JP2002010784A - 細胞増殖抑制剤 - Google Patents

細胞増殖抑制剤

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JP2002010784A JP2000196514A JP2000196514A JP2002010784A JP 2002010784 A JP2002010784 A JP 2002010784A JP 2000196514 A JP2000196514 A JP 2000196514A JP 2000196514 A JP2000196514 A JP 2000196514A JP 2002010784 A JP2002010784 A JP 2002010784A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PAR1型トロンビンレセプターの特定の領
域に結合し、該レセプターの細胞増殖に関する機能を阻
害する薬剤を提供する。 【解決手段】 PAR1型ヒトトロンビンレセプターの
構造のうち細胞増殖に関与する特定の領域に結合するポ
リペプチドまたは化合物。例えば、PAR1型ヒトトロ
ンビンレセプターのアミノ末端側の52番目から56番
目のアミノ酸配列Tyr−Glu−Pro−Phe−T
rpに結合するポリペプチドまたは化合物。これらは細
胞増殖阻害活性やTNF−α、IL−6、IL−1βな
どの炎症性メディエーターの産生や放出を抑制する活性
を有し、各種炎症性疾患や細胞増殖性疾患の治療薬とし
て用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はトロンビンによる細
胞の増殖を抑制しうる薬剤に関する。さらに詳しくは、
PAR1型トロンビンレセプターの特定の領域に結合し
て該レセプターの細胞増殖に関する機能を阻害する薬剤
に関する。本発明はまた、新規なヒトPAR1型トロン
ビンレセプター、ならびにそれをコードするDNA断片
に関する。
【0002】
【従来の技術】トロンビンは血液凝固カスケードの最終
段階に関与し、血栓止血において極めて重要な役割を果
たすセリンプロテアーゼである。一方、トロンビンは血
管内皮細胞上のトロンボモジュリンと結合すると、凝固
促進的な働きは全くなくなり、逆にプロテインCの活性
化能が数千倍も増強される。このようにして活性化され
たプロテインCは、第V因子や第VIII因子を分解して
抗凝固作用を示す。したがって、トロンビンは抗凝固因
子としての働きももっていることになる。トロンボモジ
ュリンはトロンビン受容体の一種であるが、最近トロン
ビンのシグナルを伝達するタイプの受容体(レセプタ
ー)が発見された(Vu, T. K. H. et al. :Cell, 64, 1
057-1068 (1991))。最初にクローニングされたシグナ
ル伝達型のトロンビンレセプター(PAR1)のcDN
Aは425個のアミノ酸残基からなる蛋白質をコードし
ており、7個の膜貫通領域をもつ典型的なG蛋白共役型
レセプターの構造を有している。
【0003】トロンビンはPAR1型トロンビンレセプ
ターの細胞外N末端側の部位Arg(41)−Ser
(42)を限定分解する。PAR1型トロンビンレセプ
ターのN末端側が遊離すると、新たに露呈してきたN末
端部位がアゴニストとして働くという極めて特徴的な構
造をしている。すなわちトロンビンはリガンドとして働
くのではなく、レセプターに内在しているリガンド(T
RAP: Thrombin Receptor Agonist Peptide)を露呈
させる役目をもっているだけである。このリガンド部位
のC末端側には隣接して酸性アミノ酸に富んだ部位があ
る(−Glu−Asp−Glu−Glu−)。この部位
はトロンビンの天然インヒビターであるヒルの唾液中の
ヒルジンに相同性が高く、ヒルジン様ドメインとよばれ
ており、トロンビンが結合する部位と考えられている
(医学のあゆみ、167, 484-487 (1993))。
【0004】トロンビンのシグナルにより、血小板や血
管内皮細胞のみならず、血管平滑筋細胞やマクロファー
ジなども活性化され、遊走し、増殖する。粥状硬化、P
TCA後などにPAR1型トロンビンレセプターが過剰
発現していることからみて、このレセプターが各種血管
病変の成立に重要な役割を果たすと考えられてきた。
【0005】抗トロンビン剤、すなわちトロンビン阻害
剤は、前述したようなトロンビンの機能を考えると、血
液凝固カスケードを阻害するばかりでなく活性化プロテ
インCの生成も抑制することになる。すなわち血管内皮
上の凝固と抗凝固のバランスがくずれることが予想さ
れ、副作用として、例えば出血が懸念される。
【0006】一方、トロンビンレセプター阻害剤は、そ
の作用機序からみて、血液凝固系には全く影響を及ぼさ
ずに細胞表面のレセプターを調節することで、細胞増殖
や細胞遊走などの細胞活性化のみを抑制することが期待
できる。つまり、トロンビン阻害剤と異なり、トロンビ
ンレセプター阻害剤は、出血という副作用の少ない薬剤
となりうると考えれる。さらに、対象疾患のすみわけも
可能である。例えば、トロンビン阻害剤は血栓症が対象
になるのに対し、トロンビンレセプター阻害剤は細胞増
殖性の疾患が対象となる。
【0007】次に、トロンビンと細胞上のレセプターと
の反応が各種疾患といかに関連するかについて説明す
る。例えば、リウマチにおける滑膜細胞増殖や、動脈硬
化における血小板凝集、平滑筋細胞増殖、あるいはマク
ロファージ遊走に細胞上のトロンビンレセプターが関与
していることを示唆する報告を以下に示す。
【0008】リウマチ患者の滑膜組織においてPAR1
型トロンビンレセプターは過剰発現している(Ann. Rhe
um. Dis., 55: 841-843 (1996))。また、リウマチ患者
の滑液中には活性化トロンビンが多量に存在し、さらに
滑液中ではトロンビン生成量を反映するメルクマールで
あるTAT(Thrombin−Antithromb
in Complex)が健常人血漿値に比べて数千倍
も高値になっていることが最近明らかにされている(J.
of Rheumatology, 23, 1505-1511 (1996); Clin. Exp.
Rheumatol., 17, 161-170 (1999))。
【0009】さらに、リウマチ患者由来の滑膜細胞は、
in vitroで培養液中にトロンビンあるいはTR
APを添加することによって、トリチウムチミジンの取
り込みが増加すること、すなわちトロンビンレセプター
の作用を介して増殖することが示唆されている(Clinic
al Immunology and Immunopathology, 76: 225-233 (19
95))。
【0010】また、慢性関節リウマチにおいては増殖し
た滑膜組織内に新生血管が多くみられることが特徴であ
るが、トロンビンは血管内皮細胞の管腔形成など血管新
生の過程に関与することが示唆されている(Am. J. Phy
siol., 273, c239-245, 1997)。
【0011】さらに、慢性関節リウマチ患者の病態にお
いてマトリックスメタロプロテアーゼの発現が亢進して
いることが知られている。トロンビンは血管内皮細胞に
作用してマトリックスメタロプロテアーゼ−1および−
3の発現を亢進するが、そのうちのマトリックスメタロ
プロテアーゼ−3の発現にPAR1型トロンビンレセプ
ターが関与していることが報告されている(Atheroscle
r. Thromb. Vasc. Biol., 17, 1731-1738 (1997))。こ
のことから、トロンビンレセプターは慢性関節リウマチ
の滑膜増生、およびそれに引き続いて起きる骨軟骨破壊
の過程に関与していると考えられる。
【0012】これらの報告をまとめてみると、関節局所
で生成したトロンビンが滑膜組織あるいは滑膜細胞表面
上のトロンビンレセプターを介してシグナル伝達を起こ
し、滑膜細胞増殖が惹起されていると考えられる。
【0013】リウマチの発症機序は、最近の研究から滑
膜細胞増殖が骨軟骨破壊に到るステップであることが明
らかにされている。しかしながら、現行の抗リウマチ薬
の作用をみると、痛みを和らげる抗炎症薬が主流であ
り、滑膜細胞増殖を有効に阻害調節する薬剤は未だな
い。早期リウマチ治療を考えた場合、滑膜細胞増殖阻害
剤は、対症療法のための薬剤ではなく根治薬となりう
る。
【0014】また、粥状動脈硬化やPTCA後の再狭窄
などの血管病変の病態進展においては新生内膜肥厚がそ
の大きな要因となっており、その新生内膜組織にはPA
R1型トロンビンレセプターの過剰発現が認められるこ
とが報告されている(Journal of Clinical Investigat
ion, 90, 1614-1621 (1992))。
【0015】一方、トロンビンはin vitroで血
小板の凝集、平滑筋細胞の増殖、マクロファージの遊走
を惹起することから、病変部位においても浸潤したマク
ロファージや血小板、内膜平滑筋細胞表面上のトロンビ
ンレセプターを介するシグナル伝達に関与し、局所炎症
亢進、平滑筋細胞増殖を起こしていることが強く示唆さ
れる。
【0016】また、上記以外にもPAR1型トロンビン
レセプターと疾患に関する報告例のひとつとして、脳神
経細胞(Astrocyte)がトロンビンあるいはT
RAPによってアポトーシスを起こすことが最近報告さ
れており(The Journal of Neuroscience, 17, 5316-53
26, (1997))、トロンビンレセプターと脳神経障害との
関連性が示唆されている。また、トロンビンレセプター
はある種のヒト肺ガン細胞の転移にも関与しているとの
報告もある(Nature Med., 4, 909-914,1998)。
【0017】PAR1型トロンビンレセプターは、その
生体内における分布や機能から考えると、上述のリウマ
チや動脈硬化、脳神経障害に限らず、各種疾患の発症あ
るいは増悪に関連していると考えられる。
【0018】しかしながら、一部の報告ではPAR1型
トロンビンレセプターのTRAP部位に対する抗体でラ
ットの血管平滑筋細胞の増殖を抑制しうることが示され
ているものの(Circ.Res. 82, 980-987 (1998))、ヒト
PAR1型トロンビンレセプターに対する阻害剤で細胞
増殖を抑制したという報告は現在のところない。また、
PAR1型トロンビンレセプターのTRAP部位による
刺激は細胞の増殖には不十分である可能性も報告されて
いる(FEBS Lett., 15, 225-228 (1993); J Surg. Re
s., 68, 139-144 (1997); Circulation 95, 1870-1876
(1997))。さらに近年トロンビンに反応するといわれる
複数のレセプター(PAR3、PAR4、N−PAR)
が報告されており、それらのレセプターと細胞の増殖作
用などとの関連については明らかになっていない(Natu
re, 386, 502-506 (1997); Nature,394, 690-694 (199
8); Biochem. J., 313, 353-368 (1996))。
【0019】次にファージミド技術すなわちファージデ
ィスプレイライブラリーについて詳述する。ファージ表
面上に発現されたタンパク質をあたかもファージと融合
した巨大タンパク質として扱うことが可能となり、目的
の物質(例えば抗原タンパク質)に結合するファージク
ローンを効率的に選別できるようになった。いったん選
択されたファージはたとえ少数であろうとも、大腸菌で
の感染、増殖過程を経ることにより大量のファージとす
ることができる。
【0020】また、ファージディスプレイベクターの最
大の特長は、ファージ表面に提示されたタンパク質の性
質(表現型)を指標として選択を行うことにより、その
タンパク質をコードするDNA配列(遺伝子型)を同時
に回収できることであり、したがって遺伝子レベルでの
解析を行うことが容易な点である。
【0021】特異的結合能をもつファージクローンをラ
イブラリーから選択的に分離するためには、基本的に標
的タンパク質への結合、洗浄、そして溶出という操作を
行う。さらに、標的タンパク質に特異的に強く結合する
ファージクローンを濃縮するために、溶出操作後に得ら
れたファージを大腸菌に感染してその増殖を行い、標的
タンパク質での選択操作を繰り返す必要がある。このよ
うな結合、洗浄、溶出、増殖という過程はパンニングと
よばれており、通常この操作を5回程度繰り返すことに
より、ライブラリーより特異的結合能をもつファージを
選択的に分離することができる。
【0022】ファージの結合対象としては、タンパク質
のみならずターゲットタンパク質を表面に発現している
細胞そのもの、炭水化物、核酸、化学薬品などがある。
また、溶出過程では、酸あるいはアルカリによる処理が
一般的に用いられている。
【0023】ファージディスプレイは、その原理上いか
なるポリペプチドにも応用可能である。例えば抗体のV
HとVL領域をペプチドリンカーでつないだ一本鎖抗体
すなわち単鎖型Fv(single chain F
v; scFv)断片の形で、外殻タンパク質IIIとの
融合タンパク質としてファージ表面上に提示することが
できる。
【0024】抗原(標的タンパク質あるいは細胞など)
を免疫したマウスのBリンパ細胞に由来するcDNAを
鋳型として、PCR法によりVHとVL遺伝子をそれぞ
れ増幅すると共にクローン化することにより、さまざま
な抗原結合部位を提示するファージミドライブラリーを
作製することができる。そのライブラリーの大きさは、
通常の分子生物学的手法によれば10の8乗程度であ
る。この方法を用いることで特定の抗原に対して異なる
結合特性をもつ単鎖抗体を同時に多種類取得することが
可能となる。
【0025】従来のトロンビンレセプターに対する抗体
は、アミノ末端の細胞外部分のペプチドを合成し、抗原
として動物に免疫して取得されている。例えば、ウサギ
ポリクローナル抗体の調製が報告されている(Circulat
ion., 91, 2961-2971 (1995))。また、ラットのトロン
ビンレセプターのTRAP部位を含むペプチドSFFL
RNPSEDTFEQFをウサギに免疫して得られたポ
リクローナル抗体は、ラットの平滑筋細胞のトロンビン
による増殖を抑制したことが報告されている(Circ. Re
s., 82, 980-987 (1998))。
【0026】しかしながら、本発明者らの検討では、ヒ
トPAR1型トロンビンレセプターのTRAP部位を含
むペプチドSFLLRNPNDKYEPFを免疫して得
たウサギポリクローナル抗体によっては、ヒト血管平滑
筋細胞およびヒト関節滑膜細胞のトロンビンによる細胞
増殖を抑制することはできなかった。
【0027】トロンビンレセプターはリガンドを分子中
に内在し、トロンビンによってアミノ末端側が切断され
て露呈したTRAP部分が分子内の特定部分と相互作用
をすることによってシグナル伝達が起こると考えられて
いる。また、トロンビンはトロンビンレセプターを切断
した後、レセプター分子から離れて次々とレセプターを
活性化していくものと考えられる。こうしたことから、
トロンビンレセプターはトロンビンと結合した後に、さ
らにはトロンビンによって切断された後に、分子内で立
体構造変化を起こしていることが示唆されている(米国
心臓学会、1996年)。
【0028】一方ファージミド技術によって得られたs
cFvは、1回のライブラリーの作成により多数の独立
したクローンが得られること、またその各クローンは単
一の抗原決定基に対して特異的であり、かつ同一の特異
性を有する抗体を安定的に産生できるという利点をもつ
ことから、リガンドとレセプターの機能解析、アンタゴ
ニストあるいはアゴニスト分子デザイン、構造活性相関
研究に近年利用されるようになってきた。
【0029】PAR1型トロンビンレセプターの細胞増
殖シグナル伝達においては、TRAP部位以外の部位が
関与している可能性が考えられてきたが、その部位につ
いては今までの情報では特定できていない。
【0030】しかしながら、PAR1型トロンビンレセ
プター上に存在する未知の細胞増殖に関与する部位に対
する抗体を作成するために、PAR1型トロンビンレセ
プターの全配列を分割した複数の部分ペプチドを作成し
て免疫し、得られたそれぞれの抗体について細胞増殖抑
制活性を検討する方法では効率が悪いといわざるを得な
い。
【0031】そこで本発明者らは、トロンビン切断部位
およびTRAP部位を欠損させた組み換えPAR1型ヒ
トトロンビンレセプターを細胞上に発現させ、その機能
および構造活性相関に関して鋭意研究を重ねた。その結
果、このヒトトロンビンレセプター改変体を発現した細
胞を抗原としてマウスに免疫し、構築したファージディ
スプレイライブラリーからヒトトロンビンレセプターに
対するscFvを作製することで、トロンビンレセプタ
ーの機能を特異的に抑制する薬剤を得ることができた。
【0032】本発明のscFvは、慢性関節リウマチ患
者より取得した関節滑膜細胞のトロンビン惹起増殖を特
異的に抑制する活性を有する。現在まで、トロンビンレ
セプターに対する抗体を含むトロンビンレセプター阻害
剤によってトロンビンによる細胞増殖を有意に抑制した
と報告はなく、この活性は本発明の薬剤において初めて
認められたものである。
【0033】例えば特表平6−508742号公報には
トロンビンレセプターに対する抗体を含むアンタゴニス
トの取得についての記載があるものの、トロンビンレセ
プターのアンタゴニストによる細胞増殖作用の抑制につ
いての記載はない。
【0034】さらに、本発明に至る過程で、種々のPA
R1型トロンビンレセプターと結合しうるscFvおよ
び抗体についてトロンビンによる細胞増殖の抑制の検討
を行ったところ、PAR1型トロンビンレセプター上の
特定の配列を認識するscFvクローンのみが有意に抑
制活性を示した。すなわち、従来PAR1型トロンビン
レセプターのトロンビンとの結合に関与する部位といわ
れていたYEPFW配列を認識するscFvのうち、一
部のscFvクローンのみが細胞増殖抑制活性を有する
ことも明らかになった。この細胞増殖抑制活性をもつs
cFvクローンは、該活性をもたないscFvクローン
と比較してトロンビンによる細胞でのCa流入反応、血
小板凝集に対する抑制効果、およびエピトープペプチド
に対するアフィニティの強さにおいて特に強い活性を示
すことはなく、したがって従来の技術により細胞増殖抑
制活性をもつscFvや抗体を取得することは困難と考
えられる。
【0035】さらに、本発明者らが鋭意検討を行ったと
ころ、トロンビンによる細胞増殖を抑制する活性のある
scFvクローンは、その認識エピトープであるヒトP
AR1型トロンビンレセプターの52番目から56番目
のアミノ酸配列のうちの56番目のトリプトファン残基
をアラニン残基に置き換えることで、該エピトープへの
結合性を失った。
【0036】これに対し、同様のエピトープに結合しう
る細胞増殖抑制活性のないscFvクローンは、PAR
1型トロンビンレセプターエピトープの56番目のトリ
プトファンをアラニンに置き換えてもそれへの結合性を
保持していた。つまり、PAR1型ヒトトロンビンレセ
プターの細胞増殖に関与する部位は、従来のトロンビン
に対するアニオン外部部位結合領域では規定されず、そ
のすぐ下流に位置するヒルジン様配列(EDEE)の間
に位置する56番目のトリプトファン残基を中心にした
部位であることが示された。
