WO2024147206A1 - 緊急通報の管轄エリアの推定における分析対象の指定 - Google Patents

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WO2024147206A1
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Abstract

通信制御装置は、緊急通報検知部によって、複数の緊急対応機関の管轄エリアを含む通信セル内の通信機からの緊急通報を検知することと、分析対象指定部によって、通信機が緊急通報を行った時間およびエリアの少なくともいずれかと異なる時間およびエリアを分析対象として指定することと、管轄エリア推定部によって、分析対象の時間およびエリアの少なくともいずれかの分析に基づいて、通信機が位置する管轄エリアを推定することと、接続制御部によって、推定された管轄エリアの緊急対応機関に緊急通報を接続することと、を実行する少なくとも一つのプロセッサを備える。分析対象指定部は、通信機が緊急通報を行った時間より前の過去の時間または通信機が緊急通報を行った時間より後の未来の時間を分析対象として指定する。

Description

緊急通報の管轄エリアの推定における分析対象の指定
 本開示は、緊急通報の管轄エリアの推定における分析対象の指定に関する。
 スマートフォンやIoT(Internet of Things)デバイスに代表される無線通信デバイス(以下では総称して通信機とも表される)の数、種類、用途は増加の一途を辿っており、無線通信規格の拡張や改善が続けられている。例えば「5G」として知られる第5世代移動通信システムの商用サービスは2018年に開始したが、現在も3GPP(Third Generation Partnership Project)で規格策定が進められている。また、5Gに続く次世代の無線通信規格としての「6G」または第6世代移動通信システムの規格策定に向けた取り組みも始まっている。
 スマートフォン等の通信機で警察機関や消防機関等の緊急対応機関への緊急通報用電話番号等への緊急通報を行う際、当該緊急通報を検知したコアネットワークは当該通信機を接続すべき緊急対応機関を決定する。具体的には、通信機がいる通信セルの所在地、典型的には当該通信セルを提供する基地局の所在地を管轄エリアに含む緊急対応機関が、緊急通報の接続先としてコアネットワークによって決定される。例えば、通信セルの基地局がAエリアにある場合、当該通信セル内にいる通信機からの緊急通報は、Aエリアを管轄エリアとする緊急対応機関Aに接続される。
日本国特表2021-503199号公報
 5Gまたは6Gでは通信衛星を介した衛星通信の検討が進められているが、通信衛星が提供する衛星通信セルは直径が20kmを超えるものもあり、一般的に5Gや4G(第4世代移動通信システム)等の移動通信における地上通信セルより大きい。このような場合、複数の異なる緊急対応機関の管轄エリアが一つの比較的大きい通信セルに含まれることも想定される。例えば、衛星通信セル等の一つの大きい通信セルに、緊急対応機関Aが管轄するAエリアと緊急対応機関Bが管轄するBエリアが含まれうる。この通信セルにおいて緊急通報を行う通信機がBエリアにいる場合、本来であればBエリアを管轄する緊急対応機関Bに緊急通報が接続されるべきであるが、当該通信セルの基地局がAエリアにある場合は前述のように緊急対応機関Aに緊急通報が接続されてしまう。
 本開示はこうした状況に鑑みてなされたものであり、通信機からの緊急通報を適切な緊急対応機関に接続できる通信制御装置等を提供する。
 本開示のある態様の通信制御装置は、分析対象指定部によって、通信機が緊急通報を行った通信セルが複数の緊急対応機関の管轄エリアを含むことを検知した場合、通信機が位置する管轄エリアを推定するための分析対象を指定すること、を実行する少なくとも一つのプロセッサを備える。
 本態様では、複数の緊急対応機関の管轄エリアを含む通信セル内の通信機からの緊急通報について、当該緊急通報が行われた管轄エリアを推定するための分析対象が指定されるため、当該緊急通報を適切な緊急対応機関に接続できる。なお、以上では複数の緊急対応機関の管轄エリアを含む通信セルとして衛星通信セルを例示したが、地上に設置される地上基地局が提供する地上通信セル(例えば、いわゆるマクロセル)にも複数の緊急対応機関の管轄エリアが含まれうる。従って、本態様は衛星通信セルに限らず一般的な地上通信セルにも適用可能である。
 本開示の別の態様も、通信制御装置である。この通信制御装置は、緊急通報検知部によって、複数の緊急対応機関の管轄エリアを含む通信セル内の通信機からの緊急通報を検知することと、管轄エリア推定部によって、通信機が緊急通報を行った時間およびエリアの少なくともいずれかと異なる時間およびエリアの分析に基づいて、通信機が位置する管轄エリアを推定することと、接続制御部によって、推定された管轄エリアの緊急対応機関に緊急通報を接続することと、を実行する少なくとも一つのプロセッサを備える。
 本開示の更に別の態様は、通信制御方法である。この通信制御方法は、通信機が緊急通報を行った通信セルが複数の緊急対応機関の管轄エリアを含むことを検知した場合、通信機が位置する管轄エリアを推定するための分析対象を指定すること、を実行する。
 本開示の更に別の態様は、記憶媒体である。この記憶媒体は、通信機が緊急通報を行った通信セルが複数の緊急対応機関の管轄エリアを含むことを検知した場合、通信機が位置する管轄エリアを推定するための分析対象を指定すること、をコンピュータに実行させる通信制御プログラムを記憶している。
 なお、以上の構成要素の任意の組合せや、これらの表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラム等に変換したものも、本開示に包含される。
 本開示によれば、通信機からの緊急通報を適切な緊急対応機関に接続できる。
通信制御装置が適用される無線通信システムの概要を模式的に示す。 通信衛星と通信中の衛星通信セル内の通信機が、緊急対応機関に緊急通報を行う様子を模式的に示す。 ECGIに基づく緊急通報の接続処理を模式的に示す。 CGIに基づく緊急呼の接続処理の流れを示す。 UEからの初期メッセージの具体例を示す。 図5のUEからの初期メッセージに含まれるユーザ位置情報の具体例を示す。 通信制御装置の機能ブロック図である。
 図1は、本開示の実施形態に係る通信制御装置が適用される無線通信システム1の概要を模式的に示す。無線通信システム1は、5G無線通信システム11と、4G無線通信システム12と、衛星通信システム13と、を含む。5G無線通信システム11は、無線アクセス技術(RAT: Radio Access Technology)としてNR(New Radio)または5G NR(Fifth Generation New Radio)を使用し、コアネットワーク(CN:Core Network)として5GC(Fifth Generation Core)を使用する第5世代移動通信システム(5G)に準拠する。4G無線通信システム12は、無線アクセス技術としてLTE(Long Term Evolution)やLTE-Advancedを使用し、コアネットワークとしてEPC(Evolved Packet Core)を使用する第4世代移動通信システム(4G)に準拠する。衛星通信システム13は、通信衛星131を介した衛星通信を担う。図示は省略するが、無線通信システム1は、4Gより前の世代の無線通信システムを含んでもよいし、5Gより後の世代(6G等)の無線通信システムを含んでもよいし、Wi-Fi(登録商標)等の世代と関係付けられない任意の無線通信システムを含んでもよい。
