JP2000178660A - 高品質低SiO2 焼結鉱の製造方法 - Google Patents

高品質低SiO2 焼結鉱の製造方法

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JP2000178660A JP10353082A JP35308298A JP2000178660A JP 2000178660 A JP2000178660 A JP 2000178660A JP 10353082 A JP10353082 A JP 10353082A JP 35308298 A JP35308298 A JP 35308298A JP 2000178660 A JP2000178660 A JP 2000178660A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高炉操業でのスラグ中MgOの成分調整が不
要であり、焼結工程での生産率及び歩留を低下させず
に、焼結鉱中SiO2 含有率を4.6%まで低めて、還
元性、還元粉化性及び高温性状に優れた焼結鉱の製造方
法を開発する。 【解決手段】 SiO2 4.6%以下、塩基度1.0〜
3.0、MgOが0.5%超えの焼結鉱製造において、
MgO添加源としてマグネサイト5及び/又はブルース
タイト6を用い、蛇紋岩の如きSiO2 ・MgO系副原
料及びドロマイトの如きCaO・MgO系副原料のいず
れをも用いず、しかもマグネサイト及びブルースタイト
の粒度がいずれも1mm以下が30%未満のものを用い
る。 【効果】 還元性、還元粉化性に優れた焼結鉱を高生産
率及び高歩留で安定して製造でき、高炉の燃料比、スラ
グ比低減、高微粉炭吹込み操業が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高生産率且つ高
歩留で還元性(RI)及び還元粉化性(RDI)に優れ
た低SiO2 焼結鉱の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高炉原料として使用される焼結鉱は、一
般に、次の方法により製造される。先ず、本船から荷揚
げされた鉄鉱石を銘柄ごとに粉鉱ヤードに山積みする。
この後、山積みされた各種粉鉱石、含CaO副原料、含
SiO2 副原料、ダスト及び炭材等を予め設定している
割合でベッディング法により混合し、ブレンディング粉
とする。このブレンディング粉、石灰石及び/又は生石
灰、珪石及び/又は蛇紋岩、粉コークス及び/又は無煙
炭、並びに返し鉱と、場合によっては、更に単味の鉱石
等の各原料をそれぞれ別の配合槽に入れ、それぞれの配
合槽から各原料を所定量連続的に切り出す。そして切り
出された原料に適量の水分を添加して混合、造粒する。
【0003】このようにして造粒された擬似粒子形態の
焼結原料をホッパーより無端移動グレート式焼結機(ド
ワイトロイド式焼結機)のパレット上に連続的に500
〜700mm程度の高さの層厚さに供給する。次いで点
火炉にて表層部中の炭材に点火し、下方に向けて強制的
に空気を吸引しながら炭材を燃焼させて、この時発生す
る燃焼熱によって配合原料を焼結、塊成化する。こうし
て焼成された焼結ケーキを冷却後、破砕し、整粒して3
〜5mm以上の粒子を成品焼結鉱として高炉に装入す
る。破砕・整粒過程で発生した3〜5mm以下の粉焼結
鉱は、返し鉱として再度焼結鉱原料として使用される。
【0004】上述した通り製造された焼結鉱の品質特性
としては、冷間強度、還元性及び還元粉化性等があり、
これらが高炉の安定且つ高効率操業に大きく影響する。
従って、上記これら品質特性は特に厳しく管理されてい
る。一方、焼結鉱の製造コスト面からは、炭材、ガス、
電力等の消費エネルギー原単位が低く、且つ高生産率、
高歩留が要請される。更に最近では、環境対策及び省エ
ネルギーへの対応から、高炉発生の副産物であるスラグ
を極力低減することに対する要請が強くなってきた。上
記背景から、焼結鉱の品質や、生産率及び歩留向上に関
する技術が多数提案されている。
【0005】一般に、焼結鉱の還元性や高温性状を改善
する方法としては、焼結鉱中のスラグ量、従ってSiO
2 含有率を低減することが効果的であることが知られて
いる。但し、冷間強度、歩留及び還元粉化性は悪化する
という、互いに相反する関係にあり、両者を改善するた
めには多くの困難を伴う。
【0006】焼結鉱中SiO2 含有率を減らす方法とし
て、一般に、SiO2 含有率の低い鉄鉱石を使用して
調整する方法と、珪石や蛇紋岩等のSiO2 含有副原
料を減らして調整する方法が行なわれている。前者の方
法では高品位の鉱石を使用しなければならないので、長
期的に安定して焼結鉱を製造するのは困難であり、コス