【0037】以上のことから、本発明はトロンビンによ
る細胞の増殖を抑制しうる薬剤を効率よく取得するため
の技術を含んでいる。すなわち、従来のトロンビンレセ
プター阻害剤の取得方法であるトロンビンによる細胞で
のCa流入反応の抑制や、血小板の凝集抑制を評価項目
とする方法では、トロンビンによる細胞の増殖を有効に
抑制しうる薬剤を取得することは困難であり、本明細書
に示されているように、PAR1型トロンビンレセプタ
ーの細胞増殖に関連する特定の配列の情報を得たことに
よってトロンビンの細胞増殖作用を有効に阻止しうる抗
体や薬剤の取得が可能になったのである。
【0038】本発明の薬剤の一例は、マウス抗体骨格を
もつscFvであるが、該遺伝子配列をもとにCDRグ
ラフティングなどの技術を利用することによって、ヒト
化抗体を作製することが可能である。またscFvを改
変してFc部分を付加したり、あるいは二本鎖の完全分
子型の抗体にすることも可能である。これらは血中半減
期が異なると予想され、対象疾患、投与部位、投与方法
によって抗体の剤型を変えることができる。
【0039】また、本発明のscFvはPAR1型トロ
ンビンレセプターの細胞増殖に重要な部位を認識するた
め、このscFvを用いてより活性の高い抗体やPAR
1型トロンビンレセプターと結合してその活性を修飾し
うる化合物を選別、取得するためのツールとして用いる
ことが可能である。
【0040】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、PA
R1型トロンビンレセプターに対する多種類の抗体を取
得することによってPAR1型トロンビンレセプターの
細胞増殖への関与を検証するとともに、PAR1型トロ
ンビンレセプター上の増殖に強く関与する部位を特定
し、その情報をもとにトロンビンによる細胞増殖を有効
に抑制しうる薬剤を取得する点にある。
【0041】
【課題を解決するための手段】本発明者らはPAR1型
ヒトトロンビンレセプターを特異的に認識するポリペプ
チドを見出し、本発明に到達した。
【0042】すなわち本発明者らは、遺伝子工学的に各
種PAR1型ヒトトロンビンレセプターを昆虫細胞表面
に機能を有する蛋白として発現させた。本発明者らが作
製したPAR1型トロンビンレセプター改変体は次の3
種類である。 (1)△1−49TR PAR1型ヒトトロンビンレセプターのアミノ末端の1
番目から49番目までのアミノ酸を欠失させたレセプタ
ー:内在性リガンドであるTRAP部分やトロンビンに
よって切断されて遊離するペプチド部分を欠失させたレ
セプター。トロンビン結合部位すなわちヒルジン様ドメ
インは有している。△1−49TRのDNA配列および
アミノ酸配列を配列番号1に示す。 (2)△1−80TR PAR1型ヒトトロンビンレセプターのアミノ末端1番
目から80番目のアミノ酸を欠失したレセプター:TR
AP部分、遊離ペプチド、ヒルジン様ドメインを含まな
いレセプター。△1−80TRのDNA配列およびアミ
ノ酸配列を配列番号2に示す。 (3)Full TR 天然に存在するPAR1型ヒトトロンビンレセプター:
各機能部位を分子内に有する。Full TRのDNA
配列およびアミノ酸配列を配列番号3に示す。
【0043】本発明者らは上記(1)〜(3)の各レセ
プターを発現させた昆虫細胞を抗原としてマウスに免疫
し、得られたマウス抗血清から抗体を調製し、それぞれ
の抗体のプロファイルを検討した。その結果、△1−4
9TR発現昆虫細胞を抗原として免疫し得られた抗体に
アンタゴニスト的な活性プロファイルが認められた。
【0044】そこで本発明者らは、△1−49TR発現
細胞を抗原として免疫したマウスの脾臓細胞よりファー
ジミドライブラリーを作製し、そのライブラリーから吸
脱着すなわちパンニング法によってヒトトロンビンレセ
プターを特異的に認識して結合するscFvを選別、取
得した。
【0045】本発明者らは、さらに研究を進めた結果、
取得したPAR1型ヒトトロンビンレセプターを認識す
るscFvの中に、次のような特徴を有するものがある
ことを見出した。すなわち、ヒト細胞表面上のPAR1
型トロンビンレセプターに結合し、トロンビンによるト
ロンビンレセプターを介したカルシウム流入を抑制する
活性を有すること、さらにはヒト血小板上のPAR1型
トロンビンレセプターに結合して、トロンビンによるト
ロンビンレセプターを介した血小板凝集を阻害する活性
を有すること、さらにはヒト滑膜細胞のトロンビンレセ
プターに結合して、トロンビンによるトロンビンレセプ
ターを介した滑膜細胞増殖を阻害する活性を有すること
が明らかになった。
【0046】さらに本発明者らは、取得した抗体の結合
部位のアミノ酸配列を決定した。該エピトープの解析手
法としては、PAR1型ヒトトロンビンレセプターの部
分合成ペプチドを固相化したELISAおよび各種トロ
ンビンレセプター発現細胞を用いるELISAを行っ
た。また、PAR1型ヒトトロンビンレセプターのすべ
ての細胞外領域を包含するように1つのピン当たり15
アミノ酸の長さのペプチドを計94種類ピン上に固相合
成したマルチピンELISAを行った。
【0047】トロンビンレセプターの内在性リガンドで
あるTRAP部分に対するポリクローナル抗体、あるい
はトロンビン結合部位であるヒルジンライクドメインに
対するポリクローナル抗体は、それぞれの機能部位に対
して複数のエピトープで結合するため、トロンビンレセ
プターの機能に影響を与える可能性はある。しかしなが
らどのエピトープをブロックすることがアンタゴニスト
として有効かはこれまで明らかではなかった。そこで、
本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、ヒルジン様ドメイ
ンに包含されるPAR1型ヒトトロンビンレセプターの
アミノ末端側の51番目から55番目のアミノ酸が増殖
惹起を含むトロンビンレセプター機能に重要であり、そ
の部分に由来する機能を抑えることが該レセプター阻害
剤として有効であることがわかった。
【0048】このエピトープのアミノ酸配列は、トロン
ビンレセプターの活性化および機能発現において重要な
部位であると考えられる。例えばこの部位に抗体が結合
することによってトロンビンとトロンビンレセプターの
相互作用が阻害されること、またトロンビンはレセプタ
ーに結合するが、TRAPによるレセプターの細胞外ル
ープ部分への相互作用を阻害していることなど種々の可
能性が考えられる。
【0049】また、このヒトPAR1型トロンビンレセ
プターのアミノ末端側の51番目から55番目の配列の
中でも増殖に関与する部位があることが判明した。すな
わち本発明者らは同様の部位に結合し、かつ同様のエピ
トープに対する親和性を示す複数のscFvを取得して
いるが、トロンビンの細胞の増殖を抑制しうるのはその
一部のscFvであった。そのトロンビンによる細胞増
殖を抑制しうるscFvは、PAR1型トロンビンレセ
プターのアミノ末端側から55番目のトリプトファン残
基をアラニンに置換するとその配列に対する結合性が消
失するのに対し、トロンビンによる細胞増殖を抑制しな
いscFvにおいては同様な置換を行ったエピトープに
対する結合性は維持されていた。すなわち、トロンビン
による細胞増殖を抑制しうるscFvのPAR1型トロ
ンビンレセプターへの結合には該レセプターのアミノ末
端から55番目のトリプトファン残基が重要であり、ま
た該レセプターの細胞増殖に対する作用にはこの該レセ
プターのアミノ末端から55番目のトリプトファン残基
の周辺の配列が重要な役割をもつことが示された。
【0050】本発明者らは、前記のトロンビンレセプタ
ーおよび改変体を作製する研究過程で詳細な検討を進め
た結果、新しい事実を見出した。それは従来知られてい
るPAR1型ヒトトロンビンレセプターをコードする遺
伝子とは2箇所異なる塩基配列があることが判明した点
である。本発明者らは、該遺伝子が細胞表面上にPAR
1型トロンビンレセプターとしての機能を有する形で発
現していることを確認した。つまりトロンビンおよびT
RAP(内在性リガンド部分の合成ペプチド:H2N−
Ser−Phe−Leu−Leu−Arg−Asn−P
ro−COOH)いずれにおいても細胞内シグナル伝達
が認められた。また、TRAP部分に対するウサギポリ
クローナル抗体の結合性がフローサイトメトリーによっ
て認められた。この点からも本発明者らが新たに見出し
た遺伝子配列は機能しているものであることが明らかに
なった。
【0051】既報のPAR1型トロンビンレセプター
は、最初に巨核球細胞株Dami細胞のcDNAをアフ
リカツメガエルの卵母細胞にトランスフェクトし、トロ
ンビン刺激に対する応答性からクローニングされた。こ
れに対し、本発明者らはPAR1型トロンビンレセプタ
ーをコードする遺伝子をヒト大動脈と胎盤由来の正常組
織のcDNAライブラリーからクローニングした。既報
のcDNAの由来がガン細胞の一種であるDami細胞
だとすると、遺伝子変異もしくは遺伝子多型による可能
性もある。
【0052】また、上述のことから、本発明者らが見出
したPAR1型トロンビンレセプターは、アミノ酸配列
が既報のものに比べて2箇所異なったものであることが
わかる。したがって本発明の薬剤は、新規なレセプター
を認識し、結合するものである。
【0053】すなわち本発明は下記の発明を包含する。 1)トロンビンによる細胞増殖を抑制しうるポリペプチ
ドまたは化合物。 2)PAR1型ヒトトロンビンレセプターの構造のうち
細胞増殖に関与する特定の領域に結合するポリペプチド
または化合物。 3)ペプチド配列X1−Glu−Pro−X2−Trp−
3に結合する前記ポリペプチドまたは化合物。ここ
で、X1は任意のアミノ酸またはペプチド配列であり、
2は任意のアミノ酸を、X3は任意のアミノ酸またはペ
プチド配列を表す。 4)PAR1型ヒトトロンビンレセプターのアミノ末端
側の52番目から56番目のアミノ酸配列:X4−Ty
r−Glu−Pro−Phe−Trp−X5なる部分に
結合するポリペプチドまたは化合物。ここでX4および
5は、任意のアミノ酸またはペプチド配列を表す。 5)単鎖型Fvあるいはその断片であるPAR1型トロ
ンビンレセプターアンタゴニストたる前記ポリペプチ
ド。 6)抗体あるいはその断片であるPAR1型トロンビン
レセプターアンタゴニストたる前記ポリペプチド。 7)トロンビンレセプターを介した細胞増殖に関わるシ
グナル伝達系を阻害する、PAR1型トロンビンレセプ
ター阻害剤としての前記ポリペプチド。 8)前記ポリペプチドを取得するために用いることが可
能な改変型PAR1型トロンビンレセプターの遺伝子ま
たはその断片、ならびにそれを発現する細胞。 9)トロンビンによる細胞増殖を抑制しうる前記ポリペ
プチドまたは化合物を取得するための方法。
【0054】
【発明の実施の形態】本発明におけるscFvの作製方
法について詳細に説明する。 A.ファージミドライブラリーの作製 △1−49TR発現昆虫細胞をアジ化ナトリウムによっ
て死細胞化し、死菌体(シグマ社製)と混合して生理食
塩水に懸濁した。細胞の形態が生細胞と同程度であるこ
とを確認し、マウス腹腔に投与した。この免疫を2週間
間隔で5回行い、最終免疫の4日後に心臓から採血する
と同時に脾臓細胞を摘出した。
【0055】上記抗原の細胞を調製する際、アジ化ナト
リウムを細胞と接触させることによってレセプターの細
胞内へのインターナリゼーション(internali
zation)を防ぐことができる。細胞表面に存在す
るレセプター蛋白数をインタナーナリゼーションを防い
で恒常的に維持することは、免疫感作を十分に行うため
に必要である。
【0056】一般的には純化精製された抗原蛋白であれ
ば、免疫の際の必要量は比較的少量でよいと考えられて
いる。例えばモノクローナル抗体の例では、マウス1匹
あたり1回投与量として数μg〜数十μgでよい。
【0057】しかしながら、細胞表面上のレセプターを
抗原とする場合では細胞表面上には各種蛋白が存在す
る。レセプターに対する免疫動物の抗体価を上げるため
には、レセプターの数がこれら細胞表面上の夾雑蛋白に
比べてある程度多量に必要である。本発明者らはアジ化
ナトリウムによってレセプターの細胞内へのインタナラ
イゼーションを防ぎ、該トロンビンレセプター発現昆虫
細胞を抗原として動物に免疫することによってレセプタ
ーの構造を反映した機能部位を特異的に認識するファー
ジミド抗体を取得した。
【0058】ファージミド抗体の作成はアマーシャムフ
ァルマシア・バイオテク社より市販されている「Rec
ombinant Phage Antibody S
ystem」を用いて業者添付のプロトコールにしたが
って行った。キットに含まれるpCANTAB5ベクタ
ーについては、このベクターのNotI部位に塩基配列
ggccgcacatcatcatcaccatcac
ggを挿入し、クローニングした遺伝子が発現される際
にHis6配列およびE−tag配列が付加されるよう
にデザインした(pCANTAB5−HE)。上記のト
ロンビンレセプター発現昆虫細胞を免疫したマウスの脾
臓よりmRNAを取得し、抗体cDNAを作成した。そ
のcDNAよりキットに含まれるPCRプライマーを用
いて免疫グロブリンの重鎖および軽鎖の抗原結合部位
(それぞれVHおよびVL)の遺伝子を取得した。この
VLおよびVH遺伝子断片をキットに含まれるリンカー
遺伝子を用いて一本のDNAとして連結させ、さらにV
Hの5’側を認識し、制限酵素SfiI認識部位を含む
プライマーおよびVLの3’側を認識し、制限酵素No
tI認識部位を含むプライマーを用いてPCRを行い、
このVH−VL連結遺伝子を増幅して取得した。この増
幅DNA産物を制限酵素SfiIおよびNotIで処理
し、pCANTAB5−HEベクターのSfiI−No
tIクローニング部位に挿入し、大腸菌TG1株に導入
した。この遺伝子導入大腸菌にヘルパーファージM13
K07を添加することで抗体蛋白質を発現し、かつ抗体
遺伝子を含有するファージミドライブラリーを作成し
た。
【0059】B.パンニング 上記のように作成したファージミドライブラリーは、目
的のPAR1型トロンビンレセプターに対するファージ
ミド抗体以外のものを多数含んでいる。たとえば、ここ
で用いた抗体遺伝子はバキュロウイルス法でトロンビン
レセプターを発現させた細胞そのものを免疫しているた
め、細胞自体の成分やウイルスの構成成分に対するファ
ージミド抗体も多種類存在することが考えられる。した
がって、パンニング法による目的のファージミド抗体の
濃縮を行った。すなわち、このファージミド抗体を天然
型バキュロウイルスAcMNPVを感染させた昆虫細胞
と反応させることで目的以外のファージミド抗体を吸着
除去を行った後、トロンビンレセプター(△1−49T
R)を発現させた昆虫細胞と反応させ、結合したファー
ジミド抗体のみを取得することでトロンビンレセプター
と結合するファージミド抗体を濃縮した。この濃縮ファ
ージミドライブラリーを大腸菌HB2151に感染さ
せ、アンピシリン含有寒天培地上で生育させた各コロニ
ーを取得することで可溶型scFvを産生しうる大腸菌
クローン(scFv産生大腸菌株)を取得した。
【0060】C.キャラクタリゼーション 標準的な方法によりscFv産生株の培養およびペリプ
ラズム画分取得を行い、標準的な方法により精製を行っ
た。PAR1型トロンビンレセプターの機能阻害活性を
評価するin vitroの方法として、ヒト巨核芽球
系細胞を用いたカルシウム流入阻害評価、ヒト血小板を
用いた凝集阻害評価、慢性関節リウマチ患者由来の滑膜
細胞を用いた増殖阻害評価を実施した。また、上記評価
にてトロンビンレセプターの機能阻害活性を認めたsc
Fvおよび該活性を認めなかったscFvについてPA
R1型トロンビンレセプター上のエピトープを決定した
うえで、さらに詳細な認識ペプチド配列の解析を行っ
た。
【0061】以下に、標準的なscFvの産生、ペリプ
ラズム画分取得、および精製について述べる。scFv
産生大腸菌株を2×YT培地にて終夜培養を行い、終夜
培養液と本培養液を1:10の割合で混合した。30
℃、160回転/分で1時間培養後、IPTG(イソプ
ロピルチオガラクトシド)を最終濃度で1mM加えて6
時間培養し、scFv産生を誘導した。本発明者らの用
いたscFv産生システムではscFvは大腸菌のペリ
プラズム画分に産生、集積することが知られている。こ
のため、培養液を遠心操作し、菌体沈殿物を10倍濃度
のHEPES緩衝液に懸濁したのち、再度遠心操作によ
り得た沈殿物を超純水に懸濁し、浸透圧ストレスを加
え、再度遠心して上清を回収してペリプラズム画分を得
た。
【0062】本発明者らの調製したscFvは、そのア
ミノ酸配列内にポリHis領域を有しており、この領域
の金属イオン結合性を利用したNi−NTAカラムによ
るアフィニティーカラムクロマトによる精製が可能であ
る。取得したペリプラズム画分をNi−NTAアガロー
スカラムにロードし、数回洗浄の後にイミダゾールを含
むHepes−tyrode緩衝液により溶出した。さ
らに、溶出物を限外濾過膜を用いて濃縮してからHep
es−tyrode緩衝液に対して透析を行い、精製s
cFvを取得した。
【0063】次に、上記工程A、Bで取得した各scF
v産生大腸菌株の産生するscFvのトロンビンレセプ
ター結合性について解析した。トロンビンレセプター発
現昆虫細胞に精製scFvを反応させ、未反応のscF
vを洗浄除去した。次にscFvのC末端に反応するホ
ースラディシュパーオキシダーゼ(HRP)標識抗E−
Tag抗体を結合させ、HRPの発色基質である2,
2’−アジノビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−
スルホン酸)二アンモニウム塩(ABTS)による発色
法で結合性を解析した。また、野生型バキュロウイルス
AcMNPVを感染させた細胞においても同様に結合性
を解析し、トロンビンレセプター発現昆虫細胞に結合し
てAcMNPV感染昆虫細胞には結合しないscFv産
生大腸菌株を選択した。この選択した大腸菌株の産生す
るscFvについてトロンビンレセプターの機能阻害活
性を評価した。
【0064】以下にトロンビンレセプターの機能阻害活
性を評価する方法について述べる。ヒト巨核芽球系の株
化細胞にはトロンビンレセプターの発現が認められてお
り、またトロンビンにより細胞内カルシウム濃度が上昇
することが知られている。そこで、トロンビンにより惹
起された細胞内カルシウム濃度上昇を測定し、上記方法
により取得したscFvに機能阻害活性があるかどうか
調べた。すなわち、ヒト巨核芽球系の株化細胞に蛍光色
素(Fura2−AM)を取り込ませ、室温で30分間
scFvとインキュベートした後にヒトトロンビンを添
加し、添加30秒後の細胞内カルシウム流入量を測定
し、scFvのカルシウム流入阻害活性を調べた。その
結果、トロンビンによる細胞内カルシウム濃度上昇を抑
制する複数種類のscFvクローンを取得した。
【0065】上述のように、血小板上にはトロンビンレ
セプターが発現し、トロンビンにより凝集が惹起される
ことが知られている。そこで、トロンビンで惹起した血
小板凝集に対するscFvの効果について検討した。健
常人ヒト血液から血小板を精製し、洗浄血小板浮遊液を
調製した。得られた血小板浮遊液に上記方法にて取得し
たscFvを添加し、室温で20分間静置した。さらに
37℃で2分間で安定化し、CaCl2(最終濃度1.