 5G無線通信システム11は、地上に設置されてUE(User Equipment)とも呼ばれるスマートフォン等の通信機2A、2B、2C、2D(以下では総称して通信機2とも表される)と5G NRによって通信可能な複数の5G基地局111A、111B、111C(以下では総称して5G基地局111とも表される)と、を含む。5Gにおける基地局111はgNodeB(gNB)とも呼ばれる。各5G基地局111A、111B、111Cの通信可能範囲またはサポート範囲はセルと呼ばれ、それぞれ112A、112B、112C(以下では総称して5Gセル112とも表される)として図示される。
 各5G基地局111の5Gセル112の大きさは任意であるが、典型的には半径数メートルから数十キロメートルである。確立した定義はないものの、半径数メートルから十メートルのセルはフェムトセルと呼ばれ、半径十メートルから数十メートルのセルはピコセルと呼ばれ、半径数十メートルから数百メートルのセルはマイクロセルと呼ばれ、半径数百メートルを超えるセルはマクロセルと呼ばれることがある。5Gではミリ波等の高い周波数の電波が使用されることも多く、直進性の高さ故に電波が障害物に遮られて通信可能距離が短くなる。このため、5Gでは4G以前の世代に比べて小さいセルが多用される傾向がある。
 通信機2は、複数の5Gセル112A、112B、112Cの少なくとも一つの内部にあれば、5G通信を行える。図示の例では、5Gセル112Aおよび112B内にある通信機2Bは、5G基地局111Aおよび111Bのいずれとも5G NRによって通信可能である。また、5Gセル112C内にある通信機2Cは、5G基地局111Cと5G NRによって通信可能である。通信機2Aおよび2Dは、全ての5Gセル112A、112B、112Cの外にあるため、5G NRによる通信ができない状態にある。各通信機2と各5G基地局111の間の5G NRによる5G通信は、コアネットワークである5GCによって管理される。例えば、5GCは、各5G基地局111との間のデータの授受、EPC、衛星通信システム13、インターネット等の外部ネットワークとの間のデータの授受、通信機2の移動管理等を行う。
 4G無線通信システム12は、複数の4G基地局121(図1では一つのみを示す)を含む。複数の4G基地局121は、地上に設置され、通信機2とLTEやLTE-Advancedによって通信可能である。4Gにおける基地局121はeNodeB(eNB)とも呼ばれる。各5G基地局111と同様に、各4G基地局121の通信可能範囲またはサポート範囲もセルと呼ばれ122として図示される。
 通信機2は4Gセル122の内部にあれば4G通信を行える。図示の例では、4Gセル122内にある通信機2Aおよび2Bは、4G基地局121とLTEやLTE-Advancedによって通信可能である。通信機2Cおよび2Dは、4Gセル122の外にあるため、LTEやLTE-Advancedによる通信ができない状態にある。各通信機2と各4G基地局121の間のLTEやLTE-Advancedによる4G通信は、コアネットワークであるEPCによって管理される。例えば、EPCは、各4G基地局121との間のデータの授受、5GC、衛星通信システム13、インターネット等の外部ネットワークとの間のデータの授受、通信機2の移動管理等を行う。
 各通信機2A、2B、2C、2Dに着目すると、図示の例では、通信機2Aは4G基地局121との4G通信が可能な状態にあり、通信機2Bは5G基地局111A、111Bとの5G通信および4G基地局121との4G通信が可能な状態にあり、通信機2Cは5G基地局111Cとの5G通信が可能な状態にある。通信機2Bのように通信可能な基地局(111A、111B、121)が複数ある場合は、コアネットワークである5GCおよび/またはEPCによる管理の下、通信品質等の観点で最適と判断された一つの基地局が選択されて通信機2Bとの通信を行う。また、通信機2Dはいずれの5G基地局111および4G基地局121とも通信が可能な状態にないため、次に説明する衛星通信システム13による通信を行う。
 衛星通信システム13は、地表から500km~700km程度の高さの低軌道の宇宙空間を飛行する低軌道衛星としての通信衛星131を非地上基地局として用いる無線通信システムである。5G基地局111および4G基地局121と同様に、通信衛星131の通信可能範囲またはサポート範囲もセルと呼ばれ132として図示される。このように、非地上基地局としての通信衛星131は、非地上通信セルとしての衛星通信セル132を地上に提供する。地上の通信機2は衛星通信セル132の内部にあれば衛星通信を行える。5G無線通信システム11における5G基地局111および4G無線通信システム12における4G基地局121と同様に、衛星通信システム13における基地局としての通信衛星131は、衛星通信セル132内の通信機2と直接的にまたは航空機等を介して間接的に無線通信可能である。通信衛星131が衛星通信セル132内の通信機2との無線通信に使用する無線アクセス技術は、5G基地局111と同じ5G NRでもよいし、4G基地局121と同じLTEやLTE-Advancedでもよいし、通信機2が使用可能な任意の他の無線アクセス技術でもよい。このため、通信機2には衛星通信のための特別な機能や部品を設けなくてもよい。
 衛星通信システム13は、地上に設置されて通信衛星131と通信可能な地上局としてのゲートウェイ133を備える。ゲートウェイ133は、通信衛星131と通信するための衛星アンテナを備え、地上系ネットワーク(TN:Terrestrial Network)を構成する地上基地局としての5G基地局111および4G基地局121と接続されている。このように、ゲートウェイ133は、非地上基地局または衛星基地局としての通信衛星131によって構成される非地上系ネットワーク(NTN:Non-Terrestrial Network)と地上基地局111、121によって構成されるTNを相互通信可能に接続する。通信衛星131が5G NRによって衛星通信セル132内の通信機2と5G通信する場合は、ゲートウェイ133およびTNにおける5G基地局111(または5G無線アクセスネットワーク)を介して接続される5GCをコアネットワークとして利用し、通信衛星131がLTEやLTE-Advancedによって衛星通信セル132内の通信機2と4G通信する場合は、ゲートウェイ133およびTNにおける4G基地局121(または4G無線アクセスネットワーク)を介して接続されるEPCをコアネットワークとして利用する。このように、ゲートウェイ133を介して5G通信、4G通信、衛星通信等の異なる無線通信システムの間で適切な連携が取られる。
 通信衛星131による衛星通信は、主に、5G基地局111や4G基地局121等の地上基地局が設けられないまたは少ない地域をカバーするために利用される。図示の例では、全ての地上基地局の通信セル外にいる通信機2Dが通信衛星131と通信する。一方、いずれかの地上基地局と良好に通信できる状態にある通信機2A、2B、2Cも、衛星通信セル132内にいるため通信衛星131と通信可能ではあるが、原則として衛星基地局としての通信衛星131ではなく地上基地局と通信を行うことで、通信衛星131の限られた通信リソース(電力を含む)が通信機2D等のために節約される。通信衛星131は、ビームフォーミングによって通信電波を衛星通信セル132内の通信機2Dに向けることで、通信機2Dとの通信品質を向上させる。
