JP2000178660A - 高品質低SiO2 焼結鉱の製造方法 - Google Patents
高品質低SiO2 焼結鉱の製造方法Info
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Abstract
要であり、焼結工程での生産率及び歩留を低下させず
に、焼結鉱中SiO2 含有率を4.6%まで低めて、還
元性、還元粉化性及び高温性状に優れた焼結鉱の製造方
法を開発する。 【解決手段】 SiO2 4.6%以下、塩基度1.0〜
3.0、MgOが0.5%超えの焼結鉱製造において、
MgO添加源としてマグネサイト5及び/又はブルース
タイト6を用い、蛇紋岩の如きSiO2 ・MgO系副原
料及びドロマイトの如きCaO・MgO系副原料のいず
れをも用いず、しかもマグネサイト及びブルースタイト
の粒度がいずれも1mm以下が30%未満のものを用い
る。 【効果】 還元性、還元粉化性に優れた焼結鉱を高生産
率及び高歩留で安定して製造でき、高炉の燃料比、スラ
グ比低減、高微粉炭吹込み操業が可能となる。
Description
歩留で還元性(RI)及び還元粉化性(RDI)に優れ
た低SiO2 焼結鉱の製造方法に関するものである。
般に、次の方法により製造される。先ず、本船から荷揚
げされた鉄鉱石を銘柄ごとに粉鉱ヤードに山積みする。
この後、山積みされた各種粉鉱石、含CaO副原料、含
SiO2 副原料、ダスト及び炭材等を予め設定している
割合でベッディング法により混合し、ブレンディング粉
とする。このブレンディング粉、石灰石及び/又は生石
灰、珪石及び/又は蛇紋岩、粉コークス及び/又は無煙
炭、並びに返し鉱と、場合によっては、更に単味の鉱石
等の各原料をそれぞれ別の配合槽に入れ、それぞれの配
合槽から各原料を所定量連続的に切り出す。そして切り
出された原料に適量の水分を添加して混合、造粒する。
焼結原料をホッパーより無端移動グレート式焼結機(ド
ワイトロイド式焼結機)のパレット上に連続的に500
〜700mm程度の高さの層厚さに供給する。次いで点
火炉にて表層部中の炭材に点火し、下方に向けて強制的
に空気を吸引しながら炭材を燃焼させて、この時発生す
る燃焼熱によって配合原料を焼結、塊成化する。こうし
て焼成された焼結ケーキを冷却後、破砕し、整粒して3
〜5mm以上の粒子を成品焼結鉱として高炉に装入す
る。破砕・整粒過程で発生した3〜5mm以下の粉焼結
鉱は、返し鉱として再度焼結鉱原料として使用される。
としては、冷間強度、還元性及び還元粉化性等があり、
これらが高炉の安定且つ高効率操業に大きく影響する。
従って、上記これら品質特性は特に厳しく管理されてい
る。一方、焼結鉱の製造コスト面からは、炭材、ガス、
電力等の消費エネルギー原単位が低く、且つ高生産率、
高歩留が要請される。更に最近では、環境対策及び省エ
ネルギーへの対応から、高炉発生の副産物であるスラグ
を極力低減することに対する要請が強くなってきた。上
記背景から、焼結鉱の品質や、生産率及び歩留向上に関
する技術が多数提案されている。
する方法としては、焼結鉱中のスラグ量、従ってSiO
2 含有率を低減することが効果的であることが知られて
いる。但し、冷間強度、歩留及び還元粉化性は悪化する
という、互いに相反する関係にあり、両者を改善するた
めには多くの困難を伴う。
て、一般に、SiO2 含有率の低い鉄鉱石を使用して
調整する方法と、珪石や蛇紋岩等のSiO2 含有副原
料を減らして調整する方法が行なわれている。前者の方
法では高品位の鉱石を使用しなければならないので、長
期的に安定して焼結鉱を製造するのは困難であり、コス
ト高となるため、後者の方法が多く採用されている。例
えば、特公昭58−1180号公報には、焼結鉱中に添
加する珪石を1mm未満に粒度調整する方法が開示され
ており(先行技術1という)、また、特公昭52−72
1号公報には、擬似粒子の調整原料として、微粉ニッケ
ルスラグを添加する方法が開示されている(先行技術2
という)。しかし、これらの方法では、本来不要な造滓
剤の調達・調整が必要となり、究極的な低SiO2 焼結
鉱の製造方法とはなり得ない。
めの方法として、蛇紋岩等のMgO・SiO2 系副原料
の配合を減らすと、焼結鉱中のMgO含有率を確保する
ことができなくなり、高炉炉内における焼結鉱の高温性
状が悪化することが知られている。また、高炉炉内での
スラグ粘性調整のため、蛇紋岩等の含MgO副原料を別
途高炉へ装入しなくてはならず、高炉操業におけるスラ
グ比(溶銑1t の生産により発生するスラグ量)の低減