5mM)を添加した。次にヒトトロンビン(最終濃度
0.1〜0.2u/ml)を添加して血小板凝集を惹起
し、その濁度の変化からscFvによる血小板凝集阻害
を評価した。その結果、血小板凝集を抑制する数種類の
scFvクローンを取得した。
【0066】また、本発明者らにより慢性関節リウマチ
患者由来滑膜細胞はLPS(リポポリサッカライド)感
受性を有し、LPSにより増殖が惹起されることが判明
したため、ゲルろ過法およびカニ外殻キトサン多孔性粒
子を用いたアフィニティー吸着除去法を併用し、上記の
ように精製、取得したscFvサンプルに含まれる大腸
菌由来のエンドトキシンを除去した。
【0067】上述のように、滑膜細胞にはトロンビンレ
セプターが発現しており、トロンビン刺激により細胞増
殖が惹起されることが知られている。そこで、トロンビ
ンにより惹起した滑膜細胞増殖能に対して上記方法によ
りエンドトキシンを除去したscFvに阻害活性がある
かどうか調べた。すなわち、慢性関節リウマチ患者由来
の滑膜細胞を血清飢餓状態にしてから37℃で30分間
scFvとインキュベートした後、ヒトトロンビンで増
殖を惹起した。そしてトロンビン添加24時間から48
時間までの間のチミジンアナログ(BrdU)取り込み
を測定することによってDNA合成能を測定し、scF
vの細胞増殖阻害活性を調べた。その結果、滑膜細胞増
殖を抑制する数種類のscFvクローンを取得した。
【0068】上記の滑膜細胞増殖を阻害するscFvク
ローンのエピトープを決定するためにエピトープマッピ
ング解析を行った。すなわち、1ペプチド当たり15ア
ミノ酸の長さで、ヒトトロンビンレセプターのすべての
細胞外領域を包含するように、94種類のペプチドをピ
ン上に固相合成し、上記方法で取得した滑膜細胞増殖を
阻害するscFvの結合性を調べた。その結果、PAR
1型ヒトトロンビンレセプターのヒルジン様ドメインに
包含されるアミノ末端側の51番目から55番目のアミ
ノ酸が滑膜細胞増殖阻害scFvのエピトープであるこ
とがわかった。同様に滑膜細胞増殖を示さなかったsc
Fvについても同様の解析を行ったところ、その中にP
AR1型ヒトトロンビンレセプターのアミノ末端側の5
0番目から55番目のアミノ酸を認識するscFvクロ
ーンが見出された。
【0069】さらにこのPAR1型ヒトトロンビンレセ
プターのアミノ末端側から51番目から55番目のアミ
ノ酸を認識して滑膜増殖を抑制するscFvクローン、
およびPAR1型ヒトトロンビンレセプターのアミノ末
端側から50番目から55番目のアミノ酸を認識して滑
膜増殖を抑制しないscFvクローンについて、そのエ
ピトープを含むPAR1型ヒトトロンビンレセプターの
アミノ末端から47番目から67番目のアミノ酸に相当
する合成ペプチドを作成し、キーホールリムペットヘモ
シアニン(KLH)にコンジュゲート化した。これを表
面プラズモン共鳴測定装置のセンサーチップ上に固定化
し、それぞれの該ペプチドに対するアフィニティを計測
した。滑膜細胞増殖抑制活性を有するscFvクローン
と増殖抑制活性を有しないscFvクローンの間でアフ
ィニティの差は認められなかった。
【0070】また、以下にPAR1型ヒトトロンビンレ
セプターのアミノ末端側から51番目から55番目のア
ミノ酸を認識して滑膜増殖を抑制するscFvクロー
ン、およびPAR1型ヒトトロンビンレセプターのアミ
ノ末端側から50番目から55番目のアミノ酸を認識し
て滑膜増殖を抑制しないscFvクローンについて、エ
ピトープのアミノ酸配列の一部を置換したペプチドに対
する結合性を解析した。前記PAR1型ヒトトロンビン
レセプターのアミノ末端から47番目から67番目のア
ミノ酸に相当する合成ペプチドをKLHにコンジュゲー
ト化したものを表面プラズモン共鳴測定装置のセンサー
チップに固定化し、この滑膜細胞増殖抑制活性を有する
scFvクローンとPAR1型ヒトトロンビンレセプタ
ーのアミノ末端から55番目のトリプトファンをアラニ
ンに置き換えた47番目から67番目のアミノ酸に相当
するペプチドとを混合して解析を行ったところ、センサ
ーチップに固定化したペプチドへの結合は阻害されなか
った。しかしながら滑膜細胞増殖抑制活性をもたないs
cFvクローンについて同様の解析を行ったところ、セ
ンサーチップに固定化されたペプチドへの結合は強く阻
害された。このことはエピトープペプチドの55番トリ
プトファンをアラニンに置換したことにより滑膜細胞増
殖抑制活性を有するクローンのエピトープへの結合が失
われたことを示しており、ひいてはこのPAR1型ヒト
トロンビンレセプターのアミノ末端から55番目のトリ
プトファン周辺がトロンビンの細胞増殖活性に関与して
いることを示している。
【0071】本発明の一態様である前記scFvあるい
はその断片を有効成分として含有する薬剤(ポリペプチ
ドまたは低分子化合物)は、炎症性の細胞、増殖した組
織あるいは血小板を主体とする血栓に接触させることに
より、トロンビンレセプターを介したシグナル伝達を抑
制し、細胞増殖阻害やTNF−α、IL−6、IL−1
βなどの炎症性メディエーターの産生や放出を抑制し、
あるいは血小板凝集を阻害することにより血栓形成進展
を阻害するので、各種炎症性疾患、細胞増殖性疾患、血
栓性疾患の治療薬として利用できる。
【0072】例えば本発明のトロンビンレセプター阻害
剤は、静脈用注射用製剤として使用することができる。
その場合、上記scFvあるいはその断片は広い範囲の
含有割合でよく、投与量は種々の条件によって変動す
る。またこれらは通常静脈注射用として使用されている
水性媒体中に溶解ないしは分散して使用することができ
る。また、注射剤以外にも外用剤または座薬として用い
られる。非経口投与のための注射剤としては無菌の水性
または非水性の溶液剤、懸濁剤、乳濁剤が含まれる。非
経口投与のためのその他の組成物としてはひとつ、また
はそれ以上の活性物質を含み、常法により処方される外
用液剤、軟膏、塗布剤のような外用剤、直腸内投与のた
めの座薬およびペッサリー等が含まれる。
【0073】
【実施例】実施例1:各種組換えTR発現細胞の調製 [ヒトトロンビンレセプターcDNAの取得]ヒト大動
脈由来mRNA(Clontechより購入)1μgか
らcDNA合成キットSynthesis Kit(ア
マシャム ファルマシア バイオテク社製)を用いてc
DNAを合成した。このcDNAの1/100量を用い
てプライマーTR1[配列番号4]およびTR4[配列
番号5]によりトロンビンレセプターのcDNA部分を
PCR増幅した。そのPCR反応液をアガロースゲル電
気泳動した結果、約1.3kb付近にトロンビンレセプ
ターのcDNAフラグメントと推定されるバンドが認め
られた。このDNAフラグメントをDNA精製キット
(QIAGEN社製QIAEXII使用)を用いてゲルか
ら抽出、精製した。精製したDNAフラグメントをTA
クローニングキット(Invitrogen社製)を用
いて、pCRII pCR2.1(TM)ベクターに挿入
し、数クローンについてプラスミド精製(QIAGEN
社製プラスミド抽出キット使用)を行った。これらの精
製したプラスミドを用いて日立DNA蛍光自動シーケン
サーによりDNA配列を決定した。塩基配列決定に用い
たプライマー6種を[配列番号6−11]で示す。その
結果、このDNAフラグメントがトロンビンレセプター
をコードしていることが明らかになった。決定したヒト
大動脈由来のトロンビンレセプターの全塩基配列を[配
列番号3]に示す。同様に、本発明者らはヒト胎盤由来
のcDNA配列も決定したが、ヒト大動脈由来のものと
一致した。この得られたヒト大動脈由来およびヒト胎盤
由来のトロンビンレセプターcDNA配列と、DNA
Data Base Japan(DDBJ)に登録さ
れているトロンビンレセプターのcDNA配列(acc
ession No. M62424)との比較を行っ
たところ、トロンビンレセプターの蛋白質をコードして
いる部分の5’末端より711番目の塩基がCがGに、
712番目の塩基がGからCに、1091番目の塩基が
CからGに、1092番目の塩基がGからCにデータベ
ースでの表示から置き換わった形のcDNAとなってい
ることがわかった。また、ヒト胎盤由来のゲノムDNA
中のトロンビンレセプター遺伝子についてもこの部位の
塩基配列を解析したところ、本発明者らが取得した配列
と同様の配列であることが確認された。このヒトトロン
ビンレセプターcDNAを挿入したpCRIIプラスミド
をpCR−TR14と命名した。
【0074】[トロンビンレセプターcDNA含有トラ
ンスファーベクターの作製]上記pCR−TR14を制
限酵素EcoRIおよびBamHIで切断し、アガロー
スゲル電気泳動を行った。そしてトロンビンレセプター
cDNAを含む約1.3kbフラグメントをDNA精製
キット(QIAGEN社製QIAEXII使用)を用いて
ゲルから抽出、精製した。一方、バキュロウイルストラ
ンスファーベクターpVL1393(Invitrog
en)[Technique, Vol. 2, No. 4,pp.173-188, 1990]
を制限酵素EcoRIおよびBamHIで切断し、上記
DNAフラグメントとライゲーション反応を行った。こ
の反応液で大腸菌JM109株を形質転換し、いくつか
の形質転換体のコロニーからプラスミドを抽出して約
1.3kbフラグメントが挿入されたプラスミドを得
た。これをpAc−TR14と命名した。このトロンビ
ンレセプターcDNA含有トランスファーベクターを精
製(QIAGEN社製プラスミド抽出キット使用)して
トロンビンレセプター発現用組換えバキュロウイルスの
作製に用いた。
【0075】[トロンビンレセプター発現用組換えバキ
ュロウイルスの作製]組換えバキュロウイルスの作製に
はファーミジェン社製のBaculoGold(TM)
キットを用いた。Sf9昆虫細胞1×106 細胞を30
mmディッシュに播種し、30分間室温にて接着させ
た。一方、0.25μgのBaculoGold(T
M)DNAと2μgのpAc−TR14プラスミドDN
Aを混ぜ、室温に5分間静置し、その後0.5mlトラ
ンスフェクション緩衝液B(25mM HEPES p
H7.1、125mM CaCl2、140mM Na
Cl)を加えてよく混ぜた。次に播種したSf9細胞の
培地を抜き取り、0.5mlのトランスフェクション緩
衝液A(グレース培地、10%牛血清含有)を加えた。
ここに、トランスフェクション緩衝液BとDNAの溶液
を少しずつ滴下していくことによりコトランスフェクシ
ョンを行った。27℃でインキュベーションして4時間
後に新しいグレース培地(10%牛血清含有)に取り換
えた。5日後、組換えウイルスを含む培養上清を回収
し、10倍、100倍、1000倍希釈液を作成し、S
f9細胞(1×106 細胞/dish)に室温で1時間
感染させた。上清を抜き取り、1%SeaPlaque
アガロース含有グレース培地(42℃)を2ml滴下し
て加え、アガロースが固まるまで10分間程度室温に放
置した。その後、27℃で3日間培養を行った。3日目
にニュートラルレッド/PBS(1g/l)を1ml/
dish加えた。4日目にウイルスプラークを観察した
ところ、100培希釈液を感染したディッシュに6個の
プラークを確認した。数個のシングルウイルスプラーク
をアガロースごとパスツールピペットで抜き取り、グレ
ース培地と混ぜて、ウイルスを培地中に拡散させた。こ
のシングルプラーク由来のウイルス液を単層培養したS
f9細胞(25cm2フラスコ培養)に感染させた。こ
れを27℃で4−5日間培養してウイルス液を回収し
た。このウイルス液を1mlとって1.5mlエッペン
ドルフチューブに入れ、4℃、15000回転/分で3
0分間遠心し、ウイルス粒子を沈殿させた。沈殿物を2
00μlのTE(10mM Tris、0.1mM E
DTA)緩衝液に懸濁し、50μlのLysis緩衝液
(10%SDS、1mM EDTA)を加え、60℃で
20分間インキュベートした。フェノール/クロロホル
ム抽出およびエタノール沈殿により反応液中のウイルス
DNAを回収した。回収したウイルスDNAの1/5を
使用し、プライマーBacF[配列番号12]およびT
R−S2[配列番号7]によってPCR増幅を行い、D
NA中にトロンビンレセプターcDNAが含有されてい
ることを確認した。このトロンビンレセプター発現用組
換えバキュロウイルスをAcTRFと命名した。ウイル
ス液は適宜希釈してプラークアッセイを行い、タイター
をチェックした。さらに、ウイルス液をMOI(Mul
tiplicity of Infection)=
0.25でSf9細胞に感染させることで1〜5×10
7程度の高濃度のウイルス液を得た。ウイルス液は4℃
および−80℃で凍結保存した。
【0076】[改変型トロンビンレセプターcDNAの
構築]トロンビンレセプターの構造の内在性リガンドペ
プチド部分(TRAP)を欠損させ、トロンビン結合部
位は保持させた形の改変トロンビンレセプター△1−4
9TR、および内在性リガンドペプチド部位およびトロ
ンビン結合部位の両方を欠損させた形の改変トロンビン
レセプター△1−80TRのcDNAを構築し、バキュ
ロウイル−昆虫細胞系での発現を行った。△1−49T
RcDNAは完全長トロンビンレセプターcDNA(p
CR−TR14)の遺伝子配列のうち、塩基番号79〜
147の部位を、△1−80TRcDNAは完全長トロ
ンビンレセプターの塩基番号79〜240の部位を遺伝
子工学的に欠損させて構築した。これらの遺伝子は、細
胞でトロンビンレセプターが発現したときに除去される
シグナルペプチド部位(アミノ酸残基番号1〜26)
に、さらに、△1−49TRでは完全長トロンビンレセ
プターにおいてシグナルが除去されたときにアミノ末端
となる部位から33アミノ酸残基を、△1−80TRで
は64アミノ酸残基を欠損させた形のアミノ酸配列を付
加した形のトロンビンレセプターとなるように設計され
ている。△1−49TRと△1−80のcDNAの塩基
配列、ならびにそれらによってコードされているアミノ
酸配列をそれぞれ配列番号1と配列番号2に記載する。
【0077】[△1−49TRcDNAの構築]完全長
トロンビンレセプターcDNA(pCR−TR14)よ
りその塩基番号79〜147の部位を欠損させて△1−
49cDNAを作成する手順を以下に示す。 pCR−TR14より△1−49cDNAの塩基配列
1−185に相当する部位を含む遺伝子断片である△1
−49−5’(190bp)断片を作成した。 −1 pCR−TR14のpCRIIベクター(INVITRO
GEN社)の部位に相同なプライマー M13REV2
2プライマー[配列番号10]、および完全長トロンビ
ンレセプターcDNAの塩基番号59〜78に相当する
部位と塩基番号148〜157に相当する部位に相補的
なプライマーであるTR△27−49Rプライマー[配
列番号13]を用いてPCR反応を実施した。反応液組
成はpCR−TR14DNA 200ng/ml、M1
3REV22プライマー 300nM、TR△29−4
9プライマー 300nM、DNA polymeri
zation mix{20mM dNTPs mi
x}(Amersham Pharmacia−Bio
tech社)10μl/ml、×10 Expand
TM High−Fidelity PCR syst
em緩衝液(Boehringer Mannhaim
社)100μl/ml、3.5U/ml Expand
TM High−Fidelity PCR syste
m enzymemix(Boehringer Ma
nnhaim社)10μl/mlのものを用い、50μ
lの反応スケールで行った。反応条件はGeneAmp
systemR PCR system 9600
(Perkin Elmer社)で94℃2分間反応し
た後、94℃15秒間→59℃30秒間→72℃1分間
のサイクルを10サイクル行い、その後に72℃7分間
反応させる温度サイクルであった。反応後のサンプルは
4% NUSIEVER GTGR AGAROSE(F
MC Bio Products社)−TAE(40m
M Tris−acetate pH7.6、1mM
EDTA)緩衝液ゲルを用い、100Vで1時間電気泳
動し、224bpのDNA鎖長に相当する部分のゲルを
切り出した。切り出したゲルはHot−Phenol法
でDNAを抽出、精製して約200ngのDNAを得
た。
【0078】−2 完全長トロンビンレセプターcDNAの塩基番号148
〜367に相当する部分の遺伝子断片を取得するため、
完全長トロンビンレセプターcDNAの塩基番号69〜
78に相当する部位と塩基番号148〜169に相当す
る部位よりなるTR△27−49Fプライマー[配列番
号14]と、完全長トロンビンレセプターcDNAの塩
基番号350〜367に相補的な配列よりなるTRS1
プライマー[配列番号6]を用いたPCRを行った。反
応液組成は−1に示した反応組成中のM13REV2
2プライマーおよびTR△27−49RプライマーをT
R△27−49FプライマーとTRS1プライマーに置
き換えた他は同様に実施した。反応条件も−1と同様
に行った。得られたPCR反応物は4% NUSUEV
TM GTGTM AGAROSE−TAE緩衝液ゲルを
用い、100Vで1時間電気泳動を行った。220bp
のDNA鎖長に相当する部位のゲルを切り出し、Hot
−Phenol法でDNAの抽出、精製を行った。得ら
れたDNA断片は約240ngである。
【0079】−3 TR△27−49RプライマーとTR△27−49Fプ
ライマーの間には20bpの相補的な部分が生じるよう
にデザインされているため、−1で得られた224b
pのDNA断片と−2で得られた220bpのDNA
断片をassembly PCR法での連結を行った。