 衛星基地局としての通信衛星131の衛星通信セル132の大きさは、通信衛星131が発するビームの本数に応じて任意に設定することができ、例えば、最大2,800本のビームを組み合わせることで直径約24kmの衛星通信セル132を形成できる。図示されるように、衛星通信セル132は、典型的には5Gセル112や4Gセル122等の地上通信セルより大きく、その内部に一または複数の5Gセル112および/または4Gセル122を含みうる。なお、以上では飛行する非地上基地局として、地表から500km~700km程度の高さの低軌道の宇宙空間を飛行する通信衛星131を例示したが、より高い静止軌道等の高軌道の宇宙空間を飛行する通信衛星や、より低い(例えば地表から20km程度)成層圏等の大気圏を飛行する無人または有人の航空機やドローンを非地上基地局として、通信衛星131に加えてまたは代えて使用してもよい。
 図2は、通信衛星131と通信中の衛星通信セル132内の通信機2Dが、警察機関や消防機関等の緊急機関(緊急対応機関)に緊急通報を行う様子を模式的に示す。緊急通報としては、各緊急機関の緊急通報用電話番号への電話が例示される。日本では、警察機関への緊急通報用電話番号として110番が割り当てられ、消防機関への緊急通報用電話番号として119番が割り当てられ、海上保安庁への緊急通報用電話番号として118番が割り当てられている。欧州における自動車事故発生時の緊急通報システムであるeCallによる通報も本実施形態の緊急通報の一例であり、自動車事故の発生や自動車の位置等を無線通信システム1上で緊急通報する車載の通信ユニットが図示の通信機2Dに相当する。また、第5世代移動通信システムで規定されているEmergency Services Fallback(ES-FB)やEPS Fallback(Evolved Packet System Fallback)による通報も緊急通報の一例である。
 図示の例では、衛星通信セル132が複数の異なる緊急機関の管轄エリアを含む。具体的には、衛星通信セル132は境界線Lによって、緊急機関Aの管轄エリア132Aと緊急機関Bの管轄エリア132Bに区画される。なお、管轄エリア132Aおよび管轄エリア132Bには重複部分があってもよい。Pは衛星通信セル132の所在地を表す代表地点であり、図示の例では管轄エリア132Aに属する。代表地点Pは、衛星通信セル132内の任意の地点でよいが、典型的には衛星通信セル132の地理的な中心付近の地点である。
 衛星通信セル132の代表地点Pの位置情報は、5GC、EPC、その他の衛星通信で利用可能なコアネットワークにおいて、衛星通信セル132のセルグローバル識別子(CGI: Cell Global Identity)として参照可能である。CGIは、本実施形態に係る衛星通信システム13を含む移動通信ネットワークまたは無線通信システム1において、各通信セルに一意的に付与される識別子またはIDである。CGIは、MCC(Mobile Country Code)、MNC(Mobile Network Code)、LAC(Location Area Code)、CI(Cell Identification)という四つの部分からなる。
 MCCおよびMNCは、各通信事業者が各国/各地域で提供する各無線通信ネットワークの識別子であるPLMN(Public Land Mobile Network)番号を構成し、PLMN(番号)およびLACは、各無線通信ネットワークの地理的な位置の識別子(Geographical Identifierとも表される)であるLAI(Location Area Identity)を構成する。図2の例において、衛星通信セル132のLAIをコアネットワークにおいて参照すれば、その代表地点Pの地理的な位置が分かるため、当該代表地点Pが緊急機関Aの管轄エリア132Aに属することが分かる。なお、CGI+TA, E-UTRAN CGI (ECGI), E-CGI, U-TDOA, ATI, A-GPS等のCGIに基づいて開発された各種の技術をCGIに代えてまたは加えて使用してもよい。
 図2(A)および図2(B)は、通信衛星131と通信中の通信機2Dが衛星通信セル132内で行った緊急通報を、CGIに基づいてコアネットワークが検知した代表地点Pに応じて接続する様子を示す。図2(A)では通信機2Dが緊急機関Aの管轄エリア132A内におり、図2(B)では通信機2Dが緊急機関Bの管轄エリア132B内にいる。いずれの場合でも、通信機2Dからの緊急通報を検知したコアネットワークは、衛星通信セル132のCGIに基づいて代表地点Pの地理的な位置を検知し、当該代表地点Pを管轄エリア132Aに含む緊急機関Aに緊急通報を接続する。通信機2Dが管轄エリア132A内にいる図2(A)では、正しい緊急機関Aに緊急通報が接続されるが、通信機2Dが管轄エリア132B内にいる図2(B)では、正しい緊急機関Bに緊急通報が接続されず、誤った緊急機関Aに緊急通報が接続されてしまう。
 図3は、ECGIに基づく緊急通報の接続処理を模式的に示す。通信機2のユーザは「A県xx市」を代表地点Pとする通信セル「Cell#1」内におり、日本の警察機関に割り当てられた緊急通報用電話番号「110」への緊急呼(緊急通報)を行う。地上基地局111、121または衛星基地局131を介して緊急通報を受信した5GC、EPC、その他の衛星通信で利用可能なコアネットワークCNは、そのIMS(IP Multimedia Subsystem)において緊急通報用電話番号「110」を当該緊急通報の管轄緊急機関である警察機関の指令台(総称して公共安全応答ポイント(PSAP: Public Safety Answering Point)とも表される)等の実際の電話番号に変換する。この時、コアネットワークCNは緊急通報を発信した通信セル(地上基地局111、121または衛星基地局131が提供する地上通信セル112、122または衛星通信セル132)のECGIを参照し(具体的には「PCC based NPLI retrieval」等の既定の手続または処理によって、コアネットワークCNが当該基地局からECGIを取得する)、代表地点Pの所在地「A県xx市」を認識する。この結果、緊急通報用電話番号「110」が「A県xx市」を管轄エリアとする「警察A」の実際の電話番号「03xxxxxxxx」に変換される。このように、通信セル「Cell#1」内の通信機2からの緊急通報用電話番号「110」への緊急通報が、管轄緊急機関である「警察A」に接続される。
 図4は、CGIに基づく緊急呼(emergency call)の接続処理の流れを示す。最初に、スマートフォン等の通信機であるUE(User Equipment)が緊急呼の発生をRAN(Radio Access Network)に通知する。RANは地上基地局111、121または衛星基地局131によって構成される無線アクセスネットワークである。緊急呼を受けたRANはコアネットワークCNに緊急呼の発生を通知する際に、「PCC based NPLI retrieval」等の既定の手続に従って、緊急呼の発信元である地上通信セル112、122または衛星通信セル132のCGIをコアネットワークCNに提供する。また、緊急呼を受けたRANは、UEからの初期メッセージ(Initial UE Message)をコアネットワークCNに送信する。