ト高となるため、後者の方法が多く採用されている。例
えば、特公昭58−1180号公報には、焼結鉱中に添
加する珪石を1mm未満に粒度調整する方法が開示され
ており(先行技術1という)、また、特公昭52−72
1号公報には、擬似粒子の調整原料として、微粉ニッケ
ルスラグを添加する方法が開示されている(先行技術2
という)。しかし、これらの方法では、本来不要な造滓
剤の調達・調整が必要となり、究極的な低SiO2 焼結
鉱の製造方法とはなり得ない。
【0007】一方、焼結鉱中のSiO2 含有率低減のた
めの方法として、蛇紋岩等のMgO・SiO2 系副原料
の配合を減らすと、焼結鉱中のMgO含有率を確保する
ことができなくなり、高炉炉内における焼結鉱の高温性
状が悪化することが知られている。また、高炉炉内での
スラグ粘性調整のため、蛇紋岩等の含MgO副原料を別
途高炉へ装入しなくてはならず、高炉操業におけるスラ
グ比(溶銑1t の生産により発生するスラグ量)の低減
を図ることができないという問題がある。そこで、従
来、SiO2 含有率を低く抑えつつ焼結鉱中MgO含有
率を確保するために、ドロマイトや軽焼ドロマイト等の
MgO・CaO系副原料を用いる方法が、例えば特開平
9−143580号公報で提案され、これら副原料の粒
度調整と攪拌ミキサーとを組み合わせた製造法方法が開
示されている(先行技術3という)。しかしながら、M
gO・CaO系副原料を用いる低SiO2 焼結鉱の製造
方法では、焼成中のMgO滓化性が悪いので、融液生成
に欠かせないフリーCaOが減少してしまい、所詮、生
産率の低下は避けられない。
【0008】以上のように、現状では、焼結生産率を低
下させずに、焼結鉱中MgO含有率を確保し、且つ、還
元性、還元粉化性及び高温性状を向上させる汎用的な低
SiO2 焼結鉱の製造技術は見当らない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】高炉原料としての焼結
鉱には、炉内における高温性状を確保し、還元粉化性を
確保するために、適切な量のMgOを含有していること
が必要である。ところが、上述した通り、焼結鉱製造で
は、品質面において還元性及び高温性状を確保し、操業
面において生産率及び歩留を確保すると共に、高炉から
発生するスラグ比を増加させないためには、所定含有率
のMgOを確保する方法として、従来MgO源として使
用している蛇紋岩やドロマイトを使用するのは適切でな
い。また、配合珪石中の有効に作用するSiO2 の比率
を高めて珪石使用量を減らすための粒度微細化調整等、
副原料予備処理にはコストがかかる。
【0010】そこで、この発明では、高炉操業でのスラ
グ中MgOの成分調整が不要であり、一方、焼結工程で
の生産率及び歩留を低下させずに、焼結鉱中SiO2
有率を所定値まで低めて、還元性、還元粉化性及び高温
性状に優れた焼結鉱の製造方法を開発することを課題と
する。ここで、焼結鉱中SiO2 含有率の上限は、後述
する理由により4.6%とした。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
観点から、高品質焼結鉱の製造方法を開発すべく、上記
問題を解決するために有効な、焼結鉱へのMgO添加源
として適した物質を調査、試験した。その結果、次の知
見を得た。
【0012】焼結鉱中MgO成分の添加源物質として、
MgO含有率が高く、特にSiO2含有率が低く、そし
て、スラグ成分として有害な成分を実質的に含まない
か、または含んでいても実害のないものとして、マグネ
サイト及びブルースタイトがこれに該当する。即ち、マ
グネサイト及びブルースタイトはいずれも、主成分とし
て炭酸マグネシウムMgCO3 を多量に含み、Si
2 、Al2 3 、及びCaO等の含有率は低い。従っ
て、強熱残留分はMgOが主体で、強熱減量(イグニッ
ション ロス)が全体の2分の1から3分の1を占め、
強熱減量分は焼結鉱の焼成過程において除去される。し
かも、マグネサイト及びブルースタイトはいずれも従来
のMgO源物質と比べて安価であり、埋蔵量も多く、需
給も安定している。従って、マグネサイト及び/又はブ
ルースタイトを焼結鉱中のMgO源物質として使用し、
しかも、蛇紋岩のようなSiO2 ・MgO系副原料及び
ドロマイトのようなCaO・MgO系副原料のいずれを
も用いなければ、上述した問題点をすべて解決し得る。
【0013】この発明の低SiO2 焼結鉱の製造方法は
上記知見に基づきなされたものであり、下記内容を要旨
とするものである。請求項1記載の高品質低SiO2
結鉱の製造方法は、高炉への装入原料である焼結鉱であ
って、その成品中SiO2 含有率が4.6%以下、塩基
度が1.0〜3.0の範囲内、且つMgO含有率が0.