まず、−2で得られた220bpのDNA断片80n
gと−2で得られた220bpのDNA断片96ng
を混合した。反応液組成は DNA plymeriz
ation mix 10μl/ml、×10 Exp
andTM High−Fidelity PCR sy
stem緩衝液100μl/ml、3.5U/ml E
xpandTM High−Fidelity PCR
system enzyme mix 7.5μl/m
lであり、40μlの反応スケールで実施した。反応
は、GeneAmpRPCR systemで94℃2
分間反応後、94℃15秒間→59℃30秒間→72℃
1分30秒間のサイクルを5サイクル行い、その後72
℃で7分間反応を行う温度サイクルプログラムで行っ
た。次にその反応によって得られた反応産物40μl
に、M13REV22プライマー 150ng/ml、
TRS1プライマー 150ng/ml、DNA po
lymerization mix10μl/ml、×
10 ExpandTM High−Fidelity
PCR system緩衝液100μl/ml、3.5
U ExpandTM High−Fidelity P
CR system enzyme mix 6μl/
mlになるように各試薬を加え、蒸留水で全量400μ
lになるように調整し、50μlづつ5本の反応チュー
ブに分注してPCR反応を行った。反応はGeneAm
p PCR system 9600で94℃2分間反
応させた後、94℃15秒間→59℃30秒間→72℃
1分30秒間のサイクルを10サイクル行い、その後9
4℃15秒間→59℃30秒間→72℃1分30秒間+
各サイクルごとに20秒間延長のサイクルを10サイク
ル行い、最後に72℃7分間で反応させる温度サイクル
プログラムで行った。得られたPCR反応物からエタノ
ール沈殿法でDNAを回収した後、CHROMASPI
N−100 DEPC−H2Oカラム(CLONTEC
H社)で精製した。これを制限酵素BamHI(宝酒造
社)30U、続いて制限酵素BsmI(New Eng
land BioLabs社)30Uで切断した。制限
酵素処理を行った産物を4% NUSIEVETM GT
TM AGAROSE−TAE緩衝液ゲルを用い、50
Vで1時間電気泳動を行った。その190bpのDNA
鎖長に相当する部位のゲルを切り出してHot−Phe
nol法でDNAの抽出、精製を行った。その結果、△
1−49−5’(190bp)DNA断片に相当するD
NA約400ngを得た。
【0080】完全長トロンビンレセプターcDNAの
塩基番号255〜1278と△1−49TRcDNAの
塩基番号186〜1209は配列が同一であるため、p
CR−TR14に含まれる完全長トロンビンレセプター
cDNA部分のうちの塩基番号1〜244の部分を切り
出して、その部分を△1−49TRcDNAの塩基番号
1〜185を含むDNA断片である△1−49−5’
(190bp)とおきかえることで△1−49cDNA
の塩基番号1〜1209の部分を構築した。
【0081】−1 pCR−TR14DNA 2.3μgを制限酵素Bam
HI 30U、続いて制限酵素BsmI 30Uで切断
し、それを0.75% SEAPLAQUETMGTGTM
AGAROSE(FMC Bio Product
s)−TAE緩衝液ゲルにのせて50Vで1時間電気泳
動を行った。その4.1kbpに相当するDNA断片を
含むゲルを切り出し、そこからHot−Phenol法
で抽出、精製して約640ngのDNA断片を得た。
【0082】−2 で得られた△1−49−5’(190bp)断片80
ngと、−1で得られたpCR−TR14 4.1k
bp断片 64ngとを、UNI−Amp kit(C
LONTECH社)のligation試薬(T4 l
igase 37.5U/ml)を用い、20μlスケ
ールで4℃20時間反応させて結合させた。得られた結
合DNAは大腸菌 DH−10B株(GIBCO BR
L社)に、BRL Cell PoratorR E.
coli pulserR(GIBCO BRL社)
を用いて遺伝子導入した。遺伝子を導入した大腸菌をア
ンピシリン100μg/mlを含むLB寒天培地に播き
込み、37℃で一晩培養して可視的に見られるコロニー
を組換え体クローンとした。それらについて△1−49
TRcDNAの塩基番号1−20に相当するプライマー
TR1プライマーとTRS1プライマーを用いてPCR
を行い、電気泳動的に300bpの増幅産物がみられる
△1−49cTRDNAを含むベクターが導入されたク
ローンの有無を解析したところ、組換え体クローン84
クローン中17クローンに目的のDNAが導入されてい
ることが確認された。このうちの1クローンpCR−△
1−49TR clone e−01についてDNA塩
基配列解析を行った。詳細にはpCRIIR ベクター部位
に対するシークェンスプライマー M13REV22プ
ライマー[配列番号10]、およびM13FOR24プ
ライマー[配列番号11]、△1−49TRcDNAの
シークェンスプライマーTR1、TRS1、TRS2
[配列番号4、6、および7]、TRS3[配列番号
8]、TRS4[配列番号9]ならびに、ABI PR
ISMTM Dye Terminator Cycle
Sequencing Ready Reactio
n kit with AmpliTaqR DNA
polymerase FS (Perkin Elm
er社)を用い、業者添付のプロトコールに従った。解
析装置としてはABI 373A DNA Seque
ncer(Applied Biosystems現P
erkin Elmer社)を用いた。その結果、pC
R−△1−49TR clone e−1の△1−49
TRcDNAに相当する部分のDNA塩基配列は、配列
番号1に示したDNA塩基配列と完全に一致したことか
ら、目的の△1−49TRcDNAが正しく構築されて
いることが確認された。このpCR−△1−49TR
clone e−01を含有する大腸菌を、アンピシリ
ン100μg/mlを含むCIRCLEGROWR培地
で37℃で一晩培養し、その含有するプラスミドをQI
AGENR PLASMID MIDIKIT(QIA
GEN社)で抽出、精製し、34μgのpCR−△1−
49TR clone e−01プラスミドを得た。
【0083】[△1−49TRcDNA含有トランスフ
ァーベクターの作成]△1−49TRcDNAを含有す
るバキュロウイルストランスファーベクターの作成は、
完全長トロンビンレセプターcDNAのトランスファー
ベクターpAC−TR14作成と同様の方法で行った。
方法を簡単に示すと、pCR−△1−49TR clo
ne e−01の△1−49TRcDNA部分1.2k
bpを制限酵素BamHIとEcoRIで切り出し、そ
のDNA断片を制限酵素BamHIおよびEcoRIで
処理したpVL1393ベクター中へサブクローニング
した。得られた組換え体クローン84クローンについて
BacFプライマーとTRS2プライマーを用いてのP
CR解析を行い、24クローンに△1−49TRcDN
Aがクローニングされていることを確認した。このうち
の1クローン、pAc−△1−49TR clone
e01E01プラスミドを含有する大腸菌を培養し、精
製することで約390μgのプラスミドを得た。
【0084】[△1−49TR改変トロンビンレセプタ
ー発現用組換えバキュロウイルスの作成]△1−49T
RcDNAを含有する組換えバキュロウイルスの作成
は、pAc−△1−49TR clone e01E0
1組換えトランスファーベクター2μgを用い、完全長
トロンビンレセプター発現用組換えバキュロウイルスp
AC−TRF作成と同様に行った。組換えウイルスクロ
ーンのうちBacFおよびTR−S2プライマーでのP
CRにより、△1−49TRcDNAが組み込まれてい
ることが確認されたクローンpAC−△1−49TR−
3を△1−49TR改変TR発現用組換えバキュロウイ
ルスとした。これをSf9昆虫細胞にMOI=0.25
で感染させることで、3×107pfu/mlの高濃度
ウイルス液を取得した。
【0085】[組換えバキュロウイルスによるトロンビ
ンレセプターの昆虫細胞における発現]上記のようにし
て得られたトロンビンレセプター発現用組換えバキュロ
ウイルスAcTRFを、150cm2フラスコに播種し
た1.8×107のSf9細胞にMOI=0.6−1.
0で感染させ、40−48時間、27℃で静置培養し
た。培養後、感染細胞を回収し、ウエスタンブロッティ
ングおよびカルシウム流入実験によってトロンビンレセ
プターの発現および機能を有することの確認を行った。
【0086】[ウエスタンブロッティング]回収した感
染細胞(150cm2フラスコ2本分、約6×107)を
PBSで2回洗浄した。これ以後の実験はすべて4℃の
条件で行った。次に、5mlのホモジェナイズ用緩衝液
(20mM TrisHCl(pH8.5)、5mM
EDTA、COMPLETE(TM)(ベーリンガー社
製)含有)に懸濁し、テフロンホモジェナイザーを用い
て、2500回転/分で30strokeホモジェナイ
ズを行った。このホモジェネートを15mlの遠心管に
いれて2500回転/分(約1000g)で10分間遠
心し、上清を回収した。回収した上清を50000回転
/分(約100000g)で1時間、超遠心を行い、粗
膜画分を沈殿させた。沈殿物を1mlのホモジェナイズ
用緩衝液に懸濁し、50μlずつ分注して−80℃で凍
結保存した。Nano Orange(TM)(ベーリ
ンガー社製)を用いて定量した結果、タンパク濃度は1
4mg/mlであった。このようにして得られた粗膜画
分につき、25μg−50μg/laneで、10%ゲ
ルを用いたSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動を行
い、これをニトロセルロース膜に転写した。この膜を3
%ゼラチン/TBSで室温で1時間ブロッキングし、T
BS−0.05%Tweenで3回、TBSで1回洗浄
した。その後、トロンビンレセプターの内在性リガンド
領域であるTRAPをウサギに免疫して得られた抗TR
APウサギポリクローナル抗体10−20μg/mlを
含む1%ゼラチン/TBS溶液中、室温で終夜反応させ
た。翌日、TBS−0.05%Tweenで3回、TB
Sで1回洗浄し、抗ウサギIgGヤギポリクローナルH
RP標識抗体(約1μg/ml、1%ゼラチン/TBS
溶液)を室温1時間反応させた。次にTBS−0.05
%Tweenで3回、TBSで2回洗浄し、コニカイム
ノステインHRPで10分間、室温にて発色させてバン
ドを検出した。その結果、トロンビンレセプター発現用
組換えバキュロウイルスを感染させた昆虫細胞に特異的
に、約45kDおよび約85kD付近のバンドが観察さ
れ、トロンビンレセプターが昆虫細胞膜上に発現してい
ることが確認された。
【0087】[カルシウム流入実験]回収した感染細胞
(約3×107)をHEPES−Tyrode緩衝液
(−Ca)で1回洗浄した後、10mlのHEPES−
Tyrode緩衝液(1μg/ml Fura2−AM
含有)に懸濁してFura2−AMを27℃で30分間
負荷した。室温で800回転/分で5分間遠心して細胞
を回収し、HEPES−Tyrode緩衝液(−Ca)
で2回洗浄した後、2mlのHEPES−Tyrode
緩衝液(−Ca)に再懸濁した。この細胞懸濁液に2μ
lの1M CaCl2を最終濃度1mMになるように加
え、遮光して室温で5分間インキュベートした。このよ
うに調製したFura2−AM負荷感染細胞を490μ
lとってキュベットに入れ、細胞内カルシウム測定装置
(日本分光CAF−100型)で測定した。[励起光3
40nmによる500nmの蛍光強度]/[励起光38
0nmによる500nmの蛍光強度](細胞内カルシウ
ム濃度を反映)が0.02ぐらいに安定したらキュベッ
トに10μlの10unit/mlトロンビンもしくは
1.25mM TRAPを添加して刺激を与え、細胞内
カルシウム濃度を経時的に測定した。カルシウムの流入
は[励起光340nmによる500nmの蛍光強度]/
[励起光380nmによる500nmの蛍光強度]の値
が上昇することで検出される。その結果、トロンビンレ
セプター発現用組換えバキュロウイルスを感染させた昆
虫細胞に特異的にカルシウム流入が観察された(表1参
照)。この結果から、機能を有するトロンビンレセプタ
ーが昆虫細胞に発現していることが証明された。
【0088】
【表1】
【0089】表中の値は[励起光340nmによる50
0nmの蛍光強度]/[励起光380nmによる500
nmの蛍光強度]の変化量を表す(高い値ほど強い反応
を表す)。4回の測定の平均値±SD。
【0090】実施例2:マウスの免疫および脾臓細胞か
らのファージミドライブラリーの作製 ファージミドライブラリーの作製はリコンビナント・フ
ァージアンチボディー・システム(ファルマシア社製)
の方法に準じた。抗体遺伝子取得のための免疫は以下の
ように行った。Sf9昆虫細胞2×10 7 細胞を細胞培
養フラスコに播種して30分間静置の後、前述のpc△
1−49TR−3ウイルスをMOI=2で感染させ、2
7℃で40時間培養した。この感染細胞を回収してPB
S(0.9%NaClを含む20mMリン酸ナトリウム
緩衝液)で2回洗浄後、0.2Mアジ化ナトリウムを含
むPBS40mlに懸濁した。この細胞懸濁液を室温で
30分間放置したのち50μLを分取して等量の0.2
%トレパンブルー染色液と混合し、光学顕微鏡で細胞を
観察したところ、すべての細胞が青く染まったことか
ら、回収した感染細胞が100%死細胞となったと判断
した。この死細胞化した感染昆虫細胞をPBSで2回洗
浄した後、約3mlのPBSに懸濁した。得られた死細
胞化感染昆虫細胞は約6×107細胞であった。この細
胞3mlに不活化百日咳死菌(シグマ社)を30μL添
加した後、BALB/c系マウスに各1mlずつ腹腔内
投与した。その後2週間おきに4回、同様の方法で免疫
を行った後、最後の免疫実施から4日後にマウスを屠殺
して脾臓の摘出を行った。
【0091】△1−49TR発現昆虫細胞を免疫したマ
ウスから脾臓を摘出し、mRNAを抽出した。これを鋳
型としてHong Zhouらの報告(Nucleic Acid R
eserch, 1994, vol. 22, No.5, 888-889)のPCRプラ
イマーを使用して抗体のH鎖、L鎖の遺伝子をそれぞれ
別々に増幅した。得られたDNAをリンカーを用いて連
結し、アガロースゲル電気泳動により約750bpのD
NA断片を分離、回収した。このDNAを制限酵素No
tIとSfiIで消化し、再びアガロースゲル電気泳動
により、約750bpのDNA断片を分離、回収した。
こうして得られたDNAフラグメントを抗D1−49T
R発現昆虫細胞scFv/NotI−SfiIと名付け
た。
【0092】アマーシャムファルマシアバイオテク社の
pCANTAB5ベクターを制限酵素NotIとSfi
Iで消化し、アガロースゲル電気泳動によりDNA断片
を分離、回収した。このDNA断片にヒスチジンTag
アダプター(配列番号15)をTAKARAのLiga
tion kit VerII(TM)でライゲーション
し、大腸菌DH10B株に導入した。この遺伝子ベクタ
ー導入大腸菌を100μg/mLのアンピシリンを含む
LB−アガロース固形培地に播種し、クローンを取得し
た。そのうちの20クローンについてプラスミドDNA
をQIAGEN社プラスミド抽出キットによって取得
し、E−tagプライマーとPE applied B
iosytems社ABI PRISM(TM) Dy
e terminator Cycle Sequen
cing FS Ready Reaction Ki
tおよび同社ABI Model373A DNAシー
クェンサーを用いて塩基配列を解析することで、ヒスチ
ジンTagアダプターが正しい方向にクローニングされ
たベクターを選択し、これをpCANTAB6HEベク
ターと名づけた。さらにこのpCANTAB6HEベク
ターを制限酵素NotIおよびSfiIで切断したベク
ターをpCANTAB6HE/NotI−SfiIと名
づけた。
【0093】抗D1−49TR発現昆虫細胞scFv/
NotI−SfiIとpCANTAB6HE/NotI
−SfiIをライゲーションキット(TAKARA社
製)を用いてライゲーション反応を行った。このライゲ
ーション溶液とコンピテントセルTG1−trを用いて
形質転換を行った。
【0094】アンピシリン(最終濃度100μg/m
l)を含む2×YT(トリプトン 16g、イーストエ
クストラクト10g、NaCl 5g/L)寒天プレー
トに形質転換した液をまき、37℃で一晩インキュベー
トした。プレート上に生じたコロニーをかきとって2×
YT培地に懸濁し、これをファージミドライブラリーと
した(ライブラリーのサイズは約1.3×108pf
u)。作製したファージミドライブラリーはグリセロー
ルを最終25%程度になるように加えてマイナス80℃
に保存した。
【0095】実施例3:△1−49TR発現昆虫細胞を
用いるパンニング 実施例2で得られたファージミドライブラリー100μ
lをアンピシリン(最終濃度100μg/ml)、グル
コース(2%)を含む2×YT培地50mlに加え、6
00nmのODが0.6になるまで37℃で培養した。
ヘルパーファージM13KO7(5×1010pfu/m
l)を55μl加え、1時間感染させた。
【0096】遠心により菌体を回収し、アンピシリン
(最終濃度100μg/ml)、カナマイシン(最終濃
度50μg/ml)を含む2×YT培地に懸濁し、37
℃で一晩振とう培養した。培養液を遠心後、上清を回収
し、5分の1量の20%ポリエチレングリコール、2.