 図5は、UEからの初期メッセージの具体例を示す。UEからの初期メッセージは、UEが接続した4G基地局であるeNB(121)、5G基地局であるgNB(111)、衛星基地局である通信衛星131等から、コアネットワークCNに含まれる接続・移動管理機能AMF(Access and Mobility Management Function)に送信される。図6は、図5のUEからの初期メッセージに含まれるユーザ位置情報(User Location Information)の具体例を示す。このユーザ位置情報には「E-UTRA CGI」や「NR CGI」等のCGI情報が含まれているため、これを受信したコアネットワークCNは緊急呼の発信元である地上通信セル112、122または衛星通信セル132の代表地点Pの所在地を認識できる。そして、コアネットワークCNは、代表地点Pを管轄エリアに含む緊急機関にUEからの緊急呼を接続する。
 図3~図6の例においても図2(B)と同様に、UE(図2(B)における通信機2D)が代表地点Pを管轄エリアに含まない他の緊急機関(図2(B)における緊急機関B)の管轄エリア内にいる場合、正しい緊急機関(B)には緊急呼が接続されず、代表地点Pを管轄エリアに含む誤った緊急機関(A)に緊急呼が接続されてしまう問題が発生する。
 図7は、図2~図6の問題を解決可能な本実施形態に係る通信制御装置3の機能ブロック図である。通信制御装置3は、緊急通報検知部31と、分析対象指定部32と、管轄エリア推定部33と、接続制御部34と、を備える。通信制御装置3が以下で説明する作用および/または効果の少なくとも一部を実現できる限り、これらの機能ブロックの一部は省略できる。これらの機能ブロックは、コンピュータの中央演算処理装置、メモリ、入力装置、出力装置、コンピュータに接続される周辺機器等のハードウェア資源と、それらを用いて実行されるソフトウェアの協働により実現される。コンピュータの種類や設置場所は問わず、上記の各機能ブロックは、単一のコンピュータのハードウェア資源で実現してもよいし、複数のコンピュータに分散したハードウェア資源を組み合わせて実現してもよい。特に本実施形態では、通信制御装置3の機能ブロックの一部または全部は、通信機2、基地局111、121、131を含むRAN、ゲートウェイ133、コアネットワークCNに設けられるコンピュータやプロセッサで集中的または分散的に実現してもよい。
 図7の例では、通信機2のユーザ(不図示)が、第1位置P1、第2位置P2、第3位置P3、第4位置P4、第5位置P5を、順番に移動する。また、当該ユーザは、第2位置P2、第3位置P3、第4位置P4の少なくともいずれかの位置において、通信機2を使用して緊急通報を行う。
 以下では、通信機2によって緊急通報が行われる位置またはエリアが「現在」と表され、「現在」より前の時間に当該通信機2がいた位置またはエリアが「過去」と表され、「現在」より後の時間に当該通信機2がいる位置またはエリアが「未来」と表される。具体的には、第2位置P2を現在の位置として通信機2によって緊急通報が行われる場合、第1位置P1は過去の位置であり、第3位置P3~第5位置P5は未来の位置である。第3位置P3を現在の位置として通信機2によって緊急通報が行われる場合、第1位置P1~第2位置P2は過去の位置であり、第4位置P4~第5位置P5は未来の位置である。第4位置P4を現在の位置として通信機2によって緊急通報が行われる場合、第1位置P1~第3位置P3は過去の位置であり、第5位置P5は未来の位置である。
 図示の例において通信機2によって緊急通報が行われる第2位置P2~第4位置P4は、いずれも通信衛星131等の非地上基地局によって提供される衛星通信セル132等の非地上通信セルNTCに含まれる。また、通信機2は、第2位置P2~第4位置P4において緊急通報を行う時には、通信衛星131等の非地上基地局に接続されているものとする(近くに地上基地局があったとしても接続されていない)。すなわち、図示の例における非地上通信セルNTC内の通信機2は、通信衛星131等の非地上基地局に対して緊急通報を行う。
 図2の例における衛星通信セル132と同様に、非地上通信セルNTCは、複数の異なる緊急対応機関の管轄エリアJA1、JA2、JA3を含む。模式的に図示されるように、通信機2が緊急通報を行う第2位置P2は第1緊急対応機関(不図示)の第1管轄エリアJA1に含まれ、通信機2が緊急通報を行う第3位置P3は第2緊急対応機関(不図示)の第2管轄エリアJA2に含まれ、通信機2が緊急通報を行う第4位置P4は第3緊急対応機関(不図示)の第3管轄エリアJA3に含まれる。この場合、第2位置P2からの緊急通報は第1緊急対応機関に接続されるのが好ましく、第3位置P3からの緊急通報は第2緊急対応機関に接続されるのが好ましく、第4位置P4からの緊急通報は第3緊急対応機関に接続されるのが好ましい。
 しかし、図2の例と同様に、非地上通信セルNTCのCGIに基づく処理だけでは、非地上通信セルNTC内における通信機2の位置P2~P4に応じて、適切な第1~第3緊急対応機関に緊急通報を接続できない。例えば、非地上通信セルNTCのCGIが第2管轄エリアJA2内の位置を示す場合、非地上通信セルNTC内における通信機2の位置P2~P4によらず、緊急通報は常に第2緊急対応機関に接続されてしまう。そこで、本実施形態では、後述するように、管轄エリア推定部33によって通信機2が緊急通報を行った管轄エリア(JA1~JA3のいずれか)を推定することで、当該管轄エリアを有する適切な緊急対応機関に緊急通報が接続される。
 衛星通信セル132等の非地上通信セルNTCの周辺または内部には、典型的には当該非地上通信セルNTCより小さい地上通信セルTC1、TC2、TC3が、不図示の地上基地局によって提供される。図示の例における第1地上通信セルTC1は、その全部が第1管轄エリアJA1のみに含まれ、かつ、その一部が非地上通信セルNTCと重複している。図示の例における第2地上通信セルTC2は、その全部が第2管轄エリアJA2のみに含まれ、かつ、その全部が非地上通信セルNTCと重複している(非地上通信セルNTCに含まれている)。図示の例における第3地上通信セルTC3は、その全部が第3管轄エリアJA3のみに含まれ、かつ、その全部が非地上通信セルNTCの周辺(外部)にある。
 以上のように、図示の例における地上通信セルTC1~TC3は、非地上通信セルNTCに対して異なる態様で配置されている。しかし、図示の例における地上通信セルTC1~TC3は、非地上通信セルNTCに対して近接しているという点で共通する。このように、本実施形態における「近接」という語は、第1地上通信セルTC1のような「一部重複」、第2地上通信セルTC2のような「全部重複」、第3地上通信セルTC3のような「非重複」(但し、近接配置)のいずれも表す。
 なお、前述の第1位置P1は第1地上通信セルTC1内にあり、当該第1位置P1にある通信機2は第1地上通信セルTC1に接続されるものとする。また、前述の第5位置P5は第3地上通信セルTC3内にあり、当該第5位置P5にある通信機2は第3地上通信セルTC3に接続されるものとする。
 図示の例では、第1地上通信セルTC1に接続されていた通信機2が第1位置P1から第2位置P2に移動する間に、当該通信機2の接続先が第1地上通信セルTC1から非地上通信セルNTCに切り替えられるものとする。また、非地上通信セルNTCに接続されていた通信機2が第4位置P4から第5位置P5に移動する間に、当該通信機2の接続先が非地上通信セルNTCから第3地上通信セルTC3に切り替えられるものとする。前述のように、第1位置P1と第5位置のP5の間の第2位置P2~第4位置P4において緊急通報を行う通信機2は、非地上通信セルNTCに接続されているものとする(但し、通信機2が第3位置P3から第4位置P4に移動する間に、通過する第2地上通信セルTC2に一時的に接続されてもよい)。