5%を超える焼結鉱を製造する方法において、MgO添
加源副原料としてマグネサイト及びブルースタイトの内
の一方、又はそれらの両方を用い、SiO2 ・MgO系
副原料及びCaO・MgO系副原料はいずれをも用い
ず、しかも、マグネサイト及びブルースタイトとして、
その粒度構成がいずれも、径1mm以下の粒子が30%
未満のもの用いて、上記焼結鉱成品中のスラグ成分組成
を調整することに特徴を有するものである。
【0014】また、請求項2記載の高品質低SiO2
結鉱の製造方法は、請求項1に記載の焼結鉱製造方法に
おいて、SiO2 ・MgO系副原料の代表的物質として
の蛇紋岩と、CaO・MgO系副原料の代表的物質とし
てのドロマイトを用いないことに特徴を有するものであ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、この発明の望ましい実施形
態の例を説明する。表1に、本発明法による焼結鉱製造
用の代表的原料とその成分組成例を示す。参考のため、
ドロマイト及び蛇紋岩についても成分組成例を併記す
る。また図1に、焼結鉱製造工程の概略フローを示す。
【0016】
【表1】
【0017】主原料としてベッディング法により混合さ
れた混合粉1、鉱石及び返し鉱4を、又は、混合粉1及
び返し鉱4を使用し、固体燃料として粉コークス7を使
用する。そして副原料として、CaO成分添加源の石灰
石2及び/又は生石灰3を、そしてスラグ成分のうちM
gO成分添加用としてマグネサイト5及び/又はブルー
スタイト6を所定割合で配合し、SiO2 含有率が4.
6%以下、塩基度CaO%/SiO2 %が1.0〜3.
0の範囲内、且つMgO含有率が0.5%超えとなるよ
うに配合する。こうして得られた配合原料に水分8’を
添加し、ドラムミキサー8で混合・調湿8し、次いで更
にドラムミキサー9で造粒するか又はディスクぺレタイ
ザ10で造粒し、適宜粉コークス7’を外装して擬似粒
子を調製する。擬似粒子に調製された焼結原料を焼成炉
のグレーティング上に層状に装入し、次いで上層表面に
点火し、下方吸引にて粉コークスを燃焼させて焼成を行
ない、焼結鉱を製造する。
【0018】・マグネサイト、ブルースタイト、MgO
について 高炉内における高温性状を確保し、特に還元粉化性を良
好にするためには、焼結鉱成品中に所定含有率以上のM
gO成分を確保することが重要である。しかし、MgO
含有率が0.5%以下では、上記MgOの作用効果が、
焼結鉱成品中の他成分組成の変動を考慮すると必ずしも
十分には発揮されない。一方、MgO含有率を2.0%
程度まで増加させると、焼結過程において焼結原料中の
スラグの滓化が悪化し、焼結鉱生産率が低下する。Mg
O含有率は1.5%程度確保されればその作用、効果は
十分発揮される。また、MgO添加材のコスト低減上そ
れは少ない方が有利である。従って、MgO成分添加の
メリットとデメリットとのバランスから、その含有率の
上限は限定するに及ばない。以上により、焼結鉱成品中
のMgO含有率は、0.5%超えに限定する。
【0019】ここで、MgO源副原料として使用するマ
グネサイト5及び/又はブルースタイト6の粒子径は、
所定値以下に制限するのが望ましく、また細粒側の粒径
分布については、1mm以下の粒子の割合を30%未満
に制限する必要がある。その理由は下記の通りである。
即ち、その粒子径が粗すぎると、上記混合、造粒工程で
その粒子の分散が不均一となり、MgO添加の作用が十
分に発揮されず、特に還元粉化性等の品質改善効果が十
分に行なわれない。一方、粒子径が細かすぎると、ある
いは細かい粒子径の割合が多すぎると、焼結反応過程で
スラグ融点が上昇し、融体生成量が減少して、生産率及
び歩留並びに焼結鉱強度が低下する。本発明者等の試験
によれば、これら副原料粒子径の上限は、概ね他の鉱石
原料と同一の10mm程度以下の場合に、混合、造粒工
程でその粒子分散が一層均一となり、MgO添加の作用
が一層十分に発揮されることがわかった。また、同粒子
径の下限については、特に、1mm以下の粒子の割合を
30%未満に制限することにより、前記生産率及び歩留
が向上すると共に、焼結鉱強度が向上することがわかっ
たからである。なお、従来、マグネサイト及びブルース