5M NaCl溶液を加えてファージを沈殿回収した。
回収したファージは滅菌水に懸濁した。
【0097】次に2%スキムミルクを含む溶液中でファ
ージとAcMNPV感染昆虫細胞を混合し、室温で30
分間反応させた。遠心により細胞に結合したファージを
除き、上澄みを再度AcMNPV感染昆虫細胞と混合し
た。この操作を10回繰り返すことによりAcMNPV
感染昆虫細胞に結合するファージを除去した。
【0098】続いてそのファージ溶液と△1−49TR
発現昆虫細胞を混合し、室温で1時間反応させた。遠心
により結合しなかったファージ(上澄み)を除き、さら
に5回の洗い操作によって非特異的な結合を排除した。
その後0.1M HClで細胞からファージをはがして
回収し、等量の1M Tris−HClで中和した。こ
うして回収したファージを大腸菌TG1−trに1時間
感染させ、アンピシリン(最終濃度100μg/ml)
を含む2×YT寒天プレート上で一晩培養することによ
りコロニーを作製し、回収したものを△1−49TR発
現昆虫細胞1回パンニングファージミドライブラリーと
した。
【0099】ここまでのファージ調製、細胞に結合する
ファージの回収という操作を4回繰り返すことによっ
て、△1−49TR発現昆虫細胞に結合するファージミ
ドを濃縮した。各パンニングステップにおいて溶出され
てきたファージ数は1回目から順に、8×107pf
u、1×108pfu、1×109pfu、6×1010
fuである。
【0100】実施例4:精製scFvの調製 [標準的なscFv産生株培養法およびペリプラズム画
分取得方法] (1)scFv産生大腸菌株を下記前培養液30mlに
植菌して30℃、160回転/分で終夜培養を行う。
(前培養液組成:2×YT培地、100μg/mlアン
ピシリン、0.5%グルコース含有) (2)終夜培養液30mlを本培養液300mlに加え
る。(本培養液組成:2×YT培地、100μg/ml
アンピシリン、0.4Mショ糖含有) (3)30℃、160回転/分で1時間培養後、最終濃
度1mMになるようにIPTG(イソプロピルチオガラ
クトシド)を加え、scFvの産生を誘導する。さら
に、30℃、160回転/分で6時間培養する。 (4)培養液を500mlの遠心管に移し、4℃、55
00回転/分で20分間遠心する。 (5)沈殿物を回収し、1.8mlの10×HEPES
緩衝液(1mM APMSF含有、4℃)に懸濁する。 (6)40mlの遠心管に移し、氷上で15分間静置す
る。(5分おきにボルテックスで攪拌) (7)4℃、8000回転/分で10分間遠心する。 (8)上清を回収し4℃に保存する。 (9)沈殿物を16.2ml注射用水(1mM APM
SF含有、4℃)に懸濁する。 (10)氷上で20分間静置する。(5分おきにボルテ
ックスで攪拌) (11)4℃、12000回転/分で20分間遠心す
る。 (12)上清を回収し、(8)で保存してあった上清と
合わせて「ペリプラズム画分」とする。 (13)4℃に保存または−20℃で凍結保存する。
【0101】[標準的なscFv精製方法] (1)ペリプラズム画分(30ml)の約1/10量の
3mlのNi−NTAアガロース(アガロース担体の量
として1/20量)を測りとる。 (2)室温で600回転/分で3分間遠心する。 (3)上清を捨て、1.5mlの脱イオン水を加え、攪
拌する。 (4)真空ポンプで吸引し、10−20分間脱気を行
う。 (5)30mlボリュームのカラムにNi−NTAアガ
ロースを装填する。 (6)1時間室温で静置する。 (7)15ml緩衝液1(HEPES−Tyrode、
150mM NaCl、20mM イミダゾール、pH
8)でカラムを平衡化する。 (8)30mlのペリプラズム画分を4℃で0.5mi
n/mlの滴下速度で2回アプライする。以下の操作は
すべて4℃で行う。 (9)15ml緩衝液2(HEPES−Tyrode、
150mM NaCl、10mM イミダゾール、1m
M APMSF、pH8)で洗浄する。 (10)1.5ml緩衝液3(HEPES−Tyrod
e、650mM NaCl、250mM イミダゾー
ル、pH8)で2回scFvを溶出する。 (11)Millicup LGC(ミリポア社製)で
濃縮を行う。 (12)1000倍量のHEPES−Tyrode緩衝
液で透析を2回行う。 (13)精製されたscFvを回収し、4℃または−2
0℃で凍結保存する。
【0102】実施例5:リコンビナントTR発現昆虫細
胞結合性の評価 実施例1で作製した△1−49TR発現昆虫細胞で4回
パンニングしたファージを大腸菌HB2151に感染さ
せ、37℃で一晩インキュベートし、コロニーを形成さ
せた。
【0103】こうして得られたファージミドがトランス
フォームされた大腸菌HB2151株をアンピシリン
(最終濃度100μg/ml)、グルコース(最終濃度
0.5%)を含む2×YT培地中、30℃で一晩振とう
培養した。培養液を10μlとり、100μlのアンピ
シリン(最終濃度100μg/ml)を含む培地に懸濁
し、30℃で1時間振とう培養した。ここで最終濃度1
mMになるようにIPTGを加え、さらに6時間振とう
培養を続けた後、遠心によりペレットを回収した。これ
に10×Hepes−Tyrode緩衝液を加えて菌体
を懸濁した後、4℃で15分静置した。最後に蒸留水を
加えて1×Hepes−Tyrode緩衝液(10mM
HEPES、129mM NaCl、8.9mM N
aHCO3、2.8mM KCl、0.8mM KH2
4、5.6mM D−グルコース、0.8mM Mg
Cl2/L)の状態に戻したものをペリプラズム画分と
して回収した。これを結合評価用のscFvサンプルと
した。
【0104】△1−49TR発現昆虫細胞に対する結合
性の評価は以下のように行った。まず96ウエルマルチ
スクリーンプレート(ミリポア社製)を3%ウシ血清ア
ルブミンでコーティングしたところに、△1−49TR
発現昆虫細胞とAcMNPV感染昆虫細胞をそれぞれ抗
原として加え、調製したscFvを混合し、1時間室温
で反応させ、scFvのC末端側に存在するE tag
部分を認識するHRP/抗E tag抗体コンジュゲー
トで検出した。こうして540個のコロニーを評価して
△1−49TR発現昆虫細胞に結合し、AcMNPV感
染昆虫細胞には結合しないscFvを34個選択した。
【0105】実施例6:ヒト巨核芽球系細胞を用いるC
a流入阻害評価 実施例4において作製したscFvのトロンビン惹起カ
ルシウム流入阻害能を、以下に示す方法によって評価し
た。すなわち、巨核球細胞系の株化細胞をHEPES−
tyrode緩衝液に懸濁し、最終濃度1μMのFur
a2−AM(和光純薬社製)を37℃で50分間インキ
ュベートしたのち、HEPES−tyrode緩衝液で
2回洗浄し、細胞密度が3.33×106cells/
mlになるように調製した。次にその細胞懸濁液300
μlに実施例4において作製したscFv溶液を200
μl混合し、室温で30分間インキュベートしたのち、
最終濃度が1mMになるようにCaCl2を添加し、さ
らに室温で5分間インキュベートした。そこにヒト血漿
由来トロンビン(シグマ社製)を最終濃度が0.4U/
mlになるように添加し、添加30秒後の細胞内カルシ
ウム流入量をCAF−100(日本分光社製)を用いて
測定した。その例として、4種類のクローン(N02
1、N022、N023、N025)について、scF
v溶液のかわりにHEPES−tyrode緩衝液とイ
ンキュベートした場合のカルシウム流入量を100とし
たときの相対値および阻害率を算出した(表2参照)。
【0106】
【表2】
【0107】実施例7:血小板凝集阻害評価 健常人より0.38%クエン酸加血として採血し、90
0回転/分で15分遠心することにより血小板を豊富に
含む血漿を取得した。その血漿をセファロース2Bを用
いHEPAS−Tyrode緩衝液にて展開することに
より血小板を精製し、洗浄血小板浮遊液(>2×108
/ml)を調製した。得られた血小板浮遊液210μl
にscFv溶液90μlを混合し、20分間静置した。
そのうち285μlをキュッベットに分取し、アグリゴ
メーターPAM8C(メバニクス株式会社)を用いて攪
拌しつつ、37℃にて2分間で安定化した。その血小板
浮遊液の濁度を測定しつつ、7.5μlのCaCl2
溶液(最終濃度1.5mM)を添加した。さらに7.5
μlのヒトトロンビン(最終濃度0.1〜0.2U/m
l)を添加して血小板の凝集を惹起し、その濁度の変化
から血小板の凝集度を11分間測定することによってs
cFvによる血小板凝集阻害を評価した。トロンビンで
惹起された最大凝集度を100%としたときのscFv
の阻害活性の例を表3に示した。
【0108】
【表3】
【0109】実施例8:滑膜細胞増殖阻害評価 実施例4に示したように、Ni−NTAカラムにて精製
したscFvについて、さらにエンドトキシンの除去を
行った。Ni−NTAカラム溶出物160mlを限外濾
過膜を用いて90mlに濃縮したのち、φ0.22μm
のフィルターで濾過した後、セファクリルS−100を
用いたゲル濾過クロマトグラフィーを行い、scFvが
溶出する画分を回収した。それを再度Ni−NTAカラ
ムにロードして60mlの溶出画分を得、それを限外濾
過膜を用いて10mlに濃縮した。それを2LのHEP
ES−tyrode緩衝液に対して2回透析した後、カ
ニ外殻キトサン多孔性粒子を用いたアフィニティーカラ
ムにロードし、フロースルー画分を回収し、φ0.22
μmのフィルターで濾過した。各精製工程におけるエン
ドトキシン量、蛋白質量を表4に示した。
【0110】
【表4】
【0111】次に、慢性関節リウマチ患者の滑膜組織か
ら外植片法により初代培養したのち数代継代した滑膜細
胞を、96穴のマイクロタイタープレートにて1ウェル
当たり5×103細胞になるように播き込み、10%の
FBSを含むDMEM培地中、37℃、5%CO2の条
件下で3日間培養した。上清を除去し、無血清のDME
M培地で洗浄した後に0.1%のFBSを含むDMEM
培地を添加し、さらに48時間血清飢餓条件下で培養し
た。そこにエンドトキシンを除去したscFvを添加
し、30分間インキュベートした後、ヒト血漿由来トロ
ンビン(シグマ社製)を最終濃度が10U/mlになる
ように添加した。添加24時間後にチミジンのアナログ
であるBrdUを最終濃度1mMになるように添加し、
添加48時間後に蛋白固相液により細胞核内に取り込ま
れたBrdUを固相化し、酵素標識された抗BrdU抗
体を用いて検出した。トロンビンで惹起されたBrdU
取り込み量を100%としたときのscFvの阻害活性
の例を表5に示した。
【0112】
【表5】
【0113】実施例9:scFvのエピトープの決定 以下に示す94種類の15アミノ酸をC末端が固相側に
なるように94本のピン上に固相合成した。該ペプチド
はすべてPAR1型ヒトトロンビンレセプターの細胞外
領域に包含されるペプチドである。
【0114】ヒトトロンビンレセプターのアミノ末端側
の1番目から15番目のアミノ酸配列[配列番号1
6]、同じく2番目から16番目のアミノ酸配列[配列
番号17]、同じく3番目から17番目のアミノ酸配列
[配列番号18]、同じく4番目から18番目のアミノ
酸配列[配列番号19]、同じく5番目から19番目の
アミノ酸配列[配列番号20]、同じく6番目から20
番目のアミノ酸配列[配列番号21]、同じく7番目か
ら21番目のアミノ酸配列[配列番号22]、同じく8
番目から22番目のアミノ酸配列[配列番号23]、同
じく9番目から23番目のアミノ酸配列[配列番号2
4]、同じく10番目から24番目のアミノ酸配列[配
列番号25]、同じく11番目から25番目のアミノ酸
配列[配列番号26]、同じく12番目から26番目の
アミノ酸配列[配列番号27]、同じく13番目から2
7番目のアミノ酸配列[配列番号28]、同じく14番
目から28番目のアミノ酸配列[配列番号29]、同じ
く15番目から29番目のアミノ酸配列[配列番号3
0]、同じく16番目から30番目のアミノ酸配列[配
列番号31]、同じく17番目から31番目のアミノ酸
配列[配列番号32]、同じく18番目から32番目の
アミノ酸配列[配列番号33]、同じく19番目から3
3番目のアミノ酸配列[配列番号34]、同じく20番
目から34番目のアミノ酸配列[配列番号35]、同じ
く21番目から35番目のアミノ酸配列[配列番号3
6]、同じく22番目から36番目のアミノ酸配列[配
列番号37]、同じく23番目から37番目のアミノ酸
配列[配列番号38]、同じく24番目から38番目の
アミノ酸配列[配列番号39]、同じく25番目から3
9番目のアミノ酸配列[配列番号40]、同じく26番
目から40番目のアミノ酸配列[配列番号41]、同じ
く27番目から41番目のアミノ酸配列[配列番号4
2]、同じく41番目から55番目のアミノ酸配列[配
列番号43]、同じく42番目から56番目のアミノ酸
配列[配列番号44]、同じく43番目から57番目の
アミノ酸配列[配列番号45]、同じく44番目から5
8番目のアミノ酸配列[配列番号46]、同じく45番
目から59番目のアミノ酸配列[配列番号47]、同じ
く46番目から60番目のアミノ酸配列[配列番号4
8]、同じく47番目から61番目のアミノ酸配列[配
列番号49]、同じく48番目から62番目のアミノ酸
配列[配列番号50]、同じく49番目から63番目の
アミノ酸配列[配列番号51]、同じく50番目から6
4番目のアミノ酸配列[配列番号52]、同じく51番
目から65番目のアミノ酸配列[配列番号53]、同じ
く52番目から66番目のアミノ酸配列[配列番号5
4]、同じく53番目から67番目のアミノ酸配列[配
列番号55]、同じく54番目から68番目のアミノ酸
配列[配列番号56]、同じく55番目から69番目の
アミノ酸配列[配列番号57]、同じく56番目から7
0番目のアミノ酸配列[配列番号58]、同じく57番
目から71番目のアミノ酸配列[配列番号59]、同じ
く58番目から72番目のアミノ酸配列[配列番号6
0]、同じく59番目から73番目のアミノ酸配列[配
列番号61]、同じく60番目から74番目のアミノ酸
配列[配列番号62]、同じく61番目から75番目の
アミノ酸配列[配列番号63]、同じく62番目から7
6番目のアミノ酸配列[配列番号64]、同じく63番
目から77番目のアミノ酸配列[配列番号65]、同じ
く64番目から78番目のアミノ酸配列[配列番号6
6]、同じく65番目から79番目のアミノ酸配列[配
列番号67]、同じく66番目から80番目のアミノ酸
配列[配列番号68]、同じく67番目から81番目の
アミノ酸配列[配列番号69]、同じく68番目から8
2番目のアミノ酸配列[配列番号70]、同じく69番
目から83番目のアミノ酸配列[配列番号71]、同じ
く70番目から84番目のアミノ酸配列[配列番号7
2]、同じく71番目から85番目のアミノ酸配列[配
列番号73]、同じく72番目から86番目のアミノ酸
配列[配列番号74]、同じく73番目から87番目の
アミノ酸配列[配列番号75]、同じく74番目から8
8番目のアミノ酸配列[配列番号76]、同じく75番
目から89番目のアミノ酸配列[配列番号77]、同じ
く76番目から90番目のアミノ酸配列[配列番号7
8]、同じく77番目から91番目のアミノ酸配列[配
列番号79]、同じく78番目から92番目のアミノ酸
配列[配列番号80]、同じく79番目から93番目の
アミノ酸配列[配列番号81]、同じく80番目から9
4番目のアミノ酸配列[配列番号82]、同じく81番
目から95番目のアミノ酸配列[配列番号83]、同じ
く82番目から96番目のアミノ酸配列[配列番号8
4]、同じく83番目から97番目のアミノ酸配列[配
列番号85]、同じく84番目から98番目のアミノ酸
配列[配列番号86]、同じく85番目から99番目の
アミノ酸配列[配列番号87]、同じく86番目から1
00番目のアミノ酸配列[配列番号88]、同じく87
番目から101番目のアミノ酸配列[配列番号89]、
同じく88番目から102番目のアミノ酸配列[配列番
号90]、同じく89番目から103番目のアミノ酸配
列[配列番号91]、同じく90番目から104番目の
アミノ酸配列[配列番号92]、同じく159番目から
173番目のアミノ酸配列[配列番号93]、同じく1
60番目から174番目のアミノ酸配列[配列番号9
4]、同じく235番目から249番目のアミノ酸配列
[配列番号95]。同じく236番目から250番目の
アミノ酸配列[配列番号96]、同じく237番目から
251番目のアミノ酸配列[配列番号97]、同じく2
38番目から252番目のアミノ酸配列[配列番号9
8]、同じく239番目から253番目のアミノ酸配列
[配列番号99]、同じく240番目から254番目の
アミノ酸配列[配列番号100]、同じく241番目か
ら255番目のアミノ酸配列[配列番号101]、同じ
く242番目から256番目のアミノ酸配列[配列番号
102]、同じく243番目から257番目のアミノ酸
配列[配列番号103]、同じく244番目から258
番目のアミノ酸配列[配列番号104]、同じく245
番目から259番目のアミノ酸配列[配列番号10
5]、同じく246番目から260番目のアミノ酸配列
[配列番号106]、同じく247番目から261番目
のアミノ酸配列[配列番号107]、同じく248番目
から262番目のアミノ酸配列[配列番号108]、同
じく329番目から346番目のアミノ酸配列[配列番
号109]
【0115】上記94種類のペプチドが固相化されたピ
ンをプレコートバッファー(2%BSA、0.1% T
ween20、0.1%アジ化ナトリウム0.01M
PBS)に室温で60分間浸したのちに、洗浄バッファ
ー(0.01M PBS)で室温で10分間洗浄した。
次に20μg/mlのscFv溶液(1%BSA、0.