 緊急通報検知部31は、複数の異なる緊急対応機関の管轄エリアJA1~JA3を含む非地上通信セルNTC内の通信機2からの緊急通報を、当該非地上通信セルNTCを提供する通信衛星131等を介して検知する。図示の例では、緊急通報検知部31が、非地上通信セルNTC内の第2位置P2~第4位置P4のいずれかにいる通信機2からの緊急通報を検知する。前述のように、第2位置P2~第4位置P4のいずれかにおいて緊急通報を行う通信機2は非地上通信セルNTCに接続されているため、当該通信機2からの緊急通報を受ける緊急通報検知部31の主な機能は、接続中の非地上通信セルNTCを提供する衛星通信システム13等で利用可能な5GC等のコアネットワークにおいて実現されるのが好ましい。
 分析対象指定部32は、通信機2が緊急通報を行った通信セルが複数の緊急対応機関の管轄エリアを含むことを検知した場合、当該通信機2が位置する管轄エリアを推定するための分析対象を指定する。具体的には、分析対象指定部32は、通信機2が緊急通報を行った時間およびエリアの少なくともいずれかと異なる時間およびエリアを分析対象として指定する。例えば、通信機2が第2位置P2で行った緊急通報については、当該第2位置P2における当該緊急通報より前の過去の時間や当該緊急通報より後の未来の時間、および/または、当該第2位置P2と異なるエリア(例えば、第1位置P1や第3位置P3~第5位置P5の少なくともいずれかを含むエリア)が分析対象として指定される。通信機2が第3位置P3で行った緊急通報については、当該第3位置P3における当該緊急通報より前の過去の時間や当該緊急通報より後の未来の時間、および/または、当該第3位置P3と異なるエリア(例えば、第1位置P1~第2位置P2や第4位置P4~第5位置P5の少なくともいずれかを含むエリア)が分析対象として指定される。通信機2が第4位置P4で行った緊急通報については、当該第4位置P4における当該緊急通報より前の過去の時間や当該緊急通報より後の未来の時間、および/または、当該第4位置P4と異なるエリア(例えば、第1位置P1~第3位置P3や第5位置P5の少なくともいずれかを含むエリア)が分析対象として指定される。
 分析対象指定部32は、コアネットワークCNにおいて実現されるのが好ましく、IMS(IP Multimedia Subsystem)、AMF(Access and Mobility Management Function)、AF(Application Function)、P-CSCF(Proxy-Call Session Control Function )等のコアネットワークCNにおける各種のネットワーク機能(以下ではNF(Network Function)とも表される)によって構成されうる。
 分析対象指定部32は、緊急通報が行われたエリアと異なるエリアを分析対象として指定する場合、通信機2が緊急通報を行った通信セルと近接する他の通信セルであって、一つの緊急対応機関の管轄エリアを含むものを分析対象として指定してもよい。前述のように、本実施形態の例では、通信機2が緊急通報を行う通信セルは、第2位置P2~第4位置P4によらず、常に非地上通信セルNTCである。また、当該非地上通信セルNTCと近接する他の通信セルとしては、前述のように、非地上通信セルNTCと「一部重複」の関係にある第1地上通信セルTC1、非地上通信セルNTCと「全部重複」の関係にある第2地上通信セルTC2、非地上通信セルNTCと「非重複」(但し、近接配置)の関係にある第3地上通信セルTC3が例示される。前述のように、これらの「近接」通信セルTC1~TC3は、いずれも一つの緊急対応機関の管轄エリアJA1~JA3を含む。換言すれば、各「近接」通信セルTC1~TC3について、各管轄エリアJA1~JA3が一意的に定まる。
 以上のように、本実施形態の例では、分析対象指定部32が、緊急通報が行われた非地上通信セルNTCと近接する他の地上通信セルTC1~TC3の少なくともいずれかを分析対象として指定してもよい。例えば、第2位置P2~第4位置P4によらず、緊急通報が行われた非地上通信セルNTCと近接する全ての地上通信セルTC1~TC3が分析対象として指定されてもよい。
 あるいは、緊急通報が行われた非地上通信セルNTCと近接する複数の地上通信セルTC1~TC3のうち、緊急通報が行われた各位置P2~P4から所定距離内にあるもののみが分析対象として指定されてもよい。例えば、第2位置P2からの緊急通報については、当該第2位置P2に近接する第1地上通信セルTC1のみが分析対象として指定されてもよい。第3位置P3からの緊急通報については、当該第3位置P3に近接する第2地上通信セルTC2のみが分析対象として指定されてもよい。第4位置P4からの緊急通報については、当該第4位置P4に近接する第3地上通信セルTC3のみが分析対象として指定されてもよい。
 なお、分析対象指定部32による分析対象エリアの指定は、上述のように、コアネットワークCNにおける基本的な管理単位でもある通信セルの単位で行われるのが好ましい。しかし、分析対象指定部32は、通信セルの境界と無関係に任意に設定しうる地理的な境界によって、任意の形状または範囲の分析対象エリア(例えば、通信機2が緊急通報を行った各位置P2~P4から所定距離内の略円状のエリア)を指定してもよい。
 以上のように緊急通報が行われた位置P2~P4に応じて分析対象(地上通信セルTC1~TC3)を指定するためには、典型的にはコアネットワークCNに設けられる分析対象指定部32が、緊急通報が行われたおおよその位置を認識している必要がある。このため、分析対象指定部32は、緊急通報を行った通信機2の位置を示唆する各種の位置情報を、当該通信機2自体、RAN、コアネットワークCN等から取得するのが好ましい。
 例えば、分析対象指定部32は、緊急通報を行った通信機2自体に設けられるGPS等に基づく測位センサによる過去または現在の測位情報を取得してもよい。また、分析対象指定部32は、コアネットワークCN等に記録されている当該通信機2の各種の活動履歴、例えば、当該通信機2が現在に至るまでに接続した通信セルの履歴を参照することで、当該通信機2の動きや現在の位置を推定できる。なお、以上のような通信機2の位置情報は、管轄エリア推定部33に関して後述するNWDAF等のAI/ML機能によって収集および/または分析されることも考えられる。このような場合、上述のような分析対象指定部32の機能の全部または一部が、NWDAF等のAI/ML機能によって実現されうる管轄エリア推定部33によって実現されてもよい。特に、分析対象指定部32の機能の全部が管轄エリア推定部33によって実現される場合、分析対象指定部32を設ける必要はない。
 以上のような分析対象指定部32による分析対象時間および/または分析対象エリアの指定は、当該分析対象指定部32が実現されるIMS等において予め用意されているテーブル等の管理情報に基づいて行われるのが好ましい。具体的には、分析対象時間の指定においては、緊急通報より前の過去の時間帯や緊急通報より後の未来の時間帯が管理情報中で予め指定されている。例えば、「緊急通報前の1時間」や「緊急通報後の30分間」等の所定長または所定範囲の過去および/または未来の時間帯が、分析対象時間として管理情報中で予め指定されている。この例のように、管理情報において定められる分析対象時間は、緊急通報が行われた時刻または時間帯に対する過去および/または未来の固定的な時間帯でもよい。但し、後述するように、これらの固定的な時間帯は、管轄エリア推定部33の推定結果等に基づいて、柔軟に更新可能である。