タイトは粒径が8mm以上の塊は他の成品として使用さ
れているが、8mm未満のものは有効利用先がないの
で、利用先としても望ましい。
【0020】・SiO2 について 焼結鉱中のSiO2 は、高炉内において焼結鉱中のスラ
グ融液量を増大させ、特に、還元性や高温性状に悪影響
を与えるので、高炉におけるスラグ組成の制約、例え
ば、Al2 3 含有率の上限範囲等が設定されていない
操業条件下では、できるだけ低くすることが望ましい。
しかしながら、前述したように、高品位鉄鉱石原料の使
用によるSiO2 含有率の低下調整方法では、需給上及
びコスト上の制約により、長期安定の実施が難しい。従
って、製鉄所内リサイクル原料の使用に起源するSiO
2 の混入は容認し、その他のSiO2 混入源となる造滓
剤は使用せずに、所定の品質水準を満たすことが必要で
ある。ここで所定の品質水準は、焼結機及び高炉操業条
件によって差はあるが、概ね、JIS還元率RIが70
%程度以上、還元粉化指数RDIが40以下、そしてタ
ンブラー強度TIが70以上の高水準を確保することを
目標として、SiO2 含有率を4.6%以下に制限し
た。このように、焼結鉱中SiO2 含有率を低減するこ
とにより、ファイヤライト(2FeO・SiO2 )のよ
うな難還元性物質の発生を抑制し、還元性を向上させる
効果もある。
【0021】・塩基度、コークス比について また、塩基度は焼結鉱の強度確保上及び高炉装入物とし
ての実用的な範囲である1・0〜3.0の間にすべきで
ある。
【0022】粉コークスの配合割合は、造粒方法及び添
加方法により適正範囲は変化するが、生産率及び歩留維
持の観点、並びに還元性及び還元粉化性向上のための過
溶融防止の観点から、凡そ35〜45kg/t−成品が
適当である。
【0023】
【実施例】次に、この発明を実施例によって更に詳細に
説明する。表1に示した化学成分組成の原料を適宜用
い、図1に示した焼結鉱製造フローに従って、本発明範
囲内の方法である実施例1〜3、並びに本発明範囲外の
方法である従来法1、2及び比較例1〜3によりそれぞ
れ焼結鉱を製造した。但し、従来法及び比較例において
は、図1の製造フローにおいて、副原料として蛇紋岩
(図示せず)及びドロマイト(図示せず)を適宜使用し
た。表2並びに表3のそれぞれに、従来法及び比較例、
並びに実施例における原料配合を示す。また、表4に、
比較例及び実施例において使用したマグネサイト、ブル
ースタイト及びこれらの混合粉の粒度分布を示す。
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】上記条件で焼結鉱を製造した。そして、各
焼結鉱成品の化学成分を分析すると共に、焼結鉱製造の
操業成績を調査し、そして焼結鉱の品質試験を行なっ
た。表5並びに表6のそれぞれに、従来法及び比較例、
並びに実施例で製造された焼結鉱成品の化学成分組成及
び塩基度(C/S≡CaO%/SiO2 %)を示す。ま
た、図2に、従来法及び比較例で製造された焼結鉱の各
種品質試験結果及び操業成績を、そして図3に、実施例
で製造された焼結鉱の品質試験結果及び操業成績を示
す。焼結鉱の品質評価は、冷間強度をJIS法タンブラ
ー強度TIで、還元性をJIS還元率RIで、そして還
元粉化性を日本鉄鋼協会製銑部会法の還元粉化指数RD
Iで評価した。
【0028】
【表5】
【0029】
【表6】
【0030】表1に示した鉄鉱石のハマスレー−F
(粉)及び混合粉は、特別な配合調整を行なわずに通常
の焼結プロセスで日常的に使用している原料である。従
来法1では、原料配合において、焼結鉱中MgO含有率
が成品において望ましい目標値1.5%となるように、
MgO源として蛇紋岩を使用して成分を調整した。蛇紋
岩には、MgOとほぼ同じ高含有率のSiO2 も含まれ
ているので、MgO含有率の調整に伴い、焼結鉱成品中
のSiO2 含有率が5.3%と上昇し、本発明のSiO
2 含有率上限値である4.6%を超えるものとなった。
その結果、焼結鉱成品のRIとしては高値が得られず、
還元性の良好なものとはならなかった。
【0031】従来法2では、原料配合において、焼結鉱
中MgO含有率が成品において望ましい目標値1.5%