を図ることができないという問題がある。そこで、従
来、SiO2 含有率を低く抑えつつ焼結鉱中MgO含有
率を確保するために、ドロマイトや軽焼ドロマイト等の
MgO・CaO系副原料を用いる方法が、例えば特開平
9−143580号公報で提案され、これら副原料の粒
度調整と攪拌ミキサーとを組み合わせた製造法方法が開
示されている(先行技術3という)。しかしながら、M
gO・CaO系副原料を用いる低SiO2 焼結鉱の製造
方法では、焼成中のMgO滓化性が悪いので、融液生成
に欠かせないフリーCaOが減少してしまい、所詮、生
産率の低下は避けられない。
下させずに、焼結鉱中MgO含有率を確保し、且つ、還
元性、還元粉化性及び高温性状を向上させる汎用的な低
SiO2 焼結鉱の製造技術は見当らない。
鉱には、炉内における高温性状を確保し、還元粉化性を
確保するために、適切な量のMgOを含有していること
が必要である。ところが、上述した通り、焼結鉱製造で
は、品質面において還元性及び高温性状を確保し、操業
面において生産率及び歩留を確保すると共に、高炉から
発生するスラグ比を増加させないためには、所定含有率
のMgOを確保する方法として、従来MgO源として使
用している蛇紋岩やドロマイトを使用するのは適切でな
い。また、配合珪石中の有効に作用するSiO2 の比率
を高めて珪石使用量を減らすための粒度微細化調整等、
副原料予備処理にはコストがかかる。
グ中MgOの成分調整が不要であり、一方、焼結工程で
の生産率及び歩留を低下させずに、焼結鉱中SiO2 含
有率を所定値まで低めて、還元性、還元粉化性及び高温
性状に優れた焼結鉱の製造方法を開発することを課題と
する。ここで、焼結鉱中SiO2 含有率の上限は、後述
する理由により4.6%とした。
観点から、高品質焼結鉱の製造方法を開発すべく、上記
問題を解決するために有効な、焼結鉱へのMgO添加源
として適した物質を調査、試験した。その結果、次の知
見を得た。
MgO含有率が高く、特にSiO2含有率が低く、そし
て、スラグ成分として有害な成分を実質的に含まない
か、または含んでいても実害のないものとして、マグネ
サイト及びブルースタイトがこれに該当する。即ち、マ
グネサイト及びブルースタイトはいずれも、主成分とし
て炭酸マグネシウムMgCO3 を多量に含み、Si
O2 、Al2 O3 、及びCaO等の含有率は低い。従っ
て、強熱残留分はMgOが主体で、強熱減量(イグニッ
ション ロス)が全体の2分の1から3分の1を占め、
強熱減量分は焼結鉱の焼成過程において除去される。し
かも、マグネサイト及びブルースタイトはいずれも従来
のMgO源物質と比べて安価であり、埋蔵量も多く、需
給も安定している。従って、マグネサイト及び/又はブ
ルースタイトを焼結鉱中のMgO源物質として使用し、
しかも、蛇紋岩のようなSiO2 ・MgO系副原料及び
ドロマイトのようなCaO・MgO系副原料のいずれを
も用いなければ、上述した問題点をすべて解決し得る。
上記知見に基づきなされたものであり、下記内容を要旨
とするものである。請求項1記載の高品質低SiO2 焼
結鉱の製造方法は、高炉への装入原料である焼結鉱であ
って、その成品中SiO2 含有率が4.6%以下、塩基
度が1.0〜3.0の範囲内、且つMgO含有率が0.
5%を超える焼結鉱を製造する方法において、MgO添
加源副原料としてマグネサイト及びブルースタイトの内
の一方、又はそれらの両方を用い、SiO2 ・MgO系
副原料及びCaO・MgO系副原料はいずれをも用い
ず、しかも、マグネサイト及びブルースタイトとして、
その粒度構成がいずれも、径1mm以下の粒子が30%
未満のもの用いて、上記焼結鉱成品中のスラグ成分組成
を調整することに特徴を有するものである。
結鉱の製造方法は、請求項1に記載の焼結鉱製造方法に
おいて、SiO2 ・MgO系副原料の代表的物質として
の蛇紋岩と、CaO・MgO系副原料の代表的物質とし
てのドロマイトを用いないことに特徴を有するものであ
る。
態の例を説明する。表1に、本発明法による焼結鉱製造
用の代表的原料とその成分組成例を示す。参考のため、
ドロマイト及び蛇紋岩についても成分組成例を併記す
る。また図1に、焼結鉱製造工程の概略フローを示す。
れた混合粉1、鉱石及び返し鉱4を、又は、混合粉1及
び返し鉱4を使用し、固体燃料として粉コークス7を使
用する。そして副原料として、CaO成分添加源の石灰
石2及び/又は生石灰3を、そしてスラグ成分のうちM
gO成分添加用としてマグネサイト5及び/又はブルー
スタイト6を所定割合で配合し、SiO2 含有率が4.