 同様に、分析対象エリアの指定においては、緊急通報が行われたエリア(例えば、非地上通信セルNTCや位置P2~P4)と異なるエリア(例えば、地上通信セルTC1~TC3)が管理情報中で予め指定されている。例えば、通信機2が緊急通報を行った通信セルとしての非地上通信セルNTCについて、分析対象指定部32が分析対象エリアとして指定する他の通信セル(例えば、地上通信セルTC1~TC3)が、管理情報中で予め定められていてもよい。具体的には、前述の例のように、第2位置P2~第4位置P4によらず、緊急通報が行われた非地上通信セルNTCと近接する全ての地上通信セルTC1~TC3が、分析対象エリアまたは分析対象通信セルとして管理情報中で予め指定されていてもよい。
 あるいは、第2位置P2を含むエリアからの緊急通報については、当該エリアに近接する第1地上通信セルTC1のみが、分析対象エリアまたは分析対象通信セルとして管理情報中で予め指定されていてもよい。第3位置P3を含むエリアからの緊急通報については、当該エリアに近接する第2地上通信セルTC2のみが、分析対象エリアまたは分析対象通信セルとして管理情報中で予め指定されていてもよい。第4位置P4を含むエリアからの緊急通報については、当該エリアに近接する第3地上通信セルTC3のみが、分析対象エリアまたは分析対象通信セルとして管理情報中で予め指定されていてもよい。
 以上の例のように、管理情報において定められる分析対象エリアまたは分析対象通信セルは、緊急通報が行われた位置またはエリアに近接する固定的なエリアまたは通信セルでもよい。但し、後述するように、これらの固定的なエリアまたは通信セルは、管轄エリア推定部33の推定結果等に基づいて、柔軟に更新可能である。
 以上のように、分析対象指定部32が分析対象時間および/または分析対象エリアを指定する際に参照可能なテーブル等の管理情報では、緊急通報が行われた「現在」の時刻または時間帯に対して、過去および/または未来の固定的な時間帯が対応付けられてもよく、および/または、緊急通報が行われた「現在」の位置またはエリアに対して、近接する固定的なエリアまたは通信セルが対応付けられてもよい。このようなテーブル等を参照可能な分析対象指定部32は、緊急通報検知部31によって検知された緊急通報の「現在」の時間および/またはエリアに基づいて、それらと異なる分析対象時間および/または分析対象エリアを迅速に指定できる。
 管轄エリア推定部33は、分析対象指定部32によって指定された分析対象時間(過去および/または未来の時間)および分析対象エリア(近接エリアおよび/または近接通信セル)の少なくともいずれかの分析に基づいて、緊急通報検知部31によって検知された緊急通報を行った通信機2が位置する管轄エリアを推定する。
 例えば、管轄エリア推定部33は、分析対象指定部32によって指定された分析対象時間および分析対象エリアの少なくともいずれかの分析に基づいて、緊急通報検知部31によって検知された緊急通報を行った通信機2が位置する管轄エリアに関する地理的情報を推定結果に含めてもよい。ここで、管轄エリアに関する地理的情報は、管轄エリアの代表地点(例えば、当該管轄エリアを管轄する緊急対応機関の所在地)の地理的な位置の識別子(Geographical IdentifierまたはGeographical Identifier Indicator)でもよいし、当該管轄エリア内で緊急通報を行った通信機2の地理的な位置の識別子(Geographical IdentifierまたはGeographical Identifier Indicator)でもよい。また、このような管轄エリアに関する地理的情報の一部は、管轄エリア推定部33による管轄エリアの導出または推定のために、分析対象指定部32が管轄エリア推定部33に提供してもよい。
 管轄エリア推定部33は、コアネットワークCNにおいて実現されるのが好ましく、5GCに導入されたNWDAF(Network Data Analytics Function)等のコアネットワークCNにおける各種の人工知能(AI: Artificial Intelligence)/機械学習(ML: Machine Learning)機能によって構成されうる。NWDAFは、5Gを含むネットワーク上のデータの収集と分析を担う。具体的には、NWDAFは、モバイル通信ネットワークに接続された多数の通信機2その他の物体の活動履歴情報、移動情報、測定情報等を収集および蓄積し、それらの分析結果を例えばモバイル通信ネットワーク上のトラフィック制御に活用する。NWDAFによって提供される、多数の通信機2その他の物体の移動情報の分析機能はモビリティアナリティクス(Mobility Analytics)とも表される。なお、5Gより後の世代の無線通信システムを含む他の無線通信システムにおいて、NWDAFと同様の機能が異なる名称で提供されることも想定されるが、本実施形態ではそのような類似機能をNWDAFに代えてまたは加えて利用してもよい。
 管轄エリア推定部33がNWDAFによって構成される場合、IMS等によって構成される分析対象指定部32から、以下のような定型情報の少なくとも一部が提供される。
 ・分析ID(Analytics ID):本実施形態では(緊急通報を行った)通信機2(UE)の移動情報の分析のために「UE Mobility」が指定される。
 ・分析報告対象(Target of Analytics Reporting):緊急通報を行った通信機2が「単数」であるか「複数」であるかが指定される。例えば、雑踏事故等において多数の通信機2から略同時に緊急通報が行われる場合に「複数」が指定される。
 ・エリア情報:緊急通報を行った通信機2の現在位置や、それに応じて分析対象指定部32によって指定される過去または未来における分析対象エリア(Area of Interest and/or Visited AOI)が指定される。
 ・時間情報:分析対象指定部32によって指定される過去または未来における分析対象時間(Analytics Target Period)が指定される。
 例えば、第2位置P2で緊急通報が行われた場合、分析対象指定部32は、当該第2位置P2に近接する第1地上通信セルTC1を分析対象エリアとして指定し、「緊急通報前の1時間」という過去の時間帯を分析対象時間として指定する。そして、管轄エリア推定部33は、分析対象指定部32によって分析対象として指定された第1地上通信セルTC1を「緊急通報前の1時間」という過去の時間帯に亘って分析する。この分析の結果、第2位置P2において緊急通報を行った通信機2が、「緊急通報前の1時間」以内に第1地上通信セルTC1に接続されていたことが判明した場合、当該通信機2は、引き続き、第1地上通信セルTC1が含まれる第1管轄エリアJA1にいる可能性が高い。そこで、管轄エリア推定部33は、当該緊急通報を行った通信機2が位置する管轄エリアを第1管轄エリアJA1と推定できる。
 例えば、第3位置P3で緊急通報が行われた場合、分析対象指定部32は、当該第3位置P3に近接する第1地上通信セルTC1および第2地上通信セルTC2を分析対象エリアとして指定し、「緊急通報前の30分間」という過去の時間帯および「緊急通報後の30分間」という未来の時間帯を分析対象時間として指定する。そして、管轄エリア推定部33は、分析対象指定部32によって分析対象として指定された第1地上通信セルTC1を「緊急通報前の30分間」という過去の時間帯に亘って分析すると共に、分析対象指定部32によって分析対象として指定された第2地上通信セルTC2を「緊急通報後の30分間」という未来の時間帯に亘って分析する。この分析の結果、第3位置P3において緊急通報を行った通信機2が、「緊急通報前の30分間」以内に第1地上通信セルTC1に接続されておらず、「緊急通報後の30分間」以内に第2地上通信セルTC2に接続されると推定された場合、当該通信機2は、未来の時間に接続されると推定された第2地上通信セルTC2が含まれる第2管轄エリアJA2にいる可能性が高い。そこで、管轄エリア推定部33は、当該緊急通報を行った通信機2が位置する管轄エリアを第2管轄エリアJA2と推定できる。
