負極6をこの順序で複数積層したものであっ
てもよい。
【0048】電極群3が収納された電池容器1内には、
非水電解液が収容されている。電池容器1内の電極群3
の上方には、中央部が開口された絶縁紙7が載置されて
いる。電池容器1の上方開口部には絶縁封口板8が配置
されている。絶縁封口板8は、電池容器1の上端部付近
を内側にかしめ加工することによって、電池容器1に対
して液密に固定されている。
【0049】絶縁封口板8の中央部には、正極端子9が
嵌合されている。正極端子9には正極リード10の一端
が安全弁11を介して接続されている。正極リード10
の他端は、正極4に接続されている。負極6は図示しな
い負極リードを介して、負極端子である電池容器1に接
続されている。これによって、非水電解液二次電池とし
てのリチウムイオン二次電池12が構成されている。
【0050】このようにして作製した円筒形非水分解液
二次電池としてのリチウムイオン二次電池の充放電特性
を、以下のようにして測定、評価した。すなわち、初回
充填量に対する初回放電量の比を放電効率として測定し
た。これらの測定結果を下記表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】上記表1に示す結果から明らかなように実
施例1〜3に係る回収方法によって回収した金属酸化物
(Co)を再利用して正極活物質を調製した各二
次電池においては、新規に調達した高純度の金属酸化物
を原料として使用した比較例の二次電池と比較して遜色
がない放電効率が得られており、十分に再生利用できる
ことが判明した。
【0053】なお熱処理温度を350〜750℃の範囲
外として調製した実施例4,5に係る金属酸化物を使用
した二次電池においては、原料純度が若干低下するもの
の、放電効率の大きな低下はなく、この場合でも十分に
再生利用が可能であることが判明した。
【0054】すなわち実施例4,5に係る金属酸化物で
は、実施例1〜3と比較して特性が低下するために好ま
しくないが、高純度品との混合体として使用するなど、
その使用量を適正化することにより、電池正極活物質と
して再生利用することができる。また、高純度性を要求
されない顔料などの用途には直接使用することもでき
る。
【0055】以上の実施例においては、LiCoO
含有する正極活物資廃材からCoを回収する例で示して
いるが、LiNiOを含有する廃材からNiを回収す
る場合においても同様な効果が得られている。また回収
工程において炭酸ナトリウムの代わりに蓚酸を添加した
場合にも上記実施例と同様な効果が得られる。
【0056】
【発明の効果】以上説明の通り、本発明に係る電極金属
の回収方法によれば、処理対象を粉粒状の正極活物質お
よびその廃材に限定しているため、回収目的とする金属
成分の溶解・酸化・沈殿が容易であり、高純度の金属酸
化物を効率的に回収することができる。また回収した金
属酸化物を原料として再利用し正極活物質を形成した場
合においても、電池特性の低下は少なく、再生利用が可
能となるため、電池の製造コストを低減することができ
る。
【0057】さらに、所定量の酸化剤を添加しているた
め、その発熱によって金属溶解液の温度を高めることが
でき、別途加熱手段を装備することなく、通常の撹拌容
器を使用しても、金属成分の溶解効率を高めることが可
能であり、回収設備を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法によって回収した金属酸化物を原料
として使用した正極を備える非水電解液二次電池の構成
を示す半断面図。
【符号の説明】
1 電池容器(電池缶) 2 絶縁体 3 電極群 4 正極 5 セパレータ 6 負極 7 絶縁紙 8 絶縁封口板 9 正極端子 10 正極リード 11 安全弁 12 非水電解液二次電池(リチウムイオン二次電池)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22B 7/00 C22B 3/00 Q 23/00 23/04 (72)発明者 及川 充広 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 白川 康博 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 Fターム(参考) 4D004 AA23 AC05 BA05 CA34 CA36 CA41 CC11 CC12 4K001 AA07 AA19 BA22 DA12 DB04 DB05 DB06 DB22 JA03 5H031 AA00 BB09 CC00 EE01 HH06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電池用正極活物質または正極活物質の製
    造工程にて発生した活物質廃材を酸で溶解して金属溶解
    液を調製する溶解工程と、金属溶解液中に酸化剤を添加
    して金属イオンの酸化力を高める酸化工程と、酸化され
    た金属化合物を分離回収する回収工程と、回収された金
    属化合物を熱処理して金属酸化物とする熱処理工程とを
    備えることを特徴とする電極構成金属の回収方法。
  2. 【請求項2】 前記溶解工程において、酸として塩酸,
    硝酸および王水の少なくとも1種の酸を使用することを
    特徴とする請求項1記載の電極構成金属の回収方法。
  3. 【請求項3】 前記溶解工程において、酸として塩酸を
    使用する一方、金属溶解液中に溶解助剤として塩素ガス
    を通気することを特徴とする請求項1記載の電極構成金
    属の回収方法。
  4. 【請求項4】 前記酸化工程において酸化剤として過酸
    化水素を添加することを特徴とする請求項1記載の電極
    構成金属の回収方法。
  5. 【請求項5】 前記回収工程において、金属化合物に炭
    酸ナトリウムまたは蓚酸を添加することにより、酸化さ
    れた金属化合物を炭酸塩または蓚酸塩として沈殿せしめ
    ることを特徴とする請求項1記載の電極構成金属の回収
    方法。
  6. 【請求項6】 前記回収される金属がコバルト(Co)
    またはニッケル(Ni)であることを特徴とする請求項
    1記載の電極構成金属の回収方法。
  7. 【請求項7】 前記熱処理工程において、金属化合物の
    熱処理温度が350〜750℃であることを特徴とする
    請求項1記載の電極構成金属の回収方法。
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