6%以下、塩基度CaO%/SiO2 %が1.0〜3.
0の範囲内、且つMgO含有率が0.5%超えとなるよ
うに配合する。こうして得られた配合原料に水分8’を
添加し、ドラムミキサー8で混合・調湿8し、次いで更
にドラムミキサー9で造粒するか又はディスクぺレタイ
ザ10で造粒し、適宜粉コークス7’を外装して擬似粒
子を調製する。擬似粒子に調製された焼結原料を焼成炉
のグレーティング上に層状に装入し、次いで上層表面に
点火し、下方吸引にて粉コークスを燃焼させて焼成を行
ない、焼結鉱を製造する。
について 高炉内における高温性状を確保し、特に還元粉化性を良
好にするためには、焼結鉱成品中に所定含有率以上のM
gO成分を確保することが重要である。しかし、MgO
含有率が0.5%以下では、上記MgOの作用効果が、
焼結鉱成品中の他成分組成の変動を考慮すると必ずしも
十分には発揮されない。一方、MgO含有率を2.0%
程度まで増加させると、焼結過程において焼結原料中の
スラグの滓化が悪化し、焼結鉱生産率が低下する。Mg
O含有率は1.5%程度確保されればその作用、効果は
十分発揮される。また、MgO添加材のコスト低減上そ
れは少ない方が有利である。従って、MgO成分添加の
メリットとデメリットとのバランスから、その含有率の
上限は限定するに及ばない。以上により、焼結鉱成品中
のMgO含有率は、0.5%超えに限定する。
グネサイト5及び/又はブルースタイト6の粒子径は、
所定値以下に制限するのが望ましく、また細粒側の粒径
分布については、1mm以下の粒子の割合を30%未満
に制限する必要がある。その理由は下記の通りである。
即ち、その粒子径が粗すぎると、上記混合、造粒工程で
その粒子の分散が不均一となり、MgO添加の作用が十
分に発揮されず、特に還元粉化性等の品質改善効果が十
分に行なわれない。一方、粒子径が細かすぎると、ある
いは細かい粒子径の割合が多すぎると、焼結反応過程で
スラグ融点が上昇し、融体生成量が減少して、生産率及
び歩留並びに焼結鉱強度が低下する。本発明者等の試験
によれば、これら副原料粒子径の上限は、概ね他の鉱石
原料と同一の10mm程度以下の場合に、混合、造粒工
程でその粒子分散が一層均一となり、MgO添加の作用
が一層十分に発揮されることがわかった。また、同粒子
径の下限については、特に、1mm以下の粒子の割合を
30%未満に制限することにより、前記生産率及び歩留
が向上すると共に、焼結鉱強度が向上することがわかっ
たからである。なお、従来、マグネサイト及びブルース
タイトは粒径が8mm以上の塊は他の成品として使用さ
れているが、8mm未満のものは有効利用先がないの
で、利用先としても望ましい。
グ融液量を増大させ、特に、還元性や高温性状に悪影響
を与えるので、高炉におけるスラグ組成の制約、例え
ば、Al2 O3 含有率の上限範囲等が設定されていない
操業条件下では、できるだけ低くすることが望ましい。
しかしながら、前述したように、高品位鉄鉱石原料の使
用によるSiO2 含有率の低下調整方法では、需給上及
びコスト上の制約により、長期安定の実施が難しい。従
って、製鉄所内リサイクル原料の使用に起源するSiO
2 の混入は容認し、その他のSiO2 混入源となる造滓
剤は使用せずに、所定の品質水準を満たすことが必要で
ある。ここで所定の品質水準は、焼結機及び高炉操業条
件によって差はあるが、概ね、JIS還元率RIが70
%程度以上、還元粉化指数RDIが40以下、そしてタ
ンブラー強度TIが70以上の高水準を確保することを
目標として、SiO2 含有率を4.6%以下に制限し
た。このように、焼結鉱中SiO2 含有率を低減するこ
とにより、ファイヤライト(2FeO・SiO2 )のよ
うな難還元性物質の発生を抑制し、還元性を向上させる
効果もある。
ての実用的な範囲である1・0〜3.0の間にすべきで
ある。
加方法により適正範囲は変化するが、生産率及び歩留維
持の観点、並びに還元性及び還元粉化性向上のための過
溶融防止の観点から、凡そ35〜45kg/t−成品が
適当である。
説明する。表1に示した化学成分組成の原料を適宜用