1%スキムミルク含有)に4℃で終夜反応させたのちに
洗浄バッファーで4回洗浄した。次にscFvのc−m
ycタグを特異的に認識する抗体である9E10にホー
スラディッシュペルオキシダーゼをコンジュゲートした
ものを1μg/ml(1% BSA、0.1%スキムミ
ルク、0.01M PBS含有)の濃度で室温で60分
間反応させた後、洗浄バッファーで4回洗浄した。次に
発色剤溶液(ABTS)にピンを10分間浸漬し、波長
405nmにおける発色剤溶液の吸光度を測定した。そ
の結果、滑膜細胞増殖を阻害するscFvクローンN0
22およびN025は、以下のアミノ酸配列に対して特
異的に結合した。すなわち、PAR1型ヒトトロンビン
レセプターのアミノ末端側の41番目から55番目のア
ミノ酸配列[配列番号43]、同じく42番目から56
番目のアミノ酸配列[配列番号44]、同じく43番目
から57番目のアミノ酸配列[配列番号45]、同じく
44番目から58番目のアミノ酸配列[配列番号4
6]、同じく45番目から59番目のアミノ酸配列[配
列番号47]、同じく46番目から60番目のアミノ酸
配列[配列番号48]、同じく47番目から61番目の
アミノ酸配列[配列番号49]、同じく48番目から6
2番目のアミノ酸配列[配列番号50]、同じく49番
目から63番目のアミノ酸配列[配列番号51]、同じ
く50番目から64番目のアミノ酸配列[配列番号5
2]、同じく51番目から65番目のアミノ酸配列[配
列番号53]である。
【0116】このことから、トロンビンで惹起した滑膜
細胞増殖を阻害するscFvクローンN022およびN
025のエピトープは、PAR1型ヒトトロンビンレセ
プターのアミノ末端側の52番目から56番目のアミノ
酸配列を認識することが示された。
【0117】また滑膜細胞増殖を阻害しないscFvク
ローンN018は、以下のアミノ酸配列に対して特異的
に結合した。すなわち、ヒトトロンビンレセプターのア
ミノ末端側の41番目から55番目のアミノ酸配列[配
列番号43]、同じく42番目から56番目のアミノ酸
配列[配列番号44]、同じく43番目から57番目の
アミノ酸配列[配列番号45]、同じく44番目から5
8番目のアミノ酸配列[配列番号46]、同じく45番
目から59番目のアミノ酸配列[配列番号47]、同じ
く46番目から60番目のアミノ酸配列[配列番号4
8]、同じく47番目から61番目のアミノ酸配列[配
列番号49]、同じく48番目から62番目のアミノ酸
配列[配列番号50]、同じく49番目から63番目の
アミノ酸配列[配列番号51]、同じく50番目から6
4番目のアミノ酸配列[配列番号52]、同じく51番
目から65番目のアミノ酸配列[配列番号53]であ
る。
【0118】このことから、トロンビンで惹起した滑膜
細胞増殖を阻害するscFvのエピトープは、ヒトトロ
ンビンレセプターのアミノ末端側の51番目から56番
目のアミノ酸配列であることが示された。
【0119】実施例10:scFvのKinetics
解析 滑膜細胞増殖阻害能を有するscFvのエピトープに対
するKinetics特異性の検証を表面プライズモン
共鳴センサーBIACORE1000(BIACORE
社)を用いて行った。
【0120】以下に示す21アミノ酸を合成した(株式
会社バイオロジカ)。このペプチドはPAR1型ヒトト
ロンビンレセプターの細胞外領域に包含され、活膜細胞
増殖阻害能を有するscFvのエピトープを含むペプチ
ドである。 ヒトトロンビンレセプターのアミノ末端側の47番目から67番目のアミノ酸 配列[配列番号110] Asn Pro Asn Asp Lys Tyr Glu Pro Phe Trp Glu Asp Glu Glu Lys Asn Glu Ser Gly Leu Thr
【0121】PAR1型ヒトトロンビンレセプターのア
ミノ末端側の47番目から67番目のアミノ酸配列[配
列番号110]のペプチドに対してKLH複合体を作成
した。PIERCE社より市販されている「Imjec
t Immunogen EDC Conjugati
on Kit With KLH and BSA」を
用い、まずPAR1型ヒトトロンビンレセプターのアミ
ノ末端側の47番目から67番目のアミノ酸配列ペプチ
ド1mgをKitのEDC Conjugation緩
衝液0.25mlに溶解し(ペプチド4mg/ml)、
KLH溶液(10mg/ml)0.1mlを加えた。さ
らにEDC(10mg/ml)25μlをペプチド、K
LH混合液に攪拌しながらゆっくり滴下し、引き続き3
0分間室温にて攪拌した。その後、EDC Conju
gation緩衝液350μlを添加し、反応を停止さ
せた。その後、PBS緩衝液pH7.4、3Lに対して
2回透析し、KLH複合体ペプチドを得た。
【0122】ヒトトロンビンレセプターのアミノ末端側
の47番目から67番目のアミノ酸配列のKLH複合体
ペプチドまたリファレンスとしてKLHをCM5センサ
ーチップ(BIACORE社)に固定化した。BIAC
ORE社で市販している「アミンカップリングキット」
を使用し、業者添付のプログラムに準じて行なった。B
IACORE Control Software V
er.1.2を用いてCM5センサーチップに同社市販
のHBS−EP緩衝液(0.01M HEPES、0.
15M NaCl、3mM EDTA、0.005%ボ
リソルベート20(v/v))を流速5μl/分で流し
た。さらにアミンカップリングキットのEDC/NHS
の1:1混合液を7分間(35μl)反応させ、センサ
ーチップ表面上のカルボキシメチルデキストランを活性
化させた。100μg/mlのKLH Conjuga
tedペプチドまたはKLHを7分間(35μl)反応
させることによりセンサーチップ上に結合させ、さらに
アミンカップリングキット中のエタノールアミンを7分
間(35μl)反応させて残余の活性型NHS基をブロ
ッキングした。
【0123】上記センサーチップ上に固定化されたKL
Hをリファレンスとし、ペプチドに対するscFvの結
合解離曲線を測定した。HBS−EP緩衝液にてscF
vを50μg/ml、25μg/ml、12.5μg/
ml、6.25μg/mlに調製し、各scFv溶液に
ついて、流速20μl/分で3分間センサーチップに反
応させた。その後、HBS−EP緩衝液を流速20μl
/分で5分間流し、センサーチップを10mM HCl
で20μl/分で1分間洗浄することを繰り返した。一
連の操作におけるセンサーチップ表面の質量変化を測定
することによってペプチドに対する各scFvの結合解
離曲線を得た。得られた結合解離曲線と各scFvの濃
度から、BIAevaluation softwar
e ver.2.1を用いて同社添付のプログラムに準
じ、各scFvの結合解離定数を算出した。その結果、
各scFvの結合解離定数(KD値)は滑膜細胞増殖阻
害活性をもつscFvでKD値:約5×10-7M、滑膜
細胞増殖阻害活性をもたないscFvでKD値:約1×
10-7Mであった(表6参照)。
【0124】
【表6】
【0125】実施例11:scFvのエピトープのアミ
ノ酸残基特異性の比較 滑膜細胞増殖阻害能を有するscFvのエピトープにお
けるアミノ酸残基特異性の検証を、表面プライズモン共
鳴センサーBIACORE1000(BIACORE
社)を用いて行った。
【0126】以下に示す5種類の21アミノ酸を合成し
た(株式会社バイオロジカ)。4種のペプチドはヒトト
ロンビンレセプターの細胞外領域に包含されるペプチド
とそのアミノ酸残基置換ペプチドである。
【0127】すなわち、ヒトトロンビンレセプターのア
ミノ末端側の47番目から67番目のアミノ酸配列[配
列番号112]、同じく47番目から67番目のアミノ
酸残基中51番目のリジンをアラニンに置換したアミノ
酸配列[配列番号113]、同じく47番目から67番
目のアミノ酸残基中55番目のフェニルアラニンをアラ
ニンに置換したアミノ酸配列[配列番号114]、同じ
く47番目から67番目のアミノ酸残基中56番目のト
リプトファンをアラニンに置換したアミノ酸配列[配列
番号115]、およびコントロールの21アミノ酸配列
[配列番号111] Ala Phe Lys Ala Asp Asp Gly Pro Cys Lys Ala Ile Met Lys Arg Phe Phe Phe Asn Ile Phe である。
【0128】PAR1型ヒトトロンビンレセプターのア
ミノ末端側の47番目から67番目のアミノ酸配列[配
列番号112]のペプチドに対してKLH複合体を作成
した。PIERCE社より市販されている「Imjec
t Immunogen EDC Conjugati
on Kit With KLH and BSA」を
用い、PAR1型ヒトトロンビンレセプターのアミノ末
端側の47番目から67番目のアミノ酸配列ペプチド1
mgをKitのEDC Conjugation緩衝液
0.25mlに溶解し(ペプチド4mg/ml)、KL
H溶解液(10mg/ml)0.1mlを加えた。さら
にEDC(10mg/ml)25μlをペプチド、KL
H混合液に攪拌しながらゆっくり滴下し、引き続き30
分間室温にて攪拌した。その後、EDC Conjug
ation緩衝液350μlを添加し、反応を停止させ
た。さらにPBS緩衝液pH7.4、3Lに対して2回
透析し、KLH複合体ペプチドを得た。
【0129】ヒトトロンビンレセプターのアミノ末端側
の47番目から67番目のアミノ酸配列のKLH複合体
ペプチド、またリファレンスとしてKLHをCM5セン
サーチップ(BIACORE社)に固定化した。BIA
CORE社で市販している「アミンカップリングキッ
ト」を使用し、業者添付のプログラムに準じて行なっ
た。BIACORE Control Softwar
e Ver.1.2を用いてCM5センサーチップに同
社市販のHBS−EP緩衝液(0.01M HEPE
S、0.15M NaCl、3mM EDTA、0.0
05%ボリソルベート20(v/v))を流速5μl/
分で流した。さらにアミンカップリングキットのEDC
/NHSの1:1混合液を7分間(35μl)反応さ
せ、センサーチップ表面上のカルボキシルデキストラン
を活性化させた。100μg/mlの KLH複合体ペ
プチドまたはKLHを7分間(35μl)反応させるこ
とによりセンサーチップ上に結合させ、さらにアミンカ
ップリングキット中のエタノールアミンを7分間(35
μl)反応させて残余のNHS基をブロッキングした。
【0130】上記センサーチップ上に固定化されたKL
Hをリファレンスとし、ペプチドに対するscFvの結
合を確認した。scFvをHBS−EP緩衝液にて50
μg/mlに調製し、流速10μl/分で3分間反応さ
せた。その後HBS−EP緩衝液を流速20μl/分で
5分間流し、センサーチップを10mM HClで20
μl/分で1分間洗浄することを繰り返した。一連の操
作におけるセンサーチップ表面の質量変化を測定するこ
とによってペプチドに対する各scFvの最大結合量を
得た。滑膜細胞増殖活性を有するscFvで最大結合量
約300RU、滑膜細胞増殖活性のないscFvで最大
結合量約600RUの結合値を得た。
【0131】上記線センサーチップ上に固定化されたK
LHをリファレンスに、ペプチドに対するscFv5種
の各ペプチドによる競合結合阻害を測定した。HBS−
EP緩衝液にてscFv(終濃度50μg/ml)とペ
プチド(終濃度5μg/ml)の混合液を調製し、sc
Fv−ペプチド混合液を流速10μl/分で3分間反応
させた。
【0132】コントロールペプチドでは滑膜細胞増殖阻
害活性をもつscFv、もたないscFvともに結合を
阻害されなかった。ヒトトロンビンレセプターのアミノ
末端側の47番目から67番目のアミノ酸配列ペプチド
では滑膜細胞増殖阻害活性をもつscFv、もたないs
cFvともに結合が阻害された。
【0133】活膜細胞増殖阻害活性をもたないscFv
ではヒトトロンビンレセプターのアミノ末端側の47番
目から67番目のアミノ酸残基中、51番目のリジンを
アラニンに置換したアミノ酸ペプチド、および47番目
から67番目のアミノ酸残基中、55番目のフェニルア
ラニンをアラニンに置換したアミノ酸ペプチドでは結合
阻害が認められず、アミノ末端側の47番目から67番
目のアミノ酸残基中、56番目のトリプトファンをアラ
ニンに置換したアミノ酸ペプチドで結合阻害が認められ
た。
【0134】滑膜細胞増殖阻害活性をもつscFvでは
ヒトトロンビンレセプターのアミノ末端側の47番目か
ら67番目のアミノ酸残基中、51番目のリジンをアラ
ニンに置換したアミノ酸ペプチドおよび47番目から6
7番目のアミノ酸残基中、55番目のフェニルアラニン
をアラニンに置換したアミノ酸ペプチドで結合阻害が認
められ、ヒトトロンビンレセプターのアミノ末端側の4
7番目から67番目のアミノ酸残基中、56番目のトリ
プトファンをアラニンに置換したアミノ酸ペプチドでは
結合阻害が認められなかった。
【0135】滑膜細胞増殖阻害活性をもつscFv、も
たないscFvともにエピトープとして重複したアミノ
酸配列を認識しているものの、そのエピトープにおける
各アミノ酸残基に対する重要度に違いがあることが確認
された。
【0136】トロンビン惹起滑膜細胞増殖阻害にはヒト
トロンビンレセプターのアミノ酸末端から56番目のト
リプトファン残基がscFvの重要な結合部位であるこ
とが確認された。
【0137】
【発明の効果】本発明の薬剤(ポリペプチドまたは化合
物)は、トロンビンレセプターを介したシグナル伝達を
抑制し、細胞増殖阻害活性やTNF−α、IL−6、I
L−1βなどの炎症性メディエーターの産生や放出を抑
制する活性を有し、各種炎症性疾患や細胞増殖性疾患の
治療薬として用いられる。
【0138】
【配列表】
【0139】 <110> 帝人株式会社 <120> 細胞増殖抑制剤 <130> P33486 <160> 115 <210> 1 <211> 1209 <212> DNA <213> ヒト <400> 1 atg ggg ccg cgg cgg ctg ctg ctg gtg gcc gcc tgc ttc agt ctg tgc ggc ccg 54 Met Gly Pro Arg Arg Leu Leu Leu Val Ala Ala Cys Phe Ser Leu Cys Gly Pro 1 5 10 15 ctg ttg tct gcc cgc acc cgg gcc gat aaa tat gaa cca ttt tgg gag gat gag 108 Leu Leu Ser Ala Arg Thr Arg Ala Asp Lys Tyr Glu Pro Phe Trp Glu Asp Glu 20 25 30 35 gag aaa aat gaa agt ggg tta act gaa tac aga tta gtc tcc atc aat aaa agc 162 Glu Lys Asn Glu Ser Gly Leu Thr Glu Tyr Arg Leu Val Ser Ile Asn Lys Ser 40 45 50 agt cct ctt caa aaa caa ctt cct gca ttc atc tca gaa gat gcc tcc gga tat 216 Ser Pro Leu Gln Lys Gln Leu Pro Ala Phe Ile Ser Glu Asp Ala Ser Gly Tyr 55 60 65 70 ttg acc agc tcc tgg ctg aca ctc ttt gtc cca tct gtg tac acc gga gtg ttt 270 Leu Thr Ser Ser Trp Leu Thr Leu Phe Val Pro Ser Val Tyr Thr Gly Val Phe 75 80 85 90 gta gtc agc ctc cca cta aac atc atg gcc atc gtt gtg ttc atc ctg aaa atg 324 Val Val Ser Leu Pro Leu Asn Ile Met Ala Ile Val Val Phe Ile Leu Lys Met 95 100 105 aag gtc aag aag ccg gcg gtg gtg tac atg ctg cac ctg gcc acg gca gat gtg 378 Lys Val Lys Lys Pro Ala Val Val Tyr Met Leu His Leu Ala Thr Ala Asp Val 110 115 120 125 ctg ttt gtg tct gtg ctc ccc ttt aag atc agc tat tac ttt tcc ggc agt gat 432 Leu Phe Val Ser Val Leu Pro Phe Lys Ile Ser Tyr Tyr Phe Ser Gly Ser Asp 130 135 140 tgg cag ttt ggg tct gaa ttg tgt cgc ttc gtc act gca gca ttt tac tgt aac 486 Trp Gln Phe Gly Ser Glu Leu Cys Arg Phe Val Thr Ala Ala Phe Tyr Cys Asn 145 150 155 160 atg tac gcc tct atc ttg ctc atg aca gtc ata agc att gac cgg ttt ctg gct 540 Met Tyr Ala Ser Ile Leu Leu Met Thr Val Ile Ser Ile Asp Arg Phe Leu Ala 165 170 175 180 gtg gtg tat ccc atg cag tcc ctc tcc tgg cgt act ctg gga agg gct tcc ttc 594 Val Val Tyr Pro Met Gln Ser Leu Ser Trp Arg Thr Leu Gly Arg Ala Ser Phe 185 190 195 act tgt ctg gcc atc tgg gct ttg gcc atc gca ggg gta gtg cct ctg ctc ctc 648 Thr Cys Leu Ala Ile Trp Ala Leu Ala Ile Ala Gly Val Val Pro Leu Leu Leu 200 205 210 215 aag gag caa acc atc cag gtg ccc ggg ctc aac atc act acc tgt cat gat gtg 702 Lys Glu Gln Thr Ile Gln Val Pro Gly Leu Asn Ile Thr Thr Cys His Asp Val 220 225 230 ctc aat gaa acc ctg ctc gaa ggc tac tat gcc tac tac ttc tca gcc ttc tct 756 Leu Asn Glu Thr Leu Leu Glu Gly Tyr Tyr Ala Tyr Tyr Phe Ser Ala Phe Ser 235 240 245 250 gct gtc ttc ttt ttt gtg ccg ctg atc att tcc acg gtc tgt tat gtg tct atc 810 Ala Val Phe Phe Phe Val Pro Leu Ile Ile Ser Thr Val Cys Tyr Val Ser Ile 255 260 265 270 att cga tgt ctt agc tct tcc gca gtt gcc aac cgc agc aag aag tcc cgg gct 864 Ile Arg Cys Leu Ser Ser Ser Ala Val Ala Asn Arg Ser Lys Lys Ser Arg Ala 275 280 285 ttg ttc ctg tca gct gct gtt ttc tgc atc ttc atc att tgc ttc gga ccc aca 918 Leu Phe Leu Ser Ala Ala Val Phe Cys Ile Phe Ile Ile Cys Phe Gly Pro Thr 290 295 300 305 aac gtc ctc ctg att gcg cat tac tca ttc ctt tct cac act tcc acc aca gag 972 Asn Val Leu Leu Ile Ala His Tyr Ser Phe Leu Ser His Thr Ser Thr Thr Glu 310 315 320 gct gcc tac ttt gcc tac ctc ctc tgt gtc tgt gtc agc agc ata agc tgc tgc 1026 Ala Ala Tyr Phe Ala Tyr Leu Leu Cys Val Cys Val Ser Ser Ile Ser Cys Cys 325 330 335 340 atc gac ccc cta att tac tat tac gct tcc tct gag tgc cag agg tac gtc tac 1080 Ile Asp Pro Leu Ile Tyr Tyr Tyr Ala Ser Ser Glu Cys Gln Arg Tyr Val Tyr 345 350 355 360 agt atc tta tgc tgc aaa gaa agt tcc gat ccc agc agt tat aac agc agt ggg 1134 Ser Ile Leu Cys Cys Lys Glu Ser Ser Asp Pro Ser Ser Tyr Asn Ser Ser Gly 365 370 375 cag ttg atg gca agt aaa atg gat acc tgc tct agt aac ctg aat aac agc ata 1188 Gln Leu Met Ala Ser Lys Met Asp Thr Cys Ser Ser Asn Leu Asn Asn Ser Ile 380 385 390 395 tac aaa aag ctg tta act tag 1209 Tyr Lys Lys Leu Leu Thr 400 <210> 2 <211> 1116 <212> DNA <213> ヒト <400> 2 atg ggg ccg cgg cgg ctg ctg ctg gtg gcc gcc tgc ttc agt ctg tgc ggc ccg 54 Met Gly Pro Arg Arg Leu Leu Leu Val Ala Ala Cys Phe Ser Leu Cys Gly Pro 1 5 10 15 ctg ttg tct gcc cgc acc cgg gcc caa aaa caa ctt cct