となるように、MgO源としてドロマイトを使用して成
分を調整し、SiO2 含有率も本発明品の上限値である
4.6%以下の4.5%となるように調整し、塩基度C
aO%/SiO2 を2.0と望ましい値に調整した。し
かしながら、MgO・CaO系副原料のドロマイトを用
いたために、焼成中にMgOの滓化性が悪く、融液生成
に欠かせないフリーCaOが減少したので、生産率及び
歩留りの低下は避けられなかった。
【0032】比較例1〜3では、マグネサイト又は/及
びブルースタイトをした。比較例1では、原料配合にお
いて、MgO源としてマグネサイトを用い、焼結鉱中M
gO含有率を成品において望ましい目標値1.5%とな
るように調整し、SiO2 含有率も本発明品の範囲内で
ある4.5%となるように調整し、且つ塩基度CaO%
/SiO2 も2.0と望ましい値に調整した。しかしな
がら、使用したマグネサイトの粒度分布は1mm以下の
細粒部分の比率が本発明の上限値である30%未満を超
えて45%と高過ぎた。そのために焼結反応過程でスラ
グ融点が上昇し、融体生成量が減少して、生産率及び歩
留並びに焼結鉱強度が向上しなかった。
【0033】比較例2ではMgO源としてブルースタイ
トを用い、また比較例3ではMgO源としてマグネサイ
トとブルースタイトとの両方を用い、いずれにおいても
MgO含有率、SiO2 含有率及び塩基度のすべてにつ
いて、比較例1と同じように本発明の範囲内に調整し
た。しかしながら、比較例2及び比較例3のいずれにお
いても、比較例1と同様、使用したブルースタイト、並
びに、マグネサイトとブルースタイトとの混合粉の粒度
分布は1mm以下の細粒部分の比率がそれぞれ33%並
びに38%程度であり、本発明の上限値である30%未
満を超えていた。そのために焼結反応過程でスラグ融点
が上昇し、融体生成量が減少して、生産率及び歩留並び
に焼結鉱強度に低下がみられた。
【0034】これに対して、実施例の試験条件及び結果
は次の通りである。実施例における焼結鉱の製造条件は
その原料配合を次の通り行なった。即ち、鉱石としてハ
マスレー−F(粉)及び混合粉とを用いた。前述した通
り、これらのSiO2 含有率はいずれも特別な原料配合
をしたものではなく汎用的レベルのものであり、原料鉱
石については、上述した従来法及び比較例と同じものを
同じ割合で配合した。また、MgO源副原料として、従
来の蛇紋岩あるいはドロマイトを用いず、マグネサイト
又は/及びブルースタイトを用いた。MgO源用副原料
以外の粉コークス、返し鉱、生石灰及び石灰石とその配
合も従来法及び比較例と同一にした。
【0035】実施例1では、原料配合において、MgO
源としてマグネサイトを用い、焼結鉱中MgO含有率を
成品において望ましい目標値1.5%となるように調整
し、SiO2 含有率も本発明品の範囲内である4.5%
となるように調整し、且つ塩基度CaO%/SiO2
2.0と望ましい値に調整した。この条件は比較例1と
同一レベルとした。しかしながら、マグネサイトの1m
m以下の細粒部分の比率を実施例1では、本発明の範囲
内の29%に抑えた。
【0036】実施例2ではMgO源としてブルースタイ
トを用い、また実施例3ではMgO源としてマグネサイ
トとブルースタイトとの両方を用い、MgO含有率、S
iO 2 含有率及び塩基度のすべてについての実施例2及
び実施例3の条件は、それぞれ比較例2及び比較例3と
同一レベルとした。しかしながら、実施例2ではブルー
スタイトの1mm以下の細粒部分の比率を21%とし、
そして実施例3ではマグネサイトとブルースタイトとの
混合粉の1mm以下の細粒部分の比率を24%としてそ
のレベルを変化させた。
【0037】上記条件下での焼結鉱製造操業で、実施例
1〜実施例3のいずれにおいても、生産率及び歩留り並
びに焼結鉱成品の強度を従来の良好なレベルに維持した
まま、焼結鉱成品の還元性及び還元粉化性が共に大幅に
向上した。
【0038】上記実施例で製造された焼結鉱はいずれ
も、焼結鉱成品中のSiO2 含有率が低く、MgO含有
率が所定値に確保されて、その品質が還元性、還元粉化
性及び冷間強度に優れているだけでなく、焼結鉱の生産
率及び成品歩留のいずれにおいても優れている。これ