い、図1に示した焼結鉱製造フローに従って、本発明範
囲内の方法である実施例1〜3、並びに本発明範囲外の
方法である従来法1、2及び比較例1〜3によりそれぞ
れ焼結鉱を製造した。但し、従来法及び比較例において
は、図1の製造フローにおいて、副原料として蛇紋岩
(図示せず)及びドロマイト(図示せず)を適宜使用し
た。表2並びに表3のそれぞれに、従来法及び比較例、
並びに実施例における原料配合を示す。また、表4に、
比較例及び実施例において使用したマグネサイト、ブル
ースタイト及びこれらの混合粉の粒度分布を示す。
焼結鉱成品の化学成分を分析すると共に、焼結鉱製造の
操業成績を調査し、そして焼結鉱の品質試験を行なっ
た。表5並びに表6のそれぞれに、従来法及び比較例、
並びに実施例で製造された焼結鉱成品の化学成分組成及
び塩基度(C/S≡CaO%/SiO2 %)を示す。ま
た、図2に、従来法及び比較例で製造された焼結鉱の各
種品質試験結果及び操業成績を、そして図3に、実施例
で製造された焼結鉱の品質試験結果及び操業成績を示
す。焼結鉱の品質評価は、冷間強度をJIS法タンブラ
ー強度TIで、還元性をJIS還元率RIで、そして還
元粉化性を日本鉄鋼協会製銑部会法の還元粉化指数RD
Iで評価した。
(粉)及び混合粉は、特別な配合調整を行なわずに通常
の焼結プロセスで日常的に使用している原料である。従
来法1では、原料配合において、焼結鉱中MgO含有率
が成品において望ましい目標値1.5%となるように、
MgO源として蛇紋岩を使用して成分を調整した。蛇紋
岩には、MgOとほぼ同じ高含有率のSiO2 も含まれ
ているので、MgO含有率の調整に伴い、焼結鉱成品中
のSiO2 含有率が5.3%と上昇し、本発明のSiO
2 含有率上限値である4.6%を超えるものとなった。
その結果、焼結鉱成品のRIとしては高値が得られず、
還元性の良好なものとはならなかった。
中MgO含有率が成品において望ましい目標値1.5%
となるように、MgO源としてドロマイトを使用して成
分を調整し、SiO2 含有率も本発明品の上限値である
4.6%以下の4.5%となるように調整し、塩基度C
aO%/SiO2 を2.0と望ましい値に調整した。し
かしながら、MgO・CaO系副原料のドロマイトを用
いたために、焼成中にMgOの滓化性が悪く、融液生成
に欠かせないフリーCaOが減少したので、生産率及び
歩留りの低下は避けられなかった。
びブルースタイトをした。比較例1では、原料配合にお
いて、MgO源としてマグネサイトを用い、焼結鉱中M
gO含有率を成品において望ましい目標値1.5%とな
るように調整し、SiO2 含有率も本発明品の範囲内で
ある4.5%となるように調整し、且つ塩基度CaO%
/SiO2 も2.0と望ましい値に調整した。しかしな
がら、使用したマグネサイトの粒度分布は1mm以下の
細粒部分の比率が本発明の上限値である30%未満を超
えて45%と高過ぎた。そのために焼結反応過程でスラ
グ融点が上昇し、融体生成量が減少して、生産率及び歩
留並びに焼結鉱強度が向上しなかった。
トを用い、また比較例3ではMgO源としてマグネサイ
トとブルースタイトとの両方を用い、いずれにおいても
MgO含有率、SiO2 含有率及び塩基度のすべてにつ
いて、比較例1と同じように本発明の範囲内に調整し
た。しかしながら、比較例2及び比較例3のいずれにお
いても、比較例1と同様、使用したブルースタイト、並
びに、マグネサイトとブルースタイトとの混合粉の粒度
分布は1mm以下の細粒部分の比率がそれぞれ33%並
びに38%程度であり、本発明の上限値である30%未
満を超えていた。そのために焼結反応過程でスラグ融点
が上昇し、融体生成量が減少して、生産率及び歩留並び
に焼結鉱強度に低下がみられた。
は次の通りである。実施例における焼結鉱の製造条件は
その原料配合を次の通り行なった。即ち、鉱石としてハ
マスレー−F(粉)及び混合粉とを用いた。前述した通
り、これらのSiO2 含有率はいずれも特別な原料配合
をしたものではなく汎用的レベルのものであり、原料鉱
石については、上述した従来法及び比較例と同じものを
同じ割合で配合した。また、MgO源副原料として、従