gca ttc atc tca gaa 108 Leu Leu Ser Ala Arg Thr Arg Ala Gln Lys Gln Leu Pro Ala Phe Ile Ser Glu 20 25 30 35 gat gcc tcc gga tat ttg acc agc tcc tgg ctg aca ctc ttt gtc cca tct gtg 162 Asp Ala Ser Gly Tyr Leu Thr Ser Ser Trp Leu Thr Leu Phe Val Pro Ser Val 40 45 50 tac acc gga gtg ttt gta gtc agc ctc cca cta aac atc atg gcc atc gtt gtg 216 Tyr Thr Gly Val Phe Val Val Ser Leu Pro Leu Asn Ile Met Ala Ile Val Val 55 60 65 70 ttc atc ctg aaa atg aag gtc aag aag ccg gcg gtg gtg tac atg ctg cac ctg 270 Phe Ile Leu Lys Met Lys Val Lys Lys Pro Ala Val Val Tyr Met Leu His Leu 75 80 85 90 gcc acg gca gat gtg ctg ttt gtg tct gtg ctc ccc ttt aag atc agc tat tac 324 Ala Thr Ala Asp Val Leu Phe Val Ser Val Leu Pro Phe Lys Ile Ser Tyr Tyr 95 100 105 ttt tcc ggc agt gat tgg cag ttt ggg tct gaa ttg tgt cgc ttc gtc act gca 378 Phe Ser Gly Ser Asp Trp Gln Phe Gly Ser Glu Leu Cys Arg Phe Val Thr Ala 110 115 120 125 gca ttt tac tgt aac atg tac gcc tct atc ttg ctc atg aca gtc ata agc att 432 Ala Phe Tyr Cys Asn Met Tyr Ala Ser Ile Leu Leu Met Thr Val Ile Ser Ile 130 135 140 gac cgg ttt ctg gct gtg gtg tat ccc atg cag tcc ctc tcc tgg cgt act ctg 486 Asp Arg Phe Leu Ala Val Val Tyr Pro Met Gln Ser Leu Ser Trp Arg Thr Leu 145 150 155 160 gga agg gct tcc ttc act tgt ctg gcc atc tgg gct ttg gcc atc gca ggg gta 540 Gly Arg Ala Ser Phe Thr Cys Leu Ala Ile Trp Ala Leu Ala Ile Ala Gly Val 165 170 175 180 gtg cct ctg ctc ctc aag gag caa acc atc cag gtg ccc ggg ctc aac atc act 594 Val Pro Leu Leu Leu Lys Glu Gln Thr Ile Gln Val Pro Gly Leu Asn Ile Thr 185 190 195 acc tgt cat gat gtg ctc aat gaa acc ctg ctc gaa ggc tac tat gcc tac tac 648 Thr Cys His Asp Val Leu Asn Glu Thr Leu Leu Glu Gly Tyr Tyr Ala Tyr Tyr 200 205 210 215 ttc tca gcc ttc tct gct gtc ttc ttt ttt gtg ccg ctg atc att tcc acg gtc 702 Phe Ser Ala Phe Ser Ala Val Phe Phe Phe Val Pro Leu Ile Ile Ser Thr Val 220 225 230 tgt tat gtg tct atc att cga tgt ctt agc tct tcc gca gtt gcc aac cgc agc 756 Cys Tyr Val Ser Ile Ile Arg Cys Leu Ser Ser Ser Ala Val Ala Asn Arg Ser 235 240 245 250 aag aag tcc cgg gct ttg ttc ctg tca gct gct gtt ttc tgc atc ttc atc att 810 Lys Lys Ser Arg Ala Leu Phe Leu Ser Ala Ala Val Phe Cys Ile Phe Ile Ile 255 260 265 270 tgc ttc gga ccc aca aac gtc ctc ctg att gcg cat tac tca ttc ctt tct cac 864 Cys Phe Gly Pro Thr Asn Val Leu Leu Ile Ala His Tyr Ser Phe Leu Ser His 275 280 285 act tcc acc aca gag gct gcc tac ttt gcc tac ctc ctc tgt gtc tgt gtc agc 918 Thr Ser Thr Thr Glu Ala Ala Tyr Phe Ala Tyr Leu Leu Cys Val Cys Val Ser 290 295 300 305 agc ata agc tgc tgc atc gac ccc cta att tac tat tac gct tcc tct gag tgc 972 Ser Ile Ser Cys Cys Ile Asp Pro Leu Ile Tyr Tyr Tyr Ala Ser Ser Glu Cys 310 315 320 cag agg tac gtc tac agt atc tta tgc tgc aaa gaa agt tcc gat ccc agc agt 1026 Gln Arg Tyr Val Tyr Ser Ile Leu Cys Cys Lys Glu Ser Ser Asp Pro Ser Ser 325 330 335 340 tat aac agc agt ggg cag ttg atg gca agt aaa atg gat acc tgc tct agt aac 1080 Tyr Asn Ser Ser Gly Gln Leu Met Ala Ser Lys Met Asp Thr Cys Ser Ser Asn 345 350 355 360 ctg aat aac agc ata tac aaa aag ctg tta act tag 1116 Leu Asn Asn Ser Ile Tyr Lys Lys Leu Leu Thr 365 370 <210> 3 <211> 1278 <212> DNA <213> ヒト <400> 3 atg ggg ccg cgg cgg ctg ctg ctg gtg gcc gcc tgc ttc agt ctg tgc ggc ccg 54 Met Gly Pro Arg Arg Leu Leu Leu Val Ala Ala Cys Phe Ser Leu Cys Gly Pro 1 5 10 15 ctg ttg tct gcc cgc acc cgg gcc cgc agg cca gaa tca aaa gca aca aat gcc 108 Leu Leu Ser Ala Arg Thr Arg Ala Arg Arg Pro Glu Ser Lys Ala Thr Asn Ala 20 25 30 35 acc tta gat ccc cgg tca ttt ctt ctc agg aac ccc aat gat aaa tat gaa cca 162 Thr Leu Asp Pro Arg Ser Phe Leu Leu Arg Asn Pro Asn Asp Lys Tyr Glu Pro 40 45 50 ttt tgg gag gat gag gag aaa aat gaa agt ggg tta act gaa tac aga tta gtc 216 Phe Trp Glu Asp Glu Glu Lys Asn Glu Ser Gly Leu Thr Glu Tyr Arg Leu Val 55 60 65 70 tcc atc aat aaa agc agt cct ctt caa aaa caa ctt cct gca ttc atc tca gaa 270 Ser Ile Asn Lys Ser Ser Pro Leu Gln Lys Gln Leu Pro Ala Phe Ile Ser Glu 75 80 85 90 gat gcc tcc gga tat ttg acc agc tcc tgg ctg aca ctc ttt gtc cca tct gtg 324 Asp Ala Ser Gly Tyr Leu Thr Ser Ser Trp Leu Thr Leu Phe Val Pro Ser Val 95 100 105 tac acc gga gtg ttt gta gtc agc ctc cca cta aac atc atg gcc atc gtt gtg 378 Tyr Thr Gly Val Phe Val Val Ser Leu Pro Leu Asn Ile Met Ala Ile Val Val 110 115 120 125 ttc atc ctg aaa atg aag gtc aag aag ccg gcg gtg gtg tac atg ctg cac ctg 432 Phe Ile Leu Lys Met Lys Val Lys Lys Pro Ala Val Val Tyr Met Leu His Leu 130 135 140 gcc acg gca gat gtg ctg ttt gtg tct gtg ctc ccc ttt aag atc agc tat tac 486 Ala Thr Ala Asp Val Leu Phe Val Ser Val Leu Pro Phe Lys Ile Ser Tyr Tyr 145 150 155 160 ttt tcc ggc agt gat tgg cag ttt ggg tct gaa ttg tgt cgc ttc gtc act gca 540 Phe Ser Gly Ser Asp Trp Gln Phe Gly Ser Glu Leu Cys Arg Phe Val Thr Ala 165 170 175 180 gca ttt tac tgt aac atg tac gcc tct atc ttg ctc atg aca gtc ata agc att 594 Ala Phe Tyr Cys Asn Met Tyr Ala Ser Ile Leu Leu Met Thr Val Ile Ser Ile 185 190 195 gac cgg ttt ctg gct gtg gtg tat ccc atg cag tcc ctc tcc tgg cgt act ctg 648 Asp Arg Phe Leu Ala Val Val Tyr Pro Met Gln Ser Leu Ser Trp Arg Thr Leu 200 205 210 215 gga agg gct tcc ttc act tgt ctg gcc atc tgg gct ttg gcc atc gca ggg gta 702 Gly Arg Ala Ser Phe Thr Cys Leu Ala Ile Trp Ala Leu Ala Ile Ala Gly Val 220 225 230 gtg cct ctg ctc ctc aag gag caa acc atc cag gtg ccc ggg ctc aac atc act 756 Val Pro Leu Leu Leu Lys Glu Gln Thr Ile Gln Val Pro Gly Leu Asn Ile Thr 235 240 245 250 acc tgt cat gat gtg ctc aat gaa acc ctg ctc gaa ggc tac tat gcc tac tac 810 Thr Cys His Asp Val Leu Asn Glu Thr Leu Leu Glu Gly Tyr Tyr Ala Tyr Tyr 255 260 265 270 ttc tca gcc ttc tct gct gtc ttc ttt ttt gtg ccg ctg atc att tcc acg gtc 864 Phe Ser Ala Phe Ser Ala Val Phe Phe Phe Val Pro Leu Ile Ile Ser Thr Val 275 280 285 tgt tat gtg tct atc att cga tgt ctt agc tct tcc gca gtt gcc aac cgc agc 918 Cys Tyr Val Ser Ile Ile Arg Cys Leu Ser Ser Ser Ala Val Ala Asn Arg Ser 290 295 300 305 aag aag tcc cgg gct ttg ttc ctg tca gct gct gtt ttc tgc atc ttc atc att 972 Lys Lys Ser Arg Ala Leu Phe Leu Ser Ala Ala Val Phe Cys Ile Phe Ile Ile 310 315 320 tgc ttc gga ccc aca aac gtc ctc ctg att gcg cat tac tca ttc ctt tct cac 1026 Cys Phe Gly Pro Thr Asn Val Leu Leu Ile Ala His Tyr Ser Phe Leu Ser His 325 330 335 340 act tcc acc aca gag gct gcc tac ttt gcc tac ctc ctc tgt gtc tgt gtc agc 1080 Thr Ser Thr Thr Glu Ala Ala Tyr Phe Ala Tyr Leu Leu Cys Val Cys Val Ser 345 350 355 360 agc ata agc tgc tgc atc gac ccc cta att tac tat tac gct tcc tct gag tgc 1134 Ser Ile Ser Cys Cys Ile Asp Pro Leu Ile Tyr Tyr Tyr Ala Ser Ser Glu Cys 365 370 375 cag agg tac gtc tac agt atc tta tgc tgc aaa gaa agt tcc gat ccc agc agt 1188 Gln Arg Tyr Val Tyr Ser Ile Leu Cys Cys Lys Glu Ser Ser Asp Pro Ser Ser 380 385 390 395 tat aac agc agt ggg cag ttg atg gca agt aaa atg gat acc tgc tct agt aac 1242 Tyr Asn Ser Ser Gly Gln Leu Met Ala Ser Lys Met Asp Thr Cys Ser Ser Asn 400 405 410 ctg aat aac agc ata tac aaa aag ctg tta act tag 1278 Leu Asn Asn Ser Ile Tyr Lys Lys Leu Leu Thr 415 420 425 <210> 4 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 4 aaggatccat ggggccgcgg cggctgct 28 <210> 5 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 5 tgggaattcc taagttaaca gcttttt 27 <210> 6 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 6 ccatgatgtt tagtggga 18 <210> 7 <211> 17 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 7 agagtacgcc aggagag 17 <210> 8 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 8 tggcaactgc ggaagagc 18 <210> 9 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 9 tgctgggatc ggaacttt 18 <210> 10 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 10 tcacacagga aacagctatg ac 22 <210> 11 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 11 cgccagggtt ttcccagtca cgac 24 <210> 12 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 12 tttactgttt tcgtaacagt tttg 24 <210> 13 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 13 catttatatc ggcccgggtg cgggcagaca 30 <210> 14 <211> 32 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 14 cacccgggcc gataaatatg aaccattttg gg 32 <210> 15 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 15 ggccgcacat catcatcacc atcacgg 27 <210> 16 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 16 Met Gly Pro Arg Arg Leu Leu Leu Val Ala Ala Cys Phe Ser Leu 1 5 10 15 <210> 17 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 17 Gly Pro Arg Arg Leu Leu Leu Val Ala Ala Cys Phe Ser Leu Cys 1 5 10 15 <210> 18 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 18 Pro Arg Arg Leu Leu Leu Val Ala Ala Cys Phe Ser Leu Cys Gly 1 5 10 15 <210> 19 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 19 Arg Arg Leu Leu Leu Val Ala Ala Cys Phe Ser Leu Cys Gly Pro 1 5 10 15 <210> 20 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 20 Arg Leu Leu Leu Val Ala Ala Cys Phe Ser Leu Cys Gly Pro Leu 1 5 10 15 <210> 21 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 21 Leu Leu Leu Val Ala Ala Cys Phe Ser Leu Cys Gly Pro Leu Leu 1 5 10 15 <210> 22 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 22 Leu Leu Val Ala Ala Cys Phe Ser Leu Cys Gly Pro Leu Leu Ser 1 5 10 15 <210> 23 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 23 Leu Val Ala Ala Cys Phe Ser Leu Cys Gly Pro Leu Leu Ser Ala 1 5 10 15 <210> 24 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 24 Val Ala Ala Cys Phe Ser Leu Cys Gly Pro Leu Leu Ser Ala Arg 1 5 10 15 <210> 25 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 25 Ala Ala Cys Phe Ser Leu Cys Gly Pro Leu Leu Ser Ala Arg Thr 1 5 10 15 <210> 26 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 26 Ala Cys Phe Ser Leu Cys Gly Pro Leu Leu Ser Ala Arg Thr Arg 1 5 10 15 <210> 27 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 27 Cys Phe Ser Leu Cys Gly Pro Leu Leu Ser Ala Arg Thr Arg Ala 1 5 10 15 <210> 28 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 28 Phe Ser Leu Cys Gly Pro Leu Leu Ser Ala Arg Thr Arg Ala Arg 1 5 10 15 <210> 29 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 29 Ser Leu Cys Gly Pro Leu Leu Ser Ala Arg