 例えば、第4位置P4で緊急通報が行われた場合、分析対象指定部32は、当該第4位置P4に近接する第3地上通信セルTC3を分析対象エリアとして指定し、「緊急通報後の1時間」という未来の時間帯を分析対象時間として指定する。そして、管轄エリア推定部33は、分析対象指定部32によって分析対象として指定された第3地上通信セルTC3を「緊急通報後の1時間」という未来の時間帯に亘って分析する。この分析の結果、第4位置P4において緊急通報を行った通信機2が、「緊急通報後の1時間」以内に第3地上通信セルTC3に接続されると推定された場合、当該通信機2は、未来の時間に接続されると推定された第3地上通信セルTC3が含まれる第3管轄エリアJA3にいる可能性が高い。そこで、管轄エリア推定部33は、当該緊急通報を行った通信機2が位置する管轄エリアを第3管轄エリアJA3と推定できる。
 以上のように、緊急通報が行われた非地上通信セルNTCが複数の管轄エリアJA1~JA3を含む場合であっても、NWDAF等によって構成される管轄エリア推定部33が、過去および/または未来の分析対象時間と地理的に近接する分析対象エリアの分析に基づいて、緊急通報が行われた管轄エリアJA1~JA3を推定できる。接続制御部34は、管轄エリア推定部33によって推定された管轄エリアJA1~JA3の第1~第3緊急対応機関に、緊急通報検知部31によって検知された緊急通報を接続する。
 なお、通信機2が緊急通報を行った各位置P2~P4や通信セル(非地上通信セルNTC)について、分析対象指定部32が分析対象として指定する他の通信セル(地上通信セルTC1~TC3)等は、管轄エリア推定部33の推定結果に基づいて更新されてもよい。すなわち、分析対象指定部32が分析対象時間および/または分析対象エリアを指定する際に参照するテーブル等の管理情報が、管轄エリア推定部33からの推定結果等のフィードバックに基づいて随時更新されてもよい。また、分析対象指定部32が分析対象時間および/または分析対象エリアを指定する際に参照するテーブル等の管理情報は、NWDAFから取得可能な緊急通報と無関係の(すなわち、平常時の)モビリティアナリティクスの結果に基づいて更新されてもよい。
 以上の実施形態において管轄エリア推定部33が実現されるNWDAFは、現在の3GPPの規格においては、外部から指定された分析対象時間および分析対象エリアに応じて分析を実行する。上述したような緊急通報の発信位置の特定のために、緊急通報検知部31によって検知された当該緊急通報をそのままNWDAFに入力することも可能であるが、この場合の分析対象時間および分析対象エリアは「現在」の時間およびエリアとなる。このため、図7の例のように複数の管轄エリアJA1~JA3を含む非地上通信セルNTCで行われた緊急通報については、「現在」のピンポイントの分析対象時間および分析対象エリアからだけでは、当該緊急通報の発信元の管轄エリアJA1~JA3を適切に推定できない。
 これに対して、本実施形態では、IMS等によって構成される分析対象指定部32が、過去および/または未来の分析対象時間と地理的に近接する分析対象エリアを指定するため、NWDAF等によって構成される管轄エリア推定部33は、緊急通報の前(過去)および/または後(未来)の通信機2の挙動の分析を通じて、当該緊急通報の発信元の管轄エリアJA1~JA3を適切に推定できる。
 なお、現在の3GPPの規格では外部からの分析対象時間および分析対象エリアの指定を要求するNWDAFの機能を拡張して、自ら分析対象時間および分析対象エリアを指定できるようにしてもよい。例えば、分析対象指定部32による分析対象(分析対象時間および/または分析対象エリア)の指定が不足している場合、NWDAF等によって構成される管轄エリア推定部33は、当該不足を補って自ら指定した分析対象の分析に基づいて、緊急通報を行った通信機2が位置する管轄エリアJA1~JA3を推定してもよい。また、分析対象指定部32の機能の全部が、NWDAF等によって構成される管轄エリア推定部33に取り込まれてもよい。この場合の管轄エリア推定部33は、通信機2が緊急通報を行った時間およびエリアの少なくともいずれかと異なる時間およびエリアの分析に基づいて、当該通信機2が位置する管轄エリアJA1~JA3を推定できる。
 以上、本開示を実施形態に基づいて説明した。例示としての実施形態における各構成要素や各処理の組合せには様々な変形例が可能であり、そのような変形例が本開示の範囲に含まれることは当業者にとって自明である。
 なお、実施形態で説明した各装置や各方法の構成、作用、機能は、ハードウェア資源またはソフトウェア資源によって、あるいは、ハードウェア資源とソフトウェア資源の協働によって実現できる。ハードウェア資源としては、例えば、プロセッサ、ROM、RAM、各種の集積回路を利用できる。ソフトウェア資源としては、例えば、オペレーティングシステム、アプリケーション等のプログラムを利用できる。
 本開示は以下の項目のように表現してもよい。
 項目1:
 分析対象指定部によって、通信機が緊急通報を行った通信セルが複数の緊急対応機関の管轄エリアを含むことを検知した場合、前記通信機が位置する管轄エリアを推定するための分析対象を指定すること、を実行する少なくとも一つのプロセッサを備える通信制御装置。
 項目2:
 前記分析対象指定部は、前記通信機が前記緊急通報を行った時間およびエリアの少なくともいずれかと異なる時間およびエリアを分析対象として指定する、項目1に記載の通信制御装置。
 項目3:
 前記分析対象指定部は、前記通信機が前記緊急通報を行った時間より前の過去の時間または前記通信機が前記緊急通報を行った時間より後の未来の時間を分析対象として指定する、項目2に記載の通信制御装置。
 項目4:
 前記分析対象指定部は、前記通信機が前記緊急通報を行った前記通信セルと近接する他の通信セルであって、一つの緊急対応機関の管轄エリアを含むものを分析対象として指定する、項目2または3に記載の通信制御装置。
 項目5:
 前記通信機が前記緊急通報を行った前記通信セルについて、前記分析対象指定部が分析対象として指定する前記他の通信セルは予め定められている、項目4に記載の通信制御装置。
 項目6:
 前記分析対象指定部は、前記通信機が前記緊急通報を行ったエリアから所定距離内の他のエリアを分析対象として指定する、項目2から5のいずれかに記載の通信制御装置。
 項目7:
 前記分析対象指定部は、IMS(IP Multimedia Subsystem)によって構成される、項目1から6のいずれかに記載の通信制御装置。
 項目8:
 前記少なくとも一つのプロセッサは、
 緊急通報検知部によって、複数の緊急対応機関の管轄エリアを含む通信セル内の通信機からの緊急通報を検知することと、
 管轄エリア推定部によって、前記分析対象の時間およびエリアの少なくともいずれかの分析に基づいて、前記通信機が位置する管轄エリアを推定することと、
 接続制御部によって、前記推定された管轄エリアの緊急対応機関に前記緊急通報を接続することと、
 を実行する項目2から7のいずれかに記載の通信制御装置。
 項目9:
 前記管轄エリア推定部は、前記分析対象の時間およびエリアの少なくともいずれかの分析に基づいて、前記通信機が位置する管轄エリアに関する地理的情報を推定結果に含める、項目8に記載の通信制御装置。
 項目10:
 前記分析対象指定部は、前記通信機が前記緊急通報を行った前記通信セルと近接する他の通信セルであって、一つの緊急対応機関の管轄エリアを含むものを分析対象として指定し、
 前記通信機が前記緊急通報を行った前記通信セルについて、前記分析対象指定部が分析対象として指定する前記他の通信セルは、前記管轄エリア推定部の推定結果に基づいて更新される、
 項目8または9に記載の通信制御装置。
 項目11:
 前記分析対象指定部による分析対象の指定が不足している場合、前記管轄エリア推定部は、当該不足を補って指定した分析対象の分析に基づいて、前記通信機が位置する管轄エリアを推定する、項目8から10のいずれかに記載の通信制御装置。
 項目12:
 前記管轄エリア推定部は、NWDAF(Network Data Analytics Function)によって構成される、項目8から11のいずれかに記載の通信制御装置。
 項目13:
 複数の緊急対応機関の管轄エリアを含む前記通信セルは、宇宙空間を飛行する通信衛星によって提供される、項目1から12のいずれかに記載の通信制御装置。
 項目14:
 緊急通報検知部によって、複数の緊急対応機関の管轄エリアを含む通信セル内の通信機からの緊急通報を検知することと、
 管轄エリア推定部によって、前記通信機が前記緊急通報を行った時間およびエリアの少なくともいずれかと異なる時間およびエリアの分析に基づいて、前記通信機が位置する管轄エリアを推定することと、
 接続制御部によって、前記推定された管轄エリアの緊急対応機関に前記緊急通報を接続することと、
 を実行する少なくとも一つのプロセッサを備える通信制御装置。
 項目15:
 通信機が緊急通報を行った通信セルが複数の緊急対応機関の管轄エリアを含むことを検知した場合、前記通信機が位置する管轄エリアを推定するための分析対象を指定すること、を実行する通信制御方法。
 項目16:
 通信機が緊急通報を行った通信セルが複数の緊急対応機関の管轄エリアを含むことを検知した場合、前記通信機が位置する管轄エリアを推定するための分析対象を指定すること、をコンピュータに実行させる通信制御プログラムを記憶している記憶媒体。
 本願は、2023年1月6日に出願された日本国特許出願2023-001294を基礎として優先権を主張するものであり、この基礎出願の全内容を参照することによって援用する。
 本開示は、緊急通報の管轄エリアの推定における分析対象の指定に関する。
 1 無線通信システム、2 通信機、3 通信制御装置、11 5G無線通信システム、12 4G無線通信システム、13 衛星通信システム、31 緊急通報検知部、32 分析対象指定部、33 管轄エリア推定部、34 接続制御部、111 5G基地局、112 5Gセル、121 4G基地局、122 4Gセル、131 通信衛星、132 衛星通信セル、133 ゲートウェイ、JA1 第1管轄エリア、JA2 第2管轄エリア、JA3 第3管轄エリア。

Claims (16)

  1.  分析対象指定部によって、通信機が緊急通報を行った通信セルが複数の緊急対応機関の管轄エリアを含むことを検知した場合、前記通信機が位置する管轄エリアを推定するための分析対象を指定すること、を実行する少なくとも一つのプロセッサを備える通信制御装置。
  2.  前記分析対象指定部は、前記通信機が前記緊急通報を行った時間およびエリアの少なくともいずれかと異なる時間およびエリアを分析対象として指定する、請求項1に記載の通信制御装置。
  3.  前記分析対象指定部は、前記通信機が前記緊急通報を行った時間より前の過去の時間または前記通信機が前記緊急通報を行った時間より後の未来の時間を分析対象として指定する、請求項2に記載の通信制御装置。
  4.  前記分析対象指定部は、前記通信機が前記緊急通報を行った前記通信セルと近接する他の通信セルであって、一つの緊急対応機関の管轄エリアを含むものを分析対象として指定する、請求項2に記載の通信制御装置。
  5.  前記通信機が前記緊急通報を行った前記通信セルについて、前記分析対象指定部が分析対象として指定する前記他の通信セルは予め定められている、請求項4に記載の通信制御装置。
  6.  前記分析対象指定部は、前記通信機が前記緊急通報を行ったエリアから所定距離内の他のエリアを分析対象として指定する、請求項2に記載の通信制御装置。
  7.  前記分析対象指定部は、IMS(IP Multimedia Subsystem)によって構成される、請求項1に記載の通信制御装置。
  8.  前記少なくとも一つのプロセッサは、
     緊急通報検知部によって、複数の緊急対応機関の管轄エリアを含む通信セル内の通信機からの緊急通報を検知することと、
     管轄エリア推定部によって、前記分析対象の時間およびエリアの少なくともいずれかの分析に基づいて、前記通信機が位置する管轄エリアを推定することと、
     接続制御部によって、前記推定された管轄エリアの緊急対応機関に前記緊急通報を接続することと、
     を実行する請求項2に記載の通信制御装置。
  9.  前記管轄エリア推定部は、前記分析対象の時間およびエリアの少なくともいずれかの分析に基づいて、前記通信機が位置する管轄エリアに関する地理的情報を推定結果に含める、請求項8に記載の通信制御装置。
  10.  前記分析対象指定部は、前記通信機が前記緊急通報を行った前記通信セルと近接する他の通信セルであって、一つの緊急対応機関の管轄エリアを含むものを分析対象として指定し、
     前記通信機が前記緊急通報を行った前記通信セルについて、前記分析対象指定部が分析対象として指定する前記他の通信セルは、前記管轄エリア推定部の推定結果に基づいて更新される、
     請求項8に記載の通信制御装置。
  11.  前記分析対象指定部による分析対象の指定が不足している場合、前記管轄エリア推定部は、当該不足を補って指定した分析対象の分析に基づいて、前記通信機が位置する管轄エリアを推定する、請求項8に記載の通信制御装置。
  12.  前記管轄エリア推定部は、NWDAF(Network Data Analytics Function)によって構成される、請求項8に記載の通信制御装置。
  13.  複数の緊急対応機関の管轄エリアを含む前記通信セルは、宇宙空間を飛行する通信衛星によって提供される、請求項1に記載の通信制御装置。
  14.  緊急通報検知部によって、複数の緊急対応機関の管轄エリアを含む通信セル内の通信機からの緊急通報を検知することと、
     管轄エリア推定部によって、前記通信機が前記緊急通報を行った時間およびエリアの少なくともいずれかと異なる時間およびエリアの分析に基づいて、前記通信機が位置する管轄エリアを推定することと、
     接続制御部によって、前記推定された管轄エリアの緊急対応機関に前記緊急通報を接続することと、
     を実行する少なくとも一つのプロセッサを備える通信制御装置。
  15.  通信機が緊急通報を行った通信セルが複数の緊急対応機関の管轄エリアを含むことを検知した場合、前記通信機が位置する管轄エリアを推定するための分析対象を指定すること、を実行する通信制御方法。
  16.  通信機が緊急通報を行った通信セルが複数の緊急対応機関の管轄エリアを含むことを検知した場合、前記通信機が位置する管轄エリアを推定するための分析対象を指定すること、をコンピュータに実行させる通信制御プログラムを記憶している記憶媒体。
PCT/JP2023/013647 2023-01-06 2023-03-31 緊急通報の管轄エリアの推定における分析対象の指定 WO2024147206A1 (ja)

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