来の蛇紋岩あるいはドロマイトを用いず、マグネサイト
又は/及びブルースタイトを用いた。MgO源用副原料
以外の粉コークス、返し鉱、生石灰及び石灰石とその配
合も従来法及び比較例と同一にした。
源としてマグネサイトを用い、焼結鉱中MgO含有率を
成品において望ましい目標値1.5%となるように調整
し、SiO2 含有率も本発明品の範囲内である4.5%
となるように調整し、且つ塩基度CaO%/SiO2 も
2.0と望ましい値に調整した。この条件は比較例1と
同一レベルとした。しかしながら、マグネサイトの1m
m以下の細粒部分の比率を実施例1では、本発明の範囲
内の29%に抑えた。
トを用い、また実施例3ではMgO源としてマグネサイ
トとブルースタイトとの両方を用い、MgO含有率、S
iO 2 含有率及び塩基度のすべてについての実施例2及
び実施例3の条件は、それぞれ比較例2及び比較例3と
同一レベルとした。しかしながら、実施例2ではブルー
スタイトの1mm以下の細粒部分の比率を21%とし、
そして実施例3ではマグネサイトとブルースタイトとの
混合粉の1mm以下の細粒部分の比率を24%としてそ
のレベルを変化させた。
1〜実施例3のいずれにおいても、生産率及び歩留り並
びに焼結鉱成品の強度を従来の良好なレベルに維持した
まま、焼結鉱成品の還元性及び還元粉化性が共に大幅に
向上した。
も、焼結鉱成品中のSiO2 含有率が低く、MgO含有
率が所定値に確保されて、その品質が還元性、還元粉化
性及び冷間強度に優れているだけでなく、焼結鉱の生産
率及び成品歩留のいずれにおいても優れている。これ
は、焼結鉱の原料配合におけるMgO含有率の調整方法
として、蛇紋岩のようなSiO2 ・MgO系副原料及び
ドロマイトあるいは軽焼ドロマイトのようなCaO・M
gO系副原料を使用する代わりに、マグネサイト及び/
又はブルースタイトを使用し、且つこれらの粒径分布が
適切なものを使用したことにより、SiO2 含有率の上
昇を抑制し、MgOの滓化不良を回避することが可能と
なるからである。
MgO含有率を調整するために、蛇紋岩で代表されるS
iO2 ・MgO系副原料や、ドロマイト及び軽焼ドロマ
イトで代表されるCaO・MgO系副原料を添加せず
に、SiO2 含有率が4.6%以下で且つMgO含有率
が0.5%超えの低シリカ焼結鉱を製造することができ
る。この焼結鉱の使用により、高炉操業でのスラグ中M
gOの成分調整が不要であり、一方、焼結工程での生産
率及び成品歩留を従来の良好な水準に維持しつつ、焼結
鉱中SiO2 含有率を低めて、還元性、還元粉化性及び
高温性状に優れた焼結鉱を安価に安定して製造できるよ
うになる。その結果、高炉の燃料比及びスラグ比の低
減、あるいはまた、高微粉炭吹込み操業などの達成が可
能となる。このような高品質焼結鉱の製造方法を提供す
ることができ、工業上有用な効果がもたらされる。
示す概略フロー図である。
験結果及び操業成績を示すグラフである。
操業成績を示すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 高炉への装入原料である焼結鉱であっ
て、成品中SiO2 含有率が4.6%以下、塩基度が
1.0〜3.0の範囲内、且つMgO含有率が0.5%
を超える焼結鉱を製造する方法において、MgO添加源
副原料としてマグネサイト及びブルースタイトの内の一
方、又はそれらの両方を用い、SiO2 ・MgO系副原
料及びCaO・MgO系副原料のいずれをも用いず、し
かも、前記マグネサイト及びブルースタイトとして、そ
の粒度構成がいずれも、径1mm以下の粒子が30%未
満のもの用いて、前記焼結鉱成品中のスラグ成分組成を
調整することを特徴とする、高品質低SiO2 焼結鉱の
製造方法。 - 【請求項2】 前記焼結鉱の製造方法で用いない前記S
iO2 ・MgO系副原料は蛇紋岩であり、そして前記C
aO・MgO系副原料はドロマイトである、請求項1記
載の高品質低SiO2 焼結鉱の製造方法。
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