Thr Arg Ala Arg Arg 1 5 10 15 <210> 30 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 30 Leu Cys Gly Pro Leu Leu Ser Ala Arg Thr Arg Ala Arg Arg Pro 1 5 10 15 <210> 31 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 31 Cys Gly Pro Leu Leu Ser Ala Arg Thr Arg Ala Arg Arg Pro Glu 1 5 10 15 <210> 32 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 32 Gly Pro Leu Leu Ser Ala Arg Thr Arg Ala Arg Arg Pro Glu Ser 1 5 10 15 <210> 33 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 33 Pro Leu Leu Ser Ala Arg Thr Arg Ala Arg Arg Pro Glu Ser Lys 1 5 10 15 <210> 34 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 34 Leu Leu Ser Ala Arg Thr Arg Ala Arg Arg Pro Glu Ser Lys Ala 1 5 10 15 <210> 35 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 35 Leu Ser Ala Arg Thr Arg Ala Arg Arg Pro Glu Ser Lys Ala Thr 1 5 10 15 <210> 36 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 36 Ser Ala Arg Thr Arg Ala Arg Arg Pro Glu Ser Lys Ala Thr Asn 1 5 10 15 <210> 37 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 37 Ala Arg Thr Arg Ala Arg Arg Pro Glu Ser Lys Ala Thr Asn Ala 1 5 10 15 <210> 38 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 38 Arg Thr Arg Ala Arg Arg Pro Glu Ser Lys Ala Thr Asn Ala Thr 1 5 10 15 <210> 39 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 39 Thr Arg Ala Arg Arg Pro Glu Ser Lys Ala Thr Asn Ala Thr Leu 1 5 10 15 <210> 40 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 40 Arg Ala Arg Arg Pro Glu Ser Lys Ala Thr Asn Ala Thr Leu Asp 1 5 10 15 <210> 41 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 41 Ala Arg Arg Pro Glu Ser Lys Ala Thr Asn Ala Thr Leu Asp Pro 1 5 10 15 <210> 42 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 42 Arg Arg Pro Glu Ser Lys Ala Thr Asn Ala Thr Leu Asp Pro Arg 1 5 10 15 <210> 43 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 43 Arg Ser Phe Leu Leu Arg Asn Pro Asn Asp Lys Tyr Glu Pro Phe 1 5 10 15 <210> 44 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 44 Ser Phe Leu Leu Arg Asn Pro Asn Asp Lys Tyr Glu Pro Phe Trp 1 5 10 15 <210> 45 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 45 Phe 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Glu Glu Lys Asn Glu Ser Gly Leu Thr Glu Tyr Arg Leu Val 1 5 10 15 <210> 61 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 61 Glu Glu Lys Asn Glu Ser Gly Leu Thr Glu Tyr Arg Leu Val Ser 1 5 10 15 <210> 62 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 62 Glu Lys Asn Glu Ser Gly Leu Thr Glu Tyr Arg Leu Val Ser Ile 1 5 10 15 <210> 63 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 63 Lys Asn Glu Ser Gly Leu Thr Glu Tyr Arg Leu Val Ser Ile Asn 1 5 10 15 <210> 64 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 64 Asn Glu Ser Gly Leu Thr Glu Tyr Arg Leu Val Ser Ile Asn Lys 1 5 10 15 <210> 65 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 65 Glu Ser Gly Leu Thr Glu Tyr Arg Leu Val Ser Ile Asn Lys Ser 1 5 10 15 <210> 66 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 66 Ser Gly Leu Thr Glu Tyr Arg Leu Val Ser Ile Asn Lys Ser Ser 1 5 10 15 <210> 67 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 67 Gly Leu Thr Glu Tyr Arg Leu Val Ser Ile Asn Lys Ser Ser Pro 1 5 10 15 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Ile Asn Lys Ser Ser Pro Leu Gln Lys Gln Leu Pro Ala Phe 1 5 10 15 <210> 76 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 76 Ile Asn Lys Ser Ser Pro Leu Gln Lys Gln Leu Pro Ala Phe Ile 1 5 10 15 <210> 77 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 77 Asn Lys Ser Ser Pro Leu Gln Lys Gln Leu Pro Ala Phe Ile Ser 1 5 10 15 <210> 78 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 78 Lys Ser Ser Pro Leu Gln Lys Gln Leu Pro Ala Phe Ile Ser Glu 1 5 10 15 <210> 79 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 79 Ser Ser Pro Leu Gln Lys Gln Leu Pro Ala Phe Ile Ser Glu Asp 1 5 10 15 <210> 80 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 80 Ser Pro Leu Gln Lys Gln Leu Pro Ala Phe Ile Ser Glu Asp Ala 1 5 10 15 <210> 81 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 81 Pro Leu Gln Lys Gln Leu Pro Ala Phe Ile Ser Glu Asp Ala Ser 1 5 10 15 <210> 82 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 82 Leu Gln Lys Gln Leu Pro Ala Phe Ile Ser Glu Asp Ala Ser Gly 1 5 10 15 <210> 83 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 83 Gln Lys Gln Leu Pro Ala Phe Ile Ser Glu Asp Ala Ser Gly Tyr 1 5 10 15 <210> 84 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 84 Lys Gln Leu Pro Ala Phe Ile Ser Glu Asp Ala Ser Gly Tyr Leu 1 5 10 15 <210> 85 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 85 Gln Leu Pro Ala Phe Ile Ser Glu Asp Ala Ser Gly Tyr Leu Thr 1 5 10 15 <210> 86 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 86 Leu Pro Ala Phe Ile Ser Glu Asp Ala Ser Gly Tyr Leu Thr Ser 1 5 10 15 <210> 87 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 87 Pro Ala Phe Ile Ser Glu Asp Ala Ser Gly Tyr Leu Thr Ser Ser 1 5 10 15 <210> 88 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 88 Ala Phe Ile Ser Glu Asp Ala Ser Gly Tyr Leu Thr Ser Ser Trp 1 5 10 15 <210> 89 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 89 Phe Ile Ser Glu Asp Ala Ser Gly Tyr Leu Thr Ser Ser Trp Leu 1 5 10 15 <210> 90 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 90 Ile Ser Glu Asp Ala Ser Gly Tyr Leu Thr Ser Ser Trp Leu Thr 1 5 10 15 <210> 91 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 91 Ser Glu Asp Ala Ser Gly Tyr Leu Thr Ser Ser Trp Leu Thr Leu 1 5 10 15 <210> 92 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 92 Ser Glu Asp Ala Ser Gly Tyr Leu Thr Ser Ser Trp Leu Thr Leu 1 5 10 15 <210> 93 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 93 Ile Ser Tyr Tyr Phe Ser Gly Ser Asp Trp Gln Phe Gly Ser Glu 1 5 10 15 <210> 94 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 94 Ser Tyr Tyr Phe Ser Gly Ser Asp Trp Gln Phe Gly Ser Glu Leu 1 5 10 15 <210> 95 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 95 Val Pro Leu Leu Leu Lys Glu Gln Thr Ile Gln Val Pro Gly Leu 1 5 10 15 <210> 96 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 96 Pro Leu Leu Leu Lys Glu Gln Thr Ile Gln Val Pro Gly Leu Asn 1 5 10 15 <210> 97 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 97 Leu Leu Leu Lys Glu Gln Thr Ile Gln Val Pro Gly Leu Asn Ile 1 5 10 15 <210> 98 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 98 Leu Leu Lys Glu Gln Thr Ile Gln Val Pro Gly Leu Asn Ile Thr 1 5 10 15 <210> 99 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 99 Leu Lys Glu Gln Thr Ile Gln Val Pro Gly Leu Asn Ile Thr Thr 1 5 10 15 <210> 100 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 100 Lys Glu Gln Thr Ile Gln Val Pro Gly Leu Asn Ile Thr Thr Cys 1 5 10 15 <210> 101 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 101 Glu Gln Thr Ile Gln Val Pro Gly Leu Asn Ile Thr Thr Cys His 1 5 10 15 <210> 102 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 102 Gln Thr Ile Gln Val Pro Gly Leu Asn Ile Thr Thr Cys His Asp 1 5 10 15 <210> 103 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 103 Thr Ile Gln Val Pro Gly Leu Asn Ile Thr Thr Cys His Asp Val 1 5 10 15 <210> 104 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 104 Ile Gln Val Pro Gly Leu Asn Ile Thr Thr Cys His Asp Val Leu 1 5 10 15 <210> 105 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 105 Gln Val Pro Gly Leu Asn Ile Thr Thr Cys His Asp Val Leu Asn 1 5 10 15 <210> 106 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 106 Val Pro Gly Leu Asn Ile Thr Thr Cys His Asp Val Leu Asn Glu 1 5 10 15 <210> 107 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 107 Pro Gly Leu Asn Ile Thr Thr Cys His Asp Val Leu Asn Glu Thr 1 5 10 15 <210> 108 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 108 Gly Leu Asn Ile Thr Thr Cys His Asp Val Leu Asn Glu Thr Leu 1 5 10 15 <210> 109 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 109 Thr Asn Val Leu Leu Ile Ala His Tyr Ser Phe Leu Ser His Thr 1 5 10 15 <210> 110 <211> 21 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 110 Asn Pro Asn Asp Lys Tyr Glu Pro Phe Trp Glu Asp Glu Glu Lys Asn Glu Ser 1 5 10 15 Gly Leu Thr 20 <210> 111 <211> 21 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 111 Ala Phe Lys Ala Asp Asp Gly Pro Cys Lys Ala Ile Met Lys Arg Phe Phe Phe 1 5 10 15 Asn Ile Phe 20 <210> 112 <211> 21 <212> PRT <213> Artificial Sequence 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フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 29/00 101 C07K 14/705 35/04 16/28 C07K 14/705 C12P 21/08 16/28 C12N 15/00 ZNAA C12P 21/08 A61K 37/02 (72)発明者 恒川 典之 東京都日野市旭が丘4丁目3番2号 帝人 株式会社東京研究センター内 (72)発明者 小林 慎治 東京都日野市旭が丘4丁目3番2号 帝人 株式会社東京研究センター内 (72)発明者 江口 広志 東京都日野市旭が丘4丁目3番2号 帝人 株式会社東京研究センター内 (72)発明者 小池 行也 東京都日野市旭が丘4丁目3番2号 帝人 株式会社東京研究センター内 (72)発明者 鷲見 芳彦 東京都日野市旭が丘4丁目3番2号 帝人 株式会社東京研究センター内 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA44 BA63 CA04 DA02 DA06 EA02 EA03 GA11 GA18 HA01 4B064 AG20 AG27 CA02 CA10 CA19 CC24 CE06 CE09 DA01 4C084 AA02 AA07 BA08 BA22 CA18 DC35 NA14 ZA012 ZA452 ZB152 ZC422 4H045 AA11 CA42 DA76 DA86 EA22 FA74 GA10 GA21

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トロンビンによる細胞増殖を抑制しうる
    ポリペプチドまたは化合物。
  2. 【請求項2】 PAR1型ヒトトロンビンレセプターの
    構造のうち細胞増殖に関与する特定の領域に結合するポ
    リペプチドまたは化合物。
  3. 【請求項3】 ペプチド配列X1−Glu−Pro−X2
    −Trp−X3に結合する請求項1または請求項2に記
    載のポリペプチドまたは化合物。ここでX1は任意のア
    ミノ酸またはペプチド配列、X2は任意のアミノ酸、X3
    は任意のアミノ酸またはペプチド配列を表す。
  4. 【請求項4】 PAR1型ヒトトロンビンレセプターの
    アミノ末端側の52番目から56番目のアミノ酸配列
    (X4)−Tyr−Glu−Pro−Phe−Trp−
    (X5)に結合するポリペプチドまたは化合物。ここで
    4およびX5は任意のアミノ酸またはペプチド配列を表
    す。
  5. 【請求項5】 単鎖型Fvまたはその断片である請求項
    1から請求項4のいずれかに記載のポリペプチド。
  6. 【請求項6】 抗体またはその断片である請求項1から
    請求項4のいずれかに記載のポリペプチド。
  7. 【請求項7】 トロンビンレセプターを介した細胞増殖
    に関わるシグナル伝達系を阻害する請求項1から請求項
    6のいずれかに記載のポリペプチド。
  8. 【請求項8】 請求項1から請求項7のいずれかに記載
    のポリペプチドを取得するために用いられる改変型PA
    R1型トロンビンレセプター遺伝子またはその断片。
  9. 【請求項9】 配列番号3で示される、ヒトPAR1型
    トロンビンレセプター蛋白質。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の蛋白質をコードする
    DNA断片。
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