は、焼結鉱の原料配合におけるMgO含有率の調整方法
として、蛇紋岩のようなSiO2 ・MgO系副原料及び
ドロマイトあるいは軽焼ドロマイトのようなCaO・M
gO系副原料を使用する代わりに、マグネサイト及び/
又はブルースタイトを使用し、且つこれらの粒径分布が
適切なものを使用したことにより、SiO2 含有率の上
昇を抑制し、MgOの滓化不良を回避することが可能と
なるからである。
【0039】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
MgO含有率を調整するために、蛇紋岩で代表されるS
iO2 ・MgO系副原料や、ドロマイト及び軽焼ドロマ
イトで代表されるCaO・MgO系副原料を添加せず
に、SiO2 含有率が4.6%以下で且つMgO含有率
が0.5%超えの低シリカ焼結鉱を製造することができ
る。この焼結鉱の使用により、高炉操業でのスラグ中M
gOの成分調整が不要であり、一方、焼結工程での生産
率及び成品歩留を従来の良好な水準に維持しつつ、焼結
鉱中SiO2 含有率を低めて、還元性、還元粉化性及び
高温性状に優れた焼結鉱を安価に安定して製造できるよ
うになる。その結果、高炉の燃料比及びスラグ比の低
減、あるいはまた、高微粉炭吹込み操業などの達成が可
能となる。このような高品質焼結鉱の製造方法を提供す
ることができ、工業上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に適した焼結鉱製造工程の一例を
示す概略フロー図である。
【図2】従来法及び比較例で製造された焼結鉱の品質試
験結果及び操業成績を示すグラフである。
【図3】実施例で製造された焼結鉱の品質試験結果及び
操業成績を示すグラフである。
【符号の説明】
1 混合粉 2 石灰石 3 生石灰 4 返し鉱 5 マグネサイト 6 ブルースタイト 7、7’ 粉コークス 8 ドラムミキサー 8’ 水分 9 造粒機 10 ディスクぺレタイザ 11 コーティングミキサー 12 焼結機 13 ブロワー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市川 孝一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 坂本 登 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 佐藤 秀明 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 渡辺 隆志 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 橋本 健 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4K001 AA10 BA04 BA24 CA33 CA35

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高炉への装入原料である焼結鉱であっ
    て、成品中SiO2 含有率が4.6%以下、塩基度が
    1.0〜3.0の範囲内、且つMgO含有率が0.5%
    を超える焼結鉱を製造する方法において、MgO添加源
    副原料としてマグネサイト及びブルースタイトの内の一
    方、又はそれらの両方を用い、SiO2 ・MgO系副原
    料及びCaO・MgO系副原料のいずれをも用いず、し
    かも、前記マグネサイト及びブルースタイトとして、そ
    の粒度構成がいずれも、径1mm以下の粒子が30%未
    満のもの用いて、前記焼結鉱成品中のスラグ成分組成を
    調整することを特徴とする、高品質低SiO2 焼結鉱の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 前記焼結鉱の製造方法で用いない前記S
    iO2 ・MgO系副原料は蛇紋岩であり、そして前記C
    aO・MgO系副原料はドロマイトである、請求項1記
    載の高品質低SiO2 焼結鉱の製